(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】溝付き濾過媒体、濾過媒体パック、及び濾過要素
(51)【国際特許分類】
B01D 29/07 20060101AFI20240918BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20240918BHJP
B01D 46/52 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
B01D29/06 510B
B01D46/00 302
B01D46/52 Z
B01D29/06 520A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023051938
(22)【出願日】2023-03-28
(62)【分割の表示】P 2020501287の分割
【原出願日】2018-08-14
【審査請求日】2023-04-21
(32)【優先日】2017-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, スコット エム.
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-140618(JP,A)
【文献】特開2008-000670(JP,A)
【文献】実開平05-051410(JP,U)
【文献】特開2010-179237(JP,A)
【文献】特表2020-510516(JP,A)
【文献】実開平02-150018(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0017064(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D24/00-37/04
B01D46/00-46/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
襞付き濾過媒体パックであって、
濾過媒体であって、前記濾過媒体が濾過媒体の複数のシートを画定するために第1の組の襞折り目と第2の組の襞折り目との間に延在するように、前記媒体パックの入口面を形成する前記第1の組の襞折り目及び前記媒体パックの出口面を形成する前記第2の組の襞折り目を有する濾過媒体と、
前記濾過媒体のシートのそれぞれによって画定された複数の溝であって、前記溝のそれぞれは、前記媒体パックの前記入口面と前記出口面との間に延在する、複数の溝とを含み、
前記濾過媒体のシートは、前記媒体パックの前記入口面から前記媒体パックの前記出口面に延在する襞端部を有し、前記襞端部は第1の側面及び第2の側面を画定し、前記第1の側面及び前記第2の側面は互いに対向し、
前記入口面は前記出口面と実質的に平行であり、
前記第1の側面は前記第2の側面と実質的に平行であり、
前記第1の側面は前記入口面と90°未満の角度で交差する、襞付き濾過媒体パック。
【請求項2】
濾過媒体のシートによって画定された前記複数の溝は平行である、請求項1に記載の襞付き濾過媒体パック。
【請求項3】
濾過媒体の第1のシートによって画定された第1の複数の溝は、濾過媒体の隣接した第2のシートによって画定された第2の複数の溝に非平行である、請求項1および2のいずれか一項に記載の襞付き濾過媒体パック。
【請求項4】
前記第1の複数の溝のそれぞれは、前記媒体パックの前記入口面と前記出口面との間に延在する第1の溝頂部を画定し、前記第2の複数の溝のそれぞれは、前記媒体パックの前記入口面と前記出口面との間に延在する第2の溝
谷部を画定し、各第1の溝頂部は離散点で1つの第2の溝
谷部に接触する、請求項3に記載の襞付き濾過媒体パック。
【請求項5】
少なくとも1つの第1の溝頂部は、2つの第2の溝谷部に接触する、請求項4に記載の襞付き濾過媒体パック。
【請求項6】
少なくとも1つの第1の溝頂部は、2つの第2の溝谷部に接触するが、9つ以下の第2の溝谷部に接触する、請求項4および5のいずれか一項に記載の襞付き濾過媒体パック。
【請求項7】
前記第1の複数の溝は、前記第2の複数の溝に対して少なくとも5度だけ角度オフセットされる、請求項3から6のいずれか一項に記載の襞付き濾過媒体パック。
【請求項8】
前記第1の複数の溝は実質的に真っ直ぐである、請求項3から7のいずれか一項に記載の襞付き濾過媒体パック。
【請求項9】
前記第2の複数の溝は実質的に真っ直ぐである、請求項3から8のいずれか一項に記載の襞付き濾過媒体パック。
【請求項10】
前記媒体パックは、前記媒体パックの片側の容積が、前記媒体パックの別の側の容積より少なくとも10%大きいように非対称の容積配置を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の襞付き濾過媒体パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、すべての国の指定の出願人、Donaldson Company, Inc.(米国企業)、及びすべての国の指定の発明者、Scott M. Brown(米国市民)の名のもとに2018年8月14日にPCT国際特許出願として出願され、2017年8月22に出願された米国仮特許出願第62/548,639号明細書の優先権を主張し、その内容は全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、濾過媒体、濾過媒体パック、及び濾過要素を対象とする。具体的には、本開示は、溝を含有する濾過媒体、並びに溝を含有する濾過媒体と共に形成された濾過媒体パック及び要素を対象とする。
【背景技術】
【0003】
気体及び液体などの流体ストリームは、しばしば汚染物質を運ぶ。多くの場合、流体ストリームから汚染物質の一部又は全てを濾過することが望ましい。例えば自動車用又は発電装置用のエンジンへの空気流ストリーム、ガスタービンシステムへのガスストリーム、及び様々な燃焼炉への空気ストリームは、典型的には空気流を車両、タービン、又は燃焼炉に送達する前に取り除くべき粒子汚染物を運ぶ。又エンジン潤滑システム、油圧システム、冷却システム、及び燃料システム内の液体ストリームも、液体ストリームから取り除くべき汚染物をしばしば運ぶ。このようなシステムは、選択された汚染物質が気体又は液体流体から取り除かれる(若しくはその基準を低減させる)ことが望ましい。種々の流体濾過配置が汚染低減のために開発されてきた。しかし概ね引き続き改善が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
現行の技術は濾過媒体パックに関する。濾過媒体パックは、濾過媒体の第1のシート及び濾過媒体の第2のシートを有する。濾過媒体の第1のシートは、媒体パックの第1の面と媒体パックの第2の面との間に延在する第1の溝谷部を画定する第1の複数の平行な溝を有する。濾過媒体の第2のシートは、媒体パックの第1の面と媒体パックの第2の面との間に延在する第2の溝頂部を画定する第2の複数の平行な溝を有する。第1の複数の溝は、第2の複数の溝に非平行である。各第1の溝谷部は、離散接触点で1つの第2の溝頂部に接触する。濾過媒体の第1のシートと濾過媒体の第2のシートとの間の障害物は、濾過媒体の第1のシート及び濾過媒体の第2のシートを通って平行に延在する流体経路を画定する。
【0005】
一部の実施形態では、少なくとも1つの溝谷部は、2つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、3つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触するが、9つ以下の第2の溝頂部に接触する。
【0006】
追加として又は別法として、第1の複数の溝及び第2の複数の平行な溝のそれぞれは、媒体パックの第1の面及び第2の面に垂直ではない。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも5度だけオフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも10度だけオフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも20度だけオフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は実質的に真っ直ぐである。追加として又は別法として、第2の複数の溝は実質的に真っ直ぐである。
【0007】
追加として又は別法として、第1の複数の溝のそれぞれは、媒体パックの第1の面と第2の面との間に湾曲を画定する。追加として又は別法として、第1の複数の溝内の溝の頂部の湾曲は、溝の各端部で頂部に接合する軸から外方に溝の長さの少なくとも5%だけ延在する。追加として又は別法として、第1の複数の溝内の溝の頂部の湾曲は、溝の各端部で頂部に接合する軸から外方に溝の長さの少なくとも10%だけ延在する。追加として又は別法として、第1の複数の溝内の溝の頂部の湾曲は、溝の各端部で頂部に接合する軸から外方に溝の長さの少なくとも20%だけ延在する。
【0008】
追加として又は別法として、第2の複数の溝は湾曲している。追加として又は別法として、第1の複数の溝は第1の湾曲を形成し、第2の複数の溝は第2の湾曲を形成し、第1の湾曲は第2の湾曲の屈曲ピッチの反対側に屈曲ピッチを有する。追加として又は別法として、濾過媒体の第1のシート及び濾過媒体の第2のシートは連続しており、折り目によって分離される。追加として又は別法として、第1の媒体シート及び第2の媒体シートは、巻き付けた断面を備えた円筒状媒体パックを画定する。追加として又は別法として、第1の媒体シート及び第2の媒体シートは不連続である。追加として又は別法として、第1の媒体シート及び第2の媒体シートは、巻き付けた断面を備えた円筒状媒体パックを画定する。追加として又は別法として、障害物は、第1の媒体シートと第2の媒体シートとの間の接着ビードである。追加として又は別法として、濾過媒体パックは少なくとも約40溝/インチ2の溝の密度を提示する。
【0009】
追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの上流容積が下流容積より少なくとも10%大きいように非対称の容積配置を有する。追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの片側の容積が媒体パックの別の側の容積より少なくとも30%大きいように非対称の容積配置を有する。追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの周辺に延在するシール部材を有する。
【0010】
現行の技術の一部の実施形態は、濾過媒体が濾過媒体の複数のシートを画定するために第1の組の襞折り目と第2の組の襞折り目との間に延在するように、媒体パックの入口面を形成する第1の組の襞折り目及び媒体パックの出口面を形成する第2の組の襞折り目を有する、濾過媒体を有する襞付き濾過媒体パックに関する。複数の溝は濾過媒体の各シートによって画定され、この場合、各溝は媒体パックの入口面と出口面との間に延在する。濾過媒体のシートは、媒体パックの入口面から媒体パックの出口面に延在する襞端部を有する。襞端部は第1の側面及び第2の側面を画定し、この場合、第1の側面及び第2の側面は互いに対向する。このような実施形態では、入口面は出口面と実質的に平行であり、第1の側面は第2の側面と実質的に平行であるが、第1の側面は入口面と90°未満の角度で交差する。
【0011】
一部のこのような実施形態では、濾過媒体のシートによって画定された複数の溝は平行である。追加として又は別法として、濾過媒体の第1のシートによって画定された第1の複数の溝は、濾過媒体の隣接した第2のシートによって画定された第2の複数の溝に非平行である。
【0012】
一部の実施形態では、第1の複数の溝のそれぞれは、媒体パックの入口面と出口面との間に延在する第1の溝頂部を画定し、第2の複数の溝のそれぞれは、媒体パックの入口面と出口面との間に延在する第2の溝頂部を画定し、各第1の溝頂部は離散点で1つの第2の溝頂部に接触する。追加として又は別法として、少なくとも1つの第1の溝頂部は、2つの第2の溝谷部に接触する。追加として又は別法として、少なくとも1つの第1の溝頂部は、3つの第2の溝谷部に接触する。追加として又は別法として、少なくとも1つの第1の溝頂部は、4つの第2の溝谷部に接触する。追加として又は別法として、少なくとも1つの第1の溝頂部は、2つの第2の溝谷部に接触するが、9つ以下の第2の溝谷部に接触する。
【0013】
追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも5度だけ角度オフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも10度だけ角度オフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも20度だけ角度オフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は実質的に真っ直ぐである。追加として又は別法として、第2の複数の溝は実質的に真っ直ぐである。
【0014】
追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの片側の容積が媒体パックの別の側の容積より少なくとも10%大きいように非対称の容積配置を有する。追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの片側の容積が媒体パックの別の側の容積より少なくとも50%大きいように非対称の容積配置を有する。追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの周辺に延在するシール部材を有する。他の実施形態も開示されている。
【0015】
本技術の上記の概要は、本技術の開示された実施形態のそれぞれを記載することを意図するものではない。これが詳細な記載及び続く特許請求の範囲の目的である。
【0016】
濾過媒体、媒体パック、及び要素は、添付図面に関連して本技術の様々な実施形態の以下の詳細な記載を鑑みてより完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実装形態に従って構築されて配置された、濾過要素の斜視図である。
【
図2】実装形態に従って構築されて配置された、濾過媒体の第1のシートの斜視図である。
【
図3】実装形態に従って構築されて配置された、濾過媒体の第2のシートの斜視図である。
【
図4】第2の媒体シートの上部に第1の媒体シートが積層され、第2の媒体シートが部分的に破線で示された、
図2及び
図3の濾過媒体の第1及び第2のシートの斜視図である。
【
図5】実装形態に従って構築されて配置された、濾過媒体の別の例示的第1の溝付きシートの斜視図である。
【
図6】実装形態に従って構築されて配置された、濾過媒体の別の例示的第2の溝付きシートの斜視図である。
【
図7】第4の媒体シートの上部に第3の媒体シートが積層され、第4の媒体シートが部分的に破線で示された、
図6及び
図6の第3及び第4の溝付き媒体シートの斜視図である。
【
図8】本明細書に開示された技術と一致する別の例示的濾過要素の斜視図である。
【
図9】実装形態に従って構築されて配置された溝付き媒体のウェブの平面図であり、ウェブは濾過媒体パックを形成するためのものである。
【
図10】刻み目を付けて部分的に折り畳んだ媒体を示す、
図9の溝付き媒体のウェブの斜視図である。
【
図11】
図9及び
図10の媒体を使用して形成された、濾過媒体パックの一部の斜視図である。
【
図12】実装形態に従って構築されて配置された溝付き媒体のウェブの平面図であり、ウェブは濾過媒体パックを形成するためのものである。
【
図13】刻み目を付けて部分的に折り畳んだ媒体を示す、実装形態に従って構築されて配置された
図12の溝付き媒体のウェブの斜視図である。
【
図14】
図12及び
図13の媒体を使用して形成された、濾過媒体パックの一部の斜視図である。
【
図15】様々な実装形態に従って構築されて配置された溝付き媒体のウェブの平面図であり、ウェブは濾過媒体パックを形成するためのものである。
【
図16】刻み目を付けて部分的に折り畳んだ媒体を示す、様々な実装形態に従って構築されて配置された
図15の溝付き媒体のウェブの斜視図である。
【
図17】
図15及び
図16の媒体を使用して形成された、濾過媒体パックの一部の斜視図である。
【
図18】様々な実装形態に従って構築されて配置された溝付き媒体のウェブの平面図であり、ウェブは濾過媒体パックを形成するためのものである。
【
図19】刻み目を付けて部分的に折り畳んだ媒体を示す、様々な実装形態に従って構築されて配置された
図18の溝付き媒体のウェブの斜視図である。
【
図20】折り畳んだ媒体を示す、様々な実装形態に従って構築されて配置された
図18の溝付き媒体のウェブの斜視図である。
【
図21】
図18及び
図19の溝付き媒体のウェブを使用して形成された、濾過要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本技術は様々な修正及び代替の形の影響を受けやすいが、その具体例が例示及び図面を介して示されており、詳しく記載される。しかし本技術は、記載された特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。逆に、本発明の精神及び範囲内に収まる修正形態、等価物、及び代替形態を網羅することが意図される。
【0019】
本出願は、濾過媒体、媒体パック、及び濾過要素を対象とする。「濾過媒体」は、流体を濾過するように構成される材料を記載するために本明細書では使用される。「濾過媒体のシート」は、単一層を形成する濾過媒体の一部として定義される。「媒体パック」は、入口、出口、及び入口から媒体の少なくとも1つのシートを通って出口に延在する流体通路を累積的に画定する、層状構成における媒体の複数のシートを指す。「濾過要素」は、典型的にはシール部材、支持枠、ハンドル、又は他の構造などの追加の構成要素で流体を濾過するために、システムの中に設置するように構成される媒体パックを指す。本明細書で使用する場合、「溝」は、用語「波形」と同義であり、波形は一連の交互に細長い畝/頂部、及び細長い窪み/谷部を指す。
【0020】
一部の実装形態では、媒体パック内の溝付き濾過媒体のシートは、溝が媒体の隣接したシート上の溝に断続的に接触するように、媒体パック内の溝付き濾過媒体の隣接したシート上に画定された溝から角度オフセットした溝を画定する。溝は、傾斜して湾曲した溝であることが可能である。様々な実装形態において、本明細書に開示された技術と一致する媒体パックは、入口面及び出口面を画定する襞付き折り目を備えた襞付き構造を有する。様々な他の実装形態では、本明細書に開示された技術と一致する媒体パックは層状の溝付きシート構造を有し、交互に対のシートは、入口から濾過媒体の少なくとも1つのシートを通って出口まで流体経路を画定するために、入口面及び出口面に向かって密封される。一部の実装形態では、本明細書に開示された技術と一致する媒体パックは、巻き付けた断面を有する円筒状である。
【0021】
現行の技術は濾過媒体パックに関する。濾過媒体パックは、濾過媒体の第1のシート及び濾過媒体の第2のシートを有する。濾過媒体の第1のシートは、媒体パックの第1の面と媒体パックの第2の面との間に延在する第1の溝谷部を画定する、第1の複数の平行な溝を有する。濾過媒体の第2のシートは、媒体パックの第1の面と媒体パックの第2の面との間に延在する第2の溝頂部を画定する、第2の複数の平行な溝を有する。第1の複数の溝は、第2の複数の溝に非平行である。各第1の溝谷部は、離散接触点で1つの第2の溝頂部に接触する。濾過媒体の第1のシートと濾過媒体の第2のシートとの間の障害物は、濾過媒体の第1のシート及び濾過媒体の第2のシートを通って平行に延在する流体経路を画定する。
【0022】
一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、2つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、3つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触するが、9つ以下の第2の溝頂部に接触する。
【0023】
追加として又は別法として、第1の複数の溝及び第2の複数の平行な溝のそれぞれは、媒体パックの第1の面及び第2の面に垂直ではない。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも5度だけオフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも10度だけオフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも20度だけオフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は実質的に真っ直ぐである。追加として又は別法として、第2の複数の溝は実質的に真っ直ぐである。
【0024】
追加として又は別法として、第1の複数の溝のそれぞれは、媒体パックの第1の面と第2の面との間に湾曲を画定する。追加として又は別法として、第1の複数の溝内の溝の頂部の湾曲は、溝の各端部で頂部に接合する軸から外方に溝の長さの少なくとも5%だけ延在する。追加として又は別法として、第1の複数の溝内の溝の頂部の湾曲は、溝の各端部で頂部に接合する軸から外方に溝の長さの少なくとも10%だけ延在する。追加として又は別法として、第1の複数の溝内の溝の頂部の湾曲は、溝の各端部で頂部に接合する軸から外方に溝の長さの少なくとも20%だけ延在する。
【0025】
追加として又は別法として、第2の複数の溝は湾曲している。追加として又は別法として、第1の複数の溝は第1の湾曲を形成し、第2の複数の溝は第2の湾曲を形成し、第1の湾曲は第2の湾曲の屈曲ピッチの反対側に屈曲ピッチを有する。追加として又は別法として、濾過媒体の第1のシート及び濾過媒体の第2のシートは連続しており、折り目によって分離される。追加として又は別法として、第1の媒体シート及び第2の媒体シートは、巻き付けた断面を備えた円筒状媒体パックを画定する。追加として又は別法として、第1の媒体シート及び第2の媒体シートは不連続である。追加として又は別法として、第1の媒体シート及び第2の媒体シートは、巻き付けた断面を備えた円筒状媒体パックを画定する。追加として又は別法として、障害物は、第1の媒体シートと第2の媒体シートとの間の接着ビードである。追加として又は別法として、濾過媒体パックは少なくとも約40溝/インチ2の溝の密度を提示する。
【0026】
追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの上流容積が下流容積より少なくとも10%大きいように非対称の容積配置を有する。追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの片側の容積が媒体パックの別の側の容積より少なくとも30%大きいように非対称の容積配置を有する。追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの周辺に延在するシール部材を有する。
【0027】
現行の技術の一部の実施形態は、濾過媒体が濾過媒体の複数のシートを画定するために第1の組の襞折り目と第2の組の襞折り目との間に延在するように、媒体パックの入口面を形成する第1の組の襞折り目及び媒体パックの出口面を形成する第2の組の襞折り目を有する、濾過媒体を有する襞付き濾過媒体パックに関する。複数の溝は濾過媒体の各シートによって画定され、この場合、各溝は媒体パックの入口面と出口面との間に延在する。濾過媒体のシートは、媒体パックの入口面から媒体パックの出口面に延在する襞端部を有する。襞端部は第1の側面及び第2の側面を画定し、この場合、第1の側面及び第2の側面は互いに対向する。このような実施形態では、入口面は出口面と実質的に平行であり、第1の側面は第2の側面と実質的に平行であるが、第1の側面は入口面と90°未満の角度で交差する。
【0028】
一部のこのような実施形態では、濾過媒体のシートによって画定された複数の溝は平行である。追加として又は別法として、濾過媒体の第1のシートによって画定された第1の複数の溝は、濾過媒体の隣接した第2のシートによって画定された第2の複数の溝に非平行である。
【0029】
一部の実施形態では、第1の複数の溝のそれぞれは、媒体パックの入口面と出口面との間に延在する第1の溝頂部を画定し、第2の複数の溝のそれぞれは、媒体パックの入口面と出口面との間に延在する第2の溝頂部を画定し、各第1の溝頂部は離散点で1つの第2の溝頂部に接触する。追加として又は別法として、少なくとも1つの第1の溝頂部は、2つの第2の溝谷部に接触する。追加として又は別法として、少なくとも1つの第1の溝頂部は、3つの第2の溝谷部に接触する。追加として又は別法として、少なくとも1つの第1の溝頂部は、4つの第2の溝谷部に接触する。追加として又は別法として、少なくとも1つの第1の溝頂部は、2つの第2の溝谷部に接触するが、9つ以下の第2の溝谷部に接触する。
【0030】
追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも5度だけ角度オフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも10度だけ角度オフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は、第2の複数の溝に対して少なくとも20度だけ角度オフセットされる。追加として又は別法として、第1の複数の溝は実質的に真っ直ぐである。追加として又は別法として、第2の複数の溝は実質的に真っ直ぐである。
【0031】
追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの片側の容積が媒体パックの別の側の容積より少なくとも10%大きいように非対称の容積配置を有する。追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの片側の容積が媒体パックの別の側の容積より少なくとも50%大きいように非対称の容積配置を有する。追加として又は別法として、媒体パックは、媒体パックの周辺に延在するシール部材を有する。他の実施形態も開示されている。
【0032】
次に図面を参照すると、
図1は、実装形態に従って構築された配置された濾過要素10の斜視図を提供する。一部の実施形態と一致するこの具体的な実装形態では、濾過要素10は、濾過媒体の第1のシート16及び濾過媒体の第2のシート17を含む、濾過媒体の複数のシートを有する媒体パック15を有する。濾過要素10は、第1の面20、第2の面30(第1の面20の反対側)、並びに4つの側面32、34、36、及び38を有する。第1の面20は入口であることが可能であり、第2の面30は出口であることが可能であるが、一部の実施形態では、第1の面20は出口であることが可能であり、第2の面30は入口であることが可能である。シール部材40は媒体パック15の周辺に延在する。シール部材40は、4つの側面32、34、36、及び38が第1の面20に収束する場所に隣接した第1の面20の外周に当接する。一部の実施形態では、シール部材は第1の面20又は第2の面30から外方に突起することが可能である。
【0033】
濾過要素10は、概ね筐体の中に挿入するように構成され、濾過される流体(空気ストリームなど)は、第1の面20で入り第2の面30で濾過要素10から出る、濾過要素10の流体経路12を通過する。
図4を検討する際に以下により詳細に説明するように、流体経路12は、濾過媒体の第1のシート16及び/又は濾過媒体の第2のシート17を通って平行に延在する。
【0034】
図1の濾過要素10は、複数の交互の溝付き媒体シート16、17から構築され、それらの例は
図2及び3のそれぞれに描かれている。具体的には
図2は、一部の実装形態に従って構築されて配置された濾過媒体の第1のシート50の斜視図である。濾過媒体の第1のシート50は、第1の媒体シート50の第1の縁部54と第2の縁部56との間にそれぞれが延在する第1の複数の平行な溝52を有する。描かれた実施形態における第1の縁部54は、濾過要素10の第1の面20に対応する(
図1)一方で、第2の縁部56は、濾過要素10の第2の面30に対応する。従って第1の複数の溝52は、媒体パック15の第1の面20と媒体パック15の第2の面30との間に延在する。
【0035】
第1の複数の溝52は、媒体パック15の第1の面20と第2の面30との間に延在する(
図1参照)第1の溝頂部58及び第1の溝谷部59を画定する。第1の溝頂部58及び第1の溝谷部59は、濾過媒体の第1のシート50の対向する側部から突出する。第1の複数の複数の溝52内の各溝は、第1の複数の溝52内の残りの溝に平行である。溝は、少なくとも溝頂部と溝谷部が平行であるときに平行であると考えられる。
【0036】
第1の複数の溝52内の溝は、媒体パック15の第1の面20と第2の面30との間で湾曲している(
図1)。本明細書に言及されたような湾曲した溝は、概して溝が媒体パックの第1の面と媒体パックの第2の面との間で直線に沿って延在しないことを意味する。溝は、
図2に描かれたような単一湾曲、又は媒体パックの第1の面と第2の面との間の複数の湾曲を画定することができる。溝の屈曲は、「屈曲ピッチ」の測定結果によって影響を及ぼされる可能性があり、例えば「屈曲ピッチ」の測定結果は、溝頂部が溝の各端部で頂部に接合する直線軸αから外方に延在する最大距離、例えば
図2に描かれた距離C
1などである。この屈曲は、溝の長さL
1(
図2参照)に対する絶対数(センチメートルなど)又は相対数で測定することができ、この場合、溝の長さは溝の一端から溝の反対側の端部まで溝頂部に沿って測定される。例えば屈曲ピッチは、ある特定の実施形態では溝の長さL
1の少なくとも5%、10%、又は20%であることさえも可能である。
【0037】
他の例では、屈曲ピッチは用語「溝ピッチ」P
1(
図2参照)を特徴とすることができ、「溝ピッチ」P
1は濾過媒体のシート50内の隣接した頂部間の距離である。一部の実施形態では、屈曲ピッチC
1は、溝ピッチP
1の少なくとも10%だが溝ピッチP
1の50倍未満であることが可能である。一部の実施形態では、屈曲ピッチC
1は、溝ピッチP
1の10%~50%である。一部の実施形態では、屈曲ピッチC
1は、溝ピッチP
1の40%~90%である。一部の実施形態では、屈曲ピッチC
1は、溝ピッチP
1の80%~200%である。一部の実施形態では、屈曲ピッチC
1は、溝ピッチP
1の3倍~10倍である。一部の実施形態では、屈曲ピッチC
1は、溝ピッチP
1の5倍~20倍である。一部の実施形態では、屈曲ピッチC
1は、溝ピッチP
1の20倍~50倍である。
【0038】
図3は、一部の実装形態に従って構築された配置された濾過媒体の第2のシート60の斜視図である。濾過媒体の第2のシート60は、濾過媒体の第2のシート60の第1の縁部64と第2の縁部66(上記のように媒体パック15の第1の面20及び第2の面30に対応する)との間に延在する第2の複数の溝62を有する。第2の複数の溝62は、媒体パック15の第1の面20と第2の面30との間に延在する(
図1)第2の溝頂部68及び第2の溝谷部69を画定する。第2の溝頂部68及び第2の溝谷部69は、濾過媒体の第2のシート60の対向する側部から突出する。
【0039】
様々な実施形態において、第2の複数の溝62内の各溝は、第2の複数の溝62内の残りの溝に平行である。第2の複数の溝62内の溝は、媒体パック15の第1の面20と第2の面30との間で湾曲する。湾曲は、
図2を参照して上に記載された構成と一致することが可能である。一部の実施形態では、第2の複数の溝62の屈曲ピッチは、第1の複数の溝52の反対方向だが、第1の複数の溝52の屈曲ピッチに等しくなる。
【0040】
本明細書に記載された濾過媒体のシート内に画定された溝は、濾過媒体パックを通る流体流れ経路を画定するように構成することができる。濾過媒体パックを構築するために、交互の濾過媒体パックの第1のシート50及び濾過媒体の第2のシート60は、例えば2層を描く
図4に示されたような層状である。具体的には
図4は、
図2の濾過媒体の第1のシート50が、
図3の濾過媒体の第2のシート60上に積層されている媒体パックの斜視図である。濾過媒体の第2のシート60上の溝の湾曲は、わかりやすくするために濾過媒体の第1のシート50を通して描かれている。
【0041】
濾過媒体の第1のシート50の第1の複数の溝52は、濾過媒体の第2のシート60の第2の複数の溝62に非平行である。第1の複数の溝52は第1の湾曲を形成し、第2の複数の溝63は第2の湾曲を形成する。一部の実施形態では、第1の湾曲の屈曲ピッチは、第2の湾曲の屈曲ピッチの反対である。濾過媒体の第1のシート50は、離散点70で濾過媒体の第2のシート60に接触する。概して各第1の溝谷部59は、離散点70で1つの第2の溝頂部68に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部59は、2つの離散点70で1つの第2の溝頂部68に接触する。一部の例では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、2つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、3つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触するが、9つ以下の第2の溝頂部に接触する。
【0042】
様々な実施形態において、第1の媒体シート50及び第2の媒体シート60は、
図1に描かれた濾過要素の第3の側部36及び第4の側部38に対応する、第3の縁部27及び第4の縁部28に沿って固定される。濾過媒体の第1のシート50及び濾過媒体の第2のシート60は、接着ビードなどの接着剤で、又は他の手法を通して固定することができ、これは媒体パックの第3の縁部と第4の縁部との間を流体が通過するのを妨害する。
【0043】
第1の複数の溝52及び第2の複数の溝62は、例として媒体パックの第1の面20から第2の面30に向かって第1の媒体シート50と第2の媒体シート60との間に流体経路12の上流部を累積的に画定する。障害物72は、流体経路12の上流部が媒体パックの第2の面30に向かって妨害されるように、第1の媒体シート50と第2の媒体シート60との間に配列されるので、第1の面20を通って流体経路の上流部(「入口」)に流入する流体は、濾過媒体の第1のシート50及び/又は濾過媒体の第2のシート60を通過して流体経路12の下流部を通って媒体パック15から出る。従って濾過媒体の第1のシート50及び濾過媒体の第2のシート60は、直列よりむしろ並列に流体経路12に沿って配置される。同様に流体経路12の下流(図示せず)は、濾過媒体の第1のシートと濾過媒体の第2のシートとの間で媒体パックの第1の面20に向かって障害物を有する。
図4におけるように濾過媒体のシートが不連続である場合、障害物は、隣接し合う媒体シートの間に接着ビードなどの接着剤を堆積することを通して構築することができる。
【0044】
図1に描かれた濾過要素10は、濾過媒体パック15の第1の面20に入る流体が、媒体パック15の第2の面30を通って出る前に濾過媒体を通過するように、上流面に向かう(及びこの図では見えないが下流面に向かう)媒体の交互に隣接した層の間の経路が、障害物23を有する例を描く。
【0045】
図5~7は、
図1の濾過要素10と一致する交互に溝を付けた媒体シートの代替構成を描く。具体的には
図5は、一部の実装形態に従って構築されて配置された濾過媒体の第1のシート150の斜視図である。濾過媒体の第1のシート150は、第1の媒体シート150の第1の縁部154と第2の縁部156との間にそれぞれが延在する、第1の複数の平行な溝152を有する。描かれた実施形態における第1の縁部154は濾過要素10の第1の面20に対応する(
図1)一方で、第2の縁部156は濾過要素10の第2の面30に対応する(
図1)。従って第1の複数の溝152は、媒体パックの第1の面20と媒体パック15の第2の面30との間に延在する。
【0046】
第1の複数の溝152は、媒体パック15の第1の面20と第2の面30との間に延在する(
図1参照)第1の溝頂部158及び第1の溝谷部159を画定する。第1の溝頂部158及び第1の溝谷部159は、濾過媒体の第1のシート150の対向する側部から突出する。第1の複数の溝152内の各溝は、第1の複数の溝152内の残りの溝に平行である。
【0047】
第1の複数の溝152内の溝は、濾過要素10の媒体パックの第1の面20と第2の面30との間で実質的に真っ直ぐである(
図1参照)。本明細書に言及されたような実質的に真っ直ぐな溝は、溝頂部のそれぞれが媒体パックの第1の面と媒体パックの第2の面との間のそれぞれの長さの少なくとも90%又は95%に沿って直線を画定することを意味し、これは本明細書に更に論じる襞付き媒体パックを含む媒体パックを構築するときに、溝端部に起こる可能性がある歪の原因となる。
【0048】
様々な実施形態において、第1の複数の溝152内の溝は、概ね媒体パック15の第1の面20及び媒体パック15の第2の面30に垂直ではない。一部の実施形態では、溝は、媒体パックの第1の面及び媒体パックの第2の面から少なくとも45度だが90度未満だけ角度オフセットされる。一部の実施形態では、溝は、媒体パックの第1の面及び媒体パックの第2の面から45~60度、60~75度、又は75~85度だけ角度オフセットされる。一部の実施形態では、溝は、濾過媒体の第1のシート150の第1の縁部154及び第2の縁部156から角度オフセットされると記載することができる。一部の実施形態では、溝は、濾過媒体の第1のシート150の第1の縁部154及び第2の縁部156から少なくとも45度、及び90度未満だけ角度オフセットされる。一部の実施形態では、溝は、濾過媒体の第1のシート150の第1の縁部154及び第2の縁部156から45~60度、60~75度、又は75~85度だけ角度オフセットされる。
【0049】
少なくとも一部の代替実施形態では、第1の複数の溝152内の溝は、媒体パック15の第1の面20及び媒体パック15の第2の面30、並びに/又は濾過媒体の第1のシート150の第1の縁部154及び第2の縁部156に垂直である。
【0050】
図6は、濾過媒体の第2のシート160の斜視図である。濾過媒体の第2のシート160は、第2の複数の平行な溝162を有し、それぞれは濾過媒体の第2のシート160の第1の縁部164と第2の縁部166との間に延在し、従って濾過要素10の第1の面20と第2の面30との間に延在する(
図1)。第2の複数の溝162は、媒体パック15の第1の面20と第2の面30との間に延在する(
図1参照)、第2の溝頂部168及び第2の溝谷部169を画定する。第2の溝頂部168及び第2の溝谷部169は、濾過媒体の第2のシート160の対向する側部から突出する。第2の複数の溝162内の各溝は、第2の複数の溝162内の残りの溝に平行である。
【0051】
第2の複数の溝162内の溝は、濾過要素10の媒体パック15の第1の面20と第2の面30との間で実質的に真っ直ぐである(
図1)。第2の複数の溝162内の溝は、媒体パック15の第1の面20及び媒体パック15の第2の面30に垂直ではない。第2の複数の溝162は、媒体パックの第1の面及び媒体パックの第2の面、並びに/又は濾過媒体の第2のシート160の第1の縁部164及び第2の縁部166から
図5を参照して上に論じた同様の範囲だけ角度オフセットされることが可能である。
【0052】
本明細書に記載された濾過媒体のシート内に画定された第1の複数の溝及び第2の複数の溝は、濾過媒体パックを通る流体流れ経路を画定するように構成することができる。濾過媒体パックを構築するために、交互の濾過媒体の第1のシート150及び濾過媒体の第2のシート160は、例えば2層を描く
図7に示されたような層状である。具体的には
図7は、
図5の濾過シートの第1のシート150が、
図6の濾過媒体の第2のシート160上に積層される媒体パックの斜視図である。濾過媒体の第2のシート160上の溝の拡張は、わかりやすくするために濾過媒体の第1のシート150を通して描かれている。
【0053】
濾過媒体の第1のシート150の第1の複数の溝152は、濾過媒体の第2のシート160の第2の複数の溝162に非平行である。濾過媒体の第1のシート150は、概して離散接触点170で濾過媒体の第2のシート160に接触する。第1の複数の溝152は、第2の複数の溝162に対して少なくとも5度だけ角度オフセットされ、この場合、オフセット角α1は濾過媒体の第1のシート150の谷部159と濾過媒体の第2のシート160の頂部168との間でそれぞれの接触点170において測定することができる。一部の実施形態では、第1の複数の溝152は、第2の複数の溝162に対して5~15度だけ角度オフセットされる。一部の実施形態では、第1の複数の溝152は、第2の複数の溝162に対して少なくとも10度だけ角度オフセットされる。一部の実施形態では、第1の複数の溝152は、第2の複数の溝162に対して15~30度だけ角度オフセットされる。一部の実施形態では、第1の複数の溝152は、第2の複数の溝162に対して少なくとも20度だけ角度オフセットされる。一部の構造では、第1の複数の溝152は、第2の複数の溝162に対して40度未満だけ角度オフセットされる。
【0054】
概して各第1の溝谷部159は、離散接触点170で1つの第2の溝頂部168に接触する。一部の例では、少なくとも1つの第1の溝谷部159は2つの第2の溝頂部168に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、3つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触するが、9つ以下の第2の溝頂部に接触する。
【0055】
様々な実施形態において、第1の媒体シート150及び第2の媒体シート160は、
図1に描かれた濾過要素10の第3の側部36及び第4の側部38に対応する、第3の縁部127及び第4の縁部128に沿って固定される。濾過媒体の第1のシート150及び濾過媒体の第2のシート160は、接着ビードなどの接着剤で、又は他の手法で固定することができ、これは媒体パックの第3の縁部127と第4の縁部128との間を流体が通過するのを妨害する。
【0056】
第1の複数の溝152及び第2の複数の溝162は、例として媒体パックの第1の面20から第2の面30に向かって第1の媒体シート150と第2の媒体シート160との間に流体経路12の上流部を累積的に画定する。障害物172は、流体経路12の上流部が媒体パックの第2の面30に向かってを妨害されるように、第1の媒体シート150と第2の媒体シート160との間に配列されるので、第1の面20を通って流体経路12の上流部(「入口」)に流入する流体は、濾過媒体の第1のシート150及び/又は濾過媒体の第2のシート160を通過して流体経路12の下流部を通って媒体パックから出る。同様に
図1に描かれた実施形態に見られ、先に記載されたように、障害物23は、流体経路12の下流部が媒体パック100の第1の面20に向かって妨害されるように、第1の媒体シート16と第2の媒体シート17との間に配列される。
【0057】
図8は、本明細書に開示された技術と一致する別の例示的濾過要素110である。濾過要素110は、濾過媒体パック115及び媒体パック115の周辺に延在するシール部材140を有する。濾過媒体パック115は、第1の面120、第2の面130、及び4つの側面132、134、136、138を有する。第1の面120は入口であることが可能であり、第2の面130は出口であることが可能である。濾過要素110は筐体(図示せず)の中に挿入すれるように構成され、流体(空気ストリームなど)は、流体経路112を画定するために第1の面20で濾過要素10に入り、濾過媒体を通過し、第2の面130で濾過要素110から出る。
【0058】
濾過要素110の媒体パック115は、濾過媒体の複数の第1のシート151及び濾過媒体の第2のシート161を有し、これらは媒体襞と呼ぶことができる。しかし先に記載された媒体パックとは違い、現行の例の媒体パック115は濾過媒体の連続したウェブから形成され、その例は
図9~17に描かれており、以下に記載される。このような実施形態では、濾過媒体の第1のシート151及び濾過媒体の第2のシート161は、第1の組の襞折り目180及び第2の組の襞折り目182によって分離される。第1の組の襞折り目180は、流体経路が濾過媒体の第1のシート151及び濾過媒体の第2のシート161を通って延在するように、媒体パックの第1の面120に向かって濾過媒体の第1のシート151と濾過媒体の第2のシート161との間に障害物を形成する。同様に第2の組の襞折り目182は、流体経路が濾過媒体の第1のシート151及び濾過媒体の第2のシート161を通って延在するように、媒体パックの第2の面130に向かって濾過媒体の第1のシート151と濾過媒体の第2のシート161との間に障害物を形成する。
【0059】
図9は、一部の実装形態に従って構築されて配置された溝付き媒体の連続したウェブ200を描き、濾過媒体パックに形成される前の媒体のウェブ200を描く。媒体のウェブ200は、
図8に示された媒体パックなどの媒体パックに形成される。媒体のウェブ200の
図9に示された実施形態は、複数の交互の第1の濾過媒体シート250及び第2の濾過媒体シート260を含み、これらは襞折り目の場所を画定する折り目線280、282によって分離される。第1の折り目線280は第1の組の襞折り目を表し、第2の折り目線282は第2の組の襞折り目を表し、この場合、第1の組の襞折り目は媒体パックの第1の面を形成するように構成され、第2の組の襞折り目は媒体パックの第2の面を形成するように構成される。現行の実施形態における、又本出願にわたって折り目線280、282は真っ直ぐに描かれているが、様々な実施形態において、折り目線は溝の輪郭を辿り溝の頂部及び谷部を反映するために直線から外れることを理解されたい。
【0060】
濾過媒体の第1のシート250は、第1の折り目線280と第2の折り目線282との間に延在する第1の複数の平行な溝252を有する。第1の複数の溝252は、第1の溝頂部254及び第1の溝谷部256を画定する。一部の例と一致する現行の実施形態では、第1の複数の溝252は、第1の折り目線280と第2の折り目線282との間で湾曲している。溝の屈曲は、例えば溝頂部が溝の端部で頂部に接合する軸x
1から外方に延在する、
図9に描かれた距離D
2などの距離として測定することができる。距離D
2は、
図2におけるD
1について上に記載された距離と一致することが可能である。
【0061】
濾過媒体の第2のシート260は、第1の折り目線280と第2の折り目線282との間に延在する第2の複数の平行な溝262を有する。第2の複数の溝262は、第2の溝頂部264及び第2の溝谷部266を画定する。第2の複数の溝262は、第1の複数の溝252と同様の屈曲を有することができ、描かれたものを含む一部の実施形態では、第2の複数の溝262は、反対方向(
図9におけるD
3参照)だが第1の複数の溝252と等しい屈曲を有する。
【0062】
濾過媒体の第1のシート250及び濾過媒体の第2のシート260は、
図10に示されたように折り目線280、282で互いの上に折り畳まれ、
図10は
図9の溝付き媒体のウェブ200の斜視図であり、媒体のウェブ200は第1の折り目線280及び第2の折り目線282に沿って刻み目を付けて部分的に折り畳まれる。
図11に示されたように更に折り畳まれると、媒体は媒体パック210に形成される。濾過媒体の第1のシート250の一部は、わかりやすくするために濾過媒体の隣接した第2のシート260から引き離して描かれている。第1の組の襞折り目280は入口面220を形成し、第2の組の襞折り目282は出口面230を形成し、濾過媒体は、複数の媒体襞240を画定するために第1の組の襞折り目280と第2の組の襞折り目282との間に延在し、その場合、媒体襞は濾過媒体の第1のシート250及び濾過媒体の第2のシート260である。濾過媒体のシート250、260はそれらの襞端部258、268に沿って密封することができ、襞端部258、268は第1の組の襞折り目280又は第2の組の襞折り目282を形成しない濾過媒体のシート250、260の縁部を指す。媒体襞240のそれぞれによって画定された複数の溝252、262は、媒体パックの入口面220と出口面230との間に延在する。
【0063】
第1の複数の溝252及び第2の複数の溝262は、濾過媒体のシート250と260との間の接触点を低減するために非平行である。概して各第1の溝谷部256は、離散接触点で1つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部256は2つの離散点で1つの第2の溝頂部266に接触する。一部の例では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、2つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、3つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触するが、9つ以下の第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、第1の複数の溝252は第1の湾曲を形成し、第2の複数の溝262は第2の湾曲を形成し、第1の湾曲は第2の湾曲の屈曲ピッチの反対側に屈曲ピッチを有する。
【0064】
図12は、濾過媒体パックに形成される前の、一部の実装形態に従って構築されて配置された溝付き媒体の別の例示的ウェブ300の平面図である。
図13は、刻み目を付けて部分的に折り畳まれた溝付き媒体のウェブ300を描き、
図14は媒体パック310に折り畳まれたウェブ300を描く。媒体パック310は、
図8に示された濾過要素などの濾過要素内に組み込むことができる。ウェブ300、ひいては媒体パック310は、折り目線380、382によって分離された交互の濾過媒体の第1のシート350及び濾過媒体の第2のシート360を有する。濾過媒体の第1のシート350及び濾過媒体の第2のシート360は、互いに対して連続しており、折り目380によって分離される。
【0065】
濾過媒体の第1のシート350は、媒体パック310の第1の面320と媒体パック310の第2の面330との間に延在する、第1の溝頂部354及び第1の溝谷部356を画定する第1の複数の平行な溝352を有する。濾過媒体の第2のシート360は、媒体パック310の第1の面320と媒体パック310の第2の面330との間に延在する、第2の溝頂部364及び第2の溝谷部366を画定する第2の複数の平行な溝362を有する。濾過媒体の第1のシート350は第1の襞端部358を有し、濾過媒体の第2のシート360は第2の襞端部368を有し、その場合、第1の襞端部358及び第2の襞端部368は密封することができる。第1の複数の溝352及び第2の複数の溝362は実質的に真っ直である。
【0066】
一部の実施形態では、第1の複数の溝352内の溝は、概して媒体パック310の第1の面320及び媒体パック310の第2の面330に垂直ではないが、一部の他の実施形態では、第1の複数の溝352内の溝は、媒体パック310の第1の面320及び媒体パック310の第2の面330に垂直である。第2の複数の溝362内の溝は、概して媒体パック310の第1の面320及び媒体パック310の第2の面330に垂直ではない。
【0067】
追加として又は別法として、溝角度(例えば
図12における角度α
2参照)は、折り目線380、382に沿って媒体を折り畳むことにより溝の歪が存在する程度の溝の端部を無視して、溝頂部344と折り目線382との間で測定することができる。第1の折り目線380及び第2の折り目線382に対する第1のシート350及び第2のシート360のそれぞれの溝角度は、溝と濾過媒体のシートの第1の縁部154と第2の縁部156との間の
図5を参照して上に論じたのと同じ角度範囲を有することができる。
【0068】
第1の複数の溝352及び第2の複数の溝362は非平行である。第1の複数の溝352及び第2の複数の溝362は、
図7を参照して上に記載されたように角度オフセットすることができる。
【0069】
オフセットした溝の配向により、溝は互いに溝頂部及び隣接した溝谷部に接触する。例えば概ね各第1の溝谷部356は、離散接触点で1つの第2の溝頂部364に接触する。概ね各第1の溝谷部356は、離散接触点370で1つの第2の溝頂部364に接触する。一部の例では、少なくとも1つの第1の溝谷部356は、2つの第2の溝頂部364に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、3つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触するが、9つ以下の第2の溝頂部に接触する。
【0070】
図15は、実装形態に従って構築されて配置された溝付き媒体のウェブ400の平面図である。媒体のウェブ400は、
図17に描かれた襞付き濾過媒体パック410に形成するように構成される。
図16は、折り目線480、482に沿って一部が折り畳まれた媒体のウェブ400を描く。媒体のウェブ400、ひいては媒体パック410は、折り目線480、482によって分離された交互の濾過媒体の第1のシート450及び濾過媒体の第2のシート460を有する。折り目線480、482は、折り目線480、482が媒体のウェブ400の襞端部484に垂直ではないように、ウェブ横断方向に対してわずかに回転される。
【0071】
濾過媒体の第1のシート450は、襞付き濾過媒体パック410の第1の面420と襞付き濾過媒体パック410の第2の面430との間に延在する、第1の溝頂部454及び第1の溝谷部456を画定する第1の複数の平行な溝452を有する。濾過媒体の第2のシート460は、媒体パック410の第1の面420と媒体パック410の第2の面430との間に延在する、第2の溝頂部464及び第2の溝谷部466を画定する第2の複数の平行な溝462を有する。第1の複数の溝452及び第2の複数の溝462は実質的に真っ直である。
【0072】
第1の複数の溝452内の溝は、概して媒体パック410の第1の面420及び媒体パック410の第2の面430に垂直ではなく、この場合、媒体パック410の第1の面及び媒体パック410の第2の面430は、第1の襞織り目480及び第2の襞織り目482のそれぞれによって画定される。第2の複数の溝462内の溝は、概して媒体パック410の第1の面420及び媒体パック410の第2の面430に垂直ではない。第1の複数の溝452及び第2の複数の溝462は媒体パック410内で非平行であるが、第1の複数の溝452及び第2の複数の溝462は濾過媒体のウェブ400上で平行である。第1の複数の溝452及び第2の複数の溝は、
図7を参照して上に記載されたように角度オフセットすることができる。
【0073】
オフセットされた溝の配向により、溝は互いに隣接した媒体襞に溝頂部及び隣接した溝谷部のみで接触する。例えば概ね各第1の溝谷部456は、離散接触点で1つの第2の溝頂部464に接触する。概ね各第1の溝谷部458は、離散接触点470で1つの第2の溝頂部468に接触する。一部の例では、少なくとも1つの第1の溝谷部456は、2つの第2の溝頂部464に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、3つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触する。一部の実施形態では、少なくとも1つの第1の溝谷部は、4つの第2の溝頂部に接触するが、9つ以下の第2の溝頂部に接触する。
【0074】
図17の媒体パック410は、複数の媒体襞を画定するために襞付き媒体が往復する配置で、折り目線480の間に延在する濾過媒体を有する。複数の溝は媒体襞のそれぞれによって画定され、溝は溝の一端から溝の反対側の端部までの長さを有し、これは媒体パック410の入口面420と出口面430との間に延在する。濾過媒体の襞端部484は、媒体パックの入口面420から媒体パックの出口面430に延在し、第1の側面412及び第2の側面414を形成する。第1の側面412及び第2の側面414は互いに対向する。入口面420は出口面430と実質的に平行である一方で、第1の側面412は第2の側面414と実質的に平行であり、第1の側面412は入口面420に90°未満の角度で交差する。従ってこの構成では、媒体パック410の各襞は平行四辺形の形状を画定する。
【0075】
図18は、一部の実装形態に従って構築されて配置された溝付き媒体のウェブ500の平面図である。
図19は、刻み目を付けて部分的に折り畳まれた配置における
図18の溝付き媒体のウェブ500の斜視図である。
図20は、折り畳まれた配置における溝付き媒体のウェブ500の斜視図であり、
図21は、
図18及び19の媒体を使用して形成された濾過要素510の斜視図であり、この場合、媒体ウェブ500は、折り目線580に沿って折り畳まれ、濾過要素510に対して円筒状媒体パック515に巻かれ、媒体縁部590、592は、濾過要素510の第1の面520を画定し、襞付き折り目580は濾過要素510の第2の面530を画定する。巻いた円筒状濾過要素510において、媒体は巻き付けた断面を有する。
【0076】
濾過媒体ウェブ500は、濾過媒体の第1のシート550及び濾過媒体の第2のシート560並びに中心折り目線580を有する。従って濾過媒体の第1のシート550及び濾過媒体の第2のシート560は連続しており、折り目580によって分離される。濾過媒体の第1のシート550は第1の襞582を画定することができ、濾過媒体の第2のシート560は第2の襞584を画定することができる。折り目580は、濾過媒体の第1のシート550と濾過媒体の第2のシート560との間に延在し、濾過媒体の第1のシート550及び濾過媒体の第2のシート560を平行に通る流体経路512を画定するために、媒体の第1のシート550と濾過媒体の第2のシート560との間に障害物を形成する。
図20において流体経路512は濾過媒体の第1のシート550を通過するように描かれているが、流体経路512は濾過媒体の第2のシート560も通って延在する。障害物572は、濾過媒体の第1のシート550の外表面と濾過媒体の第2のシート560の外表面との間のギャップを同様に密封するので、濾過要素510の第1の面520及び第2の面530を通過する流体は、まず濾過媒体515を通過しなければならず、濾過媒体515は濾過媒体の第1のシート550及び濾過媒体の第2のシート560を含む。障害物572は、一部の実施形態では第1の流面520に向かって位置付けることができる。障害物は、流体が媒体パックの外周の辺り及び巻き付けた媒体パック510の中央開口などを通って流れないように、濾過媒体内のあらゆる他のギャップ内に配列することもできる。
【0077】
濾過媒体の第1のシート550は、媒体パック515の第1の面520と媒体パック515の第2の面530との間に延在する、第1の溝頂部554及び第1の溝谷部556を画定する第1の複数の平行な溝552を有する。濾過媒体の第2のシート560は、媒体パック515の第1の面520と媒体パック515の第2の面530との間に延在する、第2の溝頂部564及び第2の溝谷部566を画定する第2の複数の平行な溝562を有する。第1の複数の溝552は第2の複数の溝562に非平行である。各第1の溝谷部556は、概して離散接触点で1つの第2の溝頂部564に接触し、各溝谷部556は、追加の第2の溝頂部564、及び恐らく本出願において前に記載されたように具体的には第2の溝頂部564上の追加の離散接触点に接触することができる。
【0078】
現行の例では、第1の複数の溝552及び第2の複数の溝562はそれぞれが湾曲している。このような実施形態では、それぞれの湾曲の屈曲は、
図2~4及び9~11を参照して上に記載された屈曲と一致することが可能である。一部の代替実施形態では、第1の複数の溝552及び第2の複数の溝562は実質的に真っ直である。一部のこのような実施形態では、第1の複数の溝も第2の複数の溝もどちらも、媒体パックの第1の面及び第2の面に垂直ではない。第1の複数の溝552及び第2の複数の溝562が実質的に真っ直ぐである実施形態では、第1の複数の溝552は、
図7及び12~14を参照して上に記載された実施形態と一致する第2の複数の溝562から角度オフセットすることができる。
【0079】
濾過媒体の第1のシート550及び濾過媒体の第2のシート560は、現行の実施形態では連続しており、折り目580によって分離されているが、同様に円筒状濾過要素構造を有する一部の他の実装形態では、濾過媒体の第1のシート550及び濾過媒体の第2のシート560は、不連続であり、例えば接着剤によって一緒に接合される。
【0080】
本明細書に描かれた実施形態では、濾過媒体の第1のシート及び濾過媒体の第2のシートは、どちらも真っ直ぐ又は湾曲した溝のいずれかを画定する。しかし一部の実施形態では、濾過媒体の第1のシートは、本明細書の真っ直ぐな溝の記載と一致する真っ直ぐな溝を画定し、濾過媒体の第2のシートは、本明細書の湾曲した溝の記載と一致する湾曲した溝を画定することが認識されよう。
【0081】
濾過媒体パックの性能は、数個の設計基準から選択することによって変更又は修正することができる。用語「性能」は、概して増加された寿命、増加された積載能力、低減された圧力降下、増加された流れ、低減された大きさ又は容積、その他の少なくとも1つを指す。例えば濾過媒体パックは、ある特定の現在入手可能な濾過媒体パックに比べて高められた性能を提供するために、特定の用途のために設計することができる。性能を高めることは、例えば遮蔽、溝の幅と高さの比、溝の長さ、溝の密度、溝の形状、溝の先細、及び溝の容積の非対称性の1つ又は複数を制御することからもたらすことができる。あらゆるこれらの技法は、所望の特性を有する濾過媒体パックを提供するために、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0082】
濾過媒体パックによって濾過することができる流体には、気体状物質及び液体状物質が含まれる。濾過することができる例示的気体状物質には空気が含まれる。濾過することができる例示的液体状物質には、水、油、燃料、及び油圧流体が含まれる。濾過媒体パックによって濾過される流体の例示的型には空気が含まれる。しかし濾過媒体パックは、他の気体状物質及び他の液体状物質を濾過するために使用することができることを理解されたい。
【0083】
一部の実施形態では、本明細書に開示された技術によって企図された溝は、溝の長さに沿って先細にすることができる。概して先細は、溝の長さに沿った溝の大きさの低減又は増加を指す。概して先細である濾過媒体は、媒体の第1の端部から媒体の第2の端部に大きさが低減する第1の組の溝、及び媒体の第1の端部から媒体の第2の端部に大きさが増加する第2の組の溝を提示することができる。一部の濾過媒体は、溝の長さに沿って先細ではないと考えられる領域、及び先細であると考えられる領域を含有することができる。
【0084】
場合によっては、入口及び出口のそれぞれは概ね平面であることが可能であり、2つは互いに平行である。しかしこのことからの変化、例えば非平面が一部の用途では可能である。更に入口流面及び反対側の出口流面の特徴は、入口流面及び出口流面が平行である必要はない。入口流面及び出口流面は、所望の場合に互いに平行であるように提供することができる。別法として、入口流面及び出口流面は、面が平行でないように互いに対して斜めに提供することができる。加えて非平面は非平行である面であると考えることができる。
【0085】
概して媒体を横切る圧力降下への言及は、媒体の第2の面で測定された圧力に対する媒体の第1の面で決定された圧力差を指し、第1の面及び第2の面は、概して溝の対向する端部に提供される。
【0086】
比較的高い溝の濃度を有する濾過媒体を提供するために、所望の圧力降下を維持する一方で、溝の長さは低減することができる。溝の長さは、濾過媒体の第1の面から濾過媒体の第2の面までの距離を指す。ある特定の実装形態では、溝の長さは、0.375インチを超え、別法として0.5インチを超え、1インチを超え、又は2インチを超える。例示的構成は、3インチを超え、4インチを超え、又は6インチを超える溝の長さを有する。任意選択として溝の長さは、8インチ、10インチ、又は12インチを超える。一部の構造では、溝の長さは、12インチ未満、10インチ未満、8インチ未満、6インチ未満、4インチ未満、又は2インチ未満である。
【0087】
一部の実施形態では、濾過媒体パックは、以下の公式に従って少なくとも35.0溝/インチ
2の溝の密度を提示する。
【数1】
一部の実施形態では、濾過媒体パックは、3~70溝/インチ
2の溝の密度を提示する。一部の実施形態では、濾過媒体パックは、4~10溝/インチ
2又は20~60溝/インチ
2の溝の密度を有する。一部の実施形態では、濾過媒体パックは、30~50溝/インチ
2の溝の密度を有する。一部の実施形態では、濾過媒体パックは、70溝/インチ
2未満の溝の密度を有する。
【0088】
現行の技術の一部の実施形態は、溝の容積の非対称性を有することができる。溝の容積の非対称性は、上流容積と下流容積との間の濾過要素の容積差を指す。上流容積は、濾過されていない流体を受領する濾過媒体のシートの間の容積を指し、下流容積は、上流側から濾過媒体を通過した濾過された流体を受領する濾過媒体のシートの間の容積を指す。一部の実施形態では、下流容積より大きい上流容積を有する濾過要素を提供することが望ましい可能性がある。空気を濾過する場合、空気内の微粒子は上流側に堆積され、その結果、濾過媒体の収容能力は上流側の容積に関連する可能性があることが見られる。一部の実装形態では、容積の非対称性を提供することにより、流入する流体を受領するために利用可能な容積を増加することができ、それによって媒体パックの収容能力を増加することができる。
【0089】
溝の容積の非対称性を有する濾過媒体は、上流容積と下流容積との間の差が10%を超えるときに存在する。任意選択で溝の容積の非対称性を提示する媒体は、約10%を超え、約20%を超え、30%を超え、好ましくは約50%を超える溝の容積の非対称性を有する。溝の容積の非対称性に対する例示的範囲は、約30%~約250%、及び約50%~約200%を含む。
【0090】
溝の容積の非対称性を有する濾過媒体は、標準の溝又は先細の溝の存在からもたらすことができる。更に比較的対称の先細の溝(例えば相対的に同じ程度にそれぞれの方向に先細の溝)を有する媒体は、溝の容積の非対称性がない(容積の非対称性が10%未満)媒体を提供することができる。従って先細の溝の有無は、非対称の容積の配置の有無を示唆せず又は意味しない。標準の溝の配置(例えば先細ではない)を有する媒体は、非対称の容積の配置を提示することも、しないこともある。
【0091】
本明細書に記載された濾過媒体は、様々な型の繊維及び繊維の組合せから構築することができる。一部の実施形態では、濾過媒体は、セルロース繊維、ガラス繊維、及び高分子繊維の1つ又は複数を有する。媒体は樹脂を含有することができる。溝形成工程の間に、媒体は樹脂のガラス転移点より高く加熱することができる。樹脂が冷却すると、樹脂は溝の形状を維持する助けとなる。
【0092】
媒体は、例えば参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第6,955,775号明細書、第6,673,136号明細書、及び第7,270,693号明細書に従って、その片側上又は両側に微細繊維材料を備えることができる。概して微細繊維は高分子微細繊維(マイクロファイバ及びナノファイバ)と呼ぶことができ、濾過性能を改善するために媒体上に提供することができる。媒体上に微細繊維が存在する結果、低減した重量若しくは厚さを有する一方で、所望の濾過特性を獲得する媒体を提供することが可能であり、又は望ましいことがある。それに応じて媒体上に微細繊維が存在することにより、高められた濾過特性を提供でき、より薄い媒体の使用を提供でき、又は両方が可能である。微細繊維のような特徴の繊維は、約0.001ミクロン~約10ミクロン、約0.005ミクロン~約5ミクロン、又は約0.01ミクロン~約0.5ミクロンの直径を有することができる。ナノファイバは、200ナノメートル、すなわち0.2ミクロン未満の直径を有する繊維を指す。マイクロファイバは、0.2ミクロン超だが10ミクロン以下の直径を有する繊維を指すことができる。微細繊維を形成するために使用することができる例示的材料は、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール高分子、並びに様々なナイロンを含む共重合体、例えばナイロン6、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン6,10及びそれらの共重合体など、ポリ塩化ビニル、PVDC、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、PMMA、PVDF、ポリアミド、並びにそれらの混合物を含む。
【0093】
上記明細書は、本発明の完全な記載を提供する。本発明の多くの実施形態は本発明の精神及び範囲から逸脱することなく作成できるので、本発明は以下に添付の特許請求の範囲に帰する。