IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヘプタレス セラピューティクス リミテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】CGRPアンタゴニスト化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/22 20060101AFI20240918BHJP
   C07D 498/22 20060101ALI20240918BHJP
   A61K 31/4748 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20240918BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
C07D471/22
C07D498/22 CSP
A61K31/4748
A61P43/00 111
A61P25/06
A61P25/08
A61P25/04
A61P25/00
A61P37/08
A61P11/02
A61P17/00
A61P1/02
A61P27/16
A61P19/02
A61P1/04
A61P13/12
A61P13/10
A61P1/18
A61P13/08
A61P11/06
A61P31/04
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021573853
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 GB2020051429
(87)【国際公開番号】W WO2020249970
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】1908430.0
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514120896
【氏名又は名称】ネクセラ・ファーマ・ユーケイ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nxera Pharma UK Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジャイルズ・アルバート
(72)【発明者】
【氏名】コングリーヴ,マイルズ・スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】ワトソン,スティーブン・ポール
(72)【発明者】
【氏名】キャンスフィールド,ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】オブライエン,マイケル・アリステア
(72)【発明者】
【氏名】デフロリアン,フランチェスカ
(72)【発明者】
【氏名】オット,グレゴリー・アール
(72)【発明者】
【氏名】スウェイン,ナイジェル・アラン
(72)【発明者】
【氏名】キャンスフィールド,アンドルー・デビッド
【審査官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-542260(JP,A)
【文献】特表2013-542261(JP,A)
【文献】特表2012-528827(JP,A)
【文献】特表2006-523697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1a)の化合物:
【化1】
またはその塩(式中、
Wは、CHまたはNであり;
Zは、CHまたはNであり;
は、1個または複数のハロ基またはC1~3アルキル基で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基であり、C1~3アルキル基はそれら自体、1個または複数のF原子で置換されていてもよく;
は、Hまたは1個もしくは複数のF原子で置換されていてもよいC1~3アルキルであり;
Lは、式:
【化2】
(式中、「r」は、ピリジン環への結合点を示し、「a」は、Nへの結合点を示し;V、XおよびYは、結合、O、CH 、NHおよびNMeから独立して選択され;b、c、dおよびeは独立して、1、2または3であり、点線は、単結合または二重結合が存在し得ることを示す)
のリンカー基である)。
【請求項2】
式(2a)の化合物:
【化3】
またはその塩である、請求項1に記載の化合物またはその塩
【請求項3】
式(3a)の化合物:
【化4】
またはその塩である、請求項1に記載の化合物またはその塩
【請求項4】
式(4a)の化合物:
【化5】
またはその塩である、請求項1に記載の化合物またはその塩
【請求項5】
WがNであり、ZがCHである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
【請求項6】
WがCHであり、ZがNである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
【請求項7】
WおよびZがどちらもCHである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
【請求項8】
が、1個または複数のF原子またはC1~3アルキル基で置換されていてもよいフェニル環であり、C1~3アルキル基がそれら自体、1個または複数のF原子で置換されていてもよい、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
【請求項9】
が、1~5個のF原子で置換されていてもよいフェニル環である、請求項8に記載の化合物またはその塩
【請求項10】
が、Hまたはメチルである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
【請求項11】
がメチルである、請求項10に記載の化合物またはその塩
【請求項12】
Lが、
-CHCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHOCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHOCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHOCHCHCHCHCH-;
-CHCHCHOCHCHN(CH)CHCH-;
-CHCHCHOCHCHNHCHCH-;
-CHCHCHCHCHCHN(CH)CHCH-;
-CHCHCHN(CH)CHCHCHCHCH-;
-CHCHCHN(CH)CHCHCHCHCH-;
-CHCHCHCHCHCHNHCHCH-;
-CHCHCHN(CH)CHCHN(CH)CHCH-;
-CHCHCHOCHCHOCHCHCH-;
-CHCHCHOCHCHCHOCHCH-;
-CHCHCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHCHOCHCHCHCH-;
-CHCHCHCHCHOCHCHCH
および
-CHCHCHOCHCHCHCFCH
からなる群から選択される、請求項に記載の化合物またはその塩
【請求項13】
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
およびその塩
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその塩
【請求項14】
CGRP受容体アンタゴニスト活性を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物またはその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項16】
医薬に使用するための、請求項15に記載の組成物
【請求項17】
片頭痛(前兆ありまたはなし)、慢性片頭痛、純粋な月経性片頭痛、頻繁な一時的片頭痛、月経関連片頭痛、前兆を伴う片頭痛、家族性片麻痺性片頭痛、散発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、周期性の嘔吐、腹性片頭痛、小児期の良性発作性めまい、網膜性片頭痛、片頭痛発作重積、群発頭痛、透析頭痛、原因不明の慢性頭痛、緊張/ストレス誘発頭痛、アレルギー誘発頭痛、発作性片側頭痛、骨関節炎および随伴性骨粗鬆症性骨折疼痛、閉経期または手術もしくは薬物処置に起因して医学的に誘発された閉経期に関連する顔面潮紅、持続性片側頭痛、周期性嘔吐症候群、オピエート退薬症候群、モルヒネ耐性、神経変性疾患、てんかん、アレルギー性鼻炎、酒さ、歯痛、耳痛、中耳炎、日焼け、骨関節炎およびリウマチ性関節炎および痛風に関連する関節痛、がん性疼痛、神経障害性疼痛(これらに限定されないが、原因不明のものを含むすべてのその様々な形態のがん性疼痛を含む)、筋緊張性疼痛、炎症性疼痛、手術後の切開の痛み、坐骨神経痛、線維筋痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、複合性局所疼痛症候群、ベーチェット病、子宮内膜症の痛み、背部痛、幻肢痛、月経期の痛み、出産に関連する痛み、皮膚の火傷から生じる痛み、もしくは炎症性腸疾患(クローン病、回腸炎および潰瘍性大腸炎を含む)に関連する内臓痛、胃食道逆流性疾患、消化不良、過敏性腸症候群、腎疝痛、膀胱炎、痛風、膵炎および前立腺炎を含む脳血管もしくは血管障害の処置、または慢性疲労症候群、皮膚疾患、神経性の皮膚の発赤、皮膚の酒さ、紅斑、気管支過敏症、喘息、肥満細胞活性化症候群、肥満細胞症、肥満細胞脱顆粒障害、血管障害、ショック、敗血症、インスリン非依存性糖尿病、ならびに呼吸器および胃腸由来のものを含む感染性疾患を含む炎症および免疫炎症に関連する障害の処置に使用するための、請求項15または16に記載の組成物
【請求項18】
障害が片頭痛障害である、請求項17に記載の組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、新規化合物およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストとしてのそれらの使用に関する。本明細書に記載の化合物は、CGRP受容体が関与する疾患の処置または防止に有用であり得る。本明細書に記載の化合物は、片頭痛などの脳血管または血管障害の処置または防止に有用であり得る。本出願はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRP受容体が関与するそのような疾患の防止または処置におけるこれらの化合物および組成物の製造および使用を対象とする。
【背景技術】
【0002】
片頭痛は、多くの場合、吐き気、嘔吐、光恐怖および音恐怖を伴う中等度から重度の頭痛発作によって特徴付けられる、高度に不能となる神経血管障害である。発作は4~72時間続くことがあり、発作の平均頻度は、月に1または2回である。片頭痛患者の約20~30%は、通常、視覚的であり、頭痛に先行し得るまたは頭痛を伴い得る前兆として公知の一過性の局所神経徴候を経験する。片頭痛は、世界中の成人の約11%が罹患し、その結果、生活の質および生産性の低下の両方の点で社会経済への大きな負担が生じる。
【0003】
片頭痛の病理学的機序はいまだ不明確であるものの、主要な仮説の1つは、三叉神経血管系(TS)の活性化に基づく。いくつかの神経ペプチドがこの活性化に関係し、それらの中でも、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、重要な役割を果たす。CGRPは、末梢および中枢神経系(CNS)を通して様々な生物学的効果を発揮する。機能性CGRP-受容体(CGRP-R)複合体は、十分特徴付けられており、新規治療手法は、CGRP自体およびその受容体を標的とする。本発明は、CGRP受容体アンタゴニスト(CGRP-RA)の開発に関する。
【0004】
カルシトニンをコードする遺伝子に由来する37アミノ酸神経ペプチドであるCGRPは、第11染色体に位置するカルシトニン/CGRP遺伝子の選択的スプライシングから形成される。ヒトにおいて、CGRPは、2つのアイソフォーム:α-およびβ-CGRPを有する。β-アイソフォームは、3、22および25位に位置するアミノ酸においてα-アイソフォームとは異なる。CGRPの化学構造は、残基2および7間のジスルフィド架橋、ならびにアミド化C末端を含む。環式システイン2-システイン7モチーフは、受容体活性化における基本的役割を有する。ヒト三叉神経節(TRIG)において、CGRP-免疫活性ニューロンはすべてのニューロンの最大50%を占める。in situハイブリダイゼーション技術により、すべての神経細胞体の40%は、CGRP mRNAおよびCGRPを含有することが実証されている。
【0005】
機能性CGRP-Rは、3種のタンパク質からなり、i)カルシトニン受容体様受容体(CRLR、CALCRLまたはCLRとして公知)は、7回膜貫通スパニングタンパク質であり、これは、ii)RAMP1とリガンド結合部位を形成し、受容体の特異性を決定し、iii)CGRP-R構成タンパク質(RCP)は、受容体を細胞内シグナル伝達経路およびアデニリルシクラーゼにカップリングする。
【0006】
片頭痛の処置としてのCGRP機能の遮断は、抗体および小分子剤の両方について臨床的に確認されている。例えば、CGRP受容体を標的とする抗体剤エレヌマブ(Aimovig)、ならびにCGRPタンパク質を標的とするフレマネズマブ(Ajovy)およびガルカネズマブ(Emgality)は、現在、片頭痛の処置について認可された医薬である。同様に、CGRPの小分子アンタゴニストがまた、片頭痛に対する有効性を実証した。例えば、ウブロゲパントおよびリメゲパントはどちらも、臨床的有効性を実証しており、現在、片頭痛の処置について認可された医薬である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明
本発明は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体アンタゴニストとして活性を有する化合物を提供する。新規化合物、およびCGRP受容体アンタゴニストとしての前記化合物の第1の医療使用が本明細書で開示される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、一実施形態では、本発明は、式(1a)の化合物:
【0009】
【化1】
またはその塩(式中、
Wは、CHまたはNであり;
Zは、CHまたはNであり;
は、1個または複数のハロ基またはC1~3アルキル基で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基であり、C1~3アルキル基はそれら自体、1個または複数のF原子で置換されていてもよく;
は、Hまたは1個もしくは複数のF原子で置換されていてもよいC1~3アルキルであり;
Lは、1個または複数のF原子で置換されていてもよいC4~15リンカー基であり、リンカー基の1、2または3個であるが、すべてではない炭素原子は、OおよびNから選択されるヘテロ原子で交換されていてもよい)
を提供する。
【0010】
本化合物は、CGRP受容体アンタゴニストとして使用され得る。本化合物は、医薬の製造に使用され得る。本化合物または医薬は、片頭痛などの脳血管または血管障害を含む、CGRP受容体が関与する疾患または障害の処置、防止、改善、制御またはそのリスクの低減に使用するためのものであり得る。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、新規化合物に関する。本発明はまた、CGRP受容体のアンタゴニストとしての新規化合物の使用に関する。本発明は、CGRP受容体アンタゴニストとして使用するための医薬の製造における新規化合物の使用にさらに関する。
【0012】
本発明は、片頭痛(前兆ありまたはなし)、慢性片頭痛、純粋な月経性片頭痛、頻繁な一時的片頭痛、月経関連片頭痛、前兆を伴う片頭痛、家族性片麻痺性片頭痛、散発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、周期性の嘔吐、腹性片頭痛、小児期の良性発作性めまい、網膜性片頭痛、片頭痛発作重積、群発頭痛、透析頭痛、原因不明の慢性頭痛、緊張/ストレス誘発頭痛、アレルギー誘発頭痛、発作性片側頭痛、骨関節炎および随伴性骨粗鬆症性骨折疼痛、閉経期または手術もしくは薬物処置に起因して医学的に誘発された閉経期に関連する顔面潮紅、持続性片側頭痛、周期性嘔吐症候群、オピエート退薬症候群、モルヒネ耐性、神経変性疾患、てんかん、アレルギー性鼻炎、酒さ、歯痛、耳痛、中耳炎、日焼け、骨関節炎およびリウマチ性関節炎および痛風に関連する関節痛、がん性疼痛、神経障害性疼痛(これらに限定されないが、原因不明のものを含むすべてのその様々な形態のがん性疼痛を含む)、筋緊張性疼痛(dystonic pain)、炎症性疼痛、手術後の切開の痛み、坐骨神経痛、線維筋痛、三叉神経痛(trigeminal neuralga)、糖尿病性神経障害、複合性局所疼痛症候群、ベーチェット病、子宮内膜症の痛み、背部痛、幻肢痛、月経期の痛み、出産に関連する痛み、皮膚の火傷から生じる痛み、または炎症性腸疾患(クローン病、回腸炎および潰瘍性大腸炎を含む)に関連する内臓痛、胃食道逆流性疾患、消化不良、過敏性腸症候群、腎疝痛、膀胱炎、痛風、膵炎および前立腺炎を含む脳血管または血管障害の処置のための化合物、組成物および医薬にさらに関する。
【0013】
本発明の化合物、組成物および医薬はまた、慢性疲労症候群、皮膚疾患、神経性の皮膚の発赤、皮膚の酒さ(skin rosaceousness)、紅斑、気管支過敏症、喘息、肥満細胞活性化症候群、肥満細胞症、肥満細胞脱顆粒障害、血管障害、ショック、敗血症、インスリン非依存性糖尿病、ならびに呼吸器および胃腸由来のものを含む感染性疾患を含む炎症および免疫に関連する障害の処置に有益であり得る。
【0014】
一実施形態では、本発明は、式(1a)の化合物:
【0015】
【化2】
またはその塩(式中、
Wは、CHまたはNであり;
Zは、CHまたはNであり;
は、1個または複数のハロ基またはC1~3アルキル基で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基であり、C1~3アルキル基はそれら自体、1個または複数のF原子で置換されていてもよく;
は、Hまたは1個もしくは複数のF原子で置換されていてもよいC1~3アルキルであり;
Lは、1個または複数のF原子で置換されていてもよいC4~15リンカー基であり、リンカー基の1、2または3個であるが、すべてではない炭素原子は、OおよびNから選択されるヘテロ原子で交換されていてもよい)
を提供する。
【0016】
特定の化合物としては、式(2a)の化合物:
【0017】
【化3】
またはその塩(式中、W、Z、L、RおよびRは、上で定義されている通りである)
が挙げられる。
【0018】
特定の化合物としては、式(3a)の化合物:
【0019】
【化4】
またはその塩(式中、W、Z、L、RおよびRは、上で定義されている通りである)
が挙げられる。
【0020】
特定の化合物としては、式(4a)の化合物:
【0021】
【化5】
またはその塩(式中、W、Z、L、RおよびRは、上で定義されている通りである)
が挙げられる。
【0022】
本明細書の化合物において、W、Zおよびそれらが結合した原子によって形成される環系は、インダン環系、ピリンダン、4-アザインダン、2,3-シクロペンテノピリジンまたは6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジン環系、2-ピリンダン、5-アザインダンまたは6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[c]ピリジン環系および4,5-ジアザインダン環系からなる群から選択され得る。
【0023】
W、Zおよびそれらが結合した原子によって形成される環系は、
【0024】
【化6】
からなる群から選択され得る。
【0025】
本明細書の化合物において、WはNであり得る。WはCHであり得る。
【0026】
本明細書の化合物において、ZはNであり得る。ZはCHであり得る。
【0027】
本明細書の化合物において、WはNであり得、ZはCHであり得る。WはCHであり得、ZはNであり得る。WおよびZはどちらもCHであり得る。WおよびZはどちらもNであり得る。
【0028】
特定の化合物としては、式(1b)、(1c)、(1d)および(1e)の化合物:
【0029】
【化7】
またはその塩(式中、L、RおよびRは、上で定義されている通りである)
が挙げられる。
【0030】
特定の化合物としては、式(2b)、(2c)、(2d)および(2e)の化合物:
【0031】
【化8】
またはその塩(式中、L、RおよびRは、上で定義されている通りである)
が挙げられる。
【0032】
特定の化合物としては、式(3b)、(3c)、(3d)および(3e)の化合物:
【0033】
【化9】
またはその塩(式中、L、RおよびRは、上で定義されている通りである)
が挙げられる。
【0034】
特定の化合物としては、式(4b)、(4c)、(4d)および(4e)の化合物:
【0035】
【化10】
またはその塩(式中、L、RおよびRは、上で定義されている通りである)
が挙げられる。
【0036】
特定の化合物としてはまた、式(5a)~(5g)の化合物:
【0037】
【化11】
またはその塩(式中、L、W、Z、RおよびRは、上で定義されている通りである)
が挙げられ得る。
【0038】
本明細書の化合物において、Rは、1個または複数のハロ基またはC1~3アルキル基で置換されていてもよいアリール基であり得、C1~3アルキル基はそれら自体、1個または複数のF原子で置換されていてもよい。Rは、1個または複数のハロ基またはC1~3アルキル基で置換されていてもよいヘテロアリール基であり得、C1~3アルキル基はそれら自体、1個または複数のF原子で置換されていてもよい。Rは、1個または複数のF原子またはC1~3アルキル基で置換されていてもよいフェニル環であり得、C1~3アルキル基はそれら自体、1個または複数のF原子で置換されていてもよい。Rは、1~5個のF原子で置換されていてもよいフェニル環であり得る。Rは、フェニル環であり得る。Rは、1~5個のF原子で置換されたフェニル環であり得る。Rは、1~3個のF原子で置換されたフェニル環であり得る。
【0039】
本明細書の化合物において、RはHであり得る。Rは、1個または複数のF原子で置換されていてもよいアルキルであり得る。RはC1~3アルキルであり得る。Rは、1個または複数のF原子で置換されていてもよいC1~3アルキルであり得る。Rはメチルであり得る。Rは、1個または複数のF原子で置換されていてもよいメチルであり得る。
【0040】
本明細書の化合物において、Lは、1個または複数のF原子で置換されていてもよいC4~15リンカー基であり得る。Lは、1~3個のF原子で置換されていてもよいC4~15リンカー基であり得る。Lは、1~3個のF原子で置換されたC4~15リンカー基であり得る。LはC4~15リンカー基であり得る。Lは、C4~15リンカー基であり得、リンカー基の1、2または3個であるが、すべてではない炭素原子は、OおよびNから選択されるヘテロ原子で交換されている。Lは、C6~12リンカー基であり得、リンカー基の1、2または3個であるが、すべてではない炭素原子は、OおよびNから選択されるヘテロ原子で交換されていてもよい。Lは、C4~15リンカー基であり得、リンカー基の1、2または3個であるが、すべてではない炭素原子は、Oで交換されていてもよい。Lは、C6~12リンカー基であり得、リンカー基の1、2または3個であるが、すべてではない炭素原子は、Oで交換されていてもよい。Lは部分不飽和であり得る。Lは一不飽和であり得る。Lは多価不飽和であり得る。Lは二重結合を含有し得る。Lは飽和であり得る。Lは1個または複数のF原子で置換されていてもよい。
【0041】
Lは、式:
【0042】
【化12】
(式中、「r」は、ピリジン環への結合点を示し、「a」は、Vへの結合点を示し;XおよびYは、結合、O、CH、NHおよびNMeから独立して選択され得;b、c、dおよびeは独立して、1、2または3であり、点線は、単結合または二重結合が存在し得ることを示す)
のリンカー基であり得る。
【0043】
Lは、
-CHCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHOCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHOCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHOCHCHCHCHCH-;
-CHCHCHOCHCHN(CH)CHCH-;
-CHCHCHOCHCHNHCHCH-;
-CHCHCHCHCHCHN(CH)CHCH-;
-CHCHCHN(CH)CHCHCHCHCH-;
-CHCHCHN(CH)CHCHCHCHCH-;
-CHCHCHCHCHCHNHCHCH-;
-CHCHCHN(CH)CHCHN(CH)CHCH-;
-CHCHCHOCHCHOCHCHCH-;
-CHCHCHOCHCHCHOCHCH-;
-CHCHCHCHOCHCHOCHCH-;
-CHCHCHCHOCHCHCHCH-;
-CHCHCHCHCHOCHCHCH
および
-CHCHCHOCHCHCHCFCH
からなる群から選択され得る。
【0044】
化合物は、
【0045】
【化13-1】
【0046】
【化13-2】
【0047】
【化13-3】
およびその塩からなる群から選択され得る。
【0048】
化合物は、
(1S,22E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-17,20-ジオキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,10S,12S,13R,22E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-17,20-ジオキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-20-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,23E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-18,21-ジオキサ-5,9,14,27,29-ペンタアザヘキサシクロ[23.5.2.11,4.13,7.110,14.028,31]ペンタトリアコンタ-3,5,7(34),23,25(32),26,28(31)-ヘプタエン-8,30,33-トリオン;
(1S,23E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-17,20-ジオキサ-5,9,14,27,29-ペンタアザヘキサシクロ[23.5.2.11,4.13,7.110,14.028,31]ペンタトリアコンタ-3,5,7(34),23,25(32),26,28(31)-ヘプタエン-8,30,33-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-19-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,23E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-17,21-ジオキサ-5,9,14,27,29-ペンタアザヘキサシクロ[23.5.2.11,4.13,7.110,14.028,31]ペンタトリアコンタ-3,5,7(34),23,25(32),26,28(31)-ヘプタエン-8,30,33-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-18-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-16,16-ジフルオロ-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-20-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-フェニル-17,20-ジオキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-フェニル-17,20-ジオキサ-9,14,26,28-テトラアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,23E)-13-メチル-12-フェニル-17,21-ジオキサ-5,9,14,27,29-ペンタアザヘキサシクロ[23.5.2.11,4.13,7.110,14.028,31]ペンタトリアコンタ-3,5,7(34),23,25(32),26,28(31)-ヘプタエン-8,30,33-トリオン;
(1S,22E)-13,17-ジメチル-12-フェニル-20-オキサ-5,9,14,17,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-フェニル-20-オキサ-5,9,14,17,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13,17-ジメチル-12-フェニル-5,9,14,17,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13,20-ジメチル-12-フェニル-5,9,14,20,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13,17,20-トリメチル-12-フェニル-5,9,14,17,20,26,28-ヘプタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-フェニル-5,9,14,17,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S)-13,20-ジメチル-12-フェニル-5,9,14,20,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),24(31),25,27(30)-ヘキサエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-17,20-ジオキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-20-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-(2,3-ジフルオロフェニル)-20-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-12-(2,3-ジフルオロフェニル)-13-メチル-17,20-ジオキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-20-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-12-フェニル-17,20-ジオキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,25E)-12-フェニル-17,20,23-トリオキサ-5,9,14,29,31-ペンタアザヘキサシクロ[25.5.2.11,4.13,7.110,14.030,33]ヘプタトリアコンタ-3,5,7(36),25,27(34),28,30(33)-ヘプタエン-8,32,35-トリオン;
(1S)-12-フェニル-17,20-ジオキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),24(31),25,27(30)-ヘキサエン-8,29,32-トリオン;
(1S)-12-フェニル-17,20,23-トリオキサ-5,9,14,29,31-ペンタアザヘキサシクロ[25.5.2.11,4.13,7.110,14.030,33]ヘプタトリアコンタ-3,5,7(36),27(34),28,30(33)-ヘキサエン-8,32,35-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-17,20-ジオキサ-6,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-フェニル-17,20-ジオキサ-6,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,22E)-13-メチル-12-フェニル-20-オキサ-6,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1R,22E)-13-メチル-12-フェニル-17,20-ジオキサ-9,14,26,28-テトラアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1R,22E)-12-フェニル-17,20-ジオキサ-9,14,26,28-テトラアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1R,22E)-12-フェニル-17,20-ジオキサ-9,14,26,28-テトラアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1R,25E)-12-フェニル-17,20,23-トリオキサ-9,14,29,31-テトラアザヘキサシクロ[25.5.2.11,4.13,7.110,14.030,33]ヘプタトリアコンタ-3,5,7(36),25,27(34),28,30(33)-ヘプタエン-8,32,35-トリオン;
(1S,10S,12S,13R,22E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-18-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3(33),4,6,22,24,26,30-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,10S,12S,13R,22E)-13-メチル-12-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-20-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3(33),4,6,22,24,26,30-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
(1S,10S,12S,22E)-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-20-オキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3(33),4,6,22,24,26,30-ヘプタエン-8,29,32-トリオン;
およびその塩からなる群から選択され得る。
【0049】
本発明のさらなる実施形態は、処置の方法であって、治療有効量の式(1a)の化合物をCGRP受容体アンタゴニストとして投与するステップを含む、方法を含む。式(1a)の化合物を使用する処置は、片頭痛(前兆ありまたはなし)、慢性片頭痛、純粋な月経性片頭痛、頻繁な一時的片頭痛、月経関連片頭痛、前兆を伴う片頭痛、家族性片麻痺性片頭痛、散発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、周期性の嘔吐、腹性片頭痛、小児期の良性発作性めまい、網膜性片頭痛、片頭痛発作重積、群発頭痛、透析頭痛、原因不明の慢性頭痛、緊張/ストレス誘発頭痛、アレルギー誘発頭痛、発作性片側頭痛、骨関節炎および随伴性骨粗鬆症性骨折疼痛、閉経期または手術もしくは薬物処置に起因して医学的に誘発された閉経期に関連する顔面潮紅、持続性片側頭痛、周期性嘔吐症候群、オピエート退薬症候群、モルヒネ耐性、神経変性疾患、てんかん、アレルギー性鼻炎、酒さ、歯痛、耳痛、中耳炎、日焼け、骨関節炎およびリウマチ性関節炎および痛風に関連する関節痛、がん性疼痛、神経障害性疼痛(これらに限定されないが、原因不明のものを含むすべてのその様々な形態のがん性疼痛を含む)、筋緊張性疼痛、炎症性疼痛、手術後の切開の痛み、坐骨神経痛、線維筋痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、複合性局所疼痛症候群、ベーチェット病、子宮内膜症の痛み、背部痛、幻肢痛、月経期の痛み、出産に関連する痛み、皮膚の火傷から生じる痛み、または炎症性腸疾患(クローン病、回腸炎および潰瘍性大腸炎を含む)に関連する内臓痛、胃食道逆流性疾患、消化不良、過敏性腸症候群、腎疝痛、膀胱炎、痛風、膵炎および前立腺炎を含む脳血管または血管障害の処置におけるものであり得る。
【0050】
式(1a)の化合物はまた、慢性疲労症候群、皮膚疾患、神経性の皮膚の発赤、皮膚の酒さ、紅斑、気管支過敏症、喘息、肥満細胞活性化症候群、肥満細胞症、肥満細胞脱顆粒障害、血管障害、ショック、敗血症、インスリン非依存性糖尿病、ならびに呼吸器および胃腸由来のものを含む感染性疾患を含む炎症および免疫に関連する障害の処置に使用され得る。
【0051】
本発明の化合物は、単独で、または任意の他の治療もしくは上記の適応症のいずれかのための標準ケアとの組合せで使用されてもよい。
【0052】
本発明の特定の新規化合物は、CGRP受容体アンタゴニストとして特に高い活性を示す。
本発明の態様には、以下も含まれる。
態様1
式(1a)の化合物:
【化A】
またはその塩(式中、
Wは、CHまたはNであり;
Zは、CHまたはNであり;
は、1個または複数のハロ基またはC 1~3 アルキル基で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基であり、C 1~3 アルキル基はそれら自体、1個または複数のF原子で置換されていてもよく;
は、Hまたは1個もしくは複数のF原子で置換されていてもよいC 1~3 アルキルであり;
Lは、1個または複数のF原子で置換されていてもよいC 4~15 リンカー基であり、リンカー基の1、2または3個であるが、すべてではない炭素原子は、OおよびNから選択されるヘテロ原子で交換されていてもよい)。
態様2
式(2a)の化合物:
【化B】
またはその塩である、態様1に記載の化合物。
態様3
式(3a)の化合物:
【化C】
またはその塩である、態様1に記載の化合物。
態様4
式(4a)の化合物:
【化D】
またはその塩である、態様1に記載の化合物。
態様5
WがNであり、ZがCHである、態様1から4のいずれかに記載の化合物。
態様6
WがCHであり、ZがNである、態様1から4のいずれかに記載の化合物。
態様7
WおよびZがどちらもCHである、態様1から4のいずれかに記載の化合物。
態様8
が、1個または複数のF原子またはC 1~3 アルキル基で置換されていてもよいフェニル環であり、C 1~3 アルキル基がそれら自体、1個または複数のF原子で置換されていてもよい、態様1から7のいずれかに記載の化合物。
態様9
が、1~5個のF原子で置換されていてもよいフェニル環である、態様8に記載の化合物。
態様10
が、Hまたはメチルである、態様1から9のいずれかに記載の化合物。
態様11
がメチルである、態様10に記載の化合物。
態様12
Lが、式:
【化E】
(式中、「r」は、ピリジン環への結合点を示し、「a」は、Nへの結合点を示し;V、XおよびYは、結合、O、CH 、NHおよびNMeから独立して選択され;b、c、dおよびeは独立して、1、2または3であり、点線は、単結合または二重結合が存在し得ることを示す)
のリンカー基である、態様1から11のいずれかに記載の化合物。
態様13
Lが、
-CHCHCH OCH CH OCH CH -;
-CHCHCH OCH CH OCH CH OCH CH -;
-CH CH CH OCH CH OCH CH -;
-CH CH CH OCH CH OCH CH OCH CH -;
-CHCHCH OCH CH CH CH CH -;
-CHCHCH OCH CH N(CH )CH CH -;
-CHCHCH OCH CH NHCH CH -;
-CHCHCH CH CH CH N(CH )CH CH -;
-CHCHCH N(CH )CH CH CH CH CH -;
-CH CH CH N(CH )CH CH CH CH CH -;
-CHCHCH CH CH CH NHCH CH -;
-CHCHCH N(CH )CH CH N(CH )CH CH -;
-CHCHCH OCH CH OCH CH CH -;
-CHCHCH OCH CH CH OCH CH -;
-CHCHCH CH OCH CH OCH CH -;
-CHCHCH CH OCH CH CH CH -;
-CHCHCH CH CH OCH CH CH
および
-CHCHCH OCH CH CH CF CH
からなる群から選択される、態様12に記載の化合物。
態様14
【化F-1】
【化F-2】
【化F-3】
およびその塩
からなる群から選択される、態様1に記載の化合物。
態様15
CGRP受容体アンタゴニスト活性を有する、態様1から14のいずれかに記載の化合物。
態様16
態様1から15のいずれかに記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
態様17
医薬に使用するための、態様1から16のいずれかに記載の化合物または組成物。
態様18
片頭痛(前兆ありまたはなし)、慢性片頭痛、純粋な月経性片頭痛、頻繁な一時的片頭痛、月経関連片頭痛、前兆を伴う片頭痛、家族性片麻痺性片頭痛、散発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、周期性の嘔吐、腹性片頭痛、小児期の良性発作性めまい、網膜性片頭痛、片頭痛発作重積、群発頭痛、透析頭痛、原因不明の慢性頭痛、緊張/ストレス誘発頭痛、アレルギー誘発頭痛、発作性片側頭痛、骨関節炎および随伴性骨粗鬆症性骨折疼痛、閉経期または手術もしくは薬物処置に起因して医学的に誘発された閉経期に関連する顔面潮紅、持続性片側頭痛、周期性嘔吐症候群、オピエート退薬症候群、モルヒネ耐性、神経変性疾患、てんかん、アレルギー性鼻炎、酒さ、歯痛、耳痛、中耳炎、日焼け、骨関節炎およびリウマチ性関節炎および痛風に関連する関節痛、がん性疼痛、神経障害性疼痛(これらに限定されないが、原因不明のものを含むすべてのその様々な形態のがん性疼痛を含む)、筋緊張性疼痛、炎症性疼痛、手術後の切開の痛み、坐骨神経痛、線維筋痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、複合性局所疼痛症候群、ベーチェット病、子宮内膜症の痛み、背部痛、幻肢痛、月経期の痛み、出産に関連する痛み、皮膚の火傷から生じる痛み、もしくは炎症性腸疾患(クローン病、回腸炎および潰瘍性大腸炎を含む)に関連する内臓痛、胃食道逆流性疾患、消化不良、過敏性腸症候群、腎疝痛、膀胱炎、痛風、膵炎および前立腺炎を含む脳血管もしくは血管障害の処置、または慢性疲労症候群、皮膚疾患、神経性の皮膚の発赤、皮膚の酒さ、紅斑、気管支過敏症、喘息、肥満細胞活性化症候群、肥満細胞症、肥満細胞脱顆粒障害、血管障害、ショック、敗血症、インスリン非依存性糖尿病、ならびに呼吸器および胃腸由来のものを含む感染性疾患を含む炎症および免疫炎症に関連する障害の処置に使用するための、態様1から16のいずれかに記載の化合物または組成物。
態様19
障害が片頭痛障害である、態様18に記載の使用。
定義
本出願では、別途示されない限り、以下の定義が適用される。
【0053】
式(1a)のものを含む本明細書に記載の化合物のいずれかの使用に関する、「処置」という用語は、問題の疾患または障害に罹患している、またはこれらに罹患するリスクがある、またはこれらに罹患するリスクが可能性としてある対象に化合物が投与される任意の形態の干渉を記載するために使用される。したがって、「処置」という用語は、疾患または障害の測定可能なまたは検出可能な徴候が示されている、防止的(予防的)処置および処置の両方を包含する。
【0054】
「治療有効量」(例えば、疾患または状態の処置の方法に関する)という用語とは、所望の治療効果を生じるのに有効な化合物の量を指す。例えば、状態が疼痛である場合、治療有効量は、所望のレベルの疼痛緩和をもたらすのに十分な量である。所望のレベルの疼痛緩和は、例えば、疼痛の完全な除去、または疼痛の重症度の低減であり得る。
【0055】
「C1~3アルキル」におけるような「アルキル」、「ヘテロアリール」、「アリール」および「ハロ」などの用語はすべて、別途示されない限り、それらの慣用的な意味(例えば、IUPAC Gold Bookに定義されている通り)で使用される。任意の基に適用される「置換されていてもよい」とは、前記基が、所望の場合、1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、置換基は、同じであっても、または異なってもよいことを意味する。
【0056】
記載の化合物の任意のものがキラル中心を有する範囲で、本発明は、ラセミ体または分割された鏡像異性体の形態のいずれであれ、そのような化合物のすべての光学異性体まで拡大解釈される。本明細書に記載の本発明は、どのように調製されたものであれ、本開示の化合物の任意のもののすべての結晶形、溶媒和物および水和物に関する。本明細書に開示の化合物の任意のものが、カルボキシレートまたはアミノ基などの酸性または塩基性中心を有する範囲で、前記化合物のすべての塩形態が本明細書に含まれる。薬学使用の場合、塩は、薬学的に許容される塩であるとみなされるべきである。
【0057】
言及され得る塩または薬学的に許容される塩には、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。そのような塩は、従来の方法によって、例えば、場合により溶媒中、または塩が不溶である媒体中での、化合物の遊離酸または遊離塩基形態と、1種または複数の当量の適切な酸または塩基との反応に続いて、標準技術を使用した(例えば、真空中、凍結乾燥によって、またはろ過によって)前記溶媒または前記媒体の除去によって、形成され得る。塩はまた、例えば、好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製され得る。
【0058】
薬学的に許容される塩の例としては、鉱酸および有機酸から誘導された酸付加塩、ならびにナトリウム、マグネシウム、カリウムおよびカルシウムなどの金属から誘導された塩が挙げられる。
【0059】
酸付加塩の例としては、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸)、アスコルビン酸(例えば、L-アスコルビン酸)、L-アスパラギン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)樟脳酸、カンファー-スルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸(例えば、D-グルコン酸)、グルクロン酸(例えば、D-グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L-グルタミン酸)、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)-L-乳酸および(±)-DL-乳酸)、ラクトビオ酸、マレイン酸、リンゴ酸(例えば、(-)-L-リンゴ酸)、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタリン酸、メタンスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸(例えば、(+)-L-酒石酸)、チオシアン酸、ウンデシレン酸および吉草酸により形成される酸付加塩が挙げられる。
【0060】
化合物およびそれらの塩の任意の溶媒和物も包含される。好ましい溶媒和物は、非毒性の薬学的に許容される溶媒の分子の、本発明の化合物の固体状態構造(例えば、結晶構造)への組込みによって形成される溶媒和物である(以下、溶媒和する溶媒と呼ぶ)。そのような溶媒の例としては、水、アルコール(エタノール、イソプロパノールおよびブタノールなど)およびジメチルスルホキシドが挙げられる。溶媒和物は、本発明の化合物を、溶媒または溶媒和する溶媒を含有する溶媒の混合物と共に再結晶することによって調製され得る。溶媒和物が、任意の所与の例で形成されているか否かは、化合物の結晶を、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)およびX線結晶学などの周知な標準技術を使用する分析にかけることによって決定され得る。
【0061】
溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量の溶媒和物であり得る。特定の溶媒和物は水和物であり得、水和物の例としては、半水和物、一水和物および二水和物が挙げられる。溶媒和物、ならびに溶媒和物を作製および特徴付けるために使用される方法のより詳細な議論に関しては、SSCI,Inc、West Lafayette、IN、USAにより出版された、Brynら、Solid-State Chemistry of Drugs、第2版、1999年、ISBN 0-967-06710-3を参照されたい。
【0062】
本発明の文脈における「医薬組成物」という用語とは、活性剤を含み、1種または複数の薬学的に許容される担体を追加的に含む組成物を意味する。組成物は、投与様式および剤形の性質に応じて、例えば、希釈剤、アジュバント、賦形剤、ビヒクル、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分散剤から選択される成分をさらに含有し得る。本組成物は、例えば、懸濁液、スプレー、吸入剤、錠剤、ロゼンジ剤、エマルジョン、溶液剤、カシェ剤、顆粒剤、カプセル剤および坐剤を含む、錠剤、糖衣錠、散剤、エリキシル剤、シロップ剤、液状製剤、ならびにリポソーム製剤を含む注射用液体製剤の形態を取り得る。
【0063】
本発明の化合物は、1種または複数の同位体置換を含有してもよく、特定の元素への参照は、その範囲内に、その元素のすべての同位体を含む。例えば、水素への参照は、その範囲内に、H、H(D)およびH(T)を含む。同様に、炭素および酸素への参照は、それぞれ、その範囲内に、12C、13Cおよび14C、ならびに16Oおよび18Oを含む。同様に、特定の官能基への参照はまた、文脈が別途示さない限り、その範囲内に、同位体変形体を含む。例えば、エチル基などのアルキル基またはメトキシ基などのアルコキシ基への参照は、基中の1個または複数の水素原子が、例えば、5個の水素原子がすべて、重水素同位体形態にあるエチル基(パージュウテロエチル基)または3個すべての水素原子がすべて、重水素同位体形態にあるメトキシ基(トリジュウテロメトキシ基)のように、重水素またはトリチウム同位体の形態にある変形体もまた包含する。同位体は、放射活性であっても、または非放射活性であってもよい。
【0064】
治療投与量は、患者の要求、処置されている状態の重症度、および用いられている化合物に応じて様々であり得る。特定の状況での適切な投与量の決定は、当業者の技術範囲内である。一般に、処置は、化合物の最適用量未満である、より低い投与量で開始される。その後、投与量は、状況下での最適効果に達するまで、小増分ずつ増加される。便利のために、所望の場合、総1日投与量を分割し、1日の間に少しずつ投与してもよい。
【0065】
化合物の有効用量の大きさは、当然のことながら、処置される状態の重症度の性質、ならびに特定の化合物およびその投与経路に応じて様々である。適切な投与量の選択は、過度な負担を伴わない、当技術分野の当業者の能力の範囲内である。一般に、1日用量の範囲は、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約10μg~約30mg、好ましくはヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約50μg~約30mg、例えば、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約50μg~約10mg、例えば、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約100μg~約30mg、例えば、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約100μg~約10mg、最も好ましくはヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約100μg~約1mgであり得る。
医薬製剤
本活性化合物は、単独で投与することが可能であるが、医薬組成物(例えば、製剤)として供給されることが好ましい。
【0066】
したがって、本発明の別の実施形態では、少なくとも1種の上で定義されている通りの式(1a)の化合物と少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を一緒に含む医薬組成物が提供される。
【0067】
組成物は、錠剤組成物であり得る。
【0068】
組成物は、カプセル剤組成物であり得る。
【0069】
薬学的に許容される賦形剤は、例えば、担体(例えば、固体、液体または半固体担体)、アジュバント、希釈剤(例えば、充填剤または増量剤などの固体希釈剤;ならびに溶媒および共溶媒などの液体希釈剤)、造粒剤、結合剤(binder)、流動助剤、コーティング剤、放出制御剤(例えば、放出抑制または遅延ポリマーまたはワックス)、結合剤(binding agent)、崩壊剤、緩衝化剤、滑沢剤、保存剤、抗真菌剤および抗菌剤、抗酸化剤、緩衝化剤、張度調節剤、増粘剤、香味剤、甘味料、顔料、可塑剤、味覚マスキング剤、安定剤、または医薬組成物に慣用的に使用される任意の他の賦形剤から選択され得る。
【0070】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、対象(例えば、ヒト対象)の組織と接触して使用するのに好適な、妥当な利益/リスク比に見合う、化合物、材料、組成物および/または剤形を意味する。各賦形剤はまた、製剤の他の成分と適合可能であるという意味において、「許容される」ものでなければならない。
【0071】
式(1a)の化合物を含有する医薬組成物は、公知技術に従って製剤化することができ、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PA、USAを参照されたい。
【0072】
本医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻内、気管支内、舌下、眼内、耳内、直腸内、膣内または経皮投与に好適な任意の形態であり得る。
【0073】
経口投与に好適な医薬剤形としては、錠剤(コーティングまたは非コーティング)、カプセル剤(硬質または軟質シェル)、カプレット剤、丸剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、溶液剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤および懸濁液、舌下錠剤、ワッファー剤、または頬パッチ剤などのパッチ剤が挙げられる。
【0074】
錠剤組成物は、ラクトース、スクロース、ソルビトールもしくはマンニトールなどの糖もしくは糖アルコール;および/または炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの非糖由来の希釈剤、またはマイクロクリスタリンセルロース(MCC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースもしくはその誘導体、およびトウモロコシデンプンなどのデンプンなどの不活性希釈剤または担体と一緒にした単位投与量の活性化合物を含有し得る。錠剤はまた、ポリビニルピロリドン、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨潤性架橋ポリマー)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩)、保存剤(例えば、パラベン)、抗酸化剤(例えば、BHT)、緩衝化剤(例えば、リン酸塩またはクエン酸緩衝剤)などの結合剤および造粒剤、ならびにクエン酸塩/炭酸水素塩混合物などの発泡剤などのような標準成分を含有してもよい。そのような賦形剤は、周知であり、ここで詳細に議論する必要はない。
【0075】
錠剤は、薬物を、胃液に接触すると放出する(即時放出錠剤)、または長期間にわたり、もしくはGI管の特定領域と接触すると制御された様式で放出する(制御放出錠剤)ように設計され得る。
【0076】
本医薬組成物は、典型的には、約1%(w/w)~約95%、好ましくは%(w/w)の活性成分、および99%(w/w)~5%(w/w)の薬学的に許容される賦形剤(例えば、上で定義されている通り)またはそのような賦形剤の組合せを含む。好ましくは、本組成物は、約20%(w/w)~約90%の活性成分、および80%(w/w)~10%の薬学的賦形剤または賦形剤の組合せを含む。本医薬組成物は、約1%~約95%、好ましくは約20%~約90%の活性成分を含む。本発明による医薬組成物は、例えば、アンプル、バイアル、坐剤、事前充填シリンジ、糖衣錠、散剤、錠剤またはカプセル剤の形態などの、単位用量形態であってもよい。
【0077】
錠剤およびカプセル剤は、例えば、0~20%の崩壊剤、0~5%の滑沢剤、0~5%の流動助剤および/または0~99%(w/w)の充填剤/または増量剤(薬物用量に依存)を含有し得る。錠剤およびカプセル剤はまた、0~10%(w/w)のポリマー結合剤、0~5%(w/w)の抗酸化剤、0~5%(w/w)の顔料を含有し得る。緩徐放出錠剤は、さらに、典型的には、0~99%(w/w)の放出制御性(例えば、遅延)ポリマー(用量に依存)を含有する。錠剤またはカプセル剤のフィルムコーティングは、典型的には、0~10%(w/w)のポリマー、0~3%(w/w)の顔料および/または0~2%(w/w)の可塑剤を含有する。
【0078】
非経口製剤は、典型的には、0~20%(w/w)の緩衝剤、0~50%(w/w)の共溶媒および/または0~99%(w/w)の注射用水(WFI)(用量に依存し、凍結乾燥の場合)を含有する。筋肉内デポ剤用の製剤は、0~99%(w/w)の油も含有し得る。
【0079】
本医薬製剤は、単一パッケージ、通常、ブリスター包装中に、処置の全経過分を含有する「患者用パック」で患者に供給され得る。
【0080】
式(1a)の化合物は、一般に、単位剤形で供給され、したがって、典型的には、所望のレベルの生物活性をもたらすのに十分な化合物を含有する。例えば、製剤は、1ナノグラム~2グラムの活性成分、例えば1ナノグラム~2ミリグラムの活性成分を含有し得る。これらの範囲内における、化合物の特定のサブ範囲は、0.1ミリグラム~2グラムの活性成分(より通常は、10ミリグラム~1グラム、例えば50ミリグラム~500ミリグラム)、または1マイクログラム~20ミリグラム(例えば1マイクログラム~10ミリグラム、例えば0.1ミリグラム~2ミリグラムの活性成分)である。
【0081】
経口組成物の場合、単位剤形は、1ミリグラム~2グラム、より典型的には、10ミリグラム~1グラム、例えば50ミリグラム~1グラム、例えば100ミリグラム~1グラムの活性化合物を含有し得る。
【0082】
活性化合物は、所望の治療効果を実現するのに十分な量(有効量)で、それを必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物患者)に投与される。投与される化合物の正確な量は、標準手順に従って、監督医師によって決定され得る。
式(1a)の化合物の調製のための方法
式(1a)の化合物は、当業者に周知の、および本明細書に記載の通りの合成法に従って調製され得る。本発明は、上記の式(1a)に定義されている通りの化合物の調製のための方法を提供する。
【実施例
【0083】
本発明をここで、以下の実施例を参照することによって例示するが、本発明はこれらに限定されない。
【0084】
実施例1-1~10-2
以下の表1に示されている実施例1-1~10-2の化合物を調製した。化合物は、立体異性体の混合物として、または個々の異性体としてのいずれかで得た。実施例1-1、1-7、3-2および5-1異性体1の立体化学を、X線結晶解析によって確認した。残りの実施例および異性体の完全な立体化学配置は確認しなかった。
【0085】
【表1-1】
【0086】
【表1-2】
【0087】
【表1-3】
一般情報:
NMR
NMRスペクトルは、5mm BBIプローブを備えたBruker DPX 300MHz、5mm PABBOプローブを備えたBruker AV400MHz、5mm PABBIプローブを備えたBruker DRX 500MHz、または5mm RT BBIプローブを備えたBruker Avance III 600分光計で記録した。サンプルは、溶媒としてDMSO-d、CDClまたはMeOD-d4、および内部標準としてTMSを使用し、25℃で記録した。
HPLC
LC/MSシステム:SQD質量分析計システムと連結したWaters Acquity UPLC
使用したソフトウェア:FractionLynxおよびMassLynx v4.1
方法1.炭酸水素アンモニウム一般分析用UPLCオープンアクセスLC/MS 12分方法
LC条件
カラム:Acquity UPLC BEH C18(50mm×2.1mm内径、1.7μmパッキング直径)
カラム温度:40℃
溶媒:A=NHHCOの10mM水溶液(アンモニアでpH10に調節)
B=アセトニトリル
注入量:2μl
勾配表:
【表A】
【0088】
UV条件
PDA範囲:210nm~450nm
UV検出は、210nm~450nmの波長からの合計シグナルであった。
【0089】
取得率:40Hz
MS条件
イオン化モード:交互-スキャンポジティブおよびネガティブエレクトロスプレー(ES/ES
スキャン範囲:100~1500AMU
スキャン時間:0.15秒
スキャン間遅延:
スキャン間MS:0.02秒
スキャン間極性/モード切り替え:0.02秒
方法2.一般基本分析用UPLCオープンアクセス
LC/MS 8分方法 - MS範囲100~1500、ES+/ES-モード
LC条件
カラム:Acquity UPLC BEH C18(2.1mm×100mm、1.7μm)
カラム温度:40℃
溶媒:A - 水+0.05%のアンモニア
B - アセトニトリル+0.05%のアンモニア
注入量:2μl
平衡化時間:1分
勾配表:
【表B】
【0090】
UV条件
PDA範囲:210nm~400nm
分解:1.2nm
取得率:40Hz
MS条件
イオン化モード:エレクトロスプレーポジティブおよびネガティブ(ES/ES
スキャン範囲:100~1500Da
スキャン時間:0.15秒
方法3.一般基本分析用UPLCオープンアクセス
LC/MS 4分方法 - MS範囲100~1500、ES+/ES-モード
LC条件
カラム:Acquity UPLC BEH C18(2.1mm×50mm、1.7μm)
カラム温度:40℃
溶媒:A - 水+0.05%のアンモニア
B - アセトニトリル+0.05%のアンモニア
注入量:2μl
平衡化時間:1分
勾配表:
【表C】
【0091】
UV条件
PDA範囲:210nm~400nm
分解:1.2nm
取得率:40Hz
MS条件
イオン化モード:エレクトロスプレーポジティブおよびネガティブ(ES/ES
スキャン範囲:100~1500Da
スキャン時間:0.15秒
分取精製のために、HPLC Waters Mass Directed Autopurification Systemを使用した。このシステムは、Waters Sample Manager 2767、Waters System Fluid Organizer、Waters Binary Gradient Module 2545、Waters 515 HPLC Pump、Waters Photodiode Array Detector 2998およびWaters Micromass ZQ MS検出器で構成される。使用したソフトウェア:FractionLynxおよびMassLynx v4.1。
【0092】
一般HPLC方法パラメーター:勾配 HOおよびCHCNまたはNHHCOの10mM水溶液(アンモニアでpH10に調節)およびCHCN中0.1%ギ酸の移動相。カラムXBridge 30×150mm、5μm。
【0093】
PDA検出器設定:波長:210~400nm、分解能:1.2nm、サンプリング速度:1.0点/秒、フィルター応答:1。
【0094】
MS検出器設定:MSスキャン:セントロイド、イオン化モード:ES+およびES-、質量範囲:105~1500、スキャン時間:1.0秒、スキャン間遅延:0.1秒、キャピラリー:3.00kV、コーン:30V、抽出装置:3.00V、RFレンズ:0.2V、供給温度:150℃、脱溶媒和温度:350℃、コーンガス流量:50L/時、脱溶媒和ガス流量:700L/時、LM 1分解:15.0、HM1分解:15.0、イオンエネルギー1:1.0および乗算器:650V。
【0095】
【化14】
スキーム1において、b、c、d、e、L、V、W、X、Y、Z、RおよびRは、上で定義されている通りであり、Rは、メチル、エチルおよびイソプロピルから選択される。タイプIX-nまたはIX-nのアルキニルN-Bocアミノピペリジノン(IX-nは、すべてシスピペリドンである富化された単一鏡像異性体を示し、IX-nは、すべてのシス富化されたラセミピペリドンを示す)を、例えば、ピナコールボラン、TEAおよびZrCpHClとの70℃で3時間、ならびにピナコールボランの2回目の添加後、さらに1時間の反応によって、タイプAX-nの4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル-N-Bocアミノピペリジノンに変換した(ステップ1)。生じたボロネートは、KPOと共に、100℃で2時間、例えば、水およびジオキサン中のXPhos-Pd-G2などの触媒を使用して、単一鏡像異性体であるタイプBXのブロモピリジル-アリールエステルにカップリングして(ステップ2)、タイプCX-nのアリールエステル-N-Boc-アミノピペリジノン中間体を得ることができる。室温で、例えば、THF中の水酸化リチウムaq.との中間体タイプCX-nの加水分解(ステップ3)により、タイプDX-nのアリールカルボン酸-N-Boc-アミノピペリジノンが得られ、室温での、例えば、ジオキサン水中の4M HClによるそのBoc脱保護(ステップ4)により、タイプEX-nのアミノピペリドン-アリールカルボン酸が得られる。室温での、例えば、DMF中のHATUおよびDIPEAによるアミノピペリジノン-アリールカルボン酸EX-nのマクロラクタム化(ステップ5)により、本発明の実施例(実施例X-n)が1種または複数の異性体として得られる。
【0096】
【化15】
実施例1-1異性体1および2の合成のための実験手順
ステップ1. tert-ブチルN-[6-メチル-2-オキソ-1-[2-[2-[(E)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アリルオキシ]エトキシ]エチル]-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-3-ピペリジル]カルバメート(A1-1)の合成
化合物I1-1(435mg、0.898mmol)を含有するバイアルに、ピナコールボラン(146μL、1.0mmol)、TEA(15.2μL、0.109mmol)およびZrCpHCl(29.4mg、0.988mmol)を添加した。バイアルを密封し、懸濁液を70℃で撹拌した。3時間後、追加のピナコールボラン(146μL、1.0mmol)を添加し、撹拌を1時間続けた。反応混合物を、飽和NHCl(20mL)でクエンチし、DCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、所望の粗生成物A1-1(776mg)を得、これをそのまま次の反応ステップに使用した。LC-MS(ES+):613.3[M+H]
ステップ2. メチル(3S)-5-[(E)-3-[2-[2-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-6-オキソ-3-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-1-ピペリジル]エトキシ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート(中間体C1-1)の合成
脱気したジオキサン(1.90mL)中の化合物B-1(183mg、0.49mmol)および化合物A1-1(776mg、粗製材料)の懸濁液に、脱気した水(520μL)中のKPO(312mg、0.098mmol)の溶液を添加した。次いで、XPhos Pd G2(77.1mg、0.098mmol)を添加し、反応混合物をさらに5分間脱気し、密封し、100℃で2時間加熱した。反応混合物をDCM(30mL)で希釈し、飽和NaHCO(4×10mL)および飽和NaCl(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物(676mg)を褐色油状物として得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、20mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、20CV中100%[DCM/MeOH(20:1)]まで、シリカカラム(Interchim 25g、15μm、SiO)で精製した。10CVについて100%を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物C1-1(159mg、42%)を得た。
LC-MS(ES+):780.4[M+H]
ステップ3. (3S)-5-[(E)-3-[2-[2-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-6-オキソ-3-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-1-ピペリジル]エトキシ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(中間体D1-1)の合成
THF(3.0mL)中の化合物C1-1(159mg、0.204mmol)の溶液に、LiOH(HO中1.0N、815μL、0.815mmol)を添加した。反応混合物を室温で25分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水(15mL)に溶解した。溶液をジエチルエーテル(2×10mL)で慎重に洗浄した。1N HClを使用してaq.層のpH値を3.5に調節し、DCM(4×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、所望の生成物D1-1(130mg、83%)を得た。
LC-MS(ES+):766.3[M+H]
ステップ4. (3S)-5-[(E)-3-[2-[2-[5-アミノ-2-メチル-6-オキソ-3-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-1-ピペリジル]エトキシ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(化合物E1-1)の合成
ジオキサン(3.38mL)中の化合物D1-1(130mg、0.169mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4.0M、1.69mL、6.79mmol)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、所望の生成物E1-1(145.2mg)を得、これをそのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):666.3[M+H]
ステップ5. (1S,10S,12S,13R,22E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-17,20-ジオキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン(実施例1-1異性体1)および(1S,22E)-13-メチル-12-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-17,20-ジオキサ-5,9,14,26,28-ペンタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン(実施例1-1異性体2)の合成
乾燥DMF(28mL)中のDIPEA(60μL、0.34mmol)およびHATU(96.4mg、0.25mmol)の溶液に、乾燥DMF(14mL)中の化合物E1-1(145mg、0.169mmol)およびDIPEA(120μL、0.68mmol)の溶液を、2分間かけて滴下添加した。反応を、DCM(50mL)および飽和NaHCO/HO 1:1(100mL)の混合物を添加することによってクエンチし、層を分離し、水性層をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物(145mg)を得た。粗製材料をEtOAc(70mL)に溶解した。この溶液を飽和NaHCO(3×15mL)で洗浄した。有機層をNaSO下で乾燥し、減圧下で濃縮して、82.6mgの粗生成物を黄色固形物として得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、7mL/分の流量で、DCM(100%)で開始して、シリカカラム(Interchim 4g、15μm、SiO)で精製した。5CVについてDCM(100%)を保持し、10CV中60%[DCM/MeOH(10:1)]にする。20CV中75%[DCM/MeOH(10:1)]、その後、10CV中100%[DCM/MeOH(10:1)]に増加させる。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物である実施例1-1異性体1(29.9mg、27%)および実施例1-1異性体2(32.4mg、30%)を得た。
異性体1に関するデータ:
LC-MS(ES+):648.1[M+H]、R=4.65分(方法1)
【0097】
【数1】
異性体2に関するデータ:
LC-MS(ES+):648.1[M+H]、R=4.68分(方法1)
【0098】
【数2】
実施例1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、2-1、2-2、2-3、3-1、3-2、4-1、4-2、5-1、7-1、8-1、8-2および9-1を、実施例1-1の異性体1および2の合成と同じ実験手順を使用し、表2に記述される通りの中間体IX-nおよびBXから開始して、合成した。
【0099】
合成が中間体B2で開始する実施例2-2では、スキーム2に記載の合成のステップ2は使用しなかった(エステルの加水分解)。
【0100】
【表2-1】
【0101】
【表2-2】
【0102】
【表2-3】
【0103】
【表2-4】
【0104】
【表2-5】
【0105】
【表3-1】
【0106】
【表3-2】
【0107】
【表3-3】
【0108】
【表3-4】
【0109】
【表3-5】
【0110】
【表3-6】
【0111】
【表3-7】
【0112】
【表3-8】
【0113】
【表3-9】
【0114】
【表3-10】
【0115】
【化16】
中間体I1-1の合成の実験手順
ステップ1. イソプロピル2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-[2-(2-プロパ-2-イノキシエトキシ)エチルアミノ]-4-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ヘキサノエート(H1-1)の合成
化合物F-1(CAS 1488326-89-1)(1.75g、4.19mmol)に、乾燥MeOH(17.8mL)中の化合物G1-1(1.98g、9.16mmol)の溶液、活性化4Å分子粉末篩(3.6g)、氷酢酸(240μL、4.19mmol)およびNaCNBH(144mg、9.17mmol)を添加した。混合物を60℃で終夜撹拌した。反応混合物を、セライトパッドを通してろ過し、ろ液を濃縮して、m=4.42gの粗製材料を得た。この粗生成物を、EtOAc(20mL)および飽和NaHCO(80mL)に溶解した。有機層を分離し、aq.層をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、所望の生成物H1-1(m=2.317g)を黄色がかった油状物として得た。
LC-MS(ES+):545.3[M+H]
ステップ2. tert-ブチルN-[6-メチル-2-オキソ-1-[2-(2-プロパ-2-イノキシエトキシ)エチル]-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-3-ピペリジル]カルバメート(I1-1)の合成
EtOH(65mL)中の化合物H1-1(2.317g、4.25mmol)の溶液に、KCO(1.94g、14mmol)を添加し、反応混合物を60℃で終夜加熱した。混合物を濃縮し、残渣をDCM(40mL)および水(200mL)に溶解した。層を分離し、水性層をDCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濃縮して、粗生成物(1.798g)を得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、30mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、15CV中40%DCM/MeOH(40/1)まで、シリカカラム(Interchim 80g、15μm、SiO)で精製した。15CVについて40%DCM/MeOH(40:1)を保持し、10CV中60%DCM/MeOH(40:1)に増加させる。関連画分を収集し、溶媒を適宜除去して、I1-1(445mg、22.3%)を得た。
LC-MS(ES+):485.2[M+H]
【0116】
中間体I1-1、I1-2、I1-3、I1-4、I1-5、I1-6、I1-7、I1-7、I2-2、I3-1を、中間体I1-1の合成と同じ実験手順を使用し、表4に記述される通りの中間体GX-nおよびF-Xから開始して、合成した。
【0117】
【化17】
中間体I3-2の合成の実験手順
ステップ1. エチル2-(ベンズヒドリリデンアミノ)-5-オキソ-4-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ヘキサノエート(H3-2a)の合成
3-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ブタ-3-エン-2-オンF-6(2.00g、9.99mmol)をTHF(12mL)に溶解し、エチルN-(ジフェニルメチレン)グリシネート(2671mg、9.99mmol)を添加し、反応混合物を窒素でパージし、0℃に冷却した。次いで、LiOtBu(881mg、11.0mmol)を少しずつ添加し、反応混合物を0~10℃で3時間撹拌した。反応を冷水(10mL)でクエンチし、MTBE(2×40mL)で抽出した。有機物を収集し、ブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮して、粗製物(4.7g)を得、これを、シクロヘキサン中EtOAc 0~30%20CVを使用し、Interchimカートリッジ40gで、クロマトグラフィーによって精製して、エチル2-(ベンズヒドリリデンアミノ)-5-オキソ-4-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ヘキサノエート、H3-2a(3.2g、57%)を得、これをそのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ESI+):468.5[M+H]
ステップ2. 3-(ベンズヒドリリデンアミノ)-6-メチル-1-(5-プロパ-2-イノキシペンチル)-5-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ピペリジン-2-オン、(H3-2b)の合成
H3-2a(2.780g、5.947mmol)をDCE(50mL)に溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、G1-2(1602mg、9.019mmol)、続いて、トリエチルアミン(994.6μL、7.136mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(2289μL、7.731mmol)を添加した。反応混合物を45℃で3時間加熱し、反応混合物を0℃に冷却し、Na(OAc)BH(4149mg、19.58mmol)を添加した。反応混合物を40℃で3時間加熱し、次いで、追加量のDCE(15mL)および反応混合物を40℃で終夜加熱した。反応をブライン(40mL)でクエンチし、反応混合物をろ過し、次いで、ろ液をDCM(4×35mL)で抽出し、有機層を収集し、飽和NaHCO(1×30mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮して、粗製3-(ベンズヒドリリデンアミノ)-6-メチル-1-(5-プロパ-2-イノキシペンチル)-5-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ピペリジン-2-オン、H3-2b(3.67g、100%)を得、そのまま使用した。
LC-MS(ESI+):547.7[M+H]
ステップ3. tert-ブチルN-[6-メチル-2-オキソ-1-(5-プロパ-2-イノキシペンチル)-5-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-3-ピペリジル]カルバメート(I3-2)の合成
H3-2b(3.67g、6.71mmol)をACN/水(24.5/12.2mL)に溶解した。その後、TFA(1028μL、13.4mmol)を添加し、完全脱保護まで、反応混合物を室温で撹拌し、次いで、反応混合物にTHF(10.2mL)および水(5.45mL)、続いて、NaCO(2137mg、20.2mmol)およびBocO(2200mg、10.1mmol)を添加し、反応混合物を2時間撹拌し、次いで、冷蔵庫で保存した。反応混合物を、セライトパッドを通してろ過し、ろ液をDCMおよび水で希釈し、層を分離し、aq.層をDCM(2×30mL)で抽出した。有機物を収集し、乾燥し、濃縮して、粗製物(6.0g)を得、これを、2つのInterchimカラム40g 25μmで分割し、シクロヘキサン中のEtOAc 0%3CV、0~50%30CVを使用して精製して、tert-ブチルN-[6-メチル-2-オキソ-1-(5-プロパ-2-イノキシペンチル)-5-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-3-ピペリジル]カルバメート、I3-2(520mg、16%)を得た。
LC-MS(ESI+):483.6[M+H]
【0118】
中間体I4-1、I4-2およびI3-1を、表4に詳述する通りの構成単位を用い、中間体I3-2の合成と同じ実験手順を使用して、合成した。
【0119】
【表4-1】
【0120】
【表4-2】
【0121】
【表4-3】
I1-1、I1-7およびI3-2のためのSFC分取方法
機器:Prep SFC 100コントロールソフトウェアおよびUV/Vis検出器を備えるSepiatec Prep SFC 100。
溶媒:一次移動相=CO
I1-1
カラム:Phenomenex Lux Amylose-1、5μm、250×21.2mm、40℃。
【0122】
UVモニタリング:210nm
流量:50ml/分。変性剤:20%MeOHと0.2%NH
I1-7
カラム:Phenomenex Lux Amylose-1、5μm、250×21.2mm、40℃。
【0123】
UVモニタリング:210nm
流量:50ml/分。変性剤:30%MeOH。
I3-2
カラム:Phenomenex Lux Amylose-1、5μm、250×21.2mm、40℃。
【0124】
UVモニタリング:210nm
流量:50ml/分。変性剤:30%MeOH。
I1-1、I1-7およびI3-2のための分析SFC方法
機器:Masslynxソフトウェア、PDA検出器およびQDa質量検出器を備えるWaters Acquity UPC2。
カラム:Phenomenex Lux Amylose-1、3μm、50×2mm、45℃、1.5ml/分
溶媒:一次移動相=COとMeOH変性剤
【0125】
【化18】
中間体I1-8の合成の実験手順
ステップ1. イソプロピル2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-[(2,2-ジフルオロ-5-プロパ-2-イノキシ-ペンチル)アミノ]-4-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ヘキサノエート(H1-8)の合成
化合物F-1(CAS 1488326-89-1)(855mg、2.05mmol)および化合物G1-8(726mg、4.10mmol)から開始する、中間体I1-1の合成におけるステップ1と同じ手順。所望の粗生成物H1-8(m=1.46g)を、黄色油状物として得た。
LC-MS(ES+):579.1[M+H]
ステップ2. 2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-[(2,2-ジフルオロ-5-プロパ-2-イノキシ-ペンチル)アミノ]-4-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ヘキサン酸(H1-8a)の合成
H1-8((1.1g、1.90mmol)で開始する、実施例1-1の合成におけるステップ3と同じ手順。所望の生成物H1-8a(546mg、87%)を得、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):537.0[M+H]
ステップ3. tert-ブチルN-[1-(2,2-ジフルオロ-5-プロパ-2-イノキシ-ペンチル)-6-メチル-2-オキソ-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-3-ピペリジル]カルバメート(H1-8b)の合成
H1-8a(504mg、0.940mmol)で開始する、実施例1-1の合成におけるステップ5と同じ手順。粗生成物H1-8b(426mg)を、粘性の明橙色固形物として得た。
LC-MS(ES+):519.1[M+H]
ステップ4. tert-ブチル(1-(2,2-ジフルオロ-5-プロパ-2-イノキシ-ペンチル)-6-メチル-2-オキソ-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-3-ピペリジル)カルバメート(I1-8)の合成
H1-8b(426mg、0.822mmol)から開始する、中間体I1-1の合成におけるステップ2と同じ手順。所望の生成物I1-8を得た(247mg、58%)。
LC-MS(ES+):519.0[M+H]
【0126】
【化19】
中間体I2-1の合成の実験手順
ステップ1. tert-ブチルN-[6-メチル-2-オキソ-5-フェニル-1-[2-(2-プロパ-2-イノキシエトキシ)エチル]-3-ピペリジル]カルバメート(I2-1)の合成
THF(8mL)中のF-2(658mg、1.67mmol)の氷冷溶液に、アルゴン下、NaH(鉱油中60%懸濁液、74.3mg、1.86mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を0℃で15分間撹拌し、そこで、化合物臭化プロパルギル(トルエン中80%、186μL、2.61mmol)を5分間、滴下添加した。撹拌を0℃で5分間、次いで室温で終夜、続けた。反応混合物を飽和NHCl(40mL)でクエンチし、ジエチルエーテル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物(723mg)を得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、20mL/分の流量で、シクロヘキサン(100%)で開始し、20CV中100%EtOAcまで、シリカカラム(Interchim 12g、15μmm、SiO)で精製した。5CVについて100%EtOAcを保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、I2-1(472mg、65.6%)を得た。
LC-MS(ES+):431.8[M+H]
【0127】
【化20】
中間体I2-2の合成の実験手順
ステップ1. イソプロピル5-アミノ-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フェニルヘキサノエート(H2-2)の合成
室温のIPA(1000mL)中のイソプロピル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソ-4-フェニルヘキサノエート、F-3(CAS 1456803-33-0)(40g、110.19mmol)、NHOAc(84.84g、1.1mol)および4Å分子篩(40g)の撹拌溶液に、NaCNBH(10.38g、165.28mmol)を添加し、得られた反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、ろ液を蒸発させ、10%NaHCO(aq)溶液で希釈し、DCM中の10%MeOHで抽出し、無水NaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製化合物を、シリカゲル(230~400メッシュ)を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物を、DCM中0~5%MeOH勾配で溶出して、イソプロピル5-アミノ-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フェニルヘキサノエート、H2-2(20g、49%)を得た。
LC-MS(ESI+):365.3[M+H]
ステップ2.tert-ブチル(6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメート(H2-2a)の合成
EtOH(500mL)中のイソプロピル5-アミノ-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フェニルヘキサノエートH2-2(20g、54.94mmol)の撹拌溶液に、室温でKCO(15.16g、109.89mmol)を添加した。反応混合物を80℃で1時間撹拌し、反応混合物を、セライトを通してろ過した。ろ液を蒸発させ、水で希釈し、EtOAcで抽出し、無水NaSOで乾燥し、真空中で濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物を、シリカゲル(230~400メッシュ)を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物を石油エーテル中0~30%EtOAc勾配で溶出して、tert-ブチル(6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメート、H2-2a(13g、77.8%)を得た。
LC-MS(ESI+):249.2[M+H-tBu]
ステップ3. tert-ブチル(1-アリル-6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメート(H2-2b)の合成
THF:NMP(2:1)(100ml)中のtert-ブチル(6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメートH2-2a(8g、26.31mmol)の撹拌溶液に、LiHMDS(28.94ml、28.94mmol)を滴下添加した。反応混合物を撹拌し、15分後、臭化アリル(15.91g、131.55mmol)およびNaI(3.94g、26.31mmol)を添加した。生じた混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、さらに18時間、室温に加温した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(2×500mL)で抽出し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、粗製化合物を得、これを、シリカゲル(230~400メッシュ)を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物を、石油エーテル中0~20%EtOAc勾配で溶出して、tert-ブチル(1-アリル-6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメート、H2-2b(7g、77.34%)を得た。
LC-MS(ESI+):344.5[M+H]
ステップ4 分取キラルSFC:
機器:PICLab PREP 100
溶媒:一次移動相=CO変性剤:30%MeOH
カラム:YMC Cellulose-SC 5um、250×30mm、35℃。UVモニタリング:210nm
流量:80g/分。
【0128】
生成物画分を合わせ、蒸発させて、シス異性体である1.45gのH2-2ba異性体1および1.18gのH2-2b異性体2を得た。
ステップ5. tert-ブチル(E)-(1-(5-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)-6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメート(H2-2c)の合成
tert-ブチル(1-アリル-6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメートH2-2ba(1.0g、2.90mmol)をDCM(18.5mL)に溶解し、反応混合物をアルゴンでパージし、次いで、ブタ-3-エン-1-オール(628mg、8.71mmol)、続いて、Ti(iPrO)4(0.258mL、0.871mmol)を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、Hoveyda-Grubbs第2世代(182mg、0.290mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した(色が緑から赤に変化した)。反応混合物をDCM(15mL)で希釈し、飽和NaHCOを添加し(10mL)、層を分離し、水性層をDCMで抽出し、有機物を収集し、乾燥し、濃縮して、粗生成物を得、これを、カラムクロマトグラフィー(順相[Interchimカートリッジ25g、25μm、DCM中DCM/MeOH=90/10、0~40%、20CV、40~80%20CV、100%3CVを使用、10mL/分流量])によって精製して、tert-ブチル(E)-(1-(5-ヒドロキシペンタ-2-エン-1-イル)-6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメート、H2-2c(520mg、46%)を得、これをそのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ESI+):389.3[M+H]
ステップ6. tert-ブチル(1-(5-ヒドロキシペンチル)-6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメート、H2-2dの合成
H2-2c(168mg、0.43mmol)を、バイアル中、EtOH(6mL)に溶解し、反応混合物をアルゴンでパージし、次いで、Pd/C(16mg)、続いて、ギ酸アンモニウム(189mg、3mmol)を添加し、反応混合物を70℃で2時間加熱した。反応混合物を、セライトパッドを通してろ過し、ろ液を濃縮して、粗製物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィー(順相[Biotage、Interchimカートリッジ12g、25um、0~50%、10CV、50~100%20CV、100%3CV、10mL/分流量 DCM中DCM/MeOH=9/1、20mL/分流量])によって精製して、tert-ブチル(1-(5-ヒドロキシペンチル)-6-メチル-2-オキソ-5-フェニルピペリジン-3-イル)カルバメート、H2-2d(123mg、74%)を得た。
LC-MS(ESI+):391.3[M+H]
【0129】
【数3】
ステップ7 tert-ブチル(6-メチル-2-オキソ-5-フェニル-1-(5-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ペンチル)ピペリジン-3-イル)カルバメート、I2-2の合成。
【0130】
H2-2d(420mg、1.08mmol)をTHF(3.4mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却し、アルゴンでパージし、次いで、NaH(60.0%、55.9mg、1.40mmol)を少しずつ添加し、反応混合物を10分間撹拌し、次いで、臭化プロパルギル(80.0%、0.144mL、1.29mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を飽和Aq NHCl(5mL)およびEtOAc(15mL)でクエンチし、層を分離し、水性層をEtOAc(2×10mL)で抽出し、有機物を収集し、乾燥し、濃縮して、粗製物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィー(順相[Interchimカートリッジ、25g、25μm、MeOH中DCM/MeOH=9/1 0~50%、30CV、50%3CV、20mL/分流量]で溶出)によって精製して、tert-ブチル(6-メチル-2-オキソ-5-フェニル-1-(5-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ペンチル)ピペリジン-3-イル)カルバメート、I2-2を得た(250mg、54%)。
LC-MS(ESI+):429.2[M+H]
【0131】
【化21】
中間体I2-3の合成の実験手順
ステップ1. tert-ブチルN-[6-メチル-2-オキソ-5-フェニル-1-[2-(3-プロパ-2-インオキシプロポキシ)エチル]-3-ピペリジル]カルバメート(I2-3)の合成
F-4(412.6mg、1.015mmol)から開始する、中間体I2-1の合成と同じ手順。所望の生成物I2-3を得た(171.8mg、38.1%)。
LC-MS(ES+):445.1[M+H]
【0132】
【化22】
中間体I5-1およびI5-1の合成のための実験手順
ステップ1 イソプロピル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)アクリレートH5-1aの合成
0℃のDCM(500mL)中のイソプロピル(tert-ブトキシカルボニル)セリネート(50g、202.4mmol)およびTEA(84mL、607mmol)の撹拌溶液に、メタンスルホニルクロリド(23.38mL、303.3mmol)を滴下添加し、得られた反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を氷水(200mL)でクエンチし、DCM(300mL)で抽出した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗製材料を得、これを、シリカスナップ(230~400メッシュ)を使用してBiotage-Isoleraによって精製し、石油エーテル中(0~10%)EtOAc勾配で溶出して、イソプロピル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)アクリレート、H5-1aを無色ゴム状物として得た(45g、96%)。
【0133】
【数4】
ステップ2 イソプロピル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-シアノ-4-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ブタノエート、H5-1bの合成
0℃のDMSO(800mL)中の2-(2,3,6-トリフルオロフェニル)アセトニトリル(CAS 114152-21-5)(40g、233.91mmol)およびイソプロピル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)アクリレート、H5-1a(53.56g、233.91mmol)の撹拌溶液に、CsCO(38.01g、116.95mmol)を少しずつ添加し、得られた反応混合物を同じ温度で10分間撹拌した。TLCによってモニタリングして、出発材料の完了後、反応混合物をEtOAc(1L)で希釈し、水(3×500mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗製物質を得た。粗製化合物を、シリカゲル(230~400メッシュ)を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、石油エーテル中(0~10%)EtOAc勾配で溶出して、イソプロピル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-シアノ-4-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ブタノエート、H5-1bをオフホワイト固形物(85g、90%)として得た。
LC-MS(ESI+):300.9[M+H]
ステップ3 tert-ブチル(2-オキソ-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ピペリジン-3-イル)カルバメート、H5-1cの合成
エタノール(1.5L)中のイソプロピル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-シアノ-4-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ブタノエートH5-1b(85g、212mmol)の撹拌溶液に、ラネーNi(90g)(ラネーNiはエタノール200mLで洗浄し、デカントした)を添加し、得られた反応混合物を、オートクレーブ機器中、8kg/cmの水素圧下、室温で48時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドを通してろ過し、EtOH(500mL)ですすぎ、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をアセトニトリル(1L)に溶解し、炭酸カリウム(47.8g、346mmol)を添加し、得られた反応混合物を80℃で16時間加熱した。TLCによってモニタリングして、出発材料の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮して、EtOHを除去した。得られた残渣を、EtOAc(1L)と水(500mL)との間に分配した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗製化合物を得、これを、シリカゲル(230~400メッシュ)を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、石油エーテル中(0~50%)EtOAc勾配で溶出して、tert-ブチル(2-オキソ-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ピペリジン-3-イル)カルバメート、H5-1cを白色固形物として得た(55g、75%)。
LC-MS(ESI+):245.1[M+H-Boc]
ステップ4 tert-ブチル(2-オキソ-1-(5-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ペンチル)-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ピペリジン-3-イル)カルバメート、I5-1の合成
DMF(350mL)中のtert-ブチル(2-オキソ-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ピペリジン-3-イル)カルバメート、H5-1c(32g、93.02mmol)および1-ブロモ-5-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ペンタン、H5-1d(22.88g、111.6mmol)の撹拌溶液に、CsCO(45.94g、139.5mmol)を添加し、得られた反応混合物を60℃で16時間撹拌した。TLCによってモニタリングして、出発材料の完了後、反応混合物をEtOAc(1L)と水(3×500mL)との間に分配した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗製物質を得た。粗製化合物を、シリカゲル(230~400メッシュ)を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、石油エーテル中(0~20%)EtOAc勾配で溶出して、tert-ブチル(2-オキソ-1-(5-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ペンチル)-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ピペリジン-3-イル)カルバメート、I5-1を無色ゴム状物(35g、80%)として得た。
分取キラルSFC:
機器:PICLab PREP 100
溶媒:一次移動相=CO変性剤:40%IPA
カラム: YMC Cellulose-SC 5um、250×30mm、35℃。UVモニタリング:210nm
流量:80g/分。
【0134】
純粋な画分を減圧下で濃縮し、凍結乾燥して、生成物を得た。
【0135】
白色固形物5.0gとしての異性体1(第1の溶出ピーク)tert-ブチル((3S,5S)-2-オキソ-1-(5-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ペンチル)-5-(2,3,6-トリフルオロフェニル)ピペリジン-3-イル)カルバメート、I5-1
キラルSFC分析用YMC Cellulose-SC、250×4.6mm 5μ 35℃、3ml/分、40%メタノール 35℃。異性体-1 3.07分
【0136】
【数5】
中間体H5-1dの合成の実験手順
【0137】
【化23】
0℃のDMF(120mL)中のプロパ-2-イン-1-オール(20g、357.14mmol)および1,5-ジブロモペンタン(163g、714mmol)の撹拌溶液に、NaH(27.38g、714mmol)を少しずつ添加し、得られた反応混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物を水(500mL)の滴下添加によってクエンチし、EtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(2×500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製化合物を、340gのシリカゲルSnapカートリッジ(230~400メッシュ)を使用してBiotage-Isoleraによって精製し、石油エーテル中(0~5%)EtOAc勾配で溶出して、1-ブロモ-5-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ペンタン、H5-1dを無色ゴム状物(90g、33.5%)として得た。
【0138】
【数6】
中間体F-Xの合成
【0139】
【化24】
F-2の合成のための実験手順
ステップ-1 メチル2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-(3-クロロフェニル)-5-オキソ-ヘキサノエート(I)の合成。
【0140】
乾燥DMF(40mL)中のBoc-3-ヨード-D-Ala-OMe(6.0g、18mmol)の溶液に、3-クロロフェニルアセトン(3.36g、20.mmol)および炭酸セシウム(6.5g 20mmol)を添加し、アルゴン下、室温で45分間撹拌した。さらなる3-クロロフェニルアセトン(3.36g、20.18mmol)および炭酸セシウム(6.5g 20mmol)を添加した。反応混合物をアルゴン下、室温で2.5時間撹拌した。EtOAc(50mLおよび水(200mL)を添加し、層を分離した。有機層をNaHCO(aq、飽和)(2×40mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、所望の生成物I(5.98g、80%)を得、そのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ES+):392.6[M+Na]
ステップ-2 メチル2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-4-フェニル-ヘキサノエート(Ia)の合成。
【0141】
EtOH(42mL)中のI(5.97g、16.14mmol)およびギ酸アンモニウム(4.07g、64.56mmol)の溶液を超音波浴中、アルゴンで15分間脱気した。パラジウム炭素(10%、1.37g、1.29mmol)を添加し、混合物を60℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を、セライトパッドを通してろ過した。セライトをEtOHで洗浄し、サンプルを濃縮した。黄色残渣をEtOAc(100mL)に溶解し、未溶解の固形物をろ別した。溶媒を蒸発させて、粗生成物5(5.1g)を粘性の残渣として得た。粗製材料を乾式投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、60mL/分の流量で、シクロヘキサン(100%)で開始し、20CV中100%シクロヘキサン/EtOAc(5/1)まで、シリカカラム(Interchim 120g、15μmm、SiO)で精製した。10CVについて100%シクロヘキサン/EtOAc(5/1)を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物Ia(3.1g、57.3%)を得た。
LC-MS(ES+):358.6[M+Na]
ステップ-3 tert-ブチルN-[1-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-6-メチル-2-オキソ-5-フェニル-3-ピペリジル]カルバメート(F-2)の合成。
【0142】
乾燥DCE(40mL)中の2-(2-アミノエトキシ)エタノール(3.43g、32.6mmol)の溶液に、乾燥DCE(40mL)中のIa(2.73g、8.15mmol)の溶液、続いて、酢酸(1.4mL、24.45mmol)、4Å粉末分子篩(2g)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(6.91g、32.61mmol)を添加した。この混合物をアルゴン下、室温で2日間撹拌した。新しい量の2-(2-アミノエトキシ)エタノール(1.71g、16.3mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.46g、16.3mmol)を添加した。反応を室温でさらに2日間続けた。DCM(80mL)および水(80mL)を、激しく撹拌しながら添加した。有機層を分離し、水(80mL)およびブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発させて、所望の生成物F-2(2.9g、90.6%)を粘性の黄色残渣として得た。
LC-MS(ES+):393.7[M+H]
【0143】
【化25】
中間体F-4の合成のための実験手順
ステップ1および2. エチル2-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-(3-クロロフェニル)-2-メチル-6-オキソ-1-ピペリジル]アセテート(III)の合成
1)エチルアミノアセテート塩酸塩(34.7g、249mmol)をDCE(200mL)に懸濁し、DIPEA(43ml、248mmol)を滴下添加し、懸濁液を15分間撹拌し、次いで、DCE(250mL)中のI(23g、62mmol)の溶液、続いて酢酸、4Å分子篩(0.25g)、Na(OAc)BH(52.7g、248mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。LCMSは、最終環化化合物との混合物中、微量のSM、および中間体M=457の形成を示した。追加量のエチルアミノアセテート塩酸塩(2当量)、DIPEA(2当量)およびNa(OAc)BH(3当量)を添加し、反応混合物をさらに2日間撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、水を添加し(600mL)、分子篩をろ過によって除去し、層を分離し、有機層を水(3×500mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮して、中間体(m=30.3g)を得た。
【0144】
2)エピメリ化ステップ。乾燥EtOH(400mL)中のステップ1からの生成物(29.17g、68.65mmol)の溶液に、炭酸カリウム(28.46g、205.95mmol)および3Å分子篩(10g)を添加し、60℃で2時間、および室温で終夜、撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(200mL)に溶解した。有機層を慎重に分離し、固形残渣をEtOAc(4×50mL)で再度洗浄した。合わせた有機層を飽和NaHCO(100mL)、ブライン(4×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、蒸発させて生成物III(23.85g)を得、これをそのまま次の反応ステップに使用した。
ステップ3. エチル2-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル]アセテート(IV)の合成
エタノール(500mL)中のIII(23.85g、56.12mmol)およびギ酸アンモニウム(17.69g、280.64mmol)の溶液をアルゴンでフラッシュした。この溶液に、10%パラジウム炭(4.77g)を添加し、反応混合物を60℃で30分間加熱した。反応混合物を、セライトパッドを通してろ過した。溶媒を蒸発させて、m=20.20gの粗生成物を得た。これをDCMに溶解し、Interchim(300g、50μm、SiO)カラムに投入し、120ml/分の流量でInterchim Puriflash 450システムを使用し、シクロヘキサン(100%)で開始し、15CV中65%シクロヘキサン/EtOAc(1/1)まで、10CVについて100%で保持して、精製した。所望の生成物混合物を含有する画分を蒸発させて、m=4.87gおよびm=10.89gの粗製材料を得、これを、上記と同じ方法(50ml/分の流量)を使用してInterchim(120g、HC-15μm、SiO)カラムで再精製して、m=1.45gの所望の生成物混合物およびm=7.69gの粗製材料を得た。追加のクロマトグラフィーにより、m=1.38g、m=0.87gおよびm=0.26gの所望の化合物のバッチを得た。すべての生成物バッチを合わせ、さらに乾燥して、8.2gの生成物混合物を得た。
ステップ4. SFCキラル
システム詳細
カラム詳細Lux C4(21.2mm×250mm、5um)
カラム温度 40℃
流量 50mL/分
検出器波長 215nm
注入量 エタノール中1500uL(62mg)
均一溶媒条件 35:65 EtOH:CO(0.1%v/v NH
合わせた生成物画分を濃縮し、DCMを含む最終ベッセルに移し、窒素下40℃、次いで、真空下40℃で16時間さらに乾燥して、IVa異性体1 3.7g(不斉収率100%)およびIVb異性体2 3.6g(不斉収率98.6%)を得た。
ステップ5. tert-ブチルN-[1-(2-ヒドロキシエチル)-6-メチル-2-オキソ-5-フェニル-3-ピペリジル]カルバメート(V)の合成
0℃で冷却した乾燥MeOH(10.0mL)中のIVa(1.0g、2.561mmol)の溶液に、NaBH(387.6mg、10.244mmol)を添加した。反応混合物を室温で90分間撹拌した。新しい量のNaBH(193.8mg、5.122mmol)を添加し、撹拌を45℃で続けた。2時間後、新しい量のNaBH(193.8mg、5.122mmol)を添加し、撹拌を45℃で続けた。2時間後、新しい量のNaBH(193.8mg、5.122mmol)を添加し、撹拌を室温で15時間続けた。反応混合物に、飽和NHCl(50mL)およびDCM(25mL)を添加し、層を分離し、水性層をDCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、原料生成物(986.5mg)を得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、20mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、20CV中100%[DCM/MeOH(20:1)]まで、シリカカラム(Interchim 25g、15μm、SiO)で精製した。10CVについて100%を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物V(821.2mg、92.0%)を得た。
LC-MS(ES+):349.2[M+H]
ステップ7. tert-ブチルN-[6-メチル-2-オキソ-5-フェニル-1-[2-(3-テトラヒドロピラン-2-イルオキシプロポキシ)エチル]-3-ピペリジル]カルバメート(VI)の合成
トルエン(1.75mL)中のV(700.0mg、2.009mmol)および2-(3-ブロモプロポキシ)テトラヒドロピラン(458.1μL、2.566mmol)の溶液に、NaOH(水中40%、1.75mL)およびテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(695.9mg、2.009mmol)を添加し、得られた反応混合物を43℃で3時間撹拌した。新しい量の2-(3-ブロモプロポキシ)テトラヒドロピラン(229.1μL、1.284mmol)およびテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(348.0mg、1.005mmol)を添加し、撹拌を43℃で続けた。17時間後、新しい量の2-(3-ブロモプロポキシ)テトラヒドロピラン(117.5μL、0.658mmol)およびテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(178.9mg、0.517mmol)を添加し、撹拌を43℃で4時間続けた。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NHCl(2×15mL)aq.およびブライン(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物(1.27g)を得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、20mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、20CV中70%[DCM/MeOH(20:1)]まで、シリカカラム(Interchim 25g、15μm、SiO)で精製した。10CVについて70%を保持する。清潔な画分を収集し、混合画分を再度精製した。このプロセスを5回繰り返して、化合物VI(598.8mg、60.1%)を得た。
LC-MS(ES+):491.1[M+H]
ステップ8. tert-ブチルN-[1-[2-(3-ヒドロキシプロポキシ)エチル]-6-メチル-2-オキソ-5-フェニル-3-ピペリジル]カルバメート(F-4)の合成
乾燥MeOH(10.7mL)中のVI(597.2mg、1.217mmol)の溶液に、p-トルエンスルホン酸(11.0mg、0.061mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO/HO 1:1(30mL)の混合物およびDCM(30mL)でクエンチし、10分間撹拌した。層を分離し、水性層をDCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、原料生成物(545.0mg)を得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、20mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、20CV中100%[DCM/MeOH(20:1)]まで、シリカカラム(Interchim 25g、15μm、SiO)で精製した。10CVについて100%を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物F-4(412.6mg、83.4%)を得た。
LC-MS(ES+):407.2[M+H]
【0145】
【化26】
イソプロピル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソ-4-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ヘキサノエート、F-5の合成のための実験手順
乾燥MTBE(258ml)中のイソプロピルN-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(メチルスルホニル)セリネート(35.9g、110.1mmol)の溶液に、分子篩(4Å)および1-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-2-プロパノエート(CAS 1305323-99-2)(17.8g、94.8mmol)を添加し、溶液を室温で30分間撹拌した。その後、混合物を0℃に冷却し、リチウムtert-ブトキシド(28.5g、355.4mmol)を数回に分けて添加した。反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を、シリカパッドを通してろ過し、EtOAc(420ml)で洗浄し、水(1L)を添加した。層を分離し、水性層をEtOAc(3×315mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和aq.NaHCO(3×170mL)およびブライン(3×170mL)で洗浄し、無水NaSOを乾燥し、濃縮して、粗生成物を得、これを投入し、Interchim PuriFlash 430機器を使用し、2CVについてシクロヘキサン(100%)で開始し、10CV中30%[シクロヘキサン/EtOAc(5:1)]まで、シリカカラム(Interchim、HPカラム、30μm、SiO、投入量:0.05)で精製した。15CV中70%[シクロヘキサン/EtOAc(5:1)]に増加させる。10CVについて70%[シクロヘキサン/EtOAc(5:1)]を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物F-5(20.5g、51.8%)を得た。
LC-MS(ES+):440.3[M+Na]
【0146】
【化27】
3-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ブタ-3-エン-2-オン、F6の合成のための実験手順
ステップ1 3-ヒドロキシ-3-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ブタン-2-オン、F6aの合成
THF(200mL)中の1-ブロモ-2,3,5-トリフルオロベンゼン(20.00g、95mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下-20~-30℃でiPrMgCl-LiCl(THF中1.3M)(80mL、104mmol)を滴下添加した。混合物を窒素雰囲気下-20℃で1時間撹拌した。上記混合物を、-20~-30℃でTHF(80mL)中のジアセチル(9.42g、110mmol)の溶液に添加した。生じた混合物を-10~-20℃でさらに1.5時間撹拌した。反応を0℃で飽和NHCl(aq.)でクエンチした。生じた混合物をEtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。この結果、3-ヒドロキシ-3-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ブタン-2-オン、F6a(20g、92mmol)を褐色油状物として得た。
ステップ2 3-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ブタ-3-エン-2-オン、F6の合成
DCE(500mL)中のHSO(67.50g、0.7mol)の撹拌混合物に、DCE(100mL)中の3-ヒドロキシ-3-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ブタン-2-オン、F6a(50g、229mmol)の溶液を70℃で滴下添加した。生じた混合物を70℃で0.5時間撹拌した。混合物を0~10℃に冷却した。反応を水/氷でクエンチした。生じた混合物をMTBE(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、PE/EtOAc(100:1)で溶出して、3-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ブタ-3-エン-2-オン、F6(10.5g、53mmol)を橙色固形物として得た。
LCMS(ES,m/z):201[M+H]
【0147】
【数7】
【0148】
【化28】
3-(2,3-ジフルオロフェニル)ブタ-3-エン-2-オン、F-7の合成のための実験手順。
ステップ1
THF(1L)中の1,2-ジフルオロベンゼン(200g、1.75mol)の撹拌溶液に、(965.00mL、1.93mol)中の2M LDAを窒素雰囲気下、-40~-50℃で滴下添加した。混合物を-30℃で1時間撹拌し、次いで、-70℃でTHF(1600mL)中のジアセチル(173.5g、2.02mol)の溶液に添加した。得られた混合物を-10℃で2時間撹拌した。反応をHOAc(126g)およびHO(2L)でクエンチした。生じた混合物をMTBE(3×1L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、PE/EtOAc(10:1)で溶出して、3-(2,3-ジフルオロフェニル)-3-ヒドロキシブタン-2-オン、F7a(230g、1.15mol)を褐色油状物として得た。
ステップ2
DCE(700mL)中の3-(2,3-ジフルオロフェニル)-3-ヒドロキシブタン-2-オン、F7a(70g、0.35mol)の撹拌溶液に、HSO(72.1g、0.74mmol)を窒素雰囲気下、30℃で滴下添加した。生じた混合物を窒素雰囲気下、40℃で1時間撹拌した。反応を0~10℃の水でクエンチした。DCEを減圧下で除去した。生じた混合物をMTBE(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、PE/EtOAc(100:1)で溶出して、3-(2,3-ジフルオロフェニル)ブタ-3-エン-2-オン、F-7(18g)を褐色油状物として得た。
LCMS(ES,m/z):183[M+H]
【0149】
【数8】
中間体G1-Xの合成
【0150】
【化29】
中間体G1-3の合成のための実験手順
ステップ1. 2-プロパ-2-イノキシエタノール(J1-3)の合成
エチレングリコール(44.61mL、0.814mol)に、NaH(8.13g、0.203mol、1当量、鉱油中60%)の分散液を少しずつ慎重に添加した。発泡がすべて停止した後、臭化プロパルギル(21.9mL、0.203mol、トルエン中80%)の白色懸濁液に添加した。最初の発泡がおさまった後、フラスコを密封し、反応を室温で終夜撹拌した。DCM(20mL)および水(200mL)を添加した。有機層を分離し、水性層をDCM/i-PrOH(1:1、10×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮して、所望の生成物J1-3(m=19.59g)を黄色がかった液体として得た。生成物をそのまま次のステップに使用した。
TLC(シクロヘキサン-EtOAc 1:1):rf=0.23
ステップ2. 2-プロパ-2-イノキシエタノール(K1-3)の合成
化合物J1-3(18.5g、166mmol)を含有するフラスコに、水(1.99mL)中の2.5M NaOHの新たに調製した溶液を添加し、続いて、アクリロニトリル(43,6mL、665mmol)を滴下添加した(温度が45℃を超えないように非常に慎重に)。反応混合物を45℃で終夜撹拌した。水(2.0mL)中の追加の2.5M NaOHを添加し、撹拌を45℃で週末にわたって続けた。新しい量のアクリロニトリル(10mL)を添加し、夜にわたって続けた。反応混合物を飽和NaHCO/水(1:1、50mL)およびEtOAc(250mL)で希釈した。水性層を分離し、有機層を飽和NaHCO(3×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、粗生成物(m=27.3g)を得た。粗製材料を乾式投入し、Interchim PuriFlash 430機器を使用し、127mL/分の流量で、シクロヘキサン(100%)で開始して、シリカカラム(Interchim、330g、50μm、SiO)で精製した。2CVについて100%シクロヘキサンを保持する。20CV中60%[シクロヘキサン/EtOAc(1:1)]に増加させる。50CVについて60%を保持する。10CV中75%[シクロヘキサン:EtOAc(1:1)]に増加させる。5CVについて75%を保持する。所望の生成物を含有する画分を合わせ、溶媒を除去して、所望の生成物K1-3(m=13.29g、52%)を得た。
TLC(シクロヘキサン-EtOAc 1:1):rf=0.54
ステップ3. 3-(2-プロパ-2-イノキシエトキシ)プロパン-1-アミン(G1-3)の合成
クロロホルム(22.5mL)中のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(369mg、70.56mmoL)の溶液を5分間、アルゴンでバブリングした。この溶液に、溶液を通してアルゴンをバブリングしながら、ジエチルシラン(8.23mL、61.74mmol)を添加した。反応混合物を5分間簡単に撹拌し、その後、乾燥CHCl(5.94mL)中の化合物K1-3(2.7g、17.62mmol)の溶液を添加した。反応をアルゴン下で15分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製材料(m=7.05g)を得た。粗生成物を投入し、Interchim PuriFlash 430機器を使用し、27mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、2CVについて100%DCMで保持し、10CV中100%E-システム(DCM/MeOH/NHOH)(90/9/1.5)に増加させて、シリカカラム(Interchim 40g、15μm、SiO)で精製した。15CVについて100%E-システムを保持する。所望の画分を合わせ、溶媒を除去して、所望の生成物G1-3(m=2.19g、79.1%)を黄色油状物として得た。
【0151】
【数9】
【0152】
【化30】
2-(2-ブタ-3-インオキシエトキシ)エタンアミン、塩酸塩(G1-4)の合成のための実験手順。
ステップ1. tert-ブチルN-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]カルバメート(J1-4)の合成
0℃で冷却した乾燥DCM(125mL)中の化合物2-(2-アミノエトキシ)エタノール(CAS 929-06-6)(5.00g、47.6mmol)の溶液に、BocO(12.5g、57.1mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、粗製材料(m=12.0g)を得た。粗生成物を投入し、Interchim PuriFlash 430機器を使用し、60mL/分の流量で、シクロヘキサン(100%)で開始し、25CV中100%シクロヘキサン/EtOAc(1/1)まで、シリカカラム(Interchim 120g、15μm、SiO2)で精製した。5CVについて100%シクロヘキサン/EtOAc(1/1)を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物J1-4(7.59g、78%)を得た。
LC-MS(ES+):206.1[M+H]
ステップ2. 2-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エチルメタンスルホネート(K1-4)の合成
乾燥DCM(100mL)中の化合物J1-4(4.10g、20.0mmol)およびメタンスルホニルクロリド(1.78mL、23.0mmol)の溶液に、トリエチルアミン(3.34mL、24.0mmol)を氷浴下でゆっくり添加した。反応混合物を室温で75分間撹拌した。反応混合物をNHCl(aq.飽和)(150mL)でクエンチし、有機層を分離し、ブライン(2×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、所望の生成物K1-4(m=5.38g、95%)を得た。
LC-MS(ES+):284.1[M+H]
ステップ3. tert-ブチルN-[2-(2-ブタ-3-イノキシエトキシ)エチル]カルバメート(L1-4)の合成
0℃で冷却した乾燥DMF(60mL)中のブタ-3-イン-1-オール(2.9mL、38.mmoL)の溶液に、NaH(840mg、21mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した。その後、乾燥DMF(5mL)中のK1-4(5.38g、19.0mmol)の溶液を滴下添加した。反応混合物を室温に加温し、24時間撹拌した。反応を0℃に冷却し、テトラブチルアンモニウム硫酸水素(2.0mL HO中55wt.%)を添加した。20分後、NaH(160mg、4mmol)を少しずつ添加し、反応を室温で終夜続けた。反応混合物を飽和NHCl(360mL)およびDCM(50mL)でクエンチした。層を分離し、aq.層をDCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、DMF中の粗生成物L1-4の溶液を得た。
LC-MS(ES+):258.1[M+H]
ステップ4. 2-(2-ブタ-3-イノキシエトキシ)エタンアミン、塩酸塩(G1-4)の合成
化合物L1-4(4950mg、19.2mmol - 前のステップから)のDMF溶液を氷浴中で冷却した。この溶液に、ジオキサン(193mL)中の4M HCl溶液を30分間かけて滴下添加した。反応を撹拌し、2時間氷冷し、濃縮し、残渣をn-ヘキサン(4×30ml)で処理して所望の生成物G1-4(m=2.86g)をHCl塩として得た。
LC-MS(ES+):158.0[M+H]
【0153】
【化31】
2-(2-ブタ-3-イノキシエトキシ)エタンアミン、塩酸塩(G1-6)の合成のための実験手順
ステップ1. tert-ブチルN-[2-(3-ヒドロキシプロポキシ)エチル]カルバメート(J1-6)の合成
DCM(11.3mL)中の化合物3-(2-アミノエトキシ)プロパン-1-オール塩酸塩(CAS 947664-36-0)(1.0g、6.426mmol)の溶液に、ジ-tert-ブチルジカルボネート(3.09g、14.137mmol)およびDIPEA(1.23mL、7.068mmol)を添加した。反応を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO(50mL)に注ぎ、DCM(3×25mL)で抽出した。有機層を10%クエン酸(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濃縮して、粗製材料(2.81g)を無色油状物として得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、27mL/分の流量で、2CVについてシクロヘキサン(100%)で開始し、15CV中50%酢酸エチルまで、シリカカラム(Interchim 40g、30μm、SiO)で精製した。5CVについて50%を保持する。10CV中70%に増加させる。10CVについて70%を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物J1-6(1.12g、79.5%)を得た。
【0154】
【数10】
ステップ2. tert-ブチルN-[2-(3-プロパ-2-イノキシプロポキシ)エチル]カルバメート(K1-6)の合成
トルエン(3.14mL)中のJ1-6(788.0mg、3.594mmol)および臭化プロパルギル(445.3μL、4.133mmol)の溶液に、NaOH(水中40%、3.14mL)およびテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(1.25g、3.594mmol)を添加し、得られた反応混合物を室温で6時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NHCl(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物(842.6mg)を得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、20mL/分の流量で、シクロヘキサン(100%)で開始し、20CV中70%[シクロヘキサン/EtOAc(1:1)]まで、シリカカラム(Interchim 25g、15μm、SiO)で精製した。10CVについて70%を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物K1-6(579.0mg、62.6%)を得た。
LC-MS(ES+):280.1[M+Na]
【0155】
【数11】
ステップ3. 2-(3-プロパ-2-イノキシプロポキシ)エタンアミン塩酸塩(G1-6)の合成
ジオキサン(8.22mL)中の化合物K1-6(747.4mg、2.904mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4.0M、29.0mL、116.180mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、所望の生成物G1-6(595.0mg)を得、これをそのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):407.2[M+H]
【0156】
【化32】
3-ペンタ-4-イノキシプロパン-1-アミン(G1-7)の合成のための実験手順
ステップ1. 3-ペンタ-4-イノキシプロパンニトリル(J1-7)の合成
ペンタ-4-イン-1-オール(CAS 5390-04-5)(10g、119mmol)を含有するフラスコに、水(1.43mL)中の2.5N NaOHの新たに調製した溶液を添加し、続いて、アクリロニトリル(31.1mL、476mmol)を滴下添加した(温度が45℃を超えないように非常に慎重に)。反応混合物を45℃で終夜撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO/水(1:1、100mL)およびEtOAc(250mL)で希釈した。水性層を分離し、有機層を飽和NaHCO(3×50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、粗生成物(m=19.68g)を淡黄色油状物として得た。粗製材料を乾式投入し、Interchim PuriFlash 430機器を使用し、100mL/分の流量で、シクロヘキサン(100%)で開始して、シリカカラム(Interchim、330g、50μm、SiO)で精製した。2CVについて100%シクロヘキサンを保持する。20CV中100%[シクロヘキサン/EtOAc(5:1)]に増加させる。5CVについて100%を保持する。所望の生成物を含有する画分を合わせ、溶媒を除去して、所望のJ1-7(m=10.42g、63.9%)を得た。
TLC(シクロヘキサン-EtOAc 1:1):rf=0.5
ステップ2. 3-ペンタ-4-イノキシプロパン-1-アミン(G1-7)の合成
クロロホルム(18.2mL)中のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(427mg、0.816mmoL)の溶液を1分間、アルゴンでバブリングした。この溶液に、ジエチルシラン(8.78mL、65.7mmol)を添加し、続いて、乾燥CHCl(7.4mL)中の3-ペンタ-4-イノキシプロパンニトリルJ1-7(2.8g、20.4mmol)の溶液を直ちに添加した。反応を30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製材料を得た。粗生成物を投入し、Interchim PuriFlash 430機器を使用し、37mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、2CVについて100%DCMで保持し、20CV中100%E-システム(DCM/MeOH/NHOH)(90/9/1.5)に増加させて、シリカカラム(Interchim 120g、15μm、SiO))で精製した。10CVについて100%E-システムを保持する。所望の画分を合わせ、溶媒を除去して、所望のG1-7(m=2.01g、70.1%)を黄色油状物として得た。
TLC(DCM/MeOH/NHOH=90/9/1.5):rf=0.13
【0157】
【化33】
2,2-ジフルオロ-5-プロパ-2-イノキシ-ペンタン-1-アミン、G1-8の合成のための実験手順
ステップ1. tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-(2,2-ジフルオロ-5-プロパ-2-イノキシ-ペンチル)カルバメート(J1-8)の合成
トルエン(7.46mL)中の化合物tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-(2,2-ジフルオロ-5-ヒドロキシ-ペンチル)カルバメート(2.89g、8.52mmol)および臭化プロパルギル(1.06mL、9.79mmol)の溶液に、NaOH(水中40%、7.43mL)およびテトラブチルアンモニウム硫酸水素(2.95g、8.52mmol)を添加し、反応混合物を室温で夜にわたって撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NHCl(50mL)aq.およびブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、原料生成物J1-8(2.68g)を明橙色油状物として得た。
TLC(シクロヘキサン-EtOAc 5:1):rf=0.38
ステップ2. 2,2-ジフルオロ-5-プロパ-2-イノキシ-ペンタン-1-アミン(G1-8)の合成
化合物J1-8(2.58g、6.84mmol)を含有するフラスコに、ジオキサン(68.4mL、273mmol)中の4M HClを添加した。反応を室温で夜にわたって撹拌した。反応混合物を濃縮し、トルエンで洗浄して、所望の粗生成物(2.45g)を褐色油状物として得た。粗生成物を乾式投入し、Interchim PuriFlash 430機器を使用し、26mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、2CVについて100%DCMで保持し、20CV中80%E1-システム(DCM/MeOH/NHOH)(90/9/0.5)に増加させて、シリカカラム(Interchim 40g、15μm、SiO)で精製した。10CVについて80%E-システムを保持する。所望の画分を合わせ、溶媒を除去して、所望の生成物G1-8(m=726mg、68%)を黄色油状物として得た。
LC-MS(ES+):178.0[M+H]
一般スキーム2とは異なる合成経路による最終実施例
【0158】
【化34】
実施例2-4の合成の実験手順
ステップ1. メチル(3S)-5-[(E)-3-[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート(SB2-4)の合成
中間体C1-1の合成に関して記載したのと同じ実験手順を使用し、B-1(300mg、0.8mmol)および化合物SA2-4(410mg、1.2mmol)から開始して、合成した。所望の生成物SB2-4(160mg、40%)を得た。
LC-MS(ESI+):509.7[M+H]
ステップ2. (3S)-5-[(E)-3-[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(SC2-4)の合成
メチル(3S)-5-[(E)-3-[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート(SB2-4)(110mg、0.22mmol)をTHF/水(4/1mL)に溶解し、LiOH(16mg、0.66mmol)を添加した。反応混合物を室温で撹拌し、生成物に完全に変換されるまで(3時間)、時折、UPLCによって確認した。反応混合物を濃縮し、水を添加し(3mL)、HCl(aq、0.2M)の滴下添加によってpH4に酸性化した。生成物をDCM/iPrOH=2/1で抽出し、有機物を収集し、乾燥し、濃縮して、粗製(3S)-5-[(E)-3-[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸、SC2-4(84mg、78%)を得た。これをそのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ESI+):495.3[M+H]
ステップ3. (3S)-5-[(E)-3-[2-[2-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル]エチル-メチル-アミノ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(SD2-4)の合成
SC2-4(84mg、0.17mmol)をTHF(5mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却し、次いで、ジオキサン(5mL、4M)中HClを添加した。反応混合物を、出発材料が完全に消費されるまで室温で撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで、MeOH(4mL)に懸濁し、DIPEA(119μL、0.68mmol)、続いて、DCM(4mL)に溶解したVII(117mg、0.34mmol)、酢酸(19μL、0.34mmol)およびNaCNBH(16mg、0.255mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、追加量のNaCNBH(16mg、0.255mmol)を添加し、反応混合物をさらに30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、飽和NHClおよびDCMに再溶解し、層を分離し、水性層をDCM(2×5mL)で抽出し、有機物を収集し、乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(順相[Biotage、Interchimカートリッジ12g、25um、0%3CV、0~100%、20CV DCM中DCM/MeOH/HCOOH=9/1/0.01、次いで、DCM/MeOH/AcOH=9/1/1 6CV、10mL/分の流量])によって精製して、(3S)-5-[(E)-3-[2-[2-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル]エチル-メチル-アミノ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸、SD2-4(180mg、>100%、理論上123mg)を得た。これをそのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ESI+):725.5[M+H]
ステップ4. (3S)-5-[(E)-3-[2-[2-(6-アミノ-2-メチル-3-フェニル-1-ピペリジル)エチル-メチル-アミノ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸;四塩酸塩(SE2-4)の合成
SD2-4(180mg、理論上123mg、0.17mmol)をTHF(4mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却し、ジオキサン(2mL、4M)中HClを添加した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮して、粗製(3S)-5-[(E)-3-[2-[2-(5-アミノ-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル)エチル-メチル-アミノ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸;四塩酸塩、SE2-4(180mg、理論収量131mg、100%)を得た。これをそのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ESI+):625.4[M+H]
ステップ5. (1S,22E)-13,17-ジメチル-12-フェニル-20-オキサ-5,9,14,17,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン、実施例2-4、異性体1の合成
DMF(30mL)中のPyAOP(134mg、0.255mmol)およびDIPEA(0.059mL、0.34mmol)の溶液に、DMF(15mL)中の5-[(E)-3-[2-[2-(5-アミノ-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル)エチル-メチル-アミノ]エトキシ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸;四塩酸塩、SE2-4(180、理論収量131mg、0.17mmol)およびDIPEA(0.118mL、0.68mmol)の溶液を20分かけて滴下添加した。反応混合物を20分間撹拌し、次いで、水(200mL)およびDCM(150mL)でクエンチし、相を分離し、aq.層をDCM(3×60mL)で抽出し、有機物を収集し、aq.飽和NaHCOで洗浄し、乾燥し、濃縮して粗製物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィー(順相[Biotage、Interchim cartridge 12g、25μm、0~50%、10CV、50~100%20CV、100%3CV、DCM中DCM/MeOH/NHOH=90/10/1、10mL/分の流量])によって精製して、実施例2-4、異性体1(35mg、34%)を得た。
LC-MS(ESI+):607.4[M+H]、R=4.52分(方法1)
【0159】
【数12】
【0160】
【化35】
中間体SA2-4の合成のための実験手順
tert-ブチルN-メチル-N-[2-[(E)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アリルオキシ]エチル]カルバメート(SA2-4)の合成
中間体A1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、tert-ブチルN-メチル-N-(2-プロパ-2-イノキシエチル)カルバメート(300mg、1.4mmol)から開始して、合成した。所望の生成物SA2-4を得(430mg)、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ESI+):242.7[M+H-Boc]
【0161】
【化36】
中間体VIIの合成の実験手順
tert-ブチルN-[6-メチル-2-オキソ-1-(2-オキソエチル)-5-フェニル-3-ピペリジル]カルバメート(VII)の合成
V(118mg、0.34mmol)をDCM(4mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却し、デス-マーチンペルヨージナン(216mg、0.51mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応を飽和NaHCO/Na(4/4mL)混合物の添加によってクエンチした。混合物を相分離器に通し、生成物であるtert-ブチルN-[6-メチル-2-オキソ-1-(2-オキソエチル)-5-フェニル-3-ピペリジル]カルバメート(VII)を、DCM中の溶液(理論上117mg、100%)として使用した。
LC-MS(ESI+):347.2[M+H]
【0162】
【化37】
実施例2-5の合成の実験手順
ステップ1. (1S,22E)-13-メチル-12-フェニル-20-オキサ-5,9,14,17,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン、実施例2-5、異性体1の合成
実施例2-4、異性体1(10mg、0.017mmol)をアセトン(1mL)に溶解し、DEAD(トルエン中40%、23μL、0.050mmol)をゆっくり添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、MeOH/飽和aq.NHCl(1/1mL)に再溶解した。反応混合物を60℃で1時間加熱した。反応混合物をDCMで希釈し、層を分離し、aq.層をDCM(3×4mL)で抽出し、有機物を収集し、aq.飽和NaHCOで洗浄し、乾燥し、濃縮して、粗製物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィー(順相[Biotage、Interchimカートリッジ4g、25μm、0~100%、10CV、100%20CV、DCM中DCM/MeOH/NHOH=90/10/1、6mL/分の流量によって精製して、実施例2-5、異性体1(3.3mg、33%)を得た。
LC-MS(ESI+):593.3[M+H]、R=4.25分(方法1)
【0163】
【数13】
【0164】
【化38】
実施例2-6、異性体1の合成の実験手順
ステップ1. (3S)-5-[(E)-6-(メチルアミノ)ヘキサ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸;塩酸塩(TB2-6)の合成
中間体C1-1の合成に関して記載したのと同じ実験手順を使用し、B-1(600mg、1.60mmol)および化合物TA2-6(841mg、2.4mmol)から開始して、合成した。所望の生成物TB2-6(454mg、56%)を得た。
LC-MS(ES+):507.2[M+H]
ステップ2. (3S)-5-[(E)-6-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ヘキサ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(TC2-6)の合成
中間体D1-1の合成に関して記載したのと同じ実験手順を使用し、TB2-6(200mg、0.395mmol)から開始して、合成した。所望の生成物TC2-6を得(179mg、92%)、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):493.2[M+H]
ステップ3. (3S)-5-[(E)-6-(メチルアミノ)ヘキサ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(TD2-6)の合成
中間体E1-1の合成に関して記載したのと同じ実験手順を使用し、TC2-6(179mg、0.248mmol)から開始して、合成した。所望の画分を合わせ、溶媒を除去して、所望の生成物TD2-6(4×HCl塩として197mg、98%収率)を得た。
LC-MS(ES+):393.4[M+H]
ステップ4. (3S)-5-[(E)-6-[2-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル]エチル-メチル-アミノ]ヘキサ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(TE2-6)の合成
MeOH(6mL)およびDIPEA(0.206mL、1.2mmol)中の粗製化合物TD2-6(218mg、0.301mmol)の溶液に、粉末分子篩(200mg)および化合物VII(DCM中粗製6mL)の溶液、続いて、酢酸(34.4μL、0.601mmol)およびNaCNBH(28.3mg、0.451mmol)を添加した。反応混合物を室温で90分間撹拌した。新しい量のNaCNBH(13mg)を添加し、夜にわたって続けた。反応混合物を濃縮し、残渣を飽和NHCL(20mL)およびDCM(10mL)に溶解した。層を分離し、aq.層をDCM/i-PrOH(1/1、3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濃縮して、粗生成物(506mg)を黄色がかった固形物として得た。粗製材料を乾式投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、20mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、20CV中100%のDCM/MeOH/ギ酸(10/2/1)まで、シリカカラム(Interchim 12g、15μm、SiO)で精製した。さらに20CVについてこの100%を保持する。所望の画分を合わせ、溶媒を除去して、所望の生成物TE2-6(179.7mg、82%収率)を得た。
LC-MS(ES+):723.5[M+H]
ステップ5. (3S)-5-[(E)-6-[2-[5-アミノ-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル]エチル-メチル-アミノ]ヘキサ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸;塩酸塩(TF2-6)の合成
中間体E1-1の合成に関して記載したのと同じ実験手順を使用し、TE2-6 (179mg、0.248mmol)から開始して、合成した。197mgの所望の生成物TF2-6を得、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):623.4[M+H]
ステップ6. (1S,22E)-13,17-ジメチル-12-フェニル-5,9,14,17,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン(実施例2-6、異性体1)の合成
実施例1-1(ステップ4)の合成に関して記載したのと同じ実験手順を使用し、TF2-6(191mg、0.248mmol)から開始して、合成した。所望の生成物、実施例2-6、異性体1(67mg、52%)を得た。
LC-MS(ESI+):605.3[M+H]、R=5.00分(方法1)
【0165】
【数14】
【0166】
【化39】
中間体TA2-6の合成の実験手順
ステップ1. tert-ブチルN-メチル-N-[(E)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ヘキサ-5-エニル]カルバメート(TA2-6)の合成
中間体A1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、tert-ブチルN-ヘキサ-5-イニル-N-メチル-カルバメート(CAS 320367-00-8)(507mg、2.40mmol)から開始して、合成した。所望の生成物TA2-6を得(776mg)、そのまま次の反応ステップに使用した。
TLC(シクロヘキサン/EtOAc;5/1);rf=0.30。
【0167】
【化40】
実施例2-7の合成の実験手順
ステップ1. メチル(3S)-5-[(E)-3-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート(UB2-7)の合成
中間体C1-1の合成に関して記載したのと同じ実験手順を使用し、B-1(300mg、0.8mmol)および化合物UA2-7(356mg、1.2mmol)から開始して、合成した。所望の生成物UB2-7を得た(168mg、47%)。
ステップ2.(3S)-5-[(E)-3-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(UC2-7)の合成
中間体D1-1の合成に関して記載したのと同じ実験手順を使用し、UB2-7(110mg、0.24mmol)から開始して、合成した。所望の生成物UC2-7を得(95mg、88%)、そのまま次の反応ステップに使用した。
ステップ3. (3S)-5-[(E)-3-(メチルアミノ)プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(UD2-7)の合成
中間体E1-1の合成に関して記載したのと同じ実験手順を使用し、UC2-7(95mg、0.211mmol)から開始して、合成した。所望の画分を合わせ、溶媒を除去して、所望の生成物UD2-7(4×HCl塩として104mg、100%収率)を得た。
ステップ4. (3S)-5-[(E)-3-[5-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル]ペンチル-メチル-アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(UE2-7)の合成
UD2-7(104mg、0.211mmol)をMeOH(4mL)に溶解し、DIPEA(147μL、0.84mmol)、続いて、DCM(4mL)に溶解したtert-ブチルN-[-6-メチル-2-オキソ-1-(5-オキソペンチル)-5-フェニル-3-ピペリジル]カルバメートX(122mg、0.315mmol)、酢酸(24μL、0.42mmol)およびNaCNBH(27mg、0.42mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。追加量のNaCNBH(16mg)を添加し、反応混合物をさらに30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、飽和NHClおよびDCMに再溶解し、層を分離し、有機物を収集し、乾燥し、濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィー(順相[Biotage、Interchim cartridge 12g、25μm DCM中のDCM/MeOH/AcOH=9/2/2、0%、3CV、0~100%20CV、10mL/分流量])によって精製して、5-[(E)-3-[5-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル]ペンチル-メチル-アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸、UE2-7(100mg、66%)を得た。そのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ESI+):723.5[M+H]
ステップ5. (3S)-5-[(E)-3-[5-(5-アミノ-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル)ペンチル-メチル-アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸;四塩酸塩、UF2-7の合成
UE2-7(100mg、0.139mmol)をTHF(5mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却し、ジオキサン(4mL、4M)中HClを添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、粗製5-[(E)-3-[5-(5-アミノ-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル)ペンチル-メチル-アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸;四塩酸塩、UF2-7(107mg、100%)を得た。これをそのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ESI+):623.4[M+H]
ステップ6. 実施例2-7、異性体1の合成
DMF(27mL)中のPyAOP(109mg、0.208mmol)およびDIPEA(0.048mL、0.278mmol)の溶液に、DMF(12mL)中のUF2-7(107mg、0.139mmol)およびDIPEA(0.096mL、0.556mmol)の溶液を20分かけて滴下添加した。反応混合物を20分間撹拌し、次いで、水(100mL)およびDCM(60mL)でクエンチし、層を分離し、aq.層をDCM(3×30mL)で抽出し、有機物を収集し、aq.飽和NaHCOで洗浄し、乾燥し、濃縮して粗製物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィー(順相[Biotage、Interchimカートリッジ12g、25μm、0~50%、10CV、50~100%20CV、100%3CV、DCM中DCM/MeOH/NHOH=90/10/1、10mL/分の流量])によって精製して、実施例2-7、異性体1(16mg、19%)を、単一のジアステレオマーとして得た。
LC-MS(ESI+):605.3[M+H]、R=4.25分(方法1)
【0168】
【数15】
【0169】
【化41】
中間体UA2-7の合成の実験手順
ステップ1. tert-ブチルN-メチル-N-[(E)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アリル]カルバメート(UA2-7)の合成
中間体A1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、tert-ブチルN-メチル-N-プロパ-イニル-カルバメート(204mg、1.2mmol)から開始して、合成した。所望の生成物UA2-7を得(356mg)、そのまま次の反応ステップに使用した。
【0170】
【化42】
中間体Xの合成の実験手順
tert-ブチル(6-メチル-2-オキソ-1-(5-オキソペンチル)-5-フェニル-3-ピペリジル)カルバメート、Xの合成
H2-2d(123mg、0.315mmol)をDCM(4mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却し、デス-マーチンペルヨージナン(200mg、0.472mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応を飽和NaHCO/Na(4/4mL)aq.混合物の添加によってクエンチした。混合物を相分離器に通し、生成物であるtert-ブチル(6-メチル-2-オキソ-1-(5-オキソエチル)-5-フェニル-3-ピペリジル)カルバメート、Xを、DCM中の溶液(理論上122mg、100%)として得た。
LC-MS(ESI+):389.3[M+H]
【0171】
【化43】
ステップ1. tert-ブチルN-メチル-N-[(E)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アリル]カルバメート(VA2-8)の合成
中間体A1-1の合成のステップ3で記載したものと同じ実験手順を使用し、(メチル)(2-プロパイン-1-イル)カルバミン酸tert-ブチルエステル(CAS 124045-51-8)(642.0mg、3.794mmol)から開始して、合成した。所望の生成物VA2-8を得(776mg)、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):320.3[M+Na]
ステップ2. メチル(3S)-5-[(E)-3-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート(VB2-8)の合成
中間体C1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物VA2-8(800.0mg、2.138mmol)および化合物B-1(1.16g、3.574mmol)から開始して、合成した。所望の生成物VB2-8(448.0mg、45.1%)。
LC-MS(ES+):465.4[M+H]
ステップ3. (3S)-5-[(E)-3-(メチルアミノ)プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピペリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート塩酸塩(VC2-8)の合成
中間体E1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物VB2-8(152.4mg、0.328mmol)から開始して、合成した。所望の生成物VC2-8(172.6mg)を得、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):365.3[M+H]
ステップ4. メチル(3S)-5-[(E)-3-[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル-メチル-アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート、(VD2-8)の合成
DCE(8.40mL)中の化合物VC2-8(172.6mg、0.3281mmol)、DIPEA(233.3μL、1.312mmol)および4Å分子篩の懸濁液に、DCE(5.50mL)中のtert-ブチル(2-オキソエチル)カルバメート(CAS 1189711-08-0)(3.7mg、0.656mmol)の溶液、続いて酢酸(75.1μL、1.312mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(278.2mg、1.312mmol)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌したままにした。反応混合物を、セライトパッドを通してろ過し、DCM(3×10mL)で洗浄した。ろ液を飽和NaHCO(50mL)でクエンチし、層を分離し、水性層をDCM(2×15mL)でさらに抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、原料生成物(223.0mg)を得た。粗生成物を、20mL/分の流量を使用し、DCM(100%)で開始し、15CV中100%[DCM/MeOH(10:1)]まで、Interchim(12g、15μm、SiO)カラムで精製した。15CVについて100%を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物VD2-8(139.3mg、81.4%)を得た。
LC-MS(ESI+):522.4[M+H]
ステップ5. (3S)-5-[(E)-3-[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル-メチル-アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸、(VE2-8)の合成
中間体D1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物VD2-8(152.4mg、0.328mmol)から開始して、合成した。所望の生成物VE2-8(135.6、100.0%)を得、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ESI+):508.4[M+H]
ステップ6. (3S)-5-[(E)-3-[メチル-[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸塩酸塩(VF2-8)の合成
中間体E1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物VE2-8(53.0mg、0.1045mmol)から開始して、合成した。所望の生成物VF2-8(61.7mg)を得、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES):408.3[M+H]
ステップ7. (3S)-5-[(E)-3-[2-[2-[5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル]エチル-メチル-アミノ]エチル-メチル-アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(VG2-8)の合成
中間体VD2-8の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物VF2-8(61.7mg、0.1045mmol)およびVIIの溶液から開始して、合成した。55.8mg(72.3%)の所望の生成物VG2-8(61.7mg)を得た。
LC-MS(ESI+):738.7[M+H]
ステップ8. (3S)-5-[(E)-3-[2-[2-(5-アミノ-2-メチル-6-オキソ-3-フェニル-1-ピペリジル)エチル-メチル-アミノ]エチル-メチル-アミノ]プロパ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(VH2-8)の合成
中間体E1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物VG2-8(55.8mg、0.0756mmol)から開始して、合成した。所望の生成物VH2-8を得(64.8mg)、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES):638.6[M+H]
ステップ9. (1S,22E)-13,17,20-トリメチル-12-フェニル-5,9,14,17,20,26,28-ヘプタアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン(実施例2-8、異性体1)の合成
実施例1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物VH2-8(64.8mg、0.0756mmol)から開始して、合成した。22.3mg(52.9%)の所望の生成物である実施例2-8を得た。
LC-MS(ESI+):620.6[M+H]。R=3.53分(方法1)
【0172】
【数16】
【0173】
【化44】
実施例2-9の合成の実験手順
ステップ1. tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-ヘキサ-5-イニル-カルバメート(WA2-9)の合成
DMF(8.4ml)中の化合物NaH(79.5mg、2.0mmol)の懸濁液に、THF(1.4mL)中のtert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニルカルバメート(360mg、1.66mmol)の溶液を滴下方式で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、氷浴中で0℃に冷却した。5-ヘキシン-1-オール1-メタンスルホネート(CAS 79496-61-0)(350mg、2.0mmol)を滴下添加した(0.2mlのDMFに溶解した)。撹拌を室温で16時間続けた。反応混合物を、飽和aq.NHCl(40ml)でクエンチし、EtOAc(3×30ml)で抽出し、水(30ml)およびブライン(30ml)で洗浄し、MgSO下で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 430機器を使用し、10mL/分の流量で、シクロヘキサン(100%)で開始し、36CV中10%EtOAc/シクロヘキサンまで、シリカカラム(Interchim 12g、15μm、SiO)で精製した。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物WA2-9(288mg、Y=58%)を無色液体として得た。
LC-MS(ES+):320.2[M+Na]
ステップ2. tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[(E)-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ヘキサ-5-エニル]カルバメート(WB2-9)の合成
中間体A1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、WA2-9(288mg、0.97mmol)から開始して、合成した。所望の粗生成物WB2-9(285mg、黄色油状物)を得、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):426.4[M+H]
ステップ3. ジtert-ブチル2-[(E)-6-[(3S)-3’-メトキシカルボニル-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-5-イル]ヘキサ-5-エニル]プロパンジオエート(WC2-9)の合成
中間体C1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物B1(167mg、0.44mmol)および化合物WB2-9(280.9mg、0.66mmol)から開始して、合成した。158mg(45.1%)の所望の生成物WC2-9を得た。
LC-MS(ES+):593.4[M+H]
ステップ4. (3S)-5-[(E)-6-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキサ-1-エニル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(WD2-9)の合成
中間体D1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物WC2-9(158mg、0.27mmol)から開始して、合成した。所望の生成物WD2-9(86mg、Y=55.8%、淡黄色固形物)を得、そのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):579.3[M+H]
ステップ5. tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[(E)-6-[(3S)-3’-[[1-(2-ヒドロキシエチル)-6-メチル-2-オキソ-5-フェニル-3-ピペリジル]カルバモイル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-5-イル]ヘキサ-5-エニル]カルバメート(WE2-9)の合成
実施例1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物WD2-9(86mg、0.15mmol)および化合物XI(48.7mg、0.17mmol)から開始して、合成した。所望の生成物WE2-9(74mg、Y=61.6%)を、オフホワイト固形物として得た。
LC-MS(ES+):809.5[M+H]
ステップ6. tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[(E)-6-[(3S)-3’-[[6-メチル-2-オキソ-1-(2-オキソエチル)-5-フェニル-3-ピペリジル]カルバモイル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-5-イル]ヘキサ-5-エニル]カルバメート(WF2-9)の合成
DCM(0.3mL)中の化合物WE2-9(16mg、0.02mmol)の溶液を0℃に冷却し、次いで、デス-マーチンペルヨージナン(12.6mg、0.03mmol)を添加し、反応混合物を室温で5時間撹拌した。飽和NaHCO/Naの4mlの1:1混合物を添加することによって、反応をクエンチした。混合物を10分間撹拌し、次いで、相分離器を通した。DCM中の生成物WF2-9の溶液を、そのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ES+):829.4[M+Na]
ステップ7. (3S)-5-[(E)-6-アミノヘキサ-1-エニル]-N-[6-メチル-2-オキソ-1-(2-オキソエチル)-5-フェニル-3-ピペリジル]-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキサミド;二塩酸塩(WG2-9)の合成
中間体E1-1の合成で記載したのと同じ実験手順を使用し、化合物WF2-9(16mg、0.019mmol)から開始して、合成した。反応混合物を濃縮して、所望の生成物WG2-9(21mg)を得、これをそのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):607.3[M+H]
ステップ8. (1S,22E)-13-メチル-12-フェニル-5,9,14,17,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),22,24(31),25,27(30)-ヘプタエン-8,29,32-トリオン(実施例2-9、異性体1)の合成
メタノール中の化合物WG2-9(21mg、粗生成物)の溶液に、DIPEA(27μL、0.16mmol)および粉末分子篩(40mg)を添加した。生じた褐色混合物を室温で40分間撹拌した。次いで、酢酸(2.3μL、0.04mmol)およびNaBHCN(1.9mg、0.03mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、飽和NHCl(20mL)およびDCM/i-PrOH 1:1(10mL)に溶解した。層を分離し、水性層をDCM/i-PrOH 1:1 (3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4下で乾燥し、減圧下で濃縮して、m=20mgの粗生成物を得た。粗製材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、8mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し、20CV中100%DCM/MeOH/NH(90:9:1.5)まで、シリカカラム(Interchim 4g、15μm、SiO)で精製した。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物実施例2-9、異性体1(1mg、8.6%)を白色固形物として得た。
LC-MS(ES+):591.5[M+H]
【0174】
【化45】
中間体XIの合成の実験手順
3-アミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)-6-メチル-5-フェニル-ピペリジン-2-オン塩酸塩XIの合成
1,4-ジオキサン(4.2mL)中の化合物V(145mg、0.4mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4.0M、4.2ml、0.02mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、所望の生成物XI(138mg)を得、これをそのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):249.2[M+H]
【0175】
【化46】
ステップ1. (1S)-13,20-ジメチル-12-フェニル-5,9,14,20,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),24(31),25,27(30)-ヘキサエン-8,29,32-トリオン(実施例2-10)の合成の実験手順
5mLフラスコ中、実施例2-7(6.00mg、0.01mmol)をEtOHに溶解し、アルゴンでパージし、次いで、Pd(OH)/C(2.0mg)を添加した。反応混合物を撹拌し、水素を満たしたバルーン下で、UPLC MSによってモニタリングして、二重結合が完全に還元されるまで水素化した。反応混合物を、シリンジフィルターを通してろ過し、濃縮して、粗製(1S)-13,20-ジメチル-12-フェニル-5,9,14,20,26,28-ヘキサアザヘキサシクロ[22.5.2.11,4.13,7.110,14.027,30]テトラトリアコンタ-3,5,7(33),24(31),25,27(30)-ヘキサエン-8,29,32-トリオン(4.4mg、73%)を得た。粗製物を分取HPLCによって精製して、最終生成物である実施例2-10、異性体1(1.3mg、Y=21%)を得た。
【0176】
【数17】
中間体BXの合成
【0177】
【化47】
メチル(S)-5’-bromo-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B1の合成のための実験手順
ステップ1 ジメチル5-ブロモピリジン-2,3-ジカルボキシレートB1aの合成
0℃のMeOH(500mL)中のジメチルピリジン-2,3-ジカルボキシレート(605-38-9)(100g、0.510mol)の撹拌溶液に、臭素(52.48mL、1.22mol)を滴下添加した。次いで、反応混合物を55℃で終夜撹拌した。反応混合物を氷冷HOでクエンチし、EtOAc(2×1L)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl(aq)(500mL)で洗浄し、真空中で濃縮した。生じた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル-EtOAc)によって精製して、ジメチル5-ブロモピリジン-2,3-ジカルボキシレート、B1a(135g、96%)を得た。
LC-MS(ESI+):274.0[M+H]
ステップ2 (5-ブロモピリジン-2,3-ジイル)ジメタノールB1bの合成
0℃のEtOH(2.5L)中のジメチル5-ブロモピリジン-2,3-ジカルボキシレート、B1a(135g、0.492mol)の撹拌溶液に、40分間かけて、水素化ホウ素ナトリウム(112g、2.96mol)を滴下添加し、続いて、EtOH(1.5L)中のCaCl(164g、1.48mol)の溶液を滴下添加した。温度は、添加全体を通して0℃で維持した(発熱反応-効果的な冷却が必要であった)。次いで、反応混合物を、室温で20時間撹拌し、次いで、0℃に再冷却した。反応混合物を、30分間かけて2M HCl溶液でクエンチして、透明溶液を得、次いで、室温に加温し、1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(1L)で洗浄し、有機層を、さらなる1M HCL(0.2L)で洗浄した。飽和NaHCO(aq)を使用して、合わせた水性層のpHをpH7に調節し、次いで、EtOAc(2×1L)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl(aq)(500mL)で洗浄し、真空中で濃縮した。粗製残渣をMeOHとすり混ぜて、固形物を得た。固形物をろ過によって収集して、(5-ブロモピリジン-2,3-ジイル)ジメタノール、B1b(48g、45%)を得た。
LC-MS(ESI+):218.0[M+H]
ステップ3 5-ブロモ-2,3-ビス(クロロメチル)ピリジン、B1cの合成
0℃の乾燥DCM(850mL)中の(5-ブロモピリジン-2,3-ジイル)ジメタノール、B1b(35g、0.160mol)およびEtN(67mL、0.401mol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(31mL、0.481mol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、飽和NHCl(aq)(500mL)でクエンチし、DCM(500mL)で抽出した。有機層を飽和NaCl(aq)(150mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮して、5-ブロモ-2,3-ビス(クロロメチル)ピリジン、B1c(31.5g、77%)を得た。
LC-MS(ESI+):255.9[M+H]
ステップ4 (S)-3-ブロモ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B1d、異性体2の合成。
【0178】
EtOH(900mL)中の1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-オン(CAS 879132-48-6)(33g、0.125mmol)および5-ブロモ-2,3-ビス(クロロメチル)ピリジン、B1c(44.6g、0.175mol)の懸濁液に、CsCO(113.75g、0.35mol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、氷冷HO(1L)でクエンチし、EtOAc(2×1L)で抽出した。合わせた有機層を、飽和NaCl(aq)(500mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮した。生じた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル-EtOAc)によって精製して、3-ブロモ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B1dを得た。
キラルSFCによる精製
機器:PICLab PREP 400
溶媒:一次移動相=CO変性剤:35%MeOH
カラム:YMC Cellulose-SC 5um、250×30mm、35℃。UVモニタリング:210nm
流量:120g/分
によって精製して、
(R)-3-ブロモ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B1d、異性体1(4.0g)LC-MS(ESI+):446.2[M+H]。SFC 2.34分、および
(S)-3-ブロモ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン(3.5g)、B1d、異性体2 LC-MS(ESI+):446.2[M+H]。SFC 3.25分
を得た。
キラルSFC分析用YMC Cellulose-SC、250×4.6mm 5μ 35℃、3ml/分、40%メタノール 35℃。
ステップ5 (S)-3-ブロモ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B1eの合成 TFA(100mL)中の(S)-3-ブロモ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B1d、異性体2(19g、42.6mmol)の懸濁液を60℃で3時間加熱し、次いで、真空中で濃縮した。生じた残渣をEtOH(100mL)に溶解し、次いでこれに、NHOH(100ml)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。生じた沈殿物を、ろ過によって収集して、(S)-3-ブロモ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B1e(10.2g、76%)を得た。
LC-MS(ESI+):316.0[M+H]
ステップ6 メチル(S)-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B1fの合成
ミニクレーブ容器中、MeOH(150mL)中の(S)-3-ブロモ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B1e(10g、31.62mmol)および酢酸ナトリウム(5.24g、63.3mmol)の撹拌溶液を、アルゴンで脱気し、続いて、Pd(dppf)Cl.DCM(3.87g、4.74mmol)を添加した。反応混合物を、5Kg/cm圧のCOガス下、100℃で16時間加熱した。反応混合物を、EtOAc(600mL)とHO(200mL)との間に分配した。有機層を、飽和NaCl(aq)(200mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮した。生じた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル-EtOAc)によって精製して、メチル(S)-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B1f(5g、54%)を得た。
LC-MS(ESI+):296.1[M+H]
ステップ7 メチル(S)-5’-ブロモ-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B1の合成
0℃のDMF(50mL)中のメチル(S)-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B1f(5.0g、16.9mmol)の撹拌溶液に、NBS(9.04g、50.8mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、氷冷HOによってクエンチした。生じた沈殿物をろ過によって収集し、冷HOで洗浄し、高真空で3時間乾燥して、メチル(S)-5’-ブロモ-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B1(4.7g、74%)を得た。
LC-MS(ESI+):374.0[M+H]
【0179】
【化48】
(3S)-5-ブロモ-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(B2)の合成のための実験手順
THF(8.5mL)中の化合物B1(240mg、0.64mmol)の溶液に、LiOH(HO中1.0N、2.56mL、2.56mmol)を添加した。反応混合物を室温で40分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、HO(20mL)で希釈した。1N HClを使用してpH値を3.5に調節し、DCM/i-PrOH(4×8mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、所望の生成物B2(207mg、89%)を得、これをそのまま次の反応ステップに使用した。
LC-MS(ES+):360.4、362.4[M+H]
【0180】
【化49】
中間体B3の合成の実験手順
ステップ1. エチル(3S)-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレートの合成
乾燥EtOH(50mL)中の(3S)-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボン酸(CAS 1375541-21-1)(1.023g、3.63mmol)の溶液を0℃に冷却した。この溶液に、SOCl(1.057mL、14.5mmol)を滴下添加した。混合物を75℃で5時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、エチル(3S)-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート(1.123g、100%)を得た。生成物をそのまま次のステップに使用した。
LC-MS(ES):310.1[M+H]
ステップ2. エチル(3S)-5-ブロモ-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート、B3の合成
乾燥ACN(20mL)中のエチル(3S)-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート(1.123g、0.363mmol)の懸濁液を0℃に冷却した。この溶液に、NBS(1.292g、7.26mmol)を添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水(300mL)に滴下添加した。形成した沈殿物をろ別し、水(50mL)で洗浄し、真空下、45℃で終夜乾燥して、エチル(3S)-5-ブロモ-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピリジン]-3’-カルボキシレート、B3(1.4g、100%)を得た。
LC-MS(ES):388[M+H]
【0181】
【化50】
中間体B4の合成の実験手順
ステップ1 ジメチルピリジン-3,4-ジカルボキシレート、B4aの合成
0℃のMeOH(4L)中のピリジン-3,4-ジカルボン酸(CAS 490-11-9)(500g、2.99mol)の撹拌溶液に、SOCl(1.1L、15.0mol)を滴下添加した。反応混合物を70℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、生じた残渣を飽和水性NaHCO(2L)でクエンチし、EtOAc(2×2L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1L)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮して、ジメチルピリジン-3,4-ジカルボキシレート、B4a(380g、65%)を得た。
LC-MS(ESI+):196.1[M+H]
ステップ2 3,4-ビス(メトキシカルボニル)ピリジン1-オキシド、B4bの合成
0℃のMeCN(3.5L)中のジメチルピリジン-3,4-ジカルボキシレート、B4a(380g、1.94mol)および過酸化水素尿素(366g、3.89mol)の撹拌溶液に、TFAA(548mL、3.89mol)を滴下添加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、飽和水性NaHCO(1L)でクエンチし(慎重に)、DCM(2×2L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1L)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮して、3,4-ビス(メトキシカルボニル)ピリジン1-オキシド、B4b(390g、95%)を得た。
LC-MS(ESI+):212.0[M+H]
ステップ3 ジメチル6-クロロピリジン-3,4-ジカルボキシレート、B4cの合成
0℃のトルエン(3.5L)中の3,4-ビス(メトキシカルボニル)ピリジン1-オキシド、B4b(390g、1.84mol)懸濁液にPOCl(1.7L、18.4mol)を添加し、次いで、反応混合物を110℃で12時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、生じた残渣を氷冷HO(1L)に注ぎ、飽和水性NaHCO(約3.0L)の添加によって中和し、EtOAc(2×2L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2L)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン-EtOAc)によって精製して、ジメチル6-ブロモピリジン-3,4-ジカルボキシレート、B4c(113g、27%)を得た。
LC-MS(ESI+):230.0[M+H]
ステップ4 (6-クロロピリジン-3,4-ジイル)ジメタノール、B4dの合成
0℃のEtOH(2.5L)中のジメチル6-クロロピリジン-3,4-ジカルボキシレート、B4c(113g、0.49mol)の撹拌溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(112g、2.95mol)を少しずつ添加し、続いて、EtOH(2.0L)中のCaCl(164g、1.47mmol)の溶液を0℃でゆっくり添加した(1.5時間かけて、発熱反応-効果的な冷却が必要であった)。反応混合物を室温で20時間撹拌し、次いで、0℃で30分かけて、4M HCl溶液の添加によってクエンチして、透明溶液を得た。次いで、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(3L)で洗浄し、有機層を、さらなる1M HCL(2.0L)で洗浄した。飽和水性NaHCOを使用して、合わせた水性層のpHをpH7に調節し、次いで、EtOAc(2×5L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3.0L)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮して、(6-クロロピリジン-3,4-ジイル)ジメタノール、B4d(90g、粗製)を得た。
LC-MS(ESI+):174.0[M+H]
ステップ5 2-クロロ-4,5-ビス(クロロメチル)ピリジン、B4eの合成
0℃の乾燥DCM(1.8L)中の(6-クロロピリジン-3,4-ジイル)ジメタノール、B4d(90g、0.518mol)およびEtN(216mL、1.56mol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(80mL、1.04mol)をゆっくり添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、飽和水性NaHCO(1L)でクエンチし、DCM(1.0L)で抽出した。有機層をブライン(1.5L)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮して、2-クロロ-5-ビス(クロロメチル)ピリジン、B4e(105g、粗製)を得た。
LC-MS(ESI+):209.9[M+H]
ステップ6 (S)-3-クロロ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B4f、異性体1の合成
室温のDMF(1.5L)中の1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-オン(CAS 879132-48-5)(132g、0.498mol)および2-クロロ-4,5-ビス(クロロメチル)ピリジン、B4e(105g、0.498mol)の懸濁液に、CsCO(485g、1.49mol)を添加した。反応混合物を16時間撹拌し、次いで、氷冷HO(2.0L)でクエンチし、EtOAc(2×2L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×2L)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮した。次いでこれを、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル-EtOAc)によって精製して、3-クロロ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B4f(60g)を得た。
キラルSFCによる精製
機器:PICLab PREP 150
溶媒:一次移動相=CO変性剤:25%MeOH
カラム:YMC Cellulose-SC 5um、250×30mm、35℃。UVモニタリング:210nm
流量:100g/分
によって精製して、
(S)-3-クロロ-1’-((2-(triメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B4f、異性体1(20g)。LC-MS(ESI+):402.1[M+H]、SFC 3.14分、および
(R)-3-クロロ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B4f、異性体2(19g)。LC-MS(ESI+):402.1[M+H]、SFC 3.73分。
を得た。
キラルSFC分析用 YMC Cellulose-SC、250×4.6mm 5μ、35℃、3ml/分、40%メタノール 35℃。
ステップ7 (S)-3-クロロ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B4gの合成
TFA(70mL)中の(S)-3-クロロ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オンB4f(10g、0.024mol)の懸濁液を60℃で1時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、高真空下で乾燥した。生じた残渣をEtOH(70mL)に溶解し、次いでこれに、NHOH(50ml)を添加した。反応混合物を60℃で2時間撹拌した。生じた沈殿物を、ろ過によって収集して、HO(100mL)で洗浄し、高真空下で乾燥して、(S)-3-クロロ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B4g(6.2g、82%)を得た。
LC-MS(ESI+):272.0[M+H]
ステップ8 メチル(S)-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B4hの合成
MeOH(120mL)中の(S)-3-クロロ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2’(1’H)-オン、B4g(6.2g、0.0228mol)および酢酸ナトリウム(3.79g、0.457mol)の撹拌溶液をアルゴンで脱気し、これにPd(dppf)Cl.DCM(2.8g、0.0034mol)を添加した。反応混合物を、ミニクレーブ容器中、5Kg/cm圧のCOガス下、100℃で16時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、生じた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル-EtOAc)によって精製した。得られた固形物をMeOH(20mL)とすり混ぜ、固形物をろ過によって収集して、メチル(S)-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B4h(3.2g、48%)を得た。
LC-MS(ESI+):296.2[M+H]
ステップ9 メチル(S)-5’-ブロモ-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B4の合成
0℃のDMF(25mL)中のメチル(S)-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B4h(2.4g、8.1mmol)の撹拌溶液に、NBS(1.9g、10.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いで、氷冷HOの添加によってクエンチした。生じた沈殿物をろ過によって収集し、冷HOで洗浄し、高真空下で乾燥して、メチル(S)-5’-ブロモ-2’-オキソ-1’,2’,5,7-テトラヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-3-カルボキシレート、B4(1.33g、44%)を得た。
LC-MS(ESI+):374.0[M+H]
【0182】
【化51】
イソプロピル(3S)-5-ブロモ-2-オキソ-スピロ[1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3,6’-5,7-ジヒドロシクロペンタ[c]ピリジン]-3’-カルボキシレート、B5の合成
乾燥2-プロパノール(78.0mL)中のB4(1.175g、3.140mmol)の懸濁液に、CsCO(413.5mg、1.256mmol)を添加した。生じた混合物を50℃で13時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、水を添加し(50mL)、EtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、原料生成物(1.17g)を得た。原材料を投入し、Interchim PuriFlash 450機器を使用し、20mL/分の流量で、DCM(100%)で開始し30CV中100%[DCM/MeOH(20:1)]まで、シリカカラム(Interchim 25g、15μm、SiO)で精製した。10CVについて100%を保持する。適切な画分を収集し、溶媒を除去して、所望の生成物B5(1.07g、84.7%)を得た。
LC-MS(ES+):402.10、404.10[M+H]
【0183】
【化52】
ステップ1 ジメチルピリジン-3,4-ジカルボキシレート、B6aの合成
DMF(1.5L)中の1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-2-オン(CAS 879132-48-6)(60g、0.22mol)およびメチル3,4-ビス(ブロモメチル)ベンゾエート(CAS 20896-23-5)(87.2g、0.27mol)の懸濁液にCsCO(222g、0.68mol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、氷冷HO(5L)でクエンチし、EtOAc(2×3L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3L)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空中で濃縮した。生じた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル-EtOAc)によって精製して、メチル2’-オキソ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,1’,2’,3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-カルボキシレート、B6aを得た。
キラルSFCによる精製
機器:PICLab PREP 400
溶媒:一次移動相=CO変性剤:25%MeOH
カラム:YMC Amylose-C 5um、250×30mm、35℃。UVモニタリング:210nm
流量:100g/分
によって精製して、
メチル(S)-2’-オキソ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,1’,2’,3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-カルボキシレート(B6a 異性体1)(11.5g)LC-MS(ESI+):425.1[M+H] SFC 1.52分
および
メチル(R)-2’-オキソ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,1’,2’,3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-カルボキシレート(B6a 異性体2)(9.8g)LC-MS(ESI+):425.1[M+H]、SFC 2.02分
を得た。
キラルSFC分析YMC Amylose-C、250×4.6mm 5μ35℃、3ml/分、40%メタノール35℃。
ステップ2 メチル(R)-2’-オキソ-1,1’,2’,3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-カルボキシレート、B6bの合成
TFA(100mL)中のメチル(R)-2’-オキソ-1’-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,1’,2’,3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-カルボキシレート、B6a、異性体2(9.8g,23.12mmol)の懸濁液を60℃で2時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、高真空で乾燥した。粗製物質をMeOH(100mL)に溶解し、次いでこれに、DIPEA(9.8g、23.12mmol)を添加した。反応混合物を60℃で2時間加熱した。生じた沈殿物をろ過によって収集し、乾燥して、メチル(R)-2’-オキソ-1,1’,2’,3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-カルボキシレート、B6b(5.6g、84%)を得た。
LC-MS(ESI+):295.1[M+H]
ステップ3 メチル(R)-5’-ブロモ-2’-オキソ-1,1’,2’,3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-カルボキシレート、B6の合成
0℃のDMF(60mL)中のメチル(R)-2’-オキソ-1,1’,2’,3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-カルボキシレート(5.6g、19.04mmol)の撹拌溶液に、NBS(10.17g、57.14mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いで、氷冷HOでクエンチした。反応混合物を1時間撹拌し、生じた沈殿物をろ過によって収集し、氷冷HOで洗浄し、高真空下で乾燥した。固形物をMeOHとすり混ぜて、メチル(R)-5’-ブロモ-2’-オキソ-1,1’,2’,3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-カルボキシレート、B6(6.0g、85%)を得た。
LC-MS(ESI+):373.0[M+H]
生物活性
cAMP機能アッセイ
受容体活性化後のcAMP産生を、Homogeneous Time-Resolved Fluorescence(HTRF)cAMP dynamic-2アッセイ(Cisbio、France)を使用して決定した。ヒトCGRP受容体を内因性に発現するヒト神経芽腫細胞系SK-N-MCを、固体壁の96ウェルハーフエリアプレート(Costar、カタログ番号3688、Corning Life Sciences、Germany)に12,500個の細胞/ウェルの密度で播種した。37℃でのインキュベーションの16時間後、培地を除去し、細胞を、500μM IBMX(Tocris、Abingdon、UK、カタログ番号2845)を含有する無血清培地において37℃で30分間インキュベートし、試験アンタゴニストの濃度を増加させた。これに続いて、細胞を、37℃でさらに30分間、EC80濃度のヒトCGRP(0.3nM)で負荷し、次いで、cAMP産生を、製造業者の指示通りに決定した後、プレートをPheraStar蛍光プレートリーダー(BMG LabTech、Germany)で読み取った。IC50値を、阻害曲線から導出した。pIC50値(pIC50=-log10IC50)を、修正したCheng-Prussoff式(K=アゴニストEC50およびLホット=アゴニスト負荷濃度)を使用して機能性pK値に変換した。本発明の特定の化合物のpK値を、表5に詳述する。
【0184】
【表5-1】
【0185】
【表5-2】