(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】特定のメソイオン性殺虫剤の調製のためのプロセス及び中間体
(51)【国際特許分類】
C07D 401/12 20060101AFI20240918BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20240918BHJP
C07D 239/26 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
C07D401/12 CSP
C07D471/04 116
C07D239/26
(21)【出願番号】P 2020542867
(86)(22)【出願日】2019-03-04
(86)【国際出願番号】 US2019020478
(87)【国際公開番号】W WO2019173173
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-03-03
(32)【優先日】2018-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023674
【氏名又は名称】イーアイディーピー インク.
【氏名又は名称原語表記】EIDP Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デュマ,ドナルド・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジュンベ
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-501841(JP,A)
【文献】特表2007-508367(JP,A)
【文献】特表2009-508090(JP,A)
【文献】特表2011-511080(JP,A)
【文献】CID 130923211,PUBCHEM CID: 130923211,2017年10月09日,PAGE(S):1-6,https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/#query=130913211
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式B、式C、又は式D:
【化1】
[式中、Qは、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大4個のNから独立して選択される最大4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~10員環系であり、ここで最大3個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され
、このような環系は、R
Aから独立して選択される最大5個の置換基で任意選択的に置換
されており;
各R
Aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8アルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)
(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、若しくはC
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロア
ルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロア
ルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルホニル、C
2~C
8アルケニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチ
オ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、若しくはC
2~C
8アルキニルスルホニルであるか;又は
隣接環原子上の2個のR
A置換基は一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形
成し、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2
~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
2~C
4ハロアルキニル、C
3~C
7シクロ
アルキル、C
3~C
7ハロシクロアルキル、C
4~C
8アルキルシクロアルキル、C
4~C
8ハロアルキルシクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
4~C
8ハロシクロアルキルアルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
6ハロアルコキシカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニル、及びC
2~
C
6ハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意
選択的に置換されており;
R
2及びR
3の各々は、独立して、H、F、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
Mは、無機カチオン又は有機カチオンである]
の化合物を調製するための方法であって、
(a)式A
【化2】
の化合物を、式J
【化3】
の化合物及び少なくとも1つの亜硫酸水素塩、少なくとも1つのメタ亜硫酸水素塩、又はこれらの混合物を含む塩と接触させて、式B
【化4】
[式中、Mは、前記塩から誘導される、少なくとも1つの無機カチオン、少なくとも1つの有機カチオン、又はこれらの混合物である]
の化合物を形成すること
を含む方法。
【請求項2】
式Cの化合物は、
(b)工程(a)からの式Bの前記化合物を、少なくとも1つの無機酸、少なくとも1つの有機酸、又はこれらの混合物を含む酸と接触させて、式C:
【化6】
の化合物を形成することにより調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式Dの化合物は、
(c)工程(a)からの式Bの前記化合物又は工程(b)からの式Cの前記化合物を還元剤と接触させて、式D
【化7】
の前記化合物を形成することにより調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
式1
【化8】
[式中、各R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]
の化合物を調製するための請求項3に記載の方法であって、
(A)式2又は式2a
【化9】
の化合物を、水の存在下で、2-アミノピリジン(3)
【化10】
及び亜硫酸水素ナトリウムと接触させて、式4
【化11】
[式中、R
1はH又はC
1~C
3アルキルであり、Mは、Na又はK又はLiである]の化
合物を形成することと、
(B)式4の前記化合物を、酸と接触させて、式5
【化12】
[式中、R
1は、C
1~C
3アルキルである]の化合物を形成することと、
(C)式4の前記化合物又は式5の前記化合物を、水、C
1~C
4一価アルコール、C
2~
C
6多価アルコール、又はこれらの混合物を含む溶媒の存在下で、前記任意選択的な無機
又は有機塩基の存在下で、水素化ホウ素還元剤と接触させて、式1の前記化合物を形成することと、を含み、
工程(C)が、
(i)工程(C)により得られた反応混合物を水と接触させて、前記反応混合物
のpHを5未満のpHまで酸で調節することと、
(ii)前記反応混合物から得られた水相及び有機相を分離することと、
(iii)前記水相のpHを水性塩基でpH5以上に調節することと、
(iv)式1の前記化合物を、C
7~C
10芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベ
ンゼン、C
5~C
10脂肪族炭化水素、及びC
5~C
10脂環式炭化水素から選択される有機溶媒中に抽出することと、
を更に含み、
工程(iv)の前記有機溶媒が、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、又は1-クロロブタンである、
方法。
【請求項5】
式B:
【化13】
[式中、Qは、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大4個のNから独立して選択される最大4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~10員環系であり、ここで最大3個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環系は、R
Aから独立して選択される最大5個の置換基で任意選択的に置換
されており;
各R
Aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8アルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)
(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、若しくはC
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロア
ルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロア
ルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルホニル、C
2~C
8アルケニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチ
オ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、若しくはC
2~C
8アルキニルスルホニルであるか;又は
隣接環原子上の2個のR
A置換基は一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形
成し、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2
~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
2~C
4ハロアルキニル、C
3~C
7シクロ
アルキル、C
3~C
7ハロシクロアルキル、C
4~C
8アルキルシクロアルキル、C
4~C
8ハロアルキルシクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
4~C
8ハロシクロアルキルアルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
6ハロアルコキシカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニル、及びC
2~
C
6ハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意
選択的に置換されており;
R
2及びR
3の各々は、独立して、H、F、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
Mは、無機カチオン又は有機カチオンである]
の化合物を調製するための方法であって、
(a)式A
【化14】
の化合物を、少なくとも1つの亜硫酸水素塩、少なくとも1つのメタ亜硫酸水素塩、又はこれらの混合物を含む塩と接触させて、式E
【化15】
[式中、Mは、前記塩から誘導される、少なくとも1つの無機カチオン、少なくとも1つの有機カチオン、又はこれらの混合物である]
の化合物を形成することと、
(b)工程(a)からの式Eの前記化合物を式Jの化合物と接触させて式Bの化合物を形成すること、
【化16】
を含む、
方法。
【請求項6】
前記塩が、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素トリメチルアンモニウム、亜硫酸水素トリエチルアンモニウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素カリウム、メタ亜硫酸水素アンモニウム、メタ亜硫酸水素トリメチルアンモニウム、メタ亜硫酸水素トリエチルアンモニウム、又はこれらの混合物を含むか、
Mが、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、リチウム、又はこれらの混合物であるか、または、
工程(a)が、水、C
1~C
4一価アルコール、C
2~C
6多価アルコール、又はこれらの混合物を含む溶媒の存在下で実施される、
請求項1または5に記載の方法。
【請求項7】
前記酸が、
塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、リン酸(H
3PO
4)、硫酸(H
2SO
4)、及びホウ酸(H
3BO
3)から選択される無機酸を含むか、または、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、及びスルホン酸から選択される有機酸を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項8】
式1
【化20】
[式中、各R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]
の化合物を調製するための請求項5に記載の方法であって、
(A)式2
【化21】
の化合物を、溶媒S1の存在下で、亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸水素塩、又は亜硫酸水素塩及びメタ亜硫酸水素塩の混合物からなる塩と接触させて、式6
【化22】
[式中、R
1はH又はC
1~C
3アルキルであり、Mは、無機又は有機カチオンである]の
化合物を形成することと、
(B)式6の前記化合物を、溶媒S1Aの存在下で、2-アミノピリジン(3)
【化23】
と接触させて、式4
【化24】
[式中、R
1はH又はC
1~C
3アルキルであり、Mは、無機又は有機カチオンである]の
化合物を形成することと、
(C)式4の前記化合物を、溶媒S2の存在下で、無機又は有機酸と接触させて、式5
【化25】
[式中、R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]の化合物を形成することと、
(D)式5の前記化合物を、無機又は有機塩基及び溶媒S3の存在下で、水素化ホウ素還元剤と接触させて、式1の前記化合物を形成することと
を含む方法。
【請求項9】
式F
【化26】
[式中、Qは、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大4個のNから独立して選択される最大4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~10員環系であり、ここで最大3個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環系は、R
Aから独立して選択される最大5個の置換基で任意選択的に置換
されており;
各R
Aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8アルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)
(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、若しくはC
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロア
ルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロア
ルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスル
ホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルホニル、C
2~C
8アルケニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチ
オ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、若しくはC
2~C
8アルキニルスルホニルであるか;又は
隣接環原子上の2個のR
A置換基は一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形
成し、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2
~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
2~C
4ハロアルキニル、C
3~C
7シクロ
アルキル、C
3~C
7ハロシクロアルキル、C
4~C
8アルキルシクロアルキル、C
4~C
8ハロアルキルシクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
4~C
8ハロシクロアルキルアルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
6ハロアルコキシカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニル、及びC
2~
C
6ハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意
選択的に置換されており;
R
2及びR
3の各々は、独立して、H、F、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
R
6は、フェニル、ピリジニル、ハロゲン、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、
C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8ハロシクロアルキル、C
1~C
8アルキルチオ、又はC
1~C
8ハロアルキルチオから独立して選択される最大3個の置換基で各々任意選択的に置換されているフェニル又はピリジニルである]
の化合物を調製するための方法であって、
(a)式A
【化2】
の化合物を、式J
【化3】
の化合物及び少なくとも1つの亜硫酸水素塩、少なくとも1つのメタ亜硫酸水素塩、又はこれらの混合物を含む塩と接触させて、式B
【化4】
[式中、Mは、前記塩から誘導される、少なくとも1つの無機カチオン、少なくとも1つの有機カチオン、又はこれらの混合物である]
の化合物を形成することと;
(b)式G
【化27】
[式中、XはCl又はBrである]の化合物を式B、式C、又は式D
【化28】
[式中、Mは、少なくとも1つの無機カチオン、少なくとも1つの有機カチオン、又はこ
れらの混合物を含む]
の化合物と接触させて、式H
【化29】
[R
7は、式B、式C、又は式Dの化合物が使用されているかどうかに応じて、SO
3M、SO
3H、又はHである]の化合物を生成することと;
(c)R
7がSO
3M又はSO
3Hである場合、工程(a)からの式Hの前記化合物を還元
剤と接触させて、式Fの前記化合物を形成することと、
を含む方法。
【請求項10】
Qが、ハロゲン、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
3~C
10シクロアルキ
ル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、及びC
4~C
10シクロアルキルアルコキシからなる群から独立して選択される最大2個の置換基で各々任意選択的に置換されているトリアゾリル、ピリジニル、又はピリミジニルであるか、または、
Qが、以下の環構造:
【化30】
[式中、Z
1は、O、S、又はNR
5であり;
各R
4又はR
5は、独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8ア
ルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)
、OC(O)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1
~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8
アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、又はC
1~C
8アルキ
ル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シク
ロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~
C
10シクロアルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~
C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロアルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルホニル、C
2~C
8アルケ
ニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチオ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、又はC
2~C
8アルキニルスルホニル
であり;
各qは、独立して、0、1、又は2である]
のうちの1つから選択される、請求項1、5または9に記載の方法。
【請求項11】
前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4)、トリアセトキシ水素化ホウ素
ナトリウム(NaBH(CH
3COO)
3)、水素化ホウ素リチウム(LiBH
4)、水素
化ホウ素カリウム(KBH
4)、又はこれらの混合物から選択される水素化ホウ素還元剤
を含むか、または、
前記還元剤が、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH
4)、水素化ジイソブチルア
ルミニウム(DIBALH)、又はこれらの混合物を含む、
請求項3または9に記載の方法。
【請求項12】
式7
【化31】
[式中、各R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]
の化合物を調製するための請求項9に記載の方法であって、式1
【化9】
[式中、R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]
の化合物を、化合物(8)
【化32】
と接触させることを含む、方法。
【請求項13】
式4及び/又は式5
【化33】
[式中、R
1はH又はC
1~C
3アルキルであり、Mは、Na又はK又はLiである]の化
合物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
メソイオン性殺虫剤及びそれを調製するための方法は、例えば、国際公開第2009/099929号パンフレット、同第2011/017334号パンフレット、同第2011/017342号パンフレット、同第2011/017347号パンフレット、同第2012/092115号パンフレット、同第2013/090547号パンフレット、及び同第2017/189339号パンフレットで既に開示されている。加えて、N-[(5-ピリミジニル)メチル]-2-ピリジンアミンは、特定のメソイオン性殺虫剤を調製するための重要な中間体として、既に開示されている。しかしながら、既に開示されている特定の合成工程は、大規模製造に好適ではない場合がある。したがって、特定のメソイオン性殺虫剤調製の代替的な方法に対する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一態様では、本発明は、式B、式C、又は式D:
【化1】
[式中、Qは、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大4個のNから独立して選択される最大4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~10員環系であり、ここで最大3個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環系は、R
Aから独立して選択される最大5個の置換基で任意選択的に置換されており;
各R
Aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8アルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8
アルキル)、OC(O)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、若しくはC
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロアルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルホニル、C
2~C
8アルケニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチオ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、若しくはC
2~C
8アルキニルスルホニルであるか;又は
隣接環原子上の2個のR
A置換基は一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形成し、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
2~C
4ハロアルキニル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ハロシクロアルキル、C
4~C
8アルキルシクロアルキル、C
4~C
8ハロアルキルシクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
4~C
8ハロシクロアルキルアルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
6ハロアルコキシカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニル、及びC
2~C
6ハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意選択的に置換されており;
R
2及びR
3の各々は、独立して、H、F、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
Mは、無機カチオン又は有機カチオンである]
の化合物を調製するための方法であって、
(a)式A
【化2】
の化合物を、式J
【化3】
の化合物及び少なくとも1つの亜硫酸水素塩、少なくとも1つのメタ亜硫酸水素塩、又はこれらの混合物を含む塩と接触させて、式B
【化4】
[式中、Mは、塩から誘導される、少なくとも1つの無機カチオン、少なくとも1つの有機カチオン、又はこれらの混合物である]
の化合物を形成することを含み、
任意選択的に、式C
【化5】
の化合物は、式Bの化合物を、少なくとも1つの無機酸、少なくとも1つの有機酸、又はこれらの混合物を含む酸と接触させることにより合成することができる方法を提供する。
【0003】
いくつかの実施形態では、R2は、H又はFである。いくつかの実施形態では、R3は、H又はFである。
【0004】
いくつかの実施形態では、Qは、ハロゲン、C1~C8アルキル、C1~C8ハロアルキル、C3~C10シクロアルキル、C3~C10ハロシクロアルキル、C1~C8アルコキシ、C1~C8ハロアルコキシ、C3~C8シクロアルコキシ、C3~C8ハロシクロアルコキシ、及びC4~C10シクロアルキルアルコキシからなる群から独立して選択される最大2個の置換基で各々任意選択的に置換されているトリアゾリル、ピリジニル、又はピリミジニルである。
【0005】
その他の実施形態では、Qは、以下の環構造:
【化6】
[式中、Z
1は、O、S、又はNR
5であり;
各R
4又はR
5は、独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8アルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、又はC
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロアルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルホニル、C
2~C
8アルケニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチオ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、又はC
2~C
8アルキニルスルホニルであり;
各qは、独立して、0、1、又は2である]
のうちの1つから選択される。
【0006】
いくつかの実施形態では、塩は、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素トリメチルアンモニウム、亜硫酸水素トリエチルアンモニウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素カリウム、メタ亜硫酸水素アンモニウム、メタ亜硫酸水素トリメチルアンモニウム、メタ亜硫酸水素トリエチルアンモニウム、又はこれらの混合物を含む。いくつかの更なる実施形態では、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、リチウム、又はこれらの混合物である。いくつかの実施形態では、工程(a)は、水、C1~C4一価アルコール、C2~C6多価アルコール、又はこれらの混合物を含む溶媒の存在下で実施される。
【0007】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、
(b)工程(a)からの式Bの化合物を、少なくとも1つの無機酸、少なくとも1つの有機酸、又はこれらの混合物から選択される酸と接触させて、式C:
【化7】
の化合物を形成する、式Cの化合物を調製するための工程(b)を更に含む。
【0008】
いくつかの更なる実施形態では、酸は、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、リン酸(H3PO4)、硫酸(H2SO4)、及びホウ酸(H3BO3)から選択される無機酸を含む。いくつかの更なる実施形態では、酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、及びスルホン酸から選択される有機酸を含む。スルホン酸の例としては、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、及び異性体の混合物としてのトルエンスルホン酸が挙げられる。
【0009】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、
(c)工程(a)からの式Bの化合物又は工程(b)からの式Cの化合物を還元剤と接触させて、式D
【化8】
の化合物を形成する、式Dの化合物を調製するための工程(c)を更に含む。
【0010】
いくつかの更なる実施形態では、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(CH3COO)3)、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)、水素化ホウ素カリウム(KBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaB(CN)H3)、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム((CH3)4NBH4)、水素化ホウ素テトラエチルアンモニウム((C2H5)4NBH4)、ボラン(BH3)、ジボラン(B2H6)、ビス-3-メチル-2-ブチルボラン([(CH3)2CHCH(CH3)]2BH)、又はこれらの混合物から選択される水素化ホウ素還元剤を含む。いくつかの更なる実施形態では、還元剤は、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBALH)、水素化リチウムトリ-tert-ブトキシアルミニウム(LiAlH[OC(CH3)3]3)、水素化リチウムトリ-メトキシアルミニウム(LiAlH(OCH3)3)、又はこれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、例えば、ラネーニッケル、担持パラジウム、担持白金、又はこれらの混合物を含む金属触媒とともに、水素を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本発明は、式1
【化9】
[式中、R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]
の化合物を調製するための方法であって、
(A)式2又は式2a
【化10】
の化合物を、溶媒S1の存在下で、2-アミノピリジン(3)
【化11】
及び亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸水素塩、又は亜硫酸水素塩及びメタ亜硫酸水素塩の混合物からなる塩と接触させて、式4
【化12】
[式中、R
1はH又はC
1~C
3アルキルであり、Mは、無機又は有機カチオンである]の化合物を形成することと、
(B)式4の化合物を、溶媒S2の存在下で、無機又は有機酸と接触させて、式5
【化13】
[式中、R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]の化合物を形成することと、
(C)式4又は式5の化合物を、無機又は有機塩基及び溶媒S3の存在下で、水素化ホウ素還元剤と接触させて、式1の化合物を形成することと
を含む方法を提供する。
【0012】
いくつかの更なる実施形態では、工程(C)は
(i)反応混合物を水と接触させて、反応混合物のpHを5未満のpHまで酸で調節することと、
(ii)反応混合物から得られた水相及び有機相を分離することと、
(iii)水相のpHを水性塩基でpH5以上に調節することと、
(iv)式1の化合物を、C7~C10芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベンゼン、C5~C10脂肪族炭化水素、及びC5~C10脂環式炭化水素から選択される有機溶媒中に抽出することと、
を更に含む。
【0013】
いくつかの更なる実施形態では、工程(iv)の有機溶媒は、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、又は1-クロロブタンである。
【0014】
別の態様では、本発明は、式B、式C、又は式D:
【化14】
[式中、Qは、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大4個のNから独立して選択される最大4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~10員環系であり、ここで最大3個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環系は、R
Aから独立して選択される最大5個の置換基で任意選択的に置換されており;
各R
Aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8アルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、若しくはC
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロアルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスル
ホニル、C
2~C
8アルケニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチオ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、若しくはC
2~C
8アルキニルスルホニルであるか;又は
隣接環原子上の2個のR
A置換基は一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形成し、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
2~C
4ハロアルキニル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ハロシクロアルキル、C
4~C
8アルキルシクロアルキル、C
4~C
8ハロアルキルシクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
4~C
8ハロシクロアルキルアルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
6ハロアルコキシカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニル、及びC
2~C
6ハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意選択的に置換されており;
R
2及びR
3の各々は、独立して、H、F、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
Mは、無機カチオン又は有機カチオンである]
の化合物を調製するための方法であって、
(a)式A
【化15】
の化合物を、少なくとも1つの亜硫酸水素塩、少なくとも1つのメタ亜硫酸水素塩、又はこれらの混合物を含む塩と接触させて、式E
【化16】
[式中、Mは、塩から誘導される、少なくとも1つの無機カチオン、少なくとも1つの有機カチオン、又はこれらの混合物である]
の化合物を形成することと、
(b)工程(a)からの式Eの化合物を式Jの化合物と接触させて式Bの化合物を形成することと、
【化17】
を含み、
任意選択的に、式C
【化18】
の化合物は、式Bの化合物を、少なくとも1つの無機酸、少なくとも1つの有機酸、又はこれらの混合物を含む酸と接触させることにより合成することができる方法を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態では、R2は、H又はFである。いくつかの実施形態では、R3は、H又はFである。
【0016】
いくつかの実施形態では、Qは、ハロゲン、C1~C8アルキル、C1~C8ハロアルキル、C3~C10シクロアルキル、C3~C10ハロシクロアルキル、C1~C8アルコキシ、C1~C8ハロアルコキシ、C3~C8シクロアルコキシ、C3~C8ハロシクロアルコキシ、及びC4~C10シクロアルキルアルコキシからなる群から独立して選択される最大2個の置換基で各々任意選択的に置換されているトリアゾリル、ピリジニル、又はピリミジニルである。
【0017】
その他の実施形態では、Qは、以下の環構造:
【化19】
[式中、Z
1は、O、S、又はNR
5であり;
各R
4又はR
5は、独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8アルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、又はC
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロアルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルホニル、C
2~C
8アルケニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチオ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、又はC
2~C
8アルキニルスルホニルであり;
各qは、独立して、0、1、又は2である]
のうちの1つから選択される。
【0018】
いくつかの実施形態では、塩は、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素トリメチルアンモニウム、亜硫酸水素トリエチルアンモニウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素カリウム、メタ亜硫酸水素アンモニウム、メタ亜硫酸水素トリメチルアンモニウム、メタ亜硫酸水素トリエチルアンモニウム、又はこれらの混合物を含む。いくつかの更なる実施形態では、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、リチウム、又はこれらの混合物である。いくつかの実施形態では、工程(a)は、水、C1~C4一価アルコール、C2~C6多価アルコール、又はこれらの混合物を含む溶媒の存在下で実施される。
【0019】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、
(c)工程(b)からの式Bの化合物を、少なくとも1つの無機酸、少なくとも1つの有機酸、又はこれらの混合物から選択される酸と接触させて、式C:
【化20】
の化合物を形成する、式Cの化合物を調製するための工程(c)を更に含む。
【0020】
いくつかの更なる実施形態では、酸は、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、リン酸(H3PO4)、硫酸(H2SO4)、及びホウ酸(H3BO3)から選択される無機酸を含む。いくつかの更なる実施形態では、酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、及びスルホン酸から選択される有機酸を含む。スルホン酸の例としては、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、及び異性体の混合物としてのトルエンスルホン酸が挙げられる。
【0021】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、
(d)工程(b)からの式B又は工程(c)からの式Cの化合物を還元剤と接触させて、式D
【化21】
の化合物を形成する、式Dの化合物を調製するための工程(d)を更に含む。
【0022】
いくつかの更なる実施形態では、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(CH3COO)3)、水素化ホウ素
リチウム(LiBH4)、水素化ホウ素カリウム(KBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaB(CN)H3)、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム((CH3)4NBH4)、水素化ホウ素テトラエチルアンモニウム((C2H5)4NBH4)、ボラン(BH3)、ジボラン(B2H6)、ビス-3-メチル-2-ブチルボラン([(CH3)2CHCH(CH3)]2BH)、又はこれらの混合物から選択される水素化ホウ素還元剤を含む。いくつかの更なる実施形態では、還元剤は、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBALH)、水素化リチウムトリ-tert-ブトキシアルミニウム(LiAlH[OC(CH3)3]3)、水素化リチウムトリ-メトキシアルミニウム(LiAlH(OCH3)3)、又はこれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、例えば、ラネーニッケル、担持パラジウム、担持白金、又はこれらの混合物を含む金属触媒とともに、水素を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、本発明は、式1
【化22】
[式中、各R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]
の化合物を調製するための方法であって、
(A)式2又は式2a
【化23】
の化合物を、溶媒S1の存在下で、亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸水素塩、又は亜硫酸水素塩及びメタ亜硫酸水素塩の混合物からなる塩と接触させて、式6
【化24】
[式中、R
1はH又はC
1~C
3アルキルであり、Mは、無機又は有機カチオンである]の化合物を形成することと、
(B)式6の化合物を、溶媒S1A(例えば、水又は水及びアルコールの混合物からなる)の存在下で、2-アミノピリジン(3)
【化25】
と接触させて、式4
【化26】
[式中、R
1はH又はC
1~C
3アルキルであり、Mは、無機又は有機カチオンである]の化合物を形成することと、
(C)式4の化合物を、溶媒S2の存在下で、無機又は有機酸と接触させて、式5
【化27】
[式中、R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]の化合物を形成することと、
(D)式4又は式5の化合物を、任意選択的な無機又は有機塩基及び溶媒S3の存在下で、水素化ホウ素還元剤と接触させて、式1の化合物を形成することと
を含む方法を提供する。
【0024】
別の態様では、本発明は、式F
【化28】
[式中、Qは、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大4個のNから独立して選択される最大4個のヘテロ原子から選択される環員を含有する3~10員環系であり、ここで最大3個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環系は、R
Aから独立して選択される最大5個の置換基で任意選択的に置換されており;
各R
Aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8アルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、若しくはC
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシクロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロアルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルホニル、C
2~C
8アルケニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチオ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、若しくはC
2~C
8アルキニルスルホニルであるか;又は
隣接環原子上の2個のR
A置換基は一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形成し、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
2~C
4ハロアルキニル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ハロシクロアルキル、C
4~C
8アルキルシクロアルキル、C
4~C
8ハロアルキルシクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
4~C
8ハロシクロアルキルアルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
2~C
8アルコキシカルボニル、C
2~C
6ハロアルコキシカルボニル、C
2~C
6アルキルカルボニル、及びC
2~C
6ハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意選択的に置換されており;
R
2及びR
3の各々は、独立して、H、F、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり;
R
6は、フェニル、ピリジニル、ハロゲン、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルキル、C
3~C
8ハロシクロアルキル、C
1~C
8アルキルチオ、又はC
1~C
8ハロアルキルチオから独立して選択される最大3個の置換基で各々任意選択的に置換されているフェニル又はピリジニルである]
の化合物を調製するための方法であって、
(a)式G
【化29】
[式中、XはCl又はBrである]の化合物を式B、式C、又は式D
【化30】
[式中、Mは、少なくとも1つの無機カチオン、少なくとも1つの有機カチオン、又はこれらの混合物を含む]
の化合物と接触させて、式H
【化31】
[式中、R
7は、式B、式C、又は式Dの化合物が使用されているかどうかに応じて、SO
3M、SO
3H、又はHである]の化合物を生成することと;
(b)R
7がSO
3M又はSO
3Hである場合、工程(a)からの式Hの化合物を還元剤と接触させて、式Fの化合物を形成することと、
を含む方法を提供する。
【0025】
いくつかの実施形態では、R2は、H又はFである。いくつかの実施形態では、R3は
、H又はFである。
【0026】
いくつかの実施形態では、Qは、ハロゲン、C1~C8アルキル、C1~C8ハロアルキル、C3~C10シクロアルキル、C3~C10ハロシクロアルキル、C1~C8アルコキシ、C1~C8ハロアルコキシ、C3~C8シクロアルコキシ、C3~C8ハロシクロアルコキシ、及びC4~C10シクロアルキルアルコキシからなる群から独立して選択される最大2個の置換基で各々任意選択的に置換されているトリアゾリル、ピリジニル、又はピリミジニルである。
【0027】
その他の実施形態では、Qは、以下の環構造:
【化32】
[式中、Z
1は、O、S、又はNR
5であり;
各R
4又はR
5は、独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、SF
5、C(O)(C
1~C
8アルキル)、C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、C(=S)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、SO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)(C
1~C
8アルキル)、OC(O)O(C
1~C
8アルキル)、OC(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)O(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)C(O)N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、OSO
2(C
1~C
8アルキル)、OSO
2N(C
1~C
8アルキル)(C
1~C
8アルキル)、N(C
1~C
8アルキル)SO
2(C
1~C
8アルキル)、又はC
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル、C
3~C
10シクロアルキル、C
3~C
10ハロシクロアルキル、C
4~C
10アルキルシクロアルキル、C
4~C
10シクロアルキルアルキル、C
6~C
14シクロアルキルシクロアルキル、C
5~C
10アルキルシ
クロアルキルアルキル、C
3~C
8シクロアルケニル、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8ハロアルコキシ、C
3~C
8シクロアルコキシ、C
3~C
8ハロシクロアルコキシ、C
4~C
10シクロアルキルアルコキシ、C
2~C
8アルケニルオキシ、C
2~C
8アルキニルオキシ、C
1~C
8アルキルチオ、C
1~C
8アルキルスルフィニル、C
1~C
8アルキルスルホニル、C
3~C
8シクロアルキルチオ、C
3~C
8シクロアルキルスルフィニル、C
3~C
8シクロアルキルスルホニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルチオ、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C
4~C
10シクロアルキルアルキルスルホニル、C
2~C
8アルケニルチオ、C
2~C
8アルケニルスルフィニル、C
2~C
8アルケニルスルホニル、C
2~C
8アルキニルチオ、C
2~C
8アルキニルスルフィニル、又はC
2~C
8アルキニルスルホニルであり;
各qは、独立して、0、1、又は2である]
のうちの1つから選択される。
【0028】
いくつかの更なる実施形態では、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(CH3COO)3)、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)、水素化ホウ素カリウム(KBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaB(CN)H3)、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム((CH3)4NBH4)、水素化ホウ素テトラエチルアンモニウム((C2H5)4NBH4)、ボラン(BH3)、ジボラン(B2H6)、ビス-3-メチル-2-ブチルボラン([(CH3)2CHCH(CH3)]2BH)、又はこれらの混合物から選択される水素化ホウ素還元剤を含む。いくつかの更なる実施形態では、還元剤は、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBALH)、水素化リチウムトリ-tert-ブトキシアルミニウム(LiAlH[OC(CH3)3]3)、水素化リチウムトリ-メトキシアルミニウム(LiAlH(OCH3)3)、又はこれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、例えば、ラネーニッケル、担持パラジウム、担持白金、又はこれらの混合物を含む金属触媒とともに、水素を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本発明はまた、式7
【化33】
[式中、各R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]
の化合物を調製するための方法であって、式1の化合物を、化合物(8)
【化34】
と接触させることを含み、ここで式1の化合物は、本明細書で記載される方法によって調製される方法に関する。
【0030】
本発明はまた、式4及び/又は式5
【化35】
[式中、R
1はH又はC
1~C
3アルキルであり、Mは、Na又はK又はLiである]の化合物に関する。
【0031】
本発明はまた、式6
【化36】
[式中、R
1はH又はC
1~C
3アルキルであり、Mは、Na又はK又はLiである]の化合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains
)」、「含有する(containing)」、「で特徴付けられる(characterized by)」、又はこれらの任意の他の変形は、明確に示される任意の制限を受けて、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、工程、方法、製品又は装置は、それらの要素に必ずしも限定されるものではなく、明示的に列挙されていない、又はそのような組成物、混合物、工程、方法、製品又は装置に固有ではない他の要素を含むことができる。
【0033】
移行句「からなる」は、明記されていないあらゆる要素、工程、又は原料を除外する。請求項における場合、そのような句は、それらと通常関係がある不純物を除いて列挙されるもの以外の材料の包含を請求項から排除する。語句「からなる」が、前文の直後よりもむしろ、請求項の本体の条項に現れる場合、それは、その条項に記述される要素のみを限定し、他の要素は、全体として請求項から排除されない。
【0034】
出願人らが、発明又はその一部を、「含む(comprising)」などの非限定的用語を使って定義している場合、(特に明記しない限り)この記載が、用語「から本質的になる」又は「からなる」を用いてそのような発明をまた記載していると解釈されるべきであることが容易に理解されるはずである。
【0035】
更に、明確にそれとは反対のことが述べられない限り、「又は」は、包括的な「又は」を意味し、排他的な「又は」を意味しない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)且つBが真である(又は存在する)並びにA及びBが両方とも真である(又は存在する)。
【0036】
また、本発明の要素又は成分に先行する不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、要素又は成分の場合(すなわち、出現)の数に関して非限定的であることを意図する。このため「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、1つ又は少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、要素又は成分の単数語形はまた、数が明らかに単数であることを意図されていない限り複数を含む。
【0037】
用語「周囲温度」又は「室温」は、本開示で使用する場合、約18℃~約28℃の温度を指す。
【0038】
上記の列挙では、用語「アルキル」としては、直鎖又は分枝鎖アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、又は異なるブチル異性体が挙げられる。本明細書で使用する場合、ハロアルカンは、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素)で部分的に又は完全に置換されているアルカンである。ハロアルカンの例としては、CH2Cl2、ClCH2CH2Cl、ClCH2CH2CH2CH3、及びCCl3CH3が挙げられる。ハロゲン化ベンゼンは、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素)で部分的に又は完全に置換されているベンゼンである。ハロゲン化ベンゼンの例としては、クロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、及びブロモベンゼンが挙げられる。C7~C10芳香族炭化水素は、アルキル基で置換されている1つのベンゼン環を含有する化合物である。C7~C10芳香族炭化水素の例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、及びクメン(イソ-プロピルベンゼン)が挙げられる。C5~C10脂肪族炭化水素は、直鎖又は分枝鎖炭化水素である。C5~C10脂肪族炭化水素の例としては、n-ヘキサン、混合ヘキサン、n-ヘプタン、及び混合ヘプタンが挙げられる。C5~C10脂環式炭化水素は、直鎖又は分枝鎖アルキル基で置換され得る環状炭化水素である。C5~C10脂環式炭化水素の例としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、及びメチルシクロヘキサンが挙げられる。
【0039】
亜硫酸水素塩及びメタ亜硫酸水素塩は、当該技術分野において周知である。亜硫酸水素塩の例としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、及び亜硫酸水素アンモニウムが挙げられる。メタ亜硫酸水素塩の例としては、メタ亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素カリウム、及びメタ亜硫酸水素アンモニウムが挙げられる。
【0040】
本発明の実施形態は、以下を含む:
実施形態1.式1
【化37】
[式中、R
1はHである]
の化合物の調製方法であって:
(A)式2又は式2a
【化38】
[式中、R
1はHである]
の化合物を、水又は水及びアルコールの混合物からなる溶媒S1の存在下で、2-アミノピリジン(3)
【化39】
及び亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸水素塩、又は亜硫酸水素塩及びメタ亜硫酸水素塩の混合物からなる塩と接触させて、式4
【化40】
[式中、R
1はHであり、Mは、無機又は有機カチオンである]の化合物を形成することと
(B)式4の化合物を、水又は水及びアルコールの混合物からなる溶媒S2の存在下で、
無機又は有機酸と接触させて、式5
【化41】
[式中、R
1は、Hである]の化合物を形成することと
(C)式4又は式5の化合物を、任意選択的な無機又は有機塩基並びにアルコール又は水及びアルコールの混合物からなる溶媒S3の存在下で、水素化ホウ素還元剤と接触させて、式1の化合物を形成することと
を含む方法。
【0041】
実施形態2.工程Aにおける塩が、亜硫酸水素塩である、実施形態1に記載の方法。
【0042】
実施形態2a.工程Aにおける塩が、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、又は亜硫酸水素アンモニウムである、実施形態2に記載の方法。
【0043】
実施形態2b.工程Aにおける塩が、亜硫酸水素ナトリウムである、実施形態2aに記載の方法。
【0044】
実施形態3.工程Aにおける塩が、メタ亜硫酸水素塩である、実施形態1に記載の方法。
【0045】
実施形態3a.工程Aにおける塩が、メタ亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素カリウム、又はメタ亜硫酸水素アンモニウムである、実施形態3に記載の方法。
【0046】
実施形態3b.工程Aにおける塩が、メタ亜硫酸水素ナトリウムである、実施形態3aに記載の方法。
【0047】
実施形態4.工程Aにおける溶媒S1が、水である、実施形態1~3bのいずれか1つに記載の方法。
【0048】
実施形態4a.工程Aにおける溶媒S1が、C1~C4アルコールである、実施形態1~3bのいずれか1つに記載の方法。
【0049】
実施形態4b.工程Aにおける溶媒S1が、水及びC1~C4アルコールの混合物である、実施形態1~3bのいずれか1つに記載の方法。
【0050】
実施形態4c.工程Aにおける溶媒S1が、水及びメタノールの混合物である、実施形態4bに記載の方法。
【0051】
実施形態5.工程Bにおける無機又は有機酸が、無機酸である、実施形態1に記載の方法。
【0052】
実施形態5a.無機酸が、塩酸、硫酸、又はリン酸である、実施形態5に記載の方法。
【0053】
実施形態5b.無機酸が、塩酸である、実施形態5aに記載の方法。
【0054】
実施形態6.工程Aにおける無機又は有機酸が、有機酸である、実施形態1に記載の方法。
【0055】
実施形態6a.有機酸が、ギ酸、酢酸、又はプロピオン酸である、実施形態6に記載の方法。
【0056】
実施形態6b.有機酸が、酢酸である、実施形態6aに記載の方法。
【0057】
実施形態7.工程Cにおける水素化ホウ素還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、又は水素化ホウ素カリウムである、実施形態1に記載の方法。
【0058】
実施形態8.水素化ホウ素還元剤が、工程Aで使用される式2の化合物の量に対して、0.30~0.70モル当量の量の水素化ホウ素還元剤で使用される、実施形態7に記載の方法。
【0059】
いくつかの実施形態では、式2のアルデヒドは、式2aで表されるように、メタノール中のヘミアセタールとして存在し得る。
【0060】
実施形態9.工程Cにおける水素化ホウ素還元剤が、水素化ホウ素ナトリウムである、実施形態8に記載の方法。
【0061】
実施形態10.工程Cにおける無機又は有機塩基が、無機水酸化物ある、実施形態1に記載の方法。
【0062】
実施形態10a.無機水酸化物が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、実施形態10に記載の方法。
【0063】
実施形態11.工程Cにおける無機又は有機塩基が、有機塩基である、実施形態1に記載の方法。
【0064】
実施形態11a.有機塩基が、アルコールのアルカリ金属塩である、実施形態11に記載の方法。
【0065】
実施形態11b.アルコールのアルカリ金属塩が、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソ-プロポキシド、ナトリウムn-プロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム1-プロポキシド、及びカリウム2-プロポキシドである、実施形態11aに記載の方法。
【0066】
実施形態11c.アルコールのアルカリ金属塩が、ナトリウムメトキシドである、実施形態11bに記載の方法。
【0067】
実施形態12.工程Cにおける溶媒S3が、アルコールである、実施形態1に記載の方法。
【0068】
実施形態12a.溶媒S3が、C1~C4アルコールである、実施形態12に記載の方法。
【0069】
実施形態12b.溶媒S3が、メタノールである、実施形態12aに記載の方法。
【0070】
実施形態12c.工程Cにおける溶媒S3が、水である、実施形態1に記載の方法。
【0071】
実施形態12d.工程Cにおける溶媒S3が、水及びC1~C4アルコールの混合物である、実施形態1に記載の方法。
【0072】
実施形態12e.溶媒S3が、水及びメタノールの混合物である、実施形態12dに記載の方法。
【0073】
実施形態13.工程Cの反応時間が、1~6時間の間である、実施形態1に記載の方法。
【0074】
実施形態14.工程Aにおける溶媒S1が、工程Bにおける溶媒S2と同じものである、実施形態1に記載の方法。
【0075】
実施形態15.式7
【化42】
[式中、R
1は、H又はC
1~C
3アルキルである]
の化合物を調製するための方法であって、請求項1に記載の式1の化合物を、化合物(8)
【化43】
と接触させることを含み、ここで式1の化合物は、請求項1に記載の方法によって調製される方法。
【0076】
実施形態16.R1が、Hである、実施形態15に記載の方法。
【0077】
実施形態17.式4
【化44】
[式中、R
1はHであり、Mは、ナトリウム又はカリウム又はリチウムである]の化合物。
【0078】
実施形態18.式5
【化45】
[式中、R
1はHである]の化合物。
【0079】
実施形態19.式1
【化46】
[式中、R
1はHである]
の化合物を調製するための方法であって、
(A1)式2又は式2a
【化47】
[式中、R
1はHである]の化合物を
水又は水及びアルコールの混合物からなる溶媒S1の存在下で、亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸水素塩、又は亜硫酸水素塩及びメタ亜硫酸水素塩の混合物からなる塩と接触させて、式6
【化48】
[式中、R
1はHであり、Mは、無機又は有機カチオンである]の化合物を形成することと
(A2)式6の化合物を、水又は水及びアルコールの混合物からなる溶媒S1の存在下で、2-アミノピリジン(3)
【化49】
と接触させて、式4
【化50】
[式中、R
1はHであり、Mは、無機又は有機カチオンである]の化合物を形成することと
(B)式4の化合物を、水又は水及びアルコールの混合物からなる溶媒S2の存在下で、無機又は有機酸と接触させて、式5
【化51】
[式中、R
1は、Hである]の化合物を形成することと
(C)式4又は式5の化合物を、任意選択的な無機又は有機塩基並びにアルコール又は水及びアルコールの混合物からなる溶媒S3の存在下で、水素化ホウ素還元剤と接触させて、式1の化合物を形成することと
を含む方法。
【0080】
実施形態20.式6
【化52】
[式中、R
1はHであり、Mは、ナトリウム又はカリウム又はリチウムである]の化合物。
【0081】
上記の実施形態1~20並びに本明細書に記載した任意の他の実施形態を含む本発明の実施形態は、任意の方法で組み合わせることができ、実施形態における変量の記述は、式1及び7の化合物を調製するための上記の方法だけではなく、本方法による式1及び7の化合物を調製するために有用な出発化合物及び中間体化合物にもまた関係する。
【0082】
以下のスキームでは、式1、2、4、5、6、及び7の化合物におけるR1の定義は、特に指示がない限り、本明細書の発明の概要及び発明を実施するための形態で定義されている。
【0083】
本発明の方法の工程Aでは、式4の化合物は、式2の化合物を、不活性溶媒S1又は不活性溶媒S1とスキーム1で示されるような溶媒の任意選択的な蒸留物との混合物の存在下で、2-アミノピリジン(3)並びに亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸水素塩、又は亜硫酸水素塩及びメタ亜硫酸水素塩の混合物で処理することによって調製される。
【化53】
【0084】
亜硫酸水素塩の例としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、及び亜硫酸水素アンモニウムが挙げられる。メタ亜硫酸水素塩の例としては、メタ亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素カリウム、及びメタ亜硫酸水素アンモニウムが挙げられる。
【0085】
工程Aでの使用に好適なアルコールの例としては、C1~C4アルコール、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、及び2-メチル-2-プロパノールなどが挙げられる。
【0086】
式4の化合物では、無機又は有機カチオンMは、工程Aで使用される亜硫酸水素塩及び/又はメタ亜硫酸水素塩中に存在するカチオンに対応する。
【0087】
工程Aのプロセスの反応温度、反応圧力、及び反応時間の選択は、反応溶媒に依存する。工程Aのプロセスは、反応溶媒の標準沸点以下、好ましくは、約20℃~約70℃、及びより好ましくは、約30℃~約60℃で好都合に実施される。使用される溶媒に応じて、反応は、大気圧を上回る又は下回る圧力で実施され得る。反応時間は、所望の水準の転嫁率、及び溶媒の選択に依存するであろう。典型的な反応時間は、1~24時間の範囲である。
【0088】
式4の化合物の代替的な合成は、式2の化合物が式6の亜硫酸水素塩付加化合物(工程A1)に変換される2工程の手順を含み、次いで、これを、スキーム1A及び1Bにて示すように、2-アミノピリジン(3)で処理し、式4の化合物(工程A2)を得る。
【化54】
【0089】
本発明の方法の工程A1では、式6の化合物は、式2の化合物を、溶媒S1又は溶媒S1とスキーム1Aで示されるような溶媒の任意選択的な蒸留物との混合物の存在下で、亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸水素塩、又は亜硫酸水素塩及びメタ亜硫酸水素塩の混合物で処理することによって調製される。
【0090】
工程A1のプロセスの反応温度、反応圧力、及び反応時間の選択は、反応溶媒に依存する。工程A1のプロセスは、反応溶媒の標準沸点以下、好ましくは、約20℃~約70℃、及びより好ましくは、約20℃~約50℃で好都合に実施される。使用される溶媒に応じて、反応は、大気圧を上回る又は下回る圧力で実施され得る。反応時間は、所望の水準の転嫁率、及び溶媒の選択に依存するであろう。典型的な反応時間は、1~24時間の範囲である。
【0091】
スキーム1及びスキーム1Aのプロセスでは、亜硫酸水素塩は、亜硫酸水素塩又はメタ亜硫酸水素塩の代わりに塩基及び二酸化硫黄(SO
2)を添加することにより、in situで生成することができることが当業者には理解されるであろう。例えば、式4の化合物は、溶媒S1又は溶媒S1の二酸化硫黄との混合物の存在下で、式2の化合物、2-アミノピリジン(3)、及び塩基の混合物を処理することによって調製され得る。同様に、式6の化合物は、溶媒S1又は溶媒S1の二酸化硫黄との混合物の存在下で、式2の化合物及び塩基の混合物を処理することによって調製され得る。
【化55】
【0092】
本発明の方法の工程A2では、式4の化合物は、式6の化合物を、溶媒S1又は溶媒S1とスキーム1Bで示されるような溶媒の任意選択的な蒸留物との混合物の存在下で、2-アミノピリジン(3)で処理することによって調製される。
【0093】
工程A2のプロセスの反応温度、反応圧力、及び反応時間の選択は、反応溶媒に依存する。工程A2のプロセスは、反応溶媒の標準沸点以下、好ましくは、約20℃~約70℃、及びより好ましくは、約30℃~約60℃で好都合に実施される。使用される溶媒に応じて、反応は、大気圧を上回る又は下回る圧力で実施され得る。反応時間は、所望の水準の転嫁率、及び溶媒の選択に依存するであろう。典型的な反応時間は、1~24時間の範囲である。
【0094】
本発明の方法の工程Bでは、式5の化合物は、式4の化合物を、溶媒S2の存在下で、スキーム2にて示すように、プロトン酸で処理することによって調製される。
【化56】
【0095】
工程(B)での使用に好適な酸の例としては、鉱酸、例えば塩酸及び硫酸など、その他の無機酸、例えばリン酸など、有機酸、例えばギ酸、酢酸、及びプロピオン酸など、並びにスルホン酸、例えばパラ-トルエンスルホン酸、異性体の混合物としてのトルエンスルホン酸、及びメタンスルホン酸などが挙げられる。
【0096】
本発明の方法の工程Cでは、式1の化合物は、式4又は式5の化合物を、不活性溶媒S3の存在下で、及びスキーム3で示されるような塩基の任意選択的な存在下で、水素化ホウ素還元剤で処理することによって調製される。本方法の工程Cで使用され得る水素化ホウ素還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カ
リウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及びトリメトキシ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられるがこれらに限定されない。工程Cの一実施形態では、水素化ホウ素還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムである。
【化57】
【0097】
水素化ホウ素還元剤が、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、又はトリメトキシ水素化ホウ素ナトリウムである場合、工程Aで充填された式2の化合物の量に対して、1.0~1.5モル当量の水素化ホウ素還元剤を使用することが典型的である。水素化ホウ素還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、又は水素化ホウ素カリウムである場合の例では、典型的には、工程Aの式2の化合物の量に対して、0.25~1.0モル当量の水素化ホウ素還元剤が使用され得る。工程Cの一実施形態では、水素化ホウ素還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、又は水素化ホウ素カリウムであり、工程Aの式2の化合物の量に対して、0.30~0.70モル当量の量の水素化ホウ素還元剤の量で使用される。
【0098】
式4の化合物が、スキーム1Bのプロセスにより調製される場合の例では、スキーム1Bの反応は、水素化ホウ素還元剤の存在下で実施され、直接、式1の化合物を生成することができる。
【0099】
工程(C)での使用に好適な塩基の例としては、無機水酸化物、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなど、有機塩基、例えばアルコールのアルカリ金属塩(その例としてはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソ-プロポキシド、ナトリウムn-プロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム1-プロポキシド、及びカリウム2-プロポキシドが挙げられる)、並びにアミン塩基、例えばアンモニア、モノアルキルアミン(例えば、メチルアミン及びエチルアミンなど)、ジアルキルアミン(例えばジメチルアミンなど及びトリエチルアミンなど)、トリアルキルアミン(例えばトリメチルアミン及びトリエチルアミンなど)、並びに芳香族アミン(例えばピリジンなど)が挙げられる。
【0100】
溶媒S3は、アルコール、好ましくは、脂肪族アルコール、及びより好ましくは、C1~C4アルコール、又は水である。任意の割合のアルコール水混合物もまた、溶媒として使用してもよい。アルコール、水、又はアルコール及び水の混合溶媒は、(a)C7~C10芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン(純粋なオルト、メタ、パラ異性体として、これらの混合物として、又はエチルベンゼンとの混合物として)、エチルベンゼン、及びクメン(イソ-プロピルベンゼン))、(b)ハロゲン化ベンゼン(例えば、クロロベンゼン及び1,2-ジクロロベンゼン)、(c)ハロアルカン(例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、及び1-クロロブタン)、及び(d)エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、tert-ブチルメチルエーテ
ル、及びジオキサン)を含むその他の溶媒との混合物として使用してもよい。
【0101】
本方法の工程Cにおける反応温度は、典型的には、-10~50℃の範囲である。工程Cの一実施形態では、反応温度は、0~30℃の範囲である。工程Cの別の実施形態では、反応温度は、5~15℃の範囲である。本方法の工程Cにおける反応時間は、典型的には、1時間~24時間超の範囲である。工程Cの一実施形態では、反応時間は、1~6時間である。
【0102】
本発明の一実施形態では、工程Aで単独又は水と組み合わせて使用されるアルコール溶媒は、後続の工程で使用されるのと同じアルコール溶媒であり、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、及び2-メチル-2-プロパノールから選択される。本発明の一実施形態では、アルコール溶媒S1、S2、及びS3は、メタノール単独又はメタノールと水との組み合わせである。本発明の更なる実施形態では、溶媒S1はメタノール水であり、溶媒S2はメタノール水であり、溶媒S3はメタノールである。
【0103】
式1の化合物は、還元反応からの生成物の単離のための当該技術分野において既知の標準的な技術によって工程Cの反応混合物から単離することができる。水素化ホウ素還元剤を使用する場合、典型的には、水を反応混合物に添加するか、又は反応混合物を水に添加して、ホウ素錯体び/又は任意の残存する水素化ホウ素試薬を、溶解及び/又は消化する。水相のpHは、任意選択的に、塩基の添加により上昇させるか、又は酸の添加により低下させて、任意の残存する水素化ホウ素試薬及び中間体ホウ素錯体の消化を促進することができる。好適な塩基としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、及び重炭酸塩が挙げられる。好適な酸としては、鉱酸、例えば塩酸、硫酸、及びリン酸など、並びに有機酸、例えば酢酸などが挙げられる。
【0104】
ホウ素錯体及び/又は任意の残存する水素化ホウ素試薬が消化されると、式1の化合物は、水不混和性有機溶媒S4を使用してこの水相から抽出することができる。使用される水及びアルコール溶媒の量に応じて、抽出前に、蒸留により過剰のアルコール溶媒を除去することが有利な場合がある。
【0105】
場合によっては、粗生成物は、低pHでの初期抽出によって分離され得る抽出可能な非塩基性不純物を含む場合がある。このような場合、水相のpHをpH5以下に調整すると、pH5以下で式1の化合物が水層に分配されるため、式1の生成物の有機相への損失が最小限に抑えられる。非塩基性不純物が抽出されると、式1の化合物は、pHを5以上に調整した後、水相から水不混和性有機溶媒に抽出することにより単離することができる。水相からの式1の化合物の抽出のしやすさは、水相のpH、式1の化合物の量と相対的に帯電した水の量、及び抽出用に選択した溶媒などの要因に依存するであろう。より塩基性のプロセス不純物の抽出を抑制しながら、式1の化合物の抽出を容易にするために、抽出中に水相のpHを約5~7に維持することがこの時点で有利であることが多い。したがって、水相のpHは、水性塩基でpH5以上に調節し、式1の化合物は、有機溶媒S4に抽出する。典型的な有機溶媒S4としては、C7~C10芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベンゼン、C5~C10脂肪族炭化水素、及びC5~C10脂環式炭化水素が挙げられる。一実施形態では、有機溶媒S4は、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、又は1-クロロブタンである。
【0106】
本方法の一実施形態では、工程(C)は、(i)反応混合物を水と接触させて、反応混合物のpHを5未満のpHまで酸で調節することと、(ii)蒸留によりアルコール溶媒を除去することと、(iii)非塩基性不純物を抽出することと、(iv)水相のpHを水性塩基でpH5以上に調節することと、(v)水相から式1の化合物を有機溶媒S4に
抽出することと、を更に含む。更なる実施形態では、上記(iv)の水相のpHを、水性塩基でpH5~7に調節する。更なる実施形態では、上記(iv)の水相のpHを、水性塩基でpH5~6に調節する。
【0107】
式1の化合物が、周囲温度で固体である場合、式1の化合物は、好適な結晶化溶媒に溶媒交換することにより、有機層及び有機抽出物から単離することができる。結晶化溶媒のその後の冷却、濾過による固体生成物の単離、及び適切な有機溶媒による生成物の任意選択的な洗浄により、精製された式1の化合物を得る。
【0108】
式1の化合物は、スキーム4にて示すように、化合物(8)とカップリングして、式7の化合物を生成することができる;このようなカップリング法は、PCT特許出願国際公開2013/090547号パンフレットに記載されている。式7におけるR1がHである場合、得られた化合物は、殺虫剤である、トリフルメゾピリム(2,4-ジオキソ-1-(5-ピリミジニルメチル)-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジニウム分子内塩、CAS登録番号1263133-33-0)である。トリフルメゾピリムは、PCT特許出願国際公開第2011/017351号パンフレット及び同第2012/092115号パンフレットに記載されている。
【0109】
したがって、式1の化合物を調製する本方法は、式7の殺虫活性化合物の調製に使用することができる。
【化58】
【実施例】
【0110】
次の実施例では、プロトンNMR分析を、Bruker Avance III HD
400MHz機器又はBruker Avance III 500MHz機器で実施した。1H NMRスペクトルは、テトラメチルシランから低磁場へppm単位で報告し
;「s」はシングレットを意味し、「d」はダブレットを意味し、「b」は幅広いを意味し、「br d」は幅広いダブレットを意味し、「dd」はダブレットのダブレットを意味し、「br t」は、幅広いトリプレットを意味し、「dt」はトリプレットのダブレットを意味し、「m」はマルチプレットを意味する。
【0111】
高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を、ダイオードアレイUV検出器(215nmでモニタリングされる)を装着し、Zorbax Eclipse XDB C18(150mm×4.6mm×5μm)カラムを取り付けたHewlett Packard Series 1290 Infinity II機器を使用して実施した。カラムは25℃で維持し、流速は1分当たり1mLであった。移動相は、水中の10mM重炭酸アンモニウム(A)及びアセトニトリル(B)で構成された。移動相プログラムは、85%A:15%Bを12分間、変更して40%A:60%Bを4分間にわたって、次いで変更して20%A:80%Bを4分間にわたって行った。
【0112】
調製実施例1
N-[(5-ピリミジニル)メチル]-2-ピリジンアミンの合成
工程A:(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸ナトリウムの調製
2Lの丸底フラスコに、2.52wt%の5-ピリミジンカルボキシアルデヒドのメタノール中溶液(17.3g、0.16モルには、5-ピリミジン-カルボキシアルデヒドが含有されていた)687.7g、17wt%の亜硫酸水素ナトリウムの水中溶液(18.4g、0.176molには、亜硫酸水素ナトリウムが含有されていた)108.4g、及び99wt%の2-アミノピリジン(0.192モル)18.1gを添加した。次いで、反応混合物を、メタノールのほとんどが、留去するまで、減圧(110~200mmHg)下で、ロータリーエバポレーターを介して50℃の浴槽温度で濃縮した。得られた懸濁液を、オーバーヘッド撹拌機、熱電対、及び再循環加熱を装着した200mLのジャケット付き樹脂ケトルに移した。フラスコを、30mLの水ですすぎ、次いで、これを反応混合物と合わせた。得られた懸濁液を、60℃まで2時間加熱した。反応混合物のHPLC分析は、70~75領域%のナトリウム(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホネートを示した。生成物をガム状物質として分離した。この少量の試料を取り出し、NMRで分析した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.02(s,1H),8.87(s,2H),7.92(m,1H),7.52(b,1H),7.44(m,1H),6.87(d,J=8.5Hz,1H),6.54(m,1H),5.92(d,J=9.2Hz,1H).
【0113】
工程B:(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸の調製
工程Aからの反応混合物を、15℃まで冷却し、濃HCl(35%、約16mL)でpH4まで酸性化した。得られたスラリーを10℃で1時間撹拌した。次いで、固体を濾過により収集し100mLの冷水で洗浄し、室温で乾燥させて、36gの生成物を得た。内部標準を用いたNMRによる生成物の分析は、93.8wt%(HPLC99.5領域%)(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸(ピリミジン-5-カルボキシアルデヒドから79%収率)を示した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.50(b,1H),9.15(s,1H),8.95(s,2H),8.05(dd,J=1.0,6.3Hz,1H),7.98(m,1H),7.34(d,J=9.0Hz,1H),6.98(m,1H),5.91(d,J=9.5Hz,1H).M.P.182℃.
【0114】
工程C:N-[(5-ピリミジニル)メチル]-2-ピリジンアミンの調製
オーバーヘッド撹拌機、熱電対、再循環加熱及び冷却浴、並びに窒素導入口を装着した200mLのジャケット付き樹脂ケトルに、94.1wt%の(2-ピリジルアミノ)-
ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸(0.106mol)30.0g、続いて120mLのメタノールを添加した。次いで、得られたスラリーを15℃まで冷却し、25wt%のナトリウムメトキシドのメタノール中溶液(0.106mol)22.9gをゆっくりと添加し、黄みがかったオレンジ色の懸濁液を得た。100mLの三角フラスコで、98%水素化ホウ素ナトリウム粉末(0.053mol)2.01gを、メタノール中25wt%のナトリウムメトキシド(0.106mol)22.9g、及び30mLのメタノール中に溶解させた。得られた水素化ホウ素溶液を、反応混合物の温度を10~15℃に維持しながら、200mLのジャケット付き反応器に10分にわたって添加した。反応混合物を15℃で約3時間撹拌し、その後、反応混合物のHPLC分析は、94.2領域%のN-[(5-ピリミジニル)メチル]-2-ピリジンアミンを示した。次いで反応を65mLの6N HCl溶液でクエンチし、pH約3を達成して、得られた混合物を、室温で一晩撹拌した。減圧下、50℃でメタノールのほとんどを留去し、残存する水層のpHを、5.8mLの50%NaOH溶液を添加することにより6まで調節した。次いで、水層をジクロロメタン(5×50mL)で抽出し、50%のNaOHを定期的に添加して、水層のpHを約5.8~6.0の間に維持した。合わせたジクロロメタン抽出物を、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮乾固し、18.05gの淡黄色固体を得た。固体を、オーバーヘッド撹拌機、熱電対、再循環加熱及び冷却浴、並びに窒素導入口を装着した200mLのジャケット付き樹脂ケトルに移し、30mLのジクロロメタンを添加した。得られたライトスラリーを35℃まで加熱し、均一溶液を得て、次いで、これを12℃まで冷却して、シーディングで結晶化を誘発した。結晶化が開始すると、90mLのヘプタンを60分にわたって添加した。次いで、混合物を、40分にわたって5℃まで更に冷却し、1時間保持し、その後、生成物を濾過により収集し、30mLの冷ヘプタンで洗浄し、約40℃の真空オーブンで窒素を流しながら乾燥させ、16.8gの生成物を得た。HPLCによる生成物の分析は、は、97.5wt%(98.9領域%)N-[(5-ピリミジニル)メチル]-2-ピリジンアミン(83%収率)を示した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.06(s,1H),8.77(s,2H),7.98(m,1H),7.42(m,1H),7.2(brt,1H),6.58(dt,J=0.9,8.5Hz,1H),6.54(m,1H),4.52(d,J=5.3Hz,2H).
【0115】
調製実施例2
(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸の第2の合成
工程A:5-ピリミジンカルボキシアルデヒド-亜硫酸水素ナトリウム付加化合物の調製
500mLの丸底フラスコに、3.4wt%の5-ピリミジンカルボキシアルデヒドのメタノール中溶液(5.1g、0.047モルには、5-ピリミジン-カルボキシアルデヒドが含有されていた)150g、及び28.2wt%の亜硫酸水素ナトリウムの水中溶液(5.9g、0.057molには、亜硫酸水素ナトリウムが含有されていた)20.9gを添加した。次いで、得られた溶液を、周囲温度で30分間撹拌した。50℃でロータリーエバポレーターを使用して、メタノールのほとんどを留去し、ライトスラリーを得て、これに40mLのイソプロピルアルコールを添加した。得られたスラリーを、周囲温度まで冷却して一晩攪拌し、その後、生成物を濾過により収集し、15mLの水とイソプロピルアルコールとの混合物(5及び10mL)で洗浄し、周囲温度で4時間吸引乾燥させて、16.6gの白色固体を得た。NMRによる生成物の分析は、61wt%の5-ピリミジンカルボキシアルデヒド-亜硫酸水素ナトリウム付加化合物(5-ピリミジンカルボキシアルデヒドからの定量的収率)を示した。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ9.04(s,1H),8.78(s,2H),6.48(b,1H),5.09(d,J=5.6Hz,1H).
【0116】
工程B:(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸ナトリウムの調製
50mLの丸底フラスコに、73wt%の5-ピリミジンカルボキシアルデヒド-亜硫酸水素ナトリウム付加化合物(6.9mmole)2.0g、99wt%の2-アミノピリジン(8.3mmole)0.78g、及び8mLの水を添加した。得られた混合物を60℃まで5時間加熱した。反応混合物のHPLC分析は、40~45領域%のナトリウム(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホネートを示した。
【0117】
工程C:(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸の調製
工程Bからの反応混合物を、20℃まで放冷し、濃HCl(35%)でpH3まで酸性化した。得られたスラリーを20℃で2時間撹拌した。次いで、固体を濾過により収集し10mLの冷水で洗浄し、室温で乾燥させて、0.98gの生成物を得た。内部標準を用いたNMRによる生成物の分析は、95wt%(HPLC>99領域%)の表題化合物(5-ピリミジンカルボキシアルデヒド-亜硫酸水素ナトリウム付加化合物からの51%収率)を示した。
【0118】
調製実施例3
(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸の第3の合成
工程A:(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸ナトリウムの調製
1Lの丸底フラスコに、3.2wt%の5-ピリミジンカルボキシアルデヒドのメタノール中溶液(18.3g、0.169モルには、5-ピリミジン-カルボキシアルデヒドが含有されていた)560.5gを添加した。20℃の浴槽温度及び50~55mmHgの圧力で、ロータリーエバポレーターを使用して、溶液を濃縮した。80%超のメタノールを除去した後、圧力を25~30mmHgに調節し、更なる溶媒を除去し、94.3gの残留物を残した。次いで、残留物を500mL4口ジャケット付き樹脂ケトル(オーバーヘッド撹拌機、熱電対、再循環加熱浴、及び可変型蒸留ヘッドを装着した)に移し、5mLずつのメタノール留出液で3回すすいだ。反応器を窒素でパージし、週末に窒素下で放置した。反応器ジャケットへの再循環浴は20℃に設定し、次いで、水97g中19.4g(0.186モル)の亜硫酸水素ナトリウム溶液を、撹拌しながら30分にわたって滴加した。反応温度を、添加の最初の15分間に、20.6℃から25.0℃まで上昇させ、添加の終わりまでに23.8℃まで低下させた。
【0119】
得られた薄黄色のスラリーを、5分間撹拌し、(0.203モル)の>99%2-アミノピリジン19.3gを、一度に添加した。2-アミノピリジンを素早く溶解させ、温度を、1分で22.9℃から20.2℃まで低下させた。反応混合物を、20℃のジャケット温度で約2時間撹拌し、次いで49~51℃で2時間50分間加熱した。次いで、系の圧力を注意深く150mmHgまで低下させて、溶媒の蒸留を開始させた。約25mLの留出物を、25分にわたって収集した。圧力を110mmHgまで下げて、更に1時間50分間蒸留を続けた。この時点までに収集された留出物の総量は約70mLであった。真空を窒素で破り、混合物を、窒素下で、室温にて一晩放置した。翌日、ジャケット温度55℃及び圧力110mmHgで真空蒸留を再開した。圧力を100mmHgまで下げて、次いで90mmHgまで下げた。蒸留はゆっくりであった。90mmHgで1時間後、合計約80mLの留出物を、2日間にわたって収集した。真空を窒素で破った。
【0120】
工程B:(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸の調製
工程Aからの反応混合物を13℃まで冷却し、濃HCl(38%、約20g)を約1.6時間にわたって滴下して加えることによりpHを約4に調節した。反応混合物を10℃で1時間撹拌し、濾過によって生成物を収集し、置換は水で3回洗浄(40mL、40mL、及び20mL)し、窒素パージ下、50℃で一晩、真空オーブンで乾燥させ、35.0gの生成物を得た。内部標準を用いたNMRによる生成物の分析は、92wt%(2-ピリジルアミノ)-ピリミジン-5-イル-メタンスルホン酸(5-ピリミジンカルボキ
シアルデヒドからの71%収率)を示した。