(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】酸化染毛剤または脱色剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20240918BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20240918BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20240918BHJP
A61Q 5/08 20060101ALI20240918BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/41
A61Q5/10
A61Q5/08
A61K8/86
(21)【出願番号】P 2020119355
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】502439647
【氏名又は名称】株式会社ダリヤ
(72)【発明者】
【氏名】松崎 晃一
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-309519(JP,A)
【文献】特開平04-230313(JP,A)
【文献】特開平01-272517(JP,A)
【文献】特開2008-019203(JP,A)
【文献】特開昭63-139106(JP,A)
【文献】Cream Hair Color(ID: 6416327),Mintel GNPD [online],2019年03月,[検索日;2023年12月19日],https://www.gnpd.com,成分、商品説明、訴求内容
【文献】Hair Color(ID: 6416329),Mintel GNPD [online],2019年03月,[検索日;2023年12月19日],https://www.gnpd.com,成分、商品説明、訴求内容
【文献】Hair Color Remake (ID: 4885601),Mintel GNPD [online],2017年06月,[検索日;2023年12月19日], https://www.gnpd.com,成分、商品説明、訴求内容
【文献】Creamy Milk Hair Color(ID:1290724),Mintel GNPD [online],2010年02月,[検索日;2023年12月19日],https://www.gnpd.com,成分、商品説明、訴求内容
【文献】Creamy Milk Hair Color (ID: 1203286),Mintel GNPD [online],2009年09月,[検索日;2023年12月19日], https://www.gnpd.com,成分、商品説明、訴求内容
【文献】Hair Color (ID: 2019439),Mintel GNPD[online],2013年02月,[検索日;2024年2月6日],https://www.gnpd.com,成分、商品説明、訴求内容
【文献】Prism Magic Hair Color (Mocha au Lait Natural Gloss Type) (ID: 920715),Mintel GNPD [online],2008年05月,[検索日;2024年2月6日],https://www.gnpd.com,成分、商品説明、訴求内容
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61K 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ剤を含有する第1剤組成物および酸化剤を含有する第2剤組成物を含む酸化染毛剤または脱色剤組成物であって、
前記第1剤組成物および前記第2剤組成物はともに、
(A)
POE(1)セチルエーテル、POE(1)ステアリルエーテルまたはPOE(1)べべニルエーテルから選ばれる1種以上
(B)前記(A)成分以外のノニオン性界面活性剤
を含有
し、前記第1剤組成物中の(A)成分の含有量が1~25質量%、(B)成分の含有量が0.15~13.5質量%、前記第2剤組成物中の(A)成分の含有量が4~30質量%、(B)成分の含有量が0.5~10質量%である酸化染毛剤または脱色剤組成物。
【請求項2】
前記第1剤組成物中の炭素数12~24の高級アルコールの含有量が、2質量%以下であることを特徴とする請求項
1に記載の酸化染毛剤または脱色剤組成物。
【請求項3】
前記第2剤組成物中の炭素数12~24の高級アルコールの含有量が、2質量%以下であることを特徴とする請求項
1または請求項2に記載の酸化染毛剤または脱色剤組成物。
【請求項4】
前記第1剤組成物の20℃における粘度が、3,000~100,000mPa・sであることを特徴とする請求項
1から請求項3のいずれか一項に記載の酸化染毛剤または脱色剤組成物。
【請求項5】
前記第2剤組成物の20℃における粘度が、3,000~100,000mPa・sであることを特徴とする請求項
1から請求項4のいずれか一項に記載の酸化染毛剤または脱色剤組成物。
【請求項6】
前記酸化染毛剤または脱色剤組成物中の炭素数12~24の高級アルコールの含有量が、2質量%以下であることを特徴とする請求項
1から請求項5のいずれか一項に記載の酸化染毛剤または脱色剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化染毛剤または脱色剤組成物に関する。さらに詳しくは、アルカリ剤を含有する第1剤組成物および酸化剤を含有する第2剤組成物を含む酸化染毛剤または脱色剤組成物であって、常温保存時と比較し、低温保存時において、容器からの吐出性および毛髪上での伸び性に影響がない酸化染毛剤または脱色剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のファッション意識の高まりから、手軽に髪の色を変化させることのできるヘアカラーリング剤は、男女問わず多くの人に受け入れられている。ヘアカラーリング剤には、永久染毛剤(酸化染毛剤や非酸化染毛剤)、半永久染毛料(カラートリートメントやヘアマニキュア)、脱色剤および一時着色料など、様々な種類があり、それぞれのニーズによって使用される。中でも酸化染毛剤および脱色剤は、染毛および脱色効果に優れ、この特性から現在多くの人に使用されているヘアカラーリング剤である。
【0003】
酸化染毛剤および脱色剤として、酸化染料を含有し、あるいは含有せず、アルカリ剤を含有する第1剤組成物と、過酸化水素などの酸化剤を含有する第2剤組成物からなる二剤式が広く利用されている。これらは、使用の直前にトレーやボトル状の容器で予め第1剤組成物および第2剤組成物を混合してから毛髪上に塗布する方法や、ブラシなどを用いて毛髪上で混合する方法などがある。いずれの使用方法においても、使用性や均染性の観点から、良好な毛髪上での伸び性が求められ、これまでにいくつかの酸化染毛剤または脱色剤組成物が提案されている(特許文献1および特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-247742号公報
【文献】特開2018-188397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
酸化染毛剤または脱色剤組成物は、第1剤組成物および第2剤組成物を任意の比率で混合することにより得られるが、混合と同時にアルカリ剤および酸化剤が酸化還元反応を起こすことから、第1剤組成物および第2剤組成物は使用時直前まで各種容器(ポリ容器、アルミチューブ容器、ポリチューブ容器、エアゾール容器、パウチ容器など)に別々に保存される。従って、第1剤組成物および第2剤組成物の粘度は、毛髪上での伸び性および前記容器からの吐出性を考慮して、適宜設定される。乳化組成物の場合、粘度調整に炭素数12~24の高級アルコールを用いることが多く、また高級アルコールは乳化安定性を高める作用も有する。
【0006】
ところで、冷暖房機器を使用している場合の一般的な室温は15℃~25℃程度(本発明において、常温を意味する)であるが、冬場に暖房機器を使用しない場合や、寒冷地での倉庫の室温は0℃~10℃程度(本発明において、低温を意味する)まで低下することもあり、このような環境下で第1剤組成物および第2剤組成物が長期保存されることもある。
【0007】
第1剤組成物および第2剤組成物は、乳化組成物の場合、前記したように粘度調整と乳化安定性の観点から、炭素数12~24の高級アルコールを含有する。しかしながら、炭素数12~24の高級アルコールは低温環境下では結晶化が促進され、乳化組成物の経時的な粘度上昇が起こり、結果として容器からの吐出性(エアゾール容器の場合、第1剤組成物および第2剤組成物の同時吐出性も包含する)の低下を引き起こす。
【0008】
また、低温保存下で粘度上昇した第1剤組成物および第2剤組成物を混合して得られる酸化染毛剤または脱色剤組成物は、常温保存下の場合と比べ、毛髪上での伸び性が低下し、結果として均染性の低下などを引き起こす恐れがある。
【0009】
従って、低温保存時においても粘度変化が少なく、容器からの吐出性および毛髪上での伸び性に影響がない酸化染毛剤または脱色剤組成物が求められる。
【0010】
しかしながら、先行技術文献に示したいずれの特許文献においても、常温における毛髪上での伸び性については検討がなされていたが、低温保存時における容器からの吐出性および毛髪上での伸び性については考慮されていなかった。
【0011】
そこで本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、アルカリ剤を含有する第1剤組成物および酸化剤を含有する第2剤組成物を含む酸化染毛剤または脱色剤組成物であって、常温保存時と比較し、低温保存時において、容器からの吐出性および毛髪上での伸び性に影響がない酸化染毛剤または脱色剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、アルカリ剤を含有する第1剤組成物および酸化剤を含有する第2剤組成物を含む酸化染毛剤または脱色剤組成物であって、前記第1剤組成物および前記第2剤組成物はともに、(A)エチレンオキシドの付加モル数が1であるポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤、(B)前記(A)成分以外のノニオン性界面活性剤を含有させることにより、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、アルカリ剤を含有する第1剤組成物および酸化剤を含有する第2剤組成物を含む酸化染毛剤または脱色剤組成物であって、
前記第1剤組成物および前記第2剤組成物はともに、
(A)エチレンオキシドの付加モル数が1であるポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤
(B)前記(A)成分以外のノニオン性界面活性剤
を含有することを特徴とする酸化染毛剤または脱色剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の酸化染毛剤または脱色剤組成物は、アルカリ剤を含有する第1剤組成物および酸化剤を含有する第2剤組成物を含む酸化染毛剤または脱色剤組成物であって、常温保存時と比較し、低温保存時において、容器からの吐出性および毛髪上での伸び性に影響がない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、含有量を示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
【0016】
本発明における常温とは15℃~25℃程度を、低温とは0℃~10℃程度を意味するものである。
【0017】
本発明における容器からの吐出性とは、具体的に、容器からの第1剤組成物または第2剤組成物の出しやすさを意味する。例えばアルミチューブ容器からの出しやすさ、パウチ容器からの出しやすさ、また、エアゾール容器の場合は一定時間における第1剤組成物および第2剤組成物各々の吐出量、第1剤組成物および第2剤組成物の同時吐出性などを意味するものである。
【0018】
本発明の第1剤組成物について説明する。
【0019】
本発明における第1剤組成物は、低温保存時における容器からの吐出性の観点から、(A)エチレンオキシドの付加モル数が1であるポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤を含有する。
【0020】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記(A)成分としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEという)(1)カプリリルエーテル、POE(1)ウンデシルエーテル、POE(1)ラウリルエーテル、POE(1)トリデシルエーテル、POE(1)ミリスチルエーテル、POE(1)ペンタデシルエーテル、POE(1)セチルエーテル、POE(1)パルミトイルエーテル、POE(1)ヘプタデシルエーテル、POE(1)ステアリルエーテル、POE(1)イソステアリルエーテル、POE(1)オレイルエーテル、POE(1)リノレイルエーテル、POE(1)ノナデシルエーテル、POE(1)アラキジルエーテル、POE(1)ヘンイコシルエーテル、POE(1)ベヘニルエーテル、POE(1)エルシルエーテル、POE(1)リグノセリルエーテル、POE(1)セリルエーテル、POE(1)モンタニルエーテルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。その中でも、低温保存時における容器からの吐出性の観点から、POE(1)セチルエーテル、POE(1)ステアリルエーテル、POE(1)ベヘニルエーテルが好ましい。なお、POEの後の括弧内の数字はエチレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0021】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記(A)成分の含有量は、特に限定されないが、1~25%が好ましい。前記(A)成分の含有量が1%未満の場合、乳化安定性および第2剤組成物との混合性が低下する恐れがある。また前記(A)成分の含有量が25%を超える場合、第2剤組成物との混合性が低下する恐れがある。
【0022】
本発明における第1剤組成物は、低温保存時における容器からの吐出性の観点から、(B)前記(A)成分以外のノニオン性界面活性剤を含有する。
【0023】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記(B)成分としては、特に限定されないが、例えば、前記(A)成分以外のPOEアルキルエーテル、POEポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEフィトステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。
【0024】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記(A)成分以外のPOEアルキルエーテルの具体例としては、POE(5)デシルエーテル、POE(6)デシルエーテル、POE(2)ラウリルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル、POE(4)ラウリルエーテル、POE(5)ラウリルエーテル、POE(7)ラウリルエーテル、POE(8)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(12)ラウリルエーテル、POE(15)ラウリルエーテル、POE(19)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POE(30)ラウリルエーテル、POE(40)ラウリルエーテル、POE(3)トリデシルエーテル、POE(5)トリデシルエーテル、POE(7)トリデシルエーテル、POE(8)トリデシルエーテル、POE(9)トリデシルエーテル、POE(10)トリデシルエーテル、POE(12)トリデシルエーテル、POE(15)トリデシルエーテル、POE(20)トリデシルエーテル、POE(2)セチルエーテル、POE(5)セチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(8)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(13)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(23)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(150)セチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(3)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(5)ステアリルエーテル、POE(7)ステアリルエーテル、POE(10)ステアリルエーテル、POE(11)ステアリルエーテル、POE(15)ステアリルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(30)ステアリルエーテル、POE(40)ステアリルエーテル、POE(50)ステアリルエーテル、POE(100)ステアリルエーテル、POE(8)イソステアリルエーテル、POE(12)イソステアリルエーテル、POE(16)イソステアリルエーテル、POE(2)オレイルエーテル、POE(5)オレイルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(9)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテルなどが挙げられる。
【0025】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記POEPOPアルキルエーテルの具体例としては、POE(7)POP(2)デシルエーテル、POE(10)POP(2)デシルエーテル、POE(1)POP(4)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(30)POP(4)ステアリルエーテル、POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテルなどが挙げられる。なお、POPの後の括弧内の数字はプロピレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0026】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノウンデシレン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリルなどが挙げられる。
【0027】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸ポリグリセリル-4、モノラウリン酸ポリグリセリル-6、モノラウリン酸ポリグリセリル-10、モノミリスチン酸ポリグリセリル-10、モノステアリン酸ポリグリセリル-2、モノステアリン酸ポリグリセリル-4、モノステアリン酸ポリグリセリル-6、モノステアリン酸ポリグリセリル-10、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-4、モノオレイン酸ポリグリセリル-10、ジオレイン酸ポリグリセリル-6、トリオレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10などが挙げられる。なお、ポリグリセリルの後の数字はグリセリンの重合数を意味する。
【0028】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記POEグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノステアリン酸POE(5)グリセリル、モノステアリン酸POE(15)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(5)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(8)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(10)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(20)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(10)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(15)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(20)グリセリル、モノオレイン酸POE(5)グリセリル、モノオレイン酸POE(15)グリセリルなどが挙げられる。
【0029】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記ソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0030】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記POEソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン、イソステアリン酸POE(20)ソルビタン、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(6)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタンなどが挙げられる。
【0031】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記POEソルビット脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット、テトライソステアリン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビットなどが挙げられる。
【0032】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記POE硬化ヒマシ油の具体例としては、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0033】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記POEフィトステロールの具体例としては、POE(5)フィトステロール、POE(10)フィトステロール、POE(20)フィトステロール、POE(30)フィトステロールなどが挙げられる。
【0034】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルの具体例としては、POE(9)モノラウリン酸エステル、POE(10)モノラウリン酸エステル、POE(6)モノステアリン酸エステル、POE(9)モノステアリン酸エステル、POE(10)モノステアリン酸エステル、POE(23)モノステアリン酸エステル、POE(25)モノステアリン酸エステル、POE(40)モノステアリン酸エステル、POE(45)モノステアリン酸エステル、POE(55)モノステアリン酸エステル、POE(150)ジステアリン酸エステル、POE(250)ジステアリン酸エステル、POE(8)ジイソステアリン酸エステル、POE(5)モノオレイン酸エステル、POE(6)モノオレイン酸エステル、POE(9)モノオレイン酸エステル、POE(10)モノオレイン酸エステル、POE(14)モノオレイン酸エステル、POE(16)モノオレイン酸エステルなどが挙げられる。
【0035】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記(B)成分の含有量は、特に限定されないが、0.15~13.5%が好ましい。前記(B)成分の含有量が0.15%未満の場合、あるいは前記(B)成分の含有量が13.5%を超える場合、乳化安定性が低下する恐れがある
【0036】
本発明における第1剤組成物は、染毛性の観点から、酸化染料を含有することができる。
【0037】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記酸化染料としては、特に限定されないが、例えば、パラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、オルトアミノフェノール、パラアミノフェノール、メタアミノフェノール、5-アミノオルトクレゾール、2,6-ジアミノピリジン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1-ナフトール、レゾルシンおよびそれらの塩類などが挙げられ、その他、「医薬部外品原料規格2006 統合版」(2013年11月発行、薬事日報社)に収載されたものも適宜用いることができる。これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0038】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記酸化染料の含有量は、特に限定されないが、0.2~10%が好ましく、1~8%がより好ましく、2~6%がさらに好ましい。前記酸化染料の含有量が0.2%未満の場合、十分な染毛性が得られない恐れがある。また前記酸化染料の含有量が10%を超える場合、染毛性はそれ以上の向上を期待できにくい。
【0039】
なお、本発明における酸化染料の含有量とは、酸化染料の純分換算の含有量を意味する。例えば、塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノールなどの塩の形態の酸化染料については、塩ではない形態における質量に換算した含有量を意味する。
【0040】
本発明における第1剤組成物は、染毛性および脱色性の観点からアルカリ剤を含有する。
【0041】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記アルカリ剤としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、アルカノールアミン、有機アミン、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、塩基性アミノ酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0042】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
【0043】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記有機アミンの具体例としては、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、モルホリン、グアニジンなどが挙げられる。
【0044】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。
【0045】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記塩基性アミノ酸の具体例としては、アルギニン、リジン、ヒスチジンなどが挙げられる。
【0046】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記炭酸塩の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0047】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
【0048】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記メタケイ酸塩の具体例としては、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0049】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記リン酸塩の具体例としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウムなどが挙げられる。
【0050】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記アルカリ剤は、染毛性および脱色性の観点から、アンモニア、アルカノールアミンが好ましい。
【0051】
本発明における第1剤組成物で用いられる前記アルカリ剤の含有量は、特に限定されないが、0.5~8%が好ましい。前記アルカリ剤の含有量が0.5%未満の場合、十分な染毛性および脱色性が得られない恐れがある。また前記アルカリ剤の含有量が8%を超える場合、染毛性および脱色性はそれ以上の向上を期待できにくい。
【0052】
本発明における第1剤組成物は、粘度調整の観点から、炭素数12~24の高級アルコールを含有することができる。
【0053】
前記炭素数12~24の高級アルコールの具体例としては、例えば、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、2-デシルテトラデカノールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0054】
前記炭素数12~24の高級アルコールの含有量は、特に限定されないが、2%以下であることが好ましく、1%以下がより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。前記炭素数12~24の高級アルコールの含有量が2%を超える場合、低温保存時における容器からの吐出性が低下する恐れがある。
【0055】
なお、本発明における実質的に含有しないとは、意図して含有させないという意味であり、不可避的に含有する場合を包含するという趣旨でもある。
【0056】
本発明における第1剤組成物は、油性成分を含有することができる。
【0057】
前記油性成分としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素、油脂、ロウ、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーンなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。
【0058】
前記炭化水素の具体例としては、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、セレシンなどが挙げられる。
【0059】
前記油脂の具体例としては、オリーブ油、ツバキ油、シア油、ヒマワリ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、マカダミアンナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、アボガド油、モモ核油、ローズヒップ油、アルガン油、オレンジ油、イランイラン花油、キョウニン油、コーン油、ザクロ種子油、ゴマ油、スペアミント油、トウツバキ種子油、ハッカ油、ヒポファエラムノイデス種子油、ニゲラサチバ種子油、ニオイテングクアオイ油、ベルガモット種子油、ヘマチ種子油、ミンク油、メドウフォーム油、ユーカリ油、ユチャ油、レモン果実油、ローズマリー油、サンフラワー油落下生油、綿実油、ピスタシオ油、ククイナッツ油などが挙げられる。
【0060】
前記ロウの具体例としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、コメヌカロウ、セラックロウ、ラノリンなどが挙げられる。
【0061】
前記高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン酸などが挙げられる。
【0062】
前記アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル、ジイソノニルエーテルなどが挙げられる。
【0063】
前記エステルの具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、リノール酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレンギリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメリロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2-ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2-オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-オクチルなどが挙げられる。
【0064】
前記シリコーンの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
【0065】
前記油性成分の含有量は、特に限定されないが、0.5~20%が好ましい。前記油性成分の含有量が0.5%未満の場合、十分なすすぎ時の指通りおよび乾燥後の毛髪につや感が得られない恐れがある。また前記油性成分の含有量が20%を超える場合、染毛後の毛髪にべたつきを与える恐れがある。
【0066】
本発明における第1剤組成物は、多価アルコールを含有することができる。
【0067】
前記多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0068】
前記多価アルコールの含有量は、特に限定されないが、0.5~20%が好ましい。前記多価アルコールの含有量が0.5%未満の場合、十分なすすぎ時の指通りが得られない恐れがある。また前記多価アルコールの含有量が20%を超える場合、乳化安定性が低下する恐れがある。
【0069】
本発明における第1剤組成物は、カチオン性界面活性剤を含有することができる。
【0070】
前記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウムなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0071】
前記カチオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、0.5~5%が好ましい。前記カチオン性界面活性剤の含有量が0.5%未満の場合、十分な乾燥後の毛髪の指通りが得られない恐れがある。また前記カチオン性界面活性剤の含有量が5%を超える場合、乳化安定性が低下する恐れがある。
【0072】
本発明における第1剤組成物は、上記成分の他に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で上記成分以外の通常の化粧料、医薬部外品、医薬品などに用いられる各種成分、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、HC染料、界面活性剤、ノニオン性高分子、両性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、保湿剤、増粘剤、薬効成分、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、金属封鎖剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、防腐剤、色素、顔料、粉体、pH調整剤、紫外線吸収剤、香料などから選ばれる1種または2種以上を含有することができる。ただし、これら例示に限定されるものでない。
【0073】
本発明における第1剤組成物の剤型は、毛髪への塗布性および伸び性の観点から、クリーム状、乳液状またはゲル状であることが好ましい。
【0074】
本発明における第1剤組成物の調製直後および使用時の粘度は、20℃の条件下で3,000~100,000mPa・sが好ましく、10,000~70,000mPa・sがより好ましい。第1剤組成物の粘度が3,000mPa・s未満の場合、毛髪への塗布性が低下する恐れがある。また第1剤組成物の粘度が100,000mPa・sを超える場合、容器からの吐出性、第2剤組成物との混合性および毛髪上での伸び性が低下する恐れがある。
【0075】
なお、本発明における調製直後の粘度とは、第1剤組成物または第2剤組成物を常法にて調製後、20℃条件下にて1日間静置し調温した後に、測定した粘度である。
【0076】
本発明における第1剤組成物の粘度は、140g容量のサンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填した第1剤組成物を、20℃に調温した後に、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、4号ローターにて1分間、粘度50,000mPa・s未満では回転速度12rpm、粘度50,000mPa・s以上では回転速度6rpmの条件下で測定したものである。
【0077】
本発明における第1剤組成物の常温保存条件下での粘度は、140g容量のサンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填した第1剤組成物を、20℃の条件下で30日保存した後に、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、4号ローターにて1分間、粘度50,000mPa・s未満では回転速度12rpm、粘度50,000mPa・s以上では回転速度6rpmの条件下で測定したものである。
【0078】
本発明における第1剤組成物の調製直後および使用時のpHは、染毛性および脱色性の観点から、20℃の条件下で9~12が好ましい。
【0079】
なお、本発明における調製直後のpHとは、第1剤組成物または第2剤組成物を常法にて調製後、20℃条件下にて1日間静置し調温した後に、測定したpHである。
【0080】
本発明における第1剤組成物のpHは、第1剤組成物を20℃に調温した後に、ガラス電極式水素イオン濃度指示計(F-71、株式会社堀場製作所製)にて測定したものである。
【0081】
本発明に用いられる第1剤組成物を充填および保存する容器は、特に限定されないが、ポリ容器、アルミチューブ容器、ポリチューブ容器、エアゾール容器、パウチ容器などが挙げられる。
【0082】
本発明の第2剤組成物について説明する。
【0083】
本発明における第2剤組成物は、低温保存時における容器からの吐出性の観点から、(A)エチレンオキシドの付加モル数が1であるポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤を含有する。
【0084】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記(A)成分としては、特に限定されないが、例えば、POE(1)カプリリルエーテル、POE(1)ウンデシルエーテル、POE(1)ラウリルエーテル、POE(1)トリデシルエーテル、POE(1)ミリスチルエーテル、POE(1)ペンタデシルエーテル、POE(1)セチルエーテル、POE(1)パルミトイルエーテル、POE(1)ヘプタデシルエーテル、POE(1)ステアリルエーテル、POE(1)イソステアリルエーテル、POE(1)オレイルエーテル、POE(1)リノレイルエーテル、POE(1)ノナデシルエーテル、POE(1)アラキジルエーテル、POE(1)ヘンイコシルエーテル、POE(1)ベヘニルエーテル、POE(1)エルシルエーテル、POE(1)リグノセリルエーテル、POE(1)セリルエーテル、POE(1)モンタニルエーテルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。その中でも、低温保存時における容器からの吐出性の観点から、POE(1)セチルエーテル、POE(1)ステアリルエーテル、POE(1)ベヘニルエーテルが好ましい。
【0085】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記(A)成分の含有量は、特に限定されないが、4~30%が好ましい。前記(A)成分の含有量が4%未満の場合、乳化安定性および第1剤組成物との混合性が低下する恐れがある。また前記(A)成分の含有量が30%を超える場合、第1剤組成物との混合性が低下する恐れがある。
【0086】
本発明における第2剤組成物は、低温保存時における容器からの吐出性の観点から、(B)前記(A)成分以外のノニオン性界面活性剤を含有する。
【0087】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記(B)成分としては、特に限定されないが、例えば、前記(A)成分以外のPOEアルキルエーテル、POEPOPアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEフィトステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。
【0088】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記(A)成分以外のPOEアルキルエーテルの具体例としては、例えば、POE(5)デシルエーテル、POE(6)デシルエーテル、POE(2)ラウリルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル、POE(4)ラウリルエーテル、POE(5)ラウリルエーテル、POE(7)ラウリルエーテル、POE(8)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(12)ラウリルエーテル、POE(15)ラウリルエーテル、POE(19)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POE(30)ラウリルエーテル、POE(40)ラウリルエーテル、POE(3)トリデシルエーテル、POE(5)トリデシルエーテル、POE(7)トリデシルエーテル、POE(8)トリデシルエーテル、POE(9)トリデシルエーテル、POE(10)トリデシルエーテル、POE(12)トリデシルエーテル、POE(15)トリデシルエーテル、POE(20)トリデシルエーテル、POE(2)セチルエーテル、POE(5)セチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(8)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(13)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(23)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(150)セチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(3)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(5)ステアリルエーテル、POE(7)ステアリルエーテル、POE(10)ステアリルエーテル、POE(11)ステアリルエーテル、POE(15)ステアリルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(30)ステアリルエーテル、POE(40)ステアリルエーテル、POE(50)ステアリルエーテル、POE(100)ステアリルエーテル、POE(8)イソステアリルエーテル、POE(12)イソステアリルエーテル、POE(16)イソステアリルエーテル)、POE(2)オレイルエーテル、POE(5)オレイルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(9)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテルPOE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテルなどが挙げられる。
【0089】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記POEPOPアルキルエーテルの具体例としては、POE(7)POP(2)デシルエーテル、POE(10)POP(2)デシルエーテル、POE(1)POP(4)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(30)POP(4)ステアリルエーテル、POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテルなどが挙げられる。
【0090】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノウンデシレン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリルなどが挙げられる。
【0091】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸ポリグリセリル-4、モノラウリン酸ポリグリセリル-6、モノラウリン酸ポリグリセリル-10、モノミリスチン酸ポリグリセリル-10、モノステアリン酸ポリグリセリル-2、モノステアリン酸ポリグリセリル-4、モノステアリン酸ポリグリセリル-6、モノステアリン酸ポリグリセリル-10、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-4、モノオレイン酸ポリグリセリル-10、ジオレイン酸ポリグリセリル-6、トリオレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10などが挙げられる。
【0092】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記POEグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノステアリン酸POE(5)グリセリル、モノステアリン酸POE(15)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(5)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(8)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(10)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(20)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(10)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(15)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(20)グリセリル、モノオレイン酸POE(5)グリセリル、モノオレイン酸POE(15)グリセリルなどが挙げられる。
【0093】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記ソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0094】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記POEソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン、イソステアリン酸POE(20)ソルビタン、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(6)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタンなどが挙げられる。
【0095】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記POEソルビット脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット、テトライソステアリン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビットなどが挙げられる。
【0096】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記POE硬化ヒマシ油の具体例としては、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0097】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記POEフィトステロールの具体例としては、POE(5)フィトステロール、POE(10)フィトステロール、POE(20)フィトステロール、POE(30)フィトステロールなどが挙げられる。
【0098】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルの具体例としては、POE(9)モノラウリン酸エステル、POE(10)モノラウリン酸エステル、POE(6)モノステアリン酸エステル、POE(9)モノステアリン酸エステル、POE(10)モノステアリン酸エステル、POE(23)モノステアリン酸エステル、POE(25)モノステアリン酸エステル、POE(40)モノステアリン酸エステル、POE(45)モノステアリン酸エステル、POE(55)モノステアリン酸エステル、POE(150)ジステアリン酸エステル、POE(250)ジステアリン酸エステル、POE(8)ジイソステアリン酸エステル、POE(5)モノオレイン酸エステル、POE(6)モノオレイン酸エステル、POE(9)モノオレイン酸エステル、POE(10)モノオレイン酸エステル、POE(14)モノオレイン酸エステル、POE(16)モノオレイン酸エステルなどが挙げられる。
【0099】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記(B)成分の含有量は、特に限定されないが、0.5~10%が好ましい。前記(B)成分の含有量が0.5%未満の場合、あるいは前記(B)成分の含有量が10%を超える場合、乳化安定性が低下する恐れがある
【0100】
本発明における第2剤組成物には、染毛性および脱色性の観点から、酸化剤を含有する。
【0101】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記酸化剤は、特に限定されないが、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、臭素酸ナトリウムなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。その中でも、染毛性および脱色性の観点から、過酸化水素が好ましい。
【0102】
本発明における第2剤組成物で用いられる前記酸化剤の含有量は、特に限定されないが、2~6%が好ましい。前記酸化剤の含有量が2%未満の場合、十分な染毛性および脱色性が得られない恐れがある。また前記酸化剤の含有量が6%を超える場合、毛髪にごわつきなどを与える恐れがある。
【0103】
本発明における第2剤組成物は、粘度調整の観点から、炭素数12~24の高級アルコールを含有することができる。
【0104】
前記炭素数12~24の高級アルコールの具体例としては、特に限定されないが、例えば、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、2-デシルテトラデカノールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0105】
前記炭素数12~24の高級アルコールの含有量は、特に限定されないが、2%以下であることが好ましく、1%以下がより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。前記炭素数12~24の高級アルコールの含有量が2%を超える場合、低温保存時における容器からの吐出性が低下する恐れがある。
【0106】
本発明における第2剤組成物は、すすぎ時の指通りおよび乾燥後の毛髪につや感を付与する観点から、油性成分を含有することができる。
【0107】
前記油性成分としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素、油脂、ロウ、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーンなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。
【0108】
前記炭化水素の具体例としては、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、セレシンなどが挙げられる。
【0109】
前記油脂の具体例としては、オリーブ油、ツバキ油、シア油、ヒマワリ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、マカダミアンナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、アボガド油、モモ核油、ローズヒップ油、アルガン油、オレンジ油、イランイラン花油、キョウニン油、コーン油、ザクロ種子油、ゴマ油、スペアミント油、トウツバキ種子油、ハッカ油、ヒポファエラムノイデス種子油、ニゲラサチバ種子油、ニオイテングクアオイ油、ベルガモット種子油、ヘマチ種子油、ミンク油、メドウフォーム油、ユーカリ油、ユチャ油、レモン果実油、ローズマリー油、サンフラワー油落下生油、綿実油、ピスタシオ油、ククイナッツ油などが挙げられる。
【0110】
前記ロウの具体例としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、コメヌカロウ、セラックロウ、ラノリンなどが挙げられる。
【0111】
前記高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン酸などが挙げられる。
【0112】
前記アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル、ジイソノニルエーテルなどが挙げられる。
【0113】
前記エステルの具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、リノール酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレンギリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメリロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2-ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2-オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-オクチルなどが挙げられる。
【0114】
前記シリコーンの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
【0115】
前記油性成分の含有量は、特に限定されないが、0.5~20%が好ましい。前記油性成分の含有量が0.5%未満の場合、十分なすすぎ時の指通りおよび乾燥後の毛髪につや感が得られない恐れがある。また前記油性成分の含有量が20%を超える場合、染毛後の毛髪にべたつきを与える恐れがある。
【0116】
本発明における第2剤組成物は、すすぎ時の指通りの観点から、多価アルコールを含有することができる。
【0117】
前記多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0118】
前記多価アルコールの含有量は、特に限定されないが、0.5~20%が好ましい。前記多価アルコールの含有量が0.5%未満の場合、十分なすすぎ時の指通りが得られない恐れがある。また前記多価アルコールの含有量が20%を超える場合、乳化安定性が低下する恐れがある。
【0119】
本発明における第2剤組成物は、乾燥後の毛髪の指通りの観点から、カチオン性界面活性剤を含有することができる。
【0120】
前記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウムなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0121】
前記カチオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、0.5~5%が好ましい。前記カチオン性界面活性剤の含有量が0.5%未満の場合、十分な乾燥後の毛髪の指通りが得られない恐れがある。また前記カチオン性界面活性剤の含有量が5%を超える場合、酸化剤の安定性が低下する恐れがある。
【0122】
本発明における第2剤組成物は、酸化剤の安定性を向上させる観点から、酸、金属封鎖剤、pH調整剤を含有することができる。
【0123】
前記酸、金属封鎖剤、pH調整剤は、特に限定されないが、リン酸、エデト酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸およびそれらの塩類、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物などが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。
【0124】
本発明における第2剤組成物は、上記成分の他に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で上記成分以外の通常の化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分、例えば、界面活性剤、ノニオン性高分子、両性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、保湿剤、増粘剤、薬効成分、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、防腐剤、香料などが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。ただし、これら例示に限定されるものでない。
【0125】
本発明における第2剤組成物の剤型は、毛髪への塗布性および伸び性の観点から、クリーム状、乳液状またはゲル状が好ましい。
【0126】
本発明における第2剤組成物の調製直後および使用時の粘度は、20℃の条件下で3,000~100,000mPa・sが好ましく、5,000~50,000mPa・sがより好ましい。第2剤組成物の粘度が3,000mPa・s未満の場合、毛髪への塗布性が低下する恐れがある。また第2剤組成物の粘度が100,000mPa・sを超える場合、容器からの吐出性、第1剤組成物との混合性および毛髪上での伸び性が低下する恐れがある。
【0127】
本発明における第2剤組成物の粘度は、140g容量のサンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填した第2剤組成物を、20℃に調温した後に、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、4号ローターにて1分間、粘度50,000mPa・s未満では回転速度12rpm、粘度50,000mPa・s以上では回転速度6rpmの条件下で測定したものである。
【0128】
本発明における第2剤組成物の常温保存条件下での粘度は、常法にて調製して得られた第2剤組成物を140g容量のサンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填し、20℃の条件下で30日保存した後に、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、4号ローターにて1分間、粘度50,000mPa・s未満では回転速度12rpm、粘度50,000mPa・s以上では回転速度6rpmの条件下で測定したものである。
【0129】
本発明における第2剤組成物の調製直後および使用時のpHは、酸化剤の安定性の観点から、20℃の条件下で1.5~3.5が好ましい。
【0130】
本発明における第2剤組成物のpHは、第2剤組成物を20℃に調温した後に、ガラス電極式水素イオン濃度指示計(F-71、株式会社堀場製作所製)にて測定したものである。
【0131】
本発明に用いられる第2剤組成物を充填および保存する容器は、特に限定されないが、ポリ容器、アルミチューブ容器、ポリチューブ容器、エアゾール容器、パウチ容器などが挙げられる。
【0132】
本発明の酸化染毛剤または脱色剤組成物について説明する。
【0133】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物は、低温保存時における毛髪上での伸び性の観点(A)エチレンオキシドの付加モル数が1であるポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤を含有する。
【0134】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記(A)成分としては、特に限定されないが、例えば、POE(1)カプリリルエーテル、POE(1)ウンデシルエーテル、POE(1)ラウリルエーテル、POE(1)トリデシルエーテル、POE(1)ミリスチルエーテル、POE(1)ペンタデシルエーテル、POE(1)セチルエーテル、POE(1)パルミトイルエーテル、POE(1)ヘプタデシルエーテル、POE(1)ステアリルエーテル、POE(1)イソステアリルエーテル、POE(1)オレイルエーテル、POE(1)リノレイルエーテル、POE(1)ノナデシルエーテル、POE(1)アラキジルエーテル、POE(1)ヘンイコシルエーテル、POE(1)ベヘニルエーテル、POE(1)エルシルエーテル、POE(1)リグノセリルエーテル、POE(1)セリルエーテル、POE(1)モンタニルエーテルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。その中でも、毛髪への塗布性と伸び性の観点から、POE(1)セチルエーテル、POE(1)ステアリルエーテル、POE(1)ベヘニルエーテルが好ましい。
【0135】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記(A)成分の含有量は、特に限定されないが、2.5~27%が好ましい。前記(A)成分の含有量が2.5%未満の場合、毛髪への塗布性が低下する恐れがある。また前記(A)成分の含有量が27%を超える場合、毛髪上での伸び性が低下する恐れがある。
【0136】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物は、低温保存時における毛髪上での伸び性の観点から、(B)前記(A)成分以外のノニオン性界面活性剤を含有する。
【0137】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記(B)成分としては、特に限定されないが、例えば、前記(A)成分以外のPOEアルキルエーテル、POEPOPアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEフィトステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。
【0138】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記(A)成分以外のPOEアルキルエーテルの具体例としては、POE(5)デシルエーテル、POE(6)デシルエーテル、POE(2)ラウリルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル、POE(4)ラウリルエーテル、POE(5)ラウリルエーテル、POE(7)ラウリルエーテル、POE(8)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(12)ラウリルエーテル、POE(15)ラウリルエーテル、POE(19)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POE(30)ラウリルエーテル、POE(40)ラウリルエーテル、POE(3)トリデシルエーテル、POE(5)トリデシルエーテル、POE(7)トリデシルエーテル、POE(8)トリデシルエーテル、POE(9)トリデシルエーテル、POE(10)トリデシルエーテル、POE(12)トリデシルエーテル、POE(15)トリデシルエーテル、POE(20)トリデシルエーテル、POE(2)セチルエーテル、POE(5)セチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(8)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(13)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(23)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(150)セチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(3)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(5)ステアリルエーテル、POE(7)ステアリルエーテル、POE(10)ステアリルエーテル、POE(11)ステアリルエーテル、POE(15)ステアリルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(30)ステアリルエーテル、POE(40)ステアリルエーテル、POE(50)ステアリルエーテル、POE(100)ステアリルエーテル、POE(8)イソステアリルエーテル、POE(12)イソステアリルエーテル、POE(16)イソステアリルエーテル、POE(2)オレイルエーテル、POE(5)オレイルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(9)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテルなどが挙げられる。
【0139】
本発明で用いられる前記POEPOPアルキルエーテルの具体例としては、POE(7)POP(2)デシルエーテル、POE(10)POP(2)デシルエーテル、POE(1)POP(4)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(30)POP(4)ステアリルエーテル、POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテルなどが挙げられる。
【0140】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノウンデシレン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリルなどが挙げられる。
【0141】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸ポリグリセリル-4、モノラウリン酸ポリグリセリル-6、モノラウリン酸ポリグリセリル-10、モノミリスチン酸ポリグリセリル-10、モノステアリン酸ポリグリセリル-2、モノステアリン酸ポリグリセリル-4、モノステアリン酸ポリグリセリル-6、モノステアリン酸ポリグリセリル-10、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-4、モノオレイン酸ポリグリセリル-10、ジオレイン酸ポリグリセリル-6、トリオレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10などが挙げられる。
【0142】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記POEグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノステアリン酸POE(5)グリセリル、モノステアリン酸POE(15)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(5)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(8)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(10)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(20)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(10)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(15)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(20)グリセリル、モノオレイン酸POE(5)グリセリル、モノオレイン酸POE(15)グリセリルなどが挙げられる。
【0143】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記ソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0144】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記POEソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン、イソステアリン酸POE(20)ソルビタン、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(6)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタンなどが挙げられる。
【0145】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記POEソルビット脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット、テトライソステアリン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビットなどが挙げられる。
【0146】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記POE硬化ヒマシ油の具体例としては、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0147】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記POEフィトステロールの具体例としては、POE(5)フィトステロール、POE(10)フィトステロール、POE(20)フィトステロール、POE(30)フィトステロールなどが挙げられる。
【0148】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルの具体例としては、POE(9)モノラウリン酸エステル、POE(10)モノラウリン酸エステル、POE(6)モノステアリン酸エステル、POE(9)モノステアリン酸エステル、POE(10)モノステアリン酸エステル、POE(23)モノステアリン酸エステル、POE(25)モノステアリン酸エステル、POE(40)モノステアリン酸エステル、POE(45)モノステアリン酸エステル、POE(55)モノステアリン酸エステル、POE(150)ジステアリン酸エステル、POE(250)ジステアリン酸エステル、POE(8)ジイソステアリン酸エステル、POE(5)モノオレイン酸エステル、POE(6)モノオレイン酸エステル、POE(9)モノオレイン酸エステル、POE(10)モノオレイン酸エステル、POE(14)モノオレイン酸エステル、POE(16)モノオレイン酸エステルなどが挙げられる。
【0149】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記(B)成分の含有量は、特に限定されないが、0.3~11.5%が好ましい。前記(B)成分の含有量が0.3%未満の場合、あるいは前記(B)成分の含有量が11.5%を超える場合、毛髪への塗布性および伸び性が低下する恐れがある
【0150】
本発明における酸化染毛剤組成物は、染毛性の観点から、酸化染料を含有する。
【0151】
本発明で用いられる前記酸化染料としては、特に限定されないが、例えば、パラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、オルトアミノフェノール、パラアミノフェノール、メタアミノフェノール、5-アミノオルトクレゾール、2,6-ジアミノピリジン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1-ナフトール、レゾルシンおよびそれらの塩類などが挙げられ、その他、「医薬部外品原料規格2006 統合版」(2013年11月発行、薬事日報社)に収載されたものも適宜用いることができる。これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0152】
本発明における酸化染毛剤組成物で用いられる前記酸化染料の含有量は、特に限定されないが、0.05~8%が好ましく、0.2~6%がより好ましく、0.3~5%がさらに好ましい。前記酸化染料の含有量が0.05%未満の場合、十分な染毛性が得られない恐れがある。また前記酸化染料の含有量が8%を超える場合、染毛性はそれ以上の向上を期待できにくい。
【0153】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物は、染毛性および脱色性の観点からアルカリ剤を含有する。
【0154】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記アルカリ剤としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、アルカノールアミン、有機アミン、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、塩基性アミノ酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0155】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
【0156】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記有機アミンの具体例としては、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、モルホリン、グアニジンなどが挙げられる。
【0157】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。
【0158】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記塩基性アミノ酸の具体例としては、アルギニン、リジン、ヒスチジンなどが挙げられる。
【0159】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記炭酸塩の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0160】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
【0161】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記メタケイ酸塩の具体例としては、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0162】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記リン酸塩の具体例としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウムなどが挙げられる。
【0163】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記アルカリ剤は、染毛性と脱色性の観点から、アンモニア、アルカノールアミンが好ましい。
【0164】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記アルカリ剤の含有量は、特に限定されないが、0.2~7%が好ましい。前記アルカリ剤の含有量が0.2%未満の場合、十分な染毛性および脱色性が得られない恐れがある。また前記アルカリ剤の含有量が7%を超える場合、染毛性および脱色性はそれ以上の向上を期待できにくい。
【0165】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物には、染毛性および脱色性の観点から、酸化剤を含有する。
【0166】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記酸化剤は、特に限定されないが、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、臭素酸ナトリウムなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。その中でも、染毛性および脱色性の観点から、過酸化水素が好ましい。
【0167】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物で用いられる前記酸化剤の含有量は、特に限定されないが、0.3~5%が好ましい。前記酸化剤の含有量が0.3%未満の場合、十分な染毛性および脱色性が得られない恐れがある。また前記酸化剤の含有量が5%を超える場合、毛髪にごわつきなどを与える恐れがある。
【0168】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物は、粘度調整の観点から、炭素数12~24の高級アルコールを含有することができる。
【0169】
前記炭素数12~24の高級アルコールの具体例としては、特に限定されないが、例えば、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、2-デシルテトラデカノールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0170】
前記炭素数12~24の高級アルコールの含有量は、特に限定されないが、2%以下であることが好ましく、1%以下がより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。前記炭素数12~24の高級アルコールの含有量が2%を超える場合、低温保存時における毛髪上での伸び性が低下する恐れがある。
【0171】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物は、すすぎ時の指通りおよび乾燥後の毛髪につや感を付与する観点から、油性成分を含有することができる。
【0172】
前記油性成分としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素、油脂、ロウ、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーンなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。
【0173】
前記炭化水素の具体例としては、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、セレシンなどが挙げられる。
【0174】
前記油脂の具体例としては、オリーブ油、ツバキ油、シア油、ヒマワリ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、マカダミアンナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、アボガド油、モモ核油、ローズヒップ油、アルガン油、オレンジ油、イランイラン花油、キョウニン油、コーン油、ザクロ種子油、ゴマ油、スペアミント油、トウツバキ種子油、ハッカ油、ヒポファエラムノイデス種子油、ニゲラサチバ種子油、ニオイテングクアオイ油、ベルガモット種子油、ヘマチ種子油、ミンク油、メドウフォーム油、ユーカリ油、ユチャ油、レモン果実油、ローズマリー油、サンフラワー油落下生油、綿実油、ピスタシオ油、ククイナッツ油などが挙げられる。
【0175】
前記ロウの具体例としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、コメヌカロウ、セラックロウ、ラノリンなどが挙げられる。
【0176】
前記高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン酸などが挙げられる。
【0177】
前記アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル、ジイソノニルエーテルなどが挙げられる。
【0178】
前記エステルの具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、リノール酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレンギリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメリロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2-ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2-オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-オクチルなどが挙げられる。
【0179】
前記シリコーンの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
【0180】
前記油性成分の含有量は、特に限定されないが、0.1~20%が好ましい。前記油性成分の含有量が0.1%未満の場合、十分なすすぎ時の指通りおよび乾燥後の毛髪につや感が得られない恐れがある。また前記油性成分の含有量が20%を超える場合、染毛後の毛髪にべたつきを与える恐れがある。
【0181】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物は、すすぎ時の指通りの観点から、多価アルコールを含有することができる。
【0182】
前記多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0183】
前記多価アルコールの含有量は、特に限定されないが、0.1~20%が好ましい。前記多価アルコールの含有量が0.1%未満の場合、十分なすすぎ時の指通りが得られない恐れがある。また前記多価アルコールの含有量が20%を超える場合、乳化安定性が低下する恐れがある。
【0184】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物は、乾燥後の毛髪の指通りの観点から、カチオン性界面活性剤を含有することができる。
【0185】
前記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウムなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0186】
前記カチオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、0.1~5%が好ましい。前記カチオン性界面活性剤の含有量が0.1%未満の場合、十分な乾燥後の毛髪の指通りが得られない恐れがある。また前記カチオン性界面活性剤の含有量が5%を超える場合、乾燥後の毛髪の指通りはそれ以上の向上を期待できにくい。
【0187】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物は、酸化剤の安定性を向上させる観点から、酸、金属封鎖剤、pH調整剤を含有することができる。
【0188】
前記酸、金属封鎖剤、pH調整剤は、特に限定されないが、リン酸、エデト酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸およびそれらの塩類、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物などが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。
【0189】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物は、上記成分の他に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で上記成分以外の通常の化粧料、医薬部外品、医薬品などに用いられる各種成分、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、HC染料、界面活性剤、ノニオン性高分子、両性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、保湿剤、増粘剤、薬効成分、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、防腐剤、色素、顔料、粉体、紫外線吸収剤、香料などから選ばれる1種または2種以上を含有することができる。ただし、これら例示に限定されるものでない。
【0190】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物の使用時の粘度は、20℃の条件下で3,000~100,000mPa・sが好ましく、7,000~70,000mPa・sがより好ましい。酸化染毛剤または脱色剤組成物の粘度が3,000mPa・s未満の場合、毛髪への塗布性が低下する恐れがある。また酸化染毛剤または脱色剤組成物の粘度が100,000mPa・sを超える場合、毛髪上での伸び性が低下する恐れがある。
【0191】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物の使用時の粘度は、第1剤組成物および第2剤組成物を20℃に調温した後に、100mLのグリフィンビーカーに各々40g量り取り、ガラス棒を用いて均一になるまで混合し、得られた混合物を50mLのグリフィンビーカーに移し、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、4号ローターにて1分間、粘度50,000mPa・s未満では回転速度12rpm、粘度50,000mPa・s以上では回転速度6rpmの条件下で測定したものである。
【0192】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物の「低温保存時における粘度の変化:低温保存条件下での粘度(V5℃)/常温保存条件下での粘度(V20℃)」は、低温保存時でも良好な伸び性を維持する観点から、上限値は1.2以下が好ましく、1.1以下がより好ましく、1.05以下がより好ましい。また、下限値は0.95以上が好ましい。
【0193】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物の低温保存条件下での粘度(V5℃)は、常法にて調製して得られた第1剤組成物および第2剤組成物を、5℃の条件下で30日保存し、100mLのグリフィンビーカーに各々40g量り取り、ガラス棒を用いて均一になるまで混合し、得られた混合物を50mLのグリフィンビーカーに移し、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、4号ローターにて1分間、粘度50,000mPa・s未満では回転速度12rpm、粘度50,000mPa・s以上では回転速度6rpmの条件下で測定したものである。
【0194】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物の常温保存条件下での粘度(V20℃)は、常法にて調製して得られた第1剤組成物および第2剤組成物を、20℃の条件下で30日保存し、100mLのグリフィンビーカーに各々40g量り取り、ガラス棒を用いて均一になるまで混合し、得られた混合物を50mLのグリフィンビーカーに移し、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、4号ローターにて1分間、粘度50,000mPa・s未満では回転速度12rpm、粘度50,000mPa・s以上では回転速度6rpmの条件下で測定したものである。
【0195】
本発明における酸化染毛剤および脱色剤組成物の「低温保存時における粘度の変化:低温保存条件下での粘度(V5℃)/常温保存条件下での粘度(V20℃)」とは、前記の測定法により測定された低温保存条件下での粘度(V5℃)を常温保存条件下での粘度(V20℃)で除した値である。
【0196】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物の使用時のpHは、染毛性および脱色性の観点から、20℃の条件下で7~12が好ましい。
【0197】
本発明における酸化染毛剤または脱色剤組成物のpHは、第1剤組成物および第2剤組成物を20℃に調温した後に、100mLのグリフィンビーカーに各々40g量り取り、ガラス棒を用いて均一になるまで混合し、得られた混合物をガラス電極式水素イオン濃度指示計(F-71、株式会社堀場製作所製)にて測定したものである。
【0198】
本発明のおける酸化染毛剤または脱色剤組成物は、脱色用第1剤組成物および第2剤組成物を混合することで得ることができ、混合方法は特に限定されないが、トレーやカップを用いて混合する方法、ボトル状の容器を用いて振とうさせることにより混合する方法、ブラシや刷毛に用いて毛髪上で混合する方法などが挙げられる。
【0199】
本発明における第1剤組成物および第2剤組成物の混合質量比(第1剤:第2剤)は、特に限定されないが、染毛性および脱色性の観点から、1:5~5:1が好ましく、1:2~2:1がより好ましい。
【0200】
酸化染毛剤または脱色剤組成物は、前記第1剤組成物および前記第2剤組成物からなる二剤式の他に、第3剤組成物などからなる三剤式以上の多剤式であってもよい。
【0201】
三剤式以上の多剤式の場合、本発明の効果を損なわない範囲でアルカリ剤、染料および酸化剤を第1剤組成物および第2剤組成物以外の剤に含有してもよく、脱色力向上のために過硫酸塩や過炭酸塩を含有することもできる。また、油性成分などを配合した毛髪美容液等の剤であってもよい。
【0202】
前記過硫酸塩の具体例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0203】
前記過炭酸塩の具体例としては、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウムなどが挙げられる。
【実施例】
【0204】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0205】
本明細書に示す評価試験において、第1剤組成物、第2剤組成物および酸化染毛剤または脱色剤組成物に含まれる成分およびその含有量を変更しながら実施した。各成分の含有量を示す単位は全て質量%であり、これを常法にて調製した。
【0206】
<低温保存時における容器からの吐出性の変化>
本明細書に示す「低温保存時における容器からの吐出性の変化」に係る評価試験においては、常法にて調製して得られた第1剤組成物あるいは第2剤組成物を、第1剤組成物はアルミチューブ(武内プレス工業株式会社製、外径:25.2mm、内径:24.5mm、肩下寸法:130mm、口径:6.7mm、内面コート:TPL-418、ライニング剤:ハイラップK)に40g充填し、第2剤組成物はアルミチューブ容器(武内プレス工業株式会社製、外径:25.2mm、内径:24.5mm、肩下寸法:130mm、口径:6.7mm、内面コート:TPL-301、内袋:ポリエチレン(厚さ:0.2mm))に40g充填した後、5℃の条件下で30日保存した第1剤組成物あるいは第2剤組成物と20℃の条件下で30日保存した第1剤組成物あるいは第2剤組成物を、各々アルミチューブから全量吐出し、5℃と20℃の保存温度における第1剤組成物あるいは第2剤組成物の容器からの吐出性の差異を、10名のパネラーにより、下記の評価基準のように評価し、その合計点を評価結果として評価した。
【0207】
<低温保存時における容器からの吐出性の変化の評価基準>
5℃と20℃で吐出性に差を感じない :3点
5℃と20℃で吐出性にやや差を感じる:2点
5℃と20℃で吐出性に差を感じる :1点
【0208】
<低温保存時における容器からの吐出性の変化の評価結果>
◎:25点~30点
〇:21点~25点
△:16点~20点
×:10点~15点
【0209】
<低温保存時における毛髪上での伸び性の変化>
本明細書に示す「低温保存時における伸び性の変化」に係る評価試験においては常法にて調製して得られた第1剤組成物および第2剤組成物を、第1剤組成物はアルミチューブ(武内プレス工業株式会社製、外径:25.2mm、内径:24.5mm、肩下寸法:130mm、口径:6.7mm(、内面コート:TPL-418、ライニング剤:ハイラップK)に40g充填し、第2剤組成物はアルミチューブ容器(武内プレス工業株式会社製、外径:25.2mm、内径:24.5mm、肩下寸法:130mm、口径:6.7mm、内面コート:TPL-301、内袋:ポリエチレン(厚さ:0.2mm))に40g充填した後、5℃の条件下で30日保存した第1剤組成物および第2剤組成物と、20℃の条件下で30日保存した第1剤組成物および第2剤組成物を、各剤40g量り取り、カップで均一に混合することにより酸化染毛剤または脱色剤組成物を得た後に、ウィッグ(人毛黒毛100%、ビューラックス社製、型番:クイーン・カットNo.775N)に刷毛を用いて酸化染毛剤または脱色剤組成物を塗布し、酸化染毛剤または脱色剤組成物がウィッグ全体になじむまでブラシでコーミングをした際の、5℃と20℃の保存温度における酸化染毛剤または脱色剤組成物の伸び性の差異を、10名のパネラーにより、下記の評価基準のように評価し、その合計点を評価結果として評価した。
【0210】
<低温保存時における毛髪上での伸び性の変化の評価基準>
5℃と20℃で伸び性に差を感じない :3点
5℃と20℃で伸び性にやや差を感じる:2点
5℃と20℃で伸び性に差を感じる :1点
【0211】
<低温保存時における毛髪上での伸び性の変化の評価結果>
◎:25点~30点
〇:20点~24点
△:15点~19点
×:10点~14点
【0212】
<低温保存時における粘度の変化:低温保存条件下での粘度(V5℃)/常温保存条件下での粘度(V20℃)>
本明細書に示す「低温保存時における粘度の変化:低温保存条件下での粘度(V5℃)/常温保存条件下での粘度(V20℃)」に係る評価試験においては、常法にて調製して得られた第1剤組成物および第2剤組成物を、第1剤組成物はアルミチューブ(武内プレス工業株式会社製、外径:25.2mm、内径:24.5mm、肩下寸法:130mm、口径:6.7mm(、内面コート:TPL-418、ライニング剤:ハイラップK)に40g充填し、第2剤組成物はアルミチューブ容器(武内プレス工業株式会社製、外径:25.2mm、内径:24.5mm、肩下寸法:130mm、口径:6.7mm、内面コート:TPL-301、内袋:ポリエチレン(厚さ:0.2mm))に40g充填した後、5℃の条件下で30日保存した第1剤組成物および第2剤組成物と、20℃の条件下で30日保存した第1剤組成物および第2剤組成物を、100mLのグリフィンビーカーに各々40g量り取り、ガラス棒を用いて均一になるまで混合し、得られた混合物を50mLのグリフィンビーカーに移し、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、4号ローターにて1分間、粘度50,000mPa・s未満では回転速度12rpm、粘度50,000mPa・s以上では回転速度6rpmの条件下で測定し、「(V5℃)/(V20℃)」を算出した。
【0213】
表1の実施例1から実施例12では、第1剤組成物中の前記(A)成分の種類および含有量を代えても、比較例1から比較例3と比較して、低温保存時においても容器からの吐出性に影響がない結果が得られた。
【0214】
【0215】
表2の実施例13から実施例20では、第1剤組成物中の前記(B)成分の種類および含有量を代えても、比較例4と比較して、低温保存時においても容器からの吐出性に変化がない結果が得られた。
【0216】
【0217】
表3の実施例21から実施例31では、第2剤組成物中の前記(A)成分の種類および含有量を代えても、比較例5から比較例7と比較して、低温保存時においても容器からの吐出性に変化がない結果が得られた。
【0218】
【0219】
表4の実施例32から実施例39では、第2剤組成物中の前記(B)成分の種類および含有量を代えても、比較例8と比較して、低温保存時においても容器からの吐出性に変化がない結果が得られた。
【0220】
【0221】
表5の第1剤組成物および第2剤組成物を混合質量比((第1剤:第2剤)=1:1)で混合して得られた酸化染毛剤組成物では、低温保存時における毛髪上での伸び性に変化がない結果が得られた。
【0222】
【0223】
表6に、表5の酸化染毛剤組成物の「低温保存条件下での粘度(V5℃)」を記載する。
なお、表6に記載の数値の単位はmPa・sである。
【0224】
【0225】
【0226】
表7に、表5の酸化染毛剤組成物の「常温保存条件下での粘度(V20℃)」を記載する。
なお、表7に記載の数値の単位はmPa・sである。
【0227】
【0228】
表8に、表5の酸化染毛剤組成物の「低温保存時における粘度の変化:(V5℃)/(V20℃)」を記載する。
【産業上の利用可能性】
【0229】
本発明は、アルカリ剤を含有する第1剤組成物および酸化剤を含有する第2剤組成物を含む酸化染毛剤または脱色剤組成物であって、常温保存時と比較し、低温保存時において、容器からの吐出性、毛髪上での伸び性に影響がない酸化染毛剤または脱色剤組成物を提供することができる。