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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】建築作業監視システム
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/00 20060101AFI20240918BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240918BHJP
【FI】
E04G21/00 ESW
G06Q50/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020078888
(22)【出願日】2020-04-28
(65)【公開番号】P2021173092
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000235543
【氏名又は名称】飛島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】科部 元浩
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220109(JP,A)
【文献】特開2012-007985(JP,A)
【文献】特開2007-257261(JP,A)
【文献】特開2019-188599(JP,A)
【文献】特開2017-049869(JP,A)
【文献】特開2019-032739(JP,A)
【文献】特開2003-143594(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0292918(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0097874(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/00-21/10
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築現場で作業する作業者の各種の建築作業を可視化しつつ該建築作業を監視する建築作業監視システムにおいて、
前記建築作業監視システムが、管理サーバと、前記作業者に装着させて所定のネットワークを介して前記管理サーバに通信可能に接続されたハンズフリー装置とから形成され、
前記ハンズフリー装置が、前記作業者の視野に入った前記建築現場の画像を撮影するウェアラブル目線カメラを備え、前記建築現場の所定の工事作業箇所において前記作業者が工事作業中に前記ウェアラブル目線カメラが撮影した工事作業画像を前記ネットワークを介して前記管理サーバに送信する工事作業画像送信手段を有し、
前記管理サーバが、前記工事作業画像送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された工事作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、前記異常画像を感知した時点を基準点とし、前記基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを前記工事作業画像から抽出する工事作業前後画像抽出手段と、前記工事作業前後画像抽出手段によって抽出した前記工事作業前画像及び前記工事作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知工事作業画像に編集する異常感知工事作業画像編集手段と、前記異常感知工事作業画像編集段によって編集した異常感知工事作業画像を記憶する異常感知工事作業画像記憶段とを有することを特徴とする建築作業監視システム。
【請求項2】
前記ハンズフリー装置が、前記建築現場の音を拾うウェアラブルマイクロフォンを備え、前記建築現場の所定の工事作業箇所において前記作業者が工事作業中に前記ウェアラブルマイクロフォンが拾った工事作業中の工事作業音を前記ネットワークを介して前記管理サーバに送信する工事作業音送信手段を有し、前記工事作業前後画像抽出手段が、前記工事作業音送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された工事作業音のうちの通常音とは異なる異常音を前記管理サーバが感知した場合、前記異常音を感知した時点を基準点とし、前記基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを前記工事作業画像から抽出する請求項1に記載の建築作業監視システム。
【請求項3】
前記工事作業前後画像抽出手段が、前記工事作業画像送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された工事作業画像から前記管理サーバが危険工事作業を感知した場合、前記危険工事作業を感知した時点を基準点とし、前記基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを前記工事作業画像から抽出する請求項2に記載の建築作業監視システム。
【請求項4】
前記ハンズフリー装置が、ヘッドマウントディスプレイとウェアラブルスピーカーとを含み、前記管理サーバが、前記工事作業画像から前記異常画像を感知し、又は、前記工事作業音から前記異常音を感知し、或いは、前記工事作業画像から前記危険工事作業を感知した場合、工事作業安全対策情報及び工事作業安全対策音声を前記ハンズフリー装置に送信する安全対策送信手段を含み、前記ハンズフリー装置が、前記安全対策送信手段によって前記管理サーバから送信された前記工事作業安全対策情報を前記ヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、前記安全対策送信手段によって前記管理サーバから送信された前記工事作業安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力する安全対策出力手段を含む請求項3に記載の建築作業監視システム。
【請求項5】
前記管理サーバが、前記工事作業画像送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された工事作業画像と同一又は類似の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像、又は、前記工事作業前後画像抽出手段によって抽出した前記工事作業前画像及び前記工事作業後画像と同一又は類似の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像を前記ハンズフリー装置に送信する異常感知工事作業過去画像送信手段を含み、前記ハンズフリー装置が、前記異常感知工事作業過去画像送信手段によって管理サーバから送信された異常感知工事作業過去画像を前記ヘッドマウントディスプレイに出力する異常感知工事作業過去画像出力手段を含む請求項4に記載の建築作業監視システム。
【請求項6】
前記ハンズフリー装置が、前記建築現場において前記作業者が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中に前記ウェアラブル目線カメラが撮影した移動画像を前記ネットワークを介して前記管理サーバに送信する移動画像送信手段を含み、前記管理サーバが、前記移動画像送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された移動画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、前記異常画像を感知した時点を基準点とし、前記基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを前記移動画像から抽出する移動前後画像抽出手段と、前記移動前後画像抽出手段によって抽出した前記移動前画像及び前記移動後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知移場画像に編集する異常感知移動画像編集手段と、前記異常感知移動画像編集手段によって編集した異常感知移動画像を記憶する異常感知移動画像記憶手段とを含む請求項4又は請求項5に記載の建築作業監視システム。
【請求項7】
前記ハンズフリー装置が、前記建築現場において前記作業者が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中に前記ウェアラブルマイクロフォンが拾った移動中の移動音を前記ネットワークを介して前記管理サーバに送信する移動音送信手段とを含み、前記移動前後画像抽出手段が、前記移動音送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された移動音のうちの通常音とは異なる異常音を前記管理サーバが感知した場合、前記異常音を感知した時点を基準点とし、前記基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを前記移動画像から抽出する請求項6に記載の建築作業監視システム。
【請求項8】
前記移動前後画像抽出手段が、前記移動画像送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された移動画像から前記管理サーバが危険移動行為を感知した場合、前記危険移動行為を感知した時点を基準点とし、前記基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを前記移動画像から抽出する請求項7に記載の建築作業監視システム。
【請求項9】
前記安全対策送信手段が、前記移動画像から前記管理サーバが前記異常画像を感知し、又は、前記移動音から前記管理サーバが前記異常音を感知し、或いは、前記移動画像から前記管理サーバが前記危険移動行為を感知した場合、移動安全対策情報及び移動安全対策音声を前記ハンズフリー装置に送信し、前記安全対策出力手段が、前記安全対策送信手段によって前記管理サーバから送信された前記移動安全対策情報を前記ヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、前記安全対策送信手段によって前記管理サーバから送信された前記移動安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力する請求項8に記載の建築作業監視システム。
【請求項10】
前記管理サーバが、前記移動画像送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された移動画像と同一又は類似の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像、又は、前記移動前後画像抽出手段によって抽出した前記移動前画像及び前記移動後画像と同一又は類似の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像を前記ハンズフリー装置に送信する異常感知移動過去画像送信手段を含み、前記ハンズフリー装置が、前記異常感知移動過去画像送信手段によって管理サーバから送信された異常感知移動過去画像を前記ヘッドマウントディスプレイに出力する異常感知移動過去画像出力手段を含む請求項ないし請求項9いずれかに記載の建築作業監視システム。
【請求項11】
前記ハンズフリー装置が、前記建築現場において前記作業者が所定の搬送箇所に資機材を搬送中に前記ウェアラブル目線カメラが撮影した搬送作業画像を前記ネットワークを介して前記管理サーバに送信する搬送作業画像送信手段を含み、前記管理サーバが、前記搬送作業画像送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された搬送作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、前記異常画像を感知した時点を基準点とし、前記基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを前記搬送作業画像から抽出する搬送作業前後画像抽出手段と、前記搬送作業前後画像抽出手段によって抽出した前記搬送作業前画像及び前記搬送作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知搬送作業画像に編集する異常感知搬送作業画像編集手段と、前記異常感知搬送作業画像編集手段によって編集した異常感知搬送作業画像を記憶する異常感知搬送作業画像記憶手段とを含む請求項ないし請求項10いずれかに記載の建築作業監視システム。
【請求項12】
前記ハンズフリー装置が、前記建築現場において前記作業者が所定の搬送箇所に資機材を搬送中に前記ウェアラブルマイクロフォンが拾った搬送作業中の搬送作業音を前記ネットワークを介して前記管理サーバに送信する搬送作業音送信手段とを含み、前記搬送作業前後画像抽出手段が、前記搬送作業音送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された搬送作業音のうちの通常音とは異なる異常音を前記管理サーバが感知した場合、前記異常音を感知した時点を基準点とし、前記基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを前記搬送作業画像から抽出する請求項11に記載の建築作業監視システム。
【請求項13】
前記搬送作業前後画像抽出手段が、前記搬送作業画像送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された搬送作業画像から前記管理サーバが危険搬送作業を感知した場合、前記危険搬送作業を感知した時点を基準点とし、前記基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを前記搬送作業画像から抽出する請求項12に記載の建築作業監視システム。
【請求項14】
前記安全対策送信手段が、前記搬送作業画像から前記管理サーバが前記異常画像を感知し、又は、前記搬送作業音から前記管理サーバが前記異常音を感知し、或いは、前記搬送作業画像から前記管理サーバが前記危険搬送作業を感知した場合、搬送作業安全対策情報及び搬送作業安全対策音声を前記ハンズフリー装置に送信し、前記安全対策出力手段が、前記安全対策送信手段によって前記管理サーバから送信された前記搬送作業安全対策情報を前記ヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、前記安全対策送信手段によって前記管理サーバから送信された前記搬送作業安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力する請求項13に記載の建築作業監視システム。
【請求項15】
前記管理サーバが、前記搬送作業画像送信手段によって前記ハンズフリー装置から送信された搬送作業画像と同一又は類似の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像、又は、前記搬送作業前後画像抽出手段によって抽出した前記搬送作業前画像及び前記搬送作業後画像と同一又は類似の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像を前記ハンズフリー装置に送信する異常感知搬送作業過去画像送信手段を含み、前記ハンズフリー装置が、前記異常感知搬送作業過去画像送信手段によって管理サーバから送信された異常感知搬送作業過去画像を前記ヘッドマウントディスプレイに出力する異常感知搬送作業過去画像出力手段を含む請求項11ないし請求項14いずれかに記載の建築作業監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場で作業する作業者の各種の建築作業を可視化しつつ建築作業を監視する建築作業監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場周辺の敷地において自走可能であって建築構造物の周りに建てられた足場を撮影する監視ロボットと、足場の撮影画像を解析してその足場の工事の危険性を判定する判定部と、判定部の判定結果をその足場の工事作業員に知らせる通信部とを備えた足場工事安全監視システムが開示されている(特許文献1参照)。足場工事安全監視システムにおける監視ロボットは、建築現場周辺の敷地上に敷設されたレールに沿って走行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-31811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示の足場工事安全監視システムは、監視ロボットが建築現場周辺の敷地上に敷設されたレールを自走しつつ足場を撮影するが、建築現場の各工事作業画像を撮影することができず、作業者が工事作業中の工事作業箇所における工事作業画像及び作業者が工事作業中の工事作業箇所における工事作業音を取得することができないから、作業者の工事作業中に工事作業箇所において異常画像や異常音を感知した場合、その異常画像や異常音の前後の工事作業画像を取得することができない。又、建築現場において作業者が工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中の各移動画像を撮影することができず、作業者が移動中における移動画像及び作業者が移動中における移動音を取得することができないから、作業者の移動中に異常画像や異常音を感知した場合、その異常画像や異常音の前後の移動画像を取得することができない。更に、建築現場において作業者が所定の搬送箇所に資機材を搬送作業中の各搬送作業画像を撮影することができず、作業者が搬送作業中の搬送作業画像及び作業者が搬送作業中の搬送作業音を取得することができないから、作業者の搬送作業中において異常画像や異常音を感知した場合、その異常画像や異常音の前後の搬送作業画像を取得することができない。
【0005】
本発明の目的は、建築現場における所定の工事作業箇所において作業者が工事作業中の工事作業画像及び作業者が工事作業中の工事作業箇所における音を取得することができ、工事作業中の工事作業箇所において異常画像や異常音を感知した場合、その異常画像や異常音の前後の工事作業画像を取得することができるとともに、異常画像や異常音の前後の工事作業画像に基づいて工事作業箇所における事故の原因を追及することができ、工事作業箇所における事故の安全対策を立案することができる建築作業監視システムを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、作業者が建築現場の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中における移動画像及び作業者が移動中における移動音を取得することができ、移動中において異常画像や異常音を感知した場合、その異常画像や異常音の前後の移動画像を取得することができるとともに、異常画像や異常音の前後の移動画像に基づいて移動時における事故の原因を追及することができ、移動時における事故の安全対策を立案することができる建築作業監視システムを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、作業者が建築現場における所定の搬送箇所に資機材を搬送作業中の搬送作業画像及び作業者が搬送作業中の搬送作業音を取得することができ、搬送作業中において異常画像や異常音を感知した場合、その異常画像や異常音の前後の搬送作業画像を取得することができるとともに、異常画像や異常音の前後の搬送作業画像に基づいて搬送作業における事故の原因を追及することができ、搬送作業における事故の安全対策を立案することができる建築作業監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の前提は、建築現場で作業する作業者の各種の建築作業を可視化しつつ建築作業を監視する建築作業監視システムである。
【0009】
前記前提における本発明の特徴は、建築作業監視システムが、管理サーバと、作業者に装着させて所定のネットワークを介して管理サーバに通信可能に接続されたハンズフリー装置とから形成され、ハンズフリー装置が、作業者の視野に入った建築現場の画像を撮影するウェアラブル目線カメラを備え、建築現場の所定の工事作業箇所において作業者が工事作業中にウェアラブル目線カメラが撮影した工事作業画像をネットワークを介して管理サーバに送信する工事作業画像送信手段を有し、管理サーバが、工事作業画像送信手段によってハンズフリー装置から送信された工事作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、異常画像を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを工事作業画像から抽出する工事作業前後画像抽出手段と、工事作業前後画像抽出手段によって抽出した工事作業前画像及び工事作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知工事作業画像に編集する異常感知工事作業画像編集手段と、異常感知工事作業画像編集段によって編集した異常感知工事作業画像を記憶する異常感知工事作業画像記憶段とを有することにある。
【0010】
本発明の一例としては、ハンズフリー装置が、建築現場の音を拾うウェアラブルマイクロフォンを備え、建築現場の所定の工事作業箇所において作業者が工事作業中にウェアラブルマイクロフォンが拾った工事作業中の工事作業音をネットワークを介して管理サーバに送信する工事作業音送信手段を有し、工事作業前後画像抽出手段が、工事作業音送信手段によってハンズフリー装置から送信された工事作業音のうちの通常音とは異なる異常音を管理サーバが感知した場合、異常音を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを工事作業画像から抽出する。
【0011】
本発明の他の一例としては、工事作業前後画像抽出手段が、工事作業画像送信手段によってハンズフリー装置から送信された工事作業画像から管理サーバが危険工事作業を感知した場合、危険工事作業を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを工事作業画像から抽出する。
【0012】
本発明の他の一例としては、ハンズフリー装置が、ヘッドマウントディスプレイとウェアラブルスピーカーとを含み、管理サーバが、工事作業画像から異常画像を感知し、又は、工事作業音から異常音を感知し、或いは、工事作業画像から危険工事作業を感知した場合、工事作業安全対策情報及び工事作業安全対策音声をハンズフリー装置に送信する安全対策送信手段を含み、ハンズフリー装置が、安全対策送信手段によって管理サーバから送信された工事作業安全対策情報をヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、安全対策送信手段によって管理サーバから送信された工事作業安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力する安全対策出力手段を含む。
【0013】
本発明の他の一例としては、管理サーバが、工事作業画像送信手段によってハンズフリー装置から送信された工事作業画像と同一又は類似の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像、又は、工事作業前後画像抽出手段によって抽出した工事作業前画像及び工事作業後画像と同一又は類似の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像をハンズフリー装置に送信する異常感知工事作業過去画像送信手段を含み、ハンズフリー装置が、異常感知工事作業過去画像送信手段によって管理サーバから送信された異常感知工事作業過去画像をヘッドマウントディスプレイに出力する異常感知工事作業過去画像出力手段を含む。
【0014】
本発明の他の一例としては、ハンズフリー装置が、建築現場において作業者が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中にウェアラブル目線カメラが撮影した移動画像をネットワークを介して管理サーバに送信する移動画像送信手段を含み、管理サーバが、移動画像送信手段によってハンズフリー装置から送信された移動画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、異常画像を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを移動画像から抽出する移動前後画像抽出手段と、移動前後画像抽出手段によって抽出した移動前画像及び移動後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知移場画像に編集する異常感知移動画像編集手段と、異常感知移動画像編集手段によって編集した異常感知移動画像を記憶する異常感知移動画像記憶手段とを含む。
【0015】
本発明の他の一例としては、ハンズフリー装置が、建築現場において作業者が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中にウェアラブルマイクロフォンが拾った移動中の移動音をネットワークを介して管理サーバに送信する移動音送信手段とを含み、移動前後画像抽出手段が、移動音送信手段によってハンズフリー装置から送信された移動音のうちの通常音とは異なる異常音を管理サーバが感知した場合、異常音を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを移動画像から抽出する。
【0016】
本発明の他の一例としては、移動前後画像抽出手段が、移動画像送信手段によってハンズフリー装置から送信された移動画像から管理サーバが危険移動行為を感知した場合、危険移動行為を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを移動画像から抽出する。
【0017】
本発明の他の一例としては、安全対策送信手段が、移動画像から管理サーバが異常画像を感知し、又は、移動音から管理サーバが異常音を感知し、或いは、移動画像から管理サーバが危険移動行為を感知した場合、移動安全対策情報及び移動安全対策音声をハンズフリー装置に送信し、安全対策出力手段が、安全対策送信手段によって管理サーバから送信された移動安全対策情報をヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、安全対策送信手段によって管理サーバから送信された移動安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力する。
【0018】
本発明の他の一例としては、管理サーバが、移動画像送信手段によってハンズフリー装置から送信された移動画像と同一又は類似の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像、又は、移動前後画像抽出手段によって抽出した移動前画像及び移動後画像と同一又は類似の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像をハンズフリー装置に送信する異常感知移動過去画像送信手段を含み、ハンズフリー装置が、異常感知移動過去画像送信手段によって管理サーバから送信された異常感知移動過去画像をヘッドマウントディスプレイに出力する異常感知移動過去画像出力手段を含む。
【0019】
本発明の他の一例としては、ハンズフリー装置が、建築現場において作業者が所定の搬送箇所に資機材を搬送中にウェアラブル目線カメラが撮影した搬送作業画像をネットワークを介して管理サーバに送信する搬送作業画像送信手段を含み、管理サーバが、搬送作業画像送信手段によってハンズフリー装置から送信された搬送作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、異常画像を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを搬送作業画像から抽出する搬送作業前後画像抽出手段と、搬送作業前後画像抽出手段によって抽出した搬送作業前画像及び搬送作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知搬送作業画像に編集する異常感知搬送作業画像編集手段と、異常感知搬送作業画像編集手段によって編集した異常感知搬送作業画像を記憶する異常感知搬送作業画像記憶手段とを含む。
【0020】
本発明の他の一例としては、ハンズフリー装置が、建築現場において作業者が所定の搬送箇所に資機材を搬送中にウェアラブルマイクロフォンが拾った搬送作業中の搬送作業音をネットワークを介して管理サーバに送信する搬送作業音送信手段とを含み、搬送作業前後画像抽出手段が、搬送作業音送信手段によってハンズフリー装置から送信された搬送作業音のうちの通常音とは異なる異常音を管理サーバが感知した場合、異常音を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを搬送作業画像から抽出する。
【0021】
本発明の他の一例としては、搬送作業前後画像抽出手段が、搬送作業画像送信手段によってハンズフリー装置から送信された搬送作業画像から管理サーバが危険搬送作業を感知した場合、危険搬送作業を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを搬送作業画像から抽出する。
【0022】
本発明の他の一例としては、安全対策送信手段が、搬送作業画像から管理サーバが異常画像を感知し、又は、搬送作業音から管理サーバが異常音を感知し、或いは、搬送作業画像から管理サーバが危険搬送作業を感知した場合、搬送作業安全対策情報及び搬送作業安全対策音声をハンズフリー装置に送信し、安全対策出力手段が、安全対策送信手段によって管理サーバから送信された搬送作業安全対策情報をヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、安全対策送信手段によって管理サーバから送信された搬送作業安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力する。
【0023】
本発明の他の一例としては、管理サーバが、搬送作業画像送信手段によってハンズフリー装置から送信された搬送作業画像と同一又は類似の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像、又は、搬送作業前後画像抽出手段によって抽出した搬送作業前画像及び搬送作業後画像と同一又は類似の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像をハンズフリー装置に送信する異常感知搬送作業過去画像送信手段を含み、ハンズフリー装置が、異常感知搬送作業過去画像送信手段によって管理サーバから送信された異常感知搬送作業過去画像をヘッドマウントディスプレイに出力する異常感知搬送作業過去画像出力手段を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る建築作業監視システムによれば、ハンズフリー装置が建築現場の所定の工事作業箇所において作業者が工事作業中にウェアラブル目線カメラが撮影した工事作業画像をネットワークを介して管理サーバに送信し、管理サーバがハンズフリー装置から送信された工事作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、異常画像を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを工事作業画像から抽出し、抽出した工事作業前画像及び工事作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知工事作業画像に編集するとともに、編集した異常感知工事作業画像を記憶するから、ハンズフリー装置のウェアラブル目線カメラを利用し、建築現場における所定の工事作業箇所において作業者が工事作業中の工事作業画像を取得することができ、工事作業中の工事作業画像から異常画像を感知した場合、その異常画像を感知した時点(基準点)の前後の工事作業前画像及び工事作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知工事作業画像を取得することができる。建築作業監視システムは、異常画像をトリガーとして取得した異常感知工事作業画像に基づいて工事作業箇所における事故の原因を追及することができ、工事作業における作業者の不注意行動の防止対策や事故の安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業可視化システムは、取得した異常感知工事作業画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知工事作業画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0025】
ハンズフリー装置が建築現場の音を拾うウェアラブルマイクロフォンを備え、建築現場の所定の工事作業箇所において作業者が工事作業中にウェアラブルマイクロフォンが拾った工事作業中の工事作業音をネットワークを介して管理サーバに送信し、管理サーバがハンズフリー装置から送信された工事作業音のうちの通常音とは異なる異常音を感知した場合、異常音を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを工事作業画像から抽出する建築作業監視システムは、ハンズフリー装置のウェアラブルマイクロフォンを利用し、建築現場における所定の工事作業箇所において作業者が作業中の工事作業音を取得することができ、作業中の工事作業音から異常音を感知した場合、その異常音を感知した時点(基準点)の前後の工事作業前画像及び工事作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知工事作業画像を取得することができる。建築作業監視システムは、異常音をトリガーとして取得した異常感知工事作業画像に基づいて工事作業における事故の原因を追及することができ、工事作業における作業者の不注意行動の防止対策や事故の安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業監視システムは、取得した異常感知工事作業画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知工事作業画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0026】
ハンズフリー装置から送信された工事作業画像から管理サーバが危険工事作業を感知した場合、危険工事作業を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを工事作業画像から抽出する建築作業監視システムは、工事作業中の工事作業箇所における工事作業画像において危険工事作業を感知した場合、その危険工事作業を感知した時点(基準点)の前後の工事作業前画像及び工事作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知工事作業画像を取得することができる。建築作業監視システムは、危険工事作業をトリガーとして取得した異常感知工事作業画像に基づいて工事作業における事故の原因を追及することができ、工事作業における作業者の不注意行動の防止対策や事故の安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業監視システムは、取得した異常感知工事作業画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知工事作業画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0027】
ハンズフリー装置がヘッドマウントディスプレイとウェアラブルスピーカーとを含み、管理サーバが工事作業画像から異常画像を感知し、又は、工事作業音から異常音を感知し、或いは、工事作業画像から危険工事作業を感知した場合、工事作業安全対策情報及び工事作業安全対策音声をハンズフリー装置に送信し、ハンズフリー装置が管理サーバから送信された工事作業安全対策情報をヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、管理サーバから送信された工事作業安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力する建築作業監視システムは、管理サーバが工事作業画像から異常画像を感知した場合や工事作業音から異常音を感知した場合、工事作業画像から危険工事作業を感知した場合、ハンズフリー装置が工事作業安全対策情報をヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、工事作業安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力するから、作業者がヘッドマウントディスプレイに出力された工事作業安全対策情報を見るとともにウェアラブルスピーカーから出力された工事作業安全対策音声を聞くことで、作業中の工事作業が危険工事作業であることを知ることができ、作業者がその危険工事作業を中止することで、工事作業における事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、工事作業において発生した事故が重大事故につながることを防ぐことができる。
【0028】
管理サーバがハンズフリー装置から送信された工事作業画像と同一又は類似の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像、又は、抽出した工事作業前画像及び工事作業後画像と同一又は類似の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像をハンズフリー装置に送信し、ハンズフリー装置が管理サーバから送信された異常感知工事作業過去画像をヘッドマウントディスプレイに出力する建築作業監視システムは、工事作業画像と同一又は類似の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像や工事作業前画像及び工事作業後画像と同一又は類似の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像をヘッドマウントディスプレイに出力することで、作業者が過去に起こった工事作業における不注意行動や不用意な事故を知ることができ、異常感知工事作業過去画像を参照することで、工事作業における不注意行動や不用意な事故の発生及び再発を未然に防ぐことができる。
【0029】
ハンズフリー装置が建築現場において作業者が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中にウェアラブル目線カメラが撮影した移動画像をネットワークを介して管理サーバに送信し、管理サーバがハンズフリー装置から送信された移動画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、異常画像を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを移動画像から抽出し、抽出した移動前画像及び移動後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知移場画像に編集するとともに、編集した異常感知移動画像を記憶する建築作業監視システムは、ハンズフリー装置のウェアラブル目線カメラを利用し、建築現場において作業者が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中の移動画像を取得することができ、移動中の移動画像から異常画像を感知した場合、その異常画像を感知した時点(基準点)の前後の移動前画像及び移動後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知移動画像を取得することができる。建築作業監視システムは、異常画像をトリガーとして取得した異常感知移動画像に基づいて移動中における事故の原因を追及することができ、移動中における作業者の不注意行動の防止対策や事故の安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業可視化システムは、取得した異常感知移動画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知移動画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0030】
ハンズフリー装置が建築現場において作業者が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中にウェアラブルマイクロフォンが拾った移動中の移動音をネットワークを介して管理サーバに送信し、管理サーバがハンズフリー装置から送信された移動音のうちの通常音とは異なる異常音を感知した場合、異常音を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを移動画像から抽出する建築作業監視システムは、ハンズフリー装置のウェアラブルマイクロフォンを利用し、建築現場において作業者が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中の移動音を取得することができ、移動音から異常音を感知した場合、その異常音を感知した時点(基準点)の前後の移動前画像及び移動後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知移動画像を取得することができる。建築作業監視システムは、異常音をトリガーとして取得した異常感知移動画像に基づいて移動中における事故の原因を追及することができ、移動中における作業者の不注意行動の防止対策や事故の安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業監視システムは、取得した異常感知移動画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知移動画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0031】
ハンズフリー装置から送信された移動画像から管理サーバが危険移動行為を感知した場合、危険移動行為を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを移動画像から抽出する建築作業監視システムは、移動中における移動画像において危険移動行為を感知した場合、その危険移動行為を感知した時点(基準点)の前後の移動前画像及び移動後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知移動画像を取得することができる。建築作業監視システムは、危険移動行為をトリガーとして取得した異常感知移動画像に基づいて移動中における事故の原因を追及することができ、移動中における作業者の不注意行動の防止対策や事故の安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業監視システムは、取得した異常感知移動画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知移動画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0032】
移動画像から管理サーバが異常画像を感知し、又は、移動音から管理サーバが異常音を感知し、或いは、移動画像から管理サーバが危険移動行為を感知した場合、移動安全対策情報及び移動安全対策音声をハンズフリー装置に送信し、ハンズフリー装置が管理サーバから送信された移動安全対策情報をヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、管理サーバから送信された移動安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力する建築作業監視システムは、管理サーバが移動画像から異常画像を感知した場合や移動音から異常音を感知した場合、移動画像から危険移動行為を感知した場合、ハンズフリー装置が移動安全対策情報をヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、移動安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力するから、作業者がヘッドマウントディスプレイに出力された移動安全対策情報を見るとともにウェアラブルスピーカーから出力された移動安全対策音声を聞くことで、移動中の移動行為が危険移動行為であることを知ることができ、作業者がその危険移動行為を中止することで、移動時における事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、移動時において発生した事故が重大事故につながることを防ぐことができる。
【0033】
管理サーバがハンズフリー装置から送信された移動画像と同一又は類似の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像、又は、抽出した移動前画像及び移動後画像と同一又は類似の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像をハンズフリー装置に送信し、ハンズフリー装置が管理サーバから送信された異常感知移動過去画像をヘッドマウントディスプレイに出力する建築作業監視システムは、移動画像と同一又は類似の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像や移動前画像及び移動後画像と同一又は類似の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像をヘッドマウントディスプレイに出力することで、作業者が過去に起こった移動中における不注意行動や不用意な事故を知ることができ、異常感知移動過去画像を参照することで、移動中における不注意行動や不用意な事故の発生及び再発を未然に防ぐことができる。
【0034】
ハンズフリー装置が建築現場において作業者が所定の搬送箇所に資機材を搬送中にウェアラブル目線カメラが撮影した搬送作業画像をネットワークを介して管理サーバに送信し、管理サーバがハンズフリー装置から送信された搬送作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、異常画像を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを搬送作業画像から抽出し、抽出した搬送作業前画像及び搬送作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知搬送作業画像に編集するとともに、編集した異常感知搬送作業画像を記憶する建築作業監視システムは、ハンズフリー装置のウェアラブル目線カメラを利用し、建築現場において作業者が所定の搬送箇所に資機材を搬送中の搬送作業画像を取得することができ、搬送作業画像から異常画像を感知した場合、その異常画像を感知した時点(基準点)の前後の搬送作業前画像及び搬送作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知搬送作業画像を取得することができる。建築作業監視システムは、異常画像をトリガーとして取得した異常感知搬送作業画像に基づいて搬送作業における事故の原因を追及することができ、搬送作業における作業者の不注意行動の防止対策や事故の安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業可視化システムは、取得した異常感知搬送作業画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知搬送作業画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0035】
ハンズフリー装置が建築現場において作業者が所定の搬送箇所に資機材を搬送中にウェアラブルマイクロフォンが拾った搬送作業中の搬送作業音をネットワークを介して管理サーバに送信し、管理サーバがハンズフリー装置から送信された搬送作業音のうちの通常音とは異なる異常音を感知した場合、異常音を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを搬送作業画像から抽出する建築作業監視システムは、ハンズフリー装置のウェアラブルマイクロフォンを利用し、建築現場において作業者が所定の搬送箇所に資機材を搬送中の搬送作業音を取得することができ、搬送作業音から異常音を感知した場合、その異常音を感知した時点(基準点)の前後の搬送作業前画像及び搬送作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知搬送作業画像を取得することができる。建築作業監視システムは、異常音をトリガーとして取得した異常感知搬送作業画像に基づいて搬送作業における事故の原因を追及することができ、搬送作業における作業者の不注意行動の防止対策や事故の安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業監視システムは、取得した異常感知搬送作業画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知搬送作業画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0036】
ハンズフリー装置から送信された搬送作業画像から管理サーバが危険搬送作業を感知した場合、危険搬送作業を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを搬送作業画像から抽出する建築作業監視システムは、搬送作業中の搬送作業箇所における搬送作業画像において危険搬送作業を感知した場合、その危険搬送作業を感知した時点(基準点)の前後の搬送作業前画像及び搬送作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知搬送作業画像を取得することができる。建築作業監視システムは、危険搬送作業をトリガーとして取得した異常感知搬送作業画像に基づいて搬送作業における事故の原因を追及することができ、搬送作業における作業者の不注意行動の防止対策や事故の安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業監視システムは、取得した異常感知搬送作業画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知搬送作業画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0037】
搬送作業画像から管理サーバが異常画像を感知し、又は、搬送作業音から管理サーバが異常音を感知し、或いは、搬送作業画像から管理サーバが危険搬送作業を感知した場合、搬送作業安全対策情報及び搬送作業安全対策音声をハンズフリー装置に送信し、ハンズフリー装置が管理サーバから送信された搬送作業安全対策情報をヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、管理サーバから送信された搬送作業安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力する建築作業監視システムは、管理サーバが搬送作業画像から異常画像を感知した場合や搬送作業音から異常音を感知した場合、搬送作業画像から危険搬送作業を感知した場合、ハンズフリー装置が搬送作業安全対策情報をヘッドマウントディスプレイに出力するとともに、搬送作業安全対策音声をウェアラブルスピーカーから出力するから、作業者がヘッドマウントディスプレイに出力された搬送作業安全対策情報を見るとともにウェアラブルスピーカーから出力された搬送作業安全対策音声を聞くことで、搬送作業が危険搬送作業であることを知ることができ、作業者がその危険搬送作業を中止することで、搬送作業における事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、搬送作業において発生した事故が重大事故につながることを防ぐことができる。
【0038】
管理サーバがハンズフリー装置から送信された搬送作業画像と同一又は類似の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像、又は、抽出した搬送作業前画像及び搬送作業後画像と同一又は類似の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像をハンズフリー装置に送信し、ハンズフリー装置が管理サーバから送信された異常感知搬送作業過去画像をヘッドマウントディスプレイに出力する建築作業監視システムは、搬送作業画像と同一又は類似の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像や搬送作業前画像及び搬送作業後画像と同一又は類似の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像をヘッドマウントディスプレイに出力することで、作業者が過去に起こった搬送作業における不注意行動や不用意な事故を知ることができ、異常感知搬送作業過去画像を参照することで、搬送作業における不注意行動や不用意な事故の発生及び再発を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】一例として示す建築作業監視システムの構成図。
図2】建築作業監視システムを形成するハンズフリー装置の一例を示す図。
図3】ハンズフリー装置を装着した作業者の正面図。
図4】ハンズフリー装置を装着した作業者の側面図。
図5】管理サーバのディスプレイに出力された異常感知工事作業表示画面の一例を示す図。
図6】建築作業員が装着したヘッドマウントディスプレイに出力された工事作業安全対策情報表示画面の一例を示す図。
図7】現場管理者が装着したヘッドマウントディスプレイに出力された工事作業安全対策情報表示画面の他の一例を示す図。
図8】建築作業員及び現場管理者が装着したヘッドマウントディスプレイに出力された異常感知工事作業過去画像表示画面の一例を示す図。
図9】管理サーバのディスプレイに出力された異常感知移動場所表示画面の一例を示す図。
図10】建築作業員が装着したヘッドマウントディスプレイに出力された移動安全対策情報表示画面の一例を示す図。
図11】現場管理者が装着したヘッドマウントディスプレイに出力された移動安全対策情報表示画面の他の一例を示す図。
図12】建築作業員及び現場管理者が装着したヘッドマウントディスプレイに出力された異常感知移動過去画像表示画面の一例を示す図。
図13】管理サーバのディスプレイに出力された異常感知搬送作業表示画面の一例を示す図。
図14】建築作業員が装着したヘッドマウントディスプレイに出力された搬送作業安全対策情報表示画面の一例を示す図。
図15】現場管理者が装着したヘッドマウントディスプレイに出力された搬送作業安全対策情報表示画面の他の一例を示す図。
図16】建築作業員及び現場管理者が装着したヘッドマウントディスプレイに出力された異常感知搬送作業過去画像表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
一例として示す建築作業監視システム10の構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る建築作業監視システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、図2は、建築作業監視システム10を形成するハンズフリー装置13の一例を示す図であり、図3は、ハンズフリー装置13を装着した作業者11の正面図である。図4は、ハンズフリー装置13を装着した作業者11の側面図である。尚、図1,3,4では、コントローラ18の図示を省略している。図1では、一人の作業者11を図示しているが、実際の建築現場には、ハンズフリー装置13を装着した(身に着けた)多数の作業者11が存在する。
【0041】
建築作業監視システム10は、建築現場で作業する作業者11(装着者)の各種の建築作業を可視化しつつ、建築作業を監視する。建築作業監視システム10は、各種データを記憶・管理する管理サーバ12と、作業者11(建築作業員、現場管理者)が装着する(身に付ける)ハンズフリー装置13(ハンズフリーグラス)とから形成されている。ハンズフリー装置13は、作業者11に装着させるウェアラブル目線カメラ14及びヘッドマウントディスプレイ15と、作業者に装着させるウェアラブルマイクロフォン16及びウェアラブルスピーカー17と、管理サーバ12や後記するスマートフォン21と通信可能な通信機能を備えたコントローラ18(データ処理端末)とから形成されている。
【0042】
管理サーバ12とハンズフリー装置13とスマートフォン21とは、建築現場に設置される複数台の無線LANルーター(アクセスポイント)(図示せず)を利用したWi-Fi(無線LAN)、基地局(アクセスポイント)(図示せず)を利用したLTEや4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)等のモバイル通信規格による無線を利用した通信技術(モバイルデータ通信)(ネットワーク)によって互いに通信可能であり、各種データを送受信可能である。尚、モバイル通信規格として今後開発されるあらゆるモバイル通信規格(通信技術)を利用することができ、又、1G~4G通信システム及び無線LAN通信システムを統合した複合通信システムを使用することもできる。
【0043】
作業者11(装着者)には、建築現場において各種の建築作業を行う建築作業員のみならず、建築現場において建築作業員を指導する現場所長や現場監督等の現場管理者が含まれる。建築現場で行われる建築作業には、作業者11が行う建築一式工事作業や作業者11の移動行為、作業者11が行う資機材の搬送作業が含まれる。建築一式工事作業には、基礎工事作業や躯体工事作業、外装工事作業、内装工事作業、設備工事作業等が含まれる。建築作業員には、鳶職人や鉄筋職人、型枠大工、隅出し職人、屋根職人、建築板金職人、塗装職人、ユニットバス職人、キッチン職人、サッシ職人、電気職人、設備職人、配管工、軽天職人、大工、家具職人、置床職人、クロス職人、ダイノック職人、フローリング職人、タイル職人、ボード職人、手すり職人、石工、シール職人、ハウスクリーニング職人、左官職人、幅木職人、補修職人、吹付け職人、はつり職人、解体職人、鍛冶職人、造園職人等の建築作業に携わるすべての建築作業員が含まれる。
【0044】
管理サーバ12は、中央処理部(CPU又はMPU)とメモリ(メインメモリ及びキャッシュメモリ)とを備えた物理的なコンピュータ又はクラウドコンピューティングであり、大容量記憶領域(大容量ハードディスク)を内蔵している。尚、図示はしていないが、管理サーバ12には、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置がインターフェイスを介して接続されている。管理サーバ12は、建築作業を請け負う管理者の会社が契約するデータセンターに設置される場合、又は、管理者の会社や建築現場の管理事務所等に設置される場合がある。管理者には、現場所長や現場監督等の現場管理者が含まれる他、監理技術者や本社監理者、設計士、建築士等の作業者11(建築作業員)の建築作業を管理するすべての管理者が含まれる。
【0045】
クラウドとしては、Infrastructure as a Service(IaaS)、Platform as a Service(PaaS)、Software as a Service(SaaS)を利用することができる。管理サーバ12としてクラウドコンピューティングを利用することで、クラウドサービスプラットフォームからインターネット経由でITリソースをオンデマンドで利用することができる。クラウドは、仮想CPU又は仮想MPU(中央処理部)と仮想メインメモリ及び仮想キャッシュメモリ(メモリ)とを有して独立したオペレーティングシステム(仮想OS)によって動作する仮想サーバであり、大容量仮想記憶領域が形成されている。
【0046】
管理サーバ12(物理サーバ、仮想サーバ)の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、サーバ12を特定するサーバ特定情報(サーバ識別子)、各ハンズフリー装置13(コントローラ)を特定する装置特定情報(装置識別子)や各ハンズフリー装置13(コントローラ)のURL、ハンズフリー装置13を装着する作業者11(建築作業員、現場管理者)の個人情報(氏名、年齢、性別、個人識別子、パスワードやID番号、所属部署、メールアドレス等)、作業者11が所持するスマートフォン21(携帯端末)の携帯端末特定情報やスマートフォン21のURL、スマートフォン21の携帯(スマートフォン)電話番号が記憶(格納)されている。サーバ特定情報としては、管理サーバ12のIPアドレスやMACアドレス、URL、メールアドレス、Cookie情報、固体識別番号等を利用することができる他、管理サーバ12がそれを識別するユニークな識別子を独自に生成し、生成した識別子をサーバ特定情報とすることができる。個人識別データは、ハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)に関連付けられた状態で記憶(格納)されている。
【0047】
管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、現在建設中の各建設現場における各工事作業画像(各工事作業箇所画像)、それら工事作業画像に対応する工事作業箇所の名称(階層や工事区画名、工事作業所名等)、それら工事作業画像に対する工事作業安全対策画像(工事作業箇所安全対策画像)、それら工事作業安全対策画像に対応する工事作業安全対策音声(工事作業箇所安全対策音声)が記憶(格納)されている。管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、過去の各建設現場における過去の各工事作業画像(各工事作業箇所画像)、それら過去の工事作業画像に対応する工事作業箇所の名称(階層や区画名、作業所名等)、それら過去の工事作業画像に対応する過去の異常感知工事作業過去画像(異常感知工事作業箇所過去画像)が記憶(格納)されている。
【0048】
管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、現在建設中の各建設現場における各移動画像(各移動場所画像)、それら移動画像に対応する移動場所の名称(階層や足場名、作業通路名等)、それら移動画像に対する移動安全対策画像(移動場所安全対策画像)、それら移動安全対策画像に対応する移動安全対策音声(移動場所安全対策音声)が記憶(格納)されている。管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、過去の各建設現場における過去の各移動画像(各移動場所画像)、それら過去の移動場所(移動場所画像)に対応する移動場所の名称(階層や足場名、作業通路名等)、それら過去の移動場所(移動場所画像)に対応する過去の異常感知移動場所過去画像が記憶(格納)されている。
【0049】
管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、現在建設中の各建設現場における各搬送作業画像(各搬送作業箇所画像)、それら搬送作業画像に対応する搬送作業箇所の名称(階層や搬送区画名、搬送作業所名等)、それら搬送作業画像に対する搬送作業安全対策画像(搬送作業箇所安全対策画像)、それら搬送作業安全対策画像に対応する搬送作業安全対策音声(搬送作業箇所安全対策音声)が記憶(格納)されている。管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域には、過去の各建設現場における過去の各搬送作業画像(各搬送作業箇所画像)、それら過去の搬送作業画像(搬送作業画像)に対応する搬送作業箇所の名称(階層や搬送区画名、搬送作業所名等)、それら過去の搬送作業画像(搬送作業画像)に対応する過去の異常感知搬送作業過去画像が記憶(格納)されている。
【0050】
管理サーバ12には、DNSサーバ、データベース・ファイルサーバ、Webサーバ、メールサーバ、ドキュメントサーバ等の各種サーバが接続され、それらサーバがサーバ群を形成している。尚、管理サーバ12は、それ自体がDNSサーバ機能、データベースサーバ機能、Webサーバ機能、メールサーバ機能、ドキュメントサーバ機能を有し、各サーバ機能別にソフトウェア的に区分されている場合がある。管理サーバ12は、インターネットに接続された各種複数のDNSサーバ等を経由しつつ、インターネットを利用してアクセス制限がない他のあらゆるサーバにアクセスすることができる。管理サーバ12は、世界のいずれかに施設されたデータセンターの他のサーバとインターネットを介してネットワークを形成している。管理サーバ12は、ハンズフリー装置13やスマートフォン21へ各種データを送信し、ハンズフリー装置13やスマートフォン21から各種データを受信する。
【0051】
ウェアラブル目線カメラ14及びヘッドマウントディスプレイ15は、それらが一体に成形され、取り付け治具を利用してグラス19(メガネ)に着脱可能に取り付けられている。ウェアラブル目線カメラ14は、作業者11の目線の位置に配置され、作業者11の視野に入った画像(映像)を撮影する。ウェアラブル目線カメラ14は、キャプチャー機能を有し、動画のみならず、静止画を撮影することもできる。ウェアラブル目線カメラ14は、信号線を介してコントローラ18に接続され、撮影したデジタル画像(動画又は静止画)をコントローラ18に送信する。ヘッドマウントディスプレイ15は、作業者11の視野に入る位置に設置され、信号線を介してコントローラ18に接続されている。ヘッドマウントディスプレイ15は、コントローラ18から送信された所定のデータ(情報)を作業者11の視野に映し出す。ヘッドマウントディスプレイ15には、虚像投影型や網膜投影型を使用することができる。
【0052】
ウェアラブルマイクロフォン16及びウェアラブルスピーカー17は、取り付け治具を利用してグラス19(メガネ)に着脱可能に取り付けられている。ウェアラブルマイクロフォン16及びウェアラブルスピーカー17は、信号線を介してコントローラ18に接続されている。ウェアラブルマイクロフォン16は、建築現場における作業者11の音声や作業者11の周囲の音(工事作業箇所の音、移動場所の音、搬送作業箇所の音)を集音し(拾い)、建築現場における作業者11の音声や作業者11の周囲の音を電気信号に変換し、変換した電気信号をコントローラ18に送信する。ウェアラブルスピーカー17は、コントローラ17から送信された電気信号を音に変換し、変換した音を発音する。
【0053】
コントローラ18は、中央処理部(CPU又はMPU)とメモリ(メインメモリ及びキャッシュメモリ)とを備えたコンピュータ及び大容量ハードディスクを内蔵し、タッチパネルを備えている。コントローラ18のハードディスクには、管理サーバ12のURLやサーバ特定情報(サーバ識別子)、ハンズフリー装置13(コントローラ)の装置特定情報(装置識別子)やハンズフリー装置13(コントローラ)のURL、スマートフォン21の携帯端末特定情報及びスマートフォン21のURL、ハンズフリー装置13を装着する作業者の個人識別データ(氏名、年齢、性別、個人識別子、パスワードやID番号、所属部署、メールアドレス等)が記憶(格納)されている。
【0054】
コントローラ18は、その通信機能によって管理サーバ12やスマートフォン21に各種データを送信するとともに、管理サーバ12やスマートフォン21から各種データを受信する。尚、コントローラ18がインターネットを介して管理サーバ12やスマートフォン21と各種データの送受信を行う場合、コントローラ18がDNSサーバ機能やデータベースサーバ機能、Webサーバ機能、メールサーバ機能、ドキュメントサーバ機能等の各種サーバ機能を備えている。コントローラ18は、作業者11の作業服のポケットに収容される。
【0055】
コントローラ18には、その電源をON/OFFする電源スイッチ(図示せず)が設置されている。コントローラ18のタッチパネル20には、図示はしていないが、ハンズフリー装置13をON/OFFするメインスイッチ、ウェアラブル目線カメラ14のキャプチャー機能を起動させるキャプチャーボタン、スピーカー17の出力(音量)を調節するボリューム、管理サーバ12から送信された各種の画像(安全対策画像や危険度画像、過去画像、設計図画像、作業指示書画像等)をヘッドマウントディスプレイ15に表示させる画像表示ON/OFFボタン、安全対策画像表示ボタン、過去画像表示ボタンが表示される。
【0056】
図5は、管理サーバ12のディスプレイに出力(表示)された異常感知工事作業表示画面の一例を示す図であり、図6は、建築作業員(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された工事作業安全対策情報表示画面の一例を示す図である。図7は、現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された工事作業安全対策情報表示画面の他の一例を示す図である。図5図7では、各表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。図5図7では、他の作業者11(建築作業員や現場管理者)が装着したハンズフリー装置13によって特定の作業者11(建築作業員)の工事作業画像が撮影された場合を図示している。尚、実際に工事作業を行う特定の作業者11(建築作業員)が装着したハンズフリー装置13によってその作業者11(建築作業員)の工事作業画像が撮影されてもよい。
【0057】
複数の作業者11(建築作業員及び現場管理者)が建築現場において工事作業を行う場合、作業服やハンズフリー装置13、ヘルメットを装着し、コントローラ18の電源スイッチをONにする。コントローラ18の電源スイッチをONにすると、コントローラ18が起動してコントローラ18のタッチパネル20にメインスイッチが表示される。メインスイッチをONにすると、ウェアラブル目線カメラ14やヘッドマウントディスプレイ15、ウェアラブルマイクロフォン16、ウェアラブルスピーカー17が起動し、メインスイッチとともにキャプチャーボタンやボリューム、画像表示ON/OFFボタンがタッチパネル20に表示される。それら作業者11は、メインスイッチをONにした後、工事作業箇所に向かう。
【0058】
建築現場の工事作業箇所に到着した各作業者11(建築作業員)は、画像表示ON/OFFボタンをONにして作業を開始する。尚、画像表示ON/OFFボタンをONにすると、安全対策情報表示ボタン及び過去画像表示ボタンがコントローラ18のタッチパネル20に表示される。画像表示ON/OFFボタンをONにした状態で作業者11が工事作業箇所において作業を開始すると、作業中の工事作業箇所がウェアラブル目線カメラ14によって撮影される(工事作業箇所撮影手段)。更に、建築作業員(作業者11)が所定の工事作業箇所において工事作業中に、工事作業中の音(工事作業中の建築作業員(作業者11)の音声や工事作業中の建築作業員(作業者11)の周囲の音(工事作業箇所の音))がウェアラブルマイクロフォン17によって集音される(拾われる)(工事作業箇所集音手段)。
【0059】
ウェアラブル目線カメラ14は、撮影した工事作業中の工事作業箇所の工事作業画像(工事作業箇所画像)(デジタル画像データ)をコントローラ18に送信(転送)し、ウェアラブルマイクロフォンロ15は、集音した工事作業箇所における作業者11(建築作業員)の工事作業中の音(電気信号)をコントローラ18に送信(転送)する。コントローラ18(ハンズフリー装置13)は、ウェアラブル目線カメラ14から受信した工事作業画像とハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)とをその通信機能(ネットワーク)によって管理サーバ12に送信する(工事作業画像送信手段)。コントローラ18(ハンズフリー装置13)は、ウェアラブルマイクロフォン16から受信した工事作業音とハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)とをその通信機能(ネットワーク)によって管理サーバ12に送信する(工事作業音送信手段)。
【0060】
管理サーバ12は、工事作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された工事作業画像を受信中に、工事作業画像を画像認識しつつ、工事作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、又は、工事作業音送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された工事作業音を受信中に、工事作業音のうちの通常音とは異なる異常音を感知した場合、異常画像と異常音との少なくとも一方を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像(工事作業箇所前画像)(デジタル画像データ)とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像(工事作業箇所後画像)(デジタル画像データ)とを工事作業画像送信手段によって送信された工事作業画像から抽出する(工事作業前後画像抽出手段)。
【0061】
尚、建築作業監視システム10では、工事作業前画像(工事作業第1画像)及び工事作業後画像(工事作業第2画像)の抽出のトリガーとして、管理サーバ12において異常画像と異常音とのうちのいずれか一方を選択・設定することができ、又は、管理サーバ12において異常画像と異常音との両者を選択・設定することができる。基準点から前に遡る所定時間としては、基準点から前へ例えば3秒や10秒、30秒、1分、1分30秒等任意に設定することができる。基準点から後に進む所定時間としては、基準点から後へ例えば3秒や10秒、30秒、1分、1分30秒等任意に設定することができる。
【0062】
異常画像を感知する場合の一例としては、例えば、画像が突然乱れ(画像の乱高下、画像の大きな振動、画像の瞬時の拡大、画像の瞬時の縮小、画像の不自然な動き、画像のフリーズ等)、画像の乱れが数秒間(例えば、0.5~3秒)継続した場合がある。異常音を感知する場合の一例としては、作業者11(建築作業員)の叫び声や救助を呼ぶ声等の感知、工事作業箇所や後記する移動場所、後記する搬送作業箇所での突然の奇妙音や崩壊音、爆発音、衝突音等の感知、工事作業箇所や移動場所、搬送作業箇所での大音響や消音等の感知がある。それら異常画像や異常音の閾値が管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶(格納)されている。管理サーバ12は、それら異常画像や異常音が閾値を超えた場合、異常画像や異常音を感知したと判断する。
【0063】
又、管理サーバ12は、工事作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された工事作業画像を受信中に、工事作業画像を画像認識しつつ、画像認識した工事作業画像から危険工事作業を感知した場合(工事作業画像を危険工事作業画像と判断した場合)、危険工事作業を感知した時点(危険工事作業画像と判断した時点)を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像(工事作業箇所前画像)(デジタル画像データ)とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像(工事作業箇所後画像)(デジタル画像データ)とを工事作業画像送信手段によって送信された工事作業画像(工事作業箇所画像)から抽出する(工事作業前後画像抽出手段)。危険工事作業を感知する場合の一例としては、通常の工事作業と明らかに異なる動作(飛び跳ねる動作や各種の運動動作、ヘルメットを脱ぎ捨てる動作等)を感知した場合、通常の工事作業と明らかに異なる不作為行動(何もしない動作)を感知した場合等がある。
【0064】
管理サーバ12は、工事作業前後画像抽出手段によって抽出した工事作業前画像(工事作業第1画像)及び工事作業後画像(工事作業第2画像)を利用し、工事作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された工事作業画像を工事作業前画像及び工事作業後画像から形成された異常感知工事作業画像(デジタル画像データ)に編集する(異常感知工事作業画像編集手段)。管理サーバ12は、異常感知工事作業画像編集手段によって編集した異常感知工事作業画像を記憶する(異常感知工事作業画像記憶手段)。管理サーバ12は、図5に示す異常感知工事作業表示画面をディスプレイに出力(表示)する(異常感知工事作業表示画面出力手段)。図5の異常感知工事作業表示画面には、異常感知工事作業画像記憶手段によって記憶した異常感知工事作業画像(動画や静止画)を表示した異常感知工事作業画像表示エリア5a、異常画像や異常音、危険工事作業を感知した日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア5b、建築作業員(作業者11)の個人情報を表示した個人情報表示エリア5c、建築作業員(作業者11)の画像を表示した作業員画像表示エリア5dがディスプレイに出力(表示)される。
【0065】
異常感知工事作業画像編集手段では、工事作業前画像(工事作業箇所前画像)と工事作業後画像(工事作業箇所後画像)とのうちのいずれか一方から形成された異常感知工事作業画像(異常感知工事作業箇所画像)に編集することができる。異常感知工事作業画像記憶手段では、異常感知工事作業画像(異常画像や異常音、危険工事作業の感知日時、建築作業員(作業者11)の個人識別データを含む)をハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する。
【0066】
管理者は、取得した異常感知工事作業画像に基づいて工事作業箇所における工事作業の事故の原因を追及し、工事作業箇所における建築作業員(作業者11)の不注意行動の防止対策や事故の工事作業安全対策を立案する。立案された工事作業安全対策は、異常感知工事作業画像(異常画像や異常音、危険工事作業の感知日時、建築作業員(作業者11)の個人識別データを含む)とともにハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)に関連付けた状態で管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶(格納)される。
【0067】
建築作業監視システム10は、管理サーバ12がハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された工事作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、又は、管理サーバ12がハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された工事作業音のうちの通常音とは異なる異常音を感知した場合、或いは、工事作業画像から危険工事作業を感知した場合、異常画像と異常音との少なくとも一方を感知した時点を基準点とし、又は、危険工事作業を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った工事作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ工事作業後画像とを工事作業画像から抽出し、抽出した工事作業前画像及び工事作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知工事作業画像に編集するとともに、編集した異常感知工事作業画像を記憶するから、ハンズフリー装置13のウェアラブル目線カメラ14及びウェアラブルマイクロフォン16を利用し、建築現場における所定の工事作業箇所における工事作業において建築作業員(作業者11)が工事作業中の工事作業画像及び建築作業員(作業者11)が作業中の工事作業箇所における工事作業音を取得することができ、工事作業中の工事作業画像(工事作業箇所画像)において異常画像や異常音、危険工事作業を感知した場合、その異常画像や異常音、危険工事作業の前後の工事作業前画像及び工事作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知工事作業画像を取得することができる。
【0068】
建築作業監視システム10は、取得した異常感知工事作業画像に基づいて工事作業箇所の工事作業における事故の原因を追及することができ、工事作業における建築作業員(作業者11)の不注意行動の防止対策や事故の工事作業安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業監視システム10は、取得した異常感知工事作業画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知工事作業画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0069】
異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業箇所において、建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)がその工事作業箇所の工事作業安全対策を見るには、コントローラ18のタッチパネル20の安全対策情報表示ボタンをタップする。安全対策情報表示ボタンをタップすると、管理サー12は、工事作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された工事作業画像を画像認識しつつ、ハンズフリー装置13から送信されて画像認識した工事作業画像と大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された各工事作業画像とを比較し、画像認識した工事作業画像に対応する工事作業画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された各工事作業画像の中から特定する(工事作業画像特定手段)。
【0070】
次に、管理サーバ12は、特定した工事作業画像の異常感知工事作業画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出するとともに、特定した工事作業画像に対する工事作業安全対策情報を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した異常感知工事作業画像及び工事作業安全対策情報をハンズフリー装置13(コントローラ18)に送信する(安全対策送信手段)。更に、管理サーバ12は、安全対策送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)へ送信する工事作業安全対策情報に対応する工事作業安全対策音声を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した工事作業安全対策音声をハンズフリー装置13に送信する(安全対策送信手段)。
【0071】
ハンズフリー装置13(コントローラ18)は、安全対策送信手段によって管理サーバ12から送信された工事作業安全対策情報をヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)し(安全対策出力手段)、その工事作業安全対策情報に対応する工事作業安全対策音声をウェアラブルスピーカー17から出力(発音)する(安全対策出力手段)。建築作業員(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15には、図6の工事作業安全対策情報表示画面が表示される。工事作業安全対策情報表示画面には、図6に示すように、異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業箇所における異常感知工事作業画像(動画や静止画)を表示した異常感知工事作業画像表示エリア6a、異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業箇所名(階層や工事区画名、工事作業所名等)を表示した工事作業箇所名表示エリア6b、工事作業安全対策情報(動画や静止画)を表示した工事作業安全対策情報表示エリア6c、異常・危険感知日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア6d、建築作業員(作業者11)の氏名(その他の作業者特定情報を含む場合がある)及び作業日時を表示した作業員・作業日時表示エリア6eが出力(表示)される。ウェアラブルスピーカー17からは、工事作業安全対策情報に対応する工事作業安全対策音声が出力(発音)される。尚、図6の工事作業安全対策情報表示画面(工事作業箇所画像や工事作業安全対策情報、工事作業安全対策音声等)を建築作業員(作業者11)が所持するスマートフォン21に出力(表示)させることができる。又、管理サーバ12は、図6の工事作業安全対策情報表示画面や工事作業安全対策音声をディスプレイ(スピーカーを含む)にいつでも出力(表示)することができる。
【0072】
現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15には、図7の工事作業安全対策情報表示画面が出力(表示)される。工事作業安全対策情報表示画面には、図7に示すように、異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業箇所における異常感知工事作業画像(動画や静止画)を表示した異常感知工事作業画像表示エリア7a、異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業箇所名(階層や工事区画名、工事作業所名等)を表示した工事作業箇所名表示エリア7b、工事作業安全対策情報(動画や静止画)を表示した工事作業安全対策情報表示エリア7c、異常・危険感知日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア7d、建築作業員(作業者11)の個人情報(氏名(その他の作業者特定情報を含む場合がある)や作業日時、年齢、性別、識別子、メールアドレス、携帯電話番号)を表示した作業員情報・作業日時表示エリア7e、建築作業員(作業者11)の画像を表示した作業員画像表示エリア7fが出力(表示)される。ウェアラブルスピーカー17からは、工事作業安全対策情報に対応する工事作業安全対策音声が発音(出力)される。尚、図7の工事作業安全対策情報表示画面(工事作業箇所画像や工事作業安全対策情報、工事作業安全対策音声等)を現場管理者(作業者11)が所持するスマートフォン21に出力(表示)させることができる。又、管理サーバ12は、図7の工事作業安全対策情報表示画面や工事作業安全対策音声をディスプレイ(スピーカーを含む)にいつでも出力(表示)することができる。
【0073】
工事作業安全対策情報には、例えば、「工事作業はマニュアルに記載されたとおりの手順に従う」、「コーン及びバリケードを設置して工事作業スペースを確保」、「工事作業中、建物の周りを養生シートやネットで覆う」、「工事作業箇所において危険だと感じた場合、すぐに作業を止めて安全を確認してから工事作業を再開」、「危険を感じた場合、他の作業者や現場管理者に直ちに連絡を入れ、応援を呼ぶ」等、工事作業現場において必要なすべての工事作業安全対策が含まれる。尚、工事作業安全対策情報には、工事作業に対して注意を喚起する工事作業注意メッセージや工事作業に対して注意を喚起する工事作業注意音声が含まれる。建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)は、ヘッドマウントディスプレイ15に出力された工事作業安全対策情報を見るとともに、ウェアラブルスピーカー17から出力された工事作業安全対策音声を聞くことで、工事作業を行う工事作業箇所における安全対策を知ることができる。
【0074】
建築作業監視システム10は、建築作業員(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に工事作業画像に対する工事作業安全対策情報を出力(表示)し、工事作業安全対策情報に対応する工事作業安全対策音声をウェアラブルスピーカー17から出力(発音)するから、建築作業員(作業者11)がその両手を自由に使える状態で両手で安全を確保しつつ管理サーバ12から送信された工事作業安全対策情報を見ることができ、両手を自由に使える状態で両手で安全を確保しつつ管理サーバ12から送信された工事作業安全対策情報に対応する工事作業安全対策音声を聞くことができ、建築作業員(作業者11)が工事作業安全対策情報を参照しつつ工事作業安全対策音声を聴取することで、工事作業における不注意行動や不用意な事故の発生及び再発を確実に防ぐことができる。
【0075】
建築作業監視システム10は、建築作業員(作業者11)がヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された工事作業安全対策情報を見るとともにウェアラブルスピーカーから出力(発音)された工事作業安全対策音声を聞くことで、作業中の工事作業が危険工事作業であることを知ることができ、建築作業員(作業者11)がその危険工事作業を中止することで、工事作業における事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、工事作業において発生した事故が重大事故につながることを防ぐことができる。
【0076】
建築作業監視システム10は、現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業箇所における異常感知工事作業画像、異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業箇所名、工事作業画像の工事作業箇所で作業する建築作業員(作業者11)の個人情報を出力(表示)するから、異常画像や異常音、危険工事作業が感知された工事作業箇所やその工事作業箇所で作業する建築作業員(作業者11)を知ることができ、直ちに救援や救助に向かうことができる。
【0077】
建築作業監視システム10は、現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に工事作業画像に対する工事作業安全対策情報を出力(表示)し、工事作業安全対策情報に対応する工事作業安全対策音声をウェアラブルスピーカー17から出力(発音)するから、現場管理者(作業者11)が異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業における安全対策を知ることができ、その工事作業箇所において作業する建築作業員(作業者11)に適切な指示を与えることができ、工事作業における事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、工事作業において発生した事故が重大事故につながることを防ぐことができる。
【0078】
図8は、建築作業員(作業者11)及び現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された異常感知工事作業過去画像表示画面の一例を示す図である。図8では、各表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)が異常感知工事作業過去画像を見るには、コントローラ18のタッチパネル20の過去画像表示ボタンをタップする。
【0079】
過去画像表示ボタンをタップすると、管理サーバ12は、工事作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された工事作業画像を画像認識しつつ、画像認識した工事作業画像と大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各工事作業画像とを比較し、画像認識した工事作業画像に対応する(画像認識した工事作業画像と同一又は類似の)過去の工事作業画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各工事作業箇所画像の中から特定する。(工事作業過去画像特定手段)。次に、管理サーバ12は、特定した過去の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した過去の異常感知工事作業過去画像をハンズフリー装置13(コントローラ18)に送信する(異常感知工事作業過去画像送信手段)。
【0080】
又は、管理サーバ12は、異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業箇所において工事作業前後画像抽出手段によって抽出した工事作業前画像及び工事作業後画像に対応する工事作業画像を画像認識しつつ、画像認識した工事作業画像と大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各工事作業画像とを比較し、画像認識した工事作業画像に対応する(画像認識した工事作業画像と同一又は類似の)過去の工事作業画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各工事作業画像の中から特定する(工事作業過去画像特定手段)。次に、管理サーバ12は、特定した過去の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した過去の異常感知工事作業過去画像をハンズフリー装置13(コントローラ18)に送信する(異常感知工事作業過去画像送信手段)。
【0081】
ハンズフリー装置13(コントローラ18)は、異常感知工事作業過去画像送信手段によって管理サーバ12から送信された異常感知工事作業過去画像をヘッドマウントディスプレイ15に出力する(異常感知工事作業過去画像出力手段)。ヘッドマウントディスプレイ15には、図8の異常感知工事作業過去画像表示画面が表示される。異常感知工事作業過去画像表示画面には、図8に示すように、異常感知工事作業過去画像(動画や静止画)を表示した異常感知工事作業過去画像表示エリア8a、異常画像や異常音、危険工事作業の感知日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア8b、異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業の作業年月日を表示した作業年月日表示エリア8c、建築作業員(作業者11)の個人情報(氏名(その他の作業者特定情報を含む場合がある)、年齢、性別)を表示した作業員情報表示エリア8d、建築作業員(作業者11)の画像を表示した作業員画像表示エリア8eが出力(表示)される。
【0082】
建築作業員(作業者11)及び現場管理者(作業者11)は、ヘッドマウントディスプレイ15に出力された異常感知工事作業過去画像表示画面を見ることで、異常画像や異常音、危険工事作業を感知した工事作業箇所における工事作業において過去に起こった異常事態や危険行為、その結果を知ることができる。尚、図8の異常感知工事作業過去画像表示画面(異常感知工事作業過去画像や個人情報等)を建築作業員(作業者11)及び現場管理者(作業者11)が所持するスマートフォン21のタッチパネルに出力(表示)させることができる。又、管理サーバ12は、図8の異常感知工事作業過去画像表示画面をディスプレイにいつでも出力(表示)することができる。
【0083】
建築作業監視システム10は、工事作業画像に対応する(工事作業画像と同一又は類似の)過去の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像や工事作業前画像及び工事作業後画像に対応する(工事作業画像と同一又は類似の)過去の工事作業画像において起こった過去の異常感知工事作業過去画像をヘッドマウントディスプレイ15に出力することで、建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)が過去に起こった工事作業における不注意行動や不用意な事故を知ることができ、異常感知工事作業過去画像を参照することで、工事作業における不注意行動や不用意な事故の発生及び再発を未然に防ぐことができる。
【0084】
図9は、管理サーバ12のディスプレイに出力(表示)された異常感知移動場所表示画面の一例を示す図であり、図10は、建築作業員(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された移動安全対策情報表示画面の一例を示す図である。図11は、現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された移動安全対策情報表示画面の他の一例を示す図である。図9図11では、各表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。図9図11では、他の作業者11(建築作業員や現場管理者)が装着したハンズフリー装置13によって特定の作業者11(建築作業員)の移動画像が撮影された場合を図示している。尚、移動中の特定の作業者11(建築作業員)が装着したハンズフリー装置13によってその作業者11(建築作業員)の移動画像が撮影されてもよい。
【0085】
作業者11(建築作 業員及び現場管理者)は、コントローラ18のメインスイッチをONにするとともに、画像表示ON/OFFボタンをONにした状態で、建築現場において所定の工事作業箇所から他の工事作業箇所に向かって移動し、所定の工事作業箇所から所定の搬送作業箇所に向かって移動し、又は、所定の搬送作業箇所から所定の工事作業箇所に向かって移動し、或いは、所定の搬送作業箇所から他の搬送作業箇所に向かって移動する。作業者11(建築作業員)が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中に、移動中の移動場所がウェアラブル目線カメラ14によって撮影される(移動場所撮影手段)。更に、作業者11(建築作業員)が所定の工事作業箇所又は所定の搬送作業箇所に向かう移動中に、移動中の音(移動中の作業者11(建築作業員)の音声や移動中の作業者11(建築作業員)の周囲の音(移動場所の音)がウェアラブルマイクロフォン16によって集音される(拾われる)(移動場所集音手段)。
【0086】
ウェアラブル目線カメラ14は、撮影した移動中の移動場所の移動場所画像(デジタル画像データ)をコントローラ18に送信(転送)し、ウェアラブルマイクロフォン16は、集音した移動場所における作業者11(建築作業員)の移動中の音(電気信号)をコントローラ18に送信(転送)する。コントローラ18(ハンズフリー装置13)は、ウェアラブル目線カメラ14から受信した移動場所画像(デジタル画像データ)とハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)とをその通信機能(ネットワーク)によって管理サーバ12に送信するとともに(移動画像送信手段)、ウェアラブルマイクロフォン16から受信した移動中の音(電気信号)とハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)とをその通信機能(ネットワーク)によって管理サーバ12に送信する(移動音送信手段)。
【0087】
管理サーバ12は、移動画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された移動場所画像を受信中に、移動場所画像を画像認識しつつ、移動場所画像のうちの正常の画像とは異なる異常画像を感知した場合、又は、移動音送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された移動中の音を受信中に、移動中の音のうちの通常の音とは異なる異常音を感知した場合、異常画像と異常音との少なくとも一方を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った移動前画像(移動場所前画像)(デジタル画像データ)とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像(移動場所後画像)(デジタル画像データ)とを移動画像送信手段によって送信された移動場所画像から抽出する(移動前後画像抽出手段)。尚、建築作業監視システム10では、移動前画像及び移動後画像の抽出のトリガーとして、管理サーバ12において異常画像と異常音とのうちのいずれか一方を選択・設定することができ、又は、管理サーバ12において異常画像と異常音との両者を選択・設定することができる。
【0088】
又、管理サーバ12は、移動画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された移動画像(移動場所画像)を受信中に、移動画像を画像認識しつつ、画像認識した移動画像から危険移動行為を感知した場合(移動画像を危険移動行為画像と判断した場合)、危険移動行為を感知した時点(危険移動行為画像と判断した時点)を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った移動前画像(移動場所前画像)(デジタル画像データ)とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像(移動場所後画像)(デジタル画像データ)とを移動画像送信手段によって送信された移動画像(移動場所画像)から抽出する(移動前後画像抽出手段)。危険移動行為を感知する場合の一例としては、通常の移動動作と明らかに異なる動作(飛び跳ねる動作や各種の運動動作、ヘルメットを脱ぎ捨てる動作等)を感知した場合、通常の移動動作と明らかに異なる不作為行動(何もしない動作)を感知した場合等がある。
【0089】
管理サーバ12は、移動前後画像抽出手段によって抽出した移動前画像(移動第1画像)及び移動後画像(移動第2画像)を利用し、移動画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された移動画像を移動前画像及び移動後画像から形成された異常感知移動画像(異常感知移動場所画像)(デジタル画像データ)に編集する(異常感知移動画像編集手段)。管理サーバ12は、異常感知移動画像編集手段によって編集した異常感知移動画像を記憶する(異常感知移動画像記憶手段)。管理サーバ12は、図9の異常感知移動表示画面をディスプレイに出力(表示)する(異常感知移動表示画面出力手段)。異常感知移動表示画面には、図9に示すように、異常感知移動画像記憶手段によって記憶した異常感知移動画像(動画や静止画)を表示した異常感知移動画像表示エリア9a、異常画像や異常音、危険移動行為を感知した日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア9b、建築作業員(作業者11)の個人情報を表示した個人情報表示エリア9c、建築作業員(作業者11)の画像を表示した作業員画像表示エリア9dがディスプレイに出力(表示)される。
【0090】
異常感知移動画像編集手段では、移動前画像(移動場所前画像)と移動後画像(移動場所後画像)とのうちのいずれか一方から形成された異常感知工事作業画像(異常感知工事作業箇所画像)に編集することができる。異常感知移動画像記憶手段では、異常感知移動画像(異常画像や異常音、危険移動行為の感知日時、建築作業員(作業者11)の個人識別データを含む)をハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する。管理者は、取得した異常感知移動画像に基づいて移動場所における移動行為(移動動作)の事故の原因を追及し、移動場所における建築作業員(作業者11)の不注意行動の防止対策や事故の移動行為安全対策を立案する。立案された移動行為安全対策は、異常感知移動画像(異常画像や異常音、危険移動行為の感知日時、建築作業員(作業者11)の個人識別データを含む)とともにハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)に関連付けた状態で管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶(格納)される。
【0091】
管理者は、取得した異常感知移動画像に基づいて移動場所における移動行為の事故の原因を追及し、移動場所における建築作業員(作業者11)の不注意行動の防止対策や事故の移動安全対策を立案する。立案された移動安全対策は、異常感知移動画像(異常画像や異常音、危険移動行為の感知日時、建築作業員(作業者11)の個人識別データを含む)とともにハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)に関連付けた状態で管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶(格納)される。
【0092】
建築作業監視システム10は、管理サーバ12がハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された移動画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、又は、管理サーバ12がハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された移動中の音のうちの通常音とは異なる異常音を感知した場合、或いは、移動画像から危険移動行為を感知した場合、異常画像と異常音との少なくとも一方を感知した時点を基準点とし、又は、危険移動行為を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った移動前画像とその基準点から後に所定時間進んだ移動後画像とを移動画像から抽出し、抽出した移動前画像及び移動後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知移動画像に編集するとともに、編集した異常感知移動画像を記憶するから、ハンズフリー装置13のウェアラブル目線カメラ14及びウェアラブルマイクロフォン16を利用し、建築現場における建築作業員(作業者11)の移動中の移動場所の移動画像及び建築作業員(作業者11)の移動中の音を取得することができ、移動中の移動場所(移動画像)において異常画像や異常音、危険移動行為を感知した場合、その異常画像や異常音、、危険移動行為の前後の移動前画像及び移動後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知移動画像を取得することができる。
【0093】
建築作業監視システム10は、取得した異常感知移動画像に基づいて移動中の移動場所における事故の原因を追及することができ、移動中の移動場所における建築作業員(作業者11)の不注意行動の防止対策や事故の移動安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業監視システム10は、取得した異常感知移動画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知移動画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0094】
異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動場所において、建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)がその移動安全対策を見るには、コントローラ18のタッチパネル20の安全対策情報表示ボタンをタップする。安全対策情報表示ボタンをタップすると、管理サーバ12は、移動画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された移動画像を画像認識しつつ、ハンズフリー装置13から送信されて画像認識した移動画像と大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された各移動画像とを比較し、画像認識した移動画像に対応する移動画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された各移動画像の中から特定する(移動画像特定手段)。
【0095】
次に、管理サーバ12は、特定した移動画像の異常感知移動画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出するとともに、特定した移動画像に対する移動安全対策情報を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した異常感知移動画像及び移動安全対策情報をハンズフリー装置13(コントローラ18)に送信する(安全対策送信手段)。更に、管理サーバ12は、安全対策送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)へ送信する移動安全対策情報に対応する移動安全対策音声を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した移動安全対策音声をハンズフリー装置13に送信する(安全対策送信手段)。
【0096】
ハンズフリー装置13(コントローラ18)は、安全対策送信手段によって管理サーバ12から送信された移動安全対策情報をヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)し(安全対策出力手段)、その移動安全対策情報に対応する移動安全対策音声をウェアラブルスピーカー17から出力(発音)する(安全対策出力手段)。建築作業員(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15には、図10の移動安全対策情報表示画面が表示される。移動安全対策情報表示画面には、図10に示すように、異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動場所における異常感知移動画像(動画や静止画)を表示した異常感知移動画像表示エリア10a、異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動場所名(階層や移動区画名、移動通路名、動線名等)を表示した移動場所名表示エリア10b、移動安全対策情報(動画や静止画)を表示した移動安全対策情報表示エリア10c、異常・危険感知日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア10d、建築作業員(作業者11)の氏名(その他の作業者特定情報を含む場合がある)及び移動(作業)日時を表示した作業員・移動日時表示エリア10eが出力(表示)される。ウェアラブルスピーカー17からは、移動安全対策情報に対応する移動安全対策音声が出力(発音)される。尚、図10の移動安全対策情報表示画面(移動画像や移動安全対策情報、移動安全対策音声等)を現場管理者(作業者11)が所持するスマートフォン21に出力(表示)させることができる。又、管理サーバ12は、図10の移動安全対策情報表示画面や移動安全対策音声をディスプレイ(スピーカーを含む)にいつでも出力(表示)することができる。
【0097】
現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15には、図11の移動安全対策情報表示画面が表示される。移動安全対策情報表示画面には、図11に示すように、異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動場所における異常感知移動画像(動画や静止画)を表示した異常感知移動画像表示エリア11a、異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動場所名(階層や移動区画名、移動通路名、動線名等)を表示した移動場所名表示エリア11b、移動安全対策情報(動画や静止画)を表示した移動安全対策情報表示エリア11c、異常・危険感知日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア11d、建築作業員(作業者11)の個人情報(氏名(その他の作業者特定情報を含む場合がある)や移動(作業)日時、年齢、性別、識別子、メールアドレス、携帯電話番号)を表示した作業員情報・移動日時表示エリア11e、建築作業員(作業者11)の画像を表示した作業員画像表示エリア11fが出力(表示)される。ウェアラブルスピーカー17からは、移動安全対策情報に対応する移動安全対策音声が発音(出力)される。尚、図11の移動安全対策情報表示画面(移動画像や移動安全対策情報、移動安全対策音声等)を現場管理者(作業者11)が所持するスマートフォン21に出力(表示)させることができる。又、管理サーバ12は、図11の移動安全対策情報表示画面や移動安全対策音声をディスプレイ(スピーカーを含む)にいつでも出力(表示)することができる。
【0098】
移動安全対策情報には、例えば、「移動線を表示して移動経路を明確にする」、「移動場所において危険だと感じた場合、すぐに移動を止めて安全を確認してから移動を再開」、「高い所を移動する場合、転落を防ぐために安全帯を必ず着用」、「開口部の端や階段の近く等、人の転落や物の落下の危険があるところにネットを掛ける」等、移動場所において必要なすべての移動安全対策が含まれる。尚、移動安全対策情報には、移動に対して注意を喚起する移動注意メッセージや移動に対して注意を喚起する移動注意音声が含まれる。建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)は、ヘッドマウントディスプレイ15に出力された移動安全対策情報を見るとともに、ウェアラブルスピーカー17から出力された移動安全対策音声を聞くことで、移動中の移動場所における安全対策を知ることができる。
【0099】
建築作業監視システム10は、建築作業員(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に移動画像に対する移動安全対策情報を出力(表示)し、移動安全対策情報に対応する移動安全対策音声をウェアラブルスピーカー17から出力(発音)するから、建築作業員(作業者11)がその両手を自由に使える状態で両手で安全を確保しつつ管理サーバ12から送信された移動安全対策情報を見ることができ、両手を自由に使える状態で両手で安全を確保しつつ管理サーバ12から送信された移動安全対策情報に対応する移動安全対策音声を聞くことができ、建築作業員(作業者11)が移動安全対策情報を参照しつつ移動安全対策音声を聴取することで、移動中の移動場所における不注意行動や不用意な事故の発生及び再発を確実に防ぐことができる。
【0100】
建築作業監視システム10は、建築作業員(作業者11)がヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された移動安全対策情報を見るとともにウェアラブルスピーカー17から出力(発音)された移動安全対策音声を聞くことで、移動中の移動行為(動作)が危険移動であることを知ることができ、建築作業員(作業者11)がその危険移動を中止することで、移動中の移動場所における事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、移動中の移動場所において発生した事故が重大事故につながることを防ぐことができる。
【0101】
建築作業監視システム10は、現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動場所における異常感知移動画像、異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動場所名、移動場所を移動する建築作業員(作業者11)の個人情報を出力(表示)するから、異常画像や異常音、危険移動行為が感知された移動場所を移動する建築作業員(作業者11)を知ることができ、直ちに救援や救助に向かうことができる。建築作業監視システム10は、現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に移動画像に対する移動安全対策情報を出力(表示)し、移動安全対策情報に対応する移動安全対策音声をウェアラブルスピーカー17から出力(発音)するから、現場管理者(作業者11)が異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動場所における安全対策を知ることができ、その移動場所を移動する建築作業員(作業者11)に適切な指示を与えることができ、移動中の移動場所における事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、移動場所において発生した事故が重大事故につながることを防ぐことができる。
【0102】
図12は、建築作業員(作業者11)及び現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された異常感知移動過去画像表示画面の一例を示す図である。図12では、各表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)が異常感知移動過去画像を見るには、コントローラ18のタッチパネル20の過去画像表示ボタンをタップする。
【0103】
過去画像表示ボタンをタップすると、管理サーバ12は、移動画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された移動画像を画像認識しつつ、画像認識した移動画像と大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各移動画像とを比較し、画像認識した移動画像に対応する(画像認識した移動画像と同一又は類似の)過去の移動画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各移動箇所画像の中から特定する。(移動過去画像特定手段)。次に、管理サーバ12は、特定した過去の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した過去の異常感知移動過去画像をハンズフリー装置13(コントローラ18)に送信する(異常感知移動過去画像送信手段)。
【0104】
又は、管理サーバ12は、異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動場所において移動前後画像抽出手段によって抽出した移動前画像及び移動後画像に対応する移動画像を画像認識しつつ、画像認識した移動画像と大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各移動画像とを比較し、画像認識した移動画像に対応する(画像認識した移動画像と同一又は類似の)過去の移動画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各移動画像の中から特定する(移動過去画像特定手段)。次に、管理サーバ12は、特定した過去の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した過去の異常感知移動過去画像をハンズフリー装置13(コントローラ18)に送信する(異常感知移動過去画像送信手段)。
【0105】
ハンズフリー装置13(コントローラ18)は、異常感知移動過去画像送信手段によって管理サーバ12から送信された異常感知移動過去画像をヘッドマウントディスプレイ15に出力する(異常感知移動過去画像出力手段)。ヘッドマウントディスプレイ15には、図12の異常感知移動過去画像表示画面が表示される。異常感知移動過去画像表示画面には、図12に示すように、異常感知移動過去画像(動画や静止画)を表示した異常感知移動過去画像表示エリア12a、異常画像や異常音、危険移動行為の感知日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア12b、異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動行為(動作)の移動年月日を表示した移動年月日表示エリア12c、建築作業員(作業者11)の個人情報(氏名(その他の作業者特定情報を含む場合がある)、年齢、性別、)を表示した作業員情報表示エリア12d、建築作業員(作業者11)の画像を表示した作業員画像表示エリア12eが出力(表示)される。
【0106】
建築作業員(作業者11)及び現場管理者(作業者11)は、ヘッドマウントディスプレイ15に出力された異常感知移動過去画像表示画面を見ることで、異常画像や異常音、危険移動行為を感知した移動中の移動場所において過去に起こった異常事態や危険行為、その結果を知ることができる。尚、図12の異常感知移動過去画像表示画面(異常感知移動過去画像や個人情報等)を建築作業員(作業者11)及び現場管理者(作業者11)が所持するスマートフォン21のタッチパネルに出力(表示)させることができる。又、管理サーバ12は、図12の異常感知移動過去画像表示画面をディスプレイにいつでも出力(表示)することができる。
【0107】
建築作業監視システム10は、移動画像に対応する(移動画像と同一又は類似の)過去の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像や移動前画像及び移動後画像に対応する(移動画像と同一又は類似の)過去の移動画像において起こった過去の異常感知移動過去画像をヘッドマウントディスプレイ15に出力することで、建築作業員(作業者11)が過去に起こった移動場所における不注意行動や不用意な事故を知ることができ、異常感知移動過去画像を参照することで、移動場所における不注意行動や不用意な事故の発生及び再発を未然に防ぐことができる。
【0108】
図13は、管理サーバ12のディスプレイに出力(表示)された異常感知搬送作業表示画面の一例を示す図であり、図14は、建築作業員(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された搬送作業安全対策情報表示画面の一例を示す図である。図15は、現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された搬送作業安全対策情報表示画面の他の一例を示す図である。図13図15では、各表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。図13図15では、他の作業者11(建築作業員や現場管理者)が装着したハンズフリー装置13によって特定の作業者11(建築作業員)の搬送作業画像が撮影された場合を図示している。尚、実際に搬送作業を行う特定の作業者11(建築作業員)が装着したハンズフリー装置13によってその作業者11(建築作業員)の搬送作業画像が撮影されてもよい。
【0109】
作業者11(建築作業員及び現場管理者)は、コントローラ18のメインスイッチをONにするとともに、画像表示ON/OFFボタンをONにした状態で、建築現場において資機材を搬送箇所に搬送する搬送作業を行う。建築作業員(作業者11)が所定の搬送箇所において搬送作業開始すると、搬送中の搬送作業箇所がウェアラブル目線カメラ14によって撮影される(搬送作業箇所撮影手段)。更に、建築作業員(作業者11)が所定の搬送作業箇所において搬送作業中に、搬送作業中の音(搬送作業中の建築作業員(作業者11)の音声や搬送作業中の建築作業員(作業者11)の周囲の音(搬送作業箇所の音))がウェアラブルマイクロフォン17によって集音される(拾われる)(搬送作業箇所集音手段)。
【0110】
ウェアラブル目線カメラ14は、撮影した搬送作業中の搬送作業箇所の搬送作業画像(搬送作業箇所画像)(デジタル画像データ)をコントローラ18に送信(転送)し、ウェアラブルマイクロフォンロ15は、集音した搬送作業箇所における作業者11(建築作業員)が搬送作業中の音(電気信号)をコントローラ18に送信(転送)する。コントローラ18(ハンズフリー装置13)は、ウェアラブル目線カメラ14から受信した搬送作業画像(デジタル画像データ)とハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)とをその通信機能(ネットワーク)によって管理サーバ12に送信する(搬送作業画像送信手段)。コントローラ18(ハンズフリー装置13)は、ウェアラブルマイクロフォン16から受信した搬送作業音(電気信号)とハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)とをその通信機能(ネットワーク)によって管理サーバ12に送信する(搬送作業音送信手段)。
【0111】
管理サーバ12は、搬送作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された搬送作業画像を受信中に、搬送作業画像を画像認識しつつ、搬送作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、又は、搬送作業音送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された搬送作業音を受信中に、搬送作業音のうちの通常音とは異なる異常音を感知した場合、異常画像と異常音との少なくとも一方を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像(搬送作業箇所前画像)(デジタル画像データ)とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像(搬送作業箇所後画像)(デジタル画像データ)とを搬送作業画像送信手段によって送信された搬送作業画像から抽出する(搬送作業前後画像抽出手段)。尚、建築作業監視システム10では、搬送作業前画像及び搬送作業後画像の抽出のトリガーとして、管理サーバ12において異常画像と異常音とのうちのいずれか一方を選択・設定することができ、又は、管理サーバ12において異常画像と異常音との両者を選択・設定することができる。
【0112】
又、管理サーバ12は、搬送作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された搬送作業画像を受信中に、搬送作業画像を画像認識しつつ、画像認識した搬送作業画像から危険搬送作業を感知した場合(搬送作業画像を危険搬送作業画像と判断した場合)、危険搬送作業を感知した時点(危険搬送作業画像と判断した時点)を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像(搬送作業箇所前画像)(デジタル画像データ)とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像(搬送作業箇所後画像)(デジタル画像データ)とを搬送作業画像送信手段によって送信された搬送作業画像(搬送作業箇所画像)から抽出する(搬送作業前後画像抽出手段)。危険搬送作業を感知する場合の一例としては、通常の搬送作業と明らかに異なる動作(飛び跳ねる動作や各種の運動動作、ヘルメットを脱ぎ捨てる動作等)、荷物(資機材)の下に入る行為や荷物(資機材)を極端に揺動させる行為、荷物(資機材)を異なる箇所に搬送する行為等を感知した場合、通常の搬送作業と明らかに異なる不作為行動(何もしない動作)を感知した場合等がある。
【0113】
管理サーバ12は、搬送作業前後画像抽出手段によって抽出した搬送作業前画像(搬送作業第1画像)及び搬送作業後画像(搬送作業第1画像)を利用し、搬送作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された搬送作業画像を搬送作業前画像及び搬送作業後画像から形成された異常感知搬送作業画像(デジタル画像データ)に編集する(異常感知搬送作業画像編集手段)。管理サーバ12は、異常感知搬送作業画像編集手段によって編集した異常感知搬送作業画像を記憶する(異常感知搬送作業画像記憶手段)。管理サーバ12は、図13に示す異常感知搬送作業表示画面をディスプレイに出力(表示)する(異常感知搬送作業表示画面出力手段)。図13の異常感知搬送作業表示画面には、異常感知搬送作業画像記憶手段によって記憶した異常感知搬送作業画像(動画や静止画)を表示した異常感知搬送作業画像表示エリア13a、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア13b、建築作業員(作業者11)の個人情報を表示した個人情報表示エリア13c、建築作業員(作業者11)の画像を表示した作業員画像表示エリア13dがディスプレイに出力(表示)される。
【0114】
異常感知搬送作業画像編集手段では、搬送作業前画像(搬送作業箇所前画像)と搬送作業後画像(搬送作業箇所後画像)とのうちのいずれか一方から形成された異常感知搬送作業画像(異常感知搬送作業箇所画像)に編集することができる。異常感知搬送作業画像記憶手段では、異常感知搬送作業画像(異常画像や異常音、危険搬送作業の感知日時、建築作業員(作業者11)の個人識別データを含む)をハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)に関連付けた状態で大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶(格納)する。
【0115】
管理者は、取得した異常感知搬送作業画像に基づいて搬送作業箇所における搬送作業の事故の原因を追及し、搬送作業箇所における建築作業員(作業者11)の不注意行動の防止対策や事故の搬送作業安全対策を立案する。立案された搬送作業安全対策は、異常感知搬送作業画像(異常画像や異常音、危険搬送作業の感知日時、建築作業員(作業者11)の個人識別データを含む)とともにハンズフリー装置13の装置特定情報(装置識別子)に関連付けた状態で管理サーバ12の大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶(格納)される。
【0116】
建築作業監視システム10は、管理サーバ12がハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された搬送作業画像のうちの正常画像とは異なる異常画像を感知した場合、又は、管理サーバ12がハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された搬送作業音のうちの通常音とは異なる異常音を感知した場合、或いは、搬送作業画像から危険搬送作業を感知した場合、異常画像と異常音との少なくとも一方を感知した時点を基準点とし、又は、危険搬送作業を感知した時点を基準点とし、基準点から前に所定時間遡った搬送作業前画像とその基準点から後に所定時間進んだ搬送作業後画像とを搬送作業画像から抽出し、抽出した搬送作業前画像及び搬送作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知搬送作業画像に編集するとともに、編集した異常感知搬送作業画像を記憶するから、ハンズフリー装置13のウェアラブル目線カメラ14及びウェアラブルマイクロフォン16を利用し、建築現場における所定の搬送作業箇所における搬送作業において建築作業員(作業者11)が搬送作業中の搬送作業画像及び建築作業員(作業者11)が搬送作業中の搬送作業箇所における搬送作業音を取得することができ、搬送作業中の搬送作業画像(搬送作業箇所画像)において異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した場合、その異常画像や異常音、危険搬送作業の前後の搬送作業前画像及び搬送作業後画像のうちの少なくとも一方から形成された異常感知搬送作業画像を取得することができる。
【0117】
建築作業監視システム10は、取得した異常感知搬送作業画像に基づいて搬送作業箇所の搬送作業における事故の原因を追及することができ、搬送作業における建築作業員(作業者11)の不注意行動の防止対策や事故の搬送作業安全対策を立案することができるとともに、不注意行動や事故の発生及び再発を防止することができる。建築作業監視システム10は、取得した異常感知搬送作業画像によって不注意行動発生時や事故発生時における責任の所在を明らかにすることができ、異常感知搬送作業画像を事故の証明及び証拠や各種の補償を請求する際の証明及び証拠として使用することができる。
【0118】
異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業箇所において、建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)がその搬送作業箇所の搬送作業安全対策を見るには、コントローラ18のタッチパネル20の安全対策情報表示ボタンをタップする。安全対策情報表示ボタンをタップすると、管理サーバ12は、搬送作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された搬送作業画像を画像認識しつつ、ハンズフリー装置13から送信されて画像認識した搬送作業画像と大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された各搬送作業画像とを比較し、画像認識した搬送作業画像に対応する搬送作業画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された各搬送作業画像の中から特定する(搬送作業画像特定手段)。
【0119】
次に、管理サーバ12は、特定した搬送作業画像の異常感知搬送作業画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出するとともに、特定した搬送作業画像に対する搬送作業安全対策情報を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した異常感知搬送作業画像及び搬送作業安全対策情報をハンズフリー装置13(コントローラ18)に送信する(安全対策送信手段)。更に、管理サーバ12は、安全対策送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)へ送信する搬送作業安全対策情報に対応する搬送作業安全対策音声を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した搬送作業安全対策音声をハンズフリー装置13に送信する(安全対策送信手段)。
【0120】
ハンズフリー装置13(コントローラ18)は、安全対策送信手段によって管理サーバ12から送信された搬送作業安全対策情報をヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)し(安全対策出力手段)、その搬送作業安全対策情報に対応する搬送作業安全対策音声をウェアラブルスピーカー17から出力(発音)する(安全対策出力手段)。建築作業員(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15には、図14の搬送作業安全対策情報表示画面が表示される。工事作業安全対策情報表示画面には、図14に示すように、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業箇所における異常感知搬送作業画像(動画や静止画)を表示した異常感知搬送作業画像表示エリア14a、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業箇所名(階層や搬送区画名、搬送作業所名等)を表示した搬送作業箇所名表示エリア14b、搬送作業安全対策情報(動画や静止画)を表示した搬送作業安全対策情報表示エリア14c、異常・危険感知日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア14d、建築作業員(作業者11)の氏名(その他の作業者特定情報を含む場合がある)及び搬送(作業)日時を表示した作業員・搬送日時表示エリア14eが出力(表示)される。ウェアラブルスピーカー17からは、搬送作業安全対策情報に対応する搬送作業安全対策音声が出力(発音)される。尚、図14の搬送作業安全対策情報表示画面(搬送作業箇所画像や搬送作業安全対策情報、搬送作業安全対策音声等)を建築作業員(作業者11)が所持するスマートフォン21に出力(表示)させることができる。又、管理サーバ12は、図14の搬送作業安全対策情報表示画面や搬送作業安全対策音声をディスプレイ(スピーカーを含む)にいつでも出力(表示)することができる。
【0121】
現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15には、図15の搬送作業安全対策情報表示画面が出力(表示)される。搬送作業安全対策情報表示画面には、図15に示すように、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業箇所における異常感知搬送作業画像(動画や静止画)を表示した異常感知搬送作業画像表示エリア15a、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業箇所名(階層や搬送区画名、搬送作業所名等)を表示した搬送作業箇所名表示エリア15b、搬送作業安全対策情報(動画や静止画)を表示した搬送作業安全対策情報表示エリア15c、異常・危険感知日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア15d、建築作業員(作業者11)の個人情報(氏名(その他の作業者特定情報を含む場合がある)や搬送(作業)日時、年齢、性別、識別子、メールアドレス、携帯電話番号)を表示した作業員情報・搬送日時表示エリア15e、建築作業員(作業者11)の画像を表示した作業員画像表示エリア15fが出力(表示)される。ウェアラブルスピーカー17からは、搬送作業安全対策情報に対応する搬送作業安全対策音声が発音(出力)される。尚、図15の搬送作業安全対策情報表示画面(搬送作業箇所画像や搬送作業安全対策情報、搬送作業安全対策音声等)を現場管理者(作業者11)が所持するスマートフォン21に出力(表示)させることができる。又、管理サーバ12は、図15の搬送作業安全対策情報表示画面や搬送作業安全対策音声をディスプレイ(スピーカーを含む)にいつでも出力(表示)することができる。
【0122】
搬送作業安全対策情報には、例えば、「搬送作業はマニュアルに記載されたとおりの手順に従う」、「コーン及びバリケードを設置して搬送作業スペースを確保」、「搬送中、建物の周りをネットで覆う」、「搬送作業箇所において危険だと感じた場合、すぐに作業を止めて安全を確認してから搬送作業を再開」、「危険を感じた場合、他の作業者や現場管理者に直ちに連絡を入れ、応援を呼ぶ」、「クレーンで荷物を持ち上げるときは、荷物の下に入ることを禁止」等、搬送作業現場において必要なすべての搬送作業安全対策が含まれる。尚、搬送作業安全対策情報には、搬送作業に対して注意を喚起する搬送作業注意メッセージや搬送作業に対して注意を喚起する搬送作業注意音声が含まれる。建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)は、ヘッドマウントディスプレイ15に出力された搬送作業安全対策情報を見るとともに、ウェアラブルスピーカー17から出力された搬送作業安全対策音声を聞くことで、搬送作業を行う搬送作業箇所における安全対策を知ることができる。尚、管理サーバ12は、各搬送作業画像や各搬送作業画像に対応する搬送作業安全対策情報、各搬送作業画像に対応する搬送作業安全対策音声をディスプレイ(スピーカーを含む)にいつでも出力することができる。
【0123】
建築作業監視システム10は、建築作業員(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に搬送作業画像に対する搬送作業安全対策情報を出力(表示)し、搬送作業安全対策情報に対応する搬送作業安全対策音声をウェアラブルスピーカー17から出力(発音)するから、建築作業員(作業者11)がその両手を自由に使える状態で両手で安全を確保しつつ管理サーバ12から送信された搬送作業安全対策情報を見ることができ、両手を自由に使える状態で両手で安全を確保しつつ管理サーバ12から送信された搬送作業安全対策情報に対応する搬送作業安全対策音声を聞くことができ、建築作業員(作業者11)が搬送作業安全対策情報を参照しつつ搬送作業安全対策音声を聴取することで、搬送作業における不注意行動や不用意な事故の発生及び再発を確実に防ぐことができる。
【0124】
建築作業監視システム10は、建築作業員(作業者11)がヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された搬送作業安全対策情報を見るとともにウェアラブルスピーカーから出力(発音)された搬送作業安全対策音声を聞くことで、作業中の搬送作業が危険搬送作業であることを知ることができ、建築作業員(作業者11)がその危険搬送作業を中止することで、搬送作業における事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、搬送作業において発生した事故が重大事故につながることを防ぐことができる。
【0125】
建築作業監視システム10は、現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業箇所における異常感知搬送作業画像、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業箇所名、搬送作業画像の搬送作業箇所で作業する建築作業員(作業者11)の個人情報を出力(表示)するから、異常画像や異常音、危険搬送作業が感知された搬送作業箇所やその搬送作業箇所で作業する建築作業員(作業者11)を知ることができ、直ちに救援や救助に向かうことができる。
【0126】
建築作業監視システム10は、現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に搬送作業画像に対する搬送作業安全対策情報を出力(表示)し、搬送作業安全対策情報に対応する搬送作業安全対策音声をウェアラブルスピーカー17から出力(発音)するから、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業における安全対策を現場管理者(作業者11)が知ることができ、その搬送作業箇所において作業する建築作業員(作業者11)に適切な指示を与えることができ、搬送作業における事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、搬送作業において発生した事故が重大事故につながることを防ぐことができる。
【0127】
図16は、建築作業員(作業者11)及び現場管理者(作業者11)が装着したヘッドマウントディスプレイ15に出力(表示)された異常感知搬送作業過去画像表示画面の一例を示す図である。図16では、各表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)が異常感知搬送作業過去画像を見るには、コントローラ18のタッチパネル20の過去画像表示ボタンをタップする。
【0128】
過去画像表示ボタンをタップすると、管理サーバ12は、搬送作業画像送信手段によってハンズフリー装置13(コントローラ18)から送信された搬送作業画像を画像認識しつつ、画像認識した搬送作業画像と大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各搬送作業画像とを比較し、画像認識した搬送作業画像に対応する(画像認識した搬送作業画像と同一又は類似の)過去の搬送作業画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各搬送作業箇所画像の中から特定する(搬送作業過去画像特定手段)。次に、管理サーバ12は、特定した過去の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した過去の異常感知搬送作業過去画像をハンズフリー装置13(コントローラ18)に送信する(異常感知搬送作業過去画像送信手段)。
【0129】
又は、管理サーバ12は、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業箇所において搬送作業前後画像抽出手段によって抽出した搬送作業前画像及び搬送作業後画像に対応する搬送作業画像を画像認識しつつ、画像認識した搬送作業画像と大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各搬送作業画像とを比較し、画像認識した搬送作業画像に対応する(画像認識した搬送作業画像と同一又は類似の)過去の搬送作業画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域に記憶された過去の各搬送作業画像の中から特定する(搬送作業過去画像特定手段)。次に、管理サーバ12は、特定した過去の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像を大容量記憶領域や大容量仮想記憶領域から抽出し、抽出した過去の異常感知搬送作業過去画像をハンズフリー装置13(コントローラ18)に送信する(異常感知搬送作業過去画像送信手段)。
【0130】
ハンズフリー装置13(コントローラ18)は、異常感知搬送作業過去画像送信手段によって管理サーバ12から送信された異常感知搬送作業過去画像をヘッドマウントディスプレイ15に出力する(異常感知搬送作業過去画像出力手段)。ヘッドマウントディスプレイ15には、図16の異常感知搬送作業過去画像表示画面が表示される。異常感知搬送作業過去画像表示画面には、図16に示すように、異常感知搬送作業過去画像(動画や静止画)を表示した異常感知搬送作業過去画像表示エリア16a、異常画像や異常音、危険搬送作業の感知日時を表示した異常・危険感知日時表示エリア16b、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業の作業年月日を表示した作業年月日表示エリア16c、建築作業員(作業者11)の個人情報(氏名(その他の作業者特定情報を含む場合がある)、年齢、性別)を表示した作業員情報表示エリア16d、建築作業員(作業者11)の画像を表示した作業員画像表示エリア16eが出力(表示)される。
【0131】
建築作業員(作業者11)及び現場管理者(作業者11)は、ヘッドマウントディスプレイ15に出力された異常感知搬送作業過去画像を見ることで、異常画像や異常音、危険搬送作業を感知した搬送作業箇所における搬送作業において過去に起こった異常事態や危険行為、その結果を知ることができる。尚、図16の異常感知搬送作業過去画像表示画面(異常感知搬送作業過去画像や個人情報等)を建築作業員(作業者11)及び現場管理者(作業者11)が所持するスマートフォン21のタッチパネルに出力(表示)させることができる。又、管理サーバ12は、図16の異常感知搬送作業過去画像表示画面をディスプレイにいつでも出力(表示)することができる。
【0132】
建築作業監視システム10は、搬送作業画像に対応する(搬送作業画像と同一又は類似の)過去の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像や搬送作業前画像及び搬送作業後画像に対応する(搬送作業画像と同一又は類似の)過去の搬送作業画像において起こった過去の異常感知搬送作業過去画像をヘッドマウントディスプレイ15に出力することで、建築作業員(作業者11)や現場管理者(作業者11)が過去に起こった搬送作業における不注意行動や不用意な事故を知ることができ、異常感知搬送作業過去画像を参照することで、搬送作業における不注意行動や不用意な事故の発生及び再発を未然に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0133】
10 建築作業監視システム
11 作業者
12 管理サーバ
13 ハンズフリー装置
14 ウェアラブル目線カメラ
15 ヘッドマウントディスプレイ
16 ウェアラブルマイクロフォン
17 ウェアラブルスピーカー
18 コントローラ
19 グラス(メガネ)
20 タッチパネル
21 スマートフォン
図1
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図16