(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】3D X線暗視野撮像における不均一性解析
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240918BHJP
A61B 6/40 20240101ALI20240918BHJP
G01N 23/041 20180101ALI20240918BHJP
G01N 23/046 20180101ALI20240918BHJP
G01N 23/044 20180101ALI20240918BHJP
【FI】
A61B6/00 530Z
A61B6/40 500J
A61B6/00 550D
A61B6/00 550A
G01N23/041
G01N23/046
G01N23/044
(21)【出願番号】P 2024501534
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2022070742
(87)【国際公開番号】W WO2023016784
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2024-01-11
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ブローナゲル アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】コーレル トマス
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-505259(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0202530(US,A1)
【文献】特表2017-532986(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0298294(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
G01N 23/00-23/2276
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D X線暗視野撮像における不均一性解析のためのコンピュータ実装方法であって、3D X線暗視野(DAX)画像データ及び3D X線減衰画像データは同時に取得され、前記方法は、
(a)被検体の前記DAX画像データ及び/又は前記3D X線減衰画像データを受信するステップと、
(b)前記X線減衰画像データ及び/又は前記DAX画像データをセグメント化して、前記DAX画像データ内の関心領域(ROI)を識別するステップと、
(c)関連するサブ領域サイズ(SR
meas)を有するN個のサブ領域における前記DAX画像データ内のROIを分割することに基づいて、前記DAX画像データ内のROIの統計的解析を実行し、画像データ不均一性(D
meas)の対応する尺度を定量化することによって、前
記画像データ不均一性を解析するステップと、
(d)画像データ不均一性のインジケータを提供するステップと
を有する、方法。
【請求項2】
前記画像データ不均一性の尺度を定量化するステップは、サブ領域Nごとの前記DAX画像データの中心傾向の尺度と、サブ領域Nごとの前記DAX画像データの中心傾向の尺度の集合に基づく統計的分散の尺度とを取得するステップを有する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記画像データ不均一性のインジケータは、画像データ不均一性(D
meas) の尺度及び/又は対応するサブ領域サイズ(SR
meas)を有する、請求項1乃至2の何れか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記関心領域(ROI)は、ROIの集合(ROI
i、i=[1,n])であり、それぞれのROIはサブ領域サイズに対する画像データ不均一性の尺度によって特徴付けられ、前記画像データ不均一性のインジケータは画像データ不均一性の尺度の集合(D
meas,i、i=[1,n])及び/又はサブ領域サイズの集合(SR
meas,i、i=[1,n])であり、ステップ(d)は前記画像データ不均一性のインジケータの集合の要素を、それらの対応するROIにマッピングするステップをさらに有する、請求項1乃至3の何れか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
ステップ(c)は、
(c1)画像データ不均一性(D
ref)の基準尺度を受信するステップと、
(c2)画像データ不均一性の対応する尺度を有するROIサブ領域サイズの集合から、画像データ不均一性の尺度が最大(D
max)であるROIサブ領域サイズ(SR
max)を決定するステップと
を有し、
前記画像データ不均一性のインジケータは、D
max及びD
refの値の比較に基づく、
請求項1乃至2の何れか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
ステップ(c)は、
(c1)画像データ不均一性(D
ref)の基準尺度を受信するステップと、
(c2)画像データ不均一性(D
meas,i)の尺度がD
refにほぼ等しい前記DAX画像データ(SR
meas,i)のROIサブ領域サイズを推定するステップと
を有し、
前記画像データの不均一性のインジケータは、前記推定されたSR
meas, iである、
請求項1乃至2の何れか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
ステップ(c)は、
(c1)画像データ不均一性(D
ref)の基準尺度を受信するステップと、
(c2)画像データ不均一性の尺度(D
meas,i,i=[1,n])はD
refよりも大きい、前記DAX画像データのROIサブ領域サイズの集合(SR
meas,i,i=[1,n])を決定するステップと
を有し、
前記画像データ不均一性のインジケータは、前記推定されたROIサブ領域サイズの集合(SR
meas, i、i=[1,n])及び/又は画像データ不均一性の対応する尺度(D
meas,i、i=[1,n])である、
請求項1乃至2の何れか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
3D X線暗視野撮像における不均一性解析のための装置であって、3D X線暗視野(DAX)画像データ及び3D X線減衰画像データは同時に取得され、前記装置は処理ユニットを有し、
前記処理ユニットは、
被検体の前記DAX画像データ及び/又は3D X線減衰画像データを受信するように構成される入力ユニットと、
前記X線減衰画像データ及び/又は前記DAX画像データをセグメント化して、前記DAX画像データ内の関心領域(ROI)を識別するセグメント化ユニットと、
関連するサブ領域サイズ(SR
meas)を有するN個のサブ領域に前記DAX画像データ内のROIを分割することに基づいて、前記DAX画像データ内のROIの統計的解析を実行することによって、及び画像データ不均一性(D
meas)の対応する尺度を定量化することによって、前記画像データ不均一性を解析するように構成される不均一性解析ユニットと、
画像データ不均一性のインジケータを提供するように構成される出力ユニットと
を有する、装置。
【請求項9】
前
記画像データ不均一性の尺度を定量化するステップは、サブ領域Nごとの前記DAX画像データの中心傾向の尺度と、サブ領域Nごとの前記DAX画像データの中心傾向の尺度の集合に基づく統計的分散の尺度とを取得するステップを有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記画像データ不均一性のインジケータは、前記画像データ不均一性(D
meas) の尺度及び/又は前記対応するサブ領域サイズ(SR
meas)を有する、請求項8乃至9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記関心領域(ROI)はROIの集合(ROI
i、i=[1,n])であり、それぞれのROIは、サブ領域サイズに対する画像データ不均一性の尺度によって特徴付けられ、前記画像データ不均一性のインジケータは、ROI画像データ不均一性の尺度の集合(D
meas, i、i=[1,n])及び/又はサブ領域サイズの集合(SR
meas,i、i=[1,n])であり、前記出力ユニットは、前記画像データ不均一性のインジケータの集合の要素を、それらの対応するROIにマッピングするようにさらに構成される、請求項8乃至10の何れか一項に記載の装置。
【請求項12】
3D X線撮像のためのシステムであって、
被検体の3D X線暗視野(DAX)画像データ及び3D X線減衰画像データを取得し、提供するように構成される3D X線取得装置と、
処理ユニットを備える装置であって、前記処理ユニットは、
前記被検体のDAX画像データ及び/又は3D X線減衰画像データを受信するように構成される入力ユニットと、
前記X線減衰画像データ及び/又は前記DAX画像データをセグメント化して、前記DAX画像データ内の関心領域(ROI)を識別するように構成されるセグメンテーションユニットと、
関連するサブ領域サイズ(SR
meas)を有するN個のサブ領域に前記DAX画像データ内のROIを分割することに基づいて、前記DAX画像データ内のROIの統計的解析を実行することによって、及び画像データ不均一性(D
meas)の対応する尺度を定量化することによって、ROI画像データ不均一性を解析するように構成される不均一性解析ユニットと、
前記画像データ不均一性のインジケータを提供するように構成される出力ユニットと
を有する、装置と
を有する、システム。
【請求項13】
前記3D X線取得装置は、コンピュータ断層撮影、X線トモシンセシス、又はCアームX線撮像システムである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの処理ユニットによって実行されるとき、前記処理ユニットに、請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法のステップを実行させるように、及び/又は請求項8乃至11の何れか一項に記載の装置及び/又は請求項12乃至13の何れか一項に記載のシステムを制御させるように適合される、コンピュータプログラム要素。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラム要素を記憶したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D X線暗視野撮像の分野に関する。本発明は、3D X線暗視野撮像における不均一性解析のための方法及び装置、前記装置を含む3D X線撮像のためのシステム、コンピュータプログラム要素、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
位相コントラストX線画像(PCI)は従来のX線画像に関してより高い感度を提供し、非破壊的に低密度材料の画像を可能にし、したがって、マンモグラフィ、肺画像、骨画像などの臨床用途において利点を提供する。
【0003】
単一位相コントラストX線撮像システムは、その実装にかかわらず、(減衰/透過X線情報に加えて)位相コントラスト(PC)及び暗視野(DAX)情報の両方を提供する。より詳細には、x線ビームにおけるオブジェクトの有無の干渉パターンの比較が完全にレジストレーションされた(同じデータセットに由来するため)従来のx線減衰、DAX、及びPC信号を抽出することを可能にする。投影領域における信号の完全な空間的位置合わせは、断層撮影再構成後の画像領域における完全な位置合わせに直接変換され、診断精度を高めるための信号の組み合わせの可能性を示唆する。
【0004】
最近の研究はDAXが肺胞変化を正確に描写するために使用され得ることを実証し、これは従来の減衰に基づくX線撮像で可能であるよりも早い。これは、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、肺炎及び肺癌などの多数の肺障害の診断及び病期分類のための改善された診断精度にとって有利である。
【0005】
DAX信号解析による重症度又は疾患状態の測定可能な指標は疾患の進行の客観的測定、治療法の評価などに有用であり、EP 3494885 A1は、暗視野X線画像情報の提示、例えばX線暗視野X線撮影情報を放射線医/医師に提供するための装置に関する。本開示では、関心領域を表すデータが関心領域の複数のサブ領域についての性能指数と共に出力される。少なくとも1つの定量値がサブ領域のX線減衰画像及びサブ領域の暗視野画像から導出されるデータから、複数のサブ領域の各々について導出される。米国特許出願公開第2018/0271465号明細書は、2次元(2D)X線画像に基づいて肺状態マップを生成することによって診断情報を提供することに貢献している。投影画像に基づく肺状態マップの生成は画像処理による撮像された肺深度の推定と、DAX信号が肺の厚さに対して正規化されて出現するように、肺奥行きマップの空間的に対応するデータ値を用いたDAX信号の正規化とを必要とする。代わりに、コンピュータ断層撮影、X線トモシンセシス、又はCアームX線撮像によって提供されるような3次元(3D)X線撮像情報では、上述の手順は必要ではなく、したがって、障害の重症度のさらにより正確な評価及び定量化のために潜在的に使用され得る。2D X線画像に向けられた解決策は3D X線画像における使用には不適切であり、3D DAXデータの解析に基づく疾患診断のための定義された臨床バイオマーカーがないので、新しい方法が望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
3D X線撮像データに基づいて診断情報を提供するための改良された技術を有することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前臨床データは3次元X線暗視野(3D DAX)撮像における信号変化とは別に、DAX撮像データ、すなわち「不均一性」を示す不均一な特性を有する画像データの有意な信号不均一性も明らかにすることができるという本発明者らの洞察をもたらした。本発明の文脈において、DAX撮像データのこの特性、言い換えれば、DAX撮像データにおける不均一性は、信号不均一性又は画像データ不均一性とも呼ばれ、これらの用語は互換的に使用される。本発明者らはこれが、例えば、疾患の重症度及び/又は問題領域のローカライゼーションを決定するために、医師の評価を助けるための臨床バイオマーカーとして作用し得る臨床パラメータを生成するために活用され得ることを認識した。次いで、医師は、この情報を考慮して、最良の治療選択肢を選択することができる。この目的のために、本発明の第1の態様では、3D DAX画像における不均一性解析のための方法が提供される。
【0008】
不均一性解析のための方法は、対象の3D X線暗視野(DAX)画像データ及び/又は3D X線減衰画像データを受信することと、X線減衰画像データ及び/又はDAX画像データをセグメント化して、DAX画像データ内の関心領域(ROI)を識別することと、関連付けられたサブ領域サイズ(SRmeas)を有するいくつかのN個のサブ領域内のDAX画像データ内のROIを分割することに基づいて、DAX画像データ内のROIの統計的解析を実行することによって、ROI画像データ不均一性を解析することと、画像データ不均一性(Dmeas)の対応する尺度を定量化することと、画像データ不均一性のインジケータを提供することとを含む。
【0009】
このようにして、3D DAX画像における不均一性が解析され、したがって、ROIにおける信号不均一性の客観的尺度(例えば、クリニカルパラメータ)を生成する手段を提供し、これはさらに評価することができる。客観的尺度はユーザに利用可能なより信頼できる情報源を表し、異なる患者の異なる時間に、及び/又は異なる3D DAX撮像装置上で取得された尺度間のより信頼できる比較を可能にする。
【0010】
いくつかの実施形態では、画像データ不均一性の尺度を定量化することは部分領域NごとのDAX画像データの中心傾向の尺度を取得することと、部分領域NごとのDAX画像データの中心傾向の尺度の集合に基づいて統計的分散の尺度を取得することとを含む。それぞれの部分領域内の中心傾向の尺度を取得することによって、統計的分散解析が部分領域サイズ(SRmeas)によって定義される適切な長さスケールで行われることが保証される。
【0011】
いくつかの実施形態では、画像データ不均一性のインジケータが画像データ不均一性(Dmeas)及び/又は対応する部分領域の大きさ(SRmeas)の尺度を含む。これらのパラメータは、ROIの不均一性を特徴付ける客観的な方法を提供する。
【0012】
一実施形態ではROIがROIの集合(ROIi、i=[1,n])であってもよく、それぞれのROIはサブ領域サイズについての画像データ不均一性の尺度によって特徴付けられ、画像データ不均一性のインジケータは画像データ不均一性の尺度の集合(Dmeas, i 、i=[1,n])及び/又はサブ領域サイズの集合(SRmeas, i、i=[1,n])である。加えて、画像データ不均一性のインジケータの集合の要素は、それらの対応するROIにマッピングされ、グラフィカルに表され得る。不均一性解析のための方法を、例えば、器官などの、研究された領域の各部分(又は複数の部分)に適用することによって、全領域状態の包括的又はより完全な概観が得られ得、提供される画像データ不均一性の個々の尺度が状態の視覚的洞察を提供し、例えば、問題となり得る領域の改善された位置特定を容易にするために、グラフィカルに表され得る。
【0013】
提案される実施形態はまた、不均一性解析が不均一性の定量化をもたらし得るだけでなく、画像データ不均一性の所与の基準尺度に基づいてROIの状態を推定するためのツールであり得るという洞察を活用し得る。これらの実施形態は、ROI画像データ不均一性を解析するステップが画像データ不均一性の基準尺度(Dref)を受信するステップをさらに含むことができることを共通して有する。
【0014】
画像データ不均一性(Dref)の所与の基準尺度に基づいて条件を推定するために、いくつかの実施形態では、ROI画像データ不均一性を解析するステップが画像データ不均一性の対応する尺度を有するROIサブ領域サイズの集合から、画像データ不均一性の尺度が最高(Dmax)であるROIサブ領域サイズ(SRmax)を決定するステップと、次いで、Dmax及びDrefの数値の比較に基づいて画像データ不均一性のインジケータを決定するステップとをさらに含むことができる。これらの値を比較することによって、ROI状態の状態を評価することができる。例えば、DmaxがDref未満である場合、それは、検討中の部分が「規則的な状態」(例えば、健康な状態、又は以前の評価から変化がないか、もしくは改善された状態)にあることを示唆し得る。一方、DmaxがDref以上である場合、それは「不規則な状態」(例えば、以前の評価からの不健康な又は悪化した状態)を示唆し得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、ROI画像データ不均一性を解析するステップが画像データ不均一性(Dmeas, i)の尺度がDrefにほぼ等しいDAX画像データ(SRmeas,i)のROIサブ領域サイズを推定するステップをさらに含むことができる。画像データの不均一性のインジケータは、推定SRmeas, iである。このようにして、言及された状態が満たされる部分領域(SRmeas, i)の大きさは、解析される部品の状態又は状態の重症度に対する洞察を提供することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、ROI画像データ不均一性を解析するステップが画像データ不均一性の尺度(Dmeas, i,i=[1,n])がDrefよりも大きい、DAX画像データ(SRmeas,i,i=[1,n])のROIサブ領域サイズの集合を決定するステップをさらに含むことができる。画像データ不均一性のインジケータは、推定されたROIサブ領域サイズ(SRmeas, i、i=[1,n])の集合及び/又は画像データ不均一性の対応する尺度(Dmeas,i、i=[1,n])である。これは、所与の基準を上回る画像データ不均一性のサブ領域サイズ及び対応する尺度を決定することによって、ROIの状態、及びおそらくその程度の状態についての洞察を提供するための別の方法である。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、
3D X線暗視野撮像における不均一性解析のための装置であって、前記装置は処理ユニットを有し、
前記処理ユニットは、
被検体の前記DAX画像データ及び/又は3D X線減衰画像データを受信するように構成される入力ユニットと、
前記X線減衰画像データ及び/又は前記DAX画像データをセグメント化して、前記DAX画像データ内の関心領域(ROI)を識別するセグメント化ユニットと、
関連するサブ領域サイズ(SRmeas)を有するN個のサブ領域に前記DAX画像データ内のROIを分割することに基づいて、前記DAX画像データ内のROIの統計的解析を実行することによって、及び画像データ不均一性(Dmeas)の対応する尺度を定量化することによって、前記画像データ不均一性を解析するように構成される不均一性解析ユニットと、
画像データ不均一性のインジケータを提供するように構成される出力ユニットと
を有する、装置が提供される。
【0018】
このように、装置は先に論じた全てのステップを実行することができ、ユーザが本発明の第1の態様からの方法の利点を得ることを可能にすることができる。
【0019】
本発明の第3の態様によれば、被検体の3D DAX画像データ及び3D X線減衰画像データを取得し、提供するように構成された3D X線取得装置と、本発明の第2の態様による装置とを備える3D X線撮像のためのシステムが提供される。このようにして、本装置は、被検体の3D DAX画像データにおける不均一性の解析においてユーザを支援する手段を提供することもできる。
【0020】
いくつかの実施形態では、3D X線取得装置がコンピュータ断層撮影、X線トモシンセシス、又はCアームX線撮像システムであってもよい。これらは、最も一般的に使用される3D X線取得装置であり、多くの病院又は他の撮像場所で利用可能である。
【0021】
本発明の第4の態様によれば、少なくとも1つの処理ユニットによって実行されるとき、処理ユニットに、本発明の第2の態様による方法のステップを実行させ、及び/又は装置を制御させ、及び/又は本発明の第3の態様によるシステムを制御させるように適合されたコンピュータプログラム要素が提供される。
【0022】
本発明の第5の態様によれば、プログラム要素を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。
【0023】
本発明の文脈における「被検体」は、死んだ又は生きているヒトもしくは動物の身体、又は植物もしくは植物の一部を指し得ることに留意されたい。しかしながら、それはまた、機械部品又は部品のアセンブリのような人工部品であってもよく、これらの部品は、金属、セラミック、又はプラスチック材料のような1つ又は複数の材料から作製されてもよく、位相コントラスト画像化されると、信号不均一性を示す。
【0024】
本発明のこれら及び他の態様は以下に記載される実施形態から明らかになり、それらを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に関連して説明されるように、3D DAX撮像における不均一性解析のためのフロー図又は方法を示す。
【
図2A】被検体の胸郭の概略図を示す。被検体の胸郭の減衰画像を示す。
【
図2B】サブ領域に分割された関心領域を有する対象の胸郭の3D DAX画像のスライスを示す。
【
図2C】2つの関心領域(ROI1及びROI2)を描写する、対象の胸郭の3D DAX画像の薄片を示す。
【
図3】本発明に関連して説明されるように、3D DAX撮像における不均一性解析のための装置を備える3D X線撮像のためのシステムを表すブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、様々なコンポーネント及び構成要素の配置、並びに様々な処理動作及び処理動作の配置の形態をとることができる。図面は好ましい実施形態を例示することのみを目的としており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。より良く視覚化するために、特定の特徴は省略されてもよく、又は寸法は縮尺に従っていなくてもよい。同じ又は同様の構成要素には、異なる図において同じ参照番号が付されている。
【0027】
この詳細な説明では、様々な特定詳細が提示される。本発明の実施形態は、これらの特定詳細なしに実行することができる。さらに、周知の特徴、素子、及び/又はステップは本開示の明瞭さ及び簡潔さのために、必ずしも詳細に説明されない。
【0028】
本開示による実施形態は、3次元X線暗視野(3D DAX)撮像における信号不均一性の解析に関する様々な技法、方法、計画、及び/又は解決策に関する。本発明者らはそのような解析が例えば、疾患の重症度及び/又は問題領域のローカライゼーションを決定するために、医師の評価を助けるための臨床バイオマーカーとして作用し得る臨床パラメータを生成するために活用され得ることを認識した。したがって、提案された概念によれば、いくつかの解決策が別個に、又は一緒に実装され得る。すなわち、これらの可能な解決策は以下では別々に説明され得るが、これらの可能な解決策のうちの2つ以上は1つの組み合わせ又は別の組み合わせで実装され得る。
【0029】
本発明の第1の態様では、3D DAX画像データにおける不均一性解析のための方法が提供され、その基本的なステップにおいて
図1に提示される。
【0030】
ステップ(a)とも呼ばれるステップ110において、被検体のX線暗視野(DAX)画像データ及び/又はX線減衰画像データが受信される。DAX及びX線減衰画像データは複数のボクセルを含む3D撮像データであり、各ボクセルは、それぞれDAX(時には分散と称される)値及び減衰値に関連する。DAX画像及び減衰画像は通常、両方の画像が同時に、かつ同じデータセット内で取得されるので、完全に位置合わせされる。完全な位置合わせはまた、DAX画像のボクセルが減衰画像のボクセル上にマッピングされ得ることを手段する。画像データは被検体の位相コントラスト撮像から直接取得されてもよいし、データベースから取得されてもよい。
【0031】
ステップ(b)とも呼ばれるステップ120において、X線減衰画像データ及び/又はDAX画像データは、DAX画像データ内の関心領域(ROI)を識別するためにセグメント化される。減衰画像データのためのセグメント化技術は当業者に周知であり、これ以上説明しない。当業者には、既存の概念をDAX画像データに適合させることができることが明らかである。例として、
図2は被検体、この例ではマウスの胸郭の概略図を示し、この図は、A. Velroyen らの 「Grating based Xray dark field computed tomography of living mice」( EBioMedicine 2, 10(2015))から適合された。
図2Aには、患者の胸郭の減衰画像121が示されている。図。
図2B及び
図2Cは不均一な特性を示す、対象の胸郭の3D DAX画像122のスライスを示し、DAX撮像において明らかにすることができる不均一性を示す。セグメント化輪郭123は、この例では肺であるROI 124の境界を定める。ROI 124は、任意の器官(又はその部分)、又はDAX画像を使用して画像され、信号不均一性を呈することが可能な対象の構造であり得る。
【0032】
ステップ(c)とも呼ばれるステップ130において、ROI画像データの不均一性は、DAX画像データ内のROI 124の統計的解析を実行することによって解析される。
【0033】
解析は
図2Bに示されるように、DAX画像データ内のROI 124をN個のサブ領域125に分割することに基づく。小領域125は、カーネル125とも呼ばれ、関連する小領域の大きさ(SR
meas)を有する。したがって、数Nは、サブ領域125によって分割された画像サイズ又はカーネル125サイズによって与えられ得る。サブ領域125のサイズはボクセル単位で、又は物理長パラメータ(たとえば、ミリメートル)で表され得る。さらに、サブ領域125は、任意の多角形プリズム、球形、又は楕円形などの任意の形状であってもよく、サブ領域125も重なり合うことができる。
図2Bは、立方体形状のいくつかのN個のサブ領域125に分割されたROI 124の概略図を示す。
【0034】
さらに、非ROIボクセルが解析から除外されることを確実にするために、ROI 124の境界にあるサブ領域125(たとえば、10画素直径を有する球体である定義されたサブ領域)がマスクでクロッピングされるように、ROI 124をカバーするマスクが最初に決定され得る。
【0035】
解析を続けると、DAX画像データ内のROI 124がサブ領域125に分割されると、画像データ不均一性(Dmeas)の対応するROI尺度が定量化される。
【0036】
一実施形態では画像データ不均一性の尺度(Dmeas)がDAX画像データのサブ領域Nごとの中心傾向の尺度を取得することと、続いて、サブ領域NごとのDAX画像データの中心傾向の尺度の集合に基づく統計的分散の尺度を取得することとを含む。用語「中心傾向」はモード、中央値、又は平均を示すことができる統計における標準表現であり、統計的分散の尺度は分散、標準偏差、又は変動の定量化に関連する任意の他のパラメータを含むことができる。例示的な実施形態では、サブ領域Nごとの平均暗視野信号が計算され、次いで、分散、又は以前に計算されたサブ領域ごとの平均値の集合に基づく標準偏差が計算されて、画像データ不均一性(Dmeas)の尺度を得ることができる。
【0037】
それぞれの部分領域125内の中心傾向の尺度を得ることによって、統計的ばらつき解析が、部分領域の大きさ(SRmeas)によって定義される適切な長さスケールで行われることが保証される。したがって、ROIは、所与のサブ領域サイズ(SRmeas)に対する画像データ不均一性(Dmeas)の尺度によって特徴付けることができる。
【0038】
さらに、解析の追加の部分として、統計的分散の尺度を得る前に、ROI 124に対するフィルタ演算(例えば、ローパスフィルタ、ガウスフィルタ)を適用することができる。この場合、中心傾向の尺度は、実際には統計的動機を有する特別なローパスフィルタリング操作とみなすことができる。しかしながら、例えば、ROI 124内の特定の構造、例えば、気管支又は肺内のより大きな血管を排除するために、他のフィルタ演算を適用することができ、したがって、さらにより正確な及び/又はよりシャープな結果をもたらすことができる。
【0039】
方法ステップに戻ると、ステップ(d)とも呼ばれるステップ140において、画像データの不均一性のインジケータが提供される。一実施形態では、画像データ不均一性のインジケータが画像データ不均一性(Dmeas)及び/又は対応する部分領域の大きさ(SRmeas)の尺度を含む。
【0040】
前述のように、ROI 124は、信号不均一性を示す対象の任意の構造、器官(又はその部分)であってもよい。例えば、ROIは肺全体であってもよいが、左もしくは右の肺のみであってもよいし、単一の肺葉であってもよい。ROI124はまた、重複し得る。
図2Cは、ROI1及びROI2と標識された、左右の肺臓を表す2つのROIを概略的に示す。したがって、一実施形態ではROIはROIの集合(ROI
i 、i=[1,n])であり、それぞれのROI 124はサブ領域サイズ(SR
meas)に対する画像データ不均一性(D
meas)の尺度によって特徴付けられる。したがって、画像データ不均一性のインジケータは画像データ不均一性の尺度(D
meas, i、i=[1,n])の集合及び/又は部分領域サイズの集合(SR
meas,i、i=[1,n])であり、それぞれのROI
iは、画像データ不均一性(D
meas,i)のその対応する尺度及びその対応する部分領域サイズ(SR
meas,i)に関連する。言い換えれば、画像データ不均一性のインジケータの集合の要素間に、それらの対応するROIへのマッピングが存在する。一実施形態では、ステップ140がヒートマップなどのグラフィック表現を使用して提示され得るこのマッピング141をさらに含む。マッピングは、表示画面又はハードコピー形式で視覚化することができる(150)。加えて、又は代替として、マッピング141はさらなる処理のために、テーブル又は任意の他の適切なフォーマットの形態のデータセットとして提供され得る。例えば、画像データ不均一性(D
meas, i、i=[1,n])の尺度は、それらの対応するROI(ROI
i、i=[1,n])上にオーバーレイされると、ヒートマップとして視覚化され得る。前述の不均一性解析のための方法を、研究された器官の各部分(又は複数の部分)に適用することによって、器官状態の包括的又はより完全な概観が得られ得、画像データ不均一性の個々の尺度が状態の視覚的洞察を提供するためにグラフィカルに表され得、例えば、問題となり得る領域の改善された位置特定を容易にし得る。グラフィック表現のために、ROIの集合(アンサンブル)は、器官内の各ボクセルについて、ボクセルを中心とするROIを含むことができる。
【0041】
前述の解析の別の態様は、画像データ不均一性(Dref)の基準尺度に関連するROIの状態に関する洞察を得ることである。このために、いくつかの実施形態では、ステップ(c)とも呼ばれるステップ130がステップ(c1)とも呼ばれるステップ131と、ステップ(c2)とも呼ばれるステップ132とをさらに含む。
【0042】
ステップ131において、画像データ不均一性(Dref)の基準尺度が受信される。画像データ不均一性の基準尺度は、検査中の被検体の同じROIの以前の研究から受信されてもよく、又はROIの一般的な基準尺度であってもよく、データベースから受信されてもよく、又は試験もしくは較正プロシージャなどの一部として受信されてもよい。
【0043】
一実施形態では、ステップ132において、画像データ不均一性の尺度が最高(Dmax)であるサブ領域サイズ(SRmax)が画像データ不均一性の対応する尺度(Dmeas, i,i=[1,n])を有するROIサブ領域サイズ(SRmeas,i,i=[1,n])の集合から決定される。次に、ステップ140の画像データの不均一性のインジケータは、DmaxとDref の数値の比較に基づく。例えば、DmaxがDref未満である場合、検討中の器官又は部分が「規則的な状態」(例えば、健康な状態、又は以前の評価から変化がないか、もしくは改善された状態)であることを示唆し得る状態インジケータが提供され得る。一方、DmaxがDref以上である場合、それは、「不規則な状態」(例えば、以前の評価からの不健康な又は悪化した状態)を示唆し得、それはさらに調査され得る。
【0044】
代替実施形態では、ステップ132において、画像データ不均一性(Dmeas, i)の尺度がDref にほぼ等しいDAX画像データ(SRmeas, i)のROIサブ領域サイズが推定される。ここで、「およそ」という語は、記載された値の10%上又は下の範囲内、好ましくは記載された値の5%上又は下の範囲内、より好ましくは記載された値の1%上又は下の範囲内の手段である。次に、ステップ140の画像データの不均一性のインジケータは、述べられた状態が満たされる推定された部分領域の大きさ(SRmeas, i)である。このようにして、言及された状態が満たされる部分領域(SRmeas, i)の大きさは、解析されるROIの状態の状態(例えば、重症度、状態が改善しているか、又は退行しているかなど)に対する洞察を提供することができる。
【0045】
別の実施形態では、ステップ132において、画像データ不均一性(Dmeas, i, i=[1, n])の尺度がDrefよりも大きい、DAX画像データ(SRmeas,i, i=[1, n])のROIサブ領域サイズの集合が推定される。次に、ステップ140の画像データ不均一性のインジケータは、推定されたROIサブ領域サイズ(SRmeas, i, i=[1, n])及び/又は画像データ不均一性の対応する尺度(Dmeas,i, i=[1, n])の集合である。所与の基準(Dref )を上回る画像データ不均一性の部分領域サイズ及び対応する尺度を決定することによって、ROIの状態の推定及び程度(たとえば、状態の大きさ、状態の増殖速度など)が理解され得る。
【0046】
明らかに、ステップ132の任意の変形の実装は、手動で、半自動で、又はコンピュータ支援又は人工知能ベースのアルゴリズムを含む任意のタイプのアルゴリズムによって自動的に実施され得る。さらに、対応する実施形態は、より詳細な解析のためにROIの集合に適用され得る。また、比較されるパラメータ(例えば、Dref対Dmax又はDmeas, i)はそれらが直接的に比較され得るフォーマット(すなわち、ユニット)であること、又は代替的に、比較のためにそれらを互換性のあるフォーマットに変換する方法が当業者に知られていることは明白である。
【0047】
さらに、一般に、当業者は、サブ領域のサイズが検出器のピクセルサイズ、X線源、及び物体の位置などのいくつかの要因に依存し得ることを知っており、したがって、当業者は例えば、解析されるサブ領域サイズの集合を定義するために境界条件を決定する方法も知っているのであろう。さらに、提供される手段は例えば、信号中の雑音によって影響を受ける可能性があるので、ROI状態の絶対的な指標ではないことが認識される。
【0048】
図3は、3D DAX撮像における不均一性解析のための装置の簡略化されたブロック
図200を示す。
【0049】
この装置は、被検体の3D DAX画像データ及び/又は3D X線減衰画像データを受信するように構成された入力ユニット220を含む処理ユニット210を備える。画像データは、データベースから受信されてもよく、又は位相コントラストX線撮像システムから直接取得されてもよい。例えば、画像データは被検体のX線DAX画像データ及びX線減衰画像データを取得し、提供するように構成された3D X線取得装置から受信されてもよい。
【0050】
また、処理部210は、セグメント化ユニット230と、不均一性解析部240と、出力ユニット250とを備える。セグメント化ユニット230は、X線減衰画像データ及び/又はDAX画像データをセグメント化して、DAX画像データ内のROI 124を識別するように構成される。不均一性解析ユニット240は関連するサブ領域サイズ(SRmeas)を有するN個のサブ領域125内のDAX画像データ内のROI 124を分割することに基づいて、DAX画像データ内のROI 124の統計的解析を実行し、画像データ不均一性(Dmeas)の画像の対応する尺度を定量化することによって、ROI画像データ不均一性を解析するように構成される。出力ユニット250は、画像データの不均一性のインジケータを提供するように構成される。
【0051】
したがって、その簡略化されたブロック図が
図3に示されている装置は、前述の実施形態のすべてを実行することが可能であり得、したがって、装置は解析されたデータを、例えば、グラフィカル表現で表示するように構成された視覚化ユニット260をさらに備え得る。
【0052】
さらに、
図3は前述のように、3D X線取得装置310及び装置200を備える3D X線撮像のためのシステムの簡略化されたブロック
図300を示す。3D X線取得装置310は、被検体の3D DAX画像データ及び3D X線減衰画像データを取得及び提供するように構成され、位相コントラストX線撮像実施によって強化されたコンピュータ断層撮影、X線トモシンセシス、又はCアームX線撮像システムであってもよい。
【0053】
このように、装置200及び装置300は、被検体の3D DAX画像データにおける不均一性の解析においてユーザを支援するための手段を提供することができる。
【0054】
本発明の別の実施形態では、少なくとも1つの処理ユニットによって実行されるときに、前述の方法100のステップを処理ユニットに実行させ、及び/又は装置200及び/又はシステム300を制御させるように適合されたコンピュータプログラム要素が提供される。
【0055】
本発明のさらなる実施形態によれば、コンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体はその上に記憶されたコンピュータプログラム要素を有し、そのコンピュータプログラム要素は、前のセクションによって説明される。
【0056】
命令は、コンピュータプログラム製品上に記憶され得る。コンピュータプログラム製品は、専用ハードウェア、ならびに適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行することが可能なハードウェアによって提供され得る。プロセッサによって提供されるとき、関数は、単一の専用プロセッサによって、単一の共用プロセッサによって、又はそのうちのいくつかが共有され得る複数の個々のプロセッサによって提供され得る。
【0057】
本説明の目的のために、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれに関連して使用するためのプログラムを含む、記憶する、通信する、伝播する、又は移送することができる任意の装置であり得る。媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体システム、装置もしくはデバイス、又は伝搬媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体の例は、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ「RAM」、読み出し専用メモリ「ROM」、剛性磁気ディスク、及び光ディスクを含む。光ディスクの現在の例には、コンパクトディスク読み取り専用メモリ「CD ROM」、コンパクトディスク読み取り/書き込み「CDR/W」、BluRay(商標)及びDVDが含まれる。伝搬媒体の例は、インターネット又は他の有線又は無線の電気通信システムである。
【0058】
本発明は図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されているが、そのような図示及び説明は例示的又は例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は開示された実施形態に限定されない。
【0059】
開示された実施形態に対する変形は図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解され、達成され得る。様々な実施形態は、さらなる有利な効果を達成するために組み合わせることができることに留意されたい。
【0060】
請求項において、単語「有する(comprising)」は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。
【0061】
単一のユニット又はデバイスは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0062】
請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。