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特許7556684デバイス、及びディスプレイドライバー回路を駆動する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】デバイス、及びディスプレイドライバー回路を駆動する方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3275 20160101AFI20240918BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G09G3/3275
G09G3/20 611J
G09G3/20 612U
G09G3/20 623B
G09G3/20 623R
G09G3/20 642P
G09G3/20 680G
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019217274
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2020101796
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】62/784,337
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/283,514
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ホセ ピー アヌップ
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-166039(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0254758(US,A1)
【文献】特開2006-197541(JP,A)
【文献】特開2006-203568(JP,A)
【文献】特開2003-179481(JP,A)
【文献】特開2011-124683(JP,A)
【文献】特開2003-218689(JP,A)
【文献】特開2003-087104(JP,A)
【文献】特開2007-233326(JP,A)
【文献】特表2014-510295(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0004799(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0095306(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G3/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
前記デバイスの出力に接続されている負荷にプルアップ電流を供給するように構成されたプルアップ電流源回路と、
前記デバイスの出力に接続されている前記負荷にプルダウン電流を供給するように構成されたプルダウン電流源回路と、
前記デバイスの出力での出力電圧レベルを目標電圧レベルと比較し、二つの出力端子のうちの一つで比較器出力を生成するように構成された比較器回路と
前記比較器回路の前記二つの出力端子のうちの他の一つに接続されており、前記比較器出力に基づいて前記プルアップ電流源回路および前記プルダウン電流源回路の動作を制御するように構成された論理回路と、
を含み、
前記プルアップ電流源回路は、m(mは正の整数)セットのトランジスターを含む第1の複数のトランジスターを含み、
前記第1の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されているp-型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)およびn-型MOSFETを含み、
前記プルダウン電流源回路は、mセットのトランジスターを含む第2の複数のトランジスターを含み、
前記第2の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されている二つのn-型MOSFETを含み、
前記プルアップ電流源回路および前記プルダウン電流源回路は、
前記比較器回路、第1の複数のANDゲート回路の出力端子および第2の複数のANDゲート回路の出力端子に電気的に接続され、
一つ以上のマルチプレクサー、前記第1の複数のANDゲート回路、および前記第2の複数のANDゲート回路は前記比較器回路に電気的に接続されている
デバイス。
【請求項2】
前記デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ用カラム(column)ドライバーであり、前記デバイスの出力に接続されている前記負荷はOLEDである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターの各トランジスターセットにおいて、前記p-型MOSFETのソース端子はVDDに接続されており、前記p-型MOSFETのドレイン端子はn-型MOSFETのドレイン端子に接続されており、前記p-型MOSFETのゲート端子はバイアス電圧(Vbiasp)に接続されている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターにおいて、
前記n-型MOSFETのソース端子は、
互いに接続され、かつ、前記デバイスの出力に接続されており、
前記n-型MOSFETのゲート端子は「m」個の個別ANDゲート回路を含む第1の複数のANDゲート回路の対応する一つの出力端子に接続されている、
請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターにおいて、
第1のn-型MOSFETのドレイン端子は、
互いに接続されており、かつ、前記デバイスの出力に接続されており、
前記第1のn-型MOSFETのゲート端子は「m」個の個別ANDゲート回路を含む第2の複数のANDゲート回路の対応する一つの出力端子に接続されている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第2の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターの各トランジスターセットにおいて、
前記第1のn-型MOSFETのソース端子は第2のn-型MOSFETのドレイン端子に接続されており、
前記第2のn-型MOSFETのソース端子は接地されており、
前記第2のn-型MOSFETのゲート端子はバイアス電圧(Vbiasn)に接続されている、
請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記比較器回路は、演算増幅器(op-amp)である、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記論理回路は、n(nは正の整数)-ビットシフトレジスターであり、比較器出力に基づいて前記第1の複数のトランジスターまたは前記第2の複数のトランジスターからの一つ以上のトランジスターセットをターンオンまたはターンオフするように構成された「n」個の個別シフトレジスターを含む、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記「n」個の個別シフトレジスターの第1出力端子は、n-1個のマルチプレクサーのうちの一つのマルチプレクサーを通じて前記「n」個の個別シフトレジスターうちの次のシフトレジスターの入力端子に接続されている、
請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
新しいピクセルグレーレベルと古いピクセルグレーレベルとの間の差異の大きさを決定することにデジタルロジックが使用される、
請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記論理回路は、前記比較器出力の全ての出力遷移時にパルスを生成するように構成されたパルス発生器を通じて前記比較器回路の前記二つの出力端子のうちの他の一つに接続されており、前記パルス発生器は、エクスクルーシブORゲート回路である、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
デバイスであって、
前記デバイスの出力に接続されている負荷にプルアップ電流を供給するように構成されたプルアップ電流源回路と、
前記デバイスの出力に接続されている前記負荷にプルダウン電流を供給するように構成されたプルダウン電流源回路と、
前記デバイスの出力での出力電圧レベルを目標電圧レベルと比較し、比較器回路の二つの出力端子のうちの一つで比較器出力を生成するように構成された比較器回路と、
前記比較器回路の前記二つの出力端子のうちの他の一つに接続されており、前記比較器出力に基づいて前記プルアップ電流源回路および前記プルダウン電流源回路の動作を制御するように構成された論理回路と、
を含み、
前記プルアップ電流源回路は、m(mは正の整数)セットのトランジスターを含む第1の複数のトランジスターを含み、前記第1の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されているp-型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)およびn-型MOSFETを含み、
前記プルダウン電流源回路は、mセットのトランジスターを含む第2の複数のトランジスターを含み、第2の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されている二つのn-型MOSFETを含み、
前記比較器回路の第1の出力端子は、第1のマルチプレクサーに電気的に接続され、前記第1のマルチプレクサーの出力端子は第1の複数のANDゲート回路に電気的に接続され、前記第1の複数のANDゲート回路の出力端子は前記プルアップ電流源回路に電気的に接続され、
前記比較器回路の第2の出力端子は、第2のマルチプレクサーに電気的に接続され、前記第2のマルチプレクサーの出力端子は第2の複数のANDゲート回路に電気的に接続され、前記第2の複数のANDゲート回路の出力端子は前記プルダウン電流源回路に電気的に接続される、
デバイス。
【請求項13】
前記デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ用カラム(column)ドライバーであり、前記デバイスの出力に接続されている前記負荷はOLEDである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターの各トランジスターセットで、前記p-型MOSFETのソース端子はVDDに接続されており、前記p-型MOSFETのドレイン端子はn-型MOSFETのドレイン端子に接続されており、前記p-型MOSFETのゲート端子はバイアス電圧(Vbiasp)に接続されている、
請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターで、前記n-型MOSFETのソース端子は互いに接続されており、前記デバイスの出力にさらに接続されており、前記n-型MOSFETのゲート端子は「m」個の個別ANDゲート回路を含む第1
の複数のANDゲート回路の対応する一つの出力端子に接続されている、
請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第2の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターで、第1のn-型MOSFETのドレイン端子は互いに接続されており、前記デバイスの出力にさらに接続されており、前記第1のn-型MOSFETのゲート端子は「m」個の個別ANDゲート回路を含む第2の複数のANDゲート回路の対応する一つの出力端子に接続されており、前記第2の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターの各トランジスターセットで、前記第1のn-型MOSFETのソース端子は第2のn-型MOSFETのドレイン端子に接続されており、前記第2のn-型MOSFETのソース端子は接地されており、前記第2のn-型MOSFETのゲート端子はバイアス電圧(Vbiasn)に接続されている、
請求項12に記載のデバイス。
【請求項17】
前記論理回路は、n(nは正の整数)-ビットシフトレジスターであり、比較器出力に基づいて前記第1の複数のトランジスターまたは前記第2の複数のトランジスターからの一つ以上のトランジスターセットをターンオンまたはターンオフするように構成された「n」個の個別シフトレジスターを含み、前記「n」個の個別シフトレジスターの第1出力端子はn-1個のマルチプレクサーのうちの一つのマルチプレクサーを通じて前記「n」個の個別シフトレジスターのうちの次のシフトレジスターの入力端子に接続されており、デジタルロジックは新しいピクセルグレーレベルと古いピクセルグレーレベルとの間の差異の大きさを決定することに使用される、
請求項12に記載のデバイス。
【請求項18】
ディスプレイドライバー回路の出力に接続されている負荷にプルアップ電流を供給するように構成されたプルアップ電流源回路と、
前記ディスプレイドライバー回路の出力に接続されている前記負荷にプルダウン電流を供給するように構成されたプルダウン電流源回路と、
前記ディスプレイドライバー回路の出力での出力電圧レベルを目標電圧レベルと比較し、二つの出力端子のうちの一つで比較器出力を生成するように構成された比較器回路と、
前記比較器回路の前記二つの出力端子のうちの他の一つに接続されており、前記比較器出力に基づいて前記プルアップ電流源回路および前記プルダウン電流源回路の動作を制御するように構成された論理回路と、
を含み、
前記プルアップ電流源回路は、m(mは正の整数)セットのトランジスターを含む第1の複数のトランジスターを含み、
前記第1の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されているp-型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)およびn-型MOSFETを含み、
前記プルダウン電流源回路は、mセットのトランジスターを含む第2の複数のトランジスターを含み、
前記第2の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されている二つのn-型MOSFETを含み、
前記プルアップ電流源回路および前記プルダウン電流源回路は、
第1の複数のANDゲート回路の出力端子および第2の複数のANDゲート回路の出力端子に電気的に接続され、
一つ以上のマルチプレクサー、前記第1の複数のANDゲート回路、および前記第2の複数のANDゲート回路は前記比較器回路に電気的に接続されている、
ディスプレイドライバー回路を駆動する方法であって、
前記方法は、
前記論理回路の入力端子でパルス発生器から開始パルスを受信することに基づいてmセットのトランジスターを含む前記第1の複数のトランジスターをターンオンすることを含み、
前記ディスプレイドライバー回路の出力での前記出力電圧レベルを前記目標電圧レベルと比較して前記比較器出力を前記比較器回路で生成することを含み、
前記比較器出力に基づいて前記第1の複数のトランジスターまたは前記第2の複数のトランジスターのうちの一つ以上をターンオンまたはターンオフすること、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年12月21日に出願された、「HIGH-EFFICIENCYPIECE-WISE LINEAR COLUMN-DRIVERS WITH ASYNCHRONOUS CONTROL FOR DISPLAYS」との名称の米国特許仮出願第62/784,337号の優先権を主張し、米国特許仮出願第62/784,337号は本出願に参照として引用される。
【0002】
本発明の一実施形態は、ディスプレイドライバー回路に関するシステムおよび駆動方法に関し、特に、ディスプレイ用非同期制御を有する高効率のデバイス、ピースワイズ(piecewise)線形カラムドライバー回路、ディスプレイドライバー回路、それらに関するシステムおよび駆動方法に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光表示装置および液晶表示装置のような表示装置は、行方向に伸びる複数のスキャン線と列方向に伸びる複数のデータ線が交差する領域に設けられた複数のピクセルを含む。スキャンドライバーはスキャン線に順次にスキャン信号を供給し、データドライバー(カラムドライバー)は複数のデータ線にデータ信号を供給し、複数のピクセルが映像を表示するように制御するデータを書き込む。
【0004】
データドライバーは、デジタルデータをアナログ信号に変換する一つ以上のデジタル-アナログコンバータ(DAC)およびアナログデータ信号を増幅し、増幅されたアナログ信号をデータラインに供給するための一つ以上の増幅器ステージを含むことができる。
【0005】
背景技術は、技術の背景に関する理解を高めるためのものに過ぎず、先行技術の存在または先行技術との関連性を認定するものとして解釈されてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第7514989号明細書
【文献】米国特許第8212703号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この概要は、以下において詳細に説明される本発明の一実施形態の特徴および概念の選択を紹介するために提供される。この概要は、特許請求の範囲に記載された事項の核心または必須の特徴を特定するように意図されず、特許請求の範囲に記載された範囲を制限することに使用されるように意図されることもない。説明された特徴のうちの一つ以上は、他の説明された特徴のうちの一つ以上と組み合わせて、作動可能なデバイスを提供してもよい。
【0008】
本発明の一実施形態は、ディスプレイドライバー回路に関するシステムおよび駆動方法に関し、特に、ディスプレイ用非同期制御を有する高効率のデバイス、ピースワイズ線形カラムドライバー回路、ディスプレイドライバー回路、それらに関するシステムおよび駆動方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態において、デバイスは、前記デバイスの出力に接続されている負荷にプルアップ電流を供給するように構成されたセグメント型プルアップ電流源回路と、前記デバイスの出力に接続されている前記負荷にプルダウン電流を供給するように構成されたセグメント型プルダウン電流源回路と、前記デバイスの出力での出力電圧レベルを目標電圧レベルと比較し、二つの出力端子のうちの一つで比較器出力を生成するように構成された比較器回路と、前記比較器回路の少なくとも一つの出力端子に接続され、前記比較器出力に基づいて前記セグメント型プルアップ電流源回路および前記セグメント型プルダウン電流源回路の動作を制御するように構成された論理回路と、を含み、前記セグメント型プルアップ電流源回路は、m(mは正の整数)セットのトランジスターを含む第1の複数のトランジスターを含み、前記第1の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されているp-型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)およびn-型MOSFETを含み、前記セグメント型プルダウン電流源回路は、mセットのトランジスターを含む第2の複数のトランジスターを含み、第2の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されている二つのn-型MOSFETを含み、前記セグメント型プルアップ電流源回路および前記セグメント型プルダウン電流源回路は、第1の複数のANDゲート回路および第2の複数のANDゲート回路を通じて互いに接続され、一つ以上のマルチプレクサー、前記第1の複数のANDゲート回路、および前記第2の複数のANDゲート回路を通じて前記比較器回路の二つの出力端子に接続されている。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ用カラム(column)ドライバーであり、前記デバイスの出力に接続されている前記負荷はOLEDである。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記第1の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターの各トランジスターセットで、前記p-型MOSFETのソース端子はVDDに接続されており、前記p-型MOSFETのドレイン端子はn-型MOSFETのドレイン端子に接続されており、前記p-型MOSFETのゲート端子はバイアス電圧(Vbiasp)に接続されている。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記第1の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターで、前記n-型MOSFETのソース端子は互いに接続されており、前記デバイスの出力にさらに接続されており、前記n-型MOSFETのゲート端子は「m」個の個別ANDゲート回路を含む第1の複数のANDゲート回路の対応する一つの出力端子に接続されている。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記第2の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターで、第1のn-型MOSFETのドレイン端子は互いに接続されており、前記デバイスの出力にさらに接続されており、前記第1のn-型MOSFETのゲート端子は「m」個の個別ANDゲート回路を含む第2の複数のANDゲート回路の対応する一つの出力端子に接続されている。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記第2の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターの各トランジスターセットで、前記第1のn-型MOSFETのソース端子は第2のn-型MOSFETのドレイン端子に接続されており、前記第2のn-型MOSFETのソース端子は接地されており、前記第2のn-型MOSFETのゲート端子はバイアス電圧(Vbiasn)に接続されている。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記比較器回路は、演算増幅器(op-amp)である。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記論理回路は、n(nは正の整数)-ビットシフトレジスターであり、比較器出力に基づいて前記第1の複数のトランジスターまたは前記第2の複数のトランジスターからの一つ以上のトランジスターセットをターンオンまたはターンオフするように構成された「n」個の個別シフトレジスターを含む。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記「n」個の個別シフトレジスターの第1出力端子は、n-1個のマルチプレクサーのうちの一つのマルチプレクサーを通じて前記「n」個の個別シフトレジスターうちの次のシフトレジスターの入力端子に接続されている。
【0018】
本発明の一実施形態において、新しいピクセルグレーレベルと古いピクセルグレーレベルとの間の差異の大きさを決定することにデジタルロジックが使用される。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記論理回路は、前記比較器出力の全ての転移時にパルスを生成するように構成されたパルス発生器を通じて前記比較器回路の少なくとも一つの出力端子に接続されており、前記パルス発生器は、エクスクルーシブORゲート回路である。
【0020】
本発明の一実施形態によるデバイスは、前記デバイスの出力に接続されている負荷にプルアップ電流を供給するように構成されたセグメント型プルアップ電流源回路と、前記デバイスの出力に接続されている前記負荷にプルダウン電流を供給するように構成されたセグメント型プルダウン電流源回路と、前記デバイスの出力での出力電圧レベルを目標電圧レベルと比較し、前記比較器回路の二つの出力端子のうちの一つで比較器出力を生成するように構成された比較器回路と、前記比較器回路の少なくとも一つの出力端子に接続されており、前記比較器出力に基づいて前記セグメント型プルアップ電流源回路および前記セグメント型プルダウン電流源回路の動作を制御するように構成された論理回路を含む。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記セグメント型プルアップ電流源回路は、mセットのトランジスターを含む第1の複数のトランジスターを含み、前記第1の複数のトランジスターのm(mは正の整数)セットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されているp-型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)およびn-型MOSFETを含み、前記セグメント型プルダウン電流源回路は、mセットのトランジスターを含む第2の複数のトランジスターを含み、第2の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されている二つのn-型MOSFETを含み、前記セグメント型プルアップ電流源回路および前記セグメント型プルダウン電流源回路は、第1の複数のANDゲート回路および第2の複数のANDゲート回路を通じて互いに接続されており、前記セグメント型プルアップ電流源回路および前記セグメント型プルダウン電流源回路は、一つ以上のマルチプレクサー、前記第1の複数のANDゲート回路、および前記第2の複数のANDゲート回路を通じて前記比較器回路の二つの出力端子に接続されている。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ用カラム(column)ドライバーであり、前記デバイスの出力に接続されている前記負荷はOLEDである。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記第1の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターの各トランジスターセットで、前記p-型MOSFETのソース端子はVDDに接続されており、前記p-型MOSFETのドレイン端子はn-型MOSFETのドレイン端子に接続されており、前記p-型MOSFETのゲート端子はバイアス電圧(Vbiasp)に接続されている。
【0024】
本発明の一実施形態において、前記第1の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターで、前記n-型MOSFETのソース端子は互いに接続されており、前記デバイスの出力にさらに接続されており、前記n-型MOSFETのゲート端子は「m」個の個別ANDゲート回路を含む第1の複数のANDゲート回路の対応する一つの出力端子に接続されている。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記第2の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターで、第1のn-型MOSFETのドレイン端子は互いに接続されており、前記デバイスの出力にさらに接続されており、前記第1のn-型MOSFETのゲート端子は「m」個の個別ANDゲート回路を含む第2の複数のANDゲート回路の対応する一つの出力端子に接続されており、前記第2の複数のトランジスターの前記mセットのトランジスターの各トランジスターセットで、前記第1のn-型MOSFETのソース端子は第2のn-型MOSFETのドレイン端子に接続されており、前記第2のn-型MOSFETのソース端子は接地されており、前記第2のn-型MOSFETのゲート端子はバイアス電圧(Vbiasn)に接続されている。
【0026】
本発明の一実施形態において、前記論理回路は、n(nは正の整数)-ビットシフトレジスターであり、比較器出力に基づいて前記第1の複数のトランジスターまたは前記第2の複数のトランジスターからの一つ以上のトランジスターセットをターンオンまたはターンオフするように構成された「n」個の個別シフトレジスターを含み、前記「n」個の個別シフトレジスターの第1出力端子はn-1個のマルチプレクサーのうちの一つのマルチプレクサーを通じて前記「n」個の個別シフトレジスターうちの次のシフトレジスターの入力端子に接続されており、デジタルロジックは新しいピクセルグレーレベルと古いピクセルグレーレベルとの間の差異の大きさを決定することに使用される。
【0027】
本発明の一実施形態において、ディスプレイドライバー回路の出力に接続されている負荷にプルアップ電流を供給するように構成されたセグメント型プルアップ電流源回路と、前記ディスプレイドライバー回路の出力に接続されている前記負荷にプルダウン電流を供給するように構成されたセグメント型プルダウン電流源回路と、前記ディスプレイドライバー回路の出力での出力電圧レベルを目標電圧レベルと比較し、二つの出力端子のうちの一つで比較器出力を生成するように構成された比較器回路と、前記比較器回路の少なくとも一つの出力端子に接続されており、前記比較器出力に基づいて前記セグメント型プルアップ電流源回路および前記セグメント型プルダウン電流源回路の動作を制御するように構成された論理回路と、を含み、前記セグメント型プルアップ電流源回路は、m(mは正の整数)セットのトランジスターを含む第1の複数のトランジスターを含み、前記第1の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されているp-型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)およびn-型MOSFETを含み、前記セグメント型プルダウン電流源回路は、mセットのトランジスターを含む第2の複数のトランジスターを含み、第2の複数のトランジスターのmセットのトランジスターの各トランジスターセットは、互いに直列に接続されている二つのn-型MOSFETを含み、前記セグメント型プルアップ電流源回路および前記セグメント型プルダウン電流源回路は、第1の複数のANDゲート回路および第2の複数のANDゲート回路を通じて互いに接続され、一つ以上のマルチプレクサー、前記第1の複数のANDゲート回路、および前記第2の複数のANDゲート回路を通じて前記比較器回路の二つの出力端子に接続されている、ディスプレイドライバー回路を駆動する方法であって、前記方法は、前記論理回路の入力端子でパルス発生器から開始パルスを受信することに基づいてmセットのトランジスターを含む前記第1の複数のトランジスターをターンオンすることを含み、前記ディスプレイドライバー回路の出力での前記出力電圧レベルを前記目標電圧レベルと比較して前記比較器出力を前記比較器で生成することを含み、前記比較器出力に基づいて前記第1の複数のトランジスターまたは前記第2の複数のトランジスターのうちの一つ以上をターンオンまたはターンオフすることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の一実施のこれらおよび他の特徴は、本明細書、特許請求の範囲および添付図面を参照して理解され、認識されるだろう。
図1】本発明の一実施形態によるディスプレイデバイスのブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によるデータドライバーのブロック図である。
図3】関連技術のディスプレイカラムドライバーアーキテクチャーを示す。
図4図3の関連技術のディスプレイカラムドライバーアーキテクチャーのDFFC(direct-type fast feedback current)ドライバー、ピクセル回路、および制御信号を示す。
図5】OLEDディスプレイ用関連技術の奇数カラム電圧ドライバー(の一部)のブロック図を示す。
図6】関連技術のクラス-Bバッファーのブロック図を示す。
図7】本発明の一実施形態によるディスプレイドライバー回路の例示的な実施例を示す。
図8】本発明の一実施形態による図7のディスプレイドライバー回路の例示的なタイミング図を示す。
図9】本発明の一実施形態によるロジック回路およびN-ビットシフトレジスターを含む例示的な回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付図面を参照し、以下で説明される詳細な説明は、本発明により提供されるディスプレイ用非同期制御を有する高効率のピースワイズ線形カラムドライバーに関するシステムおよび駆動方法の一実施形態を説明することを意図するものであり、本発明が構成され得る、または、本発明が利用され得る唯一の形態を説明することを意図するものではない。また、以下で説明される詳細な説明は例示された実施形態と関連付けて本発明の特徴を説明する。しかし、本発明と同一または同等の機能および構造は、本発明の範囲に含まれる本発明以外の実施形態により達成され得ることを理解しなければならない。本明細書等において、同一、同等、または類似する要素は、同一の番号(符号)を付され、同一、同等、または類似する要素または特徴を有するものとする。
【0030】
本明細書等において、ディスプレイ用非同期制御機能を有する高効率のピースワイズ線形カラムドライバー回路、ディスプレイカラムドライバー、DFFCドライバー、又はディスプレイドライバー回路は、デバイスと呼ばれることがある。また、ディスプレイ用非同期制御機能を有する高効率のピースワイズ線形カラムドライバー回路、ディスプレイドライバー回路、それらに関するシステムおよび駆動方法は、デバイスのシステムおよび駆動方法と呼ばれることがある。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態によるディスプレイデバイスのブロック図である。図1を参照すると、ディスプレイデバイスは、ディスプレイユニット100、ディスプレイユニット100に接続されているスキャンドライバー200およびデータドライバー300、および、スキャンドライバー200およびデータドライバー300を制御するための信号コントローラー400を含む。
【0032】
本発明の一実施形態において、ディスプレイユニット100は、多数のディスプレイ信号線S1-Sn、D1-Dmと、多数のディスプレイ信号線に接続されており、マトリックス形態で配列されている複数のピクセルPXを含む。
【0033】
ディスプレイ信号線S1-Sn、D1-Dmは、スキャン信号(ゲート信号とも称される)を伝達するための複数のスキャン線S1-Snおよびデータ信号を伝達するためのデータ線D1-Dmを含む。スキャン線S1-Snは行方向に沿って伸びて互いに平行または略平行であり、データ線D1-Dmは列方向に伸びて互いに平行または略平行である。ピクセルPXはスキャン線S1-Snとデータ線D1-Dmの交差する領域に設けられる。
【0034】
スキャンドライバー200は、スキャン線S1-Snに接続されており、スキャン線S1-Snにゲートオン電圧およびゲートオフ電圧の組み合わせにより形成されたスキャン信号を供給する。ゲートオン電圧はトランジスターをターンオンするためにトランジスターのゲートに印加される電圧を示し、ゲートオフ電圧はトランジスターをターンオフするためにトランジスターのゲートに印加される電圧を示す。データドライバー300は、データ線D1-Dmに接続されており、ピクセルPXのグレースケール(grayscale)値を示すデータ信号を生成し、これをデータ線D1-Dmに供給する。
【0035】
信号コントローラー400は、スキャンドライバー200およびデータドライバー300を制御する。例えば、信号コントローラー400は、データドライバー300にデータ(例えば、デジタルデータ)を供給し、スキャンドライバー200および/またはデータドライバー300に同期信号(VSYNC、HSYNC)を供給し、ピクセルPXへデータを書き込むことを、ピクセルPXを書き込み可能状態に設定するためのスキャン信号と、同期化する。データドライバー300に供給されるデータは、ピクセルPXにより放出される光の輝度またはグレーレベル(gray level)を示すデジタルデータ(例えば、各データラインに供給されるデータが8ビット値でエンコードされる場合)であってもよい。
【0036】
各ピクセルPXは、スキャン線に接続されているゲート電極、データ線のうちの対応する一つ(例えば、ピクセルPXが位置するカラムに対応するデータ線)に接続されているソース電極、およびドレイン電極を含むトランジスターを含むことができる。トランジスターは、スキャン線により提供されたゲートオン電圧に応じてデータ線により提供されたデータ信号を伝達する。ここで、データ信号はピクセルPXにより放出される光のグレーレベルを制御する。ディスプレイデバイスが液晶ディスプレイデバイスである場合、発光領域はデータ信号を保存するキャパシタを含み、液晶層はキャパシタに保存されているデータ信号に応じて発光する光の明るさを制御することができる。ディスプレイデバイスが有機発光デバイス(例えば、アクティブ有機発光デバイス)である場合、発光領域はデータ信号を保存するキャパシタ、キャパシタに保存されているデータ信号に応じて電流を伝達する駆動トランジスター、駆動トランジスターにより提供される電流に応じてグレーレベルを有する光を放出する有機発光ダイオードを含む。
【0037】
スキャンドライバー200、データドライバー300、信号コントローラー400は、少なくとも一つの集積回路チップとして、ディスプレイユニット100にそれぞれ実装されてもよく、テープキャリアパッケージ(TCP)として、可撓性印刷回路フィルム(図示せず)に実装され、ディスプレイユニット100に付着されてもよく、または別途設けられる印刷回路基板(図示せず)に実装されてもよい。また、スキャンドライバー200、データドライバー300、信号コントローラー400は、信号線S1-Sn、D1-Dmおよびトランジスターと共にディスプレイユニット100と共に形成されてもよい。また、スキャンドライバー200、データドライバー300、信号コントローラー400は、単一チップに集積されてもよく、この場合、これらのうちの少なくとも一つまたはこれらを形成する少なくとも一つの回路素子が単一チップ外部に設けられてもよい。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態によるデータドライバー300のブロック図である。図2を参照すると、信号コントローラー400は、デジタルデータ信号(DATA)をデジタルデマルチプレクサー310に供給するためにデータドライバー300に接続されている。デジタルデマルチプレクサー310は、デジタルデータをデマルチプレクシングしてディスプレイユニット100のカラムごとに一つずつ、m個の分離されたデジタルデータ信号を生成する。データドライバー300は、増幅器またはカラムドライバー350を含む。ここで、増幅器またはカラムドライバー35にアナログデータ信号を出力するように構成されたデジタル-アナログコンバータ32に、m個のデジタルデータ信号が供給される。増幅器またはカラムドライバー350は、アナログ信号をピクセルPXの動作電圧および電流の仕様に基づき増幅し、増幅された信号をデータラインD1-Dmに出力する。
【0039】
電流または電圧駆動方式は、OLEDディスプレイで振幅変調(例えば、パルス振幅変調(PAM))のために利用されてもよい。電流駆動方法は、OLEDディスプレイパネルでの輝度均一性を向上させることができ、ピクセルPXでの薄膜トランジスター(TFT:thin film transistor)特性の補償を提供することができる。しかし、電流駆動方式で、データ線の寄生容量が増加する時、駆動速度が実質的に低下する。例示的な実施形態において、電流-フィードバック駆動方法は、データ電流をピクセルPXに正確に伝達し、データをピクセル電流と比較する。しかし、ピクセル電流が検出されるフィードバック動作は、ピクセルまたはデータ電流にフィードバック経路の寄生キャパシタンスを充電および放電するために時間遅延を誘発することがある。
【0040】
図3および図4は、データをピクセル電流と直接に比較して正確な安定化(settling)時間を提供する従来技術のDFFCドライバーを示す。
【0041】
図3は、従来技術の電流駆動方法のディスプレイカラムドライバー構造およびAMOLEDピクセルを示す。図3の電流デジタル-アナログコンバータ(DAC)は、図2のDAC32であってもよい。図3のDFFCドライバーは、データラインおよびフィードバックラインを通じてピクセル回路とフィードバックループを形成し、DACの出力電流をピクセルPXに伝達する。
【0042】
図4は、図3の従来技術のディスプレイカラムドライバーアーキテクチャーのDFFCドライバー、ピクセル回路、および制御信号を示す。例示的な実施形態において、プログラミング期間の間、DFFCドライバーおよびピクセル回路はOLEDがオフされたフィードバックループから構成される。データ電流IDATAは、ノードXでのIPIXELと比較され、二つの電流間の誤差は全体フィードバックループを考慮して積分され、補償される。駆動速度は寄生キャパシタンスの影響を減少させて向上することができる。増幅器A1が低い出力インピーダンスを有するため、データラインで寄生キャパシタンスCPDの影響が減少して、差動入力の誤差信号がCPDの電圧を迅速に変化させることができる。フィードバックラインでCPFの影響はその電圧が増幅器A2およびMD1のサブループにより一定に維持されるため抑制される。フィードバックループはノードXのドミナント-ポール(dominant-pole)により安定化される。例示的な実施形態において、MP1のコンダクタンスが電流により変わるため、ループの特性はIDATAにより変わる。したがって、それに応じて、補償キャパシタCも変わり得る。
【0043】
図4のDFFCが良好な正確度で速い安定化時間を提供するが、異なる出力電流範囲は異なる補償キャパシタCを要求することがあるため、図3および図4の回路に対して面積オーバーヘッドが問題になり得る。また、図4の増幅器A1およびA2は出力(表示カラム)を充電するために使用される電流以外に静的電流を消費する可能性があるため、電力オーバーヘッドが図2および図3の回路と関連して問題になり得る。
【0044】
ディスプレイ(例えば、OLEDディスプレイ)用の典型的な電圧-モードドライバーは、クラス-Bまたはクラス-ABアーキテクチャーを使用する。ディスプレイ用電圧-モードドライバーの例示的な実施形態において、単一増幅器は相対的に低い(例えば、約数μAの)静的電流を引き出す。
【0045】
図5は、従来技術のOLEDディスプレイ用の奇数カラム電圧ドライバーのブロック図(の一部分)を示す。図5の奇数カラム電圧ドライバーは、10ビットVDACと二つの電流感知抵抗RS1およびRS2を有するクラス-ABバッファーアンプを含む。RS1はプーリング電流(pulling-current)を感知し、RS2はプッシング電流(pushing-current)を感知することができる。例示的な実施形態において、図5の奇数カラム電圧ドライバー内の一つ以上のバイアス電流源はどの電流が感知されるのかにより一定の電流(IBIAS)を供給またはシンクしてノイズ電流スイングの余裕分(legroom)を保障する。
【0046】
図6は、二つの電流比較器C1およびC2、出力相補性デバイスMO1およびMO2、および位相補償を提供する直列抵抗(RC)を実現する入力レールツーレール(rail-to-rail)差動増幅器を含む従来のクラス-Bバッファーのブロック図を示す。図6のクラス-Bバッファー増幅器は、電流比較器の全てが入力ステージに自由に統合されているため、電力効率での改善を提供する。
【0047】
たとえ、ディスプレイ(例えば、OLEDディスプレイ)用電圧-モードドライバーが、比較的低い静的電流(例えば、約数μA)を消費するが、例示的な実施形態において、静的電流消費は比較的大きいディスプレイで重要になり得る(例えば、約2000個以上のカラムドライバーを追加する)。また、例示的な実施形態において、安定化(例えば、ディスプレイカラムを充電または放電)中に、ディスプレイ用電圧-モードドライバーは、大きい電流スパイクを招くことがあり、安定化(例えば、約2000個のカラムドライバーが同時にスイッチング)中に電流スパイクに対する制御メカニズムがない。
【0048】
したがって、高い電力効率を有し、かつ、動的電流スパイクの小さいディスプレイドライバー回路が必要である。本発明の一実施形態は、高い電力効率を有し、かつ、動的電流スパイクをプログラム可能なディスプレイドライバー回路を提供する。例えば、本発明の一実施形態によるディスプレイドライバー回路においては、ディスプレイドライバー回路により引き出される電流は全てカラムラインを充電または放電するように流れるため、静的電流により浪費されるエネルギーは完全に除去され得る。本発明の一実施形態によるディスプレイドライバー回路においては、動的電流スパイクは電流源バンクを使用して制御され得る。クラス-Bまたはクラス-AB増幅器とは異なり、このことは電源から引き出されたピーク電流を制限する。例えば、ディスプレイドライバー回路の速度が遅くなり、水平ライン時間が長くなり、その結果、カラムライン電圧が最終値に収束するために使用可能な時間が長くなるほど、減少された電流スパイクのためにディスプレイドライバー回路の速度が折衝され得る。以前のグレーレベル(つまり、カラムライン電圧)が現在のグレーレベルに近い場合、初期充電電流を減少させることによってディスプレイドライバー回路で動的電流スパイクを制御することもできる。さらに、追加のクロック分配ネットワークを防止するために、ディスプレイドライバー回路内の集積チップ(IC)が大きいこともあり、追加のクロック分配電力がドライバーICで重要になり得るため、本発明の一実施形態によるディスプレイドライバー回路は様々なステージ間で非同期シグナリングを使用することができる。
【0049】
図7は、ディスプレイドライバー回路700の本発明の一実施形態を示す。本発明の一実施形態において、ディスプレイドライバー回路700は、カラムドライバー(例えば、カラムドライバー350)であってもよい。図7のディスプレイドライバー回路700は、比較器701、パルス生成器702、複数のマルチプレクサー703a、703b、および703c、および「n」個の個別のシフトレジスター704a、704b、704c、704d…、704nを含むnビットシフトレジスターを含む。比較器701は演算増幅器(op-amp)であってもよく、パルス生成器702は排他的ORゲート回路であってもよい。図7のディスプレイドライバー回路700は、また、「m」個の個別のANDゲート回路705a1、705b1、705c1、…、705m1を含む第1の複数のANDゲート回路および「m」個の個別のANDゲート回路705a2、705b2、705c2、…、705m2を含む第2の複数のANDゲート回路を含む。図7の一実施形態において、「n」および「m」は正の整数であってもよく、「n」は「m」とは異なる。
【0050】
図7のディスプレイドライバー回路700は、また、mセットのトランジスター707a1、707b1、707c1、…、707m1を含む第1の複数のトランジスター(例えば、プルアップトランジスター)を含む。
【0051】
第1の複数のトランジスター707a1、707b1、707c1、…、707m1は、セグメント型(segmented)プルアップ電流源と呼ばれてもよい。
【0052】
トランジスターセット707a1、707b1、707c1、…、707m1のそれぞれは、プルアップトランジスターセットまたはプルアップ電流レグと呼ばれてもよい。
【0053】
第1の複数のトランジスター707a1、707b1、707c1、…、707m1は、ディスプレイドライバー回路700の出力708に接続されている負荷(例えば、OLED)にプルアップ電流を供給するように構成されてもよい。
【0054】
mセットのトランジスター707a1、707b1、707c1、…、707m1の各トランジスターセットは、互いに直列に接続されたp-型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)およびn-型MOSFETを含む。
【0055】
例えば、それぞれのトランジスターセット707a1、707b1、707c1、…、707m1で、p-型MOSFETのソース端子はVDDに接続されており、p-型MOSFETのゲート端子はバイアス電圧(Vbiasp)に接続されている。
【0056】
それぞれのトランジスターセット707a1、707b1、707c1、…、707m1において、p-型MOSFETは電流源として作動することができる。
【0057】
それぞれのトランジスターセット707a1、707b1、707c1、…、707m1で、p-型MOSFETのドレイン端子はn-型MOSFETのドレイン端子に接続されている。
【0058】
また、それぞれのトランジスターセット707a1、707b1、707c1、…、707m1内のn-型MOSFETのソース端子は互いに接続されており、ディスプレイドライバー回路700の出力708に接続されている。
【0059】
このように、それぞれのトランジスターセット707a1、707b1、707c1、…、707m1は、プルアップトランジスターセットまたはプルアップ電流レグと呼ばれてもよい。
【0060】
それぞれのトランジスターセット707a1、707b1、707c1、…、707m1内のn-型MOSFETは、単純に特定の電流レグ(例えば、707a1、707b1、707c1、…、707m1)をイネーブルまたはディスエーブルするためのスイッチである。
【0061】
それぞれのトランジスターセット707a1、707b1、707c1、…、707m1内のそれぞれのn-型MOSFETのゲート端子は、第1の複数のANDゲート回路705a1、705b1、705c1、705d1、705e1、…、705m1の対応する一つの出力端子に接続されている。
【0062】
例えば、トランジスターセット707a1のn-型MOSFETのゲート端子は、ANDゲート回路705a1の出力端子に接続されており、トランジスターセット707b1のn-型MOSFETのゲート端子はANDゲート回路705b1の出力端子に接続されており、トランジスターセット707c1のn-型MOSFETのゲート端子はANDゲート回路705c1の出力端子に接続されている。
【0063】
ディスプレイドライバー回路700は、mセットのトランジスター707a2、707b2、707c2、…、707m2を含む第2の複数のトランジスター(例えば、プルダウントランジスター)をさらに含む。
【0064】
第2の複数のトランジスター707a2、707b2、707c2、…、707m2は、セグメント型プルダウン電流源と呼ばれてもよい。
【0065】
それぞれのトランジスターセット707a2、707b2、707c2、…、707m2は、プルダウントランジスターセットまたはプルダウン電流レグと呼ばれてもよい。
【0066】
第2の複数のトランジスター707a2、707b2、707c2、…、707m2は、プルダウン電流をディスプレイドライバー回路700の出力708に接続された負荷(例えば、OLED)に供給するように構成されてもよい。
【0067】
mセットのトランジスター707a2、707b2、707c2、…、707m2の各トランジスターセットは、互いに直列に接続された2個のn-型MOSFETを含む。
【0068】
例えば、それぞれのトランジスターセット707a2、707b2、707c2、…、707m2の第1のn-型MOSFET(例えば、707a2n1、707b2n1、707c2n1、…、707m2n1)のドレイン端子は互いに接続されており、ディスプレイドライバー回路700の出力708に接続されている。
【0069】
それぞれのトランジスターセット707a2、707b2、707c2、…、707m2の第1のn-型MOSFET(例えば、707a2n1、707b2n1、707c2n1、…、707m2n1)のそれぞれのゲート端子は、第2の複数のANDゲート回路705a2、705b2、705c2、…、705m2のうちの対応する一つの出力端子に接続されている。
【0070】
例えば、トランジスターセット707a2の第1のn-型MOSFET707a2n1のゲート端子はANDゲート回路705a2の出力端子に接続されており、トランジスターセット707b2の第1のn-型MOSFET707b2n1のゲート端子はANDゲート回路705b2の出力端子に接続されており、トランジスターセット707c2の第1のn-型MOSFET707c2n1のゲート端子はANDゲート回路705c2の出力端子に接続されている。
【0071】
それぞれのトランジスターセット707a2、707b2、707c2、…、707m2において、第1のn-型MOSFET(例えば、707a2n1、707b2n1、707c2n1、…707m2n1)のソース端子は、そのトランジスターセットの二番目のn-型MOSFET(例えば、707a2n2、707b2n2、707c2n2、…707m2n2)のドレイン端子に接続されている。
【0072】
例えば、トランジスターセット707a2において、第1のn-型MOSFET707a2n1のソース端子は第2のn-型MOSFET707a2n2のドレイン端子に接続されている。
【0073】
それぞれのトランジスターセット707a2、707b2、707c2、…、707m2で、第2のn-型MOSFET(例えば、707a2n2、707b2n2、707c2n2、…、707m2n2)のソース端子は接地されており、第2のn-型MOSFET(例えば、707a2n2、707b2n2、707c2n2、…、707m2n2)のゲート端子はバイアス電圧(Vbiasn)に接続されている。
【0074】
トランジスター707a2n2、707b2n2、707c2n2、…、707m2n2(ゲートがVbiasnに接続されている)は電流源であり、それぞれのトランジスター707a2n1、707b2n1、707c2n1、…、707m2n1は、特定の電流源レグ(例えば、707a2、707b2、707c2、…、707m2)をイネーブルまたはディスエーブルするためのスイッチである。
【0075】
比較器(Comparator)701は、ディスプレイドライバー回路700の出力708での出力電圧Voutを基準電圧Vdataと比較する。基準電圧Vdataは、ディスプレイドライバー回路700が出力電圧Voutになることを好む(または所望する)電圧であってもよい。比較器701で比較された電圧が負の電圧であるか、または、比較器701が出力電圧Voutが基準電圧Vdataよりも小さいと判断すると、2入力1出力マルチプレクサー703aの第1入力に接続されている比較器701の第1出力701aがターンオンされる。2入力1出力マルチプレクサー703aの第2入力は接地されている。
【0076】
マルチプレクサー703aの出力端子703a2は、第1の複数のANDゲート回路705a1、705b1、705c1、…、705m1のそれぞれの第1入力端子(例えば、in1)に接続されている。
【0077】
しかし、比較器701が電圧Voutが基準電圧Vdataよりも大きいと判断すると、2入力1出力マルチプレクサー703bの第1入力に接続されている比較器701の第2出力701bがターンオンされる。2入力1出力マルチプレクサー703bの第2入力は接地されている。
【0078】
マルチプレクサー703bの出力端子703b2は、複数の第2ANDゲート回路705a2、705b2、705c2、…、705m2のそれぞれの第1入力端子(例えば、in1)に接続されている。
【0079】
マルチプレクサー703bの選択器(selector)ピンまたは開始(start)ピンは、マルチプレクサー703aの選択器ピンまたは開始ピンに接続されている。
【0080】
比較器701の第2出力701bは、パルス生成器702に接続されている。パルス生成器702は、パルス生成器702の第1入力端子702a1で遅延回路709を通じて比較器701の第2出力701bを受信し、パルス生成器702の第2入力端子702a2で比較器701の第2出力701bを直接受信する。パルス生成器702は、比較器701出力(例えば、701a、701b)で全ての出力遷移でパルスを生成する。例えば、パルス生成器702は比較器701出力がポジティブ電圧からネガティブ電圧に、またはその反対に変わる時ごとにパルスを生成する。パルス生成器702出力は2入力1出力マルチプレクサー703cの第1入力に接続されている。2入力1出力マルチプレクサー703cの第2入力は接地されている。
【0081】
マルチプレクサー703cの出力端子703c2は、n-ビットシフトレジスター704の個別シフトレジスター704a、704b、704c、704d、…、704nのそれぞれのクロック端子に接続されている。
【0082】
したがって、n-ビットシフトレジスター704は、パルス生成器702出力によってクロックキングされて(clocked)所望する個数のプルアップトランジスターセット707a1、707b1、707c1、…、707m1またはプルダウントランジスターセット707a2、707b2、707c2、…、707m2をターンオンまたはターンオフさせて、ディスプレイドライバー回路700の出力708での出力電圧Voutを基準電圧Vdataに近い所望の電圧値に近づける。
【0083】
n-ビットシフトレジスター704の個別シフトレジスター704a、704b、704c、704d、…、704nのそれぞれの第1出力端子(例えば、q)は、シフトレジスター704a、704b、704c、704d、…、704nの次のシフトレジスターの入力端子(例えば、d)に接続されている。
【0084】
例えば、シフトレジスター704aの第1出力端子(例えば、q)は次のシフトレジスター704bの入力端子(例えば、d)に接続されており、シフトレジスター704bの第1出力端子(例えば、q)は次のシフトレジスター704cの入力端子(例えば、d)に接続されており、シフトレジスター704cの第1出力端子(例えば、q)は次のシフトレジスター704dの入力端子(例えば、d)に接続されている。シフトレジスター704aの第1出力端子(例えば、q)はまた、シフトレジスター706のクロック端子に接続されている。シフトレジスター706の出力端子(例えば、q)はマルチプレクサー703cの選択器ピンまたは開始ピンに接続されている。
【0085】
n-ビットシフトレジスター704の個別シフトレジスター704b、704c、704d、…、704nのそれぞれの第2出力端子(例えば、qb)は、第1の複数のANDゲート回路705a1、705b1、705c1、705d1、705e1、…、705m1および第2の複数のANDゲート回路705a2、705b2、705c2、…、705m2のうちの対応する一つの第2入力端子(例えば、in2)に接続されている。
【0086】
例えば、シフトレジスター704bの第2出力端子(例えば、qb)はANDゲート回路705a1および705aの第2入力端子(例えば、in2)に接続されており、シフトレジスター704cの第2出力端子(例えば、qb)はANDゲート回路705b1および705b2の第2入力端子(例えば、in2)に接続されており、シフトレジスター704dの第2出力端子(例えば、qb)はANDゲート回路705c1および705c2の第2入力端子(例えば、in2)に接続されており、シフトレジスター704nの第2出力端子(例えば、qb)はANDゲート回路705m1および705m2の第2入力端子(例えば、in2)に接続されている。
【0087】
図8は、図7のディスプレイドライバー回路700の例示的なタイミング図を示す。
【0088】
例えば、開始パルスの開始で、ディスプレイドライバー回路700が動作を開始する時、n個のプルアップトランジスター707a1、707b1、707c1、…、707m1の全てがターンオンされ、出力端子708には出力電圧Voutの第1正の傾き(Vout1)が出力される。開始信号はカラム駆動開始をトリガリングする(trigger)。ディスプレイドライバー回路700が開始する時、または開始パルスの開始の時に、シフトパルスが生成される(例えば、パルス生成器702から)。
【0089】
全てのプルアップ電流レグ707a1、707b1、707c1、…、707m1がターンオンされるため、出力電圧Voutがオーバーシューティングして基準電圧Vdataを超えることがある。この時点で、出力での電流はItot=(Imsb+Imsb-1+Imsb-2+…+Ilsb)であってもよい。
【0090】
開始電流(Itot)は全てのプルアップ電流レグ707a1、707b1、707c1、…、707m1の電流の合計である。
【0091】
x1で出力電圧Voutが基準電圧Vdataをオーバーシューティングすると、比較器701はディスプレイドライバー回路700の出力708での出力電圧Voutを基準電圧Vdataと比較し、オーバシュートにより出力電圧Voutが基準電圧Vdataよりも大きいと決定する。
【0092】
比較器701での比較された電圧に基づき、プルダウン電流レグ707a2、707b2、707c2、…、707m2からの特定の複数のプルダウン電流レグがターンオンされて、出力電圧Voutをプルダウンさせることができる。その結果、出力端子708には、出力電圧Voutの第1負の傾き(Vout2)が出力される。
【0093】
開始信号がシフトレジスター704a、704b、704c、704d、…、704nを通じて伝播されるため、プルアップ(例えば、プルアップ電流レグ707a1、707b1、707c1、…、707m1)またはプルダウン(例えば、プルダウン電流レグ707a2、707b2、707c2、…、707m2)電流レグが連続してターンオフされる。任意の与えられた瞬間に、2セットの電流レグ(例えば、プルアップ電流レグ707a1、707b1、707c1、…、707m1またはプルダウン電流レグ707a2、707b2、707c2、…、707m2)のうちの一つのみがターンオンされる。最終誤差(例えば、x3地点以降、Vout4の間)または基準電圧Vdataと出力電圧Voutとの間の差異は最も小さい電流レグ(例えば、電流Ilsbを有する707m1または707m2)および比較器701遅延の関数である。x1、x2、またはx3で、出力電圧Voutが正の傾き(Vout1の間)から負の傾きに、または、その反対に遷移することによって、シフトパルスが生成される(例えば、パルス生成器702から)。本発明の一実施形態において、シフトパルスは比較器701出力(例えば、701a、701b)での全ての出力遷移で生成される。
【0094】
図9は、論理回路(logic circuit)902およびN-ビットシフトレジスター904を含む例示的な回路900を示す。本発明の一実施形態において、図7のn-ビットシフトレジスター704は図9のN-ビットシフトレジスター904に代替されてもよく、図7のシフトレジスター706は図9の論理回路902に代替されてもよい。
【0095】
N-ビットシフトレジスター904は、「n」個の個別シフトレジスター904a、904b、904c、904d、…、904nを含む。
【0096】
N-ビットシフトレジスター904は、パルス生成器(例えば、702)から生成されたシフトパルスによりクロッキングされる。
【0097】
N-ビットシフトレジスター904の「n」個の個別シフトレジスター904a、904b、904c、904d、…、904nのそれぞれの第1出力端子(例えば、q)は、複数の(n-1個の)マルチプレクサー906a、906b、906c、906d、…、906(n-1)のマルチプレクサーを通じてシフトレジスター904a、904b、904c、904d、…、904nの次のシフトレジスターの入力端子(例えば、d)に接続されている。例えば、シフトレジスター904aの第1出力端子(例えば、q)はマルチプレクサー906aの第1入力端子に接続されており、マルチプレクサー906aの出力端子は次のシフトレジスター904bの入力端子(例えば、d)に接続されており、シフトレジスター904bの第1出力端子(例えば、q)はマルチプレクサー906bの第1入力端子に接続されており、マルチプレクサー906bの出力端子は次のシフトレジスター904cの入力端子(例えば、d)に接続されており、シフトレジスター904cの第1出力端子(例えば、q)はマルチプレクサー906cの第1入力端子に接続されており、マルチプレクサー906cの出力端子は次のシフトレジスター904dの入力端子(例えば、d)に接続されている。
【0098】
(n-1)個のマルチプレクサー906a、906b、906c、906d、…、906(n-1)のそれぞれの第2入力端子は互いに接続されており、シフトレジスター904aの入力端子(例えば、d)に接続されている。
【0099】
本発明の一実施形態による回路900は、ピクセルグレーレベルのより小さい差異が増加された充電時間を許容することができ、および、これによるディスプレイドライバー回路(例えば、700)に対するより小さい開始電流を許容することができるため、論理回路902は新しいピクセルグレーレベルと前のピクセルグレーレベルとの間の差異の大きさを決定することに使用される。新しいグレーレベルは従来のドライバーと同一の値であって、コントローラー(いずれの図にも示されていない)から出力される。「前の」値は単純に次の書き込み動作のためにこの値を保存するレジスター(図示せず)であってもよい。
【0100】
N-ビットワン-ホット(one-hot)制御バス908は、要求されたシフトレジスター(例えば、904a、904b、904c、904d、…、904n)位置で開始信号を入力することに使用される。論理回路902を有するシフトレジスター904の例示的な回路900は、約2000個のカラムラインドライバーがターンオンされる時、初期電流スパイクを小さく抑えることができる。また、ワン-ホット制御バス908は、より低い開始電流(Itot)を使用するためにディスプレイ類型に基づいて構成されてもよい。本発明の一実施形態による回路900は、例えば、増加されたライン時間はより大きい充電時間を許容し、および、これによるより小さい開始電流(Itot)を許容することができる。
【0101】
本発明のシフトレジスター(例えば、704、904)を有するディスプレイドライバー回路(例えば、700)の一実施形態は、現在市販されるカラムドライバーに比べて高い効率を提供することができ、ディスプレイドライバー回路700で例示されたように、ディスプレイドライバー回路により引き出される電流は全てカラムラインを充電または放電するためのものである。また、例えば、ディスプレイドライバー回路700で示されたように、クラス-Bまたはクラス-AB増幅器の代わりに電流源を使用してドライバーICにより引き起こされた電流スパイクを減少させることができる。
【0102】
また、本発明のカラムドライバーまたはディスプレイドライバー回路(例えば、700)の他の一実施形態は、この電流スパイクを小さく抑えるために、1)新しいピクセルグレーレベル設定と古いピクセルグレーレベル設定との差異(ピクセルグレーレベルでのより小さい差異は増加された充電時間およびこれによるディスプレイドライバー回路(例えば、700)に対するより小さい開始電流を許容することができる)、および、2)リフレッシュレート(例えば、水平ライン時間)(図9の回路900と関連して議論されたとおり、増加されたライン時間はより長い充電時間およびこれによるより小さい開始電流(Itot)を許容することができる)にさらに基づいてプログラミング可能な開始信号入力(例えば、図9のN-ビットを使用する論理回路902、ワン-ホット制御バス908)を使用することができる。
【0103】
また、本発明の一実施形態によるカラムドライバーまたはディスプレイドライバー回路(例えば、700)において、より低い解像度のディスプレイの場合(例えば、基準電圧Vdataと出力電圧Voutとの間のより大きいエラーが許容される場合)、電流は、多数の電流レグ、例えば、カラムドライバーまたはディスプレイドライバー回路(例えば、700)のプルアップ電流レグ707a1、707b1、707c1、…、707m1またはプルダウン電流レグ707a2、707b2、707c2、…、707m2をディスエーブル(例えば、永久的にディスエーブル)することによって、最適化され得る。本発明の一実施形態によるカラムドライバーまたはディスプレイドライバー回路(例えば、700)において、電流DAC(例えば、図2の32)はピクセル当りの較正のための電流を感知するために再使用され得る。
【0104】
図7のディスプレイドライバー回路700は、カラムライン充電電流がディスプレイドライバー回路700の出力708での電圧レベル(例えば、出力電圧Vout)に応じて調整されるピース-ワイス(piece-wise)線形電流-モードディスプレイドライバー回路であってもよい。ディスプレイドライバー回路700において、出力電圧Voutが、所望するレベル(例えば、Vdata)に収束することによってセグメント(例えば、プルアップ電流レグ707a1、707b1、707c1、…、707m1またはプルダウン電流レグ707a2、707b2、707c2、…、707m2)がイネーブルおよびディスエーブルされる時、プルアップおよびプルダウン電流源(例えば、プルアップ電流レグ707a1、707b1、707c1、…、707m1またはプルダウン電流レグ707a2、707b2、707c2、…、707m2)がセグメント化され、電流調整が行われる。
【0105】
また、ディスプレイドライバー回路700において、セグメント(例えば、プルアップ電流レグ707a1、707b1、707c1、…、707m1またはプルダウン電流レグ707a2、707b2、707c2、…、707m2)のディスエーブリングおよびイネーブリングは、ドライバー出力電圧Voutが目標電圧レベル(Vdata)と交差する時(例えば、図8と関連して説明されたとおり)、セグメント化された電流源(例えば、プルアップ電流レグ707a1、707b1、707c1、…、707m1またはプルダウン電流レグ707a2、707b2、707c2、…、707m2)に対するワン-ホットイネーブルコード(例えば、図9の回路900に図示されたとおり)を非同期式でシフトするシフトレジスター(例えば、704)で行われる。また、ディスプレイドライバー回路700で、ワン-ホットコード(例えば、図9と関連して説明したバス908での)の初期設定は、既存レベルの出力電圧Voutおよび目標出力電圧(Vdata)の関数である。
【0106】
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションを説明するために用いられ得るが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションは、これらの用語により制限されてはならない。これらの用語は、一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを他の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと区別するために使用される。したがって、ここで議論された第1要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、本発明の概念および範囲を逸脱することなく第2要素、構成要素、領域、階層、またはセクションと呼ばれてもよい。
【0107】
本明細書等において、「直下に」、「下に」、「下部に」、「下に」、「上に」、「上部に」などの空間的に相対的な用語は、図示されているように他の要素等または特徴等に対する一つの要素または特徴を簡易的に説明するために用いられ得る。このような空間的に相対的な用語は、図面に示された方向に追加して、使用または作動時に装置の異なる方向を含むように意図されたものと理解される。例えば、図面に示された装置の上下が反転されると、他の要素または特徴の「下部に」または「直下に」または「下に」のように記載された要素は、他の要素または特徴の「上に」向かうことになる。したがって、「下部に」および「下に」の例示的な用語は、上との下の方向の全てを含むことができる。また、本明細書等において、例えば、装置は、他の方向に向いていてもよく(例えば、90度または他の方向に回転され得る)、ここで使用された空間的に相対的な説明はそれに基づいて解釈されなければならない。また、一つの層が二つの層の「間に」ある時、当該一つの層は二つの層の間の唯一の層であってもよく、または、当該一つの層の他に一つまたはそれ以上の層が存在することができることも理解されるだろう。
【0108】
本明細書等において使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明の概念を制限しようとするものではない。また、「実質的に」、「約」、および類似する用語は近似という用語として使用され、程度という用語として使用されず、当業者が認識できる測定された値または計算された値の固有の偏差を説明するためのものである。
【0109】
本明細書等において使用された単数の形態「一つ」および「一」は、文脈上異なって指示しない限り、複数の形態を含むものと解釈される。「含む」および/または「含んでいる」という用語は、明示された特徴、整数、段階、動作、要素、および/または構成要素の存在を示し、一つ以上の他の特徴、整数、段階、動作、要素、構成要素、および/またはこれらのグループの存在または追加を排除しない。ここで使用されたとおり、「および/または」という用語は関連して列挙された一つ以上の項目の任意の組み合わせ、および、全ての組み合わせを含む。「少なくとも一つ」のような表現が、要素等の前に記載される時、要素等の全体を修正し、個別要素を修正しない。また、本発明の概念の一実施形態を記載する時、「してもよい」を使用することは「本発明の一つ以上の実施形態」を意味する。また、「例示的な」という用語は、例示することまたは説明することを意図して使用される。本明細書等において、「使用する」、「使用している」および「使用された」という用語は、それぞれ「利用する」、「利用している」、および「利用された」という用語と同意語と見なされ得る。
【0110】
本明細書等において、要素または層が、他の要素または層の「上に」、「に接続された」、「に結合された」、または「に隣接した」と言及される時、これは他の要素または層に直接的に上に設けられること、接続されること、結合されること、または隣接することが可能であるか、または一つ以上の介在する要素または層が設けられてもよいと理解されるだろう。対照的に、要素または層が他の要素または層に「直接的に上に」、「直接的に接続された」、「直接的に結合された」、または「直ぐ隣接した」と言及される時、介在する要素または層は存在しない。
【0111】
本明細書等において、任意の数値範囲が列挙された場合、列挙された範囲内に含まれる同一の数値精密度の全ての下位範囲を含むように意図される。例えば、「1.0ないし10.0」までの範囲は、列挙された1.0という最小値と列挙された10.0という最大値との間の(およびこれを含む)、つまり、1.0以上の最小値と10.0以下の最大値を有する、例えば、2.4ないし7.6のような、全ての下位範囲を含む。ここで列挙された最大数値制限はここで含まれるより低い全ての数値制限を含むように意図され、ここで引用された任意の最小数値制限はここで含まれる全てのより高い数値制限を含むように意図される。
【0112】
本明細書等において説明された本発明の一実施形態による電子または電気装置および/または任意の他の関連装置または構成要素は、任意の適したハードウェア、ファームウェア(例えば、注文型集積回路)、ソフトウェア、またはソフトウェアの組み合わせを使用して実現可能であり、ファームウェアおよびハードウェア、例えば、これら装置の多様な構成要素は、一つの集積回路(IC)チップ上にまたは個別ICチップ上に形成され得る。また、これら装置の多様な構成要素は、可撓性印刷回路フィルム、テープキャリアパッケージ(TCP)、印刷回路基板(PCB)または一つの基板上に実現され得る。また、これら装置の多様な構成要素は、一つ以上のプロセッサーで実行され、一つ以上のコンピューティング装置で実行され、コンピュータプログラム命令を実行し、ここに説明された多様な機能を遂行するように他のシステム構成要素と相互作用するプロセスまたはスレッドであってもよい。コンピュータプログラム命令は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)のような標準メモリ装置を使用するコンピューティング装置に実現可能なメモリに保存される。コンピュータプログラム命令はまた、例えばCD-ROM、フラッシュドライブなどのような他の一時的でないコンピュータ読取可能媒体に保存され得る。また、当業者は多様なコンピューティング装置の機能が単一のコンピューティング装置に結合されたり統合されたりまたは特定のコンピューティング装置の機能が一つ以上の他のコンピューティング装置にかけて分散せずに本開示の例示的な実施例の思想および範囲を理解するだろう。
【0113】
ディスプレイのための非同期制御を有する高効率のピースワイズ線形カラムドライバーに対するシステムおよび駆動方法の一実施形態が本明細書に具体的に説明され、例示されたが、多くの修正および変更が可能であることは当業者に明白であろう。したがって、本発明の原理により構成されたディスプレイ用非同期制御を有する高効率のピースワイズ線形カラムドライバーに対するシステムおよび駆動方法はここで具体的に説明されたもの以外に実現可能であることを理解しなければならない。本発明の概念は、また、特許請求の範囲およびその等価物で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9