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特許7556984マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法、装置、チップシステム、媒体、およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法、装置、チップシステム、媒体、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/121 20230101AFI20240918BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20240918BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20240918BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240918BHJP
【FI】
H04W72/121
H04W28/06 110
H04W72/0457 110
H04W84/12
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022574285
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 CN2021098467
(87)【国際公開番号】W WO2021244652
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】202010502329.3
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011334138.7
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】淦 明
(72)【発明者】
【氏名】梁 丹丹
(72)【発明者】
【氏名】李 伊青
(72)【発明者】
【氏名】郭 宇宸
(72)【発明者】
【氏名】李 云波
(72)【発明者】
【氏名】于 健
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲訊▼
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/139789(WO,A1)
【文献】米国特許第10609647(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2020/0145841(US,A1)
【文献】特表2016-505232(JP,A)
【文献】Young Hoon Kwon (NXP),MLO: AID allocation,IEEE 802.11-20/0770r1,2020年07月09日,Internet<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/20/11-20-0770-01-00be-mlo-aid-allocation.pptx>
【文献】Ming Gan (Huawei),Group addressed frames delivery for MLO follow up,IEEE 802.11-20/0902r0,2020年11月02日,Internet<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/20/11-20-0902-00-00be-group-addressed-frames-deliver
【文献】Ming Gan (Huawei),power save for multi-link,IEEE 802.11-19/1988r3,2020年06月01日,Slides 1-15,Internet<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/19/11-19-1988-03-00be-power-save-for-multi-link.pptx>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法であって
アクセスポイントマルチリンクデバイス(AP MLD)の第1のアクセスポイント(AP)によって、トラフィック指示マップ(TIM)要素内の部分仮想ビットマップフィールド内のビットのセットを含むグループアドレス指定トラフィック指示情報を生成するステップであって、前記TIM要素内の前記部分仮想ビットマップフィールド内のビットのセットは、1つまたは複数の第2のAPのうちの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し、前記1つまたは複数の第2のAPは、前記第1のAP以外の前記AP MLDの1つまたは複数の他のAPである、ステップと、
前記第1のAPによって、前記グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの値は、前記ビットに対応する前記APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トラフィック指示マップ(TIM)要素内の前記部分仮想ビットマップフィールド内のビットのセットは、連続するビットである請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応するアソシエーション識別子(AID)は、前記AP MLDの各APによって管理される局のAIDと異なるか、または
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応するAIDは、前記AP MLDにアソシエーションされている局マルチリンクデバイス(STA MLD)のAIDと異なり、前記STA MLDの複数の局(STA)は1つのAIDを共有する請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIM要素内のビットマップ制御フィールドのビット0を含み、前記ビット0は、前記第1のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示するために使用される請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報において、前記AP MLDに対応するビットの数は、固定されたビット数である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記部分仮想ビットマップフィールド内のビットのセットについて、前記AP MLDの前記APに対応する前記ビット以外の、前記AP MLDに対応する1つまたは複数のビットは既定で0に設定され、前記AP MLDの前記APに対応する前記ビットは、前記第1のAPに対応する前記ビットを含まない請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記部分仮想ビットマップフィールド内で、前記AP MLD内の前記第1のAPを除く各APに対応する1つまたは複数のビットは、前記APのリンク識別子による昇順である請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報において、前記TIM要素内の前記部分仮想ビットマップフィールド内で、前記AP MLDに対応するビットに対応するAIDは、前記AP MLDの前記第1のAPを除くすべてのAPのリンク識別子の昇順または降順で次々に割り当てられる請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報は、伝送サービス指示マップ(DTIM)ビーコンフレームで搬送される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法であって
局マルチリンクデバイス(STA MLD)の第1の局(STA)によって、AP MLDの第1のアクセスポイント(AP)からトラフィック指示マップ(TIM)要素内の部分仮想ビットマップフィールド内のビットのセットを含むグループアドレス指定トラフィック指示情報を受信するステップであって、前記TIM要素内の前記部分仮想ビットマップフィールド内のビットのセットは、1つまたは複数の第2のAPのうちの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し、前記1つまたは複数の第2のAPは、前記第1のAP以外の前記AP MLDの1つまたは複数の他のAPである、ステップと、
前記第1のSTAによって、前記グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、前記1つまたは複数の第2のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定するステップとを含む方法。
【請求項12】
STA MLDの第1のSTAによって、AP MLDの第1のAPからグループアドレス指定トラフィック指示情報を受信する前記ステップは、
前記STA MLDの前記第1のSTAによって、前記AP MLDの1つのAPからのグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報は、配信トラフィック指示マップ(DTIM)ビーコンフレームで搬送される請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記第1のSTAによって、前記DTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックを受信するステップをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トラフィック指示マップ(TIM)要素内の前記部分仮想ビットマップフィールド内のビットのセットは、連続するビットである請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIM要素内のビットマップ制御フィールドのビット0を含み、前記ビット0は、前記第1のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示するために使用される請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報における前記部分仮想ビットマップフィールド内のビットのセットについて、前記AP MLDに対応するビットの数は固定されたビット数である請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記部分仮想ビットマップフィールド内のビットのセットについて、前記AP MLDの前記APに対応する前記ビット以外の、前記AP MLDに対応する1つまたは複数のビットは既定で0に設定され、前記AP MLDの前記APに対応する前記ビットは、前記第1のAPに対応する前記ビットを含まない請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記部分仮想ビットマップフィールド内で、前記AP MLD内の前記第1のAPを除く各APに対応する1つまたは複数のビットは、前記APのリンク識別子による昇順である請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記グループアドレス指定トラフィック指示情報において、前記TIM要素内の前記部分仮想ビットマップフィールド内で、前記AP MLDに対応するビットに対応するAIDは、前記AP MLDの前記第1のAPを除くすべてのAPのリンク識別子の昇順または降順で次々に割り当てられる請求項11から13または15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントであって、少なくとも1つのプロセッサとインターフェースとを備え、前記プロセッサおよび前記インターフェースは、請求項1から10のいずれか一項に従って複数のリンクに適用可能なグループアドレス指定サービス伝送方法を実装するように構成されるアクセスポイント。
【請求項22】
局マルチリンクデバイス内の局であって、少なくとも1つのプロセッサとインターフェースとを備え、前記プロセッサおよび前記インターフェースは、請求項11から20のいずれか一項に従って複数のリンクに適用可能なグループアドレス指定サービス伝送方法を実装するように構成される局。
【請求項23】
少なくとも1つのプロセッサとインターフェースとを備えるチップシステムであって、前記プロセッサおよび前記インターフェースは、請求項1から10のいずれか一項に従って複数のリンクに適用可能なグループアドレス指定トラフィック伝送方法を実装する際にアクセスポイントマルチリンクデバイスにおいて任意のアクセスポイントをサポートするように構成される、チップシステム。
【請求項24】
少なくとも1つのプロセッサとインターフェースとを備えるチップシステムであって、前記プロセッサおよび前記インターフェースは、請求項11から20のいずれか一項に従って複数のリンクに適用可能なグループアドレス指定トラフィック伝送方法を実装する際に局マルチリンクデバイスにおいて任意の局をサポートするように構成される、チップシステム。
【請求項25】
コンピュータプログラムを記憶するように構成された、コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されたときに、前記コンピュータは、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
コンピュータプログラムを記憶するように構成された、コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されたときに、前記コンピュータは、請求項11から20のいずれか一項に記載の方法を実行する、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信技術の分野に関し、詳細には、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法(multi-link group addressed traffic transmission method)および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)システムのサービス伝送速度を大幅に向上させるために、電気電子技術者協会(IEEE、Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ax規格は、既存の直交周波数分割多重(OFDM、Orthogonal Frequency Division Multiple Access)技術に基づく直交周波数分割多元接続(OFDMA、Orthogonal Frequency Division Multiplexing)技術をさらに採用する。OFDMA技術は、複数のノードがデータを同時に送受信することをサポートする。これは、マルチステーションダイバーシティ利得を達成する。また、米国連邦通信委員会(FCC、Federal Communications Commission)は、5925から7125MHzの新しい空き周波数帯を発表し、この周波数帯は6GHz以下と称される。したがって、802.11ax準拠デバイスの動作範囲は、2.4GHzおよび5GHzから2.4GHz、5GHz、6GHz、および同様の周波数に拡張される。
【0003】
IEEE 802.11次世代Wi-Fiプロトコル超高スループット(EHT、extremely high throughput)デバイスは、前方互換性を有する必要がある。したがって、これらのデバイスは、802.11ax準拠デバイスの動作スペクトル、すなわち2.4GHz、5GHz、6GHzの周波数帯もサポートしている。IEEE 802.11ax次世代Wi-FiプロトコルEHTデバイスは、最近リリースされた空いている6GHz周波数帯に基づきチャネル分割を実行する。サポートされる帯域幅、たとえば320MHzは、5GHzでサポートされる最大帯域幅の160MHzを超える。
【0004】
IEEE 802.11ax次世代Wi-Fi超高スループットデバイスに対するピークスループットは、超広帯域幅を使用することによって高めることができ、また、複数の周波数帯(2.4GHz、5GHz、6GHz)および同様のものの連携を通じてストリームの数を増やす、たとえばストリームの数を16に増やすことによっても高めることができる。また、同一周波数帯において、複数チャネルの連携などにより、ピークスループットをさらに高めることができる。これは、サービス伝送遅延を低減する。本明細書において、複数の周波数帯または複数のチャネルは、複数リンクと総称される。
【0005】
IEEE 802.11ax次世代Wi-Fi EHTデバイスは、マルチリンク連携技術を使用して、複数の連続しないリンクを集約して超広帯域幅を形成する。より高い帯域幅を集約することに加え、マルチリンク連携技術は、同じトラフィックのデータパケットを同じ局に同時に送信するためにさらに使用され得る。このように、マルチリンク連携技術は、伝送速度を大幅に改善することがわかる。しかし、ダウンリンクグループアドレス指定トラフィック伝送では、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の各アクセスポイントがダウンリンクグループアドレス指定トラフィックを送信するかどうかを観察するために局マルチリンクデバイス内の各局が定期的に動作状態にある必要があるので、より多くのエネルギーが消費される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、局マルチリンクデバイスの電力消費量を低減するのに役立つマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法および装置を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、本出願は、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法を提供する。この方法では、アクセスポイントマルチリンクデバイスAP MLDの第1のアクセスポイントAPは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を生成し、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。第1のAPは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信する。
【0008】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つのAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し、APは、AP MLDの第1のAPまたは別のAPである。第1のAPによって管理される局が、第1のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることしかできない方式と比べて、この実装形態は、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度を改善する。
【0009】
別の実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの複数のAPのうちの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。第1のAPによって管理される局が、第1のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることしかできない方式と比べて、この実装形態では、STA MLDの各STAが、対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを定期的に監視する必要がない。言い換えると、この実装形態では、STA MLDの1つの局が、複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。これは、STA MLDの電力消費量を削減する。
【0010】
なおも別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。第1のAPによって管理される局が、第1のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることしかできない方式と比べて、この実装形態では、STA MLDの各STAが、対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを定期的に監視する必要がない。言い換えると、この実装形態では、STA MLDの1つの局が、各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。これは、STA MLDの電力消費量を削減する。
【0011】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、AP MLDの1つまたは複数のAPにおける各APに対応する。各ビットが、ビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示すか、またはビットの値が、ビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示す。
【0012】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、AP MLDの各APに対応する。各ビットが、ビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示すか、またはビットの値が、ビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示す。
【0013】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットとAP MLDの各APとの間の対応関係、またはグループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットとAP MLDの1つまたは複数のAPにおける各APとの間の対応関係は、STA MLDとAP MLDとの間のアソシエーション応答フレームまたは管理フレームを使用することによって構成され得る。
【0014】
別の実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットとAP MLDの各APとの間の対応関係、またはグループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットとAP MLDの1つまたは複数のAPにおける各APとの間の対応関係は事前定義済みである。別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内のビットの一部である。
【0015】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、部分仮想ビットマップフィールドの連続するビットの一部である。たとえば、グループアドレス指定トラフィック指示情報が部分仮想ビットマップフィールド内のビット1からビット7である場合、部分仮想ビットマップフィールド内のビット1からビット7は、AP MLDの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示し得る。
【0016】
別の実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、部分仮想ビットマップフィールドの連続しないビットの一部である。たとえば、グループアドレス指定トラフィック指示情報が部分仮想ビットマップフィールド内のビット1、ビット2、およびビット4である場合、部分仮想ビットマップフィールド内のビット1、ビット2、およびビット4は、AP MLDの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示し得る。
【0017】
一実装形態において、AP MLDの第1のAPは、アソシエーション識別子構成情報を生成し、アソシエーション識別子構成情報は、AP MLDの各APに対応するアソシエーション識別子を示す。第1のAPは、アソシエーション識別子構成情報を送信する。各APのAIDは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応する。すなわち、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、そのビットに対応するAIDのAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。アソシエーション識別子構成情報は、アソシエーション応答フレームまたは管理フレームでSTA MLDに送信され得る。
【0018】
別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの一部のうちの第1のビットまたは開始ビットに対応するAIDが事前定義される。言い換えると、連続するビットの一部の第1のビットまたは開始ビットが事前定義される。代替的に、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドにおけるグループアドレス指定トラフィック指示情報の開始ビット配置は、事前定義される。代替的に、AP MLDのAPのAIDは、AID xから連続的に割り振られ、AID xは事前定義される。この実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドにおける連続するビットの一部である。
【0019】
AP MLDの各APに割り振られたアソシエーション識別子は、APに関連付けられている局に割り振られたアソシエーション識別子とは異なる。言い換えると、AP MLDの各APに割り振られたアソシエーション識別子は、APによって管理される局にAPによって割り振られ得ない。しかしながら、異なるAPによってAPによって管理される局に割り振られたAIDは、比較的独立している。言い換えると、異なるAPによってAPによって管理される局に割り振られたAIDは、同じであり得る。
【0020】
それに加えて、AP MLD内の1つまたは複数のAPがマルチBSSIDモードで動作し、伝送BSSID APであるAPである場合、前述の2つの実装形態において、AP MLDのAPのAIDは、AID xから開始して連続的に割り振られ、xは、max{2^(N1), 2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}に等しい。nはAP MLDの伝送BSSID APの個数であり、NyはAP MLDの伝送BSSID APであるy番目のAPによってブロードキャストされる複数基本サービスセット識別子(Multiple BSSID)要素内の最大基本サービスセット識別子BSSIDインジケータフィールドの値である。
【0021】
代替的に、AP MLDのAPのAIDは、AID xから始まって連続的に割り振られ、xはmax{2^(N1),2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}に等しい。nはAP MLDのAPの個数であり、NyはAP MLDのy番目のAPによってブロードキャストされる複数基本サービスセット識別子(Multiple BSSID)要素内の最大基本サービスセット識別子BSSIDインジケータフィールドの値である。既定の非伝送APまたはマルチBSSIDモードで動作しないAPの最大BSSIDインジケータフィールドの値は0である。
【0022】
言い換えると、部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの部分の開始ビットまたは第1のビットは、ビットxであり、xはmax{2^(N1),2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}に等しい。代替的に、部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの部分の開始ビットまたは第1のビットに対応するAIDは、AID xであり、xはmax{2^(N1),2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}に等しい。nおよびNyの物理的意味については、前述の説明を参照のこと。詳細については、ここで再び説明しない。
【0023】
それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内のビットの部分に対応する。したがって、第1のAPは、グループアドレス指定トラフィック指示情報のトラフィック指示仮想ビットマップフィールド内の開始バイトN1および終了バイトN2に基づきTIM要素内のオフセットフィールドおよび長さフィールドを決定する。第1のAPは、オフセットフィールドおよび長さフィールドを送信し得る。これは、第1のAPに関連付けられ、STA MLD内にある局が、グループアドレス指定トラフィック指示情報、オフセットフィールド、および長さフィールドに基づきグループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定することを助ける。
【0024】
任意選択で、本出願のこの実施形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、オフセットを使用することによって圧縮され得る。一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応するAPは、AP MLDの各APが動作するリンクの識別子のサイズに基づき順次割り振られ、連続するリンク識別子を有する複数のAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有していないと想定される。この場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、複数のAP以外のAPに対応するビットのみを含んでもよく、すなわち、第1のAPが送信するグループアドレス指定トラフィック指示情報は、複数のAP以外のAPに対応するビットを含んでもよい。
【0025】
説明を容易にするために、第1のAPによって生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報と称され、第1のAPによって送信されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報と称される。第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報と同じであり得るか、または第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの一部である。第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報に対する第2グループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットは、略して第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットと称される。
【0026】
第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイトN1より前のビットおよびバイトN2に続くすべてのビットに対応するAPのいずれも、グループアドレス指定トラフィックを有していないと仮定され、N1は0以上であり、N2は1以上である。この場合、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイトN1から始まり、バイトN2で終わるすべてのビットである。
【0027】
この場合、第1のAPによって送信される第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報の長さはN2-N1+1であり、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットはN1/2である。さらに、STA MLDにおいて第1のAPによって管理される局は、長さおよびオフセットを受信し、受信された第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報が、ビットN1*8からビット((N2+1)*8-1)に対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示していると決定し、ビット0からビットN1*8-1のすべてのビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有していないと決定し、ビット(N2+1)*8およびすべての後続のビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有していないと決定し得る。
【0028】
本出願で説明されているビットaは、a番目のビットである。たとえば、ビット0は、0番目のビットである。
【0029】
第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットN0*8-1からビットN1*8-1に対応するAPはいずれもグループアドレス指定トラフィックを有さず、ビットN2*8および後続のビットに対応するAPはいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しないと仮定する。この場合、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイト0から始まりバイトN0-1で終わるビット、および第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイトN1から始まりバイトN2で終わるビットである。この場合、第1のAPによって送信される第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報の長さはN0+N2-N1+1であり、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットはN1-N0である。さらに、STA MLDにおいて第1のAPによって管理される局は、長さおよびオフセットを受信し、受信された第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報が、ビット0からビット(N0-1)*8-1を示していると決定し、(N1-1)*8+1からビットN2*8+1に対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有しているかどうかを決定し、ビット(N0-1)*8からビット(N1-1)*8に対応するAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有していないと決定し得る。
【0030】
別の実装形態では、連続するアソシエーション識別子を有する複数のAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しないときに、部分仮想ビットマップフィールドは、これらのアソシエーション識別子に対応するビットを搬送し得ない。すなわち、部分仮想ビットマップフィールド内のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの量は、TIM要素内のオフセットを使用して減らされる。グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドであると仮定する。
【0031】
トラフィック指示仮想ビットマップフィールド内のバイトN1より前のビットおよびバイトN2に続くすべてのビットに対応するAIDのAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有さず、N1が0以上であり、N2が1以上である場合に、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイトN1から始まりバイトN2で終わるすべてのビットである。この場合、第1のAPによって送信されるTIM要素の長さフィールドはN2-N1+1+3であり、TIM要素のオフセットは(1/2)N1である。さらに、STA MLDにおける第1のAPによって管理される局は、受信された長さおよびオフセットに基づき、グループアドレス指定トラフィック指示情報がビットN1*8から((N2+1)*8-1))に対応するAIDのAPが、グループアドレス指定トラフィックを有しているかどうかを示すと決定し、ビット0からビットN1*8-1のすべてのビットに対応するAIDのAPはグループアドレス指定トラフィックを有しないと決定し、ビット(N2+1)*8および後続のすべてのビットに対応するAIDのAPはグループアドレス指定トラフィックを有しないと決定する。
【0032】
トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイトN0からバイトN1-1のすべてのビットに対応するAIDのAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しない場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイト0から始まりバイトN0-1で終わるビット、およびトラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイトN1から始まりバイトN2で終わるビットである。この場合、第1のAPによって送信されるTIM要素の長さフィールドはN0+N2-N1+1+3であり、TIM要素のオフセットは(N1-N0)1/2である。さらに、STA MLDにおける第1のAPによって管理される局は、長さフィールドおよび受信されたTM要素のオフセットに基づき、受信されたグループアドレス指定トラフィック指示情報が、ビット0からビット(N0-1)*8-1を示すと決定し、(N1-1)*8+1からビットN2*8+1に対応するAIDのAPがグループアドレス指定トラフィックを有しているかどうかを決定し、ビット(N0-1)*8からビット(N1-1)*8に対応するAIDのAPはグループアドレス指定トラフィックを有していないと決定し得る。
【0033】
任意選択で、第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、配信トラフィック指示マップ(diliverytraffic indication map)(DTIM)ビーコンフレームで搬送される。さらに、第1のAPは、DTIMビーコンフレームを送信した後に、グループアドレス指定トラフィックを送信する。
【0034】
任意選択で、ビーコンフレームについて、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、DTIMビーコンフレームでのみ搬送される。任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIMビーコンフレーム、管理フレーム、データフレーム、または制御フレームなどの別のフレームでさらに搬送され得る。
【0035】
任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報がTIMビーコンフレーム、管理フレーム、データフレーム、または制御フレームで搬送される場合、および第1のAPがグループアドレス指定トラフィックを提供するAPを有する場合に、第1のAPは、DTIMビーコンフレームの後に、配信トラフィック指示マップDTIMビーコンフレームおよびグループアドレス指定トラフィックをさらに送信し得る。
【0036】
第2の態様によれば、本出願は、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法をさらに提供する。この方法は、局マルチリンク装置STA MLDの観点から説明される。この方法において、STA MLDの第1の局STAは、AP MLDからグループアドレス指定トラフィック指示情報を受信し、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。
【0037】
任意選択で、第1のSTAは、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定するか、または知り得る。
【0038】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つのAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し、APは、AP MLDの第1のAPまたは別のAPである。この実装形態において、第1のSTAは、AP MLDの第1のAPまたは別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知り得る。これは、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度を改善する。
【0039】
別の実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの複数のAPのうちの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。この実装形態において、第1のSTAは、複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知るものとしてよく、それによりSTA MLDの各STAは、対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを定期的に監視する必要がない。これは、STA MLDの電力消費量を削減する。
【0040】
なおも別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。この実装形態において、第1のSTAは、AP MLDの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知るものとしてよく、それによりSTA MLDの各STAは、対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを定期的に監視する必要がない。これは、STA MLDの電力消費量を削減する。
【0041】
一実装形態において、STA MLDの第1のSTAは、一次リンク上で動作する局であり、STA MLDの第1のSTAがAP MLDからグループアドレス指定トラフィック指示情報を受信することは、STA MLDの第1のSTAが、一次リンク上で、AP MLDの1つのAPからのグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視する、ことを含む。
【0042】
任意選択で、ビーコンフレームについて、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、DTIMビーコンフレームでのみ搬送される。
【0043】
任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIMビーコンフレーム、管理フレーム、データフレーム、または制御フレームなどの別のフレームで搬送され得る。
【0044】
任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIMビーコンフレーム、管理フレーム、データフレーム、または制御フレームなどの別のフレームで搬送される。第1のSTAは、DTIMビーコンフレームを受信し、DTIMビーコンフレームを受信した後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。それに応じて、STA MLDの別のSTAが、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、対応するAPもグループアドレス指定トラフィックを有することを知った場合、別のSTAは、DTIMビーコンフレームを受信し、DTIMビーコンフレームを受信した後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。
【0045】
任意選択で、グループアドレス指定トラフィックはDTIMビーコンフレームで搬送され、第1のSTAは、DTIMビーコンフレームを受信した後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。それに応じて、STA MLDの別のSTAが、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、対応するAPもグループアドレス指定トラフィックを有することを知った場合、別のSTAは、DTIMビーコンフレームを受信し、DTIMビーコンフレームを受信した後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。
【0046】
別の実装形態では、第1のSTAが動作するリンク上のAPがグループアドレス指定トラフィックを有すると決定した場合に、第1のSTAは、リンク上で、APからの配信トラフィック指示マップDTIMビーコンフレームと、DTIMビーコンフレームを受信した後のグループアドレス指定トラフィックとを受信し得る。
【0047】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、AP MLDの各APに対応する。ビットの値は、ビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示す。この実装形態の関係する説明については、第1の態様の関係する内容を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0048】
別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内のビットの一部である。この実装形態の関係する説明については、第1の態様の関係する内容を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0049】
さらに別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内の連続するビットの一部である。この実装形態の関係する説明については、第1の態様の関係する内容を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0050】
部分仮想ビットマップフィールド内のいくつかのビットに対応するAIDは局に割り振られているので、これらのビットは対応する局がユニキャストトラフィックを有するかどうかを個別に示す。したがって、この実装形態では、AP MLDの各APに割り振られたアソシエーション識別子は、各APに関連付けられている局に割り振られたアソシエーション識別子とは異なる。言い換えると、AP MLDの各APに割り振られたアソシエーション識別子は、APによって管理される局にAPによって割り振られ得ない。しかしながら、異なるAPによってAPによって管理される局に割り振られたAIDは、比較的独立している。言い換えると、異なるAPによってAPによって管理される局に割り振られたAIDは、同じであり得る。
【0051】
一実装形態において、STA MLDの第1のSTAは、アソシエーション識別子構成情報を受信し、アソシエーション識別子構成情報は、AP MLDの各APに対応するアソシエーション識別子AIDを示す。そのAPのAIDは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応する。第1のSTAは、アソシエーション識別子構成情報に基づき、AP MLDのAPに対応するAIDを決定する。この実装形態の関係する説明については、第1の態様の関係する内容を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0052】
別の実装形態では、部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの一部の第1のビットに対応するAIDが事前定義される。この実装形態の関係する説明については、第1の態様の関係する内容を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0053】
さらに別の実装形態において、連続するビットの一部の第1のビットに対応するAIDは、AID xであり、xはmax{2^(N1),2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}に等しい。nはAP MLDにおける伝送基本サービスセット識別子APの個数であり、Nyは伝送BSSID APyによってブロードキャストされる複数基本サービスセット識別子複数BSSID要素における最大基本サービスセット識別子BSSID指示フィールドの数値である。送信BSSID APyは、AP MLDにおけるy番目の伝送BSSID APである。この実装形態の関係する説明については、第1の態様の関係する内容を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0054】
任意選択で、本出願のこの実施形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、オフセットを使用することによって圧縮され得る。一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応するAPは、AP MLDの各APが動作するリンクの識別子のサイズに基づき順次割り振られ、連続するリンク識別子を有する複数のAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有していないと想定される。この場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、複数のAP以外のAPに対応するビットのみを含んでもよく、すなわち、第1のAPが送信するグループアドレス指定トラフィック指示情報は、複数のAP以外のAPに対応するビットを含んでもよい。この実装形態の関係する説明については、第1の態様の関係する内容を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0055】
第3の態様によれば、本出願は、アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントを提供する。アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントは、AP MLDのAPであり、第1の態様の方法例において実装する第1のAPのいくつかのまたはすべての機能を有する。たとえば、アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントは、本出願のいくつかのまたはすべての実施形態における機能を有し得るか、または本出願の任意の実施形態を独立して実装する機能を有し得る。この機能はハードウェアによって実装され得るか、またはハードウェアが対応するソフトウェアを実行することによって実装され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは、それらの機能に対応する1つもしくは複数のユニットまたはモジュールを含む。
【0056】
一実装形態において、アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントの構造は、処理ユニットおよび通信ユニットを含み得る。処理ユニットは、前述の方法において対応する機能を実行する際にアクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントをサポートするように構成される。通信ユニットは、アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントと別のデバイスとの間の通信をサポートするように構成される。アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントは、ストレージユニットをさらに含み得る。ストレージユニットは、処理ユニットおよび送信ユニットに結合されてもよく、ストレージユニットは、アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントに必要なコンピュータプログラムおよびデータを記憶する。
【0057】
一実装形態において、アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントは、
グループアドレス指定トラフィック指示情報を生成するように構成され、グループアドレス指定トラフィック指示情報が、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する、処理ユニットと、
グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信するように構成されている、通信ユニットとを含む。
【0058】
アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントにおいて、処理ユニットによって生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、アクセスポイントまたは別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示すことができ、次いで、通信ユニットはグループアドレス指定トラフィック指示情報を局マルチリンクデバイスに送信することがわかる。このようにして、局マルチリンクデバイスの任意の局が、グループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視することができる。これは、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度を改善する。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報が、AP MLDの各APまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示す場合、局マルチリンクデバイスの任意の局が、複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。したがって、局マルチリンクデバイスのすべての局が、それぞれのリンク上にグループアドレス指定トラフィックがあるかどうかを監視する必要はない。これは、局マルチリンクデバイスの電力消費量を低減する。
【0059】
一例において、処理ユニットはプロセッサであってよく、通信ユニットはトランシーバまたは通信インターフェースであってよく、ストレージユニットはメモリであってよい。
【0060】
別の実装形態において、アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントは、
グループアドレス指定トラフィック指示情報を生成するように構成され、グループアドレス指定トラフィック指示情報が、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する、プロセッサと、
グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信するように構成されている、トランシーバとを備える。
【0061】
アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントにおいて、プロセッサによって生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、アクセスポイントまたは別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示することができ、次いで、トランシーバはグループアドレス指定トラフィック指示情報を局マルチリンクデバイスに送信することがわかる。このようにして、局マルチリンクデバイスの任意の局が、グループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視することができる。これは、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度を改善する。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報が、AP MLDの各APまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する場合、局マルチリンクデバイスの任意の局が、複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。したがって、局マルチリンクデバイスのすべての局が、それぞれのリンク上にグループアドレス指定トラフィックがあるかどうかを監視する必要はない。これは、局マルチリンクデバイスの電力消費量を低減する。
【0062】
任意選択で、アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントは、第1の態様の任意の1つまたは複数の実装形態をさらに実行し得る。詳細については、ここで再び説明しない。
【0063】
第4の態様によれば、本出願は、局マルチリンクデバイスの局をさらに提供する。局マルチリンクデバイスの局は、STA MLDのSTAであり、第2の態様の方法例を実装する、第1のSTAのいくつかのまたはすべての機能を有する。たとえば、局マルチリンクデバイスの局は、本出願のいくつかのまたはすべての実施形態における機能を有し得るか、または本出願の任意の実施形態を独立して実装する機能を有し得る。この機能はハードウェアによって実装され得るか、またはハードウェアが対応するソフトウェアを実行することによって実装され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは、それらの機能に対応する1つもしくは複数のユニットまたはモジュールを含む。
【0064】
一実装形態において、局マルチリンクデバイスの局の構造は、処理ユニットおよび通信ユニットを含み得る。処理ユニットは、前述の方法において対応する機能を実行する際に局マルチリンクデバイスの局をサポートするように構成される。通信ユニットは、局マルチリンクデバイスの局と別のデバイスとの間の通信をサポートするように構成される。局マルチリンクデバイスの局は、ストレージユニットをさらに含み得る。ストレージユニットは、処理ユニットおよび送信ユニットに結合されてもよく、ストレージユニットは、局マルチリンクデバイスの局に必要なコンピュータプログラムおよびデータを記憶する。
【0065】
一実装形態において、局マルチリンクデバイスの局は、
AP MLDからグループアドレス指定トラフィック指示情報を受信するように構成され、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する、通信ユニットを備える。
【0066】
任意選択で、局マルチリンクデバイスの局は、処理ユニットをさらに備える。
【0067】
処理ユニットは、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定するように構成される。
【0068】
局マルチリンクデバイスの局において、処理ユニットは、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知り得ることがわかる。具体的には、局マルチリンクデバイスの局は、局に関連付けられているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知るだけでなく、AP MLDの別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかも知ることができる。これは、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度を改善する。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの複数のAPまたは各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。すなわち、局マルチリンクデバイスの任意のSTAは、AP MLDの複数のAPまたは各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。したがって、STA MLDのすべてのSTAが、対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを監視する必要はない。これは、STA MLDの電力消費量を削減する。
【0069】
一例において、処理ユニットはプロセッサであってよく、通信ユニットはトランシーバまたは通信インターフェースであってよく、ストレージユニットはメモリであってよい。
【0070】
別の実装形態において、局マルチリンクデバイスの局は、
AP MLDからグループアドレス指定トラフィック指示情報を受信するように構成され、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する、トランシーバを備える。
【0071】
任意選択で、局マルチリンクデバイスの局は、プロセッサをさらに備える。
【0072】
プロセッサは、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定するように構成される。
【0073】
局マルチリンクデバイスの局において、プロセッサは、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知り得ることがわかる。具体的には、局マルチリンクデバイスの局は、局に関連付けられているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知るだけでなく、AP MLDの別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかも知ることができる。これは、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度を改善する。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの複数のAPまたは各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。すなわち、STA MLDの任意のSTAは、AP MLDの複数のAPまたは各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。したがって、STA MLDのすべてのSTAが、対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを監視する必要はない。これは、STA MLDの電力消費量を削減する。
【0074】
任意選択で、局マルチリンクデバイスの局は、第2の態様の任意の1つまたは複数の実装形態をさらに実行し得る。詳細については、ここで再び説明しない。
【0075】
第5の態様によれば、本発明の一実施形態は、コンピュータプログラムを記憶するように構成されているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータプログラムが通信装置において実行されたときに、通信装置は、第1の態様に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法を実行する。
【0076】
第6の態様によれば、本発明の一実施形態は、コンピュータプログラムを記憶するように構成されているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータプログラムが通信装置において実行されたときに、通信装置は、第2の態様に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法を実行する。
【0077】
第7の態様によれば、本出願は、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品が通信装置上で実行されたときに、通信装置は、第1の態様に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法を実行することを可能にされる。
【0078】
第8の態様によれば、本出願は、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品が通信装置上で実行されたときに、通信装置は、第2の態様に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法を実行することを可能にされる。
【0079】
第9の態様によれば、本出願は、チップシステムを提供する。チップシステムは、第1の態様における機能、たとえば前述の方法でデータおよび情報のうちの少なくとも一方を決定するか、または処理する機能を実装するAP MLDの任意のAP、たとえば第1のAPをサポートするように構成されている、少なくとも1つのプロセッサおよびインターフェースを備える。可能な設計において、チップシステムは、メモリをさらに備え、メモリは、AP MLDのAPに必要であるコンピュータプログラムおよびデータを記憶するように構成される。チップシステムは、チップを含み得るか、またはチップおよび別のディスクリートコンポーネントを含み得る。
【0080】
第10の態様によれば、本出願は、チップシステムを提供する。チップシステムは、第2の態様における機能、たとえば前述の方法でデータおよび情報のうちの少なくとも一方を決定するか、または処理する機能を実装するSTA MLDの任意のSTA、たとえば第1のSTAをサポートするように構成されている、少なくとも1つのプロセッサおよびインターフェースを備える。可能な設計において、チップシステムは、メモリをさらに備え、メモリは、STA MLDのSTAに必要であるコンピュータプログラムおよびデータを記憶するように構成される。チップシステムは、チップを含み得るか、またはチップおよび別のディスクリートコンポーネントを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】本出願の一実施形態に係るAP MLDおよびSTA MLDの構造の概略図である。
図2】本出願の一実施形態に係るTIM要素のフレーム形式の概略図である。
図3(a)】本出願の一実施形態に係る通信システム100の構造の概略図である。
図3(b)】本出願の一実施形態に係る通信システム200の構造の概略図である。
図3(c)】本出願の一実施形態に係る通信システム300の構造の概略図である。
図4】本出願の一実施形態に係るグループアドレス指定トラフィック伝送方法100の概略図である。
図5】本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200の概略フローチャートである。
図5a】本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法におけるMLDパラメータフィールドの概略図である。
図5b】本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法における能力情報フィールドの概略図である。
図5c】本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法における別の能力情報フィールドの概略図である。
図5d】本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法におけるRNR要素の概略図である。
図5e】本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法におけるTBTT情報フィールドの概略図である。
図6】本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法300の概略図である。
図7】本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法400の概略フローチャートである。
図8】本出願の一実施形態に係る部分仮想ビットマップフィールドの概略図である。
図9】本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500の概略図である。
図10】本出願の一実施形態に係るBSSID要素のフレーム形式の概略図である。
図11】本出願の一実施形態に係る通信装置100の構造の概略図である。
図12】本出願の一実施形態に係る通信装置200の構造の概略図である。
図13】本出願の一実施形態に係る通信装置300の構造の概略図である。
図14】本出願の一実施形態に係るチップの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
次に、本出願の実施形態における添付図面を参照しつつ本出願の実施形態における技術的解決方法について明確に説明する。
【0083】
本出願の実施形態において開示されているマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法および関係する装置をより良く理解するために、まず本出願の実施形態における関係する概念が説明される。
【0084】
1.マルチリンクデバイス
【0085】
本出願の実施形態に適用可能なワイヤレス通信システムは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(Wireless local area network、WLAN)またはセルラーネットワークであってよい。グループアドレス指定トラフィック伝送方法は、ワイヤレス通信システム内の通信デバイスまたは通信デバイス内のチップもしくはプロセッサによって実装され得る。通信デバイスは、複数のリンクで実行される同時伝送をサポートするワイヤレス通信デバイスであってよい。たとえば、通信デバイスは、マルチリンクデバイス(Multi-link device)またはマルチバンドデバイス(multi-band device)と称される。シングルリンク伝送のみをサポートするデバイスと比較して、マルチリンクデバイスはより高い伝送効率およびより高いスループットを有する。
【0086】
マルチリンクデバイスは、1つまたは複数のアフィリエイト局(affiliated station)STA(affiliated STA)を含む。アフィリエイトSTAは論理局であり、1つのリンク上で動作し得る。アフィリエイト局は、アクセスポイント(Access Point、AP)局または非アクセスポイント局(non-Access Point Station、non-AP STA)であってもよい。説明を容易にするために、本出願では、そのアフィリエイト局がAPであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクAP、マルチリンクAPデバイス、またはAPマルチリンクデバイス(AP multi-link device、AP MLD)と称され得る。そのアフィリエイト局がnon-AP STAであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクSTA、マルチリンクSTAデバイス、またはSTAマルチリンクデバイス(STA multi-link device、STA MLD)と称され得る。説明を容易にするために、本出願の実施形態では、「マルチリンクデバイスはアフィリエイトSTAを含む」は、また、「マルチリンクデバイスはSTAを含む」と簡潔に記述される。
【0087】
マルチリンクデバイスは複数の論理局を含み、各論理局は1つのリンク上で動作するが、複数の論理局は同じリンク上で動作することを許されることに留意されたい。
【0088】
マルチリンクデバイスは、802.11シリーズのプロトコルに従ってワイヤレス通信を実装し得る。たとえば、超高スループット(Extremely High Throughput、EHT)に準拠する局、または802.11beに準拠するもしくは802.11beをサポートする局と互換性のある局は、別のデバイスとの通信を実装する。確かに、別のデバイスは、マルチリンクデバイスであり得るか、またはマルチリンクデバイスではあり得ない。
【0089】
たとえば、本出願のこの実施形態におけるマルチリンクデバイスは、シングルアンテナデバイスであり得るか、またはマルチアンテナデバイスであり得る。たとえば、マルチリンクデバイスは、2つよりも多いアンテナを有するデバイスであってもよい。マルチリンクデバイスに備えられるアンテナの数は、本出願の実施形態において限定されない。本出願の実施形態において、マルチリンクデバイスは、同じアクセスタイプのトラフィックが異なるリンク上で伝送されることを許すか、または同じデータパケットが異なるリンク上で伝送されることすら許し得る。代替的に、マルチリンクデバイスは、同じアクセスタイプのトラフィックが異なるリンク上で伝送されることを許さないが、異なるアクセスタイプのトラフィックが異なるリンク上で伝送されることを許し得る。
【0090】
たとえば、マルチリンクデバイスは、ワイヤレス通信機能を有する装置であり、この装置は、デバイスであり得るか、またはデバイス上に取り付けられるチップ、処理システム、または同様のものであってもよい。チップまたは処理システムが取り付けられたデバイスは、チップまたは処理システムの制御の下で本出願の実施形態における方法および機能を実装し得る。たとえば、本出願の実施形態におけるSTA MLDは、ワイヤレストランシーバ機能を有し、802.11シリーズのプロトコルをサポートしてもよく、AP MLD、別のSTA MLD、またはシングルリンクデバイスと通信し得る。たとえば、STA MLDは、ユーザがAPと通信し、さらにWLANと通信することを可能にする任意のユーザ通信デバイスである。たとえば、STA MLDは、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(Ultra-mobile Personal Computer、UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ネットブック、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、または携帯電話などの、ネットワークに接続できるユーザ機器であり得るか、モノのインターネット内のモノのインターネットノードであり得るか、自動車のインターネット内の車載通信装置であり得る。STA MLDは、代替的に、前述の端末内のチップおよび処理システムであってもよい。
【0091】
本出願の実施形態におけるAP MLDは、STA MLDにサービスを提供する装置であり、802.11シリーズのプロトコルをサポートし得る。たとえば、AP MLDは、通信サーバ、ルータ、スイッチ、またはブリッジなどの通信エンティティであり得るか、またはAP MLDは、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、および中継局を含み得る。確かに、AP MLDは、本出願の実施形態における方法および機能を実装するために、代替的に、様々な形態のデバイス内のチップおよび処理システムであってもよい。それに加えて、マルチリンクデバイスは、高速および低遅延伝送をサポートし得る。ワイヤレスローカルエリアネットワークのアプリケーションシナリオの継続的な発展に伴い、マルチリンクデバイスは、たとえば、スマートシティにおけるセンサノード(たとえば、スマート水道メーター、スマート電力メーター、またはスマート空気検出ノード)、スマートホームにおけるスマートデバイス(たとえば、スマートカメラ、プロジェクター、ディスプレイスクリーン、テレビ、ステレオ、冷蔵庫、または洗濯機)、モノのインターネットにおけるノード、娯楽端末(たとえば、AR、VR、もしくは別のウェアラブルデバイス)、スマートオフィスにおけるスマートデバイス(たとえば、プリンタ、またはプロジェクター)、自動車のインターネットにおける自動車のインターネットデバイス、または日常生活シナリオにおけるインフラストラクチャ(たとえば、自動販売機、セルフサービスナビゲーションコンソール、セルフチェックアウトデバイス、またはセルフサービスフードマシン)として働く、より多くのシナリオにさらに応用され得る。STA MLDおよびAP MLDの特定の形態は、本出願の実施形態において特に限定されず、本明細書における説明のための例示にすぎない。また、802.11プロトコルは、802.11beをサポートするか、または802.11beと互換性のあるプロトコルであってもよい。
【0092】
マルチリンクデバイスが動作する周波数帯は、限定はしないが、sub 1GHz、2.4GHz、5GHz、6GHz、および高周波60GHzを含み得る。
【0093】
たとえば、本出願の実施形態におけるマルチリンクデバイスは、シングルアンテナデバイスであり得るか、またはマルチアンテナデバイスであり得る。たとえば、本出願の実施形態におけるマルチリンクデバイスは、2つよりも多いアンテナを有するデバイスであってもよい。マルチリンクデバイスに備えられるアンテナの数は、本出願のこの実施形態において限定されない。図1は、AP MLDが複数のアンテナを有し、STA MLDが単一のアンテナを有する構造を示す概略図である。802.11規格では、AP MLDおよびSTA MLDにおける物理層(Physical layer、PHY)と媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)層部分に焦点を合わせている。
【0094】
2.リンク識別子
【0095】
リンク識別子は、1つのリンク上で動作する1つの局を表す。言い換えれば、1つのリンク上に複数の局が存在する場合、複数の局を表すために複数のリンク識別子が必要になる。後述のリンクは、ときには、リンク上で動作する局を表す。
【0096】
データ伝送時に、AP MLDおよびSTA MLDは、リンク識別子を使って、リンクまたはリンク上の局を識別し得る。通信の前に、AP MLDおよびSTA MLDは、最初に、リンク識別子とリンクまたはリンク上の局との間の対応関係について互いにネゴシエートするか、または通信し得る。したがって、データ伝送時に、リンク識別子は、リンクまたはリンク上の局を示すために大量のシグナリング情報を伝送することなく搬送される。これは、シグナリングオーバーヘッドを低減し、伝送効率を改善する。
【0097】
一例において、基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)を確立するときにAP MLDによって送信される管理フレーム、たとえば、ビーコン(beacon)フレームは、1つの要素を搬送する。その要素は、複数のリンク識別子情報フィールドを含む。リンク識別子情報フィールドは、リンク識別子と、そのリンク識別子に対応するリンク上で動作する局との間の対応関係を示し得る。リンク識別子情報フィールドは、リンク識別子を含むだけでなく、媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)アドレス、動作クラス、およびチャネル番号のうちの1つまたは複数の情報も含む。MACアドレス、動作クラス、チャネル番号のうち1つまたは複数は、1つのリンクを示し得る。APについては、APのMACアドレスは、APのBSSID(basic service set identifier、基本サービスセット識別子)である。別の例では、マルチリンクデバイスアソシエーションプロセスにおいて、AP MLDおよびSTAマルチリンクデバイスは、複数のリンク識別子情報フィールドをネゴシエートする。マルチリンクデバイスアソシエーションは、AP MLDの1つのAPがSTA MLDの1つのSTAと1回アソシエーションされることを意味する。このアソシエーションは、STA MLDの複数のSTAがAP MLDの複数のAPとアソシエーションされ、1つのSTAが1つのAPとアソシエーションされることを助け得る。
【0098】
その後の通信において、AP MLDまたはSTAマルチリンクデバイスは、リンク識別子を使用することによってSTAマルチリンクデバイス内の局を識別するか、または表現する。リンク識別子は、局のMACアドレス、動作クラス、およびチャネル番号のうちの1つまたは複数の属性をさらに表し得る。MACアドレスは、アソシエーションされているAP MLDのアソシエーション識別子と置き換えられてもよい。任意選択で、複数の局が1つのリンク上で動作する場合、リンク識別子(数値IDである)によって表される意味は、リンクが配置されている動作クラス、およびチャネル番号だけでなく、リンク上で動作している局の識別子、たとえば局のMACアドレスまたは局のアソシエーション識別子(Association Identifier、AID)も含む。
【0099】
3.トラフィック指示マップ要素
【0100】
トラフィック指示マップ(traffic indication map、TIM)ビーコンフレームおよび送信トラフィック指示マップ(delivery traffic indication map, DTIM)ビーコンフレームは各々トラフィック指示マップ(traffic indication map、TIM)要素を搬送する。TIM要素フィールドのフレーム形式が図2に示されている。
【0101】
要素識別子(identifier、ID)フィールド:要素識別子フィールドは、図2に示されている要素がTIM要素であることを識別するために使用される。
【0102】
長さフィールド:長さフィールドは、TIMエレメントの長さを示し、長さフィールド以降のフィールドの長さ合計をカウントし、具体的には、DTIMカウントフィールド、DTIM周期フィールド、ビットマップ制御フィールド、および部分仮想ビットマップフィールドの長さ合計をバイト単位でカウントする。
【0103】
DTIMカウント(DTIM count)フィールド:DTIMカウントフィールドは、TIM要素を搬送する現在のビーコンフレームと次のDTIMビーコンフレームの到着との間の残りのTIMビーコンフレームの数を示す。すなわち、DTIMカウントフィールドはカウント値であり、そのカウント値は可変である。DTIMカウントフィールドの値が0であるときに、現在のビーコンフレームがDTIMビーコンフレームであることを示す。DTIMカウントフィールドの値が0でないか、または非ゼロであるときに、現在のビーコンフレームがTIMビーコンフレームであることを示す。
【0104】
DTIM周期(DTIM period)フィールド:DTIM周期フィールドは、DTIMビーコンフレームの周期持続時間、すなわち、到着間隔を示す。到着間隔は、TIMビーコンフレーム周期を単位として使用する。たとえば、DTIM周期が1に設定された場合、各TIM要素フィールド内のDTIMカウントは0に等しい、言い換えると、各ビーコンフレームはDTIMビーコンフレームである。
【0105】
ビットマップ制御(Bitmap control)フィールド:図2に示されているように、ビットマップ制御フィールド内のビット0は、アクセスポイントAPがDTIMビーコンフレームを送信した後にグループアドレス指定データトラフィックを送信するかどうかを示す。言い換えると、DTIMビーコンフレーム内のビットマップ制御フィールドのビット0は、APがグループアドレス指定トラフィックをバッファリングするかどうかを示し、グループアドレス指定AIDを使用することによってグループアドレス指定トラフィックが送信されないことを示す。ビットマップ制御フィールド内のビット1から7は、部分仮想ビットマップ(partial virtual bitmap)のオフセットを示し、そのオフセットはバイト単位(すなわち8ビット)である。
【0106】
部分仮想ビットマップ(partial virtual bitmap):部分仮想ビットマップフィールド内の各ビットは、1つのアソシエーション識別子(association identifier、AID)に対応し、AIDに対応する局がユニキャストトラフィックを有するかどうかを示す。代替的に、部分仮想ビットマップフィールド内の各ビットは、1つのグループアドレス指定AIDに対応し、グループアドレス指定AIDに対応する局のグループがダウンリンクトラフィックを有するかどうかを示す。部分仮想ビットマップフィールドは、トラフィック指示仮想ビットマップ(traffic indication virtual bitmap)フィールドのいくつかのビットの一部であり、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドは251バイトを有し、AID 0からAID 2007に対応する局がダウンリンクトラフィックを有するかどうかを示す。
【0107】
要素IDフィールド、長さフィールド、DTIMカウントフィールド、DTIM周期フィールド、およびビットマップ制御フィールドは、各々1バイトを占有する。
【0108】
本出願の実施形態は、IEEE 802.11が配備されたネットワークを例として使用することによって説明されているが、当業者であれば、本出願の様々な態様が、種々の規格またはプロトコルを使用する他のネットワーク、たとえばBLUETOOTH(Bluetooth)、高性能無線LAN(High Performance Radio LAN、HIPERLAN)(IEEE 802.11規格に類似するワイヤレス規格であり、主にヨーロッパで使用されている)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、または別の知られているもしくは後に開発されるネットワークに拡張され得ることを容易に理解する。したがって、本出願で提供される様々な態様は、カバレッジおよびワイヤレスアクセスプロトコルに関係なく任意の好適なワイヤレスネットワークに適用可能である。
【0109】
図3(a)のワイヤレスローカルエリアネットワークは、本出願の実施形態が適用される通信システム100を説明するための一例として使用される。通信システム100は、局101と局102とを含む。局101は、複数のリンクを介して局102と通信し、スループットを改善し得る。局101は、マルチリンクデバイスであってよく、局102は、シングルリンクデバイス、マルチリンクデバイス、または同様のものであってよい。一シナリオにおいて、局101はAP MLDであり、局102はSTA MLDまたは局(たとえば、シングルリンク局)である。別のシナリオでは、局101はSTA MLDであり、局102はAP(たとえば、シングルリンクAP)またはAP MLDである。さらに別のシナリオでは、局101はAP MLDであり、局102はAP MLDまたはAPである。さらに別のシナリオでは、局101はSTA MLDであり、局102はSTA MLDまたはSTA(たとえば、シングルリンク局)である。確かに、ワイヤレスローカルエリアネットワークはさらに別のデバイスを含み得る。図3(a)に示されているデバイスの数およびタイプは単なる例である。
【0110】
図3(b)および図3(c)は、通信システム200および通信システム300の構造の概略図を示している。通信システム200および通信システム300において、ワイヤレスローカルエリアネットワーク内のマルチリンクデバイスが複数のリンクを介して他のデバイスと通信する一例が使用されている。
【0111】
図3(b)は、AP MLDがSTA MLDと通信するシナリオである。AP MLDは、アフィリエイトAP1およびアフィリエイトAP2を含む。STA MLDは、アフィリエイトSTA1およびアフィリエイトSTA2を含む。AP MLDおよびSTA MLDはリンク1およびリンク2上で並列通信を行う。
【0112】
図3(c)は、AP MLD 601がSTA MLD 602、STA MLD 603、およびSTA 604と通信するシナリオである。AP MLD601は、アフィリエイトAP601-1からアフィリエイトAP601-3を含む。STA MLD 602は、3つのアフィリエイトSTA、STA602-1、STA602-2、およびSTA602-3を含む。STA MLD 603は、2つのアフィリエイトSTA、STA603-1およびSTA603-2を含む。STA604-1およびSTA604は、シングルリンクデバイスである。AP MLD 601は、リンク1、リンク2、およびリンク3を別々に使用してSTA MLD 602と通信し、リンク2およびリンク3を使用してSTA MLD 603と通信し、リンク1を使用してSTA 604と通信し得る。一例において、STA604は、2.4GHz周波数帯で動作する。STA MLD603において、STA603-1は、5GHz周波数帯で動作し、STA603-2は、6GHz周波数帯で動作する。STA MLD 602において、STA602-1は2.4GHz周波数帯で動作し、STA602-2は5GHz周波数帯で動作し、STA602-3は6GHz周波数帯で動作する。AP MLD601において2.4GHz周波数帯で動作するAP601-1は、リンク1を介して、STA604およびSTA MLD602内のSTA602-2とアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得る。AP MLD601において5GHz周波数帯で動作するAP601-2は、リンク2を介して、STA MLD603において5GHz周波数帯で動作するSTA603-1とアップリンクまたはダウンリンクのデータ伝送を実行し、さらにリンク2を介して、STA MLD602において5GHz周波数帯で動作するSTA602-2とアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得る。AP MLD601において6GHz周波数帯で動作するAP601-3は、リンク3を介して、STA MLD602において6GHz周波数帯で動作するSTA602-3とアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し、さらにリンク3を介して、STA MLDにおいてSTA603-2とアップリンクまたはダウンリンクデータ伝送を実行し得る。
【0113】
図3(b)は、AP MLDが2つの周波数帯をサポートすることのみを示していることに留意されたい。図3(c)は、AP MLD601が3つの周波数帯(2.4GHz、5GHz、および6GHz)をサポートし、各周波数帯は1つのリンクに対応し、AP MLD601がリンク1、リンク2、またはリンク3のうちの1つまたは複数のリンク上で動作し得る例のみを示している。APサイドまたはSTAサイドでは、ここでのリンクはさらにリンク上で動作する局としてさらに理解され得る。実際のアプリケーションでは、AP MLDおよびSTA MLDは、さらに多くの周波数帯または少ない周波数帯をサポートし得る。言い換えると、AP MLDおよびSTA MLDは、より多くの、またはより少ないリンクで動作し得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0114】
現在、シングルリンクデバイス、たとえば、省エネモードの局STAは、定期的にトラフィック指示マップ(traffic indication map、TIM)ビーコンフレームの到来を監視し、TIMビーコンフレーム内のビットマップ制御フィールドのビット0に基づき、配信トラフィック指示マップ(delivery traffic indication map、DTIM)ビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックがあるかどうかを決定する。しかしながら、マルチリンクデバイスのシナリオでは、ビットマップ制御フィールド内のビット0は、DTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックがあるかどうかを決定することにも使用されると仮定する。この場合、図3(a)から図3(c)に示されている通信システムにおいて、STA MLDの各STAは、リンク上のTIMビーコンフレームの到来を定期的に監視する必要があり、STAによって監視されているTIMビーコンフレームのビットマップ制御フィールド内のビット0の値に基づきDTIMビーコンフレームを送信した後にリンクのAPがグループアドレス指定トラフィックを送信するかどうかを知る。グループアドレス指定トラフィックがある場合、STAは対応するDTIMビーコンフレームを受信した後にAPによって送信されたグループアドレス指定トラフィックを受信する。グループアドレス指定トラフィックは、DTIMビーコンフレームの直後、たとえば、DTIMビーコンフレームに続くSIFS(短フレーム間隔、short inter-frame space)時間後に送信される。
【0115】
802.11プロトコルにおいて、STAは、一般的に、非省電力モードと省電力モードという2つの動作モードを有する。STAが非省電力モードで動作するときに、STAは、STA上に伝送されるべきデータがあるかどうかにかかわらずアクティブ状態(active state、覚醒状態とも称され得る)である。STAが省電力モードで動作するときに、STAは、APによりデータを伝送するときにアクティブ状態(active state)であってもよい。STAとAPとの間にデータ伝送がないときに、STAは、電力消費量を減らすためにドーズ状態(doze state)であってもよい。STAは、APにフレームを送信し、STAが省電力モードであるかどうかを通知し得る。フレームのMACヘッダ内のフレーム制御フィールド(frame control field)内の省電力ビットが1に設定されている場合、APは、STAが省電力モードであることを通知される。フレームのMACヘッダ内のフレーム制御フィールド(frame control field)内の省電力ビットが0に設定されている場合、APは、STAが非省電力モードであることを通知される。
【0116】
図4に示されているグループアドレス指定トラフィック送信方法100では、図3(c)のAP MLD601とSTA MLD602との間の通信は、一例として使用されている。STA MLD602のSTA602-1は、リンク1上でTIMビーコンフレーム1の到来を監視し、TIMビーコンフレーム1内のビットマップ制御フィールドのビット0を使用することによって、DTIMビーコンフレーム1を送信した後にAP601-1がグループアドレス指定トラフィック1を送信するかどうかを知る必要がある。STA MLD602のSTA602-2は、リンク2上でTIMビーコンフレーム2の到来を監視し、TIMビーコンフレーム2内のビットマップ制御フィールドのビット0を使用することによって、DTIMビーコンフレーム2を送信した後にAP601-2がグループアドレス指定トラフィック2を送信するかどうかを知る必要がある。STA MLD602のSTA602-3は、リンク3上でTIMビーコンフレーム3の到来を監視し、TIMビーコンフレーム3内のビットマップ制御フィールドのビット0を使用することによって、DTIMビーコンフレーム3を送信した後にAP601-3がグループアドレス指定トラフィック3を送信するかどうかを知る必要がある。STA MLD602のリンクの数が増え続ける場合、STA MLD 602の電力消費量が大きく増加することがわかる。
【0117】
したがって、STA MLDの電力消費量をどのように低減するかが、解決すべき緊急の課題となる。
【0118】
本出願の実施形態で提供されるマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法によれば、STA MLDの電力消費量が低減され得る。次に、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0119】
本出願の実施形態において、実施形態1および実施形態2は別々に説明される。実施形態1と実施形態2との違いは、実施形態1はグループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットがそのビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示す一例を使用することによって説明され、実施形態2はグループアドレス指定トラフィック指示情報がTIM要素内の部分仮想ビットマップ(partial virtual bitmap)フィールド内のいくつかのビットの一部である一例を使用することによって説明されている点である。
【0120】
実施形態1
図5は、本出願の一実施形態に係るマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200である。マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200は、方法200がAP MLDおよびSTA MLDを含む通信システムにおいて実装される一例を使用することによって説明される。AP MLDは1つまたは複数のAPを含み、第1のAPは1つまたは複数のAPの中の任意の1つのAPである。STA MLDは1つまたは複数のSTAを含み、第1のSTAは1つまたは複数のSTAの中の任意の1つのSTAである。上で説明されているように、マルチリンクアソシエーションは、AP MLDとSTA MLDとの間に確立され得る。マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200は、限定はしないが次のステップを含み得る。
【0121】
ステップS201:AP MLDの第1のAPは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を生成する。
【0122】
第1のAPは、AP MLDの任意のAPである。
【0123】
グループアドレス指定トラフィック指示情報は、グループアドレス指定トラフィック指示フィールドまたはグループアドレス指定トラフィック指示と称され得る。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。グループアドレス指定トラフィック指示情報の記述は、次の2つの表現を含む。(1)グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。(2)グループアドレス指定トラフィック指示情報は、DTIMビーコンフレームを送信した後にAP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを送信するかどうかを指示する。別の例では、グループアドレス指定トラフィック指示情報の記述は、次の2つの表現を含む。(3)グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックをバッファリングするかどうかを指示する。(4)グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPのグループアドレス指定トラフィックがグループアドレス指定AIDの形態で送信されないことを指示する。本出願のこの実施形態では、表現(1)は以降の記述の一例として使用される。
【0124】
一方で、グループアドレス指定トラフィックは、グループアドレス指定管理フレームおよびグループアドレス指定データフレームを含んでもよく、フレームのタイプは、MACヘッダ内のフレーム制御フィールドのタイプフィールド識別子によって指示される。他方では、グループアドレス指定トラフィックは、ブロードキャストトラフィックおよびマルチキャストトラフィックに分類され得る。言い換えると、APによって送信されるグループアドレス指定トラフィックは、APにアソシエーションされている局またはブロードキャストもしくはグループアドレス指定された方式でAPにアソシエーションされている局MLDに送信される。
【0125】
同じAP MLDでは、各APは独立して、APが動作するリンク上でグループアドレス指定管理フレームを送信する。APは、APが動作するリンク上で、APにアソシエーションされているSTA MLDの各対応するSTAに同じグループアドレス指定データフレームを送信する。グループアドレス指定管理フレームはリンクレベルにあり、別のリンク上の従来の局またはリンク上でアソシエーションを確立していないSTA MLDによって受信される必要がないことは理解され得る。これは、対応する局の電力消費量を低減する。AP MLDの各APは、各リンク上で同じグループアドレス指定データフレームを送信し、それにより、単一無線(single radio)STA MLDの局がグループアドレス指定データフレームを失わないか、または単一無線STA MLDの局はグループアドレス指定データフレームを受信するために頻繁にリンクを切り換える必要がない。任意選択の一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つのAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。APは、第1のAPであるか、または第1のAP以外のAP MLDの他のAPであってもよい。たとえば、図3(c)において、第1のAPはAP601-1であり、AP601-1によって生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLD601のAP601-2にグループアドレス指定トラフィックがあるかどうかを指示し得る。代替的に、AP601-1によって生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLD601のAP601-1がグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し得る。
【0126】
別の任意選択の実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。複数のAPは、AP MLDのAPの一部であり得るか、またはAP MLDのすべてのAPであり得る。たとえば、図3(c)において、第1のAPはAP601-1であり、AP601-1はグループアドレス指定トラフィック指示情報を生成する。グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLD601のAP601-1がグループアドレス指定トラフィックを有するかどうか、およびAP601-2がグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し得る。代替的に、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLD601のAP601-1がグループアドレス指定トラフィックを有するかどうか、AP601-2がグループアドレス指定トラフィックを有するかどうか、およびAP601-3がグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し得る。
【0127】
任意選択の一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、AP MLDの各APに対応する。各ビットの値が、そのビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示するか、または各ビットが、そのビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、AP MLDのAPが動作するリンクの識別子のサイズに基づきAP MLDの各APに対応する。言い換えると、グループアドレス指定トラフィック指示情報のビット順序は、リンク識別子の順序に対応し、リンク識別子は、AP MLDの各APが動作するリンクの識別子である。
【0128】
別の実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報のビットは、リンク(またはAP MLDのAP)と一対一で対応する。たとえば、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、各リンク識別子と一緒に使用される。任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、縮小隣接レポート(reduced neighbor report)(Reduced Neighbor Report、RNR)要素(element)内のターゲットビーコン伝送時間(target beacon transmission time、TBTT)情報フィールド内に配置される。特に、図5に示されているMLD(multi-link device、マルチリンクデバイス)パラメータサブフィールド(MLD parameters subfield)は、TBTT情報フィールドに追加され、MLDパラメータサブフィールドは、マルチリンクデバイス識別子(MLD ID)、リンク識別子(link ID)、変更シーケンス(change sequence)、およびグループアドレス指定トラフィック指示を含む。マルチリンクデバイス識別子は、報告されたAPが配置されているMLDの識別子を示し、リンク識別子は、AP MLDの報告されたAPのシーケンス番号を識別するために使用され、変更シーケンス番号は、報告されたAPのキーBSSパラメータの更新カウント値を示し、グループアドレス指定トラフィック指示は、報告されたAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示す。グループアドレス指定トラフィック指示は、1ビットを占有し得る。任意選択で、グループアドレス指定トラフィックは、グループアドレス指定管理フレームトラフィックおよびグループアドレスデータフレームトラフィックを含み得る。一実装形態では、グループアドレス指定管理フレームトラフィックおよびグループアドレス指定データフレームトラフィックは、2つのフィールドによって示される。たとえば、各フィールドは1ビットを占有する。特に、グループアドレス指定管理フレームトラフィック指示およびグループアドレス指定データフレームトラフィック指示はそれぞれ、報告されたAPが対応するグループアドレス指定管理フレームトラフィックまたは対応するグループアドレス指定データフレームトラフィックを有するかどうかを指示する。別の実装形態では、グループアドレス指定管理フレームトラフィックおよびグループアドレス指定データフレームトラフィックのうちの一方のみが、1つのフィールドを使用することによって指示され得る。たとえば、グループアドレス指定管理フレームトラフィック指示フィールドは、報告されたAPが対応するグループアドレス指定管理フレームトラフィックを有するかどうかを指示するか、またはグループアドレス指定データフレームトラフィック指示フィールドは、報告されたAPが対応するグループアドレス指定データフレームトラフィックを有するかどうかを指示する。
【0129】
任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信するAPは、既存の方法、すなわちTIM要素内のビットマップ制御フィールドのビット0を使用することによって、APがダウンリンクグループアドレス指定トラフィックを有しているかを依然として指示し得る。
【0130】
一般的に、RNR要素は、アソシエーションされていない局(unassociated station)が周辺APの要素を発見することを可能にするために使用されるが、アソシエーションされた局(associated station)はRNR要素を解釈することを無視し得る。したがって、本出願のこの実施形態は、RNR要素内にグループアドレス指定トラフィック指示があるかどうかを指示するための方法を提供する。具体的には、この方法は、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム内の能力情報フィールドを使用することによって実装される。グループアドレス指定トラフィックフラグが、能力情報フィールドに追加され、それにより、RNR要素において少なくとも1つの報告されたAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。グループアドレス指定トラフィックフラグは、1ビットを使用することによって指示され得る。たとえば、グループアドレス指定トラフィックフラグの1ビットが1に設定されている場合、少なくとも1つの報告されたAPがグループアドレス指定トラフィックを有することを指示する。同等の代替案では、1ビットが代替的に0に設定されてよく、少なくとも1つの報告されたAPがグループアドレス指定トラフィックを有することを示し得る。図5bに示されているように、グループアドレス指定トラフィックフラグは、プローブ応答フレーム内の能力情報フィールドに追加される。能力情報フィールドが「グループアドレス指定トラフィックがある」という値を示すときに、アソシエーションされた局またはアソシエーションされていない局がRNR要素を解釈するように指示され得る。図5bに示されている能力情報フィールドは、報告されたAPの変更シーケンス番号フィールドの値が変わるかどうかを示す、変更シーケンス番号更新フラグ(CSN updated flag)をさらに含み得る。CSN更新フラグが、少なくとも1つの報告されたAPの変更シーケンス番号フィールドの値が変わることを示すときに、アソシエーションされた局またはアソシエーションされていない局は、RNR要素を解釈するように指示され得る。
【0131】
代替的に、別の実装形態では、図5cに示されているように、RNRフラグが能力要素に追加され、それにより、少なくとも1つの報告されたAPの変更シーケンス番号フィールドの値が変わるかどうか、またはグループアドレス指定トラフィックがあるかどうかを指示する、言い換えると、局がRNR要素を解釈するように指示する。RNRフラグは、1ビットで示され得る。RNRフラグの値が1に設定されたとき、これは少なくとも1つの報告されたAPが「グループアドレス指定トラフィックを有する」ことを指示するか、または少なくとも1つの報告されたAPの変更シーケンス番号フィールドの値が変わることを指示し、アソシエーションされた局またはアソシエーションされていない局がRNR要素を解釈するように指示する。確かに、同等の代替案では、本明細書のRNRフラグの値は1に設定される。代替的に、RNRフラグの値は0に設定されてよく、それにより、少なくとも1つの報告されたAPが「グループアドレス指定トラフィックを有する」ことを指示するか、または少なくとも1つの報告されたAPの変更シーケンス番号フィールドの値が変わることを指示し得る。
【0132】
図5bおよび図5cに示されている2つの実装形態において、能力情報フィールドは、ESS(extended service set、拡張サービスセット)フィールド、IBSS(independent basic service set、独立基本サービスセット)フィールド、Privacy(プライバシー)フィールド、Short Preamble(ショートプリアンブル)フィールド、Spectrum Management(スペクトル管理)フィールド、QoS(quality of service、サービス品質)フィールド、Short Slot Time(ショートスロットタイム)フィールド、APSD(automatic power save delivery、自動省電力配信)フィールド、Radio Measurement(無線管理)フィールド、EPD(Ethertype Protocol Discrimination、イーサネットプロトコル識別)フィールドをさらに含む。詳細は、プロトコル802.11REVmd D 3.0を参照。局端、たとえば、アソシエーションされた局またはアソシエーションされた局MLDにおいて、RNR要素を解析するかどうかは、ビーコンフレーム、1ビットグループアドレス指定トラフィックフラグまたはプローブ応答フレームの能力要素に付加される1ビットRNRフラグを使用することによって選択され得るか、または既定でRNR要素が常に解析される。
【0133】
本出願のこの実施形態の理解を深めるために、前述の実施形態において述べたRNR要素について以下で説明する。
【0134】
縮小隣接レポート要素(Reduced Neighbor Report element):APは、管理フレーム、たとえばビーコンフレームまたはプローブ応答フレーム内に縮小隣接レポート要素を含む。スキャン中、STAはAPによって送信された管理フレームを受信し、管理フレーム内の縮小隣接レポート要素に基づき周辺APに関する情報を取得し、次いで、アソシエーションのために適切なAPを選択する。
【0135】
特に、RNR要素は、一般的に、1つまたは複数の隣接APおよび隣接APが属するBSSに関する情報を記述するために、1つまたは複数の隣接AP情報(Neighbor AP info)フィールドを搬送する。この情報は、以下で隣接APの縮小情報と称される。図5dは、指示形式を示す。縮小隣接レポート要素に含まれるフィールドが、図に示されている。
【0136】
TBTT情報ヘッダ(ターゲットビーコン伝送時間(target beacon transmission time、TBTT)info Header)フィールドは、以下の情報を搬送する。
【0137】
TBTT情報フィールドタイプ(TBTT info Field Type)フィールド:TBTT情報フィールドタイプフィールドは、TBTT情報(TBTT info)フィールドのタイプを示す。TBTT情報フィールドタイプは、TBTT情報長(TBTT info length)フィールドと一緒にTBTT情報フィールドの形式を示す。
【0138】
フィルタリング済み隣接AP(Filtered neighbor AP)フィールド:フィルタリング済み隣接APフィールドは、隣接AP情報(Neighbor AP info)フィールドで搬送されるすべてのBSSのSSIDがプローブ要求フレーム内のSSIDと一致するかどうかを示す。
【0139】
予約(Reserved)フィールド(1 bit)。
【0140】
TBTT情報カウント(TBTT info count)フィールド:TBTT情報カウントフィールドは、TBTT情報セット(TBTT info set)に含まれるTBTT情報フィールド(TBTT info field)の数を示す。
【0141】
TBTT情報長(TBTT info Length)フィールド:TBTT情報長フィールドは、各TBTT情報フィールドの長さを示す。Table 1(表1)は、異なる長さの搬送された特定情報の形式を示す。
【表1】
【0142】
次に、図5eに示されているように、TBTT情報長が12バイトのときのTBTT情報(TBTT info)フィールドの具体的な形式を示すものである。
【0143】
隣接APターゲットビーコン伝送時間オフセット(Neighbor AP TBTT offset)フィールド:隣接AP TBTTオフセットフィールドは、隣接APと報告側APとの間のビーコン送信時間のオフセットを示す。
【0144】
BSS識別子(BSSID)フィールド:BSS識別子フィールドは、隣接APに対応するBSS識別子を示す。
【0145】
ショートサービスセット識別子(Short SSID)フィールド:ショートサービスセット識別子フィールドは、隣接APが属するサービスセット識別子を示す。
【0146】
20MHzパワースペクトル密度は既定の送信電力を示し、これはパワースペクトル密度(power spectrum density、PSD)等価等方放射電力(equivalent isotropically radiated power、EIRP)であり、その単位はdBm/MHzである。
【0147】
BSSパラメータ(BSS Parameter)フィールド:BSSパラメータフィールドは、隣接APの関係するパラメータを示す。図5eに示されているように、BSSパラメータ(BSS Parameter)フィールドは、次の情報を含む。
【0148】
オンチャネルトンネリングメカニズム推奨(On-channel tunneling mechanism recommended)(OCT recommended)フィールド:オンチャネルトンネリングメカニズム推奨は、隣接APが、OCTメカニズムを使用することによって報告側APと管理タイプのMPDUを交換することを予期していることを示す。
【0149】
同一サービスセット識別子(Same SSID)フィールド:同一サービスセット識別子は、隣接APおよび報告側APが同一のSSIDを有するかどうかを示す。
【0150】
複数基本サービスセット識別子(Multiple BSSID)フィールド:複数基本サービスセット識別子は、隣接APがmultiple BSSIDセットの一部に属しているかどうかを示す。
【0151】
伝送済み基本サービスセット識別子(Transmitted BSSID)フィールド:伝送済み基本サービスセット識別子は、隣接APがmultiple BSSIDセットの一部である場合に、隣接APがTransmitted BSSIDであるか、またはnon-transmitted BSSIDであるかを示す。
【0152】
2.4/5GHz同一場所配置APを有する拡張サービスセットのメンバー(Member Of ESS With 2.4/5 GHz Co-Located AP)フィールド:2.4/5GHz同一場所配置APを有する拡張サービスセットのメンバーフィールドは、隣接APが2.4/5GHz APと場所を共有しているかどうか(言い換えれば、隣接APが6GHz onlyのAPであるかどうか)を示し、隣接APが拡張サービスセットのメンバーであることを示す。
【0153】
主動的プローブ応答アクティブ(Unsolicited Probe Response Active)フィールド:主動的プローブ応答アクティブフィールドは、隣接APがアクティブプローブ応答を有効にしているかどうかを示す。
【0154】
同一場所配置AP(Co-located AP)フィールド:同一場所配置APフィールドは、隣接APおよび報告側APが同一の場所にあるかどうかを示す。
【0155】
たとえば、AP MLD601は3つのAPを含み、グループアドレス指定トラフィック指示情報は3ビットであり、これらの3ビットはそれぞれ3つのAPが動作するリンクの識別子の降順で3つのAPに対応する。3つのAPが動作するリンクの識別子は、次のようであると仮定する。AP601-1のリンク識別子が3、AP601-2のリンク識別子が2、AP601-3のリンク識別子が1である場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報の第1のビットはAP601-1に、グループアドレス指定トラフィック指示情報の第2のビットはAP601-2に、グループアドレス指定トラフィック指示情報の第3のビットはAP601-3に対応する。グループアドレス指定トラフィック指示情報が011である場合、AP601-1はグループアドレス指定トラフィックを有さず、AP601-2およびAP601-3はグループアドレス指定トラフィックを有することを示す。確かに、3つのビットは、3つのAPが動作するリンクの識別子の昇順で3つのAPにそれぞれ対応するものとしてもよい。
【0156】
任意選択の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの数は、代替的に、固定値であってもよい。ビットの固定された数において、APの数に対応するビット以外のビットは、既定でゼロに設定され得る。たとえば、ビットの固定された数は4ビットであり、3つの最上位ビットはAP MLDの3つのAPに対応し、1つの後続のビットは0に設定される。すなわち、ビットの固定された数は、AP MLDのAPの数より多くてもよい。
【0157】
S202:第1のAPは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信する。
【0158】
S203:STA MLDの第1のSTAは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を受信する。
【0159】
第1のSTAは、第1のAPによって管理される局または周辺局である。第1のAPを囲む局は、第1のAPによって管理される局およびアソシエーションされていない局を含む。次に、APによって管理される局を一例として使用することによって本出願のこの実施形態におけるグループアドレス指定トラフィック伝送方法について説明する。任意選択で、第1のSTAは、STA MLDの任意の局であってよく、AP MLDの各APまたはAPの一部がグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知り得る。したがって、STA MLDの任意の局は、局にアソシエーションされたAPからグループアドレス指定トラフィック指示情報を受信し得る。
【0160】
S204:第1のSTAは、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、AP MLD内の1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定する。
【0161】
一実装形態において、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法は、さらに以下を含む。AP MLDのグループアドレス指定トラフィックを有するAPについて、APは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の後に次に送信されるべきDTIMビーコンフレームを送信した後にグループアドレス指定トラフィックを送信してもよい。これに対応して、STA MLDのAPのリンク上で動作する局は、リンク上でDTIMビーコンフレームを受信し、後続のグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。特に、APのリンク上で動作するSTA MLDの局は、リンク上のDTIMビーコンフレームの後のグループアドレス指定管理フレームを受信して解析し、第1のSTAが配置されているリンク以外のリンク上のDTIMビーコンフレームの後のグループアドレス指定データフレームを廃棄し得る。この場合、STA MLDの第1のSTAは、第1のSTAのリンク上で対応するグループアドレス指定データフレームをすでに受信している。任意選択で、DTIMフレームは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の後の次のDTIMビーコンフレームである。任意選択で、第1のAPは、また、グループアドレス指定トラフィックを有し、第1のAPは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の後に次に送信されるべきDTIMビーコンフレームを送信した後にグループアドレス指定トラフィックを送信し得る。それに対応して、第1のSTAは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の後にDTIMビーコンフレームを受信し、DTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。
【0162】
本発明のこの実施形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、管理フレーム、たとえば、ビーコンフレーム、TIMフレーム、データフレーム、制御フレーム、または別のフレームで搬送され得る。
【0163】
任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、DTIMビーコンフレームに配置されてもよく、ビーコンフレームは、グループアドレス指定トラフィック指示情報が配置されるDTIMビーコンフレームである。言い換えると、ビーコンフレームについて、第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、DTIMビーコンフレームにのみ配置され得る。特に、グループアドレス指定トラフィックを有し、AP MLDのAPであるAPについて、APは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の後の次に送信されるべきDTIMビーコンフレームを送信した後にグループアドレス指定トラフィックを送信し得る。これに対応して、APに対応する局は、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、APがグループアドレス指定トラフィックを有することを知り、DTIMビーコンフレームを受信し、DTIMビーコンフレームを受信した後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。特に、APのリンク上で動作するSTA MLDの局は、リンク上のDTIMビーコンフレームの後のグループアドレス指定管理フレームを受信して解析し、第1のSTAが配置されているリンク以外のリンク上のDTIMビーコンフレームの後のグループアドレス指定データフレームを廃棄し得る。この場合、STA MLDの第1のSTAは、第1のSTAのリンク上で対応するグループアドレス指定データフレームをすでに受信している。任意選択で、第1のAPは、また、グループアドレス指定トラフィックを有し、第1のAPは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送するDTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックを送信し得る。これに対応して、第1のSTAは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送するDTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。
【0164】
たとえば、図3(c)に示されている通信システム300において、AP MLD 601内のAP 601-2によって送信されたグループアドレス指定トラフィック指示情報が111であり、グループアドレス指定トラフィック指示情報の第1のビットがAP 601-1に対応し、グループアドレス指定トラフィック指示情報の第2のビットがAP 601-2に対応し、グループアドレス指定トラフィック指示情報の第3のビットがAP 601-3に対応すると仮定する。図3に示されているように、AP601-2は、リンク2上で、STA MLD603内のSTA603-1およびSTA MLD602内のSTA602-2と通信する。したがって、STA603-1とSTA602-2は、監視しており、AP601-2によって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報が111であることを検出し得る。
【0165】
一実装形態において、STA602-2は、AP601-1、AP601-2、およびAP601-3が各々グループアドレス指定トラフィックを有すると決定し得る。さらに、STA MLD602内のAP601-1のリンク1上で動作するSTA602-1は、DTIMビーコンフレーム1および後続のグループアドレス指定トラフィック1の到来を監視する。STA MLD602内のAP601-2のリンク2上で動作するSTA602-2は、DTIMビーコンフレーム2および後続のグループアドレス指定トラフィック2の到来を監視する。STA MLD602内のAP601-3のリンク3上で動作するSTA602-3は、DTIMビーコンフレーム3および後続のグループアドレス指定トラフィック3の到来を監視する。
【0166】
別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報がDTIMビーコンフレームで搬送される場合、DTIMビーコンフレームを受信するSTA 602-2は、DTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。STA MLD 602の別のSTAは、さらに、それぞれのリンク上でDTIMビーコンフレームおよび後続のグループアドレス指定トラフィックを受信する必要がある。
【0167】
任意選択で、STA604は、代替的にリンク1上のグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視し得る。しかしながら、STA604が、グループアドレス指定トラフィック指示情報によって示される他のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを気にしない場合、STA604はこれらのAPのグループアドレス指定トラフィックを受信しなくてもよい。STA604が、グループアドレス指定トラフィック指示情報によって示される他のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを気にする場合、たとえば、STA604が周波数帯選択および受信機能を有する場合、STA604は、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、他のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知り得る。
【0168】
STA MLD603について、STA603-1は、AP601-1、AP601-2、およびAP601-3が各々グループアドレス指定トラフィックを有しており、STA MLD603はAP601-1のリンク1上で動作する局を有していないと決定してもよい。したがって、STA MLD603内のAP601-2のリンク2上で動作するSTA603-1は、DTIMビーコンフレーム2および後続のグループアドレス指定トラフィック2の到来を監視する。STA MLD603内のAP601-3のリンク3上で動作するSTA603-2は、DTIMビーコンフレーム3および後続のグループアドレス指定トラフィック3の到来を監視する。
【0169】
別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報がDTIMビーコンフレームで搬送される場合、DTIMビーコンフレームを受信するSTA 603-1は、DTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。STA MLD603の別のSTAは、さらに、それぞれのリンク上でDTIMビーコンフレームおよび後続のグループアドレス指定トラフィックを受信する必要がある。
【0170】
本発明で言及されている監視は、受信として理解されてもよいことに留意されたい。
【0171】
図6は、この例におけるAP MLD601とSTA MLD602との間のマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法300を示している。図6に示されているように、STA MLD602は、STA602-2を使用して、AP601-2によって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視し、AP601-1およびAP601-3がグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知るものとしてよい。図4に示されているグループアドレス指定トラフィック伝送方法100では、STA MLD602の各STAは、TIMビーコンフレームを用いて、AP MLD601によってそれぞれのリンク上で送信されるTIMビーコンフレームの到来を監視し、AP MLD601がDTIMビーコンフレーム後にグループアドレス指定トラフィックを送信するかどうかを知る必要がある。方法100と比較して、この方法は、STA MLD602の電力消費量を大幅に削減する。
【0172】
本出願のこの実施形態において、AP MLDの第1のAPは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を生成して送信するものとしてよく、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDのAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示することができることがわかる。APは、第1のAPまたはAP MLDの第1のAP以外のAPであってよく、したがってSTA MLDのSTAは、STAにアソシエーションされているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうか、またはAP MLDの別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知り得る。STA MLDの各STAが、STAにアソシエーションされているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを監視することしかできない方式と比較して、本出願のこの実施形態では、AP MLDによりグループアドレス指定トラフィックを通知する自由度が改善され得る。
【0173】
本出願のこの実施形態では、AP MLDの第1のAPは、グループアドレス指定指示情報を生成し、送信し得る。グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの各APまたは複数のAPの中のAPの一部がグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示することができ、したがって、STA MLDの1つの局が、複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。STA MLDの各STAが、STAにアソシエーションされているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを監視することしかできない方式と比較して、本出願のこの実施形態では、STA MLDの電力消費量が削減され得る。
【0174】
本出願のこの実施形態では、AP MLD内の1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィック指示情報を送信し、STA MLD内の1つまたは複数のSTAがグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視し得る。次に、任意選択の実装形態について説明する。
【0175】
ケース1:グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信するAPおよびグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視するSTA
【0176】
任意選択の一実装形態では、AP MLDの各APはグループアドレス指定トラフィック指示情報を送信し、STA MLDの任意のSTAは1つのリンク上でグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視し得る。代替的に、STA MLDの任意の複数のSTAは、各STAが動作するリンク上でグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視する。たとえば、図3(c)において、AP601-1およびAP601-3は、ステップS201およびS202も実行し、各々グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信し得る。STA MLD602内の任意の1つまたは複数のSTAは、対応するリンク上でグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視し得る。各APによって送信されるグループアドレス指定指示情報内の各ビットに対応するAPは固定されている。STA MLD602内の複数のSTAが対応するリンク上でグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視する場合、複数のSTAはSTA MLDのすべてのSTAまたはSTAの一部であり得る。この実装形態では、STA MLDによるグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視する自由度が大きく改善されることがわかる。それに加えて、STA MLD内のSTAの1つまたは一部がグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視し、それにより、STA MLDの電力消費量もある程度低減され得る。
【0177】
別の任意選択の実装形態では、ステップS203およびS204における第1のSTAは、STA MLDにおける一次リンク上で動作する局であってよく、STA MLDの第1のSTAは、一次リンク上で動作するAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視する。
【0178】
さらに別の任意選択の実装形態において、ステップS203およびS204における第1のSTAは、STA MLDにおける一次リンク上で動作する局である。任意選択で、STA MLDは、STA MLDが動作する一次リンクをAP MLDに通知し得る。たとえば、STA MLD内の一次リンク上の局は、局のリンク識別子を、AP MLD内のSTAに対応するAPに通知する。このように、AP MLD内の一次リンク上で動作するAPはグループアドレス指定トラフィック指示情報を送信し、別のAPはグループアドレス指定トラフィック指示情報を送信しなくてもよい。これは、AP MLDの電力消費量を低減するのを助けるか、またはAP MLDがグループアドレス指定トラフィック指示情報をより効果的に送信する、たとえば、複数のリンク上でグループアドレス指定トラフィック指示情報を繰り返し送信するのを助ける。
【0179】
次に、AP MLDが、STA MLDが動作する一次リンクを知る方法の実装形態について説明する。
【0180】
一実装形態において、AP MLDは、STA MLDによって決定された一次リンクの識別子情報を取得し得る。たとえば、一次リンクの識別子情報は、一次リンクに対応する動作クラス(operating class)およびチャネル番号(channel number)、または一次リンクのMACアドレス(またはBSSID)、または一次リンクの識別子(identifier、ID)のうちの1つまたは複数の情報を含み得る。一次リンクの識別子情報内の特定の内容は、本出願のこの実施形態において限定されない。一次リンク上で動作する1つの局を一意的に識別するために使用され得る任意の情報が、本出願のこの実施形態において説明される一次リンクの識別子情報であってよい。一次リンクのMACアドレスは、一次リンク上で動作するSTAのMACアドレス、または一次リンク上で動作するAPのMACアドレスであってよい。一次リンクのMACアドレスが一次リンク上で動作するAPのMACアドレスである場合、一次リンクのMACアドレスは、BSSIDとも称され得る。
【0181】
一実装形態において、AP MLDがSTA MLDとアソシエーションされていない場合、AP MLDが一次リンクの識別子情報を取得することは、以下のことを含み得る。AP MLDは、STA MLDからアソシエーション要求フレームを受信する。アソシエーション要求フレームを受信するためにAP MLDによって使用されるリンクは、STA MLDによって決定された一次リンクである。代替的に、AP MLDによって受信されたアソシエーション要求フレームは、STA MLDによって決定された一次リンクのリンク識別子情報を搬送する。すなわち、AP MLDはアソシエーション要求フレームが受信されるリンク上の局(またはアソシエーション要求フレームを送信する局)を一次リンクのリンク識別子として決定し得る。代替的に、AP MLDは、アソシエーション要求フレームで搬送される一次リンクのリンク識別子情報を取得する。
【0182】
別の実装形態において、AP MLDがSTA MLDとすでにアソシエーションされていた場合、AP MLDが一次リンクのリンク識別子情報を取得することは、以下のことを含み得る。AP MLDは、STA MLDからメッセージフレームを受信し、メッセージフレームは、STA MLDによって決定された一次リンクのリンク識別子情報を搬送する。メッセージフレームは、管理フレーム、データフレーム、制御フレーム、または同様のものである。
【0183】
この実装形態では、メッセージフレームは、STA MLDの変更された一次リンクをAP MLDに通知するために使用されることは理解され得る。言い換えれば、メッセージフレームで搬送される一次リンクの識別子情報は、変更された一次リンクのリンク識別子の情報である。任意選択で、管理フレームは、一次リンクが変更される前のカウントダウンを示す変更カウントをさらに含み得る。
【0184】
任意選択で、AP MLDは代替的にリンクを一次リンクとして選択し、一次リンクのリンク識別子は一次リンク上で動作しているAPを示す。APは、一次リンクのリンク識別子を、APにアソシエーションされている局または周辺局に送信する必要がある。ステップS201において、第1のAPは、一次リンクで動作しているAPである。したがって、第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、一次リンク上で動作する第1のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し得る。代替的に、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、二次リンク上で動作しているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し得る。代替的に、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、一次リンク上で動作している第1のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうか、および二次リンク上で動作しているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示し得る。二次リンクは、AP MLDの第1のAP以外の別のAPが動作しているリンクであるか、または二次リンクは、複数のリンクの中の一次リンク以外のリンクを含む。
【0185】
本出願のこの実施形態において、第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のAPによって生成されるグループアドレス指定トラフィック指示情報の一部またはすべてのビットであってもよい。第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報が第1のAPによって生成されるグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの一部である場合、シグナリングオーバーヘッドが低減され得る。次に、この実装形態について説明する。
【0186】
グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、AP MLDの各APに対応する。グループアドレス指定トラフィック指示情報のN1番目のビットより前のビットに対応するAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しておらず、N2番目のビットより後のビットに対応するAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有していない場合、第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報はN1番目のビットからN2番目のビットのみを含み得る。N1は、0以上、生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの総数未満であってよい。N2は、N1以上、生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの総数以下であってよい。この実装形態は、シグナリングオーバーヘッドを低減するのに役立つことがわかる。それに加えて、この場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、オフセットフィールドおよび長さフィールドをさらに含む。オフセットはN1を示し、長さはグループアドレス指定トラフィック情報のN2-N1+1を示す。
【0187】
説明を容易にするために、以下では、第1のAPによって生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報と称され、第1のAPによって送信されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報と称される。第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報と同じであり得るか、または第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの一部である。
【0188】
第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報が第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの一部である場合、第1のAPはオフセットおよび長さを送信する必要がさらにある。オフセットおよび長さは、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報がどのAPに対応するビットであるかを知るためにSTA MLDの第1のSTAによって使用される。第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報に対する第2グループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットは、略して第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットと称される。第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報が第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のすべてのビットである場合、第1のAPは、オフセットおよび長さを送信し得るか、またはオフセットおよび長さを送信しなくてもよい。
【0189】
第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの各APに対応するビットを含む。それに加えて、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットとAP MLDの各APとの間の対応関係は、前述の管理フレームを使用することによって通知され得るか、または各APが動作するリンクの識別子のサイズに基づき事前定義されてもよい。具体的には、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの総数は、AP MLDのAPの総数に等しいものとしてよい。任意選択で、AP MLDは、AP MLDの各APが動作するリンクの識別子のサイズに基づき、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットが各APと一対一で対応していると決定し得る。
【0190】
以下では、2つのケースがある。すなわち、ケース2.1およびケース2.2では、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報が第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの一部であることについて述べている。
【0191】
ケース2.1:第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイトN1から始まりバイトN2で終わるすべてのビットであり、N1は0以上であり、N2はN1以上である。
【0192】
第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビット0からビットN1*8-1までのすべてのビットに対応するAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有さず、ビット(N2+1)*8およびその後続のすべてのビットに対応するAPはいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しないと仮定する。この場合、第1のAPによって送信される第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイトN1から始まり、バイトN2で終わるすべてのビットであってよい。
【0193】
この場合、第1のAPによって送信される第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報の長さはN2-N1+1であり、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットはN1である。さらに、STA MLDにおいて第1のAPによって管理される局は、長さおよびオフセットを受信し、受信された第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報が、ビットN1*8からビット((N2+1)*8-1)に対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示していると決定し、ビット0からビットN1*8-1のすべてのビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有していないと決定し、ビット(N2+1)*8およびすべての後続のビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有していないと決定し得る。
【0194】
たとえば、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報が3バイトであり、バイト0内のビットに対応するAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有さず、バイト2内のビットに対応するAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しないと仮定する。この場合、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報はバイト1内のビットのみを含み得る。この場合、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報の長さは1バイトであり、オフセットは1バイトである。このようにして、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報、長さ、およびオフセットを受信した後に、第1のSTAは、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報内のビットが、ビット8からビット15に対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示すことを知り、バイト0のビットに対応するAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しないことを知り、バイト2のビットに対応するAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しないことを知り得る。
【0195】
別の実装形態において、オフセットを送信するのに要するシグナリングオーバーヘッドを低減するために、言い換えれば、オフセットを示すのに要するビットの数を減らすために、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットは、N1/2に設定され得る。この場合、N1が偶数バイト数となる必要がある。
【0196】
たとえば、第1のAPによって送信されるオフセットが0であり、長さが1バイトである場合、第1のAPによって送信される第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報内のビット0からビット7を含む。このようにして、第1のSTAは、ビット0からビット7の値に基づき、ビット0からビット7に対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有しているかどうかを知り得る。第1のAPによって送信されるオフセットが1であり、長さが1バイトである場合、第1のAPによって送信される第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報内のバイト2、すなわち、ビット16からビット22を含む。このようにして、第1のSTAは、ビット16からビット22の値に基づき、ビット16からビット22に対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有しているかどうかを知り得る。
【0197】
別の例では、第1のAPによって送信されるオフセットが0であり、長さが1バイトであり、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報が01100110であり、ビット0から7がそれぞれAP MLDのAP1からAP8に対応すると仮定する。この場合、第1のSTAは、AP1、AP4、AP5、およびAP8がグループアドレス指定トラフィックを有さず、AP2、AP3、AP6、およびAP7がグループアドレス指定トラフィックを有することを知り得る。任意選択で、ビット0が無意味であると事前定義されている場合、すなわち、ビット0がいずれのAPにも対応していない場合、ビット1からビット7は、それぞれ、AP MLDのAP1からAP7に対応し、第1のSTAは、AP1、AP2、AP5、およびAP6がグループアドレス指定トラフィックを有していること、ならびにAP3、AP4、およびAP7がグループアドレス指定トラフィックを有していないことを知り得る。
【0198】
ケース1では、AP MLDの各APと第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットとの間の対応関係が、管理フレームを使用することによって事前定義または通知を通じて決定されていることがわかる。さらに、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの一部であり、シグナリングオーバーヘッドを低減させる。
【0199】
ケース2.2:第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイト0から始まりバイトN0-1で終わるビット、および第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイトN1から始まりバイトN2で終わるビットである。
【0200】
この場合、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットN0*8-1からビットN1*8-1に対応するAPはいずれもグループアドレス指定トラフィックを有さず、ビットN2*8および後続のビットに対応するAPはいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しないと仮定する。この場合、第1のAPによって送信される第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報は、第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイト0から始まりバイトN0-1で終わるビット、および第1のグループアドレス指定トラフィック指示情報のバイトN1から始まりバイトN2で終わるビットである。
【0201】
これに対応して、第1のAPによって送信される第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報の長さはN0+N2-N1+1であり、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットはN1-N0である。さらに、STA MLDにおいて第1のAPによって管理される局は、長さおよびオフセットを受信し、受信された第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報が、ビット0からビット(N0-1)*8-1を示し、N1*8+1からビットN2*8-1に対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定し、ビット(N0-1)*8からビット(N1-1)*8に対応するAPのいずれもグループ指定トラフィックを有していないと決定し得る。
【0202】
一実装形態において、オフセットに必要なビットの数を減らすために、第1のAPによって送信される第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットは、実際のオフセットの1/2である。したがって、この場合、第1のAPによって送信されるオフセットは(N1-N0)/2であり、長さはN0+N2-N1+1バイトである。それに加えて、オフセットが(N1-N0)/2であるので、この場合、N0が奇数であればN1も奇数である。N0が偶数であれば、N1も偶数となる。
【0203】
実施形態2
図7は、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法400の概略フローチャートである。マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法400において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドのビットの一部である。すなわち、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、図2に示されている部分仮想ビットマップフィールドのビットの一部である。図7に示されているように、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法400は、限定はしないが次のステップを含む。
【0204】
S401:AP MLDの第1のAPが、グループアドレス指定トラフィック指示情報を生成する。
【0205】
S402:第1のAPは、TIM要素を送信する。
【0206】
TIM要素は、ビーコンフレームで搬送され得るか、または別の管理フレーム、たとえば、TIMフレームで搬送され得る。TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を含む。具体的には、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内のビットの一部である。
【0207】
それに加えて、実施形態1において説明されているように、任意選択で、ビーコンフレームについて、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、DTIMビーコンフレームでのみ搬送され得る。任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、管理フレーム、データフレーム、または制御フレームなどの別のフレームで搬送され得る。
【0208】
たとえば、図8は、図2における部分仮想ビットマップフィールドのビットを示している。たとえば、部分仮想ビットマップフィールドは251バイトを有し、各バイトは8ビットを含む。図8に示されているように、バイト0はビット0からビット7を含み、バイト1はビット8からビット15を含み、...、残りは同様にして類推され得る。バイト250は、ビット2000からビット2007を含む。
【0209】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、部分仮想ビットマップフィールドの連続するビットの一部である。たとえば、グループアドレス指定トラフィック指示情報が図8における部分仮想ビットマップフィールド内のビット1からビット7である場合、部分仮想ビットマップフィールド内のビット1からビット7は、AP MLDの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示し得る。
【0210】
別の実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、図8における部分仮想ビットマップフィールドの連続しないビットの一部である。たとえば、グループアドレス指定トラフィック指示情報が部分仮想ビットマップフィールド内のビット1、ビット2、およびビット4である場合、部分仮想ビットマップフィールド内のビット1、ビット2、およびビット4は、AP MLDの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示し得る。
【0211】
S403:STA MLDの第1のSTAは、TIM要素を受信する。
【0212】
S404:第1のSTAは、TIM要素から部分仮想ビットマップフィールドのグループアドレス指定トラフィック指示情報を読み出し、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定する。
【0213】
ステップS401の関係する説明については、図5に示されているグループアドレス指定トラフィック伝送方法200におけるステップS201の説明を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0214】
任意選択で、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法400は、さらに以下を含む。グループアドレス指定トラフィックを有すると決定されたAPについて、STA MLD内のAPのリンク上で動作するSTAは、DTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックを受信する。
【0215】
たとえば、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIMビーコンフレームおよびDTIMビーコンフレームを含む、任意のビーコンフレームで搬送され得る。この場合、DTIMビーコンフレームは、TIMビーコンフレームの後のDTIMビーコンフレームであるか、またはグループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送するDTIMビーコンフレームである。
【0216】
別の例では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、ビーコンフレーム内のDTIMビーコンフレームでのみ搬送される。この場合、DTIMビーコンフレームは、グループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送するDTIMビーコンフレームである。
【0217】
任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、代替的に、管理フレーム、データフレーム、または制御フレームなどの別のフレームで搬送され得る。
【0218】
特に、AP MLDの別のAPおよびSTA MLDの別のSTAを動作させる方法については、実施形態の一部における説明を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0219】
図2で説明されているように、部分仮想ビットマップは、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのいくつかのビットの一部であり、各ビットは1つのAIDに対応する。したがって、本出願のこの実施形態では、AP MLDは、AIDをAP MLDに含まれるAPに割り振り、さらに部分仮想ビットマップフィールド内のAIDに対応するビットを使用してAIDのAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを個別に指示する。すなわち、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AIDに対応するビットである。APに割り振られたAIDは、APにアソシエーションされている局に割り振るためにAP MLDのどのAPによっても使用され得ない。さらに、APに明示的にまたは暗黙のうちに割り振られたAIDは、APが配置されているAP MLDとのマルチリンクアソシエーションを確立するSTA MLDには使用され得ないことは理解され得る。STA MLDのすべての局に割り振られたAIDは同じである。「明示的に」とは、次の方法1で述べているように、APによって送信される管理フレームが各APのアソシエーション識別子またはAPが配置されるAP MLDの第1のAP以外の各APのアソシエーション識別子を搬送することを意味する。「暗黙のうちに」は、次の方法2で述べられているように、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドのAPによって占有されるビットに対応するAIDを指す。
【0220】
マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法400では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、ビーコンフレーム内の部分仮想ビットマップフィールドで搬送され、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度が改善され得ることがわかる。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報が複数のAPのグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示するときに、STA MLDの電力消費量も削減され得る。
【0221】
図3(c)に示されている通信システム300において、AP MLD601におけるAP601-1からAP601-3のAIDは、AID1、AID2、AID3であると仮定する。この場合、AID1、AID2、およびAID3は各々、TIMビーコンフレームの部分仮想ビットマップフィールドの3つのビットの各々に対応する。図9に示されているマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500において、AP601-2はビーコンフレーム2を送信し、ビーコンフレーム2内の部分仮想ビットマップフィールドはグループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送する。STA602-1は、リンク2上でビーコンフレーム2の到来を監視し、ビーコンフレーム2内の部分仮想ビットマップフィールドから、AID1、AID2、およびAID3に対応する3つのビットを111として読み出す。この場合、STA602-1は、AP601-1からAP601-3が各々、対応するDTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックを有することを知り得る。さらに、STA602-1からSTA602-3は、STA602-1からSTA602-3が各々動作するリンク上で後続のグループアドレス指定トラフィックの到来を個別に監視するものとしてよい。この実装形態では、STA MLD602におけるSTA602-1およびSTA602-3は、対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知るためにビーコンフレームの到来を定期的に監視することをしないことがわかる。これは、STA MLD602の電力消費量を削減する。
【0222】
任意選択で、ビーコンフレームについて、グループアドレス指定トラフィック指示情報がDTIMビーコンフレームでのみ搬送される場合、DTIMビーコンフレームを受信するSTA602-1は、DTIMビーコンフレームの後にグループアドレス指定トラフィックを受信し得る。STA MLD 602の別のSTAは、さらに、それぞれのリンク上でDTIMビーコンフレームおよび後続のグループアドレス指定トラフィックを受信する必要がある。
【0223】
次に、2つのAID構成方法について説明する。具体的には、方法1において、AP MLDがAP MLDに含まれる各APにAIDを明示的に割り振り、AP MLDがアソシエーション識別子構成情報を使用することによって各APにAIDを割り振る。方法2において、AP MLDはAP MLDに含まれる各APに暗黙のうちにAIDを割り振る。具体的には、部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの一部の第1のビットに対応するAIDが事前定義される。方法は、2つのケースをさらに含み得る。ケース3.1では、AP MLDのAPがマルチBSSID(basic service set identifier)モードで動作しないときにAPに対応するAIDを事前定義する方法を説明している。ケース3.2では、AP MLDの1つまたは複数のAPがマルチBSSIDモードで動作するときにAP MLDの各APにAIDをどのように割り振るかについて説明する。この場合、TIM要素の部分仮想ビットマップフィールドにおいて、AIDは、さらに複数基本サービスセット識別子セットにおいて複数のAPに割り振られる必要がある。したがって、AP MLDの各APに割り振られるAIDは、複数基本サービスセット識別子セットにおける複数のAPに割り振られたAIDと同じではあり得ない。言い換えると、部分仮想ビットマップフィールド内のAP MLDの各APに対応するビットは、部分仮想ビットマップフィールドにおける複数基本サービスセット識別子セット内の複数の非伝送APに対応するビットとともに繰り返されることはない。
【0224】
方法1:AP MLDは、APに含まれる各APにAIDを明示的に割り振る。
【0225】
任意選択で、AID構成方法は、限定はしないが以下のステップを含む。AP MLDの第1のAPは、アソシエーション識別子構成情報を生成し、アソシエーション識別子構成情報は、AP MLDの各APに対応するアソシエーション識別子を示す。特に、アソシエーション識別子構成情報は、1つまたは複数のアソシエーション識別子部分構成情報を含み、アソシエーション識別子部分構成情報の各々は1つのAPに対応し、アソシエーション識別子部分構成情報はAPのAIDを含む。任意選択で、アソシエーション部分構成情報は、単一のAPに関する情報を記憶し、MLDの1つまたは複数のAPに関する情報に使用されるMLD要素内にある部分要素またはフィールドで搬送され得る。第1のAPは、アソシエーション識別子構成情報を送信する。グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、そのビットに対応するAIDを有するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。各APのAIDは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応する。
【0226】
ステップS201において、アソシエーション識別子構成情報を生成し、送信する第1のAPおよびグループアドレス指定トラフィック指示情報を生成し、送信する第1のAPは、AP MLDの同じAPであり得るか、またはAP MLDの異なるAPであり得る。
【0227】
一実装形態において、AP MLDがSTA MLDとアソシエーションされていない場合、アソシエーション識別子構成情報は、STA MLDによって送信されるアソシエーション応答フレームで搬送され得る。別の実装形態において、AP MLDがSTA MLDとアソシエーションされている場合、アソシエーション識別子構成情報は、STA MLDによって送信される管理フレームで搬送され得る。
【0228】
この実装形態において、AP MLDがAP MLDの各APにAIDを割り振るので、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、部分仮想ビットマップのビットの一部であり得るか、またはビットの一部は連続的であるか、または不連続であってもよい。
【0229】
それに加えて、部分仮想ビットマップフィールド内のいくつかのビットに対応するAIDは局に割り振られているので、これらのビットは対応する局がユニキャストトラフィックを有するかどうかを個別に示す。したがって、この実装形態では、AP MLDの各APに割り振られたアソシエーション識別子は、各APにアソシエーションされている局に割り振られたアソシエーション識別子とは異なる。言い換えると、AP MLDの各APに割り振られたアソシエーション識別子は、APによって管理される局にAPによって割り振られ得ない。しかしながら、異なるAPによってAPによって管理される局に割り振られたAIDは、比較的独立している。言い換えると、異なるAPによってAPによって管理される局に割り振られたAIDは、同じであり得る。たとえば、図3(c)に示されている通信システム300において、AP MLD601のAP601-1からAP601-3に割り振られたAIDは、AID1、AID2、AID3であると仮定する。この場合、AP601-1からAP601-3にアソシエーションされている局、たとえばSTA MLD602のSTA、STA MLD603のSTA、およびSTA604にAID1、AID2、AID3が割り振られ得ない。しかしながら、AP601-1によってSTA MLD 602のSTA 602-1に割り振られたAIDは、AP601-2によってSTA MLD 602のSTA 602-2に割り振られたAIDと同じであってよい。STA602-1のAIDがSTA602-2のAIDと同じであっても、STA602-1およびSTA602-2は、異なるリンク、すなわちリンク1およびリンク2上で動作する。したがって、同じAIDを伴うSTA602-1およびSTA602-2は混同されない。AP MLDのAPに明示的または暗黙のうちに割り振られたAIDは、APが配置されているAP MLDとのマルチリンクアソシエーションを確立するSTA MLDには使用され得ないことはさらに理解され得る。STA MLDのすべての局に割り振られたAIDは同じである。「暗黙のうちに」は、次の方法2で述べられているように、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドのAPによって占有されるビットに対応するAIDを指す。
【0230】
任意選択で、STA MLDの各STAは異なる基本サービスセットBSSにあるので、AP MLDは各STA MLDにAIDを割り振り得る。言い換えると、STA MLDのSTAは1つのAIDを共有し、混同は生じない。代替的に、AP MLDは、STA MLDの各STAにAIDを割り振り得る。言い換えると、STA MLDの各STAは、それ自体のAIDを有する。
【0231】
この実装形態では、AIDは、AP MLDの各APに割り振られ、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドは、AP MLDの各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかをSTA MLDに通知するために使用されることがわかる。グループアドレス指定トラフィック処理方法100でグループアドレス指定トラフィックがあるかどうかを、各リンク上のAPに、各リンク上のTIMビーコンフレーム内のビットマップ制御フィールド内のビット0を使用することによって、通知する方式と比べて、この実装形態では、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度が改善され得る。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報が複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示するときに、STA MLDの電力消費量も削減され得る。
【0232】
たとえば、図3(c)に示されている通信システム300において、AP MLD601のAP601-1からAP601-3に割り振られたAIDは、AID1、AID2、およびAID3であると仮定する。この場合、AID1、AID2、およびAID3は各々、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドの3つのビットの各々に対応する。
【0233】
任意選択で、AP MLDの複数のAPに割り振られた複数のAIDは連続する。
【0234】
任意選択で、部分仮想ビットマップフィールドは、部分仮想ビットマップフィールドを送信するAP(報告側APと称される)のグループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送し得ないが、報告側APが配置されているMLDの別のAPのグループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送し得る。報告側APのグループアドレス指定トラフィック指示情報は、やはりビットマップ制御フィールドのビット0によって指示される。
【0235】
本明細書には、搬送しない2つの実装形態がある。実装形態の1つは、部分仮想ビットマップフィールドが報告APに対応するビットを搬送するが、そのビットは予約されており意味がない実装形態である。他の実装形態は、部分仮想ビットマップフィールドが報告側APに対応するビットを搬送しない実装形態である。これは、本発明の別の実施形態に適用可能であり、詳細については再び説明しない。
【0236】
方法2:AP MLDは、APに含まれる各APにAIDを暗黙のうちに割り振る。
【0237】
AP MLDがAP MLDに含まれる各APにAIDを暗黙のうちに割り振るときに、複数基本サービスセット識別子モードで動作するAP MLDのAPがあるかどうか、および複数基本サービスセット識別子モードで動作するAPが伝送APであるかどうかが考察される必要がある。したがって、方法2については、2つの場合に分けて説明される。具体的には、ケース3.1では、AP MLDのいずれのAPも複数基本サービスセット識別子モードで動作しないときにAP MLDに含まれる各APにAIDを割り振る方法について説明し、ケース3.2では、AP MLDの1つまたは複数のAPが複数基本サービスセット識別子モードで動作し、少なくとも1つのAPが複数基本サービスセット識別子セット内の伝送APであることについて説明する。
【0238】
理解を容易にするために、複数基本サービスセット識別子(Basic Service Set identifier、BSSID)の関係する概念が最初に説明される。
【0239】
一実装形態において、複数基本サービスセット識別子セット(Multiple BSSID set、複数BSSIDセットと称されることもある)は、いくつかの連携APのセットとして理解され得る。すべての連携APは、同一の動作クラス、チャネル番号、およびアンテナインターフェースを使用する。複数BSSIDセットにおいて、伝送(Transmitted)BSSID APは1つだけであり、他のAPは非伝送(Nontransmitted)BSSID APである。複数BSSIDセット(すなわち、複数BSSID要素)に関する情報は、transmitted BSSID APによって送信されるビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、または隣接レポートで搬送される。nontransmitted BSSID APのBSSIDに関する情報は、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、隣接レポート内のmultiple BSSID要素、または同様のものに基づき局によって導出される。nontransmitted BSSID APのBSSIDは、伝送BSSID APのBSSIDおよび伝送BSSID APのnontransmitted BSSID profile内のmultiple BSSID-index要素中のBSSID Indexフィールドを使用して計算される。特定の方法については、Draft 802.11REVmd_D 3.0プロトコルを参照されたい。
【0240】
別の実装形態では、複数BSSIDセットが複数のAPを含むことが理解され得る。各APは、1つのBSSを管理し、異なるAPは、異なるSSIDおよび許可、たとえば、セキュリティメカニズムまたは伝送の機会を有し得る。
【0241】
複数BSSIDセットにおいて、そのBSSIDがtransmitted BSSIDであるAPのみが、ビーコン(beacon)フレームおよびプローブ応答(Probe Response)フレームを送信することができる。したがって、STAによって送信されたプローブ要求(Probe Request)フレームが、そのBSSIDがmultiple BSSIDセットにおけるnontransmitted BSSIDであるAPに送信された場合、そのBSSIDがmultiple BSSIDセットにおけるtransmitted BSSIDであるAPは、プローブ要求フレームに応答するのを助け、プローブ応答フレームを送信する必要がある。
【0242】
複数BSSIDセット内の複数のAPの1つのAPのBSSIDは、伝送(Transmitted)BSSIDとして構成され、transmitted BSSID APは、伝送(Transmitted)APと称され得る。別のAPのBSSIDは、非伝送(Nontransmitted)BSSIDとして構成され、nontransmitted BSSID APは、非伝送(Nontransmitted)APと称され得る。
【0243】
複数BSSID要素のフレーム形式が図10に示されている。複数BSSID要素は、要素IDフィールド、長さフィールド、最大BSSIDインジケータフィールド、および任意選択の部分要素フィールドを含む。最大BSSIDインジケータフィールドは、複数BSSIDセットに含まれるBSSIDの最大数nを示し、任意選択の部分要素フィールドは、nontransmitted BSSID APのBSSIDに関する情報を含む。
【0244】
複数BSSIDセットにおいて許されるAPの最大数は2^(Nn)であり、Nn図7の複数BSSID要素内のMaxBSSID indicatorフィールドによって示される値である。したがって、そのNonTxBSS ID(識別子)が1から2n-1である非伝送BSSID APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示すために、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのビット1からビット2^(Nn)-1がそれぞれ複数BSSIDセットの非伝送BSSID APに割り振られ得る。NonTxBSS IDの値は、複数BSSID要素のnontransmitted BSSID profileにおけるmultiple BSSID-index要素のBSSID indexフィールドの値に等しい。nontransmitted BSSID profileは、任意選択の部分要素フィールド内にある。
【0245】
ケース3.1:AP MLDのどのAPも複数基本サービスセット識別子モードで動作していない。
【0246】
一実装形態において、S201において説明されているグループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、AP MLDの各APに対応する。したがって、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドにおけるグループアドレス指定トラフィック指示情報の開始ビット配置は、事前定義された方式で決定され得る。
【0247】
すなわち、AP MLDのAPのAIDは、AID xから始まって連続的に割り振られ、たとえば、AIDは、APが動作するリンクの識別子のサイズの降順または昇順に連続的に割り振られる。AID xは事前定義される。代替的に、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドにおけるグループアドレス指定トラフィック指示情報の第1のビットまたは開始ビットは、事前定義される。
【0248】
この実装形態において、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応するビットの一部は連続している。言い換えると、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内の連続するビットの一部に対応する。
【0249】
たとえば、AP MLDは、AP MLDの複数のAPにAIDを暗黙のうちに割り振る、すなわち、AP MLDのすべてのAPに既定の連続するAIDのセグメントを割り振る。たとえば、AP MLDのすべてのAPへのAIDは、既定でAID 1から始めて連続的に割り振られる。AP MLDは、3つのAP、すなわち、AP 1、AP 2、およびAP 3を有すると仮定する。この場合、AID1、AID2、およびAID3は、既定でAP1、AP2、およびAP3にそれぞれ割り振られる。
【0250】
AIDは、既定で、APが動作するリンクの識別子の順に割り振られる。AP1、AP2、およびAP3のリンク識別子がそれぞれリンク識別子3、リンク識別子2、およびリンク識別子1である場合、AID3、AID2、およびAID1がそれぞれ既定でAP1、AP2、およびAP3に割り振られる。
【0251】
この実装形態において、各APに対応するAIDは、前述の実装形態で説明されているアソシエーション応答フレーム、管理フレーム、または同様のものを使用することによって、APによって管理される局に通知される必要はなく、既定で局に知られていることがわかる。これは、シグナリングオーバーヘッドの削減を助ける。
【0252】
それに加えて、複数BSSIDセットの非伝送APはビーコンフレームを送信できないので、この実装形態は、AP MLDの1つまたは複数のAPが複数BSSIDモードで動作するが、1つまたは複数のAPが非伝送APであるシナリオにも適用可能である。言い換えると、MLDのAPはいずれも、複数BSSIDセットにおいて伝送APではない。
【0253】
任意選択で、部分仮想ビットマップフィールドは、部分仮想ビットマップフィールドを送信するAP(報告側APと称される)のグループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送し得ないが、報告側APが配置されているMLDの別のAPのグループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送し得る。報告側APのグループアドレス指定トラフィック指示情報は、やはりビットマップ制御フィールドのビット0によって示される。この場合、部分仮想ビットマップフィールド内のグループアドレス指定トラフィック指示情報に対応するビットは、そのまま連続しており、報告側APのグループアドレス指定トラフィック指示情報のみがスキップされる。たとえば、AID1、AID2、およびAID3は、AP MLDのAP1、AP2、およびAP3にそれぞれ暗黙のうちに割り振られるか、またはAP1、AP2、およびAP3は、トラフィック指示仮想ビットマップフィールド内のビット1からビット3に対応する。AP1がグループアドレス指定トラフィック指示情報を送信する場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP2およびAP3のグループアドレス指定トラフィック指示のみを含み、部分仮想ビットマップフィールド内のビット1およびビット2が使用される。AP2がグループアドレス指定トラフィック指示情報を送信する場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP1およびAP3のグループアドレス指定トラフィック指示のみを含み、部分仮想ビットマップフィールド内のビット1およびビット2が使用される。
【0254】
ケース3.2:AP MLDの1つまたは複数のAPが複数BSSIDモードで動作し、少なくとも1つのAPが複数BSSIDセットにおける伝送APである。
【0255】
AP MLDに合計n個の伝送BSSID APがあり、y番目の伝送BSSID APが配置されている複数BSSIDセットのMaxBSSID indicatorフィールドによって示される値がNyであり、AP MLDのAPに対応するビットの構成または事前定義はトラフィック指示仮想ビットマップフィールドのビットxから始まると仮定する。代替的に、AP MLD内にAPが全部でn個あるか、またはn個のAPが複数BSSIDセットに属すると仮定する。複数BSSIDモードで動作していないAPのNyは0に等しく、複数BSSIDモードで動作し、非伝送BSSID APであるAPのNyは0に等しく、複数BSSIDモードで動作し、伝送BSSID APであるAPのNyは、APが配置される複数BSSIDセットのMaxBSSID indicatorフィールドによって示される値に等しい。
【0256】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのビットxから始まり、xはmax{2^(N1),2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}に等しい。
【0257】
言い換えると、部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの一部の第1のビットに対応するAIDはAID xである。代替的に、AP MLDのAPのAIDは、AID xから連続的に割り振られる。xは、max{2^(N1),2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}である。代替的に、トラフィック指示仮想ビットマップ内にあり、AP MLDのAPに対応するビットの構成または事前定義はビットxから始まる。xは、max{2^(N1),2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}である。
【0258】
たとえば、AP MLDは、2つのAP、すなわち、AP1およびAP2を有する。AP1およびAP2の両方は、multiple BSSIDモードで動作し、伝送BSSID APであるAPである。AP1によって送信されるmultiple BSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドは3であり、AP2によって送信されるmultiple BSSID要素内の最大BSSIDインジケータフィールドは2である。この場合、AP1によってサポートされる複数BSSIDセット内のnontransmitted BSSID APの最大数は7であり、AP2によってサポートされる複数BSSIDセット内のnontransmitted BSSID APの最大数は3である。したがって、AP MLDによってAP1およびAP2に割り振られるAID内の開始AIDはAID 8であるか、またはトラフィック指示仮想ビットマップフィールド内のAP1およびAP2の開始ビットはビット8である。
【0259】
それに加えて、この実装形態は、AP MLDの1つまたは複数のAPが複数BSSIDモードで動作するシナリオにも適用可能である。任意選択で、部分仮想ビットマップフィールドは、部分仮想ビットマップフィールドを送信するAP(報告側APと称される)のグループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送しないが、報告側APが配置されているMLDの別のAPのグループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送し得る。報告側APのグループアドレス指定トラフィック指示情報は、やはりビットマップ制御フィールドのビット0によって示される。この場合、部分仮想ビットマップフィールド内のグループアドレス指定トラフィック指示情報に対応するビットは、そのまま連続しており、報告側APのグループアドレス指定トラフィック指示情報のみがスキップされる。前述の例では、トラフィック指示仮想ビットマップフィールド内のAP 1とAP 2の開始ビットは、ビット8であり、AP MLDのAP 1とAP 2は、トラフィック指示仮想ビットマップフィールド内のビット8およびビット9に対応する。AP 1がグループアドレス指定トラフィック指示情報を送信する場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報はAP 2のグループアドレス指定トラフィック指示のみを含み、部分仮想ビットマップフィールド内のビット8が使用される。AP 2がグループアドレス指定トラフィック指示情報を送信する場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報はAP 1のグループアドレス指定トラフィック指示のみを含み、部分仮想ビットマップフィールド内のビット8が使用される。
【0260】
同様に、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法400およびマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500は、代替的に、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック送信方法200で説明されている通りであってよく、AP MLDの1つまたは複数のAPはグループアドレス指定トラフィック指示情報を搬送するビーコンフレームを送信し、STA MLDの1つまたは複数のSTAはそのビーコンフレームの到来を監視する。違いは、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法400およびマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500において、グループアドレス指定トラフィック指示情報がTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドで搬送される点にある。これに対応して、AP MLDの1つまたは複数のAPはビーコンフレームを送信し、STA MLDの任意の複数のSTAがビーコンフレームの到来を監視する。この実装形態では、STA MLDによるグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視する自由度が大きく改善されることがわかる。それに加えて、STA MLD内のSTAの1つまたは一部がグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視し、それにより、STA MLDの電力消費量も削減され得る。任意選択で、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、DTIMビーコンフレームでのみ搬送され得る。
【0261】
別の実装形態では、ステップS203およびS204における第1のSTAは、STA MLDにおける一次リンク上で動作する局であってよく、STA MLDの第1のSTAは、一次リンク上で動作するAPによって送信されるビーコンフレームの到来を監視する。
【0262】
さらに別の実装形態において、ステップS203およびS204における第1のSTAは、STA MLDにおける一次リンク上で動作する局である。任意選択で、STA MLDは、STA MLDが動作する一次リンクをAP MLDに通知し得る。たとえば、STA MLD内の一次リンク上の局は、局のリンク識別子を、AP MLD内のSTAに対応するAPに通知する。このように、AP MLD内の一次リンク上で動作するAPはビーコンフレームを送信し、別のAPはビーコンフレームを送信しなくてもよい。これは、AP MLDの電力消費量を削減するのを助けるか、またはAP MLDがグループアドレス指定トラフィック指示情報をより効果的に送信する、たとえば、複数のリンク上でグループアドレス指定トラフィック指示情報を繰り返し送信するのを助ける。
【0263】
それに加えて、AP MLDが、STA MLDが動作する一次リンクを知る方法の実装形態については、前述の説明を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0264】
同様に、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック送信方法400およびマルチリンクグループアドレス指定トラフィック送信方法500では、第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、APの一部のAIDに対応するビットを含むか、または局の一部のAIDに対応するビットを含み、TIM要素によって必要とされるビットオーバーヘッドを低減し得る。グループアドレス指定トラフィック指示情報は、TIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドであり、部分仮想ビットマップフィールドは、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのビットの一部であると仮定する。APのトラフィック指示仮想ビットマップフィールドは、TIM要素で送信または搬送されない。次に、2つのケース、すなわちケース4.1およびケース4.2におけるTIM要素内の長さフィールド、オフセット、および部分仮想ビットマップフィールド(すなわち、グループアドレス指定トラフィック指示情報)について説明する。
【0265】
ケース4.1:このケースは、方法1および方法2におけるケース3.1に適用可能である。
【0266】
言い換えると、ケース4.1の関係する内容は、AP MLDの各APが複数BSSIDモードで動作しない場合、または各APが複数BSSIDモードで動作するが非伝送APである場合に適用可能である。任意選択で、これは別の場合にも適用可能であり得る。
【0267】
グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイトN1から始まりバイトN2で終わるすべてのビットであり、N1は0以上であり、N2はN1以上である。
【0268】
この場合、プロトコルにおける圧縮方式が使用される。連続するアソシエーション識別子を有する複数のAPのいずれもグループアドレス指定トラフィックを有しないときに、部分仮想ビットマップフィールドは、これらのアソシエーション識別子に対応するビットを搬送し得ない。すなわち、部分仮想ビットマップフィールド内のグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの量は、TIM要素内のオフセットを使用することによって減らされる。
【0269】
トラフィック指示仮想ビットマップフィールドにおいて最大偶数バイトN1より前のビットおよび最小バイトN2に続くすべてのビットに対応するAIDの局は、受信されたダウンリンクトラフィックを有しないか、または対応するAIDのAPが送信されたグループアドレス指定トラフィックを有しないものとして仮定する。この場合、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイトN1から始まり、バイトN2で終わるすべてのビットである。
【0270】
オフセットを送信するのに要するシグナリングオーバーヘッドを低減するために、言い換えれば、オフセットを示すのに要するビットの数を減らすために、第2のグループアドレス指定トラフィック指示情報のオフセットは、N1/2に設定され得る。すなわち、N1は偶数バイト数である。
【0271】
この場合、第1のAPによって送信されるTIM要素の長さフィールドはN2-N1+1+3であり、TIM要素のオフセットは(1/2)N1である。さらに、STA MLDにおける第1のAPによって管理される局は、長さおよびオフセットを受信し、グループアドレス指定トラフィック指示情報が、ビットN1*8から((N2+1)*8-1))に対応するAIDの局が受信されたダウンリンクトラフィックを有していない、または対応するAIDのAPが送信されたグループアドレス指定トラフィックを有していないことを指示すると決定し、ビット0からビットN1*8-1のすべてのビットに対応するAIDのAPはグループアドレス指定トラフィックを有していないと決定し、ビット(N2+1)*8および後続のすべてのビットに対応するAIDのAPはグループアドレス指定トラフィックを有していないと決定する。
【0272】
たとえば、第1のAPによって送信されるTIM要素におけるオフセットが0であり、長さフィールドが4バイトである(すなわち、部分仮想ビットマップが1バイトである)場合、第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、部分仮想ビットマップフィールド内のビット0からビット7である。このようにして、APのAIDがビット0からビット7に対応するAIDの範囲内にある場合、第1のSTAは、ビット0からビット7の値に基づき、ビット0からビット7に対応するAIDのAPがグループアドレス指定トラフィックを有しているかどうかを知り得る。APのAIDがビット0からビット7に対応するAIDの範囲内にない場合、APは、APにアソシエーションされている局または周辺局にグループアドレス指定トラフィックを送信しない。
【0273】
別の例では、第1のAPによって送信されるオフセットが1であり、長さが4バイトである(すなわち、部分仮想ビットマップが1バイトである)場合、第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、部分仮想ビットマップフィールド内のバイト2、すなわちビット16からビット23である。このようにして、APのAIDがビット16からビット23に対応するAIDの範囲内にある場合、第1のSTAは、ビット16からビット23の値に基づき、ビット16からビット23に対応するAIDのAPがグループアドレス指定トラフィックを有しているかどうかを知り得る。APのAIDがビット16からビット23に対応するAIDの範囲内にない場合、APは、APにアソシエーションされている局または周辺局にグループアドレス指定トラフィックを送信しない。
【0274】
別の例では、第1のAPによって送信されるオフセットが0であり、長さが4バイトであり、部分仮想ビットマップフィールドが01100110であり、ビット0から7がそれぞれAP MLDのAP1からAP8に対応すると仮定する。この場合、第1のSTAは、AP1、AP4、AP5、およびAP8がグループアドレス指定トラフィックを有さず、AP2、AP3、AP6、およびAP7がグループアドレス指定トラフィックを有することを知り得る。任意選択で、ビット0が無意味であると事前定義されている場合、すなわち、ビット0がいずれのAPにも対応していない場合、ビット1からビット7は、それぞれ、AP MLDのAP1からAP7に対応し、第1のSTAは、AP1、AP2、AP5、およびAP6がグループアドレス指定トラフィックを有していること、ならびにAP3、AP4、およびAP7がグループアドレス指定トラフィックを有していないことを知り得る。
【0275】
ケース4.2:このケースは、方法2におけるケース3.2に適用可能である。
【0276】
すなわち、ケース4.2の関係する内容は、AP MLDの1つまたは複数のAPが複数BSSIDモードで動作し、1つのAPが伝送APである場合に適用可能である。任意選択で、これは別の場合にも適用可能であり得る。
【0277】
方法A:グループアドレス指定トラフィック指示情報は、部分仮想ビットマップフィールド内に配置され、部分仮想ビットマップフィールドは、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイト0から始まり、バイトN2で終わるビットである。N2は最小バイト数であり、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのビット(N2+1)*8からビット2007までの値はすべて0であり、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドの最大バイト数は251であり、対応する最大AIDは2^251-1=2007である。この場合、オフセットは0であり、長さフィールドはN2+1+3である。
【0278】
方法B:グループアドレス指定トラフィック指示情報は、部分仮想ビットマップフィールド内に配置され、部分仮想ビットマップフィールドはトラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイト0から始まりバイトN0-1で終わるビット、およびトラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイトN1から始まりバイトN2で終わるビットである。
【0279】
トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイトの最大数は251バイトであり、対応する最大AIDはAID2007である。この場合、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのビットN0*8-1からビットN1*8-1に対応するAIDの局は、受信されたダウンリンクトラフィックを有しないか、または対応するAIDのAPは送信されたグループアドレス指定トラフィックを有さず、ビットN2*8からビット2007に対応するAIDの局は受信されたダウンリンクトラフィックを有しないか、または対応するAIDのAPは送信されたグループアドレス指定トラフィックを有しない。この場合、第1のAPによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイト0から始まりバイトN0-1で終わるビットを含み、トラフィック指示仮想ビットマップフィールドのバイトN1から始まりバイトN2で終わるビットを含み得る。それに加えて、N0が奇数である場合にN1も奇数であり、N0が偶数の場合にN1も偶数であることが要求される。
【0280】
この場合、TIM要素のオフセットは(N1-N0)/2であり、長さフィールドはN0+N2-N1+4バイトである。それに加えて、オフセットは(N1-N0)/2である。
【0281】
それに加えて、AP MLDは、複数BSSIDモードで動作し、伝送BSSID APであるAPを有し、複数BSSIDモードで動作し、伝送BSSID APである各APのMaxBSSIDインジケータフィールドによって示される最大値はnであると仮定する。この場合、最小バイト数N0は、N0*8-2n-N_AP<8を満たす必要があり、N_APはAP MLDに含まれるAPの数またはAPの数から1を引いた値である。この場合、オフセットは(N1-N0)/2バイトであり、長さはN0+N2-N1+4バイトである。
【0282】
本出願で提供される前述の実施形態では、本出願の実施形態で提供される方法は、AP MLDおよびSTA MLDの観点から別々に説明されている。本出願の前述の実施形態で提供される方法における機能を実装するために、AP MLDおよびSTA MLDは各々ハードウェア構造およびソフトウェアモジュールを含み、ハードウェア構造、ソフトウェアモジュール、またはハードウェア構造とソフトウェアモジュールの組み合わせの形態で前述の機能を実装し得る。前述の機能の中の一機能は、ハードウェア構造、ソフトウェアモジュール、またはハードウェア構造とソフトウェアモジュールの組み合わせの形態で実行されてもよい。次に、図11から図14を参照しつつ本出願の実施形態における通信装置について詳細に説明する。通信装置は、アクセスポイントマルチリンクデバイスにおけるアクセスポイント、または局マルチリンクデバイスにおける局である。さらに、通信装置は、AP MLDにおける装置、またはSTA MLDにおける装置であってもよい。
【0283】
図11は、通信装置100の概略ブロック図である。通信装置100は、前述のマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500のうちのいずれか1つに記載のAP MLD、またはAP MLDの任意のAPに対応する。任意選択で、通信装置100は、図3(a)から図3(c)内のAP MLDのAPまたは装置である。
【0284】
通信装置100は、
グループアドレス指定トラフィック指示情報を生成するように構成されている、処理ユニット101であって、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する、処理ユニット101と、
グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信するように構成されている、通信ユニット102とを備える。
【0285】
通信装置100において、処理ユニット101によって生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、アクセスポイントまたは別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示することができ、次いで、通信ユニット102はグループアドレス指定トラフィック指示情報を局マルチリンクデバイスに送信することがわかる。このようにして、局マルチリンクデバイスの任意の局が、グループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視することができる。これは、グループアドレス指定トラフィック通知の柔軟性を改善する。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報が、AP MLDの各APまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する場合、局マルチリンクデバイスの任意の局が、複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。したがって、局マルチリンクデバイスのすべての局が、それぞれのリンク上にグループアドレス指定トラフィックがあるかどうかを監視する必要はない。これは、局マルチリンクデバイスの電力消費量を削減する。
【0286】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、AP MLDの各APに対応する。ビットの値は、ビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示す。詳細については、前述の方法実施形態における図5および図6に示されている実施形態における関係する内容を参照されたい。
【0287】
それに加えて、トランシーバによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、プロセッサによって生成されるグループアドレス指定トラフィック指示情報のいくつかのビットの一部であってもよく、これはたとえば、ケース2.1からケース2.2で説明されている関係する内容である。詳細については、ここで再び説明しない。
【0288】
別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内のビットの一部である。代替的に、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドにおける連続するビットの一部である。
【0289】
この実施形態では、AP MLDは、AIDをAP MLDに含まれるAPに割り振り、さらに部分仮想ビットマップフィールド内のAIDに対応するビットを使用してAIDのAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを個別に指示することがわかる。すなわち、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AIDに対応するビットである。詳細については、前述の方法実施形態における図7から図9に示されている関係する内容を参照されたい。
【0290】
それに加えて、AP MLDの各APに対応するAIDが明示的に割り振られるか、または暗黙のうちに事前定義されるか、またはAP MLDが複数BSSIDモードで動作し、伝送BSSID APであるAPを有するときにAP MLDの各APに対応するAIDをどのように決定するかについては、前述の方法実施形態の方法1および方法2を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0291】
たとえば、AP MLDの各APに対応するAIDが明示的に割り振られる場合、通信装置において、処理ユニット101は、アソシエーション識別子構成情報を生成するようにさらに構成され、アソシエーション識別子構成情報は、AP MLDの各APに対応するアソシエーション識別子AIDを示す。そのAPのAIDは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応する。通信ユニット102は、アソシエーション識別子構成情報を送信するようにさらに構成されている。
【0292】
それに加えて、この実装形態では、部分仮想ビットマップフィールド内のいくつかのビットに対応するAIDは局のAIDであるので、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応するアソシエーション識別子AIDは、AP MLDの各APによって管理される局のAIDと異なる。
【0293】
別の例では、部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの一部の第1のビットに対応するAIDが事前定義される。
【0294】
別の例では、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの部分の第1のビットに対応するAIDは、AID xである。
【0295】
xは、max{2^(N1),2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}である。nはAP MLDにおける伝送基本サービスセット識別子BSSID APの個数であり、Nyは伝送BSSID APyによってブロードキャストされる複数基本サービスセット識別子(Multiple BSSID)要素における最大基本サービスセット識別子BSSID指示フィールドの数値である。伝送BSSID APyは、AP MLDのy番目の伝送BSSID APである。
【0296】
通信装置100において、通信ユニット102は、DTIMビーコンフレームの後に配信トラフィック指示マップDTIMビーコンフレームおよびグループアドレス指定トラフィックを送信するようにさらに構成される。通信装置100が配置されているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するときに、通信ユニット102は、この動作を実行し得る。
【0297】
本出願のこの実施形態における通信装置100は、本出願の実施形態におけるマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200とマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500とを対応させて実行し得ることは理解されるべきである。それに加えて、通信装置100内のユニットの前述の動作または機能は、図5および図7の方法の対応する手順を実装するために別々に使用される。簡潔にするため、詳細はここで再び説明されない。
【0298】
図12は、通信装置200の概略ブロック図である。通信装置200は、STA MLDもしくはSTA MLDの任意のSTA、または前述のマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500のいずれか1つに説明されているSTA MLDの一次リンクで動作するSTAに対応する。任意選択で、通信装置200は、図1内のSTA MLDのSTAまたは装置である。代替的に、通信装置200は、図3(a)から図3(c)内のSTA MLDのSTAまたは装置である。
【0299】
通信装置200は、
AP MLDからグループアドレス指定トラフィック指示情報を受信するように構成され、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する、通信ユニット201と、
グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定するように構成されている、処理ユニット202とを備える。
【0300】
通信装置200において、処理ユニット202は、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知り得ることがわかる。具体的には、通信装置200は、局にアソシエーションされているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知るだけでなく、AP MLDの別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかも知ることができる。これは、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度を改善する。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの複数のAPまたは各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。すなわち、通信装置200が配置されているSTA MLDの任意のSTAは、AP MLDの複数のAPまたは各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。したがって、通信装置200が配置されているSTA MLDのすべてのSTAが、対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを監視する必要はない。これは、通信装置200が配置されているSTA MLDの電力消費量を削減する。
【0301】
一実装形態において、通信装置200に対応するSTAは、一次リンクで動作するSTA MLDの局である。このようにして、通信ユニット201がAP MLDからグループアドレス指定トラフィック指示情報を受信することは、特に次の通りである。通信ユニット201は、一次リンク上で、AP MLDの1つのAPからのグループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視する。この実装形態では、STA MLDの別のSTAは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を定期的に監視しないので、STA MLDの電力消費量が削減され得る。
【0302】
通信装置200が一次リンクをどのように決定するかについては、前述の方法実施形態における説明を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0303】
一実装形態において、通信ユニット201は、DTIMビーコンフレームの後に配信トラフィック指示マップDTIMビーコンフレームおよびグループアドレス指定トラフィックを受信するようにさらに構成される。この実装形態において、処理ユニット202が、処理ユニット202に対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有すると決定したときに、通信ユニット201は、この動作を実行し得る。
【0304】
一実装形態において、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットは、AP MLDの各APに対応する。ビットの値は、ビットに対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを示す。詳細については、前述の方法実施形態における図5および図6に示されている実施形態における関係する内容を参照されたい。
【0305】
それに加えて、トランシーバによって送信されるグループアドレス指定トラフィック指示情報は、プロセッサによって生成されるグループアドレス指定トラフィック指示情報のビットの一部であってもよく、これはたとえば、ケース2.1からケース2.2で説明されている関係する内容である。詳細については、ここで再び説明しない。
【0306】
別の実装形態では、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内のビットの一部である。代替的に、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールドにおける連続するビットの一部である。
【0307】
この実装形態では、AP MLDは、AIDをAP MLDに含まれるAPに割り振り、さらに部分仮想ビットマップフィールド内のAIDに対応するビットを使用してAIDのAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを個別に指示することがわかる。すなわち、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AIDに対応するビットである。詳細については、前述の方法実施形態における図7から図9に示されている関係する内容を参照されたい。
【0308】
それに加えて、AP MLDの各APに対応するAIDが明示的に割り振られるか、または暗黙のうちに事前定義されるか、またはAP MLDが複数BSSIDモードで動作し、伝送BSSID APであるAPを有するときにAP MLDの各APに対応するAIDをどのように決定するかについては、前述の方法実施形態の方法1および方法2を参照されたい。詳細については、ここで再び説明しない。
【0309】
たとえば、AP MLDの各APに対応するAIDが明示的に割り振られる場合、通信装置200において、処理ユニット201は、アソシエーション識別子構成情報を受信するようにさらに構成され、アソシエーション識別子構成情報は、AP MLDの各APに対応するアソシエーション識別子AIDを示す。そのAPのAIDは、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応する。処理ユニット202は、アソシエーション識別子構成情報に基づき、AP MLDのAPに対応するAIDを決定するようにさらに構成される。
【0310】
それに加えて、この実装形態では、部分仮想ビットマップフィールド内のいくつかのビットに対応するAIDは局のAIDであるので、グループアドレス指定トラフィック指示情報の各ビットに対応するアソシエーション識別子AIDは、AP MLDの各APによって管理される局のAIDと異なる。
【0311】
別の例では、部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの一部の第1のビットに対応するAIDが事前定義される。
【0312】
別の例では、トラフィック指示マップTIM要素内の部分仮想ビットマップフィールド内にあり、グループアドレス指定トラフィック指示情報に対応する連続するビットの一部の第1のビットに対応するAIDは、AID xである。
【0313】
xは、max{2^(N1),2^(N2),...,2^(Ny),...,2^(Nn)}である。nはAP MLDにおけるBSSIDを伝送するAPの個数であり、Nyは伝送BSSID APyによってブロードキャストされる複数基本サービスセット識別子複数BSSID要素における最大基本サービスセット識別子BSSID指示フィールドの数値である。伝送BSSID APyは、AP MLDのy番目の伝送BSSID APである。
【0314】
本出願のこの実施形態における通信装置200は、本出願の実施形態におけるマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200とマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500とを対応させて実行し得ることは理解されるべきである。それに加えて、通信装置200内のユニットの前述の動作または機能は、図5および図7の方法におけるSTA MLDの1つのSTAまたは第1のSTAの対応する手順を実装するために別々に使用される。簡潔にするため、詳細はここで再び説明されない。
【0315】
図13は、通信装置300の概略ブロック図である。一実装形態において、通信装置300は、前述のマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500のうちのいずれか1つに記載のAP MLD、またはAP MLDの任意のAPに対応する。任意選択で、通信装置300は、図1内のAP MLDのAPまたは装置であってよい。代替的に、通信装置300は、図3(a)から図3(c)内のAP MLDのAPまたは装置である。任意選択で、通信装置300は、前述の方法実施形態を実装するチップ、チップシステム、プロセッサ、または同様のものである。通信装置300は、前述の方法実施形態で説明されている方法を実装するように構成され得る。詳細については、前述の方法実施形態の説明を参照されたい。
【0316】
別の実装形態では、通信装置300は、STA MLDもしくはSTA MLDの任意のSTA、または前述のマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500のいずれか1つに説明されているSTA MLDの一次リンクで動作するSTAに対応する。任意選択で、通信装置300は、図1内のSTA MLDのSTAまたは装置である。代替的に、通信装置300は、図3(a)から図3(c)内のSTA MLDのSTAまたは装置である。任意選択で、通信装置300は、前述の方法実施形態を実装するチップ、チップシステム、プロセッサ、または同様のものである。通信装置300は、前述の方法実施形態で説明されている方法を実装するように構成され得る。詳細については、前述の方法実施形態の説明を参照されたい。
【0317】
通信装置300は、1つまたは複数のプロセッサ301を含み得る。プロセッサ301は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、または同様のものであってよい。たとえば、プロセッサ301は、ベースバンドプロセッサまたは中央演算処理装置であってもよい。ベースバンドプロセッサは、通信プロトコルおよび通信データを処理するように構成されるものとしてよく、中央演算処理装置は、通信装置(たとえば、基地局、ベースバンドチップ、端末、端末チップ、DU、またはCU)を制御してコンピュータプログラムを実行し、コンピュータプログラムのデータを処理するように構成され得る。
【0318】
通信装置300は、トランシーバ305をさらに含み得る。トランシーバ305は、トランシーバユニット、トランシーバ機、トランシーバ回路、または同様の名称で呼ばれるものとしてよく、トランシーバ機能を実装するように構成される。トランシーバ305は、受信機および送信機を含み得る。受信機は、受信回路、または同様の名称で呼ばれ、受信機能を実装するように構成される。送信機は、送信回路、または同様の名称で呼ばれ、送信機能を実装するように構成される。任意選択で、通信装置300は、アンテナ306をさらに含み得る。
【0319】
任意選択で、通信装置300は、1つまたは複数のメモリ302を備えるものとしてよく、メモリ302は、命令304を記憶するものとしてよい。命令304は、コンピュータプログラムであってもよい。コンピュータプログラムは、通信装置300上で実行され、通信装置300が前述の方法実施形態で説明されている方法を実行することを可能にし得る。任意選択で、メモリ302は、データをさらに記憶するものとしてよい。通信装置300およびメモリ302は、別々に配設され得るか、または一体化され得る。
【0320】
通信装置300は、前述の方法実施形態におけるマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500におけるAP MLDのAPの機能を実装するように構成される。
【0321】
プロセッサ301は、図5のステップS201、図7のステップS401、ならびに方法1および方法2におけるAPに対応するAIDの任意選択の実装形態、たとえば、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法に関するアソシエーション識別子構成情報を生成することを実行するように構成され得る。
【0322】
トランシーバ305は、図5のステップS202、図7のステップS402、ならびに方法1および方法2におけるAPに対応するAIDの任意選択の実装形態、たとえば、アソシエーション識別子構成情報を送信することを実行するように構成され得る。
【0323】
通信装置300は、前述の方法実施形態におけるマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500におけるASTA MLDのSTAの機能を実装するように構成される。
【0324】
トランシーバ305は、図5のステップS203、図7のステップS403、ならびに方法1および方法2におけるAPに対応するAIDの任意選択の実装形態、たとえば、アソシエーション識別子構成情報を受信することを実行するように構成され得る。
【0325】
プロセッサ301は、図5のステップS204および図7のステップS404、ならびに前述の方法1および方法2におけるAPのAIDを決定する任意選択の実装形態、たとえば、AP MLDの各APのアソシエーション識別子をアソシエーション識別子構成情報に基づき決定することを行うように構成され得る。
【0326】
一実装形態において、プロセッサ301は、受信機能および送信機能を実装するように構成されたトランシーバを含み得る。たとえば、トランシーバは、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路であってもよい。受信機能および送信機能を実装するように構成されたトランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、分離され得るか、または一体化されてもよい。トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、コード/データを読み書きするように構成され得る。代替的に、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、信号を伝送するか、または転送するように構成され得る。
【0327】
一実装形態において、プロセッサ301は命令303を記憶し得る。命令は、コンピュータプログラムであってもよい。コンピュータプログラム303は、プロセッサ301上で実行され、通信装置300が前述の方法実施形態で説明されている方法を実行することを可能にする。コンピュータプログラム303は、プロセッサ301において固定されてもよく、この場合、プロセッサ301は、ハードウェアによって実装され得る。
【0328】
一実装形態において、通信装置300は回路を含んでもよく、回路は前述の方法実施形態における送信、受信、または通信機能を実装し得る。本出願において説明されているプロセッサおよびトランシーバは、集積回路(integrated circuit、IC)、アナログIC、無線周波数集積回路RFIC、混合信号IC、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、またはプリント回路基板(printed circuit board, PCB)、電子デバイス、および同様のものに実装され得る。プロセッサおよびトランシーバは、様々なIC技術、たとえば、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)、N型金属酸化膜半導体(nMetal-oxide-semiconductor、NMOS)、P型チャネル金属酸化膜半導体(positive channel metal oxide semiconductor、PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor、BJT)、バイポーラCMOS(biCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、を使用することによって製造され得る。
【0329】
前述の実施形態で説明された通信装置は、AP MLDまたはAP MLDのAPであってもよい。しかしながら、本出願で説明されている通信装置の範囲は、これに限定されず、通信装置の構造は図13によっても限定され得ない。通信装置は、独立したデバイスであるか、または大きなデバイスの一部であってもよい。たとえば、通信装置は、
(1)独立した集積回路IC、チップ、またはチップシステムもしくはサブシステム、
(2)1つまたは複数のICを含むセットであって、任意選択で、ICセットは、データおよびコンピュータプログラムを記憶するように構成されているストレージコンポーネントをさらに含み得る、セット、
(3)ASIC、たとえば、モデム(Modem)、
(4)別のデバイスに組み込まれ得るモジュール、
(5)受信機、端末、インテリジェント端末、携帯電話、ワイヤレスデバイス、ハンドヘルドデバイス、モバイルユニット、車載デバイス、ネットワークデバイス、クラウドデバイス、人工知能デバイス、もしくは同様のもの、または
(6)別のデバイスもしくは同様のものであってよい。
【0330】
通信装置がチップまたはチップシステムである場合については、図14に示されているチップの構造の概略図を参照されたい。図14に示されているチップは、プロセッサ401およびインターフェース402を備える。1つまたは複数のプロセッサ401があり、複数のインターフェース402があり得る。
【0331】
チップは、前述の方法実施形態におけるマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500におけるAP MLDのAPの機能を実装するように構成される。
【0332】
一実装形態において、
プロセッサ401は、グループアドレス指定トラフィック指示情報を生成するように構成され、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。
【0333】
インターフェース402は、グループアドレス指定トラフィック指示情報を送信するように構成される。
【0334】
チップにおいて、プロセッサによって生成されたグループアドレス指定トラフィック指示情報は、アクセスポイントまたは別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示することができ、次いで、トランシーバはグループアドレス指定トラフィック指示情報を局マルチリンクデバイスに送信することがわかる。このようにして、局マルチリンクデバイスの任意の局が、グループアドレス指定トラフィック指示情報の到来を監視することができる。これは、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度を改善する。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報が、AP MLDの各APまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する場合、局マルチリンクデバイスの任意の局が、複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。したがって、局マルチリンクデバイスのすべての局が、それぞれのリンク上にグループアドレス指定トラフィックがあるかどうかを監視する必要はない。これは、局マルチリンクデバイスの電力消費量を削減する。
【0335】
任意選択で、チップは、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500におけるAP MLDのAPの機能をさらに実行し得る。詳細については、ここで再び説明しない。
【0336】
チップは、前述の方法実施形態におけるマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500におけるSTA MLDのSTAの機能を実装するように構成される。
【0337】
一実装形態において、インターフェース402は、グループアドレス指定トラフィック指示情報をAP MLDから受信するように構成され、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。
【0338】
任意選択で、プロセッサ401は、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを決定するように構成される。
【0339】
チップにおいて、プロセッサは、グループアドレス指定トラフィック指示情報に基づき、1つまたは複数のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知り得ることがわかる。具体的には、チップは、局にアソシエーションされているAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知るだけでなく、AP MLDの別のAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかも知ることができる。これは、グループアドレス指定トラフィック通知の自由度を改善する。それに加えて、グループアドレス指定トラフィック指示情報は、AP MLDの複数のAPまたは各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを指示する。すなわち、チップが配置されているSTA MLDの任意のSTAは、AP MLDの複数のAPまたは各APがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを知ることができる。したがって、チップが配置されているSTA MLDのすべてのSTAが、対応するAPがグループアドレス指定トラフィックを有するかどうかを監視する必要はない。これは、チップが配置されているSTA MLDの電力消費量を削減する。
【0340】
任意選択で、チップは、マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法200からマルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法500におけるSTA MLDのSTAの機能をさらに実行し得る。詳細については、ここで再び説明しない。
【0341】
当業者であれば、本出願の実施形態において列挙されている様々な例示的な論理ブロック(illustrative logic block)およびステップ(step)が、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこれらの組み合わせを使用することによって実装され得ることをさらに理解し得る。これらの機能がハードウェアを使用することによって実装されるか、またはソフトウェアを使用することによって実装されるかは、具体的な適用例とシステム全体の設計要件とに依存する。当業者は、それぞれの具体的な適用例に対して説明されている機能を実装するために様々な方法を使用してよく、本出願の実施形態の範囲を超えるものと考えられるべきでない。
【0342】
本出願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記録媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータ可読記憶媒体がコンピュータによって実行されたときに前述の方法実施形態のうちのいずれか1つの機能が実装される。
【0343】
本出願は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品が、コンピュータによって実行されたときに、前述の方法実施形態のうちのいずれか1つの機能が実装される。
【0344】
前述の実施形態のすべてまたは一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用することによって実装され得る。ソフトウェアが実施形態を実装するために使用されるときに、実施形態のすべてまたは一部は、コンピュータプログラム製品の一形態で実装され得る。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムがコンピュータ上にロードされて実行されるときに、本出願の実施形態に係る手順または機能は、全部または部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能な装置であってよい。コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得るか、またはコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に伝送され得る。たとえば、コンピュータプログラムは、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターに有線(たとえば、同軸ケーブル、光ファイバ、もしくはデジタル加入者回線(digital subscriber line, DSL))またはワイヤレス(たとえば、赤外線、無線、もしくはマイクロ波)方式で伝送され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ、または1つまたは複数の使用可能な媒体を一体化したデータ記憶デバイス、たとえばサーバもしくはデータセンターによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体であってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(たとえば、フロッピィディスク、ハードディスク、もしくは磁気テープ)、光媒体(たとえば、高密度デジタルビデオディスク(digital video disc、DVD))、半導体媒体(たとえば、ソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD))、または同様のものであってよい。
【0345】
当業者であれば、本出願における第1、第2、および様々な参照数字は、単に説明の便宜上区別されるだけであり、本出願の実施形態の範囲を限定するために使用されるものではなく、また順序を示すことを理解するであろう。
【0346】
本出願における「少なくとも1つ」は、代替的に、1つまたは複数として記述され、「複数」は、2、3、4、またはそれ以上の数を意味する。これは、本出願において限定されない。本出願の実施形態において、「第1」、「第2」、「第3」、「A」、「B」、「C」、「D」、および同様のものは、それらによって記述される技術的特徴を区別するために使用される。「第1」、「第2」、「第3」、「A」、「B」、「C」、および「D」によって記述される技術的特徴の間には、時間的順序もサイズ順もない。
【0347】
本出願の表に示されている対応関係は、構成され得るか、または事前定義され得る。また、表中の情報の値は一例にすぎず、他の値が構成され得る。これは、本出願において限定されない。情報と各パラメータとの間の対応関係が構成されるとき、表に示されるすべての対応関係が構成される必要はない。たとえば、本出願の表において、いくつかの行に示される対応関係は、代替的に構成されなくてもよい。別の例では、前述のテーブルに基づき、分割または組み合わせなどの適切な変形および調整が実行されてもよい。前述の表の表題に示されているパラメータの名称は、代替的に、通信装置によって理解され得る他の名称であってもよく、パラメータの値または表現方式は、代替的に、通信装置によって理解され得る他の値または表現方式であってもよい。前述の表の実装において、配列、キュー、コンテナ、スタック、線形テーブル、ポインタ、リンクリスト、木、グラフ、構造、クラス、パイル、ハッシュテーブルなどの別のデータ構造体が、代替的に使用されてもよい。
【0348】
本出願における「事前定義」は、「定義」、「事前定義」、「記憶」、「事前記憶」、「事前ネゴシエート」、「事前構成」、「固化」、または「事前バーン」として理解され得る。
【0349】
当業者であれば、本明細書で開示されている実施形態で説明されている例と組み合わせることで、ユニットおよびアルゴリズムステップは、電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって実装され得ることに気づき得る。これらの機能が、ハードウェアによって実行されるのか、ソフトウェアによって実行されるのかは、具体的な適用例および技術的解決方法の設計上の制約条件で決まる。当業者は、それぞれの具体的な適用例に対して説明されている機能を実装するために異なる方法を使用することができるが、その実装は、本出願の範囲を超えるものと考えられるべきでない。
【0350】
説明をわかりやすく、簡潔にするために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な作動プロセスについて、前述の方法実施形態における対応するプロセスを参照することは当業者によって明確に理解されるものとしてよく、詳細についてここで再び説明することはしない。
【0351】
前述の説明は、本出願の単なる特定の実施形態にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図されていない。本出願において開示されている技術の範囲内で当業者が容易に考え付く変更または置換は、本出願の保護範囲内に収まるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0352】
1 DTIMビーコンフレーム
1 後続のグループアドレス指定トラフィック
1、2、3 リンク
2 後続のグループアドレス指定トラフィック
2 DTIMビーコンフレーム
3 DTIMビーコンフレーム
3 後続のグループアドレス指定トラフィック
100 通信システム
100 通信装置
101 局
101 処理ユニット
102 局
102 通信ユニット
200 通信システム
200 通信装置
200 マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法
300 通信システム
300 通信装置
300 マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法
301 プロセッサ
302 メモリ
304 命令
305 トランシーバ
306 アンテナ
400 マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法
401 プロセッサ
402 インターフェース
500 マルチリンクグループアドレス指定トラフィック伝送方法
601 AP MLD
601-1 アフィリエイトAP
601-3 アフィリエイトAP
602 STA MLD
602-1 STA
602-2 STA
602-3 STA
603 STA MLD
603-1 STA
603-2 STA
604 STA
604-1 STA
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14