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特許7556692構成要素加熱サブシステムおよびレーザーシアログラフィー検査システムの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】構成要素加熱サブシステムおよびレーザーシアログラフィー検査システムの方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 25/72 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
G01N25/72 K
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020029447
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2020183934
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】16/398,379
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】マハディ・アシュラフィ
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-049526(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0142091(US,A1)
【文献】特表2003-514247(JP,A)
【文献】特開2007-024674(JP,A)
【文献】特開2013-217826(JP,A)
【文献】特開2009-014608(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0018510(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 25/00 - 25/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素繊維強化ポリマーである構成要素(106)を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査システム(100)であって、前記レーザーシアログラフィー検査システム(100)は、
前記構成要素(106)に結合された構成要素加熱サブシステム(120)であって、前記構成要素加熱サブシステム(120)は、前記構成要素(106)に電流を流すことにより前記構成要素(106)を負荷状態に励起し、前記電流が前記構成要素(106)を流れるとき、前記構成要素(106)の抵抗により、前記構成要素(106)が内部で均一に加熱される、構成要素加熱サブシステム(120)
を備える、レーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【請求項2】
レーザービーム(104)を前記構成要素(106)に放射するように構成されたレーザー放射装置(102)をさらに備える、請求項1に記載のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【請求項3】
ビームエキスパンダー(108)であって、レーザー放射装置(102)によって放射されたレーザービーム(104)は、前記構成要素(106)に衝突する前に前記ビームエキスパンダー(108)を通過する、ビームエキスパンダー(108)をさらに備える、請求項1または請求項2に記載のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【請求項4】
前記構成要素(106)が前記構成要素(106)加熱サブシステム(120)によって励起されていない中立状態の前記構成要素(106)の少なくとも1つの第1の画像(119)、および前記負荷状態の前記構成要素(106)の少なくとも1つの第2の画像(121)を取得するカメラ(112)をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【請求項5】
前記構成要素(106)とカメラ(112)との間に配置された画像せん断装置(110)をさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【請求項6】
前記構成要素(106)加熱サブシステム(120)は、
電気供給源(122)から延伸し、前記構成要素(106)の第1の部分に結合する第1のリード(124)と、
前記構成要素(106)の第2の部分から延伸し、前記電気供給源(122)に結合する第2のリード(128)と
をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【請求項7】
炭素繊維強化ポリマーである構成要素(106)を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査方法であって、前記レーザーシアログラフィー検査方法は、
構成要素(106)加熱サブシステム(120)を構成要素(106)に結合するステップと、
前記構成要素(106)を前記構成要素(106)加熱サブシステム(120)で負荷状態に励起するステップ(302)であって、励起する前記ステップ(302)は、前記構成要素(106)に電流を流すステップを含む、ステップ(302)と、
前記構成要素(106)の抵抗により、励起する前記ステップ(302)を通して前記構成要素(106)の内部領域(107)を均一に加熱するステップと
を含む、レーザーシアログラフィー検査方法。
【請求項8】
レーザー放射装置(102)によって放射されたレーザービーム(104)を、前記構成要素(106)に衝突する前にビームエキスパンダー(108)を通過させるステップをさらに含む、請求項7に記載のレーザーシアログラフィー検査方法。
【請求項9】
前記構成要素(106)が構成要素加熱サブシステム(120)によって励起されていない中立状態の前記構成要素(106)の少なくとも1つの第1の画像(119)を取得するステップと、
前記負荷状態の前記構成要素(106)の少なくとも1つの第2の画像(121)を取得するステップと、
をさらに含む、請求項7または請求項8に記載のレーザーシアログラフィー検査方法。
【請求項10】
前記構成要素(106)と、前記少なくとも1つの第1の画像(119)および前記少なくとも1つの第2の画像(121)を取得するカメラ(112)との間に画像せん断装置(110)を配置するステップをさらに含む、請求項9に記載のレーザーシアログラフィー検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、レーザーシアログラフィー検査システムに関し、より具体的には、レーザーシアログラフィー検査システムによって検査対象の構成要素を加熱するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーシアログラフィーは、検査対象物の不規則性を検出するために使用される光学干渉法である。一般に、検査対象物が温度の変化など、加えられた負荷の変化にさらされると、対象物内の不規則性により表面プロファイルが局所的に変化する。通常、負荷の変化は、温度、圧力、振動、または電磁エネルギーの変化によって引き起こされ得る。表面プロファイルの変化により、剥離、層間剥離、コアの不規則性などのさまざまな不規則性が明らかになる場合がある。
【0003】
レーザーシアログラフィーは、非破壊検査(NDT)および複合材料や金属材料などの品質管理アプリケーションに関連して使用される。通常、レーザーシアログラフィー検査中、検査対象物は、加熱などによって応力を受けるまたは励起される。
【0004】
レーザーシアログラフィー検査中、検査対象物は2つの状態、つまり中立状態と負荷状態に関連して干渉法によって比較される。高度なソフトウェアアルゴリズムは、2つの状態間の面外変形の変動を識別するためにライブ画像処理を実行し、特定の負荷条件下での局所的な弱点を強調表示することにより、表面または表面下の不連続性または異常を明らかにする。負荷状態を提供するために、加熱、真空、振動などの励起方法が現在使用されている。
【0005】
既知の励起方法は、検査対象物の表面を加熱するために加熱ランプや加熱ブランケットなどの別個のヒーターを使用することを含む。ヒーターが対象物の表面に熱エネルギーを放射すると、反対側の表面(および内部部分)の温度は対象物の表面の温度とは異なってくる。つまり、対象物の表面加熱により、対象物の上および内部に温度勾配が生じる。一般的に、対象物はヒーターによって不均一に加熱される。そのため、負荷状態は、対象物全体の特性を正確に反映しない場合がある。さらに、対象物全体を適切に加熱するには過剰な加熱が必要になることがあるため、対象物は表面加熱によって損傷を受けやすい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
レーザーシアログラフィー検査中に対象物を均一かつ安全に加熱するシステムおよび方法が必要である。さらに、レーザーシアログラフィー検査中の対象物への損傷の可能性を低減する、対象物の加熱システムおよび方法が必要である。さらに、検査対象部分全体に均一な励起を提供することにより、遠距離場の不規則性の検出確率を高めるシステムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの必要性を念頭に置いて、本開示の特定の実施形態は、構成要素を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査システムを提供する。レーザーシアログラフィー検査システムは、構成要素に結合された構成要素加熱サブシステムを備える。構成要素加熱サブシステムは、構成要素に電流を流すことにより、構成要素を負荷状態に励起する。構成要素の抵抗により、電流が構成要素を流れるときに構成要素が内部で均一に加熱される。
【0008】
少なくとも1つの実施形態では、レーザーシアログラフィー検査システムは、構成要素にレーザービームを放射するように構成されたレーザー放射装置を備える。少なくとも1つの実施形態では、レーザー放射装置によって放射されたレーザービームは、構成要素に衝突する前にビームエキスパンダーを通過する。カメラは、構成要素が構成要素加熱サブシステムによって励起されていない中立状態の構成要素の少なくとも1つの第1の画像と、負荷状態の構成要素の少なくとも1つの第2の画像を取得する。構成要素とカメラとの間に画像せん断装置を配置することができる。
【0009】
少なくとも1つの実施形態では、構成要素加熱サブシステムは、構成要素に結合された電気供給源を備える。例えば、第1のリードが電気供給源から延伸して構成要素の第1の部分に結合し、第2のリードが構成要素の第2の部分から延伸して電気供給源に結合する。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、構成要素加熱サブシステムは、電気供給源に動作可能に結合された加熱制御ユニットを備える。加熱制御ユニットは、構成要素に選択的に電流を流すために、電気供給源を選択的に作動させる。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、構成要素加熱サブシステムは、構成要素に結合された1つ以上の熱センサーを備える。熱センサー(群)は、構成要素の外面に取り付けられ、および/または構成要素内に埋め込まれてもよい。
【0012】
本開示の特定の実施形態は、本開示の実施形態による、構成要素を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査方法を提供する。レーザーシアログラフィー検査方法は、構成要素加熱サブシステムを構成要素に結合するステップと、構成要素加熱サブシステムで構成要素を負荷状態に励起するステップ(励起するステップは構成要素に電流を流すステップを含む)と、構成要素の抵抗による励起を通して構成要素を内部で均一に加熱するステップとを含む。
【0013】
少なくとも1つの実施形態では、レーザーシアログラフィー検査方法は、レーザー放射装置により構成要素にレーザービームを放射するステップと、レーザー放射装置から放射されたレーザービームを、構成要素に衝突する前にビームエキスパンダーを通過させるステップと、構成要素が構成要素加熱サブシステムによって励起されていない中立状態の構成要素の少なくとも1つの第1の画像を取得するステップと、負荷状態の構成要素の少なくとも1つの第2の画像を取得するステップとを含む。
【0014】
少なくとも1つの実施形態では、結合するステップは、電気供給源を構成要素に結合するステップを含む。例えば、結合するステップは、電気供給源から構成要素の第1の部分まで第1のリードを延伸させるステップと、および構成要素の第2の部分から電気供給源まで第2のリードを延伸させるステップとを含む。
【0015】
少なくとも1つの実施形態では、レーザーシアログラフィー検査方法は、加熱制御ユニットを電気供給源に動作可能に結合するステップと、構成要素に結合された1つ以上の熱センサーを加熱制御ユニットに通信可能に結合するステップと、構成要素に選択的に電流を流すために電気供給源を選択的に作動させるステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の一実施形態による、レーザーシアログラフィー検査システムの概略図を示す。
図2】本開示の一実施形態による、複合パネルアセンブリの分解斜視図を示す。
図3】本開示の一実施形態による、構成要素を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前述の概要、および特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとよりよく理解されるであろう。本明細書で使用される場合、単数形で列挙され、単語「ある~」または「一つの~」が前にある要素またはステップは、複数の要素またはステップを必ずしも除外しないと理解されるべきである。さらに、「一実施形態」への言及は、列挙された形態も組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。さらに、反対に明示的に述べられていない限り、特定の条件を有する要素または複数の要素を「含む」または「有する」実施形態は、その条件を有さない追加の要素を含み得る。
【0018】
本開示の特定の実施形態は、構成要素(炭素繊維強化ポリマー、複合構造、金属構造など)が抵抗加熱されるレーザーシアログラフィー検査システム用の構成要素加熱サブシステムおよび方法を提供する。特に、検査対象の構成要素は、構成要素を流れる電気を生成する電気供給源に接続される。電流が構成要素を流れると、構成要素の抵抗により構成要素の温度が上昇する(つまり、構成要素が加熱される)。構成要素は、内部を流れる電流によって内部で均一に加熱される。少なくとも1つの実施形態では、加熱制御ユニットは、構成要素を流れる電流、したがって構成要素の加熱を制御するために、電気供給源を作動させる。本開示の実施形態は、構成要素の外面を加熱するために別個のヒーターを使用する従来の既知のシステムとは全く対照的に、構成要素が均一に内部で加熱されるため、構成要素内の温度勾配を大幅に低減する。
【0019】
本開示の実施形態は、構成要素の熱励起を行うために検査中の構成要素の抵抗を使用するレーザーシアログラフィー検査システム用の構成要素加熱サブシステムおよび方法を提供する。電流が構成要素を流れると、構成要素の抵抗により構成要素が内部で均一に加熱され、構成要素の厚さ全体に均一な励起が行われる。従来のシステムとは異なり、本開示の実施形態によって説明される加熱システムは、軽量で携帯可能であり、セットアップが容易である。
【0020】
少なくとも1つの実施形態では、(別個の加熱ランプ、加熱ブランケット(群)などによる)外部加熱も使用することができる。すなわち、少なくとも1つの実施形態では、本明細書に記載されるように、構成要素は内部加熱されてもよく、1つ以上の外部加熱装置を介して加熱されてもよい。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態による、レーザーシアログラフィー検査システム100の概略図を示している。レーザーシアログラフィー検査システム100は、検査対象の構成要素106に向けてレーザービーム104を放射するように構成されたレーザー放射装置102を含む。構成要素106は、金属構造、複合構造などであってもよい。少なくとも1つの実施形態では、構成要素は炭素繊維強化ポリマーである。少なくとも1つの実施形態では、構成要素106は、航空機の内部客室、胴体などの一部を形成するために使用できるような複合パネルである。少なくとも1つの他の実施形態では、構成要素106は、風力タービンブレード、ビークル用部品などの様々な他の構造、システムなどに関して使用することができる。
【0022】
例示的な実施形態では、放射されたレーザービーム104は、構成要素106に衝突する前に、1つ以上のレンズなどのビームエキスパンダー108を通過する。画像せん断装置110は、構成要素106とデジタルカメラなどのカメラ112との間に配置される。カメラ112は、構成要素106が励起されていない中立状態や、構成要素106が熱エネルギー、振動エネルギー、真空などにより励起されている負荷状態などにある、検査対象の構成要素106に影響を与えるレーザーエネルギーの画像を検出する。本明細書で使用される場合、励起という用語は、励起されていない、中立状態と比較してエネルギーが増加した状態にある少なくとも特定の原子構造を意味する。カメラ112によって取得された画像データは、コンピューター、携帯用スマートデバイスなどのワークステーション114によって受信され、これは、モニター116と、キーボード、マウス、タッチスクリーンインターフェースなどのユーザー入力デバイス118などとを含む。
【0023】
構成要素106を中立状態から負荷状態に移行させるために、レーザーシアログラフィー検査システム100は、構成要素加熱サブシステム120を含む。構成要素加熱サブシステム120は、構成要素106に結合され、構成要素106を加熱することにより構成要素106を負荷状態に励起するように構成されている。特に、構成要素加熱サブシステム120は、構成要素106を流れる電気を生成する。構成要素106の抵抗により、電気(例えば、電流)が構成要素106を流れるときに、構成要素の内部領域107が均一に加熱される(すなわち、温度が上昇する)。
【0024】
本明細書で説明するように、構成要素106を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査システム100は、構成要素106に結合された構成要素加熱サブシステム120を含む。構成要素加熱サブシステム120は、構成要素106に電流を流すことにより、構成要素106を負荷状態に励起する。構成要素106の抵抗率により、電流が構成要素106を流れるときに構成要素106が加熱される(すなわち、温度が上昇する)。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、構成要素加熱サブシステム120は、構成要素106に結合された電気供給源122を含む。電気供給源122は、バッテリ、標準的な電気コンセントなどを介して提供され得るような、直流または交流を提供し得る。電気供給源122は、電気を生成するように構成されている。電気供給源122は、構成要素106を流れる電流を生成するために作動される。別個のヒーターによって表面加熱されるのとは対照的に、電流が構成要素106を流れるとき、構成要素106の抵抗により、構成要素106が内部で均一に加熱される。すなわち、電気供給源122によって生成された電流が構成要素106を流れるときに(加熱により)構成要素106を負荷状態に励起するために、構成要素106自体の抵抗を使用する。
【0026】
少なくとも1つの実施形態では、第1のリード124は、電気供給源122から延伸して、構成要素106の第1の端部126に結合する。第2のリード128は、第1の端部126とは反対側の第2の端部129から延伸し、電気供給源122に結合している。したがって、電気供給源122によって生成された電流は、第1の端部126から第2の端部129まで構成要素106の全体長さを流れる。任意選択で、第1のリード124は、構成要素106の第1の側面に結合することができ、第2のリード128は、構成要素106の第1の側面とは反対の第2の側面に結合することができる。少なくとも1つの他の実施形態では、第1のリード124および第2のリード128は、構成要素106の他の部分に結合することができる。例えば、第1のリード124は、構成要素106の端部に結合することができ、第2のリード128は、構成要素106の側面に結合することができ、逆もまた同様である。
【0027】
少なくとも1つの実施形態では、構成要素加熱サブシステム120は、1つ以上の有線接続または無線接続などを介して電気供給源122に動作可能に結合される加熱制御ユニット130を含む。加熱制御ユニット130は、電流を構成要素106に選択的に流し、それにより構成要素106を選択的に加熱するために、電気供給源122を作動および停止させる。少なくとも1つの実施形態では、加熱制御ユニット130を使用して、構成要素106を流れる電流の強度を制御し、それによって構成要素106の加熱の程度を制御することができる。例えば、電流が増加すると、構成要素106の加熱は増加する。逆に、電流が減少すると、構成要素106の加熱は減少する。
【0028】
少なくとも1つの実施形態では、1つ以上の熱センサー132は構成要素106に結合されている。熱センサー132は、温度計、熱電対、サーモスタットなどであるか、またはそれらを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、熱センサー132は、構成要素106の外面に取り付けられ、および/または構成要素106内に埋め込まれている。例えば、熱センサー132aは構成要素106の外面に取り付けられ、熱センサー132bは構成要素106内に埋め込まれている。
【0029】
熱センサー132は、1つ以上の有線または無線接続などを介して加熱制御ユニット130と通信する。熱センサー132は、構成要素106の温度を示す熱信号を加熱制御ユニット130に出力する。加熱制御ユニット130は、熱信号を監視し、それに応じて電気供給源122を制御する。例えば、熱センサー132により出力される熱信号により検出される構成要素106の温度に基づいて、加熱制御ユニット130は、構成要素106の温度を構成要素106の所望の目標温度に基づいて調整するように電気供給源122を動作させる。
【0030】
任意選択で、構成要素加熱サブシステム120は、熱センサー132を含まなくてもよい。また、任意選択で、構成要素加熱サブシステム120は、加熱制御ユニット130を含まなくてもよい。少なくとも1つの実施形態では、構成要素加熱サブシステム120は、加熱制御ユニット130または熱センサー(群)132のいずれも含まない場合がある。
【0031】
少なくとも1つの実施形態では、レーザーシアログラフィー検査システム100には、別個のヒーターがない。構成要素加熱サブシステム120には、加熱ランプなどの表面ヒーターがない。
【0032】
動作中、構成要素106は、中立状態のカメラ112によって最初に監視される。すなわち、構成要素106は、中立状態の構成要素加熱サブシステム120によって励起されない。レーザー放射装置102は、中立状態の構成要素106にレーザービーム104を放射し、カメラ112は、中立状態の構成要素106と相互作用するレーザーエネルギーの1つ以上の画像を取得する。
【0033】
中立状態の構成要素106の画像が取得された後、構成要素加熱サブシステム120は、構成要素106を励起して負荷状態にする。特に、電気供給源122は、構成要素106を流れる電流を生成する。構成要素106の抵抗により、電流が流れるときに構成要素106が加熱される。加熱制御ユニット130は、電気供給源122の出力を制御し、それにより、負荷状態の構成要素106の所望の温度を提供するために構成要素106の温度を制御することができる。負荷状態では、レーザー放射装置102は構成要素にレーザービーム104を再び放射し、カメラ112は負荷状態の構成要素106と相互作用するレーザーエネルギーの1つ以上の画像を取得する。構成要素106上および/または内部の不規則性を判定するために、中立状態および負荷状態の構成要素106の画像が比較される。
【0034】
本明細書で使用するとき、用語「制御ユニット」、「中央処理ユニット」、「ユニット」、「CPU」、「コンピューター」などは、マイクロコントローラー、縮小命令セットコンピューター(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、およびここに記載された機能を実行できるハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを含むその他の回路またはプロセッサーを使用するシステムを含むプロセッサーベースまたはマイクロプロセッサーベースのシステムを含むことができる。これは単なる例示であり、したがって、このような用語の定義および/または意味をどのようにも限定することを意図するものではない。例えば、加熱制御ユニット130は、本明細書で説明されるように、その動作を制御するように構成された1つ以上のプロセッサーであるか、それを含むことができる。
【0035】
加熱制御ユニット130は、データを処理するために、1つ以上のデータ記憶ユニットまたは要素(1つ以上のメモリなど)に格納された命令セットを実行するように構成されている。例えば、加熱制御ユニット130は、1つ以上のメモリーを含むか、またはそれらに結合されてもよい。データ記憶ユニットはまた、所望または必要に応じてデータまたは他の情報を記憶してもよい。データ記憶ユニットは、処理機械内の情報供給源または物理メモリー要素の形をとることができる。
【0036】
命令セットは、処理機械として本明細書で説明される主題の様々な実施形態の方法およびプロセスなどの特定の動作を実行するように加熱制御ユニット130に命令する様々なコマンドを含み得る。命令セットは、ソフトウェアプログラムの形式であってもよい。ソフトウェアは、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアなど、さまざまな形式で提供されてもよい。さらに、ソフトウェアは、別個のプログラムの集まり、より大きなプログラム内のプログラムのサブセット、またはプログラムの一部の形であってもよい。ソフトウェアには、オブジェクト指向プログラミング形式のモジュール式プログラミングも含まれる場合がある。処理機械による入力データの処理は、ユーザーのコマンドに応答する場合、以前の処理の結果に応答する場合、または別の処理機械によって行われた要求に応答する場合がある。
【0037】
本明細書の実施形態の図は、加熱制御ユニット130などの1つ以上の制御ユニットまたは処理ユニットを例示し得る。処理または制御ユニットは、本明細書で説明される動作を実行する関連命令を伴うハードウェア(例えば、コンピューターハードドライブ、ROM、RAMなどの有形かつ非一時的なコンピューター読み取り可能な記憶媒体に格納されたソフトウェア)として実装できる回路、回路構成、またはその一部を表してもよいことを理解されたい。ハードウェアは、本明細書で説明される機能を実行するように配線された状態機械回路構成を含み得る。任意選択で、ハードウェアは、マイクロプロセッサー、プロセッサー、コントローラーなどの1つ以上の論理ベースのデバイスを含むおよび/またはそれに接続される電子回路を含むことができる。任意選択で、加熱制御ユニット130は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサー(群)などのうちの1つ以上などの処理回路を表すことができる。様々な実施形態における回路は、本明細書で説明される機能を実行するために1つ以上のアルゴリズムを実行するように構成され得る。1つ以上のアルゴリズムは、フローチャートまたは方法で明示的に特定されているかどうかにかかわらず、本明細書で開示される実施形態の態様を含むことができる。
【0038】
本明細書で使用する「ソフトウェア」および「ファームウェア」という用語は互換性があり、RAMメモリー、ROMメモリー、EPROMメモリー、EEPROMメモリー、および不揮発性RAM(NVRAM)メモリーなどのコンピューターによる実行のためにデータ記憶ユニット(例えば、1つ以上のメモリ)に格納されたコンピュータープログラムを含む。上記のデータ記憶ユニットのタイプは例示にすぎず、したがって、コンピュータープログラムの格納に使用可能なメモリーのタイプに関して限定するものではない。
【0039】
図2は、本開示の一実施形態による、複合パネルアセンブリ200の分解斜視図を示している。複合パネルアセンブリ200は、図1に示される構成要素106の一例である。複合パネルアセンブリ200は、内側スキン214と外側スキン215との間に挟まれたハニカムコア202を含む。少なくとも1つの実施形態では、コア202は複数の相互接続されたハニカムセル220を含む。少なくとも1つの他の実施形態では、コア202は中実層または多孔質フォーム層であってもよい。コア202は、例えば、アラミド繊維、および/またはポリアミドで形成されてもよい。内側スキン214および外側スキン215は、ガラス繊維、グラファイト、ケブラーなどの繊維を含む1つ以上の予備含浸エポキシ樹脂層であるか、またはそれを含むことができる。内側スキン214および外側スキン215は、互いに同一であってもよい。少なくとも1つの他の実施形態では、内側スキン214および外側スキン215は、互いより多いまたは少ない層を含むことができる。
【0040】
示されるように、複合パネルアセンブリ200は複合サンドイッチパネルアセンブリである。任意選択で、複合パネルアセンブリ200は、ハニカムコアを含まなくてもよい。少なくとも1つの他の実施形態では、パネルアセンブリは金属製であってもよい。すなわち、図2に関して示され説明された複合パネルアセンブリ200は、パネルアセンブリの一例に過ぎない。本開示の実施形態は、様々な他のタイプのパネルおよびアセンブリとともに使用されてもよい。
【0041】
図3は、本開示の一実施形態による、構成要素を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査方法のフローチャートを示している。レーザーシアログラフィー検査方法は、構成要素加熱サブシステムを構成要素に結合するステップ(300)、構成要素加熱サブシステムで構成要素を負荷状態に励起するステップ(302)(励起するステップは構成要素に電流を流すステップを含む)、構成要素の抵抗による励起(302)を通して構成要素を内部で均一に加熱するステップ(304)を含む。
【0042】
少なくとも1つの実施形態では、レーザーシアログラフィー検査方法は、レーザー放射装置により構成要素にレーザービームを放射するステップ、レーザー放射装置から放射されたレーザービームを、構成要素に衝突する前にビームエキスパンダーを通過させるステップ、構成要素が構成要素加熱サブシステムによって励起されていない中立状態の構成要素の少なくとも1つの第1の画像119(図1に示す)を取得するステップ、および負荷状態の構成要素の少なくとも1つの第2の画像121(図1に示す)を取得するステップを含む。
【0043】
少なくとも1つの実施形態では、結合するステップは、電気供給源を構成要素に結合するステップを含む。例えば、結合するステップは、電気供給源から構成要素の第1の部分まで第1のリードを延伸させるステップと、および構成要素の第2の部分から電気供給源まで第2のリードを延伸させるステップとを含む。
【0044】
少なくとも1つの実施形態では、レーザーシアログラフィー検査方法は、加熱制御ユニットを電気供給源に動作可能に結合するステップと、構成要素に結合された1つ以上の熱センサーを加熱制御ユニットに通信可能に結合するステップと、構成要素に選択的に電流を流すために電気供給源を選択的に作動させるステップとを含む。
【0045】
本明細書に記載されるように、本開示の実施形態は、検査対象の構成要素の均一かつ一貫した励起(すなわち、加熱)による不規則性をより多く検出できる、レーザーシアログラフィー検査システムのための構成要素加熱サブシステムおよび方法を提供する。構成要素加熱サブシステムおよび方法は、構成要素の均一な励起(つまり、加熱)を提供し、構成要素の潜在的な損傷を排除、最小化、または他の方法で対処する。さらに、構成要素加熱サブシステムは、別個の表面ヒーターを使用する場合と比較して、軽量で携帯可能であり、セットアップが容易である。
【0046】
本開示の実施形態は、レーザーシアログラフィー検査中に対象物を均一かつ安全に加熱するためのシステムおよび方法を提供する。さらに、本開示の実施形態は、レーザーシアログラフィー検査中の対象物への損傷の可能性を低減する、対象物を加熱するためのシステムおよび方法を提供する。さらに、本開示の実施形態は、検査対象部分全体に均一な励起を提供することにより、遠距離場の不規則性の検出確率を高めるシステムおよび方法を提供する。
【0047】
本開示の実施形態を説明するために、上、下、下部、中部、横、水平、垂直、正面などの様々な空間的および方向的用語を使用してもよいが、そのような用語は単に図面に示される向きに関して使用されることが理解される。向きは、上部が下部になり、その逆にもなり、水平が垂直になるようになど、反転、回転、または他の方法で変更されてもよい。
【0048】
さらに、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
【0049】
条項1.構成要素(106)を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査システム(100)であって、レーザーシアログラフィー検査システム(100)は、
構成要素(106)に結合された構成要素加熱サブシステム(120)であって、構成要素加熱サブシステム(120)は、構成要素(106)に電流を流すことにより構成要素(106)を負荷状態に励起し、電流が構成要素(106)を流れるとき、構成要素(106)の抵抗により、構成要素(106)が内部で均一に加熱される、構成要素加熱サブシステム(120)
を備える、レーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0050】
条項2.レーザービーム(104)を構成要素(106)に放射するように構成されたレーザー放射装置(102)をさらに備える、条項1のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0051】
条項3.ビームエキスパンダー(108)であって、レーザー放射装置(102)によって放射されたレーザービーム(104)を、構成要素(106)に衝突する前にビームエキスパンダー(108)を通過する、ビームエキスパンダー(108)をさらに備える、条項2のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0052】
条項4.構成要素(106)が構成要素(106)加熱サブシステム(120)によって励起されていない中立状態の構成要素(106)の少なくとも1つの第1の画像(119)、および負荷状態の構成要素(106)の少なくとも1つの第2の画像(121)を取得するカメラ(112)をさらに備える、条項2のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0053】
条項5.構成要素(106)とカメラ(112)との間に配置された画像せん断装置(110)をさらに備える、条項4のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0054】
条項6.構成要素加熱サブシステム(120)が構成要素(106)に結合された電気供給源(122)を含む、条項1のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0055】
条項7.構成要素(106)加熱サブシステム(120)が、
電気供給源(122)から延伸し、構成要素(106)の第1の部分に結合する第1のリード(124)と、
構成要素(106)の第2の部分から延伸し、電気供給源(122)に結合する第2のリード(128)と
をさらに備える、条項6のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0056】
条項8.構成要素加熱サブシステム(120)が、電気供給源(122)に動作可能に結合された加熱制御ユニット(130)を備え、加熱制御ユニット(130)が、構成要素(106)に電流を選択的に流すために、電気供給源(122)を選択的に作動させる、条項1のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0057】
条項9.構成要素加熱サブシステム(120)が構成要素(106)に結合された1つ以上の熱センサー(132b)を含む、条項1のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0058】
条項10.1つ以上の熱センサー(132b)が構成要素(106)の外面に取り付けられている、条項9のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0059】
条項11.1つ以上の熱センサー(132b)が構成要素(106)内に埋め込まれている、条項9のレーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0060】
条項12.構成要素(106)を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査方法であって、レーザーシアログラフィー検査方法は、
構成要素(106)加熱サブシステム(120)を構成要素(106)に結合するステップと、
構成要素(106)を構成要素(106)加熱サブシステム(120)で負荷状態に励起するステップ(302)であって、励起するステップ(302)は、構成要素(106)に電流を流すステップを含む、ステップ(302)と、
構成要素(106)の抵抗により、励起するステップ(302)を通して構成要素(106)の内部領域(107)を均一に加熱するステップと
を含む、レーザーシアログラフィー検査方法。
【0061】
条項13.レーザー放射装置(102)によって構成要素(106)にレーザービーム(104)を放射するステップをさらに含む、条項12のレーザーシアログラフィー検査方法。
【0062】
条項14.レーザー放射装置(102)によって放射されたレーザービーム(104)を、構成要素(106)に衝突する前にビームエキスパンダー(108)を通過させるステップをさらに含む、条項13のレーザーシアログラフィー検査方法。
【0063】
条項15.構成要素(106)が構成要素加熱サブシステム(120)によって励起されていない中立状態の構成要素(106)の少なくとも1つの第1の画像(119)を取得するステップと、
負荷状態の構成要素(106)の少なくとも1つの第2の画像(121)を取得するステップと
をさらに含む、条項13のレーザーシアログラフィー検査方法。
【0064】
条項16.構成要素(106)と、少なくとも1つの第1の画像(119)および少なくとも1つの第2の画像(121)を取得するカメラ(112)との間に画像せん断装置(110)を配置するステップをさらに含む、条項15のレーザーシアログラフィー検査方法。
【0065】
条項17.結合するステップが、電気供給源(122)を構成要素(106)に結合するステップを含む、条項12に記載のレーザーシアログラフィー検査方法。
【0066】
条項18.結合するステップが、
電気供給源(122)から構成要素(106)の第1の部分まで第1のリード(124)を延伸するステップと、
構成要素(106)の第2の部分から電気供給源(122)まで第2のリード(128)を延伸するステップと
をさらに含む、条項17のレーザーシアログラフィー検査方法。
【0067】
条項19.加熱制御ユニット(130)を電気供給源(122)に動作可能に結合するステップと、
構成要素(106)に結合された1つ以上の熱センサー(132b)を加熱制御ユニット(130)と通信可能に結合するステップと、
構成要素(106)に電流を選択的に流すために、電気供給源(122)を選択的に作動させるステップと
をさらに含む、条項12に記載のレーザーシアログラフィー検査方法。
【0068】
条項20.構成要素(106)を非破壊的に検査するためのレーザーシアログラフィー検査システム(100)であって、レーザーシアログラフィー検査システム(100)は、
構成要素にレーザービーム(104)を放射するように構成されたレーザー放射装置(106)と、
ビームエキスパンダー(108)であって、レーザー放射装置によって放射されたレーザービーム(104)は、構成要素(106)に衝突する前にビームエキスパンダー(108)を通過する、ビームエキスパンダー(108)と、
構成要素(106)が励起されていない中立状態の構成要素(106)の少なくとも1つの第1の画像(119)および負荷状態の構成要素(106)の少なくとも1つの第2の画像(121)を取得するカメラ(112)と、
構成要素(106)に結合された構成要素(106)加熱サブシステムであって、構成要素加熱サブシステムは、構成要素(106)に電流を流すことにより構成要素(106)を負荷状態に励起し、構成要素(106)の抵抗により、電流が構成要素(106)を通過するときに構成要素(106)が内部で均一に加熱され、構成要素加熱サブシステムは、
電気供給源(122)から延伸し、構成要素(106)の第1の部分に結合する第1のリード(124)と、
構成要素(106)の第2の部分から延伸し、電気供給源(122)に結合する第2のリード(128)と、
電気供給源(122)に動作可能に結合された加熱制御ユニット(130)であって、加熱制御ユニット(130)は、電流を構成要素(106)に選択的に流すために、電気供給源(122)を選択的に作動させる、加熱制御ユニット(130)と、
構成要素(106)に結合された1つ以上の熱センサー(132b)と
を備える、構成要素加熱サブシステムと
を備える、レーザーシアログラフィー検査システム(100)。
【0069】
本明細書で使用する場合、タスクまたは動作を行うように「構成された」構造、制限、または要素は、タスクまたは動作に対応する方法で特に構造的に形成、構築、または適合される。明確化および疑念の回避のために、単にタスクまたは動作を実行するように変更できるオブジェクトは、本明細書で使用されるタスクまたは動作を行うように「構成されて」いない。
【0070】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。例えば、上述の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。さらに、特定の状況または材料を、その範囲から逸脱することなく、本開示のさまざまな実施形態の教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。本明細書で説明する材料の寸法およびタイプは、本開示のさまざまな実施形態のパラメータを定義することを意図しているが、実施形態は決して限定ではなく、例示的な実施形態である。上記の説明を検討することにより、他の多くの実施形態が当業者には明らかであろう。したがって、本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定されるべきである。添付の特許請求の範囲では、「含む」および「で」という用語は、「含む」および「ここで」という各用語の平易な英語の同等物として使用される。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は単なるラベルとして使用されており、オブジェクトに数値要件を課すことを意図したものではない。さらに、以下の請求項の制限はミーンズプラスファンクション形式で書かれておらず、そのような請求項の制限が明示的に「手段」という語句を使用し、その後にさらなる構造のない機能のステートメントが続く場合を除き、米国特許法第112条(f)項に基づいて解釈されることを意図していない。
【0071】
この記述は、例を使用して、ベストモードを含む本開示のさまざまな実施形態を開示し、また、当業者があらゆるデバイスまたはシステムを作成および使用し、組み込まれた方法を実行することを含め、本開示のさまざまな実施形態を実践できるようにする。本開示の様々な実施形態の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そのような他の例は、例が請求項の文言と異ならない構造要素を有する場合、または例が請求項の文言と実質的な違いを持たない同等の構造要素を含む場合、請求項の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0072】
100 レーザーシアログラフィー検査システム
102 レーザー放射装置
104 レーザービーム
106 構成要素
107 内部領域
108 ビームエキスパンダー
110 画像せん断装置
112 カメラ
114 ワークステーション
116 モニター
118 ユーザー入力デバイス
119 第1の画像
120 構成要素加熱サブシステム
121 第2の画像
122 電気供給源
124 第1のリード
126 第1の端部
128 第2のリード
129 第2の端部
130 加熱制御ユニット
132 熱センサー
132a 熱センサー
132b 熱センサー
200 複合パネルアセンブリ
202 ハニカムコア
214 内側スキン
215 外側スキン
220 ハニカムセル
図1
図2
図3