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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】信号処理方法及び関連する装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20240918BHJP
   G01S 17/42 20060101ALI20240918BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
G01S17/42
G01C3/06 120Q
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2022539443
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 CN2020134717
(87)【国際公開番号】W WO2021129388
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】201911403974.3
(32)【優先日】2019-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウー,シヤオコーァ
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-527830(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0071433(US,A1)
【文献】国際公開第2018/213200(WO,A1)
【文献】特開2019-144184(JP,A)
【文献】特開2019-032305(JP,A)
【文献】特開2018-044923(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108152830(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110609293(CN,A)
【文献】特開2019-211358(JP,A)
【文献】特開2016-176750(JP,A)
【文献】特開2015-108629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51,
G01S 17/00-17/95,
G01C 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理方法であって、
走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと第1のレーザ光を反射するステップと、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に対して前記少なくとも2つの検出ユニットについての総和を実行して、第1の収束した電気信号を取得することによって、前記第1の収束した電気信号を決定するステップであって、前記第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、ステップと、
前記少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、前記検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定するステップであって、前記少なくとも1つの特性信号は、前記少なくとも1つの目標距離に対応する、ステップと、
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定するステップであって、前記少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、前記少なくとも2つの検出ユニットに属する、ステップと、
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するステップと、を含
前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する前記ステップは、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定するステップであって、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在する、ステップと、
前記第1の検出ユニットグループからの1つの電気信号のうちで前記第1の時間期間の中に存在する電気サブ信号を取得して、前記第1の電気信号を取得するステップであって、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つである、ステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
信号処理方法であって、
走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと第1のレーザ光を反射するステップと、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に対して前記少なくとも2つの検出ユニットについての総和を実行して、第1の収束した電気信号を取得することによって、前記第1の収束した電気信号を決定するステップであって、前記第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、ステップと、
前記少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、前記検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定するステップであって、前記少なくとも1つの特性信号は、前記少なくとも1つの目標距離に対応する、ステップと、
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定するステップであって、前記少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、前記少なくとも2つの検出ユニットに属する、ステップと、
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するステップと、を含み、
前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する前記ステップは、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定するステップであって、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在する、ステップと、
前記第1の検出ユニットグループからの複数の電気信号のうちで前記第1の時間期間の中に存在する信号を取得して、複数の電気サブ信号を取得するステップであって、前記第1の電気信号は、前記複数の電気サブ信号を収束させることによって得られ、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つである、ステップと、を含む、
方法。
【請求項3】
各々の検出ユニットは、1つの光電変換微細構成要素又は光電変換微細構成要素のセットである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記特性信号は、前記第1の収束した電気信号のピーク信号、フロントエッジ信号、又は波形セントロイド信号を含み、前記時間情報は、前記特性信号の受信時点を示すのに使用される、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する前記ステップは、
前記第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の電気サブ信号を収束させることによって得られる前記第1の電気信号は、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する前記ステップは、
第1の対応関係セットに基づいて、前記第1の角度及び前記少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するステップを含む、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報は、反射強度又は前記検出領域の距離のうちの少なくとも1つを表すのに使用される、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
当該方法は、レーザレーダーに適用され、前記レーザレーダーは、前記走査型反射モジュール、受信レンズ、前記少なくとも2つの検出ユニットを含むアレイ検出器、及び散乱デバイスを含み、前記散乱デバイスは、前記受信レンズと前記アレイ検出器との間に配置され、前記受信レンズを通過する光信号を散乱するように構成される、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
信号処理装置であって、当該装置は、
走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと第1のレーザ光を反射するように構成される走査制御ユニットと、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に対して前記少なくとも2つの検出ユニットについての総和を実行して、第1の収束した電気信号を取得することによって、前記第1の収束した電気信号を決定するように構成される収束ユニットであって、前記第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、収束ユニットと、
前記少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、前記検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定するように構成される距離決定ユニットであって、前記少なくとも1つの特性信号は、前記少なくとも1つの目標距離に対応する、距離決定ユニットと、
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定するように構成されるユニットグループ決定ユニットであって、前記少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、前記少なくとも2つの検出ユニットに属する、ユニットグループ決定ユニットと、
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するように構成されるエコー決定ユニットと、を含
前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記エコー決定ユニットが、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの前記第1の検出ユニットグループからの前記少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる前記第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するときに、前記エコー決定ユニットは、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在し、
前記第1の検出ユニットグループからの1つの電気信号のうちで前記第1の時間期間の中に存在する電気サブ信号を取得して、前記第1の電気信号を取得する、ように構成され、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つである、
装置。
【請求項11】
信号処理装置であって、当該装置は、
走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと第1のレーザ光を反射するように構成される走査制御ユニットと、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に対して前記少なくとも2つの検出ユニットについての総和を実行して、第1の収束した電気信号を取得することによって、前記第1の収束した電気信号を決定するように構成される収束ユニットであって、前記第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、収束ユニットと、
前記少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、前記検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定するように構成される距離決定ユニットであって、前記少なくとも1つの特性信号は、前記少なくとも1つの目標距離に対応する、距離決定ユニットと、
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定するように構成されるユニットグループ決定ユニットであって、前記少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、前記少なくとも2つの検出ユニットに属する、ユニットグループ決定ユニットと、
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するように構成されるエコー決定ユニットと、を含み、
前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記エコー決定ユニットが、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの前記第1の検出ユニットグループからの前記少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる前記第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するときに、前記エコー決定ユニットは、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在し、
前記第1の検出ユニットグループからの複数の電気信号のうちで前記第1の時間期間の中に存在する信号を取得して、複数の電気サブ信号を取得する、ように構成され、前記第1の電気信号は、前記複数の電気サブ信号を収束させることによって得られ、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つである、
装置。
【請求項12】
各々の検出ユニットは、1つの光電変換微細構成要素又は光電変換微細構成要素のセットである、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記特性信号は、前記第1の収束した電気信号のピーク信号、フロントエッジ信号、又は波形セントロイド信号を含み、前記時間情報は、前記特性信号の受信時点を示すのに使用される、請求項10乃至12のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記エコー決定ユニットが、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するときに、前記エコー決定ユニットは、さらに、
前記第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定する、ように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記複数の電気サブ信号を収束させることによって得られる前記第1の電気信号は、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記ユニットグループ決定ユニットが、前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、前記少なくとも1つの検出ユニットグループを決定するときに、前記ユニットグループ決定ユニットは、
第1の対応関係セットに基づいて、前記第1の角度及び前記少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するように構成される、請求項10乃至15のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報は、反射強度又は前記検出領域の距離のうちの少なくとも1つを表すのに使用される、請求項10乃至16のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
当該装置は、受信レンズ、前記少なくとも2つの検出ユニットを含むアレイ検出器、及び散乱デバイスをさらに含み、前記散乱デバイスは、前記受信レンズと前記アレイ検出器との間に配置され、前記受信レンズを通過する光信号を散乱するように構成される、請求項10乃至17のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
レーザレーダーであって、当該レーザレーダーは、レーザ送信機、走査型反射モジュール、アレイ検出器、メモリ、及びプロセッサを含み、前記レーザ送信機は、第1のレーザ光を伝送するように構成され、前記アレイ検出器は、少なくとも2つの検出ユニットを含み、前記メモリは、コンピュータプログラムを格納し、前記プロセッサは、前記メモリの中に格納されている前記コンピュータプログラムを呼び出して、
前記走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと前記第1のレーザ光を反射する操作と、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に対して前記少なくとも2つの検出ユニットについての総和を実行して、第1の収束した電気信号を取得することによって、前記第1の収束した電気信号を決定する操作であって、前記第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、操作と、
前記少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、前記検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定する操作であって、前記少なくとも1つの特性信号は、前記少なくとも1つの目標距離に対応する、操作と、
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する操作であって、前記少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、前記少なくとも2つの検出ユニットに属する、操作と、
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する操作と、を実行
前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記プロセッサが、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するときに、前記プロセッサは、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在し、
前記第1の検出ユニットグループからの1つの電気信号のうちで前記第1の時間期間の中に存在する電気サブ信号を取得して、前記第1の電気信号を取得する、ように構成され、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つである、
レーザレーダー。
【請求項20】
レーザレーダーであって、当該レーザレーダーは、レーザ送信機、走査型反射モジュール、アレイ検出器、メモリ、及びプロセッサを含み、前記レーザ送信機は、第1のレーザ光を伝送するように構成され、前記アレイ検出器は、少なくとも2つの検出ユニットを含み、前記メモリは、コンピュータプログラムを格納し、前記プロセッサは、前記メモリの中に格納されている前記コンピュータプログラムを呼び出して、
前記走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと前記第1のレーザ光を反射する操作と、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に対して前記少なくとも2つの検出ユニットについての総和を実行して、第1の収束した電気信号を取得することによって、前記第1の収束した電気信号を決定する操作であって、前記第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、操作と、
前記少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、前記検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定する操作であって、前記少なくとも1つの特性信号は、前記少なくとも1つの目標距離に対応する、操作と、
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する操作であって、前記少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、前記少なくとも2つの検出ユニットに属する、操作と、
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する操作と、を実行し、
前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記プロセッサが、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの前記第1の検出ユニットグループからの前記少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる前記第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するときに、前記プロセッサは、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在し、
前記第1の検出ユニットグループからの複数の電気信号のうちで前記第1の時間期間の中に存在する信号を取得して、複数の電気サブ信号を取得する、ように構成され、前記第1の電気信号は、前記複数の電気サブ信号を収束させることによって得られ、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つである、
レーザレーダー。
【請求項21】
各々の検出ユニットは、1つの光電変換微細構成要素又は光電変換微細構成要素のセットである、請求項19又は20に記載のレーザレーダー。
【請求項22】
前記特性信号は、前記第1の収束した電気信号のピーク信号、フロントエッジ信号、又は波形セントロイド信号を含み、前記時間情報は、前記特性信号の受信時点を示すのに使用される、請求項19乃至21のうちのいずれか1項に記載のレーザレーダー。
【請求項23】
前記プロセッサが、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するときに、前記プロセッサは、さらに、
前記第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定する、ように構成される、請求項19に記載のレーザレーダー。
【請求項24】
前記複数の電気サブ信号を収束させることによって得られる前記第1の電気信号は、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される、請求項20に記載のレーザレーダー。
【請求項25】
前記プロセッサが、前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、前記少なくとも1つの検出ユニットグループを決定するときに、前記プロセッサは、
第1の対応関係セットに基づいて、前記第1の角度及び前記少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するように構成される、請求項19乃至24のうちのいずれか1項に記載のレーザレーダー。
【請求項26】
前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報は、反射強度又は前記検出領域の距離のうちの少なくとも1つを表すのに使用される、請求項19乃至25のうちのいずれか1項に記載のレーザレーダー。
【請求項27】
当該レーザレーダーは、受信レンズ及び散乱デバイスを含み、前記散乱デバイスは、前記受信レンズと前記アレイ検出器との間に配置され、前記受信レンズを通過する光信号を散乱するように構成される、請求項19乃至26のうちのいずれか1項に記載のレーザレーダー。
【請求項28】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納し、前記コンピュータプログラムが1つ又は複数のプロセッサによって実行されるときに、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の方法を実行する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項29】
チップシステムであって、当該チップシステムは、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、及びインターフェイス回路を含み、前記インターフェイス回路は、前記プロセッサに入出力を提供するように構成され、前記メモリは、コンピュータプログラムを格納し、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを呼び出して、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の方法を実装するように構成される、チップシステム。
【請求項30】
端末であって、当該端末は、請求項19乃至27のうちのいずれか1項に記載のレーザレーダーを含む、端末。
【請求項31】
請求項1乃至9のうちのいずれか1項の方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2019年12月28日付で中国国家知的所有権管理局に出願された"信号処理方法及び関連する装置"と題する中国特許出願番号第201911403974.3号に基づく優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
この出願は、信号処理技術の分野に関し、特に、信号処理方法及び関連する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザレーダーは、レーザ技術及び光電変換技術を組み合わせることによって実装される測距装置である。レーザレーダーの基本的な動作原理は、レーザレーダーの送信端が、検出領域にレーザ光を伝送し、そして、レーザレーダーの受信端が、その検出領域から返送される光信号を受信し、その光信号のラウンドトリップ時間を測定することによって、その検出領域の中の情報を決定する、ということである。レーダーイメージング技術は、走査によって又は多素子検出アレイの形態で2次元空間へとレーザレーダーの視野を拡大することによって、検出シーンの画像を取得する技術である。走査型レーザレーダーは、高情報解像度、小容積、及び軽量等の利点のために、自動運転、無人航空機、資源探査、又は、他の分野に広く応用されている。走査型レーザレーダーの場合には、一般的に、伝送経路及び受信経路が同軸ではない伝送技術を使用する。具体的にいうと、送信端に角度可変の走査型反射モジュールを追加して視野を拡大し、受信端においてアレイ検出器を使用して、その視野から返送される光信号を受信し、その光信号を電気信号へと変換する。しかしながら、受信端は、送信端の走査角度に対応する視野の全体をカバーする必要があるため、受信視野は大きく、且つ、得られるエコー情報は、(例えば、太陽光、他のレーザ光、又は、電流白色雑音等の)無関係な信号の影響をかなり受けやすい。このことは、生成されるエコー情報の精度に影響を与える。
【0004】
したがって、レーダーエコー情報の中の無関係な信号の干渉をどのようにして減少させ、受信した信号の信号対雑音比をどのようにして高めるかは、当業者によって研究されている技術的問題である。
【発明の概要】
【0005】
この出願の複数の実施形態は、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の信号対雑音比を高めるための信号処理方法及び関連する装置を開示する。
【0006】
第1の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、信号処理方法であって、
走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと第1のレーザ光を反射するステップと、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に基づいて、第1の収束した電気信号を決定するステップであって、前記第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、ステップと、
前記少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、前記検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定するステップであって、前記少なくとも1つの特性信号は、前記少なくとも1つの目標距離に対応する、ステップと、
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定するステップであって、前記少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、前記少なくとも2つの検出ユニットに属する、ステップと、
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するステップと、を含む、信号処理方法を開示する。
【0007】
この出願のこの実施形態において、検出ユニットが出力する信号の収束によって得られる信号に基づいて、予備的な目標距離を推定し、走査角度に基づいて、現在の検出に関連する検出ユニットを決定して、現在の検出に関連する検出ユニットが出力する信号を選択し、それにより、検出領域の中のエコー情報を決定する。このように、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の有効性を改善し、そして、受信した信号の信号対雑音比を増加させる。
【0008】
第1の態様のある1つの可能な実装において、各々の検出ユニットは、1つの光電変換微細構成要素又は光電変換微細構成要素のセットである。
【0009】
ある1つの光電変換微細構成要素の信号の値は飽和しやすいため、1つの光電変換微細構成要素からの電気信号を使用することによって、その検出領域の中の反射強度情報を正確に表現することは不可能である。この出願のこの実施形態において、第1の検出ユニットが、複数の光電変換微細構成要素を含むときに、検出ユニットの中の変換微細構成要素が出力する信号を収束させてもよく、そして、収束した信号を出力して、最終的に出力される電気信号の過飽和を回避する。したがって、検出領域の中で電気信号に基づいて以降に決定されるエコー情報は、より正確となり、その検出領域の中の反射強度情報を決定することが容易になる。
【0010】
第1の態様の他の可能な実装において、前記特性信号は、前記第1の収束した電気信号のピーク信号、フロントエッジ信号、又は波形セントロイド信号を含み、前記時間情報は、前記特性信号の受信時点を示すのに使用される。
【0011】
第1の収束した電気信号の中の特性信号は、比較的強い光信号が現れるということを反映することが可能であるということを知ることが可能である。レーザレーダーの検出プロセスにおいて、比較的強い光信号は、通常は、レーザレーダーによって伝送される。したがって、特性信号が現れるときは、レーザレーダー信号を受信している可能性が高い。したがって、特性信号に基づいて、レーザレーダー検出の場合のエコー情報をより正確に取得することが可能である。
【0012】
第1の態様の他の可能な実装において、前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中のエコー情報を決定する前記ステップは、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定するステップであって、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在する、ステップと、
前記第1の検出ユニットグループからの1つの電気信号の電気サブ信号を取得して、前記第1の電気信号を取得するステップであって、前記電気サブ信号は、前記第1の時間期間の中に存在し、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つである、ステップと、
前記第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するステップと、を含む。
【0013】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映することができる可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在するサブ信号に基づいて得られる第1の電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。加えて、基本的な処理単位として、電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0014】
第1の態様の他の可能な実装において、前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中のエコー情報を決定する前記ステップは、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定するステップであって、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在する、ステップと、
前記第1の検出ユニットグループからの複数の電気信号のうちで前記第1の時間期間の中に存在する信号を取得して、複数の電気サブ信号を取得するステップであって、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つであり、前記複数の電気サブ信号を収束させることによって得られる前記第1の電気信号は、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される、ステップと、を含む。
【0015】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映する可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在する電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、複数の検出ユニットグループからの電気信号の複数の電気サブ信号(又は、ローカル信号と称されてもよい)を取得し、それらの複数の電気サブ信号を収束させて、第1の電気信号を取得し、それによって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。総和方法又は相互相関方法を使用することにより複数の電気サブ信号を収束させることによって、第1の電気信号を取得することが可能である。加えて、基本的な処理単位として電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0016】
第1の態様の他の可能な実装において、前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する前記ステップは、
第1の対応関係セットに基づいて、前記第1の角度及び前記少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するステップであって、前記少なくとも1つの目標距離、前記第1の角度、及び前記検出ユニットとの間にあらかじめ定義されている対応関係が存在する、ステップを含む。
【0017】
あらかじめ格納されている対応関係は、角度及び目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するのに使用されてもよく、それにより、リアルタイムの計算負荷を軽減するとともに、データ処理効率を改善するということを知ることが可能である。
【0018】
第1の態様の他の可能な実装において、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報は、反射強度又は前記検出領域の距離のうちの少なくとも1つを表すのに使用される。
【0019】
第1の態様の他の可能な実装において、当該方法は、レーザレーダーに適用され、前記レーザレーダーは、前記走査型反射モジュール、受信レンズ、前記少なくとも2つの検出ユニットを含むアレイ検出器、及び散乱デバイスを含み、前記散乱デバイスは、前記受信レンズと前記アレイ検出器との間に配置され、前記受信レンズを通過する光信号を散乱するように構成される。
【0020】
散乱デバイスを使用することによって、受信した光信号を散乱させ、それによって、本来であればある1つの光電変換微細構成要素に集中しているであろう信号を周囲の光電変換微細構成要素に分散させることが可能であるということを知ることが可能である。このように、アレイ検出器の中のある微細構成要素からの信号の過飽和を回避することが可能である。このことは、エコー信号の強度情報をより正確に決定するのに役立つ。
【0021】
第2の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、信号処理装置であって、
走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと第1のレーザ光を反射するように構成される走査制御ユニットと、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に基づいて、第1の収束した電気信号を決定するように構成される収束ユニットであって、前記第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、収束ユニットと、
前記少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、前記検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定するように構成される距離決定ユニットであって、前記少なくとも1つの特性信号は、前記少なくとも1つの目標距離に対応する、距離決定ユニットと、
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定するように構成されるユニットグループ決定ユニットであって、前記少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、前記少なくとも2つの検出ユニットに属する、ユニットグループ決定ユニットと、
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するように構成されるエコー決定ユニットと、を含む、信号処理装置を開示する。
【0022】
この出願のこの実施形態において、信号処理装置は、検出ユニットが出力する信号の収束によって得られる信号に基づいて、予備的な目標距離を推定し、そして、走査角度に基づいて、現在の検出に関連する検出ユニットを決定して、現在の検出に関連する検出ユニットが出力する信号を選択し、それにより、検出領域の中のエコー情報を決定する。このように、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の有効性を改善し、そして、受信した信号の信号対雑音比を増加させる。
【0023】
第2の態様のある1つの可能な実装において、各々の検出ユニットは、1つの光電変換微細構成要素又は光電変換微細構成要素のセットである。
【0024】
ある1つの光電変換微細構成要素の信号の値は飽和しやすいため、1つの光電変換微細構成要素からの電気信号を使用することによって、その検出領域の中の反射強度情報を正確に表現することは不可能である。この出願のこの実施形態において、第1の検出ユニットが、複数の光電変換微細構成要素を含むときに、その検出ユニットの中の変換微細構成要素が出力する信号を収束させてもよく、そして、収束した信号を出力して、最終的に出力される電気信号の過飽和を回避する。したがって、検出領域の中で電気信号に基づいて以降に決定されるエコー情報は、より正確となり、その検出領域の中の反射強度情報を決定することが容易になる。
【0025】
第2の態様の他の可能な実装において、前記特性信号は、前記第1の収束した電気信号のピーク信号、フロントエッジ信号、又は波形セントロイド信号を含み、前記時間情報は、前記特性信号の受信時点を示すのに使用される。
【0026】
第1の収束した電気信号の中の特性信号は、比較的強い光信号が現れるということを反映することが可能であるということを知ることが可能である。レーザレーダーの検出プロセスにおいて、比較的強い光信号は、通常は、レーザレーダーによって伝送される。したがって、特性信号が現れるときは、レーザレーダー信号を受信している可能性が高い。したがって、特性信号に基づいて、レーザレーダー検出の場合のエコー情報をより正確に取得することが可能である。
【0027】
第2の態様の他の可能な実装において、前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中のエコー情報を決定する前記態様において、前記エコー決定ユニットは、特に、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在し、
前記第1の検出ユニットグループからの1つの電気信号の電気サブ信号を取得して、前記第1の電気信号を取得し、前記電気サブ信号は、前記第1の時間期間の中に存在し、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つであり、
前記第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定する、ように構成される。
【0028】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映することができる可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在するサブ信号に基づいて得られる第1の電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。加えて、基本的な処理単位として、電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0029】
第2の態様の他の可能な実装において、前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中のエコー情報を決定する前記態様において、前記エコー決定ユニットは、特に、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在し、
前記第1の検出ユニットグループからの複数の電気信号のうちで前記第1の時間期間の中に存在する信号を取得して、複数の電気サブ信号を取得する、ように構成され、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つであり、前記複数の電気サブ信号を収束させることによって得られる前記第1の電気信号は、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される。
【0030】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映する可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在する電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、複数の検出ユニットグループからの電気信号の複数の電気サブ信号(又は、ローカル信号と称されてもよい)を取得し、それらの複数の電気サブ信号を収束させて、第1の電気信号を取得し、それによって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。総和方法又は相互相関方法を使用することにより複数の電気サブ信号を収束させることによって、第1の電気信号を取得することが可能である。加えて、基本的な処理単位として電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0031】
第2の態様の他の可能な実装において、前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、前記少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する前記態様において、前記ユニットグループ決定ユニットは、特に、
第1の対応関係セットに基づいて、前記第1の角度及び前記少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するように構成され、前記少なくとも1つの目標距離、前記第1の角度、及び前記検出ユニットとの間にあらかじめ定義されている対応関係が存在する。
【0032】
あらかじめ格納されている対応関係は、角度及び目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するのに使用されてもよく、それにより、リアルタイムの計算負荷を軽減するとともに、データ処理効率を改善するということを知ることが可能である。
【0033】
第2の態様の他の可能な実装において、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報は、反射強度又は前記検出領域の距離のうちの少なくとも1つを表すのに使用される。
【0034】
第2の態様の他の可能な実装において、当該装置は、受信レンズ、前記少なくとも2つの検出ユニットを含むアレイ検出器、及び散乱デバイスをさらに含み、前記散乱デバイスは、前記受信レンズと前記アレイ検出器との間に配置され、前記受信レンズを通過する光信号を散乱するように構成される。
【0035】
散乱デバイスを使用することによって、受信した光信号を散乱させ、それによって、本来であればある1つの光電変換微細構成要素に集中しているであろう信号を周囲の光電変換微細構成要素に分散させることが可能であるということを知ることが可能である。このように、アレイ検出器の中のある微細構成要素からの信号の過飽和を回避することが可能である。このことは、エコー信号の強度情報をより正確に決定するのに役立つ。
【0036】
第3の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、レーザレーダーを開示する。当該レーザレーダーは、レーザ送信機、走査型反射モジュール、アレイ検出器、メモリ、及びプロセッサを含み、前記レーザ送信機は、第1のレーザ光を伝送するように構成され、前記アレイ検出器は、少なくとも2つの検出ユニットを含み、前記メモリは、コンピュータプログラムを格納し、前記プロセッサは、前記メモリの中に格納されている前記コンピュータプログラムを呼び出して、
走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと前記第1のレーザ光を反射する操作と、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に基づいて、第1の収束した電気信号を決定する操作であって、前記第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、操作と、
前記少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、前記検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定する操作であって、前記少なくとも1つの特性信号は、前記少なくとも1つの目標距離に対応する、操作と、
前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する操作であって、前記少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、前記少なくとも2つの検出ユニットに属する、操作と、
前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する操作と、を実行する。
【0037】
この出願のこの実施形態において、レーザレーダーは、検出ユニットが出力する信号の収束によって得られる信号に基づいて、予備的な目標距離を推定し、そして、走査角度に基づいて、現在の検出に関連する検出ユニットを決定して、現在の検出に関連する検出ユニットが出力する信号を選択し、それにより、検出領域の中のエコー情報を決定する。このように、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の有効性を改善し、そして、受信した信号の信号対雑音比を増加させる。
【0038】
第3の態様のある1つの可能な実装において、各々の検出ユニットは、1つの光電変換微細構成要素又は光電変換微細構成要素のセットである。
【0039】
ある1つの光電変換微細構成要素の信号の値は飽和しやすいため、1つの光電変換微細構成要素からの電気信号を使用することによって、その検出領域の中の反射強度情報を正確に表現することは不可能である。この出願のこの実施形態において、第1の検出ユニットが、複数の光電変換微細構成要素を含むときに、その検出ユニットの中の変換微細構成要素が出力する信号を収束させてもよく、そして、収束した信号を出力して、最終的に出力される電気信号の過飽和を回避する。したがって、検出領域の中で電気信号に基づいて以降に決定されるエコー情報は、より正確となり、その検出領域の中の反射強度情報を決定することが容易になる。
【0040】
第3の態様の他の可能な実装において、前記特性信号は、前記第1の収束した電気信号のピーク信号、フロントエッジ信号、又は波形セントロイド信号を含み、前記時間情報は、前記特性信号の受信時点を示すのに使用される。
【0041】
第1の収束した電気信号の中の特性信号は、比較的強い光信号が現れるということを反映することが可能であるということを知ることが可能である。レーザレーダーの検出プロセスにおいて、比較的強い光信号は、通常は、レーザレーダーによって伝送される。したがって、特性信号が現れるときは、レーザレーダー信号を受信している可能性が高い。したがって、特性信号に基づいて、レーザレーダー検出の場合のエコー情報をより正確に取得することが可能である。
【0042】
第3の態様の他の可能な実装において、前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中のエコー情報を決定する前記態様において、前記プロセッサは、特に、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在し、
前記第1の検出ユニットグループからの1つの電気信号の電気サブ信号を取得して、前記第1の電気信号を取得し、前記電気サブ信号は、前記第1の時間期間の中に存在し、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つであり、
前記第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定する、ように構成される。
【0043】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映することができる可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在するサブ信号に基づいて得られる第1の電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。加えて、基本的な処理単位として、電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0044】
第3の態様の他の可能な実装において、前記少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、前記第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、前記第1の目標距離は、前記第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、前記検出領域の中のエコー情報を決定する前記態様において、前記プロセッサは、特に、
前記第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、前記第1の特性信号の受信時点は、前記第1の時間期間の中に存在し、
前記第1の検出ユニットグループからの複数の電気信号のうちで前記第1の時間期間の中に存在する信号を取得して、複数の電気サブ信号を取得する、ように構成され、前記第1の検出ユニットグループは、前記少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つであり、前記複数の電気サブ信号を収束させることによって得られる前記第1の電気信号は、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される。
【0045】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映する可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在する電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、複数の検出ユニットグループからの電気信号の複数の電気サブ信号(又は、ローカル信号と称されてもよい)を取得し、それらの複数の電気サブ信号を収束させて、第1の電気信号を取得し、それによって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。総和方法又は相互相関方法を使用することにより複数の電気サブ信号を収束させることによって、第1の電気信号を取得することが可能である。加えて、基本的な処理単位として電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0046】
第3の態様の他の可能な実装において、前記少なくとも1つの目標距離及び前記第1の角度に基づいて、前記少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する前記態様において、前記プロセッサは、特に、
第1の対応関係セットに基づいて、前記第1の角度及び前記少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するように構成され、前記少なくとも1つの目標距離、前記第1の角度、及び前記検出ユニットとの間にあらかじめ定義されている対応関係が存在する。
【0047】
あらかじめ格納されている対応関係は、角度及び目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するのに使用されてもよく、それにより、リアルタイムの計算負荷を軽減するとともに、データ処理効率を改善するということを知ることが可能である。
【0048】
第3の態様の他の可能な実装において、前記検出領域の中の前記少なくとも1つのエコー情報は、反射強度又は前記検出領域の距離のうちの少なくとも1つを表すのに使用される。
【0049】
第3の態様の他の可能な実装において、当該レーザレーダーは、散乱デバイスをさらに含み、前記散乱デバイスは、受信レンズと前記アレイ検出器との間に配置され、前記受信レンズを通過する光信号を散乱するように構成される。
【0050】
検出器の中のある1つの光電変換微細構成要素が出力する信号の値の飽和を回避するために、散乱デバイスを使用することによって、受信した光信号を散乱させ、それによって、本来であればある1つの光電変換微細構成要素に集中しているであろう信号を周囲の光電変換微細構成要素に分散させることが可能であるということを知ることが可能である。このように、アレイ検出器の中のある微細構成要素からの信号の過飽和を回避することが可能である。このことは、エコー信号の強度情報をより正確に決定するのに役立つ。
【0051】
第3の態様の他の可能な実装において、当該レーザレーダーは、データ収集モジュールをさらに含み、前記データ収集モジュールは、前記アレイ検出器が出力する信号を収集するように構成され、さらに、前記アレイ検出器が出力する前記信号を前処理するように構成される。
【0052】
第4の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、信号処理デバイスを開示する。当該信号処理デバイスは、メモリ及びプロセッサを含み、前記メモリは、コンピュータプログラムを格納する。前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されるときに、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行する。
【0053】
第5の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を開示する。当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納する。前記コンピュータプログラムが1つ又は複数のプロセッサによって実行されるときに、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実行する。
【0054】
第6の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、センサシステムを開示する。そのセンサシステムは、少なくとも1つのセンサーを含んでもよい。そのセンサは、第2の態様における信号処理装置、第3の態様におけるレーザレーダー、又は第4の態様における信号処理デバイスを含む。そのセンサシステムは、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実装するように構成される。
【0055】
第7の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、車両を開示する。当該車両は、第6の態様におけるセンサシステムを含む。
【0056】
第8の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、チップシステムを開示する。当該チップシステムは、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、及びインターフェイス回路を含む。インターフェイス回路は、プロセッサに(例えば、レーザ送信機、走査型反射モジュール、又はアレイ検出器等の)外部デバイスを接続するように構成され、メモリは、コンピュータプログラムを格納する。そのプロセッサによって実行されるときに、そのコンピュータプログラムは、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがった方法を実装するのに使用される。さらに、回線を使用することによって、互いに、メモリ、インターフェイス回路、及び少なくとも1つのプロセッサを接続してもよい。
【0057】
第9の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、端末を開示する。その端末は、第3の態様又は第3の態様の複数の可能な実装のうちのいずれか1つにしたがったレーザレーダーを含む。さらに、端末は、例えば、車両、無人航空機、列車、又はロボット等のターゲット検出を実行する必要があるモバイル端末又は輸送ツールであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
以下の記載は、この出願の複数の実施形態において使用される複数の添付の図面を説明する。
【0059】
図1】この出願のある1つの実施形態にしたがったレーザレーダーの構成の概略的な図である。
図2】この出願のある1つの実施形態にしたがった信号処理方法のフローチャートである。
図3】この出願のある1つの実施形態にしたがったアレイ検出器の構成の概略的な図である。
図4(a)】この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの電気信号の概略的な図である。
図4(b)】この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの電気信号の概略的な図である。
図4(c)】この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの電気信号の概略的な図である。
図4(d)】この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの電気信号の概略的な図である。
図5】この出願のある1つの実施形態にしたがった信号収束方法の概略的な図である。
図6】この出願のある1つの実施形態にしたがったある1つの可能な検出ユニットグループの概略的な図である。
図7】この出願のある1つの実施形態にしたがって検出ユニットグループを決定する方法の概略的な図である。
図8】この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの電気信号の概略的な図である。
図9】この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの他の電気信号の概略的な図である。
図10】この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの他の電気信号の概略的な図である。
図11】この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの他の電気信号の概略的な図である。
図12】この出願のある1つの実施形態にしたがったレーダーイメージングシナリオの概略的な図である。
図13】この出願のある1つの実施形態にしたがった信号処理装置の構成の概略的な図である。
図14】この出願のある1つの実施形態にしたがった信号処理デバイスの構成の概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下の記載は、この出願の複数の実施形態における複数の添付の図面を参照して、この出願のそれらの複数の実施形態を説明する。
【0061】
図1は、この出願のある1つの実施形態にしたがったレーザレーダー10の構成の概略的な図である。そのレーザレーダーは、レーザ送信機101、走査型反射モジュール102、受信レンズ103、アレイ検出器104、データ処理モジュール105、プロセッサ106、及びメモリ107を含む。
【0062】
レーザ送信機101は、レーザ光を伝送する装置であり、あらかじめ設定されている時間間隔でレーザパルスを伝送することを可能とする。
【0063】
走査型反射モジュール102は、前後に揺らすことが可能である(又は、回転させることが可能である)反射ミラーであり、1次元空間又は2次元空間の中で往復運動を実行して、複数の異なる角度でレーザ光を反射させ、それによって、伝送のために、対応する走査視野の中でレーザ光を照射する。したがって、走査型反射モジュール102は、また、走査ミラー又は反射ミラーと称されてもよい。一般的な走査型反射モジュール102は、機械的なミラー及び微細電気機械システム(micro-electro-mechanical system, MEMS)微細振動ミラー等を含む。MEMS微細振動ミラーは、ミラーサイズが数mmであり、体積、電力消費、及び集積性能において大きな利点がある。加えて、MEMS微細振動ミラーは、前後動揺周波数が比較的高く、フレーム速度も比較的高い。
【0064】
受信レンズ103は、光信号を受信するように構成される構成要素であり、1つ又は複数の凹面レンズ、凸面レンズ、凹凸面レンズ、メニスカスレンズ、又は他の形状の光学レンズであってもよい。複数の可能な実装のうちのいくつかにおいて、受信レンズは、例えば、光フィルタ等の光信号を受信するのに役立つ構成要素をさらに含んでもよい。
【0065】
アレイ検出器104は、行方向及び列方向に配列されている検出ユニットアレイであり、(アレイ検出器104の中の各々の正方形は、1つの検出ユニットとなっている)少なくとも2つの検出ユニットを含む。アレイ検出器104は、受信レンズ103が収束させる光信号を受信し、そして、電気信号へとその光信号を変換してもよい。アレイ検出器104は、少なくとも2つの検出ユニットを含む。アレイ検出器は、検出ユニットの中の複数の異なる光電変換微細構成要素に基づいて、半導体電子なだれ光ダイオード(avalanche photodiode, APD)アレイ及び単一光子電子なだれダイオード(single-photon avalanche diode, SPAD)アレイ等に分類されてもよい。アレイ検出器は、検出ユニットの配列規則に基づいて、1×2アレイ、2×2アレイ、3×3アレイ、及び他の仕様を有するアレイに分類されてもよい。アレイ検出器は、受信レンズ103の焦点が位置する面の前、その焦点が位置する面の上、又はその焦点が位置する面の後に配置されてもよい。
【0066】
データ収集モジュール105は、アレイ検出器104の中の検出ユニットが出力する信号を収集するように構成され、さらに、アレイ検出器104からの電気信号に対して信号増幅、整形、又はアナログディジタル変換等の前処理を実行するように構成される。
【0067】
プロセッサ106は、レーザ光を伝送するようにレーザ送信機101を制御し、あらかじめ設定されている角度でレーザ光を反射するように走査型反射モジュール102を制御し、そして、少なくとも2つの検出ユニットが出力する電気信号を処理するように構成される。プロセッサ106は、算術演算及び論理演算を実行するモジュールであり、レーザレーダーの計算コア及び制御コアであり、レーザレーダーの中でさまざまな命令を解析し、さまざまなデータを処理することが可能である。具体的には、プロセッサ106は、1つ又は複数の中央処理ユニット(central processing unit, CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit, GPU)、マイクロプロセッサユニット(microprocessor unit, MPU)、又は他のモジュールであってもよい。選択的に、データ処理モジュール105が完了する電気信号収集機能は、プロセッサ106が完了してもよい。
【0068】
メモリ107は、記憶空間を提供して、オペレーティングシステム及びコンピュータプログラム等のデータを格納するように構成される。メモリ107は、これらには限定されないが、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、消去可能な且つプログラム可能な読み取り専用メモリ(erasable programmable read only memory, EPROM)、又はコンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory, CD-ROM)を含む。
【0069】
選択的に、レーザレーダーは、視準装置108をさらに含む。視準装置108は、レーザ送信機101と走査型反射モジュール102との間に配置され、それによって、走査型反射モジュール102に対して、レーザ送信機101から伝送されるレーザビームを集約的に入射させることが可能である。このことは、伝送効率を改善し、レーザレーダーの角度解像度を増加させる。
【0070】
選択的に、レーザレーダーは、散乱デバイス109をさらに含んでもよい。散乱デバイス109は、受信レンズ103とアレイ検出器104との間に配置され、受信レンズを通過する光信号を散乱させて、検出ユニットの中の微細構成要素からの光信号の過飽和を回避する。このことは、エコー信号の強度情報を正確に推定するのに役立つ。選択的に、散乱デバイスは、散乱器全体であってもよく、アレイ検出器の前に配置され、複数の検出ユニットのすべてをカバーするか、又は、散乱デバイスは、複数の散乱器であってもよく、複数の散乱器のうちの1つは、1つ又は複数の検出領域の前に配置され、光信号を散乱するように構成される。
【0071】
レーザレーダーのある1つの検出プロセスにおいて、プロセッサ101は、第1のレーザ光を伝送するようにレーザ送信機102を制御し、検出領域へと第1のレーザ光を反射するように走査型反射モジュールを制御する。光信号は、検出領域から反射され、アレイ検出器105に照射される。それに対応して、アレイ検出器105は、受信した光信号を電気信号へと変換する。データ処理モジュール107は、アレイ検出器105の中の検出ユニットが出力する電気信号を収集するように構成される。プロセッサ101は、レーザ光を伝送するようにレーザ送信機102を制御し、あらかじめ設定されている角度でレーザ光を反射するように走査型反射モジュールを制御し、そして、少なくとも2つの検出ユニットが出力する電気信号を処理して、検出領域からエコー情報を取得するように構成される。
【0072】
図2は、この出願のある1つの実施形態にしたがった信号処理方法の概略的なフローチャートである。その方法は、上記のレーザレーダーに基づいて実装されてもよく、その方法は、これらには限定されないが、以下のステップを含む。
【0073】
ステップS201: レーザレーダーは、走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと第1のレーザ光を反射する。
【0074】
具体的には、第1のレーザ光は、レーザ送信機によって伝送されるレーザビームであってもよい。例えば、レーザ送信機は、あらかじめ設定されている時間間隔でレーザパルスを伝送し、第1のレーザ光は、複数のレーザパルスの中のレーザパルス信号である。
【0075】
レーザレーダーの中の走査型反射モジュールは、複数の角度でレーザ光を反射することが可能である。本明細書における第1の角度は、複数の角度のうちの1つである。選択的に、第1の角度は、1つ又は複数の特徴を使用することによって表されてもよい。例えば、第1の角度は、[方位角,仰角]の形態によって表されてもよい。方位角は、水平方向の角度を表してもよく、仰角は、垂直方向の角度を表してもよい。
【0076】
ステップS202: レーザレーダーは、少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に基づいて、第1の収束した電気信号を決定する。
【0077】
具体的には、検出ユニットは、1つの光電変換微細構成要素であってもよく、又は、光電変換微細構成要素のセットであってもよい。光電変換微細構成要素は、光信号を電気信号へと変換することが可能であるデバイスである。例えば、光電変換微細構成要素は、光電子増倍管(photomultiplier tube, PMT)、シリコン光電子増倍管(silicon photomultiplier, SiPM)、半導体電子なだれ光ダイオード(avalanche photo detector, APD)、単一光子電子なだれダイオード(single-photon avalanche diode, SPAD)、又は他の光電デバイスのうちの1つであってもよい。選択的に、複数の変換微細構成要素のセットの中の複数の光電デバイスは、複数の異なる光電変換デバイスであってもよい。
【0078】
検出ユニットが、複数の光電変換微細構成要素を含むときに、検出ユニットの中の光電変換微細構成要素が出力する複数の信号を収束させてもよく、最終的に1つの電気信号を出力する。例えば、図3は、この出願のある1つの実施形態にしたがったアレイ検出器の構成の概略的な図である。アレイ検出器104の中に(各々の正方形は、1つの下位区分領域となっている)複数の下位区分領域が存在し、各々の下位区分領域は、1つの検出ユニットを表す。図3に示されているアレイ検出器104において、1つの検出ユニットは、4つの光電変換微細構成要素のセットである、言い換えると、4つの光電変換微細構成要素は、1つの検出ユニットの中に配置されている。ある1つの例として、それらの複数の検出ユニットのうちの1つを使用する。その検出ユニットは、第1の光電変換微細構成要素301、第2の光電変換微細構成要素302、第3の光電変換微細構成要素303、及び第4の光電変換微細構成要素304を含む。第1の光電変換微細構成要素302、第2の光電変換微細構成要素303、第3の光電変換微細構成要素304、及び第4の光電変換微細構成要素305からの電気信号を収束させてもよく、収束した信号を出力する。電気信号の収束の後に出力される合計の信号は、検出ユニットが出力する電気信号となる。
【0079】
検出ユニットは、光信号に基づいて、対応する電気信号を取得してもよい。選択された光電検出ユニットの検出帯域範囲の中の他の光信号が、検出ユニットに照射されるときに、その他の光信号は、また、電気信号へと変換されるということを理解することが可能である。例えば、太陽光が検出ユニットに照射されるときに、検出ユニットは、また、その太陽光を電気信号へと変換する。他の例では、(例えば、他のレーダーデバイス等の)他のデバイスが伝送する光信号が、検出ユニットに反射され、その光信号は、また、電気信号へと変換される。これらの無関係な信号は、検出領域から返送される光信号に影響を与える。加えて、検出ユニットが出力する電気信号は、他の回線における電流によって影響を受ける場合がある。検出領域から返送される信号と無関係なこれらの信号は、雑音を形成し、出力信号に対する干渉を引き起こす。結果として、レーダーが受信するエコー信号の信号対雑音比が減少し、レーダーが受信する信号の有効性に影響を与える。
【0080】
図4(a)、図4(b)、図4(c)、及び図4(d)は、この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの電気信号の概略的な図である。レーザ送信機101は、あらかじめ設定されている時間間隔でレーザ光を伝送する。対応する検出領域に対して、伝送されるレーザパルスビームを照射する。2つの対象物、すなわち、対象物401及び対象物402は、現在のレーザパルスに対応する検出領域の中に含まれている。図4(a)を参照するべきである。例えば、あらかじめ設定されている時間間隔は、10マイクロ秒(μs)である。レーザ送信機101は、t0(0[μs])において第1のレーザ光を伝送する。第1のレーザ光は、対象物401及び対象物402に照射される。図4(b)を参照するべきである。アレイ検出器の中の検出ユニット403は、概ね時点t1(5[μs])において、対象物401が返送する光信号を受信し、その返送される光信号に基づいて、電気信号を取得する。その電気信号については、領域404に示されている波形情報を参照するべきである。図4(c)を参照するべきである。検出ユニット403は、概ね時点t2(8[μs])において、対象物402が返送する光信号を受信し、その返送される光信号に基づいて、電気信号を取得する。その電気信号については、領域405に示されている波形情報を参照するべきである。図4(d)を参照するべきである。対象物401に対しては太陽光が照射されるので、その対象物401は、アレイ検出器104に太陽光を反射する。検出ユニット403は、対象物401が反射する太陽光を受信し、その太陽光に基づいて、電気信号を取得する。その電気信号については、領域406に示されている波形情報を参照するべきである。10[μs]において、現在のレーザパルスの検出は終了し、レーザ送信機は、次のパルスを送信して、新たな検出期間を開始する。
【0081】
この出願のこの実施形態において、第1の収束した電気信号を決定する方式は、具体的には、少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に対して総和を実行して、第1の収束した電気信号を取得することであってもよい。図5は、この出願のある1つの実施形態にしたがったある1つの可能な信号収束方法の概略的な図である。アレイ検出器104は、少なくとも2つの検出ユニットを含み、それらの少なくとも2つの検出ユニットは、具体的には、検出ユニットCH1、検出ユニットCH2、検出ユニットCH3、及び検出ユニットCH4となる。レーザレーダーは、CH1、CH2、CH3、及びCH4が出力する電気信号の点ごとの総和を実行し、収束した電気信号を取得する。例えば、総和は、CH1、CH2、CH3、及びCH4が出力する電気信号のうちで時点t1おける信号に対して実行されて、収束した電気信号の中で時点t1における信号を取得する。他の例として、総和は、CH1、CH2、CH3、及びCH4が出力する電気信号のうちで時点t5における信号に対して実行されて、収束した電気信号の中で時点t5における信号を取得する。
【0082】
第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含み、その特性信号は、例えば、ピーク信号、フロントエッジ信号(又は、立ち上がりエッジ信号と称される)、或いは、波形セントロイド信号等の特別な波形特性を示す信号であってもよい。選択的に、特性信号は、信号検出によって決定されてもよい。信号検出の際には、検出しきい値をあらかじめ設定してもよく、特性信号として、信号の値がそのあらかじめ設定されているしきい値以上である信号のみを検出してもよい。ピーク信号は、ある時間期間の中で最大の信号の値に対応する信号であり、フロントエッジ信号は、信号の値がある時間期間の中で連続的に増加する信号セグメントであり、波形セントロイド信号は、波形情報のうちでセントロイド位置に対応する信号である。例えば、図5に示されているように、領域501の中の信号は、特性信号である。その特性信号は、比較的強い光信号が収束した電気信号の中に現れるということを反映することが可能である。レーザレーダー検出プロセスにおいて、比較的強い光信号は、通常は、レーザレーダーによって伝送される。したがって、特性信号が現れるときは、レーザレーダー信号を受信している可能性が高い。したがって、特性信号に基づいて、レーザレーダー検出におけるエコー情報をより正確に取得することが可能である。
【0083】
選択的に、第1の収束した電気信号を決定する前に、データ収集モジュールは、アレイ検出器の中の検出ユニットが出力する電気信号を収集するのに使用されてもよい。データ収集モジュールは、さらに、例えば、検出ユニットからの信号に対して増幅、整形、又はアナログディジタル変換を実行するといったように、検出ユニットからの電気信号に対して前処理を実行して、検出ユニットが出力する電気信号の以降の収束を容易にするように構成されてもよい。
【0084】
ステップS203: レーザレーダーは、少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定する。
【0085】
具体的には、特性信号は、受信した時間情報に対応する。例えば、特性信号は、ピーク信号であり、ピーク信号の時間情報は、ピーク値が現れる時点である。他の例では、特性信号は、フロントエッジ信号であり、フロントエッジ信号の時間情報波形は、立ち上がりエッジの中間時点であってもよい。
【0086】
レーザレーダーが、少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定することは、具体的には、レーザレーダーが、特性信号の時間情報及び第1のレーザ光が伝送される時間に基づいて、レーザの飛行時間差を取得し、そして、光の速度及びその時間差に基づいて、検出領域に対応する目標距離を決定してもよい、ことであってもよい。目標距離は、レーザレーダーと検出領域の中の対象物との間の距離を表すのに使用されてもよい。ある1つの例として、図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)に示されているシナリオを使用する。レーザ送信機は、時点t0においてレーザ光を伝送し、時点t1において特性信号403を受信する。この場合には、時点t1と時点t0との間の時間差に基づいて、レーザ光の飛行時間差(t2-t1)を取得することが可能である。検出領域に対応する目標距離Dは、光の速度及び時間差に基づいて決定されてもよい、言い換えると、D=(t2-t1)*c/2(cは、レーザ光の速度)である。第1の収束した信号の中の少なくとも1つの特性信号において、ある1つの特性信号は、検出領域に対応する1つの目標距離を決定するのに使用されてもよい。例えば、特性信号1及び特性信号2が存在する場合に、特性信号1に基づいて上記の操作を実行することによって、目標距離D1を取得することが可能であり、特性信号2に基づいて上記の操作を実行することによって、目標距離D2を取得することが可能である。
【0087】
ステップS204: レーザレーダーは、少なくとも1つの目標距離及び第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する。
【0088】
具体的には、走査型反射モジュールの角度及び検出領域に対応する距離と検出ユニットとの間の対応関係が存在する。説明を容易にするために、目標距離及び第1の角度に対応する1つ又は複数の検出ユニットは、検出ユニットグループと称される。図6は、この出願のある1つの実施形態にしたがったある1つの可能な検出ユニットグループの概略的な図である。レーザ送信機101は、ある時点において、第1のレーザ光を伝送し、そして、第1のレーザ光は、走査型反射モジュール102が角度θで反射した後に、検出領域の中の対象物601に照射される。対象物601は、光信号を反射する。光信号が、受信レンズ103によって収束させられた後に、アレイ検出器104の検出ユニットCH1及びCH2に照射されるときに、光信号は、電気信号へと変換される。したがって、対象物603に対応する距離がd1であるある1つの例において、角度がθである場合に、目標距離がd1である対象物に対応する検出ユニットグループは、CH1及びCH2を含むグループとなる。(例えば、受信レンズの焦点距離等の)レーザ送信機101、走査型反射モジュール102、受信レンズ103、及びアレイ検出器104の位置及び性質が、あらかじめ設定されている場合があるので、検出領域から返送される光信号が照射される検出ユニットと、レーザ光を反射させる角度及び対象物601の距離と、の間の対応関係が存在する。
【0089】
レーザレーダーは、以下の複数の選択的な解決方法のうちのいくつかを使用することによって、少なくとも1つの目標距離及び第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する。
【0090】
解決方法1: 対応関係の少なくとも1つのグループを含む対応関係セットをあらかじめ定義し、その対応関係セットに基づいて、第1の角度及び少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを決定する。具体的には、その対応関係セットは、レーザレーダーの中にあらかじめ格納されていてもよく、又は、レーザレーダーのためにあらかじめ構成されていてもよい。無関係な信号の干渉に起因して、第1の角度又は目標距離に対応しない検出ユニットグループが存在する。この場合には、レーザレーダーは、対応する検出ユニットが存在しない場合に対応する信号が誤警報信号であると考えてもよい。表1は、可能な対応関係セットを示している。その対応関係セットは、第1の角度及び少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを説明するのに使用される。第1の角度は、[方位角,ピッチ角]を使用することによって表されてもよい。目標距離が100メートル(m)であり、方位角が30°であり、且つ、ピッチ角が30°であるときに、レーザレーダーが決定する検出ユニットグループは、検出ユニットCH1、CH2、CH3、及びCH4であるということを知ることが可能である。目標距離が250 [m]であり、方位角が60°であり、ピッチ角が60°であるときに、レーザレーダーシステムは、その対応関係セットの中に対応する検出ユニットグループを発見しない。この場合には、レーザレーダーは、目標距離が250 mであるということを決定する信号が誤警報信号であると考える。
【表1】
【0091】
解決方法2: 第1の角度及び目標距離に対応する検出ユニットグループは、あらかじめ設定されているアルゴリズムを使用することによって決定される。さらに、決定する操作は、リアルタイムで実行されてもよい。レーザレーダーは、あらかじめ格納されているアルゴリズムを使用することによって、対応する検出ユニットグループを決定してもよく、又は、レーザレーダーは、あらかじめ設定されているアルゴリズムを使用することによって決定される対応する検出ユニットグループを取得する。例えば、レーザレーダーは、他のデバイスに目標距離及び第1の角度を送信してもよく、他のデバイスは、あらかじめ設定されているアルゴリズムを使用することによって、計算によって、対応する検出ユニットグループを取得し、そして、対応する検出ユニットグループを返送する。そのアルゴリズムは、モデル学習に基づいて得られるアルゴリズムであってもよく、又は、幾何学的関係を解くことによって得られるアルゴリズムであってもよい。このことは、特に、限定されない。複数の例を使用することによって、計算によって対応する検出ユニットグループを取得する2つの可能な方法を以下で説明する。
【0092】
方式1: レーザ光は、既知の角度に基づいて、既知の距離にある対象物に伝送され、アレイ検出器の中で、返送される信号を受信する検出ユニットの番号を記録し、ある1つのサンプルとして、対応する記録を使用し、そして、サンプルデータを蓄積することによって、検出ユニットグループを決定するアルゴリズムを取得する。例えば、角度がθである場合に、レーザ光は、複数の異なる距離Dnにある複数の対象物に照射され、それらの対象物が返送する光信号に対応する検出ユニットの番号CHijを記録する。iは、アレイ検出ユニットの行番号であり、jは、アレイ検出ユニットの列番号である。この場合に、CHijは、i番目の行及びj番目の列における検出ユニットを表してもよい。例えば、CH23は、第2の行及び第3の列における検出ユニットを表す。選択的に、検出ユニットの番号を表すのに、他の番号形式を使用してもよい。例えば、番号の添字は、検出ユニット番号として使用される。このことは、本明細書においては限定されない。例えば、CHnは、n番目の検出ユニットを表す。この場合には、CH12は、10番目の検出ユニットを表す。学習サンプルデータとして、距離Dn、走査角度θ、及び検出ユニットの番号CHijを使用し、あらかじめ設定されている数の学習サンプルデータに基づいて、検出ユニットグループを決定するアルゴリズムを取得してもよい。そのアルゴリズムに基づいて、入力として、目標距離及び走査角度を使用し、入力走査角度及び入力目標距離に対応する検出ユニットグループを取得してもよい。
【0093】
方法2: 幾何学的関係に基づいて、光信号が照射される検出ユニットの幾何学的位置を取得して、対応する検出ユニットグループを取得する。レーザレーダーにおいて、(例えば、受信レンズの焦点距離等の)レーザ送信機101、走査型反射モジュール102、受信レンズ103、及びアレイ検出器104の位置及び特性は、前もって知られていてもよい。したがって、既知のパラメータとして各々のモジュールの位置パラメータを使用することによって、対応する検出ユニットグループは、幾何学的な関係を解くことによって、目標距離及び第1の角度に基づいて取得されてもよい。図7は、この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットグループを決定する方法の概略的な図である。(代替的に、走査型反射ミラーと称される)走査型反射モジュール102の中心から検出領域701までの距離及び検出領域701に対応するアレイ検出器の光信号位置から受信主光軸までの距離xのZ軸に対する射影X1は、幾何学的関係
【数1】
を満たす。
【0094】
θxは、x方向における走査角度を表す。θx'は、検出領域701と受信レンズ103の中心との間の接続線のX-Z平面に対する射影と受信主光軸との間の狭角である。Dxがdxよりもはるかに大きいときに、θx'≒θxであると考えることが可能である。dxは、走査型反射モジュール102の中心からアレイ検出器104の軸までの距離のX軸に対する射影を表し、Dxは、走査型反射モジュール102の中心から検出領域701までの距離のX軸に対する射影を表し、Dx 'は、検出領域701から受信レンズ103の中心までの距離のX-Z平面に対する射影を表す。レーザレーダーのサイズは、一般的に、検出領域までのレーザレーダーの距離よりもはるかに小さいため、Dx及びDx 'の各々は、目標距離であると考えられてもよい。dzは、走査型反射モジュール102の中心からアレイ検出器104の軸までの距離のZ軸に対する射影を表し、xは、検出領域701に対応するアレイ検出器における検出位置から受信主光軸までの距離を表す。各々のパラメータは、正であってもよく又は負であってもよい。レーザレーダーは、上記の幾何学的関係に基づいて、検出領域705に対応するアレイ検出器の光信号位置から主光軸の中心までの距離を計算する幾何学的関係アルゴリズムを決定して、光信号位置から主光軸までの距離に基づいて、対応する検出ユニットグループを決定してもよい。
【0095】
例えば、式1-1、式1-2、及び式1-3にDx=Dx '及びθx'=θxを代入すると、
【数2】
を得ることが可能である。
【0096】
レーザレーダーは、検出領域705に対応するアレイ検出器の光信号位置から受信主光軸までの距離を計算するアルゴリズムとして、上記の式1-5を使用して、光信号位置から主光軸までの距離に基づいて、対応する検出ユニットグループを決定してもよい。
【0097】
選択的に、解決方法2における計算方式を使用することによって、前もって、計算によって、解決方法1における対応関係セットを取得してもよい。
【0098】
ステップS205: レーザレーダーは、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する。
【0099】
具体的には、第1の検出ユニットグループは、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つである。第1の検出ユニットグループの中に1つ又は複数の検出ユニットが存在してもよい。以下の記載は、複数の場合に基づいて説明する。
【0100】
場合1: 第1の検出ユニットグループは、1つの検出ユニットを含む。レーザレーダーは、その検出ユニットからの1つの電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在する(代替的に、ローカル信号として表される)サブ信号を取得し、第1の電気信号としてサブ信号を使用する。第1の電気信号は、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される。説明を簡単にするために、第1の検出ユニットグループを決定するのに使用される目標距離は、第1の目標距離と称され、第1の目標距離を決定するのに使用される特性信号は、第1の特性信号と称され、第1の特性信号は、第1の収束した信号の中の特性信号である。第1の時間期間は、レーザレーダーが第1の特性信号の時間情報に基づいて決定してもよく、第1の特性信号の時間情報が示す(又は、表す)時点は、第1の時間期間の中に存在する。選択的に、第1の時間期間の長さは、あらかじめ設定されている時間の長さであるか又は対応する規則にしたがって決定される時間の長さである。
【0101】
例えば、図8は、この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの可能な電気信号の概略的な図である。アレイ検出器104は、CH1、CH2、CH3、及びCH4の4つの検出ユニットを含む。レーザパルスを伝送するときに、現在のレーザパルスは、(ピッチ角x1及び方位角y1に基づいて決定される角度である)第1の角度で検出領域に反射される。それらの4つの検出ユニットは、それぞれ、4つの電気信号を出力し、レーザレーダーは、4つの電気信号を収束して、第1の収束した電気信号を取得する。ある1つの例として、特性信号がピーク信号であるということを使用する。第1の収束した電気信号は、特性信号S1、特性信号S2、特性信号S3の3つの特性信号を含む。特性信号の時間情報として、その特性信号のピーク値に対応する時点を使用する場合に、レーザレーダーは、3つの特性信号の時間情報に基づいて、3つの目標距離を決定してもよい。例えば、領域801の中の特性信号S2は、距離d2を決定するのに使用されてもよい。目標距離及び角度に基づいて、対応する検出ユニットグループを決定してもよい。例えば、現在のパルスに対応する第1の角度(x1,y1)及びd2に基づいて、対応する検出ユニットグループが検出ユニットCH1を含むということを決定してもよい。レーザレーダーは、特性信号S2に対応する時点を含むとともにあらかじめ設定されている時間の長さを有する第1の時間期間を決定する。例えば、あらかじめ設定されている時間の長さは、100[ns]である。レーザレーダーは、第1の電気信号として、CH1が出力する電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在する(例えば、領域802に示されている信号等の)サブ信号を取得してもよい。その次に、レーザレーダーは、第1の信号に基づいて、検出領域の中で1つのエコー情報を決定してもよい。特性信号S1に基づいて決定される目標距離は、d1であり、目標距離d1と第1の角度(x1,y1)に対応するいかなる検出ユニットグループも存在しないということに留意すべきである。したがって、レーザレーダーは、特性信号S1が誤警報信号であるということを決定してもよく、その特性信号S1は、以降の処理プロセスにおいては使用されない。
【0102】
他の例では、図9は、この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからのある1つの可能な電気信号の概略的な図である。アレイ検出器104は、CH1、CH2、CH3、及びCH4の4つの検出ユニットを含む。例えば、領域901の中の特性信号S3は、距離d3を決定するのに使用されてもよい。d3及び第1の角度(x1,y1)に基づいて、対応する検出ユニットグループが検出ユニットCH4を含むということを決定してもよい。レーザレーダーは、あらかじめ設定されている時間の長さを有するとともに特性信号S3に対応する時点を含む第1の時間期間を決定する。例えば、あらかじめ設定されている時間の長さは、100[ns]である。レーザレーダーは、第1の電気信号として、CH4が出力する電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在する(例えば、領域903等の)サブ信号を取得してもよい。領域902の中の信号の干渉に起因して、決定される第1の電気信号は、(領域904の中の信号及び領域905の中の信号の)2つの波形信号セグメントを含む。この場合には、第1の電気信号は、(波形信号セグメントのうちの1つは、ある1つのエコー信号を決定するのに使用される)2つのエコー情報を決定するのに使用されてもよく、又は、第1の電気信号の中の2つの波形信号セグメントは、1つのエコー情報を共同で決定するのに使用される。
【0103】
場合2: 第1の検出ユニットグループは、複数の検出ユニットを含む。レーザレーダーは、複数の検出ユニットからの複数の電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在する複数のサブ信号を取得し(ある1つの検出ユニットからの電気信号は、第1の時間期間の中の1つのサブ信号を取得するのに使用される)、それらの複数のサブ信号を収束して、第1の電気信号を取得する。第1の電気信号は、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される。選択的に、複数のサブ信号を収束して、第1の電気信号を取得することは、複数のサブ信号に対して総和処理又は相互相関処理を実行して、第1の電気信号を取得することを含んでもよい。総和は、ある信号セグメントの中である時点における信号の値を合計することを意味する。例えば、時点t1におけるCH1からの信号の値は、S1となり、時点t1におけるCH2からの信号の値は、S2となり、この場合には、CH1及びCH2からの信号の値に対して総和を実行する。時点t1における収束した信号の取得した値は、S1+S2として表されてもよい。相互相関は、信号処理方法である。相互相関関数を使用することによって、一方の信号セグメント及び他方の信号セグメントに対して点ごとに計算を実行する。計算を実行されるたびごとに、1つの相互相関値を取得する。これらの相互相関値は、相対的な位置にある2つの信号セグメントの相関の程度を反映することが可能である。したがって、相互相関関数は、雑音信号から有効な信号を抽出する重要な方法であり、また、相関フィルタリングと称される。相互相関関数は、複数の定義を有してもよく、又は、相互相関関数を計算する方法を定義してもよい。このことは、本明細書においては限定されない。例えば、相互相関関数は、2つの信号セグメントの値の積として定義される。この場合には、計算の際に、時点t1におけるCH1からの信号の値に、時点t1におけるCH2の信号の値を乗算する。時点t1における収束した信号の得られた値は、S1×S2として表されてもよい。説明を簡単にするために、第1の検出ユニットグループを決定するのに使用される目標距離は、第1の目標距離と称され、第1の目標距離を決定するのに使用される特性信号は、第1の特性信号と称され、第1の特性信号は、第1の収束した信号の中の特性信号である。第1の時間期間は、レーザレーダーが第1の特性信号の時間情報に基づいて決定してもよく、第1の特性信号の時間情報が示す(又は、表す)時点は、第1の時間期間の中に存在する。選択的に、第1の時間期間の長さは、あらかじめ設定されている時間の長さであるか又は対応する規則にしたがって決定される時間の長さである。
【0104】
例えば、図10は、この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの他の可能な電気信号の概略的な図である。アレイ検出器104は、CH1、CH2、CH3、及びCH4の4つの検出ユニットを含む。レーザパルスを伝送するときに、現在のレーザパルスは、ある角度[x2,y2](すなわち、ピッチ角x2及び方位角y2が示す角度)で検出領域に反射される。それらの4つの検出ユニットは、それぞれ、4つの電気信号を出力し、レーザレーダーは、それらの4つの電気信号を収束して、第1の収束した電気信号を取得する。ある1つの例として、特性信号がピーク信号であるということを使用する。第1の収束した電気信号は、特性信号S4、特性信号S5、及び特性信号S6の3つの特性信号を含む。特性信号のピーク値に対応する時点が、特性信号の時間情報として使用される場合に、レーザレーダーは、3つの特性信号の時間情報に基づいて、3つの目標距離を決定してもよい。例えば、ある領域1001の中の信号S5は、距離d5を決定するのに使用されてもよい。対応する検出ユニットグループは、現在のパルスに対応する角度(x2,y2)及びd5に基づいて決定されてもよい。検出ユニットグループは、2つの検出ユニット(すなわち、CH2及びCH3)を含む。レーザレーダーは、あらかじめ設定されている時間の長さを有するとともに、特性信号S5に対応する時点を含む第1の時間期間を決定する。例えば、あらかじめ設定されている時間の長さは、100[ns]である。レーザレーダーは、CH2が出力する電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在するサブ信号を取得する。そのサブ信号については、領域1002の中の電気信号を参照するべきである。同様に、レーザレーダーは、CH3が出力する電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在するサブ信号を取得する。そのサブ信号については、領域1003の中の電気信号を参照するべきである。レーザレーダーは、それらの2つのサブ信号に対して総和処理又は相互相関処理を実行して、第1の電気信号を取得する。例えば、レーザレーダーは、それらの2つのサブ信号に対して総和を実行して、信号1004を取得する。他の例では、レーザレーダーは、それらの2つのサブ信号に対して相互相関を実行して、信号1005を取得する。その次に、レーザレーダーは、(信号1004又は信号1005等の)第1の電気信号に基づいて、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する。
【0105】
他の例では、図11は、この出願のある1つの実施形態にしたがった検出ユニットからの可能な電気信号の概略的な図である。アレイ検出器104は、CH1、CH2、CH3、及びCH4の4つの検出ユニットを含む。領域1101の中の信号S6は、距離d6を決定するのに使用されてもよい。d6及び角度(x2,y2)に基づいて、対応する検出ユニットグループが、2つの検出ユニット(すなわち、CH3及びCH4)を含むということを決定してもよい。レーザレーダーは、あらかじめ設定されている時間の長さを有するとともに、特性信号S6に対応する時点を含む第1の時間期間を決定する。例えば、あらかじめ設定されている時間の長さは、100[ns]である。レーザレーダーは、CH3が出力する電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在するサブ信号を取得する(領域1103の中の電気信号を参照するべきである)。同様に、レーザレーダーは、CH4が出力する電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在するサブ信号を取得する(領域1104の中の電気信号を参照するべきである)。レーザレーダーは、それらの2つのサブ信号に対して総和処理又は相互相関処理を実行して、第1の電気信号を取得する(領域1105の中の信号を参照するべきである)。領域1102の中の信号の干渉に起因して、決定される第1の電気信号は、2つの波形信号セグメントを含む。それらの2つの波形信号セグメントについては、領域1106の中の電気信号及び領域1107の中の電気信号を参照するべきである。この場合には、レーザレーダーは、第1の電気信号を使用して、2つのエコー情報を決定してもよく(それらの波形信号セグメントのうちの1つに対応する信号は、ある1つのエコー信号を決定するのに使用される)、又は、第1の電気信号の中の2つの波形信号セグメントを使用して、ある1つのエコー情報を共同して決定してもよい。
【0106】
選択的に、検出領域の中のエコー情報は、検出領域の距離及び/又は反射強度を表すのに使用されてもよい。反射強度情報は、検出領域の物質及び他の情報を決定するのに使用されてもよく、距離情報は、レーザレーダーに対する検出領域の位置を決定するのに使用されてもよく、反射強度及び距離の双方は、レーダーイメージングのために使用されてもよい。例えば、情報処理デバイスは、イメージングモジュールにエコー情報を報告し、それによって、イメージングモジュールは、その角度に対応する検出領域の検出結果として、1つ又は複数のエコー情報を選択する。イメージングモジュールは、複数の角度で複数回にわたって実行される検出によって、対象物の視野の画像を形成してもよい。図12は、この出願のある1つの実施形態にしたがったレーダーイメージングシナリオの概略的な図である。送信端1201は、レーザ送信機及び走査型反射モジュールを含んでもよい。送信端1201のレーザ送信機は、レーザパルスビームを伝送する。レーザパルスビームは、走査型反射モジュールによって検出領域に反射される。例えば、領域1205は、現在の検出において使用される走査角度に対応する検出領域である。検出領域1205がレーザ光を受信した後に、反射現象が生起し、返送される光信号の一部は、受信レンズを通過した後にアレイ検出器1202に照射される。それに対応して、アレイ検出器1102の中の検出ユニットは、光信号を電気信号へと変換し、そして、その電気信号に対して、対応する処理を実行して、少なくとも1つのエコー情報を取得する。その少なくとも1つのエコー情報は、イメージングモジュール1206に伝送され、そして、イメージングモジュール1206は、(例えば、最初に受信したエコー情報又は信号強度が最も強いエコー情報等の)エコー情報の一部又はすべてを選択して、現在の検出に対応する検出領域に対してイメージングを実行する。レーザレーダーは、複数のパルスレーザ信号を伝送し、複数の走査角度で対象物の視野の中の複数の検出領域を走査して、対象物の視野の画像を形成する。
【0107】
選択的な解決方法において、光信号を受信しそして電気信号を出力した後に、レーダーシステムの中のアレイ検出器は、他のデバイスに、検出ユニットが出力する電気信号を送信する。電気信号を取得した後に、対応する他のデバイスは、電気信号に対してステップS201乃至ステップS205の一部又はすべて等の処理を実行して、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を取得する。
【0108】
図2によって説明されている方法において、レーザレーダーは、検出ユニットが出力する信号の収束によって得られる信号に基づいて、予備的な目標距離を推定し、走査角度情報に基づいて、検出ユニットからの無関係な信号をスクリーニングにより除去して、現在の検出に関連する検出ユニットを決定することが可能であり、その次に、現在の検出に関連する検出ユニットが出力する信号を選択して、検出領域の中の情報を決定する。このように、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の有効性を改善し、そして、受信した信号の信号対雑音比を高める。
【0109】
上記の記載は、この出願のそれらの複数の実施形態における方法を詳細に説明している。以下の記載は、この出願のそれらの複数の実施形態における装置を示す。
【0110】
図13は、この出願のある1つの実施形態にしたがった信号処理装置130の構成の概略的な図である。信号処理装置130は、レーザレーダーであってもよく、或いは、例えば、チップ又は集積回路等の一体化されてレーザレーダーとなっている構成要素であってもよい。その信号処理装置は、走査制御ユニット1301、収束ユニット1302、距離決定ユニット1303、ユニットグループ決定ユニット1304、及びエコー決定ユニット1305を含んでもよい。ユニットの説明は、以下のようになる。
【0111】
走査制御ユニット1301は、走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと第1のレーザ光を反射するように構成される。
【0112】
収束ユニット1302は、少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に基づいて、第1の収束した電気信号を決定するように構成され、第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む。
【0113】
距離決定ユニット1303は、少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定するように構成され、少なくとも1つの特性信号は、少なくとも1つの目標距離に対応する。
【0114】
ユニットグループ決定ユニット1304は、少なくとも1つの目標距離及び第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定するように構成され、少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、少なくとも2つの検出ユニットに属する。
【0115】
エコー決定ユニット1305は、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するように構成される。
【0116】
この出願のこの実施形態において、信号処理装置は、検出ユニットが出力する信号の収束によって得られる信号に基づいて、予備的な目標距離を推定し、そして、走査角度に基づいて、現在の検出に関連する検出ユニットを決定して、現在の検出に関連する検出ユニットが出力する信号を選択し、それにより、検出領域の中のエコー情報を決定する。このように、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の有効性を改善し、そして、受信した信号の信号対雑音比を増加させる。
【0117】
上記の複数ユニットの分割は、複数の機能に基づく論理的な分割であるにすぎず、信号処理装置の特定の構成を限定することを意図してはいないということに留意すべきである。具体的な実装において、複数の機能モジュールのうちの一部を細分割して、より細かい機能モジュールとしてもよく、複数の機能モジュールのうちの一部を組み合わせて、1つの機能モジュールとしてもよい。一方で、機能モジュールが細分割されているか又は組み合わせられているかにかかわらず、信号処理装置が信号処理プロセスにおいて実行する一般的な手順は、同じである。例えば、また、反射ユニット又は処理ユニットとして上記の複数のユニットを簡素化してもよい。反射ユニットは、走査制御ユニット1301の機能を実装するように構成され、処理ユニットは、収束ユニット1302、距離決定ユニット1303、ユニットグループ決定ユニット1304、及びエコー決定ユニット1305のうちの1つ又は複数の機能を実装するように構成される。通常は、各々のユニットは、それぞれのプログラムコード(又は、プログラム命令)に対応する。プロセッサによって、ユニットに対応するプログラムコードを実行するときに、ユニットは、対応する手順を実行して、対応する機能を実装する。ある1つの可能な実装において、各々の検出ユニットは、1つの光電変換微細構成要素又は光電変換微細構成要素のセットである。
【0118】
ある1つの光電変換微細構成要素の信号の値は飽和しやすいため、1つの光電変換微細構成要素を使用する電気信号は、その検出領域の中の反射強度情報を正確に表現することは不可能である。この出願のこの実施形態において、第1の検出ユニットが、複数の光電変換微細構成要素を含むときに、ある1つの検出ユニットの中の変換微細構成要素が出力する信号を収束させてもよく、そして、その次に、収束した信号を出力して、最終的に出力される電気信号の過飽和を回避する。したがって、検出領域の中で電気信号に基づいて以降に決定されるエコー情報は、より正確となり、その検出領域の中の反射強度情報を決定することが容易になる。
【0119】
さらに別の可能な実装において、特性信号は、第1の収束した電気信号のピーク信号、フロントエッジ信号、又は波形セントロイド信号を含み、時間情報は、特性信号の受信時点を示すのに使用される。
【0120】
第1の収束した電気信号の中の特性信号は、比較的強い光信号が現れるということを反映することが可能であるということを知ることが可能である。レーザレーダーの検出プロセスにおいて、比較的強い光信号は、通常は、レーザレーダーによって伝送される。したがって、特性信号が現れるときは、レーザレーダー信号を受信している可能性が高い。したがって、特性信号に基づいて、レーザレーダー検出の場合のエコー情報をより正確に取得することが可能である。
【0121】
さらに別の可能な実装において、少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、第1の目標距離は、第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、検出領域の中のエコー情報を決定する態様において、エコー決定ユニット1305は、特に、
第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、第1の特性信号の受信時点は、第1の時間期間の中に存在し、
第1の検出ユニットグループからの1つの電気信号の電気サブ信号を取得して、第1の電気信号を取得し、電気サブ信号は、第1の時間期間の中に存在し、第1の検出ユニットグループは、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つであり、
第1の電気信号に基づいて、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する、ように構成される。
【0122】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映することができる可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在するサブ信号に基づいて得られる第1の電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。加えて、基本的な処理単位として、電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0123】
さらに別の可能な実装において、少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、第1の目標距離は、第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、検出領域の中のエコー情報を決定する態様において、エコー決定ユニット1305は、特に、
第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、第1の特性信号の時間情報が示す時間は、第1の時間期間の中に存在し、
第1の検出ユニットグループからの複数の電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在する信号を取得して、複数の電気サブ信号を取得する、ように構成され、第1の検出ユニットグループは、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つであり、複数の電気サブ信号を収束させることによって得られる第1の電気信号は、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される。
【0124】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映する可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在する電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、複数の検出ユニットグループからの電気信号の複数の電気サブ信号(又は、ローカル信号と称されてもよい)を取得し、それらの複数の電気サブ信号を収束させて、第1の電気信号を取得し、それによって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。総和方法又は相互相関方法を使用することにより複数の電気サブ信号を収束させることによって、第1の電気信号を取得することが可能である。加えて、基本的な処理単位として電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0125】
さらに別の可能な実装において、少なくとも1つの目標距離及び第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する態様において、ユニットグループ決定ユニット1304は、特に、
第1の対応関係セットに基づいて、第1の角度及び少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するように構成され、少なくとも1つの目標距離、第1の角度、及び検出ユニットとの間にあらかじめ定義されている対応関係が存在する。
【0126】
あらかじめ格納されている対応関係は、角度及び目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するのに使用されてもよく、それにより、リアルタイムの計算負荷を軽減するとともに、データ処理効率を改善するということを知ることが可能である。
【0127】
さらに別の可能な実装において、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報は、反射強度又は検出領域の距離のうちの少なくとも1つを表すのに使用される。
【0128】
さらに別の可能な実装において、当該装置130は、受信レンズ、少なくとも2つの検出ユニットを含むアレイ検出器、及び散乱デバイスをさらに含んでもよい。散乱デバイスは、受信レンズとアレイ検出器との間に配置され、受信レンズを通過する光信号を散乱するように構成される。
【0129】
散乱デバイスを使用することによって、受信した光信号を散乱させ、それによって、本来であればある1つの光電変換微細構成要素に集中しているであろう信号を周囲の光電変換微細構成要素に分散させることが可能であるということを知ることが可能である。このように、アレイ検出器の中のある微細構成要素からの信号の過飽和を回避することが可能である。このことは、エコー信号の強度情報をより正確に決定するのに役立つ。
【0130】
各々のユニットの実装については、それに対応して、図2に示されている方法の実施形態における対応する説明を参照すべきであるということに留意すべきである。
【0131】
図13において説明されている信号処理装置130は、検出ユニットが出力する信号の収束によって得られる信号に基づいて、予備的な目標距離を推定し、そして、走査角度に基づいて、現在の検出に関連する検出ユニットを決定して、現在の検出に関連する検出ユニットが出力する信号を選択し、それにより、検出領域の中のエコー情報を決定する。このように、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の有効性を改善し、そして、受信した信号の信号対雑音比を増加させる。
【0132】
図14は、この出願のある1つの実施形態にしたがった信号処理デバイス140の構成の概略的な図である。その信号処理デバイス140は、レーザレーダーであってもよく、或いは、例えば、チップ又は集積回路等の一体化されてレーザレーダーとなっている構成要素であってもよい。信号処理装置は、メモリ1401、プロセッサ1402、及びバス1403を含んでもよい。メモリ1401及びプロセッサ1402は、バス1403によって接続される。
【0133】
メモリ1401は、記憶空間を提供するように構成され、その記憶空間は、オペレーティングシステム及びコンピュータプログラム等のデータを格納してもよい。メモリ1401は、これらには限定されないが、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、消去可能な且つプログラム可能な読み取り専用メモリ(erasable programmable read only memory, EPROM)、又はコンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory, CD-ROM)を含む。
【0134】
プロセッサ1402は、算術演算及び論理演算を実行するモジュールであり、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit, GPU)、又はマイクロプロセッサユニット(microprocessor unit, MPU)等の処理モジュールのうちの1つ又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0135】
メモリ1401は、コンピュータプログラムを格納し、プロセッサ1402は、メモリ1401の中に格納されているコンピュータプログラムを呼び出して、
走査型反射モジュールを使用することによって、第1の角度で検出領域へと第1のレーザ光を反射する操作と、
少なくとも2つの検出ユニットからの少なくとも2つの電気信号に基づいて、第1の収束した電気信号を決定する操作であって、第1の収束した電気信号は、少なくとも1つの特性信号を含む、操作と、
少なくとも1つの特性信号の時間情報に基づいて、検出領域に対応する少なくとも1つの目標距離を決定する操作であって、少なくとも1つの特性信号は、少なくとも1つの目標距離に対応する、操作と、
少なくとも1つの目標距離及び第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する操作であって、少なくとも1つの検出ユニットグループの各々の中に含まれる検出ユニットは、少なくとも2つの検出ユニットに属する、操作と、
少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する操作と、を実行する。
【0136】
この出願のこの実施形態において、信号処理デバイス140は、検出ユニットが出力する信号の収束によって得られる信号に基づいて、予備的な目標距離を推定し、そして、走査角度に基づいて、現在の検出に関連する検出ユニットを決定して、現在の検出に関連する検出ユニットが出力する信号を選択し、それにより、検出領域の中のエコー情報を決定する。このように、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の有効性を改善し、そして、受信した信号の信号対雑音比を増加させる。
【0137】
ある1つの可能な実装において、各々の検出ユニットは、1つの光電変換微細構成要素又は光電変換微細構成要素のセットである。
【0138】
ある1つの光電変換微細構成要素の信号の値は飽和しやすいため、1つの光電変換微細構成要素を使用する電気信号は、その検出領域の中の反射強度情報を正確に表現することは不可能である。この出願のこの実施形態において、第1の検出ユニットが、複数の光電変換微細構成要素を含むときに、ある1つの検出ユニットの中の変換微細構成要素が出力する信号を収束させてもよく、そして、その次に、収束した信号を出力して、最終的に出力される電気信号の過飽和を回避する。したがって、検出領域の中で電気信号に基づいて以降に決定されるエコー情報は、より正確となり、その検出領域の中の反射強度情報を決定することが容易になる。
【0139】
さらに別の可能な実装において、特性信号は、第1の収束した電気信号のピーク信号、フロントエッジ信号、又は波形セントロイド信号を含み、時間情報は、特性信号の受信時点を示すのに使用される。
【0140】
第1の収束した電気信号の中の特性信号は、比較的強い光信号が現れるということを反映することが可能であるということを知ることが可能である。一方で、レーザレーダーの検出プロセスにおいて、比較的強い光信号は、通常は、レーザレーダーによって伝送される。したがって、特性信号が現れるときは、レーザレーダー信号を受信している可能性が高い。したがって、特性信号に基づいて、レーザレーダー検出の場合のエコー情報をより正確に取得することが可能である。
【0141】
さらに別の可能な実装において、少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、第1の目標距離は、第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、検出領域の中のエコー情報を決定する態様において、プロセッサ1402は、特に、
第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、第1の特性信号の受信時点は、第1の時間期間の中に存在し、
第1の検出ユニットグループからの1つの電気信号の電気サブ信号を取得して、第1の電気信号を取得し、電気サブ信号は、第1の時間期間の中に存在し、第1の検出ユニットグループは、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つであり、
第1の電気信号に基づいて、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定する、ように構成される。
【0142】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映することができる可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在するサブ信号に基づいて得られる第1の電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。加えて、基本的な処理単位として、電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0143】
さらに別の可能な実装において、少なくとも1つの特性信号は、第1の特性信号を含み、第1の特性信号は、第1の目標距離を決定するのに使用され、第1の目標距離は、第1の検出ユニットグループを決定するのに使用され、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの第1の検出ユニットグループからの少なくとも1つの電気信号に基づいて得られる第1の電気信号に基づいて、検出領域の中のエコー情報を決定する態様において、プロセッサ1402は、特に、
第1の特性信号の時間情報に基づいて、第1の時間期間を決定し、第1の特性信号の受信時点は、第1の時間期間の中に存在し、
第1の検出ユニットグループからの複数の電気信号のうちで第1の時間期間の中に存在する信号を取得して、複数の電気サブ信号を取得する、ように構成され、第1の検出ユニットグループは、少なくとも1つの検出ユニットグループのうちの1つであり、複数の電気サブ信号を収束させることによって得られる第1の電気信号は、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報を決定するのに使用される。
【0144】
第1の特性信号は、レーザ信号を受信しているということを反映する可能性が十分にあるので、第1の時間期間は、レーザ信号を受信している可能性が十分にある時間期間であるということを知ることが可能である。加えて、第1の検出ユニットグループは、スクリーニングによって得られる真に関連する検出ユニットグループであるため、第1の検出ユニットグループが出力する信号のうちで第1の時間期間の中に存在する電気信号は、レーザ信号の受信状態をより正確に反映することが可能である。したがって、複数の検出ユニットグループからの電気信号の複数の電気サブ信号(又は、ローカル信号と称されてもよい)を取得し、それらの複数の電気サブ信号を収束させて、第1の電気信号を取得し、それによって、第1の電気信号に基づいて得られるエコー情報は、より正確となる。総和方法又は相互相関方法を使用することにより複数の電気サブ信号を収束させることによって、第1の電気信号を取得することが可能である。加えて、基本的な処理単位として電気サブ信号を使用する。このことは、複数の異なる時間期間の中で生成される電気信号全体の中の特性信号の分離処理を容易にする。
【0145】
さらに別の可能な実装において、少なくとも1つの目標距離及び第1の角度に基づいて、少なくとも1つの検出ユニットグループを決定する態様において、プロセッサ1402は、特に、
第1の対応関係セットに基づいて、第1の角度及び少なくとも1つの目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するように構成され、少なくとも1つの目標距離、第1の角度、及び検出ユニットとの間にあらかじめ定義されている対応関係が存在する。
【0146】
あらかじめ格納されている対応関係は、角度及び目標距離に対応する検出ユニットグループを決定するのに使用されてもよく、それにより、リアルタイムの計算負荷を軽減するとともに、データ処理効率を改善するということを知ることが可能である。
【0147】
第1の態様のさらに別の可能な実装において、検出領域の中の少なくとも1つのエコー情報は、反射強度又は検出領域の距離のうちの少なくとも1つを表すのに使用される。
【0148】
さらに別の可能な実装において、信号処理デバイスは、さらに、走査型反射モジュール、受信レンズ、少なくとも2つの検出ユニットを含むアレイ検出器、及び散乱デバイス等の構成要素に外部で接続されてもよい。散乱デバイスは、受信レンズとアレイ検出器との間に配置され、受信レンズを通過する光信号を散乱するように構成される。
【0149】
散乱デバイスを使用することによって、受信した光信号を散乱させ、それによって、本来であればある1つの光電変換微細構成要素に集中しているであろう信号を周囲の光電変換微細構成要素に分散させることが可能であるということを知ることが可能である。このように、アレイ検出器の中のある微細構成要素からの信号の過飽和を回避することが可能である。このことは、エコー信号の強度情報をより正確に決定するのに役立つ。
【0150】
各々の信号処理デバイスの具体的な実装については、さらに、それに対応して、図2に示されている方法の実施形態の対応する説明を参照すべきであるということに留意すべきである。
【0151】
図14において説明されている信号処理デバイス140は、検出ユニットが出力する信号の収束によって得られる信号に基づいて、予備的な目標距離を推定し、そして、走査角度に基づいて、現在の検出に関連する検出ユニットを決定して、現在の検出に関連する検出ユニットが出力する信号を選択し、それにより、検出領域の中のエコー情報を決定してもよい。このように、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の有効性を改善し、そして、受信した信号の信号対雑音比を増加させる。
【0152】
この出願のある1つの実施形態は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。そのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納する。コンピュータプログラムが1つ又は複数のプロセッサによって実行されるときに、図2に示されている信号処理方法を実装することが可能である。
【0153】
この出願のある1つの実施形態は、さらに、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサによって実行されるときに、図2に示されている信号処理方法を実装することが可能である。
【0154】
この出願のある1つの実施形態は、さらに、センサシステムを提供する。そのセンサシステムは、少なくとも1つのセンサを含む。そのセンサは、少なくとも1つのレーザレーダーを含んでもよい。そのレーザレーダーは、図13に示されている信号処理装置又は図14に示されている信号処理デバイスを含んでもよく、或いは、そのレーザレーダーは、図1に示されているレーザレーダー10である。さらに、選択的に、センサシステムは、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つのミリ波レーダー、少なくとも1つの超音波レーダー、及び少なくとも1つの赤外線センサのうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。
【0155】
この出願のある1つの実施形態は、さらに、車両を提供し、その車両は、上記のセンサシステムを含んでもよい。
【0156】
本発明のある1つの実施形態は、さらに、チップシステムを提供する。そのチップシステムは、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、及びインターフェイス回路を含む。インターフェイス回路は、プロセッサに(レーザ送信機、走査型反射モジュール、又はアレイ検出器等の)外部デバイスを接続するように構成される。メモリは、コンピュータプログラムを格納する。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、図2に示されている方法プロセスを実行する。さらに、回線を使用することによって、メモリ、インターフェイス回路、及び少なくとも1つのプロセッサを相互接続してもよい。
【0157】
この出願のある1つの実施形態は、さらに、端末を提供する。その端末は、図1に示されているレーザレーダーを含むか、又は、その端末は、図14に示されている信号処理デバイスを含む。選択的に、その端末は、目標検出を実行する必要がある車両、無人航空機、列車、又はロボット等のモバイル端末又は輸送ツールであってもよい。
【0158】
結論として、検出ユニットが出力する信号の収束によって得られる信号に基づいて、予備的な目標距離を推定することが可能であり、そして、走査角度情報に基づいて、現在の検出に関連する検出ユニットを推論することが可能である。無関係な検出ユニットの信号を正確にスクリーニングによって除去することが可能であり、それによって、現在の検出に関連する検出ユニットが出力する信号を選択して、検出領域の中のエコー情報を決定する。このように、無関係な信号の干渉を減少させ、受信した信号の有効性を改善する。
【0159】
当業者は、関連するハードウェアに命令するコンピュータプログラムによって、上記の複数の実施形態における複数の方法のプロセスのうちのすべて又は一部を実装することが可能であるということを理解することが可能である。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に格納されてもよい。コンピュータプログラムが実行されるときに、上記の方法の実施形態におけるプロセスを実行する。上記の記憶媒体は、コンピュータプログラムのコードを格納することが可能であるROM、ランダムアクセスメモリRAM、磁気ディスク、又は光ディスク等のあらゆる媒体を含む。
図1
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