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特許7556821オイルポンプ用筐体カバー、及び、オイルポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】オイルポンプ用筐体カバー、及び、オイルポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/16 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
F04B53/16 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021071968
(22)【出願日】2021-04-21
(65)【公開番号】P2022166630
(43)【公開日】2022-11-02
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 啓樹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 匡将
(72)【発明者】
【氏名】林 裕介
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/198514(WO,A1)
【文献】特開2020-056335(JP,A)
【文献】特開2021-057996(JP,A)
【文献】国際公開第2020/230749(WO,A1)
【文献】特開2015-183525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 23/00-23/14
F04B 53/00-53/22
H02K 5/00 -5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を収納する筐体と接する第1面と、
前記第1面とは異なる面である第2面と、
前記第2面には、前記物体が存在する側とは異なる側へ向かう方向である第1方向に突起部を形成し、かつ、前記第1面には、前記物体との間に空洞を形成するリブと、
を備え
前記筐体に対し、M4以上のサイズのねじで取り付けられ、
前記リブは、
前記第1方向において、前記突起部が前記ねじより高さが低い
オイルポンプ用筐体カバー。
【請求項2】
前記物体は、
端子であって、
前記リブは、
前記端子の長手方向であって、かつ、前記第2面に対して前記端子が存在するのとは反対に向かう方向に形成される、
請求項1に記載のオイルポンプ用筐体カバー。
【請求項3】
前記リブは、
前記第1方向に対して直交する平面座標において、前記空洞が前記物体と一致する位置に形成される、
請求項1又は2に記載のオイルポンプ用筐体カバー。
【請求項4】
2.0ミリメートル以上の厚みのある鋼板である
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のオイルポンプ用筐体カバー。
【請求項5】
前記リブは、
前記空洞が2.0ミリメートル以上の深さであり、
かつ、
内径が4.4ミリメートル以下である、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のオイルポンプ用筐体カバー。
【請求項6】
前記リブは、
前記第1面において前記突起部が、前記第1方向に対して直交する第2方向を軸として線対称、
かつ、
前記第1方向、及び、前記第2方向のどちらの方向とも直交する第3方向を軸として線対称に形成される、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のオイルポンプ用筐体カバー。
【請求項7】
前記リブは、
X形状、矩形、円形、又は、楕円形の形状である
請求項6に記載のオイルポンプ用筐体カバー。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のオイルポンプ用筐体カバーと、
前記オイルポンプ用筐体カバーと接する前記筐体と、
を備えるオイルポンプ。
【請求項9】
前記オイルポンプ用筐体カバーは、
前記第1方向に対して直交する第2方向、並びに、前記第1方向、及び、前記第2方向のどちらの方向とも直交する第3方向の平面に形成する平面板であり、かつ、前記筐体に対し、締結部材で取り付けられ、
前記第1方向に厚みがあり、前記厚みの方向に前記リブが突起するように形成され、
前記筐体は、
前記第1方向、及び、前記第2方向に平面を形成する第1壁と、
前記第1壁と交差し、かつ、前記第1方向、及び、前記第3方向に平面を形成する第2壁と、
前記第2壁と異なる端部で前記第1壁と交差し、かつ、前記第1方向、及び、前記第3方向に平面を形成する第3壁と、
前記第2壁、及び、前記第3壁と交差し、かつ、前記第1方向、及び、前記第2方向に平面を形成する第4壁とを備え、
前記第1壁、前記第2壁、前記第3壁、及び、前記第4壁で前記物体を囲み、
前記オイルポンプ用筐体カバー、及び、前記筐体で前記物体を封止する、
請求項8に記載のオイルポンプ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルポンプ用筐体カバー、及び、オイルポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、持続可能な開発のための2030アジェンダ、平成27(2015)年9月25日国連サミット採択、以下「SDGs」という。)の推進に向けた取り組みが行われている。具体的には、持続可能な生産消費形態の確保等のため、不良品の削減等を目指す技術が知られている。
【0003】
また、電動オイルポンプを車両のエンジンルーム等に取り付ける技術が知られている。
【0004】
具体的には、電動オイルポンプ用モータは、蓋部により、回路基板等を覆う。そして、電動オイルポンプ用モータは、蓋部とモータハウジングの間に、回路基板を支持し、かつ、回路基板を収納する支持部材を備える。また、蓋部の天井部には伝熱シート等を備える。このような構造等により、エンジンルームに取り付ける場合等において、電動オイルポンプ、及び、電動オイルポンプに接続する油管の設置領域が大きくなるのを抑制させる技術が知られている(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-21838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の技術では、オイルポンプ用筐体カバーで収容する物体によっては、物体がカバーに接触する課題がある。例えば、オイルポンプ用筐体カバー内に、端子等を収容する場合には、端子等がカバーに接触すると、端子等が破損する、又は、端子等がカバーに接触して意図しない箇所に通電する等といった不具合が生じる場合がある。
【0007】
本発明は、上記に示す事情に鑑みてなされたもので、収容する物体が接触しにくいオイルポンプ用筐体カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、オイルポンプ用筐体カバーは、物体を収納する筐体と接する第1面と、
前記第1面とは異なる面である第2面と、
前記第2面には、前記物体が存在する側とは異なる側へ向かう方向である第1方向に突起部を形成し、かつ、前記第1面には、前記物体との間に空洞を形成するリブと、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
収容する物体が接触しにくいオイルポンプ用筐体カバーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】オイルポンプ1の例を示す図である。
図2】オイルポンプ1の制約例を示す図である。
図3】オイルポンプ1が収納する物体の例を示す図である。
図4】収納例を示す図である。
図5】断面を示す図である。
図6】オイルポンプ1の内部を示す図である。
図7】リブ103を拡大して示す図である。
図8】リブ103の第1例を示す図である。
図9】リブ103の第2例を示す図である。
図10】リブ103の第3例を示す図である。
図11】オイルポンプ1の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
【0012】
[第1実施形態]
以下、いわゆる垂直方向を「第1方向」とし、Z軸で示す。次に、第1方向に対して直交する、いわゆる水平方向を「第2方向」とし、X軸で示す。また、第1方向、及び、第2方向のどちらの方向とも直交する、いわゆる奥行方向を「第3方向」とし、Y軸で示す。
【0013】
図1は、オイルポンプ1の例を示す図である。以下、図示するようなオイルポンプ1を例に説明する。例えば、オイルポンプ1は、オイルポンプ用筐体カバー10、筐体11、及び、ポンプ部14等を備える。ただし、オイルポンプ1は、オイルポンプ用筐体カバー10、筐体11、及び、ポンプ部14以外の部品を備えてもよい。
【0014】
ポンプ部14は、オイルを吸い上げる、及び、オイルを所定の位置へ送る等といった動作を行う。また、オイルポンプ1には、リリーフバルブ等があってもよい。
【0015】
リリーフバルブは、ポンプの吐出圧力がリリーフバルブのセット圧を超えた場合に、オイルを外部へ吐出する。このように、オイルポンプ1は、ポンプの吐出圧力がリリーフバルブのセット圧を超えた場合に、リリーフバルブを作動させて、オイルを外部に排出する。ゆえに、オイルポンプ1は、ポンプの吐出側における圧力(例えば、ポンプの吐出配管、又は、ケーシング内の圧力等である。)を所定圧以下に抑えられる。
【0016】
オイルポンプ用筐体カバー10は、筐体11に対して、ねじ13等の締結部材で取り付けられる。なお、締結部材は、ねじ13以外の種類でもよい。特に、締結部材は、シール性を向上させる部材を含むのが望ましい。
【0017】
また、オイルポンプ1の大きさ、種類、又は、扱うオイル等は問わない。例えば、オイルポンプ1は、‐40℃乃至120℃の環境等となる車両用に使用できるオイルポンプ1である。なお、オイルポンプ1は、‐40℃乃至140℃で保存が可能、‐40℃乃至140℃のヒートショック試験をクリア、又は、20Gの振動試験をクリア等といった仕様も満たす装置である。さらに、オイルポンプ1は、以下のような制約もある。
【0018】
図2は、オイルポンプ1の制約例を示す図である。例えば、オイルポンプ1には、レイアウト上、図における上下方向、すなわち、Z軸方向に短くする制約等がある。このような制約下において、オイルポンプ1は、例えば、以下のような物体を収納する。
【0019】
図3は、オイルポンプ1が収納する物体の例を示す図である。例えば、オイルポンプ1は、モータ15、電子回路基板、及び、複数の溶接端子12等の物体を収納する。
【0020】
モータ15は、電子回路基板等により制御されて回転する。
【0021】
物体は、例えば、以下のようにオイルポンプ1に収納される。
【0022】
図4は、収納例を示す図である。例えば、溶接端子12等は、図示するように、筐体11が備える4つの壁(以下、「第1壁W1」、「第2壁W2」、「第3壁W3」、及び、「第4壁W4」という。)で囲われる。
【0023】
第1壁W1は、第1方向、及び、第2方向、すなわち、Z-X平面上に、平面を形成する壁である。
【0024】
第2壁W2は、第1壁W1と交差し、かつ、第1方向、及び、第3方向、すなわち、Z-Y平面上に、平面を形成する壁である。
【0025】
第3壁W3は、第2壁W2と異なる端部で第1壁W1と交差し、かつ、第1方向、及び、第3方向、すなわち、Z-Y平面上に、平面を形成する壁である。
【0026】
第4壁W4は、第2壁W2、及び、第3壁W3と交差し、かつ、第1方向、及び、第2方向、すなわち、X-Z平面上に、平面を形成する壁である。
【0027】
オイルポンプ用筐体カバー10は、第2方向、及び、第3方向、すなわち、X-Y平面上に、平面を形成する平面板である。このようなオイルポンプ用筐体カバー10、及び、筐体11等で封止すると、オイルポンプ1は、収納する物体を保護できる。
【0028】
図5は、断面を示す図である。以下、A-A’の断面で説明する。
【0029】
図6は、オイルポンプ1の内部を示す図である。以下、電子回路基板に実装する電子部品等を省略して示す。また、オイルポンプ用筐体カバー10が備える面のうち、筐体11と接する面を「第1面101」という。すなわち、第1面101は、図では、下面となる。
【0030】
一方で、オイルポンプ用筐体カバー10が備える面のうち、第1面101と異なる面を「第2面102」という。すなわち、第2面102は、図では、上面となる。
【0031】
オイルポンプ用筐体カバー10は、例えば、図示するような形状、及び、位置にリブ103を備える。
【0032】
リブ103は、例えば、プレス工法(「プレス加工」という場合もある。)等の製造方法で製造する。ただし、リブ103は、曲げ加工等で製造されてもよい。
【0033】
プレス工法で製造すると、切削等の工程が少なくなるため、歩留りを高くできる。また、設計の自由度を高くできる。さらに、製造コストを抑えることができる。
【0034】
また、オイルポンプ用筐体カバー10は、2.0ミリメートル以上の厚み10T、かつ、鋼板である。
【0035】
厚み10Tが2.0ミリメートル以上であると、車載等の環境でも十分な強度を確保できる。また、オイルポンプ用筐体カバー10は、材料が鋼板であると、樹脂等を材料にする場合と比較して反り等を少なくできる。さらに、厚み10Tが2.0ミリメートル以上であると、十分に防音ができる。
【0036】
そして、反り等が少ないと、液体又は気体等がオイルポンプ1内へ浸透するのを防ぐ、いわゆるシール性を高くできる。
【0037】
リブ103は、第2面102に突起部104を形成する。一方で、リブ103は、第1面101に空洞105を形成する。
【0038】
図7は、リブ103を拡大して示す図である。以下、図6におけるリブ103、及び、リブ103を中心とする周辺を拡大した図で説明する。
【0039】
突起部104は、図において上方向、すなわち、第1方向へ形成される。このような突起部104が第2面102に形成されると、裏側となる第1面101には、空洞105が形成される。
【0040】
溶接端子12は、筐体11をZ軸方向に短くした構成により、筐体11からはみ出す長さである。
【0041】
したがって、このような筐体11であっても、オイルポンプ用筐体カバー10、及び、溶接端子12の間に空洞105があれば、空洞105により、溶接端子12がオイルポンプ用筐体カバー10に接触しにくい構造にできる。
【0042】
また、リブ103は、第1方向に対して直交する平面座標、すなわち、この図では、X-Y平面において、空洞105が溶接端子12と一致する位置に形成される。具体的には、リブ103は、溶接端子12と同じX座標、及び、Y座標となるように形成される。図では、空洞105が溶接端子12と一致する位置を直線106で示す。
【0043】
このように、リブ103は、溶接端子12の長手方向(図ではZ軸と一致する方向である。)、すなわち、直線106上に形成される。また、リブ103は、突起部104が、溶接端子12が存在するのとは反対の方向、すなわち、図では、オイルポンプ用筐体カバー10を起点に上へ向かうように形成される。
【0044】
なお、図示する例のように、複数の溶接端子12が存在するような場合には、リブ103は、すべての溶接端子12、又は、所定距離以上、オイルポンプ用筐体カバー10に近づく溶接端子12とオイルポンプ用筐体カバー10の間に、空洞105を形成するのが望ましい。
【0045】
リブ103は、空洞105が2.0ミリメートル以上の深さ105Tであるのが望ましい。深さ105Tは、第2面102と、最も第2面102に近づく溶接端子12との距離、すなわち、第2面102及び溶接端子12の最短距離である。
【0046】
第2面102、及び、溶接端子12の間は、オイルポンプ1に発生する振動、又は、衝撃等を考慮すると、1.0ミリメートル以上が確保されているのが望ましい。加えて、溶接端子12の製造誤差、及び、組み付け誤差等を考慮すると、1.0ミリメートル以上の安全率が確保されているのが望ましい。
【0047】
したがって、深さ105Tは、合計して2.0ミリメートル以上であるのが望ましい。このように、2.0ミリメートル以上の深さ105Tが確保されると、収容する物体がより接触しにくくなり、オイルポンプ用筐体カバー10及び、溶接端子12の間で通電が少ないオイルポンプ用筐体カバー10にできる。
【0048】
リブ103は、内径105Rが4.4ミリメートル以下であるのが望ましい。内径105Rが4.4ミリメートル以下の小さい内径であると、突起部104が鋭い形状となる。そのため、リブ103の周辺を平坦にできる。そして、平坦な箇所に、締結部材が設置されるのが望ましい。
【0049】
このように、できるだけ平坦な箇所で、締結部材によって、オイルポンプ用筐体カバー10が筐体11に取り付けられると、シール性を高くできる。ゆえに、内径105Rが4.4ミリメートル以下の小さい内径であると、シール性を高くできる締結部材の設置箇所を多くできる。
【0050】
ねじ13は、M4(JIS B 0205:2001で規定されるメートル並目ねじの呼称に準じる。)以上のサイズであるのが望ましい。このように大きいサイズであると、強度、及び、シール性を高くできる。
【0051】
突起部104は、高さ(高さは、第1方向における第1面101の位置を基準とする第1方向の寸法である。)が、ねじ13よりも低いのが望ましい。具体的には、突起部104の高さ(以下「第1高さH1」という。)は、ねじ13の高さ(以下「第2高さH2」という。)よりも低いのが望ましい。
【0052】
第2高さH2より低い第1高さH1であると、リブ103の加工性を良くできる。
【0053】
なお、端子は、溶接端子12に限られない。すなわち、端子は、他の信号、又は、電力を流す電子部品であってもよい。
【0054】
[第2実施形態]
リブ103は、左右対称、かつ、上下対称となる形状であるのが望ましい。
【0055】
図8は、リブ103の第1例を示す図である。図示するように、リブ103は、第1軸21、及び、第2軸22のいずれの軸においても線対称となるのが望ましい。
【0056】
第1軸21は、第2方向の軸であって、オイルポンプ用筐体カバー10の第2方向における中央に位置する。したがって、リブ103は、第1軸21を軸に線対称であると、図では、左右対称となる。
【0057】
第2軸22は、第3方向の軸であって、オイルポンプ用筐体カバー10の第3方向における中央に位置する。したがって、リブ103は、第2軸22を軸に線対称であると、図では、上下対称となる。
【0058】
このように、第2方向、及び、第3方向のいずれの軸においても、リブ103が線対称であると、オイルポンプ用筐体カバー10を筐体11に組み付ける製造工程において、オイルポンプ用筐体カバー10の向きを気にせずに取り付けられる。そのため、オイルポンプ用筐体カバー10の取り付け向きを間違った不良を少なくできる。
【0059】
なお、リブ103は、左右対称、かつ、上下対称となる形状であれば、例えば、以下のような形状でもよい。
【0060】
図9は、リブ103の第2例を示す図である。図示するように、リブ103は、「X」状の形状等を含む形状であってもよい。
【0061】
図10は、リブ103の第3例を示す図である。図示するように、リブ103は、矩形、又は、正方形に限られず、円形、又は、楕円形の形状等でもよい。
【0062】
以上のような形状であると、ねじれ等に対して曲がりにくいオイルポンプ用筐体カバー10にできる。
【0063】
なお、リブ103は、1つでなくともよい。例えば、物体がX-Y平面上に点在する場合等には、リブ103は、物体に合わせて点在する位置に形成されてもよい。すなわち、リブ103は、複数形成されてもよい。
【0064】
[オイルポンプ1の使用環境例]
図11は、オイルポンプ1の使用例を示す図である。例えば、オイルポンプ1は、図示するように、車両において、オイルポンプ1の一部又は全部が油没する環境等で使用される。
【0065】
オイルポンプ1は、AT(オートマチックトランスミッション)車両におけるトランスミッションケース内等で使用する。具体的には、トランスミッションケース内は、オイル2が溜まる環境である。そして、オイルポンプ1は、オイル2に半分程度が浸かる状態等で使用される。
【0066】
したがって、オイルポンプ1は、構成する部品等をオイル等から保護するような構造、及び、図示するような環境でも信頼性が確保できる部品等で構成する。
【0067】
[SDGs推進への貢献]
以上のように、本実施形態は、オイルポンプ用筐体カバー内において、収容する物体が接触しにくくできる効果を奏する。これにより、オイルポンプ等の製品は、接触による不良品を削減できる。又は、オイルポンプ用筐体カバー内において、収容する物体が接触しにくい構成であると、製品の長寿命化等といった効果を奏する場合もある。したがって、本発明が適用された製品の不良等を少なくできる効果を奏する。その結果、廃棄物の削減、又は、長寿命化等の効果により、SDGsにおける「目標12 持続可能な生産消費形態を確保する」、及び、「目標13 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」等に貢献する。
【0068】
[その他の実施形態]
本発明は、上記に示す複数の例を組み合わせたものでもよい。
【0069】
本発明は、上記に示す例に限定されず、様々な変形例がある。上記の説明は、技術の分野における通常の知識を有する者が実施をすることができるように、明確、かつ、十分に説明するように詳細に説明するためのものであり、本発明は、上記に記載する構成をすべて備える実施形態に限定されない。また、本発明は、上記に示す例の一部を他の実施形態の構成に置き換えた実施形態でもよい。さらに、本発明は、上記に示す例に他の実施形態の構成を加えた実施形態でもよい。またさらに、本発明は、上記に示す例の一部について、他の構成を追加、削除、又は、置換した実施形態でもよい。また、本発明は、他の製品等に組み込まれた実施形態でもよい。すなわち、本発明は、請求の範囲に記載する範囲内において、様々な変形、及び、変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 :オイルポンプ
10 :オイルポンプ用筐体カバー
10T :厚み
11 :筐体
12 :溶接端子
13 :ねじ
21 :第1軸
22 :第2軸
101 :第1面
102 :第2面
103 :リブ
104 :突起部
105 :空洞
105R :内径
105T :深さ
H1 :第1高さ
H2 :第2高さ
W1 :第1壁
W2 :第2壁
W3 :第3壁
W4 :第4壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11