(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス{AEROSOL-GENERATING DEVICE USING CAPACITIVE TOUCH SENSING}
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20240918BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240918BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240918BHJP
A24F 40/485 20200101ALI20240918BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20240918BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/42
A24F40/46
A24F40/485
A24F40/51
(21)【出願番号】P 2023542737
(86)(22)【出願日】2023-03-03
(86)【国際出願番号】 KR2023002896
(87)【国際公開番号】W WO2023249202
(87)【国際公開日】2023-12-28
【審査請求日】2023-07-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0074862
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バエ、ヒュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ウォンヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ギホ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-535277(JP,A)
【文献】特開2017-058502(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0224993(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0121597(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に備えられ、一側が外部に露出するエアロゾル排出口と、
前記ハウジングの内部に備えられ、エアロゾル形成基材を貯蔵するカートリッジと、
前記カートリッジの内部に備えられ、前記カートリッジを加熱してエアロゾルを発生させるヒータと、
前記ヒータの作動を制御する制御部、及び
前記ハウジングの外周面に備えられるタッチセンサと、
を含み、
前記タッチセンサは、接触面積情報を前記制御部に伝達し、前記制御部は、前記接触面積情報に基づいて前記ヒータに印加される電力値を調節する、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス。
【請求項2】
前記タッチセンサは、静電容量センサで構成される、請求項1に記載の静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス。
【請求項3】
前記タッチセンサは、接触面積が増加すると静電容量が増加し、前記制御部は、静電容量変化量を演算して前記ヒータに電力値を印加する、請求項2に記載の静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス。
【請求項4】
パフの強度を感知して前記制御部に伝達するパフセンサをさらに含む、請求項1に記載の静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス。
【請求項5】
前記制御部はメモリをさらに含み、
前記メモリは、前パフ時の電流値を貯蔵する、請求項4に記載の静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス。
【請求項6】
前記制御部は、前パフ時の前記タッチセンサからの接触面積情報と、現在パフ時の前記タッチセンサからの接触面積情報とを比較して補償電流値を生成し、前記補償電流値を前記前パフ時の電流値に加減する、請求項5に記載の静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス。
【請求項7】
前記制御部は、以下の式によって前記ヒータに印加される電力値を調節する、
(式1)
P
nPuff=V
BAT(I
(n-1Puff)+I
ΔC)
ここで、P
nPuffは、現在パフ時の電力値であり、
V
BATは、バッテリから印加される電圧値であり、
I
(n-1Puff)は、前パフ時の電流値であり、
I
ΔCは、補償電流値である、請求項6に記載の静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス。
【請求項8】
前記タッチセンサは、前記ハウジングの少なくとも1つ以上の外周面に備えられる、請求項1に記載の静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス。
【請求項9】
前記ハウジングは、
前記エアロゾル排出口が備えられた端面と、
前記エアロゾル排出口に垂直な第1側面と、
前記エアロゾル排出口に垂直であり、前記第1側面の反対側の第2側面と、
を含み、
前記タッチセンサは、
前記第1側面に配置された第1タッチセンサ、及び
前記第2側面に配置された第2タッチセンサと、
を含む、請求項8に記載の静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施例は、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般的なシガレットの欠点を克服する代替方法に関する需要が高まっている。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、エアロゾル生成物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される装置に関する需要が高まっている。これにより、加熱式エアロゾル生成装置に関する研究が盛んに行われている。従来の加熱式エアロゾル生成装置は、喫煙者がより多くの霧化量を望んでいたとしても、カートリッジウィックの炭化防止のために発生するエアロゾルが一定又は増加するのに限界があった。したがって、エアロゾルの喫煙者の嗜好によって霧化量を調節することができるエアロゾル発生デバイスの開発が必要とされている。例えば、公開特許公報第10-2013-0036585号は、エアロゾル吸入装置を開示する。
【0003】
前述の背景技術は、発明者が本願の開示内容を導出する過程で保有又は習得したものであり、必ずしも本出願前に一般公衆に公開された公知技術とは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施例の目的は、喫煙者が霧化量を調節可能な静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスを提供することである。
【0005】
実施例で解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例に係る静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスを開示する。静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスは、ハウジング、前記ハウジングの内部に備えられ、一側が外部に露出するエアロゾル排出口、前記ハウジングの内部に備えられ、エアロゾル形成基材を貯蔵するカートリッジ、前記カートリッジの内部に備えられ、前記カートリッジを加熱してエアロゾルを発生させるヒータ、前記ヒータの作動を制御する制御部、及び前記ハウジングの外周面に備えられるタッチセンサを含み、前記タッチセンサは、接触面積情報を前記制御部に伝達し、前記制御部は、前記接触面積情報に基づいて前記ヒータに印加される電力値を調節することができる。
【0007】
一側によれば、前記タッチセンサは、静電容量センサで構成されてもよい。
【0008】
一側によれば、前記タッチセンサは、接触面積が増加すると静電容量が増加し、前記制御部は、静電容量変化量を演算して前記ヒータに電力値を印加することができる。
【0009】
一側によれば、パフの強度を感知して前記制御部に伝達するパフセンサをさらに含むことができる。
【0010】
一側によれば、前記制御部はメモリをさらに含み、前記メモリは、前パフ時の電流値を貯蔵することができる。
【0011】
一側によれば、前記制御部は、前パフ時の前記タッチセンサからの接触面積情報と、現在パフ時の前記タッチセンサからの接触面積情報とを比較して補償電流値を生成し、前記補償電流値を前記前パフ時の電流値に加減することができる。
【0012】
一側によれば、前記制御部は、以下の式によって前記ヒータに印加される電力値を調節する、PnPuff=VBAT(I(n-1Puff)+IΔC)ここで、PnPuffは、現在パフ時の電力値であり、VBATは、バッテリから印加される電圧値であり、I(n-1Puff)は、前パフ時の電流値であり、IΔCは、補償電流値であり得る。
【0013】
一側によれば、前記タッチセンサは、前記ハウジングの少なくとも1つ以上の外周面に備えられてもよい。
【0014】
一側によれば、前記ハウジングは、前記エアロゾル排出口が備えられた端面、前記エアロゾル排出口に垂直な第1側面、及び前記エアロゾル排出口に垂直であり、前記第1側面の反対側の第2側面を含み、前記タッチセンサは、前記第1側面に配置された第1タッチセンサ、及び前記第2側面に配置された第2タッチセンサを含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、実施例によれば、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスは、タッチセンサを備えることで喫煙者がタッチセンサの接触面積を変化させることによって容易に霧化量を調節することができる。
【0016】
一実施例に係る静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスの効果は、以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施例に係る静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスの断面を示す図である。
【
図2】一実施例に係る静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスのブロック図である。
【
図3】一実施例に係る
図1のカートリッジの断面を示す図である。
【
図4】一実施例に係るハウジングにタッチセンサが備えられることを示す図である。
【
図5】一実施例に係るタッチセンサの原理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい実施例を示するものであり、発明の詳細な説明と共に本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明は、これらの図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるべきではない。
【0019】
以下、添付図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、特許出願の権利範囲がこれらの実施例によって制限又は限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物または代替物が権利範囲に含まれると理解されるべきである。
【0020】
実施例で使用した用語は単に説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明白に別段の意味を持たない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0021】
別途の定義がない限り、技術的又は科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているなどの用語は、関連技術の文脈上有している意味と一致すると解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0022】
また、添付図面を参照して説明するにあたって、図面符号にかかわらず、同一の構成要素は同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあたって、関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0023】
さらに、実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結又は接続されるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるとも理解されるべきである。
【0024】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を使用して説明する。反対の記載がない限り、いずれかの実施例に記載の説明は他の実施例にも適用でき、重複する範囲で具体的な説明は省略する。
【0025】
図面を参照して、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスについて説明する。参考として、
図1は、一実施例に係る静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスの断面を示す図であり、
図2は、一実施例に係る静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスのブロック図であり、
図3は、一実施例に係る
図1のカートリッジの断面を示す図であり、
図4は、一実施例に係るハウジングにタッチセンサが備えられることを示す図であり、
図5は、一実施例に係るタッチセンサの原理を説明するための図である。
【0026】
図1を参照すると、一実施例に係る静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス1は、ハウジング10、エアロゾル排出口30、カートリッジ20、ヒータ40、制御部50、及びタッチセンサ60を含めて構成される。
【0027】
一実施例に係るハウジング10は、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス1の外観を形成する。ハウジング10は、内部空間にバッテリBが装着され、図面には示されていないが、電子チップ(図示せず)が装着される回路基板(図示せず)が装着されてもよく、先端面には吸入動作によって点灯する発光ダイオード(図示せず)、又は吸入情報を表示するディスプレイ部(図示せず)などが装着されてもよい。ここで、バッテリ(図示せず)は、再充電可能なポリマーリチウム電池、リチウムイオン電池などを使用することができる。
【0028】
一実施例に係るエアロゾル排出口30は、ハウジング10の内部に備えられ、一側が外部に露出する。エアロゾル排出口30の他側は、後述するカートリッジ20と連結され、カートリッジ20から発生するエアロゾルAを外部に排出することができる。例えば、エアロゾル排出口30は、カートリッジ20の一側から突出したストロー状であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。加えて、ひょうたんボトル形、円筒形、穴形などの開口部を含むことができる。また、開口部の材料として、プラスチック合成樹脂、ステンレス鋼、ガラス、テフロン(登録商標)、ゴムなどの様々な材料で作製することができる。
【0029】
図2を参照すると、一実施例に係るカートリッジ20は、ハウジング10の内部に備えられ、エアロゾル形成基材Lを貯蔵する。ここで、エアロゾル形成基材Lは、エアロゾルAを形成できる物質を意味することができる。エアロゾルAは、揮発性化合物を含むことができる。エアロゾル形成基材Lは、固体又は液状であってもよい。例えば、固体のエアロゾル形成基材Lは、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質を含むことができ、液状のエアロゾル形成基材Lは、ニコチン、タバコ抽出物及び/又は様々な香味剤に基づく液状組成物質を含むことができる。しかし、本実施例の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0030】
一実施例に係るヒータ40は、カートリッジ20の内部に配置され、カートリッジ20を加熱してエアロゾルAを発生させる。ヒータ40は、ウィック41及び加熱コイル42を含むことができる。ウィック41は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックの少なくとも1つ又はこれらの化合物を含むことができ、これらに限定されるものではない。加熱コイル42はウィック41を巻き取る形態で配置することができ、これは後述する制御部50と連結されて熱を発生させることによって、ウィック41を加熱して加熱されたウィック41によってカートリッジ20の内部に貯蔵されたエアロゾル形成基材LからエアロゾルAが発生され得る。
【0031】
一実施例に係る制御部50は、ヒータ40の作動を制御する。また、制御部50は、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス1の全般的な作動を制御することができる。一実施例において、制御部50は、少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行できるプログラムが貯蔵されたメモリ51の組み合わせで実現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで実現されてもよいことを本実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解できる。
【0032】
一実施例に係る制御部50は、電力をヒータ40に供給することを制御することによってヒータ40の温度を制御することができる。例えば、制御部50は、バッテリとヒータ40との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することによって電力供給を制御することができる。他の例として、制御部50の制御命令に応じて加熱直接回路がヒータ40に対する電力供給を制御することもできる。
【0033】
図4を参照すると、一実施例に係るタッチセンサ60は、ハウジング10の外周面に備えられる。タッチセンサ60は、ハウジング10の少なくとも1つ以上の外周面に備えられてもよい。例えば、ハウジング10は、エアロゾル排出口30が備えられた端面11、エアロゾル排出口30に垂直な第1側面12、エアロゾル排出口30に垂直であり、前記第1側面12の反対側の第2側面13を含み、タッチセンサ60は、第1側面12に配置された第1タッチセンサ61、及び第2側面13に配置された第2タッチセンサ62を含むことができる。
【0034】
図5を参照すると、一実施例に係るタッチセンサ60は、静電容量センサで構成されてもよい。静電容量センサは、身体又は特定の物体が接触したとき、発生する静電容量/キャパシタンス(capacitance)の変化を感知して動作するセンサである。タッチセンサ60は、身体又は特定の物体が接触しないときには所定の大きさの静電容量/キャパシタンス値を有し、身体又は特定の物体が接触したときにはタッチセンサ60が並列に連結されているなどの効果を奏することができる。すなわち、タッチセンサ60に身体又は特定の物体が接触することによって、静電容量/キャパシタンス値が増加することができ、静電容量/キャパシタンス変化量を制御部に伝達することができる。
【0035】
ここで、一実施例に係るタッチセンサ60は、接触面積が増加すると静電容量が増加し、制御部50は、静電容量変化量を演算してヒータ40に電力値を印加することができる。タッチセンサ60は、接触面積情報を制御部50に伝達し、制御部50は、接触面積情報に基づいてヒータ40に印加される電力値を調節する。
【0036】
また、一実施例に係る静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス1は、パフセンサ70をさらに含むことができる。以下の実施例において、「パフ(puff)」とは、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内又は肺に引き寄せる状況を意味する。
【0037】
一実施例に係るパフセンサ70は、パフの強度を感知して制御部50に伝達する。パフセンサ70は、気流通路又は気流チャンネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを感知することができる。例えば、パフセンサ70は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のいずれかに基づいてユーザのパフを感知することができる。パフセンサ70は、エアロゾル排出口30に備えられてパフを感知することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0038】
ここで、一実施例に係る制御部50はメモリ51をさらに含み、メモリ51は、前パフ時の電流値を貯蔵することができる。ここで、メモリ51は、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス1の内で処理される各種データを貯蔵するハードウェアであって、制御部50で処理されたデータ及び処理されるデータを貯蔵することができる。メモリ51は、フラッシュメモリ51タイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disc type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ51(例えば、SD又はXDメモリ51など)、ラム(RAM、random access memory)、SRAM(static random access memory)、ロム(ROM、read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ51、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの貯蔵媒体を含むことができる。
【0039】
一実施例に係るメモリ51は、前パフ時の制御部50においてヒータ40に印加された電流値を貯蔵することによって、後続のパフ時の電流値を決定するのに基準となる情報を生成することができる。
【0040】
また、メモリ51は、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイス1の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに関するデータなどを貯蔵することができる。
【0041】
ここで、制御部50は、前パフ時のタッチセンサ60からの接触面積情報と、現在パフ時のタッチセンサ60からの接触面積情報とを比較して補償電流値を生成し、補償電流値を前パフ時の電流値に加減することができる。すなわち、制御部50は、メモリ51に貯蔵された前パフ時の制御部50においてヒータ40に印加された電流値にタッチセンサ60からの接触面積情報変化量を加減し、ヒータ40に電力を供給することで、ユーザのタッチ強度などによってエアロゾル発生量を調節することができる。
【0042】
上記のような構成によれば、一実施例に係る制御部50は、以下の式によってヒータ40に印加される電力値を調節することができる。
【0043】
(式1)
PnPuff=VBAT(I(n-1Puff)+IΔC)
【0044】
ここで、PnPuffは、現在パフ時の電力値であり、VBATは、バッテリから印加される電圧値であり、I(n-1Puff)は、前パフ時の電流値であり、IΔCは、補償電流値であり得る。制御部50は、メモリ51に前パフ時の電流値(I(n-1Puff))を貯蔵し、前パフ時のタッチセンサ60からの接触面積情報と、現在パフ時のタッチセンサ60からの接触面積情報とを比較して導出された補償電流値(IΔC)を前パフ時の電流値(I(n-1Puff))に加減してヒータ40に印加することができる。例えば、前パフ時よりも現在パフ時に接触面積が増加すると、増加した接触面積によって補償電流値(IΔC)が導出され、これを前パフ時の電流値(I(n-1Puff))に加えてヒータ40に印加することができる。この場合、ヒータ40に印加される電力値(PnPuff)が前パフに対して増加し、霧化量が増加することができる。すなわち、一実施例に係る制御部50は、補償電流値(IΔC)を加減して印加することによって、現在パフ時の電力値(PnPuff)が調節され、エアロゾル発生量を調節することができる。
【0045】
実施例によれば、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスは、制御部と連動されるタッチセンサを備えてユーザの嗜好に合わせて霧化量を調節することができる。
【0046】
また、静電容量タッチセンシングを用いたエアロゾル発生デバイスは、タッチセンサの接触面積変化によって霧化量を調節することができるので、操作が容易且つ簡便である利点がある。
【0047】
上述した実施例についての説明は例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これによって様々な変形及び均等な他の実施例が可能である点が理解されるであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められるべきであり、特許請求の範囲に記載された内容と同等な範囲の全ての相違点は、特許請求の範囲によって定められる保護範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0048】
前述の任意の実施例の特徴及び様態は、明らかな技術的衝突といった結果をもたらさない限り、他の任意の実施例の特徴及び様態と組み合わせることができる。