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特許7556981エイミング機構、車両用ランプモジュール、車両用ランプおよび車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】エイミング機構、車両用ランプモジュール、車両用ランプおよび車両
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/657 20180101AFI20240918BHJP
   F21V 14/02 20060101ALI20240918BHJP
   F21V 19/02 20060101ALI20240918BHJP
   F21W 102/155 20180101ALN20240918BHJP
【FI】
F21S41/657
F21V14/02 200
F21V19/02 600
F21V19/02 500
F21W102:155
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022563338
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 CN2021081312
(87)【国際公開番号】W WO2021238352
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】202010456521.3
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/111397
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518211749
【氏名又は名称】ハスコ ビジョン テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仇智平
(72)【発明者】
【氏名】金朗潤
(72)【発明者】
【氏名】李聰
(72)【発明者】
【氏名】祝賀
(72)【発明者】
【氏名】桑文慧
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110006001(CN,A)
【文献】特開2003-197009(JP,A)
【文献】特開2011-230570(JP,A)
【文献】特開2001-256806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/657
F21V 14/02
F21V 19/02
F21W 102/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ユニット(2)をエイミングするように構成され、
固定ボールヘッド接続部材(1a)と、第1調整可能なボールヘッド接続部材(1b)と、第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)とを備え、
前記固定ボールヘッド接続部材(1a)は、一端部が前記照明ユニット(2)と接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ(3)と接続され、
前記第1調整可能なボールヘッド接続部材(1b)は、一端部が前記照明ユニット(2)と接続され、他端部が前記ブラケットまたはランプボディ(3)に支持され、
前記照明ユニット(2)にスライド溝(4)が設けられ、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)は、一端部が前記スライド溝(4)とスライド可能に接続され、他端部が前記ブラケットまたはランプボディ(3)に支持され
前記固定ボールヘッド接続部材(1a)および前記第1調整可能なボールヘッド接続部材(1b)は、いずれも前記ブラケットまたはランプボディ(3)と固定接続され、
前記固定ボールヘッド接続部材(1a)の玉部の球心と前記第1調整可能なボールヘッド接続部材(1b)の玉部の球心との結ぶ線が第1方向に沿って延在し、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)が前記固定ボールヘッド接続部材(1a)および第1調整可能なボールヘッド接続部材(1b)の後側に設置され、
前記第1方向は左右方向であり、第2方向は上下方向であり、
前記固定ボールヘッド接続部材(1a)の玉部の球心、前記第1調整可能なボールヘッド接続部材(1b)の玉部の球心および前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)の玉部の球心が同一の水平面にあり、
前記スライド溝(4)と前記水平面とが夾角をなし、
前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)が、前記ブラケットまたはランプボディ(3)に対して前後に移動可能に構成されることで、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)が、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)と前記スライド溝(4)との係合により、前記固定ボールヘッド接続部材(1a)の玉部の球心と前記第1調整可能なボールヘッド接続部材(1b)の玉部の球心とを結ぶ軸の廻りで前記スライド溝(4)を回動駆動して、前記スライド溝(4)の回動で前記照明ユニット(2)を回動駆動して前記第2方向でのエイミングを実現させる、
ことを特徴とするエイミング機構
【請求項2】
記固定ボールヘッド接続部材(1a)および前記第1調整可能なボールヘッド接続部材(1b)は、ボールヘッドスクリューアッセンブリー(1)であり、前記ボールヘッドスクリューアッセンブリー(1)が、ボールヘッドスクリュー(101)とボールヘッドナット(102)とを備える
ことを特徴とする請求項に記載のエイミング機構
【請求項3】
記照明ユニット(2)にスライド溝(4)が設けられ、前記スライド溝(4)にスライドブロック(6)が設置され、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)の一端部が前記スライドブロック(6)により前記スライド溝(4)とスライド可能に接続される
ことを特徴とする請求項に記載のエイミング機構
【請求項4】
記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)は、ボールヘッドスクリューアッセンブリー(1)であり、前記ボールヘッドスクリューアッセンブリー(1)は、ボールヘッドスクリュー(101)とボールヘッドナット(102)とを備え、前記スライドブロック(6)は、前記スライド溝(4)とスライド可能に接続されるスライドブロックベース(601)と、前記スライドブロックベース(601)に固定される固定部(602)とを含み、前記固定部(602)が前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)の玉部と可動に接続され、または、
前記スライドブロック(6)は、前記ボールヘッドナット(102)に接続されるスライドロッドとして形成され、前記スライド溝(4)内にスライド可能に接続される
ことを特徴とする請求項に記載のエイミング機構
【請求項5】
記固定部(602)に柱面溝(6021)が形成され、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)がボールヘッドスクリュー(101)として形成され、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)の玉部が、前記柱面溝(6021)内に取り付けられるとともに前記柱面溝(6021)に沿ってスライド可能に構成される
ことを特徴とする請求項に記載のエイミング機構
【請求項6】
記柱面溝(6021)の軸方向中心線(6022)は、前記固定ボールヘッド接続部材(1a)の玉部の球心および前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)の玉部の球心を通る鉛直平面に対して垂直をなし、前記柱面溝(6021)の内面は、前記鉛直平面で前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)の玉部を切断してなる断面線を前記軸方向中心線(6022)に沿って移動させてなるものであり、または、
前記柱面溝(6021)の軸方向中心線(6022)は、前記固定ボールヘッド接続部材(1a)の玉部の球心を円心とし、前記固定ボールヘッド接続部材(1a)の玉部の球心と前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)の玉部の球心との結ぶ線を半径とする弧状線分として形成され、前記柱面溝(6021)の内面は、鉛直平面で前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)の玉部を切断してなる断面線を前記軸方向中心線(6022)に沿って移動させてなるものであり、前記鉛直平面は、前記固定ボールヘッド接続部材(1a)の玉部の球心および前記第2調整可能なボールヘッド接続部材(1c)の玉部の球心を通る鉛直平面である
ことを特徴とする請求項に記載のエイミング機構
【請求項7】
記スライドブロックベース(601)の前記固定部(602)から離間した端部の端面に弾性支持構造(6012)が設置され、または一体に形成され、
前記弾性支持構造(6012)は、前記スライド溝(4)の底面に当接するとともに、前記スライドブロックベース(601)が前記スライド溝(4)に当接して前記スライド溝(4)に沿ってスライドすることができるように反力を生成可能に構成される
ことを特徴とする請求項に記載のエイミング機構
【請求項8】
記弾性支持構造(6012)は、対をなす弧状弾性シートであり、前記弧状弾性シートが前記スライド溝(4)に沿って延在する
ことを特徴とする請求項に記載のエイミング機構
【請求項9】
求項1~のいずれか1項に記載のエイミング機構および照明ユニット(2)を備え、
前記照明ユニット(2)は、放熱部材(201)を備え、前記スライド溝(4)が前記放熱部材(201)に一体にまたは取外し可能に設けられる
ことを特徴とする車両用ランプモジュール
【請求項10】
求項に記載の車両用ランプモジュールを備えることを特徴とする車両用ランプ
【請求項11】
求項10に記載の車両用ランプを備えることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ランプ部材、具体的に、エイミング機構に関する。また、本発明は、さらに車両用ランプモジュール、車両用ランプおよび車両に関する。
【0002】
(関係出願の相互参照)
本出願は、2020年05月26日に提出された、出願番号が202010456521.3である中国出願、および、2020年08月26日に提出された、出願番号がPCT/CN2020/111397であるPCT国際出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本出願に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
車両用ランプ、特に前照灯は、使用する前または取り付ける過程においてその配光パターンを標準位置にエイミングする必要がある。このため、照明ユニットが照射する配光パターンを標準位置配光パターン(配光パターンは、標準スクリーンに照射される配光パターンであり、前照灯ロービームまたはハイビームの場合、標準スクリーンが車両の前方25mの位置で鉛直に設置されるスクリーンである)に対するまたは各照明ユニット同士が照射する配光パターンの互いの上下または左右方向の位置を調整するために、車両用ランプモジュールにエイミング機構を設置する必要がある。図1図3に示すように、P0は標準位置配光パターンであり、P1、P2、P3、P4は位置がずれる配光パターンであり、P1に示す配光パターンを下にエイミングし、P2に示す配光パターンを上にエイミングし、P3に示す配光パターンを右にエイミングし、P4に示す配光パターンを左にエイミングする必要があり、これによって、標準位置にある配光パターンP0を得る。
【0004】
図4図7に示すように、既存の車両用ランプモジュールに使用されるエイミング機構は、3つのボールヘッドスクリューアッセンブリー1を備え、ボールヘッドスクリューアッセンブリー1がボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102とを含む。ボールヘッドスクリュー101は、軸部にネジが設けられ、ネジによりブラケットまたはランプボディと接続され、ボールヘッドスクリュー101の前端部に玉部が形成され、玉部と玉座が設けられるボールヘッドナット102とが結合し、ボールヘッドナット102が、照明ユニット2と固定接続される。3つのボールヘッドスクリューアッセンブリー1のうち、1つが、ブラケットまたはランプボディに対して固定するように構成される固定ボールヘッドスクリューアッセンブリー1であり、他の2つが、ブラケットまたはランプボディに対して前後移動できる調整可能なボールヘッドスクリューアッセンブリー1である。調整可能なボールヘッドスクリューアッセンブリー1のうち、1つのボールヘッドスクリューアッセンブリー1は、固定ボールヘッドスクリューアッセンブリー1の下方に設置される。該調整可能なボールヘッドスクリューアッセンブリー1のボールヘッドスクリュー101を回すことで、ボールヘッドスクリュー101をブラケットまたはランプボディに対して前後移動させて、照明ユニット2を水平エイミング軸回りにブラケットまたはランプボディに対して上下回動させることによって、上下方向のエイミングを実現する。もう1つの調整可能なボールヘッドスクリューアッセンブリー1は、固定ボールヘッドスクリューアッセンブリー1の左側または右側に設置される。該調整可能なボールヘッドスクリューアッセンブリー1のボールヘッドスクリュー101を回すことで、ボールヘッドスクリュー101をブラケットまたはランプボディに対して前後移動させて、照明ユニット2を鉛直エイミング軸回りにブラケットまたはランプボディに対して左右回動させることによって、左右方向のエイミングを実現する。水平エイミング軸は、固定ボールヘッドスクリューアッセンブリー1の左側または右側に位置する調整可能なボールヘッドスクリューアッセンブリー1の玉部の球心と固定ボールヘッドスクリューアッセンブリー1の玉部の球心とを結んで形成された水平軸線である。鉛直エイミング軸は、固定ボールヘッドスクリューアッセンブリー1の下方に位置する調整可能なボールヘッドスクリューアッセンブリー1の玉部の球心と固定ボールヘッドスクリューアッセンブリー1の玉部の球心とを結んで形成された鉛直軸線である。
【0005】
上記のエイミング機構は、上下方向および左右方向のエイミングを実現できるが、少なくとも下記の2つの不足がある。その1は、上下方向および左右方向のエイミングを実現するため、調整可能なボールヘッドスクリューアッセンブリー1を固定ボールヘッドスクリューアッセンブリー1の側方または下方に設置しなければならないので、エイミング機構全体の上下方向または左右方向での寸法a(図7に示す)が比較的に大きくなってしまうので、車両用ランプモジュールに対する上下方向での寸法または左右方向での寸法の小型化に関する空間的な配置要求に対応できない。その2は、車両用ランプモジュールの上下方向または左右方向での寸法が比較的に小さい場合、上下方向の2つのボールヘッドスクリューアッセンブリーまたは左右方向の2つのボールヘッドスクリューアッセンブリー1の間の距離Lが小さくなり、このため、回動させるためのフォースアームが比較的に短く、調整可能なボールヘッドスクリューアッセンブリー1を前後に微小に移動させると、照明ユニット2が大きく回動してしまうので、エイミングの精度が比較的に低い。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1局面が解決しようとする技術的問題は、車両用ランプモジュールの第2方向での寸法の小型化を実現できるとともに、第2方向でのエイミングの精度を上げることができるエイミング機構を提供することがである。
【0007】
本発明の第2局面が解決しようとする技術的問題は、エイミング機構が車両用ランプモジュールの第2方向での寸法の小型化を実現できるとともに、第2方向でのエイミングの精度を上げることができる車両用ランプモジュールを提供することである。
【0008】
本発明の第3局面が解決しようとする技術的問題は、エイミング機構が車両用ランプモジュールの第2方向での寸法の小型化を実現できるとともに、第2方向でのエイミングの精度を上げることができる車両用ランプを提供することである。
【0009】
本発明の第4局面が解決しようとする技術的問題は、エイミング機構が車両用ランプモジュールの第2方向での寸法の小型化を実現できるとともに、第2方向でのエイミングの精度を上げることができる車両を提供することである。
【0010】
上記の技術的問題を解決するため、本発明の第1局面は、エイミング機構を提供する。このエイミング機構は、照明ユニットをエイミングするように構成され、固定ボールヘッド接続部材と、第1調整可能なボールヘッド接続部材と、第2調整可能なボールヘッド接続部材とを備え、前記固定ボールヘッド接続部材は、一端部が前記照明ユニットと接続され、他端部がブラケットまたはランプボディと接続され、前記第1調整可能なボールヘッド接続部材は、一端部が前記照明ユニットと接続され、他端部が前記ブラケットまたはランプボディに支持され、前記照明ユニットにスライド溝が設けられ、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材は、一端部が前記スライド溝とスライド可能に接続され、他端部が前記ブラケットまたはランプボディに支持され、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材は、前記スライド溝を回動駆動して前記スライド溝の回動で前記照明ユニットを回動駆動して第2方向でのエイミングを実現できるように、前記ブラケットまたはランプボディに対して前後移動可能に構成される。
【0011】
本発明の1つの好ましい実施形態として、前記固定ボールヘッド接続部材および前記第1調整可能なボールヘッド接続部材は、いずれも前記ブラケットまたはランプボディと固定接続される。
【0012】
好ましくは、前記固定ボールヘッド接続部材の玉部の球心と前記第1調整可能なボールヘッド接続部材の玉部の球心との結ぶ線が第1方向に沿って延在し、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材が前記固定ボールヘッド接続部材および第1調整可能なボールヘッド接続部材の後側に設置される。
【0013】
本発明の他の好ましい実施形態として、前記第1方向は左右方向であり、前記第2方向は上下方向であり、前記固定ボールヘッド接続部材の玉部の球心、前記第1調整可能なボールヘッド接続部材の玉部の球心および前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部の球心が同一の水平面にある。
【0014】
より好ましくは、前記スライド溝と前記水平面とが夾角をなす。
【0015】
本発明の他の好ましい実施形態として、前記固定ボールヘッド接続部材および前記第1調整可能なボールヘッド接続部材は、ボールヘッドスクリューアッセンブリーであり、前記ボールヘッドスクリューアッセンブリーが、ボールヘッドスクリューとボールヘッドナットとを備える。
【0016】
本発明に係る具体的な一構造形態として、前記照明ユニットにスライド溝が設けられ、前記スライド溝にスライドブロックが設置され、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の一端部が前記スライドブロックにより前記スライド溝とスライド可能に接続される。
【0017】
より具体的に、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材は、ボールヘッドスクリューアッセンブリーであり、前記ボールヘッドスクリューアッセンブリーは、ボールヘッドスクリューとボールヘッドナットとを備え、前記スライドブロックは、前記スライド溝とスライド可能に接続されるスライドブロックベースと、前記スライドブロックベースに固定される固定部とを含み、前記固定部が前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部と可動に接続され、または、前記スライドブロックは、前記ボールヘッドナットに接続されるスライドロッドとして形成され、前記スライド溝内にスライド可能に接続される。
【0018】
特に、前記固定部が環状構造として形成され、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材に係止溝が形成され、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材のボールヘッドナットが前記係止溝により前記固定部に係止され、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部の球心が前記環状構造の軸方向中心線に設置され、または、前記固定部に柱面溝が形成され、前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部が、前記柱面溝内に取り付けられるとともに前記柱面溝に沿ってスライド可能に構成される。
【0019】
本発明の他の具体的な構造形態として、前記柱面溝の軸方向中心線は、前記固定ボールヘッド接続部材の玉部の球心および前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部の球心を通る鉛直平面に対して垂直をなし、前記柱面溝の内面は、前記鉛直平面で前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部を切断してなる断面線を前記軸方向中心線に沿って移動させてなるものであり、または、前記柱面溝の軸方向中心線は、前記固定ボールヘッド接続部材の玉部の球心を円心とし、前記固定ボールヘッド接続部材の玉部の球心と前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部の球心との結ぶ線を半径とする弧状線分として形成され、前記柱面溝の内面は、鉛直平面で前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部を切断してなる断面線を前記軸方向中心線に沿って移動させてなるものであり、前記鉛直平面は、前記固定ボールヘッド接続部材の玉部の球心および前記第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部の球心を通る鉛直平面である。
【0020】
より具体的に、前記スライドブロックベースの前記固定部から離間した端の端面に弾性支持構造が設置され、または一体に形成され、前記弾性支持構造は、前記スライド溝の底面に当接するとともに、前記スライドブロックベースが前記スライド溝に当接して前記スライド溝に沿ってスライドすることができるように反力を生成可能に構成される。
【0021】
さらに、前記弾性支持構造は、対をなす弧状弾性シートであり、前記弧状弾性シートが前記スライド溝に沿って延在する。
【0022】
また、本発明の第2局面は、車両用ランプモジュールを提供し、この車両用ランプモジュールは、上記の第1局面の技術案のいずれか1つに記載のエイミング機構および照明ユニットを備え、前記照明ユニットは、放熱部材を備え、前記スライド溝が前記放熱部材に一体に設置されまたは取外し可能に設置される。
【0023】
さらに、本発明の第3局面は、車両用ランプを提供し、この車両用ランプは、上記の第2局面の技術案に記載の車両用ランプモジュールを備える。
【0024】
さらに、本発明の第4局面は、車両をさらに提供し、この車両は、上記の第3局面の技術案に記載の車両用ランプを備える。
【0025】
上記の技術案により、本発明に係るエイミング機構は、第2調整可能なボールヘッド接続部材の前後移動によりスライド溝および照明ユニットを回動駆動させて第2方向でのエイミングを実現する。このエイミング機構において、第2調整可能なボールヘッド接続部材を第2方向に沿って固定ボールヘッド接続部材の一側に設置する必要がないため、照明ユニットの第2方向での寸法a′を小さくすることができ、照明ユニットの第2方向での小型化を実現することができる。そして、第2調整可能なボールヘッド接続部材が固定ボールヘッド接続部材および第1調整可能なボールヘッド接続部材の後側に設置されるので、第2調整可能なボールヘッド接続部材の玉部の球心と第2回動軸との間の距離を増加させることができ、つまり照明ユニットが第2方向において回動するためのフォースアームを長くすることができる。従来技術に比べて、第2調整可能なボールヘッド接続部材が同じ距離移動した場合、本発明に係るエイミング機構によれば、照明ユニット2の第2方向での回動量がより小さくなく、第2方向でのエイミングの精度がより高くなる。第2調整可能なボールヘッド接続部材を調整することにより、上下方向において照明光線を調整することができ、配光パターンの効果がよくなる。
【0026】
本発明の他の利点および好ましい実施形態の技術効果について、下記の具体的な実施形態においてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】標準位置にある標準配光パターンを示すものである。
図2】上下に位置がずれる配光パターンを示すものである。
図3】左右に位置がずれる配光パターンを示すものである。
図4】従来技術の車両用ランプモジュールの模式的構成図のその1である。
図5図4の分解図である。
図6】従来技術の車両用ランプモジュールの模式的構成図のその2である。
図7】従来技術の車両用ランプモジュールの模式的構成図のその3である。
図8】本発明に係るエイミング機構の第1の具体的な実施形態の模式的斜視構成図のその1であり、ブラケットまたはランプボディを示す。
図9】本発明に係るエイミング機構の第1の具体的な実施形態の模式的斜視構成図のその2である。
図10図9の平面図である。
図11図9の背面図である。
図12図9の側面図である。
図13図9の分解図である。
図14】本発明に係るエイミング機構の第1の具体的な実施形態の模式的斜視構成図のその3である。
図15図14に示すA部分の模式的拡大図である。
図16図9の背面図である。
図17図16のB-Bに沿った模式的断面図である。
図18図16のC-Cに沿った模式的断面図である。
図19】本発明に係る第2調整可能なボールヘッド接続部材およびスライドブロックの第1の具体的な実施形態の模式的構成図のその1である。
図20】本発明に係る第2調整可能なボールヘッド接続部材およびスライドブロックの第1の具体的な実施形態の模式的構成図のその2である。
図21】本発明に係るスライドブロックの第1の具体的な実施形態の模式的構成図のその1である。
図22】本発明に係るスライドブロックの第1の具体的な実施形態の模式的構成図のその2である。
図23】本発明に係るスライドブロックの第2の具体的な実施形態の模式的構成図のその1である。
図24】本発明に係るスライドブロックの第2の具体的な実施形態の模式的構成図のその2である。
図25】本発明に係るスライドブロックの第2の具体的な実施形態の模式的構成図のその3である。
図26】本発明に係るエイミング機構の第2の具体的な実施形態の模式的構成図のその1である。
図27】本発明に係るエイミング機構の第2の具体的な実施形態の模式的構成図のその2である。
図28図27に示すD部分の模式的拡大図である。
図29】本発明に係るエイミング機構の第2の具体的な実施形態の模式的構成図のその3である。
図30図29に示すE部分の模式的拡大図である。
図31】本発明に係るエイミング機構の第3の具体的な実施形態の模式的構成図のその1である。
図32図31に示すエイミング機構が左右エイミングを行うときの模式図である。
図33】本発明に係るスライドブロックの第3の具体的な実施形態の模式的構成図のその1である。
図34】本発明に係るスライドブロックの第3の具体的な実施形態の模式的構成図のその2である。
図35】本発明に係るスライドブロックの第3の具体的な実施形態の模式的構成図のその3である。
図36】本発明に係るスライドブロックの第3の具体的な実施形態の模式的構成図のその4である。
図37図8に示すエイミング機構の左右方向でのエイミングの原理を示す模式図。
図38図8に示すエイミング機構の上下方向でのエイミングの原理を示す模式図。
図39】本発明に係る車両用ランプモジュールの模式的構成図である。
図40】本発明に係る車両用ランプモジュールのエイミングする前の配光パターンの模式図である。
図41】本発明に係る車両用ランプモジュールのエイミングしたあとの配光パターン模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。なお、説明される具体的な実施形態は、本発明を説明、解釈するためのものにすぎず、本発明の保護しようとする範囲は、下記の具体的な実施形態に限定されない。
【0029】
本発明の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語の「接続」、「連結」を広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。または、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通しまたは2つの素子が相互に作用してもよい。当業者は、本発明における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0030】
なお、図4に示すように、車両用ランプモジュールの配置によって、「前」は、光線出射方向が示す方向を指し、「後」は、「前」と反対する方向を指し、「左」は、光線出射方向の左側を指し、「右」は、光線出射方向の右側を指し、「上」は、光線出射方向の上方を指し、「下」は、光線出射方向の下方を指す。用語で表された方向または位置関係は、図面に基づくものであり、本発明を簡単および簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置または素子が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたり、することを明示または暗示するものではないため、本発明を限定するものではない。
【0031】
なお、エイミング機構の理論上の設計状態は、本発明に係るエイミング機構の各部品の間の位置関係に対して上下および左右のエイミングをする必要がない照明ユニットを基準とすることを意味する。例えば、図39に示す照明ユニットは、レンズ5の光軸が車両の前後側向と平行な状態を基準として各部品の間の位置関係を設計する。車両用ランプモジュールが車両用ランプに取り付けられたあと、スライド溝4と水平面または鉛直平面とがなした夾角、柱面溝6021の軸方向中心線と2つのボールヘッドスクリュー101の玉部の球心との幾何学的関係などを含む位置関係は、製造公差または組立公差などにより、エイミングを行う際に変化することがある。当然なことながら、このエイミング機構は、レンズ5を備える照明ユニット2だけでなく、反射型光学素子を備える照明ユニットなどのような他の照明ユニットにも適用できる。
【0032】
本発明の基本的な実施形態は、図8図18および図26図32に示すように、エイミング機構を提供する。このエイミング機構は、照明ユニット2をエイミングするものであり、固定ボールヘッド接続部材1aと、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bと、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cとを備える。固定ボールヘッド接続部材1aは、一端部が照明ユニット2と接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ3と接続される。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、一端部が照明ユニット2と接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ3に支持される。照明ユニット2にスライド溝4が設けられる。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、一端部がスライド溝4とスライド可能に接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ3に支持される。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、スライド溝4を回動駆動してスライド溝4の回動で照明ユニット2を回動駆動して第2方向でのエイミングを実現できるように、ブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動することができるように構成される。
【0033】
本発明に係るエイミング機構は、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cにより第2方向でのエイミングを実現することができ、この第2方向は、上下方向であることが好ましい。本発明に係るエイミング機構は、配光パターンが水平の上部境界を有する車両用ランプモジュールおよび他のモジュールのエイミングに適用することができ、配光パターンの上部境界が水平状態を呈するため、1つの方向(すなわち、上下方向)だけにおいてエイミングすればよく、他の方向(すなわち、左右方向)においてエイミングしなくても良い。具体的に、本発明に係るエイミング機構は、補助ロービームモジュール、コーナリングランプモジュールまたはベンディング(Bending、カーブ道路用照明)モジュールなどに適用することができる。具体的な配光パターン効果は、図40および図41に示される。図40には、調整前のメインロービーム配光パターン7および補助ロービーム配光パターン8が示され、メインロービーム配光パターン7と補助ロービーム配光パターン8との配光パターン上部境界が重ならず、光線の照明効果が理想ではない。図41には、調整後のメインロービーム配光パターン7および補助ロービーム配光パターン8が示され、両方の配光パターン上部境界が重なるため、照明効果をよりよいにすることができる。
【0034】
なお、配光パターンの位置をより精確に調整できるように、第1方向および第2方向は、互いに垂直をなす2つの方向であることが好ましい。以下、互いに垂直をなす第1方向および第2方向のものを例としてさらに説明する。
【0035】
具体的に、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、ボールヘッドスクリューアッセンブリー1であってもよく、玉構造を有するロッド部材であってもよい。固定ボールヘッド接続部材1aは、ブラケットまたはランプボディ3と照明ユニット2との固定接続を実現できるとともに固定ボールヘッド接続部材1aと照明ユニット2との間の回動に影響しない任意のボールヘッド接続部材であってもよく、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのようなボールヘッドスクリューアッセンブリー1または玉構造を有するロッド部材であってもよい。ボールヘッドスクリューアッセンブリー1は、ボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102とを備える。玉構造を有するロッド部材は、ボールヘッドスクリューアッセンブリー1のボールヘッドスクリュー101の代わりに、ネジなしのロッド部材を利用したものである。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cがボールヘッドスクリューアッセンブリー1である場合、ブラケットまたはランプボディ3にボールヘッドスクリュー101が貫通するための2つの孔が設けられ、この2つの孔のそれぞれの内部にボールヘッドスクリュー101の雄ネジに螺合する雌ネジが設けられる。作動するとき、ボールヘッドスクリュー101を回すことでボールヘッドスクリューアッセンブリー1を前後移動させ、これによって照明ユニット2を回動駆動する。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは玉構造を有するロッド部材である場合、ブラケットまたはランプボディ3に第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのロッド部材を挿入するための2つの孔が設けられ、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bまたは第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの当該孔の内部での前後側向におけるスライディングを妨げることがないほど当該孔の大きさが設定される。作動するとき、玉構造を有するロッド部材を前後にスライドさせるように制御することにより、照明ユニット2を回動駆動する。当然なことながら、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、玉構造を有する伸縮部材であってもよく、つまり、ボールヘッドスクリュー101の代わりに、伸縮ロッドを利用することができる。伸縮ロッドが、ブラケットまたはランプボディ3と固定接続され、伸縮ロッドの伸縮により照明ユニット2を回動駆動する。好ましくは、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、ボールヘッドスクリューアッセンブリー1であり、微小な調整を実現でき、調整精度をより高くすることができる。
【0036】
固定ボールヘッド接続部材1a、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cがいずれもボールヘッドスクリューアッセンブリー1である場合を例として、上記の基本的な実施形態によるエイミング機構の作動を説明する。第1方向のエイミングが必要である場合、固定ボールヘッド接続部材1aにおけるボールヘッドスクリュー101の玉部およびそれと合わせるボールヘッドナット102により回動対偶が形成され、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bにおけるボールヘッドスクリュー101の玉部およびそれと合わせるボールヘッドナット102により回動対偶が形成され、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの前後移動により、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心を通るとともに第1方向に対して垂直をなす直線を第1回動軸Iとして照明ユニット2を回動させ、これによって、図37に示すように照明ユニット2の配光パターンを第1方向に沿って移動させる。第2方向のエイミングを行う場合、固定ボールヘッド接続部材1aにおけるボールヘッドスクリュー101の玉部およびそれと合わせるボールヘッドナット102により回動対偶が形成され、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bにおけるボールヘッドスクリュー101の玉部およびそれと合わせるボールヘッドナット102により回動対偶が形成され、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cにおけるボールヘッドスクリュー101の玉部およびそれと合わせるボールヘッドナット102により回動対偶が形成され、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの前後移動により、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心と第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの玉部の球心との結ぶ線を第2回動軸IIとしてスライド溝4を回動させ、これによって、図38に示すように照明ユニット2を回動駆動させて、照明ユニット2の配光パターンを第2方向に沿って移動させる。
【0037】
具体的に、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心と第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの玉部の球心との結ぶ線、すなわち上記の第2回動軸IIが第1方向に沿って延在し、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが固定ボールヘッド接続部材1aおよび第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの後側に設置され、これによって、照明ユニット2の第2方向での寸法a′を小さくすることができるとともに第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心と第2回動軸IIとの間の距離L′を増加させることができ、照明ユニット2の第2方向での小型化およびエイミング精度の向上を実現することができる。
【0038】
上記の基本的な実施形態によるエイミング機構は、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの前後運動により照明ユニット2を回動駆動させて第1方向でのエイミングを実現し、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの前後運動によりスライド溝4および照明ユニット2を回動駆動させて第2方向でのエイミングを実現する。このエイミング機構において、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cを第2方向に沿って固定ボールヘッド接続部材1aの一側に設置する必要がないため、照明ユニット2の第2方向での寸法a′を小さくすることができ、照明ユニット2の第2方向での小型化を実現することができる。そして、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが固定ボールヘッド接続部材1aおよび第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの後側に設置されるので、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心と第2回動軸IIとの間の距離L′を増加させることができ、つまり照明ユニット2が第2方向において回動するためのフォースアームを長くすることができる。図12に示すように、従来技術に比べて、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが同じ距離移動する場合、本発明に係るエイミング機構によれば、照明ユニット2の第2方向での回動量がより小さくなり、第2方向でのエイミングの精度がより高くなる。
【0039】
好ましくは、本発明に係るエイミング機構が第2方向だけにおいてエイミング機能を有するため、固定ボールヘッド接続部材1aおよび第1調整可能なボールヘッド接続部材1bがブラケットまたはランプボディに対して前後移動しないように、固定ボールヘッド接続部材1aおよび第1調整可能なボールヘッド接続部材1bがいずれもブラケットまたはランプボディ3と固定接続される。このような構成は、配光パターンが水平の上部境界を有する車両用ランプモジュールのエイミングに適用することができる。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bがブラケットまたはランプボディ3に固定されればよく、構成が簡単で、製造コストが低い。
【0040】
第1方向でのエイミング精度を高めるため、本発明の具体的な一実施形態において、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、照明ユニット2における、固定ボールヘッド接続部材1aから離間した端部に設置される。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bを、照明ユニット2における、固定ボールヘッド接続部材1aから離間した端部に設置することにより、第1方向でのエイミングを行うときの照明ユニット2が回動するためのフォースアームを大きくすることができる。これによって、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bが同じ距離運動した場合、照明ユニット2がより小さい角度で回動し、エイミングの精度を高めることができる。
【0041】
本発明の具体的な一実施形態において、第1方向は上下方向であり、第2方向は左右方向であり、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの玉部の球心および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心が同一の鉛直平面にあり、これによって、上下方向でのエイミングを行うときに左右方向で生じた変動量を減らすことができる。この具体的な実施形態によれば、照明ユニット2の左右方向での寸法を小さくすることができ、車両用ランプモジュールの左右方向での小型化を実現することができる。
【0042】
本発明の具体的な一実施形態において、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの前後移動によりスライド溝4を回動駆動させて照明ユニット2の左右方向でのエイミングを実現できるように、スライド溝4と鉛直平面とがなした夾角は、0°~90°であり、15°~60°が好ましい。具体的に、実際の使用や取付状況に応じて当業者が具体的に設定することができる。同様に、スライド溝4と鉛直平面とがなした夾角は、理論的な設計状態での角度であり、上下方向および左右方向でのエイミングを行うとき、スライド溝4が回動するため、この夾角も変化する。
【0043】
本発明の具体的な一実施形態において、第1方向は左右方向であり、第2方向は上下方向であり、図11に示すように、固定ボールヘッド接続部材1aの球心、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの球心および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの球心が同一の水平面にあり、これによって、左右方向においてエイミングを行うときに上下方向で生じた変動量を減らすことができる。この具体的な実施形態によれば、照明ユニット2の上下方向での寸法を小さくすることができ、車両用ランプモジュールの上下方向での小型化を実現することができる。
【0044】
本発明の具体的な一実施形態において、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの前後移動によりスライド溝4を回動駆動させて照明ユニット2の上下方向でのエイミングを実現できるように、スライド溝4と水平面とがなした夾角は、0°~90°であり、15°~60°が好ましい。具体的に、実際の使用や取付状況に応じて当業者が具体的に設定することができる。同様に、スライド溝4と水平面とがなした夾角は、理論的な設計状態での角度であり、上下方向および左右方向でのエイミングを行うとき、スライド溝4が回動するため、該夾角も変化する。
【0045】
本発明の具体的な一実施形態において、図13図17および図18に示すように、固定ボールヘッド接続部材1a、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、いずれもボールヘッドスクリューアッセンブリー1である。ボールヘッドスクリューアッセンブリー1は、ボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102とを備える。スライド溝4に、スライド溝4とスライド可能に接続されるスライドブロック6が設置される。スライドブロック6が、スライド溝4とスライド可能に接続されるスライドブロックベース601と、スライドブロックベース601に固定される固定部602とを含み、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのボールヘッドナット102が固定部602と係合する。具体的に、固定部602が環状構造からなり、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのボールヘッドナット102に係止溝が設けられ、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのボールヘッドナット102が、係止溝により固定部602に係止され、これによって、固定部602に対する第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのスライディングを防止することができる。固定部602の外側部に、スライド溝4内でスライド可能なスライドブロックベース601が設置される。
【0046】
第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが前後に移動する過程において、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cにより固定部602を移動駆動し、これによってスライドブロック6を、スライド溝4内で前後に移動するように駆動する。スライド溝4は、固定ボールヘッド接続部材1aの球心、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの球心および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの球心が位置する平面に対して傾斜して設けられるため、スライドブロック6の前後移動により、固定ボールヘッド接続部材1aの球心と第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの球心との結ぶ線を第2回動軸IIとして、スライド溝4および照明ユニット2を回動させて、第2方向でのエイミングを実現することができる。例えば、第2方向が左右方向である場合、照明ユニット2が第2回動軸II回りに回動し、左右方向でのエイミングを実現する。図9に示すように、第2方向が上下方向である場合、照明ユニット2が第2回動軸II回りに回動し、上下方向でのエイミングを実現する。
【0047】
第1方向においてエイミングを行うとき、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bを回動することにより、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bをブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動させ、固定ボールヘッド接続部材1aの球心を通るとともに第1方向に対して垂直をなす直線回りに第1方向に沿って照明ユニット2を回動駆動して、第1方向でのエイミングを実現する。このとき、照明ユニット2がブラケットまたはランプボディ3に対して第1方向に沿って回動し、スライド溝4が照明ユニット2に一体に設けられ、また第2調整可能なボールヘッド接続部材1cおよびスライドブロック6がブラケットまたはランプボディ3に対して固定されるため、スライド溝4がスライドブロック6に対して第1方向に沿って回動するようになる。したがって、スライド溝4とスライドブロック6との間に、第1方向において両方が相対的に移動するための隙間が設けられる。例えば、図14図15に示すように、第1方向が左右方向である場合、スライド溝4とスライドブロック6の間に、左側および右側のそれぞれに隙間が設けられ、第1方向が上下方向である場合、スライド溝4とスライドブロック6の間に、上側および下側のそれぞれに隙間が設けられる。
【0048】
本発明の他の具体的な実施形態において、図26図30に示すように、固定ボールヘッド接続部材1a、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、いずれもボールヘッドスクリューアッセンブリー1である。ボールヘッドスクリューアッセンブリー1は、ボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102とを備える。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのボールヘッドナット102にスライドブロック6が設置され、スライドブロック6がスライド溝4内に設置される。好ましくは、スライドブロック6は、ボールヘッドナット102に一体に設置される。
【0049】
具体的に、このスライド溝4は、2つのロッド状構造により形成される、スライドブロック6が係止するための隙間である。スライドブロック6のボールヘッドナット102から離間した端部に開口が設けられ、これによって、該スライドブロック6の弾性をよりよくなり、スライドブロック6をより容易にスライド溝4内に挿入することができるとともに、スライド溝4内によりよく固定することができる。このようにして、エイミング操作を行わないとき、スライドブロック6とスライド溝との相対位置が固定され、照明ユニット2が照射する配光パターンの安定性を維持することができる。
【0050】
上記の2種の具体的な実施形態において、スライド溝4およびスライドブロック6が傾斜面を介して接触するため、スライド溝4がスライドブロック6に対して第1方向において移動するとき、第2方向にも微小に移動し、すなわち、スライドブロック6がスライド溝4に対して前後に微小に移動し、これによって、照明ユニット2が第2方向において微小に回動する場合がある。したがって、エイミングするとき、第1方向でのエイミングを先に行い、さらに第2方向でのエイミングを行うようにする。その理由は、以下のとおりである。第1方向においてエイミングを行うとき、照明ユニット2が第2方向にも微小に回動するので、先に第2方向においてエイミングを行い、照明ユニット2が照射する配光パターンを、第2方向において標準位置に位置させ、さらに第1方向においてエイミングを行うと、照明ユニット2が微小に回動するために、第2方向において標準位置からずれ、第2方向でのエイミングの精度が低下してしまう。また、第1方向でのエイミングを行う際に、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102との間に応力が生じる。
【0051】
第1方向においてエイミングを行うとき、照明ユニット2の第2方向での微小な回動および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102との間の応力を軽減するため、本発明のもう1つの具体的な実施形態において、図31および図32に示すように、固定ボールヘッド接続部材1aおよび第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、ボールヘッドスクリューアッセンブリー1であり、ボールヘッドスクリューアッセンブリー1は、ボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102とを備える。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、ボールヘッドスクリュー101から構成される。スライド溝4に、スライド溝4とスライド可能に接続されるスライドブロック6が設置され、スライドブロック6が、スライド溝4とスライド可能に接続されるスライドブロックベース601と、スライドブロックベース601に固定される固定部602とを含む。固定部602に第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部と合わせる柱面溝6021が設けられ、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部が柱面溝6021に沿ってスライドすることができる。第1方向においてエイミングを行うとき、照明ユニット2がブラケットまたはランプボディ3に対して第1方向に沿って回動し、スライド溝4が照明ユニット2に一体に設けられ、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部とスライドブロック6とが柱面溝6021を介してスライド可能に接続され、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cがブラケットまたはランプボディ3に対して固定されるため、スライドブロック6がスライド溝4と共に第1方向に沿って回動し、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部が動かさないようになる。このため、スライドブロック6がスライド溝4に対して前後に移動することなくまたは前後にごく僅か移動すようになり、照明ユニット2の第2方向での微小な回動が軽減される。また、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cがボールヘッドスクリュー101の玉部と柱面溝6021との合わせだけによりスライドブロック6とスライド可能に接続されるため、部材間の応力が軽減される。好ましくは、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心は、柱面溝6021の軸方向中心線6022に設置される。
【0052】
第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが前後に移動する過程において、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cによりスライドブロック6を、スライド溝4内で前後に移動するように駆動する。スライド溝4をスライドブロック6のスライディングに適するようにする。スライド溝4が、固定ボールヘッド接続部材1aの球心、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの球心および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの球心が位置する平面に対して傾斜して設けられるため、スライドブロック6の前後移動により、固定ボールヘッド接続部材1aの球心と第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの球心との結ぶ線を第2回動軸IIとして、スライド溝4および照明ユニット2を回動させて、第2方向でのエイミングを実現することができる。例えば、第2方向が左右方向である場合、照明ユニット2が第2回動軸II回りに回動し、左右方向でのエイミングを実現する。第2方向が上下方向である場合、照明ユニット2が第2回動軸II回りに回動し、上下方向でのエイミングを実現する。
【0053】
本発明の好ましい一実施例において、第1方向が左右方向である場合、図8図18に示すように、エイミング機構は、固定ボールヘッド接続部材1aと、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bと、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cとを備える。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび固定ボールヘッド接続部材1aは、それぞれ照明ユニット2の左端部および右端部に設置され、両方の玉部の球心の結ぶ線が水平線である。固定ボールヘッド接続部材1aは、一端部が照明ユニット2と接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ3と接続される。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、一端部が照明ユニット2と接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ3に支持される。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、ブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動することができる。照明ユニット2にスライド溝4が設けられ、スライド溝4に、スライド溝4とスライド可能に接続されるスライドブロック6が設置され、スライドブロック6が、スライド溝4とスライド可能に接続されるスライドブロックベース601と、スライドブロックベース601に固定される固定部602とを含む。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの一端部が固定部602と係合する。スライドブロック6とスライド溝4との間に、左側および右側のそれぞれに隙間が設けられる。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの他端部がブラケットまたはランプボディ3に支持される。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cがブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動することができる。固定ボールヘッド接続部材1aの球心、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの球心および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの球心が同一の水平面にあり、スライド溝4と該水平面とが夾角をなす。
【0054】
上記の好ましい実施例によるエイミング機構が作動するとき、第1調整可能なボールヘッド接続部材1b、第2調整可能なボールヘッド接続部材1c、固定ボールヘッド接続部材1aおよびブラケットまたはランプボディ3はネジにより接続され、エイミングするとき、ブラケットまたはランプボディ3が固定部材とされる。左右方向においてエイミングを行うとき、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bを回動することにより、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bがブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動して、照明ユニット2を第1回動軸I回りに回動駆動して、左右方向でのエイミングを実現する。このとき、照明ユニット2がブラケットまたはランプボディ3に対して左右に回動し、スライド溝4が照明ユニット2に一体に設けられ、そして第2調整可能なボールヘッド接続部材1cおよびスライドブロック6がブラケットまたはランプボディ3に対して固定されるため、スライド溝4がスライドブロック6に対して左右に回動するようになる。このため、スライド溝4とスライドブロック6との間に、左右方向において両方が相対的に移動するための隙間が設けられる。スライド溝4およびスライドブロック6が傾斜面を介して接触し、スライド溝4がスライドブロック6に対して左右に移動するとき、上下方向にも移動するので、照明ユニット2も上下方向において微小に回動する。上下方向においてエイミングを行うとき、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cを回動することにより、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cがブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動し、スライドブロック6が上へ傾斜しているスライド溝4内を前後に移動するようになり、これによって、スライド溝4を第2回動軸II回りに回動させ、さらに照明ユニット2を第2回動軸II回りに回動駆動させ、上下方向でのエイミングを実現する。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが前へ移動するとき、照明ユニット2が上へ回動し、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが後へ移動するとき、照明ユニット2が下へ回動する。
【0055】
本発明の他の好ましい実施例において、第1方向が左右方向である場合、図26図30に示すように、エイミング機構は、固定ボールヘッド接続部材1aと、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bと、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cとを備える。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび固定ボールヘッド接続部材1aは、それぞれ照明ユニット2のの左端部および右端部に設置され、両方の玉部の球心の結ぶ線が水平線である。固定ボールヘッド接続部材1aは、一端部が照明ユニット2と接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ3と接続される。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、一端部が照明ユニット2と接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ3に支持される。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、ブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動することができる。照明ユニット2にスライド溝4が設けられる。固定ボールヘッド接続部材1a、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、いずれもボールヘッドスクリューアッセンブリー1である。ボールヘッドスクリューアッセンブリー1は、ボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102とを備える。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのボールヘッドナット102にスライドブロック6が設置され、スライドブロック6がスライド溝4内に設置される。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、ブラケットまたはランプボディ3に支持され、ブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動することができる。固定ボールヘッド接続部材1aの球心、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの球心および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの球心が同一の水平面にあり、スライド溝4と水平面とが夾角をなす。
【0056】
本発明の他の好ましい実施例において、図31および図32に示すように、第1方向が左右方向である場合、エイミング機構は、固定ボールヘッド接続部材1aと、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bと、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cとを備える。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bおよび固定ボールヘッド接続部材1aは、それぞれ照明ユニット2の左端部および右端部に設置され、両方の玉部の球心の結ぶ線が水平線である。固定ボールヘッド接続部材1aは、一端部が照明ユニット2と接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ3と接続される。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、一端部が照明ユニット2と接続され、他端部がブラケットまたはランプボディ3に支持される。第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、ブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動することができる。固定ボールヘッド接続部材1aおよび第1調整可能なボールヘッド接続部材1bは、いずれもボールヘッドスクリューアッセンブリー1である。ボールヘッドスクリューアッセンブリー1は、ボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102とを備える。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cはボールヘッドスクリュー101だけを含む。照明ユニット2に、スライド溝4が設けられ、スライド溝4に、スライド溝4とスライド可能に接続されるスライドブロック6が設置され、スライドブロック6が、スライド溝4とスライド可能に接続されるスライドブロックベース601と、スライドブロックベース601に固定される固定部602とを含む。固定部602に第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部と合わせる柱面溝6021が設けられ、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部が柱面溝6021に沿ってスライドすることができる。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、ブラケットまたはランプボディ3に支持され、ブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動することができる。固定ボールヘッド接続部材1aの球心、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの球心および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの球心が同一の水平面にあり、スライド溝4と該水平面とが夾角をなす。左右方向においてエイミングを行うとき、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bを回動することにより、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bがブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動し、照明ユニット2を第1回動軸I回りに回動駆動するようになる。このとき、照明ユニット2がブラケットまたはランプボディ3に対して左右に回動し、左右方向でのエイミングを実現する。上下方向においてエイミングを行うとき、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cを回動することにより、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cがブラケットまたはランプボディ3に対して前後に移動して、スライドブロック6が上へ傾斜しているスライド溝4内を前後に移動するようになる。これによって、スライド溝4を第2回動軸II回りに回動させ、さらに照明ユニット2を第2回動軸II回り回動駆動させ、上下方向でのエイミングを実現する。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが前へ移動するとき、照明ユニット2が上へ回動し、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが後へ移動するとき、照明ユニット2が下へ回動する。
【0057】
上記の3つの好ましい実施例によるエイミング機構は、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの前後移動により照明ユニット2を回動駆動させて左右方向でのエイミングを実現し、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの前後移動によりスライド溝4を上下に回動駆動させ、これによって照明ユニット2を上下に回動駆動させて、上下方向でのエイミングを実現するようになる。このエイミング機構において、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cを上下方向に沿って固定ボールヘッド接続部材1aの一側に設置する必要がないため、照明ユニット2の上下方向での寸法a′を小さくすることができ、車両用ランプモジュールの上下方向での小型化を実現することができる。そして、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが固定ボールヘッド接続部材1aおよび第1調整可能なボールヘッド接続部材1bの直後に設置されるので、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心と第2回動軸IIとの間の距離L′を増加させることができ、つまり照明ユニット2が上下方向において回動するためのフォースアームを長くすることができる。図12に示すように、従来技術に比べて、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが同じ距離移動する場合、本発明に係るエイミング機構によれば、照明ユニット2の上下方向での回動量がより少ななり、上下方向でのエイミングの精度がより高くなる。また、第1調整可能なボールヘッド接続部材1bが固定ボールヘッド接続部材1aから離間した側に設置されるので、第1調整可能なボールヘッド接続部材1b玉部の球心と第1回動軸Iとの間の距離を増加させることができ、これによって照明ユニット2が左右方向において回動するためのフォースアームを長くすることができ、左右方向でのエイミングの精度を高めることができる。
【0058】
本発明に係る具体的な一構造形態として、照明ユニット2にスライド溝4が設けられ、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの一端部がスライドブロック6によりスライド溝4とスライド可能に接続される。
【0059】
具体的に、図19図25図33図36に示すように、スライドブロック6は、スライド溝4とスライド可能に接続されるスライドブロックベース601と、スライドブロックベース601に固定される固定部602とを含み、スライドブロックベース601の両側のそれそれにスライド部6011が設置される。スライドブロック6がスライド溝4に沿ってスライドするように、スライドブロックベース601が該スライド部6011によりスライド溝4とスライド可能に接続される。ここで、スライド溝4は、ガイドする役割を果たし、スライドブロック6の両側のスライド部6011がスライド溝4内に挿着されることにより、スライドブロック6をスライド溝4に沿ってスライドするようにガイドすることができる。図19図25、および図33図36に示すスライドブロック6は、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部と可動に接続される固定部602が2つの形態を有する。その1は、固定部602が環状構造として形成される。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cは、ボールヘッドスクリュー101とボールヘッドナット102とを備え、そのボールヘッドナット102に係止溝が形成され、係止溝が該環状構造内に係止されることによって、固定部602と第2調整可能なボールヘッド接続部材1cとを係止する。第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心が環状構造の軸方向中心線6022に設置される。固定部602が円環状として形成され、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cのボールヘッドナット102に係止溝が形成され、該係止溝が円環状を呈する該固定部602内に係止されることによって、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cと固定部602との固定接続を実現する。固定部602の周りに円環状フランジを形成するようにし、これによって、ボールヘッドナット102における、係止溝を形成するための係止爪に対してある程度で位置制限することができるとともに、係止溝を保護することもできる。また、固定部602が円環状として形成され、該固定部602の両側に凸部6023が形成され、凸部6023が固定部602の軸方向に沿って延在し、両側凸部6023の上部が開口するように形成される。上記の2つの形態の固定部602は、実際の取付要求に応じて選択することができる。その2は、固定部602に柱面溝6021を形成し、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cとしてボールヘッドスクリュー101を利用し、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部が、柱面溝6021内に取り付けられるとともに柱面溝6021に沿ってスライドするように構成される。なお、このエイミング機構の理論的な設計状態では、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心がスライドブロック6の鉛直中心面にあり、スライドブロック6、スライド溝4および照明ユニット2のそれぞれの鉛直中心面が重なり、柱面溝6021の軸方向中心線6022が、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心を通る鉛直平面に対して垂直をなす。柱面溝6021の内面は、鉛直平面で第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部を切断してなる断面線を軸方向中心線6022に沿って移動させてなるものである。左右方向においてエイミングを行うとき、スライドブロック6は、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心を円心とし、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心と第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心との結ぶ線を半径として形成される弧状線分の軌跡に沿って回動する。この場合、軸方向中心線6022が直線であり、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部が直線のみに沿って柱面溝6021に対してスライドすることができるので、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部と柱面溝6021との間に依然として応力が存在する。または、柱面溝6021の軸方向中心線6022は、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心を円心とし、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心と第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心との結ぶ線を半径とする弧状線分として形成される。柱面溝6021の内面は、鉛直平面で第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部を切断してなる断面線を軸方向中心線6022に沿って移動させてなるものである。鉛直平面は、固定ボールヘッド接続部材1aの玉部の球心および第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の球心を通る鉛直平面である。左右方向においてエイミングを行うとき、スライドブロック6が上記の弧状線分の軌跡に沿って回動し、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部も上記の弧状線分に沿って柱面溝6021に対してスライドするので、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部と柱面溝6021との間に応力がほとんど存在しなく、部品の使用寿命を延ばすことに寄与できる。しかしながら、部品の製造コストなどを考慮したうえ、軸方向中心線6022が直線である柱面溝6021は好ましい。柱面溝6021と第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部との協働ことにより、柱面溝6021内での第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの玉部の回動およびスライディングの両方を保証することができる。
【0060】
また、図面から分かるように、固定部602における、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cの係止溝と当接する平面と、スライド部6011の上平面または下平面とが夾角をなし、該夾角の角度と、上記のスライド溝4と水平面とがなした夾角の角度の合計が90°である。固定部602とスライドブロックベース601とがなした夾角の角度と、上記のスライド溝4と水平面とがなした夾角の角度の合計が90°であると理解してもよく、これによって、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cが水平に延伸することを保証することができる。
【0061】
任意で、図29および図30に示すように、スライドブロック6は、ボールヘッドナット102に接続されるスライドロッドとして形成され、スライド溝4内にスライド可能に接続される。したがって、スライド溝4は、図19図25図33図36に示す構造形態の代わりに、図29および図30に示す構造からなってもよい。この場合、スライドブロック6がスライド溝4内をスライドすることによっても、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cを、スライド溝4内をスライドするようにガイドすることが実現できる。当然なことながら、スライドブロック6とスライド溝4とは、他の構造からなってもよく、スライドブロック6をスライド溝4に沿ってスライドさせて、第2調整可能なボールヘッド接続部材1cがスライド溝4の方向に沿って前後に移動できるようにする構造は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0062】
本発明の他の具体的な構造形態は、図19図25図33図36に示すように、スライドブロックベース601の固定部602から離間した端部の端面に弾性支持構造6012が設置され、または一体に形成される。弾性支持構造6012は、スライド溝4の底面に当接するとともに、スライドブロックベース601がスライド溝4に当接してスライド溝4に沿ってスライドすることができるように反力を生じることができる。
【0063】
具体的に、弾性支持構造6012は、対をなす弧状弾性シートであり、弧状弾性シートがスライド溝4に沿って延在する。
【0064】
より具体的に、弾性支持構造6012の一方の側縁部がスライドブロックベース601の下縁部と接続される。なお、該弾性支持構造6012は、一方の側縁部がスライドブロックベース601の下縁部と接続し、他方の側縁部がスライドブロックベース601の下面との間に隙間を形成し、下へ湾曲した曲面構造である。スライド部6011がスライド溝4内に挿入される場合、該弾性支持構造6012の弾性作用力により、スライド部6011は、スライド溝4内でのスライディングを妨げず、スライド溝4に当接することできる。ここでの「上」、「下」は、図21図25図33図36に示す部品の位置に基づくものにすぎず、実際に部品を取り付けたあとの位置に基づくものではない。
【0065】
また、本発明の実施例は、車両用ランプモジュールをさらに提供し、該車両用ランプモジュールは、上記の各実施例によるエイミング機構および照明ユニット2を含む。車両用ランプモジュールの内部空間を効率的に利用できるため、照明ユニット2は、放熱部材201を備え、スライド溝4が放熱部材201に一体にまたは取外し可能に設けられる。一体的な接続が好ましく、これによって、取付ステップを減らして取付の難易度を低減できる。
【0066】
また、本発明の実施例は、車両用ランプを提供し、この車両用ランプは、上記の各実施例による車両用ランプモジュールを備える。
【0067】
本発明の実施例は、車両をさらに提供し、この車両は、上記の実施例による車両用ランプを備える。
【0068】
上記は、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は、上記の実施形態の具体的な細部に限定されない。本発明の技術的思想の範囲内に、本発明の技術案に対して各種の簡単な変形を行ってもよく、これらの簡単な変形も本発明の保護範囲に属する。
【0069】
また、上記の具体的な実施形態に説明される各具体的な技術的特徴は、矛盾がない限り、任意の適切な方式で組み合わせることができる。必要以上の重複説明を避けるため、本発明の各種の組合せ可能な態様の説明を省略する。
【0070】
また、本発明の各種の異なる実施形態も任意に組み合わせることができ、本発明の思想から逸出しない限り、これらの組合せも本発明に開示された内容と見なすべきである。
【符号の説明】
【0071】
1 ボールヘッドスクリューアッセンブリー、
101 ボールヘッドスクリュー、
102 ボールヘッドナット、
1a 固定ボールヘッド接続部材、
1b 第1調整可能なボールヘッド接続部材、
1c 第2調整可能なボールヘッド接続部材、
2 照明ユニット、201 放熱部材、
3 ブラケットまたはランプボディ、
4 スライド溝、
5 レンズ、
6 スライドブロック、
601 スライドブロックベース、
6011 スライド部、
6012 弾性支持構造、
602 固定部、
6021 柱面溝、
6022 軸方向中心線、
6023 凸部、
7 メインロービーム配光パターン、
8 補助ロービーム配光パターン
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