(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】力センサを有する切削機、この種の切削機の使用、及びこの種の切削機の力センサを較正する方法
(51)【国際特許分類】
B23Q 17/09 20060101AFI20240918BHJP
B23B 29/24 20060101ALI20240918BHJP
B23B 27/00 20060101ALI20240918BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20240918BHJP
G01L 5/167 20200101ALI20240918BHJP
【FI】
B23Q17/09 H
B23B29/24 Z
B23B27/00 D
G01L5/00 D
G01L5/167
(21)【出願番号】P 2022552763
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2021051358
(87)【国際公開番号】W WO2021185496
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-10-20
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502281471
【氏名又は名称】キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケイツェル、グンナー
(72)【発明者】
【氏名】コーラー、デニス
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-301045(JP,A)
【文献】特開2009-083073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/00,29/00,29/24-29/26;
B23Q 17/09;
G01L 5/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物(9)の
切削加工用の切削機(1)であって、
切削加工は、幾つかの必要なツール(14.01~14.06)を用いることによって時系列の製作ステップにて行われ、前記必要なツール(14.01~14.06)は、横軸xと垂直軸zとからなる横断面xz内で切削運動を行い、水平軸yに沿って順送り運動を行い、製作ステップごとに、必要なツール(14.01~14.06)が前記被加工物(9)に
よって切削抵抗(Kw)を与え
られ、前記必要なツール(14.01~14.06)を全て同時に保持するツール・ホルダ(13)を備えるとともに前記ツール・ホルダ(13)を移動させるツール・スライド(11)を備え、前記ツール・ホルダ(13)の移動によって、製作ステップごとに、前記必要なツール(14.01~14.06)のうちの1つが被加工物(9)と整列することができるとともに、
切削加工を行うために、前記必要なツール(14.01~14.06)と前記被加工物(9)とが互いに対して移動することができる切削機(1)において、前記ツール・ホルダ(13)が
、前記ツール・ホルダ(13)と前記ツール・スライド(11)との間に少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)を備え、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)が、メインパワー接続の状態で、被加工物(9)の前記
切削加工の際に、前記必要なツール(14.01~14.06)のうちの1つによって与えられた
切削抵抗(Kw)を測定することを特徴とする、切削機(1)。
【請求項2】
前記ツール・ホルダ(13)が、複数の凹部(13.07~13.09)と少なくとも1つのキャビティ(13.10)とを備え、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)が、前記凹部(13.07~13.09)に挿入され、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)が、信号回線(12.10、12.20、12.30)を介して、信号ソケット(12.4)に電気的に接続され、前記信号回線(12.10、12.20、12.30)が前記キャビティ(13.10)に導かれていることを特徴とする、請求項1に記載の切削機(1)。
【請求項3】
前記ツール・ホルダ(13)が第1の締結手段(13.31、13.32、13.33)と第2の締結手段(13.41、13.42、13.43)とを備え、前記ツール・ホルダ(13)が前記第1の締結手段(13.31、13.32、13.33)を介するとともに前記第2の締結手段(13.41、13.42、13.43)を介して前記ツール・スライド(11)に締結されることを特徴とする、請求項2に記載の切削機(1)。
【請求項4】
前記ツール・スライド(11)に締結された前記ツール・ホルダ(13)が、前記凹部(13.07~13.09)の領域内で隙間(s)だけ前記ツール・スライド(11)から離間されており、前記凹部(13.07~13.09)に挿入された前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)が、前記凹部(13.07~13.09)の前記領域内で第2のハウジング端面(12.12、12.22、12.32)を介して前記ツール・スライド(11)に面接触していることを特徴とする、請求項3に記載の切削機(1)。
【請求項5】
前記ツール・スライド(11)に締結された前記ツール・ホルダ(13)が、前記第2の締結手段(13.41、13.42、13.43)の領域内で接触面(13.00)を介して前記ツール・スライド(11)に面接触しており、前記ツール・スライド(11)に締結された前記ツール・ホルダ(13)の前記キャビティ(13.10)が、前記ツール・スライド(11)によって、外部に対して封止されていることを特徴とする、請求項4に記載の切削機(1)。
【請求項6】
前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)の前記第2のハウジング端面(12.12、12.22、12.32)の総和が、前記ツール・ホルダ(13)の前記接触面(13.00)よりも大きいことを特徴とする、請求項5に記載の切削機(1)。
【請求項7】
前記第1の締結手段(13.31、13.32、13.33)が、前記ツール・ホルダ(13)を前記ツール・スライド(11)に締結することによって、前記凹部(13.07~13.09)に挿入された前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)を機械的に付勢することを特徴とする、請求項
3から6までのいずれか一項に記載の切削機(1)。
【請求項8】
前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)がそれぞれ前記
切削抵抗(Kw)の同じ力成分を測定することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の切削機(1)。
【請求項9】
被加工物(9)の
切削加工用の切削機(1)の使用であって、
切削加工は、幾つかの必要なツール(14.01~14.06)を用いることによって時系列の製作ステップにて行われ、前記必要なツール(14.01~14.06)は、横軸xと垂直軸zとからなる横断面xz内で切削運動を行い、水平軸yに沿って順送り運動を行い、製作ステップごとに、必要なツール(14.01~14.06)が前記被加工物(9)に
よって切削抵抗(Kw)を与え
られ、前記必要なツール(14.01~14.06)を全て同時に保持するツール・ホルダ(13)を備えるとともに前記ツール・ホルダ(13)を移動させるツール・スライド(11)を備え、前記ツール・ホルダ(13)の移動によって、前記必要なツール(14.01~14.06)のうちの1つが被加工物(9)と整列するとともに、製作ステップごとに
切削加工を行うために前記必要なツール(14.01~14.06)と前記被加工物(9)とが互いに対して移動する切削機1の使用において、前記ツール・ホルダ(13)が
、前記ツール・ホルダ(13)と前記ツール・スライド(11)との間に少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)を備え、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)が、メインパワー接続の状態で、被加工物(9)の前記
切削加工の際に、前記必要なツール(14.01~14.06)のうちの1つによって与えられた
切削抵抗(Kw)を測定することを特徴とする、切削機(1)の使用。
【請求項10】
前記必要なツール(14.01~14.06)が前記被加工物(9)の前記
切削加工の際に横軸(x)の方向に切削運動を行い、それによって前記
切削抵抗(Kw)が前記横軸(x)の方向に主切削力成分(Kwx)を有し、製作ステップごとの各単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)が、その他の単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)とは独立して、前記
切削抵抗(Kw)を前記主切削力成分(Kwx)として測定し、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)が、測定された前記主切削力成分(Kwx)のアナログ測定信号(Sa
1、Sa
2、Sa
3)を生成することを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記ツール・ホルダ(13)が前記必要なツール(14.01~14.06)を異なる位置(i)にて保持し、前記
切削加工の際に、前記
切削抵抗(Kw)の力の流れが、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)のそれぞれに対する必要なツール(14.01~14.06)の前記位置(i)に固有であり、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)のそれぞれが前記
切削抵抗(Kw)を位置固有的に測定することを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記切削機(1)が少なくとも1つのコンバータ・ユニット(16.1)を備え、前記コンバータ・ユニット(16.1)が、必要なツール(14.01~14.06)によって行われた製作ステップごとのアナログ測定信号(Sa
1、Sa
2、Sa
3)をデジタル測定信号(Sd
1、Sd
2、Sd
3)に変換し、前記切削機(1)が少なくとも1つのコンピュータ(16.2)を備え、前記コンピュータ(16.2)が製作ステップごとの前記デジタル測定信号(Sd
1、Sd
2、Sd
3)を合計して位置固有平均化測定信号(Sd
1+Sd
2+Sd
3)を得ることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記コンピュータ(16.2)に、前記被加工物(9)の材料及び必要なツール(14.01~14.06)の切削材料に関しての基準信号(R)が記憶され、前記コンピュータ(16.2)が製作ステップごとの基準信号(R)を読み出し、前記コンピュータ(16.2)に、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)に対して、必要なツール(14.01~14.06)の位置(i)に関しての較正係数(α
i)が記憶され、前記コンピュータ(16.2)が製作ステップごとの較正係数(α
i)をインポートし、前記コンピュータ(16.2)が、製作ステップごとに、読み出した較正係数(α
i)を、前記位置固有平均化測定信号(Sd
1+Sd
2+Sd
3)に乗算し、前記コンピュータ(16.2)が、製作ステップごとに、読み出した較正係数(α
i)を乗算した前記位置固有平均化測定信号(Sd
1+Sd
2+Sd
3)と、読み出した前記基準信号(R)との差(Δ)を計算することを特徴とする、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記コンピュータ(16.2)に既定の公差値(T)が記憶され、前記コンピュータ(16.2)が製作ステップごとの既定の公差値(T)を読み出し、製作ステップごとに、前記コンピュータ(16.2)は、差(Δ)を前記既定の公差値(T)と比較し、前記差(
Δ)が前記既定の公差値(T)以下の場合は、前記必要なツール(14.01~14.06)は摩耗しておらず引き続き使用されると結論付けられ、前記差(Δ)が前記既定の公差値(T)よりも大きい場合は、前記必要なツール(14)は摩耗しており交換されると結論付けられることを特徴とする、請求項12に記載の使用。
【請求項15】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の切削機(1)の単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)を、較正力トランスデューサ(22)を使用して較正する方法であって、第1の処理ステップ(210)で前記切削機(1)のツール・ホルダ(13)が提供され、前記ツール・ホルダ(13)が少なくとも1つの必要なツール(14.01~14.06)と少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)を備えるとともに、前記必要なツール(14.01~14.06)が前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)に対して相対的な位置(i)に配置され、更なる処理ステップ(230)で前記必要なツール(14.01~14.06)に較正力(Kk)が加えられ、更なる処理ステップ(240)で前記較正力(Kk)が前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)及び前記較正力トランスデューサ(22)によって測定され、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)が、測定された前記較正力(Kk)のアナログ測定信号(Sa
1、Sa
2、Sa
3)を生成し、前記測定された較正力(Kk)のアナログ較正信号(Ka)が前記較正力トランスデューサ(22)によって生成され、アナログ測定信号(Sa
1、Sa
2、Sa
3)がデジタル測定信号(Sd
1、Sd
2、Sd
3)に変換され、アナログ較正信号(Ka)がデジタル較正信号(Kd)に変換され、更なる処理ステップ(260)でデジタル測定信号(Sd
1、Sd
2、Sd
3)を合計して位置固有平均化測定信号(Sd
1+Sd
2+Sd
3)を取得し、前記必要なツール(14.01~14.06)の前記位置(i)の前記位置固有平均化測定信号(Sd
1+Sd
2+Sd
3)が、前記必要なツール(14.01~14.06)の前記位置(i)のデジタル較正信号(Kd)と比較され、前記比較の結果が、前記単一構成要素力トランスデューサ(12.1、12.2、12.3)に対して相対的に前記必要なツール(14.01~14.06)の前記位置(i)に固有の較正係数(α
i)となることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力トランスデューサを備えた切削機に関する。更には、本発明は、この種の切削機の使用に関する。更には、本発明は、この種の切削機の力トランスデューサを較正するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
切削機はよく知られている。周知の切削機としては、旋盤、フライス盤、機械鋸などがある。切削機は、被加工物を切りくず除去機械加工することによって、すなわちくさび形の切削ブレードを用いて被加工物から材料を除去することによって成形するために使用される。切削ブレードは、加工力を与える。被加工物は、金属、木材、プラスチックなどの任意の材料からなる。切削ブレードは、金属、セラミックスなどの硬度、耐力、及び靭性のある切削材料からなる。切りくず除去機械加工に用いられる周知のツールには、チゼル、旋盤チゼル、フライス・カッター、座ぐりカッター、鋸ブレードなどがある。
【0003】
切りくず除去機械加工ができるように、被加工物とツールとは互いに対して移動し合う。このため、被加工物とツールは共に直線で、又は円で移動する。切削機は、この目的のために、電気駆動ユニットや空気圧駆動ユニットなどの幾つかの駆動ユニットを備える。
【0004】
被加工物を費用効率良く且つ安定した品質で製造するには、加工力を測定することが望ましいが、それは、加工力が、切りくず除去機械加工の際に生じる高温とともに、切削ブレードを摩耗させるからである。摩耗により切削ブレードのブレード形状が変わる。更には、摩耗した切削ブレードでは、被加工物の切りくず除去機械加工を行うのにより大きな加工力が必要になり、これは切削機の消費エネルギー増として返ってくるとともに、被加工物の表面品質及び寸法精度を低下させることにもなる。
【0005】
欧州特許出願公開第0433535A1号は、切削機内の被加工物を切りくず除去機械加工する際に加工力を測定する力トランスデューサを備えた周知の構成を開示する。力トランスデューサは、機械加工部の凹部に圧入方法で挿入されている。
【0006】
しかし、この周知の構成には、加工力がその作用点すなわち切削ブレードにてではなく、切削ブレードから離れた任意の地点すなわち任意の機械加工部で測定されるという欠点がある。そこでは、加工力は、機械加工部で生じる機械的な応力として間接的な方法で測定される。機械的な応力はそれ自体が機械加工部の寸法及び質量の影響を受ける。
【0007】
更には、この周知の構成による力トランスデューサは、機械加工部内に力の分流の状態で配置される。力の分流の状態では、発生する機械的な応力のほんの一部しか測定できない。これらのことから、加工力の測定の精度は低くなる。加工力を測定する際の精度は、測定した加工力と実際の加工力との差を示し、加工力の測定の精度が高ければ高いほど、測定した加工力と実際の加工力との差は小さくなる。
【0008】
更には、この周知の構成による力トランスデューサは、加工力の幾つかの力成分を測定する。この力トランスデューサは、x方向に送り力を、y方向に受動力を、及びz方向に主切削力を測定する。この多構成要素力トランスデューサは、力成分ごとに少なくとも1つの圧電素子を備える。圧電素子は、力成分を高感度で検出するように配置される。少なくとも3つの圧電素子は、ハウジング内部で、z方向に1つずつ積み上げられる。その結果、多構成要素力トランスデューサの構造寸法はz方向に比較的大きな高さを有する。この種の多構成要素力トランスデューサは、型式指定9027C及びデータ・シート9027C_000-726d-03.10を用いて本出願人から購入可能である。多構成要素力トランスデューサは、外径24.0mm、内径9.6mm、及び高さ12.0mmの中空円筒形状である。更には、当該多構成要素力トランスデューサを調達するには比較的費用がかかる。
【0009】
通常、被加工物の切りくず除去機械加工は、複数の必要なツールを用いて、時系列の製作ステップにて行われる。このため、ツールは頻繁に取り換えられる。新しい製造ステップごとに、新しいツールを被加工物と整列させる。従って、切削機は、迅速で費用効率の良いツールの切換えと、迅速で、同じ様に費用効率の良いツールの整列のためのツール・ホルダを備える。ツール・ホルダは、切りくず除去機械加工の製造ステップに必要とされたツールを全て同時に保持する。この目的のために、ツール・ホルダは、必要とされたツールを全て切りくず除去機械加工処理が始まる前に装着する。このようにすることで、切りくず除去機械加工処理中にツールを切削機から取り外す、又は切削機に挿入する必要がなくなる。切りくず除去機械加工の際に、新しいツールに取り換え、この新しいツールを被加工物と整列させるには、ツール・ホルダを被加工物に対して相対的に移動させるだけでよい。新しいツールが被加工物と整列したら、ツール及び被加工物を互いに対して相対的に移動させて切りくず除去機械加工を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第1の目的は、被加工物を切りくず除去機械加工する際に作用する加工力を切削機内で力トランスデューサによって高い精度で測定することである。本発明の第2の目的は、切削機内で力トランスデューサを省スペースな方法で配置して、被加工物を切りくず除去機械加工する際に作用する加工力を測定することである。更に、本発明の第3の目的は、力トランスデューサによって、費用効率の良い方法で、被加工物を切りくず除去機械加工する際に作用する加工力を測定することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的のうちの少なくとも1つは、独立請求項の特徴によって達成された。
【0013】
本発明は、複数の必要なツールを用いる時系列の製作ステップにて行われる、被加工物の切りくず除去機械加工用の切削機に関し、製作ステップごとに、必要なツールが被加工物に加工力を与えることができ、必要なツールを全て同時に保持するツール・ホルダを備えるとともにツール・ホルダを移動させるツール・スライドを備え、ツール・ホルダの移動によって、必要なツールのうちの1つが被加工物と整列することができるとともに、製作ステップごとに切りくず除去機械加工を行うために、必要なツールと被加工物とが互いに対して相対的に移動でき、当該ツール・ホルダが少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサを備え、単一構成要素力トランスデューサが、被加工物の切りくず除去機械加工の際に、必要なツールのうちの1つによって与えられた加工力を力の主結合の方向に測定する切削機に関する。
【0014】
本発明は、この種の切削機の使用にも関する。
【0015】
本発明は、この種の切削機の力トランスデューサを較正する方法にも関する。
【0016】
本目的の更に有利な解決策は、従属請求項の特徴によって達成された。
【0017】
次に、以下の図面を参照して、本発明を実例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ツール・ホルダと力トランスデューサとを備えた切削機の複数の部分の一実施例を示す図である。
【
図2】
図1による切削機の複数の部分を示す分解図である。
【
図3】
図1による切削機の複数の部分を概略的に示す、線ZZ’に沿った断面図である。
【
図4】
図1による切削機の複数の部分を概略的に示す、線XX’に沿った断面図である。
【
図5】
図1による切削機の力トランスデューサを較正する処理ステップの流れ図である。
【
図6】
図1による切削機のツール保持用装置上で
図5による処理ステップを実行する較正用装置の一実施例の複数の部分を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
全図面にわたり、同じ部分は常に同じ符号により指定する。
【0020】
図1~4は被加工物9を切りくず除去機械加工する切削機1の一実施例の複数の部分を示す。切削機1は、3つの軸x、y、zを有する直交座標系内に配列され、これらの3つの軸は、横軸x、水平軸y、及び垂直軸zとも呼ぶ。
【0021】
被加工物9は、金属、木材、プラスチックなどの任意の材料からなる。
【0022】
切削機1は複数の必要なツール14.01~14.06を備える。必要なツール14.01~14.06によって、被加工物9の切りくず除去機械加工は、時系列の処理ステップにて行われる。
図1~4の中で示した実例では、6つのツール14.01~14.06が6つの処理ステップにて必要となる。第1のツール14.01は第1の製作ステップにて必要となり、第2のツール14.02は第2の製作ステップにて必要となり、第3のツール14.03は第3の製作ステップにて必要となり、第4のツール14.04は第4の製作ステップにて必要となり、第5のツール14.05は第5の製作ステップにて必要となり、第6のツール14.06は第6の製作ステップにて必要となる。必要なツール14.01~14.06はそれぞれ、冷媒供給部14.11~14.16を有することが好ましい。
【0023】
被加工物9を切りくず除去機械加工する際に、必要なツール14.01~14.06は、横軸xと垂直軸zとからなる横断面xz内で切削運動を行う。更には、被加工物9を切りくず除去機械加工する際に、必要なツール14.01~14.06は、水平軸yに沿って順送り運動を行う。このプロセスで、必要なツール14.01~14.06は、被加工物9に加工力Kwを与える。加工力Kwは3つの力成分を含む。切削運動をすることによって、加工力Kwは、横軸xの方向に主切削力成分Kwx、及び垂直軸zの方向に受動力成分Kwzを有する。更には、順送り運動をすることによって、加工力Kwは、水平軸yの方向に順送り力成分Kwyを有する。この主切削力成分Kwxは、様々なタイプの切りくず除去機械加工の中で量の点から最大の力成分である。更には、様々なタイプの切りくず除去機械加工の力成分をそれぞれ互いに比較すると、主切削力成分Kwxの量のばらつきが最も小さい。このため、主切削力成分Kwxは、様々なタイプの切りくず除去機械加工で必要とされるツール14.01~14.06の摩耗を示すインジケータとして適している。
【0024】
切削機1はツール・ホルダ13を備える。ツール・ホルダ13は、製作ステップで必要とされるツール14.01~14.06を異なる位置i、i=1~6にて保持する。切りくず除去機械加工の作業が始まる前にツール・ホルダ13に必要なツール14.01~14.06を全て装着し、その後ツール・ホルダ13が必要なツール14.01~14.06を全て同時に保持する。ツール・ホルダ13は、鋼や工具鋼などの機械的に耐力のある材料からなる。
図1~4による実例において、ツール・ホルダ13は、6つの必要なツール14.01~14.06を保持する。
【0025】
ツール・ホルダ13は、必要なツール14.01~14.06を、必要なツール14.01~14.06の1本のシャフトで保持する。このため、ツール・ホルダ13は、複数のツール凹部13.01~13.06と複数の保持手段13.11~13.16、13.21~13.26とを備える。
【0026】
6つのツール凹部13.01~13.06のそれぞれは、6つの必要なツール14.01~14.06のいずれかの1本のシャフトに対応するのが好ましい。保持手段13.11~13.16、13.21~13.26は、保持プレートと、保持プレート内にねじ孔と、保持ねじと、ツール・ホルダ13内に内側ねじ溝とを備えたねじ締結部である。ツール凹部13.01~13.06のそれぞれは、第1の保持手段13.11~13.16及び第2の保持手段13.21~13.26に関連付いている。第1の保持手段13.11~13.16はそれぞれ1つの保持プレートと1つの保持ねじとを備え、第2の保持手段13.21~13.26はそれぞれ1つの保持プレートと2つの保持ねじとを備えていることが好ましい。第1の保持手段13.11~13.16はそれぞれ必要なツール14.01~14.06のシャフト上に保持プレートを載せて据わり、第2の保持手段13.21~13.26のそれぞれは必要なツール14.01~14.06のシャフト上に保持プレートを載せて据わる。保持ねじの外側ねじ溝は、保持プレート内のねじ孔を通って、ツール・ホルダ13内の内側ねじ溝まで延在する。ねじは、水平軸yと平行に締結される。外側ねじ溝を内側ねじ溝にねじ締結すると、保持ねじが、必要なツール14.1~14.8のシャフトに対して保持プレートを押圧し、保持力で必要なツール14.01~14.06をツール凹部13.01~13.06に保持する。
【0027】
切削機1はツール・スライド11を備える。ツール・スライド11はツール・ホルダ13を搭載する。作用反作用の原理によれば、ツール・スライド11は、ツール・ホルダ13から加工力Kwを受け、同じ量だが反対方向に作用する反力を、ツール・ホルダ13に与える。
【0028】
必要なツール14.01~14.06を装備したツール・ホルダ13は、3つの第1の締結手段13.31、13.32、13.33と3つの第2の締結手段13.41、13.42、13.43とを介して、簡単且つ迅速に、ツール・スライド11に締結するとともにツール・スライド11から取り外すことも可能である。ツール・ホルダ13は、3つの第1の締結手段13.31、13.32、13.33と3つの第2の締結手段13.41、13.42、13.43とを備えることが好ましい。締結手段13.31、13.32、13.33、13.41、13.42、13.43は、締結ねじと、ツール・ホルダ13内にねじ孔と、ツール・スライド11内に内側ねじ溝とを備えたねじ締結部である。ねじは、水平軸yと平行に締結される。締結ねじの外側ねじ溝は、ツール・ホルダ13内のねじ孔を通ってツール・スライド11内の内側ねじ溝まで延在する。締結ねじのねじ頭はツール・ホルダ13内に据わる。外側ねじ溝を内側ねじ溝にねじ締結すると、締結ねじが、締結力でツール・スライド11に対してツール・ホルダ13を押圧する。
【0029】
ツール・スライド11はツール・ホルダ13を移動させる。この目的のために、ツール・スライド11は、電気駆動ユニットや空気圧駆動ユニットなどの駆動ユニットを備える。駆動ユニットは、ツール・ホルダ13を3つの軸x、y、zに沿って移動させる。
【0030】
切削機1は力トランスデューサ12を備える。本発明によれば、力トランスデューサ12は少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3からなる。
図1~4による実例において、力トランスデューサ12は3つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3からなる。
【0031】
単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、鋼や工具鋼などの機械的に耐力のある材料からなるハウジングを備える。単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は中空円筒形状で、2つのハウジング端面と、2つの側面と、中央のハウジング孔とを備える。ハウジング端面は垂直面xzと平行に配置される。外側面は、半径方向にハウジング孔から離してハウジングを区切る。内側面は、ハウジング孔でハウジングを区切る。ハウジング孔の長手方向の軸は、水平軸yと平行に配置される。
【0032】
単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、ツール・ホルダ13とツール・スライド11との間に空間的に配置される。
図1~4及び
図6による実例では、3つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、横軸xに沿って延びる線ZZ’上に配置される。
【0033】
ツール・ホルダ13は単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を保持する。この目的のために、ツール・ホルダ13は複数の凹部13.07~13.09を備える。凹部13.07~13.09は垂直面xzと平行に配置される。凹部13.07~13.09の直径は、単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3が凹部13.07~13.09に挿入可能であり、且つ挿入された単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3が、凹部13.07~13.09の領域内で半径方向外側の側面を介して保持されるような寸法である。第1の凹部13.07は、第1の単一構成要素力トランスデューサ12.1を保持し、第2の凹部13.08は、第2の単一構成要素力トランスデューサ12.2を保持し、第3の凹部13.09は、第3の単一構成要素力トランスデューサ12.3を保持する。単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を凹部13.07~13.09内にこのように保持することは、そうすることによって従来のツール・ホルダが任意の外形寸法で保持可能であり且つ変更しなくてもよいので、省スペースであり且つ費用効率も良い。
【0034】
凹部13.07~13.09の領域内で、ツール・スライド11に締結されたツール・ホルダ13は、ツール・スライド11から隙間sだけ離間される。第2の締結手段13.41、13.42、13.43の領域において、ツール・スライド11に締結されたツール・ホルダ13は、接触面13.00を介してツール・スライド11に面接触している。
【0035】
凹部13.07~13.09に挿入された単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、第1の締結手段13.31~13.33を介してツール・スライド11に締結される。第1の締結手段13.31~13.33は、締結ねじと、ツール・スライド11内に内側ねじ溝とを備えたねじ締結部である。ハウジング孔の直径は、締結ねじが中を通って突出するような寸法である。締結ねじの外側ねじ溝は、単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3のハウジング孔を通ってツール・スライド11内の内側ねじ溝まで延在する。締結ねじのねじ頭はツール・ホルダ13内に据わる。外側ねじ溝を内側ねじ溝にねじ締結すると、締結ねじが、締結力でツール・スライド11に対して単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を押圧する。単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3をツール・ホルダ13とツール・スライド11との間にこのように締結することで非弾性的になり、且つ測定対象の加工力Kwが単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3に作用しても実質的な減衰はないという利点にもなる。これは、弾性変形が生じると加工力Kwが減衰され、加工力Kwを正しく測定しないからである。
【0036】
このタイプの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、データ・シート9143B_000-113d-03.16を伴う型式指定9145Bを用いて本出願人から購入可能である。単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、外側面によって区切られた外径24.0mm、内側面によって区切られた内径10.1mm、及びハウジング端面間のy軸に沿って高さ3.5mmを有する。
【0037】
先述の型式指定9027Cを備えた多構成要素力トランスデューサが高さ12.0mmを有するのに比べて、型式指定9145Bを備えた単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、y軸に沿った高さが3分の1未満となる。
図4による縮尺の断面図では、y軸に沿って3倍を超える高さを有する多構成要素力トランスデューサを凹部内において保持するための空間であって、第1の締結手段でツール・スライド11に対して多構成要素力トランスデューサを押圧するための空間が、ツール・ホルダ13内にないことが分かる。
【0038】
単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、第1のハウジング端面12.11、12.21、12.31を介してツール・ホルダ13に面接触しており、第2のハウジング端面12.12、12.22、12.32を介してツール・スライド11に面接触している。ツール・ホルダ13の接触面13.00が凹部13.07~13.09の領域内でツール・スライド11から隙間sだけ離間されるので、単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3のみが、凹部13.07~13.09の領域内でそれぞれの第2のハウジング端面12.12、12.22、12.32を介してツール・スライド11に面接触する。
【0039】
少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3の第2のハウジング端面12.12、12.22、12.32の総和は、ツール・ホルダ13の接触面13.00よりも大きくなることが好ましい。これにより、測定対象の加工力Kwの大部分が、ハウジング端面12.12、12.22、12.32の総和によって、ツール・スライド11に作用する。測定対象の加工力Kwの若干分のみが、接触面13.00を介してツール・スライド11に作用する。従って、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、力の主結合の状態でツール・ホルダ13とツール・スライド11との間に空間的に配置される。
【0040】
少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、接触面13.00よりも、必要なツール14.01~14.06までの距離を短くして配置されることが好ましい。例えば、
図4による縮尺の断面図では、単一構成要素力トランスデューサ12.3から必要なツール14.06までの距離は、接触面13.00から必要なツール14.06までの距離の66%しかない。その結果、測定対象の加工力Kwの最大部分は、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3に作用し、測定対象の加工力Kwの若干分のみが接触面13.00に作用する。これは、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を力の主結合の状態でツール・ホルダ13とツール・スライド11との間に空間的に配置する、もう1つの理由である。
【0041】
この力の主結合は、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3の代わりに1つの多構成要素力トランスデューサを使用した場合には達成されない。この理由は、先述の型式指定9027Cを備えた多構成要素力トランスデューサと型式指定9145Bを備えた単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3とが同じ外径24.0mmを有するからである。このため、多構成要素力トランスデューサの第2のハウジング端面の場合、ツール・ホルダ13の接触面13.00よりも小さくなるはずであり、多構成要素力トランスデューサをツール・ホルダ13とツール・スライド11との間に空間的に配置した場合、力の分流の状態になるはずである。
【0042】
更には、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3の第2のハウジング端面12.12、12.22、12.32とツール・ホルダ13の接触面13.00とからなる総接触面の大きさは、垂直面xz内の、ツール・スライド11の総接触面11.00の大きさの少なくとも半分になる。このため、ツール・ホルダ13とツール・スライド11とは、それぞれの面の大部分にわたり互いに接触しており、そのことが、切削機10は非常に剛性があり、したがって垂直面xz内に機械的な変形の可能性はないので、固有振動数が高くなるという利点になる。この利点は、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3の代わりに1つの多構成要素力トランスデューサを使用した場合にはやはり達成されない。これは、先述の型式指定9027Cを備えた多構成要素力トランスデューサと型式指定9145Bを備えた単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3とが同じ外径24.0mmを有するからである。多構成要素力トランスデューサの場合、多構成要素力トランスデューサの第2のハウジング端面とツール・ホルダ13の接触面13.00とからなる総接触面の大きさは、垂直面xz内のツール・スライド11の総接触面11.00の大きさの半分未満になるはずである。
【0043】
単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、石英(SiО2)、カルシウムガロ-ゲルマネート(calcium gallo-germanate:Ca3Ga2Ge4O14、又はCGG)、ランガサイト(La3Ga5SiO14、又はLGS)、トルマリン、オルトリン酸ガリウムなどの単結晶からなり、且つチタン酸ジルコン酸鉛(Pb[ZrxTi1-x]O3、0≦x≦1)などの圧電セラミックスからなる、圧電性の材料を備えた圧電性の力トランスデューサである。
【0044】
圧電性の材料は、中空円筒形状で、ハウジング端面と平行に配置され、それによって横断面xzとも平行な端面を有する。このため、測定対象の加工力Kwは、圧電性の材料からなる端面に作用する。圧電性の材料は、測定対象の加工力Kwが作用する端面上で、加工力Kwに対して最大感度を有するように配向させる。本発明の意味においては、感度とは、圧電性の材料に作用する加工力Kwに対する、該加工力Kwの影響下で発生した電気的な分極電荷の数の割合である。最大感度では、圧電性の材料は、最大数の電気的な分極電荷を発生する。従って、単結晶からなる圧電性の材料は、端面に作用する加工力Kwに対して最大数の電気的な分極電荷を発生するような配向で、中空円筒形状に切る。この理由から、圧電セラミックスからなる圧電性の材料は、端面に作用する加工力Kwに対して最大数の電気的な分極電荷を発生するように、電場で分極され、機械的な押圧によって中空円筒形状に成形される。
【0045】
少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、加工力Kwの同じ力成分を測定することが好ましい。主切削力の力成分はx方向に測定されることが好ましい。以下では、主切削力のx方向の力成分を主切削力成分Kwxとも呼ぶ。この目的のために、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3のそれぞれは、主切削力成分Kwxに対して最大感度で電気的な分極電荷を発生するように配向された圧電性の材料を有する。このため、主切削力成分Kwxは冗長的に測定される。
図1~4による実例において、3つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、ハウジング端面を垂直面xzと平行にして配置する。3つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3のそれぞれは、横せん断の効果に応じて、横軸xに沿ったせん断力として、同じ主切削力成分Kwxを測定する。
【0046】
加工力Kwの測定は、必要なツール14.01~14.06の位置iに固有のものである。
図1~4による実例において、ツール・ホルダ13は6つの必要なツール14.01~14.06を6つの異なる位置i、i=1~6、にて保持し、切削機1は3つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を備える。6つの必要なツール14.01~14.06のそれぞれは、3つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3のそれぞれからは異なる距離に配置される。必要なツール14.01~14.06のそれぞれから単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3のそれぞれまでの距離が異なることによって、加工力Kwの力の流れは、単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3のそれぞれに対する必要なツール14.01~14.06の位置iに固有なものとなり、単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3のそれぞれは、若干異なる量の加工力Kwを測定することとなる。典型的には、測定した加工力Kwの量は0.75から1.25までの範囲で変動する。加工力Kwを測定する際のこの位置固有性は、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3で行う加工力Kwの冗長した測定によって低減される。これは、単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3の測定信号が加算されて位置固有平均化測定信号が得られるからである。
【0047】
電気的な分極電荷は端面からピックオフしなければならない。この目的のために、単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は電極を備える。電極は、銅や金などの導電性材料からなり、中空円筒形状である。1つの電極はそれぞれ、圧電性の材料からなる端面のうちの1つの上に直接配置される。
【0048】
第1の単一構成要素力トランスデューサ12.1では、第1の信号電極が、電気的な分極電荷をアナログ測定信号Sa1として第1の端面からピックアップし、第1の接地電極が、電気的な分極電荷を第2の端面からピックアップする。第2の単一構成要素力トランスデューサ12.2では、第2の信号電極が、電気的な分極電荷をアナログ測定信号Sa2として第1の端面からピックアップし、第2の接地電極が、電気的な分極電荷を第2の端面からピックアップする。更に、第3の単一構成要素力トランスデューサ12.3では、第3の信号電極が、電気的な分極電荷をアナログ測定信号Sa3として第1の端面からピックアップし、第3の接地電極が、電気的な分極電荷を第2の端面からピックアップする。アナログ測定信号Sa1、Sa2、Sa3は、加工力Kwの量に比例する。
【0049】
3つの信号電極はハウジングとは電気的に絶縁させ、3つの接地電極はハウジングに電気的に接続するとともにハウジングの接地電位上に配置する。3つの接地電極は全て同じ接地電位上にあるので、同じ符号により指定する。
【0050】
単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、信号回線12.10、12.20、12.30を介して、信号ソケット12.4に電気的に接続する。第1の信号回線12.10は、第1の単一構成要素力トランスデューサ12.1の第1の信号電極を信号ソケット12.4に接続し、第2の信号回線12.20は、第2の単一構成要素力トランスデューサ12.2の第2の信号電極を信号ソケット12.4に接続し、第3の信号回線12.30は、第3の単一構成要素力トランスデューサ12.3の第3の信号電極を信号ソケット12.4に接続する。3つの信号回線12.10、12.20、12.30は、ツール・ホルダ13の少なくとも1つのキャビティ13.10に導く。キャビティ13.10は、ツール・ホルダ13をツール・スライド11に締結する際に、ツール・ホルダ13によって外部に対して封止されていることが好ましい。このように封止することによって、切りくず除去機械加工する際に、キャビティ13.10に導かれた信号回線12.10、12.20、12.30を外からの悪影響から保護する。信号ソケット12.4はツール・ホルダ13の外側に取り付ける。
【0051】
信号ケーブル12.5は、外側から信号ソケット12.4に電気的に接続することが可能である。ツール・ホルダ13をツール・スライド11に取り付ける度に、信号ケーブル12.5も、クイック・リリース連結部を介して簡単且つ迅速に信号ソケット12.4に電気的に接続される。一方、ツール・ホルダ13をツール・スライド11から取り外す際にも、クイック・リリース連結部を介して簡単且つ迅速に信号ケーブル12.5は信号ソケット12.4から電気的に分離される。信号ソケット12.4と電気的に接触している信号ケーブル12.5は、アナログ測定信号Sa1、Sa2、Sa3を信号ソケット12.4から評価ユニット16へと導く。
【0052】
必要なツール14.01~14.06による製作ステップごとに、第1の単一構成要素力トランスデューサ12.1は、第1のアナログ測定信号Sa1を主切削力成分Kwxについて生成する。必要なツール14.01~14.06による製作ステップごとに、第2の単一構成要素力トランスデューサ12.2は、第2のアナログ測定信号Sa2を主切削力成分Kwxについて生成する。更に、必要なツール14.01~14.06による製作ステップごとに、第3の単一構成要素力トランスデューサ12.3は、第3のアナログ測定信号Sa3を主切削力成分Kwxについて生成する。各製作ステップは、1秒から100秒まで継続する。単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、時間分解能を1kHzから50kHzまでの周波数帯域にしてアナログ測定信号Sa1、Sa2、Sa3を生成する。
【0053】
電極が圧電性の材料からなる端面から発生した電気的な分極電荷を全てピックオフすることと、加工力Kwが誤って測定されることになる圧電性の材料からなる端面に電気的な分極電荷が一切残らないこととを確実にするために、電極は、圧電性の材料からなる端面に対して機械的に付勢される。単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を機械的に付勢することで、電極と圧電性の材料からなる端面との間の微小孔が閉じる。凹部13.07~13.09に挿入された単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を機械的に付勢するには、第1の締結手段13.31、13.32、13.33で、ツール・ホルダ13をツール・スライド11に締結すればよい。
【0054】
評価ユニット16は、少なくとも1つのコンバータ・ユニット16.1と、少なくとも1つのコンピュータ16.2と、少なくとも1つの入力ユニット16.3と、少なくとも1つの出力ユニット16.4とを備える。
【0055】
単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3は、信号ケーブル12.5を介してコンバータ・ユニット16.1に電気的に接続される。コンバータ・ユニット16.1は、信号電極によって送信されたアナログ測定信号Sa1、Sa2、Sa3をデジタル測定信号Sd1、Sd2、Sd3に変換する。
【0056】
コンピュータ16.2は、少なくとも1つのデータ・プロセッサと少なくとも1つのデータ・メモリとを備える。コンピュータ16.2は、入力ユニット16.3を介して動作可能である。入力ユニット16.3は、制御命令を入力するように、キーボードであってもよい。本発明の意味においては、動詞「動作する」とは、任意の人が入力ユニット16.3で制御命令を入力することによって、コンピュータ16.2を起動し、制御し、電源を切ることを意味する。コンピュータ16.2は、デジタル測定信号Sd1、Sd2、Sd3をインポートする。コンピュータ16.2は、読み込んだデジタル測定信号Sd1、Sd2、Sd3の合計を計算して位置固有平均化測定信号(Sd1+Sd2+Sd3)を出す。コンピュータ16.2は、位置固有平均化測定信号(Sd1+Sd2+Sd3)を出力ユニット16.4上に表示する。出力ユニット16.4は、評価したデジタル測定信号のダイアグラムを表示するスクリーンであってもよい。
【0057】
コンピュータ16.2は、デジタル測定信号Sd1、Sd2、Sd3を評価する際に、基準信号Rと位置固有の較正係数αiとをインポートする。
【0058】
基準信号Rは、被加工物9の材料に対して、及び必要なツール14.01~14.06の切削材料に対して固有のものである。このケースで重要なのは、強度、靭性、硬度などの材料の特性及び切削材料の特性である。しかし、基準信号Rは、切りくず除去機械加工の処理パラメータに対しても固有である。この種の処理パラメータとは順送り速度、供給量、ツールの形状などである。被加工物9の材料ごと及び必要なツール14.01~14.06の切削材料ごとに、並びに金属切削成形の処理パラメータごとに、基準信号Rは、コンピュータ16.2のデータ・メモリ内に記憶され、コンピュータ16.2によってデータ・メモリから読み出し可能であることが好ましい。
【0059】
加工力Kwを測定する際に位置固有性を更に低減するために、位置iごとに固有の較正係数αiは、コンピュータ16.2のデータ・メモリ内に記憶され、コンピュータ16.2によってデータ・メモリから読み出すことができる。
【0060】
評価を実行するにあたり、コンピュータ16.2は、位置iにおける必要なツール14.01~14.06の位置固有平均化測定信号(Sd1+Sd2+Sd3)を、必要なツール14.01~14.06の位置iの位置固有の較正係数αiをそれに乗算することによって較正する。処理ステップごとに、コンピュータ16.2は、位置iの位置固有平均化測定信号(Sd1+Sd2+Sd3)と、読み出した被加工物9の材料及び位置iにおける必要なツール14.01~14.06の切削材料の基準信号Rとの差Δを計算する。
αi*(Sd1+Sd2+Sd3)-R=Δ≦T=10%*R
少なくとも1つの既定の公差値Tは、コンピュータ16.2のデータ・メモリ内に記憶され、この既定の公差値Tは、製作ステップごとに読み出される。製作ステップごとに、差Δを既定の公差値Tと比較する。差Δが既定の公差値T以下の場合、必要なツール14.01~14.06は摩耗しておらず引き続き使用すると結論付け、及び差Δが既定の公差の大きさTよりも大きい場合、必要なツール14.01~14.06は摩耗しており交換されると結論付ける。第1の概算として、既定の公差値Tは基準信号Rの10%に等しい。
【0061】
図5は、
図1による切削機10の単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を較正する処理ステップ210~260の流れ図を示す。
図6は、
図1による切削機10のツール・ホルダ13上で、
図5による処理ステップを実行する較正装置20の一実施例の複数の部分を示す。
【0062】
較正装置20は、較正接点部21と、較正力トランスデューサ21と、較正駆動ユニット20と、評価ユニット26とを備える。
【0063】
第1の処理ステップ210で、ツール・ホルダ13に、少なくとも1つの必要なツール14.01~14.06と、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3とを提供する。
図6による実例では、切削機10は、3つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を備える。
【0064】
次の処理ステップ220で、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3を評価ユニット26に連結する。評価ユニット26は、少なくとも1つのコンバータ・ユニット26.1と、少なくとも1つのコンピュータ26.2と、少なくとも1つの入力ユニット26.3と、少なくとも1つの出力ユニット26.4とを備える。
【0065】
次の処理ステップ230で、必要なツール14.01~14.06に較正装置20で較正力Kkを加える。
【0066】
較正装置20は、較正駆動ユニット21と、較正接点部23と、較正力トランスデューサ22とを備える。
【0067】
較正駆動ユニット21は、電気駆動ユニットや空気圧駆動ユニットなどである。較正駆動ユニット21は、較正接点部23及び較正力トランスデューサ22を、3つの軸x、y、zに沿って移動させる。較正駆動ユニット21は、ツール・ホルダ13の位置iで較正接点部23を必要なツール14.01~14.06と正確に整列させ、必要なツール14.01~14.06に較正力Kkを加える。較正力Kkは、横軸xの方向に主切削力較正成分Kkxを有する。
【0068】
図6による実例では、較正接点部23は指の形状をし、較正力Kkを出す先端部を有する。較正接点部23は、鋼や工具鋼などの機械的に耐力のある材料からなる。
【0069】
較正力トランスデューサ22は、主切削力較正成分Kkxを測定する。較正力トランスデューサ22は、任意の測定原理に応じて動作することができる。しかし、較正にとって必要なのは、較正力トランスデューサ22が、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3の精度よりも少なくとも1桁大きい精度で、主切削力較正成分Kkxを測定することである。較正力トランスデューサ22は、較正信号ケーブル22.5を介してコンバータ・ユニット26.2に電気的に接続される。
【0070】
次の処理ステップ240で、主切削力較正成分Kkxを、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3、及び較正装置20の較正力トランスデューサ22で測定する。
図6による実例では、第1の単一構成要素力トランスデューサ12.1は、第1のアナログ測定信号Sa
1を主切削力較正成分Kkxについて生成し、第2の単一構成要素力トランスデューサ12.2は、第2のアナログ測定信号Sa
2を主切削力較正成分Kkxについて生成し、第3の単一構成要素力トランスデューサ12.3は、第3のアナログ測定信号Sa
3を主切削力較正成分Kkxについて生成する。較正力トランスデューサ22は、アナログ較正信号Kaを主切削力較正成分Kkxについて生成する。
【0071】
次の処理ステップ250で、少なくとも2つの単一構成要素力トランスデューサ12.1、12.2、12.3のアナログ測定信号Sa1、Sa2、Sa3及び較正力トランスデューサ22のアナログ較正信号Kaを評価ユニット26に送信する。
【0072】
コンバータ・ユニット26.1は、送信されたアナログ測定信号Sa
1、Sa
2、Sa
3をデジタル測定信号Sd
1、Sd
2、Sd
3に変換する。
図6による実施例では、コンバータ・ユニット26.1は、第1のアナログ測定信号Sa
1を第1のデジタル測定信号Sd
1に変換し、コンバータ・ユニット26.1は、第2のアナログ測定信号Sa
2を第2のデジタル測定信号Sd
2に変換し、コンバータ・ユニット26.1は、第3のアナログ測定信号Sa
3を第3のデジタル測定信号Sd
3に変換する。
【0073】
コンバータ・ユニット26.1は、信号ケーブル22.14を介して較正力トランスデューサ22から送信されたアナログ較正信号Kaをデジタル較正信号Kdに変換する。
【0074】
次の処理ステップ260で、デジタル測定信号Sd1、Sd2、Sd3とデジタル較正信号Kdとを評価ユニット26内で比較する。
【0075】
コンピュータ26.2は、少なくとも1つのデータ・プロセッサと少なくとも1つのデータ・メモリとを備える。コンピュータ26.2は、入力ユニット26.3を介して動作可能である。入力ユニット26.3は、制御命令を入力するように、キーボードであってもよい。本発明の意味においては、動詞「動作する」とは、任意の人が入力ユニット26.3で制御命令を入力することによって、コンピュータ26.2を起動し、制御し、電源を切ることを意味する。コンピュータ26.2は、デジタル測定信号Sd1、Sd2、Sd3及びデジタル較正信号Kdをインポートする。コンピュータ26.2は、デジタル測定信号Sd1、Sd2、Sd3の合計を計算して位置固有平均化測定信号(Sd1+Sd2+Sd3)を得る。コンピュータ26.2は、位置固有平均化測定信号(Sd1+Sd2+Sd3)を出力ユニット26.4上に表示する。出力ユニット26.4は、評価したデジタル測定信号のダイアグラムを表示するスクリーンであってもよい。
【0076】
コンピュータ26.2は、デジタル測定信号Sd
1、Sd
2、Sd
3をデジタル較正信号Kdと比較する。この比較は、必要なツール14.01~14.06の位置iに対して特異的に行われる。位置iに関する情報は、入力ユニット26.3を介して入力することができる。
図6による実例では、較正接点部23は、第3のツール凹部13.03内に配置された第3の必要なツール14.3に対して較正力Kkを与える。第3のツール凹部13.03は第3の位置i=3に対応し、必要なツール14.3を第3の位置i=3**に配置する。
【0077】
コンピュータ26.2は、位置iの位置固有平均化測定信号(Sd1+Sd2+Sd3)を位置iのデジタル較正信号Kdと比較する。この比較の結果は、位置iの較正係数αiとなる。
αi*(Sd1+Sd2+Sd3)=Kd i=1~6
位置固有平均化測定信号(Sd1+Sd2+Sd3)がデジタル較正信号Kdと同一の場合、較正係数αi=1.00となる。典型的には、較正係数αiは、0.85から1.15までの範囲で変動する。較正係数αiは、評価ユニット16のコンピュータ16のデータ・メモリ内に記憶させることができる。
【符号の説明】
【0078】
9 被加工物
10 切削機
11 ツール・スライド
11.00 総接触面
12 力トランスデューサ
12.1、12.2、12.3 単一構成要素力トランスデューサ
12.10、12.20、12.30 信号回線
12.11、12.21、12.31 第1のハウジング端面
12.12、12.22、12.32 第2のハウジング端面
12.4 信号ソケット
12.5 信号ケーブル
13 ツール・ホルダ
13.00 接触面
13.01~13.06 ツール凹部
13.07~13.09 凹部
13.10 キャビティ
13.11~13.16 第1の保持手段
13.26~13.26 第2の保持手段
13.31~13.33 第1の締結手段
13.41~13.43 第2の締結手段
14.01~14.06 必要なツール
16、26 評価ユニット
16.1、26.1 コンバータ・ユニット
16.2、26.2 コンピュータ
16.3、26.3 入力ユニット
16.4、26.4 出力ユニット
20 較正装置
21 較正駆動ユニット
22 較正接点部
23 較正力トランスデューサ
23.5 較正信号ケーブル
210~260 処理ステップ
αi 位置固有の較正係数
Δ 差
i 位置
Kw 加工力
Kwx 主切削力成分
Kwy 受動力成分
Kwz 順送り力成分
Kk 較正力
Kkx 主切削力較正成分
Sa1、Sa2、Sa3 アナログ測定信号
Sd1、Sd2、Sd3 デジタル測定信号
(Sd1+Sd2+Sd3) 位置固有平均化測定信号
R 基準信号
Ka アナログ較正信号
Kd デジタル較正信号
s 隙間
T 既定の公差値
x 横軸
y 水平軸
z 垂直軸
xy 横断面
xz 垂直面