(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】はんだペーストビード回収システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B41F 15/08 20060101AFI20240918BHJP
B41F 15/40 20060101ALI20240918BHJP
B41M 1/12 20060101ALI20240918BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
B41F15/08 303E
B41F15/40 B
B41M1/12
H05K3/34 505D
(21)【出願番号】P 2021573258
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 US2020037154
(87)【国際公開番号】W WO2020252115
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-03-15
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エー.ロシェビッチ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エフ.シューマチャー
(72)【発明者】
【氏名】ブルース シー.シートン
(72)【発明者】
【氏名】ケネス ジェイ.キング
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-104449(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0642923(EP,A1)
【文献】特開平6-210828(JP,A)
【文献】国際公開第2018/096607(WO,A1)
【文献】特表2002-503161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00-15/46
B41M 1/12
H05K 3/12
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基板上にアセンブリ材料を印刷するステンシルプリンタであって、
フレームと、
前記フレームに連結され、内部に孔が形成されるステンシルと、
前記フレームに連結され、前記電子基板を支持するように構成される支持アセンブリと、
前記フレームに連結されるプリントヘッドガントリーと、
印刷ストローク中に前記ステンシルを横断するように構成されるように、前記プリントヘッドガントリーによって支持されるプリントヘッドアセンブリと、
前記ステンシルの上面からアセンブリ材料を除去し、新しい交換用ステンシル上にアセンブリ材料を堆積させるように構成されるアセンブリ材料回収システムであって、前記ステンシルの前記上面に位置決めされるように構成されるレセプタクルを備える、アセンブリ材料回収システムと、
を備え、
前記プリントヘッドガントリーは、前記フレーム上に設けられるレールに沿って支持される細長いビームを備え、該プリントヘッドガントリーの該細長いビームは、水平方向に延在する少なくとも1つのリニア軸受を備え、前記アセンブリ材料回収システムは、前記少なくとも1つのリニア軸受上を横方向に移動するように構成される少なくとも1つの仕上げ部材を更に備える、ステンシルプリンタ。
【請求項2】
前記レセプタクルは、ステンシル支持アセンブリのレールである格納位置から前記ステンシルの前記上面に位置決めされる、請求項1に記載のステンシルプリンタ。
【請求項3】
前記レセプタクルは、前記上面上に載るとともにその上での前記アセンブリ材料の転動を可能にするように構成される平坦な底壁を備える、請求項1に記載のステンシルプリンタ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、収納特徴部内に収納されるように構成されるヘッドを有する下向きに延在するピンを備える、請求項1に記載のステンシルプリンタ。
【請求項5】
前記レセプタクルは、該レセプタクルに係合し、該レセプタクルを格納位置から前記ステンシルの前記上面へと移動させるために前記少なくとも1つの仕上げ部材の前記ピンによって係合されるように構成される少なくとも1つの収納特徴部を備える、請求項4に記載のステンシルプリンタ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含み、第1の仕上げ部材は、第1のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、第2の仕上げ部材は、第2のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、前記少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含み、仕上げ部材ごとに1つの収納特徴部が設けられ、前記第1の仕上げ部材及び前記第2の仕上げ部材は、前記レセプタクルを解除可能に固定するように該レセプタクルのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される、請求項5に記載のステンシルプリンタ。
【請求項7】
前記支持アセンブリは、z軸方向に移動するとともに、前記レセプタクルの底部に取り付けられる磁石に係合するように上昇するように構成され、該支持アセンブリは、前記レセプタクルを前記ステンシル上の適所に固定するための鋼面を有する、請求項6に記載のステンシルプリンタ。
【請求項8】
前記プリントヘッドアセンブリは、アセンブリ材料を前記ステンシルに沿って移動させるように構成されるスクイージーブレードアセンブリを有するプリントヘッドを備え、前記スクイージーブレードアセンブリは、前記ステンシルに係合し、アセンブリ材料を前記レセプタクル内へと転動させるように構成される第1のスクイージーブレードを備える、請求項7に記載のステンシルプリンタ。
【請求項9】
前記スクイージーブレードアセンブリは、前記レセプタクルに係合し、アセンブリ材料を前記ステンシル上へと転動させるように構成される第2のスクイージーブレードを更に備える、請求項8に記載のステンシルプリンタ。
【請求項10】
交換が予定されているステンシルからアセンブリ材料を回収する方法であって、
レセプタクルをアセンブリ材料に近接した使用済みステンシル上へと移動させることと、
前記レセプタクル上へとアセンブリ材料を移動させることと、
前記レセプタクルを前記使用済みステンシルから取り外すことと、
前記使用済みステンシルを新しいステンシルと交換することと、
前記レセプタクルを前記新しいステンシル上へと移動させることと、
スクイージーブレードアセンブリを用いてアセンブリ材料を前記新しいステンシル上へと移動させることと、
前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことと、
を含み、
前記レセプタクルを前記使用済みステンシル上へと移動させること、及び前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことは、プリントヘッドアセンブリの少なくとも1つの仕上げ部材の下向きに延在するピンを前記レセプタクルと関連する収納特徴部内に位置決めすることを含
み、
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含み、前記少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含み、前記2つの仕上げ部材は、前記レセプタクルを固定するように該レセプタクルのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される、方法。
【請求項11】
z軸方向に移動するとともに、前記レセプタクルの底部に取り付けられる磁石まで上昇するように構成される支持アセンブリを係合させることを更に含み、該支持アセンブリは、前記レセプタクルを適所に固定するための鋼面を有する、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
交換が予定されているステンシルからアセンブリ材料を回収する方法であって、
レセプタクルをアセンブリ材料に近接した使用済みステンシル上へと移動させることと、
前記レセプタクル上へとアセンブリ材料を移動させることと、
前記レセプタクルを前記使用済みステンシルから取り外すことと、
前記使用済みステンシルを新しいステンシルと交換することと、
前記レセプタクルを前記新しいステンシル上へと移動させることと、
スクイージーブレードアセンブリを用いてアセンブリ材料を前記新しいステンシル上へと移動させることと、
前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことと、
を含み、
前記レセプタクルを前記使用済みステンシル上へと移動させること、及び前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことは、プリントヘッドアセンブリの少なくとも1つの仕上げ部材の下向きに延在するピンを前記レセプタクルと関連する収納特徴部内に位置決めすることを含み、
前記レセプタクル上へとアセンブリ材料を移動させることは、プリントヘッドアセンブリのスクイージーブレードアセンブリを用いてアセンブリ材料を移動させることを含む
、方法。
【請求項13】
前記スクイージーブレードアセンブリは、前記ステンシルに係合し、アセンブリ材料を前記レセプタクル内へと移動させるように構成される第1のスクイージーブレードを備える、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記スクイージーブレードアセンブリは、アセンブリ材料に係合し、アセンブリ材料を前記ステンシル上へと転動させるように構成される第2のスクイージーブレードを更に備える、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
交換が予定されているステンシルからアセンブリ材料を回収する方法であって、
レセプタクルをアセンブリ材料に近接した使用済みステンシル上へと移動させることと、
前記レセプタクル上へとアセンブリ材料を移動させることと、
前記レセプタクルを前記使用済みステンシルから取り外すことと、
前記使用済みステンシルを新しいステンシルと交換することと、
前記レセプタクルを前記新しいステンシル上へと移動させることと、
スクイージーブレードアセンブリを用いてアセンブリ材料を前記新しいステンシル上へと移動させることと、
前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことと、
を含み、
前記レセプタクルを前記使用済みステンシル上へと移動させること、及び前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことは、プリントヘッドアセンブリの少なくとも1つの仕上げ部材の下向きに延在するピンを前記レセプタクルと関連する収納特徴部内に位置決めすることを含み、
前記レセプタクルを前記使用済みステンシルから取り外すこと、及び前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことは、前記レセプタクルをステンシル支持アセンブリのレール上の格納位置に移動させることをそれぞれ含む
、方法。
【請求項16】
ステンシルプリンタのステンシルの上面からアセンブリ材料を除去し、アセンブリ材料を新しい交換用ステンシル上に堆積させるように構成されるアセンブリ材料回収システムであって、
前記ステンシルの前記上面に位置決めされるように構成されるレセプタクル、
を備え、
前記ステンシルプリンタのフレームに連結されたプリントヘッドガントリーの細長いビームは、水平方向に延在する少なくとも1つのリニア軸受を備え、前記アセンブリ材料回収システムは、前記少なくとも1つのリニア軸受上を横方向に移動するように構成される少なくとも1つの仕上げ部材を更に備える、回収システム。
【請求項17】
前記レセプタクルは、前記上面上に載るとともにその上でのアセンブリ材料の移動を可能にするように構成される平坦な底壁を備える、請求項
16に記載の回収システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、収納特徴部内に収納されるように構成されるヘッドを有する下向きに延在するピンを備える、請求項
16に記載の回収システム。
【請求項19】
前記レセプタクルは、該レセプタクルに係合し、該レセプタクルを格納位置から前記ステンシルの前記上面に移動させるために前記少なくとも1つの仕上げ部材の前記ピンによって係合されるように構成される少なくとも1つの収納特徴部を備える、請求項
18に記載の回収システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含み、第1の仕上げ部材は、第1のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、第2の仕上げ部材は、第2のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、前記少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含み、仕上げ部材ごとに1つの収納特徴部が設けられ、前記第1の仕上げ部材及び前記第2の仕上げ部材は、前記レセプタクルを解除可能に固定するように該レセプタクルのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される、請求項
19に記載の回収システム。
【請求項21】
前記フレームに連結されて電子基板を支持するように構成された支持アセンブリは、z軸方向に移動するとともに、前記レセプタクルの底部に取り付けられる磁石に係合するように上昇するように構成され、該支持アセンブリは、前記レセプタクルを前記ステンシル上の適所に固定するための鋼面を有する、請求項
20に記載の回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、「SOLDER PASTE BEAD RECOVERY SYSTEM AND METHOD」と題する、2020年3月19日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第62/991,744号、「METHOD AND SYSTEM FOR AUTOMATED CHANGEOVER AND REPLACEMENT WITHIN A STENCIL PRINTER」と題する、2019年6月13日に出願された米国仮特許出願第62/861,025号、「AUTOMATED PRINTER ROBOTIC ARM」と題する、2019年6月13日に出願された米国仮特許出願第62/861,031号、及び「AUTOMATED PRINTER SMART CART」と題する、2019年6月13日に出願された米国特許出願第62/861,035号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張し、これらの米国特許出願は、あらゆる目的で、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本願は、包括的には、粘性材料、例えばはんだペーストを電子基板、例えばプリント回路基板(PCB)上に印刷するステンシルプリンタ及び関連する方法に関し、より具体的には、交換(replacing)が予定されている又は交換が必要なステンシルからはんだペーストを回収するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
表面実装プリント回路基板を製造する際に、ステンシルプリンタを用いて、回路基板上にはんだペーストを印刷することができる。通常、その上にはんだペーストが堆積されることになる、パッド又は何らかの他の導電性表面のパターンを有する回路基板がステンシルプリンタの中に自動的に送り込まれ、回路基板上にはんだペーストを印刷する前に、回路基板上の1つ以上の小穴又はマーク(「フィデューシャル(fiducials:基準部)」として知られる)を用いて、回路基板をステンシルプリンタのステンシル又はスクリーンと適切に位置合わせする。幾つかのシステムでは、視覚システムを具現する光学位置合わせシステムを用いて、回路基板をステンシルと位置合わせする。
【0004】
上記プリンタにおいて、回路基板がステンシルと適切に位置合わせされると、回路基板はステンシルまで上昇されて、はんだペーストがステンシルに吐出される。ワイパーブレード(すなわちスクイージー)がステンシルを横断して、ステンシルの孔を通して回路基板にはんだペーストを押し出す。スクイージーがステンシルを横切るように移動する際、はんだペーストはブレードの前方において伸び広がる傾向がある。これにより、望ましくははんだペーストの混合及び剪断が生じ、スクリーンすなわちステンシルの孔を満たすのを容易にするのに所望の粘度が得られる。はんだペーストは、通常、標準的なカートリッジからステンシルに吐出される。その後、ステンシルは回路基板から切り離され、回路基板とはんだペーストとの間の接着によって、材料の大部分が回路基板上に留まる。ステンシルの底面上に残される材料は、更なる回路基板が印刷される前に、洗浄プロセスにおいて除去される。
【0005】
回路基板を印刷する際の別のプロセスは、はんだペーストが回路基板の表面上に堆積された後に、回路基板を検査することを伴う。回路基板を検査することは、清浄な電気的接続を形成できると判断するのに重要である。はんだペーストが多すぎると短絡が生じる可能性があり、一方、適切な位置においてはんだペーストが少なすぎると、電気的接触が妨げられる可能性がある。一般に、視覚検査システムを更に利用して、回路基板上のはんだペーストの2次元又は3次元の検査を提供する。
【0006】
現代のステンシルプリンタには、ルーティン動作を行うために、手作業による介入が必要となる。例えば、転換(changeover)中において、作業者は、ステンシルの変更、はんだペーストカートリッジの交換、スクイージーブレードの交換、及び支持ツールの交換等、多くの手作業によるタスクを行わなければならない。これらのタスクのそれぞれにおいて、作業者は手作業でタスクを行う必要がある。例えば、大多数のステンシルプリンタにおいて、作業者は、ステンシルをロック解除し、ステンシルを取り外し、交換ステンシルを適切に挿入し、交換ステンシルを適所にロックしなければならない。転換動作は30分程かかり得て、その間、ステンシルプリンタは動作しておらず、PCB作製ラインが稼働しないという結果となり得る。
【0007】
ステンシルプリンタは、交換動作及び/又は補充動作を行うために、手作業による介入が更に必要となる。例えば、温度制御されたはんだペーストをステンシルプリンタへ供給するはんだペーストカートリッジは、時間の経過に伴い、例えば、4時間又はそれ以下の時間内において交換が必要である。スクイージーブレード及びステンシル等、通常の摩耗及び引裂が起こる部品は、破損した場合に定期的な交換が必要となり得る。
【0008】
残る1つの問題として、転換が予定されているステンシルからのはんだペーストの回収がある。生産運転を経た後、又はステンシルを変更する予定があるとき、ステンシル上に残ったはんだペーストは、通常、ステンシルの上面から手作業で除去され、後に使用するために保存される。この手作業プロセスは、時間を要するため非効率である。
【発明の概要】
【0009】
本開示の1つの態様は、電子基板上にアセンブリ材料を印刷するステンシルプリンタに関する。1つの実施の形態において、ステンシルプリンタは、フレームと、フレームに連結され、内部に孔が形成されるステンシルと、フレームに連結され、電子基板をステンシルの下方の印刷位置において支持するように構成される支持アセンブリと、フレームに連結され、フレーム上に設けられるレールに沿って支持される細長いビームを備えるプリントヘッドガントリーと、印刷ストローク中にステンシルを横断するように構成されるように、プリントヘッドガントリーによって支持されるプリントヘッドアセンブリとを備える。プリントヘッドアセンブリは、はんだペーストをステンシルに沿って転動させるように構成されるスクイージーブレードアセンブリを有するプリントヘッドを備える。ステンシルプリンタは、ステンシルの上面からはんだペーストのビードを除去し、新しい交換用ステンシル上にはんだペーストのビードを堆積させるように構成されるはんだペーストビード回収システムを更に備える。
【0010】
ステンシルプリンタの実施の形態は、格納位置からステンシルの上面に位置決めされるように構成される回収システムのペーストパンを更に備えることができる。格納位置は、ステンシル支持アセンブリのレールとすることができる。格納位置は、ステンシル支持アセンブリの前部に位置決めすることができる。ペーストパンは、平面上に載るとともに、その上でのはんだペーストのビードの転動を可能にするように構成される平坦な底壁を備えることができる。プリントヘッドガントリーの細長いビームは、水平方向に延在する少なくとも1つのリニア軸受を備えることができる。回収システムは、少なくとも1つのリニア軸受上を横方向に移動するように構成される少なくとも1つの仕上げ(tooling)部材を更に備えることができる。少なくとも1つの仕上げ部材は、収納特徴部内に収納されるように構成されるヘッドを有する下向きに延在するピンを備えることができる。ペーストパンは、ペーストパンに係合し、ペーストパンを格納位置からステンシルの上面に移動させるために少なくとも1つの仕上げ部材のピンによって係合されるように構成される少なくとも1つの収納特徴部を備えることができる。少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含むことができ、第1の仕上げ部材は、第1のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、第2の仕上げ部材は、第2のリニア軸受上を横方向に移動するように構成される。少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含むことができ、仕上げ部材ごとに1つの収納特徴部が設けられ、第1の仕上げ部材及び第2の仕上げ部材は、ペーストパンを解除可能に固定するようにペーストパンのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される。支持アセンブリは、z軸方向に移動するとともに、ペーストパンの底部に取り付けられる磁石に係合するように上昇するように構成することができ、支持アセンブリは、ペーストパンをステンシル上の適所に固定するための鋼面を有する。スクイージーブレードアセンブリは、ステンシルに係合し、はんだペーストビードをペーストパン内へと転動させるように構成される第1のスクイージーブレードを備えることができる。スクイージーブレードアセンブリは、はんだペーストパンに係合し、はんだペーストビードをステンシル上へと転動させるように構成される第2のスクイージーブレードを更に備えることができる。
【0011】
本開示の別の態様は、交換が予定されているステンシルからはんだペーストを回収する方法に関する。1つの実施の形態において、方法は、ペーストパンを格納位置からはんだペーストビードに隣接した使用済みステンシル上へと移動させることと、印刷ヘッドアセンブリのスクイージーブレードアセンブリを用いてはんだペーストビードをペーストパン上へと転動させることと、ペーストパンを格納位置に移動させることと、使用済みステンシルを新しいステンシルと交換することと、ペーストパンを格納位置から新しいステンシル上へと移動させることと、スクイージーブレードアセンブリを用いてはんだペーストビードを新しいステンシル上へと転動させることと、ペーストパンを格納位置に移動させることとを含む。
【0012】
本方法の実施の形態は、z軸方向に移動するとともに、ペーストパンの底部に取り付けられる磁石まで上昇するように構成される支持アセンブリを係合させることを更に含むことができ、支持アセンブリは、ペーストパンを適所に固定するための鋼面を有する。ペーストパンを格納位置から移動させること、及びペーストパンを格納位置に移動させることは、プリントヘッドアセンブリの少なくとも1つの仕上げ部材の下向きに延在するピンをペーストパンと関連する収納特徴部内に位置決めすることを含むことができる。少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含むことができる。少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含むことができ、2つの仕上げ部材は、ペーストパンを固定するようにペーストパンのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される。プリントヘッドアセンブリのスクイージーブレードアセンブリを用いてはんだペーストビードをペーストパン上へと転動させることは、ステンシルに係合し、はんだペーストビードをペーストパン内へと転動させるように構成される第1のスクイージーブレードを含むことができる。スクイージーブレードアセンブリを用いてはんだペーストビードを新しいステンシル上へと転動させることは、はんだペーストパンに係合し、はんだペーストビードをステンシル上へと転動させるように構成される第2のスクイージーブレードを更に含むことができる。格納位置は、ステンシル支持アセンブリのレールを含むことができる。格納位置は、ステンシル支持アセンブリの前部に位置決めすることができる。
【0013】
本開示の別の態様は、電子基板上にアセンブリ材料を印刷するステンシルプリンタに関する。1つの実施の形態において、ステンシルプリンタは、フレームと、フレームに連結され、内部に孔が形成されるステンシルと、フレームに連結され、電子基板を支持するように構成される支持アセンブリとを備える。ステンシルプリンタは、フレームに連結されるプリントヘッドガントリーと、印刷ストローク中にステンシルを横断するように構成されるように、プリントヘッドガントリーによって支持されるプリントヘッドアセンブリとを更に備える。ステンシルプリンタは、ステンシルの上面からアセンブリ材料を除去し、新しい交換用ステンシル上にアセンブリ材料を堆積させるように構成されるアセンブリ材料回収システムを更に備える。回収システムは、ステンシルの上面に位置決めされるように構成されるレセプタクルを備える。
【0014】
ステンシルプリンタの実施の形態は、レセプタクルを、ステンシル支持アセンブリのレールである格納位置からステンシルの上面に位置決めすることを更に含むことができる。格納位置は、ステンシル支持アセンブリの前部に位置決めすることができる。レセプタクルは、平面上に載るとともに、その上でのアセンブリ材料の転動を可能にするように構成される平坦な底壁を備えることができる。プリントヘッドガントリーは、フレーム上に設けられるレールに沿って支持される細長いビームを備えることができる。プリントヘッドガントリーの細長いビームは、水平方向に延在する少なくとも1つのリニア軸受を備えることができる。回収システムは、少なくとも1つのリニア軸受上を横方向に移動するように構成される少なくとも1つの仕上げ部材を更に備えることができる。少なくとも1つの仕上げ部材は、収納特徴部内に収納されるように構成されるヘッドを有する下向きに延在するピンを備えることができる。レセプタクルは、レセプタクルに係合し、レセプタクルを格納位置からステンシルの上面へと移動させるために少なくとも1つの仕上げ部材のピンによって係合されるように構成される少なくとも1つの収納特徴部を備えることができる。少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含むことができ、第1の仕上げ部材は、第1のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、第2の仕上げ部材は、第2のリニア軸受上を横方向に移動するように構成される。少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含むことができ、仕上げ部材ごとに1つの収納特徴部が設けられ、第1の仕上げ部材及び第2の仕上げ部材は、レセプタクルを解除可能に固定するようにレセプタクルのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される。支持アセンブリは、z軸方向に移動するとともに、レセプタクルの底部に取り付けられる磁石に係合するように上昇するように構成することができる。支持アセンブリは、レセプタクルをステンシル上の適所に固定するための鋼面を有することができる。プリントヘッドアセンブリは、アセンブリ材料をステンシルに沿って移動させるように構成されるスクイージーブレードアセンブリを有するプリントヘッドを備えることができる。スクイージーブレードアセンブリは、ステンシルに係合し、アセンブリ材料をレセプタクル内へと転動させるように構成される第1のスクイージーブレードを備えることができる。スクイージーブレードアセンブリは、レセプタクルに係合し、アセンブリ材料をステンシル上へと転動させるように構成される第2のスクイージーブレードを更に備えることができる。
【0015】
本開示の別の態様は、交換が予定されているステンシルからアセンブリ材料を回収する方法に関する。1つの実施の形態において、本方法は、レセプタクルをアセンブリ材料に近接した使用済みステンシル上へと移動させることと、レセプタクル上へとアセンブリ材料を移動させることと、レセプタクルを使用済みステンシルから取り外すことと、使用済みステンシルを新しいステンシルと交換することと、レセプタクルを新しいステンシル上へと移動させることと、スクイージーブレードアセンブリを用いてアセンブリ材料を新しいステンシル上へと移動させることと、レセプタクルを新しいステンシルから取り外すこととを含む。
【0016】
本方法の実施の形態は、レセプタクルを使用済みステンシル上へと移動させるとき、及びレセプタクルを新しいステンシルから取り外すとき、プリントヘッドアセンブリの少なくとも1つの仕上げ部材の下向きに延在するピンをレセプタクルと関連する収納特徴部内に位置決めすることを含むことができる。少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含む。少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含むことができ、2つの仕上げ部材は、レセプタクルを固定するようにレセプタクルのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される。本方法は、z軸方向に移動するとともに、レセプタクルの底部に取り付けられる磁石まで上昇するように構成される支持アセンブリを係合させることを更に含むことができ、支持アセンブリは、レセプタクルを適所に固定するための鋼面を有する。レセプタクル上へとアセンブリ材料を移動させることは、プリントヘッドアセンブリのスクイージーブレードアセンブリを用いてアセンブリ材料を移動させることを含むことができる。スクイージーブレードアセンブリは、ステンシルに係合し、アセンブリ材料をレセプタクル内へと移動させるように構成される第1のスクイージーブレードを備えることができる。スクイージーブレードアセンブリは、アセンブリ材料に係合し、アセンブリ材料をステンシル上へと移動させるように構成される第2のスクイージーブレードを更に備えることができる。レセプタクルを使用済みステンシルから取り外すこと、及びレセプタクルを新しいステンシルから取り外すことは、レセプタクルを格納位置に移動させることをそれぞれ含むことができる。格納位置は、ステンシル支持アセンブリのレールとすることができる。
【0017】
本開示の別の態様は、ステンシルプリンタのステンシルの上面からアセンブリ材料を除去し、アセンブリ材料を新しい交換用ステンシル上に堆積させるように構成されるアセンブリ材料回収システムに関する。1つの実施の形態において、回収システムは、ステンシルの上面に位置決めされるように構成されるレセプタクルを備える。
【0018】
回収システムの実施の形態は、平面上に載るとともに、その上でのアセンブリ材料の移動を可能にするように構成される平坦な底壁を備えるようにレセプタクルを構成することを更に含むことができる。プリントヘッドガントリーの細長いビームは、水平方向に延在する少なくとも1つのリニア軸受を備えることができる。回収システムは、少なくとも1つのリニア軸受上を横方向に移動するように構成される少なくとも1つの仕上げ部材を更に備えることができる。少なくとも1つの仕上げ部材は、収納特徴部内に収納されるように構成されるヘッドを有する下向きに延在するピンを備えることができる。レセプタクルは、レセプタクルに係合し、レセプタクルを格納位置からステンシルの上面に移動させるために少なくとも1つの仕上げ部材のピンによって係合されるように構成される少なくとも1つの収納特徴部を備えることができる。少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含むことができ、第1の仕上げ部材は、第1のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、第2の仕上げ部材は、第2のリニア軸受上を横方向に移動するように構成される。少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含むことができ、仕上げ部材ごとに1つの収納特徴部が設けられ、第1の仕上げ部材及び第2の仕上げ部材は、レセプタクルを解除可能に固定するようにレセプタクルのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される。支持アセンブリは、z軸方向に移動するとともに、レセプタクルの底部に取り付けられる磁石に係合するように上昇するように構成することができ、支持アセンブリは、レセプタクルをステンシル上の適所に固定するための鋼面を有する。
【0019】
添付図面は、縮尺どおりに描かれることを意図されていない。図面では、種々の図に示されている同一又は略同一の各構成部材は同様の符号によって表される。明確であるために、全ての図面において全ての構成部材が符号を付けられていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】
図2に示されているステンシルプリンタの上面図であって、一部を取り除いた状態を示す図である。
【
図4】はんだペーストを除去し、交換が予定されているステンシル上に堆積させるように構成されるペーストパンを移動させるように構成される本開示の一実施形態のプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図5】格納位置に位置するペーストパンに係合するように構成される位置決めピンを有するプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図6】ペーストパンを移動させたプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図7】ペーストパンを用いてはんだペーストビードを除去する前のプリントヘッドアセンブリの一部の正面図である。
【
図8】はんだペーストビードをペーストパン内へと移動させるように構成されるプリントヘッドを有するプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図9】はんだペーストビードをペーストパン内へと移動させているプリントヘッドを示すプリントヘッドアセンブリの一部の正面図である。
【
図10】ペーストパンを格納位置に移動させるプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図11】ペーストパンを格納位置から堆積位置に移動させているプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図12】はんだペーストビードを交換用ステンシル上に堆積させるように構成されるプリントヘッドを備えるプリントヘッドアセンブリの一部の正面図である。
【
図13】プリントヘッドがはんだペーストビードを交換用ステンシル上へと移動させている状態のプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図14】ペーストパンを格納位置に移動させているプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図15】ステンシル印刷位置にあるプリントヘッドを示すプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図16】はんだペーストを除去し、交換が予定されているステンシル上に堆積させるように構成されるペーストパンを移動させるように構成される本開示の別の実施形態のプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は包括的には、表面実装技術(SMT)プロセスラインにおいて利用され、アセンブリ材料(例えば、はんだペースト、導電性インク又は封入材料)を基板(substrate)(例えば、本明細書において、「電子基板」、「回路基板」、「板(board)」、「PCB」、「PCB基板」、「基板」、又は「PCB板」と称する)上に塗布するか、又は検査、再加工又は基板上への電子構成要素の載置のような他の動作を実行するように構成される、材料塗布機械(本明細書において、「ステンシルプリンタ」、「スクリーンプリンタ」、「印刷機」、又は「プリンタ」と称する)及び他の機器に関する。具体的には、本開示の実施形態は、プリント回路基板を作製するために使用されるステンシルプリンタを参照しながら以下に説明される。
【0022】
例示のためだけであり、普遍性を限定するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に説明される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本明細書において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、限定するものと見なされるべきではない。本明細書において単数のものとして参照されるシステム及び方法の例、実施形態、構成要素、要素又は動作に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本明細書における任意の実施形態、構成要素、要素又は動作に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、本明細書において開示されるシステム又は方法、それらの構成要素、動作又は要素を限定することを意図されていない。本明細書において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、その前に列挙される物品と、その均等物及び追加の物品とを包含することを意味する。「又は/若しくは」に対する参照は、「又は/若しくは」を用いて説明される任意の用語が、この説明される用語の単一のもの、2つ以上、及び全てのもののうちの任意のものを示すことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本明細書と、引用することにより本明細書の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本明細書の一部をなす文献における用語の使用法は、本明細書の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本明細書における用語の使用法が有効である。
【0023】
例示を目的として、以下、本開示の実施形態について、はんだペースト等のアセンブリ材料を回路基板上に印刷するために使用されるステンシルプリンタを参照しながら説明する。しかしながら、当業者であれば、本開示の実施形態は回路基板上にはんだペーストを印刷するステンシルプリンタに限らず、糊及び封止材料等の他の粘着性のアセンブリ材料の吐出を必要とする他の用途において使用できることを理解するであろう。例えば、チップスケールパッケージ用のアンダーフィルとして使用されるエポキシを印刷するために装置を使用することができる。さらに、本開示の実施形態に係るステンシルプリンタは、回路基板上にアセンブリ材料を印刷するものに限らず、半導体ウエハ等の様々な基板上に他の材料を印刷するために使用されるものを含む。また、スクリーン及びステンシルの用語は、本明細書においては、基板に印刷されるパターンを規定するプリンタ内のデバイスを説明するために区別なく使用することができる。或る特定の実施形態において、ステンシルプリンタは、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるMomentum(商標)又はEdison(商標)シリーズのステンシルプリンタプラットフォームを含むことができる。例示的なステンシルプリンタは、概して
図1において5で指定されている。この実施形態において、ステンシルプリンタ5は、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるMomentum(商標)シリーズのステンシルプリンタプラットフォームである。
【0024】
図2を参照すると、本開示の実施形態に係るステンシルプリンタが概して10で示されている。示されているように、ステンシルプリンタ10は、ステンシルプリンタの構成部品を支持するフレーム12を有する。ステンシルプリンタの構成部品は、一部として、コントローラ14と、ディスプレイ16と、ステンシル18と、プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリとを含むことができる。プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリは、概して20で示されており、以下でより詳細に説明する方法ではんだペーストを塗布するように構成される。
【0025】
図2に示され、以下で説明するように、ステンシル及びプリントヘッドアセンブリは、適宜、フレーム12に連結することができる、又は別様に接続することができる。1つの実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリー上に取り付けることができる。プリントヘッドアセンブリガントリーは、概して22で示されており、「プリントヘッドガントリー」と称する場合があり、フレーム12上に取り付けることができる。プリントヘッドアセンブリガントリー22により、プリントヘッドアセンブリ20は、コントローラ14の制御下においてy軸方向に移動することが可能となるとともに、ステンシル18と係合することでプリントヘッドアセンブリに圧力を加えることが可能となる。或る特定の実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18の上方に載置することができるとともに、z軸方向に降下してステンシルに接触及び封止係合することができる。
【0026】
ステンシルプリンタ10は、プリント回路基板(本明細書においては「プリント配線基板」、「基板」、又は「電子基板」と称する場合がある)をステンシルプリンタ内の印刷位置へ輸送する、レール(図示せず)を有するコンベヤシステムも有することができる。レールは、本明細書においては「トラクターフィード機構」と称する場合がある。トラクターフィード機構は、本明細書において「プリントネスト」と称する場合があるステンシルプリンタの作業領域へ回路基板を送り込む、積み込む、又は別様に送達するとともに、プリントネストから回路基板を積み下ろすように構成される。
【0027】
加えて
図3を参照すると、ステンシルプリンタ10は、回路基板29(破線で示されている)を支持する支持アセンブリ28を有する。支持アセンブリ28は、印刷動作時に回路基板が安定するように、回路基板を上昇させ、固定する。或る特定の実施形態において、基板支持アセンブリ28は、特定の基板支持システム、例えば、堅固な支持体、複数のピン、又は柔軟な仕上げ部材等を更に有することができ、基板支持システムは、回路基板が印刷位置にあるときに回路基板の下方に位置決めされる。基板支持システムは、一部が、回路基板の内部領域を支持して、印刷動作時の回路基板の曲げ又は反りを防止するのに使用することができる。
【0028】
1つの実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、印刷動作時にはんだペーストをプリントヘッドアセンブリに提供する、ディスペンサー、例えば、はんだペーストカートリッジ等の供給源からはんだペーストを受け取るように構成することができる。カートリッジの代わりに、はんだペーストを供給する他の方法を利用してもよい。例えば、はんだペーストは、ブレード間において又は外部の供給源から手作業で堆積させることができる。加えて、或る特定の実施形態において、コントローラ14は、Microsoft Corporationによって提供されるMicrosoft Windows(登録商標)オペレーティングシステム等の適したオペレーティングシステムを有するパーソナルコンピュータを使用し、特定用途向けソフトウェアを用いてステンシルプリンタ10の動作を制御するように構成することができる。コントローラ14は、回路基板を作製する生産ラインを制御するために使用されるマスターコントローラとネットワーク接続することができる。
【0029】
1つの構成において、ステンシルプリンタ10は以下のように動作する。回路基板29は、コンベヤレールを使用してステンシルプリンタ10内へ積み込まれる。支持アセンブリ28は、印刷位置へ回路基板29を上昇させ、固定する。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリのブレードがステンシル18に対して所望の圧力で接触するまでz軸方向に降下される。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドガントリー22によって、ステンシル18を横切ってy軸方向に移動される。プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18内の孔を通じて回路基板29上にはんだペーストを堆積させる。ひとたびプリントヘッドアセンブリが孔を横切ってステンシル18を完全に横断すると、プリントヘッドアセンブリはステンシルから持ち上げられ、回路基板29はコンベヤレール上へ戻るように降下させられる。回路基板29は、ステンシルプリンタ10から解放及び輸送され、これにより、第2の回路基板をステンシルプリンタ内へ積み込むことができる。第2の回路基板29上に印刷するために、プリントヘッドアセンブリはz軸方向に降下させられてステンシルと接触し、第1の回路基板に使用された方向とは逆方向にステンシル18を横切って移動させられる。
【0030】
印刷前に回路基板29に対してステンシル18を位置合わせする、及び印刷後に回路基板を検査する目的のために、撮像システム30を設けることができる。1つの実施形態において、撮像システム30は、ステンシル18と回路基板が支持される支持アセンブリ28との間に配設することができる。撮像システム30は、撮像システムを移動させるために撮像ガントリー32に連結される。1つの実施形態において、撮像ガントリー32は、フレーム12に連結することができ、フレーム12の側方レール間を延在する梁を有し、y軸方向における回路基板29の上方で撮像システム30に前後移動をもたらす。撮像ガントリー32は、撮像システム30を収容するキャリッジデバイスを更に有することができ、x軸方向における梁の長さに沿って移動するように構成される。撮像システム30を移動させるために使用される撮像ガントリー32の構造は、はんだペースト印刷の技術において既知である。回路基板又はステンシルの予め定められた領域の画像をそれぞれ撮影するためにステンシル18の下方であって回路基板29の上方の任意の位置に撮像システム30が位置することができるような配置となっている。
【0031】
はんだペーストを回路基板に対して1回以上塗布した後、余分なはんだペーストがステンシル18の底に蓄積し得て、概して34で示されるステンシルワイパーアセンブリがステンシルの下方を移動して余分なはんだペーストを除去することができる。他の実施形態において、ステンシル18は、ステンシルワイパーアセンブリの上方を移動してもよい。
【0032】
上述のように、ステンシルプリンタは、或る特定の部品の交換及び/又は補充動作を行うために、手作業による介入が必要となる。例えば、典型的なステンシルは、或る特定の期間後、例えば、4時間後に交換が必要となる。また、ステンシルは、別個の生産運転(production run)のために交換が必要となる。加えて、温度制御されたはんだペーストをステンシルプリンタに供給するはんだペーストカートリッジは、時間の経過に伴い、例えば、4時間以内に交換が必要となる。別個の生産運転には、異なるはんだペースト材料が必要となり得る。定期的な交換を必要とする別の部品は、使用時に摩耗するスクイージーブレードである。そして最後に、印刷位置において基板を支持するために使用される仕上げ部材は、1つの生産品から別の生産品へ変更するときに交換される。
【0033】
上述したように、取り外されたステンシルには、通常、はんだペーストのビードがステンシル上に残っている。その価値を考慮すると、はんだペーストを堆積させるのではなく、将来使用するためにはんだペーストを保存することが望ましい。本明細書に開示されるシステム及び方法は、この回収プロセスの自動化に関する。
【0034】
図4を参照すると、プリントヘッドアセンブリ20は、コントローラ14の制御下でy軸方向の移動を提供するプリントヘッドガントリー22上に取り付けられる。プリントヘッドガントリー22は、ステンシルプリンタ10のフレーム12上に設けられるレール38、40(
図3)に沿って支持される細長いビーム36を備える。ビーム36は、水平方向に延在する2つの群のリニア軸受44、46を有するプレート42を備え、頂部リニア軸受44a、44bが底部リニア軸受46a、46bの上方に配置される。プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドガントリー22のビーム36に連結されるプリントヘッド48を備える。具体的には、プリントヘッド48は、プレート42上に固定取り付けされるキャリッジ50上に取り付けられる。したがって、プリントヘッドガントリー22は、本明細書に記載の印刷ストロークを実行するためのy軸方向のプリントヘッド48の移動を提供する。プリントヘッド48は、上述したようにステンシルに沿ってはんだペーストを転動させるスクイージーブレード(52で示す)を備える。
【0035】
プリントヘッドアセンブリ20は、はんだペーストビード回収システムを更に備え、回収システムは、ステンシル18の上面からはんだペースト54のビードを除去し、はんだペーストのビードを図面において同様に18で示す新しい交換用ステンシル上に堆積させるように構成される。図示のように、回収システムは、プリントヘッドアセンブリ20上に取り付けられるプレート42を備える。上述したように、プレート42は、2つの対のリニア軸受44a、44b及び46a、46bを備える。図示のように、リニア軸受44a、46aは、第1の仕上げ部材56を支持するように構成され、リニア軸受44b、46bは、第2の仕上げ部材58を支持するように構成され、リニア軸受56、58は、それぞれの対のリニア軸受上を横方向に移動するように構成される。第1の仕上げ部材56は、より詳細に後述する収納特徴部内に収納されるように構成されるヘッドを有する下向きに延在するピン60を備える。同様に、第2の仕上げ部材58は、収納特徴部内に収納されるように構成されるヘッドを有する下向きに延在するピン62を備える。
【0036】
仕上げ部材56、58を移動させるのに任意の機構を利用することができる。例えば、ボールねじドライブアセンブリ64を利用して、それぞれリニア軸受44a、44b及び46a、46bに沿って各仕上げ部材56、58を移動させることができる。幾つかの実施形態において、それぞれリニア軸受44a、44b及び46a、46bに沿って仕上げ部材56、58を移動させるように設けられたボールねじドライブアセンブリ64は、z軸方向におけるプリントヘッド48の上下移動を駆動することもできる。上述したように、プリントヘッドアセンブリ20のプリントヘッド48は、印刷動作中にはステンシル18に係合するように下げられ、印刷動作を実行していないときにはステンシルと係合解除するように上げられるように構成される。下げられたとき、プリントヘッド48は、スクイージーブレードアセンブリがステンシル18に密着係合するようにスクイージーブレードアセンブリ52に対して圧力をかける。
【0037】
はんだペーストビード回収システムは、概して66で示すペーストパンを更に備え、ペーストパンは、概して70で示すステンシル支持アセンブリのレール68上の格納位置に位置決めされる。ペーストパン66は、本明細書においてペーストレセプタクル又はレセプタクルと称する場合がある。図示のように、ペーストパン66の格納位置は、ステンシル支持アセンブリ70の前部に位置決めされるが、ペーストパンは、ステンシル支持アセンブリの後部に向かって位置決めすることができる。ペーストパン66は、ステンシル支持アセンブリ70のレール68の平面上に載る平坦な底壁72と、後壁74と、2つの三角形状の側壁76、78とを備える。図示のように、側壁76は、この側壁の周縁部を超えて延在する第1の収納特徴部80を備える。同様に、他方の側壁78は、この側壁の周縁部を超えて延在する第2の収納特徴部82を備える。収納特徴部80、82は、ペーストパン66に係合し、これを移動させるように、それぞれ第1の仕上げ部材56、68のピン60、62によって係合されるように構成される。
【0038】
1つの実施形態において、仕上げ部材56、58のピン60、62は、ペーストパン66のそれぞれの嵌合特徴部80、82内に収納される。仕上げ部材56、58は、ペーストパン66よりも広い幅に延伸させることができ、収納特徴部80、82を介してピン60、62の間でペーストパンを係合捕捉するように互いに移動させることができる。したがって、仕上げ部材56、58は、様々な幅を有するペーストパン66を収容するように構成される。プリントヘッドアセンブリ20は、ペーストパン66に係合し、これを移動させるようにプリントヘッドガントリー22によってy軸方向に移動するように構成される。仕上げ部材56、58のピン60、62は、ペーストパン66に係合し、これを移動させるのに使用される様々な機構を利用することができる。例えば、仕上げ部材56、58のピン60、62は、それぞれ、ペーストパンの持ち上げ及び移動を行う仕上げ部材に対するペーストパン66の取り付け及び取り外しを容易にするために磁石を備えることができる。
【0039】
図4を更に参照すると、回路基板のバッチランが完了した後、はんだペーストビード54がステンシル支持アセンブリ70のレール68上に残る。その後の回路基板バッチランには、ステンシル18の変更を含めた仕上げ部材転換が必要になり得るが、同じペーストタイプが使用される場合がある。はんだペーストビード54は、本明細書に論述するはんだペーストビード回収システム及び関連する方法を使用して回収することができる。
【0040】
図5を参照すると、プリントヘッドガントリー22は、プリントヘッドアセンブリ20を移動させて、仕上げ部材56、58のピン60、62を使用してペーストパン66をその格納位置から取り出すように構成され、仕上げ部材56、58は、1つの実施形態において、ステンシルプリンタ10のx軸方向、y軸方向及びz軸方向に連接させて、ペーストパン66をステンシル支持アセンブリ70のレール68から持ち上げ、ペーストパンを所望の方向、例えば、y軸方向に移動させるように構成することができる。図示のように、プリントヘッド48が上がった状態では、プリントヘッドアセンブリ20は、ペーストパン66の上方の位置に移動しており、仕上げ部材58、60のピン60、62は、それぞれの収納特徴部80、82の上方に位置する。
【0041】
図6を参照すると、プリントヘッドガントリー22は、ペーストパン66をステンシル支持アセンブリ70のレール68上の格納位置から取り外し、ペーストパンをステンシル18における指定のペースト移送位置に載置するように構成される。図示の位置へのペーストパン66の移動は、コントローラ14が命令したステンシル変更動作に応答したものであり得る。ステンシル18の交換は、予定されたものであるか、又は、ステンシルに関する問題、例えば、ステンシルワイパーアセンブリ34によって十分に洗浄することができない孔の詰まりに応答したものであり得る。図示のように、ペーストパン66の底壁72の先縁部は、はんだペーストビード54に隣接して位置決めされる。
【0042】
図7及び
図8を参照すると、支持アセンブリ28(「作業台」と称する場合がある)は、位置決めされると、z軸方向に移動するとともに、ステンシル18に向かって上昇するように構成される。支持アセンブリ28は、上げられると、ステンシル18の底面に係合するように構成される金属面、例えば、鋼面86を有するフリッパー機構(flipper mechanism)84を備える。ペーストパン66は、ペーストパンの底壁72に設けられる1つ以上の磁石(88で示す)を備えるように構成される。ペーストパン66の磁石88が、フリッパー機構84の鋼面86に係合して、はんだペーストビードがペーストパン上にスクイーズされる際にペーストパンを移送位置に保持するように構成される。図示のように、スクイージーブレードのうちの一方、例えば、スクイージーブレード52aは、ステンシル18に係合し、はんだペーストビード54をペーストパン内へと転動させるように構成される。プリントヘッドアセンブリ20のプリントヘッド48は、スクイージーブレードがステンシルに係合するようにスクイージーブレード52aをz軸方向に移動させるとともに、プリントヘッドガントリー22をペーストパン66に向かって移動させることによってx軸方向に移動して、はんだペーストビード54をペーストパン内へと転動させるように構成される。
【0043】
図9を参照すると、スクイージーブレード52aは、はんだペーストビード54をペーストパン66内へと転動させる状態で示されている。図示のように、はんだペーストビード54は、ペーストパン66の底壁上に支持される。移送が完了すると、フリッパー機構84(図示せず)が下げられて磁石88(図示せず)と係合解除され、そして、ペーストパン66がステンシル18に対して移動することが可能になる。
【0044】
図10を参照すると、はんだペーストビード54を有するペーストパン66は、ステンシル支持アセンブリ70のレール68上の格納位置へと戻される。ペーストパン66が格納位置に位置決めされると、使用済みステンシル18の取り外し及び清浄なステンシル18との交換を含めた仕上げ部材転換が続けられる。このプロセスは、ステンシル18に関して欠陥が検出されたことでステンシルの交換が必要となったときに利用することができる。
【0045】
図11を参照すると、ステンシル18が変更されると、ペーストパン66は、その後、プリントヘッドアセンブリ20の第1の仕上げ部材56及び第2の仕上げ部材58によってステンシル支持アセンブリ70のレール68上の格納位置から取り出される。固定されると、ペーストパン66は、プリントヘッドガントリー22を移動させることによってx軸方向に移動させられ、清浄なステンシル18上のペースト移送位置へと下げられる。
【0046】
図12及び
図13を参照すると、支持アセンブリ28は、z軸方向を上向きに移動しており、ペーストパン66の底壁72に取り付けられる磁石88を、支持アセンブリ28に関連するフリッパー機構84の鋼面86に係合させるように上昇している。上述したように、フリッパー機構84の鋼面86と磁石88との係合により、はんだペーストビード54が新しい清浄なステンシル18上へとスクイーズで戻される際に、ペーストパン66が移送位置に保持される。図示のように、スクイージーブレードのうちの他方、例えば、スクイージーブレード52bは、ペーストパン66の底壁72に係合し、はんだペーストビード54をステンシル18内へと転動させるように構成される。
【0047】
図14を参照すると、プリントヘッドアセンブリ20は、ペーストパン66を上述したような格納位置に戻す。
【0048】
図15を参照すると、ステンシルプリンタ10は、前回のバッチランから移送されたはんだペーストビード54を使用した印刷の準備が整っている。
【0049】
図16を参照すると、次の回路基板バッチに異なるはんだペーストタイプが使用される場合、自動化された仕上げ部材転換中にペーストパン66を他の仕上げ部材、例えば、仕上げ部材プレート90とともに変更することができる。仕上げ部材トレイを使用して清浄なペーストパン66を他の仕上げ部材とともに装填し、その後、格納位置に載置することができる。このプロセスにより、バッチラン間のペーストタイプの交差汚染が防止される。
【0050】
本開示の実施形態は、交換が予定されているステンシルからはんだペーストを回収する方法を含む。1つの実施形態において、本方法は、ペーストパン66を格納位置からはんだペーストビード54に隣接した使用済みステンシル18上へと移動させることを含む。本方法は、プリントヘッドアセンブリ20のスクイージーブレードアセンブリ52を用いてはんだペーストビード54をペーストパン66上へと転動させることを更に含む。次に、ペーストパン66を格納位置に戻し、使用済みステンシル18を新しいステンシル18と交換する。本方法は、ペーストパン66を格納位置から新しいステンシル18上へと移動させ、スクイージーブレードアセンブリ52を用いてはんだペーストビード54を新しいステンシル18上へと転動させることを更に含む。本方法は、プロセスが再び開始されるまでペーストパン66を格納位置に戻すことを更に含む。
【0051】
はんだペーストビード回収システム及び関連する方法は、コントローラ14の制御下で実行することができる。具体的には、コントローラ14は、はんだ回収プロセスを実行すべきときを知得するように構成することができる。
【0052】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンタ10の既存のステンシルプリンタガントリー、レール及びプリントヘッドは、ペーストパン66を含む部品を出し入れするように構成することができる。
【0053】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンタ10のプリントヘッドアセンブリ20は、ペーストパン66を移動及び往復させるように構成することができる。
【0054】
本明細書において使用される場合、「自動化された」又は「完全に自動化された」転換は、人間の介入なしに部品を交換又は補充することを説明している。
【0055】
本明細書において使用される場合、「部分的に自動化された」転換は、幾分かの又は限定された人間の介入により部品を交換又は補充することを説明している。
【0056】
本明細書において使用される場合、「輸送(transport)」又は「輸送する(transporting)」は、手作業又はマシンを用いて部品を1つの位置から別の位置へ移動させることを説明している。
【0057】
本明細書において使用される場合、「設置(install)」又は「設置する(installing)」は、使用の準備ができた位置に部品を載置するプロセスを説明している。
【0058】
上述のように、可動カートは、ステンシルプリンタ内において他の部品を交換するために利用することができる。例えば、ステンシルワイパーアセンブリは、可動カートによって自動的に交換することができる紙及び溶媒等の消耗品を含む。
【0059】
本明細書において開示されるコンセプトは、ディスペンサー、ピックアンドプレイスマシン、リフロー炉、ウェーブはんだ付け機、選択的はんだ機、検査ステーション、及び洗浄ステーションを含む、電子基板を作製するために使用される他のタイプの機器に利用してもよい。例えば、材料を再捕捉することに向けられたコンセプトは、はんだ付け機及びウェーブはんだ付け機並びに洗浄ステーションにおいて利用することができる。
【0060】
このように、少なくとも1つの実施形態の幾つかの態様を記載したが、様々な変形、変更、及び改良が当業者には容易に想到されることが理解される。そのような変形、変更、及び改良は、本開示の一部であることが意図されるとともに、本開示の範囲内にあることが意図される。したがって、前述の記載及び図面は単に例としてのものである。
上述の実施形態は下記のようにも記載され得るが下記には限定されない。
[構成1]
電子基板上にアセンブリ材料を印刷するステンシルプリンタであって、
フレームと、
前記フレームに連結され、内部に孔が形成されるステンシルと、
前記フレームに連結され、前記電子基板を支持するように構成される支持アセンブリと、
前記フレームに連結されるプリントヘッドガントリーと、
印刷ストローク中に前記ステンシルを横断するように構成されるように、前記プリントヘッドガントリーによって支持されるプリントヘッドアセンブリと、
前記ステンシルの上面からアセンブリ材料を除去し、新しい交換用ステンシル上にアセンブリ材料を堆積させるように構成されるアセンブリ材料回収システムであって、前記ステンシルの前記上面に位置決めされるように構成されるレセプタクルを備える、アセンブリ材料回収システムと、
を備える、ステンシルプリンタ。
[構成2]
前記レセプタクルは、ステンシル支持アセンブリのレールである格納位置から前記ステンシルの前記上面に位置決めされる、構成1に記載のステンシルプリンタ。
[構成3]
前記レセプタクルは、前記平面上に載るとともに、その上での前記アセンブリ材料の転動を可能にするように構成される平坦な底壁を備える、構成1に記載のステンシルプリンタ。
[構成4]
前記プリントヘッドガントリーは、前記フレーム上に設けられるレールに沿って支持される細長いビームを備え、該プリントヘッドガントリーの該細長いビームは、水平方向に延在する少なくとも1つのリニア軸受を備え、前記回収システムは、前記少なくとも1つのリニア軸受上を横方向に移動するように構成される少なくとも1つの仕上げ部材を更に備える、構成1に記載のステンシルプリンタ。
[構成5]
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、収納特徴部内に収納されるように構成されるヘッドを有する下向きに延在するピンを備える、構成4に記載のステンシルプリンタ。
[構成6]
前記レセプタクルは、該レセプタクルに係合し、該レセプタクルを前記格納位置から前記ステンシルの前記上面へと移動させるために前記少なくとも1つの仕上げ部材の前記ピンによって係合されるように構成される少なくとも1つの収納特徴部を備える、構成5に記載のステンシルプリンタ。
[構成7]
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含み、第1の仕上げ部材は、第1のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、第2の仕上げ部材は、第2のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、前記少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含み、仕上げ部材ごとに1つの収納特徴部が設けられ、前記第1の仕上げ部材及び前記第2の仕上げ部材は、前記レセプタクルを解除可能に固定するように該レセプタクルのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される、構成6に記載のステンシルプリンタ。
[構成8]
前記支持アセンブリは、z軸方向に移動するとともに、前記レセプタクルの底部に取り付けられる磁石に係合するように上昇するように構成され、該支持アセンブリは、前記レセプタクルを前記ステンシル上の適所に固定するための鋼面を有する、構成7に記載のステンシルプリンタ。
[構成9]
前記プリントヘッドアセンブリは、アセンブリ材料を前記ステンシルに沿って移動させるように構成されるスクイージーブレードアセンブリを有するプリントヘッドを備え、前記スクイージーブレードアセンブリは、前記ステンシルに係合し、アセンブリ材料を前記レセプタクル内へと転動させるように構成される第1のスクイージーブレードを備える、構成8に記載のステンシルプリンタ。
[構成10]
前記スクイージーブレードアセンブリは、前記レセプタクルに係合し、アセンブリ材料を前記ステンシル上へと転動させるように構成される第2のスクイージーブレードを更に備える、構成9に記載のステンシルプリンタ。
[構成11]
交換が予定されているステンシルからアセンブリ材料を回収する方法であって、
レセプタクルをアセンブリ材料に近接した使用済みステンシル上へと移動させることと、
前記レセプタクル上へとアセンブリ材料を移動させることと、
前記レセプタクルを前記使用済みステンシルから取り外すことと、
前記使用済みステンシルを新しいステンシルと交換することと、
前記レセプタクルを前記新しいステンシル上へと移動させることと、
前記スクイージーブレードアセンブリを用いてアセンブリ材料を前記新しいステンシル上へと移動させることと、
前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことと、
を含む、方法。
[構成12]
前記レセプタクルを前記使用済みステンシル上へと移動させること、及び前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことは、プリントヘッドアセンブリの少なくとも1つの仕上げ部材の下向きに延在するピンを前記レセプタクルと関連する収納特徴部内に位置決めすることを含む、構成11に記載の方法。
[構成13]
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含み、前記少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含み、前記2つの仕上げ部材は、前記レセプタクルを固定するように該レセプタクルのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される、構成12に記載の方法。
[構成14]
z軸方向に移動するとともに、前記レセプタクルの底部に取り付けられる磁石まで上昇するように構成される支持アセンブリを係合させることを更に含み、該支持アセンブリは、前記レセプタクルを適所に固定するための鋼面を有する、構成13に記載の方法。
[構成15]
前記レセプタクル上へとアセンブリ材料を移動させることは、プリントヘッドアセンブリのスクイージーブレードアセンブリを用いてアセンブリ材料を移動させることを含む、構成12に記載の方法。
[構成16]
前記スクイージーブレードアセンブリは、前記ステンシルに係合し、アセンブリ材料を前記レセプタクル内へと移動させるように構成される第1のスクイージーブレードを備える、構成15に記載の方法。
[構成17]
前記スクイージーブレードアセンブリは、アセンブリ材料に係合し、アセンブリ材料を前記ステンシル上へと転動させるように構成される第2のスクイージーブレードを更に備える、構成16に記載の方法。
[構成18]
前記レセプタクルを前記使用済みステンシルから取り外すこと、及び前記レセプタクルを前記新しいステンシルから取り外すことは、前記レセプタクルをステンシル支持アセンブリのレール上の格納位置に移動させることをそれぞれ含む、構成12に記載の方法。
[構成19]
ステンシルプリンタのステンシルの上面からアセンブリ材料を除去し、アセンブリ材料を新しい交換用ステンシル上に堆積させるように構成されるアセンブリ材料回収システムであって、
前記ステンシルの前記上面に位置決めされるように構成されるレセプタクル、
を備える、回収システム。
[構成20]
前記レセプタクルは、前記平面上に載るとともに、その上でのアセンブリ材料の移動を可能にするように構成される平坦な底壁を備える、構成19に記載の回収システム。
[構成21]
前記プリントヘッドガントリーの細長いビームは、水平方向に延在する少なくとも1つのリニア軸受を備え、前記回収システムは、前記少なくとも1つのリニア軸受上を横方向に移動するように構成される少なくとも1つの仕上げ部材を更に備える、構成19に記載の回収システム。
[構成22]
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、収納特徴部内に収納されるように構成されるヘッドを有する下向きに延在するピンを備える、構成21に記載の回収システム。
[構成23]
前記レセプタクルは、該レセプタクルに係合し、該レセプタクルを前記格納位置から前記ステンシルの前記上面に移動させるために前記少なくとも1つの仕上げ部材の前記ピンによって係合されるように構成される少なくとも1つの収納特徴部を備える、構成22に記載の回収システム。
[構成24]
前記少なくとも1つの仕上げ部材は、それぞれピンを備える2つの離隔した仕上げ部材を含み、第1の仕上げ部材は、第1のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、第2の仕上げ部材は、第2のリニア軸受上を横方向に移動するように構成され、前記少なくとも1つの収納特徴部は、2つの収納特徴部を含み、仕上げ部材ごとに1つの収納特徴部が設けられ、前記第1の仕上げ部材及び前記第2の仕上げ部材は、前記レセプタクルを解除可能に固定するように該レセプタクルのそれぞれの嵌合特徴部内に収納される、構成23に記載の回収システム。
[構成25]
前記支持アセンブリは、z軸方向に移動するとともに、前記レセプタクルの底部に取り付けられる磁石に係合するように上昇するように構成され、該支持アセンブリは、前記レセプタクルを前記ステンシル上の適所に固定するための鋼面を有する、構成24に記載の回収システム。