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特許7556693携帯端末、サーバシステムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】携帯端末、サーバシステムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240918BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020035069
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2021140243
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下川 サヤカ
(72)【発明者】
【氏名】梁瀬 蓉平
(72)【発明者】
【氏名】成田 雅弘
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-014082(JP,A)
【文献】国際公開第2019/230925(WO,A1)
【文献】特開2020-030773(JP,A)
【文献】特開2010-186318(JP,A)
【文献】特開2018-077693(JP,A)
【文献】“iPhone・iPad対応UHF帯RFIDリーダライタ:RFD8500|RFID Room”,[online],日本,RFID Room,2019年11月08日,[2023年12月4日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20191108150924/https://rfid.tss200/1.co.jp/product/rfd85>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店員が自身の身体に装着する携帯端末であって、
購入する商品の登録と決済とを行う会計アプリを起動する操作と取引を完了させる操作とを検出する操作制御部と、
前記会計アプリが起動している際に、前記携帯端末が向けられた方向にある商品に付された、当該商品を一意に特定する情報を含む無線タグの情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った情報に関連付いた商品を登録する登録処理部と、
前記登録処理部が登録した前記商品に対する決済を行う決済処理部と、
前記決済処理部による決済情報をサーバ装置に送信する決済情報送信部と、
前記サーバ装置に対して、自身の動作状態を送信する動作状態送信部と、
商品の在庫の補充が必要な場合であって、前記操作制御部が、前記会計アプリが起動していないことを検出したことを条件として、前記サーバ装置から、前記商品の在庫の補充指示を受信する在庫補充指示受信部と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
店員が自身の身体に装着して、客が購入する商品に付された無線タグの情報を読み取る商品情報読取部と、
前記商品の決済を行う決済処理部と、
前記商品の決済情報をサーバ装置に送信する決済情報送信部と、を備える複数の携帯端末と、
前記決済情報を受信して、前記商品の在庫情報を更新する在庫数更新部と、
商品の在庫の補充が必要な場合に、複数の前記携帯端末の動作状態を監視して、商品の登録と決済を行う会計アプリが起動していない待機中であると判定した携帯端末に対して、在庫の補充を指示する在庫補充指示部と、を備えるサーバ装置と、
を備えるサーバシステム。
【請求項3】
店員が自身の身体に装着する携帯端末を動作させるコンピュータを、
購入する商品の登録と決済とを行う会計アプリを起動する操作と取引を完了させる操作とを検出する操作制御部と、
前記会計アプリが起動している際に、前記携帯端末が向けられた方向にある商品に付された、当該商品を一意に特定する情報を含む無線タグの情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った情報に関連付いた商品を登録する登録処理部と、
前記登録処理部が登録した前記商品に対する決済を行う決済処理部と、
前記決済処理部による決済情報をサーバ装置に送信する決済情報送信部と、
前記サーバ装置に対して、自身の動作状態を送信する動作状態送信部と、
商品の在庫の補充が必要な場合であって、前記操作制御部が、前記会計アプリが起動していないことを検出したことを条件として、前記サーバ装置から、前記商品の在庫の補充指示を受信する在庫補充指示受信部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、携帯端末、サーバシステムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セルフPOS端末と、店員が所持する携帯端末とを接続して、セルフPOS端末の動作状態を、携帯端末でモニタする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、商品の決済に係る内容であって、決済された商品の在庫管理を行うことまでは言及されていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、商品が決済された情報を受けて、当該商品の在庫管理を行うことが可能な携帯端末、サーバシステムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
施の形態の携帯端末は、店員が自身の身体に装着するものであって、操作制御部と、読取部と、登録処理部と、決済処理部と、決済情報送信部と、動作状態送信部と、在庫補充指示受信部とを備える。操作制御部は、購入する商品の登録と決済とを行う会計アプリを起動する操作と取引を完了させる操作とを検出する。読取部は、会計アプリが起動している際に、携帯端末が向けられた方向にある商品に付された、当該商品の商品コードと関連付いた情報を含む無線タグの情報を読み取る。登録処理部は、読取部が読み取った情報に関連付いた商品を登録する。決済処理部は、登録処理部が登録した商品に対する決済を行う。決済情報送信部は、決済処理部による決済情報をサーバ装置に送信する。動作状態送信部は、サーバ装置に対して、自身の動作状態を送信する。在庫補充指示受信部は、商品の在庫の補充が必要な場合であって、操作制御部が、会計アプリが起動していないことを検出したことを条件として、サーバ装置から、商品の在庫の補充指示を受信する。
【0007】
また、実施の形態のサーバシステムは、携帯端末と、サーバ装置とを備える。携帯端末は、店員が自身の身体に装着して、客が購入する商品に付された無線タグの情報を読み取る商品情報読取部と、商品の決済を行う決済処理部と、商品の決済情報をサーバ装置に送信する決済情報送信部と、を備える。サーバ装置は、携帯端末から決済情報を受信して、商品の在庫情報を更新する在庫数更新部と、商品の在庫の補充が必要な場合に、複数の前記携帯端末の動作状態を監視して、商品の登録と決済を行う会計アプリが起動していない待機中であると判定した携帯端末に対して、在庫の補充を指示する在庫補充指示部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態の商品販売データ処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、スマートウォッチの一例を示す外観図である。
図3図3は、実施の形態の店舗サーバのハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
図4図4は、実施の形態のスマートウォッチのハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
図5図5は、実施の形態の商品販売データ処理システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6図6は、スマートウォッチが行う決済処理の流れの一例を示す画面遷移図である。
図7図7は、スマートウォッチに表示される在庫補充の指示の一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態の商品販売データ処理システムが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態の一例である、商品販売データ処理システム10について説明する。商品販売データ処理システム10は、店舗において、客が購入した商品の決済を行う。また、商品販売データ処理システム10は、商品の在庫管理を行う。なお、商品販売データ処理システム10は、本開示におけるサーバシステムの一例である。
【0010】
(商品販売データ処理システムの全体構成の説明)
図1を用いて本発明の実施の形態である商品販売データ処理システム10の全体構成について説明する。図1は、実施の形態の商品販売データ処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
商品販売データ処理システム10は、店舗サーバ20と、店員が所持する複数のスマートウォッチ40とを備える。
【0012】
店舗サーバ20は、店員が所持するスマートウォッチ40から、客が購入した商品の品名、数量、単価、合計金額、決済方法(現金決済、クレジットカード決済)等を含む決済情報を受け取る。また、店舗サーバ20は、商品の決済情報を受けて、当該商品の在庫数を更新する。また、店舗サーバ20は、スマートウォッチ40の動作状態を監視する。更に、店舗サーバ20は、待機中であると判定したスマートウォッチ40に対して、在庫の補充を指示する。なお、店舗サーバ20は、本開示におけるサーバ装置の一例である。なお、店舗サーバ20は、例えば、スマートウォッチ40が動作させているアプリケーションの内容を認識することによって、スマートウォッチ40の動作状態を判定する。例えば、スマートウォッチ40において会計アプリ(図6参照)が動作していないことを検出した場合に、当該スマートウォッチ40は待機中であると判定する。
【0013】
スマートウォッチ40は、店員が所持して、接客中の客が購入する商品を、その場で登録する。また、スマートウォッチ40は、登録された商品に係る決済処理を行う。また、スマートウォッチ40は、商品の決済情報を店舗サーバ20に送信する。そして、スマートウォッチ40は、店舗サーバ20からの状態問い合わせに対して、自身の現在の動作状態を返答する。更に、スマートウォッチ40は、店舗サーバ20から発せられた在庫補充の指示を表示する。なお、スマートウォッチ40は、本開示における携帯端末の一例である。
【0014】
なお、スマートウォッチ40は、RFID(Radio Frequency IDentification)アンテナ52を備える。そして、スマートウォッチ40は、商品90に付されたRFIDタグ92(無線タグの一例)と無線通信を行って、商品情報を読み取る。
【0015】
(スマートウォッチの説明)
次に、図2を用いて、スマートウォッチ40の外観および機能を説明する。図2は、スマートウォッチの一例を示す外観図である。
【0016】
スマートウォッチ40は、店員が自身の手首に装着した状態で、商品登録および決済を行うことが可能な、いわゆるウェアラブル端末である。スマートウォッチ40は、図2に示すように、腕時計の形態を有し、盤面がディスプレイ50とタッチパネル51を備える。
【0017】
また、スマートウォッチ40を手首に装着した状態において、ディスプレイ50の反対側の位置には、RFIDアンテナ52とRFIDリーダ53とが設置される。店員が、RFIDリーダ53を読取状態にして、RFIDアンテナ52を商品の方向に向けると、商品に付されたRFIDタグとRFIDリーダ53とが無線通信を行う。そして、RFIDリーダ53は、RFIDタグに登録された商品コードを含む情報を読み取る。即ち、店員は、自然な動作で、接客中の客が購入を希望した商品を、その場で登録することが可能である。
【0018】
(店舗サーバのハードウェア構成の説明)
次に、図3を用いて、店舗サーバ20のハードウェア構成を説明する。図3は、実施の形態の店舗サーバのハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。図3に示すように、店舗サーバ20は、制御部21と、記憶部25と、入出力コントローラ26と、通信コントローラ27とを備える。
【0019】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)22と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24とを備えた一般的なコンピュータの構成を有する。CPU22は、ROM23や後述する記憶部25に記憶された各種プログラムやデータファイル等を読み出して、RAM24に展開する。CPU22は、RAM24に展開された各種プログラムやデータファイル等に従って動作して、店舗サーバ20の全体の制御を司る。
【0020】
制御部21は、内部バス28を介して、記憶部25と、入出力コントローラ26と、通信コントローラ27と、それぞれ接続される。
【0021】
記憶部25は、電源を切っても記憶情報を保持する。記憶部25は、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。また、HDDの代わりに、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えてもよい。記憶部25は、制御プログラムPaを含むプログラム等を記憶する。制御プログラムPaは、店舗サーバ20が備える機能を発揮させるためのプログラムである。
【0022】
なお、制御プログラムPaは、ROM23に予め組み込まれて提供されてもよい。また、制御プログラムPaは、制御部21にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、制御プログラムPaを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、制御プログラムPaを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0023】
記憶部25は、更に、商品マスタファイルMと、売上ファイルEと、在庫情報ファイルFとを記憶する。商品マスタファイルMは、商品コードに対応させて、商品の名称、単価等の商品情報を格納したマスタファイルである。なお、商品マスタファイルMは、スマートウォッチ40と店舗サーバ20とが通信を行うことによって、逐次更新される。
【0024】
売上ファイルEは、スマートウォッチ40から送信された決済情報を格納したファイルである。また、在庫情報ファイルFは、商品の在庫状態、即ち、各商品の店頭在庫の数と倉庫在庫の数とを格納したファイルである。
【0025】
入出力コントローラ26は、制御部21と、いずれも店舗サーバ20が備える入出力機器であるキーボード30、ディスプレイ31、タッチパネル32とを、内部バス28を介して接続する。
【0026】
キーボード30は、操作者の操作情報を取得する。ディスプレイ31は、操作者に対して各種情報を表示する。ディスプレイ31は、例えば液晶モニタである。タッチパネル32は、ディスプレイ31に積層された状態で設置されて、操作者の操作情報を取得する。
【0027】
通信コントローラ27は、店舗サーバ20とスマートウォッチ40との間の通信を制御することによって、各種情報の入出力を行う。
【0028】
(スマートウォッチのハードウェア構成の説明)
次に、図4を用いて、スマートウォッチ40のハードウェア構成を説明する。図4は、実施の形態のスマートウォッチのハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。図4に示すように、スマートウォッチ40は、制御部41と、記憶部45と、入出力コントローラ46と、通信コントローラ47とを備える。
【0029】
制御部41は、CPU42と、ROM43と、RAM44とを備えた一般的なコンピュータの構成を有する。CPU42は、ROM43や後述する記憶部45に記憶された各種プログラムやデータファイル等を読み出して、RAM44に展開する。CPU42は、RAM44に展開された各種プログラムやデータファイル等に従って動作して、スマートウォッチ40の全体の制御を司る。
【0030】
制御部41は、内部バス48を介して、記憶部45と、入出力コントローラ46と、通信コントローラ47と、それぞれ接続される。
【0031】
記憶部45は、電源を切っても記憶情報を保持する。記憶部45は、例えばHDDである。また、HDDの代わりに、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備えてもよい。記憶部45は、制御プログラムPbを含むプログラム等を記憶する。制御プログラムP4は、スマートウォッチ40が備える機能を発揮させるためのプログラムである。
【0032】
なお、制御プログラムPbは、ROM43に予め組み込まれて提供されてもよい。また、制御プログラムPbは、制御部41にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、CD-ROM、フレキシブルディスク、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、制御プログラムPbを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、制御プログラムPbを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0033】
入出力コントローラ46は、制御部41と、スマートウォッチ40が備える入出力機器であるディスプレイ50、タッチパネル51、RFIDアンテナ52、RFIDリーダ53とを、内部バス48を介して接続する。
【0034】
ディスプレイ50は、操作者に対して各種情報を表示する。ディスプレイ50は、例えば液晶モニタである。タッチパネル51は、ディスプレイ50に積層された状態で設置されて、操作者の操作情報を取得する。
【0035】
RFIDアンテナ52は、商品に付されたRFIDタグと無線通信を行う。RFIDリーダ53は、RFIDタグに登録された商品コードを含む情報を読み取る。
【0036】
通信コントローラ47は、スマートウォッチ40と店舗サーバ20との間の通信を制御することによって、各種情報の入出力を行う。
【0037】
(商品販売データ処理システムの機能構成の説明)
次に、図5を用いて、商品販売データ処理システム10の機能構成を説明する。図5は、実施の形態の商品販売データ処理システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0038】
店舗サーバ20の制御部21(図4参照)は、制御プログラムPaをRAM24に展開して動作させることによって、図5に示す決済情報受信部60と、決済情報記憶部61と、在庫数更新部62と、状態監視部63と、在庫補充指示部64と、通信制御部65とを機能部として実現する。
【0039】
決済情報受信部60は、スマートウォッチ40(携帯端末)から、客が購入した商品の決済情報を受け取る。
【0040】
決済情報記憶部61は、スマートウォッチ40から受信した決済情報を、売上ファイルEに記憶する。
【0041】
在庫数更新部62は、決済情報を受けて、商品の在庫数を更新する。
【0042】
状態監視部63は、複数のスマートウォッチ40の動作状態をそれぞれ監視する。具体的には、状態監視部63は、スマートウォッチ40が動作させているアプリケーションの内容を検出することによって、スマートウォッチ40の動作状態を認識する。
【0043】
在庫補充指示部64は、在庫数更新部62が更新した商品の在庫数が、所定の閾値を下回った場合、即ち商品の在庫の補充が必要な場合に、状態監視部63が待機中であると判定したスマートウォッチ40に対して、在庫の補充を指示する。なお、在庫補充指示部64は、本開示における指示部の一例である。
【0044】
通信制御部65は、スマートウォッチ40との間で、各種情報のやり取りを制御する。
【0045】
また、スマートウォッチ40の制御部41(図4参照)は、制御プログラムPbをRAM44に展開して動作させることによって、図5に示す商品情報読取部70と、商品登録処理部71と、決済処理部72と、決済情報送信部73と、状態応答部74と、在庫補充指示受信部75と、操作制御部76と、表示制御部77と、通信制御部78とを機能部として実現する。
【0046】
商品情報読取部70は、商品に付された、当該商品の商品コードと関連付いた情報を含むRFIDタグ(無線タグ)の情報を読み取る。なお、商品情報読取部70は、本開示における読取部の一例である。
【0047】
商品登録処理部71は、商品情報読取部70が読み取った情報に関連付いた商品を登録する。なお、商品登録処理部71は、本開示における登録処理部の一例である。
【0048】
決済処理部72は、商品登録処理部71が登録した商品に対する決済を行う。
【0049】
決済情報送信部73は、商品登録処理部71が登録した商品に対する決済を行う。なお、決済情報送信部73は、本開示における送信部の一例である。
【0050】
状態応答部74は、店舗サーバ20からの状態監視に対して、自身の状態を応答する。なお、状態応答部74は、本開示における動作状態送信部の一例である。
【0051】
在庫補充指示受信部75は、店舗サーバ20から、在庫補充指示を受信する。なお、在庫補充指示受信部75は、本開示における指示受信部の一例である。
【0052】
操作制御部76は、タッチパネル51に対する店員の操作情報を検出する。
【0053】
表示制御部77は、ディスプレイ50に対する各種情報の表示制御を行う。
【0054】
通信制御部78は、店舗サーバ20との間で、各種情報のやり取りを制御する。
【0055】
(スマートウォッチが行う決済処理の説明)
次に、図6を用いて、スマートウォッチ40が行う決済処理の流れを説明する。図6は、スマートウォッチが行う決済処理の流れの一例を示す画面遷移図である。
【0056】
店員はスマートウォッチ40のディスプレイ50に表示された初期画面Daにおいて、会計アプリ80を選択する。
【0057】
会計アプリ80が動作すると、RFIDリーダ53が読み取り動作を開始して、スマートウォッチ40のディスプレイ50には、商品登録画面Dbが表示される。この時点では商品が未登録であるため、画面には何も表示されない。
【0058】
RFIDアンテナ52が、客が選択した商品に付されたRFIDタグ92の信号を受信すると、商品情報読取部70は、RFIDリーダ53がRFIDタグ92から読み取った情報を分析する。そして、商品情報読取部70は、読み取った商品コードを店舗サーバ20に送信する。店舗サーバ20は、受信した商品コードを、記憶部25に記憶した商品マスタファイルMと照合する。そして、店舗サーバ20は、商品コードと照合した商品情報を読み出して、スマートウォッチ40に送信する。スマートウォッチ40は、店舗サーバ20から受信した商品名と単価を商品登録画面Dcに表示する。なお、スマートウォッチ40の記憶部45が、予め商品マスタファイルMを記憶しておき、商品マスタファイルMとの照合をスマートウォッチ40の内部で行ってもよい。
【0059】
商品登録画面Dcの合計金額欄81には、その時点で登録されている商品の合計金額が表示される。
【0060】
商品の登録が全て完了した場合に、合計金額欄81を押下すると、決済画面Ddに遷移する。このとき、スマートウォッチ40の決済処理部72は、決済画面Ddに、商品の合計金額と、二次元コード82を表示する。二次元コード82は、商品登録情報を含むコード情報である。客は、自身の携帯端末(例えばスマートフォン)のカメラで、二次元コード82を読み取って決済処理を行う。
【0061】
決済処理が完了すると、スマートウォッチ40のディスプレイ50には、決済完了画面Deが表示される。そして、店員が終了ボタン83を押下すると、取引が完了して、ディスプレイ50の表示は初期画面Daに遷移する。
【0062】
(在庫補充指示の説明)
次に、図7を用いて、店舗サーバ20が在庫補充指示を出した際に、スマートウォッチ40のディスプレイ50に表示される情報について説明する。図7は、スマートウォッチに表示される在庫補充の指示の一例を示す図である。
【0063】
待機中のスマートウォッチ40は、店舗サーバ20から在庫補充指示を受信すると、図7に示す在庫補充指示画面Dfを表示する。在庫補充指示画面Dfには、補充すべき商品の商品名と補充点数が表示される。また、在庫補充指示画面Dfの下部には、詳細表示ボタン84が表示される。
【0064】
詳細表示ボタン84を押下すると、スマートウォッチ40のディスプレイ50には、図7に示す詳細画面Dgが表示される。詳細画面Dgには、例えば、補充すべき商品の商品コードが表示される。また、詳細画面Dgの下部には、補充完了ボタン85が表示される。なお、詳細画面Dgに、補充すべき商品Aの在庫保管場所を示す情報が表示されてもよい。
【0065】
商品の補充を行った店員は、自身が所持するスマートウォッチ40の詳細画面Dgにおいて、補充完了ボタン85を押下する。補充完了ボタン85が押下されると、スマートウォッチ40のディスプレイ50は、所定の初期画面(例えば、図6の初期画面Da)に遷移する。また。補充完了ボタン85が押下されたことは、店舗サーバ20に伝えられる。そして、店舗サーバ20は、在庫補充指示を送信したスマートウォッチ40に対して、在庫の補充が完了したことを示すメッセージを送信する。
【0066】
そして、図7には図示しないが、スマートウォッチ40は、店舗サーバ20から、在庫の補充が完了したことを示す情報を受信すると、ディスプレイ50に、商品Aの在庫の補充が完了した旨のメッセージを表示する。
【0067】
(商品販売データ処理システムが行う処理の流れの説明)
次に、図8を用いて、商品販売データ処理システム10が行う処理の流れを説明する。図8は、実施の形態の商品販売データ処理システムが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0068】
まず、会計処理を行うスマートウォッチ40が行う処理の流れを説明する。
【0069】
操作制御部76は、店員が会計アプリを起動する操作を行ったことを検出して、商品登録処理部71の動作を開始させることによって、会計処理を開始する(ステップS10)。
【0070】
商品情報読取部70は、客が選択した商品からRFIDアンテナ52が受信した信号をRFIDリーダ53に読み取らせる。RFIDリーダ53が読み取った情報(例えば商品コード)は、店舗サーバ20に送信された後、商品マスタファイルMと照合されて、商品が特定される(ステップS11)。
【0071】
商品登録処理部71は、商品情報の登録が完了したかを判定する(ステップS12)。商品情報の登録が完了したと判定される(ステップS12:Yes)とステップS13に進む。一方、商品情報の登録が完了したと判定されない(ステップS12:No)とステップS11に戻る。
【0072】
ステップS12においてYesと判定されると、決済処理部72は、登録された商品の決済処理を行う(ステップS13)。
【0073】
次に、決済情報送信部73は、決済情報を店舗サーバ20に送信する(ステップS14)。
【0074】
状態応答部74は、店舗サーバ20から、動作状態の問い合わせがあるかを判定する(ステップS15)。動作状態の問い合わせがあると判定される(ステップS15:Yes)とステップS16に進む。一方、動作状態の問い合わせがあると判定されない(ステップS15:No)と、スマートウォッチ40は、図8の処理を終了する。
【0075】
ステップS15においてYesと判定されると、状態応答部74は、店舗サーバ20に対して、自身の動作状態を送信する(ステップS16)。その後、スマートウォッチ40は、図8の処理を終了する。なお、店舗サーバ20からの動作状態の問い合わせは、必ずしも図8のタイミングでなされるものではなく、不定期に割り込みがかかる形で実行される。
【0076】
次に、店舗サーバ20が行う処理の流れを説明する。
【0077】
決済情報受信部60は、スマートウォッチ40から決済情報を受信したかを判定する(ステップS20)。決済情報を受信したと判定される(ステップS20:Yes)とステップS21に進む。一方、決済情報を受信したと判定されない(ステップS20:No)とステップS20を繰り返す。
【0078】
ステップS20においてYesと判定されると、決済情報記憶部61は、受信した決済情報を売上ファイルEに記憶する(ステップS21)。
【0079】
そして、在庫数更新部62は、決済情報に基づいて、在庫情報ファイルFにおける商品の在庫数を更新する(ステップS22)。
【0080】
状態監視部63は、スマートウォッチ40の動作状態を監視する(ステップS23)。
【0081】
そして、状態監視部63は、スマートウォッチ40からの応答を読み取って、待機中のスマートウォッチ40を選択する(ステップS24)。
【0082】
在庫補充指示部64は、待機中のスマートウォッチ40に対して、在庫補充の指示を行う(ステップS25)。その後、店舗サーバ20は、図8の処理を終了する。なお、より詳しくは、店舗サーバ20は、この後、在庫の補充を指示したスマートウォッチ40から、在庫補充を完了した旨の情報を受信して、在庫の補充が完了した旨を各スマートウォッチ40に送信する。
【0083】
次に、待機中のスマートウォッチ40が行う処理の流れを説明する。
【0084】
状態応答部74は、店舗サーバ20から、動作状態の問い合わせがあるかを判定する(ステップS30)。動作状態の問い合わせがあると判定される(ステップS30:Yes)とステップS31に進む。一方、動作状態の問い合わせがあると判定されない(ステップS30:No)と、ステップS32に進む。
【0085】
ステップS30においてYesと判定されると、状態応答部74は、店舗サーバ20に対して、自身の動作状態を送信する(ステップS31)。
【0086】
次に、在庫補充指示受信部75は、店舗サーバ20から在庫補充の指示があるかを判定する(ステップS32)。在庫補充の指示があると判定される(ステップS32:Yes)とステップS33に進む。一方、在庫補充の指示があると判定されない(ステップS32:No)とステップS30に戻る。
【0087】
ステップS32においてYesと判定されると、表示制御部77は、スマートウォッチ40のディスプレイ50に在庫補充の指示を表示する(ステップS33)。その後、スマートウォッチ40は、図8の処理を終了する。なお、より詳しくは、待機中のスマートウォッチ40は、この後、店員が在庫補充を完了した後で、店員の操作に応じて、在庫補充が完了した旨の情報を店舗サーバ20に送信する。
【0088】
以上説明したように、実施の形態の店舗サーバ20(サーバ装置)は、決済情報受信部60が、店員が所持するスマートウォッチ40(携帯端末)から、客が購入した商品の決済情報を受け取って、在庫数更新部62が、商品の在庫数を更新する。したがって、商品が販売された際に、即座に在庫の補充を指示する等の在庫管理を行うことができる。
【0089】
また、実施の形態の店舗サーバ20(サーバ装置)は、状態監視部63が、スマートウォッチ40(携帯端末)の動作状態を監視して、在庫補充指示部64(指示部)が、商品の在庫の補充が必要な場合に、状態監視部63が待機中であると判定したスマートウォッチ40に対して、在庫の補充を指示する。したがって、非接客中の店員が所持するスマートウォッチ40に対して、在庫補充の指示を行うことができる。
【0090】
また、実施の形態のスマートウォッチ40(携帯端末)は、商品情報読取部70(読取部)が、商品に付された、当該商品を一意に特定する情報を含むRFIDタグ92(無線タグ)の情報を読み取って、商品登録処理部71(登録処理部)が、商品情報読取部70が読み取った情報に関連付いた商品を登録する。そして、決済処理部72が、商品登録処理部71が登録した商品に対する決済を行って、決済情報送信部73が、決済情報を店舗サーバ20に送信する。更に、スマートウォッチ40は、店舗サーバ20に対して、自身の動作状態を送信する。したがって、接客中の店員は、自然な動作の中で商品の登録処理及び決済処理を行うことができる。これによって、接客中の客が購入意欲を失わないうちに、客が商品を手に取ったその場で、商品の決済を完了させることができる。また、店舗サーバ20は、スマートウォッチ40の動作状態をモニタすることができるため、例えば待機中のスマートウォッチ40を選択して在庫補充の指示を与えることができる。
【0091】
また、実施の形態の商品販売データ処理システム10(サーバシステム)は、各店員がそれぞれ所持するスマートウォッチ40(携帯端末)の決済処理部72が、客が購入する商品の決済を行って、決済情報送信部73が、決済情報を店舗サーバ20(サーバ装置)に送信する。そして、店舗サーバ20の在庫数更新部62が、スマートウォッチ40から受信した決済情報に基づいて、商品の在庫情報を更新する。したがって、商品が販売された際に、即座に在庫管理を行うことができる。
【0092】
また、実施の形態の商品販売データ処理システム10(サーバシステム)において、店舗サーバ20(サーバ装置)は、更に、商品の在庫の補充が必要な場合に、複数のスマートウォッチ40(携帯端末)の動作状態を監視して、待機中であると判定したスマートウォッチ40に対して、在庫の補充を指示する在庫補充指示部64を備える。したがって、商品が販売された際に、即座に在庫の補充を指示することができる。
【0093】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、いずれも例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
10…商品販売データ処理システム、20…店舗サーバ(サーバ装置)、40…スマートウォッチ(携帯端末)、60…決済情報受信部、61…決済情報記憶部、62…在庫数更新部、63…状態監視部、64…在庫補充指示部(指示部)、65…通信制御部、70…商品情報読取部(読取部)、71…商品登録処理部(登録処理部)、72…決済処理部、73…決済情報送信部(送信部)、74…状態応答部(動作状態送信部)、75…在庫補充指示受信部(指示受信部)、76…操作制御部、77…表示制御部、78…通信制御部、92…RFIDタグ(無線タグ)、Da…初期画面、Db,Dc…商品登録画面、Dd…決済画面、De…決済完了画面、Df…在庫補充指示画面、Dg…詳細画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【文献】特開2017-156934号公報
図1
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図8