(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、管理装置、管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B60L 3/00 20190101AFI20240918BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240918BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240918BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20240918BHJP
B60L 53/65 20190101ALN20240918BHJP
B60L 53/10 20190101ALN20240918BHJP
【FI】
B60L3/00 N
E05B49/00 J
B60L50/60
B60R25/24
B60L53/65
B60L53/10
(21)【出願番号】P 2019110449
(22)【出願日】2019-06-13
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 浩
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-012338(JP,A)
【文献】特開2016-030914(JP,A)
【文献】特開2015-104157(JP,A)
【文献】特開2019-087247(JP,A)
【文献】特開2020-013352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-58/40
B60W 10/00-20/50
E05B 49/00
B60R 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常事態の検出時に、所定の条件を用いて車両を登録者に貸し出し可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果、貸し出し可能と判定された前記車両を解錠するためのキー情報を生成する生成手段と、
生成した前記キー情報を、前記車両を貸し出し可能と判定された前記登録者の端末に送信する送信手段と、を備える管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管理装置において、
前記判定手段は、前記車両の走行可能距離を用いて可否判定する、管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の管理装置において、
前記車両を駆動する電池の残容量を示す情報を用いて当該車両の走行可能距離を算出する算出手段をさらに備える、管理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置において、
前記判定手段は、前記所定の条件を用いて、前記車両と前記登録者とのマッチング処理を行い、合致した前記車両と前記登録者について、当該車両を当該登録者に貸し出し可能と判定する、管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の管理装置において、
電力供給を必要としている地域の情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記判定手段は、
取得した前記地域に存在している前記車両と、前記登録者との前記マッチング処理を行う、管理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の管理装置において、
前記マッチング処理により合致した前記車両と前記登録者を候補として提示する提示手段と、
提示された前記候補の中から、前記車両と前記登録者の選択を受け付ける受付手段と、を備え、
前記生成手段および前記送信手段は、選択された前記車両と前記登録者について前記キー情報の生成および送信処理を行う、管理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の管理装置において、
前記車両または当該車両に搭載される電池に一意に付与される識別情報を記憶手段に登録する登録手段をさらに備え、
前記キー情報を前記登録者の前記端末から受信した後の前記車両からの要求に応じて、前記送信手段は、当該車両の前記識別情報を前記記憶手段から読み出して、前記キー情報の有効化情報として当該車両に送信する、管理装置。
【請求項8】
車両およびサーバ装置を備え、
請求項1から7のいずれか一項に記載の管理装置の各手段の各機能は、
前記車両および前記サーバ装置の少なくともいずれか一方により実現される、情報処理システム。
【請求項9】
管理装置が、
非常事態の検出時に、所定の条件を用いて車両を登録者に貸し出し可能か否かを判定し、
前記判定の結果、貸し出し可能と判定された前記車両を解錠するためのキー情報を生成し、
生成した前記キー情報を、前記車両を貸し出し可能と判定された前記登録者の端末に送信する、管理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
非常事態の検出時に、所定の条件を用いて車両を登録者に貸し出し可能か否かを判定する手順、
前記判定の結果、貸し出し可能と判定された前記車両を解錠するためのキー情報を生成する手順、
生成した前記キー情報を、前記車両を貸し出し可能と判定された前記登録者の端末に送信する手順、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、車両、管理装置、管理方法、およびプログラムに関し、特に、二次電池を搭載する車両を管理する管理装置、管理方法、およびプログラム、車両と管理装置を含む情報処理システム、ならびに、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池を搭載して電力で駆動することが可能な電気自動車、ハイブリッド自動車等の普及は急速であり、今後、このような民間の者が利用する車両は勿論、より多くの電力を消費する大型車両の一層の普及が予想される。これらの電力によって駆動する車両(以降、まとめて「電動車両」とも呼ぶ)は、外部からの電力によって二次電池を充電するだけではなく、外部機器に対して電力を供給する技術も提案されている。また、これらの車両に給電可能な車両型の電気ステーションの拡大も期待されている。
【0003】
特許文献1には、住宅と電気自動車の双方から電力可能な電力マネジメントシステムが記載されている。住宅側には、電気自動車の電池の状態を監視し、電池の状態に応じて住宅への給電を制御するマネジメントシステムが備わっている。しかしながら、住宅と電気自動車とが電気的に接続された状態での制御であり、住宅と連結していないときの電池の取扱いについては考慮されていない。また、災害時などの非常時の制御も考慮されていない。
【0004】
特許文献2には、ハイブリッド自動車のエンジンを動かしながら、外部機器に対して電力が供給可能な技術が記載されている。災害時には、ユーザによって充電ケーブルと給電ケーブルの接続が切換えられるか、充電と給電とを切替えるスイッチが操作されるか等で、ハイブリッド自動車からの外部機器への電力供給が可能となる。しかし、ユーザによる操作がなければ動作させることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-008380号公報
【文献】特開2013-051772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
災害時などの非常事態には、車両を電力源として活用できるようにすることが好ましい。このためには、車両を他者に適切に貸し出せるようにする必要がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、災害時などに車両を他者に適切に貸し出す技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
【0009】
第一の側面は、管理装置に関する。
第一の側面に係る管理装置は、
非常事態の検出時に、所定の条件を用いて車両を登録者に貸し出し可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果、貸し出し可能と判定された前記車両を解錠するためのキー情報を生成する生成手段と、
生成した前記キー情報を、前記車両を貸し出し可能と判定された前記登録者の端末に送信する送信手段と、を有する。
【0010】
第二の側面は、少なくとも1つのコンピュータにより実行される管理方法に関する。
第二の側面に係る管理方法は、
管理装置が、
非常事態の検出時に、所定の条件を用いて車両を登録者に貸し出し可能か否かを判定し、
前記判定の結果、貸し出し可能と判定された前記車両を解錠するためのキー情報を生成し、
生成した前記キー情報を、前記車両を貸し出し可能と判定された前記登録者の端末に送信する、ことを含む。
【0011】
第三の側面は、車両に関する。
第三の側面に係る車両は、上記第一の側面の管理装置から、キー情報を受信すると、ドアを前記キー情報で施錠するとともに、端末から前記キー情報を受信すると、前記ドアを解錠する施錠解錠手段を有する。
【0012】
なお、本発明の他の側面としては、上記第二の側面の方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、管理装置上で、その管理方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0014】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0015】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0016】
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0017】
上記各側面によれば、災害時などに車両を他者に適切に貸し出す技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成を概念的に示す図である。
【
図2】本実施形態の管理装置の構成を論理的に示す機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態の管理装置を実現するコンピュータの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態の車両の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態の管理装置がアクセスする記憶装置に記憶される各種情報のデータ構造の例を示す図である。
【
図6】本実施形態の管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態の管理装置がアクセスする記憶装置に記憶される判定結果のデータ構造の例を示す図である。
【
図8】本実施形態の情報処理システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態の情報処理システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態の情報処理システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成を概念的に示す図である。
【
図12】本実施形態の管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の第3の実施の形態に係る管理装置の構成を論理的に示す機能ブロック図である。
【
図14】本実施形態の管理装置が記憶装置に登録する車両情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図15】本実施形態の情報処理システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の第4の実施の形態に係る制御装置の構成を論理的に示す機能ブロック図である。
【
図17】本実施形態の情報処理システムの動作の例を示すフローチャートである
【
図18】本実施形態の情報処理システムの動作の例を示すフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0020】
実施形態において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理システム1のシステム構成を概念的に示す図である。本実施形態の情報処理システム1は、大災害等の非常事態発生時等に、所有者以外の登録者20に車両300を貸し出すサービスを実現する。具体的には、非常事態が発生したときに、予め登録されている車両300(以後、登録車両30とも呼ぶ)の所有者(不図示)がその場にいなくても、条件が合えば、事前に登録されている登録者20による当該登録車両30の使用が可能になる。登録車両30は、二次電池を搭載していてもよく、例えば、当該登録車両30に搭載されている二次電池を用いて、登録車両30を緊急電源車両等として活用できる。登録車両30は、例えば、電気自動車、またはガソリンエンジンを併用する所謂ハイブリッド車でもよい。登録車両30は、移動電源車両であってもよい。また、登録車両30は、個人所有のものでもよいし、所定の組織が所有するものであってもよい。
【0022】
非常事態とは、例えば、大地震、津波、台風、土砂崩れ、洪水、大気汚染、大事故、ミサイル攻撃、テロ等が発生した、または発生が予想される事態を含む。非常事態の検出は、例えば、災害情報発信元10からの災害情報の受信により行える。災害情報とは、例えば、緊急地震速報、津波警報、その他の気象に関する特別警報(大雨、暴風、高潮、波浪、暴風雪、大雪等)、災害または避難情報(津波、土砂崩れ、河川氾濫、浸水、土石流、火山噴火等)等を含む緊急速報(所謂エリアメール)、全国瞬時警報システム(所謂Jアラート)からの警報情報、デジタル方式の防災行政無線システムからの防災情報のうち少なくともいずれか一つを含む。
【0023】
情報処理システム1は、サーバ装置40と、ユーザ端末200と、登録車両30と、を備える。サーバ装置40は、記憶装置110に接続される。記憶装置110は、サーバ装置40の内部に含まれてもよいし、サーバ装置40の外部に設けられた記憶装置であってもよい。記憶装置110は、複数の記憶装置の組み合わせでもよい。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態に係る管理装置100の構成を論理的に示す機能ブロック図である。管理装置100は、判定部102と、生成部104と、送信部106と、を備える。
判定部102は、非常事態の検出時に、所定の条件を用いて登録車両30を登録者20に貸し出し可能か否かを判定する。生成部104は、判定の結果、貸し出し可能と判定された登録車両30を解錠するためのキー情報を生成する。送信部106は、生成したキー情報を、登録車両30を貸し出し可能と判定された登録者20のユーザ端末200に送信する。
【0025】
判定部102、生成部104、および送信部106は、
図1のサーバ装置40、ユーザ端末200、および登録車両30の少なくともいずれかにより実現される。また、災害情報発信元10からの情報を受信し、非常事態を検出する処理は、サーバ装置40、ユーザ端末200、および登録車両30のそれぞれで行われてよい。
【0026】
災害時等に停電等によりサーバ装置が外部端末と正常に通信できない状態や、サーバ装置40が障害を起こして機能しない状態等も想定される。そのため、特定の条件において、サーバ装置40が機能しない場合にも本情報処理システム1は実現されるように構成される。つまり、後述するように、管理装置100の構成要素を登録車両30が実現できるように構成される。
【0027】
ユーザ端末200は、登録者20が利用する端末装置であり、例えば、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等の携帯可能な端末である。ユーザ端末200は登録者20の所有物であってもよいし、あるいは、登録者20に貸与されるものであってもよい。
【0028】
ユーザ端末200を用いて登録者20が情報処理システム1のサービスを利用する形態は以下に例示されるがこれらに限定されない。
(1)ユーザ端末200に、本情報処理システム1のサービスを利用するためのアプリケーションをインストールする。そして、ユーザ端末200にインストールされたアプリケーションを起動し、アプリケーションからサーバ装置40または登録車両30にアクセスして、ユーザ端末200は情報処理システム1が提供するサービスを利用する。
(2)ユーザ端末200上でブラウザを起動し、所定のウェブサイトにアクセスして、ユーザ端末200は情報処理システム1によって提供されるサービスを利用する。
【0029】
サーバ装置40、ユーザ端末200、および登録車両30の相互間の接続形態は特に限定されず、有線および無線の少なくともいずれか一方で接続される。通信方式も特に限定されず、各装置が利用可能な所定の通信方式で互いに接続されてよい。通信方式の例として、ユーザ端末200または登録車両30は、4G(4th Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の携帯電話や移動体データ通信規格に従った通信方式、または無線LAN(Local Area Network)等の通信方式等で、図示されない基地局またはアクセスポイント等の中継装置を介してインターネット等の通信ネットワーク3に接続し、サーバ装置40と通信できる。
【0030】
また、ユーザ端末200と登録車両30間は、近距離無線通信、例えば、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)、RFID(Radio Frequency IDentification)等で接続され、通信できてもよい。
【0031】
図3は、本実施形態の管理装置100を実現するコンピュータ60の構成の一例を示すブロック図である。上記したように、管理装置100は、複数のコンピュータ60(すなわち、サーバ装置40、ユーザ端末200、および登録車両30の少なくともいずれか一つ)により構成されてもよいし、仮想サーバにより実現されてもよい。なお、車両のハードウェア構成については、後述する。
【0032】
コンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)62、メモリ64、メモリ64にロードされた管理装置100の構成要素を実現するプログラム80、そのプログラム80を格納するストレージ66、I/O(Input/Output)68、および通信ネットワーク3接続用のインタフェース(通信I/F70)を備える。
【0033】
CPU62、メモリ64、ストレージ66、I/O68、通信I/F70は、バス69を介して互いに接続され、CPU62により各サーバおよびユーザ端末がそれぞれ制御される。ただし、CPU62などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0034】
メモリ64は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。ストレージ66は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、またはメモリカードなどの記憶装置である。
【0035】
ストレージ66は、RAMやROMなどのメモリであってもよい。ストレージ66は、コンピュータ60の内部に設けられてもよいし、コンピュータ60がアクセス可能であれば、コンピュータ60の外部に設けられ、コンピュータ60と有線または無線で接続されてもよい。あるいは、コンピュータ60に着脱可能に設けられてもよい。
【0036】
CPU62が、ストレージ66に記憶されるプログラム80をメモリ64に読み出して実行することにより、以下に説明する管理装置100の各ユニットの各機能を実現することができる。
【0037】
I/O68は、コンピュータ60と他の入出力装置間のデータおよび制御信号の入出力制御を行う。他の入出力装置とは、たとえば、コンピュータ60に接続されるキーボード、タッチパネル、マウス、およびマイクロフォン等の入力装置72と、ディスプレイ(図中、表示装置74と示す)、プリンタ、およびスピーカ等の出力装置(不図示)と、これらの入出力装置とコンピュータ60のインタフェースとを含む。さらに、I/O68は、他の記録媒体の読み取りまたは書き込み装置(不図示)とのデータの入出力制御を行ってもよい。
【0038】
通信I/F70は、コンピュータ60と外部の装置との通信を行うためのネットワーク接続用インタフェースである。通信I/F70は、有線回線と接続するためのネットワークインタフェースでもよいし、無線回線と接続するためのネットワークインタフェースでもよい。たとえば、管理装置100を実現するコンピュータ60は、通信I/F70により通信ネットワーク3を介して互いに接続される。
【0039】
図2の本実施形態の管理装置100の各構成要素は、
図3のコンピュータ60のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各実施形態の管理装置100を示す機能ブロック図は、ハードウェア単位の構成ではなく、論理的な機能単位のブロックを示している。
【0040】
図4は、本実施形態の車両300の構成の一例を示すブロック図である。
車両300は、コントローラ302と、メモリ304と、広域通信部306と。ユーザインターフェイス(図中、「UI」と示す)308と、二次電池パック310と、充放電制御部312と、ドアロック機構320と、施錠解除制御部322と、近距離通信部324と、位置情報取得部330と、モータ340と、モータ駆動機構342と、計器350とを備えている。各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0041】
コントローラ302は、車両300の動作を制御するコンピュータであり、上記した
図2のコンピュータ60と同様な構成を有してよい。コントローラ302は、CPU62が、ストレージ66またはメモリ64に記憶されるプログラム80を読み出してメモリ64上で実行することにより、
図4の車両300の各構成要素(例えば、充放電制御部312、施錠解除制御部322、位置情報取得部330、モータ駆動機構342、ユーザインターフェイス308等)の各機能を実現する。
【0042】
メモリ304は、上記ストレージ66またはメモリ64を含んでもよいし、コンピュータ60の外部の記憶手段であってもよい。以下、メモリ304を車両300のコントローラ302がアクセスする記憶手段として説明する。
【0043】
広域通信部306は、上記した通信ネットワーク3に接続し、サーバ装置40またはユーザ端末200と、通信を行う。広域通信部306の通信方式は、特に限定されないが、4GやLTE等の携帯電話や移動体データ通信規格に従った通信方式、または無線LAN等の通信方式等で、図示されない基地局またはアクセスポイント等の中継装置を介してインターネット等の通信ネットワーク3に接続できる。
【0044】
ユーザインターフェイス308は、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)表示器、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ等の表示手段、操作キー、操作ボタン、スイッチ、ジョグダイヤル、タッチパッド等の操作手段、表示手段と操作手段が一体となったタッチパネル等である。例えば、車両300にナビゲーションシステム(不図示)が搭載されている場合、ナビゲーションシステムのディスプレイ、操作部、タッチパネル等と併用してもよい。
【0045】
二次電池パック310は、図示されない二次電池と、BMU(Battery Management Unit)と、を含んでよい。充放電制御部312は、二次電池の充放電を制御する。二次電池の充電方法は、例えば、充電ステーションで電源に接続して充電してもよいし、走行時の車両300のモータの回転エネルギから生成される電力を充電してもよい。二次電池の電力は、車両300のモータ340の駆動、車両300の各種機器を動作させるのに使用できる。
【0046】
ドアロック機構320は、車両300のドアを機械的に施錠または解錠するための機構である。施錠解除制御部322は、ドアロック機構320を制御してドアロックを施錠または解錠する制御を行う。近距離通信部324は、リモコンキー326またはユーザ端末200と、例えば、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)、RFID(Radio Frequency IDentification)等の通信規格に従った近距離通信を行う。例えば、近距離通信部324は、リモコンキー326またはユーザ端末200との通信を確立した後、リモコンキー326またはユーザ端末200からドアロックを解錠するためのキー情報を受信する。近距離通信部324が受信したキー情報を用いて、施錠解除制御部322はドアロック機構320で施錠されているドアロックを解錠できる。
【0047】
位置情報取得部330は、車両300の現在位置をGPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)等の測位システムから受信する。
【0048】
モータ340は、車両300の車輪を回転させて車両300を走行させるものであり、モータ駆動機構342により駆動制御される。計器350は、車両300の走行距離を計測する計器、二次電池の残容量を計測する計器、現在時刻を計時または通信ネットワーク3を軽油して取得する時計等を含む。取得部352は、計器350で計測された計測値または時刻情報を取得する。
【0049】
図4に示す本実施形態の車両300の各構成要素は、ハードウェアとソフトウェア(不図示)の任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0050】
図2に戻り、管理装置100の構成の詳細について説明する。
判定部102による判定のタイミングは、以下に例示される。以下の複数を組み合わせてもよい。
(1)非常事態が発生し、当該非常事態を検出したときに判定
(2)非常事態が発生したときに貸し出しが可能かを、事前に判定
例えば、利用者または車両の提供者により本システムの利用が登録されたときに判定
(3)定期的、または任意のタイミングで指定されたときに判定
【0051】
生成部104がサーバ装置40により実現される構成の場合、サーバ装置40により生成されたキー情報が、ユーザ端末200および車両300の双方に送信される。また、生成部104は、車両300により実現される構成でもよく、その場合、車両300により生成されたキー情報は、サーバ装置40を経由してユーザ端末200に送信される。車両300は、サーバ装置40において上記の判定部102により判定処理が行われた後、サーバ装置40からの指示に従いキー情報を生成してもよい。
【0052】
登録者20のユーザ端末200が受信可能なメールアドレス、または、携帯電話番号等の宛先情報を記憶装置110に登録者20毎に登録者情報120(
図5(a))として予め記憶しておき、送信部106は当該宛先にキー情報を送信する。
図5(a)に示すように、登録者情報120は、登録者20の識別情報(登録者ID)、後述するサービス利用申請時に登録された登録者情報、および宛先情報が含まれてよい。
【0053】
キー情報を、メールまたはメッセージに添付して送信してもよいし、キー情報を取得できるURLアドレス情報をメールまたはメッセージで送信してもよい。あるいは、キー情報がサーバ装置40により生成されたことを通知するメッセージを送信してもよい。その場合、登録者20は、例えば、予めユーザ登録した登録ユーザ個人専用のウェブページにログインして、サーバ装置40からキー情報をダウンロードすることでキー情報を取得してもよい。
【0054】
登録車両30については、例えば、広域通信部306に割り当てられているIP(Internet Protocol)アドレスを宛先情報として記憶装置110に登録車両30毎に車両情報130(
図5(b))として予め記憶しておく。そして、送信部106は当該宛先にキー情報を送信する。または、サーバ装置40の送信部106は登録車両30にキー情報の生成指示を送信する。
【0055】
生成部104によるキー情報の生成のタイミングは以下に例示される。以下の複数を組み合わせてもよい。
(1)非常事態が検出されて判定部102による判定の結果、貸し出し可能と判定されたときにキー情報を生成
(2)判定部102による判定の結果、貸し出し可能と判定された後にキー情報を生成
(3)定期的、または任意の(指定された)タイミング(予め生成しておく)
【0056】
キー情報の送信または登録者20によるキー情報のダウンロードのタイミング、または、キー情報が利用可能となる(有効化される)タイミングは、様々考えられ、以下に例示されるがこれらに限定されない。
(1)非常事態が検出されて判定部102により登録者20が利用可能な登録車両30が見つかり、生成部104によりキー情報が生成された後
(2)非常事態が検出された後に、登録者20のユーザ端末200と利用可能な登録車両30の近距離通信部324とが無線通信を確立した後
(3)非常事態が検出された後に、登録者20と登録車両30の位置情報が一致(所定範囲内に接近)した後
(4)非常事態が発生する前にキー情報が生成されている場合は、非常事態が発生した(検出された)後に、かつ、上記(1)から(3)の少なくともいずれか一つのタイミング
上記(4)の場合、ユーザ端末200または車両300の少なくともいずれか一方のキー情報が有効化前のものが生成され、他方は有効化済みのキー情報が生成されてもよい。
ここで、キー情報の有効化とは、例えば、登録車両30において当該キー情報を用いて当該登録車両30のドアを施錠させることである。
【0057】
非常事態の検出方法については、上記した災害情報の受信による方法が例示される。災害情報発信元10からの災害情報の受信による非常事態の検出は、サーバ装置40、登録車両30、およびユーザ端末200のそれぞれにおいて検出可能である。特に、登録車両30またはユーザ端末200において、サーバ装置40と通信できない状態、または正常に通信できない状態、あるいは、意味のある情報を発信元やサーバ装置40から受信できない状態が検出された場合に、登録車両30またはユーザ端末200が判定部102の機能を実現して非常状態を検出してもよい。
【0058】
判定部102は、災害情報発信元10からの災害情報について、その真偽を確認する処理を行う構成を有してもよい。判定部102は、災害情報を発信した災害情報発信元10である基地(たとえば気象庁等)とは別の基地(たとえば通信会社)からの情報や信号、または、災害情報発信元10のサーバを管理する機関のコンピュータからの判定信号に基づいて災害情報の真偽を確認することができる。あるいは、災害情報発信元10から発信される信号に真偽を判定可能な信号を乗せ、判定部102が当該信号を元に判定してもよい。さらには、サーバ装置40が有する機械的またはソフトウェアスイッチの直接的な切替えに基づいて判定してもよい。
【0059】
所定の条件とは、登録車両30自体がそもそも貸し出し可能な状態にあるのか、あるいは、登録者20に登録車両30の使用を許可できる状態にあるのかを示す条件である。条件は以下に例示されるがこれらに限定さない。以下の複数を組み合わせてもよい。
(a)登録車両30を所有者が運転中である。
(b)所有者が登録車両30を利用しない時間帯である。
(c)登録車両30の走行可能距離が所定値以上である。
(d)登録車両30の燃料の残量または二次電池の残容量が、所定値以上である。
(e)登録者20と登録車両30の現在位置の距離が所定値以内である。
(f)登録者20は、登録車両30の利用権限を有している。
【0060】
以下、条件別に判定方法の具体例について説明する。
上記(a)の登録車両30を所有者が運転中であるか否かの判定方法は以下に例示されるがこれらに限定されない。以下の複数を組み合わせてもよい。
(a1)車両300のモータ駆動機構342から取得されるモータ340の駆動状況を示す情報から、駆動中(例えば、モータの回転数が所定値以上等)ならば運転中と判定する。車両300毎に駆動中か否かを判定する情報および判定基準となる所定値は設定できてよいし、車種毎に設定できてもよい。
(a2)モータの回転数が所定値未満であっても、所定期間の履歴情報を取得し、所定期間以内に駆動中である期間が所定時間以上あれば運転中と判定する。
(a3)上記(a2)で、所定期間中、所定時間以上駆動していなければ運転中でないと判定する。
(a4)充放電制御部312から取得される二次電池が放電しているか否かを示す情報から、放電中は運転中と判定する。
(a5)上記(a4)で充電中は運転中でないと判定する。
(a6)二次電池の放電量が所定値以上なら運転中と判定する。
(a7)二次電池の放電量が所定値未満であっても、所定期間の履歴情報を取得し、所定期間以内に放電があった(または所定値以上の放電があった)場合は運転中と判定する。
(a8)上記(a7)で、所定期間中も放電がない(または所定値以上の放電かない)場合、運転中ではないと判定する。
(a9)計器350から取得部352により取得される計測値(例えば、走行距離や二次電池残容量)の値の所定期間の履歴情報から、走行距離の増加が検出された場合、あるいは、二次電池残容量の減少が検出された場合は、運転中であると判定する。
(a10)上記(a9)で、計測値に変化が検出されない場合は運転中ではないと判定する。
(a11)位置情報取得部330から取得される車両300現在位置が示す情報の所定期間内の履歴情報から、車両300の位置に所定値以上変化があった場合は運転中であると判定する。
(a12)上記(a11)で、車両300位置に所定値以上の変化がなかった場合、運転中ではないと判定する。
【0061】
上記(b)の所有者が登録車両30を利用しない時間帯であるか否かの判定方法は以下に例示されるがこれらに限定されない。以下の複数を組み合わせてもよい。
(b1)登録車両30の所有者が利用しない時間帯(つまり貸し出し可能な時間帯)を予め指定して記憶装置110に登録しておく。取得部352から取得される現在時刻が上記の時間帯に含まれる場合、貸し出し可能であると判定する。時間帯は、指定の曜日、指定の時刻範囲、指定の日にち、指定の期間であってもよいし、曜日別、日にち別、月別の指定の時間帯、または指定の期間の指定の時間帯、であってもよい。
(b2)上記の(b1)で、現在時刻が時間帯に含まれている場合であっても、現在時刻から当該時間帯の残り時間が所定値未満の場合は、貸し出し不可と判定する。
(b3)上記(b2)で、所定値以上の残り時間がある場合は貸し出し可能と判定する。
【0062】
上記(c)の登録車両30の走行可能距離が所定値以上であるか否かの判定方法は以下に例示されるがこれらに限定されない。以下の複数を組み合わせてもよい。
(c1)登録車両30の走行可能距離の第1所定値に対応する燃料または二次電池の残容量の第2所定値を算出して記憶装置110に予め登録しておく。そして、取得部352から取得される登録車両30の燃料の残量または二次電池の残容量が、第2所定値以上である場合は、走行可能距離が第1所定値以上であると判定する。
(c2)管理装置100は、車両300の取得部352から取得される登録車両30の燃料の残量または二次電池の残容量を示す情報を用いて走行可能距離を算出する算出部(不図示)をさらに備え、算出された走行可能距離が所定値以上か否かを判定する。
(c3)登録者20のユーザ端末200から、登録者20が希望する走行距離の入力を受け付け、上記(c1)から(c3)のいずれかで求めた登録車両30の走行可能距離が、登録者20の希望する走行距離より長い場合に貸し出し可能と判定する。
(c4)登録者20のユーザ端末200から、希望する行き先を示す情報の入力を受け付け、登録車両30の位置情報取得部330から取得される位置情報から登録者20が希望する行き先への走行距離をカーナビゲーションシステムを用いて求め、求めた走行距離より、登録車両30の走行可能距離が長ければ貸し出し可能と判定する。
【0063】
上記(d)の登録車両30の燃料の残量または二次電池の残容量が、所定値以上であるか否かの判定方法は以下に例示されるがこれらに限定されない。上記(c1)と、(d)の燃料の残量または二次電池の残容量との違いは、上記(c1)は、走行可能距離に対応する燃料の残量または二次電池の残容量であるが、(d)は、単純に燃料の残量または二次電池の残容量が所定値以上あることが条件となる。これは、例えば、登録車両30を電源車または燃料源として利用したい場合に、二次電池の残容量または燃料の残量が必要な量以上なければ意味がないからである。
(d1)車両300の取得部352から取得される登録車両30の燃料の残量または二次電池の残容量が所定値以上か否かを判定する。
(d2)二次電池パック310のBMUから取得されるSOC(State Of Charge)等の情報を二次電池の残容量を示す情報として用いて判定する。
【0064】
上記(e)の登録者20と登録車両30の現在位置の距離が所定値以内であるか否かの判定方法は以下に例示されるがこれらに限定されない。以下の複数を組み合わせてもよい。ここでは、単純に登録者20と登録車両30の現在位置の距離が所定値以上離れていると登録者20が登録車両30に移動するのに時間と費用がかかってしまうため、登録車両30と登録者20の間の現在位置における距離はあまり遠くない方が好ましい。
(e1)位置情報取得部330から取得される登録車両30の位置を示す情報と、ユーザ端末200の位置情報取得部(不図示)から取得されるユーザ端末200の位置を示す情報とから登録車両30とユーザ端末200の間の距離を算出し、所定値以内か否かを判定する。
(e2)上記(e1)で、カーナビゲーションシステムまたは人の移動経路をナビゲートするシステムを用いて、登録車両30の位置とユーザ端末200の位置の経路を算出し、当該経路の距離または所要時間が所定値以内か否かを判定する。
(e3)登録車両30と登録者20の間の距離を比較する指標として、同じ都道府県内、同じ市町村内、および、同じ番地であるか否かのいずれかを判定基準として判定してもよい。上記(e2)と同様にして取得した登録車両30と登録者20の各々の現在位置を示す住所を取得して判定基準に従い判定してもよい。
(e4)人の移動をナビゲーションするアプリケーションを用いて、登録車両30と登録者20の間の距離を比較する指標として、徒歩圏内(例えば、1~2キロ以内)、公共交通機関利用で30分以内等の範囲を判定基準として判定してもよい。
【0065】
なお、(e)の距離と、上記(c)の走行可能距離とを組み合わせて、現在位置の距離が走行可能距離より長い場合は貸し出し不可と判定してもよい。または、走行可能距離が現在位置の距離より所定値以上長い場合に貸し出し可能と判定してもよい。
【0066】
上記(f)の登録者20は、登録車両30の利用権限を有しているか否かの判定方法は以下に例示されるがこれらに限定されない。以下の複数を組み合わせてもよい。
(f1)登録車両30毎に、利用権限を有している登録者20を紐付けて記憶装置110に予め登録しておく。登録情報に基づいて、判定する。
(f2)登録者20毎に、利用権限を有している登録車両30を紐付けて記憶装置110に予め登録しておく。登録情報に基づいて、判定する。
(f3)登録車両30毎に、電源車としての貸し出しが可能か否かを予め登録しておき、電源車として登録車両30の利用を希望する登録者20と予め紐付けて記憶装置110に記憶しておく。例えば、登録者20は、企業や役場等の団体であってもよく、当該団体と予め登録車両30の所有者とが契約を結んでおくことで登録されてもよい。例えば、この構成は、津波警報が出されたときに、電源車としての利用を許可されている登録車両30を、役場の担当者が所定の高台に移動および/または電源車として利用すること等が想定される。
【0067】
上記の各条件の判定基準値は、適宜変更できてよい。判定に使用する条件項目および判定基準値をそれぞれ設定できてよい。また、基準値を段階的に複数設定できてもよい。条件項目または基準値に優先順位を付けてもよい。複数の条件項目の組み合わせを指定できてもよい。
【0068】
サーバ装置40、あるいは、ユーザ端末200において、設定変更用の操作画面(不図示)を用いた設定変更受け付け、または所定の設定ファイルの書き換えにより所定条件および判定基準を変更できてもよい。また、条件を操作画面により段階的に変更できるようにしてもよい。例えば、所定の条件が登録者20と登録車両30との間の現在位置における距離であれば、5キロ、10キロ、15キロの範囲の中から選択するUI(ドラム、スライダ、チェックボックス、ラジオボタン等)を用いて選択できてもよい。
【0069】
生成部104により生成されるキー情報は、電子キーであり、例えば、1回のみ使用可能な所謂ワンタイムIDである。登録車両30には、キー情報で解錠されうるドアロックがかかっている。通常、上記したように車両300のドアロックはリモコンキー326を用いて解錠される。本実施形態では、登録車両30の利用を許可された登録者20のユーザ端末200に送信されたキー情報を用いて登録車両30のドアロックが解錠できる。ユーザ端末200の通信部(例えば、ブルートゥース通信部)と、登録車両30の近距離通信部324とを近づけて互いに通信を確立させた後、ユーザ端末200から登録車両30にキー情報を送信することができる。近距離通信部324が受信したキー情報を用いて、施錠解除制御部322がドアロック機構320を制御して登録車両30のドアロックが解錠される。
【0070】
なお、登録車両30のエンジン駆動用のキーは、登録車両30内のグローブボックスに保管されており、グローブボックスから利用時に取り出してエンジンを始動させることができてよい。所謂スマートキー等、エンジン駆動用を車内のスイッチ操作により行える車種の場合、送信部106から送信されるキー情報により解錠された後、車内のスイッチ操作によりエンジンが駆動できてよい。
【0071】
車両300を提供する車両300の所有者は、事前に本車両貸出サービスに提供する車両300を予め登録する。また、登録車両30を借りる登録者20も、事前に本車両貸出サービスの利用登録を行う。
【0072】
登録方法は、ウェブサイトからの申請、スマートフォン等の携帯端末上で起動したアプリケーションからの申請、または、書面での申請等、特に限定されない。登録者20および登録車両30の所有者は、身分証明書を提示する等して、予め身元または本人の確認を行い登録者20としての登録手続きを行うのが好ましい。申請後に登録が承認されると、登録者20と登録車両30の情報は、記憶装置110に記憶される。
【0073】
本実施形態では、登録者20は、例えば、登録車両30の所有者の親族や知人であるのが好ましい。例えば、ある登録車両30を利用可能な登録者20を紐付けてもよい。あるいは、登録車両30は不特定の登録者20が利用できてもよい。さらに登録者20は、カーシェアリングサービスの利用者等であってもよい。その場合はカーシェアリングサービスで利用されている車両300に当該利用者を登録者20として紐付けできる。
【0074】
このように構成された本実施形態の管理装置100の動作について説明する。
図6は、本実施形態の管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、判定部102が、非常事態の検出時に(ステップS101のYES)、所定の条件を用いて登録車両30を登録者20に貸し出し可能か否かを判定する(ステップS103)。
【0075】
例えば、災害情報発信元10から発信された緊急地震速報を、判定部102が受信すると(ステップS101のYES)、判定部102は、登録車両30の走行可能距離が10キロ以上であるか否かを判定し、10キロ以上の場合、登録車両30を登録者20に貸し出し可能であると判定する(ステップS103のYES)。登録車両30の走行可能距離が10キロ未満の場合、登録車両30は登録者20に貸し出しできないと判定し(ステップS103のNO)、本処理を終了する。
【0076】
次に、判定の結果、生成部104は、貸し出し可能と判定された(ステップS103のYES)登録車両30を解錠するためのキー情報を生成する(ステップS105)。送信部106は、生成したキー情報を、登録車両30を貸し出し可能と判定された登録者20のユーザ端末200に送信する(ステップS107)。ここでは、サーバ装置40が生成部104を有するので、送信部106は、登録車両30にもキー情報を送信する。
【0077】
送信部106は、登録者情報120および車両情報130から宛先情報を取得して、取得した宛先情報にそれぞれメールを送信する。また、キー情報を送信した登録者情報120と車両情報130の情報を
図5(c)の送信情報140に記憶してもよい。送信情報140には、送信したキー情報と、キー情報を送信した登録者20の登録者IDと、登録車両30の車両IDとが紐付けられる。
【0078】
上記したように、ユーザ端末200は、例えば、キー情報が取得できるURLが記載されたメールを受信し、メール記載のURLにアクセスしてキー情報をダウンロードして取得してもよい。取得したキー情報はユーザ端末200のメモリ64またはストレージ66に一時的に記憶される。
【0079】
上記メールまたはウェブサイトには、登録車両30の現在位置の情報が含まれてよい。サーバ装置40は、登録車両30から位置情報を取得し、メールに登録車両30の位置情報を含めてもよい。これにより、登録者20は、登録車両30の位置情報を見て登録車両30の停車位置まで行くことができる。登録車両30に対してユーザ端末200に一時的に記憶しているキー情報を登録車両30の近距離通信部324に対して送信する。例えば、ユーザ端末200と登録車両30間は、ブルートゥース(登録商標)やRFID等の近距離無線通信で通信を行い、キー情報を送受信できてよい。あるいは、登録者20と登録車両30の所有者が知人の場合は、所有者から登録者20に登録車両30の駐車位置を事前に、または、適宜、知らせてもよい。
【0080】
他の構成では、例えば、登録者20が登録車両30の近くに到着した後、ユーザ端末200がメールで通知されたURLにアクセスすると、サーバ装置40から登録車両30に対してネットワーク3を介して直接キー情報が送信されてもよい。このとき、登録車両30はユーザ端末200との近距離無線通信による通信確立を確認することで、送信部106は、ユーザ端末200が登録車両30の側にいることを判別した上でキー情報を送信してもよい。他の例では、ユーザ端末200から登録車両30に対してキー情報を取得するためのURLアドレスの情報を送信し、登録車両30の広域通信部306が通信ネットワーク3を介して受信したURLアドレスにアクセスしてキー情報を取得してもよい。
【0081】
登録車両30において、近距離通信部324が受信したキー情報を用いて施錠解除制御部322がドアロック機構320を制御しドアロックを解錠する。
【0082】
また、判定部102により登録車両30を貸し出し可能と事前に判定された登録者20とを、紐付けて判定結果150(
図7)として記憶装置110に記憶してもよい。そして、送信部106は、判定結果150から対応する登録車両30の車両IDと登録者20の登録者IDをそれぞれ読み出して、登録車両IDの宛先情報を車両情報130から読み出し、登録者IDの宛先情報を登録者情報120から読み出してもよい。
【0083】
図8~
図10は、情報処理システム1の動作の例を示すフローチャートである。
図8は、キー情報がサーバ装置40により生成される例を示している。
図9は、登録車両30により生成される例を示している。
図10は、非常事態が発生する前に、登録者20に貸し出し可能な登録車両30を判別し、生成したキー情報を送信しておき、非常事態の検出時にキー情報を有効化する例を示している。
【0084】
まず、
図8を用いてキー情報がサーバ装置40により生成される例について説明する。この例では、サーバ装置40が、
図2の管理装置100の全ての構成要素を備えている。
ステップS101~ステップS107は、
図6と同じである。ステップS107でサーバ装置40から送信されたキー情報をユーザ端末200が受信し、メモリ64またはストレージ66に一時的に記憶する(ステップS201)。上記したように、キー情報は、例えば、メールにキー情報を取得するためのURLアドレスが記載されている。そして、ユーザ端末200でブラウザを起動してURLアドレスのサイトにアクセスしてキー情報をダウンロードしてメモリ64またはストレージ66に一時的に記憶しておく。
【0085】
一方、ステップS107でサーバ装置40から送信されたキー情報を登録車両30の広域通信部306が受信する(ステップS301)。そして、登録車両30において、施錠解除制御部322は、ドアロック機構320を制御して、ステップS301で受信したキー情報を用いてドアを施錠させる(ステップS303)。そして、登録者20が登録車両30の駐車場所に到着し、ユーザ端末200に記憶していたキー情報を登録車両30に送信するために、ユーザ端末200を登録車両30の近距離通信部324に接近させて、通信を確立させる。
【0086】
例えば、ユーザ端末200で本情報処理システム1のサービスを利用するためのアプリケーションを起動し、アプリケーションのメニューからキー情報の送信を指示する操作ボタンを押下することで、登録車両30との通信接続処理を開始させることができる。ユーザ端末200と登録車両30との間の通信が確立すると、ユーザ端末200から登録車両30にキー情報が送信される(ステップS203)。
【0087】
なおユーザ端末200においてキー情報を送信する登録者20の操作を受け付ける際に、当該登録者20の顔認証処理を行い、本人確認を行う構成としてもよい。具体的には、キー情報の送信操作を受け付けたときに、ユーザ端末200のカメラを起動し、登録者20の顔を撮像させ、サーバ装置40に送信する。サーバ装置40では、予め登録されている登録者20の顔の特徴情報と照合を行い、登録者20本人であることを確認した場合に、当該操作を有効にする。一方、照合の結果、本人と確認できなかった場合には、当該操作を許可しない。さらに、ユーザ端末200に送信したキー情報を無効としてもよい。
【0088】
登録車両30の近距離通信部324は、ユーザ端末200からキー情報を受信する(ステップS305)。そして、施錠解除制御部322は、ドアロック機構320を制御して受信したキー情報を用いてドアロックを解錠させる(ステップS307)。
【0089】
この例では、非常事態が発生したとき、サーバ装置40の判定部102により、登録者20に登録車両30が貸し出し可能かが判定され、貸し出し可能と判定された登録者20のユーザ端末200と、登録車両30に生成したキー情報が送信される。これにより、登録者20は受信したキー情報を用いて登録車両30のドアロックを解錠することができる。登録車両30の所有者は、自身がその場にいなくても、サーバ装置40により貸し出し可能と判定された登録者20に、登録車両30を貸し出しことが可能になる。
【0090】
次に、
図9を用いて、登録車両30によりキー情報が生成される例について説明する。この例では、サーバ装置40が、
図2の管理装置100の判定部102および送信部106を備え、登録車両30が
図2の管理装置100の生成部104および送信部106を備えている。
まず、ステップS101、およびステップS103は
図8と同じである。ステップS103で、サーバ装置40の判定部102により登録車両30を登録者20に貸し出し可能と判定された場合(ステップS103のYES)、サーバ装置40は登録車両30に当該登録車両30のドアロック解除用のキー情報の生成を指示する(ステップS111)。
【0091】
登録車両30の広域通信部306がサーバ装置40からの指示を受け付けると、登録車両30の生成部104はキー情報を生成する。そして、広域通信部306は、生成したキー情報をサーバ装置40に送信する(ステップS311)。登録車両30の施錠解除制御部322は、ドアロック機構320を制御して、ステップS311で生成したキー情報を用いてドアを施錠させる(ステップS313)。
【0092】
サーバ装置40が登録車両30からキー情報を受信すると、サーバ装置40の送信部106は、当該登録車両30を貸し出し可能と判定された登録者20のユーザ端末200に、受信したキー情報を転送する(ステップS113)。ユーザ端末200は、キー情報をサーバ装置40から受信し、メモリ64またはストレージ66に一時的に記憶させる(ステップS201)。以降、ユーザ端末200による登録車両30の解錠操作は(ステップS203、ステップS305、ステップS307)
図8と同様である。
【0093】
この例では、非常事態が発生したとき、サーバ装置40の判定部102により、登録者20に登録車両30が貸し出し可能かが判定され、貸し出し可能と判定された登録車両30に対してキー情報の生成を指示し、登録車両30により生成されたキー情報がサーバ装置40を経由して登録者20のユーザ端末200に転送される。これにより、登録者20は受信したキー情報を用いて登録車両30のドアロックを解錠することができる。登録車両30の所有者は、自身がその場にいなくても、サーバ装置40により貸し出し可能と判定された登録者20に、登録車両30を貸し出しことが可能になる。
【0094】
次に、
図10を用いて、非常事態が発生する前に、登録者20に貸し出し可能な登録車両30を判別し、生成したキー情報を送信しておき、非常事態の検出時にキー情報を有効化する例について説明する。この例では、サーバ装置40が、
図2の管理装置100の全ての構成要素を備えている。
ステップS103~ステップS107、およびステップS201は
図8と同じである。サーバ装置40からステップS107で送信されたキー情報を登録車両30の広域通信部306は受信すると、メモリ304に記憶させる(ステップS321)。そして、登録車両30において、広域通信部306が災害情報発信元10から災害情報等を受信し、非常事態が発生したことを検出すると(ステップS323のYES)、メモリ304からキー情報を読み出し、施錠解除制御部322は、ドアロック機構320を制御して、キー情報を用いてドアを施錠させる(ステップS325)。以降、ユーザ端末200による登録車両30の解錠操作は(ステップS203、ステップS305、ステップS307)
図8と同様である。
【0095】
この例では、非常事態が発生する前に、サーバ装置40の判定部102により、登録者20に登録車両30が貸し出し可能かが判定され、貸し出し可能と判定された登録車両30と登録者20のユーザ端末200に対してキー情報が送信される。ユーザ端末200と登録車両30ではメモリに受信したキー情報を記憶しておく。そして、非常事態が発生した場合に、登録車両30において記憶していたキー情報を有効にするために、施錠解除制御部322により記憶していたキー情報でドアが施錠される。これにより、非常事態が発生した場合に、登録者20は予め取得していたキー情報を用いて登録車両30のドアロックを解錠することができる。登録車両30の所有者は、自身がその場にいなくても、サーバ装置40により貸し出し可能と判定された登録者20に、登録車両30を貸し出しことが可能になる。
【0096】
(第2の実施の形態)
図11は、本実施形態の情報処理システム1の構成を概念的に示すブロック図である。
上記実施形態では、登録車両30と登録者20の条件に基づいて、登録者20が登録車両30を利用可能か否かを判定していたが、本実施形態では、複数の登録車両30a、30b、30c、30d(特に区別する必要がない場合は登録車両30と呼ぶ。)と、複数の登録者20a、20b、20c、20d(特に区別する必要がない場合は登録者20と呼ぶ。)とを所定の条件下でマッチング処理を行い、合致した登録者20に登録車両30のキー情報を送信する構成を有する点以外は上記実施形態と同様である。なお、ここで示す登録車両30と登録者20の数が4であるのは一例であり、これに限定されない。また、登録者20と登録車両30の数は異なっていてもよく、登録者20が登録車両30より多くてもよいし、登録車両30が登録者20より多くてもよい。
【0097】
本実施形態の管理装置100は上記実施形態の
図2と同様な構成を有するので、
図2を用いて説明する。
判定部102は、所定の条件を用いて、登録車両30と登録者20とのマッチング処理を行い、合致した登録車両30と登録者20について、当該登録車両30を当該登録者20に貸し出し可能と判定する。
【0098】
マッチングして合致した登録車両30と登録者20との組み合わせは、1対1に限定されず、1対複数、複数対複数であってもよい。例えば、所有者の複数の親族を登録者20とした場合、1台の登録車両30に対して複数の登録者20が組み合わされてもよい。この場合、複数の登録者20には同じキー情報が送信されてもよい。ただし、キー情報はワンタイムIDであるのが好ましく、複数の登録者20のユーザ端末200に送信されたキー情報は、1回利用された後、他の登録者20のユーザ端末200に送信されたキー情報は無効となる。あるいは、1人の登録者20が複数のユーザ端末200の宛先情報を登録してもよい。この場合も同様に複数の宛先情報に同じキー情報が送信されてよく、いずれかのユーザ端末200からキー情報が利用された後、他のユーザ端末200の宛先情報に送信されたキー情報は無効となる。
【0099】
また、1人の登録者20が複数台の登録車両30を利用可能としてもよい。この場合、1人の登録者20のユーザ端末200に複数の登録車両30の各々用に複数のキー情報が送信されてもよい。
【0100】
本実施形態では、判定部102は、登録者20がユーザ端末200を用いて指定した条件に従い、複数の登録車両30の中から条件に合致する登録車両30を選択する。条件の合致は、必ずしも100%一致してなくてもよく、所定の割合以上一致すれば合致したと判定してもよい。
【0101】
また、複数の登録者20の条件と、複数の登録車両30の条件をそれぞれマッチング処理し、互いに一致の割合が高い順に、登録者20と登録車両30とを組み合わせてもよい。複数の条件が指定される場合は、優先順位を設け、順位別に一致の割合にさらに重み付けをすることで一致の割合の合計を求めて数値化してもよい。これらの結果をユーザ端末200のディスプレイに例えば、一覧表で画面表示してもよい。一覧表には、例えば、各登録車両30の走行可能距離、二次電池の残容量、および現在位置等のうち少なくとも一つの情報を提示してもよい。一覧表の中から、登録者20が貸し出しを希望する登録車両30の選択を受け付ける構成としてもよい。生成部104は、ユーザ端末200から登録者20が選択した登録車両30の情報を取得し、当該登録車両30のキー情報を生成してもよい。
【0102】
管理装置100は、マッチング処理により合致した登録車両30と登録者20を候補として提示する提示部(不図示)と、提示された候補の中から、登録車両30と登録者20の選択を受け付ける受付部(不図示)と、を備えてもよい。生成部104および送信部106は、選択れた登録車両30と登録者20のユーザ端末200について、キー情報の生成および送信処理を行うことができる。
【0103】
当該提示部と受付部は、サーバ装置40、ユーザ端末200、および登録車両30の少なくともいずれか一つが有してよい。この構成によれば、サーバ装置40の管理者、登録者20、および登録車両30の所有者の少なくともいずれか1人が、候補の中から登録者20と登録車両30の組み合わせを選択することができる。
【0104】
また、判定部102は、複数の登録車両30が条件に合致した場合に、登録者20の選択を受け付けずに、上記のようにして求めた一致の割合が、最も高い登録車両30を当該登録者20に貸し出し可能と判定してもよい。登録者20による登録車両30の選択を許可するか否かは、管理者または登録者20により設定できてもよい。
【0105】
また、ユーザ端末200のディスプレイに、例えば、地図の画面を表示して、条件に合致した登録車両30の位置を地図上に示してもよい。さらに、条件の変更操作をUIで受け付けながら、マッチング処理の結果に従い、地図上に登録車両30の位置を表示してもよい。さらに、複数の登録車両30がマッチング処理より貸し出し可能と判定された場合、当該地図画面上に表示されている登録車両30を登録者20が選択することで、利用する登録車両30を指定できてもよい。生成部104は、ユーザ端末200から登録者20が選択した登録車両30の情報を取得し、当該登録車両30のキー情報を生成してもよい。
【0106】
また、管理装置100は、上記実施形態の管理装置100の構成に加え、さらに、電力供給を必要としている地域の情報を取得する取得部(不図示)を有してもよい。そして、判定部102は、当該地域に存在している登録車両30と、登録者20とのマッチング処理を行ってもよい。電力供給を必要としている地域とは、災害が発生している地域またはその周辺(所定の範囲内)の地域であってもよいし、逆に、災害が発生している地域から所定距離以上離れた地域であってもよい。
【0107】
以下、本実施形態の情報処理システム1の動作について説明する。
図12は、本実施形態の情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図12のフローは、
図6のフローと同じステップS101、ステップS105、およびステップS107を含むとともに、
図6のステップS103の代わりに、ステップS111とステップS113とを含む。
【0108】
ステップS101で非常事態が検出されたとき(ステップS101のYES)、判定部102は、所定の条件を用いて、少なくとも1つの登録車両30と少なくとも1人の登録者20とのマッチング処理を行う(ステップS111)。登録車両30と登録者20の条件が合致した場合(ステップS113のYES)、ステップS105に進み、生成部104は、マッチングした登録車両30を解錠するためのキー情報を生成する。そして、送信部106は、マッチングした登録者20のユーザ端末200に生成されたキー情報を送信する(ステップS107)。
【0109】
サーバ装置40、登録車両30、およびユーザ端末200の処理フローについては、上記実施形態の
図8~10で説明した処理フローのステップS103のみが異なる点以外は同じである。つまり、判定部102による判定が、登録者20と登録車両30とのマッチング処理となり、マッチングが成立したユーザ端末200と登録車両30についてステップS103以降の処理が行われる。
【0110】
以上説明したように、本実施形態によれば、上記実施形態と同様な効果を奏するとともに、さらに、判定部102により登録者20と登録車両30のマッチング処理を行い、マッチングが成立した登録者20に登録車両30を貸し出し可能とすることができる。また、マッチングが成立した候補の中から管理者、登録者20、および登録車両30の所有者の少なくともいずれか1人が、登録者20と登録車両30の組み合わせを選択できる。
【0111】
(第3の実施の形態)
本実施形態では、登録車両30に搭載される二次電池に一意に付与される識別情報を、ユーザ端末200から受信したキー情報の有効化情報として利用する点以外は上記実施形態と同様である。本実施形態は、他の実施形態の少なくともいずれか一つと矛盾のない範囲で組み合わせることができる。
【0112】
図13は、本実施形態の管理装置100の論理的な構成を示す機能ブロック図である。管理装置100は、
図2の構成に加え、さらに、登録部108を備える。
登録部108は、登録車両30または当該登録車両30に搭載される二次電池に一意に付与される識別情報を記憶装置110に登録する。キー情報を登録者20のユーザ端末200から受信した後の登録車両30からの要求に応じて、送信部106は、当該登録車両30または二次電池の識別情報を記憶装置110から読み出して、キー情報の有効化情報として当該登録車両30に送信する。
【0113】
登録車両30の施錠解除制御部322は、キー情報の有効化情報として当該電池に一意に付与される識別情報を受信すると、二次電池の識別情報と照合し、一致した場合にキー情報を用いて解錠処理を行う。
【0114】
図14は、車両情報130のデータ構造の一例を示す図である。車両情報130には、上記実施形態の
図5のデータ構造に加え、さらに、登録車両30に搭載されている二次電池に一意に付与されている固有IDが紐付けられている。
【0115】
登録部108は、登録車両30と通信し、二次電池の固有IDを要求して取得することができる。登録車両30において、施錠解除制御部322は、ユーザ端末200からキー情報を受信した後であっても、正しい二次電池の固有IDをサーバ装置40から取得しない限り、ドアロックを解錠しない。二次電池の固有IDは、ユーザ端末200の所有者が知り得ない情報である。
【0116】
あるいは、固有IDを送信する代わりに、サーバ装置40が例えば、登録車両30の二次電池パック310の充放電を制御する機能を有している場合、サーバ装置40が、登録車両30の二次電池パック310のBMUに対して二次電池の充放電を許可するための信号を、送信部106は送信してもよい。登録車両30の充放電制御部312は、例えば、ドアが施錠されている場合は、二次電池の充放電を禁止する制御を行う。これにより、ユーザ端末200からキー情報が送信されて登録車両30のドアロックが解錠された場合であっても、サーバ装置40から当該二次電池への充放電の許可信号を受信しない限り、放電が開始しないために、登録車両30のエンジンをかけたり、または、二次電池を電源として利用したりできない。
【0117】
このように構成された本実施形態の動作について説明する。
図15は、本実施形態の情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図15のフローチャートは、上記実施形態の
図9のフローチャートのステップS311の続きを示している。登録車両30において、生成部104がキー情報を生成して送信部106がサーバ装置40にキー情報を送信した後(ステップS311)、施錠解除制御部322が生成したキー情報で登録車両30のドアを施錠する(ステップS313)。このとき、生成したキー情報をメモリ304に記憶しておく。その後、ユーザ端末200からキー情報を受信すると、記憶したキー情報と受信したキー情報を照合する(ステップS305)。
【0118】
ステップS305で照合結果が一致した場合、登録車両30はサーバ装置40にサーバ装置40が保存している登録車両30の二次電池の固有IDを要求する(ステップS331)。このとき、登録車両30は、ステップS311でサーバ装置40に送信したキー情報を再度サーバ装置40に送信してもよい。サーバ装置40は、受信したキー情報と、ステップS107で登録車両30から受信し、ユーザ端末200に転送したキー情報(
図5(c)の送信情報140から読み出す)とを照合してもよい。照合の結果、一致した場合に、ステップS131に進んでもよい。
【0119】
サーバ装置40の送信部106は、登録車両30から要求に従い、車両情報130から登録車両30の二次電池の固有IDを読み出して、登録車両30に送信する(ステップS131)。登録車両30において、広域通信部306が固有IDを受信し、施錠解除制御部322は、二次電池の固有IDと受信した固有IDを照合する(ステップS332)。
【0120】
固有IDが一致した場合(ステップS334のYES)、施錠解除制御部322、ステップS305で受信したキー情報で解錠制御を行う(ステップS307)。固有IDが一致しない場合(ステップS334のNO)、フローは進まない。つまり、ドアロックは解錠されない。
【0121】
本実施形態によれば、上記実施形態と同様な効果を奏するとともに、さらに、登録車両30がユーザ端末200からキー情報を受信した後、ドアロックを解錠する前に、サーバ装置40が管理している、かつ、登録者20が知り得ない登録車両30の二次電池の固有IDを用いて初めてキー情報を有効化できるので、登録者20以外によるキー情報の不正コピーや分析生成等による解錠等を防止できる。
【0122】
(第4の実施の形態)
上記実施形態では、登録者20と登録車両30とのマッチングを行った上でキー情報を有効化していたが、本実施形態の情報処理システム1は、登録者20に依らず、特定の条件を満たした場合に有効となる第2のキー情報を用いて登録車両30の施錠解錠を制御する構成を有している。本実施形態は、他の実施形態の少なくともいずれか一つと矛盾のない場合で組み合わせることができる。
【0123】
図16は、本実施形態の制御装置400の論理的な構成の一例を示す機能ブロック図である。制御装置400は、
図3のコンピュータ60により実現されてよい。制御装置400は、サーバ装置40および登録車両30の少なくともいずれか一方によって実現されてよい。また、制御装置400の各構成要素は、管理装置100に含まれてもよい。ただし、上記実施形態と同様に、サーバ装置40が当該機能を有した場合、停電時などに機能しなくなるため、登録車両30のコントローラ302により実現される方がより好ましい。
【0124】
制御装置400は、制御部402を備える。
本実施形態の登録車両30は、
図4の車両300と同様の構成を有する。登録車両30の施錠解除制御部322は、第1キー情報と、特定の条件を満たしたときに有効となる第2キー情報と、で解錠される。
制御部402は、特定の条件を満たしたとき、第2キー情報による解錠を有効にする。
【0125】
第1キー情報は、平常時に所有者が利用する登録車両30のドアを例えば、リモコンキー326によって施錠および解錠するキー情報である。第2キー情報は、特定の条件を満たしたときに有効化されるキー情報であり、登録車両30の所有者と、登録者20の両方に予め配布されているキー情報である。第2キー情報が配布される登録者20は、上記実施形態の判定部102により登録車両30を貸し出し可能と判定された登録者20であってもよいし、双方の事前申請により利用権限を得ている登録者20であってもよい。第2キー情報が配布された登録者20と登録車両30の情報は、
図5(c)の送信情報140に記憶されてよい。
【0126】
特定の条件は、登録車両30が通信ネットワーク3に接続できなくなったときである。
さらに、特定の条件は、登録車両30が非常事態を検出したときでもよい。登録車両30は、揺れを検出する検知部(不図示)を有してもよい。検知部により登録車両30が揺れを検知したとき、非常事態が検出されてよい。検知部は登録車両30に搭載される電池(二次電池パック310)の揺れを検知するセンサ(不図示)であってよい。
【0127】
このように構成された本実施形態の情報処理システム1の動作について説明する。
図17~
図18は、本実施形態の情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図17は、サーバ装置40が制御部402を実現する例であり、
図18は、登録車両30が制御部402を実現する例である。
【0128】
まず、サーバ装置40の送信部106が、上記実施形態で貸し出し可能と判定されている登録者20のユーザ端末200と登録車両30に事前に、第2キー情報を送信する(ステップS141)。上記したように、ユーザ端末200または登録車両30からサーバ装置40にアクセスして第2キー情報をダウンロードしてもよい。
【0129】
第2キー情報は、平常時に登録車両30のドアロックを解錠する第1キー情報とは異なるキー情報であり、特定の条件が成立した場合に有効となるものである。
【0130】
ユーザ端末200は、サーバ装置40から第2キー情報を受信し、メモリ64またはストレージ66に記憶する(ステップS241)。登録車両30の広域通信部306は、サーバ装置40から第2キー情報を受信し、メモリ304に記憶する(ステップS341)。
【0131】
そして、制御部402は、特定の条件を満たしたとき(ステップS143のYES)、第2キー情報の有効化を登録車両30に指示する(ステップS145)。登録車両30において、広域通信部306がサーバ装置40からの指示を受信すると、施錠解除制御部322は、ドアロック機構320を制御して、ステップS341で記憶していた第2キー情報を用いてドアを施錠させる(ステップS343)。この処理により、第2キー情報が有効化される。なお、制御部402は、ステップS145で登録車両30に対して第2キー情報の有効化が指示されたことを、ステップS141で第2キー情報を送信済みのユーザ端末200に通知してもよい。
【0132】
そして、登録者20が登録車両30の駐車場所に到着し、ユーザ端末200に記憶していた第2キー情報を登録車両30に送信するために、ユーザ端末200を登録車両30の近距離通信部324に接近させて、通信を確立させる。ユーザ端末200と登録車両30との間の通信が確立すると、ユーザ端末200から登録車両30に第2キー情報が送信される(ステップS243)。
【0133】
登録車両30の近距離通信部324は、ユーザ端末200から第2キー情報を受信する(ステップS345)。そして、施錠解除制御部322は、ドアロック機構320を制御して受信した第2キー情報を用いてドアロックを解錠させる(ステップS347)。
【0134】
次に、
図18を用いて、サーバ装置40が停電等により通信できなくなった場合を例に説明する。まず、ステップS141、ステップS241、ステップS341は
図17と同じである。ユーザ端末200と登録車両30に第2キー情報が記憶された後、災害等の発生により、サーバ装置40がダウンしたとする。登録車両30において、制御部402は、特定の条件の成立を検出し(ステップS342のYES)、施錠解除制御部322に第2キー情報の有効化を指示する。ここでは、ドアロック機構320を制御して、ステップS341で記憶していた第2キー情報を用いてドアを施錠させる(ステップS343)。以降、ユーザ端末200による登録車両30の解錠操作は(ステップS243、ステップS345、ステップS347)
図17と同様である。
【0135】
以上説明したように、本実施形態によれば、特定の条件を満たしたときに有効となる第2キー情報を用いて登録者20のユーザ端末200により登録車両30の解錠ができるので、災害発生時などに事前に第2キー情報が配布されている登録者20が対応する登録車両30を利用可能となる。また、本実施形態は、上記実施形態の判定処理およびマッチング処理により登録車両30と登録者20の適切に組み合わせることで、上記実施形態と同様な効果を奏することもできる。
【0136】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、上記実施形態では、登録者20に登録車両30を貸し出すまでの処理について説明した。他の実施形態では、登録者20に登録車両30を貸し出した後に下記の処理を行ってもよい。具体的には、管理装置100は、登録車両30の位置情報取得部330が取得した現在位置から予め指定した登録車両30の返却場所までの距離が、登録車両30の走行可能距離より長い場合、通知する通知部をさらに備えてもよい。通知部は、例えば、登録車両30のユーザインターフェイス308またはユーザ端末200に対して音声を出力、またはディスプレイにメッセージを表示する。音声やメッセージは例えば、充電を促したり、充電スタンドに誘導したりするものである。
【0137】
さらに、管理装置100は、例えば、登録車両30の走行可能距離な二次電池の残容量が閾値未満になった場合、登録車両30を自動運転により安全な場所に誘導して停止させる、充放電制御部312に対して二次電池からの電力供給(放電)を停止させる、あるいは、放電量をセーブさせるように制御する車両制御部(不図示)を備えてもよい。
【0138】
さらに、上記実施形態では、非常事態の発生時に登録者20に登録車両30を貸し出すことを想定していた。しかし、他の実施形態では、平常時であっても、例えば、登録者20からの要求に応じて、登録者20と登録車両30をマッチングを行い、マッチングが成立した場合に登録車両30を登録者20に貸し出してもよい。その場合、判定部102は、登録者20の希望条件、例えば、走行予定距離、目的地、および利用時間、登録車両30の駐車位置、登録者20の目的地と駐車位置との経路の距離、道路の混雑状況、充電ステーションの予約情報等を取得し、マッチング処理に用いてもよい。
【0139】
すなわち、この構成によれば、登録者20の希望する走行予定距離に対して、二次電池の残容量が足りる登録車両30を見つけることができる。
【0140】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、本発明において利用者に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【0141】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 非常事態の検出時に、所定の条件を用いて車両を登録者に貸し出し可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果、貸し出し可能と判定された前記車両を解錠するためのキー情報を生成する生成手段と、
生成した前記キー情報を、前記車両を貸し出し可能と判定された前記登録者の端末に送信する送信手段と、を備える管理装置。
2. 1.に記載の管理装置において、
前記判定手段は、前記車両の走行可能距離を用いて可否判定する、管理装置。
3. 2.に記載の管理装置において、
前記車両を駆動する電池の残容量を示す情報を用いて当該車両の走行可能距離を算出する算出手段をさらに備える、管理装置。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載の管理装置において、
前記判定手段は、前記所定の条件を用いて、前記車両と前記登録者とのマッチング処理を行い、合致した前記車両と前記登録者について、当該車両を当該登録者に貸し出し可能と判定する、管理装置。
5. 4.に記載の管理装置において、
電力供給を必要としている地域の情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記判定手段は、
取得した前記地域に存在している前記車両と、前記登録者との前記マッチング処理を行う、管理装置。
6. 4.または5.に記載の管理装置において、
前記マッチング処理により合致した前記車両と前記登録者を候補として提示する提示手段と、
提示された前記候補の中から、前記車両と前記登録者の選択を受け付ける受付手段と、を備え、
前記生成手段および前記送信手段は、選択された前記車両と前記登録者について前記キー情報の生成および送信処理を行う、管理装置。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載の管理装置において、
前記車両または当該車両に搭載される電池に一意に付与される識別情報を記憶手段に登録する登録手段をさらに備え、
前記キー情報を前記登録者の前記端末から受信した後の前記車両からの要求に応じて、前記送信手段は、当該車両の前記識別情報を前記記憶手段から読み出して、前記キー情報の有効化情報として当該車両に送信する、管理装置。
【0142】
8. 1.から7.のいずれか一つに記載の管理装置から、キー情報を受信すると、ドアを前記キー情報で施錠するとともに、端末から前記キー情報を受信すると、前記ドアを解錠する施錠解錠手段を備える、車両。
9. 8.に記載の車両において、
当該車両を駆動する電池を備え、
前記施錠解錠手段は、前記キー情報の有効化情報として当該電池に一意に付与される識別情報を受信すると、前記電池の識別情報と照合し、一致した場合に前記キー情報を用いてドアを解錠する、車両。
10. 車両およびサーバ装置を備え、
請求項1から7のいずれか一項に記載の管理装置の各手段の各機能は、
前記車両および前記サーバ装置の少なくともいずれか一方により実現される、情報処理システム。
【0143】
11. 管理装置が、
非常事態の検出時に、所定の条件を用いて車両を登録者に貸し出し可能か否かを判定し、
前記判定の結果、貸し出し可能と判定された前記車両を解錠するためのキー情報を生成し、
生成した前記キー情報を、前記車両を貸し出し可能と判定された前記登録者の端末に送信する、管理方法。
12. 11.に記載の管理方法において、
前記管理装置が、
前記判定において、前記車両の走行可能距離を用いて可否判定する、管理方法。
13. 12.に記載の管理方法において、
前記管理装置が、
前記車両を駆動する電池の残容量を示す情報を用いて当該車両の走行可能距離を算出する、管理方法。
14. 11.から13.のいずれか一つに記載の管理方法において、
前記管理装置が、
前記判定において、前記所定の条件を用いて、前記車両と前記登録者とのマッチング処理を行い、合致した前記車両と前記登録者について、当該車両を当該登録者に貸し出し可能と判定する、管理方法。
15. 14.に記載の管理方法において、
前記管理装置が、
電力供給を必要としている地域の情報を取得し、
前記判定において、取得した前記地域に存在している前記車両と、前記登録者との前記マッチング処理を行う、管理方法。
16. 14.または15.に記載の管理方法において、
前記管理装置が、
前記マッチング処理により合致した前記車両と前記登録者を候補として提示し、
提示された前記候補の中から、前記車両と前記登録者の選択を受け付け、
選択された前記車両と前記登録者について前記キー情報の生成および送信処理を行う、管理方法。
17. 11.から16.のいずれか一つに記載の管理方法において、
前記管理装置が、
前記車両または当該車両に搭載される電池に一意に付与される識別情報を記憶装置に登録し、
前記キー情報を前記登録者の前記端末から受信した後の前記車両からの要求に応じて、当該車両の前記識別情報を前記記憶装置から読み出して、前記キー情報の有効化情報として当該車両に送信する、管理方法。
【0144】
18. コンピュータに、
非常事態の検出時に、所定の条件を用いて車両を登録者に貸し出し可能か否かを判定する手順、
前記判定の結果、貸し出し可能と判定された前記車両を解錠するためのキー情報を生成する手順、
生成した前記キー情報を、前記車両を貸し出し可能と判定された前記登録者の端末に送信する手順、を実行させるためのプログラム。
19. 18.に記載のプログラムにおいて、
前記判定する手順において、前記車両の走行可能距離を用いて可否判定する手順をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
20. 19.に記載のプログラムにおいて、
前記車両を駆動する電池の残容量を示す情報を用いて当該車両の走行可能距離を算出する手順をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
21. 18.から20.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記判定する手順において、前記所定の条件を用いて、前記車両と前記登録者とのマッチング処理を行い、合致した前記車両と前記登録者について、当該車両を当該登録者に貸し出し可能と判定する手順、をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
22. 21.に記載のプログラムにおいて、
電力供給を必要としている地域の情報を取得する手順、
前記判定する手順において、取得した前記地域に存在している前記車両と、前記登録者との前記マッチング処理を行う手順、をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
23. 21.または22.に記載のプログラムにおいて、
前記マッチング処理により合致した前記車両と前記登録者を候補として提示する手順、
提示された前記候補の中から、前記車両と前記登録者の選択を受け付ける手順、
前記生成する手順および前記送信する手順において、選択された前記車両と前記登録者について前記キー情報の生成および送信処理を行う手順、をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
24. 18.から23.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記車両または当該車両に搭載される電池に一意に付与される識別情報を記憶装置に登録する手順、
前記キー情報を前記登録者の前記端末から受信した後の前記車両からの要求に応じて、前記送信する手順において、当該車両の前記識別情報を前記記憶装置から読み出して、前記キー情報の有効化情報として当該車両に送信する手順、をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0145】
1 情報処理システム
3 通信ネットワーク
10 災害情報発信元
20、20a、20b、20c、20d 登録者
30、30a、30b、30c、30d 登録車両
40 サーバ装置
60 コンピュータ
62 CPU
64 メモリ
66 ストレージ
68 I/O
69 バス
70 通信I/F
72 入力装置
74 表示装置
80 プログラム
100 管理装置
102 判定部
104 生成部
106 送信部
108 登録部
110 記憶装置
120 登録者情報
130 車両情報
140 送信情報
150 判定結果
200 ユーザ端末
300 車両
302 コントローラ
304 メモリ
306 広域通信部
308 ユーザインターフェイス
310 二次電池パック
312 充放電制御部
320 ドアロック機構
322 施錠解除制御部
324 近距離通信部
326 リモコンキー
330 位置情報取得部
340 モータ
342 モータ駆動機構
350 計器
352 取得部
400 制御装置
402 制御部