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特許7556873金属繊維シート、金属繊維シートの作製方法及び温調ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】金属繊維シート、金属繊維シートの作製方法及び温調ユニット
(51)【国際特許分類】
   D21H 13/48 20060101AFI20240918BHJP
   D04H 1/4234 20120101ALI20240918BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20240918BHJP
   H01L 23/373 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
D21H13/48
D04H1/4234
H01L23/36 D
H01L23/36 M
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021551685
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(86)【国際出願番号】 JP2020037985
(87)【国際公開番号】W WO2021070860
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2019184973
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153591
【氏名又は名称】株式会社巴川コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森内 英輝
(72)【発明者】
【氏名】石原 一樹
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-029364(JP,A)
【文献】特開昭54-031462(JP,A)
【文献】特開昭48-020911(JP,A)
【文献】特開2019-009433(JP,A)
【文献】特開2003-332505(JP,A)
【文献】特開2001-160606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21H 13/48
D04H 1/4234
H01L 23/36
H01L 23/373
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維の間に空隙が形成された多孔質体である内部繊維層と、
前記内部繊維層を挟持する複数の繊維からなる一対の外部繊維層と、を有し、
前記一対の外部繊維層の表面に位置する、複数の繊維の各々は扁平形状に成形された平面部として構成され
前記複数の繊維の前記平面部は、略同一平面上に存在する金属繊維シート。
【請求項2】
前記表面の面積に対する、前記平面部が占める割合である平滑面積比率が20%以上100%未満である請求項1に記載の金属繊維シート。
【請求項3】
乾式法、又は湿式抄造法により抄紙されることで得られた湿体シートをドライヤー工程により乾かすことで、表面未処理の金属繊維シートを得ることと、
前記表面未処理の金属繊維シートを、段階的に狭められた複数の圧延ロール間で移動させて、前記金属繊維シートの外表面に位置する繊維を扁平形状に成形し、表面平滑化処理を行うことと、を含む請求項1又は請求項2に記載の金属繊維シートの作製方法。
【請求項4】
外部から熱媒体を導入する熱媒体導入口と、
前記熱媒体導入口からの前記熱媒体が通過する温調機構と、
前記温調機構から外部に前記熱媒体を排出する熱媒体排出口と、を有し、
前記温調機構は、
請求項1又は請求項2に記載の金属繊維シートと、
前記金属繊維シートを収容する収容体と、を備える温調ユニット。
【請求項5】
被温度調節体と熱交換器との間に配置される金属繊維シートであって、
複数の繊維の間に空隙が形成された多孔質体である内部繊維層と、
前記内部繊維層に接する第1外部繊維層と、
前記内部繊維層を基準として前記第1外部繊維層とは反対側に設けられた前記内部繊維層に接する第2外部繊維層と、を有し、
前記第1外部繊維層の表面に位置する複数の繊維の各々は扁平形状に成形された第1平面部として構成され
前記第2外部繊維層の表面に位置する複数の繊維の各々は扁平形状に成形された第2平面部として構成され
前記複数の繊維の前記第1平面部は、略同一平面上に存在して前記熱交換器に接し、
前記複数の繊維の前記第2平面部は、略同一平面上に存在して前記被温度調節体に接する金属繊維シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属繊維シート、金属繊維シートの作製方法及び温調ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気機器の使用電力が増大すると、発熱量が増加して電気機器が高温となり、誤作動及び故障等の原因となる。
そこで、電気機器には、発生した熱を冷却及び放熱するための冷却部材を備えることが多い。
【0003】
このような冷却部材の従来技術の一例として、特許文献1には、冷却効果に優れ、小型化及び薄型化しやすく、局所的な冷却を可能とすることを目的として、金属繊維で構成されている金属繊維シートと、該金属繊維シートを冷却する冷却機構と、を有する冷却部材が開示されており、該金属繊維シートの表面は、平らであってもよく、凹凸を有していてもよいとされている。
【0004】
また、従来技術の他の例である特許文献2及び特許文献3には、不織布の金属繊維シートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-9433号公報
【文献】国際公開第2018/056405号
【文献】国際公開第2018/131658号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術の一例である特許文献1に開示された冷却部材では、金属繊維シートの形状によっては、金属繊維シートと温度調節対象面との間の熱の授受能力が低くなることがある。
また、特許文献2又は特許文献3に開示された不織布の金属繊維シートを特許文献1に開示された冷却部材に対して適用しても金属繊維シートと温度調節対象面との間の熱の授受能力が低くなることがある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、温度調節対象面との間の熱の授受能力が従来よりも高い金属繊維シートを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、繊維の形状が維持されて、空隙を有する多孔質体によって形成された内部繊維層と、前記内部繊維層を挟持する外部繊維層と、を有し、前記外部繊維層のうち最表面に存在する複数の繊維の各々は平面部を有し、前記複数の繊維の前記平面部は、略同一平面上に存在する金属繊維シートである。
【0009】
上記構成の金属繊維シートにおいて、前記最表面の面積に対する、前記外部繊維層のうち最表面に存在する複数の繊維の平面部が占める割合である平滑面積比率が20%以上100%未満であることが好ましい。
【0010】
上記構成の金属繊維シートの作製方法は、乾式法、又は湿式抄造法により抄紙されることで得られた湿体シートをドライヤー工程により乾かすことで、表面未処理の金属繊維シートを得ることと、前記表面未処理の金属繊維シートを、段階的に狭められた複数の圧延ロール間で移動させて表面平滑化処理を行うことと、を含むことが好ましい。
【0011】
又は、本発明は、外部から熱媒体を導入する熱媒体導入口と、前記熱媒体導入口からの前記熱媒体が通過する温調機構と、前記温調機構から外部に前記熱媒体を排出する熱媒体排出口と、を有し、前記温調機構は、上記構成の金属繊維シートと、前記金属繊維シートを収容する収容体と、を備える温調ユニットである。
【0012】
又は、本発明は、被温度調節体と熱交換器との間に配置される金属繊維シートであって、繊維の形状が維持されて、空隙を有する多孔質体によって形成された内部繊維層と、前記内部繊維層に接する第1外部繊維層と、前記内部繊維層を基準として前記第1外部繊維層とは反対側に設けられた前記内部繊維層に接する第2外部繊維層と、を有し、前記第1外部繊維層のうち最表面に存在する複数の繊維の各々は第1平面部を有し、前記第2外部繊維層のうち最表面に存在する複数の繊維の各々は第2平面部を有し、前記複数の繊維の前記第1平面部は、略同一平面上に存在して前記熱交換器に接し、前記複数の繊維の前記第2平面部は、略同一平面上に存在して前記被温度調節体に接する金属繊維シートである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、温度調節対象面との間の熱の授受能力が従来よりも高い金属繊維シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係る金属繊維シートの一主面を示すSEM(Scanning Electron Microscope)像である。
図2図2は、図1に示す金属繊維シートの一主面に略垂直な断面SEM像である。
図3図3は、実施形態に係る金属繊維シートを備える温調ユニットの上面及び上面のA-Aにおける断面を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る金属繊維シートの適用例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る金属繊維シートの他の適用例を示す図である。
図6図6は、実施例における試料1の断面SEM像を示す図である。
図7図7は、実施例における試料2の断面SEM像を示す図である。
図8図8は、実施例における試料3の断面SEM像を示す図である。
図9図9は、実施例における試料4の断面SEM像を示す図である。
図10図10は、実施例における試料5の断面SEM像を示す図である。
図11図11は、実施例における試料6の断面SEM像を示す図である。
図12図12は、実施例における試料7の断面SEM像を示す図である。
図13図13は、実施例における試料8の断面SEM像を示す図である。
図14図14は、実施例における試料9の断面SEM像を示す図である。
図15図15は、実施例における試料10の断面SEM像を示す図である。
図16図16は、実施例における試料11の断面SEM像を示す図である。
図17図17は、実施例における試料12の断面SEM像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
なお、以下の説明において、同じ構成には同じ符号を付すものとする。
【0016】
まず、以下の説明において用いる用語を定義する。
「金属繊維」とは、金属を主成分とする繊維をいい、例えば「銅繊維」とは、銅を主成分とする繊維をいう。
また、金属を主成分とする場合には、不可避的に含まれる不純物を含め、本発明の効果を妨げない限り、当該金属以外の成分を一定量含んでいてもよい。
また、「平均繊維径」とは、顕微鏡像において、撮像された金属繊維シートの複数の箇所における垂直断面に基づいて、金属繊維の長手方向に垂直な断面積を算出し、当該断面積と同一面積を有する真円の直径を算出することにより導かれた面積径の相加平均値をいう。
ここで、複数の箇所は、例えば、20箇所とすることができる。
また、「平均繊維長」とは、顕微鏡でランダムに選択した複数本の繊維について、繊維の長手方向の長さを測定した値の相加平均値をいう。
なお、繊維が直線状でない場合には、繊維に沿った曲線の長さとする。
ここで、複数本は、例えば、20本とすることができる。
また、「占積率」とは、繊維シートの体積に対する繊維部分の占める割合をいい、繊維シートの坪量、厚さ及び繊維の真密度から以下の式により算出される。
ここで、繊維シートが複数の種類の繊維を含む場合には、各繊維の組成比率を反映した真密度値を採用することで占積率を算出することができる。
(占積率(%))=(繊維シートの坪量)/((繊維シートの厚さ)×(真密度))×100。
ここで、「シートの厚さ」とは、空気による端子落下方式の膜厚計(例えば、ミツトヨ社製「デジマチックインジケータID-C112X」)により、例えば、金属繊維シートの測定点を測定した場合の相加平均値をいう。
「均質性」とは、繊維で構成されるシートの電気特性、物理特性及び透気特性等のシートが有する特性のシート内におけるバラツキの少なさをいう。
均質性の指標として、例えば、1cm当たりのJIS Z8101に規定する坪量の変動係数(CV(Coefficient of Variation)値)を採用することができる。
「空隙率」とは、繊維シートの体積に対して空隙が存在する部分の割合をいい、繊維シートの坪量、厚さ、及び繊維の真密度から以下の式により算出される。
繊維シートが複数の種類の繊維を含む場合には、各繊維の組成比率を反映した真密度値を採用することで占積率を算出することができる。
(空隙率(%))=(1-(繊維シートの坪量)/((繊維シートの厚さ)×(真密度)))×100。
本発明における熱媒体は、気体であってもよいし、液体等であってもよく、その性状について限定されるものではない。
すなわち、本発明における熱媒体は、空気のような気体であってもよいし、水又はアルコールのような液体であってもよいし、ハイドロフルオロカーボン又はハイドロフルオロエーテル等のフッ素系の化合物等であってもよい。
【0017】
<実施形態>
図1は、本実施形態に係る金属繊維シート10の一主面を示すSEM(Scanning Electron Microscope)像である。
図2は、図1に示す金属繊維シート10の一主面に略垂直な断面SEM像である。
【0018】
本実施形態に係る金属繊維シート10は、図1及び図2に示すように、表面は平滑性を有する。
また、本実施形態に係る金属繊維シート10は、図1に示すように、隣接する複数の繊維の間が部分的に消失している。
これにより、金属繊維シート10では表面の光沢度が高くなる。
【0019】
また、本実施形態に係る金属繊維シート10は、図2に示すように、外部繊維層11と、内部繊維層12と、外部繊維層13と、を有する。
外部繊維層11と外部繊維層13とは、内部繊維層12を挟持している。
外部繊維層11及び外部繊維層13においては、最表面に存在する複数の繊維14及び繊維15の各々が平面部を有しており、複数の繊維の該平面部は、一主面である表面においては図2に点線で示す平面A上に存在する。
また、他の一主面である裏面においては図2に点線で示す平面B上に存在する。
すなわち、最表面に存在する複数の繊維14の平面部は、略同一平面上に存在し、最表面に存在する複数の繊維15の平面部は、略同一平面上に存在する。
これにより、金属繊維シート10の表面では表面粗さが小さくなり、高い平滑性が実現されている。
【0020】
また、本実施形態に係る金属繊維シート10は、図2に示すように、内部では繊維の形状が維持された空隙を有する多孔質体である。
これにより、金属繊維シート10の内部には熱媒体の流路を確保可能である。
【0021】
なお、実施例において後述するように、各最表面の面積に対する、外部繊維層11及び外部繊維層13のうち各最表面に存在する複数の繊維14及び繊維15の平面部が占める割合である平滑面積比率は、20%以上100%未満であると、実用上有用な熱伝導率とすることができるため、好ましい。
【0022】
なお、金属繊維シート10のサイズは、小型の電子部品の温調ユニットに適用される場合には約1mm角~15mm角とし、基板に実装される場合には約20mm×100mmとし、大型バスバー又は部品接合に用いられる場合には約500mm角とすればよいが、これらに限定されるものではなく、その用途に応じて実施者が適宜サイズを決定することができる。
【0023】
また、図2に示す断面SEM像を取得するに際し、金属繊維シート10の断面は、変形を抑えた切断手法により露出される。
ここで、変形を抑えた切断手法としては、荷重を抑えつつ一主面側から金属繊維シート10にダイヤモンドワイヤソーを近付けることで切断する手法、及び金属繊維シート10に電子ビームを照射してスパッタリングを生じさせることで切断する手法を例示することができる。
ここで、電子ビームを照射する装置としては、クロスセクションポリッシャ(登録商標)を例示することができる。
また、これらの切断手法により金属繊維シート10を切断する前に、樹脂包埋により金属繊維シート10を固定すると、金属繊維シート10の切断面の変形を更に抑えることができるため、好ましい。
【0024】
次に、金属繊維シート10の作製方法について説明する。
金属繊維シート10は不織布であるため、湿式抄造法で抄紙する方法により作製することができる。
湿式抄造法では、金属繊維等が水性媒体に分散しているスラリーを用いて、抄紙機にて湿式抄造を行う。
ここで、スラリーには、填料、分散剤、増粘剤、消泡剤、紙力増強剤、サイズ剤、凝集剤、着色剤及び定着剤等の添加剤が含まれていてもよい。
そして、湿式抄造法により得られた湿体シートに対しては、複数の金属繊維を互いに交絡させる繊維交絡処理工程を行ってもよい。
繊維交絡処理工程としては、湿体シートの一主面に高圧ジェット水流を噴射する工程を例示することができる。
この方法によれば、湿体シート全体にわたって金属繊維又は金属繊維を含む繊維を交絡させることができる。
この湿体シートは、繊維交絡処理工程後に、熱風乾燥によるドライヤー工程を経る。
このドライヤー工程は、減圧焼結炉を用いて不活性ガス雰囲気下において行われることが好ましい。
ドライヤー工程を経たシートは、常温まで冷却された後に巻き取られる。
【0025】
上述のように、繊維交絡処理工程とドライヤー工程とを経て得られたシートには、複数の金属繊維を結着させる前又は複数の金属繊維を結着させた後に表面平滑化処理を行う。
この表面平滑化処理は、圧延法又はカレンダー法により行えばよい。
なお、カレンダー法とは、圧延法の一種であって、加熱された複数のカレンダーロールギャップ間に加工対象物を配置して圧延する加工法をいう。
ここで、具体的には、段階的に隙間が狭くなっていく圧延ロール又はカレンダーロールギャップ間に繊維交絡処理工程とドライヤー工程とを経て得られたシートを配して、当該シートの繊維構造が維持されつつ表面が平滑化される程度の進行速度でシートを徐々に進行させることが好ましい。
このときの進行速度は、シートの坪量及び占積率等により調節して決定すればよい。
このように、表面平滑化処理を行うと、表面は平滑化されるものの、金属繊維シート10の内部の繊維は、表面平滑化処理時に内部の空隙に退避するため、その形状が維持される。
また、このような表面平滑化処理を行うと、金属繊維シート10の厚さを調節して、薄くすることも可能である。
【0026】
なお、複数の金属繊維間の結着部は焼結工程により焼結されることが好ましい。
焼結工程によれば、複数の金属繊維間の結着を確実に行うことができ、複数の金属繊維間が固定されて金属繊維シート10の坪量のCV値が安定し、金属繊維シート10の均質性及び熱伝導性が安定する。
【0027】
なお、金属繊維シート10が不織布であるため、製造方法としては、乾式法を用いてもよい。
乾式法では、カード法及びエアレイド法等により、金属繊維を主体とするウェブを作製し、このウェブを圧縮成形する。
圧縮成形の際には、バインダを複数の金属繊維に含浸させて複数の金属繊維間を結合させてもよい。
ここで、バインダとしては、アクリル系接着剤等の有機バインダ及びコロイダルシリカ等の無機バインダを例示することができる。
なお、乾式法を用いる場合にも、湿式抄造法で抄紙する際と同様に、表面平滑化処理を行う。
【0028】
図3は、本実施形態に係る金属繊維シート10を備える温調ユニット1の上面及び上面のA-Aにおける断面を示す図である。
図3に示す温調ユニット1は、熱媒体導入口2と、温調機構3と、熱媒体排出口4と、を有する。
【0029】
熱媒体導入口2は、温調機構3内に外部から熱媒体を導入するポートである。
熱媒体排出口4は、温調機構3内の熱媒体を外部に排出するポートである。
なお、熱媒体導入口2には、導入する熱媒体を拡散させるためにスタティックミキサーが設けられていることが好ましい。
熱媒体導入口2にスタティックミキサーが設けられていると、導入される熱媒体に乱流が生じ、熱の伝導量を大きくすることができる。
【0030】
温調機構3は、金属繊維を含んで構成された金属繊維シート10と、金属繊維シート10を収容する収容体5と、一主面が温調機構3の外側に露出され、該一主面の裏面が金属繊維シート10に接して設けられることで金属繊維シート10と外部との間で熱交換を行う熱交換板6と、収容体5と熱交換板6との間をシールする密封部材7とを備える。
熱媒体導入口2から導入された熱媒体は、温調機構3内を通過し、熱媒体排出口4から排出される。
【0031】
金属繊維シート10は、金属繊維単独で構成されていてもよいが、金属繊維以外の成分を含んで構成されていてもよい。
金属繊維の金属成分としては、銅、ステンレス、鉄、アルミニウム、ニッケル、クロム及び貴金属等を例示することができるが、これらのうち、銅、ステンレス及びアルミニウムが好ましく、特に銅が好ましい。
銅繊維は、剛直性と塑性変形性とのバランスに優れているからである。
なお、貴金属としては、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム及びオスミウムを例示することができる。
また、金属繊維シート10に含まれる金属繊維以外の成分としては、ポリエチレンテレフタラート(PET:Poly-Ethylene Terephthalate)、ポリビニルアルコール(PVA:Poly-Vinyl Alcohol)、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC:Poly-Vinyl Chloride)、ポリアミド及びアクリル、並びに繊維状物に結着性及び担持性を付与する有機物を例示することができる。
特に、金属繊維シート10が、複数の金属繊維がランダムに交絡した不織布であるため、これらの有機物のいずれか一つ又は複数を含むことで、金属繊維シート10の作製時における形態維持性及び機能性を補助し、又は向上させることができる。
【0032】
金属繊維シート10において、隣接する複数の金属繊維間は、結着されていることが好ましい。
すなわち、金属繊維シート10において、複数の金属繊維は物理的に固定され、複数の金属繊維間に結着部を形成していることが好ましい。
金属繊維シート10は、複数の金属繊維が結着部で直接固定されていてもよいし、間接的に固定されていてもよいが、金属繊維シート10を構成している複数の金属繊維間の少なくとも一部には空隙が形成されていることが好ましい。
金属繊維シート10内にこのような空隙が形成されると、後述の熱媒体が金属繊維シート10内に導入されやすくなるからである。
また、この結着部において、複数の金属繊維間が焼結されていると、金属繊維シート10の熱伝導性及び均質性が安定するため好ましい。
複数の金属繊維間に形成される空隙は、金属繊維が交絡することにより形成されていてもよい。
なお、金属繊維シート10の空隙率は、30%以上80%以下であるとよく、好ましくは30%以上60%以下であり、より好ましくは30%以上40%以下とする。
また、金属繊維シート10の熱伝導率は、2W/(m・K)以上であるとよく、好ましくは5W/(m・K)以上であり、より好ましくは10W/(m・K)以上であり、最も好ましくは20W/(m・K)以上である。
【0033】
また、金属繊維シート10は、複数の金属繊維がランダムに交絡したシート状の不織布であればよい。
【0034】
金属繊維シート10の坪量は、10g/m以上1000g/m以下とすることが好ましい。
金属繊維シート10の坪量を10g/m以上とすると、冷却又は加熱効果を高めることができ、金属繊維シート10の坪量を1000g/m以下とすると、金属繊維シート10を軽量化することができる。
【0035】
ところで、金属繊維シート10の金属繊維の平均繊維径が1μm未満であると、金属繊維の剛直性が低下し、金属繊維シート10の製造に際してダマが生じやすくなり、金属繊維シート10の熱伝導性及び均質性が安定しにくくなる。
他方で、金属繊維シート10の金属繊維の平均繊維径が30μmを超過すると、金属繊維の剛直性が過度に高くなるため、交絡しにくくなる。
そのため、金属繊維シート10の金属繊維の平均繊維径は、好ましくは1μm以上30μm以下とし、2μm以上20μm以下とすることが特に好ましい。
また、金属繊維シート10が、複数の金属繊維がランダムに交絡した不織布である場合、金属繊維シート10の金属繊維の平均繊維長は、金属繊維シート10の熱伝導性及び均質性を安定させるために、1mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0036】
また、金属繊維シート10の金属繊維のアスペクト比が33未満であると、金属繊維が交絡しにくくなる。
他方で、金属繊維シート10の金属繊維のアスペクト比が10000を超過すると、金属繊維シート10の均質性が低下する。
そのため、金属繊維のアスペクト比は、33以上10000以下であることが好ましい。
【0037】
また、金属繊維シート10の占積率が2%未満である場合には、熱媒体導入時の圧力損失が抑えられる一方で、繊維量が不足するため冷却又は加熱効果が低い。
他方で、金属繊維シート10の占積率が65%を超える場合には、熱媒体導入時の圧力損失が高い。
そのため、金属繊維シート10の占積率は、2%以上が好ましく、4%以上がより好ましく、5%以上が特に好ましく、65%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。
【0038】
また、金属繊維シート10の均質性を高めるために、金属繊維シート10の1cmあたりのJIS Z8101に規定する坪量の変動係数であるCV値は、10%以下であることが好ましい。
【0039】
収容体5は、金属繊維シート10を収容する、断熱された構造体である。
収容体5の材料としては、金属、セラミック及び樹脂を例示することができる。
ここで、金属材料としては、ステンレス、銅及びアルミニウムを例示することができる。
また、セラミック材料としては、アルミナ、ジルコニア、チタン酸バリウム、炭化珪素、窒化珪素及び窒化アルミニウムを例示することができる。
また、樹脂材料としては、ポリアクリル酸樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂及びポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール樹脂を例示することができる。
収容体5は、上記の材料によって形成された後に、ロックウール等を用いて断熱される。
【0040】
熱交換板6は、一主面に温度調節対象面を含み、この温度調節対象面の裏面において金属繊維シート10に接し、この温度調節対象面と金属繊維シート10との間の熱交換を行う部材である。
熱交換板6の材料としては熱伝導性が高い材料を用いることが好ましく、熱伝導性が高い材料としては、ステンレス、銅及びアルミニウムを例示することができる。
また、熱交換板6上に金属繊維シート10が接した状態で焼結工程を経ると、金属繊維シート10と熱交換板6とが結着するため好ましい。
金属繊維シート10と熱交換板6とが結着すると、金属繊維シート10と熱交換板6との間において熱が伝導しやすくなるからである。
焼結工程は、減圧焼結炉を用いて不活性ガス雰囲気下において行われることが好ましい。
【0041】
また、金属繊維シート10は表面平滑性が高いため、金属繊維シート10と熱交換板6との間の熱の授受能力を高くすることができる。
【0042】
密封部材7は、収容体5と熱交換板6との間を接合する接合材により形成された部材である。
このような接合材としては、金属接合材又は有機接合材を用いることができる。
金属接合材としては、銀ロウ、リン銅ロウ、半田及び銅箔を例示することができる。
金属接合材は、熱伝導率50W/(m・K)以上とし、厚さは100μm以下とすることが好ましい。
有機接合材としては、熱硬化性の、エポキシ、ウレタン及びシリコーン等を例示することができる。
有機接合材は、熱伝導率が1W/(m・K)未満と低いため、熱伝導性の観点からは薄くすることが好ましく、その厚さは20μm以下とすることが好ましい。
密封部材7は、例えば、金属繊維シート10と熱交換板6とが結着した部材上に収容体5が載置された状態で、焼結又は熱硬化反応によって熱交換板6と収容体5を接合することが好ましい。
【0043】
このように、熱の授受能力が従来よりも高い金属繊維シート10を用いることで、熱交換力の高い温調ユニット1を得ることができる。
【0044】
以上説明したように、温調ユニットの温度調節対象面との間の熱の授受能力が従来よりも高い金属繊維シートを得ることができる。
そのため、従来よりも熱交換力の高い温調ユニットを得ることができる。
【0045】
ただし、本実施形態に係る金属繊維シートは温調ユニットに備えられるものに限定されない。
図4は、本実施形態に係る金属繊維シート10の適用例を示す図である。
図4には、被温度調節体8と、熱交換器9と、金属繊維シート10とが示されており、熱交換器9上に金属繊維シート10が配置され、金属繊維シート10上に被温度調節体8が配置されている。
図4に示す被温度調節体8としては、IC(Integrated Circuit)チップを例示することができる。
なお、熱交換器9は、特定の構成に限定されるものではなく、ヒートシンクであってもよいし、熱伝導性を有した部材であってもよい。
ここで、熱伝導性を有した部材としては、ICチップが実装される基板を例示することができる。
【0046】
金属繊維シート10は、被温度調節体8と熱交換器9との間に配置されている。
金属繊維シート10は、図2を参照して説明した通りであるが、外部繊維層11を第1外部繊維層とし、外部繊維層13を第2外部繊維層とする。
すなわち、金属繊維シート10は、繊維の形状が維持されて、空隙を有する多孔質体によって形成された内部繊維層12と、内部繊維層12に接する第1外部繊維層である外部繊維層11と、内部繊維層12を基準として外部繊維層11とは反対側に設けられた内部繊維層12に接する第2外部繊維層である外部繊維層13と、を有する。
【0047】
また、複数の繊維14によって形成される平面部を第1平面部(図2に示す平面A)とし、複数の繊維15によって形成される平面部を第2平面部(図2に示す平面B)とする。
また、外部繊維層11のうち最表面に存在する複数の繊維14の各々は平面部を有し、外部繊維層13のうち最表面に存在する複数の繊維15の各々は平面部を有する。
そして、第1平面部は、略同一平面上に存在して被温度調節体8に接し、第2平面部は、略同一平面上に存在して熱交換器9に接する。
【0048】
図4に示すように、金属繊維シート10が被温度調節体8と熱交換器9との間に配置されることで、被温度調節体8と金属繊維シート10との間及び熱交換器9と金属繊維シート10との間の密着性が向上し、被温度調節体8と熱交換器9との間の熱の授受能力が高まるとともに、内部繊維層12が被温度調節体8と熱交換器9との熱膨張差を吸収することができる。
【0049】
ただし、本実施形態に係る金属繊維シート10の適用例は図4に示す形態に限定されない。
図5は、本実施形態に係る金属繊維シート10の他の適用例を示す図である。
図5には、被温度調節体8と、熱交換器9と、金属繊維シート10とが示されており、被温度調節体8上に金属繊維シート10が配置され、金属繊維シート10上に熱交換器9が配置されている。
図5に示す被温度調節体8としては、モータを例示することができる。
なお、熱交換器9は、特定の構成に限定されるものではなく、ヒートシンクであってもよいし、熱伝導性を有した部材であってもよい。
ここで、熱伝導性を有した部材としては、モータを収納するハウジングを例示することができる。
図5においても図4と同様に、被温度調節体8と金属繊維シート10との間及び熱交換器9と金属繊維シート10との間の密着性が向上し、被温度調節体8と熱交換器9との間の熱の授受能力が高まるとともに、内部繊維層12が被温度調節体8と熱交換器9との熱膨張差を吸収することができる。
【実施例
【0050】
本実施例では、上述の実施形態において説明した金属繊維シートと、参考例である金属繊維シートとを作製し、その特性を比較した結果について説明する。
【0051】
試料1は、プレス工程を経ることなく作製されたものであって、秤量303g/m、厚さ1019μm、平滑面積比率7.2%である。
試料2は、平判プレス工程を経て作製されたものであって、秤量151g/m、厚さ90μm、平滑面積比率5.7%である。
試料3は、平判プレス工程を経て作製されたものであって、秤量304g/m、厚さ90μm、平滑面積比率5.7%である。
試料4は、圧延法による表面平滑化処理を経て作製されたものであって、秤量154g/m、厚さ46μm、平滑面積比率40.4%である。
試料5は、圧延法による表面平滑化処理を経て作製されたものであって、秤量306g/m、厚さ52μm、平滑面積比率69.4%である。
試料6は、圧延法による表面平滑化処理を経て作製されたものであって、秤量176g/m、厚さ23μm、平滑面積比率62.9%である。
試料7は、圧延法による表面平滑化処理を経て作製されたものであって、秤量310g/m、厚さ66μm、平滑面積比率29.6%である。
試料8は、圧延法による表面平滑化処理を経て作製されたものであって、秤量152g/m、厚さ42μm、平滑面積比率78.6%である。
試料9は、圧延法による表面平滑化処理を経て作製されたものであって、秤量303g/m、厚さ70μm、平滑面積比率63.3%である。
試料10は、カレンダー法による表面平滑化処理を経て作製されたものであって、秤量301g/m、厚さ108μm、平滑面積比率30.0%である。
試料11は、カレンダー法による表面平滑化処理を経て作製されたものであって、秤量302g/m、厚さ110μm、平滑面積比率30.2%である。
試料12は、カレンダー法による表面平滑化処理を経て作製されたものであって、秤量603g/m、厚さ127μm、平滑面積比率22.9%である。
試料1~3は参考例であり、試料4~12は実施例である。
なお、試料1~12のすべてにおいて、金属繊維シートに適用される金属繊維は、銅繊維であり、その平均繊維径は20μmであり、平均繊維長は5mmである。
ここで、銅繊維は純銅により形成されているが、この純銅は、より詳細には銅合金番号C1100のタフピッチ銅である。
【0052】
ここで、実用上有用な熱伝導率は20W/(m・K)以上である。
熱伝導率は、平滑面積比率と相関があり、熱伝導率20W/(m・K)以上とするためには、平滑面積比率20%以上とする。
上述したように、参考例である試料1~3は、平滑面積比率20%未満であり、実施例である試料4~12は、平滑面積比率20%以上である。
なお、平滑面積比率は、最表面の面積に対する、外部繊維層のうち最表面に存在する複数の繊維の平面部が占める割合によって表される。
このように、本発明を適用した実施例においては、実用上有用な熱伝導率とすることができる。
【0053】
ここで、本実施例における熱伝導率の算出方法について説明する。
熱伝導率の算出に際しては、まず、熱拡散率の測定を行った。
熱拡散率の測定は、アイフェイズ社製の超高感度薄膜用熱拡散率測定装置ai-Phase Mobile 1uを用いて周期加熱法によって行った。
【0054】
まず、マイクロヒーターと温度センサとの間に測定対象の金属繊維シートを挟み込み、一定の周期で金属繊維シートを加熱し、温度波を発生させた。
金属繊維シートの厚さ方向に通過した温度波に着目すると、温度の振幅は減衰し、周期は一定のままで温度の正弦波に位相ズレΔθが生じた。
位相ズレΔθは、測定対象である金属繊維シートの熱拡散率が高いと小さくなり、熱拡散率が低いと大きくなり、下記の式(1)が成立する。
なお、ここで、周波数fは温度波の周波数であり、熱拡散率αは測定対象の金属繊維シートの熱拡散率であり、厚さdは測定対象の金属繊維シートの厚さである。
【0055】
【数1】
【0056】
上記の式(1)より、温度波の位相ズレΔθと周波数fの平方根は直線関係にあり、Δθ-√fの傾き及び金属繊維シートの厚さにより、測定対象である金属繊維シートの熱拡散率が算出される。
そして、算出された熱拡散率と、金属繊維シートの比熱と、金属繊維シートの密度との積から、熱伝導率=熱拡散率×比熱×密度を算出した。
【0057】
また、他方では、本発明を適用した実施例の断面写真と参考例の断面写真とを比較すると両者の間には形状に差異がある。
【0058】
図6~17の各々は、この順に、試料1~12の各々の断面SEM像を示す図である。
ここで、図6~17の各々について、各試料を次のように評価した。
まず、金属繊維シートの最も外側に存在する第1の繊維と、次に外側に存在する第2の繊維とを結ぶ基準線を引く。
次に、基準線から各金属繊維シートの内面側5μmの位置に基準線と平行な第1の評価線を引き、基準線から各金属繊維シートの内面側10μmの位置に基準線と平行な第2の評価線を引く。
第1の評価線上において繊維が存在する割合と、第2の評価線上において繊維が存在する割合とを評価線上の繊維占有率として算出する。
【0059】
このように算出した繊維占有率によって評価すると、参考例である試料1~3は、繊維占有率20%未満であり、実施例である試料4~12は、繊維占有率20%以上である。
このような手法によっても、参考例と本発明を適用した実施例とを切り分けることが可能である。
【0060】
以上、本実施例にて説明したように、本発明によれば、実用上有用な熱伝導率の金属繊維シートを得ることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 温調ユニット
2 熱媒体導入口
3 温調機構
4 熱媒体排出口
5 収容体
6 熱交換板
7 密封部材
8 被温度調節体
9 熱交換器
10 金属繊維シート
11,13 外部繊維層
12 内部繊維層
14,15 繊維
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17