IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲーの特許一覧

<>
  • 特許-アプリケータ 図1a
  • 特許-アプリケータ 図1b
  • 特許-アプリケータ 図2a
  • 特許-アプリケータ 図2b
  • 特許-アプリケータ 図3
  • 特許-アプリケータ 図4
  • 特許-アプリケータ 図5
  • 特許-アプリケータ 図6
  • 特許-アプリケータ 図7
  • 特許-アプリケータ 図8a
  • 特許-アプリケータ 図8b
  • 特許-アプリケータ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
A61M37/00 510
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021541516
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2019082533
(87)【国際公開番号】W WO2020148008
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102019200557.8
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】300005035
【氏名又は名称】エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】クーリック,ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】フェール,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】エルホーファー,ステファン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-525078(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0258319(US,A1)
【文献】特開2009-240410(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129184(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロアレイの適用のためのアプリケータであって、
筐体と、
前記筐体内で移動可能である、前記マイクロアレイを加速させるためのプランジャと、
前記プランジャを前記筐体に対して固定して、少なくとも目標力が加えられると前記プランジャを移動のために解放する目標力トリガと、
前記プランジャと連結されている凸状構造体と、
前記筐体に対する前記プランジャの定められた可動性のための関節デバイスと
を備えており、
前記プランジャが解放された後、前記プランジャは、前記凸状構造体から前記マイクロアレイに適用力を伝えるように前記関節デバイスを中心に前記マイクロアレイに向かって偏移し、
前記関節デバイスは、前記筐体と前記プランジャとの間に設けられている曲げ関節体、回転継手又は玉継手であることを特徴とするアプリケータ。
【請求項2】
前記目標力は、少なくとも前記マイクロアレイの適用力に相当することを特徴とする請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項3】
前記目標力を加えるための作動面を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のアプリケータ。
【請求項4】
前記作動面は、前記アプリケータの外側からアクセス可能であり、前記プランジャと一体に連結されていることを特徴とする請求項3に記載のアプリケータ。
【請求項5】
前記プランジャに予応力が間接的に又は直接加えられており、予応力により、前記プランジャは移動解放後に移動することを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【請求項6】
前記プランジャにばね板及び/又は内部材料応力によって予応力が加えられていることを特徴とする請求項5に記載のアプリケータ。
【請求項7】
前記プランジャは、本質的に剛性を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【請求項8】
前記凸状構造体は、前記プランジャと一体に連結されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【請求項9】
前記目標力トリガは、所定の破断点及び/又は嵌合部を有していることを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【請求項10】
前記目標力トリガは、前記筐体と前記プランジャとの間に前記破断点及び/又は前記嵌合部を有しており、前記嵌合部は、ビード及び/又は溝を有していることを特徴とする請求項9に記載のアプリケータ。
【請求項11】
移動解放後に前記プランジャを固定するための保持デバイスを更に備えていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【請求項12】
前記保持デバイスは、係止デバイスであることを特徴とする請求項11に記載のアプリケータ。
【請求項13】
前記マイクロアレイは、前記プランジャと直接又は間接的に連結されていることを特徴とする請求項1~12のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【請求項14】
前記アプリケータをマイクロアレイ受け部分及び/又は適用箇所と連結するための連結デバイスを更に備えていることを特徴とする請求項1~13のいずれか1つにアプリケータ。
【請求項15】
前記連結デバイスは、ねじ及び/又はプラグイン式連結部及び/又は形状嵌合式連結要素及び/又はフランジ及び/又は接着連結デバイス及び/又は突起部及び/又はループを有していることを特徴とする請求項14に記載のアプリケータ。
【請求項16】
前記筐体は筒状であることを特徴とする請求項1~15のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【請求項17】
マイクロアレイの適用のための適用システムであって、
請求項1~16のいずれか1つに記載のアプリケータと、
マイクロアレイ、又はマイクロアレイを有するマイクロアレイ受け部分と
を備えており、
前記プランジャが前記マイクロアレイを適用可能であるように、前記マイクロアレイ又は前記マイクロアレイ受け部分は前記アプリケータに対して配置されている、及び/又は前記アプリケータに連結されていることを特徴とする適用システム。
【請求項18】
前記マイクロアレイ受け部分は、マイクロアレイ受け部分群と連結されていることを特徴とする請求項17に記載の適用システム。
【請求項19】
前記マイクロアレイ受け部分は、
第1の側と、
第2の側と、
前記マイクロアレイ受け部分を適用箇所と連結するための支持構造体と、
前記支持構造体と連結されている支持領域と、
前記支持領域と連結されているマイクロアレイと、
前記支持領域と前記支持構造体との間のマイクロアレイ受け部分関節デバイスと
を有しており、
前記マイクロアレイ受け部分関節デバイスによって、前記支持領域と連結されている前記マイクロアレイが、前記支持構造体に対して前記マイクロアレイの延長部分に沿って移動可能であることを特徴とする請求項17又は18に記載の適用システム。
【請求項20】
前記第1の側は上側であり、前記第2の側は下側であり、
前記マイクロアレイは、前記支持領域と一体に連結されていることを特徴とする請求項19に記載の適用システム。
【請求項21】
前記支持領域の後側と連結されている力導入構造体を更に備えており、
前記アプリケータのプランジャは、適用のために前記力導入構造体に間接的に又は直接作用することを特徴とする請求項19又は20に記載の適用システム。
【請求項22】
前記力導入構造体は、前記支持領域の後側から凸状に延びていることを特徴とする請求項21に記載の適用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロアレイの適用のためのアプリケータ、及びマイクロアレイの適用のための適用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロアレイは、通常、パッチ、プラスタなどの支持要素上に配置されているか又は支持要素に連結されている複数のマイクロニードルを備えている。このようなマイクロアレイは、多数のマイクロニードル、例えば1cm2 当たり500 ~600 のニードルを備えている。マイクロニードルを患者の皮膚に押し込むとき、神経及び血管が好ましくはいかなるニードル先端とも接触しない程度だけ、ニードルが患者の皮膚に貫通するように、ニードルの長さは短い。マイクロニードルは作用物質又は薬剤を含む。対応する作用物質をニードルの表面に塗布してもよく、又はニードル内に含めてもよい。ニードルは、患者の皮膚で溶解する物質で形成されていることが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マイクロアレイをヒトの皮膚に適用するとき、皮膚へのマイクロニードルの挿入が、特に確実な薬剤送達を保証するように再現可能でなければならないという問題がある。更に、再現性が保証されなくなるため、マイクロニードルの挿入はユーザ又は患者と無関係でなければならない。特に、特定の貫通深さが常に保証されるように、マイクロニードルの挿入は更に皮膚のきめと無関係とすべきである。
【0004】
加えて、最近では相互に互換性がないマイクロアレイの構想及びアプリケータの構想が存在する。例えば、複数のアプリケータによって一部のマイクロアレイを適用することができない。
【0005】
本発明の目的は、マイクロアレイの挿入の再現性を向上させる、マイクロアレイの適用のためのアプリケータを提供することである。本発明の別の目的は、より簡単な操作を可能にするマイクロアレイの適用のための適用システムを提供することである。
【0006】
これらの目的は、請求項1の特徴を有するアプリケータ、及び請求項14の特徴を有する適用システムによって本発明に従って達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のアプリケータは、マイクロアレイの適用のためのアプリケータである。具体的には、適用は、好ましくは長期的な適用のためのマイクロアレイのマイクロニードルの挿入及び/又はマイクロアレイの加圧とも称される穿刺である。適用されるマイクロアレイは、特にマイクロアレイ受け部分の一部である。アプリケータは、好ましくは筒状の筐体を有している。筐体の筒形状は、特に円形の筒形状又は矩形の筒形状、特に正方形の筒形状である。プランジャが、筐体内で移動可能に配置されている。最初の位置では、プランジャは、好ましくは筐体に対して固定されており、この固定は、特に解放可能である。筐体内でのプランジャの可動性は、マイクロアレイを加速させる、及び/又はマイクロアレイに力を伝達する役割を果たす。加速及び/又は力の伝達はマイクロアレイを適用する役割を果たす。更に、アプリケータは目標力トリガを有している。目標力トリガはプランジャを筐体に対して固定する。この固定は、目標力トリガに力を加えると解放され、この力は少なくとも目標力に相当し、従って、プランジャが解放される。従って、少なくとも目標力を目標力トリガに加えた後、プランジャは、好ましくは筐体に対して移動可能である。目標力トリガは、好ましくは構造的構成によって設けられる構造要素、及び/又は機械デバイスである。具体的には、目標力トリガは、目標力、特に定められた目標力が加えられると、意図的且つ予測可能に機能しなくなるデバイスを有してもよい。
【0008】
好ましい実施形態では、目標力トリガが動作する目標力はマイクロアレイの適用力に少なくとも、特に正確に相当する。適用力は、必要最小限の力であることが好ましく、マイクロアレイの適用のための最適な力であることが特に好ましい。適用力は、マイクロアレイの挿入のための最適な穿刺力であることが好ましい。従って、好ましい実施形態では、目標力トリガは、最適な適用力が加えられるとプランジャを解放するように構成されている。このため、一方では、目標力が加えられるとアプリケータが適用のためにマイクロアレイを解放し、他方では、まさにこの目標力が同時的にマイクロアレイを適用する役割を果たすという利点がある。
【0009】
アプリケータは、目標力を加えるための作動面を有していることが有利である。目標力を加えるとは、特に目標力トリガを作動させるための目標力の伝達又は作用を指す。作動面がアプリケータの外側からアクセス可能であることが好ましい。作動面は、特に手動で、例えばユーザの指の一又は複数により、及び/又はデバイスにより作動可能である。例えば、ユーザは指を使用して作動面を押すことにより、力を加えてもよい。作動面はプランジャに連結されていることが好ましく、特に一体連結、又は一体と称されてもよい連結が好ましい。従って、作動面は特にプランジャの一部であってもよい。具体的には、作動面は、マイクロアレイの適用のためにマイクロアレイに作用するプランジャの側の反対側に設けられている。
【0010】
プランジャ状構造体に、特に最初の位置で予め応力が加えられていることが好ましい。そのため、好ましくは目標力トリガによってプランジャを解放した後、プランジャは、予応力のため、特にいかなる外部からの影響も受けずに自動的に移動する。特に、予応力は、好ましくは最適な適用力で適用が生じるようにプランジャの移動を引き起こすような力である。予応力は、プランジャに間接的に又は直接加えられる。アプリケータは、予応力を発生させるための予応力デバイスを有していることが好ましい。予応力デバイスは、特に筐体とプランジャとの間に設けられている。予応力デバイスがプランジャと、特に一体に連結されていることが更に可能である。予応力デバイスが、特に「クリッカ"Knackfroschs"」の構成と類似したばね板を有していることが好ましい。ばね板を使用した実施形態では、プランジャがばね板を有しており、特にプランジャがばね板と、好ましくは一体に連結されていることが好ましい。或いは又は加えて、内部材料応力、特にプランジャの内部材料応力により、予応力が存在することが可能である。内部材料応力は、好ましくは材料の組み合わせによって生じる。ここで、予応力デバイスがバイメタルを含んでいることが可能である。材料の組み合わせは、好ましくは接着剤及び/又は半田付連結部を使用して互いに連結されている2つの、特に板状の材料によって得られることが好ましい。ここで、1つ又は両方の材料が予応力、特に曲げを示すことが特に好ましい。加えて、射出成形製造工程という状況で生じる凍結内部応力により、材料応力が存在することが好ましくは可能である。凍結内部応力を使用すると、1つの材料のみを使用することが特に可能である。予応力デバイスが、予応力を発生させるためのばねデバイス、特にばねを有することが可能である。予応力を熱応力、特に予応力デバイス及び/又はプランジャ内の熱応力によって発生させることが更に可能である。
【0011】
好ましい実施形態では、プランジャ型は、少なくとも実質的に剛性を有する。特にプランジャが剛性の基部本体及び追加の可撓性要素、例えば好ましくは外側のビード及び/又は溝を有することが可能である。ビード及び/又は溝は可撓性を有することが好ましい。プランジャの剛性構成は、特に堅い及び/又は非可撓性である。剛性構成は、非剛性構成に対して、より正確で、ひいては再現可能な目標力をもたらし得るという利点を有する。
【0012】
特に、プランジャは、プランジャと、特に一体に連結されている凸状構造体を有している。凸状構造体は、マイクロアレイに作用するように構成されたプランジャの側に配置されていることが好ましい。凸状構造体を使用すると、即時の力を特に適用するマイクロアレイに伝達することが有利に可能である。
【0013】
好ましい実施形態では、目標力トリガは所定の破断点及び/又は嵌合部を有している。嵌合部は、特にビード及び/又は溝を有しており、溝及び/又はビードは可撓性を有することが好ましい。特に、所定の破断点及び/又は嵌合部は筐体とプランジャとの間に配置されている。従って、筐体は所定の破断点及び/又は嵌合部、例えばビード若しくは溝の第1の部分を有し、プランジャは所定の破断点及び/又は嵌合部、例えばビード若しくは溝の第2の部分を有していることが好ましい。
【0014】
所定の破断点及び/若しくは嵌合部の代わりに、又は所定の破断点及び/又は嵌合部に加えて、目標力トリガが、特にプランジャに作用するクランプ及び/又はばね式保持デバイスを有していることが、更に好ましくは可能である。
【0015】
好ましい実施形態では、アプリケータは、特に筐体に対するプランジャの定められた可動性のための関節デバイスを有している。特に、関節デバイスは曲げ関節体である。
【0016】
関節デバイスは、好ましくは滑り継手及び/又はねじ継手及び/又は回転継手及び/又は玉継手を有している。滑り継手は、例えば、特に筒状の滑り路である。筒形状は、好ましくは円形の筒形状又は直方体の筒形状、特に正方形の筒形状である。滑り路は、プランジャがこの滑り路で摺動可能であるように、特に筐体内に設けられている。回転継手は、好ましくは関節継手又はヒンジである。回転継手及び/又は玉継手が筐体の一側に設けられていることが好ましい。
【0017】
特に、関節デバイスによってプランジャに予め応力を加えることが可能である。ここで、関節デバイスが予応力デバイス及び/又は内部材料応力を有していることが好ましい。
【0018】
アプリケータが、プランジャを固定するための保持デバイスを有していることが好ましい。保持デバイスによるプランジャのこの固定を、特に目標力トリガによるプランジャの移動解放後に行う。保持デバイスがプランジャを偏移位置、特に完全に偏移した位置に固定することが好ましい。完全に偏移した位置は、特に適用状態のマイクロアレイの位置に相当する。保持デバイスは、好ましくは係止デバイス、特にスナップインヒンジ及び/又はスナップロックである。或いは又は加えて、保持デバイスとしての溝及び/又はビードが更に可能であり、溝及び/又はビードは好ましくは可撓性を有する。
【0019】
特に、マイクロアレイはプランジャ型要素と間接的に又は直接連結されている。マイクロアレイがプランジャと、例えばマイクロアレイのパッチを使用して、特に接着によって連結されていることが好ましい。他方、プランジャが、プランジャの移動のみによりマイクロアレイと接触することが可能である。
【0020】
好ましい実施形態では、アプリケータは、アプリケータをマイクロアレイ受け部分及び/又は適用箇所と連結するための連結デバイスを有している。適用箇所は、好ましくはヒトの皮膚である。マイクロアレイ受け部分は、特に以下に記載されるマイクロアレイ受け部分である。
【0021】
連結デバイスは、特にねじ及び/又はプラグイン式連結部及び/又は形状嵌合式連結要素及び/又はフランジ及び/又はバヨネットロック式連結要素及び/又は磁気式連結要素、特に磁石及び/又は接着連結デバイス及び/又は突起部及び/又はループを有している。連結デバイスが、ねじ及び/又はプラグイン式連結部及び/又は形状嵌合式連結要素及び/又はフランジ及び/又はバヨネットロック式連結要素及び/又は磁気式連結要素として具体化される場合、連結デバイスが、マイクロアレイ受け部分の対応する係合部と協働し、ひいては連結を確立することができるように構成されていることが好ましい。連結デバイスが接着連結デバイスとして具体化される場合、アプリケータとマイクロアレイ受け部分及び/又は適用箇所との接着連結が可能であることが好ましい。連結デバイスが突起部及び/又はループとして具体化される場合、突起部及び/又はループが患者の身体の一部、例えば腕の周囲に置かれ得ること、並びに好ましくはマイクロアレイが連結されているアプリケータと適用箇所との連結又は固定をこのように行い得ることが好ましい。
【0022】
マイクロアレイの適用のための本発明の適用システムは、上述したようなアプリケータを備えている。加えて、適用システムはマイクロアレイ及び/又はマイクロアレイを有するマイクロアレイ受け部分を備えており、マイクロアレイ受け部分は、好ましくはマイクロアレイ受け部分群と連結されている。プランジャがマイクロアレイを適用することができるように、マイクロアレイ又はマイクロアレイ受け部分はアプリケータに対して配置されている、及び/又はアプリケータに連結されている。適用システムが、マイクロアレイ受け部分群と連結され、好ましくはマイクロアレイ受け部分群の一部であるマイクロアレイ受け部分を備えている場合、アプリケータは、好ましくはマイクロアレイ受け部分群のこの1つのマイクロアレイ受け部分のみと連結されている、及び/又は相応に配置されている。本発明のアプリケータシステムにより、アプリケータ及びマイクロアレイが適合されるため、例えばプラットフォーム構想を実現することが可能であるという利点がある。
【0023】
好ましい実施形態では、マイクロアレイ受け部分は、マイクロアレイを格納するため、及び/又はマイクロアレイを扱うため、及び/又は適用中にマイクロアレイを案内するためのマイクロアレイ受け部分である。マイクロアレイ受け部分は、好ましくは第1の側を有しており、第1の側は、好ましくはマイクロアレイ受け部分の上側である。第1の側は特に、適用箇所、特に皮膚から離れた側である。加えて、マイクロアレイ受け部分は、好ましくは第2の側、好ましくは下側を有しており、この第2の側は、好ましくは皮膚の方を向いた側である。マイクロアレイ受け部分は、好ましくは適用箇所と連結されるように構成されている支持構造体を有している。適用箇所がユーザの皮膚であることが特に好ましい。このように、支持構造体は、好ましくは皮膚とのマイクロアレイ受け部分の接触面を有している。この接触面は、特に接着剤であってもよい。従って、マイクロアレイ受け部分は、支持構造体の接触面によって皮膚に接着され得る。更に、マイクロアレイ受け部分は、好ましくは支持構造体に連結されている支持領域を有している。好ましい実施形態では、この支持領域は、特に円形状又は矩形状の板として形成されている。支持領域を実質的に二次元で実現することが好ましい。マイクロアレイが支持領域と連結されていることが好ましい。特にマイクロアレイのパッチが支持領域に接着及び/又は溶接されるように、マイクロアレイと支持領域とが連結されてもよい。他方、マイクロアレイが支持領域と、一体とも称される単体として形成される構成が更に可能である。マイクロ構造体、好ましくはマイクロアレイのマイクロニードルが支持領域に直接取り付けられることが可能である。支持領域及びマイクロアレイが最初の状態で適用箇所から間隔を空けて配置されるように、支持構造体が構成されている、及び/又は支持領域と連結されていることが好ましい。支持領域は、特に第1の側に対して滅菌バリアを構築するように構成されてもよい。更に、マイクロアレイ受け部分は、支持領域と支持構造体との間にマイクロアレイ受け部分関節デバイスと称される関節デバイスを好ましくは有している。マイクロアレイ受け部分関節デバイスは、支持領域と連結されているマイクロアレイの支持構造体に対する移動を可能にするように好ましくは構成されている。支持構造体に対するマイクロアレイのこの相対的な移動は、特にマイクロアレイのマイクロ構造体、好ましくはマイクロニードルの延長部分に沿って移動するように行われる。言い換えれば、特にマイクロアレイと皮膚との間隔が移動によって克服され、ひいては皮膚へのマイクロアレイの適用が行われるように、マイクロアレイは、マイクロアレイ受け部分関節デバイスを介して支持領域に支持されるように支持構造体と好ましくは連結されている。ここで、マイクロアレイ受け部分関節デバイスは、特にマイクロ構造体の延長部分に沿った移動のみを可能にするように構成されている。しかしながら、更なる移動、特に傾き又は横方向の移動などが可能である構成が更に可能である。マイクロアレイ受け部分関節デバイスは、一側への移動、特に皮膚の方への移動のみを可能にするように構成されてもよい。他方、マイクロアレイ受け部分関節デバイスは、両側への移動、特に前後の移動を可能にするように更に構成されてもよい。支持構造体は、好ましくはマイクロアレイ受け部分の特に筒状の筐体を形成している。筐体の筒形状は、好ましくは円形又は矩形、特に正方形又は楕円形基部であってもよい。
【0024】
好ましい実施形態では、マイクロアレイ受け部分関節デバイスは、少なくとも第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体と称される第1の曲げ関節体を有している。第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体が支持領域と一体に形成されていることが好ましい。マイクロアレイ受け部分曲げ関節体及び支持領域から構成される一体型構成の場合、マイクロアレイがマイクロアレイ受け部分曲げ関節体と直接連結されないことが特に可能である。ここで、マイクロアレイ及びマイクロアレイ受け部分曲げ関節体の一体型構成が更に可能である。
【0025】
マイクロアレイ受け部分関節デバイスは、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体に加えて、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体と称される第2の曲げ関節体を有していることが好ましい。ここで、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体及び第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体が実質的に互いに平行に配置されていることが好ましい。第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体は、特にマイクロアレイ受け部分への好ましくは外部の作用のための作用面を形成している。特に、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体は、外側から移動可能であるように構成されてもよい。このように移動する第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体が第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体に作用可能であることが好ましい。両方のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体は、特にマイクロアレイ及び/又は支持領域が一次元の、好ましくは線形の偏移のみを行うことができるように構成又は配置されている。この偏移はマイクロアレイのマイクロ構造体の延長部分に沿った偏移であることが好ましい。
【0026】
好ましい実施形態では、マイクロアレイ受け部分は、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体及び第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体を互いに固定するための阻止デバイスを有している。特に、阻止デバイスは、係止の際に第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体への第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体の相対的な移動を防ぐ係止デバイスである。係止デバイスは、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体と第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体との間の係止ピンであることが好ましい。係止ピンは、既に最初の状態で第1又は第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体と連結され、係止の際に他方のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体を固定し、ひいては2つのマイクロアレイ受け部分曲げ関節体の相対的な移動を防ぐように構成されてもよい。他方、係止の際に係止ピンが両方のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体を固定することが更に可能である。
【0027】
第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体及び/又は第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体は、特に線形のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体である。これらの線形のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体は線形板状の曲げ関節体であることが特に好ましい。線形板状の曲げ関節体は、相対的な移動のためのウェブによって互いに連結されている少なくとも2つの部分を有する剛性板である。これらの部分の互いに対する可動性は、特に平行移動及び/又は直角移動に制限されている。ウェブ及び/又はこれらの部分は、特に剛性板の穿孔及び/又はレーザ切断によって形成されている。線形板状の曲げ関節体は、ダイヤフラム曲げ関節体とも称される。支持領域がマイクロアレイ受け部分関節デバイス及び/又はマイクロアレイと一体に形成されていることが好ましい。支持領域が支持構造体と一体に連結されることが更に可能である。
【0028】
好ましい実施形態では、マイクロアレイ受け部分曲げ関節デバイスは1自由度を有する。従って、マイクロアレイ受け部分関節デバイスが、特にマイクロアレイのマイクロ構造体の延長部分に沿った線形偏移のみを可能にすることが好ましい。言い換えれば、マイクロアレイ受け部分関節デバイスは、好ましくはZ方向の移動のみを可能にするように構成されている。マイクロアレイ受け部分関節デバイスが、一方向への移動、好ましくはマイクロニードルのニードル先端の方向への移動のみを可能にすることが特に好ましい。
【0029】
一方、マイクロアレイ受け部分関節デバイスが、支持領域を偏移後に最初の位置に自動的に戻すように構成されることが可能である。他方、マイクロアレイ受け部分関節デバイスが支持領域を偏移位置に保持することが可能である。従って、第1の可能な構成によれば、特にマイクロニードルを皮膚に挿入すると、その後、マイクロアレイ受け部分関節デバイスが特に外側から偏移しなくなると即座にマイクロニードルが皮膚から引き抜かれる。可能な第2の構成によれば、特に、マイクロアレイ受け部分関節デバイスの第1の偏移後、マイクロニードルが皮膚に貫通し、好ましくはマイクロアレイ受け部分関節デバイスによって偏移し、ひいては皮膚を貫通している状態で保持されることが可能である。ここで、マイクロアレイ受け部分が固定デバイス、特に係止固定デバイスを有していることが好ましく、固定デバイスはマイクロアレイ受け部分関節デバイス及び/又は支持領域を偏移位置で阻止又は固定し、そのため、最初の位置へのマイクロアレイの戻りを少なくとも一時的に防ぐ。特に、係止固定デバイスは、特に支持領域と支持構造体との間で作用するマイクロアレイ受け部分関節デバイス及び/又はスナップロックを有するスナップインヒンジである。マイクロアレイ受け部分、特にマイクロアレイ受け部分関節デバイスがばねなどの予応力デバイスを有していることが好ましい。予応力デバイスは、特に偏移中の支持領域の加速及び/又は偏移位置での支持領域の保持を引き起こすように構成されている。
【0030】
マイクロアレイ受け部分が、マイクロアレイの後側に連結されている力導入構造体を有していることが好ましい。特に、力導入構造体はマイクロアレイの反対側の支持領域と連結されてもよい。力導入構造体が凸状であることが好ましい。
【0031】
アプリケータのプランジャがマイクロアレイ受け部分のマイクロアレイに間接的に又は直接作用するように、マイクロアレイ受け部分及びアプリケータは互いに対して配置されている、及び/又は互いに連結されていることが好ましい。プランジャがマイクロアレイ受け部分のマイクロアレイに作用する場合、好ましくはプランジャの移動中、特にプランジャ及びマイクロアレイの間接的若しくは直接的な連結、及び/又は間接的若しくは直接的な衝突が生じる。プランジャがマイクロアレイに間接的に作用する場合、プランジャが力導入構造体又は支持領域又は第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体又は第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体に間接的に作用する、特に衝突するように、マイクロアレイ受け部分及びアプリケータは、好ましくは配置及び/又は連結されている。
【0032】
マイクロアレイ受け部分は特に底部フィルムを有している。底部フィルムは、好ましくはマイクロアレイ受け部分の第2の側に配置されている。好ましい実施形態では、底部フィルムは、環境に対して第2の側にマイクロアレイの滅菌バリアを形成している。底部フィルムが、マイクロアレイによって貫通され得るように構成されることが可能である。従って、特にマイクロアレイのマイクロニードルは底部フィルムを貫通し得る。
【0033】
底部フィルムが支持構造体に連結されていることが好ましい。ここで、底部フィルムが、支持構造体と剥離可能又は取り外し可能に連結されていることが特に好ましい。この剥離式連結は、特に底部フィルムを支持構造体に接着することにより実現される。従って、特に使用前に、ユーザが底部フィルムを支持構造体から外すことにより、マイクロアレイを解放することが可能である。
【0034】
底部フィルムが接着層を有することが可能である。従って、マイクロアレイ受け部分を適用箇所に固定することが特に可能である。
【0035】
マイクロアレイ受け部分は、好ましくはカバーフィルムを有している。カバーフィルムは、特に支持構造体に連結されている。ここで、着脱不可能な常時連結が好ましい。特に、カバーフィルムは支持構造体に、特に超音波溶接によって溶接されてもよく又は接着されてもよい。カバーフィルムは、好ましくは環境に対してマイクロアレイ受け部分の第1の側に滅菌バリアを形成している。
【0036】
カバーフィルムは、特に可撓性及び/又は脆性を有するように形成されている。可撓性を有する構成では、カバーフィルムに特に外側から作用する場合があり、カバーフィルムは弾性的に撓む。壊れやすい、好ましくは穿孔された構成では、カバーフィルムに外側から作用すると、カバーフィルムが破損し、ひいてはマイクロアレイ受け部分に外側から作用可能であってもよい。
【0037】
好ましい構成では、マイクロアレイ受け部分は、マイクロアレイ受け部分連結デバイスと称される連結デバイスを有している。マイクロアレイ受け部分連結デバイスは、特にマイクロアレイ受け部分の第1の側に設けられている。マイクロアレイ受け部分連結デバイスが支持構造体と、好ましくは一体に連結されていることが特に好ましい。マイクロアレイ受け部分連結デバイスは、特にマイクロアレイの適用のためにアプリケータと連結するためのマイクロアレイ受け部分連結デバイスである。マイクロアレイ受け部分連結デバイスは、好ましくはねじ及び/又はプラグイン式連結部及び/又は形状嵌合式連結要素及び/又は接着パッチ及び/又はフランジを有している。マイクロアレイ受け部分連結デバイスは、アプリケータの連結デバイスの係合部に対応するこのような上記の連結要素を有していることが好ましい。マイクロアレイ受け部分連結デバイスを使用して、アプリケータをマイクロアレイ受け部分に連結可能であることが好ましい。
【0038】
マイクロアレイ受け部分群は、好ましくは上記の定義に係る複数のマイクロアレイ受け部分を有している。特に、異なる作用物質及び/又は異なるニードル数などを有する異なるマイクロアレイ受け部分が設けられてもよいように、複数のマイクロアレイ受け部分は同一又は異なるマイクロアレイを有してもよい。複数のマイクロアレイ受け部分の支持領域及び/又は底部フィルム及び/又はカバーフィルム及び/又は支持構造体は、好ましくは互いに連結されており、特に一体連結が好ましい。従って、複数のマイクロアレイ受け部分は互いに連結され得る。従って、特に複数のマイクロアレイ受け部分を共に、好ましくは連続的に製造することが可能である。複数の連結されたマイクロアレイ受け部分を適用のために身体部位、特に湾曲した皮膚領域に共に置くことが更に有利に可能である。その後、これらの複数のマイクロアレイ受け部分を同時的に又は異なる時間に適用してもよい。アプリケータを使用してマイクロアレイ受け部分群のマイクロアレイ受け部分を適用し得ることが好ましく、マイクロアレイ受け部分を個別に順々に適用することが特に好ましい。
【0039】
本発明を、好ましい実施形態及び図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1a】本発明に係るアプリケータの実施形態を備えた本発明に係る適用システムの実施形態、及び最初の位置におけるマイクロアレイ受け部分の実施形態を示す断面略図である。
図1b】適用のための位置における図1aの適用システムを示す断面略図である。
図2a】本発明に係るアプリケータの別の実施形態を備えた本発明に係る適用システムの別の実施形態、及び最初の位置におけるマイクロアレイ受け部分の別の実施形態を示す断面略図である。
図2b】適用のための位置における図2aの適用システムを示す断面略図である。
図3】マイクロアレイ受け部分群の実施形態を示す平面略図である。
図4】マイクロアレイ受け部分の実施形態を示す、図3の領域IVの詳細を示す図である。
図5図4の断面Vに沿ったマイクロアレイ受け部分に本質的に対応するマイクロアレイ受け部分の実施形態を示す断面略図である。
図6】マイクロアレイ受け部分の更なる実施形態を示す断面略図である。
図7】マイクロアレイ受け部分の更なる実施形態を示す断面略図である。
図8a】本発明に係るマイクロアレイ受け部分の更なる実施形態を示す断面略図である。
図8b】適用位置における図8aのマイクロアレイ受け部分の更なる実施形態を示す断面略図である。
図9】本発明に係るマイクロアレイ受け部分の更なる実施形態を示す断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
同様又は同一の部品又は要素が、図面に同一の参照番号で特定されている。特に明瞭化を高めるために、好ましくは既に特定されている要素は、全ての図面に参照番号が記載されているわけではない。
【0042】
図1aは、本発明に係るアプリケータ100 の実施形態を備えた本発明に係る適用システム1000の実施形態を示す断面略図であり、アプリケータ100 は、実施形態ではマイクロアレイ受け部分10と連結されている。マイクロアレイ受け部分10は、以下に更に詳細に記載されている図5のマイクロアレイ受け部分10に対応する。
【0043】
マイクロアレイ受け部分10は適用箇所18に配置され、適用箇所18は、特にユーザ又は患者の皮膚である。適用のために、底部フィルム36(図5及び対応する記載参照)が剥がされているか又は外されている。
【0044】
本質的に直方体のアプリケータ100 は、マイクロアレイ受け部分10上に置かれているか、又はマイクロアレイ受け部分10に連結されている。例えば正方形又は矩形であってもよい直方体の形状の他に、例えば円筒形状などの他の形状が可能である。アプリケータ100 とマイクロアレイ受け部分10との連結を、特にアプリケータ100 の連結デバイス136 及びマイクロアレイ受け部分10のマイクロアレイ受け部分連結デバイス40を用いて行う。一方、この連結を、アプリケータ100 をマイクロアレイ受け部分10に、好ましくは緩く置くことにより行うことができる。他方、アプリケータ100 の連結デバイス136 とマイクロアレイ受け部分連結デバイス40との連結を、構造的な連結によって行うことができる。構造的な連結の場合、アプリケータ100 の連結デバイス136 がねじ及び/又はプラグイン式連結部及び/又は形状嵌合式連結要素及び/又はフランジ及び/又は接着連結デバイスを有することが好ましい。従って、マイクロアレイ受け部分連結デバイス40は、対応する係合部を有することが好ましい。更に、アプリケータ100 の連結デバイス136 が連結要素、特に突起部及び/又はループなどを有し、アプリケータ100 が、例えば腕などの身体部分と連結されることが、或いは又は加えて可能である。特に、アプリケータ100 の連結デバイス136 のループが腕の周りに、好ましくは張力を受けて置かれることが可能であり、従って、好ましくはマイクロアレイ受け部分10がアプリケータの下方にある状態でアプリケータがユーザの皮膚に取り付けられる。
【0045】
アプリケータ100 は、好ましくは直方体の筐体104 を有している。筐体の外壁106 及び外壁 108 が図示されている。筐体は、前側及び後側に対応する2つの更なる側壁を更に有していることが好ましい。一側(図面の上側)で、筐体104 はプランジャ102 の作動面114 で終わる。プランジャ102 は、関節デバイス124 を介して側壁108 に連結されている。図示された実施形態では、関節デバイス124 は回転関節体128 を有しており、回転関節体128 は、好ましくは曲げ関節体である。反対側では、プランジャ102 は、図示されているように所定の破断点112 を有する目標力トリガを介して外壁106 に連結されている。
【0046】
例えばユーザが自身の指で作動面114 を押すことができるように、作動面114 は外側から操作され得る。
【0047】
プランジャ102 は、作動面114 の反対側に凸状構造体116 を有している。この凸状構造体116 は、マイクロアレイ受け部分10の凸状力導入構造体34の反対側に配置されている。
【0048】
図1bは、トリガ位置又は適用位置におけるアプリケータを示す。
【0049】
例えば、作動面114 に自身の指を置いたユーザによって加えられる圧力により、所定の破断点112 が破断し、関節デバイス124 の周りでプランジャ102 の偏移が生じる。
【0050】
プランジャ102 の偏移により、作用が生じる。例えばプランジャ型構造体102 の凸状構造体116 からマイクロアレイ受け部分10の凸状力導入構造体34への力伝達が生じる。2つの接触する凸状構造体116, 34 により、力伝達が即時の力として行われるため、適用箇所18に対して垂直方向又は法線ベクトルに沿ったマイクロアレイ22の偏移が生じる。マイクロアレイ22は、マイクロアレイ受け部分関節デバイス26に沿って偏移する。
【0051】
マイクロアレイ22の偏移により、マイクロニードル24が適用箇所18に穿孔する。目標力トリガ110 を始動させる目標力がマイクロアレイ22の必要な適用力、特に最適な適用力に相当するように、目標力トリガ110 、つまり図面の所定の破断点112 が構成されていることが好ましい。従って、目標力が作動面114 を介して目標力トリガ110 に加えられると即座に、マイクロアレイ22が最適に適用される。
【0052】
偏移位置では、プランジャ102 がマイクロアレイ22に更に押し付けられるように、プランジャ102 は保持デバイス130 によって保持又は固定される。このように、マイクロアレイ22のマイクロニードル24が、より長い期間に亘って適用される。図示されているように、保持デバイス130 は一種の内壁を有しており、内壁は可撓性を有し、筐体の中心に向かって予め応力が加えられている。プランジャ102 が内壁132 を垂直方向に通過すると、内壁132 は筐体の中心に向かって偏移し、この偏移により、プランジャ102 及び内壁132 が傾き、言うなれば、プランジャ状要素が偏移位置で固定される。
【0053】
図2aは、本発明に係るアプリケータ100 の別の実施形態を備えた本発明の適用システム1000の別の実施形態を示し、マイクロアレイ受け部分10は、本質的に図1aのマイクロアレイ受け部分10に相当する。
【0054】
図1aの実施形態と同様に、アプリケータ100 は、連結デバイス136 及びマイクロアレイ受け部分連結デバイス40を介してマイクロアレイ受け部分10と連結されている。
【0055】
図示された実施形態では、目標力トリガ110 はプランジャ102 と筐体104 との間に嵌合部118 として構成されている。このため、プランジャ型要素102 は少なくとも1つの可撓性のビード120 を有している。図2aに示されている最初の位置では、このビード120 は溝122 に配置されている。ビード120 及び/又は溝122 は可撓性を有することが好ましい。克服する嵌合力が定められるように、この可能性を有する構成が特に設けられている。この嵌合力は、目標力トリガ110 の目標力に相当する。
【0056】
例えば、ユーザが作動面114 を目標力で押すことにより、プランジャ102 が垂直方向(下方)に移動する(図2b参照)ように、ビード120 及び/又は溝122 の突出部119 が移動する。筐体104 に対するプランジャ102 の移動は、滑り継手126 として図示されている関節デバイス124 に沿って生じる。プランジャ102 が筐体、つまり滑り継手126 の内側で好ましくは1自由度で垂直方向に移動可能であるように、滑り継手126 は筐体104 の内側の中空形状によって画定されている。
【0057】
アプリケータ100 は、更なる溝134 として構成されている保持デバイス130 を有している。プランジャ102 が垂直方向に移動した後(図2b参照)、プランジャ102 は保持デバイス130 に、好ましくは係止式又はスナップイン式によって留まっている。そのため、プランジャ102 はマイクロアレイ受け部分10のマイクロアレイに更に押し付けられる(図2b参照)。
【0058】
図示された実施形態では、筐体104 の形状は直方体であるが、円筒形状の構成も可能である。加えて、図示されているような目標力トリガ110 のビード120 及び溝122 の組み合わせの代わりに、ビード120 又は溝122 のみを設けることが可能である。更に、プランジャ102 のみがビード若しくは溝を有すること、又は筐体のみがビード若しくは溝を有することが可能である。これは、保持デバイス130 に同様に適用される。
【0059】
図3は、(底部フィルム36が省かれた状態の)マイクロアレイ受け部分群60の実施形態の下側を示す平面図である。
【0060】
マイクロアレイ受け部分群60は、カバーフィルム38を介して互いに連結されているマイクロアレイ受け部分10, 10’, 10’’, 10’’’ の複数の実施形態を示す。マイクロアレイ受け部分群60を適用するために、図示されたマイクロアレイ受け部分群60の側62が特にヒトの皮膚に載置され、ひいてはカバーフィルム38によって環境から保護されるように、マイクロアレイ受け部分群60が皮膚に置かれる。ここで、カバーフィルム38及び/又はマイクロアレイ受け部分10, 10’, 10’’, 10’’’ は、好ましくは可撓性を有するため、マイクロアレイ受け部分群60は特に湾曲した皮膚領域に粘着する。マイクロアレイ受け部分群60を皮膚に置いた後、特に個々のマイクロアレイ受け部分10を個別に適用することが可能であるか、又は、全てのマイクロアレイ受け部分を共に適用することが可能である。
【0061】
図示された実施形態の代わりに、支持構造体16, 16’, 16’’, 16’’’ が互いに、特に一体に連結されることが可能である。
【0062】
図4は、図3のマイクロアレイ受け部分10の詳細を示す。図4は、図示されていない上側12の反対側であるマイクロアレイ受け部分10の下側14を示す。
【0063】
マイクロアレイ受け部分10は、支持領域20を越えて部分的に突出する周方向を囲む支持構造体16を有しており、支持構造体16は、支持領域20と重なる部分によって支持領域20と連結されている(図5参照)。支持構造体16の突出部分が、図4に示されていないカバーフィルム38(図3及び図5参照)と連結されていることが好ましい。カバーフィルム38と支持構造体16との連結は、好ましくは溶接及び/又は接着によって行われている。しかしながら、一体型構成又は別の構成が可能である。支持構造体16及び支持領域20は、特に接着及び/又は溶接によって連結されてもよいが、一体的な連結部分として形成されてもよい。支持領域20は、複数のマイクロニードル24を有するマイクロアレイ22と連結されている。図示されているように、マイクロアレイ22は、マイクロニードル24が配置されているパッチであり、特にマイクロニードル24が一体に形成されているパッチである。ここで、マイクロニードル24は、紙面から(Z方向に)円錐形状に延びていることが好ましい。図示された構成の代わりに、マイクロアレイ22を支持領域20と直接連結することが更に可能であり、一体連結が同様に可能である。従って、支持領域20をマイクロアレイ22及び/又はマイクロニードルと一体に構成することが可能である。支持構造体16は、特に支持領域20を適用箇所から間隔を空けて配置するために(図4の紙面から突出する)高さを有することが好ましい。
【0064】
図4のマイクロアレイ受け部分10は、マイクロアレイ受け部分関節デバイス26を更に有している。ここで、マイクロアレイ受け部分関節デバイス26は、マイクロアレイ受け部分曲げ関節体として、特に線形板状の曲げ関節体として構成されている。このため、支持構造体16は、特に実質的に支持領域20と好ましくは対応する板を穿孔することにより形成されたスロット42, 44を有している。ウェブ48が、これらのスロット42, 44の間に設けられている。好ましくは可撓性を有するこれらのウェブ48により、支持領域20の外側部分に対する内側部分の可動性が可能になる。マイクロアレイ受け部分関節デバイス26は、特にマイクロアレイのZ方向の移動を可能にする。しかしながら、図示されたマイクロアレイ受け部分関節デバイス26の実施形態の構成により、マイクロアレイ22の傾きが更に可能であるので、X軸及び/又はY軸を中心とした移動が同様に可能である。
【0065】
マイクロアレイ受け部分10がマイクロアレイ受け部分群60から独立して形成されることが可能である。従って、図4の実施形態のマイクロアレイ受け部分10は、特に別個のカバーフィルム38を有する。
【0066】
図5は、(マイクロアレイ受け部分群60から独立した)図4の断面Vに沿ったマイクロアレイ受け部分に実質的に相当するマイクロアレイ受け部分10の実施形態を示す断面図である。
【0067】
図5は、図4の実施形態とは異なり、底部フィルム36を示す。この底部フィルム36は支持構造体16に連結されている。底部フィルム36と支持構造体16とのこの連結は、好ましくは接着連結である。ユーザが、特に適用する前に底部フィルム36をマイクロアレイ受け部分10から外すことができるように、底部フィルム36は剥がされる又は外されるように構成されていることが特に好ましい。或いは又は加えて、底部フィルム36が、マイクロアレイ22、つまり特にマイクロニードル24によって貫通され得るように構成されることが可能である。特に、マイクロアレイ受け部分10が底部フィルム36の接着層を介して適用箇所と接着連結され得るように、底部フィルム36は、特に図示されている下側に接着層を有してもよい。
【0068】
図示されている形態では、マイクロアレイ受け部分10は、偏移していない位置又は適用されていない位置にある。従って、特に線形板状の曲げ関節体であるマイクロアレイ受け部分曲げ関節体26は偏移していない。凸状の力導入構造体34はマイクロアレイ22の後側又は支持領域20の後側に連結されている。この凸状の力導入構造体34により、特に対向する凸状のアプリケータを使用して力を加えると、マイクロアレイ22を適用箇所、つまり特に皮膚に対して法線ベクトルに沿って適用することが可能になる。従って、Z軸に沿った偏移が生じるため、皮膚へのマイクロニードルの最適な穿孔及び適用が可能になる。
【0069】
マイクロアレイ22は、底部フィルム36及びカバーフィルム38及び/又は支持領域20によって環境から保護されている。ここで、特に環境からの滅菌保護が可能である。
【0070】
図6は、マイクロアレイ受け部分10の更なる実施形態を示す。図6の実施形態は、大部分が図5の実施形態に相当する。図5の実施形態とは対照的に、図6のマイクロアレイ受け部分は力導入構造体34を有さない。更に、図6の実施形態は、カバーフィルム38無しで示されている。しかしながら、図6の実施形態にカバーフィルム38を設けることが更に可能である。
【0071】
加えて、図6のマイクロアレイ受け部分関節デバイス26の実施形態は、図5の実施形態とは異なる。ここで、マイクロアレイ受け部分関節デバイス26は第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28を有しており、このマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28は本質的に図5の実施形態に対応し、つまり、マイクロアレイ受け部分曲げ関節体28は特に線形板状の曲げ関節体として構成されている。加えて、マイクロアレイ受け部分は、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28の上側に第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30を有している。第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30は、好ましくは特にばね鋼の板であり、この板は上方に曲げられているため、予め応力が加えられた状態である。言い換えれば、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30の構成は、「クリッカ」の構成に相当する。第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30に上から圧力を加えると、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30は変形して反対側に跳ね、そうすると、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30は下方に曲がり、その位置に留まる。このように変形して跳ねることにより、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30は第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28に作用して第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28を同様に偏移させる。この偏移により、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28と連結されているマイクロアレイ22を偏移させる又は適用する。
【0072】
図示された実施形態では、マイクロアレイ受け部分10は、係止デバイス60として構成されている阻止デバイスを有している。図示されているように、係止デバイス60は、ピン32及び第2の曲げ関節体30の開口部31を有している。ピン32は、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28と連結されており、特に第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28と一体に形成されている。ピン32は、骨形の略半分の構造を有しているため、一端部に一種の半球体又は肉厚部分33が設けられていることが好ましい。ピン32は、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28と連結されている他側に向かって先細になっている。第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30が偏移すると、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30自体が、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30に設けられている開口部31によって、特に可撓性を有するピン32の肉厚部分33に掛けられる。このため、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30は第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28と係止され、マイクロアレイ受け部分曲げ関節体28とマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30とのその後の相対的な移動が防止される。言い換えれば、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30は第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28と係止される。第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30に予め応力が加えられているため、マイクロアレイ22が偏移状態、ひいては適用状態で保持されるように、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28及び第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30は偏移位置に留まる。
【0073】
係止デバイス60を有する図示された実施形態の代わりに、係止デバイス無しであって、ひいては更に第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30の開口部31無しのマイクロアレイ受け部分10の構成が更に可能である。
【0074】
2つのマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28, 30が互いに平行に配置されているため、特に図5の実施形態とは対照的に、マイクロアレイ22の傾き、つまりX軸及び/又はY軸を中心とした移動が不可能になる。このように互いに対して配置される2つのマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28, 30により、Z軸に沿った偏移のみが可能であることが保証される。
【0075】
図7は、マイクロアレイ受け部分10の別の実施形態を示す。マイクロアレイ受け部分10は、2つのマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28, 30を有している。ここで、両方のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28, 30は、図5のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28と同様に、つまり特に線形板状の曲げ関節体として構成されている。ここでも、マイクロアレイ受け部分曲げ関節体28, 30の構成により、Z軸に沿った偏移のみが可能であることが保証される。第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28は開口部29を有しており、第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30が開口部31を有している。係止デバイス60が開口部間に設けられており、図示された実施形態では係止ピン32として構成されている。係止ピン32は本質的に骨の形状を有するため、肉厚部分33’, 33’’ が係止ピン32の両端部に設けられている。第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30が正のZ方向に偏移すると、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28も、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28への第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30の作用により偏移し、この偏移により、マイクロアレイ22をZ方向に適用する。加えて、この偏移により、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28及び第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30が自身の開口部29, 31により係止ピン32に掛けられ、係止ピン32の中央部分に係止されたままになることが保証される。このようにして、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28は第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30に対して係止される。
【0076】
第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28と第2のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体30との間に支持構造体16が設けられている。図5の実施形態と同様に、この支持構造体16は、第1のマイクロアレイ受け部分曲げ関節体28の下方に更に延びることができ、そのため特に適用箇所からの間隔を空けることができる。加えて、図5の実施形態と同様に、図7の実施形態では底部フィルム36及び/又はカバーフィルム38及び/又は力導入構造体34を設けることが更に可能である。
【0077】
図8aは、本発明に係るマイクロアレイ受け部分10の更なる実施形態を示す。この実施形態は、図7の実施形態に基づいている。
【0078】
図7の実施形態とは対照的に、ピン32が既に最初の状態で開口部29, 31に挿入されている。ここで、ピン32は、本質的に2つの軸肩部72, 74を有する軸の構成に対応するが、ピン32の様々な形状、例えば円形、矩形、正方形などが可能である。軸肩部72は開口部31に挿入されている一方、軸肩部74は開口部29に挿入されている。ここで、ピン32は、第1の曲げ関節体28と第2の曲げ関節体30との間のスペーサとして機能する。更に、この実施形態では、ピン32の軸肩部72, 74及び開口部29, 31を含むガイドデバイス70が設けられている。ここで、一種のガイドロッドとして機能するピン32により、第1の曲げ関節体28及び第2の曲げ関節体30の線形案内が保証されるため、Z方向に沿った偏移のみが可能になる。第1の曲げ関節体28が傾くか又はモーメントを受けるように作用した場合、ピン32はこのモーメントを吸収して傾きを防ぐ。その結果、マイクロアレイ22のZ方向に沿った線形偏移のみが生じる。
【0079】
この実施形態では、係止デバイス60が更に設けられている。係止デバイス60は、ピン32の突出部33及び係止板62を有している。図示されているように、係止板62は支持構造体16と固定して連結されており、特に支持構造体16と一体に形成されており、面取りされた開口部64を有している。最初の位置(図8a)では、ビードとして更に構成されてもよい突出部33が係止板62の開口部64に載置されている。例えばユーザが第2の曲げ関節体30を押すため、第2の曲げ関節体30がZ方向に沿って偏移すると、ピン32を介して第1の曲げ関節体28に力が伝達され、ひいてはピン32及び第1の曲げ関節体28のZ方向の偏移が更に生じる。この過程で、突出部33は係止板62の開口部64を越える。その結果、ピン32は(Z方向に)係止板62の下方で係止する。そのため、第1の曲げ関節体28は偏移位置で固定され、この固定によって、第1の曲げ関節体28に連結されているマイクロアレイ22に一種の保持圧力が加えられる。従って、マイクロアレイ22を適用状態で保持することが可能である。
【0080】
最初の偏移後、第2の曲げ関節体30が最初の位置に戻ることが可能である。特に軸肩部72と開口部31とのプラグイン式連結部を解放可能な連結部として設けることにより、この戻りを行ってもよい。他方、軸肩部72及び開口部31、並びに/又は軸肩部74及び開口部29が分離不可能である、特に一体であることが可能である。更に、ピン32が軸肩部72, 74を有さない、及び/又は曲げ関節体28, 30が開口部29, 31を有さないが、ピン32が、好ましくは分離不可能に、特に一体に一側で第1の曲げ関節体28と直接連結され、他側で第2の曲げ関節体30と直接連結されることが可能である。
【0081】
突出部33は可撓性を有してもよい。或いは又は加えて、係止板62又は係止板62の開口部64の領域が可撓性を有することが可能である。
【0082】
図8aの実施形態と同様の実施形態では、係止デバイス60が設けられていないことが更に可能であり、つまり、特に係止板62及び/又はピン32の突出部33が設けられていないことが可能である。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9