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▶ カーステン マニュファクチュアリング コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】鍛造アイアンヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240918BHJP
   A63B 53/06 20150101ALI20240918BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240918BHJP
【FI】
A63B53/04 E
A63B53/06 C
A63B102:32
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021563722
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 US2020029963
(87)【国際公開番号】W WO2020219987
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】62/839,411
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユージェン ホアン
(72)【発明者】
【氏名】エリック エム. ヘンリクソン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ダブリュ. シモーネ
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03979122(US,A)
【文献】登録実用新案第3213061(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0156324(US,A1)
【文献】特開2007-319687(JP,A)
【文献】特開2007-236941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00 - 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイアン型のゴルフクラブヘッドであって、
メインクラブ本体と、
インサートと、
キャップと、
ウエイトと、を備え、
前記メインクラブ本体は、
前部と、
後部と、
トウ端部と、
ヒール端部と、
ストライク面と、
ゴルフボールをインパクトするように構成されているストライク面の前面と、
ゴルフシャフトを受け入れるように構成されているホーセルと、
トップレールと、
ソールと、
ストライク面の後面と、
前記トップレール、前記ソール、前記トウ端部、及び、前記ヒール端部によって形成された外周側壁と、
を備え、
前記外周側壁は、前記ストライク面と略直交して、後方に延びており、
前記外周側壁と前記ストライク面の後面とによって、バックキャビティが画定され、
前記バックキャビティは、前記メインクラブ本体の前記後部に向かって開いており、
前記外周側壁は、さらに、前記ストライク面の後面の周りの少なくとも一部において、前記外周側壁内へと窪むロック溝を備え、
前記ロック溝は、前記ストライク面の後面と平行な方向において、前記ストライク面の後面から後方にオフセットして前記外周側壁内へと窪んでおり、
前記インサートは、
インサート前面と、
インサート後部と、
インサートロックフランジと、
を備え、
前記インサートは、前記バックキャビティ内に受け入れられるように構成されており、
前記インサートロックフランジは、前記ロック溝内に受け入れられるように構成されており、
前記インサート前面は、前記ストライク面の後面と直接に隣接して、前記ストライク面の後面に適合するように構成されており、
前記インサート後部は、さらに、
上側部と、
マッスルバック部と、
前記上側部と前記マッスルバック部との間の移行部と、
を備え、
前記マッスルバック部は、空隙を取り囲み、
前記メインクラブ本体は、さらに、前記ヒール端部内の開口を備え、
前記開口は、ヒール端部の外面へと開き、かつ、前記バックキャビティへと開く孔であり、
前記インサートが、前記バックキャビティ内に受け入れられる場合に、前記開口は、前記空隙と並び、
前記ウエイトは、前記開口を通して、前記空隙内に受け入れられるように構成されており、
前記ウエイトが前記空隙内に受け入れられた後に、前記キャップによって前記開口が塞がれる、アイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記メインクラブ本体は、さらに、第1の密度を有する第1の材料を含む、請求項1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記第1の材料は、第1の金属合金である、請求項2に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記インサートは、第2の密度を有する第2の材料を含む、請求項3に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記第1の材料の前記第1の密度は、前記第2の材料の第2の密度よりも大きい、請求項4に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記インサートの上部は、第1のインサート厚さを有し、
前記インサートの前記マッスルバック部は、第2のインサート厚さを有し、
前記第2のインサート厚さは、前記第1のインサート厚さよりも大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記移行部から遠い部分での前記第2のインサート厚さが、前記移行部に近い側の部分での前記第2のインサート厚さよりも大きい、請求項6に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記空隙は、前記インサートのマッスルバック部内に完全に包含される、請求項1から7のいずれか一項に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記ウエイトは、
トウ端部部分と、
中央部分と、
ヒール端部部分と、
を備え、
前記ウエイトは、ただ1つの材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記ウエイトは、
トウ端部部分と、
中央部分と、
ヒール端部部分と、
を備え、
前記ウエイトは、
第1のウエイト材料と、
第2のウエイト材料と、
を含み、
前記第1のウエイト材料は、前記第2のウエイト材料よりも小さい密度を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記ヒール端部のウエイト部分は、前記第2のウエイト材料を含む、請求項10に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記トウ端部のウエイト部分は、前記第2のウエイト材料を含む、請求項10に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記ウエイトは、接着剤の手段によって前記空隙内に恒久的に固定される、請求項1から12のいずれか一項に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記ウエイトは、圧入、さらには、ねじ式のキャップによって前記空隙内に着脱可能に固定される、請求項1から12のいずれか一項に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記ロック溝は、2.45ミリメートルから12.7ミリメートルの範囲で後退する深さを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記ロック溝は、ロック溝底部と、2つのロック溝側壁と、を備え、
前記バックキャビティが前記インサートを受け入れる前において、前記ロック溝は、前記本体の前記バックキャビティに開口している、請求項1から15のいずれか一項に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記ロック溝側壁は、さらに、前記ロック溝側壁と直交する後退を有する、請求項16に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
アイアン型のゴルフクラブヘッドを形成するための方法であって、
メインクラブ本体と、軽量インサートと、キャップと、ウエイトと、を設けるステップを備え、
前記メインクラブ本体は、
前部と、
後部と、
トウ端部と、
ヒール端部と、
ストライク面と、
ゴルフボールをインパクトするように構成されているストライク面の前面と、
ゴルフシャフトを受け入れるように構成されているホーセルと、
トップレールと、
ソールと、
ストライク面の後面と、
前記トップレール、前記ソール、前記トウ端部、及び、前記ヒール端部によって形成された外周側壁と、
を備え、
前記外周側壁は、前記ストライク面と略直交して、後方に延びており、
前記外周側壁と前記ストライク面の後面とによって、バックキャビティが画定され、
前記バックキャビティは、前記メインクラブ本体の前記後部に向かって開いており、
前記外周側壁は、さらに、前記ストライク面の後面の周りの少なくとも一部において、前記外周側壁内へと窪むロック溝を備え、
前記ロック溝は、前記ストライク面の後面と平行な方向において、前記ストライク面の後面から後方にオフセットして前記外周側壁内へと窪んでおり、
前記メインクラブ本体は、前記ヒール端部内の開口を備え、
前記開口は、ヒール端部の外面へと開き、かつ、前記バックキャビティへと開く孔であり、
前記メインクラブ本体は、さらに、第1の密度を有する第1の材料を有し、
前記第1の材料は、第1の金属合金であり、
前記方法は、さらに、
上の金型プラテンと、下の金型プラテンと、を含む鍛造金型を設けるステップと、
前記ストライク面の前面を下側に向けて、前記バックキャビティを上側に向けて、前記本体を前記鍛造金型の前記下の金型プラテン内に配置するステップと、
第2の材料を有するバレットを前記バックキャビティ内に入れるステップであって、前記第2の材料は、前記第1の密度よりも小さい第2の密度を有する、ステップと、
前記バレットの元で、前記開口を通して、プルロッドを前記バックキャビティへと挿入するステップと、
前記下の金型プラテンの上で前記上の金型プラテンをプレスして、前記軽量インサートを形成するステップと、
前記上の金型プラテンを上げて、前記開口を通して、前記プルロッドを引き出し、前記軽量インサート内に空隙を形成するステップと、
前記開口を通して、前記開口内にウエイトを受け入れるステップと、
前記キャップで前記開口を塞ぐステップと、
を備える、方法。
【請求項19】
アイアン型のゴルフクラブヘッドを形成するための方法であって、
メインクラブ本体と、インサートと、キャップと、ウエイトと、を設けるステップを備え、
前記メインクラブ本体は、
前部と、
後部と、
トウ端部と、
ヒール端部と、
ストライク面と、
ゴルフボールをインパクトするように構成されているストライク面の前面と、
ゴルフシャフトを受け入れるように構成されているホーセルと、
トップレールと、
ソールと、
ストライク面の後面と、
前記トップレール、前記ソール、前記トウ端部、及び、前記ヒール端部によって形成された外周側壁と、
を備え、
前記外周側壁は、前記ストライク面と略直交して、後方に延びており、
前記外周側壁と前記ストライク面の後面とによって、バックキャビティが画定され、
前記バックキャビティは、前記メインクラブ本体の前記後部に向かって開いており、
前記外周側壁は、さらに、前記ストライク面の後面の周りの少なくとも一部において、前記外周側壁内へと窪むロック溝を備え、
前記ロック溝は、前記ストライク面の後面と平行な方向において、前記ストライク面の後面から後方にオフセットして前記外周側壁内へと窪んでおり、
前記メインクラブ本体は、前記ヒール端部内の開口を備え、
前記開口は、ヒール端部の外面へと開き、かつ、前記バックキャビティへと開く孔であり、
前記メインクラブ本体は、さらに、第1の密度を有する第1の材料を有し、
前記第1の材料は、第1の金属合金であり、
前記方法は、さらに、
スクイーズキャストのモールドを設けるステップと、
前記バックキャビティが前記スクイーズキャストのモールドの内部で露出されるように、前記メインクラブ本体を前記スクイーズキャストのモールド内に配置するステップと、
プルロッドを前記バックキャビティへと挿入するステップと、
第2の金属合金を可塑の温度に加熱して、前記第2の金属合金を前記スクイーズキャストのモールドへと強制的に流し、前記インサートを前記メインクラブ本体の前記バックキャビティ内に形成するステップであって、前記第2の金属合金は、前記第1の密度よりも低い第2の密度を有する、ステップと、
前記スクイーズキャストのモールドを開き、前記開口を通して、前記プルロッドを引き出し、前記インサート内に空隙を形成するステップと、
前記開口を通して、前記開口内にウエイトを受け入れるステップと、
前記キャップで前記開口を塞ぐステップと、
を備える、方法。
【請求項20】
アイアン型のゴルフクラブヘッドを形成するための方法であって、
メインクラブ本体と、インサートと、キャップと、ウエイトと、を設けるステップを備え、
前記メインクラブ本体は、
前部と、
後部と、
トウ端部と、
ヒール端部と、
ストライク面と、
ゴルフボールをインパクトするように構成されているストライク面の前面と、
ゴルフシャフトを受け入れるように構成されているホーセルと、
トップレールと、
ソールと、
ストライク面の後面と、
前記トップレール、前記ソール、前記トウ端部、及び、前記ヒール端部によって形成された外周側壁と、
を備え、
前記外周側壁は、前記ストライク面と略直交して、後方に延びており、
前記外周側壁と前記ストライク面の後面とによって、バックキャビティが画定され、
前記バックキャビティは、前記メインクラブ本体の前記後部に向かって開いており、
前記外周側壁は、さらに、前記ストライク面の後面の周りの少なくとも一部において、前記外周側壁内へと窪むロック溝を備え、
前記ロック溝は、前記ストライク面の後面と平行な方向において、前記ストライク面の後面から後方にオフセットして前記外周側壁内へと窪んでおり、
前記メインクラブ本体は、前記ヒール端部内の開口を備え、
前記開口は、ヒール端部の外面へと開き、かつ、前記バックキャビティへと開く孔であり、
前記メインクラブ本体は、さらに、第1の密度を有する第1の材料を有し、
前記第1の材料は、第1の金属合金であり、
前記方法は、さらに、
プラスチックの射出成形のモールドを設けるステップと、
前記バックキャビティが前記プラスチックの射出成形のモールドの内部で露出されるように、前記メインクラブ本体をプラスチックの射出成形のモールド内に配置するステップと、
プルロッドを前記バックキャビティへと挿入するステップと、
熱可塑性のプラスチック材料を加熱して、前記熱可塑性のプラスチック材料を前記プラスチックの射出成形のモールド内へと強制的に流し、前記インサートを前記メインクラブ本体の前記バックキャビティ内に形成するステップであって、前記熱可塑性のプラスチック材料は、前記第1の密度よりも小さい第2の密度を有する、ステップと、
前記プラスチックの射出成形のモールドを開き、前記開口を通して、前記プルロッドを引き出し、前記インサート内に空隙を形成するステップと、
前記開口を通して、前記開口内にウエイトを受け入れるステップと、
前記キャップで前記開口を塞ぐステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、平成31年4月26日に出願された米国仮特許出願第62/839,411号の利益を主張する。
【0002】
本開示は一般に、バックキャビティ内に3D鍛造軽量部品を有するゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
慣性改善のための改善された質量分布を有するが、完全なマッスルバックアイアンの美観も維持するアイアン型のゴルフクラブヘッドが当技術分野で必要とされている。
【0004】
本明細書に記載される本発明は、最適化された質量分布を有する一方で、完全なマッスルバックアイアンの美観も有するアイアン型のゴルフクラブヘッドである。アイアン型のゴルフクラブヘッドは、メインクラブヘッド本体と、軽量バックキャビティインサートと、アイアン型のゴルフクラブヘッドの質量特性を調整することができるCTPウエイトを受け入れるように構成された軽量バックキャビティインサート内の空隙と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示は一般に、スポーツ用具に関し、より詳細には、ゴルフクラブヘッド及び関連する方法に関する。
【0006】
図1】グランド面に対するアドレスにおけるアイアン型のゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
【0007】
図2】バックキャビティとヒール端部を貫通する開口部とを備えるアイアン型のゴルフクラブヘッドの断面を示す。
【0008】
図3A】上下の鍛造金型のための接触面と、軽量材料のビレットと、を有するアイアン型のゴルフクラブヘッドを示す。
【0009】
図3B】上下の鍛造金型のための接触面を有するアイアン型のゴルフクラブヘッドと、軽量材料のビレットと、軽量材料に空隙を作るために使用される鍛造ロッドと、を示す。
【0010】
図4A】アイアン型のゴルフクラブヘッドを分解図で示す。
【0011】
図4B】アイアン型のゴルフクラブヘッドを分解図で示す。
【0012】
図4C】アイアン型のゴルフクラブヘッドを分解図で示す。
【0013】
図5A】アイアン型のゴルフクラブヘッドのメインクラブ本体及び軽量バックキャビティインサートを示す。
【0014】
図5B】軽量バックキャビティインサート内の空隙を示す底部の断面図である。
【0015】
図6】軽量バックキャビティインサートを示す。
【0016】
図7A】軽量バックキャビティインサート内に空隙を有するアイアン型のゴルフクラブヘッドを示す。
【0017】
図7B】空隙内にウエイトを有するアイアン型のゴルフクラブヘッドを示す。
【0018】
図8】CTPウエイトを示す。
【0019】
図9】ゴルフクラブヘッドを形成する方法を示す。
【0020】
図10】ゴルフクラブヘッドを形成する方法を示す。
【0021】
図11】ゴルフクラブヘッドを形成する方法を示す。
【0022】
図1~9は、アイアン型のゴルフクラブヘッドの単一の実施形態を示す。
【0023】
本開示の他の態様は、詳細な説明及び添付の図面を考慮することによって明らかになるのであろう。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に記載されるアイアン型のゴルフクラブは、従来のマッスルバックのアイアン型のゴルフクラブヘッドの視覚的美観、並びに、より寛容なキャビティバックのアイアン型のゴルフクラブヘッドの質量特性及び着脱可能なCTPウエイトによって提供されるクラブヘッド重心を調整する能力、の両方を提供する。アイアン型のゴルフクラブヘッドは、より多くの質量をゴルフクラブヘッドの外周に移動させることを可能にするバックキャビティを備える。軽量バックキャビティ部品または軽量部品がバックキャビティ内に取り付けられている。ゴルフクラブヘッドは、CTPウエイトの質量を構成することによって質量特性の変化を可能にする、軽量部品内の空隙と共に受け入れられるCTPウエイトをさらに備える。
【0025】
明細書及び特許請求の範囲において、用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などがもしあれば、類似の部品を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または時系列順序を説明するために使用されるわけではなく、そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であり、例えば、本明細書で説明される実施形態は本明細書で図示されるまたは別の方法で説明されるシーケンス以外のシーケンスで動作することができることを理解されたい。さらに、「含む」、「有する」という用語、及びそれらの任意の変形は、部品のリストを含むプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置が必ずしもそれらの部品に限定されないが、そのようなプロセス、方法、システム、物品、装置、または装置に明示的に記載されていない、または固有ではない他の部品を含み得る。
【0026】
明細書及び特許請求の範囲における用語「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「上」、「下」などは、もしあれば、説明の目的で使用され、必ずしも恒久的な相対位置を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は本明細書で説明される装置、方法、及び/又は製造物品の実施形態が、例えば、本明細書で図示されるか、または他の方法で説明されるもの以外の他の向きで動作することができるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。
【0027】
本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その出願において、以下の説明に記載されるか、または以下の図面に例示される構成の詳細及び部品の配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することが可能である。
【0028】
本明細書に記載されるゴルフクラブの態様は、アイアンセット内の1つ以上のゴルフクラブに適用されてもよい。実施形態では、一組のアイアンが、変動可能なクラブヘッドサイズ、シャフト長さ、ライ角度、ロフト角度、ヘッド重量、及び/又は、他のパラメータを有するアイアンを含む。アイアンセット内の各クラブヘッドは、1から10までの範囲の数で、慣例に従って番号付けすることができる。最も一般的には、セットが2~9、ウェッジ、及び、ユーティリティクラブの番号が付けられる。さらに、アイアンセットは、番号付けされたアイアンよりも高いロフト角を有する1つ以上のウェッジを含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100はウェッジであり得る。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100のロフト角が約50度未満、約49度未満、約48度未満、約47度未満、約46度未満、約45度未満、約44度未満、約43度未満、約42度未満、約41度未満、または約40度未満である。さらに、多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100のロフト角が約16度よりも大きく、約17度よりも大きく、約18度よりも大きく、約19度よりも大きく、約20度よりも大きく、約21度よりも大きく、約22度よりも大きく、約23度よりも大きく、約24度よりも大きく、または約25度よりも大きい。
【0030】
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドのロフト角が約64度未満、約63度未満、約62度未満、約61度未満、約60度未満、約59度未満、約58度未満、約57度未満、約56度未満、約55度未満、または約54度未満である。さらに、多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドのロフト角が約46度よりも大きく、約47度よりも大きく、約48度よりも大きく、約49度よりも大きく、約50度よりも大きく、約51度よりも大きく、または約52度よりも大きい。
【0031】
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドが1.9立方インチ~2.7立方インチの総体積を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドの総体積が1.9立方インチ~2.4立方インチ、2.0立方インチ~2.5立方インチ、2.1立方インチ~2.6立方インチ、2.2立方インチ~2.7立方インチ、2.3立方インチ~2.7立方インチ、または2.4立方インチ~2.7立方インチとすることができる。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドの総体積が1.9立方インチ、2.0立方インチ、2.1立方インチ、2.2立方インチ、2.3立方インチ、2.4立方インチ、2.5立方インチ、2.6立方インチ、又は2.7立方インチとすることができる。
【0032】
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドが200グラム~300グラムの総質量を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドが200グラム~210グラム、210グラム~220グラム、220グラム~230グラム、230グラム~240グラム、240グラム~250グラム、250グラム~260グラム、255グラム~260グラム、260グラム~270グラム、265グラム~275グラム、270グラム~280グラム、275グラム、及び280グラム、または250グラム~270グラムの総質量を含むことができる。他の実施形態では、総質量が200グラム、205グラム、210グラム、220グラム、225グラム、230グラム、235グラム、240グラム、245グラム、250グラム、255グラム、260グラム、265グラム、270グラム、275グラム、280グラム、285グラム、290グラム、295グラム又は300グラムとすることができる。
【0033】
ゴルフクラブヘッドのメイン本体
アイアン型のゴルフクラブヘッドは、より多くの質量をゴルフクラブヘッドの外周に移動させることを可能にするバックキャビティを有する本体を備える。軽量バックキャビティ部品または軽量インサートがバックキャビティ内に取り付けられている。ゴルフクラブヘッドはさらに、軽量部品内に空隙を有して受け入れられるCTPウエイトを備え、CTPウエイトの質量を構成することで、ゴルフクラブヘッドの重心をトウまたはヒールに向かって移動させることによって、質量特性の変化を可能にする。
【0034】
図1及び図2を参照すると、アイアン型のゴルフクラブヘッド100の本体410は、トウ端部110と、ヒール端部と、ゴルフボールをインパクトするためのストライク面140を有する前部と、ホーセルと、トップレール120と、ソールと、シャフトを受け入れるように構成されたホーセルと、前部に対向する後部と、ストライク面140の後面230によって囲まれ画定されるバックキャビティ220と、外周側壁460と、を有する。外周側壁460は、トップレール120と、ソール150と、トウ端部110と、ヒール端部130とによって形成されるバックキャビティ220を囲む。本体410のソール150は、トップレール120よりもさらに本体410の後部に向かって延在する。したがって、外周側壁460の下部は、外周側壁460の上部よりも後部までさらに延在する。バックキャビティ220は深さを有し、バックキャビティ220の深さは、下部、ソールワード部分において、バックキャビティ220の上部、トップレール120の部分より大きい。
【0035】
図1図2、及び、図4A図8はすべて、ゴルフクラブヘッド100の単一の実施形態を示している。全ての番号付けされた特徴及び部品は、ゴルフクラブヘッド100の特徴及び部品である。図3A及び3Bは、また、これらの部品を共有するが、製造方法に関連する部品も有する。
【0036】
図1を参照すると、クラブヘッド100は、クラブヘッド100がアドレス位置にあるときにソール150に接するグランド面1000を画定する。
【0037】
図2及び4Aを参照すると、外周側壁460は、後面230に対して略垂直である。外周側壁460は、垂直からプラスまたはマイナス5度だけ変化してもよい。ゴルフクラブヘッド100のヒール端部130はヒール端部130を通る開口210を有することができ、そのため、開口210はヒール端部130の外面に開口し、バックキャビティ220に開口する。
【0038】
図2及び4Aを参照すると、外周側壁460は、バックキャビティ220の周囲に沿った外周側壁460内のロック溝240を備える。ロック溝240は、後面230を囲む外周側壁460内に窪む。ロック溝240は、ストライク面140の後面230に平行な方向に外周側壁460内に埋め込まれる(図2参照)。
【0039】
図2を参照すると、ロック溝240は、ロック溝底部と、2つのロック溝側壁と、を備える。このロック溝はバックキャビティ220が軽量インサート430を受け入れる前に、本体410のバックキャビティ220に開口している。ロック溝240は平面を画定することができ、ここで、平面は外周側壁460の周りでロック溝240底部の中心と交差し、平面は本質的に、ストライク面140と平行である。
【0040】
さらに図2を参照すると、ロック溝240は単一の一定の深さを有していてもよい。他の実施態様において、ロック溝240の深さは、変化してもよい。ロック溝240は、単一の一定の幅を有することができる。他の実施態様において、ロック溝240の幅は変化してもよい。ロック溝240は、全ての外周側壁460の周囲に連続していてもよい。ロック溝240は、不連続であってもよく、外周側壁460の周囲で互いに分離された複数の部分を形成してもよい。ロック溝240は、ロック240の底部に沿った突起または減退を備えてもよい。ロック溝240の側壁は、ロック溝240の側壁に減退又は後退を含んでもよく、減退又は後退は、ロック壁の側壁240(図示せず)に垂直であってもよい。
【0041】
さらに図2を参照すると、ロック溝240の深さは、0.1インチ~0.5インチの範囲であってもよい。ロック溝240の深さは、0.1、インチ0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、または0.5インチであってもよい。ロック溝240の幅は、0.1インチ~0.5インチの範囲であってもよい。ロック溝240の幅は、0.1、インチ0.2インチ、0.3インチ、0.4インチ、または0.5インチであってもよい。
【0042】
図4A及び図4Bを参照すると、ソール150は、CTPウエイト溝370をさらに備える。CTPウエイト溝370は、CTPウエイト溝370の長さに沿ったCTPウエイト溝370の軸を含む。その結果、CTPウエイト溝370の軸は、ゴルフクラブヘッド100のヒール端部130からゴルフクラブヘッド100のトウ端部110までのCTPウエイト溝370の長さに沿ったCTPウエイト溝370のエッジから等距離にある。CTPウエイト溝370の軸は、ストライク面140の後面230に平行である。中央のCTPウエイト溝370の軸はゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるとき、グランド面1000との角度を規定する。CTPウエイト溝370はCTPウエイト420が空隙710内に受け入れられるとき、CTPウエイト420の長さの一部を受け入れる。
【0043】
さらに図4A及び図4Bを参照すると、ゴルフクラブヘッド100がアドレス位置にあるときの、グランド面1000に対するCTPウエイト溝370の軸角度は、0度から30度の間であってもよい。CTPウエイト溝370の軸角度は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30度であってもよい。
【0044】
さらに図4A及び図4Bを参照すると、CTPウエイト溝370は、長さ、幅、及び、窪みの深さを有する。CTPウエイト溝370の深さは、CTPウエイト溝370がソール150の外周側壁460内の凹部を画定するように、周囲のソール150の外周側壁460の表面に関連して測定される。CTPウエイト溝370の凹部の深さは、ゴルフクラブヘッド100のヒール端部130に最も近い位置から、ゴルフクラブヘッドのトウ端部110に向かって延びるにつれて徐々に減少する。CTPウエイト溝370の深さの幅は、ゴルフクラブヘッドのトウ端部110に向かって延びるにつれて、ゴルフクラブヘッドのヒール端部130に最も近い位置から徐々に減少する。CTPウエイト420の溝370は、CTPウエイト溝370の深さ及びCTPウエイト溝370の幅がそれぞれゼロであるトウ端部110の終端まで先細りになる。CTPウエイト溝370は、断面プロファイルをさらに備える。CTPウエイト溝370の断面プロファイルは一定であってもよい。あるいは、CTPウエイト溝370の断面プロファイルがゴルフクラブヘッドのヒール端部130に最も近いものからゴルフクラブヘッドのトウ端部110に向かって徐々に変化してもよい。CTPウエイト溝370の断面プロファイルは、ゴルフクラブヘッドのヒール端部130に最も近いものからゴルフクラブヘッドのトウ端部110に向かって減少してもよい。CTPウエイト溝370の断面プロファイルは、曲率半径を含んでもよい。CTPウエイト溝370は、ソール150の外周側壁460からの後退が始まる点に沿った縁部を含む。
【0045】
図2及び図4Bを参照すると、ゴルフクラブヘッド100の本体410はさらに、本体410の外面からバックキャビティ220内に延びる、ゴルフクラブヘッド100の本体410のヒール端部130内の穴または開口210を画定する。開口210は、深さと断面積とを含む。開口210は中心軸を画定し、開口210の中心軸は開口210の深さに沿って開口210の幾何学的中心を通って延び、ストライク面の後面230と本質的に平行である。いくつかの実施形態では、開口210が曲率半径を有する円形断面形状を含む。他の実施形態では、開口210が任意の幾何学的断面形状を含む(図2参照)。開口210はゴルフクラブヘッド本体410のヒール端部130の外面から、外周側壁460のヒール端部130を通って延びている。
【0046】
さらに図2及び図4Bを参照すると、開口210の中心軸も、CTPウエイト溝370の軸に平行に延びている。一実施形態ではゴルフクラブ本体410のヒール端部130内の開口210の断面形状が円形であってもよく、CTPウエイト溝370の断面形状はCTPウエイト溝370の長さに沿った任意の位置における円形断面であってもよく、開口210の曲率半径及びCTPウエイト溝370の曲率半径は同じであってもよい。
【0047】
ゴルフクラブヘッド100の本体410は、鋼合金、チタン合金、アルミニウム合金、プラスチックポリマー、炭素繊維、複合材、熱可塑性複合材、または任意の他の適切な材料を含むことができる。
【0048】
軽量部品
図1~9は全て、ゴルフクラブヘッド100の単一の実施形態を示している。全ての番号付けされた特徴及び部品は、ゴルフクラブヘッド100の特徴及び部品である。
【0049】
図2の4A、4B、及び、4Cを参照すると、軽量部品430は本体410のバックキャビティ220内に存在し、クリーンなマッスルバックの美観を提供する。軽量部品430は、上側部620と、下側のマッスルバック部640と、上側部620と下側のマッスルバック部640との間の移行部630と、を含む。上側部620は、本体410のトップレール120よりもさらに後方に延在しない。下側のマッスルバック部640は、本体410のソール150よりも後方には延びていない。上側部620は、第1のインサート厚さを備える。下側のマッスルバック部640は、第2のインサート厚さを画定する。第2のインサートの厚さは変え得る。第2のインサートの厚さは、外周側壁460のソール部分とインサートの移行部630との間の最大厚さを有してもよい。第2のインサートの厚さは、第1のインサートの厚さよりも大きい。インサートの移行部630は、第1のインサートの厚さから第2のインサートの厚さに移行する厚さを含む。
【0050】
図2、4A、4B、4C、5A、及び、6を参照すると、軽量部品430は、バックキャビティ220の外周側壁460内のロック溝240内に受け入れられるように構成されたロックフランジ610を備え、軽量部品430をバックキャビティ220内に保持するための機械的ロックを提供する。軽量部品430はCTPウエイト420を保持するための空隙710を取り囲み、空隙710が本体410のヒールの開口210と整列するようになっている。本体410の開口210と軽量部品430の空隙710とが組み合わさってCTPウエイト420を受け入れる(図4C)。空隙710は、軽量部品430の下側のマッスルバック部640内にあってもよい。空隙710のどの部分も、軽量部品430の移行部630又は上側部620内には存在しない。
【0051】
図5A、5B、及び、7Aを参照すると、軽量部品430は、ゴルフクラブヘッド100のヒール端部130内の開口210に整列された空隙710を取り囲み得る。空隙710は、CTPウエイト420の溝の軸に沿って、ゴルフクラブヘッド100のソール150及びストライク面140に平行に、ヒール端部130からトウ端部110に向かって測定された長さを有する。空隙710は、直径または断面幅を有する。空隙710はヒール端部130において開口210に対して開いており、トウ端部110に向かって閉じており、空隙710は、軽量部品430を完全に貫通しないようになっている。多くの実施形態では、空隙710が本体410のヒールの開口210の形状に相補的な断面形状を有するテーパ付き円筒であり得る(図5A)。空隙710の断面形状は先細りとすることができるため、空隙710のトウ端部110に向かう断面は本体410のヒール端部130に向かう空隙710断面よりも小さい。
【0052】
空隙710の長さは、2.0インチ~4.0インチの範囲であり得る。空隙710の長さは、2.0インチ、2.5インチ、3.0インチ、3.5インチ、または4.0インチであってもよい。
【0053】
空隙710の直径または断面幅は、0.25インチ~0.75インチの範囲であり得る。空隙710の直径または断面幅は、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、または0.75インチであってもよい。
【0054】
図7を参照すると、空隙710は、空隙の中心軸1010を画定する。空隙の中心軸1010は、開口の中心軸と整列される。空隙の中心軸1010は、CTP溝の軸370に平行である。空隙の中心軸1010は、ゴルフクラブヘッドのストライク面140と平行であり得る。また、空隙の中心軸1010は、開口210の中心軸と直接に整合する。空隙710が開口210と整列して、空隙710内へのいかなる曲がりまたは妨害もなしにCTPウエイト420を受け入れるために、空隙の中心軸1010と開口210の中心軸とは整列する。
【0055】
代替的に、空隙の中心軸1010はゴルフクラブヘッドのストライク面140に対して-5度から+5度の角度を形成することができ、負の角度は空隙の中心軸1010のトウワード部分がゴルフクラブヘッドのストライク面140に向かって角度付けられていることを示し、正の角度は、空隙の中心軸1010のトウワード部分がゴルフクラブヘッドのストライク面140から離れて角度付けられていることを示す。
【0056】
さらに図7を参照すると、空隙の中心軸1010はゴルフクラブがアドレス位置にあるとき、グランド面1000との空隙の角度1020を画定する。角度1020は、0度~30度の範囲であってもよい。
【0057】
さらに図7を参照すると、ゴルフクラブがアドレスにあるときのグランド面1000に対する空隙の中心軸の角度1020は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30度であってもよい。
【0058】
さらに図7を参照すると、空隙の中心軸の角度1020は、ゴルフクラブヘッド100のトップレール120及びトウ端部110に向かって角度をなす。空隙710は、CTPウエイト420を受け入れるように構成されている。CTPウエイト420が空隙710内に受け入れられると、CTPウエイト420の向きが空隙710の向きによって決定されるため、ウエイトのトウ端部810がゴルフクラブヘッド100のトップレール120及びトウ端部110に近接するように、CTPウエイト420も、ゴルフクラブヘッド100のトップレール120及びトウ端部110に向かって角度をなす。
【0059】
軽量部品430は、アイアン型のゴルフクラブヘッド100の本体410の第1の密度よりも小さい第2の密度を有する金属合金を含んでもよい。あるいは、軽量部品430が熱硬化性または熱可塑性材料を含んでもよい。さらに別の実施形態では、軽量部品430がアルミニウム、マンガン、マグネシウム、スズ、または亜鉛合金などのダイカストまたはスクイーズキャスティング合金から形成されてもよい。
【0060】
CTPウエイト
図1~9は全て、ゴルフクラブヘッド100の単一の実施形態を示している。全ての番号付けされた特徴は、ゴルフクラブヘッド100の特徴である。
【0061】
CTPウエイト420は、組み立てられたクラブの最終スイングのウエイトのための追加の質量を追加し得る。CTPウエイト420は、軽量部品430の空隙710内に配置される。CTPウエイトは、空隙710に相補的なサイズ及び形状を含む。CTPウエイト420は、テーパ形シリンダ又は何らかの他のテーパ形であってもよい。
【0062】
CTPウエイト420は、鋼合金、チタン合金、アルミニウム合金、プラスチックポリマー、炭素繊維、複合材、熱可塑性複合材、または任意の他の適切な材料を含むことができる。
【0063】
CTPウエイト420は、1.0g~50.0gの質量を含んでもよい。CTPウエイト420は、1.0、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42グラムの質量を有してもよい。
【0064】
CTPウエイト420は、接着剤、エポキシ樹脂、溶接、ろう付け、または任意の他の適切な接合方法によって、空隙710内にしっかりと取り付け得る。あるいは、CTPウエイトがいかなる永久的な取り付け方法も使用せずに、空隙710内に圧入されてもよい。代替の場合、第1のCTPウエイト420は、別のCTPウエイト420と交換可能である。1つまたは複数の代替CTPウエイト420は、第1のCTPウエイト420とは異なる質量特性及び材料組成を有することができる。ストッパ又はキャップ450はCTPウエイト420を美的に覆い、CTPウエイト420に追加の機械的ロックを提供するために利用される(図4)。あるいは、ストッパ又はキャップ450が空隙720内にCTPウエイト420を保持する主要な手段であってもよい。いくつかの実施形態では、ストッパ又はキャップ450が接着剤で固定されてよい。他の実施形態では、ストッパ又はキャップ450が、ねじ山、リベット、圧入などの任意の他の取り付け手段によって固定されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、CTPウエイト420が、第1のCTPウエイト420の材料が第2のCTPウエイト420材料よりも低い密度を有するように、少なくとも2つの材料から構成されてもよい。CTPウエイト420は、中央部分820と、ヒール端部部分830と、トウ端部部分810と、を有してもよい。CTPウエイト420のトウ端部部分810又はヒール端部部分830のいずれかは、第2のCTPウエイト420の材料を含むことができる。CTPウエイト420のヒール端部又はトウ端部のいずれかの高密度材料は、ゴルフクラブヘッドの重心をゴルフクラブヘッドのヒール端部130又はトウ端部110に向かってシフトさせる。
【0066】
製造方法
各実施形態において、ゴルフクラブヘッドは、バックキャビティを有する本体を備える。各実施形態では、内部の空隙をさらに備える軽量バックキャビティ部品がバックキャビティ内に配置される。軽量部品をバックキャビティ内に配置した後、CTPウエイトは、本体のヒール部分の開口を通して軽量部品の内部の空隙内に配置される。そして、キャップ又はストッパを使用して、ヒールの開口を閉鎖し、CTPを軽量部品の空隙内に保持する。
【0067】
一実施形態では、ゴルフクラブヘッドのバックキャビティを満たすことと、より伝統的なマッスルバックのゴルフクラブヘッドとして見せることとの両方のための鍛造オペレーションによって、軽量バックキャビティ部品がバックキャビティ内に圧入されてもよい。別の実施形態では、軽量バックキャビティ部品がバックキャビティ内にダイカストされてもよい。第3の実施形態では、軽量バックキャビティ部品が1つ以上の部品においてポリマーから射出成形され、接着剤でバックキャビティに取り付けられてもよい。あるいは、軽量バックキャビティ部品がポリマーからバックキャビティ内に直接射出成形されてもよい。各実施形態において、最終のゴルフクラブヘッドは、さらに含む。
【0068】
鍛造の実施形態
一実施形態において、ゴルフクラブヘッド100を形成する方法、鍛造工程が、上の金型、下の金型、及び、プルロッド350を利用する。
【0069】
上の金型は、軽量部品430のネガ形状を含む。下の金型は、本体410の前面のネガ形状を備える。プルロッド350は、本体410のヒール内の開口210を貫通してバックキャビティ220内に適合するようなサイズである(図3B)。プルロッド350は、軽量部品430内の空隙710のサイズ及び形状を形成する。本体410はまた、後部キャビティの下部にCTPウエイト420の溝を有してもよい。
【0070】
この実施形態では、3D鍛造を使用することにより、CTPウエイト420を配置するための空隙710を用いて、軽量部品430をゴルフクラブ100の本体410にしっかりと固定することが可能で有益である。典型的な鍛造用途では、部品の最終的な幾何学的形状が鍛造プロセスの制限により非常に単純化され、空隙710を生成することができないであろう。典型的な鍛造用途において空隙710が所望される場合、機械加工などの後処理のステップを使用しなければならない。空隙710を生成するために3D鍛造プロセスを使用することは、同じ特徴を生成するこれらの代替方法よりも費用効率が高い。軽量部品430を使用することにより、美的に心地よいマッスルバックのアイアンの外観を維持しながら、ゴルフクラブ100の性能を改善するための慣性及び重心の改善を可能にすることもできる。
【0071】
図9を参照すると、一実施形態では軽量部品430の鍛造プロセスは、上の鍛造金型と下の鍛造金型とを設けることを含み、上の金型は、メインクラブ本体の後部を受け入れ、軽量材料のビレットを圧縮して、バックキャビティ、軽量バックキャビティのインサートを成形し、下の金型は、ストライク面を下にして本体の受け入れ、本体410を下の鍛造金型に配置し、バックキャビティ220を下の鍛造金型から離す方向に向けるように構成される(図3A及び図3Bを参照)。軽量ビレット310を本体410のバックキャビティ内に配置する。ビレット310の元で本体410のヒールにある開口210を通してプルロッド350を挿入し、プルロッド350をCTP溝370内に静止させ、鍛造工程中に軽量部品430がCTP溝370を満たさないようにする。バックキャビティ220及びビレット310の上に上の鍛造金型を配置し、コンタクト300の平面で下の鍛造金型と面一にし、軽量ビレット310を圧縮する。鍛造/成形工程中に熱及び圧力を加えて軽量ビレット310を部品に変形させ、外周側壁460の周囲のバックキャビティ220及びロック溝240を充填する。上の鍛造金型、下の鍛造金型、及び、プルロッド350を取り除き、プルロッド350を取り除くことにより、軽量部品430内に空隙710が作り出される。開口210を通して、CTPウエイト420を空隙710内に挿入し、その後、開口210をキャップ又はストッパ450で塞ぐことによって、ゴルフクラブヘッド100を組み立てる。
【0072】
スクイーズキャストの実施形態
図10を参照し、ゴルフクラブヘッド100の第2の実施形態を作成するためにスクイーズまたはダイキャスティングを使用する方法は、ゴルフクラブ本体410を受け入れるように構成された金型またはモールドを設け、ストライク面140を下にしてゴルフクラブ本体410を受け入れ、本体410のバックキャビティ220が、金型又はモールドのキャビティ内に露出する。本体410のヒールの開口210を通して、プルロッド350を、バックキャビティ220内のソール150のCTP溝370内に静止させる。金型又はモールドをダイカスト又はスクイーズキャストの装置に配置し、溶融又はプラスチックの軽量な材料を注入してバックキャビティ220を充填し、バックキャビティ220内に軽量インサート部品430を成形する。金型又はモールドを開き、ゴルフクラブヘッド100を引き出し、そして、本体410のヒールの開口210を通して、プルロッド350を引き出し、ダイカスト又はスクイーズキャストの操作によって形成される軽量バックキャビティ220のインサート430内に空隙710が残される。開口210を通してCTPウエイト420を空隙710内に挿入し、その後、開口210をキャップ又はストッパ450で塞ぐことによって、ゴルフクラブヘッド100を組み立てる。
【0073】
射出成形実施形態
図11を参照し、ゴルフクラブヘッド100の第3の実施形態を作成するために射出成形を使用する方法は、ゴルフクラブ本体410を受け入れるように構成された射出成形型を設けることを含み、射出成形型は、ストライク面140を下にしてゴルフクラブ本体410を受け入れ、本体410のバックキャビティ220を射出成形型のキャビティ内に露出させるように構成される。本体410のヒールの開口210を通して、バックキャビティ220内の150CTP溝370内に静止するようにプルロッド350を配置する。射出成形の装置内に射出成形型を配置し、ポリマーの軽量な材料を注入して、バックキャビティ220を充填し、軽量インサート部品430をバックキャビティ220内に成形し、射出成形型を開き、ゴルフクラブヘッド100を取り出し、次いで、本体410のヒールの開口210を通して、ロッド350を引き出す。ここで、空隙710は、射出成形オペレーションによって形成される軽量バックキャビティ220のインサート430内に残される。
【0074】
ゴルフに対する規則は時々変化し得るので(例えば、新しい規則が採用され得るか、または古い規則が米国ゴルフ協会(USGA)、セントアンドリュースのロイヤル及び古代ゴルフクラブ(R&A)などのゴルフ標準組織及び/又は運営機関によって排除または修正され得る)、本明細書に記載される装置、方法、及び製造物品に関連するゴルフ機器は、任意の特定の時点でゴルフのルールに準拠しているか、または準拠していない場合がある。したがって、本明細書に記載される装置、方法、及び、製品に関連するゴルフ用具は、適合または不適合のゴルフ用具として広告され、販売のために提供され、及び/または販売されてもよい。本明細書に記載される装置、方法、及び製造品は、この点に関して限定されない。
【0075】
1つ以上のクレームされた部品の置換は再構成を構成し、修理を構成しない。
さらに、特定の実施形態に関して、利益、他の利点、及び問題に対する解決策を説明してきた。しかしながら、効果、利点、問題解決法、及び全ての効果、利点、または問題解決法をもたらし、またはさらに顕著にさせる部品または部品群は決して、これらの請求項のいずれかの請求項、または全ての請求項の必須の、必要な、または基本的な特徴、或いは部品であると解釈されるべきではない。
【0076】
上記の例は、ウッドタイプのゴルフクラブ、本明細書に記載される装置、方法、及び、製造物品に関連して記載されてもよい。あるいは本明細書に記載の装置、方法、及び、製造品はホッケースティック、テニスラケット、釣り用ポール、スキーポールなどの他のタイプのスポーツ用具に適用可能であってもよい。
【0077】
更に、本明細書に開示する実施形態及び限定事項は実施形態及び/又は限定事項が(1)請求項に明示的に記載されておらず、かつ(2)均等論に基づいて請求項における表現部品及び/又は限定事項の均等物となる、または均等物となる可能性のある場合には寄与論に基づいて公衆に寄与されるものとはならない。
以下、本明細書で開示する技術の特徴を列挙する。
(項目1)
アイアン型のゴルフクラブヘッドであって、
メインクラブ本体と、
インサートと、
キャップと、
ウエイトと、を備え、
前記メインクラブ本体は、
前部と、
後部と、
トウ端部と、
ヒール端部と、
ストライク面と、
ゴルフボールをインパクトするように構成されているストライク面の前面と、
ゴルフシャフトを受け入れるように構成されているホーセルと、
トップレールと、
ソールと、
ストライク面の後面と、
前記トップレール、前記ソール、前記トウ端部、及び、前記ヒール端部によって形成された外周側壁と、
を備え、
前記外周側壁は、前記ストライク面と略直交して、後方に延びており、
前記外周側壁と前記ストライク面の後面とによって、バックキャビティが画定され、
前記バックキャビティは、前記メインクラブ本体の前記後部に向かって開いており、
前記外周側壁は、さらに、前記ストライク面の後面の周りの少なくとも一部において、前記外周側壁内へと窪むロック溝を備え、
前記ロック溝は、前記ストライク面の後面と平行な方向において、前記ストライク面の後面から後方にオフセットして前記外周側壁内へと窪んでおり、
前記インサートは、
インサート前面と、
インサート後部と、
インサートロックフランジと、
を備え、
前記インサートは、前記バックキャビティ内に受け入れられるように構成されており、
前記インサートロックフランジは、前記ロック溝内に受け入れられるように構成されており、
前記インサート前面は、前記ストライク面の後面と直接に隣接して、前記ストライク面の後面に適合するように構成されており、
前記インサート後部は、さらに、
上側部と、
マッスルバック部と、
前記上側部と前記マッスルバック部との間の移行部と、
を備え、
前記マッスルバック部は、空隙を取り囲み、
前記メインクラブ本体は、さらに、前記ヒール端部内の開口を備え、
前記開口は、ヒール端部の外面へと開き、かつ、前記バックキャビティへと開く孔であり、
前記インサートが、前記バックキャビティ内に受け入れられる場合に、前記開口は、前記空隙と並び、
前記ウエイトは、前記開口を通して、前記空隙内に受け入れられるように構成されており、
前記ウエイトが前記空隙内に受け入れられた後に、前記キャップによって前記開口が塞がれる、アイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目2)
前記メインクラブ本体は、さらに、第1の密度を有する第1の材料を含む、項目1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目3)
前記第1の材料は、第1の金属合金である、項目2に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目4)
前記インサートは、第2の密度を有する第2の材料を含む、項目3に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目5)
前記第1の材料の前記第1の密度は、前記第2の材料の第2の密度よりも大きい、項目4に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目6)
前記インサートの上部は、第1のインサート厚さを有し、
前記インサートの前記マッスルバック部は、第2のインサート厚さを有し、
前記第2のインサート厚さは、前記第1のインサート厚さよりも大きい、項目1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目7)
前記第2のインサート厚さは可変である、項目6に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目8)
前記空隙は、前記インサートのマッスルバック部内に完全に包含される、項目1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目9)
前記ウエイトは、
トウ端部部分と、
中央部分と、
ヒール端部部分と、
を備え、
前記ウエイトは、ただ1つの材料を含む、項目1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目10)
前記ウエイトは、
トウ端部部分と、
中央部分と、
ヒール端部部分と、
を備え、
前記ウエイトは、
第1のウエイト材料と、
第2のウエイト材料と、
を含み、
前記第1のウエイト材料は、前記第2のウエイト材料よりも小さい密度を有する、項目1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目11)
前記ヒール端部のウエイト部分は、前記第2のウエイト材料を含む、項目10に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目12)
前記トウ端部のウエイト部分は、前記第2のウエイト材料を含む、項目10に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目13)
前記ウエイトは、接着剤の手段によって前記空隙内に恒久的に固定される、項目1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目14)
前記ウエイトは、圧入、さらには、ねじ式のキャップによって前記空隙内に着脱可能に固定される、項目1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目15)
前記ロック溝は、0.1から0.5インチの範囲で後退する深さを有する、項目1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目16)
前記ロック溝は、ロック溝底部と、2つのロック溝側壁と、を備え、
前記バックキャビティが前記インサートを受け入れる前において、前記ロック溝は、前記本体の前記バックキャビティに開口している、項目1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目17)
前記ロック溝側壁は、さらに、前記ロック溝側壁と直交する後退を有する、項目16に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
(項目18)
アイアン型のゴルフクラブヘッドを形成するための方法であって、
メインクラブ本体と、軽量インサートと、キャップと、ウエイトと、を設けるステップを備え、
前記メインクラブ本体は、
前部と、
後部と、
トウ端部と、
ヒール端部と、
ストライク面と、
ゴルフボールをインパクトするように構成されているストライク面の前面と、
ゴルフシャフトを受け入れるように構成されているホーセルと、
トップレールと、
ソールと、
ストライク面の後面と、
前記トップレール、前記ソール、前記トウ端部、及び、前記ヒール端部によって形成された外周側壁と、
を備え、
前記外周側壁は、前記ストライク面と略直交して、後方に延びており、
前記外周側壁と前記ストライク面の後面とによって、バックキャビティが画定され、
前記バックキャビティは、前記メインクラブ本体の前記後部に向かって開いており、
前記外周側壁は、さらに、前記ストライク面の後面の周りの少なくとも一部において、前記外周側壁内へと窪むロック溝を備え、
前記ロック溝は、前記ストライク面の後面と平行な方向において、前記ストライク面の後面から後方にオフセットして前記外周側壁内へと窪んでおり、
前記メインクラブ本体は、前記ヒール端部内の開口を備え、
前記開口は、ヒール端部の外面へと開き、かつ、前記バックキャビティへと開く孔であり、
前記メインクラブ本体は、さらに、第1の密度を有する第1の材料を有し、
前記第1の材料は、第1の金属合金であり、
前記方法は、さらに、
上の金型プラテンと、下の金型プラテンと、を含む鍛造金型を設けるステップと、
前記ストライク面の前面を下側に向けて、前記バックキャビティを上側に向けて、前記本体を前記鍛造金型の前記下の金型プラテン内に配置するステップと、
第2の材料を有するバレットを前記バックキャビティ内に入れるステップであって、前記第2の材料は、前記第1の密度よりも小さい第2の密度を有する、ステップと、
前記バレットの元で、前記開口を通して、プルロッドを前記バックキャビティへと挿入するステップと、
前記下の金型プラテンの上で前記上の金型プラテンをプレスして、前記軽量インサートを形成するステップと、
前記上の金型プラテンを上げて、前記開口を通して、前記プルロッドを引き出し、前記軽量インサート内に空隙を形成するステップと、
前記開口を通して、前記開口内にウエイトを受け入れるステップと、
前記キャップで前記開口を塞ぐステップと、
を備える、方法。
(項目19)
アイアン型のゴルフクラブヘッドを形成するための方法であって、
メインクラブ本体と、インサートと、キャップと、ウエイトと、を設けるステップを備え、
前記メインクラブ本体は、
前部と、
後部と、
トウ端部と、
ヒール端部と、
ストライク面と、
ゴルフボールをインパクトするように構成されているストライク面の前面と、
ゴルフシャフトを受け入れるように構成されているホーセルと、
トップレールと、
ソールと、
ストライク面の後面と、
前記トップレール、前記ソール、前記トウ端部、及び、前記ヒール端部によって形成された外周側壁と、
を備え、
前記外周側壁は、前記ストライク面と略直交して、後方に延びており、
前記外周側壁と前記ストライク面の後面とによって、バックキャビティが画定され、
前記バックキャビティは、前記メインクラブ本体の前記後部に向かって開いており、
前記外周側壁は、さらに、前記ストライク面の後面の周りの少なくとも一部において、前記外周側壁内へと窪むロック溝を備え、
前記ロック溝は、前記ストライク面の後面と平行な方向において、前記ストライク面の後面から後方にオフセットして前記外周側壁内へと窪んでおり、
前記メインクラブ本体は、前記ヒール端部内の開口を備え、
前記開口は、ヒール端部の外面へと開き、かつ、前記バックキャビティへと開く孔であり、
前記メインクラブ本体は、さらに、第1の密度を有する第1の材料を有し、
前記第1の材料は、第1の金属合金であり、
前記方法は、さらに、
スクイーズキャストのモールドを設けるステップと、
前記バックキャビティが前記スクイーズキャストのモールドの内部で露出されるように、前記メインクラブ本体を前記スクイーズキャストのモールド内に配置するステップと、
プルロッドを前記バックキャビティへと挿入するステップと、
第2の金属合金を可塑の温度に加熱して、前記第2の材料を前記スクイーズキャストのモールドへと強制的に流し、前記軽量インサートを前記メインクラブ本体の前記バックキャビティ内に形成するステップであって、前記第2の材料は、前記第1の密度よりも低い第2の密度を有する、ステップと、
前記スクイーズキャストのモールドを開き、前記開口を通して、前記プルロッドを引き出し、前記軽量インサート内に空隙を形成するステップと、
前記開口を通して、前記開口内にウエイトを受け入れるステップと、
前記キャップで前記開口を塞ぐステップと、
を備える、方法。
(項目20)
アイアン型のゴルフクラブヘッドを形成するための方法であって、
メインクラブ本体と、インサートと、キャップと、ウエイトと、を設けるステップを備え、
前記メインクラブ本体は、
前部と、
後部と、
トウ端部と、
ヒール端部と、
ストライク面と、
ゴルフボールをインパクトするように構成されているストライク面の前面と、
ゴルフシャフトを受け入れるように構成されているホーセルと、
トップレールと、
ソールと、
ストライク面の後面と、
前記トップレール、前記ソール、前記トウ端部、及び、前記ヒール端部によって形成された外周側壁と、
を備え、
前記外周側壁は、前記ストライク面と略直交して、後方に延びており、
前記外周側壁と前記ストライク面の後面とによって、バックキャビティが画定され、
前記バックキャビティは、前記メインクラブ本体の前記後部に向かって開いており、
前記外周側壁は、さらに、前記ストライク面の後面の周りの少なくとも一部において、前記外周側壁内へと窪むロック溝を備え、
前記ロック溝は、前記ストライク面の後面と平行な方向において、前記ストライク面の後面から後方にオフセットして前記外周側壁内へと窪んでおり、
前記メインクラブ本体は、前記ヒール端部内の開口を備え、
前記開口は、ヒール端部の外面へと開き、かつ、前記バックキャビティへと開く孔であり、
前記メインクラブ本体は、さらに、第1の密度を有する第1の材料を有し、
前記第1の材料は、第1の金属合金であり、
前記方法は、さらに、
プラスチックの射出成形のモールドを設けるステップと、
前記バックキャビティが前記スクイーズキャストのモールドの内部で露出されるように、前記メインクラブ本体をプラスチックの射出成形のモールド内に配置するステップと、
プルロッドを前記バックキャビティへと挿入するステップと、
熱可塑性のプラスチック材料を加熱して、前記熱可塑性のプラスチック材料を前記プラスチックの射出成形のモールド内へと強制的に流し、前記軽量インサートを前記メインクラブ本体の前記バックキャビティ内に形成するステップであって、前記第2の材料は、前記第1の密度よりも小さい第2の密度を有する、ステップと、
前記プラスチックの射出成形のモールドを開き、前記開口を通して、前記プルロッドを引き出し、前記軽量インサート内に空隙を形成するステップと、
前記開口を通して、前記開口内にウエイトを受け入れるステップと、
前記キャップで前記開口を塞ぐステップと、
を備える、方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11