(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】組立式水槽台およびその組立方法
(51)【国際特許分類】
A01K 63/00 20170101AFI20240918BHJP
【FI】
A01K63/00 B
(21)【出願番号】P 2024098591
(22)【出願日】2024-06-19
【審査請求日】2024-06-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524231797
【氏名又は名称】大高建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】高木 雄次
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-181186(JP,A)
【文献】特開平9-94118(JP,A)
【文献】登録実用新案第3022362(JP,U)
【文献】実開昭56-168942(JP,U)
【文献】登録実用新案第3067527(JP,U)
【文献】特開2000-126003(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0033944(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 63/00-63/10
A47B 47/00-47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方フレームと、一対の側方フレームと、上方フレームと、を有しており、
前記下方フレームは、第1下方フレーム部材と、2本の第2下方フレーム部材と、を備えて、
平行に配置された前記2本の第2下方フレーム部材の間には前記第1下方フレーム部材が接合されており、
前記第2下方フレーム部材の端面には穴部を有した第1プレートが直立した状態で設けられて、
前記側方フレームは、
垂直方向に延びる2本の対向する垂直フレーム部材と、
水平方向に延びる2本の対向する水平フレーム部材と、
内方へ延びる4本のおねじ部と、
を備えて、
前記垂直フレーム部材と前記水平フレーム部材の端部同士が互いに直交するように接合されており、
前記各垂直フレーム部材の上方には、内方へ張り出すブラケット部を有しており、
前記上方フレームは、第1上方フレーム部材と、2本の第2上方フレーム部材と、を備えて、
平行に配置された前記2本の第2上方フレーム部材の間には前記第1上方フレーム部材が接合されており、
前記第2上方フレーム部材の端面には穴部を有した第3プレートが直立した状態で設けられて、
前記4本のおねじ部の内の2本のおねじ部は、下方側に位置する第2水平フレーム部材または前記垂直フレーム部材のいずれかのフレーム部材に形成されていて、前記第1プレートの穴部に挿入された状態でナットを用いて締結されており、
かつ
残り2本のおねじ部は、上方側に位置する第1水平フレーム部材に形成されていて、前記第3プレートの穴部に嵌め込まれた状態でナットを用いて締結されていることを特徴とする組立式水槽台。
【請求項2】
前記第3プレートの穴部は一端側が開放された長穴であることを特徴とする請求項1に記載の組立式水槽台。
【請求項3】
前記垂直フレーム部材の下方には内方へ延びる第2プレートをさらに有していることを特徴とする請求項2に記載の組立式水槽台。
【請求項4】
前記第2下方フレーム部材は前記第1下方フレーム部材よりも短く、かつ前記第2上方フレーム部材は前記第1上方フレーム部材よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の組立式水槽台。
【請求項5】
請求項3に記載の組立式水槽台の組立方法であって、前記各側方フレームの4本のおねじ部を対向させて、かつ前記ブラケット部が上方位置、前記第2プレートが下方位置となるように直立した状態で前記一対の側方フレームを設置する第1組立工程と、前記第1組立工程後に、前記側方フレームの第2プレート上に前記第2下方フレーム部材の端部を載置しながら、前記下方フレームの第1プレートに設けられている前記穴部に前記各第2水平フレーム部材もしくは前記各垂直フレーム部材のいずれかのフレーム部材に形成されている前記2本のおねじ部を挿入した後、ナットを用いて前記側方フレームと前記下方フレームを互いに締結する第2組立工程と、前記第2組立工程後、前記各第1水平フレーム部材の2本のおねじ部の上方から前記上方フレームの第3プレートに設けられた前記長穴を嵌め込みながら、前記ブラケット部上に前記第2上方フレーム部材の端部を載置して、前記2本のおねじ部を前記長穴に完全に嵌め込んだ後、ナットを用いて前記側方フレームと前記上方フレームを互いに締結する第3組立工程と、を有することを特徴とする組立式水槽台の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
水槽を安定して支持するための組立式の水槽台およびその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水槽台には、特許文献1に開示されているように固定構造の水槽台が存在し、このような固定構造の水槽台は、高い安定性を有している。しかし、これらの水槽台は移動や保管が困難であり、使用しない場合でもスペースを占有してしまうという問題がある。
【0003】
一方、特許文献2に開示されているように組立式の水槽台は、分解してコンパクトに保管できる利便性があるが、従来の技術では強度や安定性が不十分であり、大型の水槽を安全に支持することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】登録実用新案第3009149号公報
【文献】特許第7065541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、前述した問題点に鑑みて、高い強度と安定性を維持しながら、組み立てが容易である組立式水槽台およびその組立方法を提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明に係る組立式水槽台は、下方フレームと、一対の側方フレームと、上方フレームと、を有しており、前記下方フレームは、第1下方フレーム部材と、2本の第2下方フレーム部材と、を備えて、平行に配置された前記2本の第2下方フレーム部材の間には前記第1下方フレーム部材が接合されており、前記第2下方フレーム部材の端面には穴部を有した第1プレートが直立した状態で設けられて、前記側方フレームは、垂直方向に延びる2本の対向する垂直フレーム部材と、水平方向に延びる2本の対向する水平フレーム部材と、内方へ延びる4本のおねじ部と、を備えて、前記垂直フレーム部材と前記水平フレーム部材の端部同士が互いに直交するように接合されており、前記各垂直フレーム部材の上方には、内方へ張り出すブラケット部を有しており、前記上方フレームは、第1上方フレーム部材と、2本の第2上方フレーム部材と、を備えて、平行に配置された前記2本の第2上方フレーム部材の間には前記第1上方フレーム部材が接合されており、前記第2上方フレーム部材の端面には穴部を有した第3プレートが直立した状態で設けられて、前記4本のおねじ部の内の2本のおねじ部は、下方側に位置する第2水平フレーム部材または前記垂直フレーム部材のいずれかのフレーム部材に形成されていて、前記第1プレートの穴部に挿入された状態でナットを用いて締結されており、かつ残り2本のおねじ部は、上方側に位置する第1水平フレーム部材に形成されていて、前記第3プレートの穴部に嵌め込まれた状態でナットを用いて締結されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る組立式水槽台において、前記第3プレートの穴部は一端側が開放された長穴であることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る組立式水槽台において、前記垂直フレーム部材の下方には内方へ延びる第2プレートをさらに有していることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る組立式水槽台において、前記第2下方フレーム部材は前記第1下方フレーム部材よりも短く、かつ前記第2上方フレーム部材は前記第1上方フレーム部材よりも短いことが好ましい。
【0010】
また、前述した組立式水槽台の組立方法の発明は、前記各側方フレームの4本のおねじ部を対向させて、かつ前記ブラケット部が上方位置、前記第2プレートが下方位置となるように直立した状態で前記一対の側方フレームを設置する第1組立工程と、前記第1組立工程後に、前記側方フレームの第2プレート上に前記第2下方フレーム部材の端部を載置しながら、前記下方フレームの第1プレートに設けられている前記穴部に前記各第2水平フレーム部材もしくは前記各垂直フレーム部材のいずれかのフレーム部材に形成されている前記2本のおねじ部を挿入した後、ナットを用いて前記側方フレームと前記下方フレームを互いに締結する第2組立工程と、前記第2組立工程後、前記各第1水平フレーム部材の2本のおねじ部の上方から前記上方フレームの第3プレートに設けられた前記長穴を嵌め込みながら、前記ブラケット部上に前記第2上方フレーム部材の端部を載置して、前記2本のおねじ部を前記長穴に完全に嵌め込んだ後、ナットを用いて前記側方フレームと前記上方フレームを互いに締結する第3組立工程と、を有する組立式水槽台の組立方法とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の組立式水槽台は、高い強度と安定性を保ちながら、単独作業で組み立てができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態である組立式水槽台1の正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態である組立式水槽台1の左側面である。
【
図3】本発明の一実施形態である組立式水槽台1の平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態である組立式水槽台1の底面図である。
【
図14】下方フレーム10と側方フレーム20の締結部分の分解斜視図である。
【
図15】上方フレーム40と側方フレーム20の締結部分の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0014】
本発明の一実施形態である組立式水槽台1の正面図を
図1、同組立式水槽台1の左側面を
図2、同組立式水槽台1の平面図を
図3、同組立式水槽台1の底面図を
図4にそれぞれ示す。本発明の組立式水槽台1は、
図1ないし
図4に示す様に、大きく分けて床面に設置する下方フレーム10と、下方フレーム10とボルトにより締結されている対向した一対の側方フレーム20,30と、組立式水槽台1の天面に位置して、側方フレーム20,30とはボルトを用いて締結される上方フレーム40から形成されている。以下、下方フレーム10、1つの側方フレーム20および上方フレーム40の各詳細について個別に説明する。なお、一対の側方フレーム20,30は共に同じ形状であるため、もう1つの側方フレーム30の詳細な説明は割愛する。
【0015】
<下方フレーム10>
本発明の組立式水槽台1の一部を形成する下方フレーム10の正面図を
図5、同下方フレーム10の左側面を
図6、同下方フレーム10の平面図を
図7にそれぞれ示す。下方フレーム10は、
図5ないし
図7に示す様に、大きく分けて1本の第1下方フレーム部材11と、2本の第2下方フレーム部材12,13から形成されている。なお、本実施形態では、各第2下方フレーム部材12,13は、第1下方フレーム部材11よりも短い場合について説明する。
【0016】
2本の第2下方フレーム部材12,13は、
図7に示す様に互いに平行になるように配置されている。第1下方フレーム部材11は、第2下方フレーム部材12,13に直交する向きに配置されて、第1下方フレーム部材11の両端は2本の第2下方フレーム部材12,13の中央部付近で相互に接合されている。つまり、1本の第1下方フレーム部材11と2本の第2下方フレーム部材12,13は、
図7に示す様に下方フレーム10全体でH型の形状を呈している。以下、第1下方フレーム部材11および第2下方フレーム部材12,13の詳細について説明する。
【0017】
(第1下方フレーム部材11)
第1下方フレーム部材11は、
図6および
図7に示す様に下方フレーム10の中央に位置する部材であり、第1下方フレーム部材11の左右の両端が2本の第2下方フレーム部材12,13のほぼ中央位置で直交するように連結されている。また、第1下方フレーム部材11の長さ方向(
図5および
図7の左右方向)は、後述する上方フレーム上に設置する水槽の幅方向(長手方向)に当たる。したがって、設置する水槽の幅方向の大きさ(幅寸法)に応じて、第1下方フレーム部材11の長さを自在に調整することができる。
【0018】
(第2下方フレーム部材12,13)
第2下方フレーム部材12,13は、
図7に示す様に下方フレーム10の両端位置に互いに平行になるように配置される部材であり、第2下方フレーム部材12,13のほぼ中央位置で第1下方フレーム部材11の両端と直交するように接合されている。また、第2下方フレーム部材12,13の長さ方向(
図6の左右方向)は、後述する上方フレーム上に設置する水槽の奥行方向に当たる。
【0019】
したがって、設置する水槽の奥行方向の大きさ(奥行寸法)に応じて、第2下方フレーム部材12,13の長さを自在に調整することができる。つまり、下方フレーム10の第1下方フレーム部材11や第2下方フレーム部材12,13の寸法を変更することで、水槽自体の高さを変更することなく、異なる水槽の大きさ(幅寸法や奥行寸法の異なる水槽)の設置に対応することができる。
【0020】
さらに、第2下方フレーム部材12,13の両側にある端面には、
図5ないし
図7に示す様に第1プレートP1(P1a,P1b,P1c,P1d)が設置すべき床面に対して直立した状態で設けられて、第2下方フレーム部材12,13の端面とは離れた位置に穴部(貫通穴)H1,H2,H3,H4が形成されている。
【0021】
<側方フレーム20>
一対の側方フレームと内の1つの側方フレーム20の正面図を
図8、側方フレーム20の左側面図を
図9、側方フレーム20の平面図を
図10にそれぞれ示す。側方フレーム20は、
図2ないし
図4に示す様に2個一対として本発明の組立式水槽台の一部を形成する構成部品である。側方フレーム20は、
図8に示す様に垂直方向(図面の上下方向)に延びる2本の対向する垂直フレーム部材21,22、水平方向(図面の左右方向)に延びる2本の対向する水平フレーム部材23,24および内方へ延びる4本のおねじ部23A,23B,24A,24Bから形成されている。
【0022】
これら4本の垂直フレーム部材21,22と水平フレーム部材23,24の互いの端部は接合されており、
図8に示す様に全体が矩形(四角形)になるように形成されている。以下、垂直フレーム部材21,22および水平フレーム部材23,24の詳細について図面を用いて説明する。
【0023】
(垂直フレーム部材21,22)
垂直フレーム部材21,22は、
図8ないし
図10に示す様に垂直方向に延びるフレーム部材であり、2個一対を対向するように配置することで側方フレーム20を形成する。後述する水平フレーム部材とは、互いの端部を接合することで側方フレーム20全体が矩形上になるように形成されている。また、垂直フレーム部材21,22の上端側には
図9および
図10に示す様に内側に張り出すブラケット部B1,B2が設けられている。
【0024】
当該ブラケット部B1,B2は、
図8ないし
図10に示す様に後述する上方フレームを載置して、支持する役割を果たす。さらに、設置する水槽の高さは垂直フレーム部材の長さにより決定する、すなわち側方フレームのみを別サイズの側方フレームと交換するだけで、水槽のサイズを変更することなく、水槽の高さだけを容易に変更することができる。
【0025】
なお、垂直フレーム部材21,22の下端側の端面には、
図4に示す様に内側に張り出す第2プレートP2(P2a,P2b,P2c,P2d)を設けることもできる。この場合、第2プレートP2(P2a,P2b)は、前述の下方フレーム10の第2下方フレーム部材の端部を載置して、組立式水槽台の組立時において側方フレームと下方フレームを互いに支持する役割を果たす。
【0026】
(水平フレーム部材23,24)
水平フレーム部材23,24は、
図8ないし
図10に示す様に側方フレーム20において水平方向に延びるフレーム部材であり、2本一対を対向するように設置することで側方フレーム20を形成する。前述の垂直フレーム部材とは、互いの端部を接合することで側方フレーム20全体が矩形上になるように形成されている。
【0027】
また、水平フレーム部材23,24には、内方へ延びる4本のおねじ部23A,23B,24A,24Bを有している。具体的には、
図8ないし
図10に示す様に上方側に位置する水平フレーム部材(第1水平フレーム部材)23には、上方フレームと締結するための2本のおねじ部23A,23B、下方側に位置する水平フレーム部材(第2水平フレーム部材)24には、下方フレームと締結するための2本のおねじ部24A,24Bが、それぞれ設けられている。
【0028】
なお、本実施形態では
図8ないし
図10に示す様に内方へ延びる4本のおねじ部23A,23B,24A,24Bが2本の水平フレーム部材23,24に形成されている場合を示しているが、例えば4本のおねじ部の内の2本のおねじ部24A,24Bを垂直フレーム部材21,22に1本ずつ形成して、残り2本のおねじ部23A,23Bを上方側に位置する第1水平フレーム部材23に形成しても構わない。
【0029】
<上方フレーム40>
上方フレーム40の正面図を
図11、上方フレーム40の左側面を
図12、上方フレーム40の平面図を
図13にそれぞれ示す。上方フレーム40は、前述の下方フレームと同様に第1上方フレーム部材41および2本の第2上方フレーム部材42,43から形成されている。なお、本実施形態では、各第2上方フレーム部材42,43は、第1上方フレーム部材41よりも短い場合について説明する。
【0030】
図13に示す様に平行に配置された2本の第2上方フレーム部材42,43の間に第1上方フレーム部材41が接合されることで、全体としてH型形状を形成している。また、第2上方フレーム部材42,43の端面には穴部(一端側が解放された長穴)H11,H12,H13,H14が形成されている。以下、第1上方フレーム部材41および第2上方フレーム部材42,43の詳細について説明する。
【0031】
(第1上方フレーム部材41)
第1上方フレーム部材41は、
図13に示す様に上方フレーム40の中央に位置する部材であり、第1上方フレーム部材41の両端は2本の第2上方フレーム部材42,43のほぼ中央位置で直交するように接合されている。また、第1上方フレーム部材41の長さ方向(
図13の左右方向)は、設置する水槽の幅方向に当たる。したがって、設置する水槽の幅方向の大きさ(幅寸法)に応じて、第1上方フレーム部材41の長さを自在に調整することができる。
【0032】
(第2上方フレーム部材42,43)
第2上方フレーム部材42,43は、
図13に示す様に上方フレーム40の左右位置に互いに平行になるように配置される部材であり、第2上方フレーム部材42,43のほぼ中央位置で第1上方フレーム部材41の両端と直交するように接合されている。また、第2上方フレーム部材42,43の長さ方向(
図12の左右方向)は、設置する水槽の奥行方向に当たる。
【0033】
したがって、設置する水槽の奥行方向の大きさ(奥行寸法)に応じて、第2上方フレーム部材42,43の長さを自在に調整することができる。つまり、第2上方フレーム部材の寸法が異なる上方フレームへ変更することで、水槽自体の高さを変更することなく、異なる水槽の大きさ(幅寸法や奥行寸法の異なる水槽)の設置に対応することができる。
【0034】
また、第2上方フレーム部材42,43の両側の端面には、
図11ないし
図13に示す様に第3プレートP3(P3a,P3b,P3c,P3d)が直立した状態で設けられており、第2上方フレーム部材42,43の端面とは離れた位置に穴部(下方側が開放された長穴)H11,H12,H13,H14が各々形成されている。当該穴部H11,H12,H13,H14を
図11に示す様に下方側を開放した長穴形状とすることで、第3プレートの穴部を側方フレームに形成されたおねじ部に容易に嵌め込むことができる。なお、本実施形態の第3プレートP3(P3a,P3b,P3c,P3d)に設けられている穴部H11,H12,H13,H14は、
図11に示す様に長穴の形態以外に貫通穴の形態でも構わない。
【0035】
次に、
図1ないし
図4に示した組立式水槽台1の組立工程について図面を用いて説明する。本組立工程は、大きく分けて一対の側方フレームを設置する第1組立工程と、下方フレームを側方フレームに組み付ける第2組立工程と、上方フレームを側方フレームに組み付ける第3組立工程と、から形成されている。第2組立工程における下方フレーム10と側方フレーム20の締結部分の分解斜視図を
図14、第3組立工程における上方フレーム40と側方フレーム20の締結部分の分解斜視図を
図15にそれぞれ示す。以下、第1ないし第3組立工程の詳細について、図面を用いて説明する。
【0036】
(第1組立工程:側方フレームの設置)
最初に、各側方フレームに設けられた4本のおねじ部を内向きにして、かつブラケット部が上方位置、第2プレートが下方位置となるように直立した状態で床面に一対の側方フレームを対向させて設置する。その際、各側方フレーム間の距離は、次工程である第2組立工程で下方フレームを第2プレート上に載置できる程度の間隔を予め設けておく。
【0037】
(第2組立工程:下方フレームの設置と組付け固定)
第1組立工程で一対の側方フレームを設置した後、
図14に示す様に側方フレーム20の垂直フレーム部材21の端部に設けられた第2プレートP2a(P2)上に下方フレーム10の第2下方フレーム部材12の端部を載置しながら、同時に第2下方フレーム部材12の端面に設けられている第1プレートP1a(P1)の穴部(貫通穴)H1に、側方フレーム20の水平フレーム部材24に設けられたおねじ部24Aを
図14に示す矢印の方向に向かって挿入する。この時、第2下方フレーム部材12の端部が第2プレートP2a(P2)上に載置されているので、おねじ部24Aと第1プレートP1a(P1)の穴部(貫通穴)H1の位置決めを容易に行うことができる。
【0038】
図14に示すおねじ部24Aが穴部(貫通穴)H1に完全に挿入された後、図示しないナットを用いて所定の締め付けトルクで側方フレームと下方フレームを互いに締結する。したがって、側方フレームの2本のおねじ部を下方フレームに取り付けられた第1プレートの穴部(貫通穴)に差し込むだけで、側方フレームを自立させることができるので、下方フレームと側方フレームの締結作業を補助者なしで行うことができる。
【0039】
(第3組立工程:上方フレームの設置と組付け固定)
第2組立工程で一対の側方フレームに下方フレームを組み付けた後、
図15に示す様に側方フレーム20の水平フレーム23に設けられたおねじ部23Aの上方から上方フレーム40の第2上方フレーム部材42の端部の第3プレートP3a(P3)に設けられた穴部(長穴)H11を矢印の方向に向かって嵌め込み、同時に垂直フレーム部材21のブラケット部B1上に上方フレーム40の第2フレーム部材42の端部を載置する。
【0040】
おねじ部23Aが穴部(長穴)11に完全に嵌め込まれた後、図示しないナットを用いて所定の締め付けトルクで側方フレームと上方フレームを互いに互いに締結する。つまり、
図11に示す様に第3プレートP3a(P3)に設けられた穴部H11を長穴形状とすることで、側方フレームの4本のおねじ部の上方から上方フレームを降下させて、長穴に差し込むだけで側方フレームと上方フレームの組付けを容易に行うことができる。すなわち、組立式水槽台の組立作業を単独かつ簡便に完了することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 組立式水槽台
10 下方フレーム
11 第1下方フレーム部材
12,13 第2下方フレーム部材
20,30 側方フレーム
21,22 垂直フレーム部材
23,24 水平フレーム部材
23A,23B おねじ部
24A,24B おねじ部
40 上方フレーム
41 第1上方フレーム部材
42,43 第2上方フレーム部材
B1~B3 ブラケット部
H1~H4 穴部(貫通穴)
H11~H14 穴部(長穴)
P1(P1a~P1d) 第1プレート
P2(P2a~P2d) 第2プレート
P3(P3a~P3d) 第3プレート
【要約】
【課題】高い強度と安定性を維持しながら、組み立てが容易である組立式水槽台を提供する。
【解決手段】下方フレーム10、一組の側方フレーム20,30、上方フレーム40を有して、下方フレーム10は第1下方フレーム部材と2本の第2下方フレーム部材を備えて、2本の第2下方フレーム部材の間に第1下方フレーム部材を接合して、第2下方フレーム部材の端面に穴部を有した第1プレートP1a,P1cを設けて、側方フレーム20,30は、垂直フレーム部材と水平フレーム部材を備えて、垂直フレーム部材と水平フレーム部材の端部同士を接合して、各水平フレーム部材にはおねじ部を有して、各垂直フレーム部材の上方にはブラケット部B1,B2を有して、上方フレーム40は、第1上方フレーム部材と2本の第2上方フレーム部材を備える組立式水槽台1とする。
【選択図】
図2