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特許7556513送風機のガードと、モータを固定する連結機構。
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  • 特許-送風機のガードと、モータを固定する連結機構。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】送風機のガードと、モータを固定する連結機構。
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/64 20060101AFI20240918BHJP
   F04D 29/52 20060101ALI20240918BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
F04D29/64 F
F04D29/52 B
F04D29/66 L
F04D29/66 N
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018136448
(22)【出願日】2018-07-20
(65)【公開番号】P2020012443
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-07-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】391008294
【氏名又は名称】フルタ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】古田 成広
(72)【発明者】
【氏名】九里 博幸
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】関口 哲生
【審判官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-25422(JP,A)
【文献】実開昭56-139897(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0058846(KR,A)
【文献】特開平7-317839(JP,A)
【文献】特開2017-145911(JP,A)
【文献】特開2006-246973(JP,A)
【文献】特開昭58-141960(JP,A)
【文献】実開昭58-167751(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D25/08
F04D29/64
F04D29/66
F04D29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機に備えたガードと、モータを固定する連結機構は、前記モータを収容するモータケースの外周面に複数突設した支持片と、この支持片に前記ガードの中心位置の線材、及び/又は、取付板を、止め具により、緊締し、かつこの緊締時に、前記支持片と前記線材、及び/又は、前記取付板との間に緩衝体を設ける送風機のガードと、モータを固定する連結機構において、
前記止め具は、前記支持片に横設したボルトとナットとし、
前記ボルトは、頭部と、軸部とを有し、
前記ボルトの前記軸部には、防振性を有する素材からなるチューブが嵌め込まれ、
前記ボルトの前記頭部と前記ナットの間で、かつ、前記チューブが嵌め込まれた前記ボルトの前記軸部には、前記ガード外側に向かって順に、第2平座金、第2緩衝体、第1緩衝体、第1平座金を、配備するとともに、緊締支持し、
前記ボルトの前記頭部と前記ナットの間で、かつ、前記チューブが嵌め込まれた前記ボルトの前記軸部には、前記ガード内側に向かって順に、第4平座金、第3緩衝体、前記支持片、第4緩衝体、第3平座金を、配備するとともに、緊締支持する送風機のガードと、モータを固定する連結機構。
【請求項2】
前記止め具は、前記ボルトと2つの前記ナットであり、このボルトと2つのナットで、前記支持片、前記線材、及び/又は、前記取付板と、前記緩衝体を緊締支持する構成とした請求項1に記載の送風機のガードと、モータを固定する連結機構。
【請求項3】
前記取付板と前記第2緩衝体の間には、前記第2平座金が介在されている、請求項1に記載の送風機のガードと、モータを固定する連結機構。
【請求項4】
前記第1緩衝体、前記第2緩衝体、前記第3緩衝体、及び前記第4緩衝体を、防振ゴムとする構成とした請求項1に記載の送風機のガードと、モータを固定する連結機構。
【請求項5】
前記ガードは、ガード骨線材と、ガード線材で構成し、前記止め具で、前記ガード骨線材を緊締する構成とした請求項1に記載の送風機のガードと、モータを固定する連結機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風機の吸込み側に設けたガードと、モータを固定する連結機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の部材と、防振ゴムを使用した緊締構造(緊締機構)に関する先行文献としては、次のような発明が提案されている。
【0003】
文献1としては、特開2004-278995号公報によるウェルナットを使用する構成であり、ウェルナット(円筒形状の緊締部材)と、防振ゴム、及び取付板を介してファンモータを、本体ケースに取付ける構成である。この発明は、ウェルナットと、防振ゴムを、止め具で緊締支持する構成である。
【0004】
文献2としては、特開平6-74491号公報による防振ゴムを使用する構成であり、筒状の防振ゴムと止め具を介して、モータベースにファンモータを緊締支持する構成である。この発明は、少ない(一枚の)防振ゴムと止め具で緊締支持する構成である。
【0005】
この文献1のウェルナットと防振ゴムの組合せでは、緊締する部材の数、構造が限定されること、かつ汎用性に欠けること等が考えられる。
【0006】
また、文献2の防振ゴムと止め具の組合せは、構造と使用等が容易である反面、防振効果が十分でないと考えられる。
【文献】特開2004-278995号公報
【文献】特開平6-74491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
文献1では、ウェルナットと防振ゴムの組合せによる複雑化や、コストの上昇が考えられる。また、文献2の防振ゴムと止め具の組合せでは、一枚の防振ゴムでは、防振性に限界が考えられる。
【0008】
さらには、文献1、2の構成では、例えば、複数の構成部品を、ボルト及びナットと、複数枚の防振ゴムを介在して連結する構成には、採用し難いと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に鑑み、本発明は、モータケースの外周面に複数ある支持片と、ファンガード、及び取付板といった複数の構成部品を、例えば、ボルト及びナットと、複数枚の緩衝体(防振ゴム)をそれぞれ介在して連結する構成とする。さらに部品の数とか形状(構造)に限定されず、汎用性に優れた送風機のガードと、モータを固定する連結機構の提供とを意図する。
【0010】
その一例は、請求項1-に示した構造である。
【発明の効果】
【0011】
上述の目的を達成するために、本発明に係る送風機のガードと、モータを固定する連結機構は、
前記モータを収容するモータケースの外周面に複数突設した支持片と、この支持片に前記ガードの中心位置の線材、及び/又は、取付板を、止め具により、緊締し、かつこの緊締時に、前記支持片と前記線材、及び/又は、前記取付板との間に緩衝体を設ける送風機のガードと、モータを固定する連結機構において、
前記止め具は、前記支持片に横設したボルトとナットとし、
前記ボルトは、頭部と、軸部とを有し、
前記ボルトの前記軸部には、防振性を有する素材からなるチューブが嵌め込まれ、
前記ボルトの前記頭部と前記ナットの間で、かつ、前記チューブが嵌め込まれた前記ボルトの前記軸部には、前記ガード外側に向かって順に、第2平座金、第2緩衝体、第1緩衝体、第1平座金を、配備するとともに、緊締支持し、
前記ボルトの前記頭部と前記ナットの間で、かつ、前記チューブが嵌め込まれた前記ボルトの前記軸部には、前記ガード内側に向かって順に、第4平座金、第3緩衝体、前記支持片、第4緩衝体、第3平座金を、配備するとともに、緊締支持する
【0012】
これにより、請求項1は、モータの振動を、複数枚の緩衝体で吸収し、ガードへの伝播を無くし得る特徴、又はガードと支持片の緊締の弛緩回避に有効である。殊に、支持片と、ガード、及び取付板の緊締維持に役立ち、ガードのガタツキ防止と落下防止に有効性を発揮できる。
【0013】
前記止め具は、前記ボルトと2つの前記ナットであり、このボルトと2つのナットで、前記支持片、前記線材、及び/又は、前記取付板と、前記緩衝体を緊締支持する構成としてもよい
【0014】
これにより、請求項2は、請求項1の目的・特徴達成に最適な止め具を提供できる。また、止め具は、構造が簡単で、市販製品で対応できて重宝する。
【0015】
前記取付板と前記第2緩衝体の間に前記第2平座金介在されていてもよい
【0016】
これにより、請求項3は、請求項1の目的・特徴達成に最適な止め具を提供できる。また、平座金の介在は、取付板と緩衝体の緊締の容易化と、緩衝体の保護と応力集中による緩衝体の劣化を抑止し、防振効果の持続性を確保できる特徴がある。
【0017】
前記第1緩衝体、前記第2緩衝体、前記第3緩衝体、及び前記第4緩衝体を、防振ゴムとする構成としてもよい
【0018】
これにより、請求項4は、請求項1の目的・特徴達成に最適な緩衝体を提供できる。また、低価格な、市販の防振ゴムを採用できることと、防振ゴムの機能と厚み等を自由に変更できることから、重宝する等の特徴がある。
【0019】
前記ガードは、ガード骨線材と、ガード線材で構成し、前記止め具で、前記ガード骨線材を緊締する構成としてもよい
【0020】
これにより、請求項5は、請求項1の目的・特徴達成に最適なガードを提供できる。また、本発明の効果と目的達成に最適なガードを提案できる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】送風機の通常の使用状態を示した側面図
図2図1の背面図
図3】送風機の収納(移動)状態を示した俯瞰図
図4】送風機の通常の使用状態を示した俯瞰図
図5】送風機のガードとモータとの関係を示した要部の側面図
図6図5の要部で、Aで示した箇所の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図4に示すように、送風機Aは、キャスター付きの基台1(この例では、パイプを折曲形成した二本のフレームとする)と、この基台1に設けた回転式の支持具2で、角度調整自在に設けた風胴3とを、主要骨格とする。
【0025】
そして、風胴3の一方側(吸込み側A1)には、風胴3に取付けたガード5と、ガード5に架承されるモータ6と、モータ6駆動のファン7と、を備える。他方側(吹出し側A2)には、環状の誘導筒9と、この誘導筒9に内装した整流翼8と、を備えている。
【0026】
ガード5は、ファン7を包み込む環状室Bを形成する複数本のガード線材5aと、この複数本のガード線材5aを環状に支持する、少なくとも、環状方向Cに配した二本一組の六本のガード骨線材5bとを編成して構成する。
【0027】
モータ6はモータケース6a内に収容されており、このモータケース6aの外周面には複数の支持片6bが突出形成されている。
【0028】
そこで、図5図6とを参照して、支持片6bとガード5の緊締を説明すると、支持片6bと、ガード5との間に、横設したボルト10とナット11(ダブルナット11による緊締)を横設支持する。その際に、横設したボルト10に、送風機Aの吸込み側A1より、二枚の第1・第2平座金12、13の中心位置(中心位置を省略することも有り得る)を設け、この第1・第2平座金12、13間に望ましくは、複数枚(又は一枚も有り得る、以下同じ)の第1・第2緩衝体14、15を設ける。続いて、ガード5のガード骨線材5bの中心位置に設け、必要により、ガード5のガード取付板16の中心位置を設ける。次に、ワッシャを介して、二枚の第3・第4平座金17、18を設け、この第3・第4平座金17、18間に設けた、複数枚で一組の第3・第4緩衝体19、20を支持片6bに挟み込むように設ける。このように、ナット11、及び/又は、支持片6bに設けた、これらの第1・第2平座金12、13~第3・第4緩衝体19、20等は、当該ナット11をボルト10に螺着することで、緊締支持される。尚、第1・第2平座金12、13~第3・第4緩衝体19、20等の枚数とか、厚みに関しては一例である。また、この一例では、支持片6b等をガード5内に入れ、第1・第2平座金12、13と、第1・第2緩衝体14、15を、ガード5内外に設けることで、例えば、スッキリした構成となる。尚、図示しないがガードを備えない構造にも工夫で採用できる。
【0029】
前述した図6の順序は一例であり、限定されない。例えば、図示しないが、前述の逆のパターン(構成)がある。即ち、支持片6b、第3・第4平座金17、18、及び第3・第4緩衝体19・20を、ガード5外に設け、第1・第2平座金12、13と、第1・第2緩衝体14、15、及びガード取付板16を、ガード5内に設けた構成であり、一部を隠ぺいする構成である。
【0030】
図中、21はボルト10の軸10Aに被嵌したシリコーンチューブで、緩衝効果と振動・ガタ防止、又は騒音防止等に役立てる。
【0031】
以上の取付け順序は、一例であって、ガード取付板16、又はガード5等の構成により変更される。その他として、例えば、取付状況とか、価格、及び/又は、大きさ等のその他の理由により変更される。即ち、順序は自由な構成と考えられる。
【0032】
前述した各実施例等は、本発明の好ましい一例の説明である。各実施例とか図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造とか、同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0033】
1 基台
2 支持具
3 風胴
5 ガード
5a ガード線材
5b ガード骨線材
6 モータ
6a モータケース
6b 支持片
7 ファン
8 整流翼
9 誘導筒
10 ボルト
10A 軸
11 ナット
12 第1平座金
13 第2平座金
14 第1緩衝体
15 第2緩衝体
16 ガード取付板
17 第3平座金
18 第4平座金
19 第3緩衝体
20 第4緩衝体
21 シリコーンチューブ
A 送風機
A1 吸込み側
A2 吹出し側
B 環状室
C 環状方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6