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特許7557059ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/00 20060101AFI20240918BHJP
   C08K 5/5313 20060101ALI20240918BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20240918BHJP
   C08K 3/38 20060101ALI20240918BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20240918BHJP
   C08K 5/053 20060101ALI20240918BHJP
   C08J 5/04 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
C08L77/00
C08K5/5313
C08K3/22
C08K3/38
C08K7/14
C08K5/053
C08J5/04 CFG
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023519582
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 CN2021077357
(87)【国際公開番号】W WO2022068138
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】202011047000.9
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520070792
【氏名又は名称】金発科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】KINGFA SCI. & TECH. CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.33 Kefeng Road, Science City, Hi-Tech Industrial Development Zone, Guangzhou, Guangdong 510663, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】戴剣
(72)【発明者】
【氏名】叶南▲ビャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】黄険波
(72)【発明者】
【氏名】丁超
(72)【発明者】
【氏名】鄭一泉
(72)【発明者】
【氏名】王豊
(72)【発明者】
【氏名】張亜軍
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-542311(JP,A)
【文献】特表2007-507566(JP,A)
【文献】特表2013-523958(JP,A)
【文献】特開2005-336473(JP,A)
【文献】特開2016-117898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
C08J 5/04- 5/10;5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料であって、
成分として、ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料100質量部に対して、脂肪族ポリアミド20~50質量部と、芳香族ポリアミド10~30質量部と、ハロゲンフリー難燃剤20~30質量部と、ガラス繊維10~50質量部と、チャー形成剤1~5質量部と、助剤0~5質量部と、を含み、前記芳香族ポリアミドはPA66/6T、PA MXD6、PA6T/6Iのうちの少なくとも1種であり、前記チャー形成剤はジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールのうちの少なくとも1種であり、前記ハロゲンフリー難燃剤は、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ベーマイト及びホウ酸亜鉛を配合したものであり、前記ジエチルホスフィン酸アルミニウムとベーマイトとホウ酸亜鉛との質量比は、(15~16):(4~5):(2~3)であることを特徴とするハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料。
【請求項2】
前記芳香族ポリアミドは、PA66/6T、PA6T/6Iのうちの少なくとも1種であり、前記チャー形成剤はジペンタエリスリトールであることを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料。
【請求項3】
前記脂肪族ポリアミドは、PA6、PA46、PA66、PA56、PA610のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料。
【請求項4】
前記脂肪族ポリアミドはPA66であることを特徴とする請求項3に記載のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料。
【請求項5】
前記ガラス繊維は、Eガラス繊維、Hガラス繊維、R,Sガラス繊維、Dガラス繊維、Cガラス繊維、石英ガラス繊維から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料。
【請求項6】
成分として、脂肪族ポリアミド20~50質量部と、芳香族ポリアミド15~25質量部と、ハロゲンフリー難燃剤20~30質量部と、ガラス繊維10~50質量部と、チャー形成剤1.5~3質量部と、助剤0~5質量部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料。
【請求項7】
前記助剤は、酸化防止剤、潤滑剤から選択される少なくとも1種であり、前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、前記潤滑剤は、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドのうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料の製造方法であって、該製造方法は、
ガラス繊維以外の各成分を高速混合機にて予備混合し、プリミックスを得た後、プリミックスを二軸押出機に投入して、前記ガラス繊維と溶融、混合させ、そして押出して造粒すること、及び、
押出されて造粒されたポリアミド材料に対して射出成形を行い、ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料を得ることを含み、
ここで、二軸押出機のスクリューの長径比が40:1~48:1であり、スクリューの5~6段側でガラス繊維がフィードされ、バレル温度が240~300℃であり、スクリューの回転数が300~500rpmであることを特徴とするハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料の製造方法。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料の車両用材料における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子材料改質の分野に関し、特にハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハロゲンフリー難燃性ポリアミド材料は、電子電気、自動車などの産業に広く応用されており、総合的な機械的特性、耐熱性などに優れているが、小型化、集積化が進むにつれ、生産の端末では、材料への要求がさらに高まり、一方、既存の関連製品は耐老化性、耐候性の面ですでに当該要求を満たすことができないため、これはこのような製品の応用を制限する重要な要因の1つになる。通常の抗酸化系を用いて最適化を行うと、改善効果は極めて限られているため、処方系全体の最適化を通じて有効に材料の性能を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に鑑み、本発明は、上記の従来技術の欠陥を解決し、高耐候性、高耐老化性のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成させるために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料であって、成分として、脂肪族ポリアミド20~50質量部と、芳香族ポリアミド10~30質量部と、ハロゲンフリー難燃剤20~30質量部と、ガラス繊維10~50質量部と、チャー形成剤1~5質量部と、助剤0~5質量部と、を含み、前記芳香族ポリアミドは、PA66/6T、PA MXD6、PA6T/6Iのうちの少なくとも1種であり、前記チャー形成剤は、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールのうちの少なくとも1種であるハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料を提供する。
【0005】
本願のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料において、特定の芳香族ポリアミド及びチャー形成剤を配合することによって、芳香族ポリアミド自体の耐熱老化能力及び老化中にチャー形成剤により形成される緻密炭化層との相乗作用を利用し、両者はともに効果向上の相乗作用を発揮し、これにより、前記ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料に優れた耐候性、耐老化性及び難燃性を付与する。
【0006】
好ましくは、前記芳香族ポリアミドは、PA66/6T、PA6T/6Iのうちの少なくとも1種であり、前記チャー形成剤は、ジペンタエリスリトールである。
【0007】
好ましくは、前記脂肪族ポリアミドは、PA6、PA46、PA66、PA56、PA610のうちの少なくとも1種である。
【0008】
より好ましくは、前記脂肪族ポリアミドはPA66である。
【0009】
好ましくは、前記ハロゲンフリー難燃剤は、ジエチルホスフィン酸アルミニウム(Aluminum Diethylphosphinate)、ベーマイト及びホウ酸亜鉛を配合したものであり、前記ジエチルホスフィン酸アルミニウムとベーマイトとホウ酸亜鉛との質量比が(15~16):(4~5):(2~3)である。
【0010】
好ましくは、前記ガラス繊維は、Eガラス繊維、Hガラス繊維、R,Sガラス繊維、Dガラス繊維、Cガラス繊維、石英ガラス繊維から選択される少なくとも1種である。
【0011】
好ましくは、前記ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料は、成分として、脂肪族ポリアミド20~50質量部と、芳香族ポリアミド15~25質量部と、ハロゲンフリー難燃剤20~30質量部と、ガラス繊維10~50質量部と、チャー形成剤1.5~3質量部と、助剤0~5質量部と、を含む。
【0012】
好ましくは、前記助剤は、酸化防止剤、潤滑剤から選択される少なくとも1種であり、前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、前記潤滑剤は、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドのうちの少なくとも1種である。
【0013】
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、n-オクタデシル-3-(3'-メチル-5-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、n-テトラデシル-3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、テトラキス(メチレン-3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、N,N'-ビス-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
【0014】
また、本発明は、さらに、前記ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料の製造方法を提供し、この製造方法は、ガラス繊維以外の各成分を高速混合機にて予備混合し、プリミックスを得た後、プリミックスを二軸押出機に投入して、前記ガラス繊維と溶融、混合させ、そして押出して造粒すること、及び、押出されて造粒されたポリアミド材料に対して射出成形を行い、ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料を得ることを含み、ここで、二軸押出機のスクリューの長径比が40:1~48:1であり、スクリューの5~6段側でガラス繊維がフィードされ、バレル温度が240~300℃であり、スクリューの回転数が300~500rpmである。
【0015】
また、本発明は、前記ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料の車両用材料における使用をさらに開示する。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0017】
本願のハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料において、特定の芳香族ポリアミド及びチャー形成剤を配合することによって、芳香族ポリアミド自体には耐熱老化能力を有するとともに、老化中にチャー形成剤により形成される緻密炭化層と相乗作用があり、両者がともに効果向上の相乗作用を発揮するため、前記ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料に優れた耐候性、耐老化性及び難燃性を付与する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明する。以下の実施例は、本発明の代表例に過ぎず、本発明の特許範囲はこれに限定されない。
【0019】
以下の実施例及び比較例では、各性能のテスト方法は以下のとおりである。
(1)難燃性:UL 94 2018の関連規格に準じて、厚さが0.8mmであるサンプルに対して難燃性テストを行った。難燃性は、電気安全に対して重要な意義を持って、適用ニーズを満たすために、UL94 2018に基づく難燃性グレードがV-0に達する必要がある。
(2)耐老化性:耐老化性テストは、UL 746B 2018の関連規則と方法に従って評価を行い、老化温度が230℃で、厚さが0.8mmであるISO 527-2 1BAサンプルをテストサンプルとし、引張強度が初期性能の50%まで減衰するまでに必要な時間を記録し、そして、これを耐老化性の評価指標とする。
(3)耐候性:耐候性は、Cycle 4892-2の関連規格に準じて、テストと評価を行い、テストサンプルは平板状のものであり、キセノンランプによる劣化の前後の色差ΔEを評価指標として記録する。
【0020】
実施例及び比較例に使用される材料は以下のとおりである。
脂肪族ポリアミド:ポリアミド樹脂A1:製品名 PA66 EP-158、華峰集団社製
脂肪族ポリアミド:ポリアミド樹脂A2:製品名 PA56、山東凱賽社製
脂肪族ポリアミド:ポリアミド樹脂A3:製品名 PA610 F150、山東広垠社製
芳香族ポリアミド:ポリアミド樹脂B:PA 6T/6I、製品名 Selar PA 3462R、デュポン社製
芳香族ポリアミド:ポリアミド樹脂C:PA66/6T、製品名 C1504T、山東広垠社製
芳香族ポリアミド:ポリアミド樹脂D:PAMXD6、上海盈固化工社製
芳香族ポリアミド:ポリアミド樹脂E:PA6I、山東祥竜新材料社製

ハロゲンフリー難燃剤:
ジエチルホスフィン酸アルミニウム、製品名 OP1230、リン含有量23~24質量%、Clariant社製
ベーマイト、製品名 BG-613SO、壹石通社製
ホウ酸亜鉛、製品名 ZB-500、成都開飛高能化学社製

酸化防止剤:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、N,N'-ビス-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、製品名 IRGANOX 1098、BASF社製

潤滑剤:高級脂肪酸エステル、製品名 LOXIOL G 32、Emery社製

ガラス繊維:ECS11-4.5-560A、Eガラス繊維、中国巨石社製、直径11μm

チャー形成剤:
ジペンタエリスリトール、製品名 CHARMOR DP40、Perstorp社製
トリペンタエリスリトール、製品名 Sigma-Aldrich、メルク社製
ペンタエリスリトール、湖北宜化集団社製
【0021】
本発明の実施例による前記ハロゲンフリー難燃性ポリアミド複合材料の製造方法においては、ガラス繊維以外の各成分を高速混合機にて予備混合し、プリミックスを得た後、プリミックスを二軸押出機に投入して、溶融、混合させ、そして押出して造粒し(ここで、二軸押出機のスクリューの長径比が40:1(スクリューの5~6段側でガラス繊維がフィードされる)であり、バレル温度が240~300℃であり、スクリューの回転数が300rpmである。)、押出されて造粒されたポリアミド複合材料に対して、射出温度280℃、射出圧力70MPaで射出成形を行う。
【0022】
本願では、実施例1~14及び比較例1~8が設計され、実施例1~7における各成分の含有量及び性能のデータを表1に示し、実施例8~14における各成分の含有量及び性能のデータを表2に示し、比較例1~8における各成分の含有量及び性能のデータを表3に示した。
【0023】
表1:実施例1~7における各成分の含有量及び性能のデータ
【表1】
【0024】
表2:実施例8~14における各成分の含有量及び性能のデータ
【表2】
【0025】
表3:比較例1~8における各成分の含有量及び性能のデータ
【表3】
【0026】
実施例1~3の比較から、実施例1における脂肪族ポリアミドはPA66であり、実施例1の耐老化性及び耐候性は実施例2、実施例3よりも優れることが分かった。
【0027】
実施例4~6の比較から、実施例4における芳香族ポリアミドはPA 6T/6I、実施例5における芳香族ポリアミドはPA66/6T、実施例6における芳香族ポリアミドはPA MXD6であり、実施例4、実施例5の耐老化性及び耐候性は実施例6よりも優れることが分かった。
【0028】
実施例4と実施例7との比較から、実施例4におけるチャー形成剤はジペンタエリスリトール、実施例7におけるチャー形成剤はトリペンタエリスリトールであり、実施例4の耐老化性及び耐候性は実施例7よりも優れることが分かった。
【0029】
実施例4、実施例8と実施例9~10との比較から、実施例4、実施例8では、ジエチルホスフィン酸アルミニウムとベーマイトとホウ酸亜鉛の質量比が(15~16):(4~5):(2~3)であり、一方、実施例9~10では、ジエチルホスフィン酸アルミニウムとベーマイトとホウ酸亜鉛の質量比が(15~16):(4~5):(2~3)の範囲になく、実施例4、実施例8の耐老化性及び耐候性は実施例9、実施例10よりも優れることが分かった。
【0030】
実施例4、実施例13、実施例14と実施例12との比較から、実施例4、実施例13、実施例14では、芳香族ポリアミドが15~25質量部の範囲にあり、チャー形成剤が1.5~3質量部の範囲にあり、実施例12では、芳香族ポリアミドが15~25質量部の範囲になく、チャー形成剤が1.5~3質量部の範囲になく、実施例4、実施例13、実施例14の耐老化性及び耐候性は実施例12よりも優れることが分かった。
【0031】
実施例4と比較例1~8との比較から、芳香族ポリアミドとチャー形成剤を配合しないか、又は芳香族ポリアミド及びチャー形成剤のいずれかを単独で配合するか、又は両方を配合するが、配合量や成分が好ましい範囲にない場合、材料全体の抗老化性、耐候性及び難燃性はいずれも本願の実施例4よりも明らかに劣ることが分かった。
【0032】
なお、以上の実施例は本発明の技術的解決手段を説明するために過ぎず、本発明の特許範囲を制限するものではなく、好ましい実施例を参照しながら本発明について詳細に説明したが、当業者にとって明らかなように、本発明の技術的解決手段の趣旨及び範囲を逸脱することなく本発明の技術的解決手段について修正や均等な置換を行うことができる。