(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】工作機械、工作機械の制御方法および工作機械の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/18 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
G05B19/18 X
(21)【出願番号】P 2023197363
(22)【出願日】2023-11-21
【審査請求日】2024-01-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年2月2日 姫路メタリコン株式会社に販売
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中東 恒人
(72)【発明者】
【氏名】大内 俊徳
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-076182(JP,A)
【文献】特開2021-150540(JP,A)
【文献】国際公開第2017/149666(WO,A1)
【文献】特開2021-163262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B19/18-19/416
G05B19/42-19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラームデータを格納した記憶部と、
取得した1つ以上の信号に基づいて、前記アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部と、
選択された前記1つ以上のアラームを画面に出力する出力部とを備え、
前記1つ以上の信号は、工作機の出力信号、オペレータの入力及び周辺装置の出力信号を含み、工作機械の異常を特定するために使用され、
前記画面は、
1つ以上のアイコンを含む第1領域と、
前記工作機械に関する1つ以上の情報の各々を表示するための複数のウィンドウを含む第2領域とを含み、
前記制御部は、2つのアラームを選択したことに基づいて、前記2つのアラームを前記複数のウィンドウの中の1つのウィンドウ内に収まるように、前記第2領域の前面に表示する、工作機械。
【請求項2】
前記2つのアラームの横方向の長さは、前記1つのウィンドウの横方向の長さよりも短く、
前記2つのアラームは前記1つのウィンドウの一部を覆い、前記1つのウィンドウの他の部分は前記画面に描画され、
前記2つのアラームの左端部は、前記1つのウィンドウの左端部と同じ位置にあり、
前記2つのアラームの右端部は、前記1つのウィンドウの右端部よりも前記1つのウィンドウの内側に位置する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記アラームデータは、前記1つ以上のアラームの各々のID(Identifier)と、異常の内容、原因または解決方法に関係する1つ以上の表示項目とを含み、
前記1つ以上のアラームの各々は、前記1つ以上のアラームの各々に紐付く前記1つ以上の表示項目を含む、請求項1
または2に記載の工作機械。
【請求項4】
ユーザからの入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記出力部は、前記入力部が、前記1つ以上のアラームの表示切替入力を受け付けたことに基づいて、前記1つ以上のアラームを表示または非表示にする、請求項
3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記出力部は、前記入力部が、前記1つ以上のアラームの移動入力を受け付けたことに基づいて、前記1つ以上のアラームの表示位置を変更する、請求項
4に記載の工作機械。
【請求項6】
前記出力部は、前記1つ以上のアラームの発生を示すインジケータを前記画面に出力し、
前記入力部が前記1つ以上のアラームの表示切替入力を受け付けたことに基づいて、前記1つ以上のアラームを表示または非表示にすることは、前記インジケータが操作されたことに基づいて、前記1つ以上のアラームを表示または非表示にすることを含む、請求項
4に記載の工作機械。
【請求項7】
前記1つ以上のアラーム
が複数のアラームを含む場合、
前記複数のアラームの各々は複数のポップアップの各々として前記画面に出力され、
時系列順に並んだ前記
複数のポップアップは、
スクロール可能に構成され、
前記1つ以上の表示項目の表示および非表示を切り替え可能に構成される、請求項
4に記載の工作機械。
【請求項8】
前記
複数のポップアップは、前記
複数のアラームの各々の詳細情報を表示するための表示項目を含み、
前記出力部は、前記表示項目が操作されたことに基づいて、前記1つ以上のアラームの前記詳細情報を前記画面に出力する、請求項
7に記載の工作機械。
【請求項9】
前記1つ以上のアラームのいずれか1つは、シャッタの開動作が許容時間内に完了しませんでした、というメッセージを含む、請求項1
または2記載の工作機械。
【請求項10】
工作機械の制御方法であって、
記憶部に格納されたアラームデータを参照することと、
制御部が取得した1つ以上の信号に基づいて、前記アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択することと、
選択された前記1つ以上のアラームを画面に出力することとを含み、
前記1つ以上の信号は、工作機の出力信号、オペレータの入力及び周辺装置の出力信号を含み、工作機械の異常を特定するために使用され、
前記画面は、
1つ以上のアイコンを含む第1領域と、
前記工作機械に関する1つ以上の情報の各々を表示するための複数のウィンドウを含む第2領域とを含み、
2つのアラームを選択したことに基づいて、前記2つのアラームを前記複数のウィンドウの中の1つのウィンドウ内に収まるように、前記第2領域の前面に表示することをさらに含む、制御方法。
【請求項11】
工作機械の制御プログラムであって、
記憶部に格納されたアラームデータを参照することと、
制御部が取得した1つ以上の信号に基づいて、前記アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択することと、
選択された前記1つ以上のアラームを画面に出力することとを前記工作機械に実行させ、
前記1つ以上の信号は、工作機の出力信号、オペレータの入力及び周辺装置の出力信号を含み、工作機械の異常を特定するために使用され、
前記画面は、
1つ以上のアイコンを含む第1領域と、
前記工作機械に関する1つ以上の情報の各々を表示するための複数のウィンドウを含む第2領域とを含み、
2つのアラームを選択したことに基づいて、前記2つのアラームを前記複数のウィンドウの中の1つのウィンドウ内に収まるように、前記第2領域の前面に表示することをさらに前記工作機械に実行させる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工作機械に関し、より特定的には、アラームの通知技術に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械は、作業員の安全確保および工作機械自体の破損を防止するために、アラームを出力する機能を備えることがある。一例として、アラームは、工作機械に備え付けられた表示装置に出力されることがある。
【0003】
アラームの通知技術に関し、例えば、特開2017-122613号公報(特許文献1)は、アラーム通知機能を備える工作機械を開示している。当該工作機械は、「制御盤、制御盤内の温度及び湿度を測定する温度センサー及び湿度センサー、温度及び湿度に基づいて水蒸気量を算出する水蒸気量算出部、水蒸気量を記憶する水蒸気量記憶部を有する。さらに、水蒸気量算出部が算出した水蒸気量と、水蒸気量記憶部が記憶している水蒸気量と、に基づき水蒸気量変化率を算出する水蒸気量変化率算出部、予め設定された閾値を保持する水蒸気量変化率閾値設定部、水蒸気量変化率が閾値以上であるか否かを判定する水蒸気量変化率比較部、水蒸気量変化率が閾値以上である場合にアラームを通知するアラーム通知部を有する」というものである([要約]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術によると、作業員に、工作機械の異常を通知することはできるかもしれない。しかしながら、工作機械において発生する異常は多岐にわたる。そのため、アラームが単純なエラーコードのみを含む場合、作業員は、アラームを確認した後、工作機械の異常の原因を特定するのに多大な工数を要する可能性がある。したがって、作業員による工作機械の異常の原因特定および解決を容易にするためのアラーム通知技術が必要とされている。
【0006】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、作業員による工作機械の異常の原因特定および解決を容易にするためのアラーム通知技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある実施の形態に従うと、工作機械が提供される。当該工作機械は、アラームデータを格納した記憶部と、取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部と、アラーム種別に応じて、選択された1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更して画面に出力する出力部とを備える。
【0008】
他の実施の形態に従うと、他の工作機械が提供される。当該工作機械は、アラームデータを格納した記憶部と、取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部と、選択された1つ以上のアラームを時系列順に並べて画面に出力する出力部とを備える。
【0009】
また、他の実施の形態に従うと、他の工作機械が提供される。当該工作機械は、アラームデータを格納した記憶部と、取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部と、選択された1つ以上のアラームを画面に出力する出力部とを備える。画面は、1つ以上のアイコンを含む第1領域と、工作機械に関する1つ以上の情報を含む第2領域とを含む。選択された1つ以上のアラームは、第2領域の一部を覆うように画面に表示される。
【0010】
ある局面において、アラームデータは、1つ以上のアラームの各々のID(Identifier)と、異常の内容、原因または解決方法に関係する1つ以上の表示項目とを含む。1つ以上のアラームの各々は、1つ以上のアラームの各々に紐付く1つ以上の表示項目を含む。
【0011】
ある局面において、工作機械は、ユーザからの入力を受け付ける入力部をさらに備える。出力部は、入力部が、1つ以上のアラームの表示切替入力を受け付けたことに基づいて、1つ以上のアラームを表示または非表示にする。
【0012】
ある局面において、出力部は、入力部が、1つ以上のアラームの移動入力を受け付けたことに基づいて、1つ以上のアラームの表示位置を変更する。
【0013】
ある局面において、出力部は、1つ以上のアラームの発生を示すインジケータを画面に出力する。入力部が1つ以上のアラームの表示切替入力を受け付けたことに基づいて、1つ以上のアラームを表示または非表示にすることは、インジケータが操作されたことに基づいて、1つ以上のアラームを表示または非表示にすることを含む。
【0014】
ある局面において、1つ以上のアラームの各々は、1つ以上のポップアップの各々として画面に出力される。時系列順に並んだ1つ以上のポップアップは、スクロール可能に構成され、1つ以上の表示項目の表示および非表示を切り替え可能に構成される。
【0015】
ある局面において、1つ以上のポップアップは、1つ以上のアラームの各々の詳細情報を表示するための表示項目を含む。出力部は、表示項目が操作されたことに基づいて、1つ以上のアラームの詳細情報を画面に出力する。
【0016】
ある局面において、1つ以上のアラームのいずれか1つは、シャッタの開動作が許容時間内に完了しませんでした、というメッセージを含む。
【0017】
他の実施の形態に従うと、工作機械の制御方法が提供される。当該制御方法は、記憶部に格納されたアラームデータを参照することと、制御部が取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択することと、アラーム種別に応じて、選択された1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更して画面に出力することとを含む。
【0018】
また、他の実施の形態に従うと、工作機械の他の制御方法が提供される。当該制御方法は、記憶部に格納されたアラームデータを参照することと、制御部が取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択することと、選択された1つ以上のアラームを時系列順に並べて画面に出力することとを含む。
【0019】
また、他の実施の形態に従うと、工作機械の他の制御方法が提供される。当該制御方法は、記憶部に格納されたアラームデータを参照することと、制御部が取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択することと、選択された1つ以上のアラームを画面に出力することとを含む。画面は、1つ以上のアイコンを含む第1領域と、工作機械に関する1つ以上の情報を含む第2領域とを含む。選択された1つ以上のアラームは、第2領域の一部を覆うように画面に表示される。
【0020】
また、他の実施の形態に従うと、工作機械の制御プログラムが提供される。当該制御プログラムは、記憶部に格納されたアラームデータを参照することと、制御部が取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択することと、アラーム種別に応じて、選択された1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更して画面に出力することとを工作機械に実行させる。
【0021】
また、他の実施の形態に従うと、工作機械の他の制御プログラムが提供される。当該制御プログラムは、記憶部に格納されたアラームデータを参照することと、制御部が取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択することと、選択された1つ以上のアラームを時系列順に並べて画面に出力することとを工作機械に実行させる。
【0022】
さらに、他の実施の形態に従うと、工作機械の他の制御プログラムが提供される。当該制御プログラムは、記憶部に格納されたアラームデータを参照することと、制御部が取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択することと、選択された1つ以上のアラームを画面に出力することとを工作機械に実行させる。画面は、1つ以上のアイコンを含む第1領域と、工作機械に関する1つ以上の情報を含む第2領域とを含む。選択された1つ以上のアラームは、第2領域の一部を覆うように画面に表示される。
【発明の効果】
【0023】
ある実施の形態に従うと、作業員による工作機械の異常の原因特定および解決を容易にするためのアラーム通知技術を提供できる。
【0024】
この開示内容の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本開示に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施の形態に従う工作機械100の動作概要の一例を示す図である。
【
図2】工作機械100の制御装置200および表示装置110の構成の一例を示す図である。
【
図15】アラームの表示情報の第1の例を示す図である。
【
図16】アラームの表示情報の第2の例を示す図である。
【
図17】アラームの表示情報の第3の例を示す図である。
【
図18】アラームの表示情報の第4の例を示す図である。
【
図19】工作機械100によるアラームの表示処理の手順の一例を示す図である。
【
図20】工作機械100によるアラームの表示切り替え処理の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。また、各実施の形態、各変形例、各ソフトウェアの構成、各ハードウェアの構成、各機能、及び、各処理等は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0027】
<システムの構成>
まず、
図1および
図2を参照して、本実施の形態に従う工作機械100の動作概要およびハードウェア構成について説明する。工作機械100は、ワークを加工する任意の装置である。一例として、工作機械100は、マシニングセンタであってもよい。また、工作機械100は、横形マシニングセンタであってもよいし、縦形マシニングセンタであってもよい。ある局面において、工作機械100は、NC(Numerically Controlled)工作機械、旋盤、フライス盤、付加加工機、その他の切削機械もしくは研削機械であってもよい。
【0028】
図1は、本実施の形態に従う工作機械100の動作概要の一例を示す図である。工作機械100は、制御装置200(
図2参照)が実行する制御命令によって動作する。工作機械100は、1つ以上の任意のセンサー(図示せず)を備える。一例として、工作機械100は、シャッタの開閉を検知するセンサーを備える。他の例として、工作機械100は、工具を保持するスピンドルの回転数を検知するセンサーを備える。また、工作機械100は、シャッタ等の1つ以上の周辺装置を取り付け可能に構成される。工作機械100は、制御装置200が取得する1つ以上の信号に基づいて、工作機械100の異常の有無を判定する。一例として、制御装置200が取得する1つ以上の信号は、オペレータにより入力される制御命令、各種センサーが出力する信号、工作機械100が出力する信号、工作機械100の周辺装置が出力する信号、制御盤内の状態を示す信号、および、工作機械100の操作パネルのOS(Operating System)からの信号を含む。また、制御装置200が取得する1つ以上の信号は、これらの信号の組み合わせを含む。オペレータにより入力される制御命令は、一例として、プログラムによる指令、ボタン操作、ロータリースイッチの選択等を含む。制御盤内の状態を示す信号は、ブレーカーのオンオフを示す信号等を含む。周辺装置は、一例として、シャッタ、ロボット、および、高圧クーラントユニット等の任意の周辺装置を含む。ロボットおよび高圧クーラントユニット等の周辺装置がアラーム状態(異常状態)になった場合、これらの周辺装置は、アラーム状態を示す信号を出力する。工作機械100は、当該信号を取得する。周辺装置が出力する信号は、アラーム状態を示す信号以外にも多様な状態を示す信号を含み得る。
【0029】
1つ以上の異常が存在する場合、工作機械100は、1つ以上のアラームを出力する。1つ以上のアラームの各々は、1つ以上の異常の各々に対応し得る。一部のアラームは、複数の異常に対応してもよい。より具体的には、工作機械100は、1つ以上のアラームを表示装置110の画面120に出力する。作業員130は、表示装置110の画面120に含まれるアラームを参照することで、工作機械100の異常の原因の特定および解決を行い得る。
【0030】
画面120は、作業員による原因の特定および解決を容易にするためのいくつかの情報を含む。一例として、工作機械100は、1つ以上のアラームを時系列順に並べて画面120に出力する。1つ以上のアラームを時系列順に表示することで、作業員130は、工作機械100の異常を発生した順に調査し得る。また、工作機械100は、アラーム種別に応じて、1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更する。表示形式は、色、ハイライト、枠の有無、点滅の有無、輝度、その他の任意の表示形式またはこれらの組み合わせを含み得る。一例として、アラーム種別は、アラームの緊急度であってもよい。他の例として、アラーム種別は、アラームの属性(工具のアラーム、シャッタのアラーム等)であってもよい。1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更することで、作業員130は、重要なアラームとそうでないアラーム等を容易に区別し得る。また、作業員130は、重要なアラームから対処し得る。
【0031】
また、1つ以上のアラームの各々は、要約、問題、考えられる要因、対処、および、対処指令等の1つ以上の任意の項目を含み得る。ある局面において、1つ以上のアラームの各々は、異なる項目を含んでいてもよい。一例として、アラームAは、要約、問題、考えられる要因、対処、および、対処指令を含むとする。この場合に、アラームBは、要約および問題のみを含んでもよい。他の局面において、各アラームは、同一の項目を含んでいてもよい。一例として、アラームA,Bは、いずれも要約、問題、対処方法、および、対処指令コードを含んでもよい。各アラームが、工作機械100の異常の原因特定および解決に必要な複数の項目を含むことで、作業員130は、工作機械100の異常の原因を容易に絞り込み、異常を迅速に解決し得る。
【0032】
また、画面120は、アラームの有無を知らせるインジケータを含み得る。インジケータは、一例として、アイコンである。インジケータは、アラームが発生すると点滅する。画面120がインジケータを含むことにより、作業員130は、アラームの発生に即座に気づくことができる。
【0033】
また、画面120は、作業員130の入力を受け付けたことに基づいて、1つ以上のアラームの表示および非表示を切り替え可能に構成される。当該作業員130の入力は、一例として、インジケータを押すことであってもよい。この場合、工作機械100は、インジケータを押されることにより、1つ以上のアラームの表示および非表示を切り替え可能に構成される。作業員130は、1つ以上のアラームの表示および非表示を切り替えることで、画面120上の重要な情報が1つ以上のアラームの裏に隠れないようにできる。
【0034】
さらに、画面120は、作業員の入力を受け付けたことに基づいて、1つ以上のアラームを画面120内で移動可能に構成される。作業員130は、1つ以上のアラームを移動させることで、画面120上の重要な情報が1つ以上のアラームの裏に隠れないようにできる。
【0035】
また、工作機械100は、1つ以上のアラームの各々における1つ以上の項目の表示および非表示を切り替え可能に構成される。一例として、1つ以上のアラームの各々は、表示切替項目を含み得る。工作機械100は、各アラームの表示切替項目が押されたことに基づいて、各アラームの1つ以上の項目の表示および非表示を切り替える。一例として、画面120に、アラームAの要約が表示されているとする。この場合、作業員130はアラームAの表示切替項目を押したとする。このとき、工作機械100は、画面120に、要約に加え、アラームAの残りの項目(問題点、対処方法、および、対処指令コード等)を表示する。逆に、画面120に、アラームAの全ての項目が表示されているとする。この場合、作業員130はアラームAの表示切替項目を押したとする。このとき、工作機械100は、画面120から、アラームAの要約以外の項目を非表示にする。作業員130は、各アラームの1つ以上の項目の表示および非表示を切り替えることで、画面120上の重要な情報が1つ以上のアラームの裏に隠れないようにできる。
【0036】
また、工作機械100は、画面120に表示された1つ以上のアラームの全てをスクロール可能に構成される。作業員130は、1つ以上のアラームをスクロールすることで、画面120に入りきらない大量のアラームを確認し得る。
【0037】
図2は、工作機械100の制御装置200および表示装置110の構成の一例を示す図である。制御装置200は、工作機械100を制御する装置である。制御装置200の装置構成は、任意である。制御装置200は、単体の制御ユニットで構成されてもよいし、複数の制御ユニットで構成されてもよい。一例として、制御装置200は、NC(Numerical Control)ユニットを含んでよいし、PLC(Programmable Logic Controller)を含んでもよい。表示装置110は、工作機械100に着脱可能に構成される装置である。表示装置110は、工作機械100から取得した情報を表示し得る。また、表示装置110は、作業員130からの操作入力を受付可能に構成される。さらに、表示装置110は、工作機械100に命令を送信し得る。
【0038】
ある局面において、制御装置200および表示装置110は、一体型の装置として実現されてもよい。他の局面において、表示装置110は、アラーム出力に関する全ての機能を備えていてもよい。この場合、表示装置110は、制御装置200が備える1つ以上の任意の構成(制御部202、記憶部213等)を備え得る。表示装置110は、制御装置200から、制御装置200が取得する1つ以上の信号を取得してもよい。また、表示装置110は、制御装置200が取得する1つ以上の信号に基づいて本明細書に開示されているアラームに関する全ての処理を実行してもよい。
【0039】
制御装置200は、プロセッサ210と、RAM(Random Access Memory)211と、ROM(Read Only Memory)212と、記憶部213と、出力部214と、入力部215と、第1通信部216と、第2通信部217と、バス218とを備える。ある局面において、プロセッサ210、RAM211およびROM212は、制御部202として構成されてもよい。制御部202は、1つの基板またはチップとして実現され得る。他の局面において、出力部214および入力部215は、1つの外部機器接続部として、実現されてもよい。表示装置110は、出力装置232と、入力装置234とを備える。
【0040】
プロセッサ210は、一例として、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせ等によって構成され得る。
【0041】
プロセッサ210は、アラームプログラム220を実行することで、本明細書に開示されるアラームの表示処理を実現する。プロセッサ210は、アラームプログラム220の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶部213またはROM212からRAM211にアラームプログラム220を読み出す。
【0042】
RAM211は、ワーキングメモリとして機能する。RAM211は、アラームプログラム220、および、アラームデータ222等のアラームプログラム220の実行に必要な各種データを一時的に格納する。また、RAM211は、プロセッサ210が実行するその他の任意のプログラム、および、プロセッサ210が参照する任意のデータを一時的に格納し得る。ある局面において、RAM211は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)等によって実現され得る。
【0043】
ROM212は、不揮発性メモリーであり、プロセッサ210によって実行されるプログラムを格納する。ある局面において、ROM212は、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリー等によって実現され得る。
【0044】
記憶部213は、不揮発性メモリーであり、プロセッサ210によって実行されるアラームプログラム220およびプロセッサ210によって参照されるアラームデータ222を格納している。ある局面において、記憶部213は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリー等によって実現され得る。
【0045】
アラームプログラム220は、本明細書に開示されるアラームに関する処理を実現するためのプログラムである。アラームデータ222は、本明細書に開示されるアラームに関する処理を実現するためのデータである。アラームデータ222は、アラームの表示に必要な各種情報を含み得る。プロセッサ210は、アラームデータ222を参照し、アラームプログラム220を実行する。そうすることで、プロセッサ210は、本明細書に開示されるアラームに関する処理を実現する。ある局面において、アラームプログラム220は、工作機械100を制御する制御プログラムの一部であってもよい。この場合、アラームプログラム220は、工作機械100に対する制御命令を含む。また、アラームプログラム220は、制御装置200が取得する1つ以上の信号に基づいて、アラームを出力可能に構成される。
【0046】
出力部214は、任意の出力装置に接続され得る。出力部214は、出力装置232と接続される。ある局面において、出力部214は、USB(Universal Serial Bus)端子、D-sub端子、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)端子およびディスプレイポート端子等によって実現され得る。
【0047】
入力部215は、任意の入力装置に接続され得る。入力部215は、入力装置234と接続される。ある局面において、入力部215は、USB端子、PS/2端子およびBluetooth(登録商標)モジュール等によって実現され得る。ある局面において、出力部214および入力部215は、1つの外部機器接続部として実現されてもよい。この場合、当該外部機器接続部は、表示装置110の外部機器接続部と接続される。
【0048】
第1通信部216は、フィールドバスに接続される各種ユニットとの通信を実現するためのインターフェイスである。当該フィールドバスに接続されるユニットの一例として、PLCやI/Oユニットなどが挙げられる。第1通信部216は、各種センサー、工作機械100、および、周辺装置から1つ以上の信号を取得し得る。アラームプログラム220の実行時に、制御装置200は、第1通信部216が取得したこれらの信号を参照し得る。
【0049】
第2通信部217は、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して他の機器と接続される。ある局面において、第2通信部217は、有線LAN(Local Area Network)ポートおよびWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)モジュール等によって実現され得る。他の局面において、第2通信部217は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルを用いてデータを送受信し得る。
【0050】
バス218は、プロセッサ210、RAM211、ROM212、記憶部213、出力部214、入力部215、第1通信部216および第2通信部217を相互に通信可能に接続する。
【0051】
出力装置232は、ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の任意の出力装置である。入力装置234は、キーボード、マウス、タッチパッドまたはゲームパッド等の任意の入力装置である。ある局面において、入力装置234は、出力装置232と重ねて使用されるタッチパネルを含み得る。ある局面において、出力装置232および入力装置234は、表示装置110の一部として実現されてもよい。他の局面において、出力装置232および入力装置234は、独立した装置として実現されてもよい。
【0052】
<表示>
次に、
図3~
図14を参照して、表示装置110の画面に表示される1つ以上のアラームの詳細について説明する。画面に表示される1つ以上のアラームは、制御装置200または表示装置110によって生成される。また、制御装置200または表示装置110は、作業員130による操作入力に基づいて、画面に表示される1つ以上のアラームの表示を変更する。一例として、制御装置200または表示装置110は、1つ以上のアラームの表示および非表示を切り替えたり、1つ以上のアラームを移動させたりし得る。制御装置200および表示装置110は、工作機械100の一部として動作し得る。そのため、工作機械100は、画面に表示される1つ以上のアラームを生成していると言える。また、工作機械100は、画面に表示される1つ以上のアラームの表示を変更していると言える。
【0053】
図3は、画面の第1の例を示す図である。画面300は、アラームが発生していない時の画面である。画面300は、第1領域302と、第2領域304とを含む。第1領域302は、各種アイコン等を含む。ある局面において、第1領域302は、アイコン以外にも、工作機械100に関する任意の情報を含んでもよい。第2領域304は、工作機械100に関する1つ以上の情報を含む。工作機械100に関する1つ以上の情報は、一例として、マシンモデルビュー、ワークオフセット、工作機械100の設定、工具の座標等を含む。ある局面において、工作機械100に関する1つ以上の情報は、ウィンドウまたはダイアログとして、第2領域304に表示され得る。他の局面において、第1領域302および第2領域304は、ウィンドウ以外の任意の表示形式で表示されてもよい。
【0054】
第1領域302には、第1ウィンドウ320が表示される。第2領域304には、複数のウィンドウが並列に表示される。第1ウィンドウ320は、各種アイコンの1つとして、インジケータ310を含み得る。インジケータ310は、アラームの有無を知らせる。ある局面において、インジケータ310は、アイコンとして実現されてもよい。他の局面において、インジケータは、画面外のLED(Light Emitting Diode)またはLED付のボタン等により実現されてもよい。アラームがない場合、インジケータ310は点滅しない。また、アラームがない場合、インジケータ310は、目立たない表示形式で画面300に表示されてもよい。あるいは、アラームがない場合、インジケータ310は、画面300に表示されなくてもよい。
【0055】
第2領域304には、任意の数のウィンドウが縦に並べて表示される。また、一部のウィンドウは、第2領域304内で横に並べて表示される。
図3の例において、第2領域304には、第2ウィンドウ331と、第3ウィンドウ332と、第4ウィンドウ333と、第5ウィンドウ334と、第6ウィンドウ335と、第7ウィンドウ336と、第8ウィンドウ337とが表示されている。第2ウィンドウ331および第3ウィンドウ332を合わせた横幅は、第1ウィンドウ320の横幅に等しい。同様に、第4ウィンドウ333および第5ウィンドウ334を合わせた横幅は、第1ウィンドウ320の横幅に等しい。第6ウィンドウ335および第7ウィンドウ336を合わせた横幅は、第1ウィンドウ320の横幅に等しい。第8ウィンドウ337の横幅は、第1ウィンドウ320の横幅に等しい。
【0056】
図4は、画面の第2の例を示す図である。画面400は、1つのアラームが発生したときの画面である。画面400は、インジケータ310と、アラームのポップアップ420とを含む。ポップアップ420は、表示切替項目430を含む。ある局面において、画面上の1つ以上のアラームは、ポップアップではなく、ウィンドウまたはダイアログ等の任意の表示形式で表示され得る。画面上の1つ以上のアラームは、作業員130が画面上でアラームを消す操作入力をするまで、画面上に表示され続ける。
図4に示されるように、1つ以上のアラーム(ポップアップ420)は、第2領域304の一部を覆うように画面400に表示される。
図5以降の例においても同様に、1つ以上のアラームは、第2領域304の一部を覆うように表示装置110の画面に表示される。より具体的には、1つ以上のアラームは、第2領域304内の一部のウィンドウを覆うようにして表示される。ただし、1つ以上のアラームの横幅は、背後のウィンドウの横幅よりも短い。そのため、1つ以上のアラームは、背後のウィンドウを完全には隠さない。すなわち、1つ以上のアラームは、背後のウィンドウが何のウィンドウであるか分る程度の隙間を残すように表示される。
図4の例において、ポップアップ420は、第2ウィンドウ331を覆うように表示されている。ただし、ポップアップ420の横幅は、第2ウィンドウ331の横幅よりも短い。また、ポップアップ420の縦幅も第2ウィンドウ331の縦幅よりも短い。すなわち、ポップアップ420は、背後にあるウィンドウが第2ウィンドウ331であることが分る程度の隙間を残して表示されている。
【0057】
上記の通り、第2ウィンドウ331および第3ウィンドウ332の横幅は、第1ウィンドウ320の横幅に等しい。また、1つ以上のアラーム(ポップアップ420)の横幅は、背後のウィンドウ(第2ウィンドウ331)の横幅よりも短い。1つ以上のアラーム(ポップアップ420)は、背後にあるウィンドウが第2ウィンドウ331であることが分る程度の隙間を残して表示される。
【0058】
インジケータ310は、第1領域302に表示される。アラームが発生している場合、インジケータ310は、目立つ表示形式で画面400に表示される。一例として、アラームが発生している場合、インジケータ310は点滅してもよい。また、アラームが発生している場合、インジケータ310は、赤および黄色等の目立つ表示形式で画面400に表示されてもよい。さらに、アラームが発生している場合、インジケータ310は、点滅し、かつ、赤および黄色等の目立つ表示形式で画面400に表示されてもよい。
【0059】
ポップアップ420は、アラームの情報を含む。初期状態において、ポップアップ420上には、要約440と、表示切替項目430とが表示される。ポップアップ420は、1つのアラームに対応する。また、1つのアラームは、工作機械100における1つの異常に対応する。
【0060】
表示切替項目430は、ポップアップ420上の表示を切り替えるための項目である。表示装置110は、タッチパネルの機能を備える。作業員130は、画面400上の表示切替項目430を押すことで、ポップアップ420の表示を切り替え得る。
【0061】
前述の通り、各アラームは、要約、問題、考えられる要因、対処、および、対処指令等の1つ以上の項目を含み得る。初期状態では、ポップアップ420上には、要約440のみが表示されている。この状態で表示切替項目430が押されると、工作機械100は、画面500(
図5参照)のように、残りの項目530をポップアップ420上に表示する。すなわち、表示切替項目430が押されたことに基づいて、工作機械100は、あるアラームに紐付く1つ以上の項目の表示および非表示を切り替える。
【0062】
図5は、画面の第3の例を示す図である。画面500は、画面400において、表示切替項目430が押された後の画面である。画面500は、インジケータ310と、アラームのポップアップ420とを含む。ポップアップ420は、要約440と、残りの項目530と、表示切替項目430とを含む。1つ以上のアラーム(ポップアップ420)が縦に長く表示される場合がある。このとき、1つ以上のアラーム(ポップアップ420)は、複数のウィンドウを覆うように表示される。すなわち、1つ以上のアラームは、複数のウィンドウをまたぐように表示され得る。
図5の例において、1つ以上のアラーム(ポップアップ420)は、第2ウィンドウ331および第4ウィンドウ333を覆うように表示されている。上述の通り、1つ以上のアラームの横幅は、背後のウィンドウの横幅よりも短い。そのため、残りの項目530が表示された場合でも、第2ウィンドウ331および第4ウィンドウ333の一部は、ポップアップ420によって隠されない。これにより、ユーザは、ポップアップ420の背後に、第2ウィンドウ331および第4ウィンドウ333があることを把握し得る。
【0063】
要約440のみを見ても異常への対処方法が分からない場合、作業員130は、表示切替項目430を押すことで、残りの項目530を確認し得る。残りの項目530は、少なくともアラームに対する対処を含む。また、残りの項目530は、対処以外にも、考えられる要因、問題、対処指令の少なくとも1つを含み得る。「考えられる要因」は、問題を引き起こしている機械的または電気的な根本原因、操作方法の問題点を示す。「問題」は、発生している事象を示し、要約をより詳細にしたものである。「対処」は、アラームの発生原因を解消する対処方法を示す。「対処指令」は、対処を実現するためのコードを示す。これにより、作業員130は、工作機械100の異常の原因の特定および解決に必要なより多くの情報を参照し得る。また、作業員130は、表示切替項目430を再度押すことで、残りの項目530を非表示にし得る。これにより、作業員130は、不要な情報を非表示にして、他の重要な情報がアラーム(ポップアップ420)の裏に隠れないようにし得る。
【0064】
図6は、画面の第4の例を示す図である。画面600は、画面400または画面500において、インジケータ310が押された後の画面である。インジケータ310が押されたことに基づいて、工作機械100は、1つ以上のアラームの表示および非表示を切り替える。
【0065】
より具体的には、1つ以上のアラームが表示されている画面400等において、インジケータ310が押されたとする。この場合、工作機械100は、1つ以上のアラームを非表示にする。逆に、全くアラームが表示されていない画面600等において、インジケータ310が押されたとする。この場合、工作機械100は、アラームが存在する場合、1つ以上のアラームを表示する。
【0066】
すなわち、工作機械100は、ユーザ(作業員130)からの入力を受け付ける入力部215を備える。出力部214は、入力部215が、1つ以上のアラームの表示切替入力を受け付けたことに基づいて、1つ以上のアラームを表示または非表示にする。入力部215は、一例として、タッチパネルである。また、1つ以上のアラームの表示切替入力は、一例として、インジケータ310を押す操作入力である。1つ以上のアラームを表示または非表示にすることは、一例として、各アラームのポップアップの表示および非表示を切り替えることである。
【0067】
ある局面において、出力部214は、入力部215が、1つ以上のアラームの移動入力を受け付けたことに基づいて、1つ以上のアラームの表示位置を変更する。例えば、工作機械100は、ドラッグアンドドロップ等の操作(移動入力)を受け付けたことに基づいて、画面上でアラーム(ポップアップ)を移動させることができる。
【0068】
また、上記のように、出力部214は、1つ以上のアラームの発生を示すインジケータ310を画面に出力する。入力部215が1つ以上のアラームの表示切替入力を受け付けたことに基づいて、1つ以上のアラームを表示または非表示にすることは、インジケータ310が操作された(押された)ことに基づいて、1つ以上のアラームを表示または非表示にすることを含む。一例として、出力部214は、インジケータ310を第1領域302に出力(表示)する。
【0069】
作業員130は、1つ以上のアラームを非表示にすることで、他の重要な情報が1つ以上のアラームの裏に隠れないようにし得る。また、作業員130は、1つ以上のアラームを移動させることで、他の重要な情報が1つ以上のアラームの裏に隠れないようにし得る。
【0070】
図7は、画面の第5の例を示す図である。画面700は、複数のアラームが発生したときの画面である。画面700は、インジケータ310と、複数のアラームのポップアップ720A,720Bとを含む。ポップアップ720A,720Bは、それぞれ、表示切替項目730A,730Bを含む。ある局面において、画面上の1つ以上のアラームは、ポップアップではなく、ダイアログ等の任意の表示形式で表示され得る。
【0071】
アラームが発生している場合、インジケータ310は、目立つ表示形式で画面700に表示される。ポップアップ720A,720Bは、アラームの情報を含む。ポップアップ720A,720Bの各々は、個別のアラームに対応する。初期状態において、ポップアップ720A上には、アラームの要約と、表示切替項目730Aとが表示される。同様に、初期状態において、ポップアップ720B上には、アラームの要約と、表示切替項目730Bとが表示される。
【0072】
複数のアラームが発生した場合、工作機械100は、画面に、各アラームのポップアップを時系列順に表示する。ある局面において、工作機械100は、画面に、時系列の昇順または降順に並べて、ポップアップを表示してもよい。1つ以上のアラームを時系列順に表示することで、作業員130は、工作機械100の異常を発生した順に調査し得る。
【0073】
また、工作機械100は、アラーム種別に応じて、各アラームの表示形式(各ポップアップの表示形式)を変更し得る。アラーム種別は、一例として、緊急度である。工作機械が停止する可能性が高い異常は、緊急度高として定義され得る。また、工作機械100が停止する可能性が低い異常は、緊急度低として定義され得る。ある局面において、表示形式は、色であってもよい。例えば、緊急度高のアラームのポップアップは、赤色で表示されてもよい。また、緊急度中のポップアップは、黄色で表示されてもよい。さらに、緊急度低のポップアップは、青色で表示されてもよい。ある局面において、表示形式は、枠の有無、形状等であってもよい。また、他の局面において、表示形式は、その他の任意のポップアップの装飾等であってもよい。1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更することで、作業員130は、重要なアラームとそうでないアラーム等を容易に区別し得る。また、作業員130は、重要なアラームから対処し得る。また、作業員130は、重要なアラームから対処し得る。
【0074】
工作機械100は、表示切替項目730Aが操作された(押された)ことに基づいて、ポップアップ720Aの表示を切り替える。また、工作機械100は、表示切替項目730Bがされたことに基づいて、ポップアップ720Bの表示を切り替える。この表示切替は、各ポップアップ上での、問題、考えられる要因、対処、および、対処指令等の1つ以上の項目の表示および非表示を切り替えることを含む。作業員130は、各アラームの1つ以上の項目の表示および非表示を切り替えることで、画面120上の重要な情報が1つ以上のアラーム(ポップアップ720A,720B)の裏に隠れないようにできる。
【0075】
図8は、画面の第6の例を示す図である。画面800は、画面700において、表示切替項目730Aが押された後の画面である。アラームのポップアップ720A上には、要約だけでなく、残りの項目も表示されている。ポップアップ720A上の要約のみを見ても異常への対処方法が分からない場合、作業員130は、表示切替項目730Aを押すことで、残りの項目を確認し得る。これにより、作業員130は、工作機械100の異常の原因の特定および解決に必要なより多くの情報を参照し得る。また、作業員130は、表示切替項目730Aを再度押すことで、ポップアップ720A上の残りの項目を非表示にし得る。これにより、作業員130は、不要な情報を非表示にして、他の重要な情報がアラーム(ポップアップ720A)の裏に隠れないようにし得る。
【0076】
前述のように、1つ以上のアラーム(ポップアップ720A,720B)が縦に長く表示される場合がある。このとき、1つ以上のアラーム(ポップアップ720A,720B)は、複数のウィンドウを覆うように表示される。すなわち、1つ以上のアラームは、複数のウィンドウをまたぐように表示され得る。
図8の例において、1つ以上のアラーム(ポップアップ720A,720B)は、第2ウィンドウ331、第4ウィンドウ333および第6ウィンドウ335を覆うように表示されている。上述の通り1つ以上のアラームの横幅は、背後のウィンドウの横幅よりも短い。そのため、この場合でも、第2ウィンドウ331、第4ウィンドウ333および第6ウィンドウ335の一部は、ポップアップ720A,720Bによって隠されない。これにより、ユーザは、ポップアップ720A,720Bの背後に、第2ウィンドウ331、第4ウィンドウ333および第6ウィンドウ335があることを把握し得る。
【0077】
図9は、画面の第7の例を示す図である。画面900は、画面700において、表示切替項目730Bが押された後の画面である。アラームのポップアップ720B上には、要約だけでなく、残りの項目も表示されている。ポップアップ720B上の要約のみを見ても異常への対処方法が分からない場合、作業員130は、表示切替項目730Bを押すことで、残りの項目を確認し得る。これにより、作業員130は、工作機械100の異常の原因の特定および解決に必要なより多くの情報を参照し得る。また、作業員130は、表示切替項目730Bを再度押すことで、ポップアップ720B上の残りの項目を非表示にし得る。これにより、作業員130は、不要な情報を非表示にして、他の重要な情報がアラーム(ポップアップ720B)の裏に隠れないようにし得る。
【0078】
図10は、画面の第8の例を示す図である。画面1000は、画面700において、表示切替項目730A,730Bが押された後の画面である。アラームのポップアップ720A,720B上には、要約だけでなく、残りの項目も表示されている。ポップアップ720A,720B上の要約のみを見ても異常への対処方法が分からない場合、作業員130は、表示切替項目730A,730Bを押すことで、残りの項目を確認し得る。これにより、作業員130は、工作機械100の異常の原因の特定および解決に必要なより多くの情報を参照し得る。また、作業員130は、表示切替項目730Aを再度押すことで、ポップアップ720A上の残りの項目を非表示にし得る。同様に、作業員130は、表示切替項目730Bを再度押すことで、ポップアップ720B上の残りの項目を非表示にし得る。これにより、作業員130は、不要な情報を非表示にして、他の重要な情報がアラーム(ポップアップ720A,720B)の裏に隠れないようにし得る。
【0079】
上記のように、工作機械100は、少なくとも、アラームデータを格納した記憶部213と、取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部(制御装置200)と、アラーム種別に応じて、選択された1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更して画面に出力する出力部214とを備えてもよい。
【0080】
また、上記のように、工作機械100は、少なくとも、アラームデータを格納した記憶部213と、取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部(制御装置200)と、選択された1つ以上のアラームを時系列順に並べて画面に出力する出力部214とを備えてもよい。
【0081】
さらに、上記のように、工作機械100は、少なくとも、アラームデータを格納した記憶部213と、取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部(制御装置200)と、選択された1つ以上のアラームを画面に出力する出力部214とを備えてもよい。画面は、1つ以上のアイコンを含む第1領域302と、工作機械100に関する1つ以上の情報を含む第2領域304とを含む。選択された1つ以上のアラームは、第2領域304の一部を覆うように画面に表示される。
【0082】
ある局面において、工作機械100は、アラーム種別に応じて、選択された1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更して画面に出力すること、選択された1つ以上のアラームを時系列順に並べて画面に出力すること、および、選択された1つ以上のアラームを、第2領域304の一部を覆うように画面に表示することの3つの処理の中から、いずれか1つの処理のみを実行してもよい。また、工作機械100は、これら3つの処理の中からいずれか2つの処理を実行してもよい。さらに、工作機械100は、これら3つの処理の全てを実行してもよい。
【0083】
また、1つ以上のアラーム(ポップアップ)の各々は、1つ以上の表示項目を含む。1つ以上の表示項目は、一例として、要約、問題、考えられる要因、対処、および、対処指令等を含む。工作機械100は、
図7~
図10に示されるように、1つ以上のアラーム(ポップアップ)の各々の1つ以上の表示項目の表示および非表示を切り替え得る。ある局面において、要約は、表示切替項目の操作にかかわらず、常にポップアップ上に表示されてもよい。
【0084】
図11は、画面の第9の例を示す図である。画面1100は、複数のアラームが発生したときの画面である。画面1100は、インジケータ310と、複数のアラームのポップアップ1120A,1120B,1120C,1120Dとを含む。アラームが大量に発生した場合、全てのアラームは、画面に入りきらない場合がある。この場合、工作機械100は、画面に、複数のアラームのポップアップをまたぐスクロールバー1150を表示する。ある局面において、工作機械100は、アラーム数に応じて、スクロールバーの表示および非表示を切り替えてもよい。工作機械100は、一例として、アラーム数が3つまでであればスクロールバーを画面に表示せず、また、アラーム数が4つ以上であればスクロールバーを画面に表示する。
【0085】
図12は、画面の第10の例を示す図である。画面1200は、画面1100に表示されたスクロールバー1150を画面下方向に動かした後の画面である。作業員130は、スクロールバー1150を動かすことで、1つの画面上で大量のアラームを参照し得る。
【0086】
上記のように、1つ以上のアラームの各々は、1つ以上のポップアップの各々として画面に出力される。時系列順に並んだ1つ以上のポップアップは、
図11および
図12に示されるように、スクロール可能に構成される。また、時系列順に並んだ1つ以上のポップアップは、
図7~
図10に示されるように、1つ以上の表示項目の表示および非表示を切り替え可能に構成される。
【0087】
図13は、画面の第11の例を示す図である。画面1300は、アラームの詳細情報をポップアップとは別に表示した画面である。1つ以上のアラームの下には、アラームの詳細情報を表示するための表示項目1305が表示される。表示項目1305は、一例として、保守ボタンとして実現される。ある局面において、表示項目1305は、ポップアップの上下左右のいずれかの位置に表示されてもよい。他の局面において、表示項目1305は、ポップアップ内部に表示されてもよい。
【0088】
保守ボタン(表示項目1305)が押されると、工作機械100は、画面上にアラームの詳細情報1310を表示する。詳細情報1310は、任意の数のアラームの各々の詳細情報を含む。
図13の例では、詳細情報1310は、詳細情報1320A,1320Bを含む。アラームの各々の詳細情報1320A,1320Bは、ポップアップに表示されないより詳細な情報を含んでもよい。または、アラームの各々の詳細情報1320A,1320Bは、ポップアップに表示される情報を大きなウィンドウに表示したものであってもよい。アラームの詳細情報を大きなウィンドウに表示することにより、作業員130は、各アラームの詳細情報を見やすくなる。詳細情報1320A,1320Bの各々は、表示切替項目1330A,1330Bの各々を含む。
【0089】
図14は、画面の第12の例を示す図である。画面1400は、画面1300において、表示切替項目1330Aが押された後の画面である。詳細情報1320A上には、
図13では表示されていなかった残りの項目も表示されている。詳細情報のデフォルトの表示のみを見ても異常への対処方法が分からない場合、作業員130は、表示切替項目1330Aを押すことで、残りの項目を確認し得る。これにより、作業員130は、工作機械100の異常の原因の特定および解決に必要なより多くの情報を参照し得る。また、作業員130は、表示切替項目1330Aを再度押すことで、詳細情報1320A上の残りの項目を非表示にし得る。これにより、作業員130は、不要な情報を非表示にして、他の重要な情報が詳細情報1320Aの裏に隠れないようにし得る。表示切替項目は、各アラームの詳細情報に設けられる。作業員130は、各アラームの詳細情報の表示切替項目を押すことで、各アラームの詳細情報の非表示の項目(残りの項目)を確認し得る。
【0090】
上記のように、1つ以上のポップアップは、1つ以上のアラームの各々の詳細情報を表示するための表示項目1305を含む。出力部214は、表示項目1305が操作された(押された)ことに基づいて、1つ以上のアラームの詳細情報1310を画面に出力する。また、詳細情報1310は、個別のアラームの詳細情報を含む。
【0091】
<データ構造>
次に、制御装置200または表示装置110が格納および参照するデータの構造について説明する。制御装置200または表示装置110は、以下に説明するデータを参照することで、1つ以上のアラームを生成および出力し得る。以下に説明する各種データは、アラームデータ222に含まれる。以下に説明する各種テーブルは、一例に過ぎない。アラームデータ222は、任意の形式のデータを含み得る。アラームデータ222は、なんらかのデータ構造により、1つ以上のアラームの各々と、1つ以上の表示項目、緊急度および表示形式とを紐づけていればよい。
【0092】
各アラームは、アラームプログラム220の一部として実装される。各アラームは、各部品の状態ごとに細分化され得る。ある局面において、工作機械100に実装される1つ以上のアラームの一部は、2つ以上の異常に対応してもよい。2つ以上の異常に対応するアラームも、1つ以上の表示項目を含む。作業員130は、これらの1つ以上の表示項目を確認することで、問題を容易に切り分け得る。
【0093】
各アラームは、複数の種類に分類されていてもよい。一例として、アラームは、工作機械100の異常を示す異常アラームを含み得る。また、他の例として、ある初期条件(インタロック)のときに、実行不能な命令が実行されようとしていることを示す指令ミス系アラームを含み得る。さらに、他の例として、アラームは、直接的な異常ではないが、作業員130に通知することが望ましい情報を示すガイダンス系アラームを含み得る。
【0094】
ある局面において、工作機械100は、各アラームと、各アラームの種類とを紐付けた、アラーム分類テーブルを備えていてもよい。一例として、アラーム分類テーブルは、アラームID(Identifier)と、アラームの分類IDとを含んでもよい。また、工作機械100は、アラーム分類IDと、アラームの分類名称とを含む分類マスターテーブルも備え得る。この場合、アラームデータ222は、アラーム分類テーブルと、分類マスターテーブルとを含み得る。他の局面において、アラームの分類は、アラーム(ポップアップ)の表示形式の変更基準として使用されてもよい。
【0095】
アラームプログラム220に含まれる1つ以上のアラームのコードの各々は、各アラームの発生条件を含む。工作機械100は、アラームプログラム220を実行することで、発生条件に応じて、アラームを出力し得る。ある局面において、1つ以上のアラームのコードの各々の発生条件は、アラームデータ222の一部である発生条件テーブルとして実現されてもよい。発生条件テーブルを使用する場合、工作機械100は、制御装置200が取得した1つ以上の信号と、発生条件とを比較する。そして、工作機械100は、比較の結果に基づいて、アラームが発生したか否かを判定してもよい。
【0096】
ある局面において、アラームデータ222は、アラームの要約を含む要約テーブルを含んでもよい。工作機械100は、要約テーブルを参照することで、発生したアラームに紐付く要約を取得し得る。ある局面において、各アラームの要約は、発生条件のタイプ別に用意されたテンプレートに、文章を当てはめることにより生成されてもよい。
【0097】
ある局面において、アラームデータ222は、各アラームおよび1つ以上の表示項目を紐付けるための表示項目テーブルを含んでもよい。工作機械100は、表示項目テーブルを参照することで、発生したアラームに紐付く1つ以上の表示項目を取得し得る。各アラームは、1つ以上の任意の数の表示項目と紐付けられる。また、各アラームは、いくつかの表示項目を有していなくてもよい。
【0098】
上記のように、アラームデータ222(表示項目テーブル)は、1つ以上のアラームの各々のアラームIDと、1つ以上の表示項目とを含み得る。1つ以上のアラーム(ポップアップ)の各々は、1つ以上のアラームの各々に紐付く1つ以上の表示項目を含む。1つ以上のアラームの各々に紐付く1つ以上の表示項目は、要約、問題、対処方法、および、対処指令コードの少なくとも一部を含み得る。
【0099】
ある局面において、アラームデータ222は、各アラームと、緊急度とを紐づけるアラームテーブルを備えていてもよい。また、アラームデータ222は、緊急度ごとの表示形式、対処指令(アラームコード)を紐付けるための緊急度マスターテーブルを備えてもよい。工作機械100は、緊急度テーブルおよび緊急度マスターテーブルを参照することで、発生したアラームに紐付く緊急度、表示色(表示形式)およびアラームコード(対処指令)を取得し得る。
【0100】
<アラーム>
次に、
図15~
図18を参照して、表示装置110の画面に表示されるアラームについて説明する。工作機械100は、前述の各テーブルを参照する。そして、工作機械100は、各テーブルから得られたデータを組み合わせて、
図15~
図18に示すアラームの表示情報を生成し得る。
図15~
図18に示すアラームの表示情報は、表示装置110の画面のポップアップまたは詳細情報に表示される。
【0101】
図15は、アラームの表示情報の第1の例を示す図である。
図15には、アラームの表示情報1510,1520が示されている。表示情報1510は、異常系アラームの表示情報である。表示情報1510は、1つ以上の表示項目として、要約と、考えられる原因と、対処とを含む。表示情報1520は、指令ミス系アラームの表示情報である。表示情報1520は、1つ以上の表示項目として、要約と、問題と、対処と、対処指令とを含む。
【0102】
表示情報1510,1520のように、各アラームの表示情報は、異なる表示項目を含み得る。ある局面において、各アラームに紐付く表示項目は、アラームデータ222によって定義され得る。他の局面において、各アラームに紐付く表示項目は、アラームプログラム220に記述されていてもよい。各アラームに紐付く表示項目の中において、要約以外の項目は、ポップアップ等において、表示および非表示を切り替え可能に構成される。
【0103】
ある局面において、各アラームの表示情報は、アラームの種別に応じて用意されたテンプレートに、文字を当てはめることによって生成されてもよい。この場合、アラームデータ222は、テンプレートと、テンプレートに当てはめる文字を格納した文字情報テーブルとを含む。一例として、工作機械100は、プログラムのエラーメッセージをテンプレートに当てはめてもよい。他の例として、工作機械100は、文字情報テーブルの中から選択された文字をテンプレートに当てはめてもよい。文字情報テーブルは、各文字と、制御装置200が取得する1つ以上の信号等とを紐付けてもよい。工作機械100は、制御装置200が取得する1つ以上の信号等に基づいて、文字情報テーブルから、テンプレートに当てはめる文言を選択し得る。他の局面において、各アラームの表示情報は、アラームごとに予め工作機械100に登録されていてもよい。この場合、アラームデータ222は、各アラームの表示情報を含む。
【0104】
上記のように、例えば、1つ以上のアラームのいずれか1つは、シャッタの開動作が許容時間内に完了しませんでした、というメッセージを含む。
【0105】
図16は、アラームの表示情報の第2の例を示す図である。
図17は、アラームの表示情報の第3の例を示す図である。
図18は、アラームの表示情報の第4の例を示す図である。アラームの表示情報は、表示情報1600,1700,1800のように、日本語で記載された情報を含んでもよい。また、アラームの表示情報は、表示情報1610,1710,1810のように、英語で記載された情報を含んでもよい。さらに、アラームの表示情報は、それ以外の任意の言語で記載された情報を含んでもよい。工作機械100は、入力された言語設定に基づいて、アラームの表示情報の言語を変更し得る。
【0106】
<システムの処理>
次に、
図19および
図20を参照して、工作機械100の処理の手順について説明する。
図19および
図20の処理は、制御装置200または表示装置110の制御部によって実行され得る。ある局面において、プロセッサ210は、
図19および
図20の処理を行うためのプログラムをROM212または記憶部213からRAM211に読み込んで、当該プログラムを実行してもよい。他の局面において、当該処理の一部または全部は、当該処理を実行するように構成された回路素子の組み合わせとしても実現され得る。
【0107】
図19は、工作機械100によるアラームの表示処理の手順の一例を示す図である。ステップS1910において、工作機械100は、制御装置200が取得した信号を参照する。一例として、工作機械100は、各種センサーが出力する信号、工作機械100が出力する信号、および、シャッタ等の周辺装置が出力する信号を取得し得る。また、工作機械100は、作業員130によるボタン等を介した操作入力も制御装置200が取得する1つ以上の信号の一部として取得し得る。
【0108】
ステップS1920において、工作機械100は、アラームが発生したか否かを判定する。一例として、工作機械100は、アラームプログラム220の出力(エラー情報等)に基づいて、アラームが発生したか否かを判定し得る。アラームプログラム220は、制御装置200が取得する1つ以上の信号、または、これらの組み合わせを発生条件として、アラームを出力するように構成され得る。他の例として、工作機械100は、制御装置200が取得する1つ以上の信号、または、これらの組み合わせを発生条件として、アラームデータ222を検索してもよい。この場合、アラームデータ222内に発生条件に合致するアラームが存在した場合、工作機械100は、ラームが発生したと判定し得る。工作機械100は、アラームが発生したと判定した場合(ステップS1920にてYES)、制御をステップS1930に移す。そうで無い場合(ステップS1920にてNO)、工作機械100は、制御をステップS1910に移す。
【0109】
ステップS1930において、工作機械100は、発生したアラームに紐付く要約および1つ以上の表示項目を取得する。一例として、工作機械100は、アラームIDを検索キーとして、アラームデータ222を検索し、要約および1つ以上の表示項目を取得し得る。
【0110】
ステップS1940において、工作機械100は、発生したアラームの緊急度を取得する。一例として、工作機械100は、アラームIDを検索キーとして、アラームデータ222を検索して、発生したアラームの緊急度および表示形式(色等)を取得し得る。
【0111】
ステップS1950において、工作機械100は、アラームを表示装置110の画面に出力する。複数回アラームが画面に出力される場合、工作機械100は、各アラームを時系列順に並べて画面に表示する。
【0112】
図20は、工作機械100によるアラームの表示切り替え処理の手順の一例を示す図である。
図20に示される処理は、作業員130による表示装置110の画面上での操作入力に対する処理である。
【0113】
ステップS2010において、工作機械100は、インジケータ310が押されたか否かを判定する。工作機械100は、画面上でインジケータ310が押されたと判定した場合(ステップS2010にてYES)、制御をステップS2020に移す。そうで無い場合(ステップS2010にてNO)、工作機械100は、制御をステップS2030に移す。
【0114】
ステップS2020において、工作機械100は、表示装置110の画面上で、1つ以上のアラームのポップアップの表示および非表示を切り替える。一例として、工作機械100は、画面500,600のように、ポップアップの表示および非表示を切り替える。
【0115】
ステップS2030において、工作機械100は、ポップアップ上の表示切替項目が押されたか否かを判定する。工作機械100は、ポップアップ上の表示切替項目が押されたと判定した場合(ステップS2030にてYES)、制御をステップS2040に移す。そうで無い場合(ステップS2030にてNO)、工作機械100は、制御をステップS2050に移す。
【0116】
ステップS2040において、工作機械100は、ポップアップ上の1つ以上の表示項目の表示および非表示を切り替える。一例として、工作機械100は、画面400,500のように、ポップアップ上の1つ以上の表示項目の表示および非表示を切り替える。
【0117】
ステップS2050において、工作機械100は、詳細情報の表示項目が押されたか否かを判定する。詳細情報の表示項目は、一例として、保守ボタンとして画面上に表示される。詳細情報の表示項目は、1つ以上のアラームのポップアップの上下左右または内部に配置され得る。工作機械100は、詳細情報の表示項目が押されたと判定された場合(ステップS2050にてYES)、制御をステップS2060に移す。そうで無い場合(ステップS2050にてNO),工作機械100は、制御をステップS2070に移す。
【0118】
ステップS2060において、工作機械100は、1つ以上のアラームの詳細情報を画面に表示する。一例として、工作機械100は、画面1300のように、1つ以上のアラームの詳細情報を画面に表示する。
【0119】
ステップS2070において、工作機械100は、詳細情報内の表示切替項目が押されたか否かを判定する。より具体的には、工作機械100は、個別のアラームの詳細情報内の表示切替項目が押されたか否かを判定する。工作機械100は、詳細情報内の表示切替項目が押されたと判定した場合(ステップS2070にてYES)、制御をステップS2080に移す。そうで無い場合(ステップS2070にてNO)、工作機械100は、制御をステップS2010に移す。
【0120】
ステップS2080において、工作機械100は、詳細情報の一部の情報の表示および非表示を切り替える。一例として、工作機械100は、画面1300,1400のように、詳細情報の一部の情報の表示および非表示を切り替える。
【0121】
上記のように、工作機械100は、アラームプログラム220を実行することで、
図19,
図20に示される方法を実行し得る。すなわち、制御プログラム(アラームプログラム220)は、少なくとも、記憶部213に格納されたアラームデータ222を参照することと、制御部(制御装置200)が取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータ222から出力する1つ以上のアラームを選択することと、アラーム種別に応じて、選択された1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更して画面に出力することとを工作機械100に実行させることができる。
【0122】
また、制御プログラム(アラームプログラム220)は、少なくとも、記憶部213に格納されたアラームデータ222を参照することと、制御部(制御装置200)が取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータ222から出力する1つ以上のアラームを選択することと、選択された1つ以上のアラームを時系列順に並べて画面に出力することとを工作機械100に実行させることができる。
【0123】
さらに、制御プログラム(アラームプログラム220)は、少なくとも、記憶部213に格納されたアラームデータを参照することと、制御部(制御装置200)が取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択することと、選択された1つ以上のアラームを画面に出力することとを工作機械100に実行させることができる。画面は、1つ以上のアイコンを含む第1領域302と、工作機械100に関する1つ以上の情報を含む第2領域304とを含む。選択された1つ以上のアラームは、第2領域304の一部を覆うように画面に表示される。
【0124】
ある局面において、制御プログラム(アラームプログラム220)は、アラーム種別に応じて、選択された1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更して画面に出力すること、選択された1つ以上のアラームを時系列順に並べて画面に出力すること、および、選択された1つ以上のアラームを、第2領域304の一部を覆うように画面に表示することの3つの処理の中から、いずれか1つの処理のみを工作機械100に実行させることができる。また、制御プログラム(アラームプログラム220)は、これら3つの処理の中からいずれか2つの処理を工作機械100に実行させてもよい。さらに、制御プログラム(アラームプログラム220)は、これら3つの処理の全てを工作機械100に実行させてもよい。
【0125】
<まとめ>
以上説明した通り、本実施の形態に従う工作機械100は、アラームデータを格納した記憶部213と、取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部202と、アラーム種別に応じて、選択された1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更して画面に出力する出力部214とを備える。これにより、ユーザは、画面に表示されたアラームを参照することで、アラームの種類を即座に判別し得る。
【0126】
また、ある局面において、工作機械100は、ラームデータを格納した記憶部213と、取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部202と、選択された1つ以上のアラームを時系列順に並べて画面に出力する出力部214とを備える。これにより、ユーザは、画面に表示されたアラームを参照することで、複数のアラームを時系列順に参照し得る。
【0127】
さらに、他の局面において、アラームデータを格納した記憶部213と、取得した1つ以上の信号に基づいて、工作機械100は、アラームデータから出力する1つ以上のアラームを選択する制御部202と、選択された1つ以上のアラームを画面に出力する出力部214とを備える。画面は、1つ以上のアイコンを含む第1領域と、工作機械に関する1つ以上の情報を含む第2領域とを含み、選択された1つ以上のアラームは、第2領域の一部を覆うように画面に表示される。すなわち、アラームは、第2領域の一部を隠さない。これにより、ユーザは、アラームの裏に何が表示されているのかを判別し得る。
【0128】
また、1つ以上のアラーム(ポップアップ)の各々は、1つ以上の表示項目を含む。1つ以上の表示項目は、一例として、要約、問題、考えられる要因、対処、および、対処指令等を含む。工作機械100は、
図7~
図10に示されるように、1つ以上のアラーム(ポップアップ)の各々の1つ以上の表示項目の表示および非表示を切り替え得る。
【0129】
1つ以上のアラームを時系列順に表示することで、作業員130は、工作機械100の異常を発生した順に調査し得る。また。1つ以上のアラームの各々の表示形式を変更することで、作業員130は、重要なアラームとそうでないアラーム等を容易に区別し得る。また、作業員130は、重要なアラームから対処し得る。さらに、各アラームが、工作機械100の異常の原因特定および解決に必要な複数の項目を含むことで、作業員130は、工作機械100の異常の原因を容易に絞り込み、異常を迅速に解決し得る。
【0130】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された開示内容は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0131】
100 工作機械、110 表示装置、120,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200,1300,1400 画面、130 作業員、200 制御装置、202 制御部、210 プロセッサ、211 RAM、212 ROM、213 記憶部、214 出力部、215 入力部、216 第1通信部、217 第2通信部、218 バス、220 アラームプログラム、222 アラームデータ、232 出力装置、234 入力装置、302 第1領域、304 第2領域、310 インジケータ、320 第1ウィンドウ、331 第2ウィンドウ、332 第3ウィンドウ、333 第4ウィンドウ、334 第5ウィンドウ、335 第6ウィンドウ、336 第7ウィンドウ、337 第8ウィンドウ、420,720A,720B,1120A,1120B,1120C,1120D ポップアップ、430,730A,730B,1330A,1330B 表示切替項目、440,1802 要約、530 項目、1150 スクロールバー、1305,1912 表示項目、1310,1320A,1320B 詳細情報、1510,1520,1600,1610,1700,1710,1800,1810 表示情報。
【要約】
【課題】作業員による工作機械の異常の原因特定および解決を容易にするためのアラーム通知技術を提供する。
【解決手段】作業員による工作機械の異常の原因特定および解決を容易にするためのアラーム通知機能を備える工作機械を提供する。工作機械は、アラームデータを格納した記憶部と、取得した1つ以上の信号に基づいて、アラームデータから出力する1つ以上のアラーム720A,720Bを選択する制御部と、アラーム種別に応じて、選択された1つ以上のアラーム720A,720Bの各々の表示形式を変更して画面に出力する出力部とを備える。
【選択図】
図7