(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-27
(54)【発明の名称】機器制御装置、機器制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04847 20220101AFI20240918BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20240918BHJP
【FI】
G06F3/04847
G06F3/04817
(21)【出願番号】P 2023525289
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 JP2021021226
(87)【国際公開番号】W WO2022254665
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹沼 慶与
(72)【発明者】
【氏名】上田 純
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-042621(JP,A)
【文献】特開2013-061858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0019042(US,A1)
【文献】特開2019-066605(JP,A)
【文献】特開2004-276731(JP,A)
【文献】特開2010-211500(JP,A)
【文献】特開2021-082202(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2896524(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04847
G06F 3/04817
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによるタッチパネル式ディスプレイのタッチ操作に基づき制御対象を制御するコントローラを備え、
前記ディスプレイは、
前記制御対象を模した制御対象アイコンと、前記制御対象を操作するための前記タッチ操作を有効にする複数のタッチエリアとを含む表示画面を表示し、
前記タッチ操作から、第1ジェスチャと、前記第1ジェスチャと異なり一定の方向をもつ第2ジェスチャを検知し、
前記コントローラは、
前記ディスプレイが複数の前記タッチエリアのいずれか1つのタッチエリアにおいて前記第1ジェスチャを検知した場合には、前記1つのタッチエリアと前記制御対象アイコンとの表示画面における位置関係に対応した前記制御対象の選択及び前記制御対象の向きの制御の少なくともいずれか一方を実行し、
前記ディスプレイが、
前記第1タッチエリアを検出した前記1つのタッチエリアにおいて前記第2ジェスチャを検知した場合に、前記第2ジェスチャが前記制御対象アイコンから遠ざかる方向をもつときには
、前記1つのタッチエリアと前記制御対象アイコンとの表示画面における位置関係に対応した前記制御対象の制御量を増加させ、
前記ディスプレイが
、前記第1タッチエリアを検出した前記1つのタッチエリアにおいて前記第2ジェスチャを検知した場合に、前記第2ジェスチャが前記制御対象アイコンに近づく方向をもつ場合には
、前記1つのタッチエリアと前記制御対象アイコンとの表示画面における位置関係に対応した前記制御対象の制御量を減少させる機器制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の機器制御装置において、
前記コントローラは、
複数の前記タッチエリアのうち前記第1ジェスチャが検知された領域に対応する位置に、前記制御対象の方向を向ける機器制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の機器制御装置において、
前記第1ジェスチャは、タップ又はホバリングである機器制御装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記第2ジェスチャは、スワイプ又はフリックである機器制御装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記タッチエリアは、前記制御対象アイコンに隣接している機器制御装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記表示画面は、前記ユーザの位置を示すユーザ位置アイコンを含み、
前記タッチエリアは、前記制御対象アイコンと前記ユーザ位置アイコンの間に配置される機器制御装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記表示画面は、右座席を表す右座席画像と、左座席を表す左座席画像を含み、
前記右座席画像及び前記左座席画像で表される座席は、前記表示画面上で、前記制御対象アイコンを向いている機器制御装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象は音響機器であり、
前記制御量は前記音響機器から出力する音の音位又は音量である機器制御装置。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象は空調機器であり、
前記制御量は前記空調機器から出力する風の向き又は風量である機器制御装置。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象は照明機器であり、
前記制御量は前記照明機器の照度又は照射位置である機器制御装置。
【請求項11】
請求項1~7のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象は撮像装置であり、
前記制御量は前記撮像装置の撮像方向又はズーム倍率である機器制御装置。
【請求項12】
請求項1~7のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象は水流発生装置であり、
前記制御量は前記水流発生装置から出力する水流の向き又は流量である機器制御装置。
【請求項13】
請求項1~7のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記コントローラは、前記制御量を示す画像を前記ディスプレイに表示させる制御指令を出力する機器制御装置。
【請求項14】
請求項1~6のいずれか1項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象は車両に搭載される装置であり、
前記表示画面は、前記車両の進行方向を正面とした場合に、右座席を表す右座席画像と、左座席を表す左座席画像を含む機器制御装置。
【請求項15】
請求項1~5のいずれか一項に記載の機器制御装置と、
前記ディスプレイと、
前記制御対象である撮像装置とを備える電子機器。
【請求項16】
制御対象を模した制御対象アイコンと、前記制御対象を操作するためのタッチ操作を有効にする複数のタッチエリアとを含む表示画面を、タッチパネル式ディスプレイに表示させる機能と、
前記ディスプレイへのタッチ操作から、第1ジェスチャと、前記第1ジェスチャと異なり一定の方向をもつ第2ジェスチャとを検知する機能と、
前記ディスプレイが前記複数のタッチエリアのいずれか1つのタッチエリアにおいて前記第1ジェスチャを検知した場合には、前記1つのタッチエリアと前記制御対象アイコンとの表示画面における位置関係に対応した前記制御対象の選択及び前記制御対象の向きの制御の少なくともいずれか一方を実行する機能と、
前記ディスプレイが
、前記第1タッチエリアを検出した前記1つのタッチエリアにおいて前記第2ジェスチャを検知した場合に、前記第2ジェスチャが前記制御対象アイコンから遠ざかる方向をもつときには
、前記1つのタッチエリアと前記制御対象アイコンとの表示画面における位置関係に対応した前記制御対象の制御量を増加させる機能と、
前記ディスプレイが
、前記第1タッチエリアを検出した前記1つのタッチエリアにおいて前記第2ジェスチャを検知した場合に、前記第2ジェスチャが前記制御対象アイコンに近づく方向をもつ場合には
、前記1つのタッチエリアと前記制御対象アイコンとの表示画面における位置関係に対応した前記制御対象の制御量を減少させる機能と、
をコンピュータに実現させるプログラム。
【請求項17】
タッチパネル式ディスプレイ及び制御対象を制御する機器制御方法において、
前記制御対象を模した制御対象アイコンと、前記制御対象を操作するためのタッチ操作を有効にする複数のタッチエリアとを含む表示画面を、前記ディスプレイに表示させ、
前記ディスプレイへのタッチ操作から、第1ジェスチャと、前記第1ジェスチャと異なり一定の方向をもつ第2ジェスチャとを検知し、
前記ディスプレイが前記複数のタッチエリアのいずれか1つのタッチエリアにおいて前記第1ジェスチャを検知した場合には、前記1つのタッチエリアと前記制御対象アイコンとの表示画面における位置関係に対応した前記制御対象の選択及び前記制御対象の向きの制御の少なくともいずれか一方を実行し、
前記ディスプレイが
、前記第1タッチエリアを検出した前記1つのタッチエリアにおいて前記第2ジェスチャを検知した場合に、前記第2ジェスチャが前記制御対象アイコンから遠ざかる方向をもつときには
、前記1つのタッチエリアと前記制御対象アイコンとの表示画面における位置関係に対応した前記制御対象の制御量を増加させ、
前記ディスプレイが
、前記第1タッチエリアを検出した前記1つのタッチエリアにおいて前記第2ジェスチャを検知した場合に、前記第2ジェスチャが前記制御対象アイコンに近づく方向をもつときには
、前記1つのタッチエリアと前記制御対象アイコンとの表示画面における位置関係に対応した前記制御対象の制御量を減少させる機器制御方法。
【請求項18】
請求項1~14のいずれか一項に記載の機器制御装置において、
複数のタッチエリアの各々は、表示画面における前記制御対象アイコンとの位置関係に基づいて前記制御対象の選択または前記制御対象の向きの制御うち少なくとも1つの制御が対応する機器制御装置。
【請求項19】
請求項1~14のいずれか一項に記載の機器制御装置において、
前記複数のタッチエリアは、前記ディスプレイの高さ方向で、所定エリアと、前記所定エリアに対して上部に位置する上部エリアと、前記所定エリアに対して
下部に位置する下部エリアに区分けされている機器制御装置。
【請求項20】
請求項1~14のいずれか一項に記載の機器制御装置において、
前記複数のタッチエリアは、
前記制御対象アイコンを含む基準領域画像と、座席画像との間に位置し、
前記基準領域画像と前記座席画像の胸部との間のエリアと、基準領域画像と座席画像の頭部との間の上部エリアと、前記基準領域画像と前記座席画像の下部との間の下部エリアに区分けされており、
前記エリアは正面吹き出し口から座席に出る風を操作するためのエリアであり、
前記上部エリアはデフロスターを操作するためのエリアであり、
前記下部エリアは下部吹き出し口から座席の下部に出る風を操作するためのエリアである機器制御装置。
【請求項21】
請求項1~14のいずれか一項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象アイコンはスピーカアイコンであり、
前記複数のタッチエリアは、前記スピーカアイコンを含む基準領域画像と右座席画像との間のエリアと、前記基準領域画像と左座席画像との間のエリアに区分けされている機器制御装置。
【請求項22】
請求項1~14のいずれか一項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象アイコンはライトアイコンであり、
前記複数のタッチエリアは、前記表示画面に表示される家具画像の位置に応じて区分けされている機器制御装置。
【請求項23】
請求項1~14のいずれか一項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象アイコンはカメラアイコンであり、
前記複数のタッチエリアは、前記表示画面に表示される家具画像の位置に応じて区分けされている機器制御装置。
【請求項24】
請求項1~14のいずれか一項に記載の機器制御装置において、
前記制御対象アイコンは水流発生装置を模したアイコンであり、
前記複数のタッチエリアは、ユーザの身体のうち、水流の当たる部分に応じて区分けされている機器制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御装置、機器制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチ面に対するタッチ継続操作により、エアコン制御用の設定温度や設定風量の設定を変更する、車両用タッチ式操作入力装置が知られている。例えば、特許文献1記載の入力装置は、車両が走行中であるか否かを特定する走行状態特定手段と、タッチ継続操作を受け付けるタッチ操作入力手段と、制御パラメータを変化させる制御手段を備えている。画面表示部に表示される温度設定用の画面には、回転軸周りに等間隔おきにメモリ画像が描画されるとともに、その回転軸周りを回転動作してそれらメモリ画像を指示する指針画像が描画されており、それら指針画像は、タッチ面でのスライド操作によって動かすことができる。そして、指針画像の指示位置を変化させることで、設定温度や設定風量を示す制御パラメータの現在設定値を変更でき、車両の走行中と停車中において、制御パラメータの設定値を変更する操作の内容は同じでも、変更される内容が異なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の車両用タッチ式操作入力装置において、画面表示部に表示される温度設定用の画面には、温度の大きさを示すメモリと、メモリを指示する指針画像が表示されるだけであるため、車両内のどの部分の空調が制御されるのかユーザが直感的に把握できず、操作性が低いという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、操作性を高めた機器制御装置、機器制御方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、制御対象アイコンと、制御対象を操作するためのタッチ操作を有効にする複数のタッチエリアとを含む表示画面をディスプレイに表示させて、タッチ操作から、第1ジェスチャと第2ジェスチャとを検知し、タッチエリアにおいて第1ジェスチャを検知した場合には、制御対象の選択及び制御対象の向きの制御の少なくともいずれか一方の制御を実行し、タッチエリアにおいて2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャが制御対象アイコンから遠ざかる方向をもつときには制御対象の制御量を増加させ、第2ジェスチャが制御対象アイコンに近づく方向をもつときには制御対象の制御量を減少させることによって、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示画面のタッチ操作により制御対象を操作する際の操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係る制御システムを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1のディスプレイを備えたダッシュボードの正面図である。
【
図3】
図3は、
図1のディスプレイの表示画面を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1のディスプレイの表示画面を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1のディスプレイの表示画面を示す図である。
【
図6】
図6は、
図1のディスプレイの表示画面を示す図である。
【
図7】
図7は、温度表示と設定温度の関係を示すグラフである。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施形態に係る制御システムを示すブロック図である。
【
図9】
図9は、
図8のディスプレイの表示画面を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の他の実施形態に係る制御システムを示すブロック図である。
【
図12】
図12は、本発明の他の実施形態に係る制御システムを示すブロック図である。
【
図14】
図14は、本発明の他の実施形態に係る制御システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る制御システムの一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る制御システムを示すブロック図である。制御システム1は、車両に搭載されたシステムであって、ディスプレイ10と、空調機器20と、コントローラ30を備えている。本実施形態に係る制御システム1は、タッチパネル式ディスプレイ10によりタッチ操作を受け入れて、タッチ操作に基づき空調機器20を制御するものである。なお、本実施形態では、制御システム1の制御対象は空調機器20としているが、制御対象は空調機器20に限らず他の装置又は機器でもよい。
【0010】
ディスプレイ10は、タッチパネル式のディスプレイであり、車両に搭載されている。タッチパネル式のディスプレイ10は、感圧センサを備え、接触操作時にディスプレイ10に与えられた押圧力を抵抗値や電圧などから測定することで、ユーザによるタッチ操作を検知する。感圧センサの機構は特に限定されず、出願時に知られた方法を適宜に用いることができる。またタッチパネルは、感圧式に限らず、静電式等、他の方式でもよい。
図2は、タッチパネルを備えたダッシュボード付近の正面図である。
図2に示すように、ディスプレイ10は、ダッシュボードの正面部分のディスプレイ(センタディスプレイ)であり、運転席と助手席の間に配置されている。ディスプレイ10は、運転席に座った状態の乗員(以下、「ドライバー」とも称す)と助手席に座った状態の乗員(以下、「助手席乗員」とも称す)がそれぞれ触れることができる位置に設けられている。後述するように、空調機器20は、ドライバーと助手席乗員にそれぞれ独立して風を吹き出すことができ、ドライバーと助手席乗員が触れることができる位置にディスプレイ10を配置することで、ドライバーと助手席乗員は座席空間の空調をそれぞれ独立して操作できる。なお、以下の説明において、空調機器20は、座席空間の温度を調整する機器及びガラスの曇り止め等を抑制する装置を指しており、いわゆるエアーコンディショナーに相当する。また、ディスプレイ10は、必ずしもドライバーと助手席乗員の両乗員が触れる位置に配置する必要は無く、例えばドライバーのみが触れることが可能な位置に配置されてもよい。またディスプレイ10は、ダッシュボードに限らず、例えば後部座席の乗員が触れる位置に配置されてもよい。
【0011】
乗員は指又は指に代わる操作機器により、ディスプレイ10に触れるタッチ操作により、メニュー画面から空調機器20の操作を選択して、空調機器20操作用の画面を表示させる。なお、以下の説明では、主に指を使ったタッチ操作について説明するが、指の代わりに操作機器を使ったタッチ操作でもよい。乗員は、ディスプレイ10の表示画面上にタッチして、空調機器20を操作する。タッチ操作は、ディスプレイ10に表示されるアイコンやボタンに指を触れる、又は、アイコンやボタンに指を近づけるような、指を使ったジェスチャにより実行されるポインティング操作である。タッチ操作は、タップ(画面を1回タッチする)、ダブルタップ(画面を2回タッチする)、ロングタップ(画面を長押しする)、スワイプ(画面に触れた指を画面上でそのままスライドさせる(指をなぞる))、フリック(画面に触れた指を、画面上で素早く弾くように動かす)、ピンチイン/ピンチアウト(2本の指で画面に触れて、2本の指を近づける/遠ざける)等である。タッチ操作は、画面上の1点又は複数点に指を触れる第1ジェスチャに限らず、画面に触れた状態で指の接触点を移動させる第2ジェスチャを含んでいてもよい。また、タッチ操作は、表示画面に直接触れなくてもよく、指等を表示画面に近づける、いわゆるホバリングでもよい。なお、タッチ操作の操作方法は、これらに限らず他の方法でもよい。なお、以下の説明は、主に指等を表示画面に直接触れた時のタッチ操作を例に実施形態を説明するが、ホバリングの場合は、以下の「指の接触」に関する説明をホバリングに置き換えればよい。
【0012】
空調機器20は、車室内の温度を調整する機器であって、エアーコンディショナーである。空調機器20は、コンプレッサー等を含むエアコンシステムで構成されており、乗員の座席空間に風を吹き出す吹き出し口、フロントガラス及び/又はサイドガラスの曇りを除去するためのデフロスター等を有している。吹き出し口は、ダッシュボードやダッシュボードの下部などに設けられている。ダッシュボードの吹き出し口は、正面吹き出し口であり、座席の正面に向けて風を吹き出すように配置されている。ダッシュボードの下部の吹き出し口は、下部吹き出し口であり、座席の下部に向けて風を吹き出すように配置されている。風向は吹き出し口内のフィンの向きで変わる。デフロスターは、ダッシュボードの前方部分からフロントガラスに沿って風を吹き出す吹き出し口を有しており、エアコンシステムで生成した風を出力する。
【0013】
コントローラ30は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、プログラムを格納したメモリと、このメモリに格納されたプログラムを実行するCPU等を有している。コントローラ30は、機能ブロックとして、表示制御部31及び機器制御部32を有しており、表示制御部31及び機器制御部32の各機能を実現するためのプログラムがメモリに記憶されている。そして、コントローラ30に含まれるコンピュータがプログラムを実行することで、機能ブロックの各機能を実現する。またコントローラ30は、ディスプレイ10及び空調機器20とCAN通信網等で接続されており、ディスプレイ10に加えて、制御対象として空調機器20を制御する。コントローラ30は、表示制御部31及び機器制御部32に限らず、例えばオーディオシステムを制御する機能等、車室内の各種システムを制御するための制御ブロックを有しており、ディスプレイ10及び空調機器20に限らず、他の車載機器を制御する。なお、車両に含まれる各種システムは複数のECUで制御されるが、
図1では、複数のECUをコントローラ30として図示している。なお、コントローラ30を有する装置が、本発明の「機器制御装置」に相当する。
【0014】
表示制御部31は、ディスプレイ10の表示画面を制御する。また表示制御部31は、ディスプレイによりタッチ操作を検知した場合には、表示画面上におけるタッチ操作の位置やタッチ操作の種類に応じた操作指令を受け入れる。表示制御部31は、空調機器20の動作状態を表示画面上で表す画像を生成し、ディスプレイ10に出力する。空調機器20の動作状態は、表示画面に含まれる画像の形、色、模様、アニメーション等を変えることで、乗員が識別できるように表示される。また表示制御部31は、受け入れた操作指令を機器制御部32に出力する。
【0015】
機器制御部32は、タッチ操作に基づき空調機器20を制御する。機器制御部32は、タッチ操作の内容から制御項目を特定し、特定された制御項目に応じて、システムのオン/オフ、吹き出し口の選択、吹き出し口から吹き出される風の風量、温度、風向等を制御する。機器制御部32は、制御項目に応じた制御指令を空調機器20に出力する。制御項目は、風量設定、風向設定、温度設定、吹き出し口の選択等、空調機器の仕様に応じて予め決まっている。制御項目は、ディスプレイ10のタッチ操作、車両に設けられたスイッチにより選択される。また、機器制御部32は、空調機器20の動作状態及び車室内の環境を管理している。車室内の環境は、温度センサ等を用いて管理される。
【0016】
機器制御部32による空調機器20の制御と、表示制御部31による表示画面の制御は、アプリケーション(ソフトウェア)で関連付けられている。表示制御部31は、表示画面へのタッチ操作により操作指令を受け入れ、機器制御部32は、操作指令に応じた制御項目を特定し、制御項目に応じた制御指令を空調機器20に出力する。また、機器制御部32は、空調機器20をオート設定で制御している状態で、車室内の温度環境に応じて、空調機器20の動作を変更した場合には、変更後の動作状態を示す信号を表示制御部31に送信する。表示制御部31は、機器制御部32から受信した信号に基づき、空調機器20の現在の動作状態を、ディスプレイ10に表示する。これにより、乗員は、ディスプレイ10を用いて空調機器20を操作し、ディスプレイ10の表示画面から空調機器20の動作状態を確認できる。
【0017】
次に、
図3~
図5を参照し、ディスプレイ10を用いた空調機器20の制御方法と、ディスプレイ10の表示画面について説明する。
図3~
図5は、ディスプレイ10の表示画面であって、空調機器20の制御用の操作画面を示す。なお、以下に説明する制御方法は、ディスプレイ10の表示画面が空調機器20の操作用画面を表示している場合に、有効になる。ディスプレイ10の表示画面は横長表示である。また、
図3~
図5に示す表示画面は、車両の前方の空調機器20を操作する時に表示される。
図3~
図5において、x軸は車両の車幅方向(左右方向)を、y軸は車両の進行方向(前進方向)への奥行を、z軸は高さ方向(上下方向)表している。
【0018】
乗員がディスプレイ10のメインスイッチをオンにすると、表示制御部31はディスプレイ10にトップ画面を表示する。乗員は、トップ画面内のメニュー表示から、操作対象として「空調機器(エアーコンディショナー)」にタッチし、ディスプレイ10はタッチ操作を検知する。コントローラ30は、空調機器20を操作するためのアプリケーションを起動する。なお、空調機器20の制御用のアプリケーションは、「空調機器(エアーコンディショナー)」を選択する前に起動されていてもよい。表示制御部31は、ディスプレイ10に、
図3~
図5に示す表示画面を表示するために、制御指令をディスプレイ10に出力する。なお、空調機器20を操作する際に、ディスプレイ10の初期表示画面は、前回設定時の項目を表示すればよい。例えば、前回、空調機器20の動作を終えた時の風量、風向、温度等が、今回の初期表示画面に表示される。あるいは、空調機器20の動作が初期設定で決まっている場合には、初期設定の動作内容が今回の初期表示画面に表示される。初期設定は乗員により変更可能でもよく、あるいは、システム側で変更してもよい。
【0019】
図3に示すように、ディスプレイ10の表示画面は、メインスイッチボタン11、モードスイッチボタン12と、ハンドルアイコン13と、基準領域画像40と、座席画像50と、同期スイッチボタン70と、温度調整バー81,82と、温度表示画像91、92とを含んでいる。メインスイッチボタン11は、空調機器20のオン、オフをタッチ操作で切り替えるためのボタンである。ボタン表示は、オフ状態で白抜きになり、オン状態では、白抜き部分がオレンジ色になる。なお、以下の説明で、他のボタンアイコンのオン、オフ表示も同様に、白抜き表示とオレンジ色の表示で表される。モードスイッチボタン12は、空調機器20の動作モード(AUTO、MANUAL)を切り替えるためのスイッチである。ハンドルアイコン13は、表示画面の右側に位置しており、表示画面において右側の座席が運転席であることを表している。なお、表示画面上に表示されるアイコンやボタンは、その種類に応じて、空調機器20を制御するためにタッチ操作を有効にする領域を規定している。そのため、ユーザがアイコンやボタンにタッチすることで、空調機器20を操作することが可能となる。
【0020】
基準領域画像40は、表示画面の中心点を領域の中心として所定範囲内の画像であって、少なくともファンアイコン41を有している。ファンアイコン41は、表示画面の中心部に、風の吹き出し口(ファン)を模した図形で表される。つまり、ファンアイコン41は、制御対象である空調機器20を模したアイコンである。ディスプレイ10の表示画面は、基準領域を表す基準領域画像40と、座席を表す座席画像50を含んでいる。基準領域は、タップ等、スワイプやフリックなど、一定の方向(ベクトル)を有するタッチ操作(以下、方向性タッチ操作とも称す)を行うための、方向を決めるために設定される領域である。つまり、後述するような風量調整等のために表示画面上で方向性タッチ操作を行う場合に、基準領域は、方向性タッチ操作で指を接触させる位置、あるいは、指の動作方向を表示画面上で示すために設けられている。なお、方向性タッチ操作は、言い換えると、タッチ操作に伴う指等の接触点の移動がベクトルをもつようなタッチ操作としてもよい。
図3~
図5の例では、ファンアイコン(ファン図形)41を中心に、上下方向への縦長の領域(点線の楕円で囲む領域)が基準領域となる。なお基準領域は、矩形、円形、楕円形等の閉空間で規定されている。基準領域画像は、必ずしも乗員が基準領域の境界を認識できるような画像にする必要は無く、少なくともファンアイコン41を含んでいればよい。つまり、方向性タッチ操作で画面を操作する際に、乗員が、指を移動させる方向、及び/又は、指を最初に触れる位置を特定できるように、基準領域が表示画面上で設定されればよい。
【0021】
座席画像50は、座席を後部から見た時の座席の様子で描かれている。座席画像50は、右座席画像51と左座席画像52を含んでいる。車両の進行方向(前進方向)を正面とした場合に、右座席画像51は右座席(運転席)を表し、左座席画像52は左座席(助手席)を表す。座席画像50はユーザの位置を示すアイコンに相当する。例えば、右座席画像51はドライバーの位置を示す。基準領域画像40は、表示画面上で、右座席画像51と左座席画像52との間に位置する。右座席画像51と左座席画像52は、右座席及び左座席を後部からみた時の配置で、表示画面上に表示される。左右座席画像51、52とファンアイコン41は、表示画面上で奥行をもつように、y軸方向に前後の位置関係で表示されている。また、左右座席画像51、52は、右座席はz軸を中心軸として正面よりも反時計回りに、左座席はz軸を中心軸として正面よりも時計回りに、それぞれ所定角度(例えば、10度から45度の範囲)回転することで、互いの座席が前方のファンアイコン41を向くように、表示されている。つまり、基準領域画像40と左右座席画像51、52は、左右座席が表示画面上で基準領域を向いているように配置されている。これにより、表示画面をみた乗員は、左右座席が前方のファンアイコン41を向いているような状態を、ディスプレイ10から視覚的に把握できる。
【0022】
基準領域画像40及び座席画像50のz軸方向の位置関係について説明する。右座席画像51と左座席画像52は、z軸方向に同じ高さで、表示画面上に表示される。ファンアイコン41は、z軸方向で、左右座席画像51、52の胸部と同じ高さになるように表示画面上に表示される。後述するように、基準領域画像40と座席画像50の間には、空調機器20の風を示す画像(アイコン)が表示される。表示画面上で、ファンアイコン41から座席画像50の胸部との間のエリアと、このエリアに対して上部エリアと下部のエリアが区分けできるように、基準領域と座席画像の高さが規定されている。
【0023】
次に、空調機器20から出る風の表示について説明する。
図4~
図5に示すように、基準領域画像40と右座席画像51との間には右側風画像61が表示され、基準領域画像40と左座席画像52との間には左側風画像62が表示される。右側風画像61は空調機器20から右座席に向かって吹き出す風の画像であり、左側風画像62は空調機器20から左座席に向かって吹き出す風の画像である。右側風画像61は後述するタッチエリア610~630内にそれぞれ表示され、左側風画像62は後述するタッチエリア640~660内にそれぞれ表示される。右側風画像61及び左側風画像62は、風量レベル「0」の時は表示されず、風量レベルが「0」より高い場合に表示される。右側風画像61及び左側風画像62は、風が出ているか否かを表しており、乗員は、右側風画像61及び左側風画像62の表示の有無で、風が出ているか否か、把握しやすくなる。
【0024】
基準領域画像40は、上述したファンアイコン41に加えて、「+」アイコン42及び「-」アイコン43を含んでいる。「+」アイコン42は風量を増加させるためのボタンであり、「-」アイコン43は風量を減少させるためのボタンである。乗員は、表示画面上で、「+」アイコン42を1回タッチすると風量が1段階増加し、「-」アイコン43を1回タッチすると風量が1段階減少する。風量レベルはタッチ回数に応じて増減する。また、「+」アイコン42がロングタップでタッチされた場合には、風量レベルは最大値になり、「-」アイコン43がロングタップでタッチされた場合には、風量レベルはゼロ又は最小値(0より大きい)になる。
【0025】
基準領域画像40と右座席画像51との間の領域は、ファンアイコン41と右座席画像51の胸部との間のタッチエリア610と、「+」アイコン42と右座席画像51の頭部との間のタッチエリア620と、「-」アイコン43と右座席画像51の下部(座面部)との間のタッチエリア630に区分けされている。タッチエリア610は正面吹き出し口から右座席に出る風を操作するためのエリアであり、タッチエリア620はデフロスターを操作するためのエリアであり、タッチエリア630は下部吹き出し口から右座席の下部に出る風を操作するためのエリアである。すなわち、タッチ操作の位置に応じて、空調機器20の制御対象が変わる。例えば、乗員が正面吹き出し口から右座席に出る風の風量を調整する場合には、乗員はタッチエリア610をタッチすればよい。なお、風量調整の具体的な操作方法は後述する。基準領域画像40と左座席画像52との間の領域も同様にタッチエリア640、650、660が区分けされている。タッチエリア640は正面吹き出し口から左座席に出る風を操作するためのエリアであり、タッチエリア650はデフロスターを操作するためのエリアであり、タッチエリア660は下部吹き出し口から左座席の下部に出る風を操作するためのエリアである。表示画面上において、タッチエリア610、640はファンアイコン41に隣接しており、タッチエリア620、650は「+」アイコン42に隣接しており、タッチエリア630、660は「-」アイコン43に隣接している。
【0026】
右座席の正面に向かう風を表す風アイコン611と、デフロスターを表すデフロスターアイコン621と、右側座面の下部に向かう風を表す風アイコン631がディスプレイ10の表示画面に表示される。。ディスプレイ10の表示画面上において、風アイコン611は、ファンアイコン41と右座席画像51の胸部との間に表示され、デフロスターアイコン621は「+」アイコン42と右座席画像51の頭部との間に表示され、風アイコン631は「-」アイコン43と右座席画像51の下部(座面部)との間に表示される。風アイコン611、631は、矢印で表され、矢印の向きは基準領域画像40から右座席画像51を向いている。
【0027】
左座席の正面に向かう風を表す風アイコン641と、デフロスターを表すデフロスターアイコン651と、左側座面の下部に向かう風を表す風アイコン661がディスプレイ10の表示画面に表示される。ディスプレイ10の表示画面上において、風アイコン641は、ファンアイコン41と左座席画像52の胸部との間に表示され、デフロスターアイコン651は「+」アイコン42と左座席画像52の頭部との間に表示され、風アイコン661は「-」アイコン43と左座席画像52の下部(座面部)との間に表示される。風アイコン641、661は、矢印で表され、矢印の向きは基準領域画像40から左座席画像52を向いている。
【0028】
風アイコン611、631、641、661はタッチエリア610、630、640、660にそれぞれ表示されており、タッチエリア610、630、640、660のタッチ操作で、吹き出し口から座席正面及び座席下部に向かう風を調整できることを、乗員に対して視覚的に示している。また、デフロスターアイコン621、651はタッチエリア620、650にそれぞれ表示されており、タッチエリア620、650のタッチ操作で、デフロスターを調整できることを、乗員に対して視覚的に示している。また風アイコン611、631、641、661の向きは、風量を増加させる際の、方向性タッチ操作の操作方向を示している。
【0029】
次に、風量調整の操作方法と風量の表示形態について説明する。タッチエリア610~660は、エリアごとに独立して、空調機器20を操作するためのタッチ操作を有効にする領域を表している。つまり、タッチエリア610は、正面吹き出し口から右側乗員に出る風を調整するためのタッチ操作を有効にする領域を表している。タッチエリア620、650は、デフロスターを制御するためのタッチ操作を有効にする領域を表している。タッチエリア630は、下部吹き出し口から右側乗員に出る風を調整するためのタッチ操作を有効にする領域を表している。タッチエリア640、660は、タッチエリア610、630と同様に、吹き出し口から左側乗員に出る風を調整するためのタッチ操作を有効にする領域を表している。
【0030】
タッチエリア610~660の中から、操作したい制御対象に対応するエリアでタッチ操作を行うことで、操作したい制御対象を選択できる。制御対象は、空調機器20全体の中で、風を出力したい機器に相当する。例えば、乗員が、正面吹き出し口から右座席に出る風を調整したい場合には、乗員は、タッチエリア610をタッチする。なお、制御対象を選択するためのタッチ操作は、方向性タッチ操作である必要は無く、タップ等、方向性(一定の方向(ベクトル))をもたないタッチ操作でもよい。タッチエリア内における方向性タッチ操作の方向により、風量の強弱の切り替えが可能である。方向性タッチ操作が基準領域画像40から座席画像50に向かう方向をもつ場合には、空調機器20から出る風の風量は増加する。一方、方向性タッチ操作が座席画像50から基準領域画像40に向かう方向をもつ場合には、空調機器20から出る風の風量は減少する。例えば、右側乗員が正面吹き出し口から出る風の風量を増加したい場合には、乗員はタッチエリア610内をタッチし、指をタッチしながらファンアイコン41から右座席画像51に向かう方向に動かす。また例えば、左側乗員が下部吹き出し口から出る風の風量を減少したい場合には、乗員はタッチエリア660内をタッチし、指をタッチしながら左座席画像52から「-」アイコン43に向かう方向に動かす。
【0031】
上記のとおり、複数のタッチエリア610~660の中から1つのエリアがタッチされることで、空調機器20の制御対象が選択される。そして、タッチ操作が表示画面上で基準領域画像40から座席画像50に向かう方向をもつ場合には、機器制御部32は、空調機器20から出る風の風量を増加させる制御信号を、空調機器20に出力する。またタッチ操作が表示画面上で座席画像50から基準領域画像40から向かう方向をもつ場合には、機器制御部32は、空調機器20から出る風の風量を減少させる制御信号を、空調機器20に出力する。このように、制御対象の選択及び制御対象からの出力調整は、タッチ操作で行われるが、このタッチ操作としては第1ジェスチャと第2ジェスチャを含んでいる。そして、第1ジェスチャと第2ジェスチャは、例えばタップとスワイプの組み合わせや、スワイプ又はフリックのみ、スワイプあるいはフリックをそれぞれ2回ずつ、又は、スワイプとフリックの組み合わせなどが挙げられる。第1ジェスチャは、少なくとも指と表示画面との接触を含んだ、指の動作を示す。第2ジェスチャは、一定の方向をもった指の動きを示す。例えば、タップとスワイプを組み合わせたタッチ操作では、最初のタップが第1ジェスチャに相当し、2番目のスワイプが第2ジェスチャに相当する。すなわち、2回のタッチ操作の組み合わせでは、第1ジェスチャは、タッチ又はホバリングなど、表示画面上の1点に触れる操作である。第2ジェスチャは、スワイプ又はフリックなど、表示画面上における指との接点を一定方向に移動させる操作である。また、1回のタッチ操作の例として、スワイプ又はフリックのみの場合は、スワイプ又はフリックのために指を表示画面に接触する動きが第1ジェスチャに相当し、指を接触した後に、指を動かす動作(スワイプであれば指をスライドさせる動作、フリックであれば指を弾く動作)が第2ジェスチャに相当する。また、タッチ操作を2回行う他の例として、スワイプあるいはフリックをそれぞれ2回ずつ、又は、スワイプとフリックの組み合わせの場合には、最初のスワイプ又はフリックが第1ジェスチャに相当し、2番目のスワイプ又はフリックが第2ジェスチャに相当する。なお、第1及び第2ジェスチャは、タッチ、スワイプ、及びフリックに限らず、ロングタップ等他のタッチ操作における指の動きでもよい。
【0032】
ディスプレイ10は、複数のタッチエリア610~660におけるタッチ操作から、第1ジェスチャと第2ジェスチャを検知する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア610~660において第1ジェスチャを検知した場合には、検知したタッチエリア610~660に対応する制御対象を選択する。例えば、ディスプレイ10がタッチエリア610において第1ジェスチャを検知した場合には、機器制御部32は、空調機器20のうち、正面吹き出し口から右座席に出る風を出すための機器を制御対象として選択する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア610~660において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがファンアイコン41から遠ざかる方向をもつときには、選択された空調機器20の制御量を増加させる。一方、機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア610~660において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがファンアイコン41に近づく方向をもつときには、選択された空調機器20の制御量を減少させる。制御量は風の風量である。これにより、タッチ操作により風量を調整できる。なお、制御量は、風量に限らず、例えば風速、温度等であってもよい。
【0033】
また機器制御部32は、タッチエリア610~660内における方向性タッチ操作の操作量、及び/又は、操作速度に応じて、風の増減量を調整してもよい。つまり、機器制御部32は、方向性タッチ操作の操作量(スワイプにおいて接触した指の移動距離に相当)が大きいほど、空調機器20から出る風の増減量を大きくする。また、機器制御部32は、方向性タッチ操作の操作速度(スワイプにおいて接触した指の移動速度に相当、あるいは、フリックにおいて指を弾く時の指の移動速度に相当)が大きいほど、空調機器20から出る風の増減量を大きくする。
【0034】
また機器制御部32は、タッチエリア610~660内におけるタッチ操作に応じて、機器制御部32における制御対象の選択、及び/又は、風の増減量を調整してもよい。例えば、タッチエリア610~660のうち、タッチエリア610が指でタッチされた場合には、機器制御部32は、正面吹き出し口から右座席に向かって風を出力する部分の空調機器20を制御対象として選択して、正面吹き出し口から右座席に向かう風の出力を制御する。機器制御部32は、タッチ操作の回数に応じて風量レベルをあげてもよい。タッチ操作が2回の場合には、機器制御部32は、風量レベルを2段階上げてもよい。このように、機器制御部32は、タッチエリア610、640がタッチされた場合には、正面吹き出し口から出る風の出力を制御する制御指令を出力し、タッチエリア620、650がタッチされた場合には、デフロスターを制御する制御指令を出力し、タッチエリア630、660がタッチされた場合には、下部吹き出し口から出る風の出力を制御する制御指令を出力する。
【0035】
デフロスター、正面吹き出し口及び下部吹き出し口から出る風の風量は、タッチエリア610~660内の目盛り表示で示される。タッチエリア610~660は、風量の大きさを表す目盛りを含んでいる。
図3の表示画面では、デフロスター、正面吹き出し口、及び下部吹き出し口の各風がゼロの状態を示している。
図4の表示画面は、正面吹き出し口から右座席と左座席に、それぞれ風量レベル「3」の風が出ており、デフロスター及び下部吹き出し口からの風は出ていない状態を示している。
図5の表示画面は、正面吹き出し口から右座席と左座席に、それぞれ風量レベル「6」の風が出ており、デフロスター及び下部吹き出し口からの風の風量レベルは出ていない状態を示している。
【0036】
図3の表示画面では、デフロスター、正面吹き出し口、及び下部吹き出し口から風が出ておらず、風画像61、62は表示画面に表示されていない。
図4,5の表示画面では、正面吹き出し口から左右座席に向かって風が出ているため、風画像61、62がエリア610、640に表示されている。また、
図4,5の表示画面では、デフロスター及び下部吹き出し口から風が出ていないため、風画像61、62はエリア620、630、650、660には表示されない。このように、風画像61、62は、タッチエリア610~660のエリアごとに表示される。これにより、どの吹き出し口から風が出ており、左右のどちらの座席にむかって風がでており、さらに、どの吹き出し口から風が出ていないのか把握しやすくなる。なお、風画像61、62の長さ及び数は、風量レベルに応じて変えてもよい、例えば、風量レベルが大きいほど、風画像61、62の長さが長くてもよい。また、風量レベルが大きいほど、風画像61、62の表示数が多くてもよい。風量レベルがタッチエリア610~660毎に異なる場合には、風画像61,62の長さや数は、レベルに応じてエリア毎に異なってもよい。なお、風画像61、62は、
図3の例のような風が出ていない場合でも、表示させてもよい。
【0037】
タッチエリア610~660内は、「0」から「6」までの7段階の風量レベルを表示するために、6つの目盛りが表示可能である。6つの目盛りは、基準領域から左右座席に向かう波模様で表現されており、風量画像610аの表示数が風量レベルを表している。風量レベルがゼロの場合には、全ての風量画像610аが白色表示になる。風量レベルが0より大きい場合に、風量レベルの大きさに応じて、風量画像610аは白色以外の色で表示される。風量画像610аの数は波の模様と風量のレベルを表しており、1つの風量画像610аが目盛り一つ分を表している。また、風量画像610аの数は、タッチエリア610~660毎に変えることできる。なお、
図3~
図5では、紙面の色の関係で、風量画像610аは白表示ではなく、ドットの模様を付しているが、表示画面の背景を黒色にして風量画像610аは白で塗りつぶしたものでもよい。また、複数の風量画像610аが並ぶことで、模様が形成される。風量レベルがゼロの時は、タッチエリア610~660内の風量画像610аは全て白表示となる。
図4に示すように、正面吹き出し口から左右座席に風量レベル「3」の風が出ている場合には、エリア610、640において、3つの風量画像610аが白以外の色で表示されることで、3つ分の模様で表される。エリア610、640において、風量レベル「4~6」の目盛りに対応する風量画像610аは、白色表示のままである。また、
図4に示すように、デフロスター及び下部吹き出し口から風が出ていないため、タッチエリア620、630、650、660において、全ての風量画像610аは、白色表示になる。正面吹き出し口から左右座席に出る風の風量レベルが3から6に変更された場合には、表示画面は
図4に示す表示形態から
図5に示す表示形態となり、タッチエリア610、640内に表示される模様の数は3つから6つに増える。複数の風量画像610аの表示順序は風向と対応しており、基準領域に近い側から表示される。すなわち、ディスプレイ10の表示画面は、基準領域画像40と座席画像50との間に、模様で表される風量画像610аを含み、基準領域画像40から座席画像50に向かって表示される模様の数は、風量の増加に応じて増える。これにより、乗員は、風量レベルを模様の数や模様の長さから視覚的に把握できる。このように本実施形態では、吹き出し口から風が出ていない時には風量画像610аを白色で表示し、吹き出し口から風が出ている時には、風量レベルに合わせて、風量画像610аを白以外の色で表示する。これにより、目盛りが見えるため、風が出ていないこと、及び、風が出ている時には風量レベルの大きさを把握しやすくなる。なお、風量画像610аで形成される模様は、波模様に限らず、グラデーション模様や、縞模様等、他の模様でもよい。
【0038】
本実施形態において、風量画像610аは、各吹き出し口から出る風の風量レベルに応じて、タッチエリア610~660のエリアごとに表示される。すなわち、
図4及び
図5の例では、タッチエリア610、640において、風量レベルに対応した数の目盛りが、白以外の色をもつ風量画像610аで表示される。また、タッチエリア620、630、650、660では、全ての目盛りが白色の風量画像610аとなる。これにより、乗員は、正面吹き出し口から左右座席に風が出ていること、及び、風量レベルを、表示画面から把握できる。また、乗員は、デフロスター及び下部吹き出し口から風が出ていないことも把握できる。すなわち、乗員は、どの吹き出し口から風が出ており、左右どちらの座席にむかって風がでており、さらに、どの吹き出し口から風が出ていないのか把握しやすくなる。またエリア毎に、風量レベルを把握しやすくなる。
【0039】
なお、本実施形態では、風画像61、62及び風量画像610аの表示は、タッチエリア610~660毎で制御されるが、エリア610~660毎に区別して制御しなくてもよい。例えば、正面吹き出し口から右座席に風量レベル「3」の風が出ており、デフロスター及び下部吹き出し口から風が出ていない場合には、エリア610~630内に風画像61を表示し、エリア610~630内に、白以外の色で3つの風量画像610аを表示してもよい。
【0040】
なお、風量調整のための方向性タッチ操作は、タッチエリア610~660内の任意の位置で行えばよい。言い換えると、表示画面をタッチした時のタッチ位置の位置座標が、タッチエリア610~660内で相対的に移動した場合、さらに換言すると、タッチ位置が、タッチエリア610~660内の任意の場所で確認できる場合には、方向性タッチ操作は風量調整のための操作として検知される。例えば、右側乗員が正面吹き出し口から出る風の風量を増減したい場合には、乗員は、タッチエリア610内であれば、ファンアイコン41に近い部分をタッチしてもよく、右座席画像51に近い部分をタッチしてもよい。そして、乗員は、風量の増加と減少に応じて、方向性タッチ操作の操作方向を変えればよい。また、乗員は、風の増減量に応じて、方向性タッチ操作の操作量、及び/又は、操作速度を変えればよい。これにより、乗員は、風量を調整するために、タッチエリア610~660内の任意をタッチできる。
【0041】
また、方向性タッチ操作による風量調整は、タッチエリア610~660内のタッチの位置に応じて変化させてもよい。言い換えると、方向性タッチ操作がタッチエリア610~660内で行われた場合に、タッチ操作の終点の位置と一致する目盛りまで、風量が増減する。例えば、
図4の例で、乗員がタッチエリア610内で方向性タッチ操作を行い、タッチ位置が1番目の目盛りから3番目の目盛りまで移動した場合には、機器制御部32は、正面吹き出し口の風の風量レベルを3に設定する。これにより、タッチエリア610~660におけるタッチ位置に応じて、風量のレベルを変えることができる。
【0042】
次に、同期スイッチボタン70について説明する。同期スイッチボタン70は、空調機器20から右座席に向かう右座席風と、空調機器20から左座席に向かう左座席風とを同期して調整するためのスイッチである。同期スイッチボタン70がオンである場合には、乗員は、タッチエリア610~660をタッチすることで、右座席風と左座席風の両方の風の出力を調整できる。同期スイッチボタン70がオフである場合には、乗員は、タッチエリア610~660をタッチしても、右座席風と左座席風の両方の風の出力を調整できず、タッチされたエリアに対応する風の出力を調整できる。例えば、同期スイッチボタン70がオンの状態で、方向性タッチ操作がタッチエリア610内で、基準領域画像40から右座席画像51に向かって行われた場合には、正面吹き出し口から右座席に向かって出力する風に加えて、正面吹き出し口から左座席に出る風が方向性タッチ操作に応じて調整される。風向、風量レベルも、左右の風で同期して調整される。また、例えば、下部吹き出し口から左右座席に向かって風が出力しておらず、同期スイッチボタン70がオンの状態で、乗員がタッチエリア660をタッチした場合には、下部吹き出し口から左座席に出る風と、正面吹き出し口から左座席に出る風が同期して出力されてもよい。すなわち、機器制御部32は、同期スイッチボタン70がオンである場合には、タッチ操作に対して、右座席風と左座席風の両方の風の出力を制御する制御指令を空調機器20に出力する。また、機器制御部32は、同期スイッチボタン70がオフである場合には、タッチ操作に対して、右座席風と左座席風の一方の風の出力を制御する制御指令を空調機器20に出力する。これにより、乗員は、表示画面において、基準領域に対して左右のいずれ一方の領域をタッチすることで、空調機器20から左右座席に向かう両方の風を調整できる。なお、本実施形態において、同期スイッチボタン70のオンとオフの切り替えに応じて、左右座席に向かって出る風の風量を同期して制御したが、風量に限らず、風向や、温度を同期して制御してもよい。つまり、機器制御部32は、同期スイッチボタン70がオンの場合には、タッチ操作に対して、右座席風と左座席風の両方の風の風量を同期して制御する制御指令、又は、右座席風と左座席風の両方の風の温度を同期して制御する制御指令を空調機器20に出力する。
【0043】
次に、ファンアイコン41の周囲の画像、及び、ファンアイコン41のアニメーションについて説明する。基準領域画像40は、ファンアイコン41の周囲に、ファンアイコン41を囲んだ複数の目盛り44を含んでいる。複数の目盛り44は、ファンアイコン41の周囲にリング状に配置されており、複数の目盛り44の間には、目盛りを区別するための隙間が設けられている。風量レベルが大きいほど、表示される目盛り44の数は時計回りに増える。
図4の例では、風量レベルが3であるため、3つの目盛り44が表示されている。
図5の例では、風量レベルが6であるため、6つの目盛り44が表示されている。つまり、複数の目盛り44は、左右座席に向かう風の風量に応じて増減する。またファンアイコン41は、正面吹き出し口及び/又は下部吹き出し口から出る風の風速及び/又は風量に応じて回転するようなアニメーション機能を有してもよい。風が正面吹き出し口及び下部吹き出し口から出ていない場合には、ファンアイコン41は静止したままである。風が正面吹き出し口及び下部吹き出し口から出る場合には、ファンアイコン41は回転する。そして、風量レベル及び/又は風速が大きいほど、ファンアイコン41の回転速度は速くなる。なお、風速は、風量レベルに相当する。なお、複数の目盛り44の表示について、左座席に向かう風の風量と、右座席に向かう風の風量が異なる場合には、目盛り44の表示数は、大きい方の風量、小さい方の風量、又は、平均風量と対応させてもよい。
【0044】
次に、温度調整バー81、82について説明する。
図3~
図5に示すように、右座席画像51の右側には、温度調整バー81が表示され、左座席画像52の左側には温度調整バー82が表示される。温度調整バー81、82は、z軸に沿う線分の画像81а、82аと、線分上を移動可能なボタン81b、82bを有している。線分の画像81а、82аの上端は赤色に表示されており、線分の画像81а、82аの下端は青色に表示されている。なお、
図3~
図5では、色の代わりにドットが使われており、他の
図6~7も同様に、色の代わりにドットが使われている。また、線分の画像81а、82аは、上端から下端に向けて、赤から青に変化するようなグラデーション表示になっている。線分上のボタン81b、82bは、タップ、スワイプ、及び/又はフリック等のタッチ操作に移動可能である。ボタン81b、82bがタッチ操作により線分の上端に向かって移動した場合には、空調機器20の設定温度が高くなる。一方、ボタン81b、82bがタッチ操作により線分の下端に向かって移動した場合には、空調機器20の設定温度が低くなる。温度調整バー81、82に含まれるボタン81b、82bの位置において、空調機器20の設定温度が変わる。温度調整バー81は右座席の空間における設定温度を調整するための調整用アイコンであり。温度調整バー82は左座席の空間における設定温度を調整するための調整用アイコンである。温度調整バー81、82は、上方向へのタッチ操作と下方向へのタッチ操作で操作できる。すなわち、機器制御部32は、温度調整バー81、82が上方向のタッチ操作により操作された場合には、空調機器20の設定温度を上げる制御指令を出力し、温度調整バー81、82が下方向のタッチ操作により操作された場合には、空調機器20の設定温度を下げる制御指令を出力する。これにより、乗員はディスプレイ10に対するタッチ操作で容易に空調機器20の設定温度を変えることができる。また温度調整バー81、82の端部が赤/青で区別されているため、温度を上下するために、どちらの方向にタッチ操作を行えばよいか、乗員は表示画面から容易に把握できる。
【0045】
また温度調整バー81、82に含まれるボタン81b、82bが方向性タッチ操作で操作された場合には、方向性タッチ操作の操作速度に応じて、設定温度の変化単位を変えてもよい。設定温度の変化単位は、多段階で予め設定されており、例えば0.5℃及び1.0℃等に予め設定されている。そして、ボタン81b、82bの移動速度が所定の速度閾値以下である場合には、機器制御部32は、設定温度の変化単位(単位あたりの温度変化量)を最小単位(0.5℃)に設定する。ボタン81b、82bの移動速度が所定の速度閾値より大きい場合には、機器制御部32は、設定温度の変化単位(単位あたりの温度変化量)を、最小単位より大きい単位(例えば1.0℃)に設定する。例えば乗員がボタン81b、82bをスワイプで操作した場合に、スワイプによるボタン81b、82bの移動速度が大きいときには、スワイプでのボタン81b、82bの移動量に対して、設定温度の変化量は大きくなる。一方、同じスワイプによるタッチ操作で、ボタン81b、82bの移動速度が小さいときには、スワイプでのボタンの移動量が同じであっても、設定温度の変化量は小さくなる。つまり、ボタン81b、82bの移動量が同じでも、移動速度の違いにより、設定温度の変化量は変わる。タッチ操作の移動速度が大きいほど、設定温度の変化単位が大きくなるため、設定温度の変化幅も大きくなる。これにより、方向性タッチ操作によるボタン81b、82bの移動速度で、設定温度の変化単位を調整できるため、容易に温度を調整できる。
【0046】
次に、温度表示画像91、92について説明する。
図3~
図5に示すように、右側の温度調整バー81の右側には、温度表示画像91が表示され、左側の温度調整バー82の左側には、温度表示画像92が表示される。温度表示画像91、92は、温度メータ91а、92аと、アップボタン91b、92bと、ダウンボタン91c、92cを有している。温度メータ91а、92аは、現在の設定温度を示している。アップボタン91b、92bは設定温度を増加させるためのボタンであり、ダウンボタン91c、92cは設定温度を減少させるためのボタンである。アップボタン91b、92bを1回タッチすると設定温度が所定の変化単位(例えば、0.5℃)分、上昇する。またダウンボタン91c、92cを1回タッチすると設定温度が所定の変化単位(例えば、0.5℃)分、下降する。またアップボタン91b、92bは赤色に表示されており、ダウンボタン91c、92cは青色に表示されている。これにより、乗員は、現在の設定温度を確認し、ディスプレイ10に対するタッチ操作で容易に空調機器20の設定温度を変えることができる。また、アップボタン91b、92b及びダウンボタン91c、92cが赤/青で区別されているため、温度を上下するために、どちらのボタンをタッチすればよいか、乗員は表示画面から容易に把握できる。
【0047】
次に、
図6及び
図7を参照し、タッチエリア610~660内に表示される波模様の色について説明する。空調機器20の設定温度は、右座席と左座席でそれぞれ異なる温度に設定できる。例えば、
図6の例では、デフロスター、正面吹き出し口、及び下部吹き出し口から右座席に向かって風が出ており、風量レベルが「6」に設定されており、設定温度は17.0℃に設定さている。また、デフロスター、正面吹き出し口、及び下部吹き出し口から左座席に向かって風が出ており、風量レベルが「6」に設定されており、左座席の設定温度は30.0℃に設定されている。この場合に、ディスプレイ10の表示画面において、基準領域画像と右座席画像の間は、風量画像610аは設定温度17.0度を表す色で表示される。また、基準領域画像と左座席画像の間は、風量画像610аは設定温度30.0度を表す色で表示される。これにより、風量レベル「6」を示すために、6つの波模様が表示され、波模様には設定温度に応じた色が付されている。なお、風量レベル「3」の場合には、風量画像610аは、6つの目盛りのうち3つの目盛りで、設定温度に応じて色に表示され、他の3つの目盛りで、白色に表示される。これにより目盛りが認識できるため風量の強さを把握しやすくなる。
【0048】
図7は、波模様に表示される色と温度の関係を示す棒グラフである、
図7のグラフに示すように、設定温度が高い場合には赤色が表示され、設定温度が低い場合には青色が表示される。さらに、設定温度が低くなるにつれて、色表示は赤色から白色に、白色から青色に変化する。
図7の例では、設定温度が20.5℃未満の場合には青色、設定温度が20.5以上で23.5℃未満の場合は水色、設定温度が23.5℃以上で26.5℃未満の場合は白色、設定温度が26.5℃以上29.5℃未満の場合はピンク色、設定温度が29.5℃以上である場合は赤色になる。そして、
図6の例では、右座席に風を送るための空調機器20の設定温度は17℃に設定されている。そのため、タッチエリア610、630に表示される波模様は青色で表示される。また、左座席に風を送るための空調機器20の設定温度は30℃に設定されているため、タッチエリア640、660に表示される波模様は赤色で表示される。このように、ディスプレイ10の表示画面は、空調機器20の設定温度の大きさを色で表す色画像(
図6の波模様の画像に相当)を含み、設定温度が所定の温度閾値以上である場合には、色画像の色は赤色になり、設定温度が温度閾値未満である場合には、色画像の色は青色になる。これにより、空調機器20の設定温度を色から把握できる。なお、設定温度に応じた色表示は、タッチエリア610~660内の波模様に限らず、例えば温度メータ91а、92аの数字に適用してもよい。また、
図6の例において、設定温度を示す色は、波模様でなく風画像61、62に付されて表示されてもよい。
【0049】
以上のとおり、本実施形態に係る制御システムにおいて、ディスプレイ10は、ファンアイコン41と、空調機器20を操作するためのタッチ操作を有効にするタッチエリア610~660とを含む表示画面を表示し、タッチ操作から、第1ジェスチャと、第1ジェスチャと異なり一定の方向をもつ第2ジェスチャを検知する。そして、コントローラ30は、ディスプレイ10がタッチエリア610~660において第1ジェスチャを検知した場合には、空調機器20の選択を実行し、ディスプレイ10がタッチエリア610~660において2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがファンアイコン41から遠ざかる方向をもつときには、空調機器20の制御量を増加させ、ディスプレイ10がタッチエリア610~660において2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがファンアイコン41に近づく方向をもつ場合には、空調機器20の制御量を減少させる。これにより、風の流れに沿ったタッチ操作、または風の流れに逆らうタッチ操作が可能となり、ユーザが直観的に空調機器20を操作できる。その結果として、表示画面のタッチ操作により空調機器20を操作する際の操作性を高めることができる。
【0050】
また本実施形態において、右座席画像51及び前記左座席画像52で表される座席は、表示画面上で、ファンアイコン41を向いている。これにより、乗員は、車室内に配置された座席の位置と制御される風との関係性を表示画面上で把握できる。その結果として、ユーザが直観的に空調機器20を操作できる。
【0051】
また本実施形態において、コントローラ30は、制御量(風量)を示す画像をディスプレイ10に表示させる制御指令を出力する。これにより、現在の風量をディスプレイ10の表示画面上で確認できる。
【0052】
なお、本実施形態において、表示画面を2つの座席画像を表示し、2つの座席に向かう風を制御するための制御方法及び操作方法を説明したが、ディスプレイ10の表示画面には1つの座席画像が表示され、ディスプレイ10のタッチ操作に対して、1つの座席に向かう風を制御してもよい。例えば、コントローラ30は、基準領域画像40を含み
図3~
図5の表示画面で右半分に相当する画像を、右座席用のディスプレイ10に表示し、基準領域画像40を含み
図3~
図5の表示画面で左半分に相当する画像を、左座席用のディスプレイ10に表示させる。そして、コントローラ30は、右座席用のディスプレイ10のタッチ操作に応じて、空調機器から右座席に出る風を制御する。また、コントローラ30は、左座席用のディスプレイ10のタッチ操作に応じて、空調機器20から左座席に出る風を制御する。なお、表示画面の操作方法及び空調機器20の制御方法は、上述した方法を適宜、適用すればよい。これにより、風の流れに沿ったタッチ操作、または風の流れに逆らうタッチ操作が可能となり、ユーザが直観的に空調機器20を操作できる。その結果として、表示画面のタッチ操作により空調機器20を操作する際の操作性を高めることができる。さらに、本実施形態において、ディスプレイ10の表示画面には3つ以上の座席画像が表示され、ディスプレイ10のタッチ操作に対して、各座席に向かう風を制御してもよい。
【0053】
なお、本実施形態において、機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア610~660において第1ジェスチャを検知した場合には、空調機器20から出る風が、検知したタッチエリア610~660に向かうように、空調機器20の向きを制御してもよい。そして、機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア610~660において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがもつ方向に応じて、風量の増減を制御してもよい。これにより、風向操作及び風量調整のためのタッチ操作が可能となり、ユーザが直観的に空調機器20を操作できる。その結果として、表示画面のタッチ操作により空調機器20を操作する際の操作性を高めることができる。なお、ディスプレイ10がタッチエリアにおいて第1ジェスチャを検知した場合には、コントローラ30は、空調機器20の選択と、空調機器20の向きの制御を両方実行してもよい。
【0054】
なお、本実施形態におけるタッチエリア610~660が本発明の「有効領域」に相当する。
【0055】
<<第2実施形態>>
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は第2実施形態に係る制御システムを示すブロック図である。
図9は、ディスプレイ10の表示画面であって、音響機器200の制御用の操作画面を示す。本実施形態では、制御対象を音響機器としている点、ディスプレイ10の表示画面の一部及び機器制御部32の一部が第1実施形態と相違する。それ以外の構成は第1実施形態と同様である。以下に、第2実施形態における表示制御部31と機器制御部32について説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付して説明を省略する。また第1実施形態におけるコントローラ30の制御処理と同様の部分は説明を省略する。第1実施形態の記載は、第2実施形態に適宜、援用される。
【0056】
音響機器200は、音を再生し、車室内に音を出力する機器であって、オーディオ機器である。音響機器200は、オーディオシステムで構成されており、乗員の座席空間に音を出力するスピーカ等を有している。スピーカは、ダッシュボードやドア等に設けられている。
【0057】
機器制御部32は、タッチ操作に基づき音響機器200を制御する。機器制御部32は、タッチ操作の内容から制御項目を特定し、特定された制御項目に応じて、システムのオン/オフ、音を出力させるスピーカの選択、音の音位、音の音量等を制御する。なお音位は、スピーカから出力される音を聞く位置(リスニングポイント)を示しており、車室内に設けられた各スピーカの音の出力タイミング等を変えることで、例えば右側座席上に音位を設定して、右座席の乗員が音を聞こえやすい環境を作ることができる。なお、音位の設定は、音の出力方向を制御していることと等価である。機器制御部32は、制御項目に応じた制御指令を音響機器200に出力する。制御項目は、音位設定、音量設定、スピーカの選択等、音響機器200の仕様に応じて予め決まっている。制御項目は、ディスプレイ10のタッチ操作、車両に設けられたスイッチにより選択される。また、機器制御部32は、音響機器200の動作状態及び車室内の音環境を管理している。
【0058】
次に、
図9を参照し、ディスプレイ10を用いた音響機器200の制御方法と、ディスプレイ10の表示画面について説明する。
図9に示すように、ディスプレイ10の表示画面は、ハンドルアイコン13と、基準領域画像40と、座席画像50と、音量調整バー83と、音量表示画像93とを含んでいる。
【0059】
基準領域画像40は、表示画面の中心点を領域の中心として所定範囲内の画像であって、少なくともスピーカアイコン45を有している。スピーカアイコン45は、表示画面の中心部に、スピーカを模した図形で表される。つまり、スピーカアイコン45は、制御対象である音響機器200を模したアイコンである。ディスプレイ10の表示画面は、基準領域を表す基準領域画像40と、座席を表す座席画像51,52を含んでいる。基準領域画像40は、必ずしも乗員が基準領域の境界を認識できるような画像にする必要は無く、少なくともスピーカアイコン45を含んでいればよい。基準領域画像40は、スピーカアイコン45に加えて、「+」アイコン42及び「-」アイコン43を含んでいる。「+」アイコン42は音量を増加させるためのボタンであり、「-」アイコン43は音量を減少させるためのボタンである。
【0060】
基準領域画像40と右座席画像51との間の領域は、スピーカアイコン45と右座席画像51との間のタッチエリア721と、スピーカアイコン45と左座席画像52との間のタッチエリア722に区分けされている。タッチエリア721は、音位を右座席側に配置するため、及び、右座席に出力される音量を操作するためのエリアであり、タッチエリア722は、音位を左座席側に配置するため、及び、左座席に出力される音量を操作するためのエリアである。すなわち、タッチ操作の位置に応じて、音響機器200の制御対象が変わる。例えば、乗員が右座席に音位を設定したい場合には、乗員はタッチエリア611をタッチすればよい。表示画面上において、タッチエリア721、722はスピーカアイコン45に隣接している。
【0061】
次に、音位設定及び音量調整の操作方法について説明する。タッチエリア721、722は、エリアごとに独立して、音響機器200を操作するためのタッチ操作を有効にする領域を表している。タッチエリア721、722の中から、音位を設定したいエリアでタッチ操作を行うことで、制御対象の対象を選択できる。例えば、乗員が、右座席に音位を設定したい場合には、乗員は、タッチエリア721をタッチする。なお、音位を設定するためのタッチ操作は、方向性タッチ操作である必要は無く、タップ等、方向性をもたないタッチ操作でもよい。またタッチエリア内における方向性タッチ操作の方向により、音量の増減が可能である。方向性タッチ操作が基準領域画像40から座席画像50に向かう方向をもつ場合には、音量は増加する。一方、方向性タッチ操作が座席画像50から基準領域画像40に向かう方向をもつ場合には、音量は減少する。
【0062】
ディスプレイ10は、複数のタッチエリア611、612におけるタッチ操作から、第1ジェスチャと第2ジェスチャを検知する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア721、722において第1ジェスチャを検知した場合には、検知したタッチエリア721、722に対応する制御対象を選択する。例えば、ディスプレイ10がタッチエリア721において第1ジェスチャを検知した場合には、機器制御部32は、タッチエリア721内のうち、第1ジェスチャを検知した検知位置に音位が設定されるように、音響機器200を制御対象として選択する。機器制御部32は、第1ジェスチャを検知した、表示画面上の検知位置に対応する、車室空間内の位置に音位を設定する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア721、722において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがスピーカアイコン45から遠ざかる方向をもつときには、音量を増加させる。一方、機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア721、722において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがスピーカアイコン45に近づく方向をもつときには、音量を減少させる。なお、音量の増減は、スピーカから出力される振幅を調整すればよく、制御量である振幅の増減が音量の増減に相当する。これにより、タッチ操作により音量を調整できる。
【0063】
図9に示すように、右座席画像51の右側には音量調整バー83が表示され、音量調整バー83の右側には音量表示画像93が表示される。音量調整バー83及び音量表示画像93は、音量調整及び現在の音量を表示するためのアイコンである。音量調整バー83及び音量表示画像93における音量の調整方法及び音量表示形態は、第1実施形態における温度調整バー81及び温度表示画像91の「温度」を「音量」に置き換えたものと同様である。ただし、第2実勢形態では、音量調整バー83及び音量表示画像93は1つずつディスプレイ10の表示画面に表示され、車室内全体の音量操作及び音量表示を可能としている。なお、座席ごとに音量を調整できる場合には、第1実施形態と同様に、音量調整バー83と音量表示画像93を2つずつ表示画面に表示してもよい。
【0064】
上記のように本実施形態では、本実施形態に係る制御システムにおいて、ディスプレイ10は、スピーカアイコン45と、音響機器200を操作するためのタッチ操作を有効にするタッチエリア721、722とを含む表示画面を表示し、タッチ操作から、第1ジェスチャと、第1ジェスチャと異なり一定の方向をもつ第2ジェスチャを検知する。そして、コントローラ30は、ディスプレイ10がタッチエリア721、722において第1ジェスチャを検知した場合には、音響機器200の選択を実行し、ディスプレイ10がタッチエリア721、722において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがスピーカアイコン45から遠ざかる方向をもつときには、音響機器200の制御量を増加させ、ディスプレイ10がタッチエリア721、722において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがスピーカアイコン45に近づく方向をもつ場合には、音響機器200の制御量を減少させる。これにより、音位操作及び音量調整のためのタッチ操作が可能となり、ユーザが直観的に音響機器200を操作できる。その結果として、表示画面のタッチ操作により音響機器200を操作する際の操作性を高めることができる。
【0065】
なお、本実施形態において音位は第2ジェスチャで調整してよい。例えば、ディスプレイ10がタッチエリア721、722において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがスピーカアイコン45から遠ざかる方向をもつときには、音位をスピーカから遠ざけるように制御し、第2ジェスチャがスピーカアイコン45に近づく方向をもつときには、音位をスピーカに近づくように制御してもよい。
【0066】
なお、第1実施形態で説明した、表示画面に含まれる画像、アイコン等は、本実施形態における表示画面で表示してもよく、第1実施形態で説明した表示画面上のタッチ操作は、本実施形態に適用してもよい。例えば、第1実施形態における波模様の表示は、音の大きさを表すために表示画面に表示させてもよい。
【0067】
なお、本実施形態におけるタッチエリア721,722が本発明の「有効領域」に相当する。
【0068】
<<第3実施形態>>
次いで、本発明の第3実施形態について説明する。
図10は第3実施形態に係る制御システムを示すブロック図である。
図11は、ディスプレイ10の表示画面であって、照明機器300の制御用の操作画面を示す。本実施形態では、制御対象を照明機器としている点、ディスプレイ10の表示画面及び機器制御部32の一部が第1実施形態と相違する。それ以外の構成は第1実施形態と同様である。以下に、第3実施形態における表示制御部31と機器制御部32について説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付して説明を省略する。また第1実施形態におけるコントローラ30の制御処理と同様の部分は説明を省略する。第1、第2実施形態の記載は、第3実施形態に適宜、援用される。
【0069】
ディスプレイ10は、ユーザにより携帯可能な電子機器等である。ユーザは、ディスプレイ10を備えた端末を携帯した状態で、ディスプレイ10の表示画面をタッチして、照明機器300の照射エリアや照度等を操作する。照明機器300は、部屋の天井に設置されており、部屋の一部のエリアに対して光を照射できる。照射エリアの位置、照度はコントローラ30の制御下、調整される。
【0070】
機器制御部32は、タッチ操作に基づき照明機器300を制御する。機器制御部32は、タッチ操作の内容から制御項目を特定し、特定された制御項目に応じて、照明のオン/オフ、照明の照射エリア、照明の照度等を制御する。機器制御部32は、制御項目に応じた制御指令を照明機器300に出力する。制御項目は、照明エリアの位置設定、照度設定等、照明機器300の仕様に応じて予め決まっている。制御項目は、ディスプレイ10のタッチ操作により選択される。また、機器制御部32は、照明機器300の動作状態及び室内の光環境を管理している。
【0071】
次に、
図11を参照し、ディスプレイ10を用いた照明機器300の制御方法と、ディスプレイ10の表示画面について説明する。
図11に示すように、ディスプレイ10の表示画面は、ライトアイコン46と、基準領域画像40と、家具画像53とを含んでいる。
図11に示す表示画面は、照明機器300が設置された部屋の全体画像を表示している。
【0072】
基準領域画像40は、表示画面の中心点を領域の中心とする所定範囲内の画像であって、少なくともライトアイコン46を有している。ライトアイコン46は、表示画面の中心部に、ライトを模した図形で表される。つまり、ライトアイコン46は、制御対象である照明機器300を模したアイコンである。ディスプレイ10の表示画面は、基準領域を表す基準領域画像40と、ソファなどの家具を表す家具画像53を含んでいる。基準領域画像は、必ずしもユーザが基準領域の境界を認識できるような画像にする必要は無い。なお、本実施形態では、部屋の中心に照明機器300を設けているため、ライトアイコン46は表示画面の中心点に位置するが、ライトアイコン46の表示位置は、照明機器300の設置位置に応じて適宜、変更される。
【0073】
表示画面は、家具画像53で表される家具の位置に応じて、タッチエリア
731~734の4つのエリアに区分けされている。タッチエリア731は、ソファの画像を含んでおり、
図11の表示画面上で右上に位置する。
図11の表示画面上で、タッチエリア732は右下に位置し、タッチエリア733は左下に位置し、タッチエリア734は左上に位置する。タッチエリア631~624は、エリアの境界を見えるよう画像として表示画面に表示してもよく、表示しなくてもよい。またタッチエリアは4つする必要は無く、2、3、又は5以上であってもよい。また必ずしも区分けせず、表示画面の全体をタッチエリアとしてもよい。
【0074】
次に、照射エリアの位置及び照度調整の操作方法について説明する。タッチエリア731~734は、エリアごとに独立して、照明機器300を操作するためのタッチ操作を有効にする領域を表している。タッチエリア731~734の中から、照射エリアを設定したい部分にタッチ操作を行うことで、照射方向を選択できる。例えば、ユーザが、ソファに光を当てたい場合には、ユーザは、タッチエリア731をタッチする。なお、照射エリアの位置を設定するためのタッチ操作は、方向性タッチ操作である必要は無く、タップ等、方向性をもたないタッチ操作でもよい。またタッチエリア内における方向性タッチ操作の方向により、照度の増減が可能である。
【0075】
ディスプレイ10は、複数のタッチエリア731~734におけるタッチ操作から、第1ジェスチャと第2ジェスチャを検知する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア731~734において第1ジェスチャを検知した場合には、照射エリアが検知したタッチエリア731~734に対応する位置を向くよう、照明機器300の向きを調整する。例えば、ディスプレイ10がタッチエリア731において第1ジェスチャを検知した場合には、機器制御部32は、タッチエリア731~734の中で、第1ジェスチャを検知した検知位置に光が当たるように、照明機器300の調整の制御を実行する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア731~734において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがライトアイコン46から遠ざかる方向をもつときには、照度を増加させる。一方、機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア731~734において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがライトアイコン46に近づく方向をもつときには、照度を減少させる。なお、照度の増減は、ライトから出力される光量を調整すればよく、制御量である光量の増減が照度の増減に相当する。これにより、タッチ操作により照度を調整できる。
【0076】
上記のように本実施形態では、本実施形態に係る制御システムにおいて、ディスプレイ10は、ライトアイコン46と、照明機器300を操作するためのタッチ操作を有効にするタッチエリア731~734とを含む表示画面を表示し、タッチ操作から、第1ジェスチャと、第1ジェスチャと異なり一定の方向をもつ第2ジェスチャを検知する。そして、コントローラ30は、ディスプレイ10がタッチエリア731~734において第1ジェスチャを検知した場合には、照明機器300の向きの制御を実行し、ディスプレイ10がタッチエリア731~734において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがライトアイコン46から遠ざかる方向をもつときには、照明機器300の制御量(照度)を増加させ、ディスプレイ10がタッチエリア731~734において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがライトアイコン46に近づく方向をもつ場合には、照明機器300の制御量(照度)を減少させる。これにより、照射エリアの位置設定及び照度調整のためのタッチ操作が可能となり、ユーザが直観的に照明機器300を操作できる。その結果として、表示画面のタッチ操作により照明機器300を操作する際の操作性を高めることができる。
【0077】
なお、本実施形態において照射エリアの位置(照射位置)は第2ジェスチャで調整してもよい。例えば、ディスプレイ10がタッチエリア731~734において2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがライトアイコン46から遠ざかる方向をもつときには、照射エリアの位置(制御量)を照明機器300から遠ざけるように制御し、第2ジェスチャがライトアイコン46に近づく方向をもつときには、照射エリアの位置(制御量)を照明機器300に近づくように制御してもよい。
【0078】
なお、第1実施形態で説明した、表示画面に含まれる画像、アイコン等は、本実施形態における表示画面で表示してもよく、第1実施形態で説明した表示画面上のタッチ操作は、本実施形態に適用してもよい。例えば、第1実施形態における波模様の表示は、照度の大きさを表すために表示画面に表示させてもよい。また、本実施形態では、照明機器300を1つとしたが、照明機器300は複数でもよく、複数の照明機器300の照射エリア毎に対応させて複数のタッチエリアが設定されればよい。ディスプレイ10がタッチエリアにおい第1ジェスチャを検知した場合には、コントローラ30は、検知されたタッチエリアに対応する位置を照射する照明機器を、複数の照明機器300から選択すればよい。なお、ディスプレイ10がタッチエリアにおいて第1ジェスチャを検知した場合には、コントローラ30は、照明機器300の選択と、照明機器300の向きの制御を両方実行してもよい。
【0079】
またタッチエリア731~734は必ずしも複数ある必要は無く1つでもよい。例えば、
図11の表示画面で、部屋の画像全体を1つのタッチエリアとする。そして、ディスプレイ10がタッチエリアにおいて第1ジェスチャを検知した場合には、機器制御部32は、照明機器300の照明エリアの中心が第1ジェスチャを検知した位置に合うように、照明機器300を制御する。さらに、ディスプレイ10がタッチエリアにおいて第2ジェスチャを検知した場合には、第2ジェスチャが
ライトアイコン46から遠ざかる方向、又は、近づく方向に応じて、機器制御部32は、照度を制御する。これにより、ユーザが直観的に照明機器300を操作できる。
【0080】
なお、本実施形態におけるタッチエリア731~734が本発明の「有効領域」に相当する。
【0081】
<<第4実施形態>>
次いで、本発明の第4実施形態について説明する。
図12は第4実施形態に係る制御システムを示すブロック図である。
図13は、ディスプレイ10の表示画面であって、撮像装置400の制御用の操作画面を示す。本実施形態では、制御対象を撮像装置(カメラ)としている点、ディスプレイ10の表示画面及び機器制御部32の一部が第1実施形態と相違する。それ以外の構成は第1実施形態と同様である。以下に、第4実施形態における表示制御部31と機器制御部32について説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付して説明を省略する。また第1実施形態におけるコントローラ30の制御処理と同様の部分は説明を省略する。第1~第3実施形態の記載は、第4実施形態に適宜、援用される。
【0082】
ディスプレイ10は、ユーザにより携帯可能な電子機器等である。ユーザは、ディスプレイ10を備えた端末を携帯した状態で、ディスプレイ10の表示画面をタッチして、撮像装置400の撮影エリアやズーム倍率等を操作する。撮像装置400は、部屋の角部に設置されており、部屋の全体又は一部のエリアを撮像できる。撮影エリアの位置、ズーム倍率はコントローラ30の制御下、調整される。
【0083】
機器制御部32は、タッチ操作に基づき撮像装置400を制御する。機器制御部32は、タッチ操作の内容から制御項目を特定し、特定された制御項目に応じて、照明のオン/オフ、撮影エリアの位置、ズーム倍率等を制御する。機器制御部32は、制御項目に応じた制御指令を撮像装置400に出力する。制御項目は、撮影エリアの位置設定、ズーム倍率設定等、撮像装置400の仕様に応じて予め決まっている。制御項目は、ディスプレイ10のタッチ操作により選択される。また、機器制御部32は、撮像装置400の動作状態等を管理している。
【0084】
次に、
図13を参照し、ディスプレイ10を用いた撮像装置400の制御方法と、ディスプレイ10の表示画面について説明する。
図13に示すように、ディスプレイ10の表示画面は、カメラアイコン47と、基準領域画像40と、家具画像53とを含んでいる。
図13に示す表示画面は、撮像装置400が設置された部屋の全体画像を表示している。
【0085】
基準領域画像40は、表示画面の角部における所定範囲の画像であって、少なくともカメラアイコン47を有している。カメラアイコン47は、表示画面の角部に、カメラを模した図形で表される。つまり、カメラアイコン47は、制御対象である撮像装置400を模したアイコンである。ディスプレイ10の表示画面は、基準領域を表す基準領域画像40と、ソファなどの家具を表す家具画像53を含んでいる。基準領域画像は、必ずしもユーザが基準領域の境界を認識できるような画像にする必要は無い。なお、本実施形態では、部屋の角部に撮像装置400を設けているため、カメラアイコン47は表示画面の角に位置するが、カメラアイコン47の表示位置は、撮像装置400の設置位置に応じて適宜、変更されてもよい。
【0086】
表示画面は、家具画像53で表される家具の位置に応じて、タッチエリア741~743の3つのエリアに区分けされている。タッチエリア741は、ソファの画像を含んでおり、
図11の表示画面上で、カメラアイコンの位置から表示画面の右下の角部に向けた領域である。タッチエリア742は、ダイニングテーブルの画像を含んでおり、
図11の表示画面上で、カメラアイコンの位置から表示画面の左下の角部に向けた領域である。タッチエリア743は、棚の画像を含んでおり、
図11の表示画面上で、カメラアイコンの位置から表示画面の左上の角部に向けた領域である。タッチエリア741~743は、エリアの境界を見えるよう画像として表示画面に表示してもよく、表示しなくてもよい。またタッチエリアは3つする必要は無く、2又は4以上であってもよい。また必ずしも区分けせず、表示画面の全体をタッチエリアとしてもよい。
【0087】
次に、撮影エリアの位置設定及びズーム倍率調整の操作方法について説明する。タッチエリア741~743は、エリアごとに独立して、撮像装置400を操作するためのタッチ操作を有効にする領域を表している。タッチエリア741~743の中から、撮影エリアを設定したい部分にタッチ操作を行うことで、撮影方向(撮影範囲)を選択できる。例えば、ユーザが、ソファ付近の犬を写したい場合には、ユーザは、タッチエリア641をタッチする。なお、撮影エリアの位置を設定するためのタッチ操作は、方向性タッチ操作である必要は無く、タップ等、方向性をもたないタッチ操作でもよい。またタッチエリア内における方向性タッチ操作の方向により、ズーム倍率の増減が可能である。
【0088】
ディスプレイ10は、複数のタッチエリア741~743におけるタッチ操作から、第1ジェスチャと第2ジェスチャを検知する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア741~743において第1ジェスチャを検知した場合には、撮影エリアが検知したタッチエリア741~743に対応する位置を向くよう、撮像装置400の向きを調整する。例えば、ディスプレイ10がタッチエリア741において第1ジェスチャを検知した場合には、機器制御部32は、タッチエリア741内のうち、第1ジェスチャを検知した検知位置に焦点が合うように、撮像装置400の調整の制御を実行する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア741~743において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがカメラアイコン47から遠ざかる方向をもつときには、ズーム倍率を増加させる。一方、機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア741~743において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがカメラアイコン47に近づく方向をもつときには、ズーム倍率を減少させる。これにより、タッチ操作によりズーム倍率を調整できる。
【0089】
上記のように本実施形態では、本実施形態に係る制御システムにおいて、ディスプレイ10は、カメラアイコン47と、撮像装置400を操作するためのタッチ操作を有効にするタッチエリア741~743とを含む表示画面を表示し、タッチ操作から、第1ジェスチャと、第1ジェスチャと異なり一定の方向をもつ第2ジェスチャを検知する。そして、コントローラ30は、ディスプレイ10がタッチエリア741~743において第1ジェスチャを検知した場合には、撮像装置400の向きの制御を実行し、ディスプレイ10がタッチエリア741~743において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがカメラアイコン47から遠ざかる方向をもつときには、撮像装置400の制御量(ズーム倍率)を増加させ、ディスプレイ10がタッチエリア741~743において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがカメラアイコン47に近づく方向をもつ場合には、撮像装置400の制御量(ズーム倍率)を減少させる。これにより、撮影エリアの位置設定及びズーム倍率調整のためのタッチ操作が可能となり、ユーザが直観的に撮像装置400を操作できる。その結果として、表示画面のタッチ操作により撮像装置400を操作する際の操作性を高めることができる。
【0090】
なお、本実施形態において撮像方向(撮影エリアの位置)は第2ジェスチャで調整してもよい。例えば、ディスプレイ10がタッチエリア741~743において2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャがカメラアイコン47から遠ざかる方向をもつときには、撮影エリアの位置(制御量)を撮像装置400から遠ざけるように制御し、第2ジェスチャがカメラアイコン47に近づく方向をもつときには、撮影エリアの位置(制御量)を撮像装置400に近づくように制御してもよい。
【0091】
なお、第1実施形態で説明した、表示画面に含まれる画像、アイコン等は、本実施形態における表示画面で表示してもよく、第1実施形態で説明した表示画面上のタッチ操作は、本実施形態に適用してもよい。例えば、第1実施形態における波模様の表示は、ズーム倍率の大きさを表すために表示画面に表示させてよい。また、本実施形態では、撮像装置400を1つとしたが、撮像装置400は複数でもよく、複数の撮像装置400の撮影エリア毎に対応させて複数のタッチエリアが設定されている。ディスプレイ10がタッチエリアにおい第1ジェスチャを検知した場合には、コントローラ30は、検知されたタッチエリアに対応する位置を撮像する撮影装置400を、複数の撮像装置400から選択すればよい。
【0092】
またタッチエリア741~743は必ずしも複数ある必要は無く1つでもよい。例えば、
図13の表示画面で、部屋の画像全体を1つのタッチエリアとする。そして、ディスプレイ10がタッチエリアにおいて第1ジェスチャを検知した場合には、機器制御部32は、撮像装置400の焦点が第1ジェスチャを検知した位置に合うように、あるいは、撮像装置400が第1ジェスチャを検知した位置を向くように、撮像装置400を制御する。さらに、ディスプレイ10がタッチエリアにおいて第2ジェスチャを検知した場合には、第2ジェスチャがカメラアイコン47から遠ざかる方向、又は、近づく方向に応じて、機器制御部32は、ズーム倍率を制御する。これにより、ユーザが直観的に撮像装置400を操作できる。
【0093】
なお、本実施形態は、撮像装置400、コントローラ30、ディスプレイ10を備えた電子機器に適用されてもよい。電子機器は、スマートフォンやタブレット端末等である。
【0094】
なお、本実施形態におけるタッチエリア741~743が本発明の「有効領域」に相当する。
【0095】
<<第5実施形態>>
次いで、本発明の第5実施形態について説明する。
図14は第5実施形態に係る制御システムを示すブロック図である。
図15は、ディスプレイ10の表示画面であって、水流発生装置500の制御用の操作画面を示す。本実施形態では、制御対象を水流発生装置500としている点、ディスプレイ10の表示画面及び機器制御部32の一部が第1実施形態と相違する。それ以外の構成は第1実施形態と同様である。以下に、第5実施形態における表示制御部31と機器制御部32について説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付して説明を省略する。また第1実施形態におけるコントローラ30の制御処理と同様の部分は説明を省略する。第1~第4実施形態の記載は、第5実施形態に適宜、援用される。
【0096】
ディスプレイ10は、ユーザにより携帯可能な電子機器等である。ユーザは、ディスプレイ10を備えた端末を携帯した状態で、ディスプレイ10の表示画面をタッチして、水流発生装置500の放流エリアや流量等を操作する。水流発生装置500は、浴槽に設置されており、浴槽内の一部のエリアに水を放流できる。
図14に示すように、水流発生装置500は、マッサージ又はリラクゼーション機能を有しており、浴槽内に座っているユーザの背中、腰、臀部に対して強めの水流を当てる。放流エリアの位置、流量はコントローラ30の制御下、調整される。
【0097】
機器制御部32は、タッチ操作に基づき水流発生装置500を制御する。機器制御部32は、タッチ操作の内容から制御項目を特定し、特定された制御項目に応じて、装置のオン/オフ、放流エリアの位置、流量等を制御する。機器制御部32は、制御項目に応じた制御指令を水流発生装置500に出力する。制御項目は、放流エリアの位置設定、流量設定等、水流発生装置500の仕様に応じて予め決まっている。制御項目は、ディスプレイ10のタッチ操作により選択される。また、機器制御部32は、水流発生装置500の動作状態等を管理している。
【0098】
次に、
図15を参照し、ディスプレイ10を用いた水流発生装置500の制御方法と、ディスプレイ10の表示画面について説明する。
図15に示すように、ディスプレイ10の表示画面は、吹き出しアイコン48と、基準領域画像40と、ユーザ画像54とを含んでいる。
図15に示す表示画面は、水流発生装置500が設置された浴槽の画像を表示している。
【0099】
基準領域画像40は、表示画面内の所定範囲を示す画像であって、少なくとも吹き出しアイコン48を有している。吹き出しアイコン48は、浴槽画像の壁部に、水流発生装置500の水吹き出し口を模した図形で表される。つまり、吹き出しアイコン48は、制御対象である水流発生装置500を模したアイコンである。ディスプレイ10の表示画面は、基準領域を表す基準領域画像40と、ユーザを表すユーザ画像54を含んでいる。基準領域画像40は、必ずしもユーザが基準領域の境界を認識できるような画像にする必要は無い。なお、本実施形態では、浴槽の壁部に水流発生装置500を設けているため、吹き出しアイコン48は浴槽画像の壁部に位置するが、吹き出しアイコン48の表示位置は、水流発生装置500の設置位置に応じて適宜、変更される。
【0100】
表示画面は、ユーザ画像54で示されるユーザの身体のうち、水流を当てる部分に応じて、タッチエリア751~753の3つのエリアに区分けされている。タッチエリア751は、背中に水流を当てる吹き出しアイコン48аの画像を含み、
図15の表示画面上で、浴槽画像の上部から背中に向けた領域である。タッチエリア752は、腰に水流を当てる吹き出しアイコン48bの画像を含み、
図15の表示画面上で、浴槽画像の中央部から腰に向けた領域である。タッチエリア753は、臀部に水流を当てる吹き出しアイコン48cの画像を含み、
図15の表示画面上で、浴槽画像の下部から臀部に向けた領域である。タッチエリア751~753は、エリアの境界を見えるよう画像として表示画面に表示してもよく、表示しなくてもよい。またタッチエリアは3つする必要は無く、2又は4以上であってもよい。また必ずしも区分けせず、表示画面の全体をタッチエリアとしてもよい。
【0101】
次に、放流エリアの位置及び流量調整の操作方法について説明する。タッチエリア751~753は、エリアごとに独立して、水流発生装置500を操作するためのタッチ操作を有効にする領域を表している。タッチエリア751~753の中から、放流エリアを設定したい部分にタッチ操作を行うことで、複数の水吹き出し口のうち、水流を発生させる吹き出し口を制御対象として選択できる。例えば、ユーザが腰に水流を当てたい場合には、ユーザは、タッチエリア752をタッチする。なお、放流エリアの位置を設定するためのタッチ操作は、方向性タッチ操作である必要は無く、タップ等、方向性をもたないタッチ操作でもよい。またタッチエリア内における方向性タッチ操作の方向により、流量の増減が可能である。
【0102】
ディスプレイ10は、複数のタッチエリア751~753におけるタッチ操作から、第1ジェスチャと第2ジェスチャを検知する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア751~753において第1ジェスチャを検知した場合には、放流エリアが検知したタッチエリア751~753に対して、水流を発生させる吹き出し口を制御対象として選択する。例えば、ディスプレイ10がタッチエリア752において第1ジェスチャを検知した場合には、機器制御部32は、タッチエリア751~753の中で、第1ジェスチャを検知した検知位置に水流が当たるように、制御対象を選択する。機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア751~753において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャが吹き出しアイコン48から遠ざかる方向をもつときには、流量を増加させる。一方、機器制御部32は、ディスプレイ10がタッチエリア751~753において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャが吹き出しアイコン48に近づく方向をもつときには、流量を減少させる。これにより、タッチ操作により流量を調整できる。
【0103】
上記のように本実施形態では、本実施形態に係る制御システムにおいて、ディスプレイ10は、吹き出しアイコン48と、水流発生装置500を操作するためのタッチ操作を有効にするタッチエリア751~753とを含む表示画面を表示し、タッチ操作から、第1ジェスチャと、第1ジェスチャと異なり一定の方向をもつ第2ジェスチャを検知する。そして、コントローラ30は、ディスプレイ10がタッチエリア751~753において第1ジェスチャを検知した場合には、制御対象の選択の制御を実行し、ディスプレイ10がタッチエリア751~753において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャが吹き出しアイコン48から遠ざかる方向をもつときには、水流発生装置500の制御量(流量)を増加させ、ディスプレイ10がタッチエリア751~753において第2ジェスチャを検知した場合に、第2ジェスチャが吹き出しアイコン48に近づく方向をもつ場合には、水流発生装置500の制御量(流量)を減少させる。これにより、放流エリアの位置設定及び流量調整のためのタッチ操作が可能となり、ユーザが直観的に水流発生装置500を操作できる。その結果として、表示画面のタッチ操作により水流発生装置500を操作する際の操作性を高めることができる。
【0104】
なお、本実施形態において第1ジェスチャで放流方向を調整してもよい。例えば、水流発生装置500が浴槽内で発生させる水流の向きを変える機能を有しており、ディスプレイ10がタッチエリア751~753において第1ジェスチャを検知した場合には、コントローラ30は、第1ジェスチャを検知したエリアの方向に水流を向けるよう、水流発生装置500を制御する。このとき、タッチエリア751~753は複数である必要は無く、1つでもよい。これにより、水流の向きを調整するためのタッチ操作が可能となり、ユーザが直観的に水流発生装置500を操作できる。なお、ディスプレイ10がタッチエリアにおいて第1ジェスチャを検知した場合には、コントローラ30は、水流発生装置500の選択と、水流発生装置500の向きの制御を両方実行してもよい。
【0105】
なお、第1実施形態で説明した、表示画面に含まれる画像、アイコン等は、本実施形態における表示画面で表示してもよく、第1実施形態で説明した表示画面上のタッチ操作は、本実施形態に適用してもよい。例えば、第1実施形態における波模様の表示は、流量の大きさを表すために表示画面に表示させてもよい。
【0106】
なお、本実施形態におけるタッチエリア751~753が本発明の「有効領域」に相当する。
【0107】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0108】
1 制御システム
10 ディスプレイ
11 メインスイッチボタン
12 モードスイッチボタン
13 ハンドルアイコン
20 空調機器
30 コントローラ
31 表示制御部
32 機器制御部
40 基準領域画像
50 座席画像
51 右座席画像
52 左座席画像