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特許7556842サニタリー流通部に汎用センサーを着脱自在に取り付ける取付構造、および該汎用センサーの取付構造を備えるサニタリー流通部
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】サニタリー流通部に汎用センサーを着脱自在に取り付ける取付構造、および該汎用センサーの取付構造を備えるサニタリー流通部
(51)【国際特許分類】
   F16L 23/036 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
F16L23/036
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021191903
(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公開番号】P2023078667
(43)【公開日】2023-06-07
【審査請求日】2023-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000222336
【氏名又は名称】トーステ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004152
【氏名又は名称】弁理士法人お茶の水内外特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100181766
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 均
(74)【代理人】
【識別番号】100187193
【弁理士】
【氏名又は名称】林 司
(72)【発明者】
【氏名】荒木 悠矢
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-062079(JP,A)
【文献】特開2011-220965(JP,A)
【文献】国際公開第2021/123191(WO,A1)
【文献】特表2021-527815(JP,A)
【文献】実開昭48-045641(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第111121844(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 1/00-59/22
G01D 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い衛生性・安全性が必要とされるサニタリー製品またはその原材料である流体を流通させるサニタリー配管、貯留タンク等の設備(以下、「サニタリー流通部」という。)に、圧力、温度、流量等の値を測定する、下端にフランジ部を有する汎用センサーを、汎用クランプ等の汎用締結具を用いて着脱自在に取り付ける取付構造であって、
前記サニタリー流通部の汎用センサー装着口の開口縁に設置された汎用センサー取付台座に、前記汎用センサー下端のフランジ部を連結すること、および
前記フランジ部を、分割押さえフランジを用い上方から押圧して、前記汎用センサー取付台座に締結・固定すること
を特徴とする、サニタリー流通部への汎用センサーの取付構造。
【請求項2】
前記サニタリー流通部への前記汎用センサー取付台座の設置が、前記汎用クランプ等の汎用締結具を用いて、前記サニタリー流通部に締結・固定された汎用センサー取付台座の取付部に、前記汎用センサー取付台座を取り付けることにより行われることを特徴とする、請求項1に記載のサニタリー流通部への汎用センサーの取付構造。
【請求項3】
前記サニタリー流通部への前記汎用センサー取付台座の設置が、前記サニタリー流通部に前記汎用センサー取付台座を一体に設けることにより行われることを特徴とする、請求項1に記載のサニタリー流通部への汎用センサーの取付構造。
【請求項4】
前記分割押さえフランジを用いた、前記フランジ部の前記汎用センサー取付台座への締結・固定が、ボルト等の汎用固定具または前記汎用クランプ等の汎用締結具を用いて行われることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のサニタリー流通部への汎用センサーの取付構造。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のサニタリー流通部への汎用センサーの取付構造を備えることを特徴とする、サニタリー流通部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、高い衛生性・安全性が必要とされるサニタリー製品またはその原材料である流体(以下、「サニタリー流体」という。)を流通させる、サニタリー配管、貯留タンク等の設備(以下、「サニタリー流通部」という。)に、サニタリー流体の圧力、温度、流量等の値を測定する、下端にフランジ部を有する汎用センサーを着脱自在に取り付ける取付構造、および該汎用センサーの取付構造を備えるサニタリー流通部に関する。
【背景技術】
【0002】
高い衛生性・安全性が必要とされるサニタリー製品(食品、醸造、バイオ医薬品、乳業、化学薬品等の製品)の製造では、サニタリー流通部に、サニタリー流体の圧力、温度、流量等の値を測定し、製造工程を厳しく監視するためのセンサーが多数設けられる。
【0003】
高い衛生性・安全性を確保するために、サニタリー流通部は、製品製造後にCIP洗浄(Cleaning in Place:定置洗浄)、SIP滅菌(Sterilizing in Place:定置滅菌)による洗浄・滅菌が行われるが、センサーの精度を維持・管理するためには、センサーの校正・点検が頻繁に行われ、このため、サニタリー流通部にセンサーを経済的かつ容易に着脱できるようにする必要がある。
【0004】
特許文献1には、[図10]に示すように、配管20の途中に設けた枝管21のフランジ22と、サニタリー圧力計23のフランジ24を、クランプ25で締結・固定した取付構造が開示されている。このような取付構造では、配管20へのサニタリー圧力計23の着脱は容易に行えるが、枝管21が所謂立ち上がり管となっていることから、配管20の内部にデッド部(液がよどみ、溜まる部分)が生じサニタリー流体の品質に悪影響が生じ、また、CIP洗浄、SIP滅菌によっても、洗浄・滅菌が十分に行えないという問題が生じる。
【0005】
この問題を解決するために、デッド部を無くする取付構造が提案されている。特許文献1には、[図11]に示すように、配管20の連結用丸孔26の開口縁に設けた連結用フランジ27と、サニタリー圧力計23のフランジ24を、クランプ25で締結・固定した取付構造が開示されている。また、特許文献2には、[図12]に示すような、タンク30の開口部と、器具31およびチューブ32を、連結装置33を用いて締結・固定する取付構造が開示されており、この連結装置33は、[図13]に示すように、2つのテンションループ34、ナット及びボルト締結体の固定装置35、およびヒンジ36等を備えている。
【0006】
しかしながら、特許文献1のような、配管20の連結用フランジ27と、サニタリー圧力計23のフランジ24を、クランプ25で締結・固定する取付構造では、連結用フランジ27の形状に対応した形状のフランジを有する、サニタリー圧力計23等の特殊形状のセンサーを常に用いる必要があり、経費を節減したり、故障時に即座に対応するために汎用のセンサーを使用することはできない。また、特許文献2のような、連結装置33を用いて締結・固定する取付構造では、[図14]に示すように、テンションループ34の内側面を、器具31またはチューブ32に設けられた連結用フランジ37、および、タンク30に設けられた連結用フランジ38の形状に対応した特殊な形状とする必要があるため、連結装置33として汎用クランプ等の汎用締結具を使用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2004-340739号公報
【文献】特許第5276090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本件発明は、デッド部が無く、汎用クランプ等の汎用締結具を用いて、汎用のセンサーをサニタリー流通部に経済的かつ容易に着脱できる取付構造、および、該取付構造を備えるサニタリー流通部を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本件発明者等は、デッド部が無く、かつ、汎用クランプ等の汎用締結具を用いて、汎用のセンサーをサニタリー流通部に経済的かつ容易に着脱できる取付構造について鋭意検討し、本件発明を成したものである。
【0010】
本件発明の要旨を以下に示す。
(1)高い衛生性・安全性が必要とされるサニタリー製品またはその原材料である流体を流通させるサニタリー配管、貯留タンク等の設備(以下、「サニタリー流通部」という。)に、圧力、温度、流量等の値を測定する、下端にフランジ部を有する汎用センサーを、汎用クランプ等の汎用締結具を用いて着脱自在に取り付ける取付構造であって、前記サニタリー流通部の汎用センサー装着口の開口縁に設置された前記汎用センサー取付台座に、前記汎用センサー下端のフランジ部を連結すること、および
前記フランジ部を、分割押さえフランジを用い上方から押圧して、前記汎用センサー取付台座に締結・固定すること
を特徴とする、サニタリー流通部への汎用センサーの取付構造。
(2)前記サニタリー流通部への前記汎用センサー取付台座の設置が、前記汎用クランプ等の汎用締結具を用いて、前記サニタリー流通部に締結・固定された汎用センサー取付台座の取付部に、前記汎用センサー取付台座を取り付けることにより行われることを特徴とする、(1)に記載のサニタリー流通部への汎用センサーの取付構造。
(3)前記サニタリー流通部への前記汎用センサー取付台座の設置が、前記サニタリー流通部に前記汎用センサー取付台座を一体に設けることにより行われることを特徴とする、(1)に記載のサニタリー流通部への汎用センサーの取付構造。
(4)前記分割押さえフランジを用いた、前記フランジ部の前記汎用センサー取付台座への締結・固定が、ボルト等の汎用固定具または前記汎用クランプ等の汎用締結具を用いて行われることを特徴とする、(1)~(3)のいずれかに記載のサニタリー流通部への汎用センサーの取付構造。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載のサニタリー流通部への汎用センサーの取付構造を備えることを特徴とする、サニタリー流通部。
【発明の効果】
【0011】
本件発明のデッド部が無く、汎用クランプ等の汎用締結具を用いて、下端にフランジ部を有する汎用のセンサーをサニタリー流通部に経済的かつ容易に着脱できる取付構造、および該取付構造を備えるサニタリー流通部では、
a)サニタリー流通部の汎用センサー装着口の開口縁に、汎用センサー取付台座を設置すること、
b)前記汎用センサー取付台座に、前記汎用センサー下端のフランジ部を連結すること
c)前記フランジ部を、分割押さえフランジを用い上方から押圧して、前記汎用センサー取付台座に締結・固定すること
により、
デッド部を無くし、汎用クランプ等の汎用締結具を用いて、フランジ部の形状・構造が様々である、市販されている、下端にフランジ部を有する汎用センサーを、サニタリー流通部に経済的かつ容易に着脱可能に取り付けることができる。
【0012】
さらに、製品の高い衛生性・安全性を確保するためにはサニタリー流通部をセンサーにより厳しく監視する必要があるが、汎用センサーの着脱が経済的かつ容易に行えることから、センサーの校正・点検が簡単に行え、センサーの精度の維持・管理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本件発明の第1実施形態における、サニタリー配管への汎用センサーの取付構造を示す模式図であり、左半分は外観図、右半分は断面図である。
図2】上記[図1]の取付構造の連結および締結・固定を解除して、構成部材の組み立て状況を示す外観模式図である。
図3】上記[図1]および[図2]で用いられている分割押さえフランジを上方から見た外観模式図である。
図4】本件発明の第2実施形態における、サニタリー配管への汎用センサーの取付構造を示す模式図であり、下半分の取付構造部は断面図である。
図5】上記[図4]の取付構造において用いられる分割押さえフランジを示す模式図であり、左半分は断面図、右半分は外観図である。
図6】上記[図4]の取付構造において用いられる汎用センサー取付台座を示す模式図であり、左半分は断面図、右半分は外観図である。
図7】本件発明の第3実施形態における、サニタリー流通部への汎用センサーの取付構造を示すものであり、左半分は外観図、右半分は断面図である。
図8】上記[図7]のサニタリー流通部への汎用センサーの取付構造の部分拡大図である。
図9】本件発明の第4実施形態における、サニタリー流通部への汎用センサーの取付構造を示すものであり、取付構造の連結および締結・固定を解除して、各部材の組み立て状況を示す外観模式図である。
図10】従来技術を示す、特許文献1(特開2004-340739号公報)の[図4]である。
図11】従来技術を示す、特許文献1(特開2004-340739号公報)の[図2]である。
図12】従来技術を示す、特許文献2(特許第5276090号公報)の[図1]である。
図13】従来技術を示す、特許文献2(特許第5276090号公報)の[図2]である。
図14】従来技術を示す、特許文献2(特許第5276090号公報)の[図15]である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本件発明のデッド部が無く、汎用クランプ等の汎用締結具を用いて、汎用のセンサーをサニタリー流通部に経済的かつ容易に着脱できる取付構造、および、該取付構造を備えるサニタリー流通部の実施形態について、図面も参照しながら具体的に説明するが、これらにより本件発明が限定されるものではない。
【0015】
<本件発明の主要な特徴>
本件発明のデッド部が無く、汎用クランプ等の汎用締結具を用いて、下端にフランジ部を有する汎用のセンサーをサニタリー流通部に経済的かつ容易に着脱できる取付構造、および、該取付構造を備えるサニタリー流通部の<第1実施形態>を[図1]~[図3]に示し、<第2実施形態>を[図4]~[図6]に示し、<第3実施形態>を[図7]~[図8]に示し、<第4実施形態>を[図9]に示すが、<第1実施形態>~<第4実施形態>は、いずれも下記a)~c)の特徴を備えるものである。
a)サニタリー流通部の汎用センサー装着口の開口縁に、汎用センサー取付台座を設置すること、すなわち、デッド部無しに、サニタリー流通部の汎用センサー装着口の開口縁に、汎用センサー取付台座を設置すること
b)前記汎用センサー取付台座に、前記汎用センサー下端のフランジ部を連結すること
c)前記フランジ部を、分割押さえフランジを用い上方から押圧して、前記汎用センサー取付台座に締結・固定すること
【0016】
<第1実施形態>は、1)汎用センサー取付台座の取付部3への汎用センサー取付台座4aの締結・固定を、汎用クランプ等の汎用締結具5を用いて行うこと、および2)分割押さえフランジ6aを用いた、汎用センサー取付台座4aへの汎用センサーのフランジ部2-1の締結・固定を、ボルト等の汎用固定具7-1を用いて行うことを特徴とするものである。
【0017】
<第2実施形態>は、1)汎用センサー取付台座の取付部3への汎用センサー取付台座4a’の締結・固定を、汎用クランプ等の汎用締結具5を用いて行うこと、および2)分割押さえフランジ6bを用いた、汎用センサー取付台座4a’への汎用センサーのフランジ部2-1の締結・固定を、汎用センサー取付用の汎用クランプ等の汎用締結具7-2を用いて行うことを特徴とするものである。
【0018】
<第3実施形態>は、1)汎用センサー取付台座の取付部3への汎用センサー取付台座4a’’の締結・固定、および2)分割押さえフランジ6cを用いた、汎用センサー取付台座4a’’への汎用センサーのフランジ部2-1の締結・固定を、汎用クランプ等の汎用締結具5を用いて行うことを特徴とするものである。
【0019】
<第4実施形態>は、サニタリー配管(サニタリー流通部)1への汎用センサー取付台座4bの設置が、サニタリー配管1に汎用センサー取付台座4bを一体に設けることにより行われることを特徴とするものである。
【0020】
<第1実施形態>
図1]~[図3]に基づいて、本件発明の<第1実施形態>について説明する。
【0021】
<第1実施形態>では、まず、汎用センサー取付台座の取付部3をサニタリー配管(サニタリー流通部)1の汎用センサー装着口の開口縁(図示せず)に締結・固定し、汎用センサー取付台座の取付部の外周凸部3-1と、汎用センサー取付台座の外周凸部4a-1とを、汎用クランプ等の汎用締結具5で締結・固定することにより、サニタリー配管(サニタリー流通部)1の汎用センサー装着口の開口縁に汎用センサー取付台座4aを設置する。汎用センサー取付台座の取付部3と汎用センサー取付台座4aとの締結・固定を強固とするために、両者の接触面にそれぞれ凹部および凸部を設け、これらを嵌合させるのが好ましい。汎用クランプ等の汎用締結具5による締結・固定はボルト5-1によるボルト・ナット機構により行われる。
【0022】
次に、汎用センサー取付台座4aに、汎用センサーのフランジ部2-1を連結し、分割押さえフランジ6aをボルト等の汎用固定具7-1により締結・固定することにより、汎用センサーのフランジ部2-1を上方から押圧して、汎用センサー取付台座4aに締結・固定する。このような分割押さえフランジ6aによる汎用センサーのフランジ部2-1の締結・固定を可能とするために、[図2]および[図3]に示すように、分割押さえフランジ6aの内周面には、ボルト等の汎用固定具を通す孔6a-1が設けられた面よりも下方に突出する内面下方環状凸部6a-2を設ける。
【0023】
このようにして、サニタリー配管(サニタリー流通部)1に汎用センサー2を経済的かつ容易に着脱できるように取り付けることができる。
【0024】
市販されている汎用センサー2はフランジ部2-1の形状・構造が様々であるが、[図3]に示すような分割押さえフランジ6aを用いて、汎用センサーのフランジ部2-1を上方から押圧して汎用センサー取付台座4aに締結・固定することにより、市販されている汎用センサー2を用いても、サニタリー配管(サニタリー流通部)1に汎用センサー2を取り付けることができる。また、ボルト等の汎用固定具7-1により、サニタリー配管(サニタリー流通部)1から汎用センサー取付台座4aを取り外さずに汎用センサー2を着脱できることから、汎用センサー2の調整・修理・交換を経済的かつ容易に行うことができる。
【0025】
また、[図2]に示すように、汎用センサーのフランジ部2-1と、サニタリー配管(サニタリー流通部)1のセンサー装着口(図示せず)との間にはヘルールパッキン等のパッキン8、汎用センサー取付台座4aと、サニタリー配管(サニタリー流通部)1との間にはボディパッキン等のパッキン9を配することにより、液密性を高めることができるので好ましい。
【0026】
<第2実施形態>
図4]~[図6]に基づいて、本件発明の<第2実施形態>について説明する。
【0027】
汎用センサー取付台座の取付部3への汎用センサー取付台座4a’の締結・固定については、<第2実施形態>でも<第1実施形態>と同様に、汎用センサー取付台座の取付部の外周凸部3-1と、汎用センサー取付台座の外周凸部4a’-1とを汎用クランプ等の汎用締結具5で締結・固定することにより行われる。
【0028】
<第1実施形態>では、分割押さえフランジ6aを用いて、汎用センサーのフランジ部2-1を上方から押圧して汎用センサー取付台座4aに締結・固定する際に、ボルト等の汎用固定具7-1を用いているが、<第2実施形態>では、分割押さえフランジの上部外方環状凸部6b-1と、汎用センサー取付台座の上部外方環状凸部4a’-2とを汎用センサー取付用の汎用クランプ等の汎用締結具7-2で締結・固定するようにしている。
【0029】
このような分割押さえフランジ6bによる汎用センサーのフランジ部2-1の締結・固定を可能とするために、[図4]~[図6]に示すように、汎用センサー取付台座4a’の上部には外方に環状に突出する上部外方環状凸部4a’-2を設け、これに内接する分割押さえフランジ6bの上部には外方に環状に突出する上部外方環状凸部6b-1を設け、これらの上部外方環状凸部4a’-2および6b-1を汎用センサー取付用の汎用クランプ等の汎用締結具7-2で挟めるように配置する。
【0030】
このような汎用センサー2の締結・固定手段を用いることにより、サニタリー配管(サニタリー流通部)1への汎用センサー2の着脱を、より短時間、経済的かつ容易に行うことができる。
【0031】
<第3実施形態>
図7]および[図8]に基づいて、本件発明の<第3実施形態>について説明する。
【0032】
<第3実施形態>では、1)汎用センサー取付台座の取付部3への汎用センサー取付台座4a’’の締結・固定、および2)分割押さえフランジ6cを用いた、汎用センサー取付台座4a’’への汎用センサーのフランジ部2-1の締結・固定を、汎用クランプ等の汎用締結具5を用いて行っている。
【0033】
このような締結・固定を可能とするために、[図8]に拡大して示すように、
i)分割押さえフランジ6cの上面外周部を下方に傾斜する先細部6c-1とし、汎用センサー取付台座の取付部の外周凸部3-1の下面を上方に傾斜する先細部として、これらの部分を汎用クランプ等の汎用締結具5で締結・固定できるようにし、
ii)汎用センサー取付台座の上面外方環状凸部4a’’-1と、汎用センサー取付台座の取付部の上面内側環状凹部3-2とを嵌合できるようにする。
【0034】
このような汎用センサー2の締結・固定手段を用いることにより、サニタリー配管(サニタリー流通部)1への汎用センサー2の着脱を、より短時間で行うことができる。
【0035】
<第4実施形態>
図9]に基づいて、本件発明の<第4実施形態>について説明する。
<第1実施形態>~<第3実施形態>では、汎用センサー取付台座4a、4a’、または4a’’は、汎用クランプ等の汎用締結具5を用いて、サニタリー配管(サニタリー流通部)1に締結・固定された、汎用センサー取付台座の取付部3に取り付けられるが、<第4実施形態>では、サニタリー配管(サニタリー流通部)1に汎用センサー取付台座4bを一体に設けるようにしている。
【0036】
具体的には、[図9]に示すように、サニタリー配管(サニタリー流通部)1に一体として汎用センサー取付台座4bを設け、この汎用センサー取付台座4bに汎用センサーのフランジ部2-1を連結し、分割押さえフランジの上面外方環状凸部6d-1と、汎用センサー取付台座の上面外方環状凸部4b-1とを、締結・固定するようにしている。この締結・固定には、<第1実施形態>のようにボルト等の汎用固定具7-1を用いてもよいし、また、<第2実施形態>のように汎用センサー取付用の汎用クランプ等の汎用締結具7-2を用いてもよい。このような分割押さえフランジ6dによる汎用センサーのフランジ部2-1の締結・固定を可能とするために、[図9]に示すように、分割押さえフランジ6dの内周面には、上面外方環状凸部6d-1の面よりも下方に突出する内面下方環状凸部6d-2を設ける。
【0037】
また、[図9]に示すように、汎用センサーのフランジ部2-1と、サニタリー配管(サニタリー流通部)1のセンサー装着口(図示せず)との間にはヘルールパッキン等のパッキン8を配することにより、液密性を高めることができるので好ましい。
【0038】
このように、サニタリー配管(サニタリー流通部)1に汎用センサー取付台座4bを一体に設けることにより、サニタリー配管(サニタリー流通部)1への汎用センサー2の装着を容易かつ迅速に行うことができる。
【0039】
<補足説明>
上記<第1実施形態>~<第4実施形態>で用いられている汎用クランプ等の汎用締結具5、汎用センサー取付用の汎用クランプ等の汎用締結具7-2等のクランプは、ボルト・ナット機構、手締めバンド等の公知の手段により、締結・固定することができる。
【0040】
また、上記<第1実施形態>~<第4実施形態>では、サニタリー配管1に汎用センサー2を経済的かつ容易に着脱できるように取り付ける取付構造を示したが、貯留タンク等のサニタリー配管以外のサニタリー流通部についても、汎用センサー取付台座4a、4a’、4a’’または4bを設置することにより、上記<第1実施形態>~<第4実施形態>と同様に、デッド部を無くし、汎用センサー2をサニタリー流通部1に経済的かつ容易に着脱することができる。
【0041】
なお、[図10]に示すような、配管20の途中に設けた枝管21にサニタリー圧力計23を締結・固定する取付構造では、通常の汎用センサーの取付部のサニタリー流通部に面する部分の内径は35~50mm程度であることから、内径が35mm未満の配管20の場合ではレジューサー等の手段により35mm以上に拡径した部分を設ける必要があり、コストを要する、余分なスペースが必要になる、サニタリー流通部が複雑になる等のデメリットが生じるが、上記<第1実施形態>~<第4実施形態>ではサニタリー配管内径やサニタリー流通部の形状によらず、汎用センサーの設置が省スペースで可能となる。
【0042】
<まとめ>
上記のように、本件発明のサニタリー流通部に、下端にフランジ部を有する汎用センサーを経済的かつ容易に着脱できるように取り付ける取付構造、および該取付構造を備えるサニタリー流通部では、
a)サニタリー流通部の汎用センサー装着口の開口縁に、汎用センサー取付台座を設置すること、すなわち、デッド部無しに、サニタリー流通部の汎用センサー装着口の開口縁に、汎用センサー取付台座を設置すること
b)前記汎用センサー取付台座に、前記汎用センサー下端のフランジ部を連結すること
c)前記フランジ部を、分割押さえフランジを用い上方から押圧して、前記汎用センサー取付台座に締結・固定すること
により、
デッド部を無くし、汎用クランプ等の汎用締結具、フランジ部の形状・構造が様々である、市販されている汎用センサーをサニタリー流通部に経済的かつ容易に着脱することができる。
【0043】
さらに、製品の高い衛生性・安全性を確保するためにサニタリー流通部をセンサーにより厳しく監視する必要があるが、汎用センサーの着脱が経済的かつ容易に行えることから、センサーの校正・点検が簡単に行え、センサーの精度の維持・管理を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 サニタリー配管(サニタリー流通部)
2 汎用センサー
2-1 汎用センサーのフランジ部
3 汎用センサー取付台座の取付部
3-1 (汎用センサー取付台座の取付部の)外周凸部
3-2 (汎用センサー取付台座の取付部の)上面内側環状凹部
4a、4a’、4a’’ 汎用センサー取付台座
4a-1、4a’-1 (汎用センサー取付台座の)外周凸部
4a’-2 (汎用センサー取付台座の)上部外方環状凸部
4a’’-1 (汎用センサー取付台座の)上面外方環状凸部
4b 汎用センサー取付台座
4b-1 (汎用センサー取付台座の)上面外方環状凸部
5 汎用クランプ等の汎用締結具
5-1 ボルト
6a 分割押さえフランジ
6a-1 (分割押さえフランジの)ボルト等の汎用固定具を通す孔
6a-2 (分割押さえフランジの)内面下方環状凸部
6b 分割押さえフランジ
6b-1 (分割押さえフランジの)上部外方環状凸部
6c 分割押さえフランジ
6c-1 (分割押さえフランジの)上面外周部を下方に傾斜する先細部
6d 分割押さえフランジ
6d-1 (分割押さえフランジの)上面外方環状凸部
6d-2 (分割押さえフランジの)内面下方環状凸部
7-1 ボルト等の汎用固定具
7-2 汎用センサー取付用の汎用クランプ等の汎用締結具
8 ヘルールパッキン等のパッキン
9 ボディパッキン等のパッキン
20 配管
21 枝管
22 (枝管の)フランジ
23 サニタリー圧力計
24 (サニタリー圧力計の)フランジ
25 クランプ
26 連結用丸孔
27 連結用フランジ
30 タンク
31 器具
32 チューブ
33 連結装置
34 テンションループ
35 ナット及びボルト締結体の固定装置
36 ヒンジ
37 (器具またはチューブに設けられた)連結用フランジ
38 (タンクに設けられた)連結用フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14