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  • 特許-シールドユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】シールドユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/18 20060101AFI20240918BHJP
   H01R 24/38 20110101ALI20240918BHJP
【FI】
H01R4/18 A
H01R24/38
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022045655
(22)【出願日】2022-03-22
(65)【公開番号】P2023139894
(43)【公開日】2023-10-04
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】松下 浩一郎
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-000836(JP,A)
【文献】特開2021-086677(JP,A)
【文献】特開2017-168440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6592
H01R 4/18
H01R 24/38-24/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部電線と、前記内部電線の外周を覆う電線シールドと、前記電線シールドの外周を覆う外皮とを有する同軸電線と、
前記同軸電線の前記外皮から前記電線シールドが露出する端末部に組付けられ、外周が前記電線シールドの折り返された折返部で覆われるスリーブと、
前記電線シールドの前記折返部の外周に加締められるシールド加締部を有するシールド部材と、
を備え、
前記シールド部材には、前記シールド加締部より前記同軸電線側に配置され、前記同軸電線の前記外皮の外周に加締められる外皮加締部が設けられ、
前記スリーブには、前記同軸電線と前記シールド部材とが互いに離間する方向に移動しようとするときに、前記同軸電線の径方向外側に向けて突出されて前記外皮加締部に当接される当接部が設けられており、
前記シールド加締部の内径側に前記当接部が配置されておらず、前記外皮加締部のシールド加締部側の端面は、前記同軸電線の長さ方向に対して、前記当接部の同軸電線側の端面と対向して配置されており、
前記スリーブの当接部と前記折返部の端部は互いに積層されており、
前記シールド部材における前記シールド加締部と前記外皮加締部との間から、前記当接部及び前記折返部の両方が外部に露出している、シールドユニット。
【請求項2】
前記当接部は、前記電線シールドの前記折返部から露出されている請求項に記載のシールドユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シールドユニットとしては、内部電線としての信号線と、信号線の外周を覆う電線シールドとしての編組と、編組の外周を覆う外皮としてのシースとを有する同軸電線としてのシールドケーブルを備えている。また、シールドケーブルのシースから編組が露出する端末部に組付けられ、外周が編組の折り返された折返部としての編組反転部で覆われるスリーブを備えている。さらに、編組の編組反転部の外周に加締められるシールド加締部としての一対のバレルを有するシールド部材としての外導体端子を備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このシールドユニットでは、一対のバレルを、編組の編組反転部の外周に加締めることにより、編組反転部が、一対のバレルとスリーブとの間に挟み込まれた状態となる。一対のバレルと編組反転部とが接触することにより、シールドケーブルの編組と外導体端子とが電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-48818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のようなシールドユニットでは、例えば、同軸電線に引っ張り力が加わると、同軸電線とシールド部材とが互いに離間する方向に移動する虞がある。同軸電線とシールド部材とが互いに離間する方向に移動すると、電線シールドを加締めているシールド加締部の位置がずれて、電線シールドとシールド部材との電気的な接続信頼性が低下する可能性がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、電気的な接続信頼性を確保することができるシールドユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係るシールドユニットは、内部電線と、前記内部電線の外周を覆う電線シールドと、前記電線シールドの外周を覆う外皮とを有する同軸電線と、前記同軸電線の前記外皮から前記電線シールドが露出する端末部に組付けられ、外周が前記電線シールドの折り返された折返部で覆われるスリーブと、前記電線シールドの前記折返部の外周に加締められるシールド加締部を有するシールド部材とを備え、前記シールド部材には、前記シールド加締部より前記同軸電線側に配置され、前記同軸電線の前記外皮の外周に加締められる外皮加締部が設けられ、前記スリーブには、前記同軸電線と前記シールド部材とが離間する方向に移動しようとするときに、前記外皮加締部に当接される当接部が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気的な接続信頼性を確保することができるシールドユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るシールドユニットの斜視図である。
図2】本実施形態に係るシールドユニットの分解斜視図である。
図3】本実施形態に係るシールドユニットの断面図である。
図4】本実施形態に係るコネクタの断面図である。
図5】本実施形態に係るコネクタのハウジングとスペーサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本実施形態に係るシールドユニットについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0011】
図4に示すように、本実施形態に係るシールドユニット1は、例えば、相手コネクタ(不図示)と嵌合可能なコネクタ101に適用される。相手コネクタには、例えば、電源や機器などに電気的に接続された相手端子(不図示)と、接地された相手シールド部材(不図示)とが収容されている。相手コネクタは、コネクタ101と嵌合することにより、相手端子と端子7とが電気的に接続され、相手シールド部材とシールド部材11とが電気的に接続される。
【0012】
図4図5に示すように、コネクタ101は、ハウジング103と、スペーサ105と、シールドユニット1とを備えている。
【0013】
ハウジング103は、例えば、合成樹脂などの絶縁性材料からなる。ハウジング103は、コネクタ101と相手コネクタとの嵌合方向に延出された筐体状に形成されている。ハウジング103の内部には、シールドユニット1を収容可能な収容室107が設けられている。
【0014】
収容室107は、コネクタ101と相手コネクタとの嵌合方向に沿って延出されている。収容室107の内部には、内方に向けて突出して形成された係合突部109が設けられている。係合突部109は、シールドユニット1と係合(当接)し、収容室107に対するシールドユニット1の位置決めを行う。収容室107の内部には、係止ランス111が弾性変形可能に設けられている。係止ランス111は、シールドユニット1の環状部35と係合してシールドユニット1を収容室107から抜け止めし、シールドユニット1を収容室107に保持する。
【0015】
ハウジング103には、スペーサ105が組付けられるスペーサ収容部113が設けられている。スペーサ収容部113は、下面側が開口され、収容室107に連通されている。スペーサ収容部113の両側面には、それぞれ被仮係合部115と、被本係合部117とが外方に向けて突出して形成されている。被仮係合部115は、スペーサ収容部113に対して、下方の開口側に配置されている。被本係合部117は、スペーサ収容部113に対して、被仮係合部115の上方に配置されている。スペーサ収容部113には、開口側からスペーサ105が組付けられる。
【0016】
スペーサ105は、例えば、合成樹脂などの絶縁性材料からなる。スペーサ105は、一対の側壁119,119と、一対の側壁119,119の一端側を連結する連結壁121とを備えている。一対の側壁119,119は、連結壁121側を基端とし、他端側を自由端とするように弾性変形可能となっている。一対の側壁119,119の自由端側には、それぞれ一対の側壁119,119の対向方向に向けて突出する係合部123が設けられている。係合部123は、スペーサ収容部113の被仮係合部115と被本係合部117とに係合可能となっている。連結壁121の一対の側壁119,119側には、それぞれ連結壁121と連続する一部材で、係合部123側に向けて延出された係止部125が設けられている。
【0017】
スペーサ105は、スペーサ収容部113に対して、仮係止位置と本係止位置との間を移動可能に組付けられる。スペーサ105の仮係止位置では、係合部123が、スペーサ収容部113の被仮係合部115に係合される。スペーサ105の仮係止位置では、係止部125が、収容室107に収容されるシールドユニット1と干渉することがなく、シールドユニット1を収容室107に収容することができる。スペーサ105の本係止位置では、係合部123が、スペーサ収容部113の被本係合部117に係合される。スペーサ105の本係止位置では、係止部125が、収容室107に収容されたシールドユニット1の環状部35に係合される。係止部125とシールドユニット1の環状部35との係合により、係止ランス111と共にシールドユニット1を収容室107に二重に抜け止めすることができる。このため、シールドユニット1を収容室107に安定して保持することができる。
【0018】
ハウジング103には、ハウジング103の高さ方向に弾性変形可能なロックアーム127が連続する一部材で形成されている。ロックアーム127は、コネクタ101と相手コネクタとの嵌合方向前側を基端とし、嵌合方向後側を自由端とするように、弾性変形可能に嵌合方向に沿って延出されている。ロックアーム127の外面には、上方に向けて突出するロック部129が設けられている。ロック部129は、コネクタ101と相手コネクタとが嵌合した状態で、相手コネクタに設けられた被ロック部(不図示)に係合される。ロック部129と被ロック部との係合により、コネクタ101と相手コネクタとの嵌合状態を保持することができる。ロックアーム127の自由端には、操作部131が設けられている。操作部131は、下方に向けて押圧されることにより、ロックアーム127を下方に向けて弾性変形させる。ロックアーム127が下方に向けて弾性変形されると、ロック部129と被ロック部との係合が解除される。ロック部129と被ロック部との係合解除により、コネクタ101と相手コネクタとの嵌合状態を解除することができる。
【0019】
このようなハウジング103には、スペーサ105が仮係止位置に保持された状態で、収容室107の一側の開口からシールドユニット1が挿入される。収容室107に挿入されたシールドユニット1には、係止ランス111が係合される。シールドユニット1に係止ランス111が係合した状態で、スペーサ105を本係止位置に移動させると、スペーサ105の係止部125がシールドユニット1に係合される。
【0020】
図1図4に示すように、シールドユニット1は、同軸電線3と、スリーブ5と、端子7と、インナハウジング9と、シールド部材11とを備えている。
【0021】
同軸電線3は、シールドユニット1がハウジング103に収容された状態で、ハウジング103の外部に引き出される。同軸電線3は、内部電線13と、電線シールド15と、外皮17とを備えている。内部電線13は、導電性材料からなる複数の素線が撚り合わせられた芯線19と、絶縁性材料からなり芯線19の外周を覆う絶縁被覆21とからなる。なお、芯線19は、単線であってもよい。内部電線13は、例えば、電源や機器などに電気的に接続されている。電線シールド15は、導電性材料からなる複数の素線が編み込まれて形成された編組からなり、内部電線13の外周を覆うように配置されている。なお、電線シールド15は、編組に限らず、金属箔などであってもよい。電線シールド15は、接地されている。なお、内部電線13と電線シールド15との間には、金属箔が配置されている。外皮17は、絶縁性材料からなり、電線シールド15の外周を覆うように配置されている。
【0022】
スリーブ5は、例えば、金属などの導電性材料からなる。スリーブ5は、予め同軸電線3の長さ方向に所定の幅を有する板により、U字状に形成されている。スリーブ5は、同軸電線3の外皮17を所定長さ剥がし、露出された電線シールド15の外周に加締められることにより円筒状になる。加締められたスリーブ5の外周には、外皮17側に向けて折り返された電線シールド15の折返部23が配置される。スリーブ5が位置する折返部23の外周は、シールド部材11のシールド加締部39が加締められ、電線シールド15とシールド部材11とが電気的に接続される。
【0023】
スリーブ5の同軸電線3側の端部には、当接部25が設けられている。当接部25は、スリーブ5が電線シールド15の外周に加締められた状態で、同軸電線3の外皮17の外周より外側に突出するように形成されている。当接部25は、少なくとも同軸電線3側の端面が、電線シールド15の折返部23から露出されている。このため、当接部25の同軸電線3側の端面は、スリーブ5が同軸電線3に組付けられた状態で、同軸電線3の外皮17の外面より径方向外側に配置された状態となる。
【0024】
このようなスリーブ5が配置される同軸電線3は、端末部において、まず、外皮17を所定長さ剥がす。次に、露出された電線シールド15の外周に、スリーブ5を加締めて組付ける。次に、スリーブ5から露出する電線シールド15を外皮17側に向けて折り返した折返部23で、スリーブ5の外周を覆う。次に、露出された内部電線13の絶縁被覆21を所定長さ剥がし、内部電線13の芯線19を露出させる。そして、端末処理が施された同軸電線3には、内部電線13の露出する芯線19に端子7が電気的に接続され、露出する電線シールド15にシールド部材11が電気的に接続される。
【0025】
端子7は、導電性材料からなり、相手端子のタブ状の接続部が挿入可能な箱状の接続部を有する雌型端子からなる。端子7は、内部電線13の芯線19に対して一対の圧着片からなる圧着部27を圧着させることにより、内部電線13と電気的に接続される。端子7は、インナハウジング9に収容され、コネクタ101と相手コネクタとが嵌合することにより、相手端子と電気的に接続される。
【0026】
インナハウジング9は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、端子7を収容可能なように筒状に形成されている。インナハウジング9には、端子7に弾性変形可能に設けられた弾性片29が係合される係合孔31が設けられている。弾性片29と係合孔31との係合により、端子7がインナハウジング9に抜け止めされ、端子7がインナハウジング9に保持される。インナハウジング9は、シールド部材11に収容され、端子7とシールド部材11との間の絶縁性を確保する。
【0027】
シールド部材11は、導電性材料からなり、インナハウジング9を収容可能に筒状に形成された接続部33を有する。接続部33の外周には、外方に向けて突出され、周方向に連続して形成された環状部35が設けられている。環状部35は、シールドユニット1がハウジング103に収容された状態で、収容室107の係合突部109に係合(当接)可能に配置される。接続部33の外周には、環状部35に隣接して、周方向に連続して形成された溝部37が設けられている。溝部37は、シールドユニット1がハウジング103に収容された状態で、収容室107の係止ランス111と、スペーサ105の係止部125とが位置する部分である。係止ランス111と係止部125が溝部37に位置することにより、係止ランス111と係止部125が環状部35に係合される。
【0028】
シールド部材11は、接続部33より同軸電線3側に配置され、接続部33と連続する一部材で形成された一対の加締片からなるシールド加締部39を有する。シールド加締部39は、同軸電線3のスリーブ5の外周に配置された電線シールド15の折返部23の外周に加締められる。シールド加締部39を折返部23の外周に加締めることにより、電線シールド15とシールド部材11とが電気的に接続される。
【0029】
ここで、スリーブ5の当接部25は、折返部23の端部から同軸電線3側に露出されているので、シールド加締部39の内径側には当接部25が配置されていない。このため、スリーブ5の当接部25が折返部23に対するシールド加締部39の加締めに関与することがなく、電線シールド15とシールド部材11との電気的な接続信頼性を確保することができる。加えて、シールド加締部39を加締めたときに、スリーブ5の当接部25がシールド加締部39によって変形されることがない。
【0030】
シールド部材11は、シールド加締部39より同軸電線3側に配置され、シールド加締部39と連続する一部材で形成された一対の加締片からなる外皮加締部41を有する。外皮加締部41は、同軸電線3の外皮17の外周に加締められる。外皮加締部41を外皮17の外周に加締めることにより、シールド部材11が同軸電線3に固定される。
【0031】
シールド部材11は、まず、接続部33内に、端子7を収容するインナハウジング9が収容される。次に、シールド加締部39と外皮加締部41とが、それぞれ電線シールド15の折返部23の外周と外皮17の外周とに加締められ、シールドユニット1を構成する。シールドユニット1は、スペーサ105が仮係止位置で保持されたハウジング103の収容室107に挿入され、環状部35と係合突部109とが係合(当接)することにより、収容室107内で位置決めされる。このとき、環状部35に係止ランス111が係合され、シールドユニット1が収容室107に対して抜け止めされる。そして、スペーサ105を本係止位置に移動させることにより、環状部35に係止部125が係合され、シールドユニット1が収容室107に対して二重に抜け止めされる。
【0032】
シールドユニット1を収容したコネクタ101は、相手コネクタと嵌合することにより、端子7と相手端子とが電気的に接続される。このとき、シールド部材11の接続部33は、相手シールド部材と電気的に接続され、シールド回路を形成する。シールド回路の形成により、端子7及び相手端子に対するノイズなどの浸入や漏洩を防止する。
【0033】
このようなシールドユニット1において、シールド部材11の外皮加締部41は、同軸電線3の長さ方向に対して、スリーブ5の当接部25と対向して配置されている。詳細には、外皮加締部41の接続部33側の端面は、同軸電線3の長さ方向に対して、当接部25の同軸電線3側の端面と対向して配置されている。このため、例えば、同軸電線3に引っ張り力が加わり、同軸電線3の長さ方向に対して、同軸電線3とシールド部材11とが互いに離間する方向に移動しようとすると、外皮加締部41と当接部25とが当接する。外皮加締部41と当接部25とが当接することにより、電線シールド15の折返部23とシールド加締部39との配置位置がずれることが抑制される。従って、電線シールド15とシールド部材11とを安定して接触させることができ、電線シールド15とシールド部材11との電気的な接続信頼性を確保することができる。
【0034】
このようなシールドユニット1では、内部電線13と、内部電線13の外周を覆う電線シールド15と、電線シールド15の外周を覆う外皮17とを有する同軸電線3を備えている。また、同軸電線3の外皮17から電線シールド15が露出する端末部に組付けられ、外周が電線シールド15の折り返された折返部23で覆われるスリーブ5を備えている。さらに、電線シールド15の折返部23の外周に加締められるシールド加締部39を有するシールド部材11を備えている。また、シールド部材11には、シールド加締部39より同軸電線3側に配置され、同軸電線3の外皮17の外周に加締められる外皮加締部41が設けられている。そして、スリーブ5には、同軸電線3とシールド部材11とが互いに離間する方向に移動しようとするときに、外皮加締部41に当接される当接部25が設けられている。
【0035】
当接部25は、同軸電線3とシールド部材11とが互いに離間する方向に移動しようとすると、外皮加締部41に当接される。このため、電線シールド15の折返部23とシールド加締部39との配置位置がずれることが抑制される。
【0036】
従って、このようなシールドユニット1では、電線シールド15とシールド部材11とを安定して接触させることができ、電線シールド15とシールド部材11との電気的な接続信頼性を確保することができる。
【0037】
また、当接部25は、同軸電線3の径方向外側に向けて突出されている。このため、外皮17に加締められる外皮加締部41に対して、当接部25の当接代を多く得ることができ、外皮加締部41と当接部25との当接を安定化することができる。
【0038】
さらに、当接部25は、電線シールド15の折返部23から露出されている。このため、当接部25が折返部23に対するシールド加締部39の加締めに関与することがなく、電線シールド15とシールド部材11との電気的な接続信頼性を確保することができる。加えて、シールド加締部39を加締めたときに、スリーブ5の当接部25がシールド加締部39によって変形されることがない。
【0039】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0040】
例えば、本実施形態に係るスリーブは、周方向の一部が切り欠かれた形状に形成されているが、これに限らず、スリーブを周方向に連続する環状に形成してもよい。加えて、スリーブは、外皮から露出する電線シールドの外周に組付けられ、折返部が配置されているが、これに限らず、スリーブを外皮の外周に組付け、電線シールドの折返部を配置してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 シールドユニット
3 同軸電線
5 スリーブ
11 シールド部材
13 内部電線
15 電線シールド
17 外皮
23 折返部
25 当接部
39 シールド加締部
41 外皮加締部
図1
図2
図3
図4
図5