(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】防雪パネル
(51)【国際特許分類】
E01F 7/02 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
E01F7/02
(21)【出願番号】P 2024060637
(22)【出願日】2024-04-04
【審査請求日】2024-05-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524130386
【氏名又は名称】株式会社セイトク
(74)【代理人】
【識別番号】100104330
【氏名又は名称】杉山 誠二
(72)【発明者】
【氏名】浜本 成
(72)【発明者】
【氏名】真殿 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】林 秀哉
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-353278(JP,A)
【文献】特開2009-074358(JP,A)
【文献】特開2014-185489(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0473181(KR,Y1)
【文献】特開2009-287323(JP,A)
【文献】特開2000-154510(JP,A)
【文献】実開昭48-006834(JP,U)
【文献】特開2018-021413(JP,A)
【文献】特開2004-308342(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113513206(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/00-15/14
E01F 1/00
E04H 17/00-17/26
E01F 3/00-8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平鋼又は山形鋼でそれぞれ形成された上側部材、下側部材、右側部材および左側部材
を、中央に開口が
ある矩形のフレーム
が形作られるように接続することによって構成された防雪パネルであって、
前記右側部材又は前記左側部材に取り付けられた、少なくとも2個の第1ブラケットと、
前記第1ブラケットの取り付け箇所と対応する箇所において前記左側部材又は前記右側部材に取り付けられた、少なくとも2個の第2ブラケットとを備え、
前記第1ブラケットが各々、
全体としてL形の横断面形状を呈し、前記取り付けられた前記
右側部材又は前記
左側部材と平行に配置された
矩形板状の第1部分、および前記第1部分の前記フレームの
前記中央の側に位置する端に前記第1部分と直交するように配置された
矩形板状の第2部分を有し、
前記第2部分の前記第1部分が位置する側と反対側の端を前記右側部材又は前記左側部材に固定することによって取り付けられており、前記第1部分、前記第2部分および前記取り付けられた前記
右側部材又は前記
左側部材によって凹所が形成されており、
前記第2ブラケットが各々、
全体としてL形の横断面形状を呈し、前記取り付けられた前記
左側部材又は前記
右側部材と平行に配置された
矩形板状の第3部分、および前記第3部分の前記フレームの
前記中央の側に位置する端に前記第3部分と直交するように配置された
矩形板状の第4部分を有し、
前記第4部分の前記第3部分が位置する側と反対側の端を前記左側部材又は前記右側部材に固定することによって取り付けられており、前記第3部分、前記第4部分、および前記取り付けられた前記
左側部材又は前記
右側部材によって凹所が形成されており、
前記第1ブラケットの前記第2部分に
前記第2部分を貫通するように設けられたねじ穴に、
ねじ部の先端が前記中央の側と反対側に位置するようにねじ込まれた調整ボルトと、
前記フレームの前記開口を覆うネット構造体と、
前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットの前記凹所内にそれぞれ配置され、前記フレームの縦方向寸法と同じ長さを有し、横断面が前記凹所の横断面よりも小さい垂直部材とをさらに備え、
前記ネット構造体の右端と左端に複数個のリング状部分がそれぞれ取り付けられ、前記リング状部分にそれぞれ、前記垂直部材が通されており、
前記調整ボルトの前記先端を前記垂直部材に接触させて前記調整ボルトをねじ込むことにより、前記ネット構造体を前記フレームの
前記中央から遠去かる方向に移動させて前記ネット構造体を展張させるように構成されていることを特徴とする防雪パネル。
【請求項2】
前記ネット構造体が、ネットと、前記ネットの右端と左端にそれぞれ取り付けられた補強材とを有し、前記リング状部分が前記補強材にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載された防雪パネル。
【請求項3】
前記ブラケットのうち最上位のブラケット
の上端が前記上側部材の上端から所定距離の個所に位置し、最下位のブラケット
の下端が前記下側部材の下端から所定距離の個所に位置するように取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載された防雪パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、防雪パネルに関する。より詳細には、本発明は、簡単な構造でネットを容易に展張させることができる防雪パネルに関する。本明細書において「展張」とは、ネットを実質的にたるみがない状態にすることを意味する。
【背景技術】
【0002】
東日本大震災以降、各地の海岸線に津波避難用タワーが建設されるようになっている。このような津波避難用タワーを積雪地帯に設置しようとする場合、タワーの階段やスロープに雪が吹き込むため、雪の吹き込みを防ぐための防雪設備の設置が必要となる。
【0003】
一般的な防雪設備としては、種々の形式のものが提案されている(例えば、特許文献1)が、構造が複雑なものが多い。
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、構造が簡単でネットを容易に展張させることができる防雪パネルを提供することを目的としている。本発明の防雪パネルは、上記津波避難用タワーへの設置のみならず、一般的な防雪環境を提供することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の、平鋼又は山形鋼でそれぞれ形成された上側部材、下側部材、右側部材および左側部材を、中央に開口がある矩形のフレームが形作られるように接続することによって構成された防雪パネルであって、
前記右側部材又は前記左側部材に取り付けられた、少なくとも2個の第1ブラケットと、
前記第1ブラケットの取り付け箇所と対応する箇所において前記左側部材又は前記右側部材に取り付けられた、少なくとも2個の第2ブラケットとを備え、
前記第1ブラケットが各々、全体としてL形の横断面形状を呈し、前記取り付けられた前記右側部材又は前記左側部材と平行に配置された矩形板状の第1部分、および前記第1部分の前記フレームの前記中央の側に位置する端に前記第1部分と直交するように配置された矩形板状の第2部分を有し、前記第2部分の前記第1部分が位置する側と反対側の端を前記右側部材又は前記左側部材に固定することによって取り付けられており、前記第1部分、前記第2部分および前記取り付けられた前記右側部材又は前記左側部材によって凹所が形成されており、
前記第2ブラケットが各々、全体としてL形の横断面形状を呈し、前記取り付けられた前記左側部材又は前記右側部材と平行に配置された矩形板状の第3部分、および前記第3部分の前記フレームの前記中央の側に位置する端に前記第3部分と直交するように配置された矩形板状の第4部分を有し、前記第4部分の前記第3部分が位置する側と反対側の端を前記左側部材又は前記右側部材に固定することによって取り付けられており、前記第3部分、前記第4部分、および前記取り付けられた前記左側部材又は前記右側部材によって凹所が形成されており、
前記第1ブラケットの前記第2部分に前記第2部分を貫通するように設けられたねじ穴に、ねじ部の先端が前記中央の側と反対側に位置するようにねじ込まれた調整ボルトと、
前記フレームの前記開口を覆うネット構造体と、
前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットの前記凹所内にそれぞれ配置され、前記フレームの縦方向寸法と同じ長さを有し、横断面が前記凹所の横断面よりも小さい垂直部材とをさらに備え、
前記ネット構造体の右端と左端に複数個のリング状部分がそれぞれ取り付けられ、前記リング状部分にそれぞれ、前記垂直部材が通されており、
前記調整ボルトの前記先端を前記垂直部材に接触させて前記調整ボルトをねじ込むことにより、前記ネット構造体を前記フレームの前記中央から遠去かる方向に移動させて前記ネット構造体を展張させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本願請求項2に記載の防雪パネルは、前記請求項1の防雪パネルにおいて、前記ネット構造体が、ネットと、前記ネットの右端と左端にそれぞれ取り付けられた補強材とを有し、前記リング状部分が前記補強材にそれぞれ取り付けられていることを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項3に記載の防雪パネルは、前記請求項1又は請求項2の防雪パネルにおいて、前記ブラケットのうち最上位のブラケットの上端が前記上側部材の上端から所定距離の個所に位置し、最下位のブラケットの下端が前記下側部材の下端から所定距離の個所に位置するように取り付けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の防雪パネルによれば、調整ボルトをねじ込むことにより、ネットを展張させることができる。これにより、ネットのたるみを容易になくして、たるみにより生ずるネットのバタつきを防止し、バタつきによる擦れから引き起こされるネットの耐久性の低下を回避することができるとともに、景観(見栄え)の向上にも寄与することが可能になる。また、本発明の防雪パネルでは、ハトメ構造でネットを固定する従来のこの種の防雪設備とは異なり、一定長さを有する線構造でネットを引っ張るため、ネットに余分な負荷がかかりにくく、この点においても、ネットの耐久性の向上が期待できる。さらに、本発明の防雪パネルは、構造が簡単であるため、製造コストを比較的安価に抑えることができ、維持管理も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の好ましい実施の形態に係る防雪パネルの正面図である。
【
図3】
図1の防雪パネルのフレームのみを示した背面図である。
【
図4】
図4(a)は、第1ブラケットの斜視図、
図4(b)は、第1ブラケットの変形例の斜視図、
図4(c)は、第2ブラケットの斜視図である。
【
図5】防雪パネルの寸法が小さい場合の形態を示した
図1と同様の図である。
【
図6】
図6(a)は、ネット構造体の分解斜視図、
図6(b)は、補強材に取り付けられるリング状部材の拡大斜視図、
図6(c)は、リング状部材を形成する方法の一例を示した模式図である。
【
図7】
図7(a)は、第1ブラケットの取り付け個所を示した拡大断面図、
図7(b)は、第2ブラケットの取り付け個所を示した拡大断面図である。
【
図8】種々の横断面形状の垂直部材を例示した一連の図である。
【
図9】3連の防雪パネルが連結された状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る防雪パネルについて詳細に説明する。
図1は、本発明の防雪パネルの正面図、
図2は、
図1の防雪パネルの背面図、
図3は、防雪パネルのフレームのみを示した背面図である。
【0013】
図1および
図2において全体として参照符号10で示される本発明の好ましい実施の形態に係る防雪パネルは、フレーム12を備えている。フレーム12は、上側部材12aと、同じ長さの下側部材12bと、上側部材12aと下側部材12bの対応する一方の端部同士を接続する右側部材12cと、上側部材12aと下側部材12bの対応する他方の端部同士を接続する左側部材12dとを有し、中央に大きな開口12eが形作られる矩形の形状を呈している(
図3参照)。
【0014】
上側部材12a、下側部材12b、右側部材12cおよび左側部材12dは、適当な寸法の平鋼、山形鋼などの鋼材で形成されており、溶接などの適当な手段で接続されている。
【0015】
フレーム12の右側部材12cには、4個の第1ブラケット14が取り付けられている。最上位の第1ブラケット14は、上端が上側部材12aの上端からW1の個所に位置し、最下位の第1ブラケット14は、下端が下側部材12bの下端からW2の個所に位置し、残りの2個の第1ブラケット14は、最上位の第1ブラケット14と最下位の第1ブラケット14との間に等距離W3を隔てる個所に位置するように、それぞれ取り付けられている。
【0016】
フレーム12の左側部材12dには、4個の第2ブラケット18が取り付けられている。第2ブラケット18は各々、第1ブラケット14の取り付け個所と対応する個所にそれぞれ取り付けられている。
【0017】
図4(a)は、第1ブラケット14の斜視図である。第1ブラケット14は、右側部材12cと平行に配置された第1部分14aと、第1部分14aの一端に第1部分14aと直交するように配置された第2部分14bとを有しており、全体としてL形の横断面形状を呈している。第1部分14aと第2部分14bは、一体に形成してもよく、別体として形成したものを溶接接合して一体としてもよい。第1部分14aと第2部分14bによって囲まれる部分が凹所14cとなる。
【0018】
第1ブラケット14は各々、フレーム12の中央から遠去かる方向に開放した凹所14cが形成されるように、第2部分14bを右側部材12cに溶接止めすることによって堅固に取り付けられている。また、第2部分14bには、1個のねじ穴14b1が設けられており、ねじ穴14b1に、先端が凹所14c内に位置するように調整ボルト16がねじ込まれている。詳細には後述するように、第1ブラケット14の第2部分14bは、垂直部材22を押し付ける調整ボルト16の取り付け部分となり、第1部分14aは、押し付けられた垂直部材22が側方に逸脱しないようにするためのガイドとなる。
【0019】
図4(b)は、第1ブラケット14の変形例の斜視図である。
図4(b)に示される第1ブラケット14は、第1部分14aの他端に第1部分14aと直交するように配置され、第2部分14bと同じ長さを有する第3部分14dを備えている点を除いて、
図4(a)に示される第1ブラケット14と同じ構成を有している。
図4(b)に示される第1ブラケット14は、全体としてコの字形の横断面形状を呈しており、右側部材12cへの溶接接合が2か所で行われるので、右側部材12cにより堅固に固定されるという特徴を有している。
【0020】
図4(c)は、第2ブラケット18の斜視図である。第2ブラケット18は、左側部材12dと平行に配置された第3部分18aと、第3部分18aと直交するように第3部分18aのフレーム12の中央側の端に配置された第4部分18bとを有しており、全体としてL形の横断面形状を呈している。第3部分18aと第4部分18bは、一体に形成してもよく、別体として形成したものを溶接接合して一体としてもよい。第3部分18aと第4部分18bによって囲まれる部分が凹所18cとなる。
【0021】
第2ブラケット18は各々、第4部分18bがフレーム12の中央側の端に位置しているため、凹所18cがフレーム12の中央から遠去かる方向に開放するようになっている。
【0022】
なお、
図1および
図2に示されている形態では、右側部材12c、左側部材12dにそれぞれ取り付けられている第1および第2ブラケット14、18の個数は各4個であるが、防雪パネル10の寸法が小さい場合(
図5参照)には、ブラケット14の個数は、各2個でもよいし、各3個でもよい。防雪パネル10の寸法が大きい場合には、ブラケット14の個数は、各5個以上でもよい。
【0023】
図6(a)は、フレーム12の開口12eを覆うネット構造体20を示した分解斜視図である。ネット構造体20は、ネット20aと、ネット20aの端部に取り付けられた補強材20bとを有している。
図6(a)では、補強材20bは、ネット20aの四周(上下左右端)に取り付けられている状態で図示されているが、後述するリング状部分20b1の取り付けのため、補強材20bは、少なくともネット20aの左右端に取り付けられている。ネット20aは、開口12eよりも大きな寸法のものが使用される。ネット20aとして、ポリエチレン等の合成樹脂製のネットが使用されるが、他の所望の市販のネットを使用してもよい。補強材20bとして、所望の布材などが使用される。
【0024】
ネット20aへの補強材20bの取り付けは、堅固に取り付け可能なものであれば、縫製や接着などの任意の方法でよい。
【0025】
補強材20bには、フレーム12の開口12eを覆うようにネット構造体20をフレーム12に設置したときに第1ブラケット14および第2ブラケット18が位置しない個所に複数個のリング状部分20b1(
図6(b))が取り付けられている。リング状部分20b1として、補強材20bと同じ材料を使用してよい。補強材20bへのリング状部分20b1の取り付けは、堅固に取り付け可能なものであれば、縫製や接着などの任意の方法でよい。
図6(c)は、リング状部分20b1を形成する方法の一例を示した模式図である。
図6(c)に示される例では、補強材20bの縁に設けられた突出部分(
図6(c)の左図参照)を丸め、丸めた突出部分の縁部を補強材20bの縁に縫製などで固定することにより、リング状部分20b1が形成される。或いは、リング状部分20b1を別体として準備し、準備したリング状部分20b1を補強材20bの縁の適所に縫製などで固定してもよい。
【0026】
フレーム10の縦方向寸法H(
図3参照)と実質的に同じ長さを有する垂直部材22が、ネット構造体20の各リング状部分20b1に通された状態で、右側部材12cに取り付けられた第1ブラケット14の凹所14cおよび左側部材12dに取り付けられた第2ブラケット18の凹所18cにそれぞれ配置されている。
図6(a)においては、右側および左側の補強材20bのリング状部分20b1に垂直部材22がそれぞれ通された状態が図示されている。
【0027】
垂直部材22の横断面は、凹所14cおよび凹所18c内で動くことができるように、凹所14cおよび凹所18cの横断面よりも小さくなるように選定されている(
図7(a)、(b)参照)。なお、
図7(a)、(b)に示される垂直部材22の横断面は矩形であるが、
図8(a)~
図8(d)に例示されるように、矩形以外の横断面形状(例えば、平形、六角形、円形、楕円形)を採用してもよい。
【0028】
図7(a)は、第1ブラケット14の取り付け個所を示した拡大断面図、
図7(b)は、第2ブラケット18の取り付け個所を示した拡大断面図である。垂直部材22は、第1ブラケット14の凹所14cおよび第2ブラケット18の凹所18c内に位置しており、垂直部材22は、ネット構造体20の補強材20bのリング状部分20b1に通されている。
【0029】
この状態で調整ボルト16をねじ込むと、
図7(a)に示されるように、調整ボルト16の先端が垂直部材22に接触する。調整ボルト16をさらにねじ込むと、調整ボルト16によって垂直部材22が
図7(a)において矢印で示されるように左方(フレーム12の中央から遠去かる方向)に押され、これによりネット構造体20の全体が左方に引っ張られる。それとともに、第2ブラケット18の凹所18c内に位置する垂直部材22も左方に引っ張られて第2ブラケット18の第4部分18bの内面に接触することとなる。そして、調整ボルト16をさらにねじ込むと、第2ブラケット18の凹所18c内に位置する垂直部材22が第2ブラケット18の第4部分18bの内面に接触した状態で、第1ブラケット14の凹所14c内に位置する垂直部材22が左方に引っ張られるので、ネット構造体20の全体が左方にさらに引っ張られ、これによりネット20aが展張されることになる。
【0030】
防雪パネル10は、固定具プレート12fにボルト止めすることによって、支柱24に固定される。
【0031】
図9は、3連の防雪パネル10(中央の防雪パネルのみ全体が図示され、左右の防雪パネルは、中央の防雪パネルとの連結個所付近のみが図示されている)が連結された状態を示した正面図である。防雪パネル10は、このように所望の基数を連結することができる。
【0032】
次に、以上のように構成された防雪パネル10の使用について説明する。防雪パネル10を設置しようとする個所に所要本数の支柱24を設け、支柱24の間に防雪パネル10を配置し、防雪パネル10を支柱24にボルト止めする。次いで、調整ボルト16をねじ込み、調整ボルト16の先端を垂直部材22に接触させてネット20aを当該防雪パネル10の中央から遠去かる方向に移動させ、ネット20aを展張させる。時間が経過するにつれてネット20aにたるみが生じてくるが、その都度、調整ボルト16をねじ込むことにより、ネット20aを容易に展張させることができる。
【0033】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0034】
例えば、図示された防雪パネルの全体寸法、各構成部材の寸法、個数、細部などは例示的なものにすぎない。
【0035】
また、前記実施形態では、第1ブラケット14が右側部材12cに取り付けられ、第2ブラケット18が左側部材12dに取り付けられているが、第1ブラケット14を左側部材12dに取り付け、第2ブラケット18を右側部材12cに取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 防雪パネル
12 フレーム
12a 上側部材
12b 下側部材
12c 右側部材
12d 左側部材
12e 開口
12f 固定具プレート
14 第1ブラケット
14a 第1部分
14b 第2部分
14b1 ねじ穴
14c 凹所
14d 第3部分
16 調整ボルト
18 第2ブラケット
18a 第3部分
18b 第4部分
18c 凹所
20 ネット構造体
20a ネット
20b 補強材
20b1 リング状部分
22 垂直部材
24 支柱
【要約】
【課題】構造が簡単でネットを容易に展張させることができる防雪パネルを提供する。
【解決手段】フレームの左側又は右側の部材に取り付けられた第1ブラケットを備え、第1ブラケットが、取り付けられた部材と平行に配置された第1部分、及び第1部分のフレームの中央の側に位置する端に第1部分と直交するように配置された第2部分を有し、第2部分のねじ穴に、先端が中央の側と反対側に位置するようにねじ込まれた調整ボルトと、フレームの開口を覆うネット構造体と、第1部分、第2部分及び取り付けられた部材によって形成された凹所内に配置された垂直部材とを備え、ネット構造体に取り付けられたリング状部分に垂直部材が通され、先端を垂直部材に接触させて調整ボルトをねじ込むことによりネット構造体を展張させるように構成されている。
【選択図】
図1