(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】スリップシート折り曲げ機
(51)【国際特許分類】
B31D 99/00 20170101AFI20240918BHJP
B65D 19/22 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
B31D99/00
B65D19/22 A
(21)【出願番号】P 2022108233
(22)【出願日】2022-07-05
【審査請求日】2023-12-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1) ▲1▼ 試験日 令和04年(2022年)01月11日 ▲2▼ 試験場所 株式会社上田紙工機(静岡県静岡市駿河区丸子新田160) ▲3▼ 見学者 株式会社松本工業所(愛知県春日井市廻間町466) ▲4▼ 公開者 株式会社上田紙工機(静岡県静岡市駿河区丸子新田160) ▲5▼ 公開された発明の内容 株式会社上田紙工機が、上田 司、青山 博紀が発明したスリップシート折り曲げ機を式会社上田紙工機で試験運転し、それを株式会社松本工業所の松本 直行、大澤 優介が見学した。 (2) ▲1▼ 試験日 令和04年(2022年)01月25日 ▲2▼ 試験場所 株式会社上田紙工機(静岡県静岡市駿河区丸子新田160) ▲3▼ 見学者 株式会社松本工業所(愛知県春日井市廻間町466) ▲4▼ 公開者 株式会社上田紙工機(静岡県静岡市駿河区丸子新田160) ▲5▼ 公開された発明の内容 株式会社上田紙工機が、上田 司、青山 博紀が発明したスリップシート折り曲げ機を式会社上田紙工機で試験運転し、それを株式会社松本工業所の松本 直行、大澤 優介が見学した。 (3) ▲1▼ 販売日 令和4年(2022年)02月26日 ▲2▼ 販売場所 株式会社松本工業所(愛知県春日井市廻間町466) ▲3▼ 公開者 株式会社上田紙工機(静岡県静岡市駿河区丸子新田160) ▲4▼ 公開された発明の内容 株式会社上田紙工機が、上田 司、青山 博紀が発明したスリップシート折り曲げ機を、株式会社松本工業所に販売した。
(73)【特許権者】
【識別番号】520452323
【氏名又は名称】株式会社上田紙工機
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】上田 司
(72)【発明者】
【氏名】青山 博紀
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-078427(JP,U)
【文献】特開昭58-065645(JP,A)
【文献】実開昭52-144918(JP,U)
【文献】特開昭50-030678(JP,A)
【文献】米国特許第04544368(US,A)
【文献】韓国登録特許第10-0835386(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31D 99/00
B31B 50/00
B65D 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールシートを搬送する搬送手段と、
上記搬送手段によって搬送される段ボールシートの先端部を折り曲げてスリップシートとする折り曲げ手段と、
を具備
し、
上記折り曲げ手段は上記搬送手段により搬送される上記段ボールシートを下方から支持する下ガイドと、上記下ガイドの上側に回動支点を中心にして回動可能に設置されたホルダと、上記搬送手段により搬送される上記段ボールシートの先端が当接する上記ホルダに取り付けたストッパ部と、段ボールシート先端部の所定位置に当接する上記ホルダに取り付けた爪と、上記ホルダに連結し上記回動支点を中心にして上記ホルダを回動させるプルアップシリンダ機構と、を備えていて、
上記段ボールシートの先端が上記ストッパ部に当接することにより上記ホルダが回動支点を中心にして一方向に回動付勢され、上記段ボールシートがさらに搬送されることにより上記ホルダがさらに一方向に回動付勢され、上記爪が上記段ボールシートの所定位置に当接し、上記段ボールシートがさらに搬送されることにより上記ホルダがさらに一方向に回動付勢され、上記ホルダが上記段ボールシートの当接位置を折り目にして折り曲げることを特徴とするスリップシート折り曲げ機。
【請求項2】
請求項1記載のスリップシート折り曲げ機において、
上記搬送手段には上記折り曲げ手段によって先端部を折り曲げた段ボールシートを折り曲げた状態で挟み込んで搬送する一対の搬送ローラが設置してあることを特徴とするスリップシート折り曲げ機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、
上記ホルダには上記ストッパ部に当接する段ボールシート先端部を支持する支持部材が取り付けてあり、上記爪がパンチに相当し、上記下ガイドと上記支持部材がダイに相当することを特徴とするスリップシート折り曲げ機。
【請求項4】
請求項3記載のスリップシート折り曲げ機において、
上記支持部材は上側に凸の円弧形状をなしていて、上記段ボールシート先端部が折り曲げ動作終了時に支持部材から緩やかに乖離していくように構成されたことを特徴とするスリップシート折り曲げ機。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、
上記プルアップシリンダ機構は上記段ボールシートの先端が上記ストッパ部に当接してから所定期間だけ上記ホルダを上記一方向と反対の他方向に回動付勢して上記段ボールシートに負荷を掛けることを特徴とするスリップシート折り曲げ機。
【請求項6】
請求項4記載のスリップシート折り曲げ機において、
上記プルアップシリンダ機構は所定期間負荷を掛けた後上記段ボールシート先端部を所定角度だけ折り曲げたタイミングで負荷を解除し、同時に、上記プルアップシリンダ機構によって上記ホルダを上記一方向に回動付勢することを特徴とするスリップシート折り曲げ機。
【請求項7】
請求項1又は請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、
上記プルアップシリンダ機構は上記ホルダの幅方向の左右にそれぞれ一基ずつ設置してあることを特徴とするスリップシート折り曲げ機。
【請求項8】
請求項1又は請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、
支持ロッドが一端を中心にして揺動可能に設置してあり、上記ホルダの回動支点は支持ロッドの他端に設置してあり、上記プルアップシリンダ機構は揺動支点を中心に揺動可能に設置されていて、リフトシリンダ機構が設置してあり、上記一方向に回動付勢されているホルダを他方向に復帰させる際、上記リフトシリンダ機構によって上記支持ロッドを揺動させて、上記ホルダの回動中心の位置を上昇させることを特徴とするスリップシート折り曲げ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスリップシート用に加工された段ボールシートを折り曲げるスリップシート折り曲げ機に係り、特に、多数枚の段ボールシートを効率良く折り曲げてスリップシートとすることができ、スリップシートの必要条件である曲げ角度を安定して確保することができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトを使用して行う荷役作業では下記の特許文献1の第1図a、bに示すような木製の板材と角材等を使用してフォークリフトのフォークを挿入する空間を形成した枠組構造乃至台形状のパレットが従来から使用されている。
しかし、このような枠組構造乃至台形状のパレットは構造上高さ寸法が大きくなるため、使用しない場合に倉庫内に積み重ねておく段数にも制限があり、倉庫内で大きな格納スペースを必要としていた。
【0003】
このような背景の下、開発されたのが下記の特許文献2に記載されている、例えば、樹脂製のいわゆる「スリップシート」である。この種のスリップシートは積み重ねておく際に必要な高さ寸法は板厚となるため、限られた格納スペースにより多くのスリップシートを格納することができ製造コストも安い。
【0004】
又、この種のスリップシートを段ボールシート製もある。この場合にはスリップシート用に加工された段ボールシートを、公知の段ボールシート折り機を使用して折ってスリップトシートとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭51-646号公報
【文献】特開2016-53223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、スリップシート用に加工された段ボールシートを、公知の段ボールシート折り機を使用して折る作業は作業の殆どを作業員の手作業に委ねるものである。すなわち、作業員が段ボールシートを一枚ずつ段ボールシート折り機内に投入するものであり、作業に多くの労力と長い時間を要してしまうという問題があった。
又、従来の段ボールシート折り機を使用した折りではスリップシートの必要条件である曲げ角度を安定して確保することができないという問題もあった。
【0007】
本発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは多数枚の段ボールシートを効率良く折り曲げてスリップシートとすることができ、スリップシートの必要条件である曲げ角度を安定して確保することができるスリップシート折り曲げ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1によるスリップシート折り曲げ機は、段ボールシートを搬送する搬送手段と、上記搬送手段によって搬送される段ボールシートの先端部を折り曲げてスリップシートとする折り曲げ手段と、を具備し、上記折り曲げ手段は上記搬送手段により搬送される上記段ボールシートを下方から支持する下ガイドと、上記下ガイドの上側に回動支点を中心にして回動可能に設置されたホルダと、上記搬送手段により搬送される上記段ボールシートの先端が当接する上記ホルダに取り付けたストッパ部と、段ボールシート先端部の所定位置に当接する上記ホルダに取り付けた爪と、上記ホルダに連結し上記回動支点を中心にして上記ホルダを回動させるプルアップシリンダ機構と、を備えていて、上記段ボールシートの先端が上記ストッパ部に当接することにより上記ホルダが回動支点を中心にして一方向に回動付勢され、上記段ボールシートがさらに搬送されることにより上記ホルダがさらに一方向に回動付勢され、上記爪が上記段ボールシートの所定位置に当接し、上記段ボールシートがさらに搬送されることにより上記ホルダがさらに一方向に回動付勢され、上記ホルダが上記段ボールシートの当接位置を折り目にして折り曲げることを特徴とするものである。
又、請求項2によるスリップシート折り曲げ機は、請求項1記載のスリップシート折り曲げ機において、上記搬送手段には上記折り曲げ手段によって先端部を折り曲げた段ボールシートを折り曲げた状態で挟み込んで搬送する一対の搬送ローラが設置してあることを特徴とするものである。
又、請求項3によるスリップシート折り曲げ機は、請求項1又は請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、上記ホルダには上記ストッパ部に当接する段ボールシート先端部を支持する支持部材が取り付けてあり、上記爪がパンチに相当し、上記下ガイドと上記支持部材がダイに相当することを特徴とするものである。
又、請求項4によるスリップシート折り曲げ機は、請求項3記載のスリップシート折り曲げ機において、上記支持部材は上側に凸の円弧形状をなしていて、上記段ボールシート先端部が折り曲げ動作終了時に支持部材から緩やかに乖離していくように構成されたことを特徴とするものである。
又、請求項5によるスリップシート折り曲げ機は、請求項1又は請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、上記プルアップシリンダ機構は上記段ボールシートの先端が上記ストッパ部に当接してから所定期間だけ上記ホルダを上記一方向と反対の他方向に回動付勢して上記段ボールシートに負荷を掛けることを特徴とするものである。
又、請求項6によるスリップシート折り曲げ機は、請求項4記載のスリップシート折り曲げ機において、上記プルアップシリンダ機構は所定期間負荷を掛けた後上記段ボールシート先端部を所定角度だけ折り曲げたタイミングで負荷を解除し、同時に、上記プルアップシリンダ機構によって上記ホルダを上記一方向に回動付勢することを特徴とするものである。
又、請求項7によるスリップシート折り曲げ機は、請求項1又は請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、上記プルアップシリンダ機構は上記ホルダの幅方向の左右にそれぞれ一基ずつ設置してあることを特徴とするものである。
又、請求項8によるスリップシート折り曲げ機は、請求項1又は請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、支持ロッドが一端を中心にして揺動可能に設置してあり、上記ホルダの回動支点は支持ロッドの他端に設置してあり、上記プルアップシリンダ機構は揺動支点を中心に揺動可能に設置されていて、リフトシリンダ機構が設置してあり、上記一方向に回動付勢されているホルダを他方向に復帰させる際、上記リフトシリンダ機構によって上記支持ロッドを揺動させて、上記ホルダの回動中心の位置を上昇させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
以上に述べたように、本発明の請求項1によるスリップシート折り曲げ機によると、スリップシート用に加工された段ボールシートを搬送する搬送手段と、段ボールシート先端部を折り曲げてスリップシートとする折り曲げ手段と、を具備した構成になっているので、段ボールシートを停止させることなく折り曲げることができ、多数枚の段ボールシートを効率良く折り曲げてスリップシートとすることができる。又、スリップシートの必要条件である曲げ角度を安定して確保することができる。
又、請求項2によるスリップシート折り曲げ機によると、請求項1記載のスリップシート折り曲げ機において、上記折り曲げ手段は上記搬送手段により搬送される段ボールシートを下方から支持する下ガイドと、上記下ガイドの上側に回動支点を中心にして回動可能に設置したホルダと、上記段ボールシートの先端が当接する上記ホルダに設置のストッパ部と、上記段ボールシート先端部の所定位置に当接する上記ホルダに設置の爪と、上記回動支点を中心にして上記ホルダを回動させるプルアップシリンダ機構と、を具備し、上記段ボールシートの先端が上記ストッパ部に当接することにより上記ホルダが回動支点を中心にして一方向に回動付勢され、上記段ボールシートがさらに搬送されることにより上記ホルダがさらに一方向に回動付勢されて上記爪が上記段ボールシート先端部の所定位置に当接し、上記段ボールシートがさらに搬送されることにより上記ホルダがさらに一方向に回動付勢されて上記段ボールシート先端部が上記爪の当接位置を折り目にして折り曲げられるように構成しているので、多数枚の段ボールシートを効率良く折り曲げてスリップシートとすることができる。
又、請求項3によるスリップシート折り曲げ機によると、請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、上記搬送手段には上記折り曲げ手段によって折り曲げられた段ボールシートを折り曲げた状態で挟み込んで搬送する一対の搬送ローラを具備しているので、折り曲げを確実なものとすることができる。
又、請求項4によるスリップシート折り曲げ機によると、請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、上記ホルダには上記ストッパ部に当接する段ボールシートの先端を支持する支持部材が設置してあり、上記爪がパンチに相当し、上記下ガイドとこの支持部材がダイに相当するので、折り曲げを確実なものとすることができる。
又、請求項5によるスリップシート折り曲げ機は請求項4記載のスリップシート折り曲げ機において、上記支持部材は上側に凸の円弧形状をなしていて、上記段ボールシート先端部が折り曲げ動作終了時に支持部材から緩やかに乖離していく構造になっている。
又、請求項6によるスリップシート折り曲げ機によると、請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、上記プルアップシリンダ機構は上記段ボールシートの先端が上記ストッパ部に当接してから所定期間だけ上記ホルダを上記一方向と反対の他方向に回動付勢して負荷を掛けるものであるので、折り曲げを確実なものとすることができる。
又、請求項7によるスリップシート折り曲げ機によると、請求項6記載のスリップシート折り曲げ機において、上記プルアップシリンダ機構は所定期間負荷を掛けた後上記段ボールシート先端部が所定角度だけ折り曲げたタイミングで負荷を解除し、同時に、上記プルアップシリンダ機構によって上記ホルダを上記一方向に回動付勢するようにしたので、折を確実なものとすることができる。
又、請求項8によるスリップシート折り曲げ機によると、請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、上記プルアップシリンダ機構は上記ホルダの幅方向の左右にそれぞれ一基ずつ設置してあるので、左右でバランス良く折り曲げ動作を行うことができる。
又、請求項9によるスリップシート折り曲げ機によると、請求項2記載のスリップシート折り曲げ機において、支持ロッドは一端に上記ホルダの回動支点を、他端に揺動可能な揺動支点を備え、リフトシリンダ機構が設置してあり、上記一方向に回動付勢するホルダを他方向に復帰する際、上記リフトシリンダ機構によって上記支持ロッドを揺動させて、上記ホルダの回動支点の位置が上昇するので、ホルダを他方向に復帰する際、上記爪と下ガイドの接触を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシートの使用状態を示す側面図である。
【
図2】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシートを示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機を示す左側面図である。
【
図4】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機を示す正面図である。
【
図5】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機を示す平面図である。
【
図6】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機の要部を示す斜視図である。
【
図7】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機のローラ駆動部を示す右側面図である。
【
図8】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機のローラ駆動部を示す平面図である。
【
図9】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機のローラ駆動伝達機構を示す右側面図である。
【
図10】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機のローラ駆動伝達機構を示す
図9中のX-X断面図である。
【
図11】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機のローラ駆動伝達機構を示す
図9中のXI-XI断面図である。
【
図12】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機のローラ駆動伝達機構を示す
図9中のXII-XII断面図である。
【
図13】本発明の一実施の形態を示す図で、スリップシート折り曲げ機のローラ駆動伝達機構を示す
図9中のXIII-XIII断面図である。
【
図14】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図15】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図16】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図17】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図18】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図19】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図20】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図21】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図22】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図23】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図24】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図25】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図26】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図27】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図28】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図29】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図30】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図31】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図32】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【
図33】本発明の一実施の形態を示す図で、折り曲げ作用を順番に示すスリップシート折り曲げ機の要部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1~
図33を参照して本発明の一実施の形態によるスリップシート折り曲げ機について説明する。
尚、以下の説明では最初に、
図1及び
図2に基づいてスリップシートの構成と使用状態について説明する。次に、
図3~
図6に基づいて本実施の形態によるスリップシート折り曲げ機の全体構成の概略について説明する。
【0012】
次に、
図3~
図13に基づいて本実施の形態によるスリップシート折り曲げ機の要部の構成を具体的に説明し、
図14~
図33に基づいて本実施の形態によるスリップシート折り曲げ機による折り曲げ作用について説明する。
最後に、上記実施の形態とは部分的構成を異にするスリップシート折り曲げ機の他の実施の形態について言及する。
【0013】
(1)スリップシートの構成と使用状態(
図1及び
図2参照)
スリップシート1は
図1、
図2に示すように、フォークリフト3等を使用して荷役作業をする場合に使用されるものである。具体的には荷物Wを載せるシート本体5と、上記シート本体5の一端部13に折り目7を形成して所定の角度α折り曲げることによって形成される折り曲げ片9と、上記折り目7を跨いで、上記シート本体5の一端部13と上記折り曲げ片9とに貼設される補強片11と、を備えることによって基本的に構成される。
【0014】
上記スリップシート1を使用する場合には
図1に示すように、床面Fに折曲げ片9が上になる向きでのスリップシート1を敷き、その上に荷物Wを載せる。
次に、折り曲げ片9が形成されている側からフォークリフト3を接近させて、プッシュプルアタッチメント17によって上記折り曲げ片9を把持し、スリップシート1を手前に引いてフォーク19上に載せる。
【0015】
尚、上記プッシュプルアタッチメント17はスリップシート等の薄いシートで荷役を行うためのフォークリフトのアタッチメント機構である。
【0016】
以後は枠組構造、台形状の従来の木製乃至樹脂製のパレットと同様、フォーク17を上昇させて荷物Wとスリップシート1を持ち上げ、目的の位置まで運んで所定の荷役作業を実行する。
【0017】
(2)スリップシート折り曲げ機の全体構成の概略(
図3~
図6参照)
本発明のスリップシート折り曲げ機21は上記スリップシート1用に加工された段ボールシートA用の折り曲げ機になっており、具体的には段ボールシートAを搬入側(
図3中右側)から搬出側(
図3中左側)まで搬送する搬送手段23と、この搬送手段23の途中に設けられた折り曲げ手段25と、を具備することによって基本的に構成される。
【0018】
まず、搬送手段23の構成から説明する。
図3に示すように、まず、支持架台29があり、この支持架台29上には左右右1枚ずつの側部フレーム31、31が搬送方向Yに沿って延長して設置してある。側部フレーム31、31には左右1枚ずつ計2枚のローラ支持ブラケット33、33が取り付けてある。これら左右のローラ支持ブラケット33、33間には1本の搬送ローラ35が回転可能に設置してある。ローラ支持ブラケット33、33、搬送ローラ35は搬送方向Yに沿って所定範囲内で移動可能に構成してある。搬送ローラ35は図示しない駆動モータにクラッチ(図示せず)を介して連結してある。
【0019】
又、搬送ローラ35の前方(
図3中左側)には落下防止ローラ36が回転可能に設置してある。
尚、支持架台29の下部には一例としてキャスタ37とアンカーボルト39が4個ずつ取り付けてある。
【0020】
支持架台29上であって落下防止ローラ36の前方(
図3中左側)には左右2枚の側板41、41が立設してある。左右の側板41、41間には一例として4本架け渡してある下側駆動ローラ43A、43B、43C、43Dと、このうち搬送方向Yの上流側の1本の下側駆動ローラ43Dを除く、3本の下側駆動ローラ43A、43B、43Cに対して上方から対向・配置する3組の上側駆動ローラユニット45A、45B、45Cと、上記4本の下側駆動ローラ43A、43B、43C、43Dに動力を付与するローラ駆動部51と、上記ローラ駆動部51の動力を上記4本の下側駆動ローラ43A、43B、43C、43Dに伝えるローラ駆動伝達機構53と、が備わっている。又、上記下側駆動ローラ43Dの上には前定規46が設置してある。
尚、
図14に示すように、多数枚の段ボールシートAは搬送ローラ35と下側駆動ローラ43Dの上に積層・配置される。多数枚の段ボールシートAの先端15は上記前定規46に当接させる。最下位の段ボールシートAから順次所定のタイミンクで前定規46と下側駆動ローラ43Dの間を通ってY方向に搬送される。
【0021】
又、各部の制御を司る制御装置57と、段ボールシートAの所定位置Oと別の所定位置Pとを検出するセンサ59A、59Bと、が一例として備えてある。センサ59A、59Bは例えば、光電管センサである。
【0022】
又、
図3及び
図5に示すように、下側駆動ローラ43A、駆動ローラユニット45Aの前方(
図3中左側)には支持架台29から搬送方向Yの下流に向けて延びる水平支持テーブル63が、垂直フレーム61に設置してある。この水平支持テーブル63はその高さを調整可能に構成してある。
【0023】
(3)スリップシート折り曲げ機の要部の構成(
図3~
図14参照)
次に、スリップシート折り曲げ機21の要部となる折り曲げ手段25の構成と、ローラ駆動部51及びローラ駆動伝達機構53の構成について具体的に説明する。
(A)折り曲げ手段25の構成(
図3~
図6及び
図14参照)
折り曲げ手段25は回動支点Cを中心にして回動可能に設置したホルダ67と、先端15が当接するストッパ部69と、先端部13の所定位置(折り目7を形成する位置)に当接する爪71と、ホルダ67に連結するプルアップシリンダ機構73を備えている。
【0024】
搬送手段23により搬送される段ボールシートAの先端15が上記ストッパ部69に当接することにより、ホルダ67が回動支点Cを中心にして一方向(
図14中時計方向)に回動付勢され、段ボールシートAが更に搬送されることによりホルダ67が更に一方向に回動付勢され、爪71が先端部13の所定位置に当接し、段ボールシートAが更に搬送されることによりホルダ67が更に一方向に回動付勢され、先端部13が爪71の当接位置(折り目7)を折り目にして折り曲げられる。
【0025】
支持杆79は一例として幅方向Xの両端にフランジを有した角パイプの部材である。
側板77、77は一例として
図6~
図14に示すような側面形状の部材である。又、支持杆79の両端に取り付ける。
爪71は一例として支持杆79の幅方向Xの長さと略同じ長さの略平板状の部材である。そして、爪71の先端部は下方に45°程度折り曲げており、その先端は斜めにカットし爪部85を形成する。又、折り曲げ部から支持杆79に向けて水平に延びる部分は爪部85の作用位置を決める作用位置設定平板部87になっている。作用位置設定平板部87の基部を支持杆79の下部に取り付ける。
ストッパ部69は一例として矩形断面の平板の部材である。又、作用位置設定平板部87の下面に左右の側板77、77間に適宜の間隔を空けて複数組取り付ける。
支持部材75は一例として薄板であり、先端部を湾曲させ形状である。又、ストッパ部69の下面にストッパ部69と同様に複数組取り付ける。
【0026】
ホルダ67は一例として搬送方向Yの下流から1番目の下側駆動ローラ43A及び上側駆動ローラユニット45Aと、2番目の下側駆動ローラ43B及び上側駆動ローラユニット45Bの間に設置してある。ホルダ67は支持杆79と、側板77、77と、爪71と、ストッパ部69と、支持部材75から構成され、ピストンロッド81の先端部に対して回動自在に接続される回動支点Bと、支持ロッド83の先端部に対して回動自在に接続される回動支点Cが設置してある。
【0027】
上側駆動ローラユニット45Aは一例として
図4に示すように、左右の側板41、41間に水平に架け渡した回転軸47に適宜の間隔を空けて8個の円板状の駆動ローラ49を取り付ける。上側駆動ローラユニット45B、上側駆動ローラユニット45Cも同様である。
【0028】
プルアップシリンダ機構73は揺動支点Dを介して側板41に接続するシリンダ本体80と、シリンダ本体80から軸方向に移動自在に延びるピストンロッド81から構成され、ホルダ67の幅方向Xの左右にそれぞれ1基ずつ設置してある。
又、プルアップシリンダ機構73の下部には揺動支点Eを介して側板41に接続する支持ロッド83が設置してあり、この支持ロッド83も、ホルダ67の幅方向Xの左右にそれぞれ一基ずつ設置してある。
【0029】
リフトシリンダ機構84は一例として支持ロッド83の下に設置してある。リフトシリンダ機構84はシリンダ本体86とピストンロッド88から構成され、ホルダ67の幅方向Xの左右にそれぞれ1基ずつ設置してある。
又、ピストンロッド88の先端は支持ロッド83に接触可能な距離にある。リフトシリンダ機構84がPushになると揺動支点Eを中心に
図14中時計方向に支持ロッド83を持ち上げ、その結果、ホルダ67が上昇する。
【0030】
下ガイド74は搬送される段ボールシートAを下から支えるよう設置してある。上ガイド94は下ガイド74の上方に設置してある。
又、下ガイド74と上ガイド94の搬送方向Yの上流部は上下に拡がるように折り曲げてあり、下ガイド74、上ガイド94間への段ボールシートAの進入を容易にしている。
【0031】
本実施の形態においては爪71がパンチとして機能するとともに下ガイド74と支持部材75がダイとして機能する。又、支持部材75はその横断面形状が上側に凸の円弧状であり、先端部13が支持部材75から緩やかに乖離していくようにしてある。
【0032】
(B)ローラ駆動部とローラ駆動伝達機構の構成(
図7~
図13参照)
次に、ローラ駆動部51とローラ駆動伝達機構53とについて説明する。
ローラ駆動部51は一例として
図7及び
図8に示すように、搬送方向Yの上流側から1番目の下側駆動ローラ43Dを駆動する第1ローラ駆動部51Aと、搬送方向Yの上流側から2番目、3番目、4番目の三つの下側駆動ローラ43C、43B、43Aを駆動する第2ローラ駆動部51Bの二基のローラ駆動部から構成される。
【0033】
第1ローラ駆動部51Aは一例としてギヤモータM1とカップリング95と電磁クラッチブレーキ97から構成され、それぞれを直列に連結し、電磁クラッチブレーキ97の出力軸には第1駆動スプロケット99が取り付けてある。
第2ローラ駆動部51Bは一例としてギヤモータM2のみで構成され、ギヤモータM2の出力軸には二枚のスプロケット101A、101Bを一体に備えた第2駆動スプロケット101が取り付けてある。
【0034】
ローラ駆動伝達機構53は一例として
図9~
図13に示すように、搬送方向Yの上流側から1番目の下側駆動ローラ43Dに動力を伝達するための第1ローラ駆動伝達機構53Aと、搬送方向Yの上流側から2番目、3番目、4番目の三つの下側駆動ローラ43C、43B、43Aに動力を伝達するための第2ローラ駆動伝達機構53Bから構成される。
【0035】
第1チェーン伝達機構108は一例として第1駆動スプロケット99と、第1従動スプロケット103と、第1駆動スプロケット99と第1従動スプロケット103に巻回する第1チェーン105と、第1チェーン105のテンションを調整する二枚のスプロケットアイドラ107、107から構成される。
第1ローラ駆動伝達機構53Aは第1チェーン伝達機構108を有する。
【0036】
第2チェーン伝達機構112は一例として第2駆動スプロケット101の前方のスプロケット101Aと、第2従動スプロケット109と、スプロケット101Aと第2従動スプロケット109に巻回する第2チェーン111と、第2チェーン111のテンションを調整する二枚のスプロケットアイドラ107、107から構成される。
第2ローラ駆動伝達機構53Bは第2チェーン伝達機構112を有する。
【0037】
第3チェーン伝達機構116は一例として第2駆動スプロケット101の後方のスプロケット101Bと、第3従動スプロケット113のうちの後方のスプロケット113Bと、スプロケット101Bとスプロケット113Bに巻回する第3チェーン115と、第3チェーン115のテンションを調整する二枚のスプロケットアイドラ107、107から構成される。
第2ローラ駆動伝達機構53Bは第3チェーン伝達機構116を有する。
【0038】
第4チェーン伝達機構120は一例として第3従動スプロケット113の前方のスプロケット113Aと、第4従動スプロケット117と、スプロケット113Aと第4従動スプロケット117に巻回する第4チェーン119と、第4チェーン119のテンションを調整する一枚のスプロケットアイドラ107から構成される。
第2ローラ駆動伝達機構53Bは第4チェーン伝達機構120を有する。
【0039】
第2ギヤ伝達機構124は一例として噛み合う第2駆動ギヤ121と第2従動ギヤ123から構成され、第2駆動ギヤ121は下側駆動ローラ43Cに取り付け、第2従動ギヤ123は上側駆動ローラユニット45Cの回転軸47に取り付けてある。
第2ローラ駆動伝達機構53Bは第2ギヤ伝達機構124を有する。
【0040】
第3ギヤ伝達機構128は一例として噛み合う第3駆動ギヤ125と第3従動ギヤ127から構成され、第3駆動ギヤ125は下側駆動ローラ43B取り付け、第3従動ギヤ127は上側駆動ローラユニット45Bの回転軸47に取り付けてある。
第2ローラ駆動伝達機構53Bは第3ギヤ伝達機構128を有する
【0041】
第4ギヤ伝達機構132は一例として噛み合う第4駆動ギヤ129と第4従動ギヤ131から構成され、第4駆動ギヤ129は下側駆動ローラ43Aに取り付け、第4従動ギヤ131は上側駆動ローラユニット45Aの回転軸47に取り付けてある。
第2ローラ駆動伝達機構53Bは第4ギヤ伝達機構132を有する。
【0042】
第1ローラ駆動伝達機構53Aに対し第2ローラ駆動伝達機構53BはギヤモータM1とギヤモータM2の減速比、第1駆動スプロケット99と第2駆動スプロケット101、第1従動スプロケット103と第2従動スプロケット109並びに第3従動スプロケット113の丁数を、回転数を大きくなるように調製してある。その結果、下側駆動ローラ43Dと下側駆動ローラ43C間を搬送される段ボールシートAの弛みの発生を防止できる。
【0043】
(4)段ボールシートAの折り曲げ作用(
図3、
図14~
図33参照)
次に、スリップシート1用に加工された段ボールシートAの折り曲げ作用について説明する。
【0044】
段ボールシートAは搬送手段23の搬送ローラ35と下側駆動ローラ43Dの上に積層・載置される。
図14に示すように、積層・載置する段ボールシートAの先端15は前定規46に当接させる。
図示しない運転スイッチがONにされると、ギヤモータM1、M2が起動する。
次に、図示しないフットスイッチがONにされると、一連の折り曲げ動作が開始される。まず、搬送ローラ35用のクラッチ、電磁クラッチブレーキ97のクラッチがONになり、搬送が開始される。搬送は最下位の段ボールシートAから搬送方向Yに沿って一枚ずつ所定のタイミンクで順次搬送される。
尚、搬送ローラ35用のクラッチは所定時間経過後OFFになる。
【0045】
段ボールシートAが下側駆動ローラ43Dと前定規46との間を通過して所定位置に到達すると、センサ59AがONになる。センサ59AがONになると、予め設定した時間の経過後、電磁クラッチブレーキ97のクラッチがOFFになる。段ボールシートAは搬送方向Yに沿ってさらに搬送され、下側駆動ローラ43Cと上側駆動ローラユニット45Cの間に送り込まれる。
【0046】
段ボールシートAは搬送方向Yに沿ってさらに搬送され、下側駆動ローラ43Bと上側駆動ローラユニット45Bの間を通過して、下ガイド93と上ガイド94の間に送り込まれる。
図14はその状態を示している。
段ボールシートAがさらに搬送されると、
図15に示すように、段ボールシートAの先端15がストッパ部69に当接する。段ボールシートAの先端15が上記ストッパ部69に当接する所定位置まで搬送されると、センサ59BがONになる。
【0047】
段ボールシートAの先端15がストッパ部69に当接した後も段ボールシートAの搬送動作は継続されるので、ホルダ67には回動支点C点を中心に
図15中時計方向にホルダ67を回動させる力が作用する。一方、プルアップシリンダ73はPush状態であり、ピストンロッド81にはピストンロッド81を突出させる方向の力が作用している。その結果、ホルダ67はプルアップシリンダ73からの抵抗を受けながら
図15中時計方向に回動されていく。
【0048】
その後、
図16に示すように、爪71の爪部85が段ボールシートAの先端部13の所定位置に当接し、段ボールシートAがさらに搬送されホルダ67がさらに回動される。ホルダ67はその当接位置を折り目7にして段ボールシートAの先端部13を徐々に折り曲げていく。その様子を
図16、
図17に示す。
尚、一連の折り曲げ作用においては爪71がパンチとして機能し下ガイド74と支持部材75がダイとして機能する。
【0049】
その後、段ボールシートAの折り曲げが所定量進行して
図18に示す状態になると、プルアップシリンダ73がPullになる。それによって、ピストンロッド81にはピストンロッド81を引っ込める方向の力が作用する。
次に、
図19に示す状態において、プルアップシリンダ73のシリンダスイッチがONになる。その後も、
図20に示すように、折り曲げ動作は継続し、プルアップシリンダ73のシリンダスイッチがOFFになる。
【0050】
その後、
図21に示すように、段ボールシートAの先端15が支持部材75から乖離、展開される。又、リフトシリンダ84がPushになる。これはプルアップシリンダ73のシリンダスイッチがONしてから所定時間経過後のタイミングである。それによって、リフトシリンダ84のピストンロッド88が上昇を開始し、支持ロッド83が揺動支点Eを中心にして
図21中時計方向に揺動し始め、ホルダ67が上昇する。
【0051】
その後も段ボールシートAの搬送は継続され、
図22、
図23に示すように、段ボールシートAの先端部13が折り曲げられた状態で、下側駆動ローラ43A、上側駆動ローラユニット45Aの間に送り込まれる。そして、
図24に示すように、先端部13が折り曲げられた状態で下側駆動ローラ43A、上側駆動ローラユニット45Aの間を通過し、その後展開された状態になっていく。この状態ではセンサ59AはOFFになり、電磁クラッチブレーキ97のブレーキがONになる。
【0052】
その後、段ボールシートAはさらに搬送され
図25に示すような状態となる。この時センサ59BはON、プルアップシリンダ73はPull、リフトシリンダ84はPush、電磁クラッチブレーキ97のブレーキはONの状態にある。
【0053】
段ボールシートAがさらに搬送されると、
図26に示すような状態となり、センサ59BがOFFになる。段ボールシートAがさらに搬送されると、
図27に示すような状態となり、プルアップシリンダ73がPushとなり、プルアップシリンダ73のピストンロッド81にピストンロッド81を突出させる方向の力が作用する。それによって、ホルダ77が回動支点Cを中心にして
図27中反時計方向に回動し始めて元の位置に復帰していく。同時に、電磁クラッチブレーキ97のブレーキが0FFになる。
【0054】
段ボールシートAがさらに搬送されると、
図28に示すような状態となる。電磁クラッチブレーキ97のクラッチがONになるとともに搬送ローラ35のクラッチもONになり、次の段ボールシートAの搬送が開始される。段ボールシートAがさらに搬送されると、
図29に示すような状態となり、プルアップシリンダ73のシリンダスイッチがONしその後OFFになる。
【0055】
段ボールシートAがさらに搬送されると、
図30に示すような状態になり、搬送ローラ35のクラッチはOFFになる。段ボールシートAがさらに搬送されると、
図31に示すような状態になり、新たな段ボールシートAがセンサ58Aによる検出位置に到達し、センサ58AがONになる。
【0056】
段ボールシートAがさらに搬送されると、
図32に示すような状態になり、リフトシリンダ84がPullになる。折り曲げられた段ボールシートAは排出される。段ボールシートAがさらに搬送されると、
図33に示すような状態になり、電磁クラッチブレーキ97のクラッチがOFFになる。そして、次の段ボールシートAに対して同様の折り曲げ作用が施されていく。
以下、同様の作用を繰り返す。
【0057】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、段ボールシートAを停止させることなく折り曲げることができるので、多数枚の段ボールシートAを効率良く折り曲げてスリップシート1とすることができ、作業に要する時間の短縮、労力の軽減を図ることができる。具体的には搬送ローラ35と下側駆動ローラ43Dの上に多数枚の段ボールシートAを積層・載置させて、フットスイッチをONにするだけで良い。
又、スリップシート1の必要条件である曲げ角度を安定して確保することができる。これはパンチとしての爪71とダイとしての支持部材75及び下ガイド74によって、確実な曲げを提供できるように構成したからである。
又、爪71の爪部85が段ボールシートA先端部13の所定位置に当接し折り曲げる際、プルアップシリンダ機構73によって段ボールシートAに負荷を掛けるようにしているので、これによっても精度の高い確実な折り曲げを施すことができる。
又、一定時間負荷を掛けた後は逆方向に力が作用するようにしているので、段ボールシートAが支持部材75から外れる動作をスムースなものとすることができる。
又、支持部材75が円弧形状をなしているので、段ボールシートAが支持部材75から徐々に外れることができる。
又、先端部13を折り曲げた状態の段ボールシートAを下側駆動ローラ上側駆動ローラユニット45Aが挟み込んで搬送するので、これによっても確実な折り曲げを施すことができる。
【0058】
本発明は以上に述べた実施の形態に限定されるものではない。従って、本発明の要旨の範囲内における部分的構成の変更が可能である。
例えば、スリップシートに補強片がある物で説明しているが、補強自体が無くても構わない。又、補強片はシート本体や折り曲げ片と別体の部材を貼り付けて設ける場合も可能である。、
又、プルアップシリンダ機構に代えてカム機構等、他の機構を採用することも可能である。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明はスリップシート用に加工された段ボールシートを折り曲げるスリップシート折り曲げ機に係り、特に、多数枚の段ボールシートを効率良く折り曲げてスリップシートとすることができ、スリップシートの必要条件である曲げ角度を安定して確保することができるように工夫したものに関し、例えば、従来作業員の手作業に委ねられていたこの種の折り曲げ作業現場に好適である。
【符号の説明】
【0060】
1 スリップシート
7 折り目
23 搬送手段
25 折り曲げ手段
59A 位置センサ
59B 位置センサ
67 ホルダ
69 ストッパ部
71 爪
73 プルアップシリンダ機構
74 下ガイド
75 支持部材
80 シリンダ本体
81 シリンダロッド
83 支持ロッド
84 リフトシリンダ機構
85 爪部
W 荷物
A 段ボールシート
Y 搬送方向