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特許7556947ホームオートメーションシステムにおける無線装置の冗長制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】ホームオートメーションシステムにおける無線装置の冗長制御
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240918BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022516007
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 US2020050304
(87)【国際公開番号】W WO2021050811
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】62/899,004
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520268997
【氏名又は名称】サバント システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Savant Systems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】マドンナ,ロバート,ピー
(72)【発明者】
【氏名】キックライター,ケヴィン,シー
(72)【発明者】
【氏名】ボラ,スワプニル
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0195100(US,A1)
【文献】米国特許第7826408(US,B1)
【文献】特表2018-534644(JP,A)
【文献】特表2018-530801(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0068627(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/725-1/737
H04M11/00-11/10
H04Q9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホームオートメーションシステムにおける無線装置の制御の方法であって、
制御装置で実行されている制御アプリケーション(app)によって、前記無線装置に対する状態変化を要求する入力を、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)において受け取り、
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)が前記ホームオートメーションシステムのブリッジ装置に対する接続を提供するように構成されており且つ利用可能であるか否かを判断し、前記ブリッジ装置が前記無線装置に対して別個であるが接近しており、
前記ブリッジ装置に対する接続を提供するように構成されており且つ利用可能なWLANが存在することに応じて、前記制御装置からの制御コマンドを、WLAN接続を介して前記ブリッジ装置に送信し、前記ブリッジ装置は、前記無線装置が前記状態変化を実施するように、前記制御コマンドを変換して、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を介して前記無線装置へ送出し、
前記ブリッジ装置に対する接続を提供するようにまだ構成されておらず、それにより利用可能でないWLANに応じて、前記無線装置が前記状態変化を実施するように、前記制御装置からの制御コマンドを、前記WPANを介して直接的に前記無線装置へ送信する、ことを含む、方法。
【請求項2】
別個のブリッジ装置は、ブリッジ機能と無関係である、少なくとも1つの他のホームオートメーション機能を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブリッジ装置は、1つ又は複数の取り付けられた照明光源への電力潮流を制御するランプモジュールであり、前記ブリッジ機能と無関係である、少なくとも1つの他のホームオートメーション機能は、前記1つ又は複数の取り付けられた照明光源への電力潮流を調整することを含む照明装置制御機能である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ブリッジ装置は、ユーザインターフェースを提供するキーパッドであり、前記ブリッジ機能と無関係である、少なくとも1つの他のホームオートメーション機能は、状態変化を要求するユーザ入力を受け取って、それに応じて制御コマンドを提供することを含むユーザインターフェース機能である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記無線装置は、WLANインターフェースを備えないバッテリー駆動式装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記無線装置は、無線照明器具、無線ライトストリップ、及び無線ブラインドからなるグループから選択された装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記制御装置は、モバイル機器である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記WLANは、Wi-Fiネットワークであり、前記WPANは、ブルートゥースローエナジー(BLE)ネットワークである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
格納されたソフトウェアを有する持続性電子デバイス可読媒体であって、1つ又は複数の電子デバイスで実行された際に前記ソフトウェアは、
ホームオートメーションシステムの無線装置に対する状態変化を要求する入力を、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)において受け取り、
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)が前記ホームオートメーションシステムのブリッジ装置に対する接続を提供するように構成されており且つ利用可能であるか否かを判断し、前記ブリッジ装置が前記無線装置に対して別個であるが接近しており、
前記ブリッジ装置に対する接続を提供するように構成されており且つ利用可能なWLANが存在することに応じて、制御コマンドを、WLAN接続を介して前記ブリッジ装置に送信し、前記ブリッジ装置は、前記無線装置が前記状態変化を実施するように、前記制御コマンドを変換して、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を介して前記無線装置へ送出し、
前記ブリッジ装置に対する接続を提供するようにまだ構成されておらず、それにより利用可能でないWLANに応じて、前記無線装置が前記状態変化を実施するように、制御コマンドを、前記WPANを介して直接的に前記無線装置へ送信する、ように動作可能であり、
別個のブリッジ装置は、1つ又は複数の取り付けられた照明光源への電力潮流を調整することを含む照明装置制御機能、又は状態変化を要求するユーザ入力を受け取って、それに応じて制御コマンドを提供することを含むユーザインターフェース機能も提供する、持続性電子デバイス可読媒体。
【請求項10】
前記ブリッジ装置は、1つ又は複数の取り付けられた照明光源への電力潮流を制御するランプモジュールであり、前記ランプモジュールは、前記1つ又は複数の取り付けられた照明光源への電力潮流を調整することを含む照明装置制御機能を提供する、請求項に記載の持続性電子デバイス可読媒体。
【請求項11】
前記ブリッジ装置は、ユーザインターフェースを提供するキーパッドであり、前記キーパッドは、状態変化を要求するユーザ入力を受け取って、それに応じて制御コマンドを提供することを含むユーザインターフェース機能を提供する、請求項に記載の持続性電子デバイス可読媒体。
【請求項12】
前記無線装置は、無線照明器具、無線ライトストリップ、及び無線ブラインドからなるグループから選択された装置である、請求項に記載の持続性電子デバイス可読媒体。
【請求項13】
前記1つ又は複数の電子デバイスは、モバイル機器を含む、請求項に記載の持続性電子デバイス可読媒体。
【請求項14】
前記WLANは、Wi-Fiネットワークであり、前記WPANは、ブルートゥースローエナジー(BLE)ネットワークである、請求項に記載の持続性電子デバイス可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、装置制御に関し、より具体的には、ホームオートメーションシステムの無線装置の冗長制御用のアーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願
本出願は、2019年9月11日に出願され、Robert P. Madonna他による「Redundant Control for Wireless Devices ina Home Automation System」と題する米国仮特許出願第62/899004号の恩典を請求しており、その内容は、参照により本明細書に全体として組み込まれる。
【0003】
背景情報
住宅および他の建造物がより大きくなり且つより多くの装置で満たされるにつれて、装置制御はますます難しい課題となる。ホームオートメーションシステムは、それらの複雑性を管理するためにますます人気が出てきている。従来、ホームオートメーションシステムは主に、コントローラと制御を受ける装置(例えば、照明装置、電動ブラインド、電子ドアロックなど)との間で通信するために有線接続(例えば、イーサネット(登録商標)、RS-232、DMX/RS-485など)に依存していた。係る有線接続は、高い信頼性があるが、特に既存の建造物にホームオートメーションシステムを設置する際には、著しい設置の課題を引き起こしていた。据付者は一般に、装置のそれぞれとコントローラとの間の壁を通じてケーブルを探る必要があった。この作業は、かなりの時間、労力および費用を必要としていた。
【0004】
有線接続を用いることに関する設置の課題に対処するために、様々なタイプの無線通信が、ホームオートメーションシステムの装置で試みられてきた。幾つかの装置は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)インターフェース(例えば、Wi-Fiインターフェース)と共に構成され、1つ又は複数のアクセスポイント(AP)(例えば、Wi-FiAP)により提供される家庭内WLANに加わっていた。他の装置は、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)アダプター(例えば、ブルートゥースローエナジー(BLE)アダプター)と共に構成され、短距離のWPANを介して通信するように構成されていた。使用可能であるが、各手法は、欠点を有していた。
【0005】
WLAN通信は、AP故障(障害)、低い信号強度および他の問題に起因して信頼できない場合がある。WLANが利用可能でない場合、ユーザは、ホームオートメーションシステムにより制御される装置の状態を変更する(例えば、照明装置を点灯する、自然光を中に入れるために電動ブラインドを開ける、電子ドアロック付きのドアを開錠するなど)ことができない場合がある。これは、不便であるだけでなく、WLAN通信の障害に対処(例えば、APを再起動)して機能を復旧するためのユーザの能力も妨げる場合がある。更に、WLAN通信の使用は、ホームオートメーション装置の設置を複雑にする場合がある。機能的なWLANは、装置の初期構成に使用され得る建造物内で動作している必要がある。これは、特定のプロジェクト作業に不便である場合がある。例えば、新たな建築物において、照明装置が設置される前に、機能的なWLANをセットアップするのは不便である場合がある。更に、WLAN通信の使用は、装置のバッテリー電力の使用に制限を課す。WLANアダプター(例えば、Wi-Fiアダプター)は、かなりのバッテリー容量を消費する場合がある。係る要件は、バッテリー駆動式装置で満たすには困難である可能性がある。
【0006】
更に、WPAN通信は、それ自体の問題を呈示する場合がある。大部分のWPANプロトコルは、現実の社会状況(例えば、BLEに関して10m以下)及び建造物内の貫通しにくい障害物(例えば、壁)の下で短い動作範囲を有する。そのため、WPANがホームオートメーションシステムの制御装置と無線装置との間で使用される場合、制御装置は一般に、かなり近くに存在する必要がある。WPANだけの場合、ユーザは、建造物の遠隔の部屋から又は建造物の外から無線装置を制御することができない場合がある。
【0007】
多数のアーキテクチャがこれらの問題に対処するために試みられてきたが、多くの係るアーキテクチャは、望ましくない複雑さ及び単位コストを追加した。ホームオートメーションシステムが多数の無線装置を含む場合があるので、複雑さと単位コストを最小限に抑えることは、非常に重要である場合がある。
【0008】
従って、ホームオートメーションシステムの無線装置の制御のための改善されたアーキテクチャが必要とされている。アーキテクチャは好適には、高い信頼性および初期の設置中の柔軟性(融通性)も提供しながら、日常的な使用中に長距離の動作を提供する。係るアーキテクチャがかなりの複雑さと単位コストを追加しない場合には、更に望ましい。
【0009】
概要
一実施形態において、WLAN及びWPAN通信の組み合わせを使用する、ホームオートメーションシステムの無線装置(例えば、無線照明器具、無線ライトストリップ、無線ブラインド又は他の無線装置)の冗長制御用のアーキテクチャが提供される。ホームオートメーションシステムの通常動作中、制御装置(例えば、リモコン装置、モバイル機器または他の電子機器)の制御アプリケーション(app)におけるユーザ入力に応答して生成される制御コマンドは、無線装置に接近したブリッジ装置(例えば、ランプモジュール又は無線キーパッド)にWLAN(例えば、Wi-Fi)を介して伝達され、当該ブリッジ装置は、当該コマンドを、WPAN(例えば、BLE)を介して当該無線装置に送出する。利用可能なWLAN接続がない場合(例えば、故障に起因して、その構成の前になど)、制御装置は、WPAN(例えば、BLE)を介して、制御コマンドを当該無線装置に直接的に送ることができる。
【0010】
日常的な動作中、長距離のWLAN通信(例えば、Wi-Fi)が実現されることができ、利用可能なWLANが存在しない時は、当該装置は、制御装置をすぐ近くに持ってくることにより、WPANを用いて依然として制御されることができる。冗長なハードウェアが内部に必要とされない(例えば、当該装置がWLANインターフェース及びWPANアダプターの双方を必要としない)ので、無線装置の複雑さとコストは、最小限に抑えられ得る。更に、ブリッジ装置がブリッジすることとは無関係に他の有用なホームオートメーション機能を提供することができる(例えば、ブリッジ機能とは無関係に、ランプモジュールが照明装置の制御機能を提供することができ、キーパッドがユーザインターフェース機能を提供することができるなど)ので、ブリッジ機能を提供することに関する増分コストは負担され得る。当該技術は、(例えば、Wi-Fiに比べて)WPAN(例えば、BLE)通信の低い電力要件を前提として、バッテリー駆動式無線装置にかなり好都合であることができる。
【0011】
理解されるべきは、様々な追加の特徴および代替の実施形態が実施され得る。本概要は、読者に対する簡単な紹介として単に意図されており、本明細書で言及された例が本発明の全ての態様を網羅する又は本発明の不可欠な又は必須の態様であることを示さず又は暗示しない。
【0012】
以下の説明は、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】少なくとも幾つかの無線装置の冗長制御を特徴にすることができるホームオートメーションシステムの例示的なアーキテクチャのブロック図である。
図2】WPAN(例えば、BLE)に対する無線接続を介して制御コマンドを受け取ることができる例示的な無線ブライドのブロック図である。
図3】WLAN及びWPAN通信の組み合わせを使用するホームオートメーションシステムの無線装置の冗長制御に関する例示的な一連のステップの流れ図である。
【0014】
詳細な説明
定義
本明細書で使用される限り、用語「ホームオートメーションシステム」は、居住施設または商業ビルのような建築物内の装置(例えば、照明装置、ディスプレイ装置、電動ブラインド、HVAC装置および/または他のタイプの装置)を制御することができるホーム(住宅)制御(コントロール)、「スマートホーム」、及び/又は装置制御システムの様々なタイプを包含するように広く解釈されるべきである。
【0015】
本明細書で使用される限り、用語「モバイル機器」は、汎用オペレーティングシステムを実行し、身につけて運ばれるように適合した電子装置を意味する。スマートフォンのような装置は、モバイル機器と考えられるべきである。デスクトップコンピュータ、サーバ又は他の主に定置型のコンピューティング装置は一般に、モバイル機器と考えられるべきでない。
【0016】
本明細書で使用される限り、用語「ブリッジ装置」は、異なる無線通信プロトコルを利用し且つ1つの無線通信プロトコル(例えば、Wi-Fi)を介して制御コマンドを受け取って、別の無線通信プロトコル(例えば、BLE)を介して当該制御コマンドを送出することができる複数の無線インターフェース/アダプターを含むホームオートメーションシステムの装置を意味する。
【0017】
本明細書で使用される限り、用語「接近した(最も近い)」は、別の装置のWPANアダプターの動作範囲内にある特性(プロパティ)を意味する。第2の装置のWPANアダプターの動作範囲内にある装置は、第2の装置に接近したとみなされる。第2の装置のWPANアダプターの動作範囲内にない装置は、第2の装置に接近していないとみなされる。
【0018】
例示的なホームオートメーションシステムのアーキテクチャ
図1は、少なくとも幾つかの無線装置の冗長制御を特徴とすることができるホームオートメーションシステムの例示的なアーキテクチャ100のブロック図である。システムの中心において、ホストコントローラ110が家庭内有線ローカルエリアネットワーク(LAN)105(例えば、イーサネットLAN)に結合され、当該有線LAN105は次いで、家庭内WLANを提供するAP107(例えば、Wi-FiAP)に結合される。
【0019】
ホストコントローラ110は、プロセッサ、メモリ及び記憶装置のようなハードウェア構成要素を含むことができ、それらは全体として、装置120~142の動作を監視して制御し;UI解釈、システム管理および監視を提供し;クラウドサービス180との同期を実行し;アクティビティ記録サービスを提供し;アクティビティ予測サービスを提供し;及び/又は他のタイプの機能を提供するように構成されたホストソフトウェア111を格納して実行する。また、ホストコントローラ110はその記憶装置において、ホームオートメーションシステムにより制御される装置120~142に関する情報を含む構成情報、及び当該装置が提供することができるサービス、並びに装置120~142を制御するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供するリモコン装置150、モバイル機器160及び他の電子装置170に関する情報を格納するホームデータベース112も維持することができる。
【0020】
ホームオートメーションシステムにより制御される装置120~142は、多数の異なる形態をとることができる。装置120~142は、有線LAN105との有線接続(例えば、イーサネットリンク)を介して、相互接続装置126(赤外線(IR)ブラスタ)又は他のタイプの有線または無線リンクを介して、制御コマンドを受け取る、ディスプレイ装置(例えば、テレビ受像機、モニタなど)、A/V装置コントローラ、メディアサーバ、オーディオアンプ、ケーブルボックス、及び同種のもののようなオーディオ装置122及びビデオ装置124(ひとまとめにして、A/V装置)を含むことができる。また、装置120~142は、有線照明器具128及びコントローラ135(例えば、制御用の有線接続でコントローラに結合された発光ダイオード(LED)器具);無線照明器具129(例えば、制御用の無線接続を有するLED器具);無線ライトストリップ130及びドライバ132(例えば、制御用の有線接続でドライバに結合されたLEDストリップ);無線ライトストリップ131(例えば、制御用の無線接続を有するLEDライトストリップ);無線ランプモジュール133(即ち、電気コード(例えば、家庭用120/240V電気コード)を介して、ランプ134のような照明光源に結合され、無線接続を介して受信した制御コマンドに応答して、1つ又は複数の取り付けられた照明光源への電力潮流を調整するモジュール);及び同種のもののような照明装置も含むことができる。
【0021】
上記で示されたように、幾つかの照明装置(例えば、照明コントローラ135)は、有線接続を介して、コマンドを受け取って制御信号を提供することができる。例えば、照明コントローラ135は、有線LAN105に対するイーサネットリンクを介してコマンドを受け取り、1つ又は複数の他の有線接続(例えば、DMX/RS-485、2本電線の0-10V配線など)を介して、個々の照明器具128及びライトストリップ130へ制御信号を提供することができる。他の照明装置は、WLAN(例えば、Wi-Fi)又はWPAN(例えば、BLE)に対する無線接続を介して、制御コマンドを受け取ることができる。例えば、ランプモジュール133は、WLAN(例えば、Wi-Fi)105に対する無線接続を介して制御コマンドを受け取ることができる。同様に、更に他の照明装置は、WPAN(例えば、BLE)を介して制御コマンドを受け取ることができる。例えば、無線照明器具129及び無線ライトストリップ131は、WPAN(例えば、BLE)を介して制御コマンドを受け取ることができる。少なくも幾つかの照明装置(例えば、ランプモジュール133)は、照明機能に加えて、ブリッジ機能(例えば、WLAN(例えば、Wi-Fi)を介してコマンドを受け取り、WPAN(例えば、BLE)を介して当該コマンドを無線装置へ送出する)を提供することができる。
【0022】
また、装置120~142は、キーパッド136、キーパッドコントローラ138及び無線キーパッドのような、インターフェース装置も含むことができる。幾つかのインターフェース装置(例えば、キーパッド136)は、状態変更を要求するユーザ入力を受け取って、有線接続(例えば、RS-485)を介して制御コマンドを他のインターフェース装置(例えば、キーパッドコントローラ138)に提供し、当該他のインターフェース装置は、当該制御コマンドを翻訳(変換)して他の有線接続(例えば、LAN105)を介して送出する。他のインターフェース装置は、状態変更を要求するユーザ入力を受け取って、WLAN(例えば、Wi-Fi)のような無線接続を介して制御コマンドを提供することができる。例えば、無線キーパッド137は、WLAN(例えば、Wi-Fi)に対する無線接続を介して、制御コマンドを提供することができる。場合によっては、インターフェース装置は、照明器具128のような1つ又は複数の取り付けられた照明光源に直接的に結合されて、状態変更を要求するユーザ入力に応答して当該照明光源への電力潮流を調整することができる。例えば、無線キーパッド137は、(例えば、家庭用120/240V配線を介して)1つ又は複数の照明器具128に結合されて、当該照明器具128への電力潮流を調整することができる。少なくとも幾つかのインターフェース装置(例えば、無線キーパッド137)は、ユーザインターフェース機能(及び潜在的な照明装置の制御機能)に加えて、ブリッジ機能(例えば、WLAN(例えば、Wi-Fi)を介してコマンドを受け取って、WPAN(例えば、BLE)を介して当該コマンドを無線装置に送出する)を提供することができる。
【0023】
また、装置120~142は、モータ及び/又はリレー作動式装置も含むことができる。幾つかのモータ及び/又はリレー作動式装置(例えば、ブラインドコントローラ142)は、有線接続を介して、コマンドを受け取って制御信号を提供することができる。例えば、ブラインドコントローラ142は、有線LAN105に対するイーサネットリンクを介してコマンドを受け取って、他の有線接続(例えば、RS-485)を介して個々のブラインド140と接続して機能することができる。他のモータ及び/又はリレー作動式装置は、無線接続を介して、例えば、WPAN(例えば、BLE)を介して、制御コマンドを受け取ることができる。例えば、無線ブラインド141は、WPAN(例えば、BLE)に対する無線接続を介して制御コマンドを受け取ることができる。これらWPAN信号は、WLAN(例えば、Wi-Fi)を介してコマンドを受け取って、WPANを介して当該コマンドを装置に送出する、装置に接近したブリッジ装置(例えば、ランプモジュール133又は無線キーパッド137)により提供され得る。
【0024】
理解されるべきは、図1に示されたWPAN(BLE)無線照明装置(例えば、無線照明器具129、及び無線ライトストリップ131)及び無線モータ及び/又はリレー作動式装置(例えば、無線ブラインド141)に加えて、様々な他のタイプの無線装置(例えば、セキュリティー機器、冷暖房空調設備(HVAC)装置、インターフェース装置、電子ドアロックなど)が、WPAN(例えば、BLE)を介して制御コマンドを受け取ることができる。
【0025】
ユーザは、リモコン装置150を用いて、ホームオートメーションシステム100の装置120~142を制御することができる。リモコン装置150は、タッチセンサ式表示画面、物理的ボタン、WLANインターフェース(例えば、Wi-Fiインターフェース)、WPANアダプター(例えば、BLEアダプター)、プロセッサ、メモリ及び記憶装置を含むことができ、当該プロセッサ、メモリ及び記憶装置は、ホストコントローラ110及びクラウドサービス180と接続して機能するように構成された制御appを格納して実行する。リモコン装置150の制御appは、幾つかある機能の中で、ホームオートメーションシステム100の装置120~142を制御するための制御コマンドをトリガするためのユーザインターフェースを画面に呈示することができる。
【0026】
また、ユーザは、モバイル機器160を用いて、ホームオートメーションシステム100の装置120~142を制御することもできる。モバイル機器160は、タッチセンサ式表示画面、WLANインターフェース(例えば、Wi-Fiインターフェース)、WPANアダプター(例えば、BLEアダプター)、プロセッサ、メモリ及び記憶装置を含むことができ、当該プロセッサ、メモリ及び記憶装置は、ホストコントローラ110及び/又はクラウドサービス180と接続して機能するように構成された制御app162を格納して実行する。モバイル機器160の制御appは、幾つかある機能の中で、ホームオートメーションシステム100の装置120~142を制御するための制御コマンドをトリガするためのユーザインターフェースを画面に呈示することができる。
【0027】
更に、ユーザは、タブレット型コンピュータ、専用タッチスクリーンユニット、又は他の電子装置170を用いて、ホームオートメーションシステム100の装置120~142を制御することができる。電子装置170は、表示画面(例えば、タッチセンサ式、非タッチセンサ式など)、入力装置、WLANインターフェース(例えば、Wi-Fiインターフェース)、WPANアダプター(例えば、BLEアダプター)、プロセッサ、メモリ及び記憶装置を含むことができ、当該プロセッサ、メモリ及び記憶装置は、ホストコントローラ110及び/又はクラウドサービス180と接続して機能するように構成された制御app162を格納して実行する。電子装置170の制御appは、幾つかある機能の中で、ホームオートメーションシステム100の装置120~142を制御するための制御コマンドをトリガするためのユーザインターフェースを画面に呈示することができる。
【0028】
幾つかの装置(例えば、ホストコントローラ110、モバイル機器160、他の電子装置170など)は、インターネット175を介して、クラウドサービス180及びそのホスト・アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)182及びモバイルAPI184と通信することができる。クラウドサービス180は、ホームオートメーション制御に対する遠隔アクセス;ホームデータベース130の持続性バックアップ(例えば、構成データベース186にデータを格納する);サードパーティのインフラストラクチャーに対するインターフェース(例えば、サードパーティのアダプター188を介して);ユーザプロファイル及び使用状況追跡(例えば、ユーザデータベース189にデータを格納する);無線アップデート用の機構;ホストのクラッシュ報告;許諾管理;並びに様々な他の機能を提供することができる。
【0029】
図2は、WPAN(例えば、BLE)に対する無線接続を介して、制御コマンドを受け取ることができる無線ブラインド141のブロック図である。無線ブラインド141は、外部または内部に存在することができる電源210(例えば、AC/DC電源)、及び電力を適切な電圧と電流に変換する電力変換装置220を利用する。電力は、モータ制御プロセッサ240、及びアンテナ260に結合された無線アダプター250を含むコントローラ基板230に供給される。無線アダプター250は、WPAN(例えば、BLE)プロセッサを含むことができ、当該WPANプロセッサは、アンテナ260を介して受け取った制御コマンドを解釈して、並列通信またはシリアル通信(例えば、I2C、SPI、UARTなど)を介してそれらをモータ制御プロセッサ240に送り、当該モータ制御プロセッサ240は、変換機構でもってそれらを信号に変換し、当該信号により、ブラインドアセンブリ(図示せず)に取り付けられたモータ270が駆動されて、当該ブラインドを上げ下げするための特定の持続時間にわたって、特定の速度で特定の方向に当該モータが回転する。モータ270は、デジタルモータ又は他のタイプの制御可能なモータであることができる。
【0030】
図3は、WLAN及びWPAN通信の組み合わせを用いるホームオートメーションシステムの無線装置の冗長制御に関する例示的な一連のステップの流れ図である。ステップ310において、無線装置(例えば、無線照明器具129、無線ライトストリップ131、無線ブラインド141又は他の無線装置142)に対する状態変更を要求する入力が、制御装置(例えば、リモコン装置150、モバイル機器160又は他の電子装置170)で実行されている制御appのGUIにおいて、ユーザから受け取られる。ステップ320において、制御appは、使用され得る無線装置に別個であるが接近したブリッジ装置(例えば、ランプモジュール133又は無線キーパッド137)に対する利用可能なWLAN接続(例えば、Wi-Fi接続)が存在するか否かを判断する。そうだとしたら、ステップ330において、制御appにより、制御装置は、無線装置に接近したブリッジ装置(例えば、ランプモジュール133又は無線キーパッド137)に制御コマンドを送信する。ステップ340において、ブリッジ装置(例えば、ランプモジュール133又は無線キーパッド137)は、当該制御コマンドを、変換して、WPAN(例えば、BLE)を介して無線装置に送出する。ステップ350において、無線装置のWPANアダプター(例えば、BLEアダプター)は、制御コマンドを受け取り、所望の状態変化を実施する適切な回路にそれらを送出する(例えば、無線ブラインド141において、モータ270を駆動するモータ制御プロセッサ250へ)。次いで、システムは待機し、GUIにおいてユーザからの追加入力が受け取られた際にステップ310にループバックして、当該ステップが繰り返される。
【0031】
ステップ320に戻って、利用可能なWLANが存在しない場合(例えば、障害(故障)に起因して、その構成の前でなど)、実行はステップ360に進み、ステップ360において、制御appにより、制御装置は、WPAN(例えば、BLE)を介して、制御コマンドを直接的に無線装置に送信することを試みる。制御装置が無線装置に接近している場合、係る試みは成功するはずである。そのように仮定して、ステップ370において、無線装置のWPANアダプター(例えば、BLEアダプター)は、制御コマンドを受け取って、所望の状態変化を実施する適切な回路にそれらを送出する(例えば、無線ブラインド141において、モータ270を駆動するモータ制御プロセッサ250へ)。次いで、システムは待機し、GUIにおいてユーザからの追加入力が受け取られた際にステップ310にループバックして、当該ステップが繰り返される。
【0032】
要約すれば、WLAN及びWPAN通信の組み合わせを使用する、ホームオートメーションシステムの無線装置の冗長制御のアーキテクチャが、提供される。上記の説明は何らかの特定の例を使用するが、多数の変更および/または追加がそれらに行われ得ることは明らかである。例えば、故障(障害)に起因して、利用可能なWLAN接続(例えば、Wi-Fi接続)が存在しない場合に、無線装置(例えば、無線照明器具129、無線ライトストリップ131、無線ブラインド141又は他の無線装置142)に対するWPAN(例えば、BLE)通信が冗長性を提供するために使用され得ることに関して説明されたが、WPANは場合によっては、利用可能なWLAN接続が存在する場合でさえも、使用され得る。例えば、据付者は、初期の構成中に、据付者の制御装置(例えば、モバイル機器または据付者により操作される他の電子装置)と設定(例えば、制限、速度、方向など)を構成するための無線装置との間で、WPAN通信(例えば、BLE)を使用することができる。システムのエンドユーザは、その後、WLAN(例えば、Wi-Fi)を介して制御コマンドを、無線装置に接近したブリッジ装置に送り、当該ブリッジ装置がWPAN(例えば、BLE)を介して当該無線装置に送出するために、エンドユーザの制御装置を主に用いることにより、当該無線装置を制御することができる。同様に、当該技術は、利用可能なWLAN接続(例えば、Wi-Fi接続)が存在する場合でさえも、拡張可能なホームオートメーションシステムの一部としての初期のオプションとして使用され得る。例えば、ホームオートメーションシステムは最初に、制御装置と無線装置との間でWPAN(例えば、BLE)を使用するために構成され得る。その後、ホームオートメーションシステム100は、ブリッジ装置(例えば、ランプモジュール133又は無線キーパッド137)及び潜在的な他の装置(例えば、ホストコントローラ110)を追加するようにアップグレードされることができ、制御装置と無線装置との間の通信は、WLAN(例えば、Wi-Fi)を介して無線装置に接近したブリッジ装置に伝達し、WPAN(例えば、BLE)を介して無線装置に送出することによって行われ得る。
【0033】
更に、上記の説明は、WPANプロトコルの一例としてBLEを検討しているが、理解されるべきは、WPANは、多種多様の他のプロトコル(例えば、通常のブルートゥース、IrDA、無線USB、ZigBee、及び他のプロトコル)を使用することができる。
【0034】
更に、理解されるべきは、上述された多くの動作およびステップは、ハードウェア、ソフトウェア(ソフトウェアを含む持続性電子デバイス可読媒体として具現化される)、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実現され得る。持続性電子デバイス可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)のようなメモリ、ハードドライブ又はフラッシュドライブのようなディスク、又は他の有形の記憶媒体の形態をとることができる。一般に、理解されるべきは、上記の説明は、単なる例示として解釈されることが意図されている。
図1
図2
図3