(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】撮影システム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/56 20230101AFI20240918BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20240918BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20240918BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240918BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20240918BHJP
【FI】
H04N23/56
H04N5/222
G03B15/02
G03B15/00 U
G03B17/56 Z
(21)【出願番号】P 2022184441
(22)【出願日】2022-11-17
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石若 裕子
(72)【発明者】
【氏名】安居 覚
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智博
(72)【発明者】
【氏名】利根 忠幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 忠輝
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/061925(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/045091(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0340440(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0337274(US,A1)
【文献】登録実用新案第3227152(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/56
H04N 5/222
G03B 15/02
G03B 15/00
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影用の光源と対向する位置に配置される複数の板である板群と、
前記板群を支持する支持部材と、
を備える被写体装置を含む撮影システムであって、
前記板群は、
平面状に配置された複数の板であって、一辺を回転軸として回転可能な板である回転板を少なくとも1つ含み、
前記支持部材は、
前記回転板の前記回転軸に対応する一辺を軸支する、
撮影システム。
【請求項2】
前記板群は、
面が一方向に固定された板である固定板を含む、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
前記回転軸に対応する一辺は、前記回転板の各辺のうち、前記板群の中央に近い一辺である、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記被写体装置は、
前記回転板の回転範囲を規制する規制部材をさらに備える、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記被写体装置は、
前記支持部材と前記回転板とを連結する棒状部材をさらに備え、
前記支持部材は、
前記回転軸に沿う位置に第1の管を有し、
前記回転板は、
前記回転軸に対応する一辺に沿って固定される第2の管を有し、
前記棒状部材は、
前記棒状部材の一端が前記第1の管に圧入され、前記棒状部材の他端が前記第2の管に圧入されることで、前記支持部材と前記回転板とを連結する、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項6】
前記第2の管は、
前記回転板の各面のうち、前記光源と対向する面と反対側の面に保持される、
請求項5に記載の撮影システム。
【請求項7】
前記複数の板それぞれの各面のうち、前記光源と対向する側の面は、特定の魚種の魚の鱗もしくは前記魚の鱗の模型、または、疑似皮、カラーチャートもしくはチェッカーボードで覆われる、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項8】
前記被写体装置を撮影する撮影装置をさらに含み、
前記撮影装置は、
前記光源と、
複数の異なる色それぞれに対応する複数の異なる色フィルタと、
を備え、
前記色フィルタは、前記光源の前方に摺動可能に配置される、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項9】
前記撮影装置は、
水中におけるステレオ視が可能なステレオカメラを備える、
請求項8に記載の撮影システム。
【請求項10】
前記撮影装置は、
アクションカメラ、水中カメラ、および、ビデオカメラを備える、
請求項8に記載の撮影システム。
【請求項11】
前記被写体装置と前記撮影装置とを連結する第1の連結部材をさらに含み、
前記第1の連結部材は、
一端に前記被写体装置が接続され、
前記一端から他端の間に所定の間隔で前記撮影装置と接続可能な第1の接続部材を有する、
請求項8に記載の撮影システム。
【請求項12】
一端から他端の間に所定の間隔で前記第1の連結部材の一端または他端と連結する第2の連結部材をさらに含む、
請求項11に記載の撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像(静止画像または動画像)に写っている対象物を識別する画像認識技術が知られている。例えば、魚の養殖技術を向上させるために、生簀内の魚の画像をカメラによって撮像し、撮像された画像を解析することにより生簀内の魚の数(以下、尾数ともいう)を推定する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像から水中の対象物に関する情報を精度よく推定することを可能とする技術が求められている。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、画像から水中の対象物に関する情報を精度よく推定することを可能とすることができる撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る撮影システムは、撮影用の光源と対向する位置に配置される複数の板である板群と、前記板群を支持する支持部材と、を備える被写体装置を含む撮影システムであって、前記板群は、平面状に配置された複数の板であって、一辺を回転軸として回転可能な板である回転板を少なくとも1つ含み、前記支持部材は、前記回転板の前記回転軸に対応する一辺を軸支する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、画像から水中の対象物に関する情報を精度よく推定することを可能とすることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、水中における色の減衰率について説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る参照情報の取得方法の概要について説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る参照情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る撮影システムの構成例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る撮影システムの下方部分を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る被写体装置と撮影装置との位置関係を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る被写体装置を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る被写体装置を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る第1の棒状部材によって連結される前の支持部材と回転板との連結部分を示す要部斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る第1の棒状部材によって連結された後の支持部材と回転板との連結部分を示す要部斜視図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る回転板の回転範囲を規制する規制部材を示す要部斜視図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る回転板の回転範囲を規制する規制部材を示す要部斜視図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る回転板の回転範囲を規制する規制部材を示す要部斜視図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る被写体装置を補強する補強部材を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る被写体装置を補強する補強部材を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る補強部材を取り付けた後の被写体装置の裏側を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る補強部材の連結部分を示す要部斜視図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る撮影装置を示す斜視図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る撮影装置の連結部分を示す斜視図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係る撮影装置の連結部分の一端を示す要部斜視図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る第1の連結部材を構成する第5の棒状部材を示す斜視図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る第5の棒状部材の一端を示す要部斜視図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係る連結される前の補強部材と第5の棒状部材の連結部分を示す要部斜視図である。
【
図24】
図24は、実施形態に係る第1の連結部材を構成する第6の棒状部材を示す斜視図である。
【
図25】
図25は、実施形態に係る第6の棒状部材の一端を示す要部斜視図である。
【
図26】
図26は、実施形態に係る第6の棒状部材の他端を示す要部斜視図である。
【
図27】
図27は、実施形態に係る連結される前の撮影装置と第6の棒状部材の連結部分を示す要部斜視図である。
【
図28】
図28は、実施形態に係る連結された後の撮影装置と第6の棒状部材の連結部分を示す要部斜視図である。
【
図29】
図29は、実施形態に係る第1の連結部材を構成する第7の棒状部材を示す斜視図である。
【
図30】
図30は、実施形態に係る第7の棒状部材の他端を示す要部斜視図である。
【
図31】
図31は、実施形態に係る第2の連結部材を構成する第8の棒状部材を示す斜視図である。
【
図32】
図32は、実施形態に係る連結機構によって連結される前の2本の第8の棒状部材を示す斜視図である。
【
図33】
図33は、実施形態に係る連結機構によって連結された後の2本の第8の棒状部材を示す斜視図である。
【
図34】
図34は、実施形態に係る第8の棒状部材の一端を示す要部斜視図である。
【
図35】
図35は、実施形態に係る第8の棒状部材の一端を示す要部斜視図である。
【
図36】
図36は、実施形態に係る第8の棒状部材の他端を示す要部斜視図である。
【
図37】
図37は、実施形態に係る第8の棒状部材の他端を示す要部斜視図である。
【
図38】
図38は、実施形態に係る第8の棒状部材の他端を示す要部斜視図である。
【
図39】
図39は、実施形態に係る第8の棒状部材の他端を示す要部斜視図である。
【
図40】
図40は、実施形態に係る連結機構によって連結された2本の第8の棒状部材の連結部分を示す要部斜視図である。
【
図41】
図41は、実施形態に係る連結機構によって連結された2本の第8の棒状部材の連結部分を示す要部斜視図である。
【
図42】
図42は、実施形態に係る第1の連結部材の一端と第2の連結部材の連結部分を示す要部斜視図である。
【
図43】
図43は、実施形態に係る第1の連結部材の他端と第2の連結部材の連結部分を示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る撮影システムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る撮影システムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.はじめに〕
近年、魚の養殖は、地球の食糧問題を解決する手段として注目されている。魚の養殖によって高品質な魚を供給するには、給餌(魚に対する餌やり)と関わりが深い魚の数(尾数)や魚の大きさを正確に知ることが重要である。
【0011】
しかしながら、養殖場の水中という特殊な環境下では、地上のIT技術を活用することが難しい場合がある。そのため、従来は、人が網で一部の魚をすくい上げて魚の数(尾数)や魚の大きさを計量した後に、目視で尾数を数えていた。この方法は、魚への負担が大きいうえ、正確さに欠けるといった問題がある。
【0012】
そこで近年、コンピュータビジョンを用いて生簀内の魚の群れを撮像した画像から尾数や魚の大きさを自動で検出する方法が注目を浴びている。具体例には、画像から尾数や魚の大きさを推定するよう画像認識用の機械学習モデルを学習する方法である。しかしながら、機械学習モデルを用いて画像から尾数や魚の大きさを精度よく推定するには、質の高いトレーニングデータを大量に機械学習モデルに学習させる必要がある。例えば、機械学習モデルのトレーニングデータとして、生簀内の魚の群れなどの水中の魚を撮像した画像と、画像中の各魚の位置や大きさを示す正解データとの組が用いられる。この場合、トレーニングデータの質が高いことは、画像中の魚の位置や大きさを示す正解データの精度が高いことを指す。
【0013】
ここで、一般的に、水中を伝搬する光は、水による散乱や吸収により減衰を起こすため、遠くへ届かないことが知られている。例えば、可視光線(波長約380~780nm)のうち、特に赤色~橙色領域の波長に吸収帯があり、エネルギーが吸収されることが知られている。このため、赤色の光は、水深10mでは、ほぼ100%失われることが知られている。また、青色光でも、水深20mで約50%程度のエネルギーが吸収されてしまうことが知られている。このように、水中では赤色成分が早く失われるので、水は青色に見える。
【0014】
図1は、水中における色の減衰率について説明するための図である。
図1に示すグラフは、水中における赤色、緑色および青色に対応する波長の光(以下、赤色の光、緑色の光および青色の光ともいう)の強度と、光の強度を計測する計測機器から光源までの距離との関係を示す。
図1に示すように、赤色の光、緑色の光および青色の光のいずれも、計測機器から光源までの距離が大きくなるほど光の強度が小さくなる様子がわかる。また、
図1のグラフから、緑色の光および青色の光と比べて、赤色の光(波長の長い光)は特に減衰しやすいことがわかる。
【0015】
上述したように、水中を伝搬する光は減衰しやすいため、一般的に、水中の対象物を撮像した画像は、空中の対象物を撮像した画像と比べると、対象物を視認しにくい。そのため、例えば、空気中の対象物を撮像した画像から、画像中の対象物の位置や大きさを認識することと比べると、水中の対象物を撮像した画像から、画像中の対象物の位置や大きさを推定することは困難である。特に、水中の対象物を撮像した画像から、画像中の対象物の奥行方向の位置(または、撮影装置から水中の対象物までの距離)を精度よく推定することは非常に困難である。これにより、水中の対象物を撮像した画像に対して、画像中の対象物の位置や大きさに関する質の高い正解データを付与することは難しい。したがって、質の高いトレーニングデータを得ることは難しい。
【0016】
そこで、画像に含まれる水中の魚の奥行方向の位置(または、撮影装置から水中の魚までの距離)を精度よく認識する技術が求められている。例えば、撮影装置外の他のセンサを用いて、水中の魚の奥行方向の位置を検出し、水中の魚の奥行方向の位置情報を補完する方法が考えられる。しかしながら、水中では、空気中で有用な手法のほとんどが使用できない。例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)センサの光は、空気中と比べて、水中ではほとんど届かない。また、超音波センサは、水中の魚の群れ(魚群ともいう)を見つけるには向いているが、魚群の尾数をカウントするには、解像度が低い。
【0017】
これに対し、実施形態に係る情報処理装置(図示略)は、水中に位置する、魚の体の表面を模した物体(以下、参照物体ともいう)を撮像した画像(以下、参照画像ともいう)のうち、参照物体が撮像された物体領域における輝度値(以下、参照輝度値ともいう)と、画像が撮像された際の撮影装置から参照物体までの距離(以下、参照距離ともいう)との関係性を示す参照情報を取得する。また、情報処理装置は、水中の魚を撮像した画像(以下、対象画像ともいう)を取得する。そして、情報処理装置は、取得した対象画像のうち、魚が撮像された領域(以下、対象物領域ともいう)における輝度値(以下、対象輝度値ともいう)と、取得した参照情報との比較に基づいて、対象画像が撮像された際の撮影装置から魚までの距離(以下、対象距離ともいう)を推定する。具体的には、情報処理装置は、参照情報に基づいて、対象輝度値と同じ参照輝度値に対応する参照距離を特定し、特定した参照距離を対象距離として推定する。
【0018】
これにより、情報処理装置は、撮影装置から水中の魚までの距離を精度よく推定することができる。また、情報処理装置は、撮影装置から水中の魚までの距離を精度よく推定することができるので、例えば、水中の魚を撮像した画像に対して、画像中の魚の位置や大きさに関する質の高い正解データを付与可能とすることができる。すなわち、情報処理装置は、例えば、質の高い正解データを付与された質の高いトレーニングデータを得ることができる。さらに、情報処理装置は、質の高いトレーニングデータを得ることができるので、例えば、質の高いトレーニングデータを用いて、画像から水中の魚に関する情報を推定する画像認識用の機械学習モデルの学習精度を向上させることができる。したがって、情報処理装置は、画像から水中の魚に関する情報を精度よく推定することができる。
【0019】
なお、上記では、対象画像が、水中の魚を撮像した画像である場合について説明したが、対象画像の撮像対象(以下、対象物ともいう)は水中の魚に限られない。例えば、対象物は、魚以外の他の生物であってもよい。ここで、対象物が、魚以外の他の生物である場合、参照物体は、魚の体の表面を模した物体の代わりに、魚以外の他の生物の体の表面を模した物体に置き換えられる。また、対象物は、生物に限られない。例えば、対象物は、生物以外の物体であってもよい。ここで、対象物が、生物以外の物体である場合、参照物体は、生物の体の表面を模した物体の代わりに、生物以外の物体の表面を模した物体に置き換えられる。
【0020】
〔2.参照情報の取得方法の概要〕
図2は、実施形態に係る参照情報の取得方法の概要について説明するための図である。
図2では、参照物体O1、カメラC1(撮影装置の一例)および光源L1が、生簀などの水中に位置する様子を示す。光源L1は、水中の参照物体O1に対して光を照射する。カメラC1は、光源L1の光を照射された水中の参照物体O1の画像(参照画像)を撮像する。参照画像が撮像された際のカメラC1から水中の参照物体O1までの距離をzとすると、カメラC1はzの値を変えながら、光源L1の光を照射された水中の参照物体O1を撮像する。
【0021】
また、一般的に、魚の鱗の種類によって、魚の表面による光の反射率が異なることが知られている。そのため、参照物体O1の表面は、対象となる魚の種類に応じた魚の鱗(鱗の模型または実物の鱗)で覆われている。なお、参照物体O1の表面は、鱗の模型または実物の鱗の代わりに、疑似皮(オーロラハゲ皮)や、カラーチャート、チェッカーボードなどの素材で覆われてもよい。また、多くの魚の体は、左右に平たい形をしている。そのため、魚の表面による光の反射は、平面状の物体の表面による光の反射に類似すると考えられる。そこで、
図2に示す例では、参照物体O1が平面状(板状ともいう)であり、平面状の参照物体O1を横から見た様子を示す。
図2では、カメラC1が参照物体O1を臨む向きは、参照物体O1の法線方向と一致する。すなわち、参照物体O1の面は、カメラC1の真正面に位置する。
【0022】
また、
図2では、光源L1は、カメラC1の筐体の下部に備えられる。なお、光源L1は、カメラC1の筐体の上部に備えられてもよい。また、光源L1は、光源L1が光を照射する向きが、カメラC1が参照物体O1を臨む向きと一致するように設置される。
【0023】
また、一般的に、魚は、魚種によって好む光の色(あるいは嫌う光の色)が異なることが知られている。そのため、光源L1は、対象となる魚の種類に応じた色に対応する波長の光を照射する。具体的には、光源L1は、赤色、緑色、青色などの各種の色フィルタ付きのライトであってよい。
【0024】
図3は、実施形態に係る参照情報の一例を示す図である。
図3では、
図2に示す光源L1として、白ライト(白色光)、赤フィルタ付きライト(赤色光)、青フィルタ付きライト(青色光)、および、紫フィルタ付きライト(紫色光)をそれぞれ用いた場合に得られた4つの参照情報を示す。
【0025】
また、
図3に示す各グラフは、
図2に示した方法で取得した各参照情報に対応する。グラフの横軸は、参照画像が撮像された際のカメラC1から水中の参照物体O1までの距離(z)を示す。グラフの縦軸は、参照画像の輝度値を示す。より具体的には、グラフ中の実線がR(赤色)の輝度値を、破線がG(緑色)の輝度値を、太線がB(青色)の輝度値を示す。
図3に示す各グラフから、情報処理装置は、例えば、対象画像のうち、魚が撮像された対象物領域における対象輝度値のRの輝度値がゼロに近い場合、対象画像が撮像された際の撮影装置から魚までの対象距離は、3m以上離れていると推定することができる。また、情報処理装置は、対象画像が撮像された際の撮影装置から魚までの対象距離が1m~2mの間である場合には、例えば、赤フィルタ付きライト(赤色光)のグラフの実線で示されるR(赤色)の輝度値との比較に基づいて、対象距離を推定することができる。
【0026】
〔3.撮影システムの構成〕
図4および
図5を用いて、実施形態に係る撮影システム1の構成の概要について説明する。実施形態に係る撮影システム1は、上述した参照情報を取得するために用いられる撮影システムである。
【0027】
図4は、実施形態に係る撮影システム1の構成例を示す斜視図である。
図4に示すように、撮影システム1は、被写体装置10と、撮影装置20と、第1の連結部材30と、第2の連結部材40-1~40-2とを含む。なお、以下の説明において、第2の連結部材40-1~40-2を互いに区別する必要の無い場合には、符号のうちハイフンから後ろを省略することにより、これらを第2の連結部材40と総称する。
【0028】
図4に示すように、第1の連結部材30は、長い棒状の装置である。被写体装置10は、第1の連結部材30の一端に接続される。撮影装置20は、第1の連結部材30の一端から他端の間に接続される。第1の連結部材30は、被写体装置10と撮影装置20との距離を一定に保つために用いられる。撮影システム1のうち、被写体装置10と撮影装置20と第1の連結部材30とを含む部分は、生簀が設置される海などの水中に沈めて用いられる。具体的には、撮影システム1のうち、被写体装置10と撮影装置20と第1の連結部材30とを含む部分は、第1の連結部材30の長手方向が水面に対して平行な方向となる状態で一定の深さの水深に沈められる。
【0029】
図4に示すように、第2の連結部材40は、長い棒状の装置である。第2の連結部材40-1と第2の連結部材40-2は、同一の構造を有する。第2の連結部材40は、撮影システム1のうち、被写体装置10と撮影装置20と第1の連結部材30とを含む部分を一定の深さの水深に沈めるために用いられる。第2の連結部材40は、第2の連結部材40の長手方向と第1の連結部材30の長手方向とが直交するように第1の連結部材30と連結する。第2の連結部材40は、一端から他端の間に所定の間隔で第1の連結部材30の一端または他端と連結する。第2の連結部材40-1は、一端から他端の間に所定の間隔で第1の連結部材30の両端のうち、撮影装置20が接続された側の端(被写体装置10が接続された側の端と反対の端)と連結する。第2の連結部材40-2は、一端から他端の間に所定の間隔で第1の連結部材30の両端のうち、被写体装置10が接続された側の端と連結する。
【0030】
図5は、実施形態に係る撮影システム1の下方部分を示す斜視図である。撮影システム1の下方部分とは、撮影システム1のうち、被写体装置10と撮影装置20と第1の連結部材30とを含む部分のことを指す。
【0031】
被写体装置10は、
図2に示す参照物体O1に相当する装置である。被写体装置10は、撮影装置20によって撮影される撮影対象(被写体)である。被写体装置10は、撮影装置20と対向する位置に配置される。
図2では、簡単のため、参照物体O1が1枚の板状の物体である場合について説明したが、
図4に示す被写体装置10は、1つの板状の物体の代わりに、3×3の格子状に並べられた9つの板状の部材(以下、板ともいう)である板群を備える。板群を構成する9つの板の各面のうち、光源と対向する側の面は、
図2と同様に、特定の魚種の魚の鱗もしくは魚の鱗の模型、または、疑似皮、カラーチャートもしくはチェッカーボードで覆われている。また、板群を構成する9つの板の各面のうち、光源と対向する側の面は、光源から照射された光を反射する。
【0032】
なお、本実施形態では、被写体装置10が3×3の格子状に並べられた9つの板である板群11を備える場合について説明するが、板群11に含まれる板の数は9つに限られない。具体的には、被写体装置10は、固定版および少なくとも1つの回転板を含む板群を備える。例えば、被写体装置10は、N×N(Nは2以上の自然数)の格子状に並べられたN2個の板である板群を備えてよい。また、板群に含まれるN2個の板は、いずれも取り外し可能である。例えば、被写体装置10は、2~N2個までの任意の数の板である板群を備えてよい。
【0033】
撮影装置20は、
図2に示すカメラC1に相当する装置である。撮影装置20は、光源を備える。撮影装置20が備える光源は、
図2に示す光源L1に相当する。撮影装置20が備える光源は、水中の被写体装置10に対して光を照射する。撮影装置20は、光源の光を照射された水中の被写体装置10の画像を撮影する。具体的には、撮影装置20は、光源の光を照射された水中の板群の画像(参照画像)を撮影する。撮影装置20は、撮影装置20から被写体装置10までの距離を所定の間隔で変化させた各距離における被写体装置10の画像(参照画像)を撮影する。
【0034】
第1の連結部材30は、被写体装置10と撮影装置20とを連結する。第1の連結部材30は、一端に被写体装置10が接続され、一端から他端の間に所定の間隔で撮影装置20と接続可能な第1の接続部材34を有する。第1の連結部材30は、所定の間隔に対応する長さの棒状部材を連結して形成される。所定の間隔に対応する長さは、例えば、1mであってよい。第1の連結部材30を形成する各棒状部材は、第1の接続部材34を有する。被写体装置10は、第1の連結部材30の一端の最も近くに位置する第1の接続部材34に接続される。撮影装置20は、第1の連結部材30の一端から他端の間の複数の第1の接続部材34のうち、被写体装置10が接続された第1の接続部材34とは異なる第1の接続部材34のいずれかに接続される。
【0035】
第2の連結部材40は、一端から他端の間に所定の間隔で第1の連結部材30の一端または他端と連結する。第2の連結部材40は、一端から他端の間に所定の間隔で第1の連結部材30と接続可能な第2の接続部材41を有する。第2の連結部材40-1は、一端から他端の間に所定の間隔で第2の接続部材41-1を有する。第2の連結部材40-2は、一端から他端の間に所定の間隔で第2の接続部材41-2を有する。第2の接続部材41-1と第2の接続部材41-2は、同一の構造を有する。なお、以下の説明において、第2の接続部材41-1~41-2を互いに区別する必要の無い場合には、符号のうちハイフンから後ろを省略することにより、これらを第2の接続部材41と総称する。第2の連結部材40は、所定の間隔に対応する長さの棒状部材を連結して形成される。所定の間隔に対応する長さは、例えば、1mであってよい。第2の連結部材40を形成する各棒状部材は、第2の接続部材41を有する。
【0036】
以下の実施形態では、支持部材12の一例として、硬質ポリ塩化ビニル管(以下、「塩ビ管」と呼ぶ)について図面を参照して説明する。なお、支持部材12は、塩ビ管に限らず、棒状であればどのような部材であってもよい。例えば、支持部材12は、管に限らず、その径に比して比較的長さの長いものであればどのような形状であってもよい。例えば、支持部材12は、中空である必要はなく、また、細長い円柱(例えば、丸棒)状、または、細長い角柱(例えば、角棒)状であってもよい。また、支持部材12の素材は、硬質ポリ塩化ビニルに限られない。例えば、支持部材12の素材は、硬質ポリ塩化ビニル以外の合成樹脂、コンクリート、または樹木であってもよい。また、支持部材12の素材は、金属であってもよい。例えば、支持部材12の素材は、鋼、ステンレス、アルミニウムまたは銅であってもよい。また、板群11に含まれる各板の素材は、支持部材12と同様の素材であってよい。
【0037】
図6は、実施形態に係る被写体装置10と撮影装置20との位置関係を示す斜視図である。被写体装置10は、撮影用の光源21と対向する位置に配置される複数の板である板群11と、板群11を支持する支持部材12と、を備える。板群11は、平面状に配置された複数の板である。板群11に含まれる各板は、同一の大きさの正方形である。例えば、板群11は、格子状に配置される。
図6では、3×3の格子状に配置された9つの板110~118である板群11を示す。
【0038】
図6に示すように、被写体装置10が備える板群11は、撮影用の光源21を備える撮影装置20と対向する位置に配置される。具体的には、撮影装置20が板群11を臨む向きは、板群11の中央に位置する板110の法線方向と一致する。また、光源21は、光源21が光を照射する向きと、撮影装置20が板群11を臨む向きとが一致するように設置される。
【0039】
図6に示す板群11のうち、板群11の中央に位置する板110は、面が一方向に固定された板(以下、固定板ともいう)である。固定版110は、
図2に示す参照物体O1に相当する。固定版110は、撮影装置20の真正面に位置する。すなわち、固定版110は、撮影装置20から見て真正面に位置する面を有する。また、光源21から固定版110に照射される光の入射方向は、固定版110の法線方向と一致する。また、板群11のうち、中央の板110の回りに配置された板111~118は、一辺を回転軸として回転可能な板(以下、回転板ともいう)である。
図6に示す被写体装置10は、板群11に含まれる回転板111~118がいずれも固定版110と同じ方向を向いている状態を示す。
【0040】
ここから、
図7~
図17を用いて、実施形態に係る被写体装置10について詳しく説明する。
図7は、実施形態に係る被写体装置10を示す斜視図である。
図7は、撮影装置20が位置する方向から見た被写体装置10を示す。
図7に示す被写体装置10は、板群11に含まれる回転板111~118それぞれが固定版110と異なる方向を向いている点が
図6と異なる。
図7では、回転板111~118それぞれが固定版110に対して傾いている。言い換えると、回転板111~118それぞれは、撮影装置20から見て真正面に位置する面とは異なる角度を有する面を有する。すなわち、回転板111~118それぞれは、光源21から照射される光の入射方向に対してそれぞれ異なる角度を有する面を有する。
【0041】
また、一般的に、光の反射率は、光が入射する面の角度に応じて異なる。例えば、撮影装置20が備える光源21から照射される光の入射方向に対して魚の体の向きが真横を向いている場合、魚の体の表面からの光の反射率は最も高くなる。このように、撮影システム1は、参照情報を取得する際に、光源21から照射される光の入射方向に対してそれぞれ異なる角度を有する面を有する複数の板である板群11を用いることで、光源21から照射される光の入射方向に対する角度がそれぞれ異なる面を有する板ごとの参照情報を取得することができる。これにより、情報処理装置は、例えば、撮影装置20が備える光源21から照射される光の入射方向に対する魚の体の向きが、真横以外の向きを向いている場合であっても、回転板111~118から得られた参照情報に基づいて、撮影装置20から魚までの対象距離を精度よく推定することができる。したがって、撮影システム1は、画像から水中の対象物に関する情報を精度よく推定することを可能とすることができる。
【0042】
図8は、実施形態に係る被写体装置を示す斜視図である。
図8は、
図7と反対の方向から見た被写体装置10を示す。
図8では、回転板111~118それぞれと支持部材12との連結部分121~128を示す。連結部分121~128それぞれは、回転板111~118それぞれの回転軸に対応する。具体的には、被写体装置10は、支持部材12と回転板111~118それぞれとを連結する第1の棒状部材をさらに備える。第1の棒状部材は、連結部分121~128それぞれの両端に位置し、支持部材12と回転板111~118それぞれとを連結する。このように、支持部材12は、回転板111~118それぞれの回転軸に対応する一辺を軸支する。なお、支持部材12と回転板111~118との連結部分の構造については、後述する
図9および
図10を用いて詳しく説明する。
【0043】
また、回転板111~118それぞれの回転軸に対応する一辺は、回転板111~118それぞれの各辺のうち、板群11の中央に近い一辺である。例えば、回転板111、113、115、117それぞれの回転軸に対応する一辺それぞれは、回転板111、113、115、117それぞれの各辺のうち、板群11の中央に位置する固定版110に近い二辺のうちの一辺である。また、回転板112、114、116、118それぞれの回転軸に対応する一辺それぞれは、板群11の中央に位置する固定版110の4つの辺とそれぞれ一致する一辺である。
【0044】
また、支持部材12は、第2の棒状部材と、棒状部材同士を連結する継手を有する。第2の棒状部材の外径は、第1の棒状部材の外径と同一である。第2の棒状部材の長さは、板群11に含まれる各板の一辺の長さよりも所定の長さだけ短い。なお、第1の棒状部材の長さは、第2の棒状部材の長さよりも短い。以下では、第1の棒状部材と第2の棒状部材を区別する必要がない場合は、単に棒状部材と記載する場合がある。継手は、棒状部材と棒状部材を連結するために用いられる管状の部材であり、長手方向の管の中央側面にもう一つ管が形成されたT字型の部材である。継手の内径は、第1の棒状部材および第2の棒状部材の外径と一致するように形成される。継手と棒状部材は、継手が有するいずれかの管に棒状部材が圧入された場合に、継手が有するいずれかの管の中心軸と棒状部材の中心軸とが一致するように形成される。
【0045】
図8に示すように、支持部材12は、連結部分121と連結部分122と連結部分128とを連結する継手141Bを有する。継手141Bの長手方向の管の一端には、連結部分121の一端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手141Bの長手方向の管の他端には、連結部分122の一端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手141Bの短手方向の管には、連結部分128の一端に位置する第1の棒状部材が圧入される。
【0046】
また、支持部材12は、連結部分122と連結部分123と連結部分124とを連結する継手141Aを有する。継手141Aの長手方向の管の一端には、連結部分122の両端に位置する第1の棒状部材のうち、継手141Bに圧入された側の端と反対側の端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手141Aの長手方向の管の他端には、連結部分123の一端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手141Aの短手方向の管には、連結部分124の一端に位置する第1の棒状部材が圧入される。
【0047】
また、支持部材12は、連結部分124と連結部分125と連結部分126とを連結する継手142Aを有する。継手142Aの短手方向の管には、連結部分124の両端に位置する第1の棒状部材のうち、継手141Aに圧入された側の端と反対側の端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手142Aの長手方向の管の一端には、連結部分125の一端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手142Aの長手方向の管の他端には、連結部分126の一端に位置する第1の棒状部材が圧入される。
【0048】
また、支持部材12は、連結部分126と連結部分127と連結部分128とを連結する継手142Bを有する。継手142Bの長手方向の管の一端には、連結部分126の両端に位置する第1の棒状部材のうち、継手142Aに圧入された側の端と反対側の端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手142Bの長手方向の管の他端には、連結部分127の一端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手142Bの短手方向の管には、連結部分128の両端に位置する第1の棒状部材のうち、継手141Bに圧入された側の端と反対側の端に位置する第1の棒状部材が圧入される。
【0049】
また、支持部材12は、連結部分127と第2の棒状部材162Bと第2の棒状部材16-2とを連結する継手143Bを有する。継手143Bの短手方向の管には、連結部分127の両端に位置する第1の棒状部材のうち、継手142Bに圧入された側の端と反対側の端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手143Bの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材162Bの一端が圧入される。継手143Bの長手方向の管の他端には、第2の棒状部材16-2の一端が圧入される。
【0050】
また、支持部材12は、連結部分121と第2の棒状部材16-2と第2の棒状部材161Bとを連結する継手144Bを有する。継手144Bの短手方向の管には、連結部分121の両端に位置する第1の棒状部材のうち、継手141Bに圧入された側の端と反対側の端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手144Bの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材16-2の両端のうち、継手143Bに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手144Bの長手方向の管の他端には、第2の棒状部材161Bの一端が圧入される。
【0051】
また、支持部材12は、第2の棒状部材161Bと第2の棒状部材163Bとを連結する継手145Bを有する。継手145Bの短手方向の管には、第2の棒状部材161Bの両端のうち、継手144Bに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手145Bの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材163Bの一端が圧入される。
【0052】
また、支持部材12は、第2の棒状部材162Bと第2の棒状部材164Bとを連結する継手146Bを有する。継手146Bの短手方向の管には、第2の棒状部材162Bの両端のうち、継手143Bに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手146Bの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材164Bの一端が圧入される。
【0053】
また、支持部材12は、第2の棒状部材163Bと第2の棒状部材165と第2の棒状部材167Bとを連結する継手147Bを有する。継手147Bの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材163Bの両端のうち、継手145Bに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手147Bの長手方向の管の他端には、第2の棒状部材165の一端が圧入される。継手147Bの短手方向の管には、第2の棒状部材167Bの一端が圧入される。なお、第2の棒状部材167Bの他端は、継手141Bのうち短手方向の管と反対側の位置に接するように圧入される。
【0054】
また、支持部材12は、第2の棒状部材164Bと第2の棒状部材166と第2の棒状部材168Bとを連結する継手148Bを有する。継手148Bの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材164Bの両端のうち、継手146Bに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手148Bの長手方向の管の他端には、第2の棒状部材166の一端が圧入される。継手148Bの短手方向の管には、第2の棒状部材168Bの一端が圧入される。なお、第2の棒状部材168Bの他端は、継手142Bのうち短手方向の管と反対側の位置に接するように圧入される。
【0055】
また、支持部材12は、連結部分125と第2の棒状部材162Aと第2の棒状部材16-1とを連結する継手143Aを有する。継手143Aの短手方向の管には、連結部分125の両端に位置する第1の棒状部材のうち、継手142Aに圧入された側の端と反対側の端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手143Aの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材162Aの一端が圧入される。継手143Aの長手方向の管の他端には、第2の棒状部材16-1の一端が圧入される。
【0056】
また、支持部材12は、連結部分123と第2の棒状部材16-1と第2の棒状部材161Aとを連結する継手144Aを有する。継手144Aの短手方向の管には、連結部分123の両端に位置する第1の棒状部材のうち、継手141Aに圧入された側の端と反対側の端に位置する第1の棒状部材が圧入される。継手144Aの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材16-1の両端のうち、継手143Aに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手144Aの長手方向の管の他端には、第2の棒状部材161Aの一端が圧入される。
【0057】
また、支持部材12は、第2の棒状部材161Aと第2の棒状部材163Aとを連結する継手145Aを有する。継手145Aの短手方向の管には、第2の棒状部材161Aの両端のうち、継手144Aに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手145Aの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材163Aの一端が圧入される。
【0058】
また、支持部材12は、第2の棒状部材162Aと第2の棒状部材164Aとを連結する継手146Aを有する。継手146Aの短手方向の管には、第2の棒状部材162Aの両端のうち、継手143Aに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手146Aの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材164Aの一端が圧入される。
【0059】
また、支持部材12は、第2の棒状部材163Aと第2の棒状部材165と第2の棒状部材167Aとを連結する継手147Aを有する。継手147Aの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材163Aの両端のうち、継手145Aに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手147Aの長手方向の管の他端には、第2の棒状部材165の両端のうち、継手147Bに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手147Aの短手方向の管には、第2の棒状部材167Aの一端が圧入される。なお、第2の棒状部材167Aの他端は、継手141Aのうち短手方向の管と反対側の位置に接するように圧入される。
【0060】
また、支持部材12は、第2の棒状部材164Aと第2の棒状部材166と第2の棒状部材168Aとを連結する継手148Aを有する。継手148Aの長手方向の管の一端には、第2の棒状部材164Aの両端のうち、継手146Aに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手148Aの長手方向の管の他端には、第2の棒状部材166の両端のうち、継手148Bに圧入された側の端と反対側の端が圧入される。継手148Aの短手方向の管には、第2の棒状部材168Aの一端が圧入される。なお、第2の棒状部材168Aの他端は、継手142Aのうち短手方向の管と反対側の位置に接するように圧入される。
【0061】
図9は、実施形態に係る第1の棒状部材151~152によって連結される前の支持部材12と回転板114との連結部分124を示す要部斜視図である。
図9では、支持部材12と回転板114との連結部分124を例に挙げて説明するが、支持部材12と他の回転板111~113および115~118との連結部分121~123および125~128の構造も連結部分124と同様である。
【0062】
図9に示すように、支持部材12は、回転板114の回転軸に沿う位置に継手141および継手142の短手方向の管を有する。このように、支持部材12は、回転板114の回転軸に沿う位置に第1の管を有する。また、回転板114は、I字型の部材13を有する。I字型の部材13は、回転板114の各面のうち、光源21と対向する面と反対側の面に保持される。I字型の部材13は、継手131と、第3の棒状部材133と、継手132を有する。第3の棒状部材133の一端は、継手131の短手方向の管に圧入される。第3の棒状部材133の他端は、継手132の短手方向の管に圧入される。継手131の長手方向の管は、回転板114の回転軸に対応する一辺に沿って固定される。このように、回転板114は、回転板114の回転軸に対応する一辺に沿って固定される第2の管を有する。継手132の長手方向の管および第3の棒状部材133も回転板114に固定される。I字型の部材13は、例えば、結束バンド、マジックテープ(登録商標)、または、水中で粘着力を保つ接着剤により、回転板114に固定される。
【0063】
また、
図9に示すように、第1の棒状部材151は、第1の棒状部材151の一端が継手141の短手方向の管に圧入され、第1の棒状部材151の他端が継手131の長手方向の管の一端に圧入される。また、第1の棒状部材152は、第1の棒状部材152の一端が継手142の短手方向の管に圧入され、第1の棒状部材152の他端が継手131の長手方向の管の他端に圧入される。ここで、継手131の長手方向の管の他端とは、継手131の長手方向の管の両端のうち、第1の棒状部材151が圧入された側の端と反対側の端のことを指す。このように、第1の棒状部材151~152は、第1の棒状部材151~152の一端が第1の管(
図9では、継手141および継手142の短手方向の管)に圧入され、第1の棒状部材151~152の他端が第2の管(
図9では、継手131の長手方向の管の両端)に圧入されることで、支持部材12と回転板114とを連結する。
【0064】
図10は、実施形態に係る第1の棒状部材151~152によって連結された後の支持部材12と回転板114との連結部分124を示す要部斜視図である。
図10では、
図9と同様に、支持部材12と回転板114との連結部分124を例に挙げて説明するが、支持部材12と他の回転板111~113および115~118との連結部分121~123および125~128の構造も連結部分124と同様である。
【0065】
図11~
図13は、実施形態に係る回転板114の回転範囲を規制する規制部材17を示す要部斜視図である。被写体装置10は、回転板111~118それぞれの回転範囲を規制する規制部材をさらに備える。
図11~
図13では、回転板114の回転範囲を規制する規制部材17を例に挙げて説明するが、他の回転板111~113および115~118の回転範囲を規制する規制部材の構造も規制部材17と同様である。
図11に示すように、規制部材17は、紐状の部材であり、第2の棒状部材16と継手132の長手方向の管とを連結する。例えば、規制部材17の素材は、合成繊維や再生繊維のような化学繊維、または、植物繊維や動物繊維のような天然繊維であってよい。また、規制部材17の紐の長さは、所望する回転角度の大きさに応じて変更される。規制部材17の紐が突っ張った状態は、回転板の最大回転角度に対応する。
図12は、規制部材17を
図11とは反対の方向から見た図である。
図13は、回転板114が閉じた状態における規制部材17を示す。
【0066】
水の抵抗を小さくするため、被写体装置10は、各板を閉じた状態(
図6に示す状態)で水中に沈められる。これに対し、撮影システム1は、被写体装置10が規制部材を備えることにより、被写体装置10を水中に沈めた後に、各板を軽く押すだけで、回転板の回転角度を所望の角度(例えば、10度、30度、60度など)に保持することができる。
【0067】
なお、
図11~
図13では、規制部材17が紐状の部材である場合について説明したが、規制部材17は紐状の部材に限られない。例えば、規制部材17は、紐状に限らず、一定の幅を有する帯状の部材であってよい。また、規制部材17の素材は、繊維に限らず、例えば、金属製であってよい(ワイヤー等)。また、規制部材17は、第2の棒状部材16と継手132とを繋ぐものに限られない。例えば、規制部材17は、回転板を一定の角度に保った状態で固定するストッパーであってよい。
【0068】
図14~
図15は、実施形態に係る被写体装置10を補強する補強部材18を示す斜視図である。
図15は、被写体装置10を
図14とは反対の方向から見た図である。
図14および
図15に示すように、補強部材18は、第4の棒状部材181~183と、固定部材184~189とを有する。第4の棒状部材182は、固定部材185により、第4の棒状部材181の長手方向と第4の棒状部材182の長手方向とが直交するように第4の棒状部材181の一端から所定の距離に固定される。第4の棒状部材183は、固定部材185により、第4の棒状部材181の長手方向と第4の棒状部材183の長手方向とが直交するように第4の棒状部材181の他端から所定の距離に固定される。
【0069】
図16は、実施形態に係る補強部材18を取り付けた後の被写体装置10の裏側を示す斜視図である。
図16に示すように、第4の棒状部材182の一端は、固定部材184により、第4の棒状部材182の長手方向と第2の棒状部材161Bの長手方向とが直交するように第2の棒状部材161Bに固定される。また、第4の棒状部材182の他端は、固定部材186により、第4の棒状部材182の長手方向と第2の棒状部材161Aの長手方向とが直交するように第2の棒状部材161Aに固定される。また、第4の棒状部材183の一端は、固定部材187により、第4の棒状部材183の長手方向と第2の棒状部材162Bの長手方向とが直交するように第2の棒状部材162Bに固定される。また、第4の棒状部材183の他端は、固定部材189により、第4の棒状部材183の長手方向と第2の棒状部材162Aの長手方向とが直交するように第2の棒状部材162Aに固定される。このように、撮影システム1は、補強部材18を備えることにより、被写体装置10を水中に沈める際に、被写体装置10の姿勢を保持しやすくすることができる。
【0070】
図17は、実施形態に係る補強部材18の連結部分を示す要部斜視図である。
図17に示すように、第4の棒状部材181は管であり、第4の棒状部材181の先端は、U字型の切れ込み19を有する。
【0071】
ここから、
図18~
図20を用いて、実施形態に係る撮影装置20について詳しく説明する。
図18は、実施形態に係る撮影装置20を示す斜視図である。撮影装置20は、光源21と、複数の異なる色それぞれに対応する複数の異なる色フィルタ25A~25Dとを備える。色フィルタ25A~25Dは、光源21の前方に摺動可能に配置される。色フィルタ25A~25Dそれぞれは、例えば、透明色、赤色、緑色、黒色のフィルタであってよい。黒色のフィルタ25Dは、光源21なしで撮影したデータを取得するために用いられる。また、撮影装置20は、複数の異なる色フィルタ25A~25Dを光源21の前方でスライドさせやすいように、取っ手26を備えてよい。このように、撮影システム1は、複数の異なる色それぞれに対応する複数の異なる色フィルタを光源21の前方に摺動可能に配置することにより、撮影装置20が、被写体装置10に対して照射する光の色を次々に変えながら撮影することを容易にすることができる。
【0072】
また、
図18に示すように、撮影装置20は、ビデオカメラ22、アクションカメラ23、および、水中カメラ24を備える。例えば、撮影装置20は、水中におけるステレオ視が可能なステレオカメラを備えてよい。このように、撮影システム1は、複数の種類のカメラを備えることにより、撮影環境に応じたカメラによって撮影された参照情報を取得可能とすることができる。また、撮影システム1は、ビデオカメラ22やアクションカメラ23のような動画像を撮影可能な撮影装置を備えることにより、静止画像を撮影する場合と比べてシャッターを切る手間を省くことができる。
【0073】
図19は、実施形態に係る撮影装置20の連結部分を示す斜視図である。
図19に示すように、撮影装置20は、第1の連結部材30と連結する棒状部材28を有する。
【0074】
図20は、実施形態に係る撮影装置20の連結部分の一端を示す要部斜視図である。
図20に示すように、棒状部材28は管であり、棒状部材28の先端は、
図17に示した切れ込み19と同じ形状のU字型の切れ込み29を有する。また、棒状部材28の内径および外径は、第4の棒状部材181の内径および外径と同一であってよい。
【0075】
ここから、
図21~
図29を用いて、実施形態に係る第1の連結部材30について詳しく説明する。第1の連結部材30は、第5の棒状部材31と、複数の第6の棒状部材32と、第7の棒状部材33とを連結して形成される。
図21は、実施形態に係る第1の連結部材30を構成する第5の棒状部材31を示す斜視図である。第5の棒状部材31は、棒部311と、被写体装置10と接続する接続部材312と、撮影装置20と接続可能な接続部材313とを有する。接続部材312は、棒部311の一端に設けられる。接続部材313は、棒部311の両端のうち、棒部311と反対側の端に設けられる。接続部材313は、上述した第1の接続部材34と同じものである。
【0076】
図22は、実施形態に係る第5の棒状部材31の一端を示す要部斜視図である。
図22に示すように、第5の棒状部材31の一端には、被写体装置10と接続する接続部材312が設けられる。接続部材312は、継手3121と、固定部材3122とを有する。固定部材3122は、棒部311に装着可能な第1の固定部材3122Bと、棒部311の長手方向と直交する軸を有する第2の固定部材3122Aとが接続された部材である。第1の固定部材3122Bは、棒部311の一端から所定の距離だけ離れた位置に装着される。また、継手3121の長手方向の管の一端は、第2の固定部材3122Aにより固定される。継手3121の長手方向の管の他端には、管の径方向を貫通する横棒(例えばネジ)3121Aが設けられる。また、継手3121の短手方向の管には、継手3121の管の内径と外径が等しい管3121Bが圧入される。管3121Bの先端は、挿しやすく、抜けやすいように、先端に行くほど細い形状をしている。
【0077】
図22に示すように、接続部材313は、管3131と固定部材3132とを有する。固定部材3132は、固定部材3122と同様の構造を有する。固定部材3132は、棒部311に装着可能な第1の固定部材3132Bと、棒部311の長手方向と直交する軸を有する第2の固定部材3132Aとを有する。また、棒部311のうち、接続部材313が設けられた側の外周には、孔3111が設けられる。
【0078】
図23は、実施形態に係る連結される前の補強部材18と第5の棒状部材31の連結部分を示す要部斜視図である。
図23に示すように、第4の棒状部材181の先端が有するU字型の切れ込み19が、継手3121の長手方向の管の内部の横棒3121Aに嵌合する。これにより、被写体装置10と第1の連結部材30とが連結される。
【0079】
図24は、実施形態に係る第1の連結部材を構成する第6の棒状部材を示す斜視図である。
図24に示すように、第6の棒状部材32は、棒部321と、撮影装置20と接続可能な接続部材322とを有する。接続部材322は、棒部321の一端に設けられる。接続部材322は、上述した第1の接続部材34と同じものである。また、接続部材322は、
図21に示す接続部材313と同じ構造を有する。すなわち、接続部材322は、管3221と固定部材3222とを有する。固定部材3222は、固定部材3132および固定部材3122と同様の構造を有する。固定部材3222は、棒部321に装着可能な第1の固定部材3222Bと、棒部321の長手方向と直交する軸を有する第2の固定部材3222Aとを有する。また、棒部321のうち、接続部材322が設けられた側の外周には、
図21に示す孔3111と同様の孔3211が設けられる。
【0080】
図24に示すように、棒部321のうち、接続部材322が設けられた側と反対側の外周には、凸部3212が設けられる。棒部321のうち、接続部材322が設けられた側と反対側の端は、
図21に示す第1の固定部材3122Bに挿入される。そして、
図24に示す凸部3212は、
図21に示す孔3111と係合する。これにより、第5の棒状部材31と第6の棒状部材32とが連結される。
【0081】
また、第6の棒状部材32と第6の棒状部材32とが連結される。具体的には、棒部321のうち、接続部材322が設けられた側と反対側の端は、連結対象となる第6の棒状部材32の第1の固定部材3222Bに挿入される。そして、
図24に示す凸部3212は、連結対象となる第6の棒状部材32の孔3211と係合する。これにより、第6の棒状部材32と第6の棒状部材32とが連結される。
【0082】
図25は、実施形態に係る第6の棒状部材の一端を示す要部斜視図である。
図25に示すように、棒部321のうち、接続部材322が設けられた側と反対側の外周には、凸部3212が設けられる。
【0083】
図26は、実施形態に係る第6の棒状部材の他端を示す要部斜視図である。
図26に示すように、第6の棒状部材32の両端のうち、凸部3212が設けられたのと反対側の端には、撮影装置20と接続可能な接続部材322が設けられる。接続部材322は、管3221と、固定部材3222とを有する。第1の固定部材3222Bは、棒部321の両端のうち、凸部3212が設けられたのと反対側の端に装着される。また、管3221の一端は、第2の固定部材3222Aにより固定される。管3221の他端には、管の径方向を貫通する横棒3221Aが設けられる。また、孔3211は、棒部321の外周であって、接続部材322から所定の距離だけ離間した位置に設けられる。
【0084】
図27は、実施形態に係る連結される前の撮影装置20と第6の棒状部材32の連結部分を示す要部斜視図である。
図27に示すように、棒状部材28の先端が有するU字型の切れ込み29が、管3221の内部の横棒3221Aに嵌合する。これにより、撮影装置20と第1の連結部材30とが連結される。
【0085】
図28は、実施形態に係る連結された後の撮影装置20と第6の棒状部材32の連結部分を示す要部斜視図である。
【0086】
図29は、実施形態に係る第1の連結部材30を構成する第7の棒状部材33を示す斜視図である。
図29に示すように、第7の棒状部材33は、棒部331と、撮影装置20と接続可能な接続部材332とを有する。接続部材332は、棒部331の一端に設けられる。接続部材332は、継手3321と固定部材3322とを有する。固定部材3322は、固定部材3122、固定部材3132および固定部材3222と同様の構造を有する。固定部材3322は、棒部331に装着可能な第1の固定部材3322Bと、棒部331の長手方向と直交する軸を有する第2の固定部材3322Aとを有する。また、棒部331のうち、接続部材332が設けられた側の外周には、
図21に示す孔3111および
図24に示す孔3211と同様の孔3311が設けられる。
【0087】
図29に示すように、棒部331のうち、接続部材332が設けられた側と反対側の外周には、
図24に示す凸部3212と同様の凸部3312が設けられる。棒部331のうち、接続部材332が設けられた側と反対側の端は、
図24に示す第1の固定部材3222Bに挿入される。そして、
図29に示す凸部3312は、
図24に示す孔3211と係合する。これにより、第6の棒状部材32と第7の棒状部材33とが連結される。
【0088】
図30は、実施形態に係る第7の棒状部材33の他端を示す要部斜視図である。
図30に示すように、第7の棒状部材33の一端には、撮影装置20と接続する接続部材332が設けられる。接続部材332は、継手3321と、固定部材3322とを有する。固定部材3322は、棒部331に装着可能な第1の固定部材3322Bと、棒部331の長手方向と直交する軸を有する第2の固定部材3322Aとが接続された部材である。第1の固定部材3322Bは、棒部331の一端に装着される。また、継手3321の長手方向の管の一端は、第2の固定部材3322Aにより固定される。継手3321の長手方向の管の他端には、管の径方向を貫通する横棒3321Aが設けられる。また、継手3321の短手方向の管には、継手3321の管の内径と外径が等しい管3321Bが圧入される。管3321Bの先端は、挿しやすく、抜けやすいように、先端に行くほど細い形状をしている。
【0089】
ここから、
図31~
図41を用いて、実施形態に係る第2の連結部材40について詳しく説明する。
図31は、実施形態に係る第2の連結部材40を構成する第8の棒状部材400を示す斜視図である。第2の連結部材40は、複数の第8の棒状部材を連結して形成される。第2の連結部材40は、実施形態に係る連結機構により、第8の棒状部材同士を連結して形成される。以下の実施形態では、第8の棒状部材の一例として、硬質ポリ塩化ビニル管(以下、「塩ビ管」と呼ぶ)について図面を参照して説明する。なお、第8の棒状部材は、塩ビ管に限らず、棒状であればどのような部材であってもよい。例えば、第8の棒状部材は、管に限らず、その径に比して比較的長さの長いものであればどのような形状であってもよい。例えば、第8の棒状部材は、中空である必要はなく、また、細長い円柱(例えば、丸棒)状、または、細長い角柱(例えば、角棒)状であってもよい。また、第8の棒状部材の素材は、硬質ポリ塩化ビニルに限られない。例えば、第8の棒状部材の素材は、硬質ポリ塩化ビニル以外の合成樹脂、コンクリート、または樹木であってもよい。また、第8の棒状部材の素材は、金属であってもよい。例えば、第8の棒状部材の素材は、鋼、ステンレス、アルミニウムまたは銅であってもよい。
【0090】
まず、
図32および
図33を用いて、実施形態に係る連結機構の概要を説明する。
図32は、実施形態に係る連結機構によって連結される前の2本の第8の棒状部材を示す斜視図である。
図32では、2本の第8の棒状部材として、第8の棒状部材400と第8の棒状部材500を示す。第8の棒状部材400と第8の棒状部材500は、同一の構造を有する。以下では、実施形態に係る連結機構を第8の棒状部材400と第8の棒状部材500とを有する連結装置に適用する例を示す。
【0091】
図32に示すように、第8の棒状部材400は、細長い管状の棒部410を有する。また、第8の棒状部材400は、棒部410の一端に第1継手420を有する。第1継手420は、第8の棒状部材と第8の棒状部材を連結し延長するために用いられる管状の部材である。第1継手420の内径は、棒部410の外径と一致するように形成され、第1継手420の管に棒部410を挿入することにより、棒部410の一端に第1継手420を装着する。
【0092】
また、第8の棒状部材400の外周には貫通孔が形成される。具体的には、第8の棒状部材400には、第1継手420の管と棒部410の管を貫通する孔が形成される。より具体的には、第8の棒状部材400には、棒部410の両端のうち、第1継手420が設けられた側の端の外周に貫通孔が形成される。また、第1継手420に棒部410が挿入された状態で棒部410に形成された貫通孔と対向する第1継手420の位置に貫通孔が形成される。言い換えると、第1継手420に棒部410が挿入された状態で、棒部410に形成された貫通孔と、第1継手420に形成された貫通孔とが重なる位置になるようにそれぞれの貫通孔が形成される。また、棒部410に形成された貫通孔の中心の位置は、第1継手420に形成された貫通孔の中心の位置と一致するように形成される。また、棒部410に形成された貫通孔の大きさは、第1継手420に形成された貫通孔の大きさと一致するように形成される。
【0093】
また、第8の棒状部材400は、棒部410の他端に第2継手430を有する。第2継手430は、
図5に示す第2の接続部材41に相当する。棒部410の他端とは、棒部410の両端のうち、第1継手420が設けられた側の端と反対側の端を指す。第2継手430は、第8の棒状部材と第8の棒状部材を連結し延長するために用いられる管状の部材である。
図32では、第2継手430は、長手方向の管の中央側面にもう一つ管が形成されたT字型である場合を示す。第2継手430の内径は、棒部410の外径と一致するように形成され、第2継手430の長手方向の管に棒部410を挿入することにより、棒部410の他端に第2継手430を装着する。
【0094】
また、第8の棒状部材400は、棒部410の他端に連結部材440を有する。棒部410の他端とは、棒部410の両端のうち、第1継手420が設けられた側の端と反対側の端を指す。つまり、連結部材440は、棒部410の両端のうち、第2継手430が設けられた側と同じ側の端に設けられる。連結部材440は、一端が第8の棒状部材400に固定され、他端に他の第8の棒状部材(図示略)の孔に挿通する凸部が形成される。
【0095】
第8の棒状部材500は、棒部510と、第1継手520と、第2継手530と、連結部材540とを有する。上述した通り、第8の棒状部材400と第8の棒状部材500は、同一の構造を有し、棒部510は棒部410に対応し、第1継手520は第1継手420に対応し、第2継手530は第2継手430に対応し、連結部材540は連結部材440に対応する。
【0096】
図33は、実施形態に係る連結機構によって連結された後の2本の第8の棒状部材を示す斜視図である。
図33では、
図32に示す第8の棒状部材400の第1継手420が設けられた側の端が、第8の棒状部材500の第2継手530が設けられた側の端に挿通され、連結部材540によって第8の棒状部材400と第8の棒状部材500とが固定される様子を示す。すなわち、連結部材540は、第8の棒状部材400の端部が第8の棒状部材500の端部に挿入された状態で、連結部材540に形成された凸部が第8の棒状部材400の孔に挿通する。
【0097】
図32および
図33を用いて説明したように、実施形態に係る連結機構は、一方の第8の棒状部材(
図32および
図33では、第8の棒状部材500)と、外周に孔が形成された他方の第8の棒状部材(
図32および
図33では、第8の棒状部材400)と、一端が一方の第8の棒状部材に固定され、他端に他方の第8の棒状部材の孔に挿通する凸部が形成される連結部材(
図32および
図33では、連結部材540)と、を有する。このように、実施形態に係る連結機構は、一方の第8の棒状部材に対しては、外周に孔を形成する簡単な加工を施すことにより、また、他方の第8の棒状部材に対しては、連結部材を取り付けることにより、一方の第8の棒状部材と他方の第8の棒状部材を連結することができる。これにより、実施形態に係る連結機構は、例えば、連結対象となる2本の管に対して、あらかじめ係合部を設けるといった特殊な加工を施すことなく、一方の第8の棒状部材と他方の第8の棒状部材を連結することができる。例えば、管の外周に係合部を設けるためには、金属板を成形(一体加工)する必要がある。すなわち、実施形態に係る連結機構は、一般的な形状の第8の棒状部材と第8の棒状部材を容易に連結することができる。したがって、連結機構は、第8の棒状部材と第8の棒状部材を連結するにあたり汎用性の向上を図ることができる。
【0098】
次に、
図34~
図41を用いて、実施形態に係る連結機構の詳細を説明する。
図34および
図35は、実施形態に係る第8の棒状部材の一端を示す要部斜視図である。
図34は、
図32で説明した連結機構によって連結される前の第8の棒状部材400の第1継手420が設けられた側の端を示す要部斜視図である。
【0099】
図34に示すように、第8の棒状部材400は、第1継手420が設けられた側の棒部410の端に連続する差込口411を有する。差込口411は、棒部410の長手方向に棒部410の端部に向かうにつれて径を狭める管状を有する。差込口411の径の中心は、棒部410の径の中心と一致するように形成される。差込口411は、第8の棒状部材500の第2継手530に挿通される。このように、実施形態に係る連結機構は、第8の棒状部材400の差込口411が第8の棒状部材500の第2継手530に挿通されることにより、第8の棒状部材400の径方向が第8の棒状部材500の径方向に対して固定される。
【0100】
また、第1継手420は、第1継手420が設けられた側の棒部410の端から棒部410の長手方向に第1の距離だけ離間した位置に設けられる。棒部410のうち、第1継手420が設けられた側の棒部410の端から棒部410の長手方向に第1の距離までの長さに相当する部分(以下、「棒部410のうち第1の距離に相当する部分」ともいう)は、差込口411とともに第8の棒状部材500の第2継手530に挿通される。具体的には、差込口411および棒部410のうち第1の距離に相当する部分は、第1継手420の管の断面421と第2継手530の管の断面532(
図37参照)とが当接するように、第8の棒状部材500の第2継手530に挿通される。このように、実施形態に係る連結機構は、第1継手420の管の断面421と第2継手530の管の断面532(
図37参照)とが当接するように、差込口411および棒部410のうち第1の距離に相当する部分が第8の棒状部材500の第2継手530に挿通されることにより、第8の棒状部材400の径方向が第8の棒状部材500の径方向に対して固定される。
【0101】
また、第8の棒状部材400の外周には一対の孔412および孔413(図示略)が形成される。具体的には、孔412および孔413は、棒部410の外周に形成される。また、孔412および孔413は、棒部410の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。すなわち、孔412および孔413は、棒部410の断面視において円形状の中心に対して対称の位置に形成される。また、孔412および孔413は、第1継手420が設けられた側の棒部410の端から棒部410の長手方向に第2の距離だけ離間した位置に設けられる。ここで、第2の距離は、第1の距離と第1継手420の長さを合計した距離よりも長い距離である。
【0102】
また、第1継手420の外周には一対の孔423(図示略)および孔424(図示略)が形成される。具体的には、孔423および孔424は、第1継手420の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。すなわち、孔423および孔424は、第1継手420の断面視において円形状の中心に対して対称の位置に形成される。また、孔423および孔424は、第1継手420の両端のうち、棒部410の孔412および孔413から近い方の端の外周に形成される。
【0103】
また、第1継手420によって覆われた棒部410の外周には一対の孔414(図示略)および孔415(図示略)が形成される。具体的には、孔414および孔415は、棒部410の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。すなわち、孔414および孔415は、棒部410の断面視において円形状の中心に対して対称の位置に形成される。また、第1継手420に棒部410が挿入された状態で第1継手420に形成された孔423および孔424とそれぞれ対向する棒部410の位置に孔414および孔415がそれぞれ形成される。言い換えると、第1継手420に棒部410が挿入された状態で、第1継手420に形成された孔423および孔424と、棒部410に形成された孔414および孔415とがそれぞれ重なる位置になるようにそれぞれの孔が形成される。また、孔414および孔415の中心の位置は、棒部410の外周を覆う第1継手420の孔423および孔424の中心の位置とそれぞれ一致するように形成される。また、孔414および孔415の大きさは、孔423および孔424の大きさと一致するように形成される。
【0104】
また、結束バンド450は、孔412、孔413、孔423、孔414、孔415および孔424を全て通るように挿通された状態で結束される。これにより、第1継手420の両端のうち、棒部410の孔412および孔413から近い方の端は、棒部410に固定される。
【0105】
また、第1継手420の外周には一対の孔425(図示略)および孔426(図示略)が形成される。具体的には、孔425および孔426は、第1継手420の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。すなわち、孔425および孔426は、第1継手420の断面視において円形状の中心に対して対称の位置に形成される。また、孔425および孔426は、第1継手420の両端のうち、棒部410の孔412および孔413から遠い方の端の外周に形成される。すなわち、孔425および孔426は、第1継手420の両端のうち、孔423および孔424が形成されたのと反対側の端の外周に形成される。
【0106】
また、第1継手420によって覆われた棒部410の外周には一対の孔416(図示略)および孔417(図示略)が形成される。具体的には、孔416および孔417は、棒部410の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。すなわち、孔416および孔417は、棒部410の断面視において円形状の中心に対して対称の位置に形成される。また、第1継手420に棒部410が挿入された状態で第1継手420に形成された孔425および孔426とそれぞれ対向する棒部410の位置に孔416および孔417がそれぞれ形成される。言い換えると、第1継手420に棒部410が挿入された状態で、第1継手420に形成された孔425および孔426と、棒部410に形成された孔416および孔417とがそれぞれ重なる位置になるようにそれぞれの孔が形成される。また、孔416および孔417の中心の位置は、棒部410の外周を覆う第1継手420の孔425および孔426の中心の位置とそれぞれ一致するように形成される。また、孔416および孔417の大きさは、孔425および孔426の大きさと一致するように形成される。
【0107】
また、結束バンド460は、孔425、孔417、孔416および孔426を全て通るように挿通された状態で結束される。これにより、第1継手420の両端のうち、棒部410の孔412および孔413から遠い方の端も、棒部410に固定される。
【0108】
図35は、
図34に示す第8の棒状部材400の第1継手420が設けられた側の棒部410の端を
図34の奥側から見た要部斜視図である。
図35に示すように、第1継手420の外周には孔422が形成される。孔422は、第1継手420の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。また、孔422は、第1継手420の管の径方向の反対側の肉厚を貫通しないように形成される。また、孔422は、第1継手420の外周のうち、第1継手420の中央部分(すなわち、第1継手420の長さを略2等分する位置)に形成される。また、孔422は、第1継手420の外周のうち、孔423および孔424の中心を通る直線と直交する第1継手420の径方向に形成される。また、孔422には、連結部材540に形成された凸部545(
図36および
図37参照)が挿通される。また、孔422の直径は、凸部545が挿通可能なように、凸部545の直径と略同一に形成される。
【0109】
また、第1継手420によって覆われた棒部410の外周には孔418(図示略)が形成される。具体的には、孔418の中心の位置は、棒部410の外周を覆う第1継手420の孔422の中心の位置と一致するように形成される。また、孔418の大きさは、孔422の大きさと一致するように形成される。また、孔418は、棒部410の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。また、孔418は、棒部410の管の径方向の反対側の肉厚を貫通しないように形成される。また、孔418は、棒部410の外周のうち、第1継手420によって覆われた棒部410の中央部分(すなわち、第1継手420の長さを略2等分する位置)に形成される。また、孔418は、棒部410の外周のうち、孔414および孔415の中心を通る直線と直交する棒部410の径方向に形成される。また、孔418には、連結部材540に形成された凸部545(
図36および
図37参照)が挿通される。また、孔418の直径は、凸部545が挿通可能なように、凸部545の直径と略同一に形成される。
【0110】
図36~
図39は、実施形態に係る第8の棒状部材の他端を示す要部斜視図である。
図36は、
図32で説明した連結機構によって連結される前の第8の棒状部材500の第2継手530および連結部材540が設けられた側の端を示す要部斜視図である。
【0111】
図36に示すように、第2継手530は、第2継手530が設けられた側の棒部510の端から棒部510の長手方向に第3の距離だけ棒部510を第2継手530の長手方向の管に挿入した位置に設けられる。
【0112】
また、棒部510の外周には一対の孔511および孔512(図示略)が形成される。具体的には、孔511および孔512は、棒部510の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。すなわち、孔511および孔512は、棒部510の断面視において円形状の中心に対して対称の位置に形成される。また、孔511および孔512は、第2継手530が設けられた側の棒部510の端から棒部510の長手方向に第4の距離だけ離間した位置に設けられる。ここで、第4の距離は、第3の距離よりも長い距離である。
【0113】
また、第2継手530の外周には一対の孔531および孔533(図示略)が形成される。具体的には、孔531および孔533は、第2継手530の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。すなわち、孔531および孔533は、第2継手530の断面視において円形状の中心に対して対称の位置に形成される。また、孔531および孔533は、第2継手530の長手方向の両端のうち、棒部510の孔511および孔512から近い方の端の外周に形成される。
【0114】
また、第2継手530によって覆われた棒部510の外周には一対の孔513(図示略)および孔514(図示略)が形成される。具体的には、孔513および孔514は、棒部510の管の肉厚を径方向に貫通するように形成される。すなわち、孔513および孔514は、棒部510の断面視において円形状の中心に対して対称の位置に形成される。また、第2継手530の長手方向の管に棒部510が挿入された状態で第2継手530に形成された孔531および孔533とそれぞれ対向する棒部510の位置に孔513および孔514がそれぞれ形成される。言い換えると、第2継手530の長手方向の管に棒部510が挿入された状態で、第2継手530に形成された孔531および孔533と、棒部510に形成された孔513および孔514とがそれぞれ重なる位置になるようにそれぞれの孔が形成される。また、孔513および孔514の中心の位置は、棒部510の外周を覆う第2継手530の孔531および孔533の中心の位置とそれぞれ一致するように形成される。また、孔513および孔514の大きさは、孔531および孔533の大きさと一致するように形成される。
【0115】
また、結束バンド550は、孔511、孔512、孔533、孔514、孔513および孔531を全て通るように挿通された状態で結束される。これにより、第2継手530の両端のうち、棒部510の孔511および孔512から近い方の端は、棒部510に固定される。
【0116】
また、連結部材540は、薄い板状の板状部材541を有する。具体的には、板状部材541の長手方向の一端は、第2継手530の外周に固定される。また、板状部材541の長手方向の他端には、支持部542が固定される。板状部材541は、変形可能である。すなわち、板状部材541は、一端側が固定された状態で、他端側が湾曲可能である。
【0117】
また、板状部材541は、第2継手530の外周のうち、孔531および孔533の中心を通る直線と直交する第2継手530の径方向の位置に固定される。また、板状部材541は、孔531および孔533の中心を通る直線と直交する第2継手530の径方向と板状部材541の法線方向とが一致するように固定される。例えば、板状部材541は、ポリプロピレンの板である。なお、板状部材541は、ポリプロピレンに限らず、引張強度、衝撃強度、圧縮強度といった機械的強度に優れた素材であれば、どのような素材であってもよい。例えば、板状部材541は、ポリプロピレン以外の合成樹脂であってもよい。
【0118】
また、連結部材540は、第8の棒状部材400の第1継手420の外周に沿う形状に形成され、第8の棒状部材400の第1継手420に圧入されることで、第8の棒状部材400を支持する支持部542をさらに有する。また、支持部542は、第8の棒状部材400の第1継手420の外周に沿う形状に形成された把持部544と、把持部544に連続する板状の押込部543を有する。具体的には、板状部材541の長手方向の両端のうち、第2継手530の外周に固定された方の端と反対側の端は、支持部542に固定される。より具体的には、板状部材541の長手方向の両端のうち、第2継手530の外周に固定された方の端と反対側の端の面と押込部543の面は、相互に固定される。また、支持部542は、把持部544の長手方向の中心軸と第8の棒状部材500の長手方向の中心軸が一致するように板状部材541に固定される。
【0119】
また、連結部材540は、第8の棒状部材400の孔422および孔418に挿通する凸部545が形成される。具体的には、凸部545は、把持部544の径方向に突出するように把持部544の中央部に形成される。より具体的には、凸部545は、板状部材541に形成された孔5411(図示略)と支持部542に形成された孔547(図示略)を貫通するように板状部材541側から挿通されたボルトのねじ部である。
【0120】
図37は、
図36に示す第8の棒状部材500の第2継手530および連結部材540が設けられた側の端を支持部542の側から見た要部斜視図である。
図37に示すように、支持部542は、第2継手530が設けられた側の棒部510の端から棒部510の長手方向に第5の距離だけ離間した位置に設けられる。
【0121】
また、連結部材540は、
図34および
図35に示す第1継手420の管の断面421と
図37に示す第2継手530の管の断面532とが当接した状態で、凸部545が
図35に示す孔422および孔418に挿通する。
【0122】
図34~
図37を用いて説明したように、実施形態に係る連結部材(
図36および
図37では、連結部材540)は、一方の第8の棒状部材の端部(
図37では、断面532)と、他方の第8の棒状部材の端部(
図34および
図35では、断面421)とが当接した状態で、凸部(
図36および
図37では、凸部545)が他方の第8の棒状部材の孔(
図35では、孔422)に挿通する。このように、実施形態に係る連結機構は、連結対象となる2本の第8の棒状部材同士が当接した状態で一方の第8の棒状部材に固定された凸部を他方の第8の棒状部材の孔に挿通することにより、他方の第8の棒状部材の径方向を一方の第8の棒状部材の径方向に対して固定することができる。すなわち、実施形態に係る連結機構は、連結対象となる2本の第8の棒状部材の径方向を相互に固定することができる。
【0123】
また、実施形態に係る連結部材(
図36および
図37では、連結部材540)は、一方の第8の棒状部材(
図36および
図37では、第8の棒状部材500)と他方の第8の棒状部材(
図34および
図35では、第8の棒状部材400)のうち、いずれか一方の端部(
図34~
図37では、差込口411および棒部410のうち第1の距離に相当する部分)が他方の端部(
図34~
図37では、第2継手530)に挿入された状態で、凸部(
図36および
図37では、凸部545)が他方の第8の棒状部材の孔(
図35では、孔422)に挿通する。このように、実施形態に係る連結機構は、連結対象となる2本の第8の棒状部材のうち一方の端部が他方の端部に挿入された状態で一方の第8の棒状部材に固定された凸部を他方の第8の棒状部材の孔に挿通することにより、他方の第8の棒状部材の径方向を一方の第8の棒状部材の径方向に対して固定することができる。すなわち、実施形態に係る連結機構は、連結対象となる2本の第8の棒状部材の径方向を相互に固定することができる。
【0124】
また、実施形態に係る連結部材(
図36および
図37では、連結部材540)は、他方の第8の棒状部材(
図34および
図35では、第8の棒状部材400)の外周に沿う形状に形成され、他方の第8の棒状部材に圧入されることで、他方の第8の棒状部材を支持する支持部(
図36および
図37では、支持部542)をさらに有する。このように、実施形態に係る連結機構は、支持部を他方の第8の棒状部材に圧入することにより、一方の第8の棒状部材の長手方向を他方の第8の棒状部材の長手方向に対して固定することができる。すなわち、実施形態に係る連結機構は、連結対象となる2本の第8の棒状部材の長手方向を相互に固定することができる。言い換えると、実施形態に係る連結機構は、連結対象となる2本の第8の棒状部材の軸が一致した状態に固定することができる。
【0125】
図38は、
図37に示す第8の棒状部材500の第2継手530および連結部材540が設けられた側の端を
図37の奥側から見た要部斜視図である。
図39は、
図38に示す第8の棒状部材500の第2継手530および連結部材540が設けられた側の端の裏側をさらに別の角度から見た要部斜視図である。
【0126】
図38および
図39に示すように、板状部材541の長手方向の両端のうち、第2継手530の外周に固定された方の端と反対側の端には孔5411(図示略)が形成される。孔5411は、板状部材541の肉厚を貫通するように形成される。また、支持部542には、押込部543の肉厚および把持部544の肉厚を貫通する孔547(図示略)が形成される。孔547は、押込部543の面の中央の位置に形成される。また、
図38および
図39では、板状部材541に形成された孔5411(図示略)と支持部542に形成された孔547(図示略)を貫通するように板状部材541側から挿通されたボルトの頭部546を示す。これにより、板状部材541の長手方向の両端のうち、第2継手530の外周に固定された方の端と反対側の端は、支持部542に固定される。
【0127】
また、板状部材541の長手方向の両端のうち、第2継手530の外周に固定された方の端には板状部材541の長手方向に並ぶ2つの孔5412および孔5413(図示略)が形成される。孔5412は、孔5411から板状部材541の長手方向に第6の距離だけ離間した位置に形成される。孔5413は、孔5412から板状部材541の長手方向に第7の距離だけ離間した位置に形成される。孔5412および孔5413は、板状部材541の肉厚を貫通するように形成される。また、第2継手530の外周には、孔5412および孔5413とそれぞれ対応する位置に孔535(図示略)および孔536(図示略)が形成される。また、結束バンド560は、孔5412、孔535、孔536および孔5413を全て通るように挿通された状態で結束される。これにより、板状部材541の長手方向の両端のうち、支持部542に固定された方の端と反対側の端は、第2継手530の外周に固定される。
【0128】
また、板状部材541の長手方向の両端のうち、第2継手530の外周に固定された方の端には板状部材541の短手方向に並ぶ2つの孔5414および孔5415(図示略)が形成される。孔5414は、孔5413から板状部材541の長手方向に第8の距離だけ離間した位置に形成される。孔5414および孔5415は、板状部材541の肉厚を貫通するように形成される。また、第2継手530の外周には、孔5414および孔5415とそれぞれ対応する位置に孔538(図示略)および孔537(図示略)が形成される。また、結束バンド570は、孔5414、孔538、孔537および孔5415を全て通るように挿通された状態で結束される。これにより、板状部材541の長手方向の両端のうち、支持部542に固定された方の端と反対側の端は、第2継手530の外周に固定される。
【0129】
次に、
図40~
図41を用いて、実施形態に係る連結機構によって連結された2本の第8の棒状部材の連結部分の構造について説明する。
図40~
図41は、実施形態に係る連結機構によって連結された2本の第8の棒状部材の連結部分を示す要部斜視図である。
図40~
図41は、
図33で説明した実施形態に係る連結機構によって連結された後の2本の第8の棒状部材の連結部分を示す要部斜視図である。
【0130】
図40および
図41では、連結部材540により、第8の棒状部材500の端部(
図37に示した断面532)と、第8の棒状部材400の端部(
図34および
図35に示した断面421)とが当接した状態で、第8の棒状部材400と第8の棒状部材500とが連結される様子を示す。また、連結部材540により、第8の棒状部材400の端部(
図34および
図35に示した差込口411および棒部410のうち第1の距離に相当する部分)が第8の棒状部材500の端部(
図36および
図37に示した第2継手530)に挿入された状態、かつ、第8の棒状部材500の凸部(
図36および
図37に示した凸部545)が第8の棒状部材400の孔(
図35では、孔422)に挿通した状態で、第8の棒状部材400と第8の棒状部材500とが連結される様子を示す。
【0131】
また、
図40および
図41では、把持部544が第1継手420の管を把持し、第8の棒状部材500の凸部(
図36および
図37に示した凸部545)が第8の棒状部材400の孔(
図35では、孔422)に挿通される。このように、支持部542が第8の棒状部材400を把持し、第8の棒状部材500の凸部が第8の棒状部材400の孔に挿通される。これにより、実施形態に係る連結機構は、第8の棒状部材400の長手方向を第8の棒状部材500の長手方向に対して固定することができる。すなわち、実施形態に係る連結機構は、連結対象となる2本の第8の棒状部材の長手方向を相互に固定することができる。言い換えると、実施形態に係る連結機構は、連結対象となる2本の第8の棒状部材の軸が一致した状態に固定することができる。
【0132】
図42は、実施形態に係る第1の連結部材30の一端と第2の連結部材40の連結部分を示す要部斜視図である。
図42は、第1の連結部材30の両端のうち、被写体装置10が連結された側の端と、
図4および
図5に示す第2の連結部材40-2との連結部分を示す。
図42に示すように、第1の連結部材30の両端のうち、被写体装置10が連結された側の端と、第2の連結部材40-2とは、継手3121の短手方向の管の端と第2継手430の短手方向の管の端とが当接するように接続される。具体的には、継手3121の短手方向の管の断面と第2継手430の短手方向の管の断面とが当接するように、
図42に示す第2継手430の短手方向の管に対して
図22に示す管3121Bの先端を挿入する。これにより、第1の連結部材30の両端のうち、被写体装置10が連結された側の端と、第2の連結部材40-2の所定の深度に対応する第2の接続部材41-2とが連結される。また、管3121Bの先端は、実験中に深度を変えるために抜き差しできるよう、適度に抜けやすくなっている。実験時に、一つの深度を測定し終えたら、第2継手430の短手方向の管に差し込んでいた管3121Bを抜いて、深度を変えて、第2の連結部材40-2の異なる深度に対応する第2継手430の短手方向に対して
図22に示す管3121Bの先端を挿入する。これにより、第1の連結部材30の両端のうち、被写体装置10が連結された側の端と、第2の連結部材40-2の異なる深度に対応する第2の接続部材41-2とが連結される。
【0133】
図43は、実施形態に係る第1の連結部材30の他端と第2の連結部材40の連結部分を示す要部斜視図である。
図43は、第1の連結部材30の両端のうち、被写体装置10が連結された側の端と反対側の端と、
図4および
図5に示す第2の連結部材40-1との連結部分を示す。
図43に示すように、第1の連結部材30の両端のうち、被写体装置10が連結された側の端と反対側の端と、第2の連結部材40-1とは、継手3321の短手方向の管の端と第2継手430の短手方向の管の端とが当接するように接続される。具体的には、継手3321の短手方向の管の断面と第2継手430の短手方向の管の断面とが当接するように、
図43に示す第2継手430の短手方向の管に対して
図30に示す管3321Bの先端を挿入する。これにより、第1の連結部材30の両端のうち、被写体装置10が連結された側の端と反対側の端と、第2の連結部材40-1の所定の深度に対応する第2の接続部材41-1とが連結される。また、管3321Bの先端は、実験中に深度を変えるために抜き差しできるよう、適度に抜けやすくなっている。実験時に、一つの深度を測定し終えたら、第2継手430の短手方向の管に差し込んでいた管3321Bを抜いて、深度を変えて、第2の連結部材40-1の異なる深度に対応する第2継手430の短手方向に対して
図30に示す管3321Bの先端を挿入する。これにより、第1の連結部材30の両端のうち、被写体装置10が連結された側の端と反対側の端と、第2の連結部材40-1の異なる深度に対応する第2の接続部材41-1とが連結される。
【0134】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することができることが可能である。
【符号の説明】
【0135】
1 撮影システム
10 被写体装置
11 板群
12 支持部材
20 撮影装置
21 光源
25 色フィルタ
30 第1の連結部材
40 第2の連結部材