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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】電動作業機
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240918BHJP
   B25F 5/02 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
B25F5/00 B
B25F5/02
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020205710
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022092795
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福岡 慶剛
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0008088(US,A1)
【文献】特開2002-109999(JP,A)
【文献】特開2012-138237(JP,A)
【文献】特開2004-063449(JP,A)
【文献】特開2013-100056(JP,A)
【文献】特開2008-026117(JP,A)
【文献】特開2012-120381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00 - 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ及びステータに対して回転するロータを有するモータと、
前記ロータにより駆動される出力部と、
前記出力部の設定の状況を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの制御のために操作される操作部材と、
前記操作部材を位置決めする位置決め部を有し、前記操作部材を支持するカバー部材と、を備え、
前記操作部材は、プレート部と、前記プレート部から突出する第1ボタン部と、前記プレート部から突出する第2ボタン部と、前記プレート部から突出する第3ボタン部と、前記プレート部から突出する第4ボタン部と、前記プレート部の少なくとも一部に設けられ前記第1ボタン部と前記第2ボタン部と前記第3ボタン部と前記第4ボタン部との連動を抑制する連動抑制部と、を有
前記第1ボタン部と前記第2ボタン部と前記第3ボタン部と前記第4ボタン部とは、前記プレート部に規定された中心点を囲むように配置され、
前記連動抑制部は、前記第1ボタン部と前記第2ボタン部との間に設けられる第1連動抑制部と、前記第2ボタン部と前記第3ボタン部との間に設けられる第2連動抑制部と、前記第3ボタン部と前記第4ボタン部との間に設けられる第3連動抑制部と、前記第4ボタン部と前記第1ボタン部との間に設けられる第4連動抑制部と、を含み、
前記第1連動抑制部と前記第2連動抑制部と前記第3連動抑制部と前記第4連動抑制部とは、離れており、
前記第1連動抑制部と前記第2連動抑制部と前記第3連動抑制部と前記第4連動抑制部とは、前記中心点を囲むように配置され、前記中心点に対する放射方向に延伸し、
前記カバー部材は、第1操作開口と、第2操作開口と、第3操作開口と、第4操作開口と、を有し、
前記第1ボタン部は、前記第1操作開口に配置され、
前記第2ボタン部は、前記第2操作開口に配置され、
前記第3ボタン部は、前記第3操作開口に配置され、
前記第4ボタン部は、前記第4操作開口に配置され、
前記第1ボタン部、前記第2ボタン部、前記第3ボタン部、及び前記第4ボタン部のそれぞれは、複数の角部を有し、前記角部が前記中心点を向くように配置される、
電動作業機。
【請求項2】
複数の前記角部のうち、内角が最も小さい角部が前記中心点を向くように配置される、
請求項1に記載の電動作業機。
【請求項3】
前記連動抑制部は、前記プレート部に設けられたスリットを含む、
請求項1又は請求項2に記載の電動作業機。
【請求項4】
前記連動抑制部は、前記プレート部の周縁部の内側に設けられる、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項5】
前記第1連動抑制部の長さと前記第2連動抑制部の長さとは、異なり、
前記第3連動抑制部の長さと前記第4連動抑制部の長さとは、異なる、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項6】
前記第1連動抑制部から前記中心点までの最短距離と、前記第2連動抑制部から前記中心点までの最短距離とは、異なる、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項7】
ステータ及びステータに対して回転するロータを有するモータと、
前記ロータにより駆動される出力部と、
前記出力部の設定の状況を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの裏面に対向するプレート部、前記表示パネルの側面の周囲に配置されるフレーム部、及び前記フレーム部の左部及び右部のそれぞれから突出する支持板部を有し、前記表示パネルを保持する保持部材と、
前記保持部材とは別部材であり、プレート部、第1ボタン部第2ボタン部、第3ボタン部、及び第4ボタン部を有し、前記表示パネルの制御のために操作される操作部材と、
前記操作部材の前記プレート部の2つの角部のそれぞれに設けられた操作部材側位置決め部を位置決めする第1位置決め部と、前記保持部材の2つの支持板部のそれぞれに設けられた保持部材側位置決め部を位置決めする第2位置決め部とを有し、前記操作部材を支持するカバー部材と、を備える、
電動作業機。
【請求項8】
前記第1位置決め部は、前記操作部材の少なくとも一部に設けられた第1位置決め開口に挿入される第1位置決め凸部を含
前記第2位置決め部は、前記保持部材の少なくとも一部に設けられた第2位置決め開口に挿入される第2位置決め凸部を含む、
請求項に記載の電動作業機。
【請求項9】
前記位置決め部は、前記プレート部の相互に向き合う2つの角部のそれぞれにおいて位置決めする、
請求項7又は請求項に記載の電動作業機。
【請求項10】
前記モータを収容するモータ収容部を備え、
前記カバー部材は、前記モータ収容部の後部に設けられた開口部を覆うように配置される、
請求項から請求項のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項11】
前記保持部材を支持し、前記プレート部に対向する第1回路基板を備え、
前記第1回路基板は、第1スイッチ素子と、第2スイッチ素子と、第3スイッチ素子と、第4スイッチ素子と、を有し、
前記第1ボタン部の変位により前記第1スイッチ素子が操作され、前記第2ボタン部の変位により前記第2スイッチ素子が操作され、前記第3ボタン部の変位により前記第3スイッチ素子が操作され、前記第4ボタン部の変位により前記第4スイッチ素子が操作される、
請求項から請求項10のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項12】
前記操作部材は、前記第1スイッチ素子に対向するように前記プレート部から突出する第1操作凸部と、前記第2スイッチ素子に対向するように前記プレート部から突出する第2操作凸部と、前記第3スイッチ素子に対向するように前記プレート部から突出する第3操作凸部と、前記第4スイッチ素子に対向するように前記プレート部から突出する第4操作凸部と、を有する、
請求項11に記載の電動作業機。
【請求項13】
スペーサを介して前記第1回路基板に対向する第2回路基板と、
前記カバー部材と前記第1回路基板と前記スペーサと前記第2回路基板とを固定する第1ねじと、を備える、
請求項11又は請求項12に記載の電動作業機。
【請求項14】
前記スペーサ及び前記第2回路基板を介さずに前記カバー部材と前記第1回路基板とを固定する第2ねじを備え、
前記カバー部材は、前記第2ねじが挿入されるねじ孔を有し、
前記ねじ孔は、前記操作部材の周囲の少なくとも一部に配置される、
請求項13に記載の電動作業機。
【請求項15】
前記操作部材は、ゴム製である、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動作業機に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような表示部及び操作部を有する電動工具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-183875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作部の操作性が低い場合、誤操作が誘発される可能性がある。そのため、操作部の操作性の向上が要望される。
【0005】
本開示は、電動作業機に操作部が設けられている場合において、操作性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示に従えば、ステータ及びステータに対して回転するロータを有するモータと、ロータにより駆動される出力部と、出力部の設定の状況を表示する表示パネルと、表示パネルの制御のために操作される操作部材と、を備え、操作部材は、プレート部と、プレート部から突出する第1ボタン部と、プレート部から突出する第2ボタン部と、プレート部の少なくとも一部に設けられ第1ボタン部と第2ボタン部との連動を抑制する連動抑制部と、を有する、電動作業機が提供される。
【0007】
第2の開示に従えば、ステータ及びステータに対して回転するロータを有するモータと、ロータにより駆動される出力部と、出力部の設定の状況を表示する表示パネルと、プレート部、第1ボタン部、及び第2ボタン部を有し、表示パネルの制御のために操作される操作部材と、操作部材を位置決めする位置決め部を有し、操作部材を支持するカバー部材と、を備える、電動作業機が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電動作業機に操作部が設けられている場合において、操作性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るねじ締め機を示す左前方からの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るねじ締め機を示す右後方からの斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るねじ締め機を示す側面図である。
図4図4は、実施形態に係るねじ締め機を示す断面図である。
図5図5は、実施形態に係るリヤカバーユニットを後方から見た図である。
図6図6は、実施形態に係るねじ締め機を示す右後方からの分解斜視図である。
図7図7は、実施形態に係るリヤカバーユニットを示す右後方からの斜視図である。
図8図8は、実施形態に係るリヤカバーユニットを示す右後方からの分解斜視図である。
図9図9は、実施形態に係るリヤカバーユニットを示す右前方からの斜視図である。
図10図10は、実施形態に係るリヤカバーユニットを示す右前方からの分解斜視図である。
図11図11は、実施形態に係る操作部材を後方から見た図である。
図12図12は、実施形態に係るリヤカバーユニットを示す右後方からの分解斜視図である。
図13図13は、実施形態に係るリヤカバーユニットを示す右前方からの分解斜視図である。
図14図14は、実施形態に係る拡散光学部材を前方から見た図である。
図15図15は、実施形態に係る拡散光学部材を示す下方からの斜視図である。
図16図16は、実施形態に係る拡散光学部材を示す右後方からの斜視図である。
図17図17は、実施形態に係る拡散光学部材と発光素子との関係を示す図である。
図18図18は、実施形態に係るカバー部材を示す下方からの斜視図である。
図19図19は、実施形態に係るカバー部材を示す右後方からの斜視図である。
図20図20は、実施形態に係る表示パネル及び保持部材を示す右後方からの分解斜視図である。
図21図21は、実施形態に係る表示パネル及び保持部材を示す右前方からの分解斜視図である。
図22図22は、実施形態に係る保持部材とインタフェースコントローラとの接続構造を示す側面図である。
図23図23は、実施形態に係る保持部材とインタフェースコントローラとの接続構造を示す右後方からの分解斜視図である。
図24図24は、実施形態に係る保持部材とインタフェースコントローラとの接続構造を示す右前方からの分解斜視図である。
図25図25は、実施形態に係るねじ締め機の状態と通知発光部の発光状態との関係を示す図である。
図26図26は、実施形態に係る表示部の画面遷移図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0011】
実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、ねじ締め機1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0012】
ねじ締め機1は、電動モータを動力源とする電動作業機である。ねじ締め機1は、電動作業機の一種である電動工具である。電動モータの回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称する。回転軸AXの周囲を周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称する。回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。
【0013】
回転軸AXは、前後方向に延伸する。軸方向と前後方向とは一致する。軸方向一方側は、前方であり、軸方向他方側は、後方である。径方向において、回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。
【0014】
左右方向(第2方向)と前後方向(第1方向)と上下方向(第3方向)とは、相互に直交する。
【0015】
[ねじ締め機]
図1は、実施形態に係るねじ締め機1を示す左前方からの斜視図である。図2は、実施形態に係るねじ締め機1を示す右後方からの斜視図である。図3は、実施形態に係るねじ締め機1を示す側面図である。図4は、実施形態に係るねじ締め機1を示す断面図である。
【0016】
ねじ締め機1は、製品の組立工場において使用される産業用の電動ドライバである。製品の組立工程において、ねじ締め機1によるねじ締め作業が実施される。組立工場として、自動車の組立工場が例示される。製品として、自動車が例示される。
【0017】
図1図2図3、及び図4に示すように、ねじ締め機1は、ハウジング2と、ギヤケース3と、バッテリ装着部4と、モータ5と、ベアリングボックス6と、遊星歯車機構7と、出力部8と、トルクセンサ9と、ファン10と、トリガスイッチ11と、正逆切換レバー12と、音声発生部13と、発光部14と、メインコントローラ15と、リヤカバーユニット100とを備える。
【0018】
ハウジング2は、合成樹脂製である。ハウジング2は、左ハウジング2Lと、右ハウジング2Rとを含む。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、ねじ2Sにより固定される。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとが固定されることにより、ハウジング2が形成される。
【0019】
ハウジング2は、モータ収容部21と、グリップ部22と、コントローラ収容部23とを有する。
【0020】
モータ収容部21は、モータ5を収容する。モータ収容部21は、前後方向に延伸する筒状部を有する。モータ収容部21は、グリップ部22よりも上方に配置される。
【0021】
グリップ部22は、作業者の手で握られる。グリップ部22は、モータ収容部21よりも下方に配置される。グリップ部22は、モータ収容部21から下方に延伸する。トリガスイッチ11は、グリップ部22に配置される。
【0022】
コントローラ収容部23は、メインコントローラ15を収容する。コントローラ収容部23は、グリップ部22よりも下方に配置される。コントローラ収容部23は、グリップ部22の下端部に接続される。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、コントローラ収容部23の外形の寸法は、グリップ部22の外形の寸法よりも大きい。
【0023】
ギヤケース3は、ベアリングボックス6、トルクセンサ9、遊星歯車機構7、及び出力部8の一部を収容する。ギヤケース3は、モータ5の少なくとも一部よりも前方に配置される。ギヤケース3は、筒状である。ギヤケース3は、金属製である。実施形態において、ギヤケース3は、アルミニウム製である。ギヤケース3は、モータ収容部21の前部の開口を覆うように配置される。ギヤケース3は、モータ収容部21に固定される。ギヤケース3の後部は、モータ収容部21の内側に配置される。モータ収容部21の少なくとも一部は、ギヤケース3の周囲に配置される。ギヤケース3の前部は、モータ収容部21よりも前方に配置される。
【0024】
バッテリ装着部4は、コントローラ収容部23の下部に設けられる。バッテリ装着部4にバッテリパック16が接続可能である。バッテリパック16は、バッテリ装着部4に装着される。バッテリパック16は、バッテリ装着部4に着脱可能である。バッテリパック16は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック16は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部4に装着されることにより、バッテリパック16は、ねじ締め機1に電力を供給することができる。モータ5は、バッテリパック16から供給される電力に基づいて駆動する。メインコントローラ15及びリヤカバーユニット100のそれぞれは、バッテリパック16から供給される電力に基づいて作動する。
【0025】
モータ5は、ねじ締め機1の動力源である。モータ5は、電動モータである。モータ5は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ5は、モータ収容部21に収容される。
【0026】
モータ5は、ステータ51と、ロータ52とを有する。ステータ51は、ロータ52の周囲に配置される。ロータ52は、ステータ51に対して回転する。ロータ52は、回転軸AXを中心に回転する。ギヤケース3は、ステータ51よりも前方に配置される。
【0027】
ステータ51は、ステータコア51Aと、前インシュレータ51Bと、後インシュレータ51Cと、コイル51Dと、センサ基板51Eとを有する。
【0028】
ステータコア51Aは、筒状である。ステータコア51Aは、積層された複数の鋼板を含む。前インシュレータ51Bは、ステータコア51Aの前部に固定される。後インシュレータ51Cは、ステータコア51Aの後部に固定される。コイル51Dは、複数設けられる。複数のコイル51Dは、前インシュレータ51B及び後インシュレータ51Cを介してステータコア51Aのティースに巻かれる。センサ基板51Eは、ロータ52の回転を検出する複数の検出素子を有する。センサ基板51Eは、後インシュレータ51Cに支持される。ヒュージング端子が複数のコイル51Dに接続される。
【0029】
ロータ52は、ロータコア52Aと、永久磁石52Bと、ロータシャフト53とを有する。
【0030】
ロータコア52Aは、ステータコア51A及びコイル51Dの内側に配置される。ロータコア52Aは、円筒状である。ロータコア52Aは、ロータシャフト53の周囲に配置される。ロータコア52Aは、ロータシャフト53に固定される。ロータコア52Aは、積層された複数の鋼板を含む。永久磁石52Bは、複数設けられる。永久磁石52Bは、ロータコア52Aに保持される。ロータコア52Aは、前後方向に延伸する貫通孔を有する。貫通孔は、周方向に複数形成される。永久磁石52Bは、ロータコア52Aの複数の貫通孔のそれぞれに配置される。
【0031】
センサ基板51Eの検出素子は、複数の永久磁石52Bの磁界を検出することによって、ロータ52の回転を検出する。メインコントローラ15は、検出素子の検出信号に基づいて、コイル51Dに駆動電流を供給する。
【0032】
ロータシャフト53は、前後方向に延伸する。ロータシャフト53は、回転軸AXを中心に回転する。ロータシャフト53の回転軸AXは、出力部8の回転軸と一致する。
【0033】
ロータ52の少なくとも一部は、ベアリング54に支持される。ロータ52の少なくとも一部は、ベアリング55に支持される。前後方向において、ベアリング54は、ステータ51の前端部とトルクセンサ9の後端部との間に配置される。ベアリング54は、ロータシャフト53の前部を回転可能に支持する。ベアリング54は、ステータ51よりも前方のロータシャフト53の一部を支持する。前後方向において、ベアリング55は、ステータ51の後端部よりも後方に配置される。ベアリング55は、ロータシャフト53の後部を回転可能に支持する。ベアリング55は、ステータ51よりも後方のロータシャフト53の一部を支持する。
【0034】
ベアリングボックス6は、ベアリング54を支持する。ベアリングボックス6は、ベアリング54の周囲に配置される。ベアリングボックス6は、ギヤケース3に収容される。ベアリングボックス6は、ギヤケース3に固定される。
【0035】
ベアリング55は、モータ収容部21に設けられたベアリング保持部57に保持される。
【0036】
ロータシャフト53の前端部53Aは、ベアリング54よりも前方に配置される。ロータシャフト53の前端部53Aは、ギヤケース3の内部に配置される。
【0037】
ロータシャフト53の前端部53Aにピニオンギヤ71Sが装着される。ロータシャフト53は、ピニオンギヤ71Sを介して遊星歯車機構7に連結される。
【0038】
遊星歯車機構7は、ギヤケース3に収容される。遊星歯車機構7は、トルクセンサ9よりも前方に配置される。遊星歯車機構7は、ロータシャフト53と出力部8とを連結する。遊星歯車機構7は、ロータシャフト53の回転を減速し、ロータシャフト53よりも低い回転速度で出力部8を回転させる。遊星歯車機構7は、モータ5が発生した回転力を出力部8に伝達する動力伝達機構として機能する。
【0039】
遊星歯車機構7は、プラネタリギヤ71Pと、キャリア71Cと、サンギヤ72Sと、プラネタリギヤ72Pと、キャリア72Cと、インターナルギヤ70とを有する。プラネタリギヤ71P、キャリア71C、サンギヤ72S、プラネタリギヤ72P、キャリア72C、及びインターナルギヤ70のそれぞれは、ギヤケース3に収容される。
【0040】
プラネタリギヤ71Pは、複数設けられる。複数のプラネタリギヤ71Pは、ピニオンギヤ71Sの周囲に配置される。実施形態において、プラネタリギヤ71Pは、ピニオンギヤ71Sの周囲に3つ配置される。複数のプラネタリギヤ71Pのそれぞれは、ピニオンギヤ71Sに噛み合う。複数のプラネタリギヤ71Pのそれぞれは、インターナルギヤ70に噛み合う。
【0041】
キャリア71Cは、複数のプラネタリギヤ71Pを回転可能に支持する。
【0042】
サンギヤ72Sは、キャリア71Cの前方に配置される。サンギヤ72Sの直径は、キャリア71Cの直径よりも小さい。キャリア71Cとサンギヤ72Sとは一体である。キャリア71Cとサンギヤ72Sとは一緒に回転する。
【0043】
プラネタリギヤ72Pは、複数設けられる。複数のプラネタリギヤ72Pは、サンギヤ72Sの周囲に配置される。実施形態において、プラネタリギヤ72Pは、サンギヤ72Sの周囲に4つ配置される。複数のプラネタリギヤ72Pのそれぞれは、サンギヤ72Sに噛み合う。径方向において、プラネタリギヤ72Pは、サンギヤ72Sとインターナルギヤ70との間に配置される。
【0044】
キャリア72Cは、複数のプラネタリギヤ72Pを回転可能に支持する。キャリア72Cは、出力部8に接続される。キャリア72Cは、回転軸AXを中心に回転可能である。
【0045】
インターナルギヤ70は、実質的に円筒状である。インターナルギヤ70は、複数のプラネタリギヤ72Pの周囲に配置される。インターナルギヤ70は、複数のプラネタリギヤ72Pのそれぞれに噛み合う。ギヤケース3の内周面とインターナルギヤ70の外周面とは対向する。実施形態において、インターナルギヤ70は、ギヤケース3に対して回転可能である。インターナルギヤ70は、トルクセンサ9に連結される。
【0046】
インターナルギヤ70の内側において、プラネタリギヤ71Pの後方にワッシャ73が配置される。ワッシャ73は、ピニオンギヤ71Sを囲むように配置される。
【0047】
ギヤケース3の内側に、弾性部材74が配置される。弾性部材74は、リング状である。弾性部材74として、ゴム製のOリングが例示される。弾性部材74は、ギヤケース3の内周面に設けられた溝に配置される。インターナルギヤ70の後端面は、弾性部材74に接触する。
【0048】
径方向において、ギヤケース3とインターナルギヤ70との間に弾性部材75が配置される。弾性部材75は、リング状である。弾性部材75として、ゴム製のOリングが例示される。弾性部材75は、インターナルギヤ70の外周面に設けられた溝に配置される。ギヤケース3の内周面は、弾性部材75に接触する。実施形態において、弾性部材75は、前後方向に2つ配置される。
【0049】
ピニオンギヤ71Sは、プラネタリギヤ71P、キャリア71C、及びサンギヤ72Sを介して、プラネタリギヤ72Pに連結される。プラネタリギヤ72P及びキャリア72Cのそれぞれは、ロータ52により回転される。プラネタリギヤ71Pは、キャリア71C、サンギヤ72S、及びプラネタリギヤ72Pを介して、インターナルギヤ70に連結される。
【0050】
モータ5の駆動によりロータシャフト53が回転すると、ピニオンギヤ71Sが回転し、プラネタリギヤ71Pがピニオンギヤ71Sの周囲を公転する。プラネタリギヤ71Pの公転により、キャリア71C及びサンギヤ72Sは、ロータシャフト53の回転速度よりも低い回転速度で回転する。サンギヤ72Sが回転すると、プラネタリギヤ72Pがサンギヤ72Sの周囲を公転する。プラネタリギヤ72Pの公転により、キャリア72Cは、キャリア71Cの回転速度よりも低い回転速度で回転する。このように、モータ5が駆動すると、キャリア72Cは、ロータシャフト53よりも低い回転速度で回転する。
【0051】
出力部8は、ロータ52により駆動される。出力部8は、遊星歯車機構7を介してロータ52から伝達された回転力に基づいて回転する。出力部8は、回転軸AXを中心に回転する。出力部8は、ステータ51よりも前方に配置される。出力部8の少なくとも一部は、遊星歯車機構7よりも前方に配置される。出力部8にビット(先端工具)が装着される。出力部8は、ビットが装着されている状態で回転する。
【0052】
出力部8は、スピンドル81と、チャック82とを含む。
【0053】
スピンドル81は、ロータ52から伝達された回転力に基づいて回転軸AXを中心に回転する。スピンドル81は、ベアリング83及びベアリング84により回転可能に支持される。スピンドル81は、キャリア72Cに接続される。キャリア72Cの回転により、スピンドル81は、回転軸AXを中心に回転する。スピンドル81は、ビットが挿入される挿入孔81Aを有する。挿入孔81Aは、スピンドル81の前端部から後方に延伸するように形成される。回転軸AXに直交する挿入孔81Aの断面は、六角形状である。ビッドの断面も、六角形状である。断面が六角形状のビットが、断面が六角形状の挿入孔81Aに挿入されることにより、周方向においてビットはスピンドル81に固定される。チャック82は、スピンドル81の前部の周囲に配置される。チャック82は、ビットが挿入孔81Aから抜けることを抑制する。ビットの側面に凹部が設けられる。チャック82は、ビットの凹部に配置されるボール82Aを有する。ビットが挿入孔81Aに挿入されている状態で、チャック82のボール82Aがビットの凹部に配置されることにより、ビットが挿入孔81Aから抜けることが抑制される。スピンドル81が回転することにより、挿入孔81Aに挿入されているビットが回転する。
【0054】
トルクセンサ9は、出力部8による作業の異常の有無を検出する検出部である。トルクセンサ9は、出力部8に連結される。実施形態において、出力部8による作業は、ねじ締め作業を含む。実施形態において、トルクセンサ9は、ねじ締め作業において出力部8に掛かるトルクを検出する。トルクセンサ9から出力される検出信号は、出力部8に掛かるトルクを示す。ねじ締め作業は、出力部8にビットが装着されている状態で実施される。トルクセンサ9により検出されるトルクは、ねじ締め作業において出力部8に掛かるねじの締め付けトルクを含む。
【0055】
トルクセンサ9は、ギヤケース3に収容される。前後方向において、トルクセンサ9は、ステータ51と出力部8との間に配置される。実施形態において、トルクセンサ9は、ファン10と遊星歯車機構7との間に配置される。
【0056】
トルクセンサ9は、筒状である。トルクセンサ9は、ロータシャフト53の周囲に配置される。ロータシャフト53の前端部53Aは、トルクセンサ9の前端部よりも前方に配置される。ピニオンギヤ71Sの前端部は、トルクセンサ9の前端部よりも前方に配置される。ファン10及びモータ5は、トルクセンサ9の後端部よりも後方に配置される。
【0057】
トルクセンサ9は、中空部90と、前板部91と、後板部92と、歪ゲージ93とを有する。
【0058】
中空部90は、筒状である。前後方向において、中空部90は、前板部91と後板部92との間に配置される。中空部90の中心軸と回転軸AXとは一致する。中空部90は、ロータシャフト53の周囲に配置される。
【0059】
前板部91は、中空部90の前端部に固定される。前板部91と中空部90とは、一体である。前板部91は、実質的に円環状である。前板部91の中心軸と回転軸AXとは一致する。前板部91は、ロータシャフト53の周囲に配置される。ロータシャフト53に装着されているピニオンギヤ71Sの少なくとも一部は、前板部91の前端部よりも前方に配置される。前板部91の外径は、中空部90の外径よりも大きい。前板部91の外周面にギヤ91Gが設けられる。
【0060】
前板部91は、インターナルギヤ70に結合される。インターナルギヤ70の少なくとも一部は、前板部91の周囲に配置される。前板部91のギヤ91Gとインターナルギヤ70の複数の歯のそれぞれとが噛み合うことにより、前板部91とインターナルギヤ70とが結合される。前板部91とインターナルギヤ70とは、回転方向において固定される。トルクセンサ9は、前板部91を介してインターナルギヤ70に連結される。上述のように、キャリア72Cは、出力部8に接続される。トルクセンサ9は、遊星歯車機構7を介して出力部8に連結される。
【0061】
後板部92は、前板部91よりも後方に配置される。後板部92は、中空部90の後端部に固定される。後板部92と中空部90とは、一体である。後板部92は、実質的に円環状である。後板部92の中心軸と回転軸AXとは一致する。後板部92は、ロータシャフト53の周囲に配置される。後板部92の外径は、中空部90の外径よりも大きい。後板部92の外径は、前板部91の外径よりも大きい。
【0062】
後板部92は、ギヤケース3に支持される。ギヤケース3の少なくとも一部は、後板部92の周囲に配置される。後板部92は、ギヤケース3の少なくとも一部に固定される。ギヤケース3は、ハウジング2に固定される。後板部92は、ギヤケース3を介してハウジング2に固定される。
【0063】
トルクセンサ9は、前板部91の前面と後板部92の後面とを貫く貫通孔96を有する。貫通孔96の少なくとも一部は、中空部90の内側に形成される。ロータシャフト53の少なくとも一部は、貫通孔96の内側に配置される。
【0064】
歪ゲージ93は、中空部90に固定される。歪ゲージ93は、出力部8に掛かるトルクを示す検出信号(電圧)を出力する。実施形態において、歪ゲージ93は、中空部90の外面に固定される。歪ゲージ93は、複数設けられる。実施形態において、歪ゲージ93は、周方向に4つ配置されている。4つの歪ゲージ93は、周方向に等間隔で配置される。
【0065】
ねじ締め作業において出力部8に掛かったトルクは、キャリア72C及びプラネタリギヤ72Pを介してインターナルギヤ70に伝達される。トルクセンサ9の前板部91はインターナルギヤ70に連結され、トルクセンサ9の後板部92はギヤケース3の少なくとも一部に固定される。そのため、インターナルギヤ70にトルクが掛かると、中空部90が回転方向に捩られる。中空部90が回転方向に捩じられると、中空部90の表面に配置されている4つの歪ゲージ93が変形する。歪ゲージ93が変形することにより、歪ゲージ93から中空部90に掛かるトルクを示す検出信号が出力される。このように、出力部8に掛かるトルクは、遊星歯車機構7を介してトルクセンサ9に伝達されるため、トルクセンサ9は、出力部8に掛かるトルクを検出することができる。
【0066】
実施形態において、歪ゲージ93は、中空部90に掛かるトルクを検出することによって、出力部8に掛かるトルクを間接的に検出する。出力部8に掛かるトルクが大きい場合、歪ゲージ93から出力される検出信号が大きくなり、出力部8に掛かるトルクが小さい場合、歪ゲージ93から出力される検出信号(電圧)が小さくなる。
【0067】
ファン10は、モータ5を冷却するための気流を生成する。前後方向において、ファン10は、ステータ51とベアリングボックス6との間に配置される。ファン10は、ロータシャフト53に固定される。ファン10は、ロータシャフト53の回転により回転する。モータ収容部21に、吸気口24A及び排気口24Bが設けられる。吸気口24Aは、モータ収容部21の内部空間と外部空間とを繋ぐように形成される。排気口24Bは、モータ収容部21の内部空間と外部空間とを繋ぐように形成される。吸気口24Aは、排気口24Bよりも後方に設けられる。ファン10が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口24Aを介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、ハウジング2の内部空間を流通することにより、モータ5を冷却する。ハウジング2の内部空間を流通した空気は、排気口24Bを介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0068】
トリガスイッチ11は、モータ5を起動するために操作される。トリガスイッチ11は、グリップ部22に配置される。トリガスイッチ11は、トリガ部材11Aと、スイッチ本体11Bとを含む。スイッチ本体11Bは、グリップ部22に収容される。トリガ部材11Aは、グリップ部22の前部の上部から前方に突出する。トリガ部材11Aは、作業者に操作される。トリガ部材11Aが操作されることにより、モータ5の駆動と停止とが切り換えられる。
【0069】
正逆切換レバー12は、ロータ52の回転方向を切り換えるために操作される。正逆切換レバー12は、グリップ部22の上部に設けられる。正逆切換レバー12は、作業者に操作される。正逆切換レバー12が操作されることにより、ロータ52の回転方向が正転方向と逆転方向とに切り換えられる。ロータ52の回転方向が切り換えられることにより、出力部8の回転方向が切り換えられる。
【0070】
音声発生部13は、トルクセンサ9の検出信号に基づいて音声を発生する。音声発生部13は、ブザー素子又は振動素子を含む。音声発生部13は、モータ収容部21に収容される。実施形態において、音声発生部13の少なくとも一部は、ギヤケース3の下方に配置される。
【0071】
発光部14は、出力部8又は出力部8の前方を照明する。発光部14は、モータ収容部21の前部に配置される。発光部14は、前方に照明光を射出する。発光部14は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。
【0072】
メインコントローラ15は、コンピュータシステムを含む。メインコントローラ15は、モータ5を制御するための制御信号を出力する。メインコントローラ15は、コントローラ収容部23に収容される。メインコントローラ15は、複数の電子部品が実装された基板15Aを含む。メインコントローラ15の少なくとも一部は、コントローラケース15Bに収容される。基板15Aに実装される電子部品として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ、トランジスタ、コンデンサ、及び抵抗が例示される。
【0073】
[リヤカバーユニット]
図5は、実施形態に係るリヤカバーユニット100を後方から見た図である。図6は、実施形態に係るねじ締め機1を示す右後方からの分解斜視図である。
【0074】
リヤカバーユニット100は、作業者とねじ締め機1との間でデータのやり取り等を実施するユーザインタフェース機能を有する。リヤカバーユニット100は、カバー部材30と、通知発光部100Aと、表示部100Bと、操作部100Cと、通信発光部100Dとを備える。リヤカバーユニット100は、モータ収容部21の後部に設けられた開口部を覆うように配置される。
【0075】
カバー部材30は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに挟まれることにより、モータ収容部21に固定される。カバー部材30は、モータ収容部21の後部に設けられた開口部を覆うように配置される。カバー部材30は、合成樹脂製である。カバー部材30を形成する合成樹脂として、ナイロン樹脂が例示される。
【0076】
カバー部材30は、通知開口31と、表示開口32と、操作開口33と、通信開口34とを有する。通知開口31は、カバー部材30の上部に設けられる。通知開口31は、左右方向に長い。表示開口32は、カバー部材30の中央部に設けられる。表示開口32は、四角形状である。操作開口33は、カバー部材30の下部に設けられる。操作開口33は、4つ設けられる。操作開口33は、五角形状である。通信開口34は、表示開口32及び操作開口33よりも右方に設けられる。通信開口34は、円形状である。
【0077】
通知発光部100Aは、少なくとも出力部8による作業の状況を光により通知する。通知発光部100Aは、発光状態を変更することにより、出力部8による作業の状況を作業者に通知する。通知発光部100Aの少なくとも一部は、通知開口31に配置される。なお、通知発光部100Aの機能は、出力部8による作業の状況の通知に限定されない。
【0078】
表示部100Bは、少なくとも出力部8の設定の状況を表示する。表示部100Bは、表示データを用いて出力部8の設定の状況を作業者に通知する。表示部100Bは、表示する表示データを変更することにより、出力部8の設定の状況を通知する。表示部100Bの少なくとも一部は、表示開口32に配置される。なお、表示部100Bの機能は、出力部8の設定の状況の通知に限定されない。
【0079】
操作部100Cは、少なくとも表示部100Bの制御のために作業者に操作される。操作部100Cは、表示部100Bに表示データを表示させたり、表示部100Bに表示される表示データを変更させたりするために操作される。実施形態において、操作部100Cの少なくとも一部は、操作開口33に配置される。なお、操作部100Cの機能は、表示部100Bの制御のための操作に限定されない。
【0080】
通信発光部100Dは、光を用いてリヤカバーユニット100の通信状態を通知する。図4に示すように、実施形態において、リヤカバーユニット100は、無線通信装置1000を有する。無線通信装置1000は、無線免許が不要な通信方式で近距離無線通信を実施可能である。無線通信装置1000は、例えば米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)で標準化されたIEEE802.15.1の規格に準拠した通信方式で無線通信を実施可能である。通信発光部100Dは、発光することにより、無線通信装置1000が起動していることを通知する。通信発光部100Dの少なくとも一部は、通信開口34に配置される。無線通信装置1000の通信方式として、Wi-Fi(登録商標)が例示される。
【0081】
図7は、実施形態に係るリヤカバーユニット100を示す右後方からの斜視図である。図8は、実施形態に係るリヤカバーユニット100を示す右後方からの分解斜視図である。図9は、実施形態に係るリヤカバーユニット100を示す右前方からの斜視図である。図10は、実施形態に係るリヤカバーユニット100を示す右前方からの分解斜視図である。
【0082】
図7図8図9、及び図10に示すように、リヤカバーユニット100は、カバー部材30と、拡散光学部材35と、表示カバー36と、シール部材37と、操作部材38と、表示パネル39と、保持部材40と、光学部材49と、インタフェースコントローラ41と、スペーサ42と、第1ねじ43と、第2ねじ44とを備える。
【0083】
インタフェースコントローラ41は、第1回路基板45と、第2回路基板46とを含む。第1回路基板45は、発光素子47と、スイッチ素子48と、発光素子50とを有する。発光素子47は、2つ設けられる。スイッチ素子48は、4つ設けられる。発光素子50は、1つ設けられる。
【0084】
リヤカバーユニット100は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに挟まれることにより、モータ収容部21に固定される。図9に示すように、カバー部材30は、カバー部材30の周縁部から突出する凸部330を有する。凸部330は、4つ設けられる。2つの凸部330は、カバー部材30の左部から左方に突出する。2つの凸部330は、カバー部材30の左部において上下方向に配置される。2つの凸部330は、カバー部材30の右部から右方に突出する。2つの凸部330は、カバー部材30の右部において上下方向に配置される。図6に示すように、モータ収容部21の内面に溝25が設けられる。凸部330は、溝25に挿入される。溝25は、左ハウジング2Lに2つ設けられる。溝25は、右ハウジング2Rに2つ設けられる。カバー部材30の左部に設けられている凸部330は、左ハウジング2Lに設けられている溝25に挿入される。カバー部材30の右部に設けられている凸部330は、右ハウジング2Rに設けられている溝25に挿入される。カバー部材30をモータ収容部21に固定する場合、カバー部材30の左部の凸部330が左ハウジング2Lの溝25に挿入され、カバー部材30の右部の凸部330が右ハウジング2Rの溝25に挿入された状態で、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとがねじ2Sにより固定される。これにより、カバー部材30は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに挟まれ、モータ収容部21に固定される。凸部330が溝25に挿入されることにより、カバー部材30とモータ収容部21とが位置決めされる。凸部330が溝25に挿入されることにより、カバー部材30がモータ収容部21から抜けることが抑制される。また、カバー部材30とモータ収容部21とが相対回転することが抑制される。カバー部材30は、モータ収容部21に着脱可能である。ねじ2Sによる左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとの固定が解除されることにより、カバー部材30はモータ収容部21から外される。
【0085】
拡散光学部材35は、発光素子47からの光を拡散する。拡散光学部材35は、左右方向に長い。拡散光学部材35は、入射面351と、射出面352とを有する。発光素子47は、光を射出する。発光素子47は、拡散光学部材35と対向するように配置される。発光素子47は、拡散光学部材35よりも前方に配置される。発光素子47からの光は、入射面351に入射する。拡散光学部材35は、発光素子47から入射面351に入射された光を拡散して射出面352から射出する。射出面352は、拡散された光を後方に射出する。通知発光部100Aは、拡散光学部材35の射出面352を含む。
【0086】
拡散光学部材35は、カバー部材30に固定される。拡散光学部材35の少なくとも一部は、通知開口31に配置される。拡散光学部材35は、合成樹脂製である。拡散光学部材35を形成する合成樹脂として、ポリカーボネート樹脂が例示される。なお、拡散光学部材35を形成する合成樹脂に光拡散材が分散されてもよい。
【0087】
表示カバー36は、表示開口32を覆うように配置される。表示カバー36は、透明なシート状部材である。
【0088】
表示カバー36は、カバー部材30に固定される。表示カバー36は、合成樹脂製である。表示カバー36を形成する合成樹脂として、ポリカーボネート樹脂が例示される。
【0089】
光学部材49は、発光素子50からの光を透過する。発光素子50は、光を射出する。発光素子50は、光学部材49と対向するように配置される。発光素子50は、光学部材49よりも前方に配置される。発光素子50からの光は、光学部材49に入射する。光学部材49は、発光素子50から入射された光を後方に射出する。通信発光部100Dは、光学部材49の射出面を含む。
【0090】
光学部材49は、カバー部材30に固定される。光学部材49の少なくとも一部は、通信開口34に配置される。光学部材49は、合成樹脂製である。光学部材49を形成する合成樹脂として、ポリカーボネート樹脂が例示される。
【0091】
拡散光学部材35、表示カバー36、及び光学部材49のそれぞれは、インサート成形によりカバー部材30に固定される。インサート成形用の金型の内部に拡散光学部材35、表示カバー36、及び光学部材49のそれぞれが配置された状態で、カバー部材30を形成するための合成樹脂が金型の内部に射出される。これにより、拡散光学部材35、表示カバー36、及び光学部材49のそれぞれが固定されたカバー部材30が形成される。
【0092】
シール部材37は、表示パネル39と表示カバー36との間の空間をシールする。シール部材37は、弾性変形可能なシート状部材である。シール部材37は、矩形環状である。シール部材37は、表示パネル39と表示カバー36との間に配置される。シール部材37は、クッション性を有する材料により形成される。シール部材37を形成する材料として、発泡ウレタンゴムが例示される。シール部材37は、表示パネル39の少なくとも一部に接触する。シール部材37は、表示カバー36の少なくとも一部に接触する。シール部材37は、表示パネル39に作用する衝撃を緩和する緩衝部材としても機能する。表示パネル39は、後方を向く表示画面391を有する。表示パネル39とシール部材37とが接触することにより、表示パネル39の表示画面391と表示カバー36の前面との間の空間は、閉鎖された空間となる。
【0093】
操作部材38は、表示パネル39の制御のために操作される。操作部材38は、カバー部材30に支持される。操作部材38は、弾性変形可能である。実施形態において、操作部材38は、ゴム製である。操作部材38の少なくとも一部は、操作開口33に配置される。
【0094】
操作部材38は、プレート部381と、ボタン部382と、操作凸部383とを有する。
【0095】
プレート部381は、カバー部材30の前面に対向するように配置される。ボタン部382は、プレート部381の後面から後方に突出する。操作凸部383は、プレート部381の前面から前方に突出する。
【0096】
ボタン部382は、操作開口33に挿入される。ボタン部382は、4つ設けられる。ボタン部382は、操作開口33に1つずつ挿入される。操作部100Cは、ボタン部382を含む。
【0097】
操作凸部383は、スイッチ素子48に対向する。操作凸部383は、4つ設けられる。操作凸部383は、スイッチ素子48に1つずつ対向する。
【0098】
表示パネル39は、出力部8の設定の状況を表示する。表示パネル39は、出力部8の設定の状況を示す表示データを表示する。
【0099】
表示パネル39は、フラットパネルディスプレイを含む。実施形態において、表示パネル39は、有機ELディスプレイ(organic electroluminescent display)を含む有機ELパネルである。なお、表示パネル39は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display)を含む液晶パネルでもよい。表示パネル39の外形は、直方体状である。表示パネル39の表示画面391は、後方を向く。表示パネル39の裏面は、前方を向く。
【0100】
表示画面391の少なくとも一部は、表示開口32に面するように配置される。表示画面391は、表示カバー36に対向する。表示画面391は、表示カバー36に保護される。シール部材37は、表示画面391の周縁部に接触するように配置される。表示部100Bは、表示パネル39の表示画面391を含む。
【0101】
保持部材40は、表示パネル39を保持する。保持部材40は、表示パネル39の表示画面391が表示開口32に配置されるように、カバー部材30に固定される。保持部材40は、高硬度及び高強度な材料で形成される。また、保持部材40は、耐衝撃性を有する材料で形成される。
【0102】
保持部材40は、金属製である。保持部材40を形成する金属として、アルミニウム、ステンレス、鉄、及び銅が例示される。
【0103】
なお、保持部材40は、合成樹脂製でもよい。保持部材40を形成する金属として、ナイロン樹脂又はポリカーボネート樹脂が例示される。
【0104】
保持部材40は、フレーム部401と、プレート部402と、支持板部403と、フック部404とを有する。フレーム部401とプレート部402と支持板部403とフック部404とは、一体である。なお、フレーム部401とフック部404とは、別体でもよい。フック部404は、フレーム部401を形成する合成樹脂とは異なる合成樹脂で形成されてもよい。
【0105】
フレーム部401の少なくとも一部は、プレート部402の周囲に配置される。フレーム部401の少なくとも一部は、表示パネル39の側面の周囲に配置される。
【0106】
プレート部402は、表示パネル39の裏面に対向する。
【0107】
支持板部403は、フレーム部401の側部から突出する。支持板部403は、フレーム部401の左部から左方に突出する左支持板部403Lと、フレーム部401の右部から右方に突出する右支持板部403Rとを含む。
【0108】
フック部404は、支持板部403の前端部に設けられる。フック部404は、弾性変形可能である。フック部404は、第1回路基板45の周縁部に掛けられる。フック部404は、左支持板部403Lの左端部に設けられる左フック部404Lと、右支持板部403Rの右端部に設けられる右フック部404Rとを含む。左フック部404Lは、第1回路基板45の左端部に掛けられる。右フック部404Rは、第1回路基板45の右端部に掛けられる。
【0109】
インタフェースコントローラ41は、コンピュータシステムを含む。インタフェースコントローラ41は、リヤカバーユニット100を制御する。インタフェースコントローラ41は、第1回路基板45と、第2回路基板46とを含む。
【0110】
第1回路基板45は、プリント配線板(printed wiring board)と、プリント配線板に実装された複数の電子部品とを含む。プリント配線板に実装される電子部品として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ、トランジスタ、コンデンサ、及び抵抗が例示される。
【0111】
発光素子47は、光を射出する。発光素子47は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。発光素子47は、第1回路基板45に支持される。発光素子47は、第1回路基板45のプリント配線板に実装される。発光素子47は、第1回路基板45の後面に配置される。発光素子47は、後方に光を射出する。発光素子47は、第1回路基板45の上部に配置される。発光素子47は、拡散光学部材35に光を射出する。発光素子47は、2つ設けられる。2つの発光素子47は、左右方向に配置される。
【0112】
スイッチ素子48は、操作されることにより操作信号を出力する。スイッチ素子48は、オンオフスイッチである。スイッチ素子48は、プッシュボタンを含む。スイッチ素子48は、押されることにより操作信号を出力する。スイッチ素子48は、第1回路基板45に支持される。スイッチ素子48は、第1回路基板45のプリント配線板に実装される。スイッチ素子48は、第1回路基板45の後面に配置される。スイッチ素子48は、第1回路基板45の下部に配置される。スイッチ素子48は、操作部材38を介して操作される。スイッチ素子48は、4つ設けられる。
【0113】
発光素子50は、光を射出する。発光素子50は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。発光素子50は、第1回路基板45に支持される。発光素子50は、第1回路基板45のプリント配線板に実装される。発光素子50は、第1回路基板45の後面に配置される。発光素子50は、後方に光を射出する。発光素子50は、第1回路基板45の右部に配置される。発光素子50は、光学部材49に光を射出する。発光素子50は、1つ設けられる。
【0114】
第2回路基板46は、第1回路基板45に対向する。第2回路基板46は、第1回路基板45よりも前方に配置される。第1回路基板45と同様、第2回路基板46は、プリント配線板(printed wiring board)と、プリント配線板に実装された複数の電子部品とを含む。第1回路基板45と第2回路基板46とは、連結される。無線通信装置1000は、第2回路基板46に支持される。
【0115】
図4及び図6に示すように、第2回路基板46に対向する位置に第3回路基板501が配置される。第3回路基板501は、モータ収容部21に収容される。第3回路基板501は、第2回路基板46よりも前方に配置される。第3回路基板501は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)回路を含む。第3回路基板501の上部にカバー500が配置される。
【0116】
第3回路基板501にリード線700が接続される。第3回路基板501にコネクタ502が固定される。リード線700の一端部は、コネクタ502を介して第3回路基板501に接続される。リード線700の他端部にコネクタ900が接続される。コネクタ900は、USBコネクタを含む。コネクタ900は、第2回路基板46に接続される。コネクタ900は、第2回路基板46に着脱可能である。
【0117】
モータ収容部21にラインフィルタ800及びリブ1001が収容される。ラインフィルタ800及びリブ1001は、第2回路基板46よりも前方に配置される。ラインフィルタ800は、円筒状である。ラインフィルタ800は、第3回路基板501よりも下方に配置される。リブ1001は、左ハウジング2Lの内面から延びている。リブ1001は、ラインフィルタ800よりも後方に配置される。リード線700の少なくとも一部は、ラインフィルタ800に支持される。リード線700の少なくとも一部は、ラインフィルタ800に巻かれる。また、リード線700の少なくとも一部は、リブ1001とラインフィルタ800との間に配置される。
【0118】
出力部8の設定を変更する場合、パーソナルコンピュータと第3回路基板501とが接続され、パーソナルコンピュータから第3回路基板501に出力部8の設定を変更するための変更指令が送信される。パーソナルコンピュータと第3回路基板501とは、USB規格に基づいて通信する。第3回路基板501に送信された変更指令は、リード線700を介して、インタフェースコントローラ41の第2回路基板46に送信される。
【0119】
第3回路基板501と第2回路基板46とが別体であり、第3回路基板501と第2回路基板46とがリード線700及びコネクタ900を介して接続されるので、第3回路基板501又はコネクタ900が故障したり破損したりしても、第3回路基板501又はコネクタ900を交換又は修繕すればよい。また、無線通信装置1000は、第2回路基板46に支持される。リブ1001及びラインフィルタ800は、無線通信装置1000の前方に配置される。これにより、無線通信装置1000と第3回路基板501との距離が長くなる。
【0120】
なお、出力部8の設定を変更する場合、パーソナルコンピュータから無線通信装置1000を介してインタフェースコントローラ41に変更指令が送信されてもよい。
【0121】
スペーサ42は、第1回路基板45と第2回路基板46との間に配置される。第2回路基板46は、スペーサ42を介して第1回路基板45に対向する。上下方向において、第1回路基板45の寸法は、第2回路基板46の寸法よりも大きい。第1回路基板45の下端部は、第2回路基板46の下端部よりも下方に配置される。第1回路基板45と第2回路基板46とは、スペーサ42を介して連結される。
【0122】
スペーサ42は、位置決め凸部421を有する。位置決め凸部421は、2つ設けられる。第1回路基板45の一部に基板開口451が設けられる。基板開口451は、2つ設けられる。スペーサ42に設けられている位置決め凸部421は、基板開口451に配置される。位置決め凸部421は、第1回路基板45の後面よりも後方に突出する。
【0123】
第1ねじ43は、カバー部材30と第1回路基板45とスペーサ42と第2回路基板46とを固定する。第1ねじ43は、4つ設けられる。
【0124】
カバー部材30にねじ孔301が設けられる。ねじ孔301は、カバー部材30に4つ設けられる。第1ねじ43の先端部は、ねじ孔301に挿入される。第1回路基板45にねじ開口452が設けられる。ねじ開口452は、第1回路基板45に4つ設けられる。第2回路基板46にねじ開口462が設けられる。ねじ開口462は、第2回路基板46に4つ設けられる。第1ねじ43の少なくとも一部は、ねじ開口452に配置される。第1ねじ43の少なくとも一部は、ねじ開口462に配置される。
【0125】
第2ねじ44は、カバー部材30と第1回路基板45とを固定する。第2ねじ44は、スペーサ42及び第2回路基板46を介さずにカバー部材30と第1回路基板45とを固定する。上述ように、第1回路基板45の下端部は、第2回路基板46の下端部よりも下方に配置される。第2ねじ44は、第1回路基板45の下部とカバー部材30とを固定する。第2ねじ44は、第1ねじ43よりも下方に配置される。
【0126】
カバー部材30にねじ孔302が設けられる。第2ねじ44の先端部は、ねじ孔302に挿入される。ねじ孔302は、操作部材38の周囲の少なくとも一部に配置される。
【0127】
第2ねじ44は、2つ設けられる。ねじ孔302は、カバー部材30に2つ設けられる。一方のねじ孔302は、操作部材38の左側に設けられる。他方のねじ孔302は、操作部材38の右側に設けられる。
【0128】
第1回路基板45の側部にねじ凹部454が設けられる。ねじ凹部454は、第1回路基板45に2つ設けられる。一方のねじ凹部454は、第1回路基板45の周縁部の左部から右方に窪むように設けられる。他方のねじ凹部454は、第1回路基板45の周縁部の右部から左方に窪むように設けられる。第2ねじ44の少なくとも一部は、ねじ凹部454に配置される。
【0129】
第1回路基板45は、保持部材40を支持する。第1回路基板45は、保持部材40よりも後方に配される。第1回路基板45は、保持部材40のプレート部402に対向する。上述のように、保持部材40は、フック部404を有する。左フック部404Lは、第1回路基板45の左端部に掛けられる。右フック部404Rは、第1回路基板45の右端部に掛けられる。フック部404が第1回路基板45の周縁部に掛けられることにより、第1回路基板45と保持部材40とが連結される。
【0130】
第1回路基板45は、保持部材40を位置決めする位置決め部453を有する。位置決め部453は、第1回路基板45の後面から後方に突出するスペーサ42の位置決め凸部421を含む。位置決め凸部421は、基板開口451に配置されることにより、第1回路基板45の後面から後方に突出する。保持部材40は、位置決め部453に位置決めされる位置決め部405を有する。位置決め部405は、保持部材40の少なくとも一部に設けられる位置決め開口408を含む。実施形態において、位置決め開口408は、支持板部403に設けられる。位置決め部453の位置決め凸部421が位置決め部405の位置決め開口408に挿入されることにより、第1回路基板45と保持部材40とが位置決めされる。
【0131】
カバー部材30は、操作部材38を位置決めする位置決め部303を有する。位置決め部303は、カバー部材30の前面から前方に突出する位置決め凸部309を含む。操作部材38は、位置決め部303に位置決めされる位置決め部384を有する。位置決め部384は、操作部材38の少なくとも一部に設けられた位置決め開口387を含む。実施形態において、位置決め開口387は、プレート部381に設けられる。位置決め部303の位置決め凸部309が位置決め部384の位置決め開口387に挿入されることにより、カバー部材30と操作部材38とが位置決めされる。位置決め部303の位置決め凸部309が位置決め部384の位置決め開口387に挿入されている状態で、ボタン部382は、操作開口33に挿入される。
【0132】
カバー部材30は、保持部材40を位置決めする位置決め部304を有する。位置決め部304は、カバー部材30の前面から前方に突出する位置決め凸部310を含む。保持部材40は、位置決め部304に位置決めされる位置決め部406を有する。位置決め部406は、保持部材40の少なくとも一部に設けられた位置決め開口409を含む。実施形態において、位置決め開口409は、支持板部403に設けられる。位置決め部304の位置決め凸部310が位置決め部406の位置決め開口409に挿入されることにより、カバー部材30と保持部材40とが位置決めされる。位置決め部304の位置決め凸部310が位置決め部406の位置決め開口409に挿入されている状態で、保持部材40に保持されている表示パネル39は、表示カバー36に対向するように配置される。位置決め部304の位置決め凸部310が位置決め部406の位置決め開口409に挿入されている状態で、保持部材40に保持されている表示パネル39は、表示開口32に面するように配置される。表示パネル39の表示画面391の周縁部は、シール部材37に接触する。
【0133】
カバー部材30と操作部材38とが位置決めされ、カバー部材30と保持部材40とが位置決めされている状態で、第1ねじ43が第1回路基板45のねじ開口452及び第2回路基板46のねじ開口462を介してねじ孔301に挿入される。第1ねじ43のねじ山とねじ孔301のねじ溝とが結合されることにより、カバー部材30と第1回路基板45及び第2回路基板46とが固定される。
【0134】
カバー部材30と第1回路基板45及び第2回路基板46とが固定されることにより、発光素子47と拡散光学部材35とが対向し、スイッチ素子48と操作凸部383とが対向する。表示パネル39の表示画面391の周縁部はシール部材37に押し付けられ、表示パネル39の表示画面391と表示カバー36の前面とが対向する。
【0135】
[操作部材]
図11は、実施形態に係る操作部材38を後方から見た図である。図8図10、及び図11に示すように、操作部材38は、プレート部381と、プレート部381の後面から後方に突出するボタン部382と、プレート部381の前面から前方に突出する操作凸部383とを有する。プレート部381と、ボタン部382と、操作凸部383とは、一体である。
【0136】
ボタン部382は、プレート部381に規定された中心点CPを囲むように複数設けられる。ボタン部382は、中心点CPの周囲に間隔をあけて複数設けられる。実施形態において、ボタン部382は、4つ設けられる。ボタン部382は、中心点CPの上方に配置されるボタン部382A(第1ボタン部)と、中心点CPの左方に配置されるボタン部382B(第2ボタン部)と、中心点CPの下方に配置されるボタン部382C(第3ボタン部)と、中心点CPの右方に配置されるボタン部382D(第4ボタン部)とを含む。ボタン部382Aとボタン部382Bとボタン部382Cとボタン部382Dとは、プレート部381に規定された中心点CPを囲むように配置される。
【0137】
プレート部381の表面と平行な面内において、ボタン部382の外形は、五角形状である。複数のボタン部382の形状は、実質的に同一である。複数のボタン部382の寸法は、実質的に同一である。ボタン部382は、ボタン部382の複数の角部のうち内角が最も小さい角部が中心点CPを向くように配置される。
【0138】
操作凸部383は、プレート部381に規定された中心点CPを囲むように複数設けられる。操作凸部383は、中心点CPの周囲に間隔をあけて複数設けられる。実施形態において、操作凸部383は、4つ設けられる。操作凸部383は、中心点CPの上方に配置される操作凸部383A(第1操作凸部)と、中心点CPの左方に配置される操作凸部383B(第2操作凸部)と、中心点CPの下方に配置される操作凸部383C(第3操作凸部)と、中心点CPの右方に配置される操作凸部383D(第4操作凸部)とを含む。操作凸部383Aと操作凸部383Bと操作凸部383Cと操作凸部383Dとは、プレート部381に規定された中心点CPを囲むように配置される。
【0139】
プレート部381の表面と平行な面内において、操作凸部383の外形は、円形状である。複数の操作凸部383の形状は、実質的に同一である。複数の操作凸部383の寸法は、実質的に同一である。
【0140】
プレート部381の表面と平行な面内において、ボタン部382Aの少なくとも一部の位置と操作凸部383Aの位置とは、一致する。すなわち、左右方向及び上下方向のそれぞれにおいて、ボタン部382Aの少なくとも一部と操作凸部383Aとは、オーバーラップする。同様に、左右方向及び上下方向のそれぞれにおいて、ボタン部382Bの少なくとも一部と操作凸部383Bとは、オーバーラップする。左右方向及び上下方向のそれぞれにおいて、ボタン部382Cの少なくとも一部と操作凸部383Cとは、オーバーラップする。左右方向及び上下方向のそれぞれにおいて、ボタン部382Dの少なくとも一部と操作凸部383Dとは、オーバーラップする。
【0141】
スイッチ素子48は、4つ設けられる。スイッチ素子48は、操作凸部383Aの前端部に対向するスイッチ素子48A(第1スイッチ素子)と、操作凸部383Bの前端部に対向するスイッチ素子48B(第2スイッチ素子)と、操作凸部383Cの前端部に対向するスイッチ素子48C(第3スイッチ素子)と、操作凸部383Dの前端部に対向するスイッチ素子48D(第4スイッチ素子)とを含む。操作凸部383Aは、スイッチ素子48Aに対向するようにプレート部381から突出する。操作凸部383Bは、スイッチ素子48Bに対向するようにプレート部381から突出する。操作凸部383Cは、スイッチ素子48Cに対向するようにプレート部381から突出する。操作凸部383Dは、スイッチ素子48Dに対向するようにプレート部381から突出する。
【0142】
作業者は、ボタン部382が前方に押されるように、操作部材38を操作する。ボタン部382は、作業者により前方に押されることにより、前方に変位する。
【0143】
ボタン部382Aが前方に変位されると、操作凸部383Aが前方に移動し、スイッチ素子48Aが操作凸部383Aにより押される。すなわち、ボタン部382Aの変位により、スイッチ素子48Aが操作される。ボタン部382Aが前方に変位されても、スイッチ素子48B,48C,48Dは押されない。
【0144】
ボタン部382Bが前方に変位されると、操作凸部383Bが前方に移動し、スイッチ素子48Bが操作凸部383Bにより押される。すなわち、ボタン部382Bの変位により、スイッチ素子48Bが操作される。ボタン部382Bが前方に変位されても、スイッチ素子48C,48D,48Aは押されない。
【0145】
ボタン部382Cが前方に変位されると、操作凸部383Cが前方に移動し、スイッチ素子48Cが操作凸部383Cにより押される。すなわち、ボタン部382Cの変位により、スイッチ素子48Cが操作される。ボタン部382Cが前方に変位されても、スイッチ素子48D,48A,48Bは押されない。
【0146】
ボタン部382Dが前方に変位されると、操作凸部383Dが前方に移動し、スイッチ素子48Dが操作凸部383Dにより押される。すなわち、ボタン部382Dの変位により、スイッチ素子48Dが操作される。ボタン部382Dが前方に変位されても、スイッチ素子48A,48B,48Cは押されない。
【0147】
実施形態において、プレート部381の少なくとも一部に、第1のボタン部382と第2のボタン部382との連動を抑制する連動抑制部385が設けられる。連動抑制部385は、第1のボタン部382の変位により第1のボタン部382とは別の第2のボタン部382が変位することを抑制する。連動抑制部385は、プレート部381において第1のボタン部382と第2のボタン部382との間に設けられる。すなわち、連動抑制部385は、隣り合うボタン部382の境界に設けられる。連動抑制部385により、例えばボタン部382Aが後方に押されても、ボタン部382B,382C,382Dの後方への変位が抑制される。連動抑制部385により、4つのボタン部382は、独立して操作される。
【0148】
実施形態において、連動抑制部385は、プレート部381に設けられたスリット386を含む。実施形態において、スリット386は、ストレート状に形成される。スリット386は、プレート部381の周縁部の内側に設けられる。すなわち、スリット386は、プレート部381の周縁部に達しないように設けられる。
【0149】
実施形態において、スリット386は、4つ設けられる。スリット386は、スリット386A(第1連動抑制部)と、スリット386B(第2連動抑制部)と、スリット386C(第3連動抑制部)と、スリット386D(第4連動抑制部)とを含む。
【0150】
スリット386は、中心点CPに対する放射方向に延伸するように設けられる。スリット386Aとスリット386Bとスリット386Cとスリット386Dとは、中心点CPに対する放射方向に延伸する。スリット386Aとスリット386Bとスリット386Cとスリット386Dとは、中心点CPを囲むように配置される。
【0151】
中心点CPを基準とする周方向において、スリット386Aは、ボタン部382Aとボタン部382Bとの間に設けられる。スリット386Bは、ボタン部382Bとボタン部382Cとの間に設けられる。スリット386Cは、ボタン部382Cとボタン部382Dとの間に設けられる。スリット386Dは、ボタン部382Dとボタン部382Aとの間に設けられる。
【0152】
スリット386A、スリット386B、スリット386C、及びスリット386Dのそれぞれは、プレート部381の周縁部に達しないように設けられる。すなわち、プレート部381の周縁部は、スリット386によって分断されない。
【0153】
また、スリット386A、スリット386B、スリット386C、及びスリット386Dのそれぞれは、プレート部381の中心点CPに達しないように設けられる。
【0154】
すなわち、スリット386Aとスリット386Bとスリット386Cとスリット386Dとは、相互に離れている。スリット386Aとスリット386Bとスリット386Cとスリット386Dとは、相互に繋がらないように設けられる。スリット386Aとスリット386Bとスリット386Cとスリット386Dとは、相互に独立するように設けられる。
【0155】
スリット386Aの長さとスリット386Bの長さとは、異なる。スリット386Cの長さとスリット386Dの長さとは、異なる。スリット386Aの長さとスリット386Cの長さとは、実質的に等しい。スリット386Bの長さとスリット386Dの長さとは、実質的に等しい。実施形態において、スリット386Aの長さ及びスリット386Cの長さは、スリット386Bの長さ及びスリット386Dの長さよりも、長い。スリット386Aの幅とスリット386Bの幅とスリット386Cの幅とスリット386Dの幅とは、等しい。
【0156】
スリット386の長さとは、中心点CPに対する放射方向の寸法をいう。スリット386の幅とは、中心点CPを基準とする周方向の寸法をいう。
【0157】
スリット386Aとスリット386Cとは、実質的に平行である。スリット386Bとスリット386Dとは、実質的に平行である。スリット386Aとスリット386Bとがなす角度は、実質的に90[°]である。スリット386Bとスリット386Cとがなす角度は、実質的に90[°]である。スリット386Cとスリット386Dとがなす角度は、実質的に90[°]である。スリット386Dとスリット386Aとがなす角度は、実質的に90[°]である。
【0158】
位置決め開口387は、プレート部381に2つ設けられる。一方の位置決め開口387は、プレート部381の第1の角部に設けられる。他方の位置決め開口387は、プレート部381の第2の角部に設けられる。第1の角部と第2の角部とは、相互に向き合う。すなわち、第1の角部と中心点CPと第2の角部とを通る対角線を規定した場合、2つの位置決め開口387のそれぞれは、対角線上に配置される。2つの位置決め開口387のそれぞれに位置決め部303の位置決め凸部309が挿入される。位置決め部303は、プレート部381の相互に向き合う2つの角部のそれぞれにおいて、カバー部材30と操作部材38とを位置決めする。
【0159】
ボタン部382は、操作開口33に挿入される。上述のように、操作開口33は、4つ設けられる。すなわち、カバー部材30には、第1の操作開口33と第2の操作開口33と第3の操作開口33と第4の操作開口33とが設けられる。カバー部材30と操作部材38とが位置決めされた状態で、ボタン部382は、操作開口33に1つずつ挿入される。ボタン部382Aは、第1の操作開口33に配置される。ボタン部382Bは、第2の操作開口33に配置される。ボタン部382Cは、第3の操作開口33に配置される。ボタン部382Dは、第4の操作開口33に配置される。4つのボタン部382のそれぞれは、操作開口33に配置された状態で、カバー部材30の後面よりも後方に突出する。ボタン部382がカバー部材30の後面よりも後方に突出することにより、作業者は、ボタン部382を押すことができる。
【0160】
なお、連動抑制部385は、スリット386でなくてもよい。連動抑制部385は、例えばプレート部381の少なくとも一部に設けられた薄肉部でもよいし、プレート部381の少なくとも一部に設けられたベローズ部でもよい。
【0161】
[拡散光学部材]
図12は、実施形態に係るリヤカバーユニット100を示す右後方からの分解斜視図である。図13は、実施形態に係るリヤカバーユニット100を示す右前方からの分解斜視図である。図14は、実施形態に係る拡散光学部材35を前方から見た図である。図15は、実施形態に係る拡散光学部材35を示す下方からの斜視図である。図16は、実施形態に係る拡散光学部材35を示す右後方からの斜視図である。図17は、実施形態に係る拡散光学部材35と発光素子47との関係を示す図である。
【0162】
拡散光学部材35は、透過型拡散光学部材である。拡散光学部材35は、左右方向に長い。拡散光学部材35は、入射面351と射出面352とを有する。拡散光学部材35は、入射面351から入射した光の少なくとも一部が通過する通過部35Aと、通過部35Aの周囲の少なくとも一部に配置される接続部35Bとを有する。通過部35Aは、左右方向に長い。入射面351及び射出面352は、通過部35Aに設けられる。通過部35Aは、カバー部材30の表示開口32に配置される。接続部35Bは、カバー部材30に固定される。
【0163】
入射面351と射出面352とは、前後方向において異なる位置に配置される。入射面351は、射出面352よりも前方に配置される。拡散光学部材35は、入射面351の少なくとも一部が前方を向き、射出面352の少なくとも一部が後方を向くように、カバー部材30に固定される。
【0164】
通過部35Aは、前面353と、後面354と、前面353に設けられる凹部355を有する。前面353は、前方を向く。後面354の少なくとも一部は、後方を向く。前面353及び後面354のそれぞれは、左右方向に長い。
【0165】
前面353は、平坦面である。前面353は、発光素子47の光軸OXに平行な軸と直交する。発光素子47の光軸OXは、前後方向に延伸する。実施形態において、発光素子47の光軸OXは、モータ5の回転軸AXと平行である。
【0166】
凹部355は、前面353から後方に窪むように形成される。凹部355は、2つ設けられる。2つの凹部355は、左右方向に配置される。2つの凹部355は、間隔をあけて配置される。
【0167】
拡散光学部材35の入射面351は、凹部355の内面を含む。拡散光学部材35の射出面352は、後面354を含む。
【0168】
入射面351である凹部355の内面に溝356が設けられる。溝356は、上下方向に延伸する。溝356は、凹部355の内面において左右方向に複数設けられる。入射面351に設けられた溝356は、光を拡散させる拡散部として機能する。溝356が設けられた入射面351は、光を拡散する拡散面として機能する。
【0169】
凹部355は、実質的に半筒状に形成される。図17に示すように、前面353に直交する凹部355の内面の断面形状は、実質的に弧状である。
【0170】
実施形態において、前面353に直交する断面とは、前後方向に平行な第1軸及び左右方向に平行な第2軸のそれぞれを含む所定面と平行な断面をいう。所定面と平行な凹部355の内面の断面形状は、上下方向の複数の位置のそれぞれにおいて同一である。すなわち、凹部355を半筒とみなした場合、半筒の中心軸は、上下方向に延伸する。
【0171】
また、左右方向における凹部355の中心を通り上下方向に延伸する基準線を規定した場合、凹部355の形状は、基準線に対して対称である。すなわち、凹部355を前方から見た場合、凹部355の形状は、左右対称である。
【0172】
図17に示すように、発光素子47は、入射面351に対向するように配置される。入射面351と発光素子47とは、前後方向に間隔をあけて配置される。発光素子47は、第1回路基板45に支持される。発光素子47は、前面353よりも前方に配置される。発光素子47は、凹部355の外側において入射面351と対向するように配置される。
【0173】
凹部355は、左右方向に間隔をあけて2つ配置される。すなわち、入射面351は、2つ設けられる。実施形態において、入射面351は、第1の入射面351と、第1の入射面351よりも右方に配置される第2の入射面351とを含む。第1の入射面351と第2の入射面351とは、左右方向に間隔をあけて配置される。
【0174】
発光素子47は、2つ設けられる。1つの凹部355と1つの発光素子47とが対向する。発光素子47は、第1の入射面351に光を入射させる第1の発光素子47と、第2の入射面351に光を入射させる第2の発光素子47とを含む。
【0175】
発光素子47から射出された光の少なくとも一部は、入射面351に入射する。入射面351は、発光素子47からの光を拡散する。発光素子47を点光源とみなした場合、入射面351は、点光源からの光を面光源に変換する。入射面351は、発光素子47からの光を少なくとも左右方向に拡散する。
【0176】
入射面351に入射した光は、入射面351において拡散された後、通過部35Aを通過して、射出面352から射出される。射出面352は、入射面351において拡散された光を射出する。
【0177】
拡散光学部材35は、カバー部材30の上部に配置される。射出面352は、カバー部材30の上部に配置される。射出面352は、発光素子47の光軸OXに対して傾斜する。実施形態において、射出面352の少なくとも一部は、後方に向かって下方に傾斜する。
【0178】
左右方向における射出面352の一端部及び射出面の他端部のそれぞれは、射出面352の中央部よりも前後方向において入射面351に近い位置に配置される。すなわち、射出面352の左端部及び右端部のそれぞれは、射出面352の中央部よりも前側に配置される。射出面352は、中央部から左端部に向かって湾曲し、中央部から右端部に向かって湾曲する。すなわち、実施形態において、射出面352は、曲面を含む。射出面352の少なくとも一部は、後方に膨らむように湾曲する。
【0179】
射出面352は、入射面351からの光の少なくとも一部を後方に射出する。射出面352は、入射面351からの光の少なくとも一部を左後方及び右後方のそれぞれに射出する。射出面352は、入射面351からの光の少なくとも一部を上後方及び下後方のそれぞれに射出する。
【0180】
実施形態において、射出面352の左端部及び右端部のそれぞれは、通知開口31の後端部よりも後方に配置される。すなわち、射出面352の左端部は、射出面352の左端部の周囲に配置されているカバー部材30の後面よりも後方に突出する。射出面352の右端部は、射出面352の右端部の周囲に配置されているカバー部材30の後面よりも後方に突出する。
【0181】
接続部35Bは、通過部35Aの上部に設けられる上接続部351Bと、通過部35Aの左部に設けられる左接続部352Bと、通過部35Aの右部に設けられる右接続部353Bと、通過部35Aの下部に設けられる下接続部354Bとを有する。
【0182】
上接続部351Bは、通過部35Aの上部から上方に突出する。上接続部351Bは、左右方向に延伸する。左接続部352Bは、通過部35Aの左部から左方に突出する。右接続部353Bは、通過部35Aの右部から右方に突出する。上接続部351Bの左端部と左接続部352Bとは、繋がる。上接続部351Bの右端部と右接続部353Bとは、繋がる。上接続部351Bと左接続部352Bと右接続部353Bとは、前面353の一部を囲むように配置される。
【0183】
下接続部354Bは、通過部35Aの下部から下方に突出する。下接続部354Bは、左右方向に延伸する。
【0184】
図18は、実施形態に係るカバー部材30を示す下方からの斜視図である。図19は、実施形態に係るカバー部材30を示す右後方からの斜視図である。
【0185】
図18に示すように、カバー部材30の前面に、周壁320と、区画壁305と、区画壁306と、区画壁307とが設けられる。周壁320は、カバー部材30の周縁部に沿うように設けられる。区画壁305、区画壁306、及び区画壁307は、周壁320の内側に設けられる。
【0186】
周壁320と区画壁305と区画壁306と区画壁307とにより、第1区画空間30Aと、第2区画空間30Bと、第3区画空間30Cと、第4区画空間30Dとが規定される。第1区画空間30Aは、周壁320と区画壁305とにより規定される。第2区画空間30Bは、周壁320と区画壁306とにより規定される。第3区画空間30Cは、周壁320と区画壁305と区画壁306とにより規定される。第4区画空間30Dは、周壁320と区画壁307とにより規定される。第1区画空間30Aと第3区画空間30Cとは、区画壁305で区画される。第3区画空間30Cと第2区画空間30Bとは、区画壁306で区画される。第2区画空間30B及び第3区画空間30Cと第4区画空間30Dとは、区画壁307で区画される。
【0187】
第1区画空間30Aは、カバー部材30の上部に設けられる。第2区画空間30Bは、カバー部材30の下部に設けられる。第3区画空間30Cは、上下方向において第1区画空間30Aと第2区画空間30Bとの間に設けられる。第4区画空間30Dは、第2区画空間30Bの右方に設けられる。
【0188】
拡散光学部材35の入射面351及び発光素子47は、第1区画空間30Aに配置される。操作部材38は、第2区画空間30Bに配置される。表示パネル39及び保持部材40は、第3区画空間30Cに配置される。光学部材49は、第4区画空間30Dに配置される。
【0189】
拡散光学部材35の入射面351及び発光素子47が第1区画空間30Aに配置されることにより、発光素子47から射出された光の少なくとも一部が、表示開口32、操作開口33、及び通信開口34の少なくとも一部からカバー部材30の外部空間に漏れることが抑制される。
【0190】
また、周壁320、区画壁305、区画壁306、及び区画壁307が設けられることにより、カバー部材30の強度が向上する。
【0191】
第1区画空間30Aを規定するカバー部材30の内面に溝308が設けられる。接続部35Bの少なくとも一部は、溝308に配置される。溝308は、第1区画空間30Aの天井面に設けられた上溝3081と、第1区画空間30Aの底面に設けられた下溝3084と含む。上接続部351Bは、上溝3081に配置される。下接続部354Bは、下溝3084に配置される。左接続部352Bは、第1区画空間30Aの左部に設けられた支持面3082に支持される。右接続部353Bは、第1区画空間30Aの右部に設けられた支持面3083に支持される。
【0192】
[表示パネル及び保持部材]
図20は、実施形態に係る表示パネル39及び保持部材40を示す右後方からの分解斜視図である。図21は、実施形態に係る表示パネル39及び保持部材40を示す右前方からの分解斜視図である。
【0193】
保持部材40は、フレーム部401と、プレート部402と、支持板部403と、フック部404とを有する。
【0194】
プレート部402の少なくとも一部に接続開口407が設けられる。接続開口407は、プレート部402の周縁部に設けられる。実施形態において、接続開口407は、プレート部402の上部に設けられる。
【0195】
接続開口407は、矩形状である。表示パネル39とインタフェースコントローラ41の第1回路基板45とは、フレキシブル基板又はリード線のような接続部材390で接続される。表示パネル39とインタフェースコントローラ41とは、接続部材390を介してデータ通信する。接続部材390の少なくとも一部は、接続開口407に配置される。すなわち、表示パネル39が保持部材40に保持されている状態で、接続部材390は、接続開口407に通される。
【0196】
フレーム部401は、接続開口407の中心から離れるように窪む凹部401Aを有する。実施形態において、凹部401Aは、フレーム部401の上部に設けられる。凹部401Aは、接続開口407の中心から離れるように上方に窪む。接続部材390の少なくとも一部は、凹部401Aにおいて位置決めされる。
【0197】
フレーム部401は、プレート部402の後面の周縁部から後方に突出する第1部分4011と、プレート部402の前面の周縁部から前方に第2部分4012とを有する。すなわち、第2部分4012は、第1部分4011とは反対方向に突出する。
【0198】
表示パネル39は、プレート部402の後面と第1部分4011の内面とにより規定される第1空間4013に配置される。表示パネル39が第1空間4013に配置されている状態において、第1部分4011の後端部は、表示画面391よりも後方に配置される。すなわち、第1部分4011の少なくとも一部は、表示画面391よりも後方に突出する。
【0199】
プレート部402の前面と第2部分4012とにより第2空間4014が規定される。第2空間4014は、接続部材390の少なくとも一部を収容することができる。
【0200】
[保持部材とインタフェースコントローラとの接続構造]
図22は、実施形態に係る保持部材40とインタフェースコントローラ41との接続構造を示す側面図である。図23は、実施形態に係る保持部材40とインタフェースコントローラ41との接続構造を示す右後方からの分解斜視図である。図24は、実施形態に係る保持部材40とインタフェースコントローラ41との接続構造を示す右前方からの分解斜視図である。
【0201】
フック部404により保持部材40が第1回路基板45に連結される。フック部404は、左フック部404Lと右フック部404Rとが離れるように弾性変形することができる。実施形態において、フック部404の後部にフック開口410が設けられる。フック開口410により、フック部404は弾性変形し易くなる。左フック部404Lが第1回路基板45の左端部よりも左方に配置され、右フック部404Rが第1回路基板45の右端部よりも右方に配置されるように、左フック部404Lと右フック部404Rとが弾性変形された後、左フック部404Lと右フック部404Rとの弾性変形が解除される。左フック部404Lと右フック部404Rとの弾性変形が解除されることにより、第1回路基板45は、左フック部404L及び右フック部404Rの弾性力(復元力)により、左フック部404Lと右フック部404Rとに挟まれる。また、フック部404の前端部が第1回路基板45の前面の少なくとも一部に引っ掛かる。これにより、保持部材40は、第1回路基板45に連結される。
【0202】
第1回路基板45と第2回路基板46との間にスペーサ42が配置される。スペーサ42は、環状部422と、ねじボス部423と、位置決め凸部421とを有する。ねじボス部423には、第1ねじ43が配置されるねじ開口424が設けられる。
【0203】
第1ねじ43は、カバー部材30と第1回路基板45とスペーサ42と第2回路基板46とを固定する。第1ねじ43は、第2回路基板46のねじ開口462、スペーサ42のねじ開口424、及び第1回路基板45のねじ開口452のそれぞれに配置された状態で、カバー部材30のねじ孔301に挿入される。これにより、カバー部材30と第1回路基板45とスペーサ42と第2回路基板46とが第1ねじ43により固定される。
【0204】
第1回路基板45の前面には電子部品が実装される。第2回路基板46の後面には電子部品が実装される。スペーサ42により、第1回路基板45の前面に実装されている電子部品と第2回路基板46の後面に実装されている電子部品との接触が抑制される。
【0205】
第1回路基板45の下部は、第2ねじ44によりカバー部材30に固定される。第1回路基板45の下部にはスイッチ素子48が配置される。第1回路基板45の下部は、操作部材38を介して作業者により後方に押される。第1回路基板45の下部とカバー部材30とが第2ねじ44により固定されることにより、第1回路基板45の下部が後方に押されても、第1回路基板45の変形が抑制される。
【0206】
[インタフェースコントローラ]
インタフェースコントローラ41は、第1回路基板45と、第2回路基板46とを含む。インタフェースコントローラ41は、少なくとも発光素子47(通知発光部100A)及び表示パネル39(表示部100B)を制御する。
【0207】
実施形態において、インタフェースコントローラ41は、少なくとも出力部8による作業の状況に基づいて、発光素子47を制御する。すなわち、インタフェースコントローラ41は、出力部8による作業の状況に基づいて、通知発光部100Aの発光状態を制御する。
【0208】
また、インタフェースコントローラ41は、少なくとも出力部8の設定の状況に基づいて、表示パネル39を制御する。すなわち、インタフェースコントローラ41は、出力部8の設定の状況に基づいて、表示部100Bに表示される表示データを制御する。実施形態において、インタフェースコントローラ41は、操作部材38(操作部100C)の操作に基づいて、表示パネル39の表示画面391に表示される表示データを制御する。
【0209】
[ねじ締め機の動作]
ねじ締め作業において、メインコントローラ15は、トリガスイッチ11の操作信号に基づいて、出力部8を回転させるためにモータ5を起動する。ねじ締め作業において、ねじが作業対象にねじ込まれると、出力部8に掛かるトルクが高くなる。出力部8に掛かるトルクは、キャリア72C及びプラネタリギヤ72Pを介してインターナルギヤ70に伝達される。インターナルギヤ70に掛かるトルクは、前板部91を介してトルクセンサ9に伝達される。出力部8に掛かるトルクは、トルクセンサ9により検出される。
【0210】
トルクセンサ9の後板部92は、ギヤケース3に固定されている。トルクセンサ9の中空部90は、インターナルギヤ70により回転方向に捩られる。なお、前板部91及び後板部92もトルクを受けるが、前板部91及び後板部92のそれぞれは、中空部90よりも太径である。そのため、前板部91及び後板部92のねじれ変形は、中空部90のねじれ変形よりも小さい。トルクセンサ9の中空部90が回転方向に捩じられると、中空部90の表面に配置されている4つの歪ゲージ93が変形する。歪ゲージ93の変形により、中空部90に掛かるトルクを示す検出信号が歪ゲージ93からリード線(不図示)を介してメインコントローラ15に送信される。
【0211】
メインコントローラ15は、トルクセンサ9の検出信号を取得する。メインコントローラ15は、トルクセンサ9の検出信号に基づいて、出力部8に掛かるトルクを算出する。メインコントローラ15に目標トルクが登録されている。メインコントローラ15は、トルクセンサ9の検出信号に基づいて、ねじが作業対象に目標トルクで締め付けられるように、モータ5を制御する。
【0212】
メインコントローラ15は、トルクセンサ9の検出信号に基づいて、出力部8に掛かるトルクが目標トルクに到達したと判定したとき、ロータ52の回転が停止されるように、モータ5を制御する。これにより、メインコントローラ15は、トルクセンサ9の検出信号に基づいて、ねじが作業対象に目標トルクで締め付けられるように、モータ5を制御することができる。
【0213】
上述のように、リヤカバーユニット100は、無線通信装置1000を有する。メインコントローラ15は、トルクセンサ9の検出信号を無線通信装置1000に送信する。無線通信装置1000は、トルクセンサ9の検出信号を、ねじ締め機1の外部に配置されている管理コンピュータに送信する。管理コンピュータは、ねじ締め作業におけるトルクセンサ9の検出信号を記録する。
【0214】
[通知発光部の動作]
図25は、実施形態に係るねじ締め機1の状態と通知発光部100Aの発光状態との関係を示す図である。
【0215】
インタフェースコントローラ41は、ねじ締め機1の状態に基づいて、通知発光部100Aの発光状態を制御する。通知発光部100Aは、ねじ締め機1の状態に基づいて、発光状態を変更する。
【0216】
発光ダイオードである発光素子47が発生した光が通知発光部100Aから射出される。また、発光素子47は、2つ設けられる。通知発光部100Aの発光状態の変更は、発光色の変更、発光時間の変更、及び点滅の有無の変更の少なくとも一つを含む。
【0217】
ねじ締め機1の状態は、少なくとも出力部8による作業の状況を含む。出力部8による作業の状況は、ねじ締め作業において出力部8に掛かるねじの締め付けトルクを含む。出力部8による作業の状況は、ねじが作業対象に目標トルクで締め付けられているか否か否かを示す判定結果を含む。
【0218】
図25に示すように「締め付けOK」の場合、すなわち、ねじ締め作業において出力部8に掛かるねじの締め付けトルクと目標トルクとの差が予め定められているトルク閾値を下回る場合、インタフェースコントローラ41は、2つの発光素子47のそれぞれが緑色の光を2秒間射出するように、発光素子47を制御する。
【0219】
「締め付けNG(トルク)」の場合、すなわち、ねじ締め作業において出力部8に掛かるねじの締め付けトルクと目標トルクとの差が予め定められているトルク閾値を上回る場合、インタフェースコントローラ41は、2つの発光素子47のそれぞれが赤色の光を2秒間射出するように、発光素子47を制御する。
【0220】
「メンテナンス警告」の場合、すなわち、ねじ締め機1の少なくとも一部のメンテナンスが必要であると判定した場合、インタフェースコントローラ41は、2つの発光素子47のそれぞれが黄色の光で2秒よりも長い時間継続点滅するように、発光素子47を制御する。
【0221】
[表示部の動作]
図26は、実施形態に係る表示部100Bの画面遷移図を示す図である。
【0222】
インタフェースコントローラ41は、ねじ締め機1の状態に基づいて、表示部100Bに表示される表示データを制御する。表示部100Bは、ねじ締め機1の状態に基づいて、表示データを変更する。
【0223】
ねじ締め機1の状態は、少なくとも出力部8の設定の状況を含む。出力部8の設定の状況は、ねじ締め作業においてねじを作業対象に締め付けるときの目標トルクの設定の状況を含む。
【0224】
インタフェースコントローラ41は、操作部100Cの操作に基づいて、表示部100Bに表示される表示データを変更させる。
【0225】
図26に示すように、表示部100Bには、トルク表示画面S1と、パスワード表示画面S2と、作業数表示画面S3とが表示される。
【0226】
トルク表示画面S1が表示されている状態でボタン部382Dが押されることにより、トルク表示画面S1からパスワード表示画面S2に遷移する。パスワード表示画面S2が表示されている状態でボタン部382Bが押されることにより、パスワード表示画面S2からトルク表示画面S1に遷移する。
【0227】
トルク表示画面S1が表示されている状態でボタン部382Cが押されることにより、トルク表示画面S1から作業数表示画面S3に遷移する。作業数表示画面S3が表示されている状態でボタン部382Aが押されることにより、作業数表示画面S3からトルク表示画面S1に遷移する。
【0228】
トルク表示画面S1においては、ねじ締め作業においてねじを作業対象に締め付けるときの目標トルクが表示される。なお、目標トルクを変更する場合、ねじ締め機1の外部のパーソナルコンピュータからインタフェースコントローラ41に目標トルクの変更を指令する変更指令が送信される。
【0229】
パスワード表示画面S2においては、作業者はパスワードを入力することができる。例えば出力部8の設定を変更する場合、パスワードが入力される。実施形態において、パスワードは、4桁の数字で表される。パスワード表示画面S2において、ボタン部382Aが押されると数字が増加し、ボタン部382Cが押されると数字が減少する。パスワード表示画面S2において、ボタン部382Bが押されると数字の桁が左方に移動し、ボタン部382Dが押されると数字の桁が右方に移動する。変更後の数字を決定する場合、ボタン部382が長押しされる。
【0230】
作業数表示画面S3においては、作業対象に締め付けられたねじの総数(ねじ締め作業の実施回数)が表示される。インタフェースコントローラ41は、作業対象に締め付けられたねじの本数をカウントすることができる。作業者は、作業対象に締め付けられたねじの総数を確認したい場合、作業数表示画面S3を表示部100Bに表示させる。
【0231】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、リヤカバーユニット100は、表示パネル39の制御のために操作される操作部材38を備える。操作部材38は、プレート部381と、プレート部381から突出する複数のボタン部382と、プレート部381の少なくとも一部に設けられ複数のボタン部382の相互の連動を抑制する連動抑制部385とを有する。連動抑制部385により、例えばボタン部382Aが後方に押されても、ボタン部382B,382C,382Dの後方への変位が抑制される。そのため、ボタン部382Aの変位によりスイッチ素子48Aが操作されたとき、スイッチ素子48B,48C,48Cが操作されることが抑制される。同様に、ボタン部382Bが後方に押されてスイッチ素子48Bが操作されても、スイッチ素子48C,48D,48Aが操作されることが抑制される。ボタン部382Cが後方に押されてスイッチ素子48Cが操作されても、スイッチ素子48D,48A,48Bが操作されることが抑制される。ボタン部382Dが後方に押されてスイッチ素子48Dが操作されても、スイッチ素子48A,48B,48Cが操作されることが抑制される。したがって、操作部材38の操作性の低下が抑制され、誤操作の誘発が抑制される。
【0232】
連動抑制部385の少なくとも一部は、第1のボタン部382と第1のボタン部382に隣接する第2のボタン部382との間に設けられる。これにより、第1のボタン部382と第2のボタン部382との相互の連動が効果的に抑制される。
【0233】
連動抑制部385は、プレート部381に設けられたスリット386を含む。スリット386により、複数のボタン部382の相互の連動が効果的に抑制される。
【0234】
スリット386は、プレート部381の周縁部の内側に設けられる。すなわち、プレート部381の周縁部はスリット386によって分断されない。プレート部381の周縁部が分断されないので、プレート部381の強度の低下が抑制される。また、操作部材38をカバー部材30に装着するときの作業性の低下が抑制される。
【0235】
スリット386がプレート部381に複数設けられる場合、複数のスリット386は、相互に離れるように形成される。すなわち、複数のスリット386は、相互に繋がらないように形成される。相互のスリット386が相互に繋がらないので、プレート部381の強度の低下が抑制される。また、操作部材38をカバー部材30に装着するときの作業性の低下が抑制される。
【0236】
実施形態において、ボタン部382Aと、ボタン部382Bと、ボタン部382Cと、ボタン部382Dとは、プレート部381に規定された中心点CPを囲むように配置される。スリット386は、ボタン部382Aとボタン部382Bとの間に設けられるスリット386Aと、ボタン部382Bとボタン部382Cとの間に設けられるスリット386Bと、ボタン部382Cとボタン部382Dとの間に設けられるスリット386Cと、ボタン部382Dとボタン部382Aとの間に設けられるスリット386Dとを含む。これにより、ボタン部382Aとボタン部382Bとボタン部382Cとボタン部382Dとの相互の連動が効果的に抑制される。
【0237】
スリット386Aと、スリット386Bと、スリット386Cと、スリット386Dとは、中心点CPに対する放射方向に延伸する。これにより、プレート部381の強度が低下することが抑制される。また、ボタン部382Aとボタン部382Bとボタン部382Cとボタン部382Dとの相互の連動が効果的に抑制される。
【0238】
スリット386Aと、スリット386Bと、スリット386Cと、スリット386Dとは、中心点CPを囲むように配置される。これにより、プレート部381の強度が低下することが抑制される。また、ボタン部382Aとボタン部382Bとボタン部382Cとボタン部382Dとの相互の連動が効果的に抑制される。
【0239】
スリット386Aの長さと、スリット386Aの隣に配置されるスリット386Bの長さとは、異なる。スリット386Cの長さと、スリット386Cの隣に配置されるスリット386Dの長さとは、異なる。これにより、プレート部381の強度が低下することが抑制される。また、ボタン部382Aとボタン部382Bとボタン部382Cとボタン部382Dとの相互の連動が効果的に抑制される。
【0240】
カバー部材30は、操作部材38を支持する。カバー部材30は、操作部材38を位置決めする位置決め部303を有する。位置決め部303により、カバー部材30と操作部材38との相対位置の変動が抑制される。そのため、作業者がボタン部382を押しても、操作部材38がカバー部材30に対してずれることが抑制される。したがって、操作部材38の操作性の低下が抑制され、誤操作の誘発が抑制される。
【0241】
位置決め部303は、操作部材38の少なくとも一部に設けられた位置決め開口387に挿入される位置決め凸部309を含む。これにより、カバー部材30と操作部材38との相対位置の変動が効果的に抑制される。また、操作部材38をカバー部材30に装着するときの作業性の低下が抑制される。
【0242】
位置決め開口387は、プレート部381の相互に向き合う2つの角部のそれぞれに設けられる。すなわち、2つの位置決め開口387は、プレート部381の対角線上に配置される。位置決め部303の位置決め凸部309は、プレート部381の相互に向き合う2つの角部のそれぞれにおいて位置決めすることができる。これにより、カバー部材30と操作部材38との相対位置の変動が効果的に抑制される。
【0243】
カバー部材30は、複数の操作開口33を有する。複数のボタン部382は、複数の操作開口33のそれぞれに1つずつ配置される。作業者は、操作開口33から突出したボタン部382を円滑に操作することができる。また、複数のボタン部382のそれぞれは、操作開口33を規定する内側エッジに支持される。これにより、ボタン部382の操作性の低下が抑制され、誤操作の誘発が抑制される。
【0244】
カバー部材30は、モータ収容部21の後部に設けられた開口部を覆うように配置される。すなわち、カバー部材30は、モータ収容部21の後部に設けられた開口部を覆うリヤカバーとして機能することができる。リヤカバーユニット100は、モータ収容部21の後部に配置される。リヤカバーユニット100がモータ収容部21の後部に配置されるので、作業者は、リヤカバーユニット100とデータのやり取りを円滑に実施することができる。
【0245】
リヤカバーユニット100は、プレート部381に対向する第1回路基板45を有する。第1回路基板45には、複数のスイッチ素子48が実装される。複数のボタン部382は、複数のスイッチ素子48のそれぞれに1つずつ設けられる。作業者は、1つのボタン部382を操作することにより、1つのスイッチ素子48を操作することができる。これにより、ボタン部382の操作性の低下が抑制され、誤操作の誘発が抑制される。
【0246】
操作部材38は、複数のスイッチ素子48のそれぞれに対向する複数の操作凸部383を有する。複数の操作凸部383は、複数のスイッチ素子48のそれぞれに1つずつ設けられる。作業者は、1つのボタン部382を操作することにより、1つの操作凸部383を介して1つのスイッチ素子48を操作することができる。これにより、ボタン部382の操作性の低下が抑制され、誤操作の誘発が抑制される。
【0247】
リヤカバーユニット100は、スペーサ42を介して第1回路基板45に対向する第2回路基板46を有する。第1回路基板45と第2回路基板46とが積層されるように配置されることにより、リヤカバーユニット100の大型化が抑制される。また、第1回路基板45と第2回路基板46との間にスペーサ42が配置される。スペーサ42により、第1回路基板45に実装されている電子部品と第2回路基板46に実装されている電子部品との接触が抑制される。カバー部材30と第1回路基板45とスペーサ42と第2回路基板46とは、第1ねじ43により固定される。これより、カバー部材30に支持されている操作部材38と第1回路基板45に実装されているスイッチ素子48との相対位置の変動が抑制される。そのため、誤操作の誘発が抑制される。
【0248】
カバー部材30と第1回路基板45の下部とを固定する第2ねじ44が設けられる。第2ねじ44は、スペーサ42及び第2回路基板46を介さずにカバー部材30と第1回路基板45とを固定する。第1回路基板45の下部にはスイッチ素子48が配置される。作業者によりボタン部382が後方に押されると、第1回路基板45の下部は、操作凸部383を介して後方に押される。第1回路基板45の下部とカバー部材30とが第2ねじ44により固定されることにより、第1回路基板45の下部が後方に押されても、第1回路基板45の変形が抑制される。そのため、ボタン部382の操作性の低下が抑制され、誤操作の誘発が抑制される。
【0249】
操作部材38は、ゴム製である。これにより、操作部材38の操作性の低下が抑制される。
【0250】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、電動作業機は、電動工具の一種であるねじ締め機(電動ドライバ)であることとした。電動工具は、電動ドライバに限定されない。電動工具として、ドライバドリル、アングルドリル、インパクトドライバ、グラインダ、ハンマ、ハンマドリル、マルノコ、及びレシプロソーが例示される。また、電動作業機は、園芸工具(Outdoor Power Equipment)でもよい。園芸工具として、チェーンソー、ヘッジトリマ、芝刈り機、草刈機、及びブロワが例示される。
【0251】
上述の実施形態においては、電動作業機の電源としてバッテリ装着部に装着されるバッテリパック16が使用されることとした。電動作業機の電源として、商用電源(交流電源)が使用されてもよい。
【符号の説明】
【0252】
1…ねじ締め機、2…ハウジング、2L…左ハウジング、2R…右ハウジング、2S…ねじ、3…ギヤケース、4…バッテリ装着部、5…モータ、6…ベアリングボックス、7…遊星歯車機構、8…出力部、9…トルクセンサ、10…ファン、11…トリガスイッチ、11A…トリガ部材、11B…スイッチ本体、12…正逆切換レバー、13…音声発生部、14…発光部、15…メインコントローラ、15A…基板、15B…コントローラケース、16…バッテリパック、21…モータ収容部、22…グリップ部、23…コントローラ収容部、24A…吸気口、24B…排気口、25…溝、30…カバー部材、30A…第1区画空間、30B…第2区画空間、30C…第3区画空間、30D…第4区画空間、31…通知開口、32…表示開口、33…操作開口、34…通信開口、35…拡散光学部材、35A…通過部、35B…接続部、36…表示カバー、37…シール部材、38…操作部材、39…表示パネル、40…保持部材、41…インタフェースコントローラ、42…スペーサ、43…第1ねじ、44…第2ねじ、45…第1回路基板、46…第2回路基板、47…発光素子、48…スイッチ素子、48A…スイッチ素子(第1スイッチ素子)、48B…スイッチ素子(第2スイッチ素子)、48C…スイッチ素子(第3スイッチ素子)、48D…スイッチ素子(第4スイッチ素子)、49…光学部材、50…発光素子、51…ステータ、51A…ステータコア、51B…前インシュレータ、51C…後インシュレータ、51D…コイル、51E…センサ基板、52…ロータ、52A…ロータコア、52B…永久磁石、53…ロータシャフト、53A…前端部、54…ベアリング、55…ベアリング、57…ベアリング保持部、70…インターナルギヤ、71C…キャリア、71P…プラネタリギヤ、71S…ピニオンギヤ、72C…キャリア、72P…プラネタリギヤ、72S…サンギヤ、73…ワッシャ、74…弾性部材、75…弾性部材、81…スピンドル、81A…挿入孔、82…チャック、82A…ボール、83…ベアリング、84…ベアリング、90…中空部、91…前板部、91G…ギヤ、92…後板部、93…歪ゲージ、96…貫通孔、100…リヤカバーユニット、100A…通知発光部、100B…表示部、100C…操作部、100D…通信発光部、301…ねじ孔、302…ねじ孔、303…位置決め部、304…位置決め部、305…区画壁、306…区画壁、307…区画壁、308…溝、309…位置決め凸部、310…位置決め凸部、320…周壁、330…凸部、351B…上接続部、352B…左接続部、353B…右接続部、354B…下接続部、351…入射面、352…射出面、353…前面、354…後面、355…凹部、356…溝、381…プレート部、382…ボタン部、382A…ボタン部(第1ボタン部)、382B…ボタン部(第2ボタン部)、382C…ボタン部(第3ボタン部)、382D…ボタン部(第4ボタン部)、383…操作凸部、383A…操作凸部(第1操作凸部)、383B…操作凸部(第2操作凸部)、383C…操作凸部(第3操作凸部)、383D…操作凸部(第4操作凸部)、384…位置決め部、385…連動抑制部、386…スリット、386A…スリット(第1連動抑制部)、386B…スリット(第2連動抑制部)、386C…スリット(第3連動抑制部)、386D…スリット(第4連動抑制部)、387…位置決め開口、390…接続部材、391…表示画面、401…フレーム部、401A…凹部、402…プレート部、403…支持板部、403L…左支持板部、403R…右支持板部、404…フック部、404L…左フック部、404R…右フック部、405…位置決め部、406…位置決め部、407…接続開口、408…位置決め開口、409…位置決め開口、410…フック開口、421…位置決め凸部、422…環状部、423…ねじボス部、424…ねじ開口、451…基板開口、452…ねじ開口、453…位置決め部、454…ねじ凹部、462…ねじ開口、500…カバー、501…第3回路基板、502…コネクタ、700…リード線、800…ラインフィルタ、900…コネクタ、1000…無線通信装置、1001…リブ、3081…上溝、3082…支持面、3083…支持面、3084…下溝、4011…第1部分、4012…第2部分、4013…第1空間、4014…第2空間、AX…回転軸、CP…中心点、OX…光軸。
図1
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