(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】炭酸飲料の製造設備および製造方法
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20240918BHJP
A23L 2/54 20060101ALI20240918BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
B67D1/04 Z
A23L2/54
A23L2/00 T
(21)【出願番号】P 2021128695
(22)【出願日】2021-08-05
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】中原 一暢
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-147184(JP,A)
【文献】特開2019-018138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/04
B01F 21/00
B01F 35/90
A23L 2/54
A23L 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料水と原料シロップとの混合液を生成するとともに、生成される前記混合液を蓄える混合液タンクを備えるブレンダと、
前記混合液タンクから供給される前記混合液に炭酸ガスを溶解させて製品液を生成するとともに、生成される前記製品液を蓄える、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンクを備えるカーボネータと、
前記製品液タンクから供給される前記製品液を容器に充填するフィラと、
前記カーボネータと前記フィラの間から前記製品液タンクに前記製品液を戻す循環経路と、
を備え
、
前記製品液の炭酸ガス濃度が規定範囲にあると、前記製品液が前記フィラにおいて前記容器に充填される定常運転モードと、
前記製品液の前記炭酸ガス濃度が前記規定範囲から外れると、前記製品液が前記循環経路を通って前記製品液タンクに戻されるガス再調整運転モードと、を備え、
前記ガス再調整運転モードにおいて、
前記混合液の前記製品液タンクに向けた供給が停止される、炭酸飲料の製造設備。
【請求項2】
前記ガス再調整運転モードにおいて、
前記製品液タンクから前記フィラへの前記製品液の供給が停止される、
請求項1に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項3】
前記製品液の前記炭酸ガス濃度が前記規定範囲から低く外れる前記ガス再調整運転モードにおいて、
前記製品液タンクに戻される前記製品液に炭酸ガスを付加するガス付加機を備える、
請求項2に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項4】
前記ガス付加機は、
前記循環経路を通って前記製品液タンクに戻された前記製品液を散水する、前記製品液タンクの内部に設けられる散水ノズル、および、
前記製品液に炭酸ガスを溶解させる、前記循環経路の途中に設けられるプリカーボネータの一方または双方である、
請求項3に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項5】
前記循環経路は、
前記製品液タンクに戻される前記製品液を冷却する冷却器を備える、
請求項3または請求項4に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項6】
前記フィラに供給された前記製品液の
前記炭酸ガス濃度が
前記規定範囲から外れると、当該製品液が前記フィラから前記製品液タンクに戻され、
戻された当該製品液は前記循環経路を通って前記製品液タンクに循環される、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項7】
原料水と原料シロップとの混合液を生成するとともに、生成される前記混合液を混合液タンクに蓄える第1ステップと、
前記混合液タンクから供給される前記混合液に炭酸ガスを溶解させて製品液を生成するとともに、生成される前記製品液を、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンクに蓄える第2ステップと、
前記製品液タンクから供給される前記製品液を容器に充填する第3ステップと、を備え、
前記第2ステップにおいて生成される前記製品液の炭酸ガス濃度が規定範囲から外れると、前記第3ステップに至る前に前記製品液を前記製品液タンクに循環さ
せ、
前記製品液を前記製品液タンクに循環させている間には、前記混合液の前記製品液タンクに向けた供給が停止されるとともに、前記製品液タンクから供給される前記製品液を容器に充填するのが停止される、
炭酸飲料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、原料である水とシロップとの混合液に炭酸ガスを溶解させて製品液である炭酸飲料を製造する設備に関する。
【背景技術】
【0002】
水とシロップを原料とする飲料の一例である炭酸飲料は、通常、水とシロップを混合し、さらに炭酸ガスを溶解させることによって製造される。
炭酸飲料の製造設備は、水とシロップを所定の混合比で混合するブレンダと、ブレンダにより得られた混合液に所定量の炭酸ガスを溶解させて製品液を得るカーボネータと、炭酸ガスが溶解された製品液を容器に充填するフィラと、を少なくとも備えている。炭酸飲料の製造設備は、水とシロップを混合してから、容器に製品液を充填する工程が連続的に行われる。なお、本開示において、ブレンダにより水とシロップが混合された液を混合液といい、混合液に炭酸ガスを溶解させた液を製品液ということにする。炭酸ガスの化学名は二酸化炭素(CO2)である。
【0003】
炭酸飲料の製造設備において、シロップの濃度および炭酸の濃度をモニタリングすることが行われている。特許文献1は、モニタリングの結果、シロップの濃度が規定範囲から外れるか、または、製品液のガスボリュームが規定範囲から外れると、製品液を再利用することを提案する。特許文献1は、具体的には、カーボネータまたはフィラに蓄えられる製品液を戻し液として、ブレンダからカーボネータに向けて流れる混合液に加えて再利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、ブリックスまたはガスボリュームが規定範囲から外れた製品液を廃棄しないで製品に再利用することができるので、飲料製造のコストを低減できる。しかし、特許文献1において、カーボネータに向けて流れる混合液の流量に対して加えられる戻し液の量は微小量とされる。カーボネータに送られる混合液におけるブリックスが大きく変動するのを避けるためである。したがって、戻し液を使い切るまでに相当の時間を要することがある。そのために、特許文献1は、戻し液を蓄えるタンクを備えるので、設備的な負荷が必要である。
【0006】
以上より、本発明は、設備的な負荷を最小限に抑えつつ、製品液の炭酸ガス濃度が規定範囲から外れる製品液の炭酸ガス濃度を効率よく再調整できる炭酸飲料の製造設備および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る炭酸飲料の製造設備は、原料水と原料シロップを混合して生成される混合液を蓄える混合液タンクを備えるブレンダと、混合液に炭酸ガスを溶解させて生成される製品液を蓄える、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンクを備えるカーボネータと、カーボネータで生成される製品液の供給を受け、製品液を容器に充填するフィラと、カーボネータで生成される製品液に含まれる炭酸ガス濃度が規定の範囲から外れると、カーボネータとフィラの間から製品液を製品液タンクに戻す循環経路と、を備える。
【0008】
また、本開示に係る炭酸飲料の製造方法は、原料水と原料シロップを混合して生成される混合液を混合液タンクに蓄える第1ステップと、混合液に炭酸ガスを溶解させて生成される製品液を、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンクに蓄える第2ステップと、製品液タンクに蓄えられた製品液を容器に充填するフィラフィラに供給する第3ステップと、を備える。第2ステップにおいて生成される製品液に含まれる炭酸ガス濃度が規定範囲から外れると、カーボネータとフィラの間から製品液が製品液タンクに戻される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、製品液の炭酸ガス濃度が規定範囲から外れる製品液を効率よく再調整できる炭酸飲料の製造設備および製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る炭酸飲料の製造設備の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る炭酸飲料の製造設備の通常運転モードを示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る炭酸飲料の製造設備のガス再調整運転モードを示すブロック図である。
【
図4】第2実施形態に係る炭酸飲料の製造設備のガス再調整運転モードを示すブロック図である。
【
図5】第3実施形態に係る炭酸飲料の製造設備のガス再調整運転モードを示すブロック図である。
【
図6】第4実施形態に係る炭酸飲料の製造設備の概略構成を示すブロック図である。
【
図7】第4実施形態に係る炭酸飲料の製造設備の概略構成を示すブロック図である。
【
図8】第4実施形態に係る炭酸飲料の製造設備の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示す炭酸飲料の製造設備1は、炭酸ガス(CO
2)を含有する炭酸飲料、例えば、炭酸水や、サイダー、コーラ等を製造するラインを構成している。
以下では、水およびシロップを原料に用いて、炭酸ガスが注入された炭酸飲料を製造するための製造設備1を説明する。製造設備1は、炭酸飲料を製造するにあたって、製造された製品液に含まれる炭酸ガスが規定範囲から外れると、その製品液の炭酸ガスの量を再調整する。製品液に含まれる炭酸ガスが規定範囲から外れる一例として、製品液が定常温度よりも温まって炭酸ガスが製品液から放出されることが掲げられる。この場合、炭酸ガスの量が予め定められる範囲よりも低くなるので、炭酸ガスを付加する必要がある。以下説明する実施形態は、この例に従っている。
【0012】
〔炭酸飲料の製造設備1:
図1〕
炭酸飲料の製造設備1は、
図1に示すように、原料の一方である水(原料水)と原料の他方であるシロップ(原料シロップ)とを混ぜて混合液を生成するブレンダ(blender)10、ブレンダ10で生成される混合液に炭酸ガスを導入するカーボネータ(carbonator)20と、カーボネータ20で生成される製品としての炭酸飲料を容器に充填するフィラ30(filler)と、を備える。なお、
図1は製造設備1の説明に必要な最小限の要素のみを示しており、現実の製造設備1には
図1に記載されていない種々のバルブ、圧力計や流量計等を備えることができる。製造設備1は、カーボネータ20の製品液タンク25に戻された後に、製品液PLに炭酸ガスが付加される。以下、ブレンダ10、カーボネータ20およびフィラ30の順にその構成を説明する。
【0013】
[ブレンダ10:
図1]
ブレンダ10は、
図1に示すように、調合された原料シロップRSを蓄えるシロップ供給源11と、精製処理された原料水RWを蓄える原料水供給源13と、を備える。シロップ供給源11は液配管LT1でシロップタンク12と接続され、原料シロップRSはシロップ供給源11から液配管LT1を介してシロップタンク12に供給され、シロップタンク12に蓄えられる。原料水供給源13は液配管LT2で水タンク14と接続され、原料水RWは原料水供給源13から液配管LT2を介して水タンク14に供給され、水タンク14に蓄えられる。
なお、原料水供給源13と水タンク14の間に液配管LT2において、原料水RWから脱気するためのデェアレータ(deaerator)を設けることができる。デェアレータは、原料水RWに溶解している酸素ガスや窒素ガス等を取り除く。デェアレータは、脱気用の炭酸ガスを使用して、ヘンリーの法則より分圧と溶解度に基づいて、原料水RWに溶解している酸素ガスなどを原料水RWから離脱させる。
【0014】
本実施形態において、原料シロップ、原料水などが流れる向きに基づいて上流および下流が特定される。例えば、シロップ供給源11は原料水供給源13の上流に位置し、水タンク14は原料水供給源13の下流に位置する。なお、上流および下流は相対的に特定される。
【0015】
ブレンダ10は、
図1に示すように、シロップタンク12から供給される原料シロップRSと水タンク14から供給される原料水RWとを混合する混合液タンク16を備える。シロップタンク12の下方に接続される液配管LT3と水タンク14の下方に接続される液配管LT4とが合流する液配管LT5が混合液タンク16に接続されることにより、原料シロップRSと原料水RWが混合液タンク16の内部で混合されることで混合液MLが生成され、混合液タンク16の内部に蓄えられる。液配管LT3には絞り弁17が設けられ、また、液配管LT4には絞り弁18が設けられる。絞り弁17および絞り弁18を絞りの程度を調整することにより、液配管LT3を流れる原料シロップRSの流量および液配管LT4を流れる原料水RWの流量を調整し、混合液MLにおける原料シロップRSと原料水RWの比率が変更される。絞り弁17および絞り弁18を絞りの程度は、コントローラ50からの指令に基づく。
【0016】
ブレンダ10は、一例としてG.O.B(Gravity Orifice Blender)が採用され、原料シロップRSのシロップタンク12の内部の液位と原料水RWの水タンク14の内部の液位とがそれぞれ一定に制御される。シロップタンク12から絞り弁17を通じて所定の流量だけ払い出される原料シロップRSと水タンク14から絞り弁18を通じて所定の流量だけ払い出される原料水RWが混合液タンク16の内部で混合される。ただし、本開示においては、公知の他のブレンダを採用することができる。
【0017】
図1に示すように、混合液MLをカーボネータ20に向けて供給する液配管LT6の一方端が、混合液タンク16の下方から引き出されている。液配管LT6の他方端はカーボネータ20の製品液タンク25の下方に接続されている。液配管LT6にはポンプP1が介在されており、混合液タンク16に蓄えられる混合液MLを吸引するとともに製品液タンク25に向けて送給する。ポンプP1の動作は、コントローラ50からの指令に基づく。
【0018】
ブレンダ10には、炭酸ガスの供給および排出に係る配管が配置されるが、カーボネータ20に配置されるガス配管GT1などとの関連が強いため、カーボネータ20の説明において言及する。なお、液体(Liquid)が流れる配管には「LT」が表記され、ガス(gas)が流れる配管には「GT」が表記される。
[カーボネータ20:
図1]
次に、カーボネータ20について、
図1を参照して説明する。
カーボネータ20は、炭酸ガス供給源21と、液配管LT6を介して混合液タンク16から供給される混合液MLに炭酸ガスを圧入、溶解して製品液PLを生成するカーボネートノズル23と、を備える。また、カーボネータ20は、カーボネートノズル23において生成される製品液PLが供給、貯留される製品液タンク25を備える。
【0019】
炭酸ガス供給源21は製品液タンク25とガス配管GT1で接続されており、一例として0.6~0.9MPaの範囲から選択される一定の圧力の炭酸ガスが供給される。ガス配管GT1には、炭酸ガス供給源21と製品液タンク25の間には圧力調整弁V1が設けられており、炭酸ガス供給源21から供給される炭酸ガスは圧力調整弁V1において、例えば0.2~0.5MPaの範囲から選択される一定の圧力に減圧されて製品液タンク25に供給される。これにより、製品液タンク25の内部に貯留される製品液PLは当該一定の圧力で加圧される。圧力調整弁V1は、コントローラ50により炭酸ガスを減圧する程度が制御される。
【0020】
製品液タンク25とカーボネートノズル23はガス配管GT2で接続されており、ガス配管GT1を介して製品液タンク25に供給される炭酸ガスの一部は、ガス配管GT2を介してカーボネートノズル23に供給され、カーボネートノズル23において混合液MLに溶解され、製品液PLが生成される。生成された製品液PLは液配管LT6を通って製品液タンク25に供給される。
温度が低いほど、混合液MLに炭酸ガスが溶解し易い。そのため、混合液MLへの炭酸ガスの注入に際して、図示を省略する冷却器により混合液MLを冷却してもよい。また、混合液MLを例えば加熱により殺菌する殺菌器を冷却器の前に設けてもよい。冷却器および殺菌機器は、液配管LT6に設けられる。
【0021】
カーボネートノズル23は、一例として複数のノズルにそれぞれ流入した原料液に、炭酸ガス供給源21から各ノズルの内部に炭酸ガスを送り込んで圧入し、混合液MLに炭酸ガスを溶解させる。
【0022】
カーボネータ20は、製品液タンク25とフィラ30を接続する液配管LT7を備えている。液配管LT7には、上流側からポンプP2および流量調整弁V2が設けられており、コントローラ50からの指示にしたがって、製品液タンク25からフィラ30への製品液PLの供給量が調整される。
【0023】
液配管LT7には、流量調整弁V2よりも上流側に、製品液PLに含まれる炭酸ガス濃度を計測するガスボリューム計27が設けられている。ガスボリュームは、一例として、炭酸ガスに関し、1気圧で15.6℃の条件下、製品液PLに溶解している炭酸ガスの体積を液の体積で割った値として求められる。
ガスボリューム計27は、一例として、製品液PLを入れる容器、温度センサ、圧力センサおよび演算装置を内蔵しており、容器を振った後、容器の蓋を外し、液から分離された炭酸ガスのガスボリュームを1気圧で15.6℃の条件に補正して求める。
【0024】
ガスボリューム計27で求められる炭酸ガス濃度は、コントローラ50に送られる。コントローラ50は、ガスボリューム計27から送られる製品液PLの炭酸ガス濃度と規定範囲とを比較する。コントローラ50は、この比較結果に基づいて、製品液タンク25からの製品液PLをフィラ30に流すのか、または、液配管LT7から分岐する液配管LT8に流すのかを特定する。
【0025】
液配管LT8は、一端が液配管LT7に接続され、他端が製品液タンク25に接続され、液配管LT8には開閉弁V3が設けられる。開閉弁V3はコントローラ50によりその開閉が調整される。つまり、コントローラ50は、ガスボリューム計27で計測される炭酸ガス濃度が規定範囲内であれば開閉弁V3を閉じるように指示することで、製品液タンク25からの製品液PLをフィラ30に流すように指示する。また、コントローラ50は、ガスボリューム計27で計測される炭酸ガス濃度が規定範囲外、具体的には規定範囲より低ければ開閉弁V3を開くように指示することで、製品液タンク25からの製品液PLをフィラ30には流さずに液配管LT8を介して製品液タンク25に戻すように指示する。
【0026】
製品液タンク25に製品液PLを戻す際に、フィラ30に供給するのと同じ流量を採用できる。つまり、炭酸ガス濃度が低いと判定された製品液PLは、製品液タンク25を出て間もなくの位置においてガスボリューム計27で計測される。したがって、当該製品液PLは製品液タンク25に蓄えられている製品液PLと炭酸ガス濃度を除くシロップと水の混合比は一致していると言える。したがって、製品液タンク25に蓄えられる製品液PLの混合比に対して、戻される製品液PLが影響を与えるおそれはないものと見なせる。
【0027】
液配管LT8の他端は製品液タンク25の上部よりその内部に至る。製品液タンク25の内部に至る液配管LT8の先端には散水ノズル29が設けられており、液配管LT8を通ってきた製品液PLはこの散水ノズル29を通過することで製品液タンク25の内部に散布される。散布された製品液PLは、製品液タンク25の内部を落下する過程ですでに供給されている炭酸ガスを吸着し、従前より炭酸ガス濃度が高くなる。特に、製品液タンク25の内壁面を流下した製品液PLは、内壁面を伝って下方に落下する過程で炭酸ガスをより多く吸着する。
散水ノズル29は後述するプリカーボネータ22とともに、本開示におけるガス付加機に該当する。
【0028】
[フィラ30:
図1]
フィラ30は、カーボネータ20にて炭酸ガスが溶解された製品液PLを、ペットボトルなどの容器に充填する。フィラ30としては、一次的にタンクに貯えられた製品液PLを、連続的に供給される容器に充填する回転式の充填機を用いることができる。次に説明する通常製造モードにおいては、製品液PLがフィラ30に供給され、フィラ30にて容器に充填される。
【0029】
[製造設備1の運転:
図2,
図3]
次に、炭酸飲料の製造設備1の運転手順を説明する。
製造設備1は、通常製造モード(
図2)またはガス再調整運転モード(
図3)の二つの運転モードを備えている。
通常製造モードは、ガスボリューム計27で計測される製品液PLにおける炭酸ガス濃度が規定範囲にある場合に実行されるものであり、カーボネータ20で生成される製品液PLがフィラ30において連続時に容器に充填される。
ガス再調整運転モードは、製品液PLの炭酸ガス濃度が規定範囲から外れると実行されるものであり、規定範囲から外れたことが検知されると、製品液タンク25からフィラ30に向けて供給されていた製品液PLは、フィラ30への供給が止められるとともに、製品液タンク25に向けて戻される。
【0030】
[通常製造モード:
図2]
まず、
図2を参照して製造設備1の通常製造モードについて説明する。通常製造モードにおいて、流量調整弁V2は開いているのに対して、開閉弁V3は閉じられている。つまり、通常運転モードにおいて、製品液タンク25からの製品液PLは、液配管LT7を通過するのに対して、液配管LT8を通過することができない。
なお、
図2において、液体または気体が流れている配管を実線で示し、そうでない配管を破線で示している。また、
図2において、液体が流れる向きを実線矢印でしめし、気体が流れる向きを破線矢印で示す。
図3を参照して次に説明するガス再調整運転モードについても同様である。ここでいう液体とは原料シロップRS、原料水RW、混合液MLおよび製品液PLが該当し、気体とは炭酸ガスが該当する。
【0031】
[液体の流れ]
シロップ供給源11から供給されシロップタンク12に蓄えられている原料シロップRSが液配管LT3を介して混合液タンク16に、また、原料水供給源13から供給され水タンク14に蓄えられている原料水RWが液配管LT4を介して混合液タンク16に供給される。
混合液タンク16において、原料シロップRSと原料水RWが混合され、混合液MLが生成される。混合液MLは、絞り弁17で制御される原料シロップRSの流量および絞り弁18で制御される原料水RWの量に応じる、原料シロップRSと原料水RWの比率で生成される。混合液タンク16とポンプP1の間の液配管LT6に設けられるブリックス計により計測される濃度を継続的に取得することにより、混合液MLのシロップ濃度を規定範囲に管理することができる。
【0032】
ブレンダ10において、シロップタンク12および水タンク14には図示が省略されるガス配管を介して炭酸ガスが供給され、内部が例えば0.05MPaの圧力の炭酸ガスが充填される。これにより、原料シロップRSおよび原料水RWがいずれ溶解される炭酸ガス以外の酸素、窒素などのガスとの接触が制限される。混合液タンク16も同様である。
【0033】
混合液MLは、ポンプP1の動力により液配管LT6を介して混合液タンク16から製品液タンク25に向けて送られる。その過程で、カーボネートノズル23において、ガス配管GT2から供給される炭酸ガスが混合液MLに溶解されることで生成される製品液PLが製品液タンク25に供給される。製品液タンク25に供給された製品液PLは、ポンプP2の動作により液配管LT7を通ってフィラ30に供給され、図示を省略する容器への充填などの処理が行われる。
【0034】
[気体の流れ]
次に、炭酸ガス供給源21から製品液タンク25に供給された炭酸ガスの一部は製品液タンク25から排出され、ガス配管GT2を介してカーボネートノズル23に供給される。これにより、カーボネートノズル23において混合液MLから製品液PLが生成される。
【0035】
炭酸ガスの圧力についてこれまで例示をしてきたが、以下にまとめて記載しておく。
炭酸ガス供給源21:0.6~0.9MPa
製品液タンク25:0.2~0.5MPa
シロップタンク12,水タンク14,混合液タンク16:0.05MPa
【0036】
[ガス再調整運転モード:
図3]
次に、
図3を参照して、ガス再調整運転モードについて説明する。ただし、以下では
図2で示した通常製造モードとの相違点を中心に説明する。
ガス再調整運転モードにおいては、開閉弁V3が開いているのに対して、流量調整弁V2は閉じられる。したがって、製品液タンク25からの製品液はポンプP2、液配管LT7(途中まで)および液配管LT8を通って製品液タンク25に戻される。製品液タンク25に戻される製品液PLは、散水ノズル29から吐出されることで散水され、製品液タンク25の内部を落下する。製品液PLは、タンクの内壁面を流下する過程で炭酸ガスを吸着する。製品液PLは気体中を落下するものもあれば、製品液タンク25の内壁を伝って落下するものもあるが、後者の方が落下する時間が長くなるので、散水された製品液PLがより多くの炭酸ガスを吸着する。以上のように炭酸ガスが吸着された製品液PLは製品液タンク25の内部に溜まり、さらに製品液PLは液配管LT7(途中まで)、液配管LT8および製品液タンク25を通る経路を循環しながら、炭酸ガスを吸着する。
【0037】
ガス再調整運転モードにおいては、ポンプP1の運転が停止され、混合液MLのカーボネートノズル23、製品液タンク25に向けた供給が停止される。これにより、混合液MLから製品液PLへの生成が停止される。
【0038】
製品液タンク25とポンプP2の間に設けられるガスボリューム計27はこの循環経路を通る製品液PLの炭酸ガス濃度(実炭酸ガス濃度)を計測し、その計測結果はコントローラ50に送られる。コントローラ50は送られてくる実炭酸ガス濃度と予め定められる規定範囲とを比較する。
【0039】
実炭酸ガス濃度が規定範囲を満たしたならば、コントローラ50はガス再調整運転モードから通常運転モードに移行するように、ポンプP1の運転の再開を指示する。この指示により、混合液タンク16から混合液MLがカーボネートノズル23に送られ、炭酸ガスを吸着して製品液PLが生成される。また、コントローラ50は、流量調整弁V2を開くとともに開閉弁V3を閉じるように指示する。この指示により、
図2を参照して説明したように、それまで液配管LT8および製品液タンク25を循環していた製品液PLは液配管LT7を通ってフィラ30に供給される。
【0040】
[製造設備1の効果]
以上説明した製造設備1によれば、以下の効果を奏する。
製造設備1によれば、製品液PLの炭酸ガス濃度が規定範囲から外れると実行されるガス再調整運転モードにおいて、製品液タンク25からフィラ30に向けて供給されていた製品液PLは、フィラ30への供給が止められるとともに、製品液タンク25に向けて戻される。製品液タンク25に戻される製品液PLは、散水ノズル29から吐出されることで散水、流下される過程で、炭酸ガスを吸着する。さらに製品液PLは液配管LT7(途中まで)、液配管LT8および製品液タンク25を通る経路を循環しながら、炭酸ガスを吸着する。製品液PLの循環は、実炭酸ガス濃度が予め定められる規定範囲に達するまで行われる。
【0041】
ここで、製品液タンク25に戻される製品液PLが規定範囲から外れているのは、炭酸ガス濃度であり、シロップと水との混合比は製品液タンク25に蓄えられている製品液PLと同じと見なすことができる。よって、製品液タンク25に戻される製品液PLの量を抑える必要はなく、製品液タンク25からフィラ30に供給されるのと同程度の流量の製品液PLを製品液タンク25に戻すことができる。したがって、製造設備1によれば、製品液PLの炭酸ガス濃度を効率よく再調整できる。
【0042】
しかも、製造設備1によれば、炭酸ガス濃度の再調整は、製品液タンク25に液配管LT7および液配管LT8を設けて製品液PLを循環させることで行うことができる。しかも、製品液PLの循環は、製品液PLを製品液タンク25からフィラ30に向けて供給するためのポンプP2を利用する。したがって、製造設備1によれば、製品液PLを蓄えるタンクなどの設備的な負荷を最小限に抑え、製品液タンク25の周りで炭酸ガス濃度の再調整を簡潔できる。
【0043】
ここで、製品液PLをカーボネータ20のカーボネートノズル23よりも上流側に戻すことも選択肢としてはある。しかし、カーボネートノズル23は炭酸ガスが含まれていない混合液MLに必要な量の炭酸ガスを溶解するものであり、規定範囲から炭酸ガス濃度が外れた製品液PLの炭酸ガス濃度を調整するのに対して、過剰に炭酸ガスが溶解されるおそれがある。
【0044】
〔第2実施形態:
図4〕
次に、
図4を参照して第2実施形態に係る製造設備2について説明する。
製造設備2は、液配管LT8であって製品液タンク25と開閉弁V3の間にプリカーボネータ22を備える。製造設備2は、循環する製品液PLが液配管LT8を通る過程でプリカーボネータ22により炭酸ガスが付加される。
【0045】
図4に示される製造設備2は、プリカーボネータ22を設ける代わりに、製造設備1が備えていた散水ノズル29が省かれているが、プリカーボネータ22と散水ノズル29の双方を設けることを排除しない。
【0046】
製造設備2によれば、循環する製品液PLが液配管LT8を通る過程でプリカーボネータ22により炭酸ガスが付加されるので、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、製造設備2によればプリカーボネータ22により炭酸ガスが付加されるので、製造設備1の散水ノズル29による炭酸ガスの付加よりも、その濃度調整の精度が高い。
【0047】
〔第3実施形態:
図5〕
次に、
図5を参照して第3実施形態に係る製造設備3について説明する。
製造設備3は、液配管LT8であって製品液タンク25と開閉弁V3の間に冷却器24を備える。製造設備2は、循環する製品液PLが液配管LT8を通る過程で冷却器24により冷却される。
【0048】
図5に示される製造設備2は、プリカーボネータ22の上流側に冷却器24が設けられており、冷却器24で冷却された製品液PLがプリカーボネータ22を通る。したがって、プリカーボネータ22における炭酸ガスの吸着の程度を大きくできる。
【0049】
製造設備3はプリカーボネータ22に加えて冷却器24を設ける例を示しているが、プリカーボネータ22を備えていない製造設備1の液配管LT8に冷却器24を設けることもできる。この場合も、散水ノズル29に供給される製品液PLへの炭酸ガスの溶解の程度を大きくできる。
【0050】
〔第4実施形態:
図6,
図7,
図8〕
次に、
図6を参照して第4実施形態に係る製造設備1について説明する。第4実施形態は、
図6に示すように、フィラ30に相当量の製品液PLが蓄えられた後に、この製品液PLの実炭酸ガス濃度が規定範囲から外れているときの対処手順を例示する。第4実施形態は、製造設備1以外の製造設備2および製造設備3においても実行できる。
【0051】
図6に示すようにフィラ30に供給され、蓄えられている製品液PLの実炭酸ガス濃度が規定範囲から外れていると、
図7に示すように、フィラ30に蓄えられていた製品液PLが製品液タンク25に戻される。このとき、フィラ30に製品液PLを供給するときとは、ポンプP2は逆流れとなる。戻された製品液PLの実炭酸ガス濃度は規定範囲から外れている。なお、ブレンダ10の動作はすでに停止されている。
【0052】
製品液PLが製品液タンク25に戻されると、フィラ30への流れを規制する流量調整弁V2が閉じられるとともに、開閉弁V3が開かれる。加えて、ポンプP2は正回転の駆動に切り替えられる。この動作の切り替えにより、
図8に示すように、実炭酸ガス濃度の低い戻された製品液PLは、液配管LT8を通って製品液タンク25に至り、散水ノズル29から吐出されることにより、炭酸ガスが溶解される。ガスボリューム計27で計測される製品液PLの実炭酸ガス濃度が規格範囲に収まるまで、製品液PLは液配管LT8および製品液タンク25からなる経路の循環を継続する。
【0053】
第4実施形態によれば、フィラ30にまで達した製品液PLであっても、実炭酸ガス濃度が規定範囲から外れると、製品液タンク25まで戻すことで、実炭酸ガス濃度を規格範囲に調整できる。
【0054】
[付記]
本開示の第1形態に係る炭酸飲料の製造設備(1,2,3)は、原料水(RW)と原料シロップ(RS)を混合して生成される混合液(ML)を蓄える混合液タンク(16)を備えるブレンダ(10)と、混合液(ML)に炭酸ガスを溶解させて生成される製品液(PL)を蓄える、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンク(25)を備えるカーボネータ(20)と、カーボネータ(20)で生成される製品液(PL)の供給を受け、製品液(PL)を容器に充填するフィラ(30)と、カーボネータ(20)で生成される製品液(PL)に含まれる炭酸ガス濃度が規定の範囲から外れると、カーボネータ(20)とフィラ(30)の間から製品液(PL)を製品液タンク(25)に戻す循環経路(LT7,LT8,25)と、
を備える。
第1形態に係る製造設備(1,2,3)によれば、設備的な負荷を最小限に抑えつつ、製品液の炭酸ガス濃度が規定範囲から外れる製品液の炭酸ガス濃度を効率よく再調整できる。
【0055】
本開示の第2形態に係る炭酸飲料の製造設備(1,2,3)は、好ましくは、混合液または製品液の炭酸ガス濃度が規定範囲にあると、液戻し機構を利用しないで、混合液にカーボネータ(20)で炭酸ガスが付加された製品液をフィラ(30)において容器に充填する定常運転モードと、製品液の炭酸ガス濃度が規定範囲から外れると、製品液(PL)が循環経路(LT7,LT8)を通じて製品液タンク(25)に戻されるガス再調整運転モードと、を備える。
第2形態に係る炭酸飲料の製造設備(1,2,3)によれば、炭酸ガス濃度に応じて、定常運転モードとガス再調整モードとを適切に区分けできる。
【0056】
本開示の第3形態に係る炭酸飲料の製造設備は、好ましくは、製品液(PL)の炭酸ガス濃度が規定範囲から低く外れるガス再調整運転モードにおいて、ガス再調整運転モードにおいて、製品液タンク(25)に戻される製品液(PL)に炭酸ガスを付加するガス付加機(22)を備える。
第3形態に係る炭酸飲料の製造設備(1,2,3)によれば、製品液タンク(25)に戻される製品液(PL)過程で、製品液(PL)の炭酸ガスの炭酸ガス濃度を調整できる。
【0057】
本開示の第4形態に係る炭酸飲料の製造設備(1)は、好ましくは、循環経路(LT7.LT8)を通って製品液タンク(25)に戻された製品液(PL)を散水する、製品液タンク(25)の内部に設けられる散水ノズル(29)、および、製品液(PL)に炭酸ガスを溶解させる、循環経路(LT7.LT8)の途中に設けられるプリカーボネータ(22)の一方または双方を備える。
第4形態に係る炭酸飲料の製造設備(1,2)によれば、製品液タンク(25)を含む循環経路のいずれかの位置で、炭酸ガスを調整できる。
【0058】
本開示の第5形態に係る循環経路(LT7,LT8)は、好ましくは、製品液タンク(25)に流れる製品液(PL)を冷却する冷却器(24)を備える。
第6形態に係る循環経路(LT7,LT8)によれば、製品液タンク(25)に戻される製品液(PL)を冷却できるので、炭酸ガスの溶解を容易にできる。
【0059】
本開示の第6形態に係る製造設備(1,2,3)は、フィラ(30)に供給された製品液(PL)の炭酸ガス濃度が規定範囲から外れると、フィラ(30)から製品液(PL)が製品液タンク(25)に戻され、戻された当該製品液(PL)は循環経路(LT7.LT8)を通って製品液タンク(25)に循環される。
第6形態に係る製造設備(1,2,3)によれば、フィラ(30)まで供給された製品液(PL)であっても、製品液タンク(25)に戻されることで、炭酸ガスの炭酸ガス濃度が再調整される。
【0060】
本開示の第7形態に係る炭酸飲料の製造方法は、原料水(RW)と原料シロップ(RS)を混合して生成される混合液(ML)を混合液タンク(16)に蓄える第1ステップと、混合液(ML)に炭酸ガスを溶解させて生成される製品液(PL)を、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンク(25)に蓄える第2ステップと、製品液タンク(25)に蓄えられた製品液(PL)を容器に充填するフィラ(30)に供給する第3ステップと、を備える。第2ステップにおいて生成される製品液(PL)に含まれる炭酸ガス濃度が規定範囲から外れると、カーボネータ(20)とフィラ(30)の間から製品液(PL)が製品液タンク(25)に戻される。
【0061】
上記以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
以上で説明した製造設備1,2,3は、製品液PLの炭酸ガス濃度が規定の範囲より低く外れた場合を対象とする例であるが、本開示は製品液PLの炭酸ガスのガスボリュームが規定の範囲より高く外れた場合をも対象にできる。この高く外れた場合にも循環経路を介して製品液PLを製品液タンク25に戻すことは低く外れた場合と同様である。しかし、高く外れた場合には、製品液タンク25の内部の炭酸ガスの圧力を低くしておくことで、製品液タンク25に戻された製品液PLから炭酸ガスが抜け出るようにしておけばよい。この場合も、製品液タンク25を含む循環経路に製品液PLを循環させることにより、製品液タンク25に蓄えられる製品液PLの炭酸ガス濃度を下げることができる。
【0062】
第4実施形態において、フィラ30にまで達した製品液PLが液配管LT7を通って製品液タンク25まで戻してから炭酸ガスの再調整を行うこととしているが、本開示はこれに限らない。例えば、フィラ30から液配管LT7および液配管LT8を通って製品液タンク25に戻す過程で、散水ノズル29、プリカーボネータ22などのガス付加機を用いて炭酸ガス濃度の調整を行うこともできる。この場合、液配管LT7および液配管LT8を通って製品液タンク25に製品液PLが流れるように、ポンプ、弁の配置を定める必要がある。
【符号の説明】
【0063】
1,2,3 製造設備
10 ブレンダ
11 シロップ供給源
12 シロップタンク
13 原料水供給源
14 水タンク
16 混合液タンク
17,18 絞り弁
20 カーボネータ
21 炭酸ガス供給源
22 プリカーボネータ
23 カーボネートノズル
24 冷却器
25 製品液タンク
27 ガスボリューム計
29 散水ノズル
30 フィラ
50 コントローラ
GT1,GT2 ガス配管
LT1,LT2,LT3,LT4 液配管
LT5,LT6,LT7,LT8 液配管
P1,P2 ポンプ
ML 混合液
PL 製品液
RS 原料シロップ
RW 原料水
V1 圧力調整弁
V2 流量調整弁
V3 開閉弁