(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】システム、認証サーバ、管理サーバ、認証端末及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20240918BHJP
【FI】
G06Q20/38 350
(21)【出願番号】P 2022579234
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 JP2021004084
(87)【国際公開番号】W WO2022168225
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168310
【氏名又は名称】▲高▼橋 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】北方 秀典
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-013407(JP,A)
【文献】特開2014-038432(JP,A)
【文献】特開2012-027740(JP,A)
【文献】特開2011-145997(JP,A)
【文献】特開2017-111511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する、認証サーバと、
前記認証サーバと接続され、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、管理サーバと、
前記認証サーバ、前記管理サーバと接続された認証端末と、
を含み、
前記認証端末は、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を前記認証サーバに送信し、
前記認証サーバは、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、システム。
【請求項2】
前記認証端末は、前記所有クーポン情報を用いて、前記第1の利用者が使用を希望する電子クーポンの選択するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記認証端末は、前記第1の利用者が使用を希望する電子クーポンに関する使用クーポン情報を前記管理サーバに送信する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記使用クーポン情報により通知された、前記第1の利用者が使用を希望する電子クーポンの有効性を検証する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記管理サーバは、前記有効性が確認された電子クーポンを削除する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記認証サーバは、前記複数の利用者それぞれの生体情報と、各利用者が所有する少なくとも1以上の紙クーポンの情報と、を対応付けて記憶し、
前記認証端末は、前記複数の利用者のうち紙クーポンを使用する第2の利用者の生体情報を含む認証要求を前記認証サーバに送信し、
前記認証サーバは、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第2の利用者を特定すると共に、前記特定された第2の利用者が所有する紙クーポンに関する前記所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の利用者の生体情報と前記第2の利用者が購入した紙クーポンを撮影した紙クーポン画像を含むクーポン登録要求を前記認証サーバに送信する、端末をさらに含み、
前記認証サーバは、前記クーポン登録要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第2の利用者を特定し、前記特定された利用者と前記紙クーポン画像から得られる紙クーポンの情報を対応付けて記憶する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記端末は、前記第2の利用者の生体情報と前記紙クーポン画像を取得するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記端末は、前記認証サーバに登録済みの紙クーポンと前記認証サーバに未登録な紙クーポンを区別しつつ表示し、前記未登録な紙クーポンを登録するためのボタンを有するGUI(Graphical User Interface)を表示する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記端末は、前記ボタンが押下されると、前記第2の利用者の生体情報を取得する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記生体情報は、顔画像又は前記顔画像から生成された特徴量である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する、データベースと、
認証端末から、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を受信する、受信部と、
前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定する認証部と、
前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、管理サーバに送信する、送信部と、
を備える、認証サーバ。
【請求項13】
複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する、認証サーバと、
前記認証サーバと接続され、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、管理サーバと、
前記認証サーバ、前記管理サーバと接続された認証端末と、
を含むシステムにおいて、
前記認証端末が、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を前記認証サーバに送信し、
前記認証サーバが、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバが、前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、認証サーバ、管理サーバ、認証端末及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者等が所持するクーポンを扱うシステムが存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、商品の代金を決済する際に店舗端末がユーザ端末に表示されたクーポンを読み取るシステムにおいて、店舗の負担を軽減できるようにする、と記載されている。特許文献1の特典提供装置は、決済用トークン要求受信部と、トークン生成部と、トークン送信部と、決済要求受信部と、有効性判定部と、特典提供部と、を備える。決済用トークン要求受信部は、ユーザ識別情報を含むトークン要求をユーザ端末から受信する。トークン生成部は、クーポン識別情報とユーザ識別情報とに関連付けられたトークンを生成する。トークン送信部は、トークンをユーザ端末へ送信する。決済要求受信部は、トークンを含む決済要求を店舗端末から受信する。有効性判定部は、クーポン識別情報に関連付けられたクーポンが有効であるか否かを判定する。特典提供部は、クーポンが有効であると有効性判定部が判定した場合に、トークンに対応するクーポン識別情報に関連付けられたクーポンによる特典をユーザに提供する。
【0004】
特許文献2には、実店舗における決済を簡略化する、と記載されている。特許文献2の情報処理装置は、対応付け部と、取得部と、選択部と、算出部とを備える。対応付け部は、ユーザ端末からの要求によってユーザIDとクーポン情報とを対応付ける。取得部は、ユーザ端末または店舗端末の一方からユーザID、店舗IDおよび利用金額を取得する。選択部は、取得部によって取得された利用金額に対して適用可能なクーポン情報をユーザIDおよび店舗IDに基づいて選択する。算出部は、選択部によって選択されたクーポン情報を利用金額に適用した精算金額を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-155125号公報
【文献】特開2020-004386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クーポンは、種々の目的で発行される。例えば、小売店等が販促のために発行するクーポンに加え、地域経済の復興を目的として自治体等がクーポンを発行(販売)することもある。利用者は、複数のクーポンを購入することも多く、その場合、所有するクーポンの管理が負担となる。
【0007】
本発明は、クーポン購入者の負担を軽減することに寄与する、システム、認証サーバ、管理サーバ、認証端末及び方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の視点によれば、複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する、認証サーバと、前記認証サーバと接続され、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、管理サーバと、前記認証サーバ、前記管理サーバと接続された認証端末と、を含み、前記認証端末は、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を前記認証サーバに送信し、前記認証サーバは、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を前記管理サーバに送信し、前記管理サーバは、前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、システムが提供される。
【0009】
本発明の第2の視点によれば、複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する、データベースと、認証端末から、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を受信する、受信部と、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定する認証部と、前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、管理サーバに送信する、送信部と、を備える、認証サーバが提供される。
【0010】
本発明の第3の視点によれば、複数の利用者それぞれのユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、データベースと、前記複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶し、認証端末から、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を受信し、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を送信する、認証サーバから前記クーポン情報送信指示を受信する、受信部と、前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、送信部と、を備える、管理サーバが提供される。
【0011】
本発明の第4の視点によれば、複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する認証サーバに対し、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を送信する、送信部と、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶し、前記認証サーバから前記第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を受信する管理サーバから、前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を受信する、受信部と、を備える、認証端末が提供される。
【0012】
本発明の第5の視点によれば、複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する、認証サーバと、前記認証サーバと接続され、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、管理サーバと、前記認証サーバ、前記管理サーバと接続された認証端末と、を含むシステムにおいて、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を前記認証サーバに送信し、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を前記管理サーバに送信し、前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各視点によれば、クーポン購入者の負担を軽減することに寄与する、システム、認証サーバ、管理サーバ、認証端末及び方法が提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態の概要を説明するための図である。
【
図2】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略動作を説明するための図である。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略動作を説明するための図である。
【
図5】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略動作を説明するための図である。
【
図6】第1の実施形態に係る認証サーバの処理構成の一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態に係る管理サーバの処理構成の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係るクーポン販売部の動作を説明するための図である。
【
図10】第1の実施形態に係るクーポン詳細情報データベースの一例を示す図である。
【
図11】第1の実施形態に係るクーポン管理データベースの一例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態に係る認証端末の処理構成の一例を示す図である。
【
図13】第1の実施形態に係るクーポン使用部の動作を説明するための図である。
【
図14】第1の実施形態に係る端末の処理構成の一例を示す図である。
【
図15】第1の実施形態に係る利用者登録要求部の動作を説明するための図である。
【
図16】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図17】第2の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図18】第2の実施形態に係る端末の処理構成の一例を示す図である。
【
図19】第2の実施形態に係る認証サーバの処理構成の一例を示す図である。
【
図20】第2の実施形態に係る紙クーポンの一例を示す図である。
【
図21】第2の実施形態に係るクーポン登録要求部の動作を説明するための図である。
【
図22】第2の実施形態に係る端末の動作を説明するための図である。
【
図23】第2の実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図24】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図25】第2の実施形態に係る変形例のクーポン登録要求部の動作を説明するための図である。
【
図26】本願開示の認証サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0016】
一実施形態に係るシステムは、認証サーバ101と、認証サーバ101と接続された管理サーバ102と、認証端末103と、を含む(
図1参照)。認証サーバ101は、複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する。管理サーバ102は、複数の利用者それぞれのユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する。認証端末103は、認証サーバ101、管理サーバ102と接続される。認証端末103は、複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を認証サーバ101に送信する。認証サーバ101は、認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を管理サーバ102に送信する。管理サーバ102は、クーポン情報送信指示に含まれる第1のユーザIDに対応する第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を認証端末103に送信する。
【0017】
図1に示すシステムでは、利用者が購入したクーポン(電子クーポン)はユーザIDを介して生体情報と対応付けて記憶されている。クーポン購入者がクーポンを使用する際には、認証端末103が、当該購入者の生体情報を取得して認証サーバ101に認証を要求する。認証サーバ101は、利用者のユーザIDと電子クーポンの情報(例えば、クーポンID)を記憶している管理サーバ102に対して、被認証者が所有するクーポンの情報を認証端末103に送信するように指示する。認証端末は、受信した所有クーポンの情報を利用者に提示することで、利用者は所有するクーポンのうち使用するクーポンを容易に選択することができる。その結果、クーポン購入者の負担は軽減される。
【0018】
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0020】
図2は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2を参照すると、情報処理システムには、認証センター、観光センター、複数の店舗が含まれる。
【0021】
図2に示す情報処理システムは、利用者にクーポンを販売し、当該販売されたクーポンを管理するシステムである。例えば、情報処理システムは、観光促進、観光復興を目的とするようなクーポンを販売する。情報処理システムは、クーポンの販売や使用の管理に生体認証を用いる。
【0022】
第1の実施形態では、情報処理システムが扱うクーポンは電子的なクーポン(電子クーポン)とする。電子クーポンを購入した利用者は、システムに加盟している店舗から電子クーポンの購入額よりも大きい割引等の特典を受けることができる。電子クーポンを受け取った店舗は、使用された電子クーポンを観光センターに連絡することで、割引額の払い戻しを受ける。
【0023】
認証センターは、生体認証に係るサービスを提供する企業、団体である。認証センターは、認証サーバ10を備える。認証サーバ10は、情報処理システムの生体認証を担う装置である。認証サーバ10は、認証センターの建物内に設置されていてもよいし、クラウド上に設置されていてもよい。
【0024】
観光センターは、観光等に関するサービスの全般を提供する組織、団体である。観光センターは、地域連携都市圏復興社(DMO;Destination Management/Marketing Organization)と称されることもある。観光センターは、観光地のPR(Public Relations)等を行う。また、観光センターは、地域で共通して使えるクーポンの販売や管理を行う。観光センターは、管理サーバ20を備える。管理サーバ20は、観光センターの建物内に設置されていてもよいし、クラウド上に設置されていてもよい。
【0025】
観光センターが管轄する地域には、複数の店舗が含まれる。利用者は、当該複数の店舗のなかで情報処理システム(クーポン提供システム)に加盟している店舗において電子クーポンを使用できる。
【0026】
システムに加盟している店舗には、認証端末30が設置されている。観光地を訪れた観光客等は、認証端末30を用いて商品を購入したり観光情報(観光案内)を取得したりする。また、観光客等は、認証端末30を用いて商品を購入する際、観光センターから購入した電子クーポンを使用できる。
【0027】
図2に示す各装置は相互に接続されている。例えば、認証サーバ10と管理サーバ20は、有線又は無線の通信手段により接続され、相互に通信が可能となるように構成されている。
【0028】
図2は例示であって、本願開示の情報処理システムの構成等を限定する趣旨ではない。例えば、認証センターには2台以上の認証サーバ10が含まれていてもよい。あるいは、各店舗には少なくとも1台以上の認証端末30が含まれればよい。
【0029】
[システムの動作概略]
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略動作について説明する。
【0030】
[利用者登録]
図3に示すように、電子クーポンの購入を希望する利用者は、事前に利用者登録を行う。利用者は、自身の生体情報を認証サーバ10に登録する。例えば、利用者は、所持する端末40を操作して生体情報を認証サーバ10に登録する。その際、端末40は、利用者の生体情報を含む「利用者登録要求」を認証サーバ10に送信する。
【0031】
利用者の生体情報には、例えば、顔、指紋、声紋、静脈、網膜、瞳の虹彩の模様(パターン)といった個人に固有の身体的特徴から計算されるデータ(特徴量)が例示される。あるいは、利用者の生体情報は、顔画像、指紋画像等の画像データであってもよい。利用者の生体情報は、利用者の身体的特徴を情報として含むものであればよい。第1の実施形態では、生体情報は顔画像又は当該顔画像から生成された特徴量とする。
【0032】
認証サーバ10は、生体情報(例えば、顔画像)を取得すると、利用者を識別するためのユーザID(Identifier)を生成する。認証サーバ10は、利用者の生体情報とユーザIDを対応付けて利用者情報データベース(DB;Database)に記憶する。認証サーバ10は、利用者情報データベースを用いて、複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する。
【0033】
認証サーバ10は、生成したユーザIDを利用者に払い出す。より具体的には、利用者登録に成功すると、認証サーバ10は、生成したユーザIDを含む肯定応答を端末40に送信する。
【0034】
[電子クーポン購入]
図4に示すように、利用者は、観光センターの管理サーバ20にアクセスして電子クーポンを購入する。その際、利用者は、認証サーバ10から払い出されたユーザIDを管理サーバ20に提示する。
【0035】
管理サーバ20は、提示されたユーザIDの検証を認証サーバ10に依頼する。具体的には、管理サーバ20は、ユーザIDを含む「検証要求」を認証サーバ10に送信する。
【0036】
認証サーバ10は、検証要求に含まれるユーザIDが事前に利用者登録を行った利用者に払い出したユーザIDか否かを検証する。具体的には、認証サーバ10は、当該ユーザIDが利用者情報データベースに登録されているか否かを検証する。
【0037】
ユーザIDが利用者情報データベースに登録されていれば、認証サーバ10は、「検証成功」を管理サーバ20に通知する。ユーザIDが利用者情報データベースに登録されていなければ、認証サーバ10は、「検証失敗」を管理サーバ20に通知する。
【0038】
管理サーバ20は、利用者からユーザIDが提示されない時、又は、認証サーバ10の検証結果が「検証失敗」であれば、当該利用者に電子クーポンを販売しない。
【0039】
検証結果が「検証成功」であれば、管理サーバ20は、利用者に電子クーポンを販売する。利用者に電子クーポンを販売すると、管理サーバ20は、利用者のユーザIDと利用者に販売した電子クーポンのIDを対応付けてクーポン管理データベースに記憶する。管理サーバ20は、クーポン管理データベースを用いて、複数の利用者それぞれのユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報(クーポンID)を対応付けて記憶する。
【0040】
[電子クーポン使用]
図5に示すように、情報処理システムに加盟する店舗を訪れた利用者は、商品等を購入する。商品を購入すると、利用者は、認証端末30を使って代金の決済を行う。その際、利用者は、観光センターから購入した電子クーポンを使用することができる。
【0041】
利用者が電子クーポンの使用を希望すると、認証端末30は、当該利用者の生体情報(例えば、顔画像)を取得する。認証端末30は、取得した生体情報と端末IDを含む「認証要求」を認証サーバ10に送信する(S01)。
【0042】
端末IDは、認証端末30を識別するための識別情報である。端末IDには、認証端末30のMAC(Media Access Control)アドレス、IP(Internet Protocol)アドレス等を用いることができる。端末IDは、任意の手段によって認証サーバ10、管理サーバ20、認証端末30の間で共有される。
【0043】
認証サーバ10は、取得した生体情報と事前登録された生体情報を用いた生体認証(照合処理)により利用者を特定する。認証サーバ10は、特定した利用者のユーザIDと端末IDを含む「クーポン情報送信指示」を管理サーバ20に送信する(S02)。
【0044】
管理サーバ20は、クーポン情報送信指示からユーザIDを取り出す。管理サーバ20は、クーポン管理データベースにアクセスし、取り出したユーザIDに関連付けられて記憶されている少なくとも1以上のクーポンIDを取得する。
【0045】
管理サーバ20は、取得したクーポンIDに対応する電子クーポンの詳細な情報を含む「所有クーポン情報」を認証端末30に送信する(S03)。管理サーバ20は、利用者が所有しているクーポン(購入済みのクーポン)の情報を「所有クーポン情報」として認証端末30に送信する。
【0046】
所有クーポン情報を受信すると、認証端末30は、面前の利用者が保持しているクーポンの一覧を表示する。当該一覧に接した利用者は、使用するクーポンを選択する。
【0047】
認証端末30は、選択されたクーポンのクーポンIDを含む「使用クーポン情報」を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20は、選択された電子クーポンの有効性を確認した後、クーポン管理データベースから使用されたクーポンの情報を削除する。また、管理サーバ20は、使用されたクーポンの還付額(割引額)を、電子クーポンが使用された店舗に支払う。
【0048】
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
【0049】
[認証サーバ]
図6は、第1の実施形態に係る認証サーバ10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図6を参照すると、認証サーバ10は、通信制御部201と、利用者登録部202と、ID検証部203と、認証部204と、記憶部205と、を備える。
【0050】
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、管理サーバ20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、管理サーバ20に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部201は、情報を送信する送信部と情報を受信する受信部の機能を備える。
【0051】
利用者登録部202は、上述の利用者登録を実現する手段である。利用者登録部202は、任意の手段を用いて利用者の生体情報を取得する。例えば、利用者登録部202は、端末40から「利用者登録要求」を受信し、生体情報(例えば、顔画像)を取得する。あるいは、登録を希望する利用者が生体情報を記憶した外部記憶媒体を認証センターに送付し、認証センターの職員等が当該外部記憶媒体を用いて生体情報を認証サーバ10に入力してもよい。
【0052】
利用者登録部202は、取得した顔画像から特徴量(複数の特徴量からなる特徴ベクトル)を生成する。なお、特徴量の生成処理に関しては既存の技術を用いることができるのでその詳細な説明を省略する。例えば、利用者登録部202は、顔画像から目、鼻、口等を特徴点として抽出する。その後、利用者登録部202は、特徴点それぞれの位置や各特徴点間の距離を特徴量として計算し、複数の特徴量からなる特徴ベクトル(顔画像を特徴づけるベクトル情報)を生成する。
【0053】
利用者登録部202は、取得した顔画像から特徴量の生成に失敗すると、その旨を示す否定応答を端末40に送信する。
【0054】
利用者登録部202は、特徴量の生成に成功すると、利用者(登録希望者)を一意に識別するためのユーザIDを生成する。例えば、利用者登録部202は、利用者登録のたびにユーザIDを採番する。
【0055】
また、特徴量の生成に成功すると、利用者登録部202は、生成したユーザIDを含む肯定応答を端末40に送信する。
【0056】
利用者登録部202は、生成したユーザIDと生体情報(例えば、特徴量)を利用者情報データベースに記憶する(
図7参照)。
【0057】
なお、
図7に示す利用者情報データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。例えば、特徴量に代えて又は加えて顔画像に係る生体情報が利用者情報データベースに記憶されていてもよい。
【0058】
ID検証部203は、管理サーバ20が送信する検証要求に含まれるユーザIDを検証する手段である。ID検証部203は、検証要求からユーザIDを取り出す。ID検証部203は、取り出したユーザIDをキーとして利用者情報データベースを検索する。
【0059】
検索に成功すれば、ID検証部203は、ユーザIDの検証に成功したと判定する。検索に失敗すれば、ID検証部203は、ユーザIDの検証に失敗したと判定する。ID検証部203は、検証結果(検証成功、検証失敗)を管理サーバ20に送信する。
【0060】
認証部204は、認証端末30から受信した認証要求を処理する手段である。認証部204は、認証要求から生体情報(例えば、顔画像)を取り出す。認証部204は、取り出した顔画像から特徴量を生成する。
【0061】
認証部204は、当該生成された特徴量を照合側の特徴量、利用者情報データベースに格納された特徴量を登録側の特徴量にそれぞれ設定し、1対N照合を実行する(Nは正の整数、以下同じ)。具体的には、認証部204は、照合側と複数の登録側それぞれの特徴量との間の類似度を計算する。当該類似度には、カイ二乗距離やユークリッド距離等を用いることができる。なお、距離が離れているほど類似度は低く、距離が近いほど類似度が高い。
【0062】
認証部204は、利用者情報データベースに登録された複数の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上の特徴量が存在するか否か判定する。そのような特徴量が存在しない場合、認証部204は、認証に失敗したと判定する。
【0063】
上記のような特徴量が存在する場合、認証部204は、認証に成功したと判定する。認証に成功した場合、認証部204は、利用者情報データベースのエントリのなかから類似度が最も高いエントリを特定する。
【0064】
認証部204は、認証結果を認証端末30に送信する。認証に失敗した場合には、認証部204は、その旨を示す否定応答を認証端末30に送信する。認証に成功した場合には、認証部204は、その旨を示す肯定応答を認証端末30に送信する。
【0065】
また、認証に成功した場合には、認証部204は、上記特定されたエントリのユーザIDを読み出す。認証部204は、当該読み出したユーザIDと認証端末30から取得した端末IDを含む「クーポン情報送信指示」を管理サーバ20に送信する。
【0066】
記憶部205は、認証サーバ10の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0067】
[管理サーバ]
図8は、第1の実施形態に係る管理サーバ20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図8を参照すると、管理サーバ20は、通信制御部301と、クーポン販売部302と、クーポン管理部303と、記憶部304と、を備える。
【0068】
通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部301は、認証サーバ10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、認証サーバ10に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部301は、情報を送信する送信部と情報を受信する受信部の機能を備える。
【0069】
クーポン販売部302は、電子クーポンを販売する手段である。クーポン販売部302は、端末40がクーポン販売のためのWEB(ウェブ)ページにアクセスすると、端末40に対しユーザIDの送信を要求する。
【0070】
端末40からユーザIDを取得できない場合には、クーポン販売部302は、当該利用者に対してクーポンを販売しない。当該利用者はクーポン購入のための必要な利用者登録をしていないためである。
【0071】
端末40からユーザIDを取得できた場合には、クーポン販売部302は、取得したユーザIDを含む検証要求を認証サーバ10に送信する。
【0072】
認証サーバ10からの検証結果が「検証失敗」の場合には、クーポン販売部302は、利用者に対してクーポンを販売しない。この場合にも、当該利用者はクーポン購入のための必要な利用者登録をしていないためである。
【0073】
認証サーバ10からの検証結果が「検証成功」の場合には、クーポン販売部302は、利用者に電子クーポンを販売するためのページ、入力フォーム等を端末40に表示する。例えば、クーポン販売部302は、
図9に示すように、購入可能な電子クーポンの名称、電子クーポンが利用できるエリア、有効期間、販売額、還付額等を端末40に表示する。
【0074】
なお、クーポン販売部302は、
図9に示すような表示を生成する際、クーポンIDとクーポンの詳細情報を対応付けて記憶するクーポン詳細情報データベースを参照する(
図10参照)。
図10に示すように、クーポン詳細情報データベースは、クーポンIDとクーポン詳細情報(電子クーポンの利用可能エリア、有効期間、販売額、還付額等を含む情報)を記憶する。
【0075】
利用者が電子クーポンを購入(電子クーポンの支払いが完了)すると、クーポン販売部302は、電子クーポンの購入者のユーザIDと販売した電子クーポンのクーポンIDを対応付けてクーポン管理データベースに記憶する(
図11参照)。
【0076】
なお、同じ利用者が電子クーポンを追加購入する場合もある。このような場合には、クーポン販売部302は、クーポン管理データベースの購入クーポンエントリに販売した電子クーポンのクーポンIDを追記する(
図11の1行目参照)。
【0077】
クーポン管理部303は、利用者に販売された電子クーポンを管理する手段である。クーポン管理部303は、認証サーバ10から「クーポン情報送信指示」を受信する。クーポン管理部303は、当該指示からユーザIDを取り出す。
【0078】
クーポン管理部303は、当該取り出したユーザIDをキーとしてクーポン管理データベースを検索し、対応するエントリを特定する。クーポン管理部303は、特定したエントリの購入クーポンフィールドに記載されているクーポンIDを読み出す。
【0079】
クーポン管理部303は、クーポン詳細情報データベースを参照し、当該読み出したクーポンIDに対応するエントリに記載された情報(クーポンID、クーポン詳細情報)を取得する。例えば、ユーザIDとして「uID01」が割り当てられた利用者が、電子クーポンを使用する際には、購入したクーポンのクーポンID「cID01」、「cID03」と対応するクーポン詳細情報が読み出される(
図11の1行目、
図10の1、3行目参照)。
【0080】
クーポン管理部303は、取得したクーポンID、クーポン詳細情報に基づき「所有クーポン情報」を生成する。
【0081】
クーポン管理部303は、利用者のユーザID(認証サーバ10から取得したユーザID)、クーポンID、クーポン詳細情報を含む所有クーポン情報を生成する。クーポン管理部303は、当該生成した所有クーポン情報を認証サーバ10から取得した端末IDに対応する認証端末30に送信する。
【0082】
クーポン管理部303は、認証端末30から「使用クーポン情報」を受信する。クーポン管理部303は、使用クーポン情報に含まれるユーザIDをキーとしてクーポン管理データベースを検索し、対応するエントリを特定する。
【0083】
クーポン管理部303は、特定したエントリの購入クーポンフィールドに記載されたクーポンIDのうち使用クーポン情報に含まれるクーポンIDの有効性を確認する。例えば、クーポン管理部303は、認証端末30の端末IDから電子クーポンが使用された地域を割り出し、当該地域が使用クーポンの利用可能エリアに含まれるか否か検証する。また、クーポン管理部303は、電子クーポンの使用日時が使用クーポンの有効期間に含まれるか否かを検証する。
【0084】
クーポン管理部303は、上記検証によって利用者が使用を希望する電子クーポンが有効であると判定した場合には、電子クーポンが使用できる旨を認証端末30に通知する。その後、クーポン管理部303は、クーポン管理データベースの購入クーポンフィールドに記載されたクーポンIDのうち使用クーポンのクーポンIDを削除する。
【0085】
上記検証によって利用者が使用を希望する電子クーポンが無効(使用できない)と判定した場合には、クーポン管理部303は、電子クーポンが使用できない旨を認証端末30に通知する。
【0086】
また、クーポン管理部303は、使用されたクーポンの還付額を利用者が電子クーポンを使用した店舗(認証端末30が設置されている店舗)に支払う。具体的には、クーポン管理部303は、端末IDと還付額の支払先の情報(例えば、銀行口座、クレジット情報)を対応付けたテーブル情報を参照し、還付額の支払いを行う。
【0087】
なお、クーポン管理部303は、電子クーポンが使用されるたびに還付額の支払いをしてもよいし、所定のタイミング(例えば、月末)までに蓄積された還付額をまとめて支払ってもよい。
【0088】
記憶部304は、管理サーバ20の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0089】
[認証端末]
図12は、第1の実施形態に係る認証端末30の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図12を参照すると、認証端末30は、通信制御部401と、クーポン使用部402と、記憶部403と、を備える。
【0090】
通信制御部401は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部401は、認証サーバ10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部401は、認証サーバ10に向けてデータを送信する。通信制御部401は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部401は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部401を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部401は、情報を送信する送信部と情報を受信する受信部の機能を備える。
【0091】
クーポン使用部402は、利用者による電子クーポンの使用を制御する手段である。利用者が商品代金の支払い時にクーポンの使用を希望すると、クーポン使用部402は、当該利用者の生体情報を取得する。
【0092】
クーポン使用部402は、カメラを制御し、利用者の生体情報(顔画像)を取得する。より具体的には、クーポン使用部402は、取得した画像に人の顔画像が含まれるか否かを判定し、顔画像が含まれる場合には取得した画像データから顔画像を抽出する。
【0093】
なお、クーポン使用部402による顔画像の抽出処理には既存の技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。例えば、クーポン使用部402は、CNN(Convolutional Neural Network)により学習された学習モデルを用いて、画像データの中から顔画像(顔領域)を抽出してもよい。あるいは、クーポン使用部402は、テンプレートマッチング等の手法を用いて顔画像を抽出してもよい。
【0094】
クーポン使用部402は、抽出した顔画像(生体情報)と自装置の端末IDを含む認証要求を認証サーバ10に送信する。
【0095】
クーポン使用部402は、認証サーバ10から認証結果(認証成功、認証失敗)を取得する。
【0096】
認証に失敗した場合には、クーポン使用部402は、クーポンを使用できない旨を利用者に通知する。
【0097】
認証に成功した場合には、クーポン使用部402は、管理サーバ20から「所有クーポン情報」を受信するまで待機する。クーポン使用部402は、受信した所有クーポン情報に基づいて、利用者が使用するクーポンを選択可能とするGUI(Graphical User Interface)を表示する。例えば、クーポン使用部402は、
図13に示すようなGUIを表示する。
【0098】
クーポン使用部402は、
図13に示すようなGUIによって利用者が使用を希望する電子クーポンに対応するクーポンIDを取得する。クーポン使用部402は、取得したクーポンID、利用者のユーザID(所有クーポン情報に含まれるユーザID)及び端末IDを含む「使用クーポン情報」を管理サーバ20に送信する。
【0099】
管理サーバ20から利用者が選択したクーポンを使用することができない旨が通知された場合には、クーポン使用部402は、当該事実を利用者に通知する。
【0100】
管理サーバ20から利用者が選択したクーポンを使用するできる旨が通知された場合には、クーポン使用部402は、当該事実を、決済処理を担う決済モジュール(
図12において図示せず)に通知する。決済モジュールは、電子クーポンの割引額を減額して商品購入に係る決済を行う。なお、商品の決済処理に関しては本願開示の趣旨とは異なるので詳細な説明を省略する。
【0101】
記憶部403は、認証端末30の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0102】
[端末]
図14は、第1の実施形態に係る端末40の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図14を参照すると、端末40は、通信制御部501と、利用者登録要求部502と、クーポン購入部503と、記憶部504と、を備える。
【0103】
通信制御部501は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部501は、認証サーバ10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部501は、認証サーバ10に向けてデータを送信する。通信制御部501は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部501は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部501を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部501は、情報を送信する送信部と情報を受信する受信部の機能を備える。
【0104】
利用者登録要求部502は、認証サーバ10に利用者登録要求を送信する手段である。利用者登録要求部502は、例えば、
図15に示すようなGUIにより生体情報(顔画像)を取得する。利用者登録要求部502は、取得した顔画像を含む利用者登録要求を認証サーバ10に送信する。
【0105】
認証サーバ10から否定応答を受信した場合には、利用者登録要求部502は、利用者登録に失敗した旨を利用者に通知する。
【0106】
認証サーバ10から肯定応答を受信した場合には、利用者登録要求部502は、利用者登録に成功した旨を利用者に通知する。また、利用者登録要求部502は、肯定応答に含まれるユーザIDを記憶部504に記憶する。
【0107】
クーポン購入部503は、利用者が電子クーポンを購入するための手段である。クーポン購入部503は、管理サーバ20からユーザIDの提供を要求されると、記憶部504に格納されたユーザIDを読み出し、当該ユーザIDを管理サーバ20に送信する。
【0108】
クーポン購入部503は、
図9に示すような表示に接した利用者の操作を管理サーバ20に通知する。なお、電子クーポンの決済処理に関しては本願開示の趣旨とは異なるので詳細な説明を省略する。
【0109】
記憶部504は、端末40の動作に必要な情報を記憶する手段である。
【0110】
[システムの動作]
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作について説明する。なお、利用者登録、電子クーポンの購入に関する動作の説明を省略する。
【0111】
図16は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0112】
認証端末30は、利用者がクーポンの使用を希望すると、当該利用者の生体情報を取得する(ステップS101)。
【0113】
認証端末30は、利用者の生体情報を含む認証要求を認証サーバ10に送信する(ステップS102)。認証端末30は、複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を認証サーバ10に送信する。
【0114】
認証サーバ10は、認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証を実行し、利用者を特定する(認証処理の実行;ステップS103)。
【0115】
認証サーバ10は、クーポン情報の送信を管理サーバ20に指示する(ステップS104)。認証サーバ10は、特定した利用者のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を管理サーバ20に送信する。
【0116】
このように、認証サーバ10は、認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、当該特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を管理サーバ20に送信する。
【0117】
管理サーバ20は、クーポン情報送信指示に含まれるユーザIDを使ってクーポン管理データベースにアクセスし、利用者が購入済みの電子クーポンに関するクーポンIDを取得する(ステップS105)。
【0118】
管理サーバ20は、取得したクーポンIDに基づいて利用者が使用可能なクーポンのリストを作成するための所有クーポン情報を生成し、認証端末30に送信する(ステップS106)。
【0119】
このように、管理サーバ20は、クーポン情報送信指示に含まれる第1のユーザIDに対応する第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を認証端末30に送信する。所有クーポン情報には、第1の利用者が所有している電子クーポンのクーポンIDや電子クーポンの詳細な情報が含まれる。
【0120】
認証端末30は、取得した所有クーポン情報に基づいて、利用者が使用するクーポンを選択するためのGUIを表示し、使用クーポンを取得する(ステップS107)。認証端末30は、所有クーポン情報を用いて、第1の利用者が使用を希望する電子クーポンの選択するためのGUIを表示する。
【0121】
認証端末30は、使用された電子クーポンのクーポンIDを含む使用クーポン情報を管理サーバ20に送信する(ステップS108)。認証端末30は、第1の利用者が使用を希望する電子クーポンに関する使用クーポン情報を管理サーバ20に送信する。使用クーポン情報には、第1の利用者が選択した電子クーポンのクーポンIDが含まれる。
【0122】
管理サーバ20は、使用された電子クーポンの有効性を確認し、有効な電子クーポンが使用された場合には、当該電子クーポンのクーポンIDをクーポン管理データベースから削除する(ステップS109)。管理サーバ20は、使用クーポン情報により通知された、第1の利用者が使用を希望する電子クーポンの有効性を検証した後、有効性が確認された電子クーポンを削除する。
【0123】
以上のように、第1の実施形態に係る情報処理システムでは、認証サーバ10が利用者のユーザIDと生体情報を記憶する。また、管理サーバ20が、利用者のユーザIDと電子クーポンの情報(クーポンID)を記憶する。電子クーポンが使用される際、生体認証によって利用者が特定され、ユーザIDが管理サーバ20に送信される。管理サーバ20は、ユーザIDに紐づけられた電子クーポンの情報を認証端末30に送信する。認証端末30は、受信した電子クーポンの情報に基づき、利用者(被認証者)が所有するクーポンのリストを表示し、利用者による使用クーポンの選択を可能とする。その結果、利用者は自身で購入したクーポンを管理する必要がなくなり、クーポン使用時の利便性を向上させることができる。また、利用者が購入した電子クーポンを使用する際、自身の端末40を必要としないので、利用者が端末40を所持していなくとも購入した電子クーポンを簡単に使用することができる。
【0124】
また、第1の実施形態に係る情報システムの構成のように、クーポンの情報を保持する主体(サーバ)と生体情報を保持する主体を分離することで、いずれか一方から情報漏洩が発生したとしても被害を最小限に抑えることができる。
【0125】
さらに、第1の実施形態に係る情報処理システムでは、電子クーポンを購入した利用者は、電子クーポンを店舗に提示する。利用者は、当該電子クーポンの有効性などが確認された後に特典(割引)が受けられる。電子クーポンが使用されると、管理サーバ20は、各店舗に対して割引額の支払いを行う。このように、第1の実施形態では、使用済みのクーポン(紙媒体のクーポン)を観光センター等に渡し、その後換金を受けるといったことが不要となる。そのため、電子クーポンの使用に伴う各店舗の労力は低減する。
【0126】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0127】
第1の実施形態では、情報処理システムが扱うクーポンは電子クーポンである場合について説明した。しかし、観光センターが電子クーポンの販売に対応するためには、EC(Electronic Commerce)サイトを用意する必要があるなど、電子クーポンの取り扱いには困難な側面もある。とりわけ、クーポンを早急に発行することが必要な場合など、電子クーポンよりも紙媒体のクーポン(以下、紙クーポンと表記する)の発行が簡便なときもある。
【0128】
第2の実施形態では、観光センターが紙クーポンを発行する場合について説明する。ただし、第2の実施形態においてもシステムに加盟する各店舗において生体認証が実行され、利用者が特定される点については変わらない。
【0129】
以下、第1及び第2の実施形態の相違点について説明する。
【0130】
図17は、第2の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図17に示すように、第2の実施形態には、管理サーバ20が含まれない。
【0131】
図18は、第2の実施形態に係る端末40の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図18を参照すると、第1の実施形態に係る端末40の構成にクーポン登録要求部505が追加されている。
【0132】
クーポン登録要求部505は、利用者が購入した紙クーポンの登録を認証サーバ10に要求する手段である。
【0133】
図19は、第2の実施形態に係る認証サーバ10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。
図19を参照すると、第1の実施形態に係る認証サーバ10の構成に、クーポン登録部206とクーポン管理部207が追加されている。また、第2の実施形態に係る認証サーバ10は、
図19に示すようにID検証部203を備えていなくともよい。なお、第2の実施形態に係る認証サーバ10は、紙クーポンに関する
図10に示すようなクーポン詳細情報データベースを備える。
【0134】
クーポン登録部206は、端末40から受信したクーポン登録要求を処理する手段である。
【0135】
クーポン管理部207は、利用者に販売したクーポンの管理を行う手段である。
【0136】
第2の実施形態では、利用者は、観光センターから紙クーポンを購入する。例えば、利用者は、
図20に示すような紙媒体のクーポンを購入する。
【0137】
紙クーポンを購入した利用者は、端末40を操作して当該購入した紙クーポンを認証サーバ10に登録する。その際、端末40は、紙クーポンと利用者を撮影する。例えば、端末40は、利用者の生体情報(顔画像)と紙クーポン画像を取得するためのGUIを生成し、表示する。
【0138】
例えば、クーポン登録要求部505は、
図21に示すようなGUIを用いて利用者の生体情報(顔画像)と紙クーポンを撮影した紙クーポン画像を取得する。利用者は、顔撮影ボタンやクーポン撮影ボタンの右側に設けられたプレビュー領域でカメラが写す顔、紙クーポンを視認しながら、自身のタイミングで撮影ボタンを押下する。
【0139】
クーポン登録要求部505は、取得した生体情報(顔画像)と紙クーポン画像を含む「クーポン登録要求」を認証サーバ10に送信する(
図22参照)。
【0140】
クーポン登録要求を受信すると、認証サーバ10は、認証部204を用いて生体認証を行う。認証部204は、クーポン登録要求に含まれる生体情報と利用者情報データベースに登録された生体情報を用いた照合処理(1対N照合;Nは正の整数)により利用者を特定する。
【0141】
認証部204は、生体認証の結果をクーポン登録部206に通知する。
【0142】
認証に成功すると、クーポン登録部206は、クーポン登録要求に含まれる紙クーポン画像に写る紙クーポンを利用者情報データベースに登録する。
【0143】
具体的には、クーポン登録部206は、紙クーポン画像を解析することで利用者が購入したクーポンの種類を特定する。クーポン登録部206は、特定したクーポンの種類に対応するクーポンIDを利用者情報データベースに記憶(追記)する(
図23参照)。
図23に示すように、認証サーバ10は、利用者情報データベースを用いて、複数の利用者それぞれの生体情報と、各利用者が所有する少なくとも1以上の紙クーポンの情報(クーポンID)と、を対応付けて記憶する。
【0144】
なお、紙クーポン画像の解析には、予め用意された学習モデルを用いることができる。具体的には、紙クーポン画像にラベル(クーポンID)が付与された教師データを用いた機械学習を行い、学習モデル(識別器)を生成する。クーポン登録部206は、生成された学習モデルに紙クーポン画像を入力することでクーポンIDを得ることができる。学習モデルの生成には、サポートベクタマシン、ブースティングやニューラルネットワーク等の任意のアルゴリズムを用いることができる。なお、上記サポートベクタマシン等のアルゴリズムは公知の技術を使用することができるので、その説明を省略する。
【0145】
クーポン登録部206は、クーポン登録要求を正常に処理した場合には、肯定応答を端末40に送信する。例えば、認証に失敗した場合等、クーポン登録要求を正常に処理できなかった場合には、クーポン登録部206は、否定応答を端末40に送信する。
【0146】
なお、認証部204は、第1の実施形態と同様に、認証端末30から受信した認証要求を処理する。認証部204は、利用者の生体認証に成功すると、特定した利用者のユーザIDをクーポン管理部207に通知する。
【0147】
クーポン管理部207は、第1の実施形態に係る管理サーバ20のクーポン管理部303に準じた動作を行う。具体的には、クーポン管理部207は、通知されたユーザIDを用いて紙クーポンのクーポンIDを利用者情報データベースから取得する。例えば、
図23の例では、ユーザIDとして「uID11」が通知されれば、クーポン管理部207は、対応する購入クーポンフィールドから「cID21」、「cID23」のクーポンIDを取得する。
【0148】
クーポン管理部207は、取得したクーポンIDを用いてクーポン詳細情報データベースからクーポン詳細情報を取得する。
【0149】
クーポン管理部207は、ユーザID、クーポンID、クーポン詳細情報を含む所有クーポン情報を認証端末30に送信する。
【0150】
また、クーポン管理部207は、認証端末30から使用クーポン情報を取得し、利用者が使用するクーポンに関する処理を行う。具体的には、クーポン管理部207は、使用クーポンの有効性を確認し、有効な紙クーポンが使用された場合には、当該紙クーポンのクーポンIDを利用者情報データベースから削除する。
【0151】
なお、第2の実施形態には、管理サーバ20が存在しないので、認証センター(認証サーバ10)は、紙クーポンの使用実績を定期的又は所定のタイミングで観光センターに連絡する。観光センターは、クーポンの使用実績を受領し、各店舗に支払う還付額を計算する。還付額は、オンライン又はオフラインで各店舗に支払われる。
【0152】
続いて、第2の実施形態に係る情報処理システムの動作について説明する。
【0153】
図24は、第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0154】
端末40は、利用者の生体情報(例えば、顔画像)を認証サーバ10に送信する(ステップS201)。
【0155】
認証サーバ10は、受信した顔画像から特徴量(生体情報)を生成し、利用者情報データベースに記憶する(ステップS202)。なお、第2の実施形態では、認証サーバ10は、端末40にユーザIDを払い出さなくともよい。
【0156】
利用者は、観光センターから紙クーポンを購入する。利用者は、購入した紙クーポンを認証サーバ10に登録する。具体的には、端末40は、利用者の生体情報と紙クーポンを撮影した紙クーポン画像を含むクーポン登録要求を認証サーバ10に送信する(ステップS203)。
【0157】
認証サーバ10は、生体認証により利用者を特定し、紙クーポンのクーポンIDを利用者情報データベースに記憶する(ステップS204)。
【0158】
このように、端末40は、利用者の生体情報と当該利用者が購入した紙クーポンを撮影した紙クーポン画像を含むクーポン登録要求を認証サーバ10に送信する。認証サーバ10は、クーポン登録要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により利用者を特定し、当該特定された利用者と紙クーポン画像から得られる紙クーポンの情報(クーポンID)を対応付けて記憶する。
【0159】
利用者は、店舗を訪問し、商品を購入する。利用者は、認証端末30を用いて商品購入時の決済手続きを行う。
【0160】
認証端末30は、購入者(被認証者)の生体情報を取得し、当該生体情報を含む認証要求を認証サーバ10に送信する(ステップS205)。認証端末30は、複数の利用者のうち紙クーポンを使用する第2の利用者の生体情報を含む認証要求を認証サーバ10に送信する。
【0161】
認証サーバ10は、生体認証により購入者を特定し、当該特定された購入者が所有する紙クーポンに関する「所有クーポン情報」を認証端末30に送信する(ステップS206)。認証サーバ10は、認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により第2の利用者を特定すると共に、特定された第2の利用者が所有する紙クーポンに関する所有クーポン情報を認証端末30に送信する。
【0162】
認証端末30は、受信した所有クーポン情報に基づいて、利用者が所有する紙クーポンの一覧を表示する(所有クーポンの表示;ステップS207)。
【0163】
利用者は、表示された一覧(リスト)から使用する紙クーポンを選択する。認証端末30は、選択された紙クーポンに関する使用クーポン情報を認証サーバ10に送信する(ステップS208)。
【0164】
認証サーバ10は、使用クーポンの有効性を検証し、クーポンの使用可否を認証端末30に通知する。また、認証サーバ10は、使用クーポンが有効であれば、対応するクーポンIDを利用者情報データベースから削除する(ステップS209)。
【0165】
使用クーポン(利用者が選択した紙クーポン)が有効であれば、認証端末30は、紙クーポンによる割引をしつつ、決済処理を行う。なお、決済処理は、生体認証を使った決済(例えば、顔決済)、現金決済、電子決済のいずれであってもよい。
【0166】
認証センターは、使用されたクーポンの情報を観光センターに通知する。観光センターは、使用された紙クーポンに対応する換金処理を行う。具体的には、観光センターは、紙クーポンが使用された店舗に対して所定の金額を振り込む。
【0167】
なお、観光センター等の職員は、システムに登録された紙クーポンを回収し、廃棄してもよい。つまり、利用者は、紙クーポンの購入時に当該紙クーポンを撮影し、システムに登録した紙クーポンを観光センターの職員等に渡す。職員等は、回収した紙クーポンを裁断して破棄する。
【0168】
<第2の実施形態に係る変形例1>
上記説明では、端末40は、紙クーポンの登録時に顔画像と紙クーポン画像を同時(同じ画面)で取得する場合について説明した。しかし、端末40は、これらの画像を異なるタイミングで取得してもよい。
【0169】
例えば、端末40は、登録済みの紙クーポン画像と未登録の紙クーポン画像を内部で管理し、利用者からの要求に応じてこれらの画像に関する一覧を表示する。さらに、端末40は、登録済みの紙クーポン画像と未登録の紙クーポン画像を利用者が区別可能なように表示しつつ、未登録な紙クーポン画像を登録するためのボタン等を表示してもよい。
【0170】
例えば、クーポン登録要求部505は、
図25に示すようなGUIを表示する。
図25では、登録済みの紙クーポン画像は実線で表記され、未登録な紙クーポン画像は点線で表記されている。また、未登録な紙クーポン画像を登録するための「登録」ボタンが表示されている。
【0171】
未登録な紙クーポン画像に関する「登録」ボタンが押下されると、クーポン登録要求部505は、利用者の顔画像を取得するためのGUIに移行し、顔画像を取得する。このように、クーポン登録要求部505は、異なるタイミングで取得された顔画像(生体情報)と紙クーポン画像を含むクーポン登録要求を認証サーバ10に送信してもよい。
【0172】
<第2の実施形態に係る変形例2>
ここで、
図20に示すように紙クーポンにシリアル番号(SN;Serial Number)が付与されている場合には、クーポン登録部206は、当該シリアル番号も併せて管理することが望ましい。クーポン登録部206は、光学文字認識技術(OCR;Optical Character Reader)を用いることで紙クーポン画像からシリアル番号を取得できる。
【0173】
紙クーポンにシリアル番号が記載されている場合には、クーポン登録部206は、登録済み紙クーポンのシリアル番号を、リストを用いて管理する。クーポン登録部206は、紙クーポンを登録する際、当該リストを確認しリストに登録されているシリアル番号と同一の紙クーポンの登録を拒否する。クーポン登録部206は、そのような紙クーポンの登録を拒否することで、販売された紙クーポンが何度も使用されることを防止する。
【0174】
以上のように、第2の実施形態に係る情報処理システムでは、利用者は、観光センターから購入した紙クーポンを撮影し、生体情報と共に当該紙クーポンの情報を認証サーバ10に登録する。紙クーポンの使用時には、第1の実施形態と同様に、生体認証によって利用者が特定され、対応するクーポンの情報が認証端末30に送信される。認証端末30は、利用者(被認証者)が使用可能なクーポンのリストを表示し、利用者による使用クーポンの選択を可能とする。このように、第2の実施形態では、観光センターから紙クーポンを購入したとしても、紙クーポンは電子化されて認証サーバ10に登録され、利用者は電子クーポンと同じように使用することができる。
【0175】
続いて、情報処理システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。
図26は、認証サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0176】
認証サーバ10は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、
図26に例示する構成を備える。例えば、認証サーバ10は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信可能に構成されている。
【0177】
但し、
図26に示す構成は、認証サーバ10のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。認証サーバ10は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、認証サーバ10に含まれるプロセッサ311等の数も
図26の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311が認証サーバ10に含まれていてもよい。
【0178】
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
【0179】
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
【0180】
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0181】
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
【0182】
認証サーバ10の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
【0183】
なお、管理サーバ20、認証端末30、端末40も認証サーバ10と同様に情報処理装置により構成可能であり、その基本的なハードウェア構成は認証サーバ10と相違する点はないので説明を省略する。例えば、認証端末30は、利用者を撮像するためのカメラを備えていればよい。
【0184】
情報処理装置である認証サーバ10は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることで認証サーバ10の機能が実現できる。また、認証サーバ10は、当該プログラムにより認証サーバ10の制御方法を実行する。さらに、情報処理システムに含まれる、各主体(認証サーバ10等)がそれぞれ動作することで、クーポン管理やクーポン使用に関する方法が実行される。
【0185】
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明した情報処理システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
【0186】
上記実施形態では、認証サーバ10が利用者情報データベースを備え、管理サーバ20がクーポン管理データベースを備える構成について説明した。しかし、これらのデータベースは、認証サーバ10等とは異なるデータベースサーバに構築されていてもよい。また、情報処理システムには、上記実施形態にて説明した各種手段(認証部204、クーポン管理部303等)が含まれていればよい。
【0187】
上記実施形態では、観光センターが販売するクーポンを管理の対象とすることを説明した。しかし、情報処理システムが対象とするクーポンは、各店舗が発行するようなクーポンを対象としてもよい。あるいは、認証サーバ10は、観光センターが発行するクーポン(地域復興クーポン)と各店舗が発行するクーポン(店舗クーポン)を統合して管理してもよい。即ち、利用者が、認証端末30を用いて商品購入に関する決済をする際、各店舗が発行した店舗クーポンと地域復興クーポンの両者が選択可能に表示されてもよい。認証端末30は、店舗クーポン(例えば、商品代金を一律に10%オフするようなクーポン)と地域復興クーポンの割引を同時に適用してもよい。
【0188】
第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせてもよいことは勿論である。つまり、観光センターは、電子クーポン及び紙クーポンの両者を販売し、いずれを購入するか利用者が選択してもよい。この場合、情報処理システムは、管理サーバ20を含み、認証サーバ10は、
図19に示す構成にID検証部203を備えていればよい。認証サーバ10は、認証端末30から認証要求を受信すると、生体認証により利用者を特定する。認証サーバ10は、特定した利用者が紙クーポンを所持してれば、当該紙クーポンのクーポンIDを含むクーポン情報送信要求を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20は、利用者の電子クーポンに関する情報と紙クーポンに関する情報を併合した所有クーポン情報を認証端末30に送信する。認証端末30と認証サーバ10は、管理サーバ20を介して、紙クーポンの使用に関する情報を送受信すればよい。
【0189】
第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせた場合において、紙クーポンの登録先を認証サーバ10から管理サーバ20に変更してもよい。この場合、端末40は、クーポン登録要求を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20は、第2の実施形態で説明したクーポン登録部206を備えていればよい。
【0190】
上記実施形態では、端末40を用いて紙クーポンを登録する場合について説明した。しかし、紙クーポンの登録は、各店舗に設置された認証端末30にて行われてもよい。あるいは、端末40は、認証サーバ10からクーポン登録のための認証端末30(キオスク端末)が置かれている店舗等の情報を取得してもよい。
【0191】
認証サーバ10や認証端末30は、クーポンを使用した利用者に対してその後の行動に関する推薦を行ってもよい。例えば、認証サーバ10は、使用されたクーポンの利用可能エリアに含まれる他の店舗に関する情報を利用者に提示し、当該店舗への訪問を促してもよい。あるいは、認証サーバ10や認証端末30は、利用者が所有するクーポンを使える他の店舗に関する情報(例えば、住所や連絡先)を利用者に通知してもよい。
【0192】
認証サーバ10は、利用者登録の際に、利用者の身元を確認してもよい。具体的には、認証サーバ10は、端末40から、利用者の生体情報に加え、身元確認書類(生体情報が記載された書類;例えば、パスポート)を取得する。認証サーバ10は、取得した生体情報と身元確認書類から取得した生体情報を用いた1対1照合に成功した場合に、利用者の身元確認に成功したと判定する。認証サーバ10は、身元確認に成功した場合に、登録申込者の生体情報を登録してもよい。
【0193】
認証サーバ10は、利用者登録の際に、利用者の個人情報(例えば、氏名、生年月日、性別、連絡先等)を取得し、生体情報と対応付けて記憶してもよい。認証サーバ10は、当該取得した個人情報をサービス向上に役立ててもよい。例えば、認証サーバ10は、取得した個人情報を用いて、クーポン使用後の利用者の行動に関する推薦(レコメンド)を行ってもよい。その際、認証サーバ10は、使用されたクーポンと利用者の個人情報を用いてレコメンドする内容を変更してもよい。例えば、認証サーバ10は、利用可能エリアが同じクーポンが使用された場合であっても、利用者の性別や年齢に応じて、推薦する店舗を変更してもよい。
【0194】
あるいは、外部のサーバから利用者のスケジュール情報やホテルの予約情報、宿泊情報を取得できる場合には、認証サーバ10は、これらの情報に基づいてクーポン使用後の利用者の行動に関する推薦を行ってもよい。例えば、認証サーバ10は、予約情報に基づいて、利用者の宿泊スケジュール、帰宅スケジュールを把握し、利用者の状況に応じた推薦を行ってもよい。また、認証サーバ10は、観光地の周遊を促すような推薦を行ってもよい。
【0195】
上記実施形態では、利用者が使用するクーポンを選択した後に、管理サーバ20や認証サーバ10が当該選択されたクーポンの有効性を確認している。しかし、管理サーバ20や認証サーバ10は、認証端末30に所有クーポン情報を送信する際、有効なクーポンを選択して当該情報を送信してもよい。
【0196】
あるいは、クーポンの有効性に関する判定は、管理サーバ20や認証サーバ10に代えて、認証端末30で行われてもよい。認証端末30は、自装置の設置されている位置や日時に応じて利用者が選択したクーポンの有効性を検証してもよい。
【0197】
認証サーバ10、管理サーバ20、認証端末30のいずれかは、利用者が使用可能なクーポンを複数所有している場合、使用するクーポンの推薦を行ってもよい。例えば、認証サーバ10等は、有効期限が近いクーポンを使用するように促すメッセージを出力してもよい。
【0198】
上記実施形態では、認証端末30から認証サーバ10に「顔画像」に係る生体情報が送信される場合について説明した。しかし、認証端末30から認証サーバ10に「顔画像から生成された特徴量」に係る生体情報が送信されてもよい。この場合、認証サーバ10は、特徴量の生成処理を省略することができる。
【0199】
各装置(認証サーバ10、管理サーバ20、認証端末30、端末40)間のデータ送受信の形態は特に限定されないが、これら装置間で送受信されるデータは暗号化されていてもよい。これらの装置間では、生体情報が送受信され、当該生体情報を適切に保護するためには、暗号化されたデータが送受信されることが望ましい。
【0200】
上記第2の実施形態に係る変形例1では、紙クーポンの登録(活性化)を利用者が選択できることを説明した。しかし、登録する対象は紙クーポンだけでなく電子クーポンも登録の対象としてもよい。この場合、端末40は、購入した電子クーポンの情報を保持しておき、利用者の操作に応じて
図25に準じたGUIを表示する。例えば、端末40は、
図25の「クーポンA」の代わりに未登録な電子クーポンを表示する。端末40は、電子クーポンのクーポン登録要求を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20は、活性化されたクーポンを利用者の所有クーポンとして扱う。
【0201】
上記第2の実施形態に係る変形例2では、認証サーバ10が紙クーポン画像を解析してシリアル番号を取得する場合について説明した。しかし、当該シリアル番号は、利用者が認証サーバ10に入力してもよい。例えば、端末40は、紙クーポンを登録する際、シリアル番号を入力するGUIを表示し、取得したシリアル番号を認証サーバ10に送信する。
【0202】
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0203】
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
【0204】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、小売店で使用可能なクーポンを取り扱う情報処理システムなどに好適に適用可能である。
【0205】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する、認証サーバと、
前記認証サーバと接続され、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、管理サーバと、
前記認証サーバ、前記管理サーバと接続された認証端末と、
を含み、
前記認証端末は、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を前記認証サーバに送信し、
前記認証サーバは、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、システム。
[付記2]
前記認証端末は、前記所有クーポン情報を用いて、前記第1の利用者が使用を希望する電子クーポンの選択するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する、付記1に記載のシステム。
[付記3]
前記認証端末は、前記第1の利用者が使用を希望する電子クーポンに関する使用クーポン情報を前記管理サーバに送信する、付記2に記載のシステム。
[付記4]
前記管理サーバは、前記使用クーポン情報により通知された、前記第1の利用者が使用を希望する電子クーポンの有効性を検証する、付記3に記載のシステム。
[付記5]
前記管理サーバは、前記有効性が確認された電子クーポンを削除する、付記4に記載のシステム。
[付記6]
前記認証サーバは、前記複数の利用者それぞれの生体情報と、各利用者が所有する少なくとも1以上の紙クーポンの情報と、を対応付けて記憶し、
前記認証端末は、前記複数の利用者のうち紙クーポンを使用する第2の利用者の生体情報を含む認証要求を前記認証サーバに送信し、
前記認証サーバは、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第2の利用者を特定すると共に、前記特定された第2の利用者が所有する紙クーポンに関する前記所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、付記1乃至5のいずれか一に記載のシステム。
[付記7]
前記第2の利用者の生体情報と前記第2の利用者が購入した紙クーポンを撮影した紙クーポン画像を含むクーポン登録要求を前記認証サーバに送信する、端末をさらに含み、
前記認証サーバは、前記クーポン登録要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第2の利用者を特定し、前記特定された利用者と前記紙クーポン画像から得られる紙クーポンの情報を対応付けて記憶する、付記6に記載のシステム。
[付記8]
前記端末は、前記第2の利用者の生体情報と前記紙クーポン画像を取得するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する、付記7に記載のシステム。
[付記9]
前記端末は、前記認証サーバに登録済みの紙クーポンと前記認証サーバに未登録な紙クーポンを区別しつつ表示し、前記未登録な紙クーポンを登録するためのボタンを有するGUI(Graphical User Interface)を表示する、付記8に記載のシステム。
[付記10]
前記端末は、前記ボタンが押下されると、前記第2の利用者の生体情報を取得する、付記9に記載のシステム。
[付記11]
前記生体情報は、顔画像又は前記顔画像から生成された特徴量である、付記1乃至10のいずれか一に記載のシステム。
[付記12]
複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する、データベースと、
認証端末から、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を受信する、受信部と、
前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定する認証部と、
前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、管理サーバに送信する、送信部と、
を備える、認証サーバ。
[付記13]
複数の利用者それぞれのユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、データベースと、
前記複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶し、認証端末から、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を受信し、前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を送信する、認証サーバから前記クーポン情報送信指示を受信する、受信部と、
前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、送信部と、
を備える、管理サーバ。
[付記14]
複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する認証サーバに対し、前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を送信する、送信部と、
前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶し、前記認証サーバから前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を受信する管理サーバから、前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を受信する、受信部と、
を備える、認証端末。
[付記15]
複数の利用者それぞれの生体情報とユーザIDを対応付けて記憶する、認証サーバと、
前記認証サーバと接続され、前記複数の利用者それぞれの前記ユーザIDと各利用者が所有する少なくとも1以上の電子クーポンの情報を対応付けて記憶する、管理サーバと、
前記認証サーバ、前記管理サーバと接続された認証端末と、
を含むシステムにおいて、
前記複数の利用者のうち電子クーポンを使用する第1の利用者の生体情報を含む認証要求を前記認証サーバに送信し、
前記認証要求に含まれる生体情報を用いた生体認証により前記第1の利用者に対応する第1のユーザIDを特定すると共に、前記特定された第1のユーザIDを含むクーポン情報送信指示を前記管理サーバに送信し、
前記クーポン情報送信指示に含まれる前記第1のユーザIDに対応する前記第1の利用者が所有する電子クーポンに関する所有クーポン情報を前記認証端末に送信する、方法。
【0206】
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0207】
10、101 認証サーバ
20、102 管理サーバ
30、103 認証端末
40 端末
201、301、401、501 通信制御部
202 利用者登録部
203 ID検証部
204 認証部
205、304、403、504 記憶部
206 クーポン登録部
207、303 クーポン管理部
302 クーポン販売部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
402 クーポン使用部
502 利用者登録要求部
503 クーポン購入部
505 クーポン登録要求部