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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】防振床構造
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/34 20060101AFI20240918BHJP
   E02D 27/01 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
E02D27/34 A
E02D27/01 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021034298
(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公開番号】P2022134848
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(73)【特許権者】
【識別番号】596006536
【氏名又は名称】カネカフォームプラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】飯野 夏輝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 庸介
(72)【発明者】
【氏名】井上 竜太
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆之
(72)【発明者】
【氏名】小柳 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】村山 広樹
(72)【発明者】
【氏名】小村 倫生
(72)【発明者】
【氏名】松吉 弘喜
(72)【発明者】
【氏名】田中 信広
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-117089(JP,A)
【文献】特開2013-092166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/00-27/52
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基礎構造体に亘る土間スラブと、前記土間スラブと地盤部分とを縁切りする状態で前記土間スラブと前記地盤部分との間に介在された地盤側防振材とを備えている防振床構造であって、
前記土間スラブと前記基礎構造体とを縁切りする状態で前記土間スラブと前記基礎構造体との間に介在された基礎側防振材を備え
前記土間スラブが、複数スパンに亘って連続して延在する状態で設けられ、
前記土間スラブが延在する方向を延在方向として、
前記基礎構造体は、前記土間スラブにおける前記延在方向の中間部位を下方から支持する中間基礎部を備え、
前記基礎側防振材は、前記土間スラブと前記中間基礎部とを縁切りする状態で前記土間スラブと前記中間基礎部との間に介在し、
前記地盤側防振材及び前記基礎側防振材は、発泡樹脂材又は防振ゴムで構成されている、或いは、発泡樹脂材と防振ゴムとを併用して構成されている防振床構造。
【請求項2】
前記基礎構造体は、前記土間スラブの外周縁部を下方から支持する外周基礎部を備え、
前記基礎側防振材は、前記外周縁部と前記外周基礎部とを縁切りする状態で前記外周縁部と前記外周基礎部との間に介在している請求項1に記載の防振床構造。
【請求項3】
前記土間スラブは、前記外周縁部の上面が前記中間部位の上面と面一となる状態で、前記外周縁部の厚みが前記中間部位の厚みより薄く構成され、
前記土間スラブの前記中間部位を下方から支持する前記中間基礎部の上面が、前記土間スラブの前記外周縁部を支持する前記外周基礎部の上面よりも低い位置とされている請求項2記載の防振床構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土間スラブを備えた防振床構造で、特に、複数の基礎構造体に亘る土間スラブと、前記土間スラブと地盤部分とを縁切りする状態で前記土間スラブと前記地盤部分との間に介在された地盤側防振材とを備えている防振床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の基礎構造体に亘る土間スラブ(スラブコンクリート21)と、土間スラブと地盤部分とを縁切りする状態で土間スラブと地盤部分との間に介在された防振材(発泡樹脂材からなる床下型枠3)とを備えている防振床構造が示されている。
【0003】
そして、特許文献1では、土間スラブと基礎構造体(基礎コンクリート19及び布基礎コンクリート20)とが一体形成されており、基礎構造体と地盤部分とを縁切りする状態で基礎構造体と地盤部分との間に介在された防振材(発泡樹脂材からなる基礎型枠2)が備えられている。
【0004】
このように、土間スラブと地盤部分との間に加えて基礎構造体と地盤部分との間に防振材を備えることで、地盤部分から基礎構造体を介さずに土間スラブに伝わる振動に加えて、地盤部分から基礎構造体を介して土間スラブに伝わる振動を抑えることができ、土間スラブ上の防振効果が高められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-262854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような防振床構造では、防振材の使用量が多くなりコストが高くなるため、防振材の使用量を抑えることが望まれている。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、基礎構造体に用いる防振材の使用量を抑えて、土間スラブ上の防振効果を効率的に得ることが可能な防振床構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1特徴構成は、複数の基礎構造体に亘る土間スラブと、前記土間スラブと地盤部分とを縁切りする状態で前記土間スラブと前記地盤部分との間に介在された地盤側防振材とを備えている防振床構造であって、
前記土間スラブと前記基礎構造体とを縁切りする状態で前記土間スラブと前記基礎構造体との間に介在された基礎側防振材を備え
前記土間スラブが、複数スパンに亘って連続して延在する状態で設けられ、
前記土間スラブが延在する方向を延在方向として、
前記基礎構造体は、前記土間スラブにおける前記延在方向の中間部位を下方から支持する中間基礎部を備え、
前記基礎側防振材は、前記土間スラブと前記中間基礎部とを縁切りする状態で前記土間スラブと前記中間基礎部との間に介在し、
前記地盤側防振材及び前記基礎側防振材は、発泡樹脂材又は防振ゴムで構成されている、或いは、発泡樹脂材と防振ゴムとを併用して構成されている点にある。
【0009】
本構成によれば、地盤側防振材と基礎側防振材とが備えられているため、地盤部分から基礎構造体を介さずに土間スラブに伝わる振動に加えて、地盤部分から基礎構造体を介して土間スラブに伝わる振動を抑えることができ、土間スラブ上を防振することができる。また、基礎構造体と地盤部分との間ではなく、土間スラブと基礎構造体との間に基礎側防振材を備えることで、防振材の使用量を抑えることができる。従って、防振材の使用量を抑えることができて、土間スラブ上の防振効果を効率的に得ることが可能となる。
また、本構成によれば、基礎構造体と縁切りした土間スラブを複数スパンに亘って連続して延在する状態で設けているので、土間スラブの全体重量や設置面積を増加させて地盤側防振材の減衰を多く稼ぐことができる。また、土間スラブの設置面積が増加することで共振振動数のピークも低減させることができ、防振効果を更に高めることができる。また、土間スラブの振動モードが多く、かつ複雑となり、共振振動数のピークを低減させて防振効果を一層高めることができる。
【0010】
本発明の構成は、前記土間スラブが、前記基礎構造体の真上に位置する基礎上部分を備え、
前記基礎側防振材は、前記基礎上部分と前記基礎構造体とを縁切りする状態で前記基礎上部分と前記基礎構造体との間に介在している点にある。
【0011】
本構成によれば、土間スラブの基礎上部分は、基礎構造体の上面に基礎側防振材を介して乗る状態となっており、基礎構造体と縁切りされているため、基礎上部分を含む土間スラブの広い範囲に亘って防振することができる。
【0014】
本発明の第特徴構成は、前記基礎構造体は、前記土間スラブの外周縁部を下方から支持する外周基礎部を備え、
前記基礎側防振材は、前記外周縁部と前記外周基礎部とを縁切りする状態で前記外周縁部と前記外周基礎部との間に介在している点にある。
【0015】
本構成によれば、土間スラブの外周縁部は、基礎構造体の外周基礎部の上面に基礎側防振材を介して乗せ掛けられているため、土間スラブの外周部を広げることができると共に土間スラブ上において防振される範囲を広げることができる。
本発明の第3特徴構成は、前記土間スラブは、前記外周縁部の上面が前記中間部位の上面と面一となる状態で、前記外周縁部の厚みが前記中間部位の厚みより薄く構成され、
前記土間スラブの前記中間部位を下方から支持する前記中間基礎部の上面が、前記土間スラブの前記外周縁部を支持する前記外周基礎部の上面よりも低い位置とされている点にある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】防振床構造の平面図
図2図1のI-I断面図
図3】別実施形態(1)における防振床構造の一部を拡大した縦断正面図
図4】別実施形態(2)における防振床構造の縦断正面図
図5】別実施形態(3)における防振床構造の平面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、防振床構造1は、複数の基礎構造体2と、複数の基礎構造体2に亘る土間スラブ3と、地盤側防振材5と、基礎側防振材6とを備えている。地盤側防振材5は、土間スラブ3と地盤部分4とを縁切りする状態で土間スラブ3と地盤部分4との間に介在されている。基礎側防振材6は、土間スラブ3と基礎構造体2とを縁切りする状態で土間スラブ3と基礎構造体2との間に介在されている。そして、複数の基礎構造体2と地盤部分4との間には、地盤側防振材5や基礎側防振材6等の防振材は備えられておらず、複数の基礎構造体2と地盤部分4とは縁切りされていない。地盤側防振材5や基礎側防振材6は、振動を減衰させることが可能な材料によって構成されており、例えば、発泡ポリエチレンや発泡ポリプロピレン等の発泡樹脂材によって構成されている。
【0018】
図2に示すように、地盤部分4には、捨てコンクリート8が構築されており、複数の基礎構造体2や土間スラブ3は捨てコンクリート8上に構築されている。そして、土間スラブ3と捨てコンクリート8との間に地盤側防振材5が介在されており、土間スラブ3と捨てコンクリート8とが地盤側防振材5によって縁切りされている。そのため、土間スラブ3と捨てコンクリート8とは接触していない。また、複数の基礎構造体2と捨てコンクリート8との間には防振材は介在しておらず、複数の基礎構造体2と捨てコンクリート8とは縁切りされていない。そのため、複数の基礎構造体2と捨てコンクリート8とは接触している。
【0019】
図1に示すように、複数の基礎構造体2には、柱の柱脚部9を支持する複数のフーチング10や、隣接するフーチング10に亘る複数の基礎梁11が含まれている。図1に示す例では、平面視で横方向X及び縦方向Yの夫々3つのフーチング10が並んでおり、横方向Xに隣接するフーチング10に亘る状態や縦方向Yに隣接するフーチング10に亘る状態で基礎梁11が構築されている。これらのフーチング10や基礎梁11の夫々は、鉄筋コンクリート造とされている。また、フーチング10は、平面視で矩形状に形成されている。尚、基礎梁11は、建築物の基礎梁11とする他、高架橋等の基礎梁11としてもよい。
【0020】
図1及び図2に示すように、基礎梁11には、防振床構造1の外側Aの端部に構築されている外側基礎梁11Aと、外側基礎梁11Aより内側Bに構築されている内側基礎梁11Bとがある。そして、外側基礎梁11Aは、断面形状が矩形状に形成されており、外側基礎梁11Aの上面における外側Aの端部に立ち上がり部13が立設されている。外側基礎梁11Aは、地盤部分4の表面Fより下方側に位置しており、地盤部分4に埋設されている。立ち上がり部13は、地盤部分4の表面Fから上方側に向けて突出している。内側基礎梁11Bは、断面形状が矩形状に形成されている。尚、平面視で防振床構造1の中央に向かう側を内側B、その反対側を外側Aとしている。
【0021】
土間スラブ3は、複数スパンに亘って連続して延在する状態で設けられている。本実施形態では、土間スラブ3は、横方向Xに並ぶ3本の基礎梁11に亘って連続して延在しており、横方向Xにおいては2スパンに亘って連続して延在する状態で設けられている。また、土間スラブ3は、縦方向Yに並ぶ3本の基礎梁11に亘って連続して延在しており、縦方向Yにおいても2スパンに亘って連続して延在する状態で設けられている。
【0022】
図2に示すように、土間スラブ3は、基礎構造体2の真上に位置する基礎上部分15と、基礎構造体2の真上に位置しない地盤上部分16とを備えている。基礎上部分15には、外側基礎梁11Aの真上に位置する外側梁上部分15Aと、内側基礎梁11Bの真上に位置する内側梁上部分15Bとがある。
【0023】
外側梁上部分15Aは、土間スラブ3の外周縁部にあり、外側基礎梁11Aやフーチング10によって下方から支持されている。また、内側梁上部分15Bは、土間スラブ3における延在方向Eの中間部位にあり、内側基礎梁11Bによって下方から支持されている。地盤上部分16は、外側梁上部分15Aや内側梁上部分15Bに囲まれた部位にあり、地盤部分4によって下方から支持されている。
尚、土間スラブ3が延在する方向を延在方向Eとしており、横方向Xや縦方向Yが延在方向Eに相当する。また、外側基礎梁11Aやフーチング10が、土間スラブ3の外周縁部を下方から支持する外周基礎部に相当し、内側基礎梁11Bが、土間スラブ3における延在方向Eの中間部位を下方から支持する中間基礎部に相当する。
【0024】
土間スラブ3における外側梁上部分15Aの上面と内側梁上部分15Bの上面と地盤上部分16の上面とが面一となっている。これに対して、土間スラブ3における内側梁上部分15Bの下面と地盤上部分16の下面とは、外側梁上部分15Aより下方側に位置している。つまり、内側梁上部分15Bは、地盤上部分16と上下方向の厚みが同じとなっており、外側梁上部分15Aは、内側梁上部分15Bや地盤上部分16に比べて上下方向に薄く形成されている。
【0025】
地盤側防振材5は、土間スラブ3の地盤上部分16と地盤部分4とを縁切りする状態で地盤上部分16と地盤部分4の地盤部分4との間に介在している。
基礎側防振材6は、土間スラブ3と外側基礎梁11Aとを縁切りする状態で土間スラブ3と外側基礎梁11Aとの間に介在している。また、基礎側防振材6は、土間スラブ3と内側基礎梁11Bとを縁切りする状態で土間スラブ3と内側基礎梁11Bとの間に介在している。
【0026】
このように、地盤側防振材5に加えて基礎側防振材6を備えることで、地盤部分4から基礎構造体2(外側基礎梁11Aや内側基礎梁11B)を介さずに土間スラブ3に伝わる振動に加えて、地盤部分4から基礎構造体2を介して土間スラブ3に伝わる振動を抑えることができ、土間スラブ3上の防振効果が高められている。また、基礎側防振材6を、基礎構造体2と地盤部分4との間ではなく、土間スラブ3と基礎構造体2(外側基礎梁11Aや内側基礎梁11B)との間に備えることで、防振材の使用量が抑えられている。
【0027】
そして、基礎側防振材6は、土間スラブ3の外側梁上部分15A(外周縁部)と外側基礎梁11Aとを縁切りする状態で、外側梁上部分15Aと外側基礎梁11Aとの間に介在している外側防振部分6Aを備えている。
外側防振部分6Aは、上下方向に並ぶ外側梁上部分15Aと基礎本体部12との間に延在方向Eに沿う姿勢で介在する部分と、延在方向Eに並ぶ外側梁上部分15Aと立ち上がり部13との間に上下方向に沿う姿勢で介在する部分とを備えている。そのため、土間スラブ3の基礎上部分15は、基礎構造体2の上面に基礎側防振材6を介して乗る状態となっており、基礎構造体2と縁切りされているため、基礎上部分15を含む土間スラブ3の広い範囲に亘って防振することができるようになっている。
【0028】
また、基礎側防振材6は、土間スラブ3の内側梁上部分15B(中間部位)と内側基礎梁11Bとを縁切りする状態で土間スラブ3と内側基礎梁11Bとの間に介在している内側防振部分6Bを備えている。
内側防振部分6Bは、上下方向に並ぶ外側梁上部分15Aと外側基礎梁11Aとの間に延在方向Eに沿う姿勢で介在している。
このように、基礎側防振材6は、外側防振部分6Aと内側防振部分6Bとを備え、基礎上部分15(外側梁上部分15Aや内側梁上部分15B)と基礎構造体2(外側基礎梁11Aや内側基礎梁11B等)とを縁切りする状態で、基礎上部分15と基礎構造体2との間に介在している。
【0029】
また、基礎側防振材6は、外側基礎梁11Aの真上に位置する外側防振部分6Aや内側基礎梁11Bの真上に位置する内側防振部分6Bに加えて、延在方向Eに並ぶ土間スラブ3の地盤上部分16と外側基礎梁11Aの基礎本体部12との間に上下方向に沿う姿勢で介在する介在部分6Cを備えている。
【0030】
そして、図示は省略するが、基礎側防振材6は、土間スラブ3とフーチング10とを縁切りする状態で、土間スラブ3とフーチング10との間に介在しているフーチング防振部分を備えている。このフーチング防振部分は、基礎上部分15の外周縁部とフーチング10との間に介在する部分や、基礎上部分15の外周縁部と柱脚部9との間に介在する部分や、地盤上部分16とフーチング10との間に介在する部分を備えている。
【0031】
土間スラブ3は、基礎構造体2と縁切りした状態で、且つ、複数スパンに亘って連続して延在する状態で設けられている。そのため、土間スラブ3の全体重量や設置面積が増加されており、地盤側防振材5の減衰を多く稼ぐことができるようになっている。また、土間スラブ3の設置面積が増加することで共振振動数のピークも低減させることができ、防振効果を更に高めることができるようになっている。
更に、土間スラブ3の外側梁上部分15A(外周縁部)は、基礎構造体2の外側基礎梁11A(外周基礎部)の上面に基礎側防振材6を介して乗せ掛けられているため、土間スラブ3の外周部を広げることができると共に土間スラブ3上において防振される範囲を広げることができるようになっている。また、土間スラブ3の振動モードが多く、かつ複雑となり、共振振動数のピークを低減させて防振効果を一層高めることができるようになっている。
【0032】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0033】
(1)上記した実施形態では、外側梁上部分15Aを、地盤上部分16や内側梁上部分15Bに比べて上下方向の厚みが薄く形成する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。外側梁上部分15Aと内側梁上部分15Bと地盤上部分16との厚みの関係は適宜変更してもよく、例えば、図3に示すように、外側梁上部分15Aと内側梁上部分15Bと地盤上部分16との上下方向の厚みを同じとしてもよい。
【0034】
(2)上記した実施形態では、土間スラブ3に基礎上部分15として外側梁上部分15Aと内側梁上部分15Bとを備える構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されず、土間スラブ3に基礎上部分15として外側梁上部分15Aと内側梁上部分15Bとの何れか一方を備えない構成としてもよく、土間スラブ3に基礎上部分15(外側梁上部分15Aと内側梁上部分15Bとの双方)を備えない構成としてもよい。
【0035】
具体的には、図5に示すように、複数の基礎構造体2に内側基礎梁11Bが含まれない構成としてもよく、このように複数の基礎構造体2に内側基礎梁11Bが含まれない場合に、土間スラブ3に内側梁上部分15Bを備えない構成としてもよい。
【0036】
また、土間スラブ3を1つのスパンに亘って延在する状態で設けてもよく、このように土間スラブ3を1つのスパンに亘って延在する状態で設けた場合に、土間スラブ3に内側梁上部分15Bを備えない構成としてもよい。
【0037】
また、図4に示すように、基礎梁11を、その上面と土間スラブ3の上面とが面一になる状態に構築してもよく、このような場合に、土間スラブ3に外側梁上部分15Aを備えない構成としてもよい。
【0038】
(3)上記した実施形態では、地盤側防振材5や基礎側防振材6等の防振材を発泡樹脂材によって構成する例を説明した。しかし、このような構成に限定されない。防振材は、振動を減衰させることが可能な材料によって構成されていればよく、例えば、防振材を、防振ゴムによって構成してもよいし、発泡樹脂材と防振ゴムとを併用して構成してもよい。
【0039】
(4)上記した実施形態では、地盤部分4に捨てコンクリート8を構築し、複数の基礎構造体2や土間スラブ3を捨てコンクリート8上に構築する構成を例として説明した。しかし、複数の基礎構造体2や土間スラブ3を地盤部分4の土壌上に構築する等、地盤部分4に捨てコンクリート8を構築しなくてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 防振床構造
2 基礎構造体
3 土間スラブ
4 地盤部分
5 地盤側防振材
6 基礎側防振材
10 フーチング(外周基礎部)
11A 外側基礎梁(外周基礎部)
11B 内側基礎梁(中間基礎部)
15 基礎上部分
15A 外側梁上部分(外周縁部)
15B 内側梁上部分(中間部位)
X 横方向(延在方向)
Y 縦方向(延在方向)
図1
図2
図3
図4
図5