(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20240918BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240918BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20240918BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20240918BHJP
F24F 11/50 20180101ALI20240918BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20240918BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20240918BHJP
A61L 9/22 20060101ALI20240918BHJP
F24F 8/24 20210101ALN20240918BHJP
F24F 8/175 20210101ALN20240918BHJP
F24F 8/167 20210101ALN20240918BHJP
F24F 8/22 20210101ALN20240918BHJP
F24F 8/192 20210101ALN20240918BHJP
F24F 8/30 20210101ALN20240918BHJP
F24F 110/52 20180101ALN20240918BHJP
F24F 110/64 20180101ALN20240918BHJP
F24F 110/65 20180101ALN20240918BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F8/108
F24F7/003
F24F7/06
F24F11/50
A61L9/00 C
A61L9/16 F
A61L9/22
F24F8/24
F24F8/175
F24F8/167
F24F8/22
F24F8/192
F24F8/30
F24F110:52
F24F110:64
F24F110:65
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021191522
(22)【出願日】2021-11-25
【審査請求日】2023-03-27
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】NO. 28, R&D 2nd Rd. Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫皓然
(72)【発明者】
【氏名】林景松
(72)【発明者】
【氏名】呉錦銓
(72)【発明者】
【氏名】韓永隆
(72)【発明者】
【氏名】黄啓峰
(72)【発明者】
【氏名】古暘
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-134094(JP,A)
【文献】特開2017-003207(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0292438(US,A1)
【文献】特開2019-035575(JP,A)
【文献】登録実用新案第3179715(JP,U)
【文献】特開2005-160494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/007
F24F 8/108
F24F 7/003
F24F 7/06
F24F 11/50
A61L 9/00
A61L 9/16
A61L 9/22
F24F 8/24
F24F 8/175
F24F 8/167
F24F 8/22
F24F 8/192
F24F 8/30
F24F 110/52
F24F 110/64
F24F 110/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間内の気体汚染を防止するための室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法において、
室外の気体汚染を検出し、室外気体検出データを送信し、ここで、室外の気体を検出し、前記室外気体検出データを送信する気体検出モジュールを含む室外気体検出器を提供し、
前記室内空間の気体汚染を検出し、室内気体検出データを送信し、ここで、室内空間内の気体を検出し、前記室内気体検出データを送信する気体検出モジュールを含む室内気体検出器を提供し、
室内気体交換システムを提供し、前記室内空間の環境下で浄化処理を実施し、室外の気体を前記室内空間内に導入して換気を実施し、ここで、前記室内気体交換システムは、前記室外気体検出データと前記室内気体検出データを受信して比較する気体交換機を含み、室外の気体を前記室内空間内に導入して換気を実施し、
前記気体交換機は、前記室外気体検出データと前記室内気体検出データを知能的に比較し、前記室内空間内の気体汚染に対する換気の実施を知能的に選択制御し、ここで、前記気体交換機は、知能的運算により比較し、前記気体交換機は、室外の気体を前記室内空間内に導入するかを知能的に選択制御し、前記室内空間内の気体汚染に対して交換を実施することにより、前記室内空間内の気体汚染の前記室内気体検出データは安全検出値に下がり、前記室内空間に対して迅速に換気して清潔で安全に呼吸できる状態となり、
前記気体検出モジュールは、制御回路基板と、気体検出本体と、マイクロプロセッサと、通信器とを含み、前記気体検出本体、前記マイクロプロセッサ及び前記通信器は、一体に形成されるとともに互いに電気的に接続されるように制御回路基板にパッケージされ、
前記気体検出本体は、ベースと、圧電アクチュエータと、駆動回路基板と、レーザアセンブリと、微粒子センサと、気体センサと、外蓋とを含み、
前記ベースは、第1表面と、第2表面と、レーザ設置領域と、入気溝と、気体ガイドアセンブリ配置領域と、排気溝とを含み、
前記第2表面は、前記第1表面と対向して設けられ、
前記レーザ設置領域は、前記第1表面から前記第2表面へくり抜いて形成され、
前記入気溝は、前記第2表面から凹んで形成され、前記レーザ設置領域に近隣し、前記入気溝には入気通口が設けられ、両側壁にはそれぞれ透光窓が貫通して前記レーザ設置領域に連通し、
前記気体ガイドアセンブリ配置領域は、前記第2表面から凹んで形成され、前記入気溝に連通し、底面には通気孔が貫通し、
前記排気溝は、前記第1表面から前記気体ガイドアセンブリ配置領域の底面へ凹み、前記第1表面における前記気体ガイドアセンブリ配置領域に対応する領域において前記第1表面から前記第2表面へくり抜いて形成され、前記通気孔に連通し、排気通口が設けられ、
前記圧電アクチュエータは、前記気体ガイドアセンブリ配置領域内に配置され、気体汚染を前記入気溝内で流動させ、
前記駆動回路基板は、前記ベースの前記第2表面をカバーし、
前記レーザアセンブリは、前記駆動回路基板に位置決めして設けられかつ前記駆動回路基板に電気的に接続され、前記レーザ設置領域に配置され、射出する光束の経路が前記透光窓を通過して前記入気溝と直交し、
前記微粒子センサは、前記駆動回路基板に位置決めして設けられかつ前記駆動回路基板に電気的に接続され、前記入気溝における前記レーザアセンブリが発射する光束経路と直交する位置にあり、前記入気溝を通過して前記レーザアセンブリが発射する光束により照射される気体汚染に含まれる浮遊粒子を検出し、
前記気体センサは、前記駆動回路基板に位置決めして設けられ、かつ前記駆動回路基板に電気的に接続され、前記排気溝内に配置され、前記排気溝に導入される気体汚染を検出し、
前記外蓋は、前記ベースをカバーし、側板を有し、前記側板に入気開口及び排気開口が形成され、前記入気開口は前記ベースの前記入気通口に対応し、前記排気開口は前記ベースの前記排気通口に対応し、
前記外蓋は、前記ベースをカバーし、前記駆動回路基板は、前記第2表面に密接することにより、前記入気溝によって入気経路が構成され、前記排気溝によって排気経路が構成され、前記圧電アクチュエータを駆動することにより、前記ベースの前記入気通口の外部にある気体汚染は素早く輸送され、前記入気開口から前記入気溝によって構成される前記入気経路に入り、前記微粒子センサ上を通過して気体汚染に含まれる微粒子の濃度が検出され、気体汚染はさらに前記通気孔から前記排気溝によって構成される前記排気経路に入り、前記気体センサを通過して検出され、最後に前記ベースの前記排気通口から前記排気開口に排出される、室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【請求項2】
前記気体汚染は、浮遊粒子(PM
1、PM
2.5、PM
10)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2)、オゾン(O
3)、二酸化硫黄(SO
2)、二酸化窒素(NO
2)、鉛(Pb)、総揮発性有機化合物(TVOC)、ホルムアルデヒド(HCHO)、細菌、真菌、及びウイルスのうちの1種又は複数種である、請求項1に記載の室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【請求項3】
前記室内気体検出器は、人体に装着可能であり、これによって、前記室内気体検出器をリアルタイムで移動させて前記室内空間内の気体汚染を検出することができる、請求項1に記載の室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【請求項4】
前記マイクロプロセッサは、前記気体検出本体の検出動作を制御し、前記マイクロプロセッサは、前記気体検出本体が気体汚染を検出して得られた検出信号を受信して運算処理し、前記マイクロプロセッサは、前記室外気体検出データ、前記室内気体検出データを前記通信器に送信し、前記通信器はさらに外部に無線送信する、請求項1に記載の室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【請求項5】
前記気体交換機は、少なくとも1つの入気口と、入気通路と、清浄ユニットと、少なくとも1つの導風機と、少なくとも1つの排気口と、少なくとも1つの換気入口と、換気通路と、少なくとも1つの換気出口と、制御駆動ユニットとを含み、
前記入気口は、前記入気通路に連通し、前記清浄ユニットは、前記入気通路に設けられ、前記排気口は、前記入気通路に連通し、前記導風機に接続され、前記換気入口は、前記換気通路に連通し、前記換気通路は、前記換気出口に連通し、前記制御駆動ユニットは、前記導風機の動作操作を制御し、無線送信により前記室外気体検出データ、前記室内気体検出データを受信した後、知能的運算により比較し、前記室内空間内の前記気体汚染の前記室内気体検出データを安全検出値に下げるために、前記室外の気体を前記室内空間内に導入することで前記室内空間内の気体汚染に対して換気を行うかを選択制御する、請求項1に記載の室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【請求項6】
前記制御駆動ユニットは、前記
室外気体検出データと前記
室内気体検出データとを比較し、前記
室外気体検出データが前記
室内気体検出データよりも良好である場合、前記室外の気体が前記室内空間内に導入されるように知能的に選択制御し、前記制御駆動ユニットは、前記気体交換機の起動動作を知能的に選択実行し、動作必要時間を制御し、前記室外の気体が前記入気口から前記入気通路に導入される際に、前記清浄ユニットにより濾過浄化処理を実施し、さらに前記導風機により前記排気口に導入されて前記室内空間に入り、同時に前記室内空間内の気体汚染が前記換気入口から前記換気通路に入り、最後に前記換気出口から排出されることにより、前記室内空間内の気体汚染は室外に換気され、前記室内空間内の気体汚染の前記室内気体検出データは安全検出値に下がる、請求項5に記載の室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【請求項7】
前記制御駆動ユニットは、前記
室外気体検出データと前記
室内気体検出データとを比較し、前記
室内気体検出データが前記
室外気体検出データよりも良好である場合、前記室外の気体が前記室内空間内に導入されないように知能的に選択制御し、前記気体交換機の前記制御駆動ユニットは、前記気体交換機の停止動作を知能的に選択実行することで前記室外の気体が前記室内空間内に導入されない一方、前記室内空間内の気体汚染は前記換気入口から前記換気通路に入り、最後に前記換気出口から排出され、前記室内空間の気体汚染の室外への交換が促進され、前記室内空間内の気体汚染の前記室内気体検出データは安全検出値に下がる、請求項5に記載の室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【請求項8】
前記安全検出値では、浮遊粒子2.5の濃度が10μg/m
3未満、二酸化炭素の濃度が1000ppm未満、総揮発性有機化合物の濃度が0.56ppm未満、ホルムアルデヒド値の濃度が0.08ppm未満、細菌数が1500CFU/m
3未満、真菌数が1000CFU/m
3未満、二酸化硫黄の濃度が0.075ppm未満、二酸化窒素の濃度が0.1ppm未満、一酸化炭素の濃度が35ppm未満、オゾンの濃度が0.12ppm未満、鉛の濃度が0.15μg/m
3未満である、請求項1に記載の室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【請求項9】
前記無線送信は、Wi-Fi(登録商標)
通信モジュール、ブルートゥース(登録商標)
通信モジュール、無線周波数識別モジュール、近距離無線通信モジュールのうちの1種を用いる外部への送信である、請求項4又は5に記載の室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【請求項10】
前記清浄ユニットは、高効率濾網であり、或いは前記高効率濾網と光触媒ユニット、光プラズマユニット、マイナスイオンユニット、プラズマイオンユニットのうちの1種又は複数種との組み合わせから構成される、請求項5に記載の室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空間に対する気体汚染交換に関し、特に室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人々が生活の周りの空気の質にますます注意を払うが、粒子状物質(ParticulateMatter、PM)、例えばPM1、PM2.5、PM10、二酸化炭素、総揮発性有機化合物(Total Volatile Organic Compound、TVOC)、ホルムアルデヒド等の気体、ひいては、気体に含まれる微粒子、エアロゾル、細菌、ウィルス等が環境に晒され、人間の健康に影響を及ぼし、場合によっては生命を脅かすこともある。
【0003】
室内の空気質を把握することは容易でなく、室内空気質に加えて、室内の空調条件や汚染源は室内空気質に影響を与える主な要因であり、特に室内空気の循環不足により粉塵が発生することがある。室内空気環境を改善し、良好な空気質状態を達成するために、人々はしばしば、エアコンまたは空気洗浄機を使用する。しかし、エアコン及び空気洗浄機は、いずれも室内の空気を循環させるためのものであり、ほとんどの有害気体、特に一酸化炭素や二酸化炭素などの完全に排出することはできない。
そのため、空気を清浄し、室内で有害気体の呼吸を減少させ、且つリアルタイムで迅速に室内の空気質を検出し、室内の空気質が良くない時に、素早く室内の空気を清浄する解決策を提供することが本発明の主な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法に関する。本発明の主な目的は、室内気体交換システムを提供し、この室内空間環境下で浄化処理を実施し、室外の気体を室内空間内に導入して換気を実施することであり、この室内気体交換システムは、室外気体検出データと室内気体検出データとを受信して比較し、室外の気体を室内空間内に導入して換気を実施する気体交換機を含む。
【0005】
上記目的を達成するために、室内空間内の気体汚染を防止するための室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法を提供する。この方法において、室外の気体汚染を検出し、室外気体検出データを送信し、ここで、室外の気体を検出し、室外気体検出データを検出して送信する室外気体検出器を提供し、室内空間の気体汚染を検出し、室内気体検出データを送信し、ここで、室内空間内の気体を検出し、室内気体検出データを送信する室内気体検出器を提供し、室内空間の環境下で浄化処理を実行する室内気体交換システムを提供し、室外の気体を室内空間内に導入して換気を実施し、ここで、室内気体交換システムは、室外気体検出データと室内気体検出データを受信して比較する気体交換機を含み、室外の気体を室内空間内に導入して換気を実施し、気体交換機は、室外気体検出データと室内気体検出データを知能的に比較し、室内空間内の気体汚染に対する換気の実施を知能的に選択制御し、ここで、気体交換機は、知能的運算により比較し、気体交換機は、室外の気体を室内空間内に導入するかを知能的に選択制御し、室内空間内の気体汚染に対して交換を実施することにより、室内空間内の気体汚染の室内気体検出データは安全検出値に下がり、室内空間に対して迅速に換気して清潔で安全に呼吸できる状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本発明の室内空気汚染の防止及び解決方法のフローチャートである。
【
図1B】本発明の室内空気汚染の防止及び解決方法の室内空間への使用状態の模式図(一)である。
【
図1C】本発明の室内空気汚染の防止及び解決方法の室内空間への使用状態の模式図(二)である。
【
図1D】本発明の室内空気汚染の防止及び解決方法の室内空間への使用状態の模式図(三)である。
【
図1E】本発明の室内空気汚染の防止及び解決方法の室内空間への使用状態の模式図(四) である。
【
図3】本発明の気体検出モジュールの組立の斜視図である。
【
図4A】本発明の気体検出本体の組立の斜視図(一)である。
【
図4B】本発明の気体検出本体の組立の斜視図(二)である。
【
図4C】本発明の気体検出本体の分解斜視図である。
【
図7A】本発明の圧電アクチュエータとベースの分解斜視図である。
【
図7B】本発明の圧電アクチュエータとベースの組立の斜視図である。
【
図8A】本発明の圧電アクチュエータの分解斜視図(一)である。
【
図8B】本発明の圧電アクチュエータの分解斜視図(二)である。
【
図9A】本発明の圧電アクチュエータの断面作動模式図(一)である。
【
図9B】本発明の圧電アクチュエータの断面作動模式図(二)である。
【
図9C】本発明の圧電アクチュエータの断面作動模式図(三)である。
【
図10A】気体検出本体の組立の断面図(一)である。
【
図10B】気体検出本体の組立の断面図(二)である。
【
図10C】気体検出本体の組立の断面図(三)である。
【
図11】本発明の室外気体検出器、室内気体検出器及び制御駆動ユニットの接続回路のブロック図である。
【
図12A】本発明の室外気体検出器と室内気体交換システムの接続回路のブロック図である。
【
図12B】本発明の室内気体検出器と室内気体交換システムの接続回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の特徴及び利点を示す典型的な実施例を詳しく説明する。理解されるべきであることは、本発明の異なる態様には様々な変化があり、何れも本発明の範囲に含まれ、それについての説明及び図面は本質的に説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。
【0008】
図1Aから
図12Bに示すように、本発明は、気体汚染を受けた室内空間Aに対する濾過換気に適用される室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法を開示する。この方法は、以下のステップを含む。
【0009】
方法S1:室外の気体汚染を検出し、室外気体検出データを送信する。ここで、室外気体を検出し、室外気体検出データを送信するための室外気体検出器1aを提供する。
【0010】
方法S2:室内空間Aの気体汚染を検出し、室内気体検出データを送信する。室内気体を検出し、室内気体検出データを送信するための室内気体検出器1bを提供する。
【0011】
方法S3:室内気体交換システム2を提供し、室内空間Aの環境下で用いて浄化処理を実施することにより、室外の空気を室内空間Aに導入して濾過換気を実施する。ここで、室内気体交換システム2は、室外気体検出データと室内気体検出データを受信して比較し、室外の気体を室内空間Aに導入して換気を実施するための気体交換機21を含む。
【0012】
方法S4:気体交換機21は、室外気体検出データと室内気体検出データとを知能的に比較し、室内空間A内に対する換気操作を知能的に選択制御する。気体交換機21は、知能的運算により比較し、室内空間Aへの室外気体の導入を知能的に選択制御する。これによって、室内空間A内の気体汚染に対して換気を実施し、室内空間Aにおける気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がり、室内空間Aに対して迅速に換気して清潔で安全に呼吸できる状態となる。
【0013】
以上より、本発明は室内空間Aに対して換気の実施を知能的に選択することにより、室内における気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がり、ユーザが室内空間A内で清潔で安全な空気を呼吸できる室内気体交換システム2を提供する。以下、本発明の装置及び処理方法を詳しく説明する。
【0014】
上記室外気体検出データ及び室内気体検出データは、気体汚染を検出して得られたデータである。上記気体汚染は、浮遊粒子(PM1、PM2.5、PM10)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、オゾン(O3)、二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)、鉛(Pb)、総揮発性有機化合物(TVOC)、ホルムアルデヒド(HCHO)、細菌、及びウイルスのうちの1種又は複数種であってもよいが、これらに限定されない。
【0015】
図3及び
図12Aから
図12Bに示すように、上記室外気体検出器1a及び室内気体検出器1bは、気体検出モジュール3を含む。気体検出モジュール3は、制御回路基板31と、気体検出本体32と、マイクロプロセッサ33と、通信器34とを含む。気体検出本体32、マイクロプロセッサ33及び通信器34は、一体に形成されるとともに互いに電気的に接続されるように制御回路基板31にパッケージされる。マイクロプロセッサ33及び通信器34は、制御回路基板31上に設けられる。マイクロプロセッサ33は、気体検出本体32の駆動信号を制御して検出動作を起動し、気体検出モジュール3が検出した気体汚染を受信して運算処理を行い、通信器34を介して外部と通信し、気体検出本体32の検出資料(気体)を検出データに変換して記憶する。通信器34がマイクロプロセッサ33から出力した検出データ(気体)を受信し、検出データを室内気体交換システム2又は外部装置に送信する。外部装置はポータブルモバイルデバイス(図示せず)であってもよい。室内気体交換システム2の起動を制御し、送風量を調整することにより、気体汚染が安全検出値に下がり、室内空間A内の空気が清潔で安全に呼吸できる状態となるように室内空間Aを濾過する。具体的には、上記通信器34は室内気体交換システム2に接続されて信号を伝送する。送信される信号は、事前に設定された室内空間Aの広さに基づいて、気体汚染を安全検出値に下げるまでの作動時間を推定し、マイクロプロセッサ33により送風量及び室内気体交換システム2の数(これらに限定されない)を自動的に調整する。通信器34と外部との通信は、有線の双方向通信(例えば、USB、mini-USB、micro-USB)又は無線の双方向通信(例えば、Wi-Fi(登録商標)
通信モジュール、ブルートゥース(登録商標)
通信モジュール、無線周波数識別モジュール、近距離無線通信モジュールなど)であってもよい。
【0016】
上記室内気体検出器1bは室内空間A内に設けられるものである。室内気体検出器1bは、室内空間A内に固定されてもよいが、移動可能な検出装置であってもよい。本発明の実施例において、室内気体検出器1bは、腕時計、ブレスレットなどの使用者に装着可能なウェアラブルデバイスであってもよい(
図1Bから
図1E)。この場合、使用者が室内空間A内においていつでも室内空間Aの気体汚染を検出し、室内気体検出データを送信し、室内空間Aの気体汚染データを記録して表示することができる。したがって、本発明の室内気体検出器1bがモバイル検出装置である場合、室内気体検出器1bの気体検出モジュール3の通信器34は、無線の双方向通信を採用する。
【0017】
図4Aから
図10に示すように、上記気体検出本体32は、ベース321と、圧電アクチュエータ322と、駆動回路323と、レーザアセンブリ324と、微粒子センサ325と、外蓋326とを含む。
【0018】
上記ベース321は、第1表面3211と、第2表面3212と、レーザ設置領域3213と、入気溝3214と、気体ガイドアセンブリ配置領域3215と、排気溝3216とを含む。第1表面3211と第2表面3212とは互いに相対する2つの表面である。レーザ設置領域3213は、第1表面3211から第2表面3212に向かってくり抜いて形成される。また、外蓋326は、ベース321をカバーし、側板3261を有する。側板3261には、入気開口3261a及び排気開口3261bが形成される。入気溝3214は、第2表面3212から凹んで形成され、レーザ設置領域3213に近隣する。入気溝3214には、ベース321の外部に連通し、外蓋326の入気開口3261aに対応する入気通口3214aが設けられる。入気溝3214は両側壁に圧電アクチュエータ322の透光窓3214bが貫通されてレーザ設置領域3213に連通する。このように、ベース321の第1表面3211が外蓋326によってカバーされ、第2表面3212が駆動回路基板323によってカバーされることにより、入気溝3214は入気経路として形成される。
【0019】
気体ガイドアセンブリ配置領域3215は、第2表面3212から凹んで形成され、入気溝3214に連通し、底面に通気孔3215aが貫通する。気体ガイドアセンブリ配置領域3215の四隅にそれぞれ位置決め突起3215bが設けられる。上記排気溝3216には排気通口3216aが設けられる。排気通口3216aは、外蓋326の排気開口3261bに対応して設けられる。排気溝3216は、第1表面3211が気体ガイドアセンブリ配置領域3215の垂直投影領域へ凹んで形成される第1空間3216bと、気体ガイドアセンブリ配置領域3215の垂直投影領域において延在する空間であって第1表面3211から第2表面3212へくり抜いて形成された第2空間3216cとを含む。第1空間3216bと第2空間3216cは段差があって連通する。排気溝3216の第1空間3216bは、気体ガイドアセンブリ配置領域3215の通気孔3215aに連通し、排気溝3216の第2空間3216cは、排気通口3216aに連通する。このように、ベース321の第1表面3211が外蓋326によってカバーされ、第2表面3212が駆動回路基板323によってカバーされる場合、排気溝3216と駆動回路基板323によって排気経路が構成される。
【0020】
上記レーザアセンブリ324及び微粒子センサ325はいずれも駆動回路基板323に設けられるとともに、ベース321内に位置する。レーザアセンブリ324及び微粒子センサ325與ベース321の位置を明確に説明するために、駆動回路基板323を省略して説明する。レーザアセンブリ324は、ベース321のレーザ設置領域3213内に収容され、微粒子センサ325は、ベース321の入気溝3214内に収容され、レーザアセンブリ324に位置合わせする。また、レーザアセンブリ324は透光窓3214bに対応する。透光窓3214bは、レーザアセンブリ324が発射するレーザ光が通過するためのものであり、レーザ光は入気溝3214に照射される。レーザアセンブリ324が発射する光束経路は透光窓3214bを通過し、入気溝3214と直交する。レーザアセンブリ324が発射する光束は透光窓3214bを通過して入気溝3214内に入り、入気溝3214内の気体が光束に照射される。光束が気体に接触すると、散乱して投影スポットが発生する。微粒子センサ325はその直交方向における位置にあり、散乱による投影スポットを受信して計算することで気体の検出データを取得する。微粒子センサ325は、浮遊粒子(PM1、PM2.5、PM10)の情報を検出する。また、気体センサ327aは、駆動回路基板323に電気的に接続するように設けられ、排気溝3216内に収容され、排気溝3216に導入される気体汚染を検出する。本発明の好ましい実施例において、気体センサ327aは二酸化炭素又は総揮発性有機化合物の気体情報を検出する揮発性有機化合物センサ、ホルムアルデヒド気体情報を検出するホルムアルデヒドセンサ、細菌、真菌の情報を検出する細菌センサ、又はウイルス情報を検出するウイルスセンサである。
【0021】
上記圧電アクチュエータ322は、ベース321の正方形の気体ガイドアセンブリ配置領域3215に収容される。また、気体ガイドアセンブリ配置領域3215は入気溝3214に連通する。圧電アクチュエータ322が作動すると、入気溝3214内の気体を圧電アクチュエータ322に吸い取り、気体は気体ガイドアセンブリ配置領域3215の通気孔3215aを通過して排気溝3216に入る。上記駆動回路基板323はベース321の第2表面3212をカバーする。レーザアセンブリ324は、駆動回路基板323に電気的に接続するように設けられる。微粒子センサ325も駆動回路基板323に電気的に接続するように設けられる。外蓋326がベース321をカバーしている場合、入気開口3261aはベース321の入気通口3214aに対応し、排気開口3261bはベース321の排気通口3216aに対応する。
【0022】
図8Aから
図9Cに示すように、上記圧電アクチュエータ322は、噴気孔シート3221と、キャビティフレーム3222と、作動体3223と、絶縁フレーム3224と、導電性フレーム3225とを含む。噴気孔シート3221は、可撓性材質であり、浮遊シート3221a及び中空孔3221bを有する。浮遊シート3221aは、屈曲振動可能なシート状構造であり、その形状及びサイズが気体ガイドアセンブリ配置領域3215の内縁に対応する。中空孔3221bは、気体が流れるものであり、浮遊シート3221aの中心を貫通する。本発明の好ましい実施例において、浮遊シート3221aの形状は四角形、円形、楕円形、三角形及び多角形のうちの1つであってもよい。上記キャビティフレーム3222は、噴気孔シート3221上に積層され、その外観が噴気孔シート3221に対応する。作動体3223は、キャビティフレーム3222上に積層され、噴気孔シート3221及び浮遊シート3221aとの間に共振チャンバ3226が形成される。絶縁フレーム3224は、作動体3223に積層され、その外観がキャビティフレーム3222に類似する。導電性フレーム3225は、絶縁フレーム3224上に積層され、その外観が絶縁フレーム3224に類似する。導電性フレーム3225は、導電性ピン3225a及び導電性電極3225bを有する。導電性ピン3225aは、導電性フレーム3225の外縁から外部へ延在し、導電性電極3225bは、導電性フレーム3225の内縁から内部へ延在する。作動体3223は、圧電載置板3223aと、調整共振板3223bと、圧電板3223cとをさらに含む。圧電載置板3223aは、キャビティフレーム3222に積層される。調整共振板3223bは、圧電載置板3223a上に積層される。圧電板3223cは、調整共振板3223b上に積層される。調整共振板3223b及び圧電板3223cは、絶縁フレーム3224内に配置される。導電性フレーム3225の導電性電極3225bを介して圧電板3223cに電気的に接続される。本発明の好ましい実施例において、圧電載置板3223a及び調整共振板3223bはいずれも導電性材料である。圧電載置板3223aは、圧電ピン3223dを有する。圧電ピン3223d及び導電性ピン3225aは、駆動回路基板323上の駆動回路(図示せず)に接続され、駆動信号(駆動周波数及び駆動電圧)を受信する。これによって、駆動信号は、圧電ピン3223d、圧電載置板3223a、調整共振板3223b、圧電板3223c、導電性電極3225b、導電性フレーム3225及び導電性ピン3225aは信号を伝送する回路を構成する。絶縁フレーム3224は導電性フレーム3225と作動体3223を隔離することにより、短絡現象の発生が回避され、駆動信号は圧電板3223cに伝送され得る。圧電板3223cは、駆動信号を受信した後、圧電効果によって変形し、さらに圧電載置板3223a及び調整共振板3223bを往復に屈曲振動するように駆動する。
【0023】
そして、調整共振板3223bは、圧電板3223cと圧電載置板3223aとの間に位置し、両者の間の緩衝材として圧電載置板3223aの振動周波数を調整することができる。基本的には、調整共振板3223bの厚さは圧電載置板3223aよりも大きく、調整共振板3223bの厚さを調整することにより作動体3223の振動周波数を調整することができる。
【0024】
図7A、
図7B、
図8A、
図8B及び
図9Aに示すように、噴気孔シート3221、キャビティフレーム3222、作動体3223、絶縁フレーム3224及び導電性フレーム3225は、順に気体ガイドアセンブリ配置領域3215内に積層されるとともに位置決めされることにより、圧電アクチュエータ322は、気体ガイドアセンブリ配置領域3215内に位置決めされる。圧電アクチュエータ322において、浮遊シート3221aと気体ガイドアセンブリ配置領域3215の内縁との間に気体が流れる隙間3221cが形成される。上記噴気孔シート3221と気体ガイドアセンブリ配置領域3215の底面との間に気流チャンバ3227が形成される。気流チャンバ3227は、噴気孔シート3221の中空孔3221bを介して作動体3223、キャビティフレーム3222及び浮遊シート3221aの間の共振チャンバ3226に連通し、共振チャンバ3226中の気体の振動周波数により、浮遊シート3221aの振動周波数と同じようになり、共振チャンバ3226と浮遊シート3221aがヘルムホルツ共振効果(Helmholtz resonance)を発生し、気体の輸送効率を向上できる。圧電板3223cが気体ガイドアセンブリ配置領域3215の底面から離間する方向へ移動する際に、噴気孔シート3221の浮遊シート3221aは、圧電板3223cに伴って気体ガイドアセンブリ配置領域3215の底面から離間する方向へ移動し、これによって、気流チャンバ3227の容積が急激に大きくなり、内部圧力が低下して負圧が形成され、圧電アクチュエータ322の外部の気体が吸引されて隙間3221cから入り、中空孔3221bから共振チャンバ3226に入ることで共振チャンバ3226内の気圧が高くなり、圧力勾配が形成される。圧電板3223cが噴気孔シート3221の浮遊シート3221aを連れて気体ガイドアセンブリ配置領域3215の底面へ移動する際に、共振チャンバ3226中の気体が中空孔3221bより素早く排出され、気流チャンバ3227内の気体が圧縮され、集まった気体はベルヌーイの定理に近い理想気体状態で素早く気体ガイドアセンブリ配置領域3215の通気孔3215aから大量吐出される。
図9B及び
図9Cに示される動作を繰り返すことにより、圧電板3223cは往復に振動する。慣性の原理によれば、排気後の共振チャンバ3226の内部気圧が平衡気圧よりも低くなるため、気体は再度共振チャンバ3226に入る。このようにして、共振チャンバ3226中の気体の振動周波数を圧電板3223cの振動周波数と同じになるように制御し、ヘルムホルツ共振効果を発生し、高速かつ大量の気体の輸送を実現する。気体は外蓋326の入気開口3261aから入り、入気通口3214aを経てベース321の入気溝3214に入り、微粒子センサ325の位置に流れる。さらに、圧電アクチュエータ322の持続的駆動により、入気経路における気体が吸い取られ、外部気体は素早く導入され、安定して流れ、微粒子センサ325の上方を通過する。この場合、レーザアセンブリ324が光束を発射し、光束は透光窓3214bから入気溝3214に入り、微粒子センサ325の上方を通過する。微粒子センサ325の光束が気体における浮遊粒子に照射されると、散乱現象及び投影スポットが発生する。微粒子センサ325が散乱による投影スポットを受信して計算することにより、気体に含まれる浮遊粒子の粒子径及び濃度などの関連情報を取得する。また、微粒子センサ325の上方の気体は、圧電アクチュエータ322によって持続的に駆動されることで気体ガイドアセンブリ配置領域3215の通気孔3215aに導入されて排気溝3216に入る。最後に、気体が排気溝3216に入った後、圧電アクチュエータ322が気体を排気溝3216に絶えずに輸送するため、排気溝3216内の気体は押されて排気通口3216a及び排気開口3261bから外部へ排出される。
【0025】
図2に示すように、上記室内気体交換システム2の気体交換機21は、少なくとも1つの入気口211と、入気通路212と、清浄ユニット213と、少なくとも1つの導風機214と、少なくとも1つの排気口215と、少なくとも1つの換気入口216と、換気通路217と、少なくとも1つの換気出口218と、制御駆動ユニット219とを含む。入気口211は入気通路212に連通する。清浄ユニット213は入気通路212内に設けられ、入気口211から導入された気体を濾過浄化する。排気口215は入気通路212に連通し、導風機214に接続され、入気通路212で濾過浄化された気体が排気口215から導出されて室内空間Aに入る。換気入口216は換気通路217に連通し、換気通路217は換気出口218に連通する。制御駆動ユニット219は、導風機214の動作を制御するとともに、室外気体検出データ及び室内気体検出データを受信した後に知能的な運算により比較することを制御し、これによって、室内空間A内の気体汚染の室内気体検出データを安全検出値に下げるために、室外の気体を室内空間A内に導入することで室内空間Aの気体汚染に対して換気を行うかを選択制御する。
【0026】
本発明の実施例において、制御駆動ユニット219が室外気体検出データと室内気体検出データとを比較する。室外気体検出データが室内気体検出データよりも良好である場合、室外の気体を室内空間Aに導入するように知能的に選択制御する。制御駆動ユニット219は、気体交換機21の起動動作を知能的に実行し、動作必要時間を制御し、室外の気体を入気口211から入気通路212に導入し、清浄ユニット213により濾過浄化処理を実施し、さらに導風機214により排気口215に導入されて室内空間Aに入る。同時に、室内空間A内の気体汚染が換気入口216から換気通路217に導出され、最後に換気出口218から室外に排出され、室内空間A内の気体汚染の室外への交換が促進され、室内空間A内の気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。
【0027】
本発明の実施例において、制御駆動ユニット219が室外気体検出データと室内気体検出データとを比較する。室内気体検出データが室外気体検出データよりも良好である場合、室外の気体を室内空間A内に導入しないように知能的に選択制御する。気体交換機21の制御駆動ユニット219は、気体交換機21の停止動作を知能的に実行し、室外の気体が室内空間A内に導入されない。同時に、室内空間Aの気体汚染が換気入口216から換気通路217に導出され、最後に換気出口218から排出され、室内空間Aの気体汚染の室外への交換が促進され、室内空間A内の気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。
【0028】
図1Bに示すように、室内気体交換システム2は、室内空間Aの気体汚染を濾過浄化するための清浄機22を含む。清浄機22は、気体検出モジュール3を含む。気体検出モジュール3のマイクロプロセッサ33は、清浄機22の装置気体検出データを通信器34に送信し、通信器34はさらに外部に無線送信する。清浄機22の装置気体検出データが汚染状態である場合、気体検出モジュール3が知能的に清浄機22の起動動作を実行し、動作必要時間を制御することにより、室内空間Aの気体汚染が濾過浄化され、気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。また、気体検出モジュール3は、清浄機22の濾過材を検出し、交換をリマインドする機能を有する。
【0029】
本発明の実施例において、気体交換機21は、室外気体検出データと室内気体検出データとを比較する。室内気体検出データが室外気体検出データよりも良好でありかつ清浄機22の装置気体検出データが汚染状態である場合、気体交換機21は、室外の気体が室内空間A内に導入しないように知能的に選択制御する。気体交換機21は、停止動作を知能的に実行することにより、室外の気体は室内空間Aに導入されない。また、気体検出モジュール3は、知能的に清浄機22の起動動作を選択実行し、動作必要時間を制御することにより、室内空間A内の気体汚染が濾過浄化され、気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。
【0030】
図1Bに示すように、室内気体交換システム2は、室内空間Aの温度及び湿度を調整するための空調機23(セントラル空調又は個別空調であってもよい)を含む。空調機23は、気体検出モジュール3を含む。気体検出モジュール3のマイクロプロセッサ33は、空調機23の装置気体検出データを通信器34に送信し、通信器34はさらに外部に無線送信する。空調機23の装置気体検出データが汚染状態である場合、空調機23の気体検出モジュール3は、知能的に空調機23の起動動作を選択実行し、動作必要時間を制御することにより、室内空間Aの温度、湿度、気流を調節し、気体汚染を濾過浄化することで気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。気体検出モジュール3は、空調機23の濾過材を検出し、交換をリマインドする機能を有する。
【0031】
本発明の実施例において、気体交換機21は室外気体検出データと室内気体検出データとを比較する。室内気体検出データが室外気体検出データよりも良好でありかつ空調機23の装置気体検出データが汚染状態である場合、気体交換機21は、室外の気体が室内空間A内に導入されないように知能的に選択制御し、気体交換機21の停止動作を実行することにより、室外の気体が室内空間Aに導入されない。また、気体検出モジュール3は、知能的に空調機23の起動動作を選択実行し、動作必要時間を制御することにより、室内空間Aの気体汚染が室外に排出され、気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。
【0032】
図1Cに示すように、室内気体交換システム2は、室内空間Aの気体汚染を吸い取って室外に排出するためのレンジフード24を含む。レンジフード24は、気体検出モジュール3を含む。気体検出モジュール3のマイクロプロセッサ33は、マイクロプロセッサ33の装置気体検出データを通信器34に送信し、通信器34はさらに外部に無線送信する。レンジフード24の装置気体検出データが汚染状態である場合、気体検出モジュール3は、レンジフード24の起動動作を知能的に選択実行し、動作必要時間を制御することにより、室内空間Aの気体汚が室外に排出され、気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。また、気体検出モジュール3は、検出レンジフード24の濾過材を検出し、交換をリマインドする機能を有する。
【0033】
本発明の実施例において、気体交換機21は室外気体検出データと室内気体検出データとを比較する。室内気体検出データが室外気体検出データよりも良好でありかつレンジフード24の装置気体検出データが汚染状態である場合、気体交換機21は、室外の気体が室内空間A内に導入されないように知能的に選択制御し、気体交換機21の停止動作を実行することにより、室外の気体が室内空間Aに導入されない。同時に、気体検出モジュール3は、レンジフード24の起動動作を知能的に選択実行し、動作必要時間を制御することにより、室内空間Aの気体汚染が室外に排出され、気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。
【0034】
図1Dに示すように、室内気体交換システム2は、室内空間Aの気体汚染がポンプして室外に排出するための排風機25を含む。排風機25は、気体検出モジュール3を含む。気体検出モジュール3のマイクロプロセッサ33は、マイクロプロセッサ33の装置気体検出データを通信器34に送信し、通信器34はさらに外部に無線送信する。排風機25の装置気体検出データが汚染状態である場合、気体検出モジュール3は、排風機25の起動動作を知能的に選択実行し、動作必要時間を制御することにより、室内空間Aの気体汚染が室外に排出され、気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。気体検出モジュール3は、排風機25の濾過材を検出し、交換をリマインドする機能を有する。
【0035】
図1Eに示すように、室内気体交換システム2は、室内空間Aの気体汚染の対流を加速するための扇風機26を含む。扇風機26は、気体検出モジュール3を含む。気体検出モジュール3のマイクロプロセッサ33は、扇風機26の装置気体検出データを通信器34に送信し、通信器34はさらに外部に無線送信する。扇風機26の装置気体検出データが汚染状態である場合、気体検出モジュール3は、扇風機26の起動動作を知能的に選択実行し、動作必要時間を制御することにより、室内空間Aの気体汚染の対流が加速され、気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。気体検出モジュール3は、扇風機26の濾過材を検出し、交換をリマインドする機能を有する。
【0036】
本発明の実施例において、気体交換機21は室外気体検出データと室内気体検出データとを比較する。室内気体検出データが室外気体検出データよりも良好でありかつ扇風機26の装置気体検出データが汚染状態である場合、気体交換機21は、室外の気体が室内空間A内に導入されないように知能的に選択制御し、気体交換機21の停止動作を実行することにより、室外の気体は室内空間Aに導入されない。同時に気体検出モジュール3は、扇風機26の起動動作を知能的に選択実行し、動作必要時間を制御することにより、室内空間Aの気体汚染の対流が加速され、気体汚染の室内気体検出データが安全検出値に下がる。
【0037】
上記安全検出値については、具体的に、浮遊粒子2.5(PM2.5)の濃度が10μg/m3未満、二酸化炭素(CO2)の濃度が1000ppm未満、総揮発性有機化合物(TVOC)の濃度が0.56ppm未満、ホルムアルデヒド(HCHO)の濃度が0.08ppm未満、細菌数が1500CFU/m3未満、真菌数が1000CFU/m3未満、二酸化硫黄の濃度が0.075ppm未満、二酸化窒素の濃度が0.1ppm未満、一酸化炭素の濃度が35ppm未満、オゾンの濃度が0.12ppm未満、鉛の濃度が0.15μg/m3未満である。
【0038】
また、上記気体交換機21の清浄ユニット213は、複数の実施形態の組み合わせてあってもよい。例えば、清浄ユニット213は高効率濾網213a(High-Efficiency Particulate Air,HEPA)である。気体が導風機214により入気口211から入気通路212に導入されると、高効率濾網213aは気体に含まれる化学スモッグ、細菌、塵埃粒子及び花粉を吸着することにより、気体交換機21に導入された気体が濾過浄化される効果が達成される。いくつかの実施例において、高効率濾網213aに清浄因子となる二酸化塩素が塗布されることで気体交換機21に導入された気体におけるウイルス、細菌、真菌を抑制する。高効率濾網213aに清浄因子となる二酸化塩素を塗布することにより、気体交換機21外の気体におけるウイルス、細菌、真菌、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、エンテロウイルス、ノロウイルスに対する抑制率が99%以上に達することができるため、ウイルスの交差感染が抑制され得る。いくつかの実施例において、高効率濾網213aには銀杏及び日本ヌルデの抽出物の草本保護層が塗布されて、草本保護抗アレルギー濾網を構成する。これによって、効果的に抗アレルギーするとともに、濾網を通過するインフルエンザウイルスの表面タンパク質、及び気体交換機21により導入されて高効率濾網213aを通過する気体におけるインフルエンザウイルス(例えば、H1N1)の表面タンパク質を破壊することができる。別の実施例において、高効率濾網213aに銀イオンが塗布されることで気体交換機21により導入された気体におけるウイルス、細菌、真菌を抑制する。
【0039】
別の実施例において、清浄ユニット213は、高効率濾網213aと光触媒ユニット213bとを組み合わせた態様であってもよい、光触媒ユニット213bは、光触媒2131b及び紫外線ライト2132bを含む。光触媒2131bは、紫外線ライト2132bの照射により気体交換機21が導入した気体を分解して濾過浄化を行う。光触媒2131b及び紫外線ライト2132bは入気通路212に間隔をあけて設けられる。気体交換機21は室外気体を導風機214により入気通路212に導入し、光触媒2131bは紫外線ライト2132bの照射により光エネルギを電気エネルギーに変換し、気体における有害物質を分解して消毒殺菌を行い、気体を濾過及び浄化する効果を達成する。
【0040】
別の実施例において、清浄ユニット213は、高効率濾網213aと光プラズマユニット213cとを組み合わせた態様であってもよい。光プラズマユニット213cは、ナノ光管を含む。ナノ光管で気体交換機21が導入した室外の気体に照射することにより、気体に含まれる揮発性有機気体が分解して浄化される。ナノ光管は入気通路212内に設けられる。気体交換機21が室外の気体を導風機214により入気通路212に導入すると、ナノ光管が導入された気体に照射することにより、気体に含まれる酸素分子及び水分子は高酸化性の光プラズマに分解し、有機分子を破壊するイオン気流を形成し、気体に含まれる揮発性ホルムアルデヒド、トルエン、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds,VOC)などの気体分子を水及び二酸化炭素に分解することで気体の濾過及び浄化効果を達成する。
【0041】
別の実施例において、清浄ユニット213は、高効率濾網213aとマイナスイオンユニット213dとを組み合わせた対応であってもよい。マイナスイオンユニット213dは、少なくとも1つの電極線2131dと、少なくとも1つの集塵板2132dと、昇圧電源2133dとを含む。電極線2131dの高電圧放電により、気体交換機21が室外から導入した気体に含まれる微粒子が集塵板2132dに吸着されて濾過浄化される。電極線2131d、集塵板2132dは気体流路に設けられる。昇圧電源2133dは電極線2131dに高電圧放電を提供する。集塵板2132dは負に帯電する。気体交換機21が室外から導入した気体は導風機214により入気通路212に導入され、電極線2131dの高電圧放電により、気体に含まれる微粒子が正に帯電するため、負に帯電する集塵板2132dに付着することで、導入された気体を濾過浄化する効果が達成される。
【0042】
別の実施例において、清浄ユニット213は、高効率濾網213aとプラズマイオンユニット213eとを組み合わせた態様であってもよい。プラズマイオンユニット213eは、第1電界保護網2131eと、吸着濾網2132eと、高電圧放電電極2133eと、第2電界保護網2134eと、昇圧電源2135eとを含む。昇圧電源2135eは、高電圧放電電極2133eに高電圧を提供し、高電圧プラズマプルームを産生し、高電圧プラズマプルームにおけるプラズマイオンは気体交換機21が室外から導入した気体におけるウイルス及び細菌を分解する。第1電界保護網2131e、吸着濾網2132e、高電圧放電電極2133e及び第2電界保護網2134eは、気体流路内に設けられる。吸着濾網2132e及び高電圧放電電極2133eは、第1電界保護網2131eと第2電界保護網2134eとの間に設けられる。昇圧電源2135eは、高電圧放電電極2133eに高電圧放電を提供してプラズマイオンを有する高電圧プラズマプルームを産生する。気体交換機21は室外の気体を導風機214により入気通路212に導入し、プラズマイオンにより気体に含まれる酸素分子及び水分子を電離してカチオン(H+)及びアニオン(O2-)を産生する。イオンの周囲に水分子が付着した物質は、ウイルス及び細菌の表面に付着した後、化学反応の作用下で強酸化性の活性酸素(ヒドロキシ、OH基)に変換し、ウイルス及び細菌の表面タンパク質の水素を奪い、それを酸化して分解することにより、導入された気体を濾過浄化する効果が達成される。
【0043】
別の実施例において、清浄ユニット213は高効率濾網213aのみからなるか;又は高効率濾網213aと光触媒ユニット213b、光プラズマユニット213c、マイナスイオンユニット213d、プラズマイオンユニット213eのうちのいずれか1つのユニットとの組み合わせであるか;又は高効率濾網213aと、光触媒ユニット213b、光プラズマユニット213c、マイナスイオンユニット213d及びプラズマイオンユニット213eのうちのいずれか2つのユニットとの組み合わせであるか;又は高効率濾網213aと、光触媒ユニット213b、光プラズマユニット213c、マイナスイオンユニット213d及びプラズマイオンユニット213eのいずれか3つのユニットとの組み合わせ;又は高効率濾網213aと光触媒ユニット213b、光プラズマユニット213c、マイナスイオンユニット213d及びプラズマイオンユニット213eとの組み合わせである。
【0044】
本発明の好ましい実施例において、上記導風機214は、ファンであってもよいが、ボルテックスファン又は遠心ファンなどに限定されない。導風機214のオン・オフ及び動作時の送風量は、上記制御駆動ユニット219によって制御され得る。その送風量は200から1600クリーンエア供給率(CADR)の範囲であってもよい。
【0045】
以上より、本発明の室外気体検出器1a及び室内気体検出器1bは、気体における浮遊粒子だけでなく、導入された気体の特性に対して検出することができる。例えば、気体は、ホルムアルデヒド、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、オゾンなどである。そのため、本発明の室外気体検出器1a及び室内気体検出器1bは、気体センサ327aをさらに含む。気体センサ327aは、位置決めして設けられ、かつ駆動回路基板323に電気的に接続され、排気溝3216内に配置され、排気経路から導出された気体に含まれる揮発性有機化合物の濃度及び特性を検出する。
【符号の説明】
【0046】
1a:室外気体検出器
1b:室内気体検出器
2:室内気体交換システム
21:気体交換機
211:入気口
212:入気通路
213:清浄ユニット
213a:高効率濾網
213b:光触媒ユニット
2131b:光触媒
2132b:紫外線ライト
213c:光プラズマユニット
213d:マイナスイオンユニット
2131d:電極線
2132d:集塵板
2133d:昇圧電源
213e:プラズマイオンユニット
2131e:第1電界保護網
2132e:吸着濾網
2133e:高電圧放電電極
2134e:第2電界保護網
2135e:昇圧電源
214:導風機
215:排気口
216:換気入口
217:換気通路
218:換気出口
219:制御駆動ユニット
22:清浄機
23:空調機
24:レンジフード
25:排風機
26:扇風機
3:気体検出モジュール
31:制御回路基板
32:気体検出本体
321:ベース
3211:第1表面
3212:第2表面
3213:レーザ設置領域
3214:入気溝
3214a:入気通口
3214b:透光窓
3215:気体ガイドアセンブリ配置領域
3215a:通気孔
3215b:位置決め突起
3216:排気溝
3216a:排気通口
3216b:第1空間
3216c:第2空間
322:圧電アクチュエータ
3221:噴気孔シート
3221a:浮遊シート
3221b:中空孔
3221c:隙間
3222:キャビティフレーム
3223:作動体
3223a:圧電載置板
3223b:調整共振板
3223c:圧電板
3223d:圧電ピン
3224:絶縁フレーム
3225:導電性フレーム
3225a:導電性ピン
3225b:導電性電極
3226:共振チャンバ
3227:気流チャンバ
323:駆動回路基板
324:レーザアセンブリ
325:微粒子センサ
326:外蓋
3261:側板
3261a:入気開口
3261b:排気開口
327a:気体センサ
33:マイクロプロセッサ
34:通信器
A:室内空間
S1~S4:室内空気汚染の知能的な防止及び解決方法