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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】フェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20240918BHJP
   E04H 17/16 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
E04H17/14 103A
E04H17/16 105Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020174711
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022065911
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏 貴夫
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-029529(JP,U)
【文献】登録実用新案第3201591(JP,U)
【文献】実開昭61-085669(JP,U)
【文献】特開2007-100453(JP,A)
【文献】特開2005-226374(JP,A)
【文献】実開昭62-094263(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第03502379(EP,A1)
【文献】米国特許第04558851(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00 -17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュパネルと、笠木と、支柱とを備え、メッシュパネルは、一方のメッシュパネルとこれに隣接する他方のメッシュパネルがあり、各々上部に一体形成した胴縁を備えており、
一方のメッシュパネルと他方のメッシュパネルが各々異なる支柱に固定されており、
笠木は、一方のメッシュパネルの胴縁と他方のメッシュパネルの胴縁に跨って胴縁に固定されていることを特徴とするフェンス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土地を仕切るフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
土地を仕切るフェンスは、下記非特許文献1に記載されているように、複数枚のメッシュパネルを隣地境界等に沿わせて立設したものが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「パブリックエクステリア 総合カタログ 2020(STX1373B)」三協立山株式会社三協アルミ社、2020年6月発行、P.304
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のフェンスは、互いに隣接する一方のメッシュパネルの端部と他方の端部とを連結具により連結すると共に、支柱に対してメッシュパネルを固定具により固定することで、一つのフェンスとして構成されており、強風等でフェンスが倒れたり飛ばされたりしないように、高い強度を有するフェンスが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の課題を解決するために請求項1記載によるフェンスは、メッシュパネルと、笠木と、支柱とを備え、メッシュパネルは、一方のメッシュパネルとこれに隣接する他方のメッシュパネルがあり、各々上部に一体形成した胴縁を備えており、一方のメッシュパネルと他方のメッシュパネルが各々異なる支柱に固定されており、笠木は、一方のメッシュパネルの胴縁と他方のメッシュパネルの胴縁に跨って胴縁に固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上の構成により、高い強度を有するフェンスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るフェンスの道路側(前側)から見た正面図である。
図2図1の道路側(前側)から見た一部切欠斜視図であり、笠木を取り外した状態を示す。
図3】(a)は図1の(3a)-(3a)線拡大断面図、(b)は図1の(3b)-(3b)線拡大断面図であり上胴縁側を示す。
図4】笠木の取付け構造を示す分解斜視図である。
図5図3(a)を後側から見た部分図である。
図6図3(b)を後側から見た部分図である。
図7】(a)は小口キャップの斜視図、(b)は中間小口キャップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態のフェンスAを説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0009】
[フェンスの構成]
本実施形態で示すフェンスAは、図1及び図2に示すように、地面gに所定間隔を空けて立設された複数(図1において4本)の支柱bと、支柱b間に架設された複数(図1において3枚)のメッシュパネルa1~a3と、メッシュパネルa1、a2の上縁の上胴縁a10、a20に取り付けられた2本の笠木1、2とを備えており、道路側(以下「前側」という)と建物側(以下「後側」という)とを隔てるように立設されている。
【0010】
本実施形態では、3枚のメッシュパネルa1~a3のうち、メッシュパネルa1、a2の上胴縁a10、a20に笠木1、2を設けた構成を示しているが、本発明では、メッシュパネルa3の上胴縁a30にも笠木を設けた構成としてもよい(図示せず)。
また、本実施形態では、笠木1、2同士を連続して隣接するように設けた構成を示しているが、本発明では、笠木1、2同士を離間させて設けた構成としてもよい。
また、笠木1、2は、上胴縁a10~a30と後述する下胴縁a11~a31との双方に設けてもよいし、下胴縁a11~a31のみに設けてもよい。
【0011】
メッシュパネルa1~a3は、図1及び図2に示すように複数の金属製の竪線材L1と横線材L2とを直交するように配置してなるものであり、図2に示すように、上縁の全域に上胴縁a10~a30が形成され、下縁の全域に下胴縁a11~a31が形成されている。
メッシュパネルa1~a3は、図3に示すように、それぞれ支柱bに対して固定具b1により固定され、隣合うメッシュパネルa1~a3の上胴縁a10~a30の側縁同士を連結具cを用いて連結し、下胴縁a11~a31の側縁同士を連結具cと同じ構成の連結具(図示せず)を用いて連結している。
上胴縁a10~a30及び下胴縁a11~a31は、前側へ突出するように形成された側面半円状に形成されている。
【0012】
[笠木の構成]
笠木1、2は、図1図3に示すように、左右方向に長尺な断面凹状に形成されたものであり、笠木1が左側のメッシュパネルa1の上胴縁a10に取り付けられ、笠木2が中央のメッシュパネルa2の上胴縁a20に取り付けられている。
笠木1、2は、図2及び図3に示すように、上胴縁a10、a20に前側(前側へ突出する側から被せるように嵌合させて固定されており、笠木1と笠木2同士が後述する固定板3を介して連結固定されている。
【0013】
上胴縁a10、a20に対する笠木1、2の固定構造は、図2図6に示すように、笠木1、2に設けられた嵌合凹部10、11、20、21に嵌合された固定板3に対し、取付金具4を上胴縁a10、a20の後側から横線材L2を挟み込んで対面させると共に、取付金具4の後側からビス5を固定板3にねじ込むことで締結するものである。
嵌合凹部10、11は、笠木1の長手方向(左右方向)の全域にわたるように設けられており、図3(a)に示すように、上側の嵌合凹部10を下向き開放とし、下側の嵌合凹部11を上向き開放として、それぞれ前面部の後側に形成されている。
上側の嵌合凹部20及び下側の嵌合凹部21は、図3(b)に示すように、上側の嵌合凹部10及び下側の嵌合凹部11と、それぞれ同じ位置及び形状として形成されていると共に、左右方向で連続するように設けられている。
このような固定構造によって、笠木1、2の固定を後側(家屋側)から行うことができるため、前側(道路側)での歩行者の通行を妨げることを防ぐことができる。
また、図5及び図6に示すように、固定構造及び上胴縁a10、a20の突出部分が笠木1、2によって前側から見えないように隠されているため、フェンスAの前側の意匠性を笠木1、2により高めることができる。
【0014】
笠木1の左端部には、図3及び図5に示すように、小口キャップ12が取り付けられており、笠木1の左端部の全域及び上胴縁a10の左端部の全域を隠すようにしている。
小口キャップ12は、図7(a)に示すように、笠木1の左端部の全域及び上胴縁a10の全域を隠すカバー板12aと、笠木1の嵌合凹部10、11に左端部から挿し込む挿入板12bとを備えている。
カバー板12aは、笠木1の左端部及び上胴縁a10の左端部と正対し、挿入板12bは、笠木1の左右方向に沿うようにカバー板12aに対して突設されている。
小口キャップ12の固定構造は、図3及び図5に示すように、嵌合凹部10、11に嵌合された固定板3に対して上胴縁a10の後側からのねじ止めにより締結したものである。
【0015】
笠木2の右端部には、図3及び図6に示すように、中間小口キャップ13が取り付けられており、笠木2の右端部の全域を隠すようにしている。
中間小口キャップ13は、図7(b)に示すように、笠木2の右端部の全域を隠すと共に、上胴縁a20の横線材L2を通過可能な形状の切り欠き部130が形成されたカバー板13aと、笠木2の嵌合凹部20、21に右端部から挿し込む挿入板13bとを備えている。
カバー板13aは、笠木2の右端部と正対し、挿入板13bは、笠木2の左右方向に沿うようにカバー板13aに対して突設されている。
小口キャップ13の固定構造は、図3及び図6に示すように、嵌合凹部20、21に嵌合された固定板3に対して上胴縁a20の後側からのねじ止めにより締結したものである。
【0016】
笠木1の右端部と笠木2の左端部の取り合い構造は、笠木1の右端部と笠木2の左端部との間に連結ピース(図示せず)を介在させて連結する構造とすることで、笠木1と笠木2とを連続した一本の笠木構造にすることができる。
これによって、笠木1と笠木2とが一本の笠木構造として隣り合うメッシュパネルa1とメッシュパネルa2との間に架け渡されて、双方の上胴縁a10、a20に固定される
ため、隣り合うメッシュパネルa1とメッシュパネルa2との連結を強固することができる。
したがって、メッシュパネルa1とメッシュパネルa2との連結を強固なものとなるので、フェンスAの強度を高めることができる。
なお、笠木1、2は、当初から笠木1、2を設けるメッシュパネルa1~a3の枚数に対応する長さに合わせた長さとした一本構造としてもよい(図示せず)。
【0017】
笠木1、2は、以下の取付け構成により取付けられている。
その取付け構成は、笠木1、2内に配置した固定板3と、上胴縁a10、a20を境として笠木1、2と反対側の上胴縁a10、a20に配置した取付金具4を備えており、笠木1、2と上胴縁a10、a20は、固定板3と取付金具4で上胴縁a10、a20の横線材L2を挟着して固定してあると共に、一方の笠木1と他方の笠木2を連結してある。
また、他の取付け構成として、笠木1、2の形状を変えてフィン等を設けたような笠木とする場合、等笠木1、2内に固定板3を配置せずに、取付金具4を笠木1、2に直止めする構成とすることもできる(図示せず)。
すなわち、上胴縁a10、a20を境として笠木1、2と反対側の上胴縁a10、a20に配置した取付金具4を備え、取付金具4が一方のメッシュパネルa1の上胴縁a10と他方のメッシュパネルa2の上胴縁a20にまたがって配置されており、一方の笠木1と他方の笠木2を一方のメッシュパネルa1の上胴縁a10と他方のメッシュパネルa2の上胴縁a20に引き寄せて固定してある構成とすることもできる(図示せず)。
【0018】
[固定板の構成]
固定板3は、図3及び図5図6に示すように、上下の嵌合凹部10、11及び上下の嵌合凹部20、21に対して図3の奥行き方向に向かってスライドして嵌合されており、嵌合状態において、左右にスライド自在にされている。
上下の嵌合凹部10、11及び上下の嵌合凹部20、21に嵌合された固定板3を左右にスライドさせることにより、任意の位置で取付金具4とビス5とによる笠木1、2の固定を行うことができる。
笠木1、2の連結は、一枚の固定板3の一半部が笠木1に挿入され、他半部が笠木2に挿入されて連結されるため、笠木1、2の連結部分の強度を確保することができる。
【0019】
[取付金具の構成]
取付金具4は、図3及び図4に示すように、ビス5が貫通する上下のビス止め孔400、400の間に後側に凹ませた横線材L2を呑み込む凹部40と、下側に横線材L2に上側から引掛けるように略L形に形成された掛け部41とを備えている。
このような取付金具4は、上胴縁a10、a20の後側から横線材L2を呑み込ませると、凹部40が下側の横線材L2に引っ掛かり、手を離しても取付金具4が上胴縁a10、a20に保持されるようになっている。
これによって、小さな取付金具4を支えることなく、笠木1,2部分を支えることでビス5のねじ込み作業を行うことができるので、笠木1、2の取付作業を迅速に行うことができる。
また、凹部40に加えて、掛け部41も横線材L2に引っかかるようにしてあるので、笠木1、2部分に人が手をついたとき等の、回転止めができる。
【0020】
[笠木の取付け手順]
笠木1、2は、下記の取付け工程(第1工程~第4工程)により取り付けられる(図示せず)。
第1工程:笠木1、2の嵌合凹部10、11内に、真ん中の固定板3をスライドして入れる。
第2工程:真ん中の取付金具4の凹部40を横線材L2に引っ掛けて、真ん中の取付金具4と真ん中の固定板3を仮固定する。
第3工程:両端の固定板3をスライドして入れて、両端および真ん中の取付金具4と固定板3を本固定する。
第4工程:小口キャップ12を笠木1の左側の端部に取付けると共に、中間小口キャップ13を笠木2の右側の端部に取付ける。
この第1工程~第4工程により笠木1、2を取付けることができる。
【0021】
以上の構成とするフェンスAは、笠木1、2を一本構造として上胴縁a10、a20に架け渡すように固定することによって、フェンスAの強度を高めることができると共に、前側からの意匠性を高めることができる。
しかも、笠木1、2の取付作業を迅速に行うことができるので、フェンスAの施工の効率化が期待できる。
【0022】
以上、本発明に係る実施形態の建具を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、前述の各実施形態は、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0023】
A: フェンス
b:支柱
c:連結具
1:笠木
2:笠木
3:固定板
4:取付金具
5:ビス
10:嵌合凹部
11:嵌合凹部
12:小口キャップ
13:中間小口キャップ
20:嵌合凹部
21:嵌合凹部
40:凹部
41:掛け部
400:ビス止め孔
a1:メッシュパネル
a2:メッシュパネル
a3:メッシュパネル
L1:竪線材
L2:横線材
a10:上胴縁
a20:上胴縁
a30:上胴縁
a11:下胴縁
a21:下胴縁
a31:下胴縁
b1:固定具
12a:カバー板
12b:挿入板
130:切り欠き部
13a:カバー板
13b:挿入板
g:地面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7