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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】らせん溝の加工方法
(51)【国際特許分類】
   B23C 3/32 20060101AFI20240918BHJP
   B23C 3/04 20060101ALI20240918BHJP
   B24B 19/02 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
B23C3/32
B23C3/04
B24B19/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023210359
(22)【出願日】2023-12-13
【審査請求日】2024-07-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕正
(72)【発明者】
【氏名】藤木 正寛
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-93109(JP,A)
【文献】米国特許第9108259(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第104607701(CN,A)
【文献】国際公開第2023/189873(WO,A1)
【文献】米国特許第6122824(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 3/32
B23C 3/04
B23B 5/46
B23P 15/32
B23P 15/52
B23G 1/32
B24B 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に切削刃を有する軸形状の切削工具によって軸形状を有するワークの外周面にらせん溝を形成するらせん溝の加工方法であって、
前記切削工具を、その中心軸が前記ワークの中心軸に垂直な線に対し加工するらせん溝のリード角だけ傾いた姿勢にするとともに、前記切削刃を前記ワークの外周面に向ける切削準備工程と、
前記切削準備工程後、前記切削工具の前記切削刃を、その中心軸周りに回転している前記ワークの外周面に当てながら前記切削工具を前記ワークの中心軸に沿った方向に移動させ、前記ワークの外周面にらせん溝を形成する切削工程とを備える、らせん溝の加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載のらせん溝の加工方法であって、
前記切削工具の前記切削刃は、前記切削工具の中心軸に沿った方向において、所定の範囲に設けられ、
前記切削工程は、
前記切削刃における第1の部分を前記ワークの外周面に当て、前記第1の部分によって前記ワークの外周面を切削する第1切削工程と、
前記第1切削工程後、前記切削刃において前記第1の部分と前記切削工具の中心軸に沿った方向における位置が異なる第2の部分を前記ワークの外周面に当て、前記第2の部分によって前記ワークの外周面又は新たな前記ワークの外周面を切削する第2切削工程とを含む、らせん溝の加工方法。
【請求項3】
請求項2に記載のらせん溝の加工方法であって、
前記らせん溝の加工方法は、
前記切削工具の端部を保持し、回転させる工具主軸とを含む複合加工機を用い、
前記切削工具の前記切削刃は、前記切削工具の中心軸に沿った方向において、前記工具主軸に保持される端部とは異なる端部の所定の範囲に設けられ、
前記第1の部分は、前記切削工具の中心軸に沿った方向において、前記第2の部分よりも前記工具主軸に近い、らせん溝の加工方法。
【請求項4】
請求項1に記載のらせん溝の加工方法であって、
前記ワークは、焼入れ処理が施された前記外周面を有し、
前記切削工程では、
焼入れ処理が施された前記ワークの外周面にらせん溝を形成する、らせん溝の加工方法。
【請求項5】
請求項1に記載のらせん溝の加工方法であって、
前記らせん溝の加工方法は更に、
前記切削工程後、形成された前記らせん溝を研削する研削工程を備える、らせん溝の加工方法。
【請求項6】
請求項1に記載のらせん溝の加工方法であって、
前記らせん溝の加工方法は、
前記切削工具を保持し、回転させる工具主軸と、前記ワークの第1端部を保持し、前記ワークを回転させるワーク主軸と、前記第1端部と異なる前記ワークの第2端部を支持する補助ワーク主軸とを含む複合加工機を用いる、らせん溝の加工方法。
【請求項7】
請求項1に記載のらせん溝の加工方法であって、
前記切削工程では、
前記切削工具の前記切削刃を前記ワークの外周面に当てるとともに前記切削工具をその中心軸に沿った方向に振動させながら前記切削工具を前記ワークの中心軸に沿った方向に移動させ、前記ワークの外周面にらせん溝を形成する、らせん溝の加工方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のらせん溝の加工方法によって、らせん溝を有する軸部材を製造する、らせん溝を有する軸部材の製造方法。
【請求項9】
外周面に切削刃を有する軸形状の切削工具によって軸形状を有するワークの外周面にらせん溝を形成するらせん溝の加工機であって、
前記切削工具の位置又は姿勢と、前記ワークの位置又は姿勢を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記切削工具を、その中心軸が前記ワークの中心軸に垂直な線に対し加工するらせん溝のリード角だけ傾いた姿勢にするとともに、前記切削刃を前記ワークの外周面に向ける切削準備処理と、
前記切削準備処理を実行した後、前記切削工具の前記切削刃を、その中心軸周りに回転している前記ワークの外周面に当てながら前記切削工具を前記ワークの中心軸に沿った方向に移動させ、前記ワークの外周面にらせん溝を形成する切削処理と、を実行するように構成された、らせん溝の加工機。
【請求項10】
外周面に切削刃を有する軸形状の切削工具によって軸形状を有するワークの外周面にらせん溝を形成するらせん溝の加工機に用いられるプログラムであって、
前記切削工具を、その中心軸が前記ワークの中心軸に垂直な線に対し加工するらせん溝のリード角だけ傾いた姿勢にするとともに、前記切削刃を前記ワークの外周面に向ける切削準備処理と、
前記切削準備処理を実行した後、前記切削工具の前記切削刃を、その中心軸周りに回転している前記ワークの外周面に当てながら前記切削工具を前記ワークの中心軸に沿った方向に移動させ、前記ワークの外周面にらせん溝を形成する切削処理と、を実行するように構成された、らせん溝の加工機用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、らせん溝の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
らせん溝が形成される部材の一例として、ボールねじのねじ軸が知られている。ねじ軸は一般には概ね円筒形状であり、その外周面にらせん状の溝が形成される。このようなねじ軸は、例えば切削加工によって製造される。切削加工によるねじ軸の加工方法は、例えば特許文献1に開示される。
【0003】
特許文献1は、切削工具としてバイトを用いる加工方法を一例として開示する。この加工方法では、円筒形状のワークを中心軸周りに回転させ、バイトにおけるチップをワークの外周面に当てるとともにバイトをワークの中心軸に沿った方向に移動させる。このようなチップによるワークの外周面の切削を、複数回繰り返すことで、らせん溝が形成される。
【0004】
特許文献1は、その他にも、切削工具としてエンドミルを用いる加工方法を開示する。この加工方法では、エンドミルの軸方向がワークの半径方向に沿うようにエンドミルをワークの外周面に当てる。すなわち、エンドミルの軸方向がワークの外周面の加工点における接線方向と直角を成すように、エンドミルが配置される。ワーク及びエンドミルをそれぞれの中心軸周りに回転させ、エンドミルをワークの中心軸に沿った方向に移動させる。これにより、らせん溝が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4933081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ボールねじの場合、ねじ軸のらせん溝にボールが設けられ、ボールを介してねじ軸とボールナットとが相対運動する。そのため、らせん溝の断面形状は、半円形であるのが望ましい。チップを用いた加工方法によってこのようならせん溝を加工するには、例えば円形のチップ、すなわち溝の断面形状に対応したチップが用いられる。しかしながら、この場合、特殊なチップが必要となるため、加工コストが増加する。
【0007】
また、チップを用いた加工方法(旋削加工)では、ワークを所定の速度で回転させつつ、チップをらせん溝のピッチに合わせてワークの中心軸に沿った方向へ移動させる送り動作が必要である。そのため、旋削加工では、一般的なねじ加工と比べて切削負荷が高くなりやすい。加えて、ねじ軸に加工されるワークは、予め焼入れ処理が施される場合が多い。そのため、旋削加工では、更に切削負荷が高くなりやすい。このような理由により、旋削加工では、ワークの切削を複数サイクルに分け、ワークを徐々に切削することが多い。その結果、旋削加工では、加工効率を上げることは難しい。
【0008】
これに対し、エンドミルを用いた加工方法(ミーリング加工)では、エンドミルの先端面に設けられた底刃及び外周面に設けられた外周刃を用いてワークを切削する。ミーリング加工では、ワークの回転だけでなく、工具の回転も利用してワークを切削するため、旋削加工と比べてワークの回転速度を低速に設定できる。これに伴い、らせん溝のピッチに合わせるための工具の送り速度も低速に設定できる。その結果、ミーリング加工では、工具への切削負荷を適切に調整でき、旋削加工よりも少ないサイクルでらせん溝を形成することができる。
【0009】
しかしながら、エンドミルを用いた加工方法では、主に底刃がワークを切削する。この場合、底刃に大きな切削負荷がかかり、振動が生じやすく、工具摩耗も進みやすい。特に、ねじ軸等のらせん溝を有する部材は、高硬度のワークを切削するハードターニングによって製造されることが多い。そのため、一般的な切削加工と比べて、上述の振動が生じやすく、工具摩耗も進みやすい。このような理由から、エンドミルの底刃でらせん溝を切削する場合、加工速度等の加工条件の制約が厳しくなり、加工効率を上げることが難しい。
【0010】
本発明は、らせん溝の加工において、加工効率及び加工精度を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明のらせん溝の加工方法は、外周面に切削刃を有する軸形状の切削工具によって軸形状を有するワークの外周面にらせん溝を形成するらせん溝の加工方法である。らせん溝の加工方法は、切削工具を、その中心軸が前記ワークの中心軸に垂直な線に対し加工するらせん溝のリード角だけ傾いた姿勢にするとともに、切削刃をワークの外周面に向ける切削準備工程と、切削準備工程後、切削工具の切削刃を、その中心軸周りに回転しているワークの外周面に当てながら切削工具をワークの中心軸に沿った方向に移動させ、ワークの外周面にらせん溝を形成する切削工程とを備える。
【0012】
上記のらせん溝の加工方法では、軸形状の切削工具の外周面に設けられた切削刃によってワークを切削加工する。外周面に設けられた切削刃によってワークを切削することで、例えばエンドミルの底刃によって切削する場合と比べて、切削工具に負荷される曲げモーメントが低減される。その結果、切削工具の振動が抑制される。したがって、上記のらせん溝の加工方法によれば、らせん溝の加工において、加工効率及び加工精度を向上させることができる。
【0013】
(2)上記(1)のらせん溝の加工方法において、切削工具の切削刃は、切削工具の中心軸に沿った方向において、所定の範囲に設けられてもよい。切削工程は、切削刃における第1の部分をワークの外周面に当て、第1の部分によってワークの外周面を切削する第1切削工程と、第1切削工程後、切削刃において第1の部分と切削工具の中心軸に沿った方向における位置が異なる第2の部分をワークの外周面に当て、第2の部分によってワークの外周面又は新たなワークの外周面を切削する第2切削工程とを含んでいてもよい。
【0014】
上記(2)のらせん溝の加工方法では、あるワークに対して複数回切削加工する場合、又は、あるワークを切削加工した後に次の新たなワークを切削加工する場合において、切削刃とワークとが接する加工点が異なる。そのため、例えば第1の部分が摩耗したとしても、工具を交換することなく、第2の部分で切削加工を行うことができる。したがって、上記(2)のらせん溝の加工方法によれば、らせん溝の加工において、切削刃全体をらせん溝の加工に使いきることができ、1つの切削工具で見た場合の工具寿命を延ばすことができる。なお、加工点である第1の部分から第2の部分への移行は、第1の部分が工具寿命に至った後に、切削作用位置を第2の部分に移行させる態様とすることができる。工具寿命は経験的に又は工具の検査によって知ることができる。
【0015】
(3)上記(2)のらせん溝の加工方法は、切削工具の端部を保持し、回転させる工具主軸とを含む複合加工機を用いてもよい。切削工具の切削刃は、切削工具の中心軸に沿った方向において、工具主軸に保持される端部とは異なる端部の所定の範囲に設けられてもよい。第1の部分は、切削工具の中心軸に沿った方向において、第2の部分よりも工具主軸に近くてもよい。
【0016】
上記(3)のらせん溝の加工方法では、切削刃における根元側(工具主軸側)の第1の部分から切削加工に使用する。加工点が根元側に近いほど、加工点と切削工具が保持される点との距離が短くなり、切削負荷による振動やたわみが更に抑制される。したがって、上記(3)のらせん溝の加工方法によれば、らせん溝の加工において、加工効率及び加工精度を向上させることができる。
【0017】
(4)上記(1)のらせん溝の加工方法において、ワークは、焼入れ処理が施された外周面を有していてもよい。切削工程では、焼入れ処理が施されたワークの外周面にらせん溝を形成してもよい。
【0018】
例えば、ボールねじでは、ねじ軸はらせん溝にはめ込まれたボールと擦れ合う。そのため、ねじ軸に加工されるワークには、予め焼入れ処理が施されることがある。このような高い硬度を有するワークを切削加工する場合、刃に大きな負荷がかかり、刃先が摩耗しやすく、また、切削工具に振動が生じやすい。上記(4)のらせん溝の加工方法では、切削工具の外周面に設けられた切削刃によってワークを切削加工するため、振動が生じにくい。そのため、この加工方法は、焼入れ処理が施された高硬度のワークを切削加工するのに特に適する。
【0019】
(5)上記(1)のらせん溝の加工方法は更に、切削工程後、形成されたらせん溝を研削する研削工程を備えていてもよい。
【0020】
らせん溝は切削工具の送り動作によって加工されるため、加工条件によっては溝表面の表面粗さが粗くなる場合がある。上記(5)のらせん溝の加工方法では、切削工程後の研削工程により、らせん溝が研削される。したがって、上記(5)のらせん溝の加工方法によれば、らせん溝の加工において、加工効率及び加工精度を向上させることができる。
【0021】
(6)上記(1)のらせん溝の加工方法は、切削工具を保持し、回転させる工具主軸と、ワークの第1端部を保持し、ワークを回転させるワーク主軸と、第1端部と異なる第2端部を支持する補助ワーク主軸とを含む複合加工機を用いてもよい。
【0022】
上記(6)のらせん溝の加工方法では、ワークをその中心軸周りに回転させる。また、上記のらせん溝の加工方法では、切削工具の外周面に設けられた切削刃を、らせん溝のリード角に合わせるように配置し、切削工具をワークの中心軸に沿った方向に移動させる。このような加工方法に対し、上記(6)のらせん溝の加工方法では、旋盤機能及びマシニングセンタ機能を含む複合加工機を用いる。したがって、この加工方法によれば、1台の工作機械でワークにらせん溝を形成することができ、加工効率を向上させることができる。
【0023】
(7)上記(1)のらせん溝の加工方法において、切削工程では、切削工具の切削刃をワークの外周面に当てるとともに切削工具をその中心軸に沿った方向に振動(往復動)させながら切削工具をワークの中心軸に沿った方向に移動させ、ワークの外周面にらせん溝を形成してもよい。
【0024】
例えば、ねじ軸は中心軸に沿った方向を長手方向とする長尺の部材である。長尺のワークにらせん溝を形成する場合、一続きの長い切り屑が生じやすい。加工中に切り屑がワークに接触すると、ワークに傷がつく可能性がある。上記(7)のらせん溝の加工方法では、加工中に切削工具を所定の振幅及び振動数で振動させるため、切り屑が途中で切断されやすく、一続きの長い切り屑が生じにくい。また、振動によって切削刃とワークとが接する加工点が変動するので、切削刃の特定部位が摩耗するのを抑制することができ、振動に対応する切削刃の所定領域における摩耗を均等なものにすることができる。
【0025】
(8)上述のらせん溝の加工方法によれば、軸形状を有するワークの外周面にらせん溝を形成することができる。上記(1)~(7)のいずれかのらせん溝の加工方法によって、らせん溝を有する軸部材を製造することができる。したがって、らせん溝を有する軸部材の製造方法も本発明の範囲に含まれる。
【0026】
(9)本発明のらせん溝の加工機は、外周面に切削刃を有する軸形状の切削工具によって軸形状を有するワークの外周面にらせん溝を形成するらせん溝の加工機であって、切削工具の位置又は姿勢と、ワークの位置又は姿勢を制御する制御装置を備え、制御装置は、 切削工具を、その中心軸がワークの中心軸に垂直な線に対し加工するらせん溝のリード角だけ傾いた姿勢にするとともに、切削刃をワークの外周面に向ける切削準備処理と、切削準備処理を実行した後、切削工具の切削刃を、その中心軸周りに回転しているワークの外周面に当てながら切削工具をワークの中心軸に沿った方向に移動させ、ワークの外周面にらせん溝を形成する切削処理と、を実行するように構成される。
【0027】
(10)本発明のらせん溝の加工機用のプログラムは、外周面に切削刃を有する軸形状の切削工具によって軸形状を有するワークの外周面にらせん溝を形成するらせん溝の加工機に用いられるプログラムであって、切削工具を、その中心軸がワークの中心軸に垂直な線に対し加工するらせん溝のリード角だけ傾いた姿勢にするとともに、切削刃をワークの外周面に向ける切削準備処理と、切削準備処理を実行した後、切削工具の切削刃を、その中心軸周りに回転しているワークの外周面に当てながら切削工具をワークの中心軸に沿った方向に移動させ、ワークの外周面にらせん溝を形成する切削処理と、を実行するように構成される。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明のらせん溝の加工方法によれば、らせん溝の加工において、加工効率及び加工精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本実施形態のらせん溝を加工する複合加工機の主要構成を示した概略図である。
図2図2は、本実施形態のらせん溝の加工方法のフローチャートである。
図3図3は、本実施形態のらせん溝の加工方法における切削準備工程を説明するための図である。
図4図4は、本実施形態のらせん溝の加工方法における切削工程を説明するための図である。
図5図5は、本実施形態の変形例に係るらせん溝の加工方法のフローチャートである。
図6図6は、本実施形態の変形例に係るらせん溝の加工方法における第1切削工程を説明するための図である。
図7図7は、本実施形態の変形例に係るらせん溝の加工方法における第2切削工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態では、ボールねじにおけるねじ軸に形成されるらせん溝の加工方法について説明する。また、本実施の形態では、ねじ軸のらせん溝をNC工作機械(Numerically Controlled Machine Tool)である複合加工機を用いて加工する場合について説明する。
【0031】
<複合加工機>
図1は、本実施形態のらせん溝を加工する複合加工機の主要構成を示した概略図である。複合加工機1は、ワーク2の外周面にらせん溝21を形成する。なお、図中では、説明のためにらせん溝21が形成されたねじ軸をワーク2として示している。複合加工機1は、切削工具11を保持する工具主軸12と、ワーク主軸13と、補助ワーク主軸14と、を含む。ここで、複合加工機1を正面から見て、鉛直方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、左右方向をZ軸方向とする。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交する。
【0032】
切削工具11は、軸形状の一種である円筒形状を有する。本実施形態では切削工具11は、エンドミルである。切削工具11は、切削刃111と、切削刃112とを含む。切削刃111は、切削工具11の先端面に設けられる。切削刃111は、底刃とも称される。切削刃112は、切削工具11の先端側の外周面に設けられる。切削刃112は、切削工具11の中心軸113方向において、先端から所定の範囲の外周面に設けられる。切削刃112は、外周刃とも称される。切削刃112は、切削刃111と繋がるように設けられる。切削刃112は、切削工具11の中心軸に沿った方向に延伸方向とするらせん形状(ねじれ形状)を有する。切削工具11は、複数の切削刃111及び複数の切削刃112を含んでいてもよい。切削工具11は、その中心軸に垂直な断面において、形成するらせん溝の断面形状に対応した形状を有する。
【0033】
工具主軸12は、切削工具11を保持する。より詳細には、工具主軸12は、図示しないツールホルダを介して切削工具11を保持する。工具主軸12は、切削工具11の根元部、すなわち切削刃111及び切削刃112が設けられた先端部と異なる端部を保持する。工具主軸12は、所定の位置に設けられた工具マガジンに収容された各種工具を着脱可能に構成される。各種工具の工具主軸12への取り付け、交換は、工具マガジンの近傍の工具交換位置に設けられた工具交換装置によって行われる。工具主軸12は、図示しないX軸送り機構、Y軸送り機構及びZ軸送り機構によって、それぞれX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能に構成される。また、工具主軸12は、保持している切削工具11を回転させることが可能である。より詳細には、工具主軸12は、切削工具11をその中心軸周りに回転させることが可能である。また、工具主軸12は、Y軸と平行な回転軸(以下、このような回転軸をB軸ともいう。)周りに回転可能に構成される。
【0034】
ワーク主軸13は、ワーク2の一方の端部を保持する。ワーク主軸13は、ワーク2を把持するチャック131を含む。ワーク主軸13は、ワーク2がZ軸に沿うようにワーク2を保持する。ワーク主軸13は、Z軸と平行な回転軸周りに回転可能に構成される。ワーク主軸13は、ワーク2を、Z軸と平行な回転軸(以下、このような回転軸をC軸ともいう。)周りすなわちワーク2の中心軸23周りに回転可能に構成される。
【0035】
補助ワーク主軸14は、ワーク主軸13と対向するように設けられる。補助ワーク主軸14は、ワーク2の他方の端部を支持する。補助ワーク主軸14は、ワーク2を把持するチャック141を含む。補助ワーク主軸14は、ワーク2の回転を許容するようにワーク2を支持する。補助ワーク主軸14は、Z軸方向に移動可能に構成される。
【0036】
図示は省略するが、複合加工機1は、その他にも、ワーク2をクランプし、切削中のワーク2の中心軸の偏心を抑制する振れ止めユニット、外径等のワークの寸法を測定する測定装置等の各種機能を備えている。また、複合加工機1は、図示しない制御装置を備える。制御装置は、複合加工機の各部の位置又は姿勢を制御する。制御装置は、CPU、RAM、ROM等を含むコンピュータで構成される。制御装置は、記録媒体に格納されたコンピュータプログラムを実行することで、後述するらせん溝の加工方法の各工程を実現する。
【0037】
このような構成の複合加工機1を用いる本実施形態のらせん溝の加工方法によって、軸形状を有するワーク2の外周面22にリード角Aを有するらせん溝21が形成される。ここで、リード角とは、らせん溝1回転分の長さ及びらせん溝のリードを隣辺とする直角三角形において、らせん溝のリードを底辺とした場合に、底辺と斜辺とのなす角を言う。リード角は以下の式(1)で表される。
tanθ=L/(πD) (1)
θ:リード角
L:らせん溝のリード
D:らせん溝の有効径
なお、らせん溝のリードLは、らせん溝のある点と、当該ある点から出発し、らせん溝を1周回ったときに到達する点との中心軸方向の距離を言う。らせん溝の有効径Dは、らせん溝の山の中心軸方向長さと、らせん溝の谷の中心軸方向長さとが等しくなる仮想的な円筒の直径を言う。
以下、らせん溝の加工方法について説明する。
【0038】
<らせん溝の加工方法>
図2は、本実施形態のらせん溝の加工方法のフローチャートである。らせん溝の加工方法は、実行される順に、熱処理工程S11と、切削準備工程S12と、切削工程S13と、研削工程S14とを備える。
【0039】
熱処理工程S11では、円筒形状を有するワーク2に熱処理を施す。熱処理は、例えば焼入れである。ワーク2は、例えば鉄又は鉄を主成分とする合金からなる。ワーク2に熱処理を施すことで、ワーク2の硬度を向上させる。なお、本実施形態ではワーク2は中実の円筒形状を有するが、ワーク2は中空の円筒形状であってもよい。すなわち、ワーク2は、軸形状を有していればよい。軸形状は、円筒形状に限定されない。軸形状は、フランジ等の段差を有する形状も含む。軸形状は、非対称形状も含む。軸形状は、回転中心である中心軸を有する形状であればよい。
【0040】
図3は、本実施形態のらせん溝の加工方法における切削準備工程を説明するための図である。図中において、(A)は複合加工機の正面から見た図であり、(B)はワークの中心軸に沿った方向に沿って見た図である。図(A)を参照して、切削準備工程S12では、まず複合加工機1にワーク2を取り付ける。ワーク2の一方の端部をワーク主軸13のチャック131で把持し、他方の端部を補助ワーク主軸14のチャック141で把持する。
【0041】
次に、切削工具11を、その中心軸113がワーク2の中心軸23に垂直な線L1に対し加工するらせん溝21のリード角Aだけ傾いた姿勢にするとともに、切削刃112をワーク2の外周面22に向ける。より詳細には、垂直な線L1は、ワーク2の中心軸23及び鉛直軸の両方に対し直交する。切削工具11を、その中心軸113がワーク2の中心軸23及び中心軸23に直交する鉛直軸で画定される平面内において鉛直軸に対しリード角Aだけ傾いた姿勢にする。Y軸方向から見て、切削工具11の中心軸113がX軸方向に対してリード角Aだけ傾くように、工具主軸12をY軸に平行な回転軸周りに回転させる。さらに言い換えると、ワーク2の中心軸23に対して直交する半径方向軸(線L1)と平行な基準軸と、切削工具11の中心軸113とがなす角がワーク2に対して形成したいらせん溝のリード角Aとなるように、工具主軸12を回転させる。この実施形態では工具主軸12の基準状態はその中心軸が鉛直方向を向いている状態のため、リード角A分だけ工具主軸12をB軸回りに回転させることになる。図(B)を参照して、工具主軸12をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に適宜移動させ、切削刃112をワーク2の外周面22に対向させる。本実施形態では、切削刃112がワーク2の外周面からY軸方向(+側又は-側)に所定の距離離れた位置に配置されるように、工具主軸12を移動させる。なお、工具主軸12の回転運動と、工具主軸12の並進移動についてその順番は特に限定されない。例えば切削刃112をワーク2の外周面に対して対向させた後に、工具主軸12を回転させて切削工具11の中心軸113とX軸方向とのなす角をリード角Aと同じ角度となるようにしてもよい。加えて、工具主軸12の回転と並進移動を同時に行うようにしてもかまわない。
【0042】
図4は、本実施形態のらせん溝の加工方法における切削工程を説明するための図である。図中において、(A)は複合加工機の正面から見た図であり、(B)はワークの中心軸に沿った方向に沿って見た図である。まず図(B)を参照して、切削工程S13では、切削工具11を用いたミーリング加工を行う。より詳細には、ワーク2を保持しているワーク主軸13を回転させることで、ワーク2をその中心軸23周りに回転させる。この実施形態では、切削工程S13中にワーク2を回転させる。しかしながら、切削工程S13の実行前にワーク2を回転させてもよい。切削準備工程S12中にワーク2を回転させてもよい。切削準備工程S12の前にワーク2を回転させてもよい。要するに、切削工程S13におけるワーク2の加工前にワーク2を回転させればよい。また、工具主軸12を回転させることで、切削工具11をその中心軸113周りに回転させる。ただし、切削工具11は切削工程S13の前に回転させてもよい。切削工具11は、ワーク2の加工前に回転していればよい。その後、工具主軸12をY軸方向に移動させ、回転している切削工具11の切削刃112を、回転しているワーク2の外周面に当て、切削工具11をワーク2に対して切り込ませる。この際、切削工具11の中心軸113は、ワーク2の中心軸に沿った方向で見て、ワーク2の外周面における切削刃112とワーク2とが接する加工点での接線方向と平行となる。これにより、図(A)を参照して、切削刃112によってワーク2の外周面が切削される。その後、工具主軸12をZ軸方向に移動させる、すなわち切削工具11をワーク2の中心軸に沿った方向に移動させる。つまり、切削工程S13では、切削加工の開始から終了まで切削工具11の外周面に設けられた切削刃112でワークを切削する。切削工程S13では、らせん溝の始端から終端までを切削工具11の外周面に設けられた切削刃112で形成する。その結果、ワーク2の外周面にらせん溝21が形成される。
【0043】
このように本実施形態のらせん溝の加工方法によれば、らせん溝の断面形状に対応する断面形状を有する切削工具11の外周面に設けられた切削刃112によってワーク2を切削加工する。そのため、1回の切削加工、すなわち、らせん溝が形成される範囲において切削工具11をZ軸方向に1度移動させるだけでワーク2の外周面にらせん溝が形成される。また、切削工具11の底面に設けられた切削刃111を用いることなく、外周面に設けられた切削刃112によってワーク2を切削加工する。そのため、切削刃111によって切削する場合と比べて、切削工具11に生じる曲げモーメントが抑制され、振動が生じにくい。したがって、本実施形態のらせん溝の加工方法によれば、らせん溝の加工において、加工効率を向上させることができる。
【0044】
<変形例>
図5は、本実施形態の変形例に係るらせん溝の加工方法のフローチャートである。以下、本実施形態の変形例に係るらせん溝の加工方法を説明するが、上述の説明と重複する説明は適宜省略する。変形例に係るらせん溝の加工方法は、切削工具11とワーク2とが接する加工点を変更するという点において上述の実施形態と異なる。このらせん溝の加工方法において、切削工程S13は、第1切削工程S131と、第1切削工程S131後に実行される第2切削工程S132とを含む。
【0045】
図6は、本実施形態の変形例に係るらせん溝の加工方法における第1切削工程を説明するための図である。第1切削工程S131では、切削刃112における第1の部分1121をワーク2の外周面22に当て、第1の部分1121によってワーク2の外周面22を切削する。第1の部分1121は、切削刃112をらせん溝が形成されていないワーク2に近づけたとき、ワーク2の外周面22に最初に当たる切削刃112における点(加工点)に相当する。第1の部分1121は、切削工具11の中心軸に沿った方向において、切削刃112の根元側の端(工具主軸12側の端)から所定の距離の位置に設けられる。所定の距離は、例えば切削刃112の中心軸に沿った方向の長さの1/2以下である。好ましくは、所定の距離は、切削刃112の中心軸に沿った方向の長さの1/4以下である。第1切削工程S131の実行により、ワーク2にはらせん溝21が形成される。
【0046】
第1切削工程S131の実行後、らせん溝21が形成されたワークを複合加工機1から取り出し、らせん溝が形成されていない新たなワークを複合加工機1に取り付ける。その後、第2切削工程S132を実行する。
【0047】
図7は、本実施形態の変形例に係るらせん溝の加工方法における第2切削工程を説明するための図である。第2切削工程S132では、切削刃112において第1の部分1121と異なる第2の部分1122をワーク2の外周面に当て、第2の部分1122によって新たなワーク2の外周面を切削する。第2の部分1122は、切削刃112をらせん溝が形成されていないワーク2に近づけたとき、ワーク2の外周面22に最初に当たる切削刃112における点に相当する。第2の部分1122は、切削工具11の中心軸に沿った方向において、第1の部分1121よりも切削刃112の先端側(工具主軸12側と反対側)に設けられる。第2の部分1122は、第1の部分1121と重ならない。第2の部分1122は、切削工具11の中心軸に沿った方向において、切削刃112の先端側の端(工具主軸12側と反対側の端)から所定の距離の位置に設けられる。所定の距離は、例えば切削刃112の中心軸に沿った方向の長さの1/2未満である。好ましくは、所定の距離は、切削刃112の中心軸に沿った方向の長さの1/4以下である。第2切削工程S132の実行により、新たなワーク2にはらせん溝21が形成される。
【0048】
ただし、第2の部分1122は、切削工具11の中心軸に沿った方向において、第1の部分1121と異なる位置であればよい。第2の部分1122は、切削工具11の中心軸に沿った方向において、第1の部分よりも切削刃112の根元側(工具主軸12側)に設けられてもよい。また、第1切削工程S131と第2切削工程S132とで同じワークを切削加工してもよい。すなわち、あるワークに対して複数回切削加工を行いらせん溝を形成する場合において、その途中で切削刃112とワーク2とが接する加工点を変更してもよい。
【0049】
その他にも、上述の実施形態では、切削準備工程S12の前に熱処理工程S11を実行する場合について説明した。しかしながら、熱処理工程S11は実行されなくてもよい。すなわち、熱処理が施されていないワークにらせん溝を形成してもよい。また、切削加工とは別の場所で熱処理が行われたワーク、すなわち予め熱処理が施されたワークを用意して、当該ワークに対して切削準備工程S12及び切削工程S13を実行してもよい。また、上述の実施形態では、切削工程S13後に研削工程S14を実行する場合について説明した。しかしながら、研削工程S14は実行されなくてもよい。すなわち、らせん溝の研削工程は必要に応じて適宜実行されればよく、また切削加工とは別の場所で実行されてもよい。
【0050】
また、上述の実施形態では、切削工程S13では、切削工具11をその中心軸周りに回転させながらZ軸方向にのみ移動させてワーク2を切削加工する場合について説明した。しかしながら、切削工程S13では、切削工具11をその中心軸に沿った方向に振動(往復動)させながらZ軸方向(ワーク2の中心軸に沿った方向)に移動させてもよい。切削工具11をその中心軸に沿った方向に振動させる態様としては、図4(A)に示した例では、X軸送り機構及びZ軸送り機構による複合動作によって、工具主軸12をその中心軸に沿った方向(即ち、切削工具11の中心軸に沿った方向)の創成軸を構成し、この創成軸に沿って工具主軸12を振動(往復動)させる態様が考えられる。そして、この振動動作に、Z軸方向への送り動作を合成した動作を工具主軸12に加える。
【0051】
また、上述の実施形態では、汎用の複合加工機1を用いてワーク2にらせん溝を形成する場合について説明した。しかしながら、らせん溝の加工方法は、複合加工機以外の他の工作機械を用いてもよい。他の工作機械は、例えば5軸加工機である。また、本発明に係るらせん溝の加工方法を実施するための専用加工機を用いてもよい。
【0052】
また、上述の実施形態では、切削工具11をその中心軸周りに回転させてワーク2を切削加工するミーリング加工によってらせん溝を形成する場合について説明した。しかしながら、切削工具11をその中心軸周りに回転させずにワーク2を切削する旋削加工によってらせん溝を形成してもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、ワーク2をボールねじのねじ軸に加工する場合について説明した。しかしながら、本実施形態のらせん溝の加工方法は、これに限定されない。らせん溝の加工方法は、例えばワーク2を、らせん形状の油溝を有する軸部材に加工してもよい。要するに、らせん溝の加工方法は、ワーク2を、らせん溝を有する軸部材に加工すればよい。
【0054】
繰り返しになるが、上述した実施形態の説明は、すべての点で例示であって、何ら制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 :複合加工機
11 :切削工具
111,112:切削刃
1121 :第1の部分
1122 :第2の部分
113 :中心軸
12 :工具主軸
13 :ワーク主軸
131 :チャック
14 :補助ワーク主軸
141 :チャック
2 :ワーク
21 :らせん溝
22 :外周面
23 :中心軸
A :リード角
【要約】
【課題】らせん溝の加工において、加工効率及び加工精度を向上させる。
【解決手段】らせん溝の加工方法は、外周面に切削刃112を有する軸形状の切削工具11によって軸形状を有するワーク2の外周面22にらせん溝21を形成するらせん溝の加工方法である。らせん溝の加工方法は、切削工具11を、その中心軸113がワーク2の中心軸23に垂直な線L1に対し加工するらせん溝21のリード角Aだけ傾いた姿勢にするとともに、切削刃112をワーク2の外周面22に向ける切削準備工程と、切削準備工程後、切削工具11の切削刃112を、その中心軸23周りに回転しているワーク2の外周面22に当てながら切削工具11をワーク2の中心軸23方向に移動させ、ワーク2の外周面23にらせん溝21を形成する切削工程とを備える。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7