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  • 特許-基板処理装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】基板処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240918BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240918BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20240918BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20240918BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/68 N
C23C16/458
H01L21/302 101G
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022199852
(22)【出願日】2022-12-15
(62)【分割の表示】P 2022071232の分割
【原出願日】2022-04-25
(65)【公開番号】P2023036721
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】20215556
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】510275024
【氏名又は名称】ピコサン オーワイ
【氏名又は名称原語表記】PICOSUN OY
【住所又は居所原語表記】Tietotie 3, FI-02150 Espoo, Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】キルピ ヴァイノ
(72)【発明者】
【氏名】ブロムバリ トム
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-503711(JP,A)
【文献】特開2010-034476(JP,A)
【文献】特開平09-013172(JP,A)
【文献】特開2020-004954(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0177813(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0010239(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0000775(US,A1)
【文献】特開2020-102589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/683
C23C 16/458
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持テーブルと;
前記支持テーブルに対して垂直方向に移動可能であり、前記支持テーブルを貫通して基板を受ける、少なくとも1つの支持要素と;
前記少なくとも1つの支持要素の下方向への移動を基板装填高で停止させるストッパーと;
前記支持テーブルに取り付けられた、昇降可能な反応室下部と;
を備え、前記昇降可能な反応室下部は、昇降可能な反応室ボウルである装置。
【請求項2】
支持テーブルと;
前記支持テーブルに対して垂直方向に移動可能であり、前記支持テーブルを貫通して基板を受ける、少なくとも1つの支持要素と;
前記少なくとも1つの支持要素の下方向への移動を基板装填高で停止させるストッパーと;
前記ストッパーを支持する動かない取付部と;
を備え、前記動かない取付部は排気ラインから延設される装置。
【請求項3】
基板支持システムを形成する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記支持テーブル及び前記反応室下部は1つのパッケージとして昇降するように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記支持テーブルのために底部カバーを有し、前記支持テーブルと前記底部カバーは空洞を形成する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項6】
前記空洞は、前記支持テーブルを通る少なくとも1つの筐体を有する、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの支持要素は、前記少なくとも1つの筐体の内部で前記支持テーブルを貫通する、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの支持要素は、前記少なくとも1つの筐体の内部で昇降するように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの支持要素を、前記支持テーブルと共に、該少なくとも1つの支持要素が前記ストッパーによって停止されるまで下降させるように構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの支持要素を、前記支持テーブルと共に上昇させるように構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの支持要素及び前記支持テーブルは、基板装填高まで共に上昇するように構成され、そして前記少なくとも1つの支持要素は、前記支持テーブルが前記反応室下部と共に基板装填高より低い位置に下降させられても、前記ストッパーにより前記基板装填高にとどまるように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの支持要素は、頂部が広がったピンの形をしている、請求項1又は2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して基板処理装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は化学堆積リアクター又はエッチングリアクターに関する。ただしそれに限られない。
【発明の背景】
【0002】
このセクションは、有用な背景情報を説明するが、ここで説明されている技術が技術水準を示していることを認めている訳ではないことに注意されたい。
【0003】
化学堆積リアクター又はエッチングリアクターにおいて、基板の反応室内への装填は、ゲートバルブを通じて装填ロボットによって横側から行われる。しかし、この装填方法及び既存の関連する全ての基板取扱方法においては、装置の設計上スペースに制限がある。特に、そのような制限が、リアクターの可能な設計に見られる。当該制限はしばしば、基板を受ける面をリアクター内で適切な高さに位置させることの難しさに表れる。すなわち、適切な反応を生じさせ、装填ロボットが動作するために十分なスペースを与えつつ、基板を受ける面をリアクター内で適切な高さに位置させることの難しさに表れる。
【発明の概要】
【0004】
本発明のある実施形態の目的は、実際に経験されたスペース上の制限に対処するように最適化された、改善された基板処理装置を提供すること、又は少なくとも、既存技術に対する代替ソリューションを提供することである。
【0005】
本発明のある例示的側面によれば、次の基板処理装置が提供される。この装置は、
支持テーブル及び少なくとも1つの支持要素を有する基板支持システムと、
前記少なくとも1つの支持要素の下方向への移動を基板装填高で停止させるストッパーと、
を備え、
前記上側部分及び前記下側部分は基板処理のために前記反応室の内部空間を封止し、前記下側部分は前記上側部分との間に装填のための隙間を形成すべく前記上側部分から分離するように移動可能であり、
前記少なくとも1つの支持要素は前記支持テーブルに対して縦方向に動くことが可能であり、前記反応室内で基板を受けるべく前記支持テーブルを通って延設される。
【0006】
実施例によっては、前記装置は、前記下側部分を前記支持テーブルと共に動かすように構成される。
【0007】
実施例によっては、前記装置は、前記少なくとも1つの支持要素を、前記ストッパーにより停止させられるまで、前記支持テーブルと共に下降させるように構成される。
【0008】
実施例によっては、前記装置は、前記少なくとも1つの支持要素が前記ストッパーに停止させられた後に、前記支持テーブルを更に下降させるように構成される。
【0009】
実施例によっては、前記装置は、前記ストッパーを支持する動かない取付部を備える。
【0010】
実施例によっては、前記動かない取付部は反応室排気ラインから延設される。
【0011】
実施例によっては、前記装置は、前記少なくとも1つの支持要素を前記支持テーブルと共に基板処理状態まで上昇させるように構成される。
【0012】
実施例によっては、前記支持テーブルは、前記反応室の前記上側部分の底面より高く基板を上昇させるように構成される。
【0013】
実施例によっては、この上昇は、前記少なくとも1つの支持要素が基板を受け取った後に生じる。
【0014】
実施例によっては、前記支持テーブルは前記反応室に取り付けられ、前記支持テーブルと前記反応室の前記下側部分(例えば反応室ボウル)とは1つのパッケージとして昇降するように構成され、前記少なくとも1つの支持要素及び前記支持テーブルは共に基板装填高より高い位置に上昇するように構成され、
【0015】
前記支持テーブルが前記下側部分と共に前記基板装填高から下降しても、前記少なくとも1つの支持要素は前記ストッパーにより停止させられて前記基板装填高に停まるように構成される。
【0016】
実施例によっては、前記装置は、前記反応室を少なくとも部分的に囲む外室を備える。実施例によっては、前記外室は真空室である。
【0017】
実施例によっては、基板処理状態において、前記少なくとも1つの支持要素の頂面は、基板装填のために基板装填装置により使用されるゲートバルブの装填開口部の最上部より高い位置に位置する。
【0018】
実施例によっては、前記外室の壁にゲートバルブが取り付けられる。
【0019】
実施例によっては、前記少なくとも1つの支持要素は、径が拡大した頂部を有するピンの形状である。
【0020】
実施例によっては、前記装置は、前記反応室内で少なくとも1つの基板を連続自己制御表面反応で処理するように構成される。
【0021】
本発明の第2の例示的側面によれば、次のような基板処理装置が提供される。この装置は、
上側部分及び下側部分を有する反応室と、
支持テーブルを有する基板支持システムと、
を備え、
前記上側部分及び前記下側部分は基板処理のために前記反応室の内部空間を封止し、前記下側部分は前記上側部分との間に装填のための隙間を形成すべく前記上側部分から分離するように移動可能であり、
前記支持テーブルは、前記反応室の前記上側部分の底面より高く基板を上昇させるように構成される。
【0022】
本発明の第3の例示的側面によれば、次のような方法が提供される。この方法は、反応室内に基板を装填する方法であって、
反応室の下側部分と上側部分との間に基板を装填するための隙間を形成すべく、前記下側部分を前記上側部分から分離するように動かすことと;
支持テーブル及び少なくとも1つの支持要素を有する基板支持システムを下降させることと;
を含み、
前記少なくとも1つの支持要素は前記支持テーブルに対して縦方向に動くことが可能であり、前記支持テーブルを通じて延設され、
前記方法は更に、前記少なくとも1つの支持要素の前記下方向への移動をストッパーによって基板装填高で停止させることを含む。
【0023】
実施例によっては、前記方法は、前記少なくとも1つの支持要素が前記ストッパーに停止させられた後に、前記支持テーブルを更に下降させることを含む。ここで前記少なくとも1つの支持要素は前記基板装填高にとどまる。
【0024】
本発明の第4の例示的態様によれば、次のような方法が提供される。この方法は、反応室内に基板を装填する方法であって、
反応室の下側部分と上側部分との間に基板を装填するための隙間を形成すべく、前記下側部分を前記上側部分から分離するように動かすことと;
支持テーブル上の基板を、前記反応室の前記上側部分の底面より高く上昇させることと;基板処理のために、前記上側部分と前記下側部分で前記反応室の内部空間を封止することと;
を含む。
【0025】
様々な捉え方や実施形態を紹介してきたが、これらは発明の範囲を限定するために提示されたものではない。上述の実施形態は、本発明の実施にあたり使用され得る特定の態様やステップを説明するために用いられたに過ぎない。実施形態によっては、特定の例示的側面を参照してのみ提示されるかもしれない。いくつかの実施形態は他の実施形態にも適用可能であることが理解されるべきである。特に、前記第1の捉え方に関連して説明した実施形態は、別の捉え方についても適用可能である。上記実施形態は適宜組み合わせ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら例を用いて本発明を説明する。
図1】ある実施例に従う基板処理装置の、基板処理段階における略断面図である。
図2】ある実施例に従う、基板装填段階における図1の基板処理装置を示す。反応室の下側部分が中間位置にある。
図3】ある実施例に従う、基板装填段階における図1の基板処理装置を示す。反応室の下側部分が最低位置にある。
図4】ある実施例に従う、図1の装置のためのエレベーター装置の略断面図である。
図5】ある実施例に従う、ピン及びエレベーター取付ポイントの位置を示す上面図である。
【詳細説明】
【0027】
以下の説明において、一例として、原子層堆積(Atomic Layer Deposition,ALD)技術及び原子層エッチング(Atomic Layer Etching,ALE)技術が用いられる。
【0028】
ALD成長メカニズムの基本は当業者の知るところである。ALDは、少なくとも2種類の反応性前駆体種を少なくとも1つの基板に連続的に導入することに基づく、特殊な化学的堆積法である。基本的なALD堆積サイクルは4つの逐次的工程、すなわち、パルスA、パージA、パルスB、及びパージB、から構成される。パルスAは第1の前駆体蒸気から構成され、パルスBは別の前駆体蒸気から構成される。パージAおよびパージBでは、反応空間から気体の反応副産物や残留反応物分子をパージ(除去)するために、不活性ガスと真空ポンプが用いられる。堆積シーケンスは少なくとも1回の堆積サイクルにより構成される。所望の厚さの薄膜またはコーティングが生成されるまで堆積サイクルが繰り返されるように、堆積シーケンスが組まれる。堆積サイクルは、簡単にすることも、さらに複雑にすることもできる。例えば、堆積サイクルは、パージステップによって区切られた3回以上の反応物蒸気パルスを含むことができる。また、パージステップのいくつかは省略することもできる。PEALD(Plasma-Enhanced Atomic Layer Deposition,プラズマALD) のようなプラズマアシスト型ALDや、光アシスト型ALD(Photon-Assisted ALD)においては、1つ又は複数の堆積ステップが、表面反応のために必要な追加のエネルギーをプラズマの供給を通じて提供することによって補助される。または、1つ又は複数の反応前駆体がエネルギーによって代替されることができ、単一前駆体によるALDプロセスに繋がる。従って、パルスシーケンス及びパージシーケンスは個々のケースに応じて異なりうる。これらの堆積サイクルは、論理演算装置またはマイクロプロセッサによって制御される、時間的な堆積シーケンスを形成するものである。ALDによって成長した薄膜は緻密でピンホールがなく、かつ均一の厚さを有する。
【0029】
基板処理工程に関して述べると、通常少なくとも1枚の基板が、時間的に離間した複数の前駆体パルスに反応器(又は反応室)内で曝される。それによって、連続自己飽和表面反応(又は連続自己制御表面反応)で材料が基板表面に堆積される。本出願の記述において、ALDという用語は、全ての適用可能はALDベース技術や、例えば次のALDの亜類型のような、等価又は密接に関連したあらゆる技術を含むものとする。MLD(Molecular Layer Deposition,分子層堆積)、例えばPEALD(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition,プラズマALD)のようなプラズマアシスト型ALD(plasma-assisted ALD)、フラッシュ改良型ALD(flash enhanced ALD)又は光ALDとして知られる光アシスト型ALD(Photon-Assisted ALD))又は光改良型ALD(photon-enhanced ALD)。
【0030】
しかし、本発明はALD技術に限定されない。本発明は広く様々な基板処理装置に生かすことができ、例えば、化学蒸着(CVD)反応装置や、原子層エッチング(ALE)反応装置のようなエッチング装置に利用することもできる。
【0031】
ALEエッチングメカニズムの基本は当業者の知るところである。ALEにおいては、自己制御的(self-limiting)な連続反応ステップを用いて表面から物質層が除去される。典型的なALEエッチングサイクルは、反応層を形成する改質(modification)ステップと、反応層だけを取り除く除去(removal)ステップとを有する。除去ステップは、層の除去のためにプラズマ種(特にイオン)を用いる。
【0032】
ALD技術及びALE技術に関して、自己制限表面反応(self-limiting surface reaction)とは、表面反応場が完全に使い果たされると、表面反応層における表面反応が停止し自己飽和することを意味する。
【0033】
図1は、ある実施例に従う基板処理装置100の、基板処理段階における略断面図である。基板処理装置100は、例えばALDリアクターやALEリアクターであってもよい。装置100は、反応室20と、反応室20を少なくとも部分的に囲む外室10(又は真空室)とを備える。反応室20と外室10との間には中間ボリューム15(又は中間空間)が形成される。実施例によっては、中間ボリューム15は外室10内の反応室20の外側に形成される。従って中間ボリューム15は、外室壁及び反応室壁によって画定され、これらの間に形成される。
【0034】
装置100は更に反応室20内に基板支持部(又は基板支持システム)30を備える。実施例によっては、基板支持部30は支持テーブル(又は基板支持テーブル)31として形成される。実施例によっては、基板支持部30は支持テーブル31及び底部カバー32を備える。実施例によっては、基板支持部30は中空の内部空間35を備える。空間35は、支持テーブル31及び底部カバー32で画定されてもよい。または、支持テーブル31と底部カバー32との間に画定されてもよい。
【0035】
実施例によっては、反応室20は、基板処理のために反応室20の内部空間を封止する上側部分20a及び下側部分20bを有する。更に、上側部分20aは底面20cを有する。
【0036】
基板11は基板支持部30又はその支持テーブル31に支持され、反応室20内で真空中で例えばALDやALEによって処理される。従って、基板は連続自己制御表面反応に晒される。反応室内の流動形状が矢印12で示されている。(実施例によってはプラズマ種を含む)前駆体蒸気が頂部から基板表面に近づき、反応室20の底部から反応室20を出て排気ライン13に流出する。
【0037】
基板支持部30(又はその底面又はカバー32)は、接続(支持)部品25によって下側から(図示されない実施例では横から)支持されると共に、下部20bに取り付けられる。実施例によっては、部品25は、中空の内部空間35から中間ボリューム15へと繋がるチャネルを形成する。この構成は、例えば、支持テーブル31からの配線を、反応物質やプラズマ、前駆体蒸気等に触れさせずに、空間35から空間15へと(また空間15から適切な外室フィードスルーを通じて真空部の外側へと)配設することを可能とする。
【0038】
実施例によっては、基板支持部30は更に、基板支持部30又は支持テーブル31を通って延設される、少なくとも1つの縦方向の可動支持体(又は縦方向の可動支持体のセット)70を備える。しかし別の実施例では、支持体70は、基板支持部30の側部に配されて動作するようにされる。支持体70は、基板支持部30内に配される筐体80内で縦方向に動くことができる。実施例によっては、基板支持部30は1つ又は複数のストッパー90を備える。実施例によっては、1つ又は複数のストッパーは取付部60に取り付けられる。実施例によっては、取付部60は、排気ライン13から延設される動かない部品である。1つ又は複数のストッパー90は、支持体70の下方向への移動を、基板装填高で停止させる。後で、図2及び3を用いて改めて説明する。
【0039】
実施例によっては、基板処理装置100は、装填ロボットのような装填装置を用いて少なくとも1つの基板を真空中で横から装填するための、ゲートバルブ50又は他のデバイスを備える。実施例によっては、ゲートバルブ50は外室10の壁に取り付けられる。基板装填高は矢印55で示されている。
【0040】
実施例によっては、装置100は、(反応室20の外側又は中間ボリューム15の内側に、)排気ライン13の部分65を備える。部分65は、縦方向に動くことにより、排気ライン13の伸縮を可能とする。実施例によっては、部分65は真空ベローズである。実施例によっては、部分65は、排気ライン13において、(外室10内で)中間ボリューム15に面する部分に位置している。
【0041】
基板又はウェーハを反応室20に装填するために、反応室20の下側部分20b(以下、反応室ボウル20bという)は、下降させられることによって上側部分20aから分離され、上側部分20aとの間に基板装填のための隙間が形成される。実施例によっては、支持体70は、頂部の径が拡大している支持ピンである。支持体70を下降させるとき、支持体70は、支持テーブル及び反応室ボウル(31/20b)と共に短い距離を下降する。しかし、行程の途中でピン70の最下端部がストッパー90の硬い面に当接し、ピンの移動が阻止され、ピンの頂部が装填ロボットの装填高に留まるようにする。実施例によっては、ストッパー90の硬い面は取付部60に取り付けられる。実施例によっては、取付部60は、排気ライン13bの動かない部分に取り付けられている(図3参照)。実施例によっては、排気ラインの上記動かない部分は外室10に取り付けられている。
【0042】
支持テーブルと反応室ボウルのコンビネーションの下方向への移動は、このコンビネーションに取り付けられたエレベーターの下降動作によって生じる。実施例によっては、この下降動作はエレベーター53によってもたらされる(図4参照)。エレベーター53は、力伝達要素(又は力伝達ロッド)51を有する。力伝達要素(又は力伝達ロッド)51は外室フィードスルー52を通じて延設され、部分20bに取り付けられるか、部分20bの端の取付ポイント22に取り付けられる。実施例によっては、装置は、それぞれエレベーター53及び取付ポイント22と共に配される複数の力伝達要素51を備える。これらの取付ポイント22は、ボウル20bの円周上に等間隔に配されてもよい。従って、図5に示されるように、等間隔に位置する複数の(例えば3つの)取付ポイント(持ち上げポイント)を有するエレベーター構成が実装されてもよい。同様に、複数の支持体70が支持テーブル31に等間隔に配されてもよい。図5は3つの要素を示している。これらは実施例によってはピンの頂部である。これらは互いに等距離に配され、およそ120°の間隔で離れている。
【0043】
支持体70の下降移動に続いて、支持テーブルと反応室ボウルのコンビネーションが、重力のみによって下降する。実施例によっては、上記の下降移動はアクチュエータ又はスプリング(図示せず)によって生じるか又は補助される支持体70の移動が停止した後、支持テーブルと反応室ボウルのコンビネーションは、図3に描かれるように、より低い又は最も低い位置に達するまで、更に移動する。このため、装填ロボット41のために多くのスペースが提供されうる(図3参照)。そして例えば、装填ロボット41の、ゲートバルブ50を通じた、基板装填高に沿った水平方向の動きだけで、基板11の装填が行われる。実施例によっては水平方向の動きと下降移動によって、基板11の装填が行われる。
【0044】
基板11が支持体70上に載置され、装填ロボットのアームがゲートバルブ50を通じて後退すると、支持テーブル又はサセプタプレート31が上昇して基板11に到達するまで、ピンの頂部は装填高の位置に留まる。そして基板11は、支持テーブルと反応室ボウルのコンビネーションと共に上昇を始める。実施例によっては、上昇移動の終了時に、基板は、装填ロボット41により使用されたゲートバルブ50の開口部の上面より高い位置にある(図1参照)。実施例によっては、上昇移動の終了時に、基板は、装填ロボット41により使用されたゲートバルブ50の開口部の上面より高い位置にある(図20参照)。実施例によっては、ウェーハの表面の上には、可動部分や接触面は存在しない。このため、基板11に影響を及ぼしうる粒子の源が少なくなり、基板上に降下する粒子の数が少なくなる。支持体70は、支持テーブルと反応室ボウルのコンビネーションが上昇するにつれて、一緒に上昇する。
【0045】
本明細書において開示された1つ又は複数の実施例の技術的効果を以下に示す。ただし、これらの効果は請求項に係る発明の技術的範囲および解釈を制限するものではない。技術的効果の1つは、ウェーハを支持するピンのための独立のアクチュエータなしで、ウェーハの装填を可能とすることである。更なる技術的効果の一つは、装填のための適切なスペースを提供することである。
【0046】
以上の説明により、本発明の特定の実装および実施形態の非限定例を用いて、発明者によって現在考えられている、本発明を実施するための最良の形態の完全かつ有益な説明を提供した。しかしながら、当業者には明らかであるように、上述の実施形態の詳細は本発明を限定するものではなく、本発明の特徴から逸脱することなく同等の手段を用いて、他の実施形態に実装することができる。
【0047】
さらに、以上に開示した本発明の実施形態の特徴は、対応する他の特徴を用いることなく用いられてもよい。然るに、以上の説明は、本発明の原理を説明するための例に過ぎず、それを限定するものではないと捉えるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5