(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】生体分析システム、生体分析方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/107 20060101AFI20240918BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240918BHJP
A45D 44/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
A61B5/107 800
A61B5/00 M
A45D44/00 A
(21)【出願番号】P 2023500220
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2021006123
(87)【国際公開番号】W WO2022176106
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】赤川 武志
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-225349(JP,A)
【文献】特開2016-054986(JP,A)
【文献】特開2010-051347(JP,A)
【文献】国際公開第2019/170688(WO,A1)
【文献】特表2008-522756(JP,A)
【文献】特開2003-210416(JP,A)
【文献】特開2005-345297(JP,A)
【文献】特開2014-120005(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2123101(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
A61B 5/00
A45D 44/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する取得手段と、
前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する位置特定手段と、
前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出する抽出手段と、
前記穴部の径の深さ方向での変化率が所定の第1閾値以下である場合に、前記穴部の種別が毛穴であると特定する種別特定手段と
を備えることを特徴とする生体分析システム。
【請求項2】
生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する取得手段と、
前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する位置特定手段と、
前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出する抽出手段と、
前記穴部の径の深さ方向での変化率が所定の第2閾値以上である場合に、前記穴部の種別が汗腺であると特定する種別特定手段と
を備えることを特徴とする生体分析システム。
【請求項3】
前記取得手段は、三次元断層データから、前記複数の二次元データを取得することを特徴とする請求項1
又は2に記載の生体分析システム。
【請求項4】
前記穴部の位置及び前記穴部の種別に基づいて、前記穴部を含む前記生体の皮膚の断層画像及び表面画像の少なくとも一方を出力する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項1から
3のいずれか一項に記載の生体分析システム。
【請求項5】
前記生体の皮膚について、前記穴部の位置及び前記穴部の種別以外の情報である追加情報を取得する第2の取得手段を更に備え、
前記出力手段は、前記断層画像及び前記表面画像の少なくとも一方に、前記追加情報を重畳して出力する
ことを特徴とする請求項
4に記載の生体分析システム。
【請求項6】
生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得し、
前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定し、
前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出し、
前記穴部の径の深さ方向での変化率が所定の第1閾値以下である場合に、前記穴部の種別が毛穴であると特定する
ことを特徴とする生体分析方法。
【請求項7】
生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得し、
前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定し、
前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出し、
前記穴部の径の深さ方向での変化率が所定の第2閾値以上である場合に、前記穴部の種別が汗腺であると特定する
ことを特徴とする生体分析方法。
【請求項8】
生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得し、
前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定し、
前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出し、
前記穴部の径の深さ方向での変化率が所定の第1閾値以下である場合に、前記穴部の種別が毛穴であると特定する
ようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得し、
前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定し、
前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出し、
前記穴部の径の深さ方向での変化率が所定の第2閾値以上である場合に、前記穴部の種別が汗腺であると特定する
ようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、生体を分析する生体分析システム、生体分析方法、及びコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、生体の皮膚に関する情報を分析するものが知られている。例えば特許文献1では、毛穴周囲の画像を撮る際に光干渉計測法を用いてもよいことが開示されている。特許文献2では、三次元断層画像を用いて表皮の厚さに関する分析を行う技術が開示されている。特許文献3では、肌の毛穴の光干渉断層画像を取得する技術が開示されている。特許文献4では、光干渉信号を処理することにより、皮膚の状態を診断する技術が開示されている。特許文献5では、肌の毛穴の光干渉断層画像を撮影して、画像中の距離を測定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-337317号公報
【文献】特開2007-225349号公報
【文献】特開2016-054986号公報
【文献】特許第6245590号公報
【文献】特表2020-500611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この開示は、上述した関連する技術を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この開示の生体分析システムの一の態様は、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する取得手段と、前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する位置特定手段と、前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出する抽出手段と、前記穴部の径に基づいて、前記穴部の種別を特定する種別特定手段とを備える。
【0006】
この開示の生体分析方法の一の態様は、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得し、前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定し、前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出し、前記穴部の径に基づいて、前記穴部の種別を特定する。
【0007】
この開示のコンピュータプログラムの一の態様は、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得し、前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定し、前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出し、前記穴部の径に基づいて、前記穴部の種別を特定するようにコンピュータを動作させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る生体分析システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】第2実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】第2実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】第3実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図7】皮膚における毛穴の形状の一例を示す断面図である。
【
図8】毛穴を含む深さの異なる二次元データの一例を示す平面図である。
【
図9】第3実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図10】第4実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図11】第4実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図12】第5実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図13】皮膚における汗腺の形状の一例を示す断面図である。
【
図14】汗腺を含む深さの異なる二次元データの一例を示す平面図である。
【
図15】第5実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図16】第6実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図17】第6実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図18】第7実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図19】第7実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図20】第7実施形態に係る生体分析システムが出力する断層画像の一例を示す図である。
【
図21】第7実施形態に係る生体分析システムが出力する表面画像の一例を示す図(その1)である。
【
図22】第7実施形態に係る生体分析システムが出力する表面画像の一例を示す図(その2)である。
【
図23】第8実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図24】第8実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図25】第8実施形態に係る生体分析システムが出力する断層画像の一例を示す図である。
【
図26】第8実施形態に係る生体分析システムが出力する表面画像の一例を示す図である。
【
図27】第9実施形態に係る生体分析システムによる第1表示例を示す図である。
【
図28】第9実施形態に係る生体分析システムによる第2表示例を示す図(その1)である。
【
図29】第9実施形態に係る生体分析システムによる第2表示例を示す図(その2)である。
【
図30】第9実施形態に係る生体分析システムによる第3表示例を示す図である。
【
図31】第9実施形態に係る生体分析システムによる第4表示例を示す図(その1)である。
【
図32】第9実施形態に係る生体分析システムによる第4表示例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、生体分析システム、生体分析方法、及びコンピュータプログラムの実施形態について説明する。
【0010】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る生体分析システムについて、
図1から
図3を参照して説明する。
【0011】
(ハードウェア構成)
まず、
図1を参照しながら、第1実施形態に係る生体分析システムのハードウェア構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る生体分析システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、第1実施形態に係る生体分析システム10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14とを備えている。生体分析システム10は更に、入力装置15と、出力装置16とを備えていてもよい。プロセッサ11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とは、データバス17を介して接続されている。
【0013】
プロセッサ11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、プロセッサ11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込むように構成されている。或いは、プロセッサ11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。プロセッサ11は、ネットワークインタフェースを介して、生体分析システム10の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。プロセッサ11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、プロセッサ11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、プロセッサ11内には、生体の皮膚を分析するための機能ブロックが実現される。なお、プロセッサ11の一例として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。プロセッサ11は、上述した一例のうち一つを用いてもよいし、複数を並列で用いてもよい。
【0014】
RAM12は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、プロセッサ11がコンピュータプログラムを実行している際にプロセッサ11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0015】
ROM13は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0016】
記憶装置14は、生体分析システム10が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、プロセッサ11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0017】
入力装置15は、生体分析システム10のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。入力装置15は、専用のコントローラ(操作端末)であってもよい。また、入力装置15は、ユーザが保有する端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末等)を含んでいてもよい。入力装置15は、例えばマイクを含む音声入力が可能な装置であってもよい。
【0018】
出力装置16は、生体分析システム10に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、生体分析システム10に関する情報を表示可能な表示装置(例えば、ディスプレイ)であってもよい。ここでの表示装置は、テレビモニタ、パソコンモニタ、スマートフォンのモニタ、タブレット端末のモニタ、その他の携帯端末のモニタであってよい。また、表示装置は、店舗等の各種施設に設置される大型モニタやデジタルサイネージ等であってよい。また、出力装置16は、画像以外の形式で情報を出力する装置であってもよい。例えば、出力装置16は、生体分析システム10に関する情報を音声で出力するスピーカであってもよい。
【0019】
(機能的構成)
次に、
図2を参照しながら、第1実施形態に係る生体分析システム10の機能的構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、第1実施形態に係る生体分析システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、取得部110と、位置特定部120と、抽出部130と、種別特定部140とを備えている。なお、取得部110、位置特定部120、抽出部130、及び種別特定部140の各々は、上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現されてよい。
【0021】
取得部110は、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得可能に構成されている。取得部110は、光干渉断層撮影(OCT:Optical Coherence Tomography)を利用して複数の二次元データを取得してよい。複数の二次元データは、2枚であってもよいし3枚以上であってもよい。取得部110で取得された複数の二次元データは、位置特定部120に出力される構成となっている。
【0022】
位置特定部120は、取得部110で取得された二次元データの少なくとも1つに基づいて、生体の皮膚に存在する穴部(例えば、毛穴、汗腺等)の位置を特定する。位置特定部120は、二次元データに複数の穴部が含まれている場合、複数の穴部の各々について位置を特定してもよい。なお、二次元データから穴部の位置を特定する具体的な手法については、既存の技術を適宜採用することができるため、ここでの詳しい説明は省略する。位置特定部120は、複数の二次元データを用いて、相異なる深さの各々における穴部の位置を特定してもよい。位置特定部120は、複数の二次元データに基づいて、複数の二次元データに含まれない深さの穴部の位置を特定(言い換えれば、推定)してもよい。位置特定部120で特定された穴部の位置に関する情報は、抽出部130に出力される構成となっている。
【0023】
抽出部130は、複数の二次元データの各々から、穴部の径を抽出可能に構成されている。例えば、取得部110が2つの二次元データ(第1の二次元データ及び第2の二次元データ)を取得している場合、抽出部130は、第1の二次元データにおける穴部の径、及び第2の二次元データにおける穴部の径をそれぞれ抽出する。抽出部130は、二次元データに複数の穴部が含まれている場合、複数の穴部の各々について径を抽出してもよい。なお、二次元データから穴部の径を抽出する具体的な手法については、既存の技術を適宜採用することができるため、ここでの詳しい説明は省略する。抽出部130で抽出した穴部の径に関する情報は、種別特定部140に出力される構成となっている。
【0024】
種別特定部140は、抽出部130で抽出された穴部の径に基づいて、穴部の種別を特定可能に構成されている。種別特定部140は、例えば穴部の種別に応じた径の特性を利用して、穴部の種別を特定する。穴部の種別を特定する具体的な手法については、後述する他の実施形態において詳しく説明する。
【0025】
(動作の流れ)
次に、
図3を参照しながら、第1実施形態に係る生体分析システム10の動作の流れについて説明する。
図3は、第1実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0026】
図3に示すように、第1実施形態に係る生体分析システム10の動作が開始されると、まず取得部110が、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する(ステップS11)。続いて、位置特定部120が、取得部110で取得された二次元データの少なくとも1つに基づいて、生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する(ステップS12)。続いて、抽出部130が、取得部110で取得された複数の二次元データの各々から、穴部の径を抽出する(ステップS13)。続いて、種別特定部140が、抽出部130で抽出された穴部の径に基づいて、穴部の種別を特定する(ステップS14)。
【0027】
なお、複数の二次元データに複数の穴部が含まれている場合、上述したステップS12からステップS14の処理が、各穴部について同時に並行して実行されてもよい。或いは、上述したステップS12からステップS14の処理が、対象とする穴部を変更しながら複数回ループするように実行されてもよい。
【0028】
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る生体分析システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0029】
図1から
図3で説明したように、第1実施形態に係る生体分析システム10では、深さの異なる複数の二次元データが用いられる。また、複数の二次元データの各々からは、穴部の径が抽出される。このようにすれば、生体の皮膚に存在する穴部の位置及び種別を適切に特定することが可能である。
【0030】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る生体分析システム10について、
図4及び
図5を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比較して一部の構成及び動作が異なるのみであり、例えばハードウェア構成(
図1参照)等については、第1実施形態と同様であってよい。このため、以下では、第1実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0031】
(機能的構成)
まず、
図4を参照しながら、第2実施形態に係る生体分析システム10の機能的構成について説明する。
図4は、第2実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図4では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0032】
図4に示すように、第2実施形態に係る生体分析システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、取得部110と、位置特定部120と、抽出部130と、種別特定部140とを備えている。そして特に、第2実施形態に係る種別特定部140は、毛穴特定部141を備えて構成されている。なお、毛穴特定部141は、上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現されてよい。
【0033】
毛穴特定部141は、穴部の種別が毛穴であることを特定可能に構成されている。毛穴特定部141は、穴部の種別が毛穴であるのか、それとも毛穴以外であるのかを判定可能に構成されてもよい。穴部の種別が毛穴であることを特定する具体的な手法については、後述する他の実施形態において詳しく説明する。
【0034】
(動作の流れ)
次に、
図5を参照しながら、第2実施形態に係る生体分析システム10の動作の流れについて説明する。
図5は、第2実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図5では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0035】
図5に示すように、第2実施形態に係る生体分析システム10の動作が開始されると、まず取得部110が、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する(ステップS11)。続いて、位置特定部120が、取得部110で取得された二次元データの少なくとも1つに基づいて、生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する(ステップS12)。続いて、抽出部130が、取得部110で取得された複数の二次元データの各々から、穴部の径を抽出する(ステップS13)。続いて、毛穴特定部141が、抽出部130で抽出された穴部の径に基づいて、穴部が毛穴であることを特定するための処理を実行する(ステップS21)。なお、種別特定部140は、毛穴特定部141で毛穴と特定されなかった穴部について、毛穴以外の種別を特定する処理を実行してもよい。例えば、後述する第4及び第5実施形態の構成を組み合わせて、毛穴と特定されなかった穴部が汗腺であることを特定するようにしてもよい。
【0036】
(技術的効果)
次に、第2実施形態に係る生体分析システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0037】
図4及び
図5で説明したように、第2実施形態に係る生体分析システム10によれば、深さの異なる複数の二次元データ(特に、複数の二次元データから抽出される穴部の径)に基づいて、穴部の種別が毛穴310であることを特定できる。穴部が毛穴310であると特定できれば、例えば、毛穴310以外も含まれる複数の穴部の中から、毛穴310だけを抽出して各種処理を実行することが可能となる。或いは、毛穴310以外も含まれる複数の穴部の中から、毛穴310だけを除外して各種処理を実行することも可能となる。
【0038】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る生体分析システム10について、
図6から
図9を参照して説明する。なお、第3実施形態は、上述した第2実施形態と比較して一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については、第1及び第2実施形態と同様であってよい。このため、以下では、第1及び第2実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0039】
(機能的構成)
まず、
図6を参照しながら、第3実施形態に係る生体分析システム10の機能的構成について説明する。
図6は、第3実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図6では、
図4で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0040】
図6に示すように、第3実施形態に係る生体分析システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、取得部110と、位置特定部120と、抽出部130と、種別特定部140とを備えている。そして特に、第3実施形態に係る種別特定部140は、毛穴特定部141と、第1閾値記憶部142とを備えて構成されている。即ち、第3実施形態に係る種別特定部140は、第2実施形態の構成(
図4参照)に加えて、第1閾値記憶部142を更に備えて構成されている。なお、第1閾値記憶部142は、上述した記憶装置14(
図1参照)によって実現されてよい。
【0041】
第1閾値記憶部142は、穴部の種別を特定する際に用いられる第1閾値を記憶可能に構成されている。第1閾値は、穴部の種別が毛穴であることを特定するための閾値であり、穴部の径の変化率に対応する値として予め設定されている。第1閾値は、例えば事前の実験の結果等に基づいて適切な値が決定されてよい。第1閾値の設定例については、以下の毛穴の径に関する説明において詳述する。
【0042】
(毛穴の径)
次に、第3実施形態に係る生体分析システム10が特定する毛穴について、
図7及び
図8を参照して詳しく説明する。
図7は、皮膚における毛穴の形状の一例を示す断面図である。
図8は、毛穴を含む深さの異なる二次元データの一例を示す平面図である。
【0043】
図7に示すように、生体の皮膚周辺には、表面側から順に、表皮210、真皮220、皮下脂肪230が存在している。そして、表皮210及び真皮220には、毛穴310が存在しており、真皮220から表皮210の方向に向けて毛320が生えている。
【0044】
ここで特に、毛穴310の径は、深さに応じて多少変化するものの、その変化率は比較的小さい値となる(例えば、後述する汗腺410の径(
図13及び
図14等を参照)の変化率と比べると明らかに小さな値となる)。より具体的には、例えば顔の産毛の場合、毛球部分で100μm程度、その他の部分で0.01mm(即ち、10μm)程度であり、連続的に緩やかに変化する。よって、このような値に基づいて第1閾値を設定すれば、穴部の径の変化率が第1閾値以下であるか否かによって、穴部が毛穴310であるか否かを特定することが可能となる。
【0045】
図8に示すように、毛穴310を含む二次元データが、深さD1及びD2において取得されているとする。この場合、深さD1の二次元データにおける毛穴の径d1と、深さD2の二次元データにおける穴部の径d2との間には、そこまで大きな差はない。よって、径d1及びd2から求められる径の変化率は比較的小さい値となる。従って、径の変化率は第1閾値以下となる。この結果、仮に図に示す毛穴310の種別が不明であったとしても、その穴部が毛穴310であると特定することができる。
【0046】
(動作の流れ)
次に、
図9を参照しながら、第3実施形態に係る生体分析システム10の動作の流れについて説明する。
図9は、第3実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図9では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0047】
図9に示すように、第3実施形態に係る生体分析システム10の動作が開始されると、まず取得部110が、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する(ステップS11)。続いて、位置特定部120が、取得部110で取得された二次元データの少なくとも1つに基づいて、生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する(ステップS12)。続いて、抽出部130が、取得部110で取得された複数の二次元データの各々から、穴部の径を抽出する(ステップS13)。
【0048】
続いて、毛穴特定部141は、穴部の径の変化率を算出し、その変化率が第1閾値記憶部142に記憶されている第1閾値以下であるか否かを判定する(ステップS31)。穴部の変化率が第1閾値以下である場合(ステップS31:YES)、毛穴特定部141は、穴部の種別が毛穴であると特定する(ステップS32)。一方、穴部の変化率が第1閾値以下でない場合(ステップS31:NO)、毛穴特定部141は、穴部の種別が毛穴以外であると特定する(ステップS33)。
【0049】
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る生体分析システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0050】
図6から
図9で説明したように、第3実施形態に係る生体分析システム10では、穴部の径の変化率と第1閾値とを比較することで穴部の種別が特定される。このようにすれば、径の変化率が比較的小さいという毛穴310の特性を利用して、穴部の種別が毛穴310であることを適切に特定することが可能である。
【0051】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る生体分析システム10について、
図10及び
図11を参照して説明する。なお、第4実施形態は、上述した第1から第3実施形態と比較して一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については、第1から第3実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0052】
(機能的構成)
まず、
図10を参照しながら、第4実施形態に係る生体分析システム10の機能的構成について説明する。
図10は、第4実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図10では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0053】
図10に示すように、第4実施形態に係る生体分析システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、取得部110と、位置特定部120と、抽出部130と、種別特定部140とを備えている。そして特に、第4実施形態に係る種別特定部140は、汗腺特定部143を備えて構成されている。なお、汗腺特定部143は、上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現されてよい。
【0054】
汗腺特定部143は、穴部の種別が汗腺であることを特定可能に構成されている。汗腺特定部143は、穴部の種別が汗腺であるのか、それとも汗腺以外であるのかを判定可能に構成されてもよい。穴部の種別が汗腺であることを特定する具体的な手法については、後述する他の実施形態において詳しく説明する。
【0055】
(動作の流れ)
次に、
図11を参照しながら、第4実施形態に係る生体分析システム10の動作の流れについて説明する。
図11は、第4実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図11では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0056】
図11に示すように、第4実施形態に係る生体分析システム10の動作が開始されると、まず取得部110が、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する(ステップS11)。続いて、位置特定部120が、取得部110で取得された二次元データの少なくとも1つに基づいて、生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する(ステップS12)。続いて、抽出部130が、取得部110で取得された複数の二次元データの各々から、穴部の径を抽出する(ステップS13)。続いて、汗腺特定部143が、抽出部130で抽出された穴部の径に基づいて、穴部が汗腺であることを特定するための処理を実行する(ステップS41)。なお、種別特定部140は、汗腺特定部143で汗腺と特定されなかった穴部について、汗腺以外の種別を特定する処理を実行してもよい。例えば、上述した第2及び第3実施形態の構成を組み合わせて、汗腺と特定されなかった穴部が毛穴であることを特定するようにしてもよい。
【0057】
(技術的効果)
次に、第4実施形態に係る生体分析システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0058】
図10及び
図11で説明したように、第4実施形態に係る生体分析システム10によれば、深さの異なる複数の二次元データ(特に、複数の二次元データから抽出される穴部の径)に基づいて、穴部の種別が汗腺410であることを特定できる。穴部が汗腺410であると特定できれば、例えば、汗腺410以外も含まれる複数の穴部の中から、汗腺410だけを抽出して各種処理を実行することが可能となる。或いは、汗腺410以外も含まれる複数の穴部の中から、汗腺410だけを除外して各種処理を実行することも可能となる。
【0059】
<第5実施形態>
第5実施形態に係る生体分析システム10について、
図12から
図15を参照して説明する。なお、第5実施形態は、上述した第4実施形態と比較して一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については、第4実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した
各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0060】
(機能的構成)
まず、
図12を参照しながら、第5実施形態に係る生体分析システム10の機能的構成について説明する。
図12は、第5実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図12では、
図10で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0061】
図12に示すように、第5実施形態に係る生体分析システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、取得部110と、位置特定部120と、抽出部130と、種別特定部140とを備えている。そして特に、第5実施形態に係る種別特定部140は、汗腺特定部143と、第2閾値記憶部144とを備えて構成されている。即ち、第5実施形態に係る種別特定部140は、第4実施形態の構成(
図10参照)に加えて、第2閾値記憶部144を更に備えて構成されている。なお、第2閾値記憶部144は、上述した記憶装置14(
図1参照)によって実現されてよい。
【0062】
第2閾値記憶部144は、穴部の種別を特定する際に用いられる第2閾値を記憶可能に構成されている。第2閾値は、穴部の種別が汗腺であることを特定するための閾値であり、穴部の径の変化率に対応する値として予め設定されている。なお、第2閾値は、汗腺以外の穴部(毛穴以外のもの)を特定するための閾値として設定されていてもよい。第2閾値は、例えば事前の実験の結果等に基づいて適切な値が決定されてよい。第2閾値の設定例については、以下の汗腺の径に関する説明において詳述する。
【0063】
(汗腺の径)
次に、第5実施形態に係る生体分析システム10が特定する汗腺について、
図13及び
図14を参照して詳しく説明する。
図13は、皮膚における汗腺の形状の一例を示す断面図である。
図14は、汗腺を含む深さの異なる二次元データの一例を示す平面図である。
【0064】
図13に示すように、生体の皮膚周辺には、表面側から順に、表皮210、真皮220、皮下脂肪230が存在している。そして、表皮210及び真皮220には、汗腺410(例えば、エクリン腺)が存在している。
【0065】
ここで特に、汗腺410は図に示すようなコイル部415を備えている。よって、汗腺の径は、コイル部415において急激に大きくなる。このため、汗腺410の径の変化率は比較的大きい値となる(例えば、上述した毛穴310の径(
図7及び
図8等を参照)の変化率と比べると明らかに大きな値となる)。例えば、エクリン腺の場合、細管(コイル部415以外の部分)の直径は30~40μm程度である一方で、コイル部415の直径は500~700μm程度であり、その変化も急激なものとなる。よって、このような値に基づいて第2閾値を設定すれば、穴部の径の変化率が第2閾値以上であるか否かによって、穴部が汗腺410であるか否かを特定することが可能となる。
【0066】
図14に示すように、汗腺410を含む二次元データが、深さD3及びD4において取得されているとする。この場合、深さD3の二次元データにおける毛穴の径d3と、深さD4の二次元データにおける穴部の径d4との間には、コイル部415によって大きな差が生ずる。よって、径d3及びd4から求められる径の変化率は比較的大きい値となる。従って、径の変化率は第2閾値以上となる。この結果、仮に図に示す汗腺410の種別が不明であったとしても、その穴部が汗腺410であると特定することができる。
【0067】
(動作の流れ)
次に、
図15を参照しながら、第5実施形態に係る生体分析システム10の動作の流れについて説明する。
図15は、5実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図15では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0068】
図15に示すように、第5実施形態に係る生体分析システム10の動作が開始されると、まず取得部110が、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する(ステップS11)。続いて、位置特定部120が、取得部110で取得された二次元データの少なくとも1つに基づいて、生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する(ステップS12)。続いて、抽出部130が、取得部110で取得された複数の二次元データの各々から、穴部の径を抽出する(ステップS13)。
【0069】
続いて、汗腺特定部143は、穴部の径の変化率を算出し、その変化率が第2閾値記憶部144に記憶されている第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS51)。穴部の変化率が第2閾値以上である場合(ステップS51:YES)、汗腺特定部143は、穴部の種別が汗腺であると特定する(ステップS52)。一方、穴部の変化率が第2閾値以上でない場合(ステップS51:NO)、汗腺特定部143は、穴部の種別が汗腺以外であると特定する(ステップS53)。
【0070】
なお、第2閾値を、上述した第3実施形態における第1閾値と同じ値として設定すれば、1つの共通閾値との比較で、穴部の種別が毛穴310であるのか、それとも汗腺410であるのかを特定できる。具体的には、穴部の径の変化率が共通閾値以下である場合、穴部の種別が毛穴310であると特定できる。一方で、穴部の径の変化率が共通閾値以上である場合、穴部の種別が汗腺410であると特定できる。
【0071】
(技術的効果)
次に、第5実施形態に係る生体分析システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0072】
図12から
図15で説明したように、第5実施形態に係る生体分析システム10では、穴部の径の変化率と第2閾値とを比較することで穴部の種別が特定される。このようにすれば、径の変化率が比較的大きいという汗腺410の特性を利用して、穴部の種別が汗腺410であることを適切に特定することが可能である。
【0073】
なお、ここまでの実施形態では、生体の皮膚に存在する穴部の一例として、毛穴310及び汗腺410をそれぞれ特定する構成について説明したが、毛穴310及び汗腺410以外の穴部(例えば、皮脂腺等)を特定するようにしてもよい。
【0074】
<第6実施形態>
第6実施形態に係る生体分析システム10について、
図16及び
図17を参照して説明する。なお、第6実施形態は、上述した第1から第5実施形態と比較して一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については、第1から第5実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0075】
(機能的構成)
まず、
図16を参照しながら、第6実施形態に係る生体分析システム10の機能的構成について説明する。
図16は、第6実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図16では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0076】
図16に示すように、第6実施形態に係る生体分析システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、取得部110と、位置特定部120と、抽出部130と、種別特定部140とを備えている。そして特に、第6実施形態に係る取得部110は、三次元データ解析部111を備えて構成されている。なお、三次元データ解析部111は、上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現されてよい。
【0077】
三次元データ解析部111は、生体の皮膚の三次元断層データを解析することで、深さの異なる複数の二次元データを取得可能に構成されている。ここでの三次元断層データは、例えば光干渉断層撮影によって取得されたデータであってよい。なお、三次元断層データから複数の二次元データを取得する具体的な手法については、既存の技術を適宜採用することができるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0078】
(動作の流れ)
次に、
図17を参照しながら、第6実施形態に係る生体分析システム10の動作の流れについて説明する。
図17は、第6実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図17では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0079】
図17に示すように、第6実施形態に係る生体分析システム10の動作が開始されると、まず三次元データ解析部111が三次元断層データを解析する(ステップS61)。この解析により、取得部110は、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する(ステップS11)。続いて、位置特定部120が、取得部110で取得された二次元データの少なくとも1つに基づいて、生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する(ステップS12)。続いて、抽出部130が、取得部110で取得された複数の二次元データの各々から、穴部の径を抽出する(ステップS13)。続いて、種別特定部140が、抽出部130で抽出された穴部の径に基づいて、穴部の種別を特定する(ステップS14)。
【0080】
(技術的効果)
次に、第6実施形態に係る生体分析システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0081】
図10及び
図11で説明したように、第6実施形態に係る生体分析システム10によれば、生体の皮膚の三次元断層データから、深さの異なる複数の二次元データが取得される。このようにすれば、三次元断層データに含まれる穴部の位置及び種別を適切に特定することが可能となる。
【0082】
<第7実施形態>
第7実施形態に係る生体分析システム10について、
図18から
図22を参照して説明する。なお、第7実施形態は、上述した第1から第6実施形態と比較して一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については、第1から第6実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0083】
(機能的構成)
まず、
図18を参照しながら、第7実施形態に係る生体分析システム10の機能的構成について説明する。
図18は、第7実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図18では、
図2で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0084】
図18に示すように、第7実施形態に係る生体分析システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、取得部110と、位置特定部120と、抽出部130と、種別特定部140と、出力部150とを備えている。即ち、第7実施形態に係る生体分析システム10は、第1実施形態の構成(
図2参照)に加えて、出力部150を更に備えて構成されている。なお、出力部150は、上述した出力装置16(
図1参照)によって実現されてよい。
【0085】
出力部150は、例えばディスプレイを備えて構成されており、穴部を含む生体の皮膚の断層画像及び表面画像(即ち、最表層の画像)の少なくとも一方を出力可能に構成されている。出力部150は、複数の二次元データを用いて生成した断層画像及び表面画像を出力してもよい。また、上述した第6実施形態(
図16及び
図17等を参照)のように三次元断層データが入力される場合には、三次元断層データを用いて生成した断層画像及び表面画像を出力してもよい。断層画像及び表面画像の具体例については、後に詳しく説明する。
【0086】
(動作の流れ)
次に、
図19を参照しながら、第7実施形態に係る生体分析システム10の動作の流れについて説明する。
図19は、第7実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図19では、
図3で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0087】
図19に示すように、第7実施形態に係る生体分析システム10の動作が開始されると、まず取得部110が、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する(ステップS11)。続いて、位置特定部120が、取得部110で取得された二次元データの少なくとも1つに基づいて、生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する(ステップS12)。続いて、抽出部130が、取得部110で取得された複数の二次元データの各々から、穴部の径を抽出する(ステップS13)。続いて、種別特定部140が、抽出部130で抽出された穴部の径に基づいて、穴部の種別を特定する(ステップS14)。そして最後に、出力部150が、穴部の位置及び種別に基づいて、生体の皮膚の断層画像及び表面画像の少なくとも一方を出力する(ステップS71)。
【0088】
(具体的な出力例)
次に、
図20から
図22を参照しながら、第7実施形態に係る生体分析システム10による具体的な出力例について説明する。
図20は、第7実施形態に係る生体分析システムが出力する断層画像の一例を示す図である。
図21は、第7実施形態に係る生体分析システムが出力する表面画像の一例を示す図(その1)である。
図22は、第7実施形態に係る生体分析システムが出力する表面画像の一例を示す図(その2)である。なお、
図20から
図22では、説明の便宜上、毛穴310及び汗腺410をそれぞれ1つずつ図示しているが、複数の毛穴310及び汗腺410を含む断層画像及び表面画像が出力されてもよい。
【0089】
図20に示すように、出力部150から出力される断層画像は、画像に含まれる複数の穴部を、穴部の種別によって異なる表示態様で表示するものであってよい。例えば、画像に含まれる複数の穴部のうち、毛穴310だけが強調表示されるものであってよい。即ち、毛穴310が強調表示される一方で、毛穴ではない汗腺410が強調表示されない態様で表示されるものであってよい。なお、強調表示の態様は、図に示すように枠線で囲うように表示する他、例えば、色を変える、網掛けする、点滅表示する等であってよい。或いは、強調表示の対象ではない方の穴部を、表示しないようにしてもよい。即ち、強調表示の対象である毛穴310をそのまま表示する一方で、汗腺410については画像から削除するようにしてもよい。これらの表示態様は、例えばユーザの操作によって切替可能とされてもよい。具体的には、強調表示の対象や、強調表示の有無等を、ユーザの操作によって切り替え可能としてもよい。
【0090】
図21に示すように、出力部150から出力される表面画像も、画像に含まれる複数の穴部を、穴部の種別によって異なる表示態様で表示するものであってよい。例えば、画像に含まれる複数の穴部のうち、毛穴310だけが強調表示されるものであってよい。即ち、毛穴310が強調表示される一方で、毛穴ではない汗腺410が強調表示されない態様で表示されるものであってよい。或いは、強調表示の対象ではない方の穴部を、表示しないようにしてもよい。即ち、強調表示の対象である毛穴310をそのまま表示する一方で、汗腺410については画像から削除するようにしてもよい。これらの表示態様は、例えばユーザの操作によって切替可能とされてもよい。具体的には、強調表示の対象や、強調表示の有無等を、ユーザの操作によって切り替え可能としてもよい。
【0091】
図22に示すように、出力部150から出力される表面画像では、皮膚の深い位置において毛穴310が存在する領域である毛穴存在領域、又は、皮膚の深い位置において汗腺410が存在する領域である汗腺存在領域が表示されてもよい。毛穴存在領域及び汗腺存在領域は、例えば断層画像から推定された領域であってよい。
【0092】
なお、出力部150は、断層画像と表面画像との両方を同時に表示するようにしてもよい。また、出力部150は、断層画像と表面画像とを切り替えて表示するようにしてもよい。この場合、出力部150は、例えば切り替え用のボタンをディスプレイ上に表示して、ユーザの操作によって断層画像と表面画像とを切り替えて表示するようにしてもよい。出力部150は、表面画像においてユーザに切断面を指定させ、ユーザが指定した切断面で切断した断層画像を表示するようにしてもよい。
【0093】
(技術的効果)
次に、第7実施形態に係る生体分析システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0094】
図18から
図22で説明したように、第7実施形態に係る生体分析システム10によれば、穴部の位置及び種別に基づいて、断層画像及び表面画像の少なくとも一方が出力される。このようにすれば、生体の皮膚に存在する複数の穴部を、その種別に基づいて適切な態様で表示することができる。
【0095】
<第8実施形態>
第8実施形態に係る生体分析システム10について、
図23から
図26を参照して説明する。なお、第8実施形態は、上述した第7実施形態と比較して一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については、第1から第7実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0096】
(機能的構成)
まず、
図23を参照しながら、第8実施形態に係る生体分析システム10の機能的構成について説明する。
図23は、第8実施形態に係る生体分析システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図23では、
図18で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0097】
図23に示すように、第8実施形態に係る生体分析システム10は、その機能を実現するための処理ブロックとして、取得部110と、位置特定部120と、抽出部130と、種別特定部140と、出力部150と、皮膚情報取得部160とを備えている。即ち、第8実施形態に係る生体分析システム10は、第7実施形態の構成(
図18参照)に加えて、皮膚情報取得部160を更に備えて構成されている。なお、皮膚情報取得部160は、上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現されてよい。
【0098】
皮膚情報取得部160は、生体の皮膚に関する追加情報を取得可能に構成されている。ここでの追加情報は、位置特定部120によって特定される穴部の位置に関する情報、及び種別特定部140によって特定される穴部の種別に関する情報以外の情報である。追加情報の一例としては、肌温度や肌水分量等が挙げられる。ただし、皮膚情報取得部160は、ここで挙げていない情報を追加情報として取得してもよい。皮膚情報取得部160で取得された追加情報は、出力部150に出力される構成となっている。第8実施形態に係る出力部150は、皮膚情報取得部160が取得した追加情報を重畳して、断層画像及び表面画像の少なくとも一方を出力可能に構成されている。
【0099】
(動作の流れ)
次に、
図24を参照しながら、第8実施形態に係る生体分析システム10の動作の流れについて説明する。
図24は、第8実施形態に係る生体分析システムの動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図24では、
図19で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0100】
図24に示すように、第8実施形態に係る生体分析システム10の動作が開始されると、まず取得部110が、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する(ステップS11)。続いて、位置特定部120が、取得部110で取得された二次元データの少なくとも1つに基づいて、生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する(ステップS12)。続いて、抽出部130が、取得部110で取得された複数の二次元データの各々から、穴部の径を抽出する(ステップS13)。続いて、種別特定部140が、抽出部130で抽出された穴部の径に基づいて、穴部の種別を特定する(ステップS14)。
【0101】
続いて、皮膚情報取得部160が、生体の皮膚に関する追加情報を取得する(ステップS81)。なお、追加情報の取得タイミングは特に限定されるものではなく、ステップS81の処理は、上述したステップS11からステップS14の処理と相前後して実行されてもよい。また、皮膚情報取得部160は、
図19のフローチャートに示す一連の処理が開始される前に追加情報を取得して記憶しておき、適切なタイミングで記憶した追加情報を読み出すようにしてもよい。
【0102】
皮膚情報取得部160が取得した追加情報は出力部150に送られ、出力部150は、追加情報を重畳してから、生体の皮膚の断層画像及び表面画像の少なくとも一方出力する(ステップS81)。
【0103】
(具体的な出力例)
次に、
図25及び
図26を参照しながら、第8実施形態に係る生体分析システム10による具体的な出力例について説明する。
図25は、第8実施形態に係る生体分析システムが出力する断層画像の一例を示す図である。
図26は、第8実施形態に係る生体分析システムが出力する表面画像の一例を示す図である。なお、
図25及び
図26では、説明の便宜上、毛穴310及び汗腺410をそれぞれ1つずつ図示しているが、複数の毛穴310及び汗腺410を含む断層画像及び表面画像が出力されてもよい。
【0104】
図25及び
図26に示すように、出力部150は、断層画像及び表面画像に肌に関する情報を重畳して表示するようにしてもよい。ここで、肌に関する情報として、例えば肌温度を表示する。または、肌の水分量を表示してもよい。さらに、肌温度と肌の水分量等、複数の情報を表示してもよい。図に示す例では、肌温度が34.0℃であること、肌の水分量が40%であることが、追加情報として重畳表示されている。なお、追加情報の表示は、例えばユーザの操作によって切り替え可能であってよい。具体的には、ユーザの操作によって追加情報の表示の有無が切り替え可能とされてよい。ユーザの操作によって、表示する追加情報の種類や数が変更可能とされてよい。ユーザの操作によって、追加情報を表示する位置が変更可能とされてよい。
【0105】
また、断層画像及び表面画像の位置によって変化する追加情報を重畳表示する場合、画像上の対応する位置に追加情報を重畳表示するようにしてもよい。例えば、画像の右側の領域と左側の領域とで肌温度が違う場合は、右側の領域の肌温度を画像右側に表示して、左側の領域の肌温度を画像左側に表示してもよい。
【0106】
(技術的効果)
次に、第8実施形態に係る生体分析システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0107】
図23から
図26で説明したように、第8実施形態に係る生体分析システム10によれば、追加情報を重畳した断層画像及び表面画像の少なくとも一方が出力される。このようにすれば、断層画像及び表面画像と合わせて、生体の皮膚に関する情報を適切に提供することが可能となる。第8実施形態に係る生体分析システム10は、例えば肌に合った化粧品等を提案するサービス等において有益な技術的効果を奏する。
【0108】
<第9実施形態>
第9実施形態に係る生体分析システム10について、
図27から
図32を参照して説明する。なお、第9実施形態は、上述した各実施形態に適用可能な表示例を説明するものであり、システムの構成や動作の流れ等については、第1から第8実施形態と同様であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳しく説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。なお、下記表示例は、例えば上述した出力装置16(
図1)が有するディスプレイ等に表示されればよい。
【0109】
(第1表示例)
まず、
図27を参照しながら、第9実施形態に係る生体分析システム10による第1表示例について説明する。
図27は、第9実施形態に係る生体分析システムによる第1表示例を示す図である。
【0110】
図27に示すように、第1表示例では、毛穴310及び毛320の画像と共に、毛320が生えている方向(言い換えれば、毛が流れている向き)をベクトル表示する。このようにすれば、毛320が生えている方向を、ユーザ等に対して視覚的に分かりやすく知らせることが可能である。なお、毛320が生えている方向については、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データから特定することが可能である。例えば、毛球部分と毛穴表面との位置関係等から推定することができる。
【0111】
(第2表示例)
次に、
図28及び
図29を参照しながら、第9実施形態に係る生体分析システム10による第2表示例について説明する。
図28は、第9実施形態に係る生体分析システムによる第2表示例を示す図(その1)である。
図29は、第9実施形態に係る生体分析システムによる第2表示例を示す図(その2)である。
【0112】
図28に示すように、第2表示例では、毛穴310及び毛320の画像と共に、化粧品を塗る方向をベクトル表示する。例えば、化粧下地を塗る場合、毛穴の向き(即ち、毛の生えている方向)と反対方向に塗ることで、毛穴をしっかりとカバーでき、毛穴落ち等を防止できることが知られている。このため、第2表示例では、第1表示例(
図27参照)で示した毛が生えている方向とは逆方向に化粧品を塗るように矢印等を表示する。
【0113】
図29に示すように、第2表示例では、顔のモデルやユーザの顔画像と共に、化粧品を塗る方向を表示してもよい。この場合、化粧品を塗る方向は、顔の部位別に表示されてもよい。このようにすれば、化粧品を塗る方向を、ユーザ等に対して視覚的に分かりやすく知らせることが可能である。
【0114】
(第3表示例)
次に、
図30を参照しながら、第9実施形態に係る生体分析システム10による第3表示例について説明する。
図30は、第9実施形態に係る生体分析システムによる第3表示例を示す図である。
【0115】
図30に示すように、第3表示例では、毛穴310の画像と共に、毛穴の開き具合を表示する。毛穴の開き具合は、例えば対象者の年齢に応じたもの(例えば、同年代と比べた場合の毛穴の開き具合)が表示されてよい。この場合、図に示すように、対象者の年齢が表示されてもよい。対象者の年齢は、事前に入力されてもよいし、ユーザの顔画像等から推定したものであってもよい。毛穴の開き具合は、例えば「かなり開いている」、「やや開き気味である」、「ちょうどよい」、「やや閉じ気味である」、「かなり閉じている」のように表示されればよい。或いは、毛穴の開き具合は、数値化した指標(例えば、100点満点中、何点なのか)が表示されてもよい。
【0116】
毛穴の開き具合は、例えば年齢ごとに平均的な毛穴の大きさを記憶したテーブルを保有しておき、検出した毛穴の大きさ(例えば、表面画像や断層画像から検出した値)とテーブルの値とを比較することで取得すればよい。なお、テーブルに記憶されている毛穴の大きさは、体の部位ごとに別々に記憶されたものであってもよい。また、テーブルに記憶されている毛穴の大きさは、気温ごとに別々に記憶されたものであってもよい。このように、部位ごと、気温ごとにテーブルを用意しておけば、毛穴の開き具合の判定結果の精度を高めることができる。毛穴の開き具合が判れば、例えば毛穴を隠せるような化粧品の提案等を適切に行うことが可能となる。
【0117】
(第4表示例)
次に、
図31及び
図32を参照しながら、第9実施形態に係る生体分析システム10による第4表示例について説明する。
図31は、第9実施形態に係る生体分析システムによる第4表示例を示す図(その1)である。
図32は、第9実施形態に係る生体分析システムによる第4表示例を示す図(その2)である。
【0118】
図31に示すように、第4表示例では、化粧前の毛穴310の画像と、化粧後の毛穴310の画像とを並べて表示する。このようにすれば、化粧により毛穴をどの程度隠せたかを対象者に知らせることができる。
【0119】
図32に示すように、第4表示例では、化粧前の毛穴310の画像、及び化粧後の毛穴310の画像と共に、化粧前及び化粧後の毛穴310の大きさを表示してもよい。なお、毛穴310の大きさを表示する場合には、複数の毛穴310のうち1つの毛穴320の大きさを表示してもよいし、複数の毛穴310の大きさの平均値を算出して表示するようにしてもよい。また、毛穴310の大きさに加えて又は代えて、化粧によってどの程度毛穴310が目立たなくなったのかを示す度合いを表示するようにしてもよい。
【0120】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0121】
(付記1)
付記1に記載の生体分析システムは、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得する取得手段と、前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定する位置特定手段と、前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出する抽出手段と、前記穴部の径に基づいて、前記穴部の種別を特定する種別特定手段とを備えることを特徴とする生体分析システムである。
【0122】
(付記2)
付記2に記載の生体分析システムは、前記種別特定手段は、前記穴部の種別が毛穴であることを特定可能とされていることを特徴とする付記1に記載の生体分析システムである。
【0123】
(付記3)
付記3に記載の生体分析システムは、前記種別特定手段は、前記穴部の径の深さ方向での変化率が所定の第1閾値以下である場合に、前記穴部の種別が毛穴であると特定することを特徴とする付記2に記載の生体分析システムである。
【0124】
(付記4)
付記4に記載の生体分析システムは、前記種別特定手段は、前記穴部の種別が汗腺であることを特定可能とされていることを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の生体分析システムである。
【0125】
(付記5)
付記5に記載の生体分析システムは、前記種別特定手段は、前記穴部の径の深さ方向での変化率が所定の第2閾値以上である場合に、前記穴部の種別が汗腺であると特定することを特徴とする付記4に記載の生体分析システムである。
【0126】
(付記6)
付記6に記載の生体分析システムは、前記取得手段は、三次元断層データから、前記複数の二次元データを取得することを特徴とする請付記1から5のいずれか一項に記載の生体分析システムである。
【0127】
(付記7)
付記7に記載の生体分析システムは、前記穴部の位置及び前記穴部の種別に基づいて、前記穴部を含む前記生体の皮膚の断層画像及び表面画像の少なくとも一方を出力する出力手段を更に備えることを特徴とする付記1から6のいずれか一項に記載の生体分析システムである。
【0128】
(付記8)
付記8に記載の生体分析システムは、前記生体の皮膚について、前記穴部の位置及び前記穴部の種別以外の情報である追加情報を取得する第2の取得手段を更に備え、前記出力手段は、前記断層画像及び前記表面画像の少なくとも一方に、前記追加情報を重畳して出力することを特徴とする付記7に記載の生体分析システムである。
【0129】
(付記9)
付記9に記載の生体分析方法は、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得し、前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定し、前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出し、前記穴部の径に基づいて、前記穴部の種別を特定することを特徴とする生体分析方法である。
【0130】
(付記10)
付記10に記載のコンピュータプログラムは、生体の皮膚における深さの異なる複数の二次元データを取得し、前記複数の二次元データの少なくとも1つから、前記生体の皮膚に存在する穴部の位置を特定し、前記複数の二次元データの各々から、前記穴部の径を抽出し、前記穴部の径に基づいて、前記穴部の種別を特定するようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0131】
(付記11)
付記11に記載の記録媒体は、付記10に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体である。
【0132】
この開示は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う生体分析システム、生体分析方法、及びコンピュータプログラムもまたこの開示の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0133】
10 生体分析システム
11 プロセッサ
14 記憶装置
16 出力装置
110 取得部
111 三次元データ解析部
120 位置特定部
130 抽出部
140 種別特定部
141 毛穴特定部
142 第1閾値記憶部
143 汗腺特定部
144 第2閾値記憶部
150 出力部
160 皮膚情報取得部
210 表皮
220 真皮
230 皮下脂肪
310 毛穴
320 毛
410 汗腺
415 コイル部