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特許7556738通信制御装置、方法、プログラム、及び車両
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  • 特許-通信制御装置、方法、プログラム、及び車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】通信制御装置、方法、プログラム、及び車両
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20240918BHJP
   H04W 4/44 20180101ALI20240918BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20240918BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240918BHJP
【FI】
H04W48/16 134
H04W4/44
H04W48/16 132
H04W48/18 110
H04W88/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020168632
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2022060881
(43)【公開日】2022-04-15
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蜷川 勇二
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 賢
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-186121(JP,A)
【文献】特開2009-194823(JP,A)
【文献】特表2016-513934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置であって、
前記通信制御装置が前記外部機器に接続可能な位置と、前記複数の通信方式のうち前記位置において利用可能な通信方式とを少なくとも対応付けた、通信可能性情報を記憶する記憶部と、
前記通信制御装置が移動する予定経路として第1経路を取得する取得部と、
前記通信制御装置が移動する間に前記通信制御装置に実装されたアプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を、前記第1経路、前記通信可能性情報、及び前記アプリケーションが要求する通信内容に基づいて制御する制御部と、
前記アプリケーションと前記外部機器との通信を、前記制御部で制御される通信方式を用いて実行する通信部と、
前記通信制御装置の電源状態を検出する検出部と、を備え
前記通信内容には、通信データ量、許容される遅延時間、通信中断の可否、及び許容される通信コストの少なくとも1つが含まれており、
前記制御部は、
前記通信内容を満足するように前記アプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を制御し、
前記第1経路において予測される前記電源状態の変化に基づいて、前記通信内容を満足するように前記アプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を制御する、
通信制御装置。
【請求項2】
複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置であって、
前記通信制御装置が前記外部機器に接続可能な位置と、前記複数の通信方式のうち前記位置において利用可能な通信方式とを少なくとも対応付けた、通信可能性情報を記憶する記憶部と、
前記通信制御装置が移動する予定経路として第1経路を取得する取得部と、
前記通信制御装置が移動する間に前記通信制御装置に実装されたアプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を、前記第1経路、前記通信可能性情報、及び前記アプリケーションが要求する通信内容に基づいて制御する制御部と、
前記アプリケーションと前記外部機器との通信を、前記制御部で制御される通信方式を用いて実行する通信部と、
前記第1経路、前記通信可能性情報、及び前記通信内容に基づいて、前記第1経路とは異なる第2経路を検討して提案する経路検討部と、を備え、
前記制御部は、前記第2経路が前記予定経路に要求される所定の条件を満足すると判断した場合に、前記通信制御装置が移動する前記予定経路を前記第1経路から前記第2経路に変更して、前記アプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を制御する、
信制御装置。
【請求項3】
前記第2経路は、前記第1経路よりも通信効率が高い経路である、
請求項に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記予定経路に要求される条件は、前記予定経路の目的地点への到着時刻及び前記目的地点までの移動コストの一方を少なくとも含む、
請求項に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記通信制御装置の利用者による許可に基づいて前記第1経路から前記第2経路への変更を実施する、
請求項に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記アプリケーションから複数の要求が生じた場合、前記通信部は、前記複数の要求それぞれの優先度に基づいて前記アプリケーションと前記外部機器との通信を実行する、
請求項1又は2に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記通信可能性情報は、前記通信方式と共に、時刻、天候、通過速度、通信帯域、通信に必要な電力、通信の切断率、及び通信の誤り率の少なくとも1つがさらに、前記位置と対応付けられている、
請求項1又は2に記載の通信制御装置。
【請求項8】
複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置のコンピューターが実行する通信制御方法であって、
記憶部が記憶する、前記通信制御装置が前記外部機器に接続可能な位置と、前記複数の通信方式のうち前記位置において利用可能な通信方式とを少なくとも対応付けた、通信可能性情報を用い、
前記通信制御装置が移動する予定経路として第1経路を取得するステップと、
前記通信制御装置が移動する間に前記通信制御装置に実装されたアプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を、前記第1経路、前記通信可能性情報、及び前記アプリケーションが要求する通信データ量、許容される遅延時間、通信中断の可否、及び許容される通信コストの少なくとも1つが含まれた通信内容に基づいて制御するステップと、
前記アプリケーションと前記外部機器との通信を、前記制御するステップで制御される通信方式を用いて実行するステップと
前記通信制御装置の電源状態を検出するステップと、
前記通信内容を満足するように前記アプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を制御するステップと、
前記第1経路において予測される前記電源状態の変化に基づいて、前記通信内容を満足するように前記アプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を制御するステップと、を含む、
通信制御方法。
【請求項9】
複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置のコンピューターが実行する通信制御方法であって、
記憶部が記憶する、前記通信制御装置が前記外部機器に接続可能な位置と、前記複数の通信方式のうち前記位置において利用可能な通信方式とを少なくとも対応付けた、通信可能性情報を用い、
前記通信制御装置が移動する予定経路として第1経路を取得するステップと、
前記通信制御装置が移動する間に前記通信制御装置に実装されたアプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を、前記第1経路、前記通信可能性情報、及び前記アプリケーションが要求する通信データ量、許容される遅延時間、通信中断の可否、及び許容される通信コストの少なくとも1つが含まれた通信内容に基づいて制御するステップと、
前記アプリケーションと前記外部機器との通信を、前記制御するステップで制御される通信方式を用いて実行するステップと、
前記第1経路、前記通信可能性情報、及び前記通信内容に基づいて、前記第1経路とは異なる第2経路を検討して提案するステップと、
前記第2経路が前記予定経路に要求される所定の条件を満足すると判断した場合に、前記通信制御装置が移動する前記予定経路を前記第1経路から前記第2経路に変更して、前記アプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を制御するステップと、を含む、
通信制御方法。
【請求項10】
複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置のコンピューターに実行させる通信制御プログラムであって、
記憶部が記憶する、前記通信制御装置が前記外部機器に接続可能な位置と、前記複数の通信方式のうち前記位置において利用可能な通信方式とを少なくとも対応付けた、通信可能性情報を用い、
前記通信制御装置が移動する予定経路として第1経路を取得するステップと、
前記通信制御装置が移動する間に前記通信制御装置に実装されたアプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を、前記第1経路、前記通信可能性情報、及び前記アプリケーションが要求する通信データ量、許容される遅延時間、通信中断の可否、及び許容される通信コストの少なくとも1つが含まれた通信内容に基づいて制御するステップと、
前記アプリケーションと前記外部機器との通信を、前記制御するステップで制御される通信方式を用いて実行するステップと
前記通信制御装置の電源状態を検出するステップと、
前記通信内容を満足するように前記アプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を制御するステップと、
前記第1経路において予測される前記電源状態の変化に基づいて、前記通信内容を満足するように前記アプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を制御するステップと、を含む、
通信制御プログラム。
【請求項11】
複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置のコンピューターに実行させる通信制御プログラムであって、
記憶部が記憶する、前記通信制御装置が前記外部機器に接続可能な位置と、前記複数の通信方式のうち前記位置において利用可能な通信方式とを少なくとも対応付けた、通信可能性情報を用い、
前記通信制御装置が移動する予定経路として第1経路を取得するステップと、
前記通信制御装置が移動する間に前記通信制御装置に実装されたアプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を、前記第1経路、前記通信可能性情報、及び前記アプリケーションが要求する通信データ量、許容される遅延時間、通信中断の可否、及び許容される通信コストの少なくとも1つが含まれた通信内容に基づいて制御するステップと、
前記アプリケーションと前記外部機器との通信を、前記制御するステップで制御される通信方式を用いて実行するステップと、
前記第1経路、前記通信可能性情報、及び前記通信内容に基づいて、前記第1経路とは異なる第2経路を検討して提案するステップと、
前記第2経路が前記予定経路に要求される所定の条件を満足すると判断した場合に、前記通信制御装置が移動する前記予定経路を前記第1経路から前記第2経路に変更して、前記アプリケーションが前記外部機器との通信に使用する通信方式を制御するステップと、を含む、
通信制御プログラム。
【請求項12】
請求項1~のいずれか1項に記載の通信制御装置を搭載した車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどのネットワークに接続するための通信手段として複数の通信方式(セルラー(4G/5G)や無線LANなど)を実装する移動機器では、複数の通信方式の中から移動機器の置かれた状況に応じた最適な1つの通信方式を自動又は手動で選択することが行われている。
【0003】
特許文献1には、車両などに搭載される移動端末のネットワーク通信を柔軟かつ安定的に行うシステムが開示されている。このシステムでは、各通信方式による通信が可能なエリアを示す情報を用いて、現在の車両の位置及び速度に基づいて所定時間後(数秒後)の車両が存在するエリアを予測し、この予測したエリアにおける移動機器の最適な通信方式を決定する制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-012563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の技術では、予測時から所定時間が実際に経過した後の移動機器の通信方式を、所定時間前に予測した通信方式に切り替える。しかしながら、通信方式の切り替え時に車両が予測したエリアに存在せず、切り替えた通信方式によるネットワークの接続ができなかったり、希望の通信帯域が得られなかったりする虞がある。従って、移動機器などの装置が移動する際の通信方式を制御する仕組みには、更なる改善の余地がある。
【0006】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、移動する際の通信方式を好適に制御することができる通信制御装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示技術の一態様は、複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置であって、通信制御装置が移動する予定経路として第1経路を取得する取得部と、通信制御装置が外部機器に接続可能な位置と、複数の通信方式のうちその位置において利用可能な通信方式とを少なくとも対応付けた、通信可能性情報を記憶する記憶部と、通信制御装置が移動する間に通信制御装置に実装されたアプリケーションが外部機器との通信に使用する通信方式を、第1経路、通信可能性情報、及びアプリケーションが要求する通信内容に基づいて制御する制御部と、アプリケーションと外部機器との通信を、制御部で制御される通信方式を用いて実行する通信部とを備える、通信制御装置である。
【0008】
また、本開示技術の他の一態様は、通信制御装置が移動する予定経路として第1経路を取得する取得部と、通信制御装置が外部機器に接続可能な位置と、複数の通信方式のうちその位置において利用可能な通信方式とを少なくとも対応付けた、通信可能性情報を記憶する記憶部と、通信制御装置が移動する間に通信制御装置に実装されたアプリケーションが外部機器との通信に使用する通信方式を、第1経路、通信可能性情報、及びアプリケーションが要求する通信内容に基づいて制御する制御部と、アプリケーションと外部機器との通信を、制御部で制御される通信方式を用いて実行する通信部と、を含む、複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置のコンピューターが実行する通信制御方法や、通信制御装置のコンピューターに実行させる制御プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
上記本開示の通信制御装置などによれば、通信制御装置が移動する間にアプリケーションが外部機器との通信に使用する通信方式を、予定経路(第1経路)、通信可能性情報、及びアプリケーションが要求する通信内容に基づいて制御するため、移動する際の通信方式をより好適に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る通信制御装置とその周辺部の機能ブロック図
図2】通信可能性データベースが記憶する通信可能性情報の一例を示す図
図3A】第1の実施形態に係る通信制御装置が実行する通信制御の処理手順を示すフローチャート
図3B】第1の実施形態に係る通信制御装置が実行する通信制御の処理手順を示すフローチャート
図4】第2の実施形態に係る通信制御装置とその周辺部の機能ブロック図
図5】第3の実施形態に係る通信制御装置とその周辺部の機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の通信制御装置は、自ら移動する間に通信制御装置が実装するアプリケーションが外部機器との通信に使用する通信方式を、通信制御装置が移動を予定している経路、通信制御装置が外部機器に接続可能な位置とその位置において利用可能な通信方式とを対応付けた通信可能性情報、及びアプリケーションで発生したデータ送受信要求が定めた通信内容に基づいて制御する。この制御によって、予定した位置で通信制御装置が外部機器に接続できなかったり、通信制御装置が外部機器に接続できても希望する通信帯域が得られなかったりすることが回避されるため、通信制御装置が移動する際の通信方式を最適に制御することができる。
【0012】
本開示の通信制御装置は、複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な装置である。以下、本開示の各実施形態について、通信制御装置が車両などの移動機器に搭載された例を挙げて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
[構成]
図1は、本開示の第1の実施形態に係る通信制御装置100とその周辺部の機能ブロック図である。図1に例示した機能ブロックは、車両に搭載された通信制御装置100と、センター500と、を備える。
【0014】
センター500は、通信制御装置100と通信を行うことで、通信制御装置100が有するサービスの提供を受けたり、自らが有するサービスを通信制御装置100に提供したりすることを行う、車両以外の外部機器である。このセンター500は、例えば、サーバーなどの固定設備であってもよいし、スマートフォンなどの移動端末であってもよい。
【0015】
通信制御装置100は、電源状態検出部110と、通信制御部120と、外部通信アプリケーション部130と、外部通信部140と、経路決定部150と、を備える。
【0016】
電源状態検出部110は、現在の通信制御装置100の電源状態を検出したり、後述する経路決定部150が出力する予定経路に基づいて将来の通信制御装置100の電源状態を推定したり、することができる。通信制御装置100の電源状態とは、通信制御装置100が内蔵するバッテリー(図示せず)の蓄電量や充放電の状態などである。例えば、通信制御装置100がプラグイン充電可能な電動車両(PHV)に搭載されている場合には、車両の充放電の状態として、モータージェネレータで発電しており車載バッテリーへの充電が可能な状態である「IG状態」、モータージェネレータで発電しておらず車載バッテリーへの充電がされない状態である「+B状態」、及び外部電源設備から車載バッテリーにプラグインで充電を行っている状態である「PlugIn状態」など、を設定することができる。また、電源状態検出部110は、現在の通信制御装置100が使用できる電力を検出したり、予定経路上で通信制御装置100が使用できる電力を推定したり、することができる。電源状態検出部110は、通信制御装置100の電源状態及び使用可能電力に関する情報を通信制御部120に出力する。
【0017】
外部通信アプリケーション部130は、通信制御装置100に実装されるアプリケーションを含み、センター500と通信することによって所定のサービスを実施することができる。本実施形態では、外部通信アプリケーション部130として、第1アプリ131、第2アプリ132、及び第3アプリ133の3つのアプリケーションが実装されている例を示しているが、通信制御装置100に実装されるアプリケーションの数は、これに限られるものではない。
【0018】
外部通信アプリケーション部130は、第1アプリ131、第2アプリ132、及び第3アプリ133の1つ又は複数から発生するデータ送信の要求及び/又はデータ受信の要求(以下「通信ニーズ」という)を、通信制御部120に出力する。通信ニーズには、通信に要求される内容(通信内容)として、通信するデータの量(通信データ量)、通信の遅延が許容される時間(許容通信遅延時間)、通信を中断してよいか否か(通信中断可否)、及び許容される通信のためのコスト(許容通信コスト)の少なくとも1つに関する制約情報が含まれている。また、外部通信アプリケーション部130は、通信ニーズを実現するために許可された外部通信部140の通信方式及び通信タイミングに関する通知を、通信制御部120(後述の通信方策決定通知部124)から受け取る。そして、外部通信アプリケーション部130は、通信制御部120から受け取った通知に基づいて、外部通信部140を介したセンター500へのデータ送信又はセンター500からのデータ受信を実施する。
【0019】
外部通信アプリケーション部130に実装されるアプリケーションとしては、車両の走行中に収集した所定のデータ(フィールドデータ)を、センター500に随時アップロードするアプリケーション(FOT(Field of Test)アプリ)を例示できる。また、経路案内をするために必要な地図データを適宜取得するナビゲーション、所謂ハイブリッドナビゲーションに用いられる走行予定先の地図データを、センター500からダウンロードするアプリケーション(ハイブリッドナビアプリ)を例示できる。また、センター500からの要求に基づいて、車両の状態に関するデータなどを、センター500にアップロードするアプリケーション(リモートサービスアプリ)が考えられる。また、ECUなどのソフトウエアを更新するための更新プログラムを、センター500からダウンロードするアプリケーション(OTA(Over The Air)アプリ)を例示できる。
【0020】
外部通信部140は、通信制御装置100をセンター500に直接又はネットワークを介して接続するための通信インタフェースである。本実施形態の外部通信部140は、通信手段として、セルラー4Gの通信方式を用いる第1通信部141、セルラー5Gの通信方式を用いる第2通信部142、無線LANの通信方式を用いる第3通信部143、及び有線LANの通信方式を用いる第4通信部144を備えている例を示している。なお、外部通信部140が備える通信部の数や扱う通信方式は、図示したものに限られるものではない。また、外部通信部140は、第1通信部141、第2通信部142、第3通信部143、及び第4通信部144のそれぞれが正常に動作しているか否かを示す動作情報を、通信制御部120(後述の通信方策決定通知部124)に出力する。
【0021】
経路決定部150は、通信制御装置100が移動(走行)する予定経路を決定することができる。この経路決定部150には、一例として、地図データに基づいて目的地点までの経路案内を行うナビゲーション機能や、車両が全ての運転制御を行う自動運転機能や、ACC(Adaptive Cruise Control)などの車両が運転の一部の制御を支援する運転支援機能が含まれる。経路決定部150は、これらの機能が決定した予定経路に関する情報(通過位置、通過位置間の移動速度など)を通信制御部120(後述の通信可能性予測部121)に出力する。また、経路決定部150は、通信制御部120(後述の経路検討部123)から代替経路が提案された場合、現在の予定経路を代替経路に変更するか否かを、安全性や移動ニーズ(到着時刻、移動コスト、快適性など)によって定められる所定の条件に基づいて判断することができる。
【0022】
通信制御部120は、通信制御装置100とセンター500との間で行われる通信を制御する。この通信制御部120は、通信可能性予測部121と、通信可能性データベース(DB)122と、経路検討部123と、通信方策決定通知部124と、を含む。
【0023】
通信可能性データベース122は、通信制御装置100がセンター500に接続可能な位置と、外部通信部140が備える複数の通信方式のうち各位置において利用可能な通信方式とを少なくとも対応付けた、通信可能性情報を記憶する記憶部である。図2に、通信可能性データベース122が記憶する通信可能性情報の一例を示す。
【0024】
図2に示す通信可能性情報では、各位置における時刻ごとに、通過速度、通信可能方式、通信可能帯域、天候、送受信電力、切断率、及び誤り率が、それぞれ対応付けて記憶されている。位置は、一例として、緯度経度で示される地点(いわゆる地図データでいうノード)や、2つの地点を結んだ直線(同リンク)や、4つの地点で囲まれた領域(同メッシュ)などである。時刻は、基本的には時分の情報であり、さらに月、日、曜日などの情報を含んでもよい。通過速度は、通信制御装置100がその位置を通過したときの速度である。なお、位置が直線や領域の場合には、ある箇所における速度の瞬時値であってもよいし、速度の平均値や最大値としてもよい。通信可能方式は、その位置において各時刻及び通過速度の条件下で通信制御装置100が利用可能な通信方式を示す。通信可能帯域は、その位置において各時刻、通過速度、及び通信方式の条件下で通信制御装置100が利用可能な通信帯域を示す。天候は、晴れ、雨、雪などの気象状態であり、その位置及び時刻において各通過速度、通信可能方式、及び通信可能帯域を得られたときの天候を示す。送受信電力は、その位置において各時刻、通過速度、通信方式、及び天候の条件下で通信制御装置100が送受信可能な電力を示す。切断率は、その位置において各時刻、通過速度、通信方式、通信可能帯域、天候、及び送受信電力の条件下で通信制御装置100とセンター500との通信が切断されてしまう割合を示す。誤り率は、その位置において各時刻、通過速度、通信方式、通信可能帯域、天候、及び送受信電力の条件下で通信制御装置100とセンター500との通信に誤りが生じてしまう割合を示す。なお、上述した天候、送受信電力、切断率、及び誤り率の情報は、省略してもかまわない。また、通信制御装置100の通信アンテナの取り付け場所に応じて通信可能性情報が異なるような場合には、通信アンテナの取り付け場所ごとに通信可能性情報を記憶していてもよい。
【0025】
通信可能性予測部121は、経路決定部150が決定した予定経路を取得する。そして、通信可能性予測部121は、通信制御装置100の状態に関する情報(位置、速度など)及び通信制御装置100の周辺の状態に関する情報(時刻、天候など)と通信可能性データベース122が記憶する通信可能性情報とに基づいて、経路決定部150から取得した予定経路上における通信可能性を予測する。本実施形態における通信可能性とは、通信可能方式、通信可能帯域、送受信電力、切断率、及び誤り率である。
【0026】
通信方策決定通知部124は、少なくとも通信可能性予測部121が予測した予定経路上における通信可能性と外部通信部140から出力される動作情報とに基づいて、外部通信アプリケーション部130から受け付けた通信ニーズを実行するために最適な通信方式及び通信タイミングを決定する。通信ニーズが複数ある場合には、通信方策決定通知部124は、各通信ニーズに予め付与された優先度などに基づいて、通信ニーズごとに通信方式及び通信タイミングをそれぞれ決定する。また、通信方策決定通知部124は、さらに電源状態検出部110が検出した通信制御装置100の電源状態や予測した予定経路上の使用可能電力に基づいて、通信ニーズを実行するために最適な通信方式及び通信タイミングを決定してもよい。なお、通信方式及び通信タイミングは、通信ニーズごとではなく外部通信アプリケーション部130が実装するアプリごと(第1アプリ131、第2アプリ132、及び第3アプリ133)に決定してもよい。そして、通信方策決定通知部124は、決定した通信方式及び通信タイミングに従って、外部通信アプリケーション部130に対して該当する通信ニーズを実行するための通信方式を通知する。
【0027】
経路検討部123は、外部通信アプリケーション部130から受け付けた通信ニーズを実行するために最適な経路が、経路決定部150が既に決定している現在の予定経路以外に存在するか否かを検討する。この検討は、通信ニーズが要求する通信内容である通信データ量、許容通信遅延時間、通信中断可否、及び許容通信コストに基づいて実施される。この検討内容の詳細については、後述する。また、経路検討部123は、さらに電源状態検出部110が検出した通信制御装置100の電源状態や予測した予定経路上の使用可能電力に基づいて、電力が削減できるか否かの項目を検討してもよい。経路検討部123は、経路の検討を行った結果、予定経路以外の最適な代替経路が存在する場合に、経路決定部150に対して代替経路への変更を提案する。
【0028】
なお、上述した通信制御装置100の一部又は全部は、典型的にはマイコンなどのプロセッサ、メモリ、及び入出力インタフェースなどを含んだ電子制御装置(ECU)として構成され得る。この電子制御装置は、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが読み出して実行することによって、電源状態検出部110、通信制御部120、外部通信アプリケーション部130、外部通信部140、及び経路決定部150の一部又は全部の機能を実現することができる。
【0029】
[制御]
次に、図3A及び図3Bをさらに参照して、本実施形態の通信制御装置100で行われる制御を説明する。図3A及び図3Bは、通信制御装置100が実行する通信制御の処理手順を示すフローチャートである。なお、図3Aの処理と図3Bの処理とは、結合子X、Y、Zでそれぞれ結ばれる。
【0030】
図3に示す通信制御は、例えば、経路決定部150において通信制御装置100が移動する予定である予定経路が決定されると開始される。
【0031】
(ステップS301)
外部通信アプリケーション部130は、第1アプリ131、第2アプリ132、及び第3アプリ133において1つ又は複数の通信ニーズが新たに発生したか否かを判断する。通信ニーズが新たに発生した場合は(S301、はい)、ステップS302に処理が進む。発生した通信ニーズは、通信制御部120に出力される。一方、通信ニーズが新たに発生していない場合は(S301、いいえ)、ステップS312に処理が進む。
【0032】
(ステップS302)
通信制御部120は、外部通信アプリケーション部130から通信ニーズを入力(受け付ける)すると、通信可能性予測部121が、経路決定部150で決定された予定経路(第1経路)を経路決定部150から取得する。予定経路(第1経路)が取得されると、ステップS303に処理が進む。
【0033】
(ステップS303)
通信制御部120の通信可能性予測部121は、通信可能性データベース122に記憶された通信可能性情報に基づいて、経路決定部150で決定された予定経路(第1経路)上の各位置における通信可能性(通信可能方式、通信可能帯域など)をそれぞれ予測する。予定経路(第1経路)上の通信可能性の予測が終了すると、ステップS304に処理が進む。
【0034】
(ステップS304)
通信制御部120の経路検討部123は、経路決定部150で決定された予定経路(第1経路)と、外部通信アプリケーション部130で発生した通信ニーズと、通信可能性データベース122に記憶された通信可能性情報とに基づいて、予定経路(第1経路)の変更を検討する。具体的には、経路検討部123は、通信ニーズが要求する通信内容(通信データ量、許容通信遅延時間、通信中断可否、許容通信コスト)を、現在の予定経路(第1経路)を移動する場合よりもより満足することが可能な代替経路(第2経路)があるか否かを検討する。ここで、通信ニーズの要求をより満足するケースとしては、予定経路(第1経路)では無線LANを使用できる位置を通過しないが、代替経路(第2経路)では無線LANを使用できる位置を経由することができるため通信コストが抑えられるといった場合や、予定経路(第1経路)でも許容通信遅延時間以内を満足することができるが、代替経路(第2経路)ではより少ない遅延時間で通信を行うことができるといった場合など、通信効率が高くなる場合を例示できる。なお、経路変更の検討に必要な地図データなどの情報は、経路決定部150から取得してもよいし、経路検討部123が自ら有していてもよいし、あるいは他の構成から取得してもよい。予定経路(第1経路)の変更検討が終了すると、ステップS305に処理が進む。
【0035】
(ステップS305)
通信制御部120の経路検討部123は、予定経路(第1経路)の変更を検討した結果、変更できる代替経路(第2経路)があるか否かを判断する。代替経路(第2経路)は、1つでも2つ以上でもよい。代替経路(第2経路)がある場合は(S305、はい)、ステップS306に処理が進む。代替経路(第2経路)は、経路決定部150に出力されて、予定経路(第1経路)の変更が提案される。一方、代替経路(第2経路)がない場合は(S305、いいえ)、ステップS308に処理が進む。
【0036】
(ステップS306)
経路決定部150は、通信制御部120から提案された代替経路(第2経路)について、現在の予定経路(第1経路)に要求されている所定の条件を満足するか否かを判断する。所定の条件としては、目的地点への希望到着時刻、目的地点までにかかる移動コスト(燃料費、有料道路料金など)、及び快適性(渋滞の有無、山道の有無など)が、例示できる。代替経路(第2経路)が所定の条件を満足する場合は(S306、はい)、ステップS307に処理が進み、代替経路(第2経路)が所定の条件を満足しない場合は(S306、いいえ)、ステップS308に処理が進む。
【0037】
(ステップS307)
経路決定部150は、通信制御装置100の予定経路を、現在決定されている予定経路(第1経路)から代替経路(第2経路)に変更する。予定経路が変更されると、ステップS308に処理が進む。
【0038】
(ステップS308)
通信制御部120の通信可能性予測部121は、経路決定部150から変更後の予定経路(第2経路)を再び取得する。予定経路(第2経路)が再び取得されると、ステップS309に処理が進む。
【0039】
(ステップS309)
通信制御部120の通信可能性予測部121は、通信可能性データベース122に記憶された通信可能性情報に基づいて、予定経路(第2経路)上の各位置における通信可能性をそれぞれ再び予測する。予定経路(第2経路)上の通信可能性の再予測が終了すると、ステップS310に処理が進む。
【0040】
(ステップS310)
通信制御部120の通信方策決定通知部124は、外部通信部140の状態を取得する。外部通信部140の状態とは、第1通信部141、第2通信部142、第3通信部143、及び第4通信部144のそれぞれが、使用可能な状態にあるか否かを示す情報である。使用不可能な状態としては、通信部の故障や通信部への電源の未供給などが例示できる。外部通信部140の状態が取得されると、ステップS311に処理が進む。
【0041】
(ステップS311)
通信制御部120の通信方策決定通知部124は、通信可能性予測部121で予測された予定経路(第1経路又は第2経路)上の通信可能性と、外部通信部140の状態とに基づいて、外部通信アプリケーション部130で発生した通信ニーズに関して、通信方式及び通信タイミングを示した通信方策を決定する。この通信方策としては、通信ニーズNについては、位置P1を通過するタイミングでは第3通信部143を介した無線LANの通信方式を用い、位置P2を通過するタイミングでは第1通信部141を介したセルラー5Gの通信方式を用いる、といった内容を例示できる。通信方策が決定されると、ステップS312に処理が進む。
【0042】
(ステップS312)
通信制御部120の通信方策決定通知部124は、決定した通信方策で示される通信タイミングになったか否かを判断する。通信タイミングになった場合は(S312、はい)、ステップS313に処理が進み、通信タイミングになっていない場合は(S312、いいえ)、ステップS315に処理が進む。
【0043】
(ステップS313)
通信制御部120の通信方策決定通知部124は、ステップS312で判断した通信タイミングで実施する通信方式を、外部通信アプリケーション部130における対象のアプリケーション(以下「対象アプリ」という)に通知する。対象アプリに通信方式が通知されると、ステップS314に処理が進む。
【0044】
(ステップS314)
外部通信アプリケーション部130の対象アプリは、通信制御部120から通知された通信方式を用いてセンター500との通信を実施する。具体的には、対象アプリが、通信制御部120から通知された通信方式を用いたセンター500との通信を外部通信部140に要求し、この要求に応じて外部通信部140が対象アプリとセンター500との通信を実現する。対象アプリとセンター500との通信を実施されると、ステップS315に処理が進む。
【0045】
(ステップS315)
経路決定部150は、通信制御装置100による予定経路(第1経路又は第2経路)の移動が終了したか否かを判断する。移動の終了には、通信制御装置100が予定経路の移動を中止した場合や、通信制御装置100が予定経路の目的地点に到着した場合などが、含まれる。予定経路の移動が終了していない場合は(S315、いいえ)、ステップS301に処理が進み、予定経路の移動が終了した場合は(S315、はい)、本通信制御の処理が終了する。
【0046】
上述したように、通信制御装置100が移動する予定経路を用いることによって、通信制御装置100がセンター500との通信に利用可能な通信方式を事前に高精度に予測することができる。これにより、現在状況に基づいて予測した将来の通信方式が利用(接続)できなかったり、予測した将来の通信帯域が得られなかったり、といった不具合の発生を防止することができる。
【0047】
[具体例]
次に、上述した通信制御装置100が実行する通信制御について、幾つか具体例を挙げて説明する。
【0048】
(1)FOTアプリによる可能な限りWiFi(登録商標)通信を活用したデータ送信の例
FOTアプリにテストデータが溜まると、FOTアプリからセンター500へのデータ送信を要求する通信ニーズが発生する。この通信ニーズには、要求される通信内容として、例えば溜まったデータから算出される通信データ量(例えば1GB)、残るテストデータの重要度や残りの記録容量などから算出される許容通信遅延時間(例えば12時間)、アプリの特性から導出される通信中断可否(例えば中断が可能)及び許容通信コスト(例えばWiFiの通信に限られた最小コスト)といった制約情報が含まれている。
【0049】
通信可能性予測部121は、通信可能性データベース122に記憶された通信可能性情報に基づいて、現在の予定経路上における幾つかの位置(通過地点)においてセルラー4G通信が利用でき、また他の幾つかの位置(交差点、駐車場)において無線LAN通信が利用できることを予測する。
【0050】
経路検討部123は、通信可能性データベース122に記憶された通信可能性情報に基づいて、予定経路よりも通信ニーズが要求する通信内容をより満足する経路を検討して、赤信号で停車して無線LAN通信を行うことができる2カ所の交差点、及び無線LAN通信を行うことができる駐車場を含む、代替経路を導出する。
【0051】
経路決定部150は、経路検討部123で導出された代替経路が、現在の予定経路に要求されている所定の条件(安全性、目的地点への希望到着時刻など)を満足するか否かをチェックする。この例の場合は所定の条件を満足するため、経路決定部150は、予定経路を代替経路に変更する。
【0052】
通信方策決定通知部124は、変更後の予定経路(代替経路)と通信ニーズで要求される通信内容とに基づいて、2カ所の交差点において赤信号で停車した時点を通信タイミングとし、無線LANを通信方式とした、通信方策を決定する。そして、通信方策決定通知部124は、決定した通信方策に従って、通信制御装置100が予定経路を移動して交差点で停止したタイミングで、無線LANを介した接続によってセンター500にデータ送信を行うようにFOTアプリに通知する。
【0053】
交差点で通信方策決定通知部124から通知を受けたFOTアプリは、この通知に応じて、第3通信部143に対して、無線LAN通信によるセンター500へのテストデータの送信を要求する。
【0054】
なお、通信方策決定通知部124は、駐車場に到着した時点で全てのテストデータがまだセンター500に送信されていない場合、無線LANを介した接続によってセンター500にデータ送信を行うようにFOTアプリに通知する。このとき、駐車場内において無線LANが接続できる場所が限られているような場合には、無線LANが接続できる駐車箇所へ移動するための経路変更が経路検討部123によって再度検討されることとなる。そして、通信制御装置100が無線LAN接続できる駐車箇所へ移動したタイミングで、通信方策決定通知部124は、無線LANを介した接続によってセンター500にデータ送信を行うようにFOTアプリに通知する。
【0055】
駐車場で通信方策決定通知部124から通知を受けたFOTアプリは、この通知に応じて、第3通信部143に対して、無線LAN通信によるセンター500へのテストデータの送信を要求する。
【0056】
(2)ハイブリッドナビアプリによるセルラー通信及びWiFi通信を活用したデータ受信の例
ハイブリッドナビが今後走行を予定する地域の地図データが必要になった場合、センター500からハイブリッドナビアプリへのデータ受信を要求する通信ニーズが発生する。この通信ニーズには、要求される通信内容として、例えば走行予定地域の地図データ量(例えば100MB)、走行予定地域への予定到達時刻から算出される許容通信遅延時間(例えば30分)、アプリの特性から導出される通信中断可否(例えば中断が可能)及び許容通信コスト(例えばセルラーとWiFiの通信を使用できる標準コスト)といった制約情報が含まれている。
【0057】
通信可能性予測部121は、通信可能性データベース122に記憶された通信可能性情報に基づいて、現在の予定経路上における幾つかの位置(通過地点)においてセルラー4G及び5G通信が利用でき、また他の幾つかの位置(交差点)において無線LAN通信が利用できることを予測する。
【0058】
通信方策決定通知部124は、予定経路と通信ニーズで要求される通信内容とに基づいて、20分以内は通信コストを優先するため、2カ所の交差点において赤信号で停車した時点を通信タイミングかつ無線LANを通信方式とし、20分以後は通信遅延時間を優先するため、接続可能な時点を通信タイミングかつセルラー4G及び5G通信を通信方式とした、通信方策を決定する。そして、通信方策決定通知部124は、決定した通信方策に従って、通信制御装置100が予定経路を移動して交差点で停止したタイミングで、無線LANを介した接続によってセンター500から地図データの受信を行うようにハイブリッドナビアプリに通知する。
【0059】
交差点で通信方策決定通知部124から通知を受けたハイブリッドナビアプリは、この通知に応じて、第3通信部143に対して、無線LAN通信によるセンター500からの地図データの受信を要求する。
【0060】
通信方策決定通知部124は、通信ニーズの発生から20分が経過すると(交差点の通過にかかわらず)、通信制御装置100がセルラー通信が可能なタイミングで、セルラー4G又は5Gを介した接続によってセンター500から地図データの受信を行うようにハイブリッドナビアプリに通知する。
【0061】
通信方策決定通知部124から通知を受けたハイブリッドナビアプリは、この通知に応じて、第1通信部141又は第2通信部142に対して、セルラー4G又は5G通信によるセンター500からの地図データの受信を要求する。
【0062】
(3)リモートサービスにおけるセンターからの要求でセルラー通信を活用したデータ送信の例
センター500に配置されているリモートサービスが、停車中の通信制御装置100に対して通信制御装置100が実装するリモートサービスアプリが保持する現在の状態データが必要になった場合、リモートサービスアプリからセンター500へのデータ送信を要求する通信ニーズが発生する。この通信ニーズには、要求される通信内容として、例えば現在の状態データの量(例えば100KB)、アプリの特性から導出される許容通信遅延時間(例えば即時)、通信中断可否(例えば中断が不可能)及び許容通信コスト(例えばセルラー通信のみを使用できる最大コスト)といった情報が含まれている。
【0063】
通信可能性予測部121は、通信可能性データベース122に記憶された通信可能性情報に基づいて、停車中の位置においてセルラー4G及び5G通信、及び無線LAN通信が利用できることを予測する。
【0064】
通信方策決定通知部124は、通信ニーズで要求される通信内容に従って、セルラー5G通信を通信方式とした通信方策を決定する。そして、通信方策決定通知部124は、決定した通信方策に従って、即時にセルラー5G通信を介した接続によってセンター500への状態データの送信を行うようにリモートサービスアプリに通知する。
【0065】
通信方策決定通知部124から通知を受けたリモートサービスアプリは、この通知に応じて、第2通信部142に対して、セルラー5G通信によるセンター500への状態データの送信を要求する。
【0066】
(4)FOTアプリとOTAアプリとが同時期に通信ニーズを発生させる例
FOTアプリにテストデータが溜まると、FOTアプリからセンター500へのデータ送信を要求する通信ニーズが発生する。この通信ニーズには、要求される通信内容として、例えば溜まったデータから算出される通信データ量(例えば1GB)、残るテストデータの重要度や残りの記録容量などから算出される許容通信遅延時間(例えば12時間)、アプリの特性から導出される通信中断可否(例えば中断が可能)及び許容通信コスト(例えばWiFiの通信に限られた最小コスト)といった情報が含まれている。
【0067】
OTAアプリにアップデートデータの受信要求がドライバーなどの利用者からあった場合、センター500からOTAアプリへのデータ受信を要求する通信ニーズが発生する。この通信ニーズには、要求される通信内容として、例えばアップデートデータ量(例えば200MB)、利用者の要求であることなどから算出される許容通信遅延時間(例えば1時間)、アプリの特性から導出される通信中断可否(例えば中断が可能)及び許容通信コスト(例えばWiFiの通信に限られた最小コスト)といった情報が含まれている。
【0068】
通信可能性予測部121は、通信可能性データベース122に記憶された通信可能性情報に基づいて、現在の予定経路上における幾つかの位置(通過地点)においてセルラー4Gが利用でき、また他の幾つかの位置(交差点、駐車場)において無線LAN通信が利用できることを予測する。
【0069】
経路検討部123は、通信可能性データベース122に記憶された通信可能性情報に基づいて、予定経路よりも少なくとも一方の通信ニーズで要求される通信内容をより満足する経路を検討して、赤信号で停車して無線LAN通信を行うことができる2カ所の交差点、及び無線LAN通信を行うことができる駐車場を含む、代替経路を導出する。
【0070】
経路決定部150は、経路検討部123で導出された代替経路が、現在の予定経路に要求されている所定の条件(安全性、目的地点への希望到着時刻など)を満足するか否かをチェックする。この例の場合は所定の条件を満足するため、経路決定部150は、予定経路を代替経路に変更する。
【0071】
通信方策決定通知部124は、双方の通信ニーズの許容通信遅延時間に基づいて、FOTアプリの通信ニーズよりもOTAアプリの通信ニーズを優先することを判断する。なお、通信ニーズで要求される通信内容において、各通信ニーズでの優先度が予め付与されていてもよい。そして、通信方策決定通知部124は、変更後の予定経路(代替経路)と双方の通信ニーズで要求される通信内容とに基づいて、2カ所の交差点において赤信号で停車した時点を通信タイミングとし、無線LANを通信方式とし、OTAアプリの通信ニーズを第1優先かつ、FOTアプリの通信ニーズを第2優先とした、通信方策を決定する。
【0072】
通信方策決定通知部124は、決定した通信方策に従って、通信制御装置100が予定経路を移動して交差点で停止したタイミングで、無線LANを介した接続によってセンター500からアップデートデータ受信を行うようにOTAアプリに通知する。
【0073】
交差点で通信方策決定通知部124から通知を受けたOTAアプリは、この通知に応じて、第3通信部143に対して、無線LAN通信によるセンター500からアップデートデータの受信を要求する。
【0074】
通信方策決定通知部124は、OTAアプリによるアップデートデータの受信が全て終了すると、決定した通信方策に従って、通信制御装置100が予定経路を移動して交差点で停止したタイミングで、無線LANを介した接続によってセンター500にデータ送信を行うようにFOTアプリに通知する。
【0075】
交差点で通信方策決定通知部124から通知を受けたFOTアプリは、この通知に応じて、第3通信部143に対して、無線LAN通信によるセンター500へのテストデータの送信を要求する。
【0076】
上述した具体例でわかるように、本実施形態に係る通信制御装置によれば、好適に通信方式を決定することができる。
【0077】
<第2の実施形態>
図4は、本開示の第2の実施形態に係る通信制御装置200とその周辺部の機能ブロック図である。図4に例示した機能ブロックは、車両に搭載された通信制御装置200と、センター500と、を備える。
【0078】
図4に示す第2の実施形態に係る通信制御装置200は、図1に示した第1の実施形態に係る通信制御装置100と比べて、経路決定部250及びヒューマンマシンインタフェース機器(HMI)210の構成が異なる。以下、この異なる構成を中心に第2の実施形態に係る通信制御装置200を説明する。
【0079】
ヒューマンマシンインタフェース機器210は、通信制御装置100とドライバーなどの利用者との間の情報伝達を担う機能部であり、予定経路を代替経路へ変更してよいか否かを問い合わせるための情報を利用者に提供することができる。問い合わせは、例えば、マルチインフォメーションディスプレイやメーターなどへの表示やスピーカーなどを介した音声などを用いて行われる。
【0080】
経路決定部250は、通信制御装置200が移動(走行)する予定経路を決定することができる。この経路決定部250には、一例として、地図データに基づいて目的地点までの経路案内を行うナビゲーション機能や、車両が全ての運転制御を行う自動運転機能や、ACCなどの車両が運転の一部の制御を支援する運転支援機能が含まれる。経路決定部250は、これらの機能が決定した予定経路に関する情報(通過位置、通過位置間の移動速度など)を通信制御部120(の通信可能性予測部121)に出力する。また、経路決定部250は、通信制御部120(の経路検討部123)から提案された代替経路が、安全性や移動ニーズ(到着時刻、移動コスト、快適性など)によって定められる所定の条件を満たす場合、利用者から許可を得た場合に限り現在の予定経路を代替経路に変更することを行う。
【0081】
上記第1の実施形態に係る通信制御装置100では、現在の予定経路(第1経路)を通信制御部120の経路検討部123によって検討された代替経路(第2経路)へ変更するか否かの判断を、経路決定部150が所定の条件に基づいて自動的に行う。これに対して、第2の実施形態に係る通信制御装置200は、現在の予定経路(第1経路)を通信制御部120の経路検討部123によって検討された代替経路(第2経路)へ変更してもよいか否かを、ヒューマンマシンインタフェース機器210を介してドライバーなどの利用者に問い合わせて、利用者から許可が得られた場合に限って現在の予定経路(第1経路)を代替経路(第2経路)へ変更する。このようにすれば、通信制御装置200が移動する予定経路がこれから変更されること又は既に変更されたことを利用者が理解することができるため、利用者が不信感や違和感を覚えてしまうなどといったことがなくなる。
【0082】
<第3の実施形態>
[構成]
図5は、本開示の第3の実施形態に係る通信制御装置100とその周辺部の機能ブロック図である。図5に例示した機能ブロックは、車両に搭載された通信制御装置300と、センター500と、を備える。
【0083】
図5に示す第3の実施形態に係る通信制御装置300は、図1に示した第1の実施形態に係る通信制御装置100と比べて、通信制御部320、外部通信アプリケーション部330、及び外部通信部340の構成が異なる。以下、この異なる構成を中心に第3の実施形態に係る通信制御装置300を説明する。
【0084】
外部通信アプリケーション部330は、通信制御装置300に実装されるアプリケーションを含み、センター500と通信することによって所定のサービスを実施することができる。本実施形態では、外部通信アプリケーション部330として、第1アプリ131、第2アプリ132、及び第3アプリ133の3つのアプリケーションが実装されている例を示している。なお、第1アプリ131、第2アプリ132、及び第3アプリ133については、上述したとおりである。
【0085】
外部通信アプリケーション部330は、第1アプリ131、第2アプリ132、及び第3アプリ133の1つ又は複数から発生するデータ送信の要求及び/又はデータ受信の要求である通信ニーズを、通信制御部320に出力する。通信ニーズは、上述したとおりである。また、外部通信アプリケーション部330は、通信ニーズがデータ送信の要求である場合には、送信すべきデータを通信制御部320(後述の通信データ一時保管部326)に予め出力しておく。
【0086】
外部通信部340は、通信制御装置300をセンター500に直接又はネットワークを介して接続するための通信インタフェースである。本実施形態の外部通信部340は、通信手段として、第1通信部141、第2通信部142、第3通信部143、及び第4通信部144を備えている例を示している。なお、第1通信部141、第2通信部142、第3通信部143、及び第4通信部144については、上述したとおりである。また、外部通信部340は、第1通信部141、第2通信部142、第3通信部143、及び第4通信部144のそれぞれが正常に動作しているか否かを示す動作情報を、通信制御部320(の通信方策決定通知部124)に出力する。また、外部通信部340は、通信ニーズがデータ受信の要求である場合には、センター500から受信したデータを通信制御部320(の通信データ一時保管部326)に予め出力しておく。
【0087】
通信制御部320は、通信制御装置300とセンター500との間で行われる通信を制御する。この通信制御部320は、通信可能性予測部121と、通信可能性データベース(DB)122と、経路検討部123と、通信方策決定通知部324と、通信方策実行部325と、通信データ一時保管部326と、を含む。第3の実施形態の通信制御部320は、第1の実施形態の通信制御部120と比べて、通信方策決定通知部324、通信方策実行部325、及び通信データ一時保管部326の構成が異なる。
【0088】
通信方策決定通知部324は、少なくとも通信可能性予測部121が予測した予定経路上における通信可能性と外部通信部340から出力される動作情報とに基づいて、外部通信アプリケーション部330から受け付けた通信ニーズを実行するために最適な通信方式及び通信タイミングを決定する。通信ニーズが複数ある場合には、通信方策決定通知部324は、各通信ニーズに予め付与された優先度などに基づいて、通信ニーズごとに通信方式及び通信タイミングをそれぞれ決定する。また、通信方策決定通知部324は、さらに電源状態検出部110が検出した通信制御装置300の電源状態や予測した予定経路上の使用可能電力に基づいて、通信ニーズを実行するために最適な通信方式及び通信タイミングを決定してもよい。なお、通信方式及び通信タイミングは、通信ニーズごとではなく外部通信アプリケーション部330が実装するアプリごとに決定してもよい。そして、通信方策決定通知部324は、決定した通信方式及び通信タイミングを通信方策実行部325に通知する。
【0089】
通信方策実行部325は、通信方策決定通知部324から通知された通信ニーズごとの通信方式及び通信タイミングに従って、通信タイミングで通信データ一時保管部326及び外部通信部340に対して指示を行ってセンター500との通信を実行する。具体的には、通信ニーズがデータ送信である場合、通信タイミングが来ると、通信方策実行部325は、通信データ一時保管部326に対して事前に保管済みの送信データを外部通信部340に送出するように指示し、かつ外部通信部340に対して通信データ一時保管部326から送られてくる送信データを決定された通信方式に従ってセンター500へ送信する指示を行う。また、通信ニーズがデータ受信である場合、通信タイミングが来ると、通信方策実行部325は、外部通信部340に対して決定された通信方式に従ってセンター500からデータを受信する指示を行い、かつ通信データ一時保管部326に対して外部通信部340が受信したデータを取得して外部通信アプリケーション部330に出力するように指示する。
【0090】
通信データ一時保管部326は、通信データを一時的に保管することができるメモリであり、外部通信アプリケーション部330及び/又は通信方策実行部325からの指示に基づいて、送信データ及び/又は受信データを入力して保管し、また保管した送信データ及び/又は受信データを出力することができる。
【0091】
上記第1の実施形態に係る通信制御装置100では、外部通信アプリケーション部130の通信ニーズが発生したアプリが、通信方策決定通知部124から通信タイミングに従った通知があるたびに、外部通信部140にデータを送信したり、外部通信部140からデータを受信したりする必要があった。このため、データの送受信処理に関するアプリの負荷が大きかった。これに対して、第3の実施形態に係る通信制御装置300は、通信制御部320が外部通信アプリケーション部330と外部通信部340との間のデータの送受信を一元的に制御しているので、通信ニーズが発生したアプリは、通信方式や通信タイミングに縛られることなく、全てのデータを事前に通信データ一時保管部326に預けたり、全てのデータを通信データ一時保管部326から一括で受信したりすることができるため、データの送受信処理に関するアプリの負荷が軽減することができる。
【0092】
<作用・効果>
上述した本開示の各実施形態に係る通信制御装置によれば、通信制御装置が搭載された車両が移動する間にアプリケーションが外部機器であるセンターとの通信に使用する通信方式を、予定経路、通信可能性情報、及びアプリケーションで発生した通信ニーズが要求する通信内容に基づいて制御する。この制御によって、予定した位置で通信制御装置がセンターに接続できなかったり、通信制御装置がセンターに接続できても希望する通信帯域が得られなかったりすることが回避されるため、移動する際の通信方式を最適に制御することができる。
【0093】
例えば、予定経路上にトンネルなどの通信方式が限られる場所があるような場合、本開示の方法では、通信制御装置がトンネルを通過することを把握できるのでトンネル通過時に最適な通信方式を事前に正確に予測できる。よって、トンネルを通過する直前で通信制御装置の通信方式を事前に予測した通信方式に切り替えることで、不必要な通信方式の切り替え処理がなくなり、電力効率の悪化や通信の一時的な遮断又は遅延の発生を防ぐことができる。また、周辺に予定経路とは異なるトンネルを通過しない経路が存在したとしても、本開示の方法では予定経路に基づいて通信方式を制御するため、トンネルを通過するかしないかを判断できずに確実に接続できる通信コストが高い通信方式でスタンバイしておくといった必要がないため、通信コストを抑制することができる。
【0094】
また、通信制御装置の電源状態がIG状態であるときに通信ニーズが発生したような場合、近い将来に電源状態がPlugIn状態となる位置が予定経路上に存在していれば、本開示の方法では、経路途中の交差点で無線LAN接続による通信を行わずに充電スタンドで有線LAN接続による通信を行う制御が可能となる。これにより、発電電力を無駄に消費して無線通信を行うことがなくなり、消費エネルギー及び通信コストを抑制することができる。
【0095】
また、本開示の方法では、予定経路に基づいて、無線LANに接続ができる交差点にどのくらいの時間を停車し、かつどれくらいのデータ量を送受信できるかを、高精度で予測できるため、全てのデータを中断することなく通信し切る制御が可能となる。これにより、データの再送処理による電力効率の悪化を防ぐことができる。また、通信ニーズが許容する範囲(到着時刻、移動コスト、快適性など)で、無線LANに接続ができる交差点に停車する代替経路に意図的に変更することで、更なる電力の効率化及び通信コストの削減を図ることができる。
【0096】
また、広い駐車場において通信環境に偏在があるような場合、本開示の方法では、通信環境がよい(無線LANに接続ができる、通信帯域が広い、切断率が低いなど)場所に、通信制御装置が搭載された車両が駐車されるように予定経路を変更することができる。これにより、駐車中に短時間で通信を完了させることができるため、更なる電力の効率化及び通信コストの削減を図ることができる。
【0097】
以上、本開示の一実施形態を説明したが、本開示は、通信制御装置、プロセッサとメモリとを備えた通信制御装置が実行するバッテリー制御方法、バッテリー制御方法を実行するための制御プログラム、制御プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な非一時的記憶媒体、及び通信制御装置を含めた電源システムを搭載した車両として捉えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本開示は、複数の通信方式を用いて外部機器に接続可能な通信制御装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0099】
100、200、300 通信制御装置
110 電源状態検出部
120、320 通信制御部
121 通信可能性予測部
122 通信可能性データベース(DB)
123 経路検討部
124、324 通信方策決定通知部
130、330 外部通信アプリケーション部
131 第1アプリ
132 第2アプリ
133 第3アプリ
140、340 外部通信部
141 第1通信部(4G)
142 第2通信部(5G)
143 第3通信部(無線LAN)
144 第4通信部(有線LAN)
150、250 経路決定部
210 ヒューマンマシンインタフェース機器(HMI)
325 通信方策実行部
326 通信データ一時保管部
500 センター
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5