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▶ スーヂョウ ルーシェン エレクトロニクス カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】多重入力駆動のラウドスピーカー
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/06 20060101AFI20240918BHJP
   H04R 7/14 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R7/14 K
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023064799
(22)【出願日】2023-04-12
(62)【分割の表示】P 2021577944の分割
【原出願日】2019-10-23
(65)【公開番号】P2023089128
(43)【公開日】2023-06-27
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】201921012649.X
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521567826
【氏名又は名称】スーヂョウ ルーシェン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂョウ,ジェンミン
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特許第7263564(JP,B2)
【文献】特開平08-154296(JP,A)
【文献】特開昭54-079618(JP,A)
【文献】特開平09-074600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 9/06
H04R 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、前記フレームに設けられたコーンと、3つ以上の入力駆動手段とを含み、各前記入力駆動手段は、それぞれボイスコイル及び前記ボイスコイルの振動を駆動するための磁気回路ユニットを含むラウドスピーカーであって、
前記フレームには、複数の磁気回路取付孔が設けられ、前記磁気回路取付孔毎には、最大で1つの前記磁気回路ユニットが設けられ、
前記コーンには複数のボイスコイル取付孔が設けられ、前記ボイスコイル取付孔毎には、最大で1つの前記ボイスコイルが設けられ、
また、前記ラウドスピーカーは、複数のボイスコイル孔が開口されたダンパーを1つ含み、各前記ボイスコイルは、対応する前記ボイスコイル孔にそれぞれ穿設されて前記ダンパーに密着され、
前記ダンパーは、平板状の本体部を有し、前記本体部に前記ボイスコイル孔が開口される、ことを特徴とする多重入力駆動のラウドスピーカー。
【請求項2】
3つ以上の前記入力駆動手段は、1つの円周に沿って等間隔に配列される、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【請求項3】
前記フレームに3つ以上の前記磁気回路取付孔が開口され、前記磁気回路取付孔が前記円周に沿って等間隔に配列され、各前記磁気回路取付孔のそれぞれに1つの前記磁気回路ユニットが設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のラウドスピーカー。
【請求項4】
前記フレームには、前記複数の磁気回路取付孔を取り囲むフランジを有し、前記ダンパーを前記フランジの内壁の間に係止するように前記ダンパーと前記フランジとはお互いに密着する、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【請求項5】
前記本体部は、互いに積層された織物層と、プラスチックシート層と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【請求項6】
前記フレームには通気孔が開口され、前記通気孔が、前記複数の磁気回路取付孔の間に開口される、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【請求項7】
各前記入力駆動手段はそれぞれダストカバーをさらに含み、前記ボイスコイルのそれぞれには、1つの前記ダストカバーがそれを覆うように設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【請求項8】
前記フレームには、複数ペアのオーディオ信号入力端子が設けられ、前記オーディオ信号入力端子のペアのそれぞれが1つのボイスコイルの導線に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【請求項9】
前記磁気回路ユニットは、チャンバを有するUヨークと、前記Uヨーク内に設置された磁石鋼および磁極芯とを含み、前記磁石鋼及び磁極芯と前記Uヨークの内壁との間には磁気ギャップが形成され、前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップに上下動可能に挿入され、前記Uヨークの上縁は、前記フレームの前記磁気回路取付孔に固定的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【請求項10】
前記コーンには複数の補強リブが設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【請求項11】
前記複数の入力駆動手段は、円形に沿って配列又は直線に沿って配列又はアレイ状に配列される、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【請求項12】
前記ラウドスピーカーは、3つ以上の前記入力駆動手段をさらに含み、3つ以上の前記入力駆動手段は、1つの円周に沿って等間隔に配列され、前記コーンは、全体として円形をなす平板状のコーン底部を有し、前記円周の円心と前記コーン底部の円心とは重なり、前記コーン底部には3つ以上の前記ボイスコイル取付孔が開口され、前記ボイスコイルをコーン底部に接続させるように、前記ボイスコイル取付孔のそれぞれに1つの前記ボイスコイルが設けられ、前記ラウドスピーカーは1つのダンパーをさらに含み、前記ダンパーには3つ以上のボイスコイル孔が開設され、3つ以上の前記ボイスコイル孔が前記円周に沿って等間隔に設けられ、各前記ボイスコイルは、対応する前記ボイスコイル孔にそれぞれ穿設される、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドスピーカー。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
本願は、2019年7月2日に出願された申請番号CN 201921012649.Xの中国実用新案の優先権を主張し、その全ての内容が引用文として本発明に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ラウドスピーカー分野に関し、特に多重入力駆動のラウドスピーカーに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のラウドスピーカーでは、一般的にコーン型のコーン(紙、PP等の材料からなる)を採用しダンパー構造と組み合わせ、コーン型コーンとダンパーの中間に中心孔を設け、ダンパーをコーン型コーンの下方に配置し、シングル信号入力ボイスコイルがダンパーとコーン型コーン中心孔とを通し、コーン型コーン、ダンパーはボイスコイルにそれぞれ接着されることによりラウドスピーカー振動システムを形成する。このようなラウドスピーカーがシングル信号入力にしか適用できず、音声原音の再生性には限界がある。
【0004】
そこで、現在の改良方式の1つとして、コーン型のコーンを採用しダンパー構造と組み合わせ、コーン型コーンとダンパーの中間に中心孔を設け、ダンパーをコーン型コーンの下方に配置し、そのうち、ボイスコイルをシングル信号入力方式から多重信号入力ボイスコイルに変えてダンパーとコーン型コーン中心孔に貫通させ、そのうち、ボイスコイルは複数組のコイルが内から外に積層されて形成されるものであり、コーン型コーン、ダンパーをそれぞれボイスコイルの外壁に接着させることによりラウドスピーカー振動システムを形成する。このようなラウドスピーカーを多重信号入力に適用してもよい。しかしながら、このようなラウドスピーカーは、1つのボイスコイルに複数のコイルが巻かれているため、複数のコイルが巻かれて1つのボイスコイルとなると、ボイスコイルの重量が大きくなり、このボイスコイルによってコーンを駆動すると、ラウドスピーカーの感度が損なわれる。
【発明の概要】
【0005】
上記問題を鑑みると、本発明は、ラウドスピーカーの歪みを低減しつつ、ラウドスピーカーの感度を向上させ、且つラウドスピーカーの明瞭さを高めた多重入力駆動のラウドスピーカーを提供する。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明が採用する技術案は、以下の通りである。
【0007】
多重入力駆動のラウドスピーカーであって、フレームと、前記フレームに設けられたコーンとを含み、各前記入力駆動手段は、それぞれボイスコイル及び前記ボイスコイルの振動を駆動するための磁気回路ユニットを含む、
前記フレームには、複数の磁気回路取付孔が設けられ、前記磁気回路取付孔毎には、最大で1つの前記磁気回路ユニットが設けられ、
前記コーンには複数のボイスコイル取付孔が設けられ、前記ボイスコイル取付孔毎には、最大で1つの前記ボイスコイルが設けられ、
また、前記スピーカは、複数のボイスコイル孔が開口されたダンパーを1つ含み、各前記ボイスコイルは、対応する前記ボイスコイル孔にそれぞれ穿設されて前記ダンパーと緊密に配合する。
【0008】
本発明において、「多重入力」は、複数のオーディオ信号入力を有することを意味し、「多重入力駆動」は、複数のオーディオ信号が複数のボイスコイルに入力され、これら複数のボイスコイルが共同でラウドスピーカーを発音させるように駆動することを意味する。
【0009】
一実施例において、前記ラウドスピーカーは、1つの円周に沿って等間隔に配列される3つ以上の前記入力駆動手段をさらに有する。
【0010】
一実施例では、前記コーンは、全体として円形をなす平板状のコーン底部を有し、前記円周の円心と前記コーン底部の円心とは重なり、前記コーン底部には3つ以上の前記ボイスコイル取付孔が開口され、前記ボイスコイルを前記コーン底部に接続させるように、前記ボイスコイル取付孔のそれぞれに1つのボイスコイルが設けられ、前記ダンパーには3つ以上の前記ボイスコイル孔が開口され、3つ以上の前記ボイスコイル孔は、前記円周に沿って等間隔に配列される。コーン底部が平板状を採用することで、コーンの全体的高さが低くなり、ラウドスピーカー全体の高さを低くするのに有利であり、指向性の広がり幅に優れるものとなる。
【0011】
一実施例において、前記フレームに3つ以上の前記磁気回路取付孔が開口され、前記磁気回路取付孔が前記円周に沿って等間隔に配列され、前記磁気回路取付孔にそれぞれ1つの前記磁気回路ユニットが設けられる。
【0012】
一実施例において、前記コーンは、前記コーン底部の外縁から上向きに傾斜して延びるテーパー縁部をさらに有し、前記テーパー縁部は、ヨークリングを介して前記フレームに固定的に接続される。
【0013】
一実施例において、前記フレームには、複数の前記磁気回路取付孔を取り囲むフランジを有し、前記ダンパーを前記フランジの内壁の間に係止するように前記ダンパーと前記フランジとはお互いに配合する。
【0014】
好ましくは、前記フランジは、閉じた円環状である。
【0015】
一実施例において、前記ダンパーは、平板状の本体部を有し、前記本体部に前記ボイスコイル孔が開口される。
【0016】
好ましくは、前記本体部は、互いに積層された織物層と、プラスチックシート層と、を含む。
【0017】
一実施例において、前記フレームには通気孔が開口され、前記通気孔が、前記複数の磁気回路取付孔の間に開口される。これにより、ボイスコイルが上下に振動するときに発生するガスの排出と、作動時に発生する熱の放出に寄与する。
【0018】
一実施例において、各前記入力駆動手段はそれぞれダストカバーをさらに含み、前記ボイスコイルのそれぞれには、1つの前記ダストカバーがそれを覆うように設けられる。
【0019】
一実施例において、前記磁気回路ユニットは、内腔を有するUヨークと、前記Uヨーク内に設置された磁石鋼および磁極芯とを含み、前記磁石鋼及び磁極芯と前記Uヨークの内壁との間には磁気ギャップが形成され、前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップに上下動可能に挿入され、前記Uヨークの上縁は、前記フレームの前記磁気回路取付孔に固定的に接続される。
【0020】
より好ましくは、前記磁石鋼は、ネオジム磁石鋼またはフェライト磁石鋼である。
【0021】
一実施例において、前記フレームには、複数ペアのオーディオ信号入力端子が設けられ、前記オーディオ信号入力端子のペアのそれぞれが1つのボイスコイルの導線に電気的に接続される。
【0022】
一実施例において、前記コーンには複数の補強リブが設けられる。これにより、コーンの作動中の強度を向上させる。
【0023】
一実施例において、前記複数の入力駆動手段は、円形に沿って配列又は直線に沿って配列又はアレイ状に配列される。
【0024】
一実施例において、前記ラウドスピーカーは、3つ以上の前記入力駆動手段をさらに含み、3つ以上の前記入力駆動手段は、1つの円周に沿って等間隔に配列され、前記コーンは、全体として円形をなす平板状のコーン底部を有し、前記円周の円心と前記コーン底部の円心とは重なり、前記コーン底部には3つ以上の前記ボイスコイル取付孔が開口され、前記ボイスコイル取付孔の中心線が前記円周を通し、前記ボイスコイルをコーン底部に接続させるように、前記ボイスコイル取付孔のそれぞれに1つの前記ボイスコイルが設けられ、前記ラウドスピーカーは1つのダンパーをさらに含み、前記ダンパーには3つ以上のボイスコイル孔が開設され、3つ以上の前記ボイスコイル孔が前記円周に沿って等間隔に設けられ、各前記ボイスコイルは、対応する前記ボイスコイル孔にそれぞれ穿設されて前記ダンパーに密着される。
【0025】
本発明は上記方案を採用し、従来と比べると、以下のような利点がある。
【0026】
本発明の多重入力駆動のラウドスピーカーは、巧妙で合理的な構造を有する。複数のボイスコイルでそれぞれオーディオ信号入力を受けることにより、原音再生性と歪み減少が従来のラウドスピーカーよりも優れている。複数のボイスコイルと複数の磁気回路ユニットとからなる入力駆動構造を採用することにより、ラウドスピーカーの感度を向上させ、ラウドスピーカーの明瞭さを高めた。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例の説明に用いる図面を簡単に説明するが、もちろん、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施例のみであり、当業者にとっては、進歩性のある労力を出さなくてもこれらの図面に基づいて、他の図面を得ることもできる。
【0028】
図1】本発明の実施例に係るラウドスピーカーの分解概略図である。
図2図1のフレームに磁気回路ユニットが取り付けられた後の模式図である。
図3図1のフレームにボイスコイル及びダンパーが取り付けられた後の模式図である。
図4図1のフラウドスピーカーが取り付けられた後の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の利点及び特徴を当業者に理解されやすいように本発明の好ましい実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施形態に対する説明は、本発明を理解するのを助けるためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0030】
本実施形態は、多重入力駆動のラウドスピーカーを提供し、ここで、多重入力は、複数のオーディオ信号入力を有することを意味し、複数のオーディオ信号が複数のボイスコイ
ルに入力され、これら複数のボイスコイルが共同でラウドスピーカーを発音させるように駆動する。図1乃至図4に示すように、この多重入力駆動のラウドスピーカーは、1つのフレーム1と、1つのコーン2と、複数の入力駆動手段3と、1つのダンパー4とを含む。コーン2は、振動発音に用いられ、フレーム1に固定的に接続される。各入力駆動手段3はそれぞれ、ボイスコイル32と、ボイスコイル32の振動を駆動するための磁気回路ユニットと、を含み、その中、フレーム1には、複数の磁気回路取付孔10が設けられ、各磁気回路取付孔10には、最大で1つの磁気回路ユニットが設けられ、コーン2には、複数のボイスコイル取付孔20が設けられ、各ボイスコイル取付孔20には、最大で1つのボイスコイル32が設けられ、ダンパー4は全体的に円形となり、ダンパー4には複数のボイスコイル孔40が開口され、ボイスコイル孔40毎には、最大で1つのボイスコイル32が穿設される。すなわち、複数の駆動入力手段は、フレーム1及びコーン2に取り付けられる。入力駆動手段3の数は3つ以上であり、ラウドスピーカーの駆動力を向上させるように、3つ以上の入力駆動手段3は、1つの円周に沿って等間隔に配列される。コーン2は、全体として円形をなす平板状のコーン底部21を有し、前記円周の円心と、コーン底部21の円心とは重なり、すなわち、複数の入力駆動手段3は、コーン底部21の周方向に沿って等間隔に配置される。それに応じて、コーン底部21に3つ以上のボイスコイル取付孔20が開口され、ボイスコイル取付孔20の中心線が前記円周を貫通し、ボイスコイル32をコーン底部21に接続させるように、ボイスコイル取付孔20のそれぞれに1つのボイスコイルが32設けられ、フレーム1には、3つ以上の磁気回路取付孔10が開口され、磁気回路取付孔10毎には、それぞれ円周に沿って等間隔に配列される磁気回路ユニットが1つ設けられ、ダンパー4にも3つ以上の円周に沿って等間隔に配列されるボイスコイル孔40が対応的に設けられ、各ボイスコイル孔40の中心線が前記円周を貫通し、ボイスコイル孔40のそれぞれに厳密に1つのボイスコイル32が穿設され、かつ、ボイスコイル32がダンパー4にしっかりと設置されるように、ボイスコイル孔40の孔径とボイスコイル32の外径とは一致する。具体的には、図1乃至図4に示すように、入力駆動手段3、ボイスコイル取付孔20、及び磁気回路取付孔10の数は、いずれも3つであり、且つコーン底部21の円心周りに環状にバランスよく並んでいる。
【0031】
本実施例において、コーン底部全体が円形をなすコーンを採用し、且つ、複数の入力駆動機構は、コーン底部の円形周りに環状に配列していることが好ましい。また、別の実施例において、前記コーンは、全体として楕円形又は矩形のコーン底部を有し、複数の前記入力駆動機構は、リニア配列またはアレイ状に配列されている。
【0032】
本実施例において、フレーム1は、プラスチックにより射出成形等のプロセスを経て製造されたものでり、成形しやいであるとともに一定の強度を持ち、磁気回路取付孔10は、上から下にかけて、フレーム1を貫通する貫通孔である。コーン2は、コーン底部21の外縁から上向きに傾斜して延びるテーパー縁部22をさらに有し、テーパー縁部22は、コーン底部21を取り囲んで一週設けられる。コーン2全体は、パルプ、プラスチック(例えばPP(ポリプロピレン))、防弾繊維またはアルミニウム合金からできたものであり、製造されたコーン2は、軽量で、減衰弾性及び剛性に優れ、高温・低温耐性があり、防水防カビ性もある。また、コーン2のテーパー縁部22は、1つのヨークリング5を介してフレーム1に接続され、ヨークリング5は、スポンジ、ゴムまたは布材からなる。前記の形状のコーン2によれば、従来のコーン型ラウドスピーカーよりも指向性の広がり幅に優れるとともに、従来の円錐型コーンより、高さが低くなり、ラウドスピーカー全体の高さを低くするのに有利である。
【0033】
ダンパー4は、フレーム1とコーン2とが接続された後に両者の間に形成されたキャビティに位置するとともにフレーム1に係止され、ダンパー4の制約により、ボイスコイル
32が上下方向の活動だけが可能となり、水平方向には変位不能となる。具体的には、フレーム1には、3つの磁気回路取付孔10を取り込むとともに上方に延びるフランジ11
を有し、具体的に、フランジ11は、一回りする円環状の突起であり、ダンパー4は、フランジ11内に係止され、且つ、ダンパー4の外縁とフランジの内壁とは密着している。これにより、ダンパー4がフランジ11の内壁間(図3に示す)に係止されてダンパー4の揺れを防止できる。ダンパー4の本体部は平板状であり、ダンパー4の縁部は環状の凹みと突起を有し、ボイスコイル孔40がダンパー4の本体部に開口され、ダンパー4の本体部は、互いに積層された織物層とプラスチックシート層とを含み、ダンパー4の強度を増加させるようにプラスチックシート層が織物層に貼り合わされている。
【0034】
フレーム1の中部には、通気孔12が開口されており、具体的に、通気孔12は、3つの磁気回路取付孔10の間に開口されており、通気孔12は、上から下にかけてフレーム1の中部を貫通し、これにより、ボイスコイルが上下に振動するときに発生するガスの排出と、作動時に発生する熱の放出に寄与する。
【0035】
各入力駆動手段3は、それぞれ、ダストカバー31をさらに含む。以下、入力駆動手段3の具体的な構造について詳細に説明する。図1に示すように、入力駆動手段3のそれぞれは、ダストカバー31と、ボイスコイル32と、副ネオジム磁石鋼33と、磁極芯34と、主ネオジム磁石鋼35と、Uヨーク36とを有する。各入力駆動手段3において、ダストカバー31がコーン2に固定的に接続され、ボイスコイル取付孔20のそれぞれには、1つのダストカバー31がそれを覆うように設けられ、ボイスコイル32はダストカバー31の下方にカバーされるように設けられる。ボイスコイル32の上端は、コーン2のボイスコイル取付孔20に挿設されてそれらが密着し、ボイスコイル32とコーン2とが連結して、コーン2を振動させるように駆動できる。Uヨーク36は、内腔を有し上端が開放して設けられ、Uヨーク36の上縁は、磁気回路取付孔10(例えば、磁気回路取付孔10の孔壁、あるいは、磁気回路取付孔10に近いフレーム1下面)に固定的に接続され、磁気回路取付孔10は、Uヨーク36の内腔に連通する。副ネオジム磁石鋼33、磁極芯34、主ネオジム磁石鋼35は、上から下にかけて積層されるとともにUヨーク36の内腔に固定的に設置されることにより、磁気回路ユニットが形成される。副ネオジム磁石鋼33の下面は磁極芯34の上面に密着し、磁極芯34の下面は主ネオジム磁石鋼35の上面に密着する。副ネオジム磁石鋼33、磁極芯34および主ネオジム磁石鋼35の三者とUヨーク36の内壁との間には、間隔があるため、副ネオジム磁石鋼33、磁極芯34および主ネオジム磁石鋼35の三者を取り囲む磁気ギャップが形成され、ボイスコイル32の下端が磁気回路取付孔10から下向きに磁気ギャップに挿設され、ボイスコイル32と、副ネオジム磁石鋼33、磁極芯34および主ネオジム磁石鋼35の三者との間に隙間があり、Uヨーク36内壁との間にも隙間があり、磁気ギャップで上下に活動することができる。
【0036】
本実施例における磁気回路ユニットは、上記副ネオジム磁石鋼と主ネオジム磁石鋼を採用し、小型且つ軽量というメリットがある。別の実施例において、磁気回路ユニットにおける上記副ネオジム磁石鋼と主ネオジム磁石鋼をフェライト磁性鋼に置き換えて磁気回路ユニットのコストを削減することができる。
【0037】
図2及び図3に示すように、フレーム1の縁部には、3ペアのオーディオ信号入力端子6が設けられ、3ペアのオーディオ信号入力端子6が、フレーム1の円周に沿って等間隔に配列され、且つ、フレーム1には、外部ケーブルを接続するためのスロットが設けられ、オーディオ信号入力端子6の各ペアがそれぞれ1つのボイスコイル32の導線に電気的に接続される。なお、オーディオ信号入力端子6ペアのそれぞれは正極端子と負極端子とを有し、各ボイスコイル32の1本の導線がオーディオ信号入力端子6ペアの正極端子に電気的に接続され、もう1本の導線がオーディオ信号入力端子6ペアの負極端子に電気的に接続されることにより、このオーディオ信号入力端子6ペアによって入力されたオーディオ信号(アナログ信号またはデジタル信号)を受信する。これにより、3ペアのオーデ
ィオ信号入力端子6により3つのボイスコイル32が同時に駆動される。フレーム1にオーディオ信号入力を複数回実現する統合端子を設けることにより、各ボイスコイル32の正負極導線は、それぞれ、フレーム1の底部中間の端子と接続可能となり、このような接続方式は、多重入力駆動ラウドスピーカーの製造を簡便にするとともに、オーディオ信号入力の接続も便利にする。
【0038】
図4に示すように、コーン2に複数の補強リブ23が設けられることにより、コーン2の作業強度を向上させることができる。具体的には、図4において、複数の補強リブ23は、コーン2の周方向に沿って等間隔に配列され、各補強リブ23は、コーン2の径方向に延びている。補強リブ23は、ボイスコイル取付孔20の間に位置している。且つ、補強リブ23は、コーン底部21からテーパー縁部22まで延伸することで、平板のコーン底部21とテーパー縁部22の間の強度を向上させる。
【0039】
この多重入力駆動のラウドスピーカーの動作原理は下記である。オーディオ信号がフレーム1上のオーディオ信号入力端子6を介して複数のボイスコイル32に入力され、複数のボイスコイル32が磁気回路ユニットによって同期して上下に活動することにより、コーン2を振動し発音される。本発明の多重入力駆動のラウドスピーカーは、底部が平板状のコーン2を用いて、コーン底部21に形成された平面上に3つ以上のボイスコイル取付孔20を開口され、且つ、3つ以上のボイスコイル32と緊密に結合しており、ボイスコイル32は、さらにダンパー4と緊密に結合して3つ以上の入力駆動手段3が形成され、3つ以上の磁気回路ユニットによりボイスコイル32を駆動させ、3つ以上のボイスコイル32でコーン2を押動するので、製品の高さを低減できるとともに、製品の指向性を広げることもできる。複数のオーディオ信号入力により、製品の歪みを低減し、ラウドスピーカーの感度を向上させ、ラウドスピーカーの明瞭さも向上させる。統合端子によれば、製品自体の接続を簡略化するとともに、オーディオ信号入力接続を便利にする。
【0040】
このラウドスピーカー構造は、巧妙で合理的な構造を有し、平面の底部がコーン構造を採用することで、指向性の幅が従来のラウドスピーカーに比べて優れている。オーディオ信号入力を3つ以上のボイスコイルでそれぞれ受信することにより、サウンド再生性と歪みがラウドスピーカーよりも優れている。平面の底部がコーン形状を採用することで、コーンの高さが従来のコーン型のコーンよりも低くなり、コン高さの低下によって製品高さの低下も実現できる。3つ以上のボイスコイルと3つ以上の磁気回路ユニットからなる入力駆動構造を採用することで、ラウドスピーカーの感度を増加させる。3つ以上のボイスコイルは、平面の底部がコーン型のコーンが3つ以上のボイスコイルに密着されることにより、3つ以上のボイスコイルは、Uヨーク磁気回路において3以上のオーディオ信号入力を介してボイスコイルの上下の活動を駆動させてコ―ンを発音される。
【0041】
上記実施例は、本発明の技術的思想及び特徴を説明するための好ましい実施例であり、その目的は、この技術を熟知している者に本発明の内容を理解させ、それに応じて本発明を実施させることであり、実施例によって本発明の保護範囲を限定することができない。本発明の精神的な旨による等価的な変化や修飾は、いずれも本発明の保護範囲内に属する。
【符号の説明】
【0042】
1 フレーム
10 磁気回路取付孔
11 フランジ
12 通気孔
2 コーン
20 ボイスコイル取付孔
21 コーン底部
22 テーパー縁部
23 補強リブ
3 入力駆動手段
31 ダストカバー
32 ボイスコイル
320 導線
33 副ネオジム磁石
34 磁極芯
35 主ネオジム磁石鋼
36 Uヨーク
4 ダンパー
40 ボイスコイル孔
5 ヨークリング
6 オーディオ信号入力端子
図1
図2
図3
図4