(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
E06B 9/68 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
E06B9/68 A
(21)【出願番号】P 2020181967
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】板井 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】砥綿 久徳
(72)【発明者】
【氏名】長田 貴志
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-035221(JP,A)
【文献】特開2020-159071(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02927413(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 - 9/92
E05F 15/00 - 15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部を開閉する開閉体
と、前記開閉体を収納する収納部とを有する開閉装置を制御する制御システムであって、
当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、前記開閉装置に関する操作を行う操作手段を介して当該所定の位置を、
前記開閉体の開閉移動を停止させるための第1制限位置として設定する第1設定手段と、
当該制御システムによって前記開閉体を
前記第1制限位置よりも閉鎖方向側にある所定の位置まで開閉移動させた際に、前記操作手段を介して当該所定の位置を、
前記開閉体の開閉移動を停止させるための第2制限位置として設定する第2設定手段と、
当該制御システムによって
、前記第1制限位置よりも開放方向側にあり、且つ前記開閉体の閉鎖側端部が前記収納部と当接する所定の位置まで前記開閉体を開閉移動させた際に、当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を制御するための基準となる基準位置として設定する第3設定手段と、
前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離である第1距離と、前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離、又は前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置までの距離である第2距離とを算出する算出手段と、
前記算出手段にて前記第1距離及び前記第2距離が算出された後に前記第1制限位置及び前記第2制限位置を再度設定する設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって前記開閉体を前記基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、前記算出手段にて算出された前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定する復帰設定手段と、
を備える制御システム。
【請求項2】
建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、
当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、前記開閉装置に関する操作を行う操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第1制限位置として設定する第1設定手段と、
当該制御システムによって前記開閉体を前記第1制限位置よりも閉鎖方向側にある所定の位置まで開閉移動させた際に、前記操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第2制限位置として設定する第2設定手段と、
当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を制御するための基準となる基準位置として設定する第3設定手段と、
前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離である第1距離と、前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離、又は前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置までの距離である第2距離とを算出する算出手段と、
前記算出手段にて前記第1距離及び前記第2距離が算出された後に前記第1制限位置及び前記第2制限位置を再度設定する設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって前記開閉体を前記基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、前記算出手段にて算出された前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定する復帰設定手段と、
当該制御システムの制御モードを、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定するための第1制御モードと、前記開閉体の制御位置と前記開閉体を駆動させる駆動手段の負荷量とを紐づけるための第2制御モードとに少なくとも切り替える切替手段と、を備え、
前記切替手段によって前記制御モードが前記第1制御モードに切り替えられた場合に、前記第1設定手段は、前記第1制限位置を設定することが可能となると共に、前記第2設定手段は、前記第2制限位置を設定することが可能となり、
前記切替手段によって前記制御モードが前記第2制御モードに切り替えられた場合に、前記第3設定手段は、前記基準位置を設定することが可能となる、
制御システム。
【請求項3】
建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、
当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、前記開閉装置に関する操作を行う操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第1制限位置として設定する第1設定手段と、
当該制御システムによって前記開閉体を前記第1制限位置よりも閉鎖方向側にある所定の位置まで開閉移動させた際に、前記操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第2制限位置として設定する第2設定手段と、
当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を制御するための基準となる基準位置として設定する第3設定手段と、
前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離である第1距離と、前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離、又は前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置までの距離である第2距離とを算出する算出手段と、
前記算出手段にて前記第1距離及び前記第2距離が算出された後に前記第1制限位置及び前記第2制限位置を再度設定する設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって前記開閉体を前記基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、前記算出手段にて算出された前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定する復帰設定手段と、を備え、
前記復帰設定手段は、前記第1制限位置又は前記第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、前記基準位置が設定される前に前記設定タイミングが到来した際には、前記第1制限位置又は前記第2制限位置の少なくともいずれか一方の設定を保持する、
制御システム。
【請求項4】
前記第3設定手段は、前記第1設定手段によって前記第1制限位置が設定され、且つ前記第2設定手段によって前記第2制限位置が設定された後に、前記基準位置を設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記復帰設定手段は、前記第1制限位置又は前記第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、前記基準位置が設定された後に前記設定タイミングが到来した際には、前記第1制限位置の設定又は前記第2制限位置の設定のいずれもを保持しない、
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口部に取り付けられるシャッター装置を対象として、開閉体の全閉位置及び全開位置、及び開閉体の開閉位置を制御するための基準位置が設定された後に、シャッター装置の電源がオフしたことで基準位置の設定が失われた場合において、全閉位置及び全開位置を再度設定するための技術が提案されている。このような技術においては、例えば、シャッター装置の電源がオフした後に開閉体を開放移動させ、負荷感知手段によって開閉体の負荷量が閾値以上になると、その位置を基準位置として再設定し、且つ当該基準位置に所定の動作量を加算することで、全閉位置及び全開位置を算出する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、シャッター装置の電源がオフする前に設定される全開位置は、負荷感知手段によって開閉体の負荷量が閾値以上になるまで開閉体を開放移動させることで基準位置を設定した後に、当該基準位置に所定の動作量を加算することで設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、上記全開位置及び上記全閉位置の設定の自由度を向上させたいというニーズが高まっている。しかしながら、上記従来の技術においては、上述したように、シャッター装置の電源がオフする前に設定される全開位置が、基準位置に所定の動作量を加算することで設定されるので、全開位置の設定の自由度を高めることが難しいことから、シャッター装置の如き開閉装置の使用性の観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、開閉装置の使用性を高めることが可能になる、制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の制御システムは、建物の開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体を収納する収納部とを有する開閉装置を制御する制御システムであって、当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、前記開閉装置に関する操作を行う操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第1制限位置として設定する第1設定手段と、当該制御システムによって前記開閉体を前記第1制限位置よりも閉鎖方向側にある所定の位置まで開閉移動させた際に、前記操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第2制限位置として設定する第2設定手段と、当該制御システムによって、前記第1制限位置よりも開放方向側にあり、且つ前記開閉体の閉鎖側端部が前記収納部と当接する所定の位置まで前記開閉体を開閉移動させた際に、当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を制御するための基準となる基準位置として設定する第3設定手段と、前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離である第1距離と、前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離、又は前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置までの距離である第2距離とを算出する算出手段と、前記算出手段にて前記第1距離及び前記第2距離が算出された後に前記第1制限位置及び前記第2制限位置を再度設定する設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって前記開閉体を前記基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、前記算出手段にて算出された前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定する復帰設定手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の制御システムは、建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、前記開閉装置に関する操作を行う操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第1制限位置として設定する第1設定手段と、当該制御システムによって前記開閉体を前記第1制限位置よりも閉鎖方向側にある所定の位置まで開閉移動させた際に、前記操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第2制限位置として設定する第2設定手段と、当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を制御するための基準となる基準位置として設定する第3設定手段と、前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離である第1距離と、前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離、又は前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置までの距離である第2距離とを算出する算出手段と、前記算出手段にて前記第1距離及び前記第2距離が算出された後に前記第1制限位置及び前記第2制限位置を再度設定する設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって前記開閉体を前記基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、前記算出手段にて算出された前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定する復帰設定手段と、当該制御システムの制御モードを、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定するための第1制御モードと、前記開閉体の制御位置と前記開閉体を駆動させる駆動手段の負荷量とを紐づけるための第2制御モードとに少なくとも切り替える切替手段と、を備え、前記切替手段によって前記制御モードが前記第1制御モードに切り替えられた場合に、前記第1設定手段は、前記第1制限位置を設定することが可能となると共に、前記第2設定手段は、前記第2制限位置を設定することが可能となり、前記切替手段によって前記制御モードが前記第2制御モードに切り替えられた場合に、前記第3設定手段は、前記基準位置を設定することが可能となる。
【0008】
請求項3に記載の制御システムは、建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、前記開閉装置に関する操作を行う操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第1制限位置として設定する第1設定手段と、当該制御システムによって前記開閉体を前記第1制限位置よりも閉鎖方向側にある所定の位置まで開閉移動させた際に、前記操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を停止させるための第2制限位置として設定する第2設定手段と、当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を制御するための基準となる基準位置として設定する第3設定手段と、前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離である第1距離と、前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離、又は前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置までの距離である第2距離とを算出する算出手段と、前記算出手段にて前記第1距離及び前記第2距離が算出された後に前記第1制限位置及び前記第2制限位置を再度設定する設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって前記開閉体を前記基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、前記算出手段にて算出された前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定する復帰設定手段と、を備え、前記復帰設定手段は、前記第1制限位置又は前記第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、前記基準位置が設定される前に前記設定タイミングが到来した際には、前記第1制限位置又は前記第2制限位置の少なくともいずれか一方の設定を保持する。
【0009】
請求項4に記載の制御システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記第3設定手段は、前記第1設定手段によって前記第1制限位置が設定され、且つ前記第2設定手段によって前記第2制限位置が設定された後に、前記基準位置を設定する。
【0010】
請求項5に記載の制御システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記復帰設定手段は、前記第1制限位置又は前記第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、前記基準位置が設定された後に前記設定タイミングが到来した際には、前記第1制限位置の設定又は前記第2制限位置の設定のいずれもを保持しない。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の制御システムによれば、当該制御システムによって開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、操作手段を介して当該所定の位置を第1制限位置として設定する第1設定手段と、当該制御システムによって開閉体を第1制限位置とは異なる所定の位置まで開閉移動させた際に、操作手段を介して当該所定の位置を第2制限位置として設定する第2設定手段と、を備えるので、操作手段を介して第1制限位置及び第2制限位置を設定できる。よって、第1制限位置及び第2制限位置を自動的に設定する場合に比べて、ユーザのニーズに応じた第1制限位置及び第2制限位置を設定でき、開閉装置の使用性を高めることができる。また、算出手段にて第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって開閉体を基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、算出手段にて算出された第1距離及び第2距離に基づいて、第1制限位置及び第2制限位置を設定する復帰設定手段を備えるので、第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際に、開閉体を基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、第1制限位置及び第2制限位置を自動的に設定(再度設定)でき、当該設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の制御システムによれば、当該制御システムによって開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、操作手段を介して当該所定の位置を第1制限位置として設定する第1設定手段と、当該制御システムによって開閉体を第1制限位置とは異なる所定の位置まで開閉移動させた際に、操作手段を介して当該所定の位置を第2制限位置として設定する第2設定手段と、を備えるので、操作手段を介して第1制限位置及び第2制限位置を設定できる。よって、第1制限位置及び第2制限位置を自動的に設定する場合に比べて、ユーザのニーズに応じた第1制限位置及び第2制限位置を設定でき、開閉装置の使用性を高めることができる。また、算出手段にて第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって開閉体を基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、算出手段にて算出された第1距離及び第2距離に基づいて、第1制限位置及び第2制限位置を設定する復帰設定手段を備えるので、第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際に、開閉体を基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、第1制限位置及び第2制限位置を自動的に設定(再度設定)でき、当該設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。
また、切替手段によって制御モードが第1制御モードに切り替えられた場合に、第1設定手段が、第1制限位置を設定することが可能となると共に、第2設定手段が、第2制限位置を設定することが可能となり、切替手段によって制御モードが第2制御モードに切り替えられた場合に、第3設定手段が、基準位置を設定することが可能となるので、第1制御モードにおいて第1制限位置、第2制限位置、及び基準位置を設定する場合に比べて、第1制限位置、第2制限位置、及び基準位置を正確に設定でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の制御システムによれば、当該制御システムによって開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、操作手段を介して当該所定の位置を第1制限位置として設定する第1設定手段と、当該制御システムによって開閉体を第1制限位置とは異なる所定の位置まで開閉移動させた際に、操作手段を介して当該所定の位置を第2制限位置として設定する第2設定手段と、を備えるので、操作手段を介して第1制限位置及び第2制限位置を設定できる。よって、第1制限位置及び第2制限位置を自動的に設定する場合に比べて、ユーザのニーズに応じた第1制限位置及び第2制限位置を設定でき、開閉装置の使用性を高めることができる。また、算出手段にて第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって開閉体を基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、算出手段にて算出された第1距離及び第2距離に基づいて、第1制限位置及び第2制限位置を設定する復帰設定手段を備えるので、第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際に、開閉体を基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、第1制限位置及び第2制限位置を自動的に設定(再度設定)でき、当該設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。
また、復帰設定手段が、第1制限位置又は第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、基準位置が設定される前に設定タイミングが到来した際には、第1制限位置又は第2制限位置の少なくともいずれか一方の設定を保持するので、第1制限位置の設定又は/及び第2制限位置の設定のやり直しを回避でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【0014】
請求項4に記載の制御システムによれば、第3設定手段が、第1設定手段によって第1制限位置が設定され、且つ第2設定手段によって第2制限位置が設定された後に、基準位置を設定するので、基準位置を設定する前に第1制限位置及び第2制限位置を設定する場合に比べて、従来の第1制限位置及び第2制限位置を設定する方法と略同様に設定でき、当該設定作業を容易に行うことができる。
【0015】
請求項5に記載の制御システムによれば、復帰設定手段が、第1制限位置又は第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、基準位置が設定された後に設定タイミングが到来した際には、第1制限位置の設定又は第2制限位置の設定のいずれもを保持しないので、第1制限位置及び第2制限位置を再度設定する際に、当該設定前の第1制限位置及び第2制限位置が誤って設定されることを回避でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る開閉装置を概念的に示す図である。
【
図2】制御装置の電気的構成を示したブロック図である。
【
図3】実施の形態に係る開閉処理のフローチャートである。
【
図4】第1制御モード処理のフローチャートである。
【
図5】第2制御モード処理のフローチャートである。
【
図6】第3制御モード処理のフローチャートである。
【
図7】第4制御モード処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムに関するものである。
【0019】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、開閉装置は、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、重量シャッター等を電動駆動可能な全ての形式のシャッター装置や扉装置を含む概念である。また、開閉装置の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。
【0020】
また「開閉体の開閉状態」とは、例えば、「全閉状態」、「全開状態」、及び「半開状態」を含む概念である。
【0021】
このうち、「全閉状態」とは、開閉体によって開口部を全閉した状態であり、この全閉状態における開閉体の位置を「全閉位置」と称する。また、「全開状態」とは、開閉体によって開口部を全開した状態であり、この全開状態における開閉体の位置を「全開位置」と称する。また、「半開状態」とは、開閉体が全閉位置と全開位置との間に位置している状態であり、半開状態における開閉体の位置を「半開位置」と称する。
【0022】
以下、実施の形態では、開閉装置が、マンションの如き建物のガレージの入出口に設けられた上下開閉式の電動シャッターである場合について説明する。
【0023】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0024】
(構成)
最初に、実施の形態に係る制御システムが適用される開閉装置の構成について説明する。
【0025】
以下の説明では、
図1のX方向を開閉装置の左右方向(-X方向を開閉装置の左方向、+X方向を開閉装置の右方向)、
図1のY方向を開閉装置の上下方向(+Y方向を開閉装置の上方向、-Y方向を開閉装置の下方向)、X方向及びY方向に直交する方向を前後方向(
図1の紙面の手前側に至る方向を開閉装置の前方向(建物の屋外側の方向)、
図1の紙面の奥側に至る方向を開閉装置の後方向(建物の屋内側の方向))と称する。
【0026】
図1に示すように、この開閉装置1は、概略的に、収納部10、ガイドレール20、開閉体30、開閉機40、巻取軸(図示省略)、及び制御システム50を備えている。ただし、開閉装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
【0027】
また、この開閉装置1を構成する各構成要素の接続形態については、以下に示す通りに設定している。すなわち、後述する制御システム50の制御装置90は、開閉機40、後述する制御システム50の操作装置60、位置検知部70、及び回転数検知部80の各々と配線3を介して電気的に接続されている。これにより、後述する制御装置90と、開閉機40、後述する操作装置60、後述する位置検知部70、又は後述する回転数検知部80との相互間で通信又は電力供給を直接的又は間接的に行うことができる。
【0028】
なお、開閉装置1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
【0029】
(構成-収納部)
収納部10は、開閉装置1の各部を収納するための中空体である。
図1に示すように、この収納部10は、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されている。また、この収納部10の内部には、開閉機40、巻取軸、並びに、後述する制御システム50の位置検知部70、回転数検知部80、及び制御装置90が収容されていると共に、巻取軸にて開閉体30が巻上げられた状態では、開閉体30の少なくとも一部も、収納部10の内部に収容される。
【0030】
(構成-ガイドレール)
ガイドレール20は、開閉体30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、開閉装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
【0031】
(構成-開閉体)
開閉体30は、巻取軸によって閉鎖移動又は開放移動されることで、開閉体30の状態を全開状態、全閉状態、又は半開状態とする遮蔽手段である。この開閉体30は、
図1に示すように、複数のスラット31を備えて構成されており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部(図示省略)を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。また、この開閉体30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。
【0032】
また、この開閉体30の閉鎖側端部(具体的には、開閉体30の下端部)には、座板32が接続されている。この座板32は、全閉状態において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、開閉体30の閉鎖側端部の左右方向全長にわたって形成されている。
【0033】
(構成-開閉機)
開閉機40は、巻取軸を回転駆動することによって開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させる開閉移動手段である。この開閉機40は、例えば公知の開閉機等を用いて構成されており、出力軸、駆動部、ブレーキ部、電源部、及び制御部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。
【0034】
このうち、出力軸は、クラッチ(図示省略)を介して駆動部から伝達された回転力を巻取軸に伝達するためのものである。ブレーキ部は、出力軸への作用により巻取軸の回転を制動するものである。駆動部は、出力軸を電動で回転させることにより、開閉体30を駆動させる駆動手段である。電源部は、図示しない商用電源から供給された電力を、開閉機40の各部に供給するものである。制御部は、開閉機40の各部を制御する制御手段であると共に、後述する制御装置90からの出力に基づいて開閉体30の開閉制御を行うものである。
【0035】
また、開閉機40の具体的な動作については任意であるが、実施の形態では、手動操作によって上記クラッチを介して開閉機40と巻取軸とが接続されると、その旨を示す信号(以下、「クラッチ接続信号」と称する)を後述する制御装置90に出力する。また、手動操作によって上記クラッチによる開閉機40と巻取軸との接続が解除されると、その旨を示す信号(以下、「クラッチ解除信号」と称する)を後述する制御装置90に出力する。
【0036】
(構成-巻取軸)
巻取軸は、開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させるための回動軸である。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸には開閉体30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結スラットを介して開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させることができる。また、この巻取軸の左端部(又は右端部)がチェーン(図示省略)及びクラッチを介して開閉機40の出力軸に連結されているので、開閉機40の出力軸の回転に伴って巻取軸を回転させることができる。
【0037】
(構成-制御システム)
次に、制御システム50の構成について説明する。
【0038】
制御システム50は、開閉装置1を制御するためのものであり、
図1に示すように、操作装置60、位置検知部70、回転数検知部80、及び制御装置90を備えている。
【0039】
(構成-制御システム-操作装置)
操作装置60は、開閉装置1に関する操作を行う操作手段である。この操作装置60は、
図1に示すように、開口部2の近傍に設けられており、例えば公知のシャッター装置用の操作装置等を用いて構成されている。具体的には、開閉体30を電動で開放移動させる開放ボタン、電動で閉鎖移動させる閉鎖ボタン、及び電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる停止ボタンを備えている(いずれも図示省略)。
【0040】
また、操作装置60の具体的な動作については任意であるが、実施の形態では以下に示す通りとなる。
【0041】
すなわち、開放ボタン、閉鎖ボタン、又は停止ボタンがユーザによって押圧された場合には、当該押圧されたボタンに応じた操作信号(すなわち、開放信号、閉鎖信号、停止信号)を制御装置90を介して開閉機40に出力することで、開閉機40によって開閉体30が電動で閉鎖移動又は開放移動させたり、又は開閉体30の閉鎖移動又は開放移動を電動で停止させることができる。
【0042】
また、開放ボタン、閉鎖ボタン、又は停止ボタンが所定時間内に複数回操作された場合(例えば、停止ボタンを押圧しながら、閉鎖ボタンを3回押圧すること等)に、当該操作に応じた信号を制御装置90に出力することで、後述する第1制限位置P1及び後述する第2制限位置P2を設定することができる。
【0043】
なお、実施の形態では、操作装置60は、制御装置90と有線で通信するものとして説明するが、これに限られず、例えば、制御装置90と無線で通信するものであってもよい。また、これら有線式及び無線式の操作装置60の両方が設けられてもよい。
【0044】
(構成-制御システム-位置検知部、回転数検知部)
位置検知部70は、開閉体30の位置(具体的には、後述する閉鎖側端部の位置)を検知し、当該検知した位置を示す信号(以下、「位置信号」と称する)を所定周期で出力するための位置検知手段であり、
図1に示すように、開閉機40の近傍位置に設けられている。
【0045】
また、回転数検知部80は、開閉機40の駆動部の回転数(以下、「駆動部の回転数」と称する。)を検知し、当該検知した回転数を示す信号(以下、「回転数信号」を所定周期で出力するための回転数検知手段であり、
図1に示すように、開閉機40の近傍位置に設けられている。
【0046】
また、位置検知部70及び回転数検知部80の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、位置検知部70及び回転数検知部80の両方の機能を有するホールIC等を用いて構成されている。ただし、これに限られず、例えば、位置検知部70がポテンションメータ等を用いて構成され、回転数検知部80がタコジェネレータ等を用いて構成されてもよい。なお、上述した「駆動部の回転数」は、特許請求の範囲の「駆動手段の負荷量」に対応する。また、この駆動部の回転数については、回転数が高いほど駆動部の負荷量が低いことを示し、回転数が低いほど駆動部の負荷量が高いことを示す。
【0047】
(構成-制御システム-制御装置)
制御装置90は、開閉装置1の各部を相互に連動させる装置であり、
図2に示すように、入力部91、出力部92、電源部93、制御部94、及び記憶部95を備えている。
【0048】
(構成-制御システム-制御装置-入力部)
入力部91は、各種の信号(例えば、操作信号、位置信号、回転数信号、クラッチ接続信号、クラッチ解除信号等)の入力を操作装置60、位置検知部70、回転数検知部80、又は開閉機40から受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている。
【0049】
(構成-制御システム-制御装置-出力部)
出力部92は、各種の信号を開閉機40等に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。
【0050】
(構成-制御システム-制御装置-電源部)
電源部93は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置90の各部に供給すると共に、操作装置60、位置検知部70、及び回転数検知部80にも供給する電源手段である。
【0051】
(構成-制御システム-制御装置-制御部)
制御部94は、制御装置90の各部を制御する制御手段である。この制御部94は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0052】
また、この制御部94は、
図2に示すように、機能概念的に、第1設定部94a、第2設定部94b、第3設定部94c、算出部94d、復帰設定部94e、及び切替部94fを備えている。
【0053】
(構成-制御システム-制御装置-制御部-第1設定部)
第1設定部94aは、制御システム50によって開閉体30を所定の位置まで開閉移動させた際に、操作装置60を介して当該所定の位置を、開閉体30の開閉移動を制限するための位置P1(以下、「第1制限位置P1」と称する)として設定する第1設定手段である。
【0054】
(構成-制御システム-制御装置-制御部-第2設定部)
第2設定部94bは、制御システム50によって開閉体30を第1制限位置P1とは異なる所定の位置まで開閉移動させた際に、操作装置60を介して当該所定の位置を、開閉体30の開閉移動を制限するための位置P2(以下、「第2制限位置P2」と称する)として設定する第2設定手段である。
【0055】
(構成-制御システム-制御装置-制御部-第3設定部)
第3設定部94cは、制御システム50によって開閉体30を所定の位置まで開閉移動させた際に、当該所定の位置を、開閉体30の開閉移動を制御するための基準となる位置P3(以下、「基準位置P3」と称する)として設定する第3設定手段である。
【0056】
(構成-制御システム-制御装置-制御部-算出部)
算出部94dは、第1設定部94aにて設定された第1制限位置P1から第3設定部94cにて設定された基準位置P3までの距離である第1距離と、第2設定部94bにて設定された第2制限位置P2から第3設定部94cにて設定された基準位置P3までの距離、又は第1設定部94aにて設定された第1制限位置P1から第2設定部94bにて設定された第2制限位置P2までの距離である第2距離とを算出する算出手段である。
【0057】
(構成-制御システム-制御装置-制御部-復帰設定部)
復帰設定部94eは、算出部94dにて第1距離及び第2距離が算出された後に、設定タイミングが到来した際には、制御システム50によって開閉体30を基準位置P3まで開閉移動させることをトリガーとして、算出部94dにて算出された第1距離及び第2距離に基づいて、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定する復帰設定手段である。
【0058】
ここで、「設定タイミング」とは、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を再度設定するタイミングを意味し、実施の形態では、開閉装置1の電源が停電又は人為的にオフされたタイミング、及び開閉機40のクラッチによる開閉機40と巻取軸との接続が解除されたタイミング等が該当する。
【0059】
(構成-制御システム-制御装置-制御部-切替部)
切替部94fは、制御システム50の制御モードを、第1制御モードと第2制御モードとに少なくとも切り替える切替手段である。
【0060】
ここで、制御モードの具体的な種類については任意であるが、実施の形態では、「第1制御モード」、「第2制御モード」、「第3制御モード」、及び「第4制御モード」等が該当する。
【0061】
このうち、「第1制御モード」は、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定するための制御モードである。また、「第2制御モード」は、開閉体30の制御位置と開閉体30を駆動させる開閉機40の駆動部の負荷量(具体的には、駆動部の回転数)とを紐づけるための制御モードである。また、「第3制御モード」は、開閉体30の開閉移動を行うための制御モード(いわゆる通常の制御モード)である。また、「第4制御モード」は、設定タイミングが到来した後に第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定(再度設定)するための制御モードである。
【0062】
なお、この制御部94によって実行される処理の詳細については後述する。
【0063】
(構成-制御システム-制御装置-記憶部)
記憶部95は、制御装置90の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
【0064】
(開閉処理)
次に、制御システム50の制御装置90によって実行される開閉処理について説明する。以下の説明では、
図3から
図7に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。
【0065】
開閉処理は、開閉体30の開閉移動を制御するための処理である。この開閉処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、開閉装置1の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。また、この開閉処理の前提としては、開閉体30の開閉状態が全閉状態であり、後述する第1制限位置情報、後述する第2制限位置情報、及び後述する基準位置情報が記憶部95に記憶されていないものとして説明する。
【0066】
また、実施の形態では、第1制限位置P1を、開閉体30の開放移動を制限するための上限位置(例えば、全開位置又はその近傍位置等)として説明し、第2制限位置P2を、開閉体30の閉鎖移動を制限するための下限位置(例えば、全閉位置又はその近傍位置等)として説明し、基準位置P3を、開閉体30の閉鎖側端部が収納部の下端部(又は建物の天井)と当接する位置として説明する。
【0067】
開閉処理が起動されると、
図3に示すように、SA1において切替部94fは、制御モードを第1制御モードに設定し、第1制御モード処理を起動する。
【0068】
(開閉処理-第1制御モード処理)
次に、
図3のSA1の第1制御モード処理について説明する。第1制御モード処理は、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定するための処理である。
【0069】
第1制御モード処理が起動されると、
図4に示すように、SB1において第1設定部94aは、第1制限位置P1(具体的には、上限位置)を設定する(すなわち、切替部94fによって制御モードが第1制御モードに切り替えられた場合に、第1制限位置P1を設定することが可能となる)。
【0070】
この第1制限位置P1の設定方法については任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0071】
すなわち、まず、制御システム50によって開閉体30(具体的には、開閉体30の閉鎖側端部)を所定の位置まで開閉移動させる。具体的には、所定操作によって操作装置60から入力が受け付けられた操作信号(すなわち、開放信号、閉鎖信号、停止信号)に基づいて開閉体30を開閉移動させる(なお、当該開閉移動の詳細な内容については、後述するSD5の具体的な処理と略同一とする。例えば、「押切操作」に対応する開閉体30の開閉移動の制御を行ってもよい。)。ただし、これに限らず、例えば、SB1の処理開始と同時に、上記操作信号に基づかないで、第1設定部94aによって開閉体30を所定の位置まで自動的に開放移動させてもよい(この場合には、停止信号の入力が受け付けられた際に、当該開放移動を停止させてもよい)。次いで、開閉体30が所定の位置に到達すると、所定操作によって操作装置60から入力が受け付けられた第1設定信号(第1制限位置P1を決定するための信号)に基づいて、当該所定の位置を第1制限位置P1として設定し、当該設定した第1制限位置P1を示す情報(以下、「第1制限位置情報」と称する)を記憶部95に記憶する。
【0072】
SB2において第2設定部94bは、第2制限位置P2(具体的には、下限位置)を設定する(すなわち、切替部94fによって制御モードが第1制御モードに切り替えられた場合に、第2制限位置P2を設定することが可能となる)。その後、第1制御モード処理を終了し、
図3の開閉処理に戻る。
【0073】
この第2制限位置P2の設定方法については任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0074】
すなわち、まず、制御システム50によって開閉体30を第1制限位置P1とは異なる所定の位置まで開閉移動させる。具体的には、所定操作によって操作装置60から入力が受け付けられた操作信号に基づいて開閉体30を開閉移動させる(なお、当該開閉移動の詳細な内容については、後述するSD5の具体的な処理と略同一とする。例えば、「押切操作」に対応する開閉体30の開閉移動の制御を行ってもよい。)。ただし、これに限らず、例えば、SB2の処理開始と同時に、上記操作信号に基づかないで、第2設定部94bによって開閉体30を所定の位置まで自動的に閉鎖移動させてもよい(この場合には、停止信号の入力が受け付けられた際に、当該閉鎖移動を停止させてもよい)。次いで、開閉体30が所定の位置に到達すると、所定操作によって操作装置60から入力が受け付けられた第2設定信号(第2制限位置P2を決定するための信号)に基づいて、当該所定の位置を第2制限位置P2として設定し、当該設定した第2制限位置P2を示す情報(以下、「第2制限位置情報」と称する)を記憶部95に記憶する。
【0075】
ここで、第1制御モード処理において処理された第1制限位置P1及び第2制限位置P2の設定の取り扱い方法については任意であるが、実施の形態では以下に示す通りとなる。
【0076】
すなわち、まず、復帰設定部94eは、第1制限位置P1又は第2制限位置P2の少なくともいずれか一方が設定されてから、後述するSC1において基準位置P3が設定される前に設定タイミングが到来した際には、第1制限位置P1又は第2制限位置P2の少なくともいずれか一方の設定を保持する。
【0077】
具体的には、設定タイミングが到来されてから設定タイミングが到来する前の状態に復帰されると、記憶部95に記憶された第1制限位置情報が示す位置を保持すべき第1制限位置P1として設定(再度設定)すると共に、記憶部95に記憶された第2制限位置情報が示す位置を保持すべき第2制限位置P2として設定(再度設定)する。また、上記設定に加えて、第1制御モード処理開始時から後述するSC1において基準位置P3が設定されるまでの間において、位置検知部70から入力が受け付けられた位置信号に基づいて特定される開閉体30の現在位置を示す情報(以下、「現在位置情報」と称する)を記憶部95に記憶しておき、設定タイミングが到来されてから設定タイミングが到来する前の状態に復帰されると、記憶部95に記憶された現在位置情報に基づいて設定タイミングが到来した位置を現在位置として設定する。
【0078】
このような取り扱いにより、第1制限位置P1の設定又は/及び第2制限位置P2の設定のやり直しを回避でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【0079】
また、復帰設定部94eは、第1制限位置P1又は第2制限位置P2の少なくともいずれか一方が設定されてから、後述するSC1において基準位置P3が設定された後に設定タイミングが到来した際には、第1制限位置P1の設定又は第2制限位置P2の設定のいずれもを保持しない。
【0080】
具体的には、上述したように、第1制御モード処理開始時から後述するSC1において基準位置P3が設定されるまでの間において、第1制限位置情報及び第2制限位置情報を記憶部95に記憶するものの、後述するSC1において基準位置P3が設定されると、第1制限位置情報及び第2制限位置情報を記憶部95から消去する。そして、設定タイミングが到来されてから設定タイミングが到来する前の状態に復帰されると、後述するSE3の処理が行われるまで、第1制限位置P1及び第2制限位置P2が設定されていない状態を維持する。なお、現在位置情報については、基準位置P3が設定された後は記憶部95に記憶しないことから、設定タイミングが到来されてから設定タイミングが到来する前の状態に復帰されても、記憶部95に記憶された現在位置情報に基づいて設定タイミングが到来した位置を現在位置として設定することはせず、当該復帰時点の位置信号に対応する開閉体の位置を現在位置として設定する。
【0081】
このような取り扱いにより、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を再度設定する際に、当該設定前の第1制限位置P1及び第2制限位置P2が誤って設定されることを回避でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【0082】
以上のような第1制御モード処理により、操作装置60を介して第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定できる。よって、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を自動的に設定する場合に比べて、ユーザのニーズに応じた第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定でき、開閉装置1の使用性を高めることができる。また、第1制御モードにおいて第1制限位置P1、第2制限位置P2、及び基準位置P3を設定する場合に比べて、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を正確に設定できる。
【0083】
図3に戻り、SA2において切替部94fは、制御モードを第1制御モードから第2制御モードに切り替えて、第2制御モード処理を起動する。
【0084】
(開閉処理-第2制御モード処理)
次に、
図3のSA2の第2制御モード処理について説明する。第2制御モード処理は、開閉体30の制御位置と開閉機40の駆動部の負荷量とを紐づけるための処理である。
【0085】
第2制御モード処理が起動されると、
図5に示すように、SC1において第3設定部94cは、基準位置P3を設定する(すなわち、第1設定部94aによって第1制限位置P1が設定され、且つ第2設定部94bによって第2制限位置P2が設定された後に、基準位置P3を設定すると共に、切替部94fによって制御モードが第2制御モードに切り替えられた場合に、基準位置P3を設定することが可能となる)。
【0086】
この基準位置P3の設定方法については任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0087】
すなわち、まず、制御システム50によって開閉体30を所定の位置(具体的には、開閉体30の閉鎖側端部が収納部10の下端部と当接する位置)まで開閉移動させる(なお、実施の形態では、SC1の処理が終了するまで、第1制限位置P1及び第2制限位置P2に基づいて開閉体30の開閉移動を停止させることは行わないものとする)。具体的には、所定操作によって操作装置60から入力が受け付けられた操作信号に基づいて開閉体30を開閉移動させる(なお、当該開閉移動の詳細な内容については、後述するSD5の具体的な処理と略同一とする。例えば、「自己保持操作」に対応する開閉体30の開閉移動の制御を行ってもよい。)。ただし、これに限らず、例えば、SC1の処理開始と同時に、上記操作信号に基づかないで、第3設定部94cによって開閉体30を所定の位置まで自動的に開放移動させてもよい(この場合には、後述するように、開閉機40の駆動部の回転数が閾値未満と判定された後に、当該開放移動を停止させてもよい)。次に、上記開閉移動を継続させながら、回転数検知部80から入力が受け付けられた回転数信号に基づいて、開閉機40の駆動部の回転数が閾値未満であるか否かを判定する。次いで、上記閾値未満であると判定されると、位置検知部70から入力が受け付けられた位置信号に基づいて上記所定の位置を基準位置P3として設定し、当該設定した基準位置P3を示す情報(以下、「基準位置情報」と称する)を記憶部95に記憶する。その後(具体的には、後述するSC2の処理後)、開閉体30を基準位置P3から第1制限位置P1まで自動的に閉鎖移動させる。
【0088】
このようなSC1の処理により、基準位置P3を設定する前に第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定する場合に比べて、従来の第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定する方法と略同様に設定でき、当該設定作業を容易に行うことができる。また、第1制御モードにおいて第1制限位置P1、第2制限位置P2、及び基準位置P3を設定する場合に比べて、基準位置P3を正確に設定できる。
【0089】
SC2において算出部94dは、第1距離及び第2距離を算出する。
【0090】
具体的には、第1距離については、SB1にて設定された第1制限位置P1からSC1にて設定された基準位置P3までの距離を算出し、当該算出した距離を第1距離とし、当該第1距離を示す情報(以下、「第1距離情報」と称する)を記憶部95に記憶する。また、第2距離については、SB2にて設定された第2制限位置P2からSC1にて設定された基準位置P3までの距離を算出し、当該算出した距離を第2距離とし、当該第2距離を示す情報(以下、「第2距離情報」と称する)を記憶部95に記憶する。ただし、これに限らず、例えば、SB1にて設定された第1制限位置P1からSB2にて設定された第2制限位置P2までの距離を算出し、当該算出した距離を第2距離としてもよい。
【0091】
なお、例えば、上記設定される第1距離及び第2距離に対して距離の方向性を明確にするために、第1距離情報及び第2距離情報にプラス記号及びマイナス記号を追記してもよい。一例として、第1距離情報については、第1制限位置P1が基準位置P3から下方へ1m離れている場合には「-200パルス」を示す情報としたり、第1制限位置P1が基準位置P3から上方へ1m離れている場合には「+200パルス」を示す情報としてもよい。
【0092】
SC3において制御部94は、開閉体30の制御位置と開閉機40の駆動部の負荷量とを紐づける処理(以下、「紐づけ処理」と称する)を実行する。その後、第2制御モード処理を終了し、
図3の開閉処理に戻る。
【0093】
この紐づけ処理の処理内容については任意であるが、実施の形態では、以下に示す通りとなる。すなわち、操作装置60から入力が受け付けられた閉鎖信号に基づいて、開閉体30を第1制限位置P1から第2制限位置P2まで閉鎖移動させる(例えば、「自己保持操作」に対応する開閉体30の開閉移動の制御によって閉鎖移動させてもよい。ただし、これに限らず、SC3の処理開始と同時に自動で閉鎖移動させてもよい)。また、上記閉鎖移動と並行して、位置検知部70及び回転数検知部80から入力が受け付けられた位置信号及び回転数信号に基づいて、開閉体30の制御位置を示す情報と上記駆動部の回転数を示す情報とを相互に関連付けて記憶部95に記憶する。そして、開閉体30の位置が第2制限位置P2に到達すると、開閉体30の閉鎖移動を停止させ、且つ開閉体30の制御位置及び上記駆動部の回転数の記憶も停止する。
【0094】
以上のような第2制御モード処理により、開閉体30の制御位置と開閉機40の駆動部の負荷量とを紐づけることができ、第3制御モード処理を正確且つ安全に行うことができる。
【0095】
図3に戻り、SA3において切替部94fは、制御モードを第2制御モードから第3制御モードに切り替えて、第3制御モード処理を起動する。
【0096】
(開閉処理-第3制御モード処理)
次に、
図3のSA3の第3制御モード処理について説明する。第3制御モード処理は、開閉体30の開閉移動を行うための処理である。
【0097】
第3制御モード処理が起動されると、
図6に示すように、SD1において制御部94は、設定タイミングが到来したか否かを判定する。
【0098】
この設定タイミングが到来したか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態では、設定タイミングが到来していることを正確に判定する観点から、商用電源からの電力供給が停止された旨を示す信号(以下、「電力供給停止信号」と称する)の入力が電源部93から受け付けられたか否か、又はクラッチ解除信号の入力が開閉機40から受け付けられたか否かに基づいて判定する。ここで、電力供給停止信号又はクラッチ解除信号の入力が受け付けられた場合には、設定タイミングが到来したと判定し、電力供給停止信号及びクラッチ解除信号の入力が受け付けられていない場合には、設定タイミングが到来していないと判定する。ただし、これに限らず、例えば、電力供給停止信号の入力が受け付けられたか否かのみに基づいて判定してもよい。
【0099】
そして、制御部94は、設定タイミングが到来したと判定された場合(SD1、Yes)にはSD2に移行し、設定タイミングが到来していないと判定された場合(SD1、No)にはSD4に移行する。
【0100】
なお、実施の形態では、SD1のみにおいて、設定タイミングが到来したか否かを判定すると説明したが、これに限らない。例えば、第3制御モード処理のうちSD1以外の他の処理(例えば、SD4の処理等)、又は/及び第4制御モード処理の各処理においても設定タイミングが到来したか否かを判定し、設定タイミングが到来したと判定された場合には、SD2に移行してもよい。
【0101】
SD2において制御部94は、SD1にて設定タイミングが到来したと判定される前の状態に復帰したタイミング(以下、「復帰タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。
【0102】
この復帰タイミングが到来したか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態では、復帰タイミングが到来していることを正確に判定する観点から、商用電源から電力が供給されている旨を示す信号(以下、「電力供給信号」と称する)の入力が電源部93から受け付けられ、又はクラッチ接続信号の入力が開閉機40から受け付けられたか否かに基づいて判定し、電力供給信号又はクラッチ接続信号の入力が受け付けられた場合には復帰タイミングが到来したと判定し、電力供給信号及びクラッチ接続信号の入力が受け付けられていない場合には復帰タイミングが到来していないと判定する。ただし、これに限らず、例えば、電力供給信号の入力のみが受け付けられたか否かのみに基づいて判定してもよい。
【0103】
そして、復帰タイミングが到来したと判定されるまで待機し(SD2、No)、復帰タイミングが到来したと判定された場合(SD2、Yes)には、切替部94fは、制御モードを第3制御モードから第4制御モードに切り替えて、第4制御モード処理(SD3)を起動する。この第4制御モード処理の処理内容の詳細については、後述する。
【0104】
SD4において制御部94は、操作装置60から操作信号の入力が受け付けられたか否かを判定する。そして、制御部94は、操作信号の入力が受け付けられたと判定された場合(SD4、Yes)にはSD5に移行し、操作信号の入力が受け付けられていないと判定された場合(SD4、No)にはSD6に移行する。
【0105】
SD5において制御部94は、SD4にて入力が受け付けられた操作信号に基づいて、開閉体30を開閉移動させたり、又は開閉体30の開閉移動を停止させる。
【0106】
具体的には、SD4にて閉鎖信号又は開放信号の入力が受け付けられた場合には、出力部92を介して閉鎖信号等に対応する制御信号を開閉機40に出力することにより、開閉機40のブレーキ部を電気的に解放させると共に、開閉機40の駆動部を駆動させることで、開閉体30を電動で閉鎖移動又は開放移動させる。ここで、実施の形態では、閉鎖信号等の入力の受け付けが停止した場合においても、上記制御信号の出力を継続することによって開閉機40の駆動部を駆動させることで、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動を継続させる。すなわち、いわゆる「自己保持操作」に対応する開閉体30の開閉移動の制御を行う。ただし、これに限らず、例えば、閉鎖信号等の入力の受け付けが停止した場合に、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動も停止させてもよい。すなわち、いわゆる「押切操作」に対応する開閉体30の開閉移動の制御を行ってもよい。
【0107】
また、開閉体30が閉鎖移動又は開放移動している場合に停止信号の入力が受け付けられた場合には、出力部92を介して停止信号に対応する制御信号を開閉機40に出力することにより、開閉機40の駆動部の駆動を停止させると共に、開閉機40のブレーキ部を作用させることで、開閉体30の電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる。
【0108】
SD6において制御部94は、開口部2に開閉体30の開閉移動を妨げる要因(例えば、開口部2を通行する人や物等の如き障害物等)が存在するか否かを確認するために、開閉機40の駆動部が過負荷状態であるか否かを判定する。
【0109】
この上記過負荷状態であるか否かの判定方法については任意であるが、実施の形態では、SD6の処理時に回転数検知部80から入力が受け付けられた回転数信号が示す駆動部の回転数が閾値未満であるか否かに基づいて判定する。ここで、上記閾値未満である場合には、上記過負荷状態であると判定し、上記閾値未満でない場合には、上記過負荷状態でないと判定する。
【0110】
そして、制御部94は、上記過負荷状態であると判定された場合(SD6、Yes)にはSD7に移行し、上記過負荷状態でないと判定された場合(SD6、No)にはSD8に移行する。
【0111】
SD7において制御部94は、SD7の処理直前において開閉体30の開閉移動が継続されている場合には、当該開閉移動を停止させる。その後、SD1に移行する。
【0112】
ここで、開閉体30の開閉移動を停止させる方法については任意であるが、実施の形態では、開閉体30の開閉移動を一旦停止させた後、開閉体30の閉鎖側端部の位置が現状の位置よりも上方位置となるように、開閉体30を開放移動させ、その後この開放移動を停止させる(いわゆる「タッチアップ動作」を行う)。だたし、これに限られず、例えば、開閉体30の開閉移動を単に停止させるだけでもよい(いわゆる、「タッチストップ動作」を行う)。
【0113】
SD8において制御部94は、開閉体30の位置が第1制限位置P1又は第2制限位置P2のいずれかに到達したか否かを判定する。
【0114】
この第1制限位置P1又は第2制限位置P2のいずれかに到達したか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態では、SD8の処理時において位置検知部70から入力が受け付けられた位置信号が示す開閉体30の位置が、SB1又はSB2にて設定された第1制限位置P1又は第2制限位置P2(あるいは、後述するSE3にて設定された第1制限位置P1又は第2制限位置P2)に合致するか否かに基づいて判定する。ここで、上記第1制限位置P1又は第2制限位置P2に合致する場合には、第1制限位置P1又は第2制限位置P2のいずれかに到達したと判定され、上記第1制限位置P1又は第2制限位置P2のいずれかにも合致しない場合には、第1制限位置P1又は第2制限位置P2のいずれにも到達していないと判定される。
【0115】
そして、制御部94は、第1制限位置P1又は第2制限位置P2のいずれかに到達したと判定された場合(SD8、Yes)にはSD7に移行して、開閉体30の開閉移動を停止させる。一方、第1制限位置P1又は第2制限位置P2のいずれにも到達していないと判定された場合(SD8、No)には、SD1に移行して、以降同様に、SD1からSD8の処理を繰り返す。
【0116】
以上のような第3制御モード処理により、開閉体30の開閉移動を行うことができ、状況に応じて開閉体30の開閉状態を変更することができる。
【0117】
(開閉処理-第4制御モード処理)
次に、
図6のSD3の第4制御モード処理について説明する。第4制御モード処理は、設定タイミングが到来した後に第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定(再度設定)するための処理である。
【0118】
ここで、設定タイミングが到来した後に第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定する理由については、以下の2つの理由が挙げられる。
【0119】
まず、1つ目の理由については、以下に示す通りである。すなわち、開閉装置1の電源がオフしている状態において、開閉機40を手動操作するために、開閉機40のクラッチによる開閉機40と巻取軸との接続が解除される場合がある。この場合において、開閉機40の手動操作が行われると、開閉体30の位置がズレること等により、位置検知部70によって開閉体30の位置を正確に検知できなくなる。このため、第1制御モード処理で設定された第1制限位置P1及び第2制限位置P2で開閉体30の開閉移動を正確に停止させることができなくなるおそれがあることから、このような問題が生じることを回避するためである。なお、開閉装置1の電源がオフした後に開閉機40の手動操作が必ずしも行われるわけではないものの、開閉装置1の電源がオフした状態では制御装置90がクラッチ解除信号を受信できないため、制御装置90が開閉機40と巻取軸との接続状態を認識できない。よって、実施の形態では、単に開閉装置1の電源がオフするだけでも第4制御モード処理を実行することとしている。
【0120】
また、2つ目の理由については、以下に示す通りである。すなわち、開閉装置1の電源がオンしている状態において、開閉機40を手動操作するために、開閉機40のクラッチによる開閉機40と巻取軸との接続が解除されると、上述したように、開閉機40の手動操作によって開閉体30の位置がズレること等により、位置検知部70によって開閉体30の位置を正確に検知できなくなる(この場合には、制御装置90ではクラッチ解除信号が受信される)。このため、第1制御モード処理で設定された第1制限位置P1及び第2制限位置P2で開閉体30の開閉移動を正確に停止させることができなくなるおそれがあることから、このような問題が生じることを回避するためである。
【0121】
第4制御モード処理が起動されると、SE1において復帰設定部94eは、開閉体30を基準位置P3まで開閉移動させる。
【0122】
この開閉体30を基準位置P3まで開閉移動させる方法については任意であるが、実施の形態では、所定操作によって操作装置60から入力が受け付けられた操作信号に基づいて開閉体30を開閉移動させる(なお、当該開閉移動の詳細な内容については、SD5の具体的な処理と略同一とする。例えば、「自己保持操作」に対応する開閉体30の開閉移動の制御を行ってもよい。)。ただし、これに限らず、例えば、SE1の処理開始と同時に、開閉体30を自動的に開放移動させてもよい。
【0123】
SE2において復帰設定部94eは、SE1による開閉体30の開閉移動によって開閉体30の位置が基準位置P3に到達したか否かを判定する。
【0124】
この基準位置P3に到達したか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態では、SE2の処理時に回転数検知部80から入力が受け付けられた回転数信号が示す駆動部の回転数が閾値未満であるか否かに基づいて判定する。ここで、上記閾値未満である場合には、基準位置P3に到達したと判定し、上記閾値未満でない場合には、基準位置P3に到達していないと判定する。
【0125】
そして、復帰設定部94eは、上記基準位置P3に到達したと判定された場合(SE2、Yes)にはSE3に移行する。一方、上記基準位置P3に到達していないと判定された場合(SE2、No)にはSE1に移行して、上記基準位置P3に到達したと判定されるまで、開閉体30の開閉移動を継続させる。
【0126】
ここで、例えば、上記基準位置P3に到達したと判定された場合には、SC2にて処理された基準位置P3の設定をそのまま保持してもよい。具体的には、記憶部95に記憶された基準位置情報が示す位置を基準位置P3として設定(再度設定)してもよい。あるいは、SC2にて処理された基準位置P3の設定を保持しなくてもよい。具体的には、SE2の処理時において位置検知部70から入力が受け付けられた位置信号が示す開閉体30の位置を基準位置P3として設定(再度設定)してもよい。
【0127】
SE3において復帰設定部94eは、SC2にて算出された第1距離及び第2距離に基づいて、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定(再度設定)する。
【0128】
具体的には、第1制限位置P1については、記憶部95に記憶された第1距離情報に基づいて、SE3の処理時に設定されている基準位置P3から第1距離離れた位置を算出し、当該算出した位置を第1制限位置P1として設定する。
【0129】
また、第2制限位置P2については、記憶部95に記憶された第2距離情報に基づいて、第2距離がSB2にて設定された第2制限位置P2からSC1にて設定された基準位置P3までの距離である場合には、SE3の処理時に設定されている基準位置P3から第2距離離れた位置を算出し、当該算出した位置を第2制限位置P2として設定する。ただし、これに限らず、例えば、第2距離がSB1にて設定された第1制限位置P1からSB2にて設定された第2制限位置P2までの距離である場合には、SE3にて設定された第1制限位置P1から第2距離離れた位置を算出し、当該算出した位置を第2制限位置P2として設定してもよい。
【0130】
その後、制御部94は、第4制御モード処理を終了する。次いで、切替部94fが、制御モードを第4制御モードから第3制御モードに切り替えて、
図6の第3制御モード処理に戻し、SD1に移行する。そして以降同様に、制御部94は、SD1からSD8の処理を繰り返す。
【0131】
以上のような第4制御モード処理により、第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際に、開閉体30を基準位置P3まで開閉移動させることをトリガーとして、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を自動的に設定(再度設定)できる。例えば、第1制御モード処理において現場で作業者によって最適な第1制限位置P1及び第2制限位置P2が設定された後に停電が起きても、第4制御モード処理において上記最適な第1制限位置P1及び第2制限位置P2を自動的に再度設定することができる。よって、第1制限位置P1及び第2制限位置P2の設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。
【0132】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、制御システム50によって開閉体30を所定の位置まで開閉移動させた際に、操作装置60を介して当該所定の位置を第1制限位置P1として設定する第1設定部94aと、制御システム50によって開閉体30を第1制限位置P1とは異なる所定の位置まで開閉移動させた際に、操作装置60を介して当該所定の位置を第2制限位置P2として設定する第2設定部94bと、を備えるので、操作装置60を介して第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定できる。よって、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を自動的に設定する場合に比べて、ユーザのニーズに応じた第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定でき、開閉装置1の使用性を高めることができる。また、算出部94dにて第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際には、制御システム50によって開閉体30を基準位置P3まで開閉移動させることをトリガーとして、算出部94dにて算出された第1距離及び第2距離に基づいて、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定する復帰設定部94eを備えるので、第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際に、開閉体30を基準位置P3まで開閉移動させることをトリガーとして、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を自動的に設定(再度設定)でき、当該設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。
【0133】
また、第3設定部94cが、第1設定部94aによって第1制限位置P1が設定され、且つ第2設定部94bによって第2制限位置P2が設定された後に、基準位置P3を設定するので、基準位置P3を設定する前に第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定する場合に比べて、従来の第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定する方法と略同様に設定でき、当該設定作業を容易に行うことができる。
【0134】
また、切替部94fによって制御モードが第1制御モードに切り替えられた場合に、第1設定部94aが、第1制限位置P1を設定することが可能となると共に、第2設定部94bが、第2制限位置P2を設定することが可能となり、切替部94fによって制御モードが第2制御モードに切り替えられた場合に、第3設定部94cが、基準位置P3を設定することが可能となるので、第1制御モードにおいて第1制限位置P1、第2制限位置P2、及び基準位置P3を設定する場合に比べて、第1制限位置P1、第2制限位置P2、及び基準位置P3を正確に設定でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【0135】
また、復帰設定部94eが、第1制限位置P1又は第2制限位置P2の少なくともいずれか一方が設定されてから、基準位置P3が設定される前に設定タイミングが到来した際には、第1制限位置P1又は第2制限位置P2の少なくともいずれか一方の設定を保持するので、第1制限位置P1の設定又は/及び第2制限位置P2の設定のやり直しを回避でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【0136】
また、復帰設定部94eが、第1制限位置P1又は第2制限位置P2の少なくともいずれか一方が設定されてから、基準位置P3が設定された後に設定タイミングが到来した際には、第1制限位置P1の設定又は第2制限位置P2の設定のいずれもを保持しないので、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を再度設定する際に、当該設定前の第1制限位置P1及び第2制限位置P2が誤って設定されることを回避でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【0137】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0138】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0139】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、制御装置90を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部94を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に記憶部95を設けてもよい。
【0140】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0141】
(第1制限位置、第2制限位置について)
上記実施の形態では、第1制限位置P1が上限位置であり、第2制限位置P2が下限位置であると説明したが、これに限らない。例えば、第1制限位置P1が下限位置であり、第2制限位置P2が上限位置であってもよい。
【0142】
(基準位置について)
上記実施の形態では、基準位置P3が、開閉体30の閉鎖側端部と収納部10の下端部とが当接する位置であると説明したが、これに限らない。例えば、開閉体30の閉鎖側端部と床面とが当接する位置であってもよい。
【0143】
(制御システムについて)
上記実施の形態では、制御システム50が、回転数検知部80を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、開閉機40の駆動部の負荷量を検知可能な検知手段であればよく、一例として、開閉機40の駆動部の電圧値又は電流値を検知可能な検知装置であってもよい。ここで、この駆動部の電圧値又は電流値については、電圧値又は電流値が高いほど駆動部の負荷量が高いことを示し、電圧値又は電流値が低いほど駆動部の負荷量が低いことを示す。
【0144】
(開閉処理について)
上記実施の形態では、第1制御モード処理及び第2制御モード処理が、第3制御モード処理前に行われると説明したが、これに限らない。例えば、第3制御モード処理中(又は第4制御モード処理中)において、所定操作が操作装置60を介して受け付けられた場合には、切替部94fが、第3制御モード処理(又は第4制御モード処理)を中止して、制御モードを第3制御モード(又は第4制御モード)から第1制御モード(又は第2制御モード)に切り替えて、第1制御モード処理(又は第2制御モード処理)を再度実行してもよい。
【0145】
また、上記実施の形態では、第3設定部94cが、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定した後に、基準位置P3を設定すると説明したが、これに限らず、例えば、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を設定する前に、基準位置P3を設定してもよい。
【0146】
また、上記実施の形態では、第3設定部94cが、第2制御モードにおいて基準位置P3を設定するが、これに限らず、例えば、第1制御モードにおいて基準位置P3を設定してもよい。
【0147】
また、上記実施の形態では、第1制限位置P1又は第2制限位置P2の少なくともいずれか一方が設定されてから、SC1において基準位置P3が設定される前に設定タイミングが到来した際には、復帰設定部94eが、第1制限位置P1又は第2制限位置P2の少なくともいずれか一方の設定を保持すると説明したが、これに限らない。例えば、第1制限位置P1又は第2制限位置P2の設定のいずれもを保持しなくてもよい。この場合には、SC1において基準位置P3が設定される前に設定タイミングが到来した後に、第1制御モード処理を再度実行して、第1制限位置P1及び第2制限位置P2を再度設定してもよい。
【0148】
(付記)
付記1の制御システムは、建物の開口部を開閉する開閉体を有する開閉装置を制御する制御システムであって、当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、前記開閉装置に関する操作を行う操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を制限するための第1制限位置として設定する第1設定手段と、当該制御システムによって前記開閉体を前記第1制限位置とは異なる所定の位置まで開閉移動させた際に、前記操作手段を介して当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を制限するための第2制限位置として設定する第2設定手段と、当該制御システムによって前記開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、当該所定の位置を、前記開閉体の開閉移動を制御するための基準となる基準位置として設定する第3設定手段と、前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離である第1距離と、前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置から前記第3設定手段にて設定された前記基準位置までの距離、又は前記第1設定手段にて設定された前記第1制限位置から前記第2設定手段にて設定された前記第2制限位置までの距離である第2距離とを算出する算出手段と、前記算出手段にて前記第1距離及び前記第2距離が算出された後に前記第1制限位置及び前記第2制限位置を再度設定する設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって前記開閉体を前記基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、前記算出手段にて算出された前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定する復帰設定手段と、を備える。
【0149】
付記2の制御システムは、付記1に記載の制御システムにおいて、前記第3設定手段は、前記第1設定手段によって前記第1制限位置が設定され、且つ前記第2設定手段によって前記第2制限位置が設定された後に、前記基準位置を設定する。
【0150】
付記3の制御システムは、付記1又は2に記載の制御システムにおいて、当該制御システムの制御モードを、前記第1制限位置及び前記第2制限位置を設定するための第1制御モードと、前記開閉体の制御位置と前記開閉体を駆動させる駆動手段の負荷量とを紐づけるための第2制御モードとに少なくとも切り替える切替手段を備え、前記切替手段によって前記制御モードが前記第1制御モードに切り替えられた場合に、前記第1設定手段は、前記第1制限位置を設定することが可能となると共に、前記第2設定手段は、前記第2制限位置を設定することが可能となり、前記切替手段によって前記制御モードが前記第2制御モードに切り替えられた場合に、前記第3設定手段は、前記基準位置を設定することが可能となる。
【0151】
付記4の制御システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記復帰設定手段は、前記第1制限位置又は前記第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、前記基準位置が設定される前に前記設定タイミングが到来した際には、前記第1制限位置又は前記第2制限位置の少なくともいずれか一方の設定を保持する。
【0152】
付記5の制御システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の制御システムにおいて、前記復帰設定手段は、前記第1制限位置又は前記第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、前記基準位置が設定された後に前記設定タイミングが到来した際には、前記第1制限位置の設定又は前記第2制限位置の設定のいずれもを保持しない。
【0153】
(付記の効果)
付記1に記載の制御システムによれば、当該制御システムによって開閉体を所定の位置まで開閉移動させた際に、操作手段を介して当該所定の位置を第1制限位置として設定する第1設定手段と、当該制御システムによって開閉体を第1制限位置とは異なる所定の位置まで開閉移動させた際に、操作手段を介して当該所定の位置を第2制限位置として設定する第2設定手段と、を備えるので、操作手段を介して第1制限位置及び第2制限位置を設定できる。よって、第1制限位置及び第2制限位置を自動的に設定する場合に比べて、ユーザのニーズに応じた第1制限位置及び第2制限位置を設定でき、開閉装置の使用性を高めることができる。また、算出手段にて第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際には、当該制御システムによって開閉体を基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、算出手段にて算出された第1距離及び第2距離に基づいて、第1制限位置及び第2制限位置を設定する復帰設定手段を備えるので、第1距離及び第2距離が算出された後に設定タイミングが到来した際に、開閉体を基準位置まで開閉移動させることをトリガーとして、第1制限位置及び第2制限位置を自動的に設定(再度設定)でき、当該設定作業を簡易且つ迅速に行うことができる。
【0154】
付記2に記載の制御システムによれば、第3設定手段が、第1設定手段によって第1制限位置が設定され、且つ第2設定手段によって第2制限位置が設定された後に、基準位置を設定するので、基準位置を設定する前に第1制限位置及び第2制限位置を設定する場合に比べて、従来の第1制限位置及び第2制限位置を設定する方法と略同様に設定でき、当該設定作業を容易に行うことができる。
【0155】
付記3に記載の制御システムによれば、切替手段によって制御モードが第1制御モードに切り替えられた場合に、第1設定手段が、第1制限位置を設定することが可能となると共に、第2設定手段が、第2制限位置を設定することが可能となり、切替手段によって制御モードが第2制御モードに切り替えられた場合に、第3設定手段が、基準位置を設定することが可能となるので、第1制御モードにおいて第1制限位置、第2制限位置、及び基準位置を設定する場合に比べて、第1制限位置、第2制限位置、及び基準位置を正確に設定でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【0156】
付記4に記載の制御システムによれば、復帰設定手段が、第1制限位置又は第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、基準位置が設定される前に設定タイミングが到来した際には、第1制限位置又は第2制限位置の少なくともいずれか一方の設定を保持するので、第1制限位置の設定又は/及び第2制限位置の設定のやり直しを回避でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【0157】
付記5に記載の制御システムによれば、復帰設定手段が、第1制限位置又は第2制限位置の少なくともいずれか一方が設定されてから、基準位置が設定された後に設定タイミングが到来した際には、第1制限位置の設定又は第2制限位置の設定のいずれもを保持しないので、第1制限位置及び第2制限位置を再度設定する際に、当該設定前の第1制限位置及び第2制限位置が誤って設定されることを回避でき、当該設定作業の作業性を高めることができる。
【符号の説明】
【0158】
1 開閉装置
2 開口部
3 配線
10 収納部
20 ガイドレール
30 開閉体
31 スラット
32 座板
40 開閉機
50 制御システム
60 操作装置
70 位置検知部
80 回転数検知部
90 制御装置
91 入力部
92 出力部
93 電源部
94 制御部
94a 第1設定部
94b 第2設定部
94c 第3設定部
94d 算出部
94e 復帰設定部
94f 切替部
95 記憶部
P1 第1制限位置
P2 第2制限位置
P3 基準位置