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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】荷降ろし装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 67/24 20060101AFI20240918BHJP
   B65G 59/02 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
B65G67/24
B65G59/02 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020194395
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083124
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000103426
【氏名又は名称】オークラ輸送機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】前田 馨
(72)【発明者】
【氏名】小野山 達夫
(72)【発明者】
【氏名】石川 逸司
(72)【発明者】
【氏名】平尾 剛章
(72)【発明者】
【氏名】草部 一仁
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-224125(JP,A)
【文献】特開2018-034990(JP,A)
【文献】国際公開第2020/110998(WO,A1)
【文献】特開平06-144573(JP,A)
【文献】特開2016-055995(JP,A)
【文献】特開2017-154888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 67/24
B65G 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を荷降ろしする荷降ろし装置であって、
上下方向に移動し、前記物品を搭載可能な荷受機構と、
前記荷受機構の上方に位置する取出機構とを備え、
前記取出機構は、
上下方向に移動する取出ベースと、
前記取出ベースに設けられ、前記物品を前記荷受機構上に取り出す取出ユニットとを有し、
前記取出ユニットは、
前記物品を把持する把持部と、
前記把持部を前記取出ベースに対して前記物品に向けた前後方向に移動させる前後移動部と、
前記把持部を前記取出ベースに対して上下方向に移動させる上下移動部と、
前記把持部を前記取出ベースに対して前後および上下方向に交差する左右方向に移動させる左右移動部とを有し、
前記取出ベースには、それぞれ独立して移動する複数の前記取出ユニットが設けられている
ことを特徴とする荷降ろし装置
【請求項2】
前記取出ユニットは、前記取出ベースの停止位置で、前記把持部が左右方向および上下方向に移動して取出対象の前記物品の取出位置に移動し、前後方向に移動して前記物品を前記荷受機構上に取り出す
ことを特徴とする請求項1記載の荷降ろし装置。
【請求項3】
前記取出ユニットは、前記取出ベースの停止位置で、前記取出対象の複数の前記物品を前記荷受機構上に取り出す
ことを特徴とする請求項記載の荷降ろし装置。
【請求項4】
左右方向に位置する複数の前記物品の位置に関する情報を取得する物品位置情報取得部と、
複数の前記物品のうち、底面が最も高い位置に存在する前記物品の底面位置から所定高さ範囲内に底面が位置する前記物品を、前記取出対象と判定する取出対象判定部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項または記載の荷降ろし装置。
【請求項5】
前記取出対象判定部により複数の前記物品が前記取出対象と判定された場合、
前記荷受機構は、前記取出対象の前記物品のうち底面が最も低い位置に存在する前記物品が前記荷受機構の搭載面に乗り移り可能な荷受け高さに移動し、前記取出対象の全ての前記物品の取り出しが完了するまで前記荷受け高さを維持する
ことを特徴とする請求項記載の荷降ろし装置。
【請求項6】
物品を荷降ろしする荷降ろし装置であって、
上下方向に移動し、前記物品を搭載可能な荷受機構と、
前記荷受機構の上方に位置する取出機構とを備え、
前記取出機構は、
上下方向に移動する取出ベースと、
前記取出ベースに設けられ、前記物品を前記荷受機構上に取り出す取出ユニットとを有し、
前記取出ユニットは、
前記物品を把持する把持部と、
前記把持部を前記取出ベースに対して前記物品に向けた前後方向に移動させる前後移動部と、
前記取出ベースの移動とは独立して前記把持部全体の位置を前記取出ベースに対して上下方向に移動できる上下移動部と、
前記把持部を前記取出ベースに対して前後および上下方向に交差する左右方向に移動させる左右移動部とを有する
ことを特徴とする荷降ろし装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を荷降ろしする荷降ろし装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばコンテナ内に上下方向に積み重ねられるとともにコンテナ幅方向である左右方向に複数並んで載置された複数の物品を荷降ろしするために、例えば下記の特許文献1に記載された荷降ろし装置が知られている。
【0003】
この荷降ろし装置では、形状および大きさが同じで上下方向および左右方向に整列状態で載置されている物品を取り扱い対象としており、上下方向に立設された支持体に対して取出機構およびコンベヤを上下方向に移動可能に設け、取出機構により最上段の物品から順に複数の物品を吸着把持してコンベヤ上に取り出し、取り出した物品をコンベヤから搬出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3406589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば形状および大きさが異なる複数種類の物品が上下方向および左右方向に混載された場合のように、左右方向に並ぶ物品の保持位置が揃わない物品配置に対しては、上述の特許文献1に記載の荷降ろし装置の取出機構では、物品によっては不適切な位置を吸着してしまい、荷降ろし作業が不安定になる虞がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、多様な物品配置に対応しつつ、物品の安定した荷降ろし作業ができる荷降ろし装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の荷降ろし装置は、物品を荷降ろしする荷降ろし装置であって、上下方向に移動し、前記物品を搭載可能な荷受機構と、前記荷受機構の上方に位置する取出機構とを備え、前記取出機構は、上下方向に移動する取出ベースと、前記取出ベースに設けられ、前記物品を前記荷受機構上に取り出す取出ユニットとを有し、前記取出ユニットは、前記物品を把持する把持部と、前記把持部を前記取出ベースに対して前記物品に向けた前後方向に移動させる前後移動部と、前記把持部を前記取出ベースに対して上下方向に移動させる上下移動部と、前記把持部を前記取出ベースに対して前後および上下方向に交差する左右方向に移動させる左右移動部とを有し、前記取出ベースには、それぞれ独立して移動する複数の前記取出ユニットが設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、多様な物品配置に対応しつつ、物品の安定した荷降ろし作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態を示す車両から荷降ろしする荷降ろし装置の斜視図である。
図2】同上荷降ろし装置の斜視図である。
図3】同上荷降ろし装置の取出機構の斜視図である。
図4】同上荷降ろし装置のブロック図である。
図5】同上荷降ろし装置による荷降ろし動作のフローチャートである。
図6】同上荷降ろし装置による荷降ろし動作を示す斜視図である。
図7】同上図6に続く荷降ろし動作を示す斜視図である。
図8】同上図7に続く荷降ろし動作を示す斜視図である。
図9】同上図8に続く荷降ろし動作を示す斜視図である。
図10】同上図9に続く荷降ろし動作を示す斜視図である。
図11】同上図10に続く荷降ろし動作を示す斜視図である。
図12】同上図11に続く荷降ろし動作を示す斜視図である。
図13】同上図12に続く荷降ろし動作を示す斜視図である。
図14】同上荷降ろし装置が荷降ろしする物品の取出対象の判定を説明する説明図である。
図15】同上荷降ろし装置が荷降ろしする物品の取り出し順の判定を(a)~(d)に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1および図2に荷降ろし装置10を示す。本実施形態では、荷降ろし装置10により、トラクタで牽引されるトレーラまたはトラックなどの車両11の荷台12に積載された荷物などの物品13を荷降ろしする例を示す。
【0012】
車両11は、背面に扉によって開閉される開口部が設けられ、この開口部から荷台12に対して物品13の出し入れが行われる。荷台12には、物品13を車両11の前後方向に搬送する荷台コンベヤが配設されている。
【0013】
車両11の荷台12には、複数の物品13が上下方向に積み重ねられるとともに荷台12の幅方向である左右方向に複数個並んで配置され、さらに、このように上下左右に配置される物品13が前後方向に複数列に配置される。また、荷台12には、形状および大きさが異なる物品13が混載される場合もある。この場合、荷台12には、荷降ろし装置10が物品13を取り出す取出方向である後方から見た側面視で、上下方向および左右方向に物品13が混載されている状態にある。
【0014】
そして、車両11は、背面の開口部が荷降ろし装置10に対向されるように、荷降ろし装置10に対して所定の停車位置に停車される。
【0015】
また、荷降ろし装置10は、物品13を取り出す取出方向からの側面視で上下方向および左右方向に混載された状態にある物品13を荷降ろしする。なお、荷降ろし装置10においては、物品13の配置に対応して上下方向zおよび左右方向xというとともに、物品13へ向けた方向を前方、その反対方向である取出方向を後方とし、これらの方向を前後方向yという。
【0016】
荷降ろし装置10は、車両11の荷台12から搬入コンベヤ14に搬出された物品13を荷降ろしし、荷降ろしした物品13を搬出コンベヤ15に送り出す。
【0017】
搬入コンベヤ14は、例えばローラコンベヤやベルトコンベヤなどが用いられ、車両11の荷台12から後方へ送り出される最前列の物品13を受け入れて後方に向けて搬送し、荷降ろし装置10により荷降ろしする所定の荷降ろし位置に物品13を停止させる。搬入コンベヤ14は、リフタ16によって車両11の荷台コンベヤの高さに合わせた高さ位置に配置され、荷台コンベヤから送り出される物品13を受け入れ可能とする。
【0018】
搬出コンベヤ15は、例えばローラコンベヤやベルトコンベヤなどが用いられ、荷降ろし装置10により荷降ろしされて後方へ送り出される物品13を受け入れ、受け入れた物品13を左右方向xのいずれか一方に向けて搬出する。
【0019】
そして、荷降ろし装置10は、左右一対の支持体20,21と、一方の支持体20に対して上下方向に移動する荷受機構22と、この荷受機構22の上方位置で他方の支持体21に対して上下方向に移動する取出機構23とを備えている。さらに、荷受機構22は、一方の支持体20に対して上下方向に移動する荷受ベース24と、この荷受ベース24に設けられ、物品13を搭載可能な荷受コンベヤ25とを有している。取出機構23は、他方の支持体21に対して上下方向に移動する取出ベース26と、この取出ベース26に設けられ、搬入コンベヤ14上の荷降ろし位置にある物品13を荷受コンベヤ25上に取り出す取出ユニット27とを有している。
【0020】
左右一対の支持体20,21は、内側面が互いに対向するように左右方向xに離間配置され、施設の床面やこの床面上に設置される基台などの設置面28上に立設されている。
【0021】
一方の支持体20は、第1支持体であって、荷受機構22を上下方向zに移動可能に支持するための荷受機構支持体である。支持体20には、支持体21との間に配置される荷受機構22の荷受ベース24が支持体20に沿って上下方向zに移動可能に設けられている。そして、支持体20には、荷受ベース24を上下方向zに移動可能に支持する上下移動機構、およびこの上下移動機構を駆動して荷受ベース24を上下方向zに移動させる例えばモータやシリンダなどの荷受機構上下駆動部29(図4参照)が配設されている。
【0022】
なお、支持体20,21が向かい合って位置し、荷受ベース24と取出ベース26のいずれもが、支持体20,21に左右両持ちで支持される構造としてもよく、支持体20,21は荷受ベース24と取出ベース26を移動可能に支持する構造であればよい。
【0023】
他方の支持体21は、第2支持体であって、取出機構23を上下方向zに移動可能に支持するための取出機構支持体である。支持体21には、支持体20との間に配置される取出機構23の取出ベース26が支持体21に沿って上下方向zに移動可能に設けられている。そして、支持体21には、取出ベース26を上下方向zに移動可能に支持する取出機構上下移動機構、およびこの取出機構上下移動機構を駆動して取出ベース26を上下方向zに移動させる例えばモータやシリンダなどの取出機構上下駆動部30(図4参照)が配設されている。
【0024】
そして、荷受機構22の上方に取出機構23が位置され、荷受機構22と取出機構23とがそれぞれ独立して上下方向zに移動可能とする。
【0025】
また、荷受機構22の荷受ベース24は、取出機構23の下方に位置され、取出機構23に対して独立して上下方向zに移動可能とする。
【0026】
荷受コンベヤ25は、荷受ベース24上に支持され、荷受ベース24と一体に上下方向zに移動する。荷受コンベヤ25は、例えばベルトコンベヤやローラコンベヤなどが用いられる。本実施の形態では、ベルトコンベヤが用いられ、取出ユニット27により取り出される物品13を搭載する搭載面であるベルト上面に受け取り、後方へ向けて搬送する。荷受コンベヤ25の搬送方向の端部側には、荷受コンベヤ25上に物品13を留めるためのストッパが進退可能に配設されている。そして、荷受コンベヤ25は、荷受ベース24により上下方向zに移動し、取出ユニット27で取り出される物品13を受け取る所定の荷受け高さや、物品13を搬出コンベヤ15に払い出す払出し高さに移動可能とする。
【0027】
また、取出機構23の取出ベース26は、荷受機構22の上方に位置され、荷受機構22に対して独立して上下方向zに移動可能とする。取出ベース26は、四角形枠状に設けられた外側枠部33と、この外側枠部33の内側に四角形枠状に設けられた内側枠部34(図3参照)とを有している。内側枠部34の前後方向yの枠部分の上面に、左右方向xに沿ってガイドレール35が取り付けられている。そして、取出ベース26は、上下方向zに移動し、取出ユニット27により物品13を取り出す位置に応じた所定の取出高さに移動可能とする。
【0028】
また、図3に示すように、取出ユニット27は、取出ベース26に対して複数設けられており、それぞれ独立して移動し、取出動作可能とする。本実施形態では、第1取出ユニット27aと第2取出ユニット27bの2つが取出ベース26の左右方向xに並んで配設されている。なお、取出ユニット27は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0029】
取出ユニット27は、取出ベース26に対して左右方向xに移動する左右移動部40と、この左右移動部40に対して上下方向zに移動する上下移動部41と、この上下移動部41に対して前後方向yに移動する前後移動部42と、この前後移動部42の前端側に設けられる把持部43とを備えている。
【0030】
左右移動部40は、左右移動機構45により取出ベース26のガイドレール35に沿って左右方向xに移動可能に支持され、例えばモータやシリンダなどの左右駆動部46(図4参照)の駆動により左右方向xに移動され、把持部43を取出ベース26に対して左右方向xに移動させる。
【0031】
上下移動部41は、上枠47、下枠48、これら上枠47と下枠48とを連結する複数の縦枠49によって枠状に一体に形成されている。上下移動部41は、上下移動機構50により左右移動部40に対して上下方向zに移動可能に支持され、例えばモータやシリンダなどの上下駆動部51(図4参照)の駆動により上下方向zに移動され、把持部43を取出ベース26に対して上下方向zに移動させる。
【0032】
前後移動部42は、複数段階で前後方向に伸縮可能とする。前後移動部42は、上下移動部41の下枠48に固定された固定ガイド53と、この固定ガイド53に対して前後方向yに移動する第1前後移動部54と、この第1前後移動部54に対して前後方向yに移動する第2前後移動部55と、この第2前後移動部55に対して前後方向yに移動する第3前後移動部56とを備えている。第3前後移動部56の前端側に把持部43が取り付けられている。
【0033】
前後移動部42は、前後駆動部57(図4参照)の駆動により把持部43を前後方向yに移動させる。第1前後移動部54および第2前後移動部55は、それぞれモータやシリンダなどの前後駆動部57により前後方向yに移動する。第3前後移動部56は、左右方向xに一対設けられ、前後駆動部57により、それぞれ独立して前後方向yに移動する。第3前後移動部56の前後駆動部57には、物品13に接触する把持部43の位置決め精度を確保するために例えばサーボモータなどの駆動源が用いられている。
【0034】
把持部43は、左右方向xに一対設けられ、各第3前後移動部56の前端側に取り付けられている。把持部43は、把持駆動部59(図4参照)の駆動により物品13を把持する。把持部43は、吸着パッド60を有し、把持駆動部59により物品13の側面の把持位置に接触された吸着パッド60に負圧を生じさせて物品13の側面を吸着把持する。物品13の側面の把持位置は、安定した把持ができる物品13の側面の中央位置が好ましいが、把持部43の構成によっては物品13の側面の上部位置、下部位置、上面などを把持してもよい。なお、把持部43による把持は、吸着に限らず、物品13の一部を挟み込んで把持してもよい。
【0035】
そして、取出ユニット27は、把持部43が左右方向xおよび上下方向zに移動して取出対象の物品13の把持位置に対向する取出位置に移動し、この取出位置から把持部43が前後方向yに移動して物品13を荷受機構22上に取出可能とする。
【0036】
なお、本実施形態では、取出ベース26に左右移動部40が設けられ、左右移動部40に上下移動部41が設けられ、上下移動部41に前後移動部42が設けられる構成順となっているが、どのような構成順であってもよく、把持部43が取出ベース26に対して左右、上下および前後に移動可能であればよい。
【0037】
また、図2に示すように、荷降ろし装置10は、荷降ろしを行う搬入コンベヤ14上の物品13を撮像する撮像部63を備えている。撮像部63は、リーダ、スキャナ、2次元カメラ、3次元カメラ、距離センサなどが用いられる。撮像部63は、左右の支持体20,21に設置され、搬入コンベヤ14上の物品13を左右の両方向から撮像する。
【0038】
次に、図4に荷降ろし装置10のブロック図を示す。
【0039】
荷降ろし装置10は、荷降ろし動作を制御する制御部70を備えている。制御部70は、撮像部63で撮像される物品13の撮像情報を撮像制御部71から取得し、荷受コンベヤ25と、各取出ユニット27の左右駆動部46、上下駆動部51、前後駆動部57および把持駆動部59と、荷受機構上下駆動部29と、取出機構上下駆動部30とを制御する。
【0040】
撮像制御部71は、撮像部63による撮像を制御する。撮像制御部71は、撮像部63により撮像された光情報、画像情報、距離情報などを処理して撮像情報を解析する撮像情報処理部72を有している。
【0041】
そして、制御部70は、物品位置情報取得部73、取出対象判定部74および取出動作生成部75の機能を有している。
【0042】
物品位置情報取得部73は、取得された撮像情報から、左右方向に位置する複数の物品13の上面、底面および側面などの位置に関する情報を取得する。
【0043】
取出対象判定部74は、複数の物品13の位置に関する情報から、荷受コンベヤ25に一度に載ることが可能な最上段の同段の物品13を取出対象として判定するとともに、同段の物品13のうち底面が最も高い位置に存在する物品13の底面位置から所定高さ範囲内に底面が位置する物品13を連続取りの取出対象として判定する。
【0044】
取出動作生成部75は、取出対象の物品13の取り出し順を生成するとともに、取り出し順に応じた荷受機構22および取出機構23の動作を含む取出動作を生成する。
【0045】
次に、荷降ろし装置10の荷降ろし動作について説明する。図5に荷降ろし動作のフローチャートを示し、図6ないし図13に荷降ろし動作を説明する動作図を示す。
【0046】
図6に示すように、車両11の荷台12から送り出された最前列の物品13が搬入コンベヤ14上に受け入れられ、この物品13が荷降ろし装置10に対する所定の荷降ろし位置に搬送されて停止されている。搬入コンベヤ14上には、形状および大きさの異なる物品13が混載されているものとする。
【0047】
まず、撮像部63(図2参照)により搬入コンベヤ14上の物品13の積み山の荷姿を撮像する(ステップS1)。
【0048】
撮像された画像を撮像情報処理部72により解析し、制御部70の物品位置情報取得部73により物品13の上面、底面、側面の各位置に関する情報を取得する(ステップS2)。この場合、積み山の最上段の物品13の各位置に関する情報を取得してもよいし、積み山の全ての物品13の各位置に関する情報を取得してもよい。なお、例えば上流工程で積み状態の物品13の夫々の各位置が判明しているのであれば、ステップS1およびS2に換えて既知の情報を利用してもよい。
【0049】
制御部70の取出対象判定部74により取出対象の物品13を判定し、取出動作生成部75により取出対象の物品13の取出動作を生成する(ステップS3)。
【0050】
なお、まずは全体的な荷降ろし動作の流れを説明し、取出対象の物品13の判定、および取り出し順の判定の詳細については後述する。
【0051】
図6に示す物品13の場合、最上段の物品13が、荷受コンベヤ25に一度に載ることが可能な左右方向xに同段の取出対象の物品13である。なお、図6には物品13を2点鎖線で示すとともにドット表示して示し、さらに取出対象の物品13は細かいドットピッチで区別して示す。また、例えば図6の最も右側の物品13が、取出対象の物品13のうち底面が最も高い物品13であり、この物品13と例えば図6の最も左側の物品13とが連続取りの取出対象の物品13である。また、図6の中央の2つの物品13が、それぞれ個別に取り出される取出対象の物品13である。
【0052】
そして、荷降ろし装置10では、取出対象の物品13のうち、底面が最も高い物品13から取出動作する。ここでは、連続取りの取出対象に含まれる図6の最も右側の物品13、続いて図6の最も左側の物品13の順に取り出し動作する。
【0053】
荷受コンベヤ25は、連続取りの取出対象の物品13のうち底面が最も低い物品13が荷受コンベヤ25の搭載面に乗り移り可能な荷受け高さに要移動と判断されると(ステップS4のYES)、その荷受け高さに移動する(ステップS5)。並行して、把持部43は、取出対象の物品13の把持位置に対向した取出位置に移動する必要があると判断されると(ステップS6のYES)、その取出位置に移動する(ステップS7)。把持部43の取出位置への移動は、把持部43が連続取りの取出対象に含まれる複数の物品13を取出可能とする取出高さに取出ベース26が移動すること、および取出ユニット27の左右移動部40および上下移動部41により把持部43が取出ベース26に対して左右方向xおよび上下方向zに移動することにより可能とする。なお、荷受コンベヤ25の移動と把持部43の移動とは、並行して実行してもよいし、経時的に実行してもよい。
【0054】
取出ベース26には左右方向xに一対の取出ユニット27が設けられているため、図6の右側の取出ユニット27は図6の右側領域の物品13を主体として取り出しを実行し、図6左側の取出ユニット27は図6の左側領域の物品13を主体として取り出しを実行する。
【0055】
図7に示すように、把持部43を取出位置に移動させた後、取出ユニット27の前後移動部42により把持部43が前進し、把持部43が物品13の側面の把持位置に接触する(ステップS8)。図7に示すように、左右方向xの幅が小さい小形の物品13の場合には、一対の把持部43が第1および第2前後移動部54,55により一体に前進した後、一方の把持部43のみが第3前後移動部56によりさらに前進して物品13に接触する。なお、左右方向xの幅が大きい大形の物品13の場合には、一対の把持部43の両方が第3前後移動部56によりさらに前進して物品13に接触することも可能である。
【0056】
把持部43により物品13の側面を吸着して把持する(ステップS9)。
【0057】
図8に示すように、取出ユニット27の前後移動部42により把持部43が後退し(ステップS10)、把持している物品13を荷受コンベヤ25上に取り出す。
【0058】
把持部43が後退したら、把持部43による把持を解除し、物品13を解放する(ステップS11)。把持を解除された物品13は、荷受コンベヤ25上に搭載される。
【0059】
図9に示すように、取出ユニット27の上下移動部41により把持部43が上昇し、荷受コンベヤ25上の物品13よりも上方に移動する(ステップS12)。その後、荷受コンベヤ25が所定量駆動され(ステップS13)、荷受コンベヤ25上の物品13が搬送方向の端部側に搬送され、進出状態にあるストッパにより荷受コンベヤ25上に保留される。
【0060】
ここで、荷受コンベヤ25に搭載された物品13の質量を検出し(ステップS14)、物品13の品種に対して質量を登録する(ステップS15)。なお、ステップS14およびステップS15の実行は任意であり、例えばステップS14およびステップS15を省略し、物品13に添付されたバーコードを読み取って物品13を判別してもよい。
【0061】
続いて、同段に取り出していない取出対象の物品13の残があるか判断し(ステップS16)、残があれば(ステップS16のYES)、ステップ17に進んで次の取出対象の物品13の取出動作に移行する。
【0062】
ステップS17では、再度の撮像が必要か否かを判断する。撮像情報から物品13の位置ずれが認識された場合や、物品13の位置の認識精度が低い場合などは、ステップS1から始めてもよく、それ以外の場合にはステップS4およびステップS6に進む。
【0063】
次に取り出す物品13が連続取りの取出対象の場合、荷受コンベヤ25の移動が必要なく(ステップS4のNO)、および取出ベース26の移動が必要なく、取出ユニット27の左右移動部40および上下移動部41により把持部43のみ左右方向xおよび上下方向zに移動して次の連続取りの取出対象の物品13の取出位置に移動する。そして、次の連続取りの取出対象の物品13について、上述したようにステップS8~ステップS15の取出動作を実行する。
【0064】
ここでは、次の連続取りの取出対象の物品13は、図9の最も左側の物品13であり、左側の取出ユニット27により取り出される。また、図9の最も左側の物品13は図9の左側の取出ユニット27で取り出すため、図6の最も右側の物品13を図6の右側の取出ユニット27で取り出す際に、並行して取り出してもよい。
【0065】
なお、ステップS6でのNOの状況としては、左右方向xの幅の狭い物品13が並んで配置されていて左右一対の把持部43が並んでいる物品13の把持位置にそれぞれ対向する取出位置に位置し、一方の把持部43で一方の物品13を取り出した後、他方の把持部43で他方の物品13を取り出す場合がある。あるいは、2つの取出ユニット27の把持部43がそれぞれ取出位置に移動し、一方の取出ユニット27の把持部43で物品13を取り出した後、他方の取出ユニット27の把持部43で物品13を取り出す場合がある。
【0066】
このようにして連続取りの取出対象に含まれる全ての物品13が取り出された後、ステップ16で同段に取り出されていない取出対象の物品13の残があるか判断し、残があれば(ステップS16のYES)、ステップ17に進んで次の取出対象の物品13の取出動作に移行する。
【0067】
次の取出対象の物品13は、別の連続取りの取出対象の場合と、個別に取り出される個別取りの取出対象の場合とがある。ここでは、図9の図示中央の2つの個別に取り出す取出対象の物品13のうち、把持位置が高い一方の物品13が次の取出対象となる。ステップS4およびステップS6において、次の取出対象の物品13の底面位置に対応した荷受け高さに荷受コンベヤ25が移動するとともに、把持部43が取出位置に移動する。そして、ステップS8~ステップS15のように物品13の取出動作を実行する。同様にして、残りの取出対象の物品13の取出動作を実行する。
【0068】
このようにして、図10に示すように、上述した取出動作により、同段の取出対象に含まれる全ての物品13を荷受コンベヤ25上に取り出す。
【0069】
同段の取出対象に含まれる全ての物品13を荷受コンベヤ25上に取り出したら(ステップS16のNO)、図11に示すように、荷受コンベヤ25が下降し、搬出コンベヤ15への払出し高さに移動する(ステップS18)。
【0070】
図12に示すように、荷受コンベヤ25のストッパが退避し、荷受コンベヤ25の駆動により荷受コンベヤ25上の複数の物品13が搬出コンベヤ15に一括して送り出し(ステップS19)、搬出コンベヤ15により物品13が所定の搬送場所に向けて搬出する。
【0071】
続いて、搬入コンベヤ14上に最前列の物品13に残があるか判断し(ステップS20)、残があれば、ステップS1に進んで次の同段の取出対象の物品13の取出動作に移行する(ステップS20のYES)。すなわち、図13に示すように、次の同段の取出対象の物品13が判定され、取出対象の物品13の荷受け高さに荷受コンベヤ25が移動するとともに、取出対象の物品13の取出位置に把持部43が移動する。
【0072】
このようにして、搬入コンベヤ14上の最前列の物品13の荷降ろし動作を完了したら(ステップS20のNO)、車両11の荷台12に物品13が残っているか判断し(ステップS21)、残っている場合には(ステップS21のYES)、次の列の物品13が搬入コンベヤ14に送り出されるのを確認し(ステップS22のYES)、ステップ1に進んで次の列の物品13の荷降ろし動作を継続する。
【0073】
そして、車両11の荷台12に物品13が残っていなければ(ステップS21のNO)、荷降ろし動作を終了する。
【0074】
なお、ステップS14およびステップS15を省略した場合、取出ベース26が停止した状態で、それぞれの取出ユニット27が複数の物品13を取り出すことが可能であれば、複数の物品13をそれぞれの取出ユニット27で同時に取り出して荷受コンベヤ25に移動させてもよい。
【0075】
次に、制御部70の取出対象判定部74による取出対象の物品13の判定について説明する。
【0076】
図14に示す状態に物品13の積み山がある場合、撮像情報に基づき、物品13の積み山の最上段に位置して左右方向xに並んだA~Dの物品13は、荷受コンベヤ25に一度に載ることが可能な同段の取出対象の物品13と判定する。
【0077】
同段のA~Dの物品13のうち、底面が最も高い位置に存在するのがAの物品13である。Aの物品13の底面位置から、Cの物品13はh1、Bの物品13はh2、Dの物品13はh3の高さだけそれぞれ低い位置にあり、h1<h2<h3の関係にある。そして、Aの物品13の底面位置から所定高さ範囲の閾値内に底面が位置するのがA~Cの物品13である場合、これらA~Cの物品13が第1グループの連続取りの取出対象と判定する。
【0078】
さらに、第1グループの連続取りの取出対象に含まれなかった物品13の中で底面が最も高い位置に存在する物品13の底面位置から所定高さ範囲である閾値内に底面が位置する物品13が他に存在する場合は次の第2グループの連続取りの取出対象とする。ここでは、第1グループの連続取りの取出対象に含まれなかった同段の残りの物品13はDの物品13のみであり、この場合にはDの物品13は個別に取り出されるため、個別取りの取出対象である。
【0079】
そして、仮に、A~Dの物品13を連続取りの取出対象とした場合、底面の高さが最も低いDの物品13の底面位置に対応した荷受け高さに荷受コンベヤ25が移動した状態で、底面の高さが最も高いAの物品13を取り出す際、荷受コンベヤ25上へのAの物品13の落下距離が大きく、物品13の落下時の衝撃が大きくなる。
【0080】
そこで、A~Cの物品13を連続取りの取出対象とすることにより、A~Cの物品13を連続取りする際、A~Cの物品13のうちの底面が最も低いBの物品13の底面位置に対応した荷受け高さに荷受コンベヤ25が移動した状態では、底面の高さが最も高いAの物品13を取り出す際でも、荷受コンベヤ25上へのAの物品13の落下距離が小さく、物品13の落下時の衝撃を抑制することができる。
【0081】
そして、連続取りの取出対象のA~Cの物品13を取り出す際には、荷受コンベヤ25の荷受け高さを維持した状態で実行でき、荷受コンベヤ25の移動を最小限に抑え、効率的に荷降ろし動作ができる。また、個別取りの対象であるDの物品13の底面位置に対応した荷受け高さに荷受コンベヤ25が移動することにより、Dの物品13を取り出すことができる。
【0082】
なお、例えば、物品13を把持した状態の把持部43を下方へ向けて移動または垂下可能に構成することで、物品13の底面の位置に対して低い位置で待機する荷受コンベヤ25に対しても物品13をより安全に着地させることができる。
【0083】
次に、取出対象の物品13の取り出し順の判定について説明する。
【0084】
図15(a)に示すように、物品13の底面位置に応じて荷受コンベヤ25の荷受け高さが定まり、物品13の把持位置の高さに応じて把持部43の上下位置が定まるが、把持部43で取り出した物品13を荷受コンベヤ25で搬送して荷受コンベヤ25上の搬送方向の端部側に取り込むには、物品13を取り出した後に把持部43を物品13の上面よりも上方に位置させる必要がある。つまり、把持部43の上昇ストローク端と荷受コンベヤ25との距離h11を、物品13の高さh12よりも長くする必要がある。また、取出ベース26に対して把持部43が昇降できる範囲h13は一定である。
【0085】
図15(b)に示すように、上下高さの差異が大きい同段のA~Dの物品13を取出対象とした場合、上述したようにA~Cの物品13は連続取りの取出対象になるが、A~Cの物品13のうちの底面が最も低いBの物品13の底面に対応した荷受け高さに荷受コンベヤ25が移動した状態で、把持部43の上昇ストローク端と荷受コンベヤ25との距離h11よりもCの物品13の高さh12が高くなり、把持部43をCの物品13の上面よりも上方に移動させることができない。
【0086】
このような場合には、取出ベース26そのものの取出高さを変化させる必要があるが、連続取りの取出対象の物品13のうち最も把持位置が高い物品13から取り出しを開始するように取り出し順序を判定することにより、取出ベース26の取出高さの変化回数を抑えることが可能となる。
【0087】
そして、図15(c)に示すように、まず、把持部43でCの物品13の把持位置を把持可能で、かつ把持部43が取出後にCの物品13の上方に移動可能とする取出高さに取出ベース26が移動し、Cの物品13の取出動作を実行する。この取出ベース26の取出高さでは、把持位置がCの物品13よりも下方となるA、Bの物品13については把持部43による把持が不可能であるため、この取出ベース26の取出高さではCの物品13だけを取り出す。
【0088】
Cの物品13の取り出しが終わると、次は、底面位置の高いAの物品13を取り出すが、Aの物品13とBの物品13とは連続で取り出せるので、図15(d)に示すように、Aの物品13およびBの物品13を取出可能とする取出高さへ取出ベース26を下降させ、一方の取出ユニット27(27b)の把持部43をAの物品13の把持位置に応じた高さへ移動させ、および取出ユニット27(27a)の把持部43をBの物品13の把持位置に応じた高さへ移動させ、連続または同時にAの物品13およびBの物品13の取り出しを実行する。このとき、取出ユニット27(27a)は、荷受コンベヤ25上に既に載っているCの物品13との干渉を避けるために、把持部43がBの物品13の側部から突出しないようにBの物品13を把持する。
【0089】
以上のように、本実施の形態の荷降ろし装置10では、取出ユニット27を設けた取出ベース26が上下に移動し、さらに、取出ユニット27の把持部43が取出ベース26に対して左右、上下および前後に移動するため、物品13の位置に応じた適切な把持位置を把持部43で把持でき、混載状態などの多様な物品配置に対応しつつ、物品13の安定した荷降ろし作業ができる。
【0090】
また、取出ベース26には、それぞれ独立して移動する複数の取出ユニット27が設けられるため、複数の取出ユニット27により複数の物品13を並行して取り出すことが可能となったり、取出ユニット27の左右移動の距離が短くなることから、荷降ろし作業の効率を向上できる。しかも、いずれかの取出ユニット27に故障などの不具合が生じても、荷降ろし作業を停止することなく、残りの取出ユニット27で荷降ろし作業を継続できる。
【0091】
また、取出ベース26を所定の取出高さに移動させた停止位置で、把持部43が左右および上下に移動することにより、混載状態であっても所望の取出対象の物品13を取り出すことができる。
【0092】
さらに、取出ベース26を所定の取出高さに移動させた停止位置で、把持部43が左右および上下に移動することにより、混載状態であっても取出対象の複数の物品13を取り出して荷受コンベヤ25上に一度に載せることができ、荷降ろし作業の効率を向上できる。例えば、把持部43が取出ベース26に対して上下に移動しない場合、大形で質量の大きい取出機構23全体を物品13の把持位置の高さに応じて上下に移動させなくてはならず、荷降ろし作業の高速化への対応が難しい。それに対して、取出ベース26の停止位置で、把持部43が取出ベース26に対して上下に移動可能であるため、荷降ろし作業の高速化への対応が容易で、荷降ろし作業の効率を向上できる。
【0093】
また、底面が最も高い位置に存在する物品13の底面位置から所定高さ範囲内に底面が位置する物品13を取出対象と判定するため、混載された物品13から取出対象の複数の物品13を取り出して荷受コンベヤ25上に一度に載せることができるとともに、物品13に大きな衝撃などを加えることがなく取り出すことができる。
【0094】
さらに、複数の物品13が取出対象と判定された場合、荷受機構22は、取出対象の物品13のうち底面が最も低い位置に存在する物品13が荷受機構22の搭載面に乗り移り可能な荷受け高さに移動し、取出対象の全ての物品13の取り出しが完了するまで荷受け高さを維持するため、荷受機構22の荷受け高さの変化回数が低減され、荷降ろし作業の効率を向上できる。
【0095】
なお、複数台の車両11が幅方向に並んで横列状に停車され、各車両11から荷降ろしする場合には、荷降ろし装置10を車両11の幅方向に横行するように設け、1台の荷降ろし装置10で複数台の車両11から順次荷降ろしできるように構成してもよい。
【0096】
なお、荷降ろし装置10は、車両11の荷台12に積載された物品13の荷降ろしに限らず、例えばパレット上に積載された物品の荷降ろしにも適用できる。
【0097】
以上、本発明の実施の形態およびその変形例について説明したが、種々の構成の組み合わせ、一部の省略、置き換えおよび変更も可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 荷降ろし装置
13 物品
22 荷受機構
23 取出機構
26 取出ベース
27 取出ユニット
40 左右移動部
41 上下移動部
42 前後移動部
43 把持部
73 物品位置情報取得部
74 取出対象判定部
x 左右方向
y 前後方向
z 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15