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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】通信装置およびネットワークデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/40 20150101AFI20240918BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20240918BHJP
   H04B 1/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H04B1/40
H04L27/26 300
H04L27/26 400
H04B1/00 250
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022540548
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 CN2019130510
(87)【国際公開番号】W WO2021134478
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲海▼正
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 明金
(72)【発明者】
【氏名】李 侃
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-034049(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0089452(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110620591(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107395244(CN,A)
【文献】特開2019-153959(JP,A)
【文献】国際公開第2017/204348(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/40
H04L 27/26
H04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
第1の送信処理回路と、前記第1の送信処理回路に接続された第1の送信フィルタとを備え、
前記第1の送信処理回路は、第1の送信周波数帯域の信号および第2の送信周波数帯域の信号を生成するように構成され、前記第1の送信周波数帯域と前記第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第1の閾値以下であり、
前記第1の送信フィルタは、前記第1の送信処理回路によって生成された信号をフィルタリングして、前記第1の送信周波数帯域の前記信号および/または前記第2の送信周波数帯域の前記信号を取得するように構成され
前記第1の送信周波数帯域と前記第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔が前記第1の閾値以下である場合、前記第1の送信周波数帯域と前記第2の送信周波数帯域とは、前記第1の送信処理回路および前記第1の送信フィルタを共有するための1つの周波数帯域として使用可能な2つの隣接する周波数帯域である、通信装置。
【請求項2】
前記第1の送信周波数帯域は758MHz~788MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第2の送信周波数帯域は791MHz~821MHzの周波数帯域の一部を含む、または
前記第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第2の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含む、または
前記第1の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む、または
前記第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1の送信周波数帯域は758MHz~788MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第2の送信周波数帯域は791MHz~821MHzの周波数帯域の一部を含み、前記通信装置は、第2の送信処理回路と、前記第2の送信処理回路に接続された第2の送信フィルタとをさらに備え、
前記第2の送信処理回路は、第3の送信周波数帯域の信号を生成するように構成され、前記第3の送信周波数帯域と前記第1の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は前記第1の閾値よりも大きく、前記第3の送信周波数帯域と前記第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は前記第1の閾値よりも大きく、前記第3の送信周波数帯域は925MHz~960MHzの周波数帯域の一部を含み、
前記第2の送信フィルタは、前記第2の送信処理回路によって生成された信号をフィルタリングして、前記第3の送信周波数帯域の前記信号を取得するように構成され、前記第1の送信フィルタおよび前記第2の送信フィルタは同じマルチプレクサに含まれる、請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、第1の受信処理回路と、前記第1の受信処理回路に接続された第1の受信フィルタとをさらに備え、
前記第1の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第1の受信周波数帯域の信号および第2の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、前記第1の受信周波数帯域と前記第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値以下であり、前記第1の受信周波数帯域は832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第2の受信周波数帯域は880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含み、
前記第1の受信処理回路は、前記第1の受信フィルタによって入力される前記第1の受信周波数帯域の前記信号および前記第2の受信周波数帯域の前記信号を受信するように構成され
前記第1の受信周波数帯域と前記第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔が前記第2の閾値以下である場合、前記第1の受信周波数帯域と前記第2の受信周波数帯域とは、前記第1の受信処理回路および前記第1の受信フィルタを共有するための1つの周波数帯域として使用可能な2つの隣接する周波数帯域である、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、第2の受信処理回路と、前記第2の受信処理回路に接続された第2の受信フィルタとをさらに備え、
前記第2の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第3の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、前記第3の受信周波数帯域と前記第1の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は前記第2の閾値よりも大きく、前記第3の受信周波数帯域と前記第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は前記第2の閾値よりも大きく、前記第3の受信周波数帯域は703MHz~733MHzの周波数帯域の一部を含み、
前記第2の受信処理回路は、前記第2の受信フィルタによって入力される前記第3の受信周波数帯域の前記信号を受信するように構成される、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第1の送信処理回路は、第4の送信周波数帯域の信号を生成するようにさらに構成され、前記第4の送信周波数帯域と前記第1の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は前記第1の閾値以下であり、前記第4の送信周波数帯域と前記第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は前記第1の閾値以下であり、
前記第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第2の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第4の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの前記周波数帯域の一部を含む、または
前記第1の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第4の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含む、または
前記第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第4の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、
前記第1の送信フィルタは、前記第1の送信処理回路によって生成された信号をフィルタリングして、前記第4の送信周波数帯域の前記信号を取得するようにさらに構成される、請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項7】
前記第1の送信処理回路は、前記第1の送信周波数帯域の前記信号、前記第2の送信周波数帯域の前記信号、および前記第4の送信周波数帯域の前記信号を生成するように特に構成され、
前記第1の送信フィルタは、前記第1の送信処理回路によって生成された信号をフィルタリングして、前記第1の送信周波数帯域の前記信号、前記第2の送信周波数帯域の前記信号、および前記第4の送信周波数帯域の前記信号を取得するように特に構成される、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置は、第3の受信処理回路と、前記第3の受信処理回路に接続された第3の受信フィルタとをさらに備え、
前記第3の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第4の受信周波数帯域の信号および第5の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、前記第4の受信周波数帯域と前記第5の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値以下であり、前記第4の受信周波数帯域は777MHz~787MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第5の受信周波数帯域は788MHz~798MHzの周波数帯域の一部を含み、
第3の受信処理回路は、第3の受信フィルタによって入力される前記第4の受信周波数帯域の前記信号および前記第5の受信周波数帯域の前記信号を受信するように構成され
前記第4の受信周波数帯域と前記第5の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔が前記第2の閾値以下である場合、前記第4の受信周波数帯域と前記第5の受信周波数帯域とは、前記第3の受信処理回路および前記第3の受信フィルタを共有するための1つの周波数帯域として使用可能な2つの隣接する周波数帯域である、請求項6または7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信装置は、第4の受信処理回路と、前記第4の受信処理回路に接続された第4の受信フィルタとをさらに備え、
前記第4の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第6の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、
前記第6の受信周波数帯域と前記第4の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は前記第2の閾値よりも大きく、前記第6の受信周波数帯域と前記第5の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は前記第2の閾値よりも大きく、前記第6の受信周波数帯域は699MHz~716MHzの周波数帯域の一部を含み、前記第3の受信フィルタおよび前記第4の受信フィルタは同じマルチプレクサに含まれ、
前記第4の受信処理回路は、前記第4の受信フィルタによって入力される前記第6の受信周波数帯域の前記信号を受信するように構成される、請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の通信装置を備える、ネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信分野に関し、詳細には、通信装置およびネットワークデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術は、アナログ通信からデジタル通信、シングルキャリア(single-carrier)通信からマルチキャリア(multi-carrier)通信、およびシングルモード(single-mode)通信からマルチモード(multi-mode)通信への発展を経験している。現在、マルチ周波数帯域(multi-frequency band)通信技術は、主要な通信機器売り主および研究機関の新しい研究のホットスポットになっている。
【0003】
周波数帯域は、特定の帯域幅に分散されたスペクトルリソースを指し、マルチ周波数帯域は、2つ以上の周波数帯域の組み合わせである。例えば、ユニバーサル移動通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)では、Band 1のダウンリンク周波数帯域は2110MHz~2170MHzであり、Band 1のアップリンク周波数帯域は1920MHz~1980MHzである。時分割同期符号分割多元接続(Time Division-Synchronous Code Division Multiple Access、TD-SCDMA)技術では、周波数帯域Aは1880MHz~1900MHzであり、周波数帯域Bは2010MHz~2025MHzである。
【0004】
マルチ周波数通信は、複数の周波数帯域で無線周波数信号を送受信するためにマルチ周波数送受信機(Transceiver)を使用することができる。しかしながら、現在主流のマルチ周波数送受信機は、通常、サイズが大きく、コストが高いという欠点を有する。したがって、低コストで小型のマルチ周波数通信装置の研究が必要となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態は、小型で低コストの通信装置およびネットワークデバイスを提供する。
【0006】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、第1の送信処理回路と、第1の送信処理回路に接続された第1の送信フィルタとを含む通信装置を提供する。第1の送信処理回路は、第1の送信周波数帯域の信号および第2の送信周波数帯域での信号を出力するように構成され、第1の送信周波数帯域と第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は、第1の閾値以下である。第1の送信周波数帯域は758MHz~788MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は791MHz~821MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む。第1の送信フィルタは、第1の送信処理回路によって出力された信号をフィルタリングして、第1の送信周波数帯域の信号および/または第2の送信周波数帯域の信号を取得するように構成される。
【0007】
任意選択で、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域は、3GPP(登録商標)によって定義された異なる送信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域は、2つの独立した送信周波数帯域である。例えば、第1の送信周波数帯域は758MHz~788MHzであり、第2の送信周波数帯域は791MHz~821MHzである。例えば、第1の送信周波数帯域は760MHz~775MHzであり、第2の送信周波数帯域は800MHz~815MHzである。本出願のこの実施形態では、通信装置は、1つの送信処理回路および1つの送信フィルタを使用して2つの独立した送信周波数帯域で信号を送信する、すなわち、2つの送信周波数帯域の信号は、1つの送信処理回路および1つの送信フィルタを共有する。通信装置は、比較的小型で低コストである。
【0008】
任意選択の実装方法では、第1の送信周波数帯域は758MHz~788MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は791MHz~821MHzの周波数帯域の一部を含む。通信装置は、第2の送信処理回路と、第2の送信処理回路に接続された第2の送信フィルタとをさらに含み、第2の送信処理回路は、第3の送信周波数帯域の信号を出力するように構成され、第3の送信周波数帯域と第1の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は、第1の閾値よりも大きく、第3の送信周波数帯域と第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は、第1の閾値よりも大きく、第3の送信周波数帯域は、925MHz~960MHzの周波数帯域の一部を含む。第2の送信フィルタは、第2の送信処理回路によって出力された信号をフィルタリングして、第3の送信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第1の送信フィルタおよび第2の送信フィルタは同じマルチプレクサに含まれる。
【0009】
任意選択で、第1の送信周波数帯域、第2の送信周波数帯域、および第3の送信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる送信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の送信周波数帯域、第2の送信周波数帯域、および第3の送信周波数帯域は、3つの独立した送信周波数帯域である。任意選択で、第1の送信処理回路および第1の送信フィルタは1つの送信機に対応し、第2の送信処理回路および第2の送信フィルタは別の送信機に対応する。通信装置内の2つの送信機を使用して、3つの独立した送信周波数帯域で信号を送信することができることを理解されたい。この実装方法では、通信装置は、2つの送信処理回路および2つの送信フィルタを使用して、3つの独立した送信周波数帯域で信号を送信する。送信フィルタの数は少なく、したがって、通信装置は比較的小型で低コストである。
【0010】
任意選択の実装方法では、通信装置は、第1の受信処理回路と、第1の受信処理回路に接続された第1の受信フィルタとをさらに含む。第1の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第1の受信周波数帯域の信号および第2の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第1の受信周波数帯域と第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値以下であり、第1の受信周波数帯域は832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の受信周波数帯域は880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含む。第1の受信処理回路は、第1の受信フィルタによって入力される第1の受信周波数帯域の信号および第2の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。
【0011】
任意選択で、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる受信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域は、2つの独立した受信周波数帯域である。この実装方法では、通信装置は、2つの送信処理回路および2つの送信フィルタを使用して3つの独立した送信周波数帯域で信号を送信し、1つの受信処理回路および1つの受信フィルタを使用して2つの独立した受信周波数帯域で信号を受信する。フィルタの数は少なく、したがって、通信装置は比較的小型で低コストである。
【0012】
任意選択の実装方法では、通信装置は、第2の受信処理回路と、第2の受信処理回路に接続された第2の受信フィルタとをさらに含む。第2の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第3の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第3の受信周波数帯域と第1の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きく、第3の受信周波数帯域と第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きく、第3の受信周波数帯域は703MHz~733MHzの周波数帯域の一部を含む。第2の受信処理回路は、第2の受信フィルタによって入力される第3の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。
【0013】
任意選択で、第1の受信周波数帯域、第2の受信周波数帯域、および第3の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる受信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の受信周波数帯域、第2の受信周波数帯域、および第3の受信周波数帯域は、3つの独立した受信周波数帯域である。任意選択で、第1の受信処理回路および第1の受信フィルタは1つの受信機に対応し、第2の受信処理回路および第2の受信フィルタは別の受信機に対応する。通信装置内の2つの受信機は、3つの独立した受信周波数帯域で信号を受信することができることを理解されたい。この実装方法では、通信装置は、2つの送信処理回路および2つの送信フィルタを使用して3つの独立した送信周波数帯域で信号を送信し、2つの受信処理回路および2つの受信フィルタを使用して3つの独立した受信周波数帯域で信号を受信する。フィルタの数は少なく、したがって、通信装置は比較的小型で低コストである。
【0014】
任意選択の実装方法では、第1の送信処理回路は、第4の送信周波数帯域の信号を出力するようにさらに構成され、第4の送信周波数帯域と第1の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第1の閾値以下であり、第4の送信周波数帯域と第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第1の閾値以下である。第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第4の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、第4の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、第4の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含む。第1の送信フィルタは、第1の送信処理回路によって出力された信号をフィルタリングして、第4の送信周波数帯域の信号を取得するようにさらに構成される。任意選択で、第4の送信周波数帯域は、3GPPによって定義された完全な周波数帯域である。
【0015】
任意選択で、第1の送信周波数帯域、第2の送信周波数帯域、および第4の送信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる送信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の送信周波数帯域、第2の送信周波数帯域、および第4の送信周波数帯域は、3つの独立した送信周波数帯域である。この実装形態では、通信装置は、1つの送信処理回路および1つの送信フィルタを使用して3つの独立した送信周波数帯域で信号を送信する、すなわち、3つの送信周波数帯域の信号は、1つの送信処理回路および1つの送信フィルタを共有する。通信装置は、比較的小型で低コストである。
【0016】
任意選択の実装方法では、第1の送信処理回路は、第1の送信周波数帯域の信号、第2の送信周波数帯域の信号、および第4の送信周波数帯域の信号を出力するように特に構成される。第1の送信フィルタは、第1の送信処理回路によって出力された信号をフィルタリングして、第1の送信周波数帯域の信号、第2の送信周波数帯域の信号、および第4の送信周波数帯域の信号を取得するように特に構成される。
【0017】
任意選択の実装方法では、通信装置は、第3の受信処理回路と、第3の受信処理回路に接続された第3の受信フィルタとをさらに含む。第3の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第4の受信周波数帯域の信号および第5の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第4の受信周波数帯域と第5の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値以下である。第4の受信周波数帯域は、777MHz~787MHzの周波数帯域の一部を含み、第5の受信周波数帯域は、788MHz~798MHzの周波数帯域の一部を含む。第3の受信処理回路は、第3の受信フィルタによって入力される第4の受信周波数帯域の信号および第5の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。
【0018】
任意選択で、第4の受信周波数帯域および第5の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる受信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第4の受信周波数帯域および第5の受信周波数帯域は、2つの独立した受信周波数帯域である。任意選択で、第3の受信処理回路および第4の受信フィルタは1つの受信機に対応する。通信装置内の1つの受信機は、2つの独立した受信周波数帯域で信号を受信することができることを理解されたい。この実装方法では、通信装置は、2つの送信処理回路および2つの送信フィルタを使用して3つの独立した送信周波数帯域で信号を送信し、1つの受信処理回路および1つの受信フィルタを使用して2つの独立した受信周波数帯域で信号を受信する。フィルタの数は少なく、したがって、通信装置は比較的小型で低コストである。
【0019】
任意選択の実装方法では、通信装置は、第4の受信処理回路と、第4の受信処理回路に接続された第4の受信フィルタとをさらに含む。第4の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第6の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第6の受信周波数帯域と第4の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きく、第6の受信周波数帯域と第5の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きく、第6の受信周波数帯域は699MHz~716MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の受信フィルタおよび第4の受信フィルタは同じマルチプレクサに含まれる。第4の受信処理回路は、第4の受信フィルタによって入力される第6の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。
【0020】
任意選択で、第4の受信周波数帯域、第5の受信周波数帯域、および第6の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる受信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第4の受信周波数帯域、第5の受信周波数帯域、および第6の受信周波数帯域は、3つの独立した受信周波数帯域である。この実装方法では、通信装置は、2つの送信処理回路および2つの送信フィルタを使用して3つの独立した送信周波数帯域で信号を送信し、2つの受信処理回路および2つの受信フィルタを使用して3つの独立した受信周波数帯域で信号を受信する。フィルタの数は少なく、したがって、通信装置は比較的小型で低コストである。
【0021】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は、第1の受信処理回路と、第1の受信処理回路に接続された第1の受信フィルタとを含む通信装置を提供する。第1の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第1の受信周波数帯域の信号および第2の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第1の受信周波数帯域と第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値以下である。第1の受信周波数帯域は832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の受信周波数帯域は880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の受信周波数帯域は777MHz~787MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の受信周波数帯域は788MHz~798MHzの周波数帯域の一部を含む。第1の受信処理回路は、第1の受信フィルタによって入力される第1の受信周波数帯域の信号および第2の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。
【0022】
任意選択で、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された独立した異なる受信周波数帯域に別々に含まれる。本出願のこの実施形態では、通信装置は、1つの受信処理回路および1つの受信フィルタを使用して2つの独立した受信周波数帯域で信号を受信する、すなわち、2つの受信周波数帯域の信号は、1つの受信処理回路および1つの受信フィルタを共有する。通信装置は、比較的小型で低コストである。
【0023】
任意選択の実装方法では、通信装置は、第2の受信処理回路と、第2の受信処理回路に接続された第2の受信フィルタとをさらに含む。第2の受信フィルタは、入力信号をフィルタリングして、第3の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第3の受信周波数帯域と第1の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は、第2の閾値よりも大きく、第3の受信周波数帯域と第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きく、第1の受信周波数帯域は832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の受信周波数帯域は880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の受信周波数帯域は703MHz~733MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の受信周波数帯域は777MHz~787MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の受信周波数帯域は788MHz~798MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の受信周波数帯域は699MHz~716MHzの周波数帯域の一部を含む。第2の受信処理回路は、第2の受信フィルタによって入力される第3の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。
【0024】
任意選択で、第1の受信周波数帯域、第2の受信周波数帯域、および第3の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる受信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の受信周波数帯域、第2の受信周波数帯域、および第3の受信周波数帯域は、3つの独立した受信周波数帯域である。任意選択で、第1の受信処理回路および第1の受信フィルタは1つの受信機に対応し、第2の受信処理回路および第2の受信フィルタは別の受信機に対応する。通信装置内の2つの受信機は、3つの独立した受信周波数帯域で信号を受信することができることを理解されたい。この実装方法では、通信装置は、2つの受信処理回路および2つの受信フィルタを使用して、3つの独立した受信周波数帯域で信号を受信する。送信フィルタの数は少なく、通信装置は比較的小型で低コストである。
【0025】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は、ネットワークデバイスを提供する。ネットワークデバイスは、第1の態様から第2の態様のいずれか1つによる通信装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】3GPPによって定義された送信周波数帯域および受信周波数帯域の分布の部分概略図である。
図2】3GPPによって定義された送信周波数帯域および受信周波数帯域の分布の別の部分概略図である。
図3】本出願の一実施形態による通信装置30の構造の概略図である。
図4】本出願の一実施形態による別の通信装置40の構造の概略図である。
図5】本出願の一実施形態による別の通信装置50の構造の概略図である。
図6】本出願の一実施形態による別の通信装置60の構造の概略図である。
図7】本出願の一実施形態によるクワッドプレクサの帯域通過の概略図である。
図8】本出願の一実施形態による別の通信装置80の構造の概略図である。
図9】本出願の一実施形態による別の通信装置90の構造の概略図である。
図10】本出願の一実施形態によるトリプレクサの帯域通過の概略図である。
図11】本出願の一実施形態による別の通信装置110の構造の概略図である。
図12】本出願の一実施形態による別の通信装置120の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
当業者に本出願の実施形態において提供される解決策をよりよく理解させるために、以下で、本出願の実施形態における添付の図面を参照して本出願の実施形態における技術的解決策を明確に説明する。記載されている実施形態が本出願の実施形態の一部に過ぎず、全てではないことは、明らかである。
【0028】
本出願の明細書、特許請求の範囲および添付の図面の実施形態において、用語「第1」、「第2」などは、同様の物を区別することが意図されているが必ずしも特定の順序または順番を示すものではない。加えて、「含む」、「有する」、およびそれらの変形形態の用語は、例えば、一連のステップまたはユニットを含む、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。方法、システム、製品、またはデバイスは必ずしも、文字通りに列挙されたそのようなステップまたはユニットに限定されず、文字通りに列挙されていないか、またはそのようなプロセス、方法、製品、もしくはデバイスに固有の他のステップまたはユニットを含む場合がある。
【0029】
背景技術で説明したように、現在主流のマルチ周波数送受信機は、通常、サイズが大きく、コストが高いという欠点を有する。したがって、低コストで小型のマルチ周波数通信装置の研究が必要となる。本願の実施形態において提供される通信装置は、処理回路(送信処理回路または受信処理回路)およびフィルタ(送信フィルタまたは受信フィルタ)を使用して、2つ以上の独立した周波数帯域で信号を送信または受信する。言い換えれば、2つ以上の独立した周波数帯域の信号は、同じ処理回路および同じフィルタ(送信機または受信機に対応する)を共有する。本出願の実施形態において提供される通信装置のフィルタの数は、別のマルチ周波数通信装置におけるフィルタの数よりも少ないため、本出願の実施形態において提供される通信装置は、より低いコストで、より小さいサイズを有する。加えて、本出願の実施形態において提供される通信装置はフィルタの数が少ないため、フィルタの組み合わせのための経路の数が少なく、マルチプレクサを実装し易い。
【0030】
1つの処理回路および1つのフィルタを使用して本出願の実施形態において提供される通信装置によって処理される2つ以上の独立した周波数帯域は、2つ以上の独立した周波数帯域の任意の2つの隣接する周波数帯域間の帯域幅間隔が第1の閾値未満であることを特徴とする。任意選択で、上述の2つ以上の独立した周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる周波数帯域に別々に含まれる、すなわち、任意の2つの周波数帯域は、3GPPによって定義された同じ周波数帯域に含まれない。第1の閾値は、0MHz、3MHz、5MHz、10MHz、20MHzなどであり得る。これは本出願では限定されない。上述の2つ以上の独立した周波数帯域における任意の2つの隣接する周波数帯域間の帯域幅間隔は第1の閾値未満であるため、これらの独立した周波数帯域は、同じ処理回路および同じフィルタを共有するための1つの周波数帯域として使用され得る。上述の2つ以上の独立した周波数帯域は第1の周波数帯域、第2の周波数帯域、および第3の周波数帯域であり、第1の周波数帯域、第2の周波数帯域、および第3の周波数帯域に対応する周波数が徐々に増加または減少すると仮定すると、3つの周波数帯域における任意の2つの隣接する周波数帯域間の帯域幅間隔に対して、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域との間の帯域幅間隔、および第2の周波数帯域と第3の周波数帯域との間の帯域幅間隔が存在する。2つの周波数帯域間の帯域幅間隔は、より低い周波数の周波数帯域のカットオフ周波数と、より高い周波数の周波数帯域の開始周波数との間の間隔であり得る。例えば、周波数帯域の範囲は758MHz~788MHzであり、周波数帯域の開始周波数は758MHzであり、周波数帯域のカットオフ周波数は788MHzである。別の例では、第1の周波数帯域は758MHz~788MHzの範囲であり、第2の周波数帯域は791MHz~821MHzの範囲であり、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域との間の帯域幅間隔は3MHz(すなわち、(791-788)MHz)である。1つの処理回路および1つのフィルタを使用して本出願の実施形態において提供される通信装置によって処理される2つ以上の独立した周波数帯域について添付の図面を参照して以下で説明する。
【0031】
図1は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project、3GPP)によって定義された送信周波数帯域および受信周波数帯域の分布の部分概略図である。図1に示すように、703MHz~733MHzは700MHzの受信周波数帯域に属し、832MHz~862MHzは800MHzの受信周波数帯域に属し、880MHz~915MHzは900MHzの受信周波数帯域に属し、758MHz~788MHzは700MHzの送信周波数帯域に属し、791MHz~821MHzは800MHzの送信周波数帯域に属し、925MHz~960MHzは900MHzの送信周波数帯域に属する。例えば、1つの処理回路および1つのフィルタを使用して本出願の実施形態において提供される通信装置によって処理される2つ以上の独立した周波数帯域は、758MHz~788MHzおよび791MHz~821MHzである。例えば、1つの処理回路および1つのフィルタを使用して本出願の実施形態において提供される通信装置によって処理される2つ以上の独立した周波数帯域は、832MHz~862MHzおよび880MHz~915MHzである。
【0032】
図2は、3GPPによって定義された送信周波数帯域および受信周波数帯域の分布の別の部分概略図である。図2に示すように、699MHz~716MHzは受信周波数帯域Band 12に属し、777MHz~787MHzは受信周波数帯域Band 13に属し、788MHz~798MHzは受信周波数帯域Band 14に属し、729MHz~746MHzは送信周波数帯域Band 12に属し、746MHz~756MHzは送信周波数帯域Band 13に属し、756MHz~768MHzは送信周波数帯域Band 14に属する。例えば、1つの処理回路および1つのフィルタを使用して本出願の実施形態において提供される通信装置によって処理される2つ以上の独立した周波数帯域は、729MHz~746MHz、746MHz~756MHz、および756MHz~768MHzである。例えば、1つの処理回路および1つのフィルタを使用して本出願の実施形態において提供される通信装置によって処理される2つ以上の独立した周波数帯域は、777MHz~787MHzおよび788MHz~7987MHzである。
【0033】
上述は、本出願の実施形態において提供される通信装置のいくつかの特徴を説明する。上述は、本出願の実施形態において提供される通信装置のいくつかの任意選択のアーキテクチャを説明する。
【0034】
図3は、本出願の一実施形態による通信装置30の構造の概略図である。図3に示すように、通信装置30は、第1の送信処理回路301と、第1の送信処理回路301に接続された第1の送信フィルタ302とを含む。
【0035】
第1の送信処理回路301は、第1の送信周波数帯域の信号および第2の送信周波数帯域の信号を出力するように構成され、第1の送信周波数帯域と第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は、第1の閾値以下である。第1の送信周波数帯域は758MHz~788MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は791MHz~821MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む、または、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む。
【0036】
第1の送信フィルタ302は、第1の送信処理回路によって出力された信号をフィルタリングして、第1の送信周波数帯域の信号および/または第2の送信周波数帯域の信号を取得するように構成される。
【0037】
図3の通信装置は、例えば、電信送信機、電話送信機、放送送信機、テレビジョン送信機、および超短波周波数変調送信機など、高周波電流を生成および変調し、電波を送信するデバイスであってよい。任意選択で、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる送信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域は、2つの独立した送信周波数帯域である。例えば、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域の一方は758MHz~788MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は791MHz~821MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域の一方は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域の一方は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域の一方は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む。いくつかの実施形態では、第1の送信処理回路301および第1の送信フィルタ302は通信装置内の1つの送信機に対応する。すなわち、図3の通信装置における1つの送信機は、2つの独立した周波数帯域で信号を送信することができ、送信機の数は比較的少ない。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1の送信処理回路301は、第4の送信周波数帯域の信号を出力するようにさらに構成され、第4の送信周波数帯域と第1の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第1の閾値以下であり、第4の送信周波数帯域と第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第1の閾値以下である。第1の送信フィルタ302は、第1の送信処理回路によって出力された信号をフィルタリングして、第4の送信周波数帯域の信号を取得するようにさらに構成される。任意選択で、第1の送信処理回路301は、第1の送信周波数帯域の信号、第2の送信周波数帯域の信号、および第4の送信周波数帯域の信号を出力するように特に構成される。第1の送信フィルタ302は、第1の送信処理回路によって出力された信号をフィルタリングして、第1の送信周波数帯域の信号、第2の送信周波数帯域の信号、および第4の送信周波数帯域の信号を取得するように特に構成される。任意選択で、第1の送信周波数帯域、第2の送信周波数帯域、および第4の送信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる送信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の送信周波数帯域、第2の送信周波数帯域、および第4の送信周波数帯域は、3つの独立した送信周波数帯域である。例えば、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第4の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、第4の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、第4の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含む。図3の通信装置は、第1の送信処理回路301および第1の送信フィルタ302を使用して3つの独立した周波数帯域で信号を送信し、送信処理回路の数およびフィルタの数は比較的少ないことが理解されよう。
【0039】
図4は、本出願の一実施形態による別の通信装置40の構造の概略図である。図3の通信装置30と比較して、図4の通信装置40は、別の送信処理回路および別の送信フィルタをさらに含む。図4に示すように、通信装置40は、図3の通信装置30と比較して、第2の送信処理回路401と、第2の送信処理回路401に接続された第2の送信フィルタ402とをさらに含む。
【0040】
第2の送信処理回路401は、第3の送信周波数帯域の信号を出力するように構成され、第3の送信周波数帯域と第1の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第1の閾値よりも大きく、第3の送信周波数帯域と第2の送信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第1の閾値よりも大きい。
【0041】
第2の送信フィルタ402は、第2の送信処理回路によって出力された信号をフィルタリングして、第3の送信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第1の送信フィルタおよび第2の送信フィルタは同じマルチプレクサに含まれる。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1の送信フィルタ302と第2の送信フィルタ402の両方とも同じアンテナポートに接続される。マルチプレクサは、デュプレクサ、トリプレクサ、クアドプレクサ、およびヘキサプレクサなどのデバイスの総称である。マルチプレクサは、単一の入力ポートおよび複数の出力ポートを有する。マルチプレクサは、一セットの非重畳フィルタを含み、非重畳フィルタは、それらが互いにロードされず、フィルタの出力が互いから高度に隔離されることを保証するように組み合わされる。トリプレクサは、1つのノード(またはポート)を共有する3つのフィルタ(またはポート)で構成される。クアドプレクサは、4つのフィルタを組み合わせて1つのノード(またはポート)を共有する。第1の送信フィルタと第2の送信フィルタとが同じマルチプレクサに含まれることは、デュプレクサが第1の送信フィルタ302と第2の送信フィルタ402とを組み合わせることとして理解されてもよい。任意選択で、第1の送信周波数帯域、第2の送信周波数帯域、および第3の送信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる送信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の送信周波数帯域、第2の送信周波数帯域、および第3の送信周波数帯域は、3つの独立した送信周波数帯域である。例えば、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域の一方は758MHz~788MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は791MHz~821MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の送信周波数帯域は925MHz~960MHzの周波数帯域の一部を含む。この例では、通信装置は、3つの送信周波数帯域を使用することができる。例えば、第1の送信周波数帯域および第2の送信周波数帯域の一方は832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の送信周波数帯域は925MHz~960MHzの周波数帯域の一部を含む。この例では、通信装置は、3つの送信周波数帯域を使用することができる。例えば、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含む。
【0043】
図5は、本出願の一実施形態による別の通信装置50の構造の概略図である。図4の通信装置40と比較して、図5の通信装置50は、受信処理回路と、受信フィルタとをさらに含み、すなわち、第1の受信処理回路501と、第1の受信処理回路501に接続された第1の受信フィルタ502とをさらに含む。第1の受信フィルタ502は、入力信号をフィルタリングして、第1の受信周波数帯域の信号および第2の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第1の受信周波数帯域と第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値以下である。第1の受信処理回路501は、第1の受信フィルタ502によって入力される第1の受信周波数帯域の信号および第2の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。図5の通信装置は、送受信機、例えば基地局であってもよい。送受信機とは、受信部(受信機に相当する)と送信部(送信機に相当する)の両方が筐体やラック内に設置され、移動局で使用される通信デバイスを指す。いくつかの実施形態では、第1の送信フィルタ302、第2の送信フィルタ402および第1の受信フィルタ502が共に同じアンテナポートに接続される。任意選択で、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる受信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域は、2つの独立した送信周波数帯域である。例えば、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域の一方は832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域の一方は777MHz~787MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は788MHz~798MHzの周波数帯域の一部を含む。いくつかの実施形態では、第1の受信処理回路501および第1の受信フィルタ502は通信装置内の1つの受信機に対応する。すなわち、図5の通信装置における1つの受信機は、2つの独立した周波数帯域で信号を受信することができ、受信機の数は比較的少ない。
【0044】
図6は、本出願の一実施形態による別の通信装置60の構造の概略図である。図5の通信装置50と比較して、図6の通信装置60は、受信処理回路と、受信フィルタとをさらに含み、すなわち、第2の受信処理回路601と、第2の受信処理回路601に接続された第2の受信フィルタ602とをさらに含む。第2の受信フィルタ602は、入力信号をフィルタリングして、第3の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第3の受信周波数帯域と第1の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きく、第3の受信周波数帯域と第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きい。第2の受信処理回路601は、第2の受信フィルタによって入力される第3の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。任意選択で、第1の受信周波数帯域、第2の受信周波数帯域、および第3の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる受信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の受信周波数帯域、第2の受信周波数帯域、および第3の受信周波数帯域は、3つの独立した受信周波数帯域である。例えば、第1の受信周波数帯域は832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の受信周波数帯域は880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の受信周波数帯域は703MHz~733MHzの周波数帯域の一部を含む。任意選択で、第1の送信フィルタ302、第2の送信フィルタ402、第1の受信フィルタ502、および第2の受信フィルタ602は同じクアドプレクサに含まれる。いくつかの実施形態では、第1の送信フィルタ302、第2の送信フィルタ402、第1の受信フィルタ502、および第2の受信フィルタ602は同じアンテナポートに接続される。いくつかの実施形態では、図6の通信装置は、758MHz~788MHz、791MHz~821MHz、および925MHz~960MHzの3つの周波数帯域で信号を送信し、832MHz~862MHz、880MHz~915MHz、703MHz~733MHzの3つの周波数帯域で信号を受信する。
【0045】
図7は、本出願の一実施形態によるクワッドプレクサの帯域通過の概略図であり、図6の通信装置に含まれるクワッドプレクサの帯域通過の概略図である。図7に示されるように、758MHz~788MHz(700MHz送信周波数帯域)と791MHz~821MHz(800MHz送信周波数帯域)は同じフィルタ(第1の送信フィルタ302)を共有し、フィルタリングが、第2の送信フィルタ402を使用して925MHz~960MHzに対して行われ、832MHz~862MHz(800MHz受信周波数帯域)と880MHz~915MHz(900MHz受信周波数帯域)は同じフィルタ(第1の受信フィルタ502)を共有し、フィルタリングが、第2の受信フィルタ602を使用して703MHz~733MHzに対して行われる。図6の通信装置60は、複数の周波数帯域がフィルタを共有すること、すなわち、2つ以上の送信周波数帯域が同じフィルタを共有し2つ以上の受信周波数帯域が同じフィルタを共有することを実現し、その結果、フィルタの数の組み合わせ経路が低減され、マルチプレクサを実装し易いことが知ることができる。図6の通信装置は、3つの独立した送信周波数帯域の信号および3つの独立した受信周波数帯域の信号をフィルタリングするためにクワッドプレクサを使用することができることが理解されよう。図6の通信装置60は、トリバンド通信装置、例えば、トリバンド送受信機であってもよい。現在使用されているトリバンド通信装置は、一般に、3つの送信周波数帯域の信号をフィルタリングするために3つの送信フィルタを使用する、すなわち、各送信フィルタは、1つの送信周波数帯域の信号をフィルタリングし、3つの受信フィルタを使用して3つの受信周波数帯域の信号をフィルタリングする、すなわち、各受信フィルタは1つの受信周波数帯域の信号をフィルタリングする。すなわち、現在のトリバンド通信装置は3つの独立した送信周波数帯域の信号および3つの独立した受信周波数帯域の信号をフィルタリングするために、ヘキサプレクサを使用する。現在使用されているマルチ周波数通信装置と比較して、図6の通信装置はより少ない数のフィルタを有しており、マルチプレクサを実装し易いことを知ることができる。
【0046】
図8は、本出願の一実施形態による別の通信装置80の構造の概略図である。図3の通信装置30と比較して、図8の通信装置80は、受信処理回路と、受信フィルタとをさらに含む、すなわち、第3の受信処理回路801と、第3の受信処理回路801に接続された第3の受信フィルタ802とをさらに含む。第3の受信フィルタ802は、入力信号をフィルタリングして、第4の受信周波数帯域の信号および第5の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第4の受信周波数帯域と第5の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値以下である。第3の受信処理回路801は、第3の受信フィルタによって入力される第4の受信周波数帯域の信号および第5の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。第2の閾値は、第1の閾値と同じであっても異なっていてもよい。第2の閾値は、0MHz、3MHz、5MHz、10MHz、20MHzなどであり得る。これは本出願では限定されない。いくつかの実施形態では、第1の送信フィルタ302と第3の受信フィルタ802の両方とも同じアンテナポートに接続される。図8の通信装置80は、送受信機、例えば基地局であってもよい。任意選択で、第4の受信周波数帯域および第5の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる送信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第4の受信周波数帯域および第5の受信周波数帯域は、2つの独立した受信周波数帯域である。例えば、第4の受信周波数帯域は、777MHz~787MHzの周波数帯域の一部を含み、第5の受信周波数帯域は、788MHz~798MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第4の受信周波数帯域は、832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、第5の受信周波数帯域は、880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含む。いくつかの実施形態では、第3の受信処理回路801および第3の受信フィルタ802は通信装置内の1つの受信機に対応する。すなわち、図8の通信装置80における1つの受信機は、2つの独立した周波数帯域で信号を受信することができ、受信機の数は比較的少ない。
【0047】
図9は、本出願の一実施形態による別の通信装置90の構造の概略図である。図8の通信装置80と比較して、図8の通信装置90は、第4の受信処理回路901と、第4の受信処理回路901に接続された第4の受信フィルタ902とをさらに含む。第4の受信フィルタ902は、入力信号をフィルタリングして、第6の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第6の受信周波数帯域と第4の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きく、第6の受信周波数帯域と第5の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きく、第3の受信フィルタと第4の受信フィルタは同じマルチプレクサに含まれる。第4の受信処理回路901は、第4の受信フィルタによって入力される第6の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の送信フィルタ302、第3の受信フィルタ802および第4の受信フィルタ902は共に同じアンテナポートに接続される。任意選択で、第4の受信周波数帯域、第5の受信周波数帯域、および第6の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる受信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第4の受信周波数帯域、第5の受信周波数帯域、および第6の受信周波数帯域は、3つの独立した受信周波数帯域である。例えば、第4の受信周波数帯域は、777MHz~787MHzの周波数帯域の一部を含み、第5の受信周波数帯域は、788MHz~798MHzの周波数帯域の一部を含み、第6の受信周波数帯域は、699MHz~716MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第4の受信周波数帯域は、832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、第5の受信周波数帯域は、880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含み、第6の受信周波数帯域は、703MHz~733MHzの周波数帯域の一部を含む。任意選択で、第1の送信フィルタ302、第3の受信フィルタ802、および第4の受信フィルタ902は同じトリプレクサに含まれる。いくつかの実施形態では、図9の通信装置は、729MHz~746MHz、746MHz~756MHz、および756MHz~768MHzの3つの周波数帯域で信号を送信することができ、777MHz~787MHz、788MHz~798MHz、および699MHz~716MHzの3つの周波数帯域で信号を受信することができる。図10は、本出願の一実施形態によるトリプレクサの帯域通過の概略図である。図10は、図9の通信装置90に含まれるトリプレクサの帯域通過の概略図である。図10に示されるように、729MHz~746MHz(送信周波数帯域Band 12)、746MHz~756MHz(Band 13)および756MHz~768MHz(Band 14の送信周波数帯域)は同じフィルタ(第1の送信フィルタ302)を共有し、777MHz~787MHz(受信周波数帯域Band 13)および788MHz~798MHz(受信周波数帯域Band 14)は同じフィルタ(第3の受信フィルタ702)を共有し、フィルタリングが第4の受信フィルタ802を使用して699MHz~716MHzの間で行われる。図9の通信装置90は、複数の周波数帯域がフィルタを共有すること、すなわち、2つ以上の送信周波数帯域が同じフィルタを共有し、2つ以上の受信周波数帯域が同じフィルタを共有することを実現し、その結果、フィルタの数の組み合わせ経路が低減され、マルチプレクサを実装し易いことが知ることができる。図9の通信装置90は、3つの独立した送信周波数帯域の信号および3つの独立した受信周波数帯域の信号をフィルタリングするために、トリプレクサを使用することができることが理解されよう。
【0048】
図11は、本出願の一実施形態による別の通信装置110の構造の概略図である。図10に示すように、通信装置110は、第1の受信処理回路1101と、第1の受信処理回路1101に接続された第1の受信フィルタ1102とを含む。
【0049】
第1の受信フィルタ1101は、入力信号をフィルタリングして、第1の受信周波数帯域の信号および第2の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第1の受信周波数帯域と第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値以下である。
【0050】
第1の受信処理回路1102は、第1の受信フィルタによって入力される第1の受信周波数帯域の信号および第2の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。
【0051】
図11の通信装置110は、無線受信機であってもよい。無線受信機は、無線信号を受信し、それを元の送信された電気信号(オーディオ信号またはテレビジョン信号など)に変換するデバイスである。無線受信機は、タイプ、無線周波数、および復調方法に基づいて、電信受信機、電話受信機、放送受信機(無線機)、および周波数変調受信機に分類されてよい。任意選択で、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域は、3GPPによって定義された異なる送信周波数帯域に別々に含まれる。すなわち、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域は、2つの独立した受信周波数帯域である。例えば、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域の一方は832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の受信周波数帯域および第2の受信周波数帯域の一方は777MHz~787MHzの周波数帯域の一部を含み、他方は788MHz~798MHzの周波数帯域の一部を含む。
【0052】
図12は、本出願の一実施形態による別の通信装置120の構造の概略図である。図11の通信装置110と比較して、図12の通信装置120は、第2の受信処理回路1201と、第2の受信処理回路1201に接続された第2の受信フィルタ1202とをさらに含む。
【0053】
第2の受信フィルタ1202は、入力信号をフィルタリングして、第3の受信周波数帯域の信号を取得するように構成され、第3の受信周波数帯域と第1の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きく、第3の受信周波数帯域と第2の受信周波数帯域との間の帯域幅間隔は第2の閾値よりも大きい。
【0054】
第2の受信処理回路1201は、第2の受信フィルタによって入力される第3の受信周波数帯域の信号を受信するように構成される。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1の受信フィルタ1102と第2の受信フィルタ1202の両方とも同じアンテナポートに接続される。任意選択で、第1の受信フィルタ1102および第2の受信フィルタ1202は同じデュプレクサに含まれる。例えば、第1の受信周波数帯域は832MHz~862MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の受信周波数帯域は880MHz~915MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の受信周波数帯域は703MHz~733MHzの周波数帯域の一部を含む。いくつかの実施形態では、第1の受信フィルタ1102は、832MHz~862MHzの受信周波数帯域の信号および880MHz~915MHzの受信周波数帯域の信号をフィルタリングしてもよく、第2の受信フィルタ1202は、703MHz~733MHzの受信周波数帯域の信号をフィルタリングしてもよい。例えば、第1の受信周波数帯域は777MHz~787MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の受信周波数帯域は788MHz~798MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の受信周波数帯域は699MHz~716MHzの周波数帯域の一部を含む。いくつかの実施形態では、第1の受信フィルタ1102は、777MHz~787MHzの受信周波数帯域の信号および788MHz~798MHzの受信周波数帯域の信号をフィルタリングしてもよく、第2の受信フィルタ1202は、699MHz~716MHzの受信周波数帯域の信号をフィルタリングしてもよい。通信装置120内のデュプレクサは、3つの独立した受信周波数帯域で信号をフィルタリングすることができることを理解されたい。すなわち、通信装置は、複数の周波数帯域がフィルタを共有すること、すなわち、2つ以上の受信周波数帯域が同じフィルタを共有することを実現し、その結果、フィルタの数の組み合わせ経路が低減され、マルチプレクサを実装し易い。加えて、第1の受信処理回路1101および第1の受信フィルタ1102は1つの受信機に相当する。すなわち、図11および図12の通信装置における1つの受信機は、2つの独立した周波数帯域で信号を受信することができ、受信機の数は比較的少ない。
【0056】
通信装置の信号送信プロセスは、上述の実施形態では説明されていない。次に、図4図6の通信装置により実施される信号送信処理について説明する。
【0057】
例えば、図4図6の通信装置によって実施される信号送信プロセスは以下の通りである。
【0058】
(1)通信装置は、第1の送信周波数帯域の信号と第2の送信周波数帯域の信号を合体させ、信号増幅などの処理のために、共有される第1の送信処理回路301(送信機に相当する)に合体した信号を送り、処理後の信号を第1の送信フィルタ302(後段構成要素フィルタ)に送る。
【0059】
(2)第1の送信周波数帯域の信号および第2の送信周波数帯域の信号をフィルタリングした後、第1の送信フィルタ302は、アンテナポートを通じて信号を送信する。
【0060】
(3)第3の送信周波数帯域の信号を第2の送信処理回路401の信号増幅などの機能を使用して処理した後、第2の送信処理回路401は、処理後の第3の送信周波数帯域の信号を第2の送信フィルタ402(後段構成要素フィルタ)に送る。第3の送信周波数帯域の信号をフィルタリングした後、第2の送信フィルタ402はアンテナポートを通じて信号を送信する。
【0061】
例えば、第1の送信周波数帯域は758MHz~788MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は791MHz~821MHzの周波数帯域の一部を含み、第3の送信周波数帯域は925MHz~960MHzの周波数帯域の一部を含む。この実施形態では、第1の送信周波数帯域の信号および第2の送信周波数帯域の信号は、1つの送信処理回路および1つの送信フィルタを共有する。第3の送信周波数帯域の信号が、独立した送信処理回路および独立した送信フィルタによって増幅され、フィルタリングされた後、信号はアンテナポートを通じて送信される。この実施形態では、通信装置は、2つの送信処理回路および2つの送信フィルタを使用して、3つの独立した周波数帯域で信号を送信する。送信機およびフィルタの数は比較的少なく、したがって、通信装置は比較的小型で低コストである。
【0062】
例えば、図8および図9の通信装置によって実施される信号送信プロセスは以下の通りである。
【0063】
(1)通信装置は、第1の送信周波数帯域の信号と、第2の送信周波数帯域の信号と、第4の送信周波数帯域の信号を合体させ、信号増幅などの処理のために、共有される第1の送信処理回路301(送信機に相当する)に合体した信号を送り、処理後の信号を第1の送信フィルタ302(後段構成要素フィルタ)に送る。
【0064】
(2)第1の送信フィルタ302は、第1の送信周波数帯域の信号、第2の送信周波数帯域の信号、および第4の送信周波数帯域の信号をフィルタリングした後、アンテナポートを通じて信号を送信する。
【0065】
例えば、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第4の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、第4の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含む。例えば、第1の送信周波数帯域は729MHz~746MHzの周波数帯域の一部を含み、第2の送信周波数帯域は756MHz~768MHzの周波数帯域の一部を含み、第4の送信周波数帯域は746MHz~756MHzの周波数帯域の一部を含む。この実施形態では、通信装置は、1つの送信処理回路および1つの送信フィルタを使用して、3つの独立した周波数帯域で信号を送信する。送信機およびフィルタの数は比較的少なく、したがって、通信装置は比較的小型で低コストである。
【0066】
通信装置によって実施される信号送信プロセスは、上述の実施形態では説明されていない。以下では、通信装置によって実施される信号受信プロセスを説明するために、例としてBand A、Band BおよびBand Cを使用する。
【0067】
例えば、図6図9、および図12の通信装置によって実施される信号受信プロセスは以下の通りである。
【0068】
(1)通信装置は、独立した受信フィルタおよび独立した受信処理回路(受信機)を使用して、Band Aの受信信号に対してフィルタリングおよび増幅などの処理を行い、次いで信号を次段の信号処理ユニットに送る。
【0069】
(2)通信装置は、受信フィルタを使用してBand BおよびBand Cの受信信号をフィルタリングし、受信フィルタによって出力されたBand BおよびBand Cのデュアルバンド信号に対して、共有する受信処理回路(受信機)を使用して増幅などの処理を行い、その後、それらを次段の信号処理ユニットに送る。
【0070】
例えば、通信装置60は、第1の受信処理回路501および第1の受信フィルタ502を使用して、第1の受信周波数帯域の信号(Band Bに対応する、例えば、832MHz~862MHz)および第2の受信周波数帯域の信号(Band Cに対応する、例えば、880MHz~915MHz)に対してフィルタリングおよび増幅などの処理を行い、第2の受信処理回路601および第2の受信フィルタ602を使用して、第3の受信周波数帯域(Band Aに対応する、例えば、703MHz~733MHz)の信号に対してフィルタリングおよび増幅などの処理を行う。例えば、通信装置90は、第3の受信処理回路801および第3の受信フィルタ802を使用して、第4の受信周波数帯域の信号(Band Bに対応する、例えば、777MHz~787MHz)および第5の受信周波数帯域の信号(Band Cに対応する、例えば、788MHz~798MHz)に対してフィルタリングおよび増幅などの処理を行い、第4の受信処理回路901および第4の受信フィルタ902を使用して、第6の受信周波数帯域(Band Aに対応する、例えば、699MHz~716MHz)の信号に対してフィルタリングおよび増幅などの処理を行う。この実施形態では、通信装置は、2つの受信処理回路および2つの受信フィルタを使用して、3つの独立した周波数帯域で信号を受信する。受信機およびフィルタの数は比較的少なく、したがって、通信装置は比較的小型で低コストである。
【0071】
本出願の一実施形態は、上述の実施形態で説明された任意の通信装置を含むネットワークデバイスをさらに提供する。任意選択で、ネットワークデバイスは基地局であってもよい。
【0072】
上述の説明は、本発明の単なる特定の実装形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定しようとするものではない。本発明において開示する技術範囲内で当業者によって容易に考案されるいかなる改変も置換も、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0073】
30,40,50,60,80,90,110,120 通信装置
301 第1の送信処理回路
302 第1の送信フィルタ
401 第2の送信処理回路
402 第2の送信フィルタ
501 第1の受信処理回路
502 第1の受信フィルタ
601 第2の受信処理回路
602 第2の受信フィルタ
801 第3の受信処理回路
802 第3の受信フィルタ
901 第4の受信処理回路
902 第4の受信フィルタ
1101 第1の受信処理回路
1102 第1の受信フィルタ
1201 第2の受信処理回路
1202 第2の受信フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12