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特許7557081無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュール
(51)【国際特許分類】
   E02D 17/04 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
E02D17/04 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023548167
(86)(22)【出願日】2021-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 KR2021015486
(87)【国際公開番号】W WO2022149692
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0003493
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523144782
【氏名又は名称】ジェイピー イーアンドシー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ユン ハ ヨン
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-0714041(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1715876(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-0910987(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2077421(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 17/04
E02D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
山留め壁の親杭(12)への腹起し(20)の据え付けに用いられる腹起し受けモジュール(100)であって、
前記腹起し(20)が配設される位置となる親杭(12)に着脱自在に設置され、腹起し(20)を支持する腹起し受けブラケット(110)と、
前記腹起し受けブラケット(110)に支持され、腹起し(20)と親杭(12)との間に形成される隙間を埋め込む裏込めブロック(120又は120’)と、を含み、
裏込めブロック(120)は、
腹起し受けブラケット(110)の支持面に面接するブロック底面(1210a)、ブロック底面(1210a)に対して垂直して腹起し(20)と対向しているブロック垂直面(1210b)、ブロック底面(1210a)に対して所定の鋭角を持って親杭(12)に面接するブロック傾斜面(1210c)を有するブロック胴体(1210)と、
前記ブロック垂直面(1210b)側に設置された複数の裏込め間隔調整用ナット(1220)と、
一端には前記裏込め間隔調整用ナット(1220)にねじ結合されるねじ軸(1231)を有し、他端には球面溝(1232a)と円形状に並んだ回転操作用溝(1232b)を有する円筒状ピボット(1232)が具備された裏込めボルト(1230)と、
前記円筒状ピボット(1232)の球面溝(1232a)に球面結合されて前記腹起し(20)に面接する腹起し受け脚(1240)と、を含む、ことを特徴とする、無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュール。
【請求項2】
前記裏込めブロック(120)の上部に配置されるとともに、前記親杭(12)に着脱自在に設置され、腹起し(20)の据え付け姿勢を維持させる逆腹起しボルダー(130)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュール。
【請求項3】
前記腹起し受けブラケット(110)は、裏込めブロック(120)の下部に配設され、親杭(12)に接するように位置する腹起し受け下方垂直台(112)と、一端が腹起し受け下方垂直台(112)の上端に固定され、腹起し(20)の下端を支持する腹起し受け下方支持台(114)と、一端が腹起し受け下方垂直台(112)の下端に固定され、他端が腹起し受け下方支持台(114)に固定された腹起し受け下部補強台(116)と、腹起し受け下方垂直台(112)の上端及び下端に分離可能なヒンジボルト(117)によって繋がれて親杭(12)にそれぞれ溶接で接合される腹起し受け上下部ヒンジジョイント(118a、118b)と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュール。
【請求項4】
逆腹起しボルダー(130)は、
裏込めブロック(120)の上部に配設され、親杭(12)に接するように位置するホルダー垂直台(132)、一端がホルダー垂直台(132)の下端に固定されて腹起し(20)の上端と接するホルダー受け台(134)、一端がホルダー垂直台(132)の上端に固定され、他端がホルダー受け台(134)に固定されたホルダー補強台(136)、およびホルダー垂直台(132)の上端及び下端に分離可能なヒンジボルト(137)によって繋がれて親杭(12)にそれぞれ溶接で接合されるホルダー上下部ヒンジジョイント(138a、138b)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュール。
【請求項5】
前記腹起し受けブラケット(110)の腹起し受け下方支持台(114)には、裏込めブロック(120)の設置案内及び設置位置の離脱防止のために、互いに対向するように設置された一対の裏込めブロックガイド(115)がさらに設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山留め壁の施工時、腹起しの親杭への据え付けに用いられる腹起し受けモジュールに関し、特に、親杭と腹起しとの間に生じた隙間を裏込めブロックによって容易に埋め込めるようにし、アースアンカーの取付角度に応じて裏込めブロック側の腹起し受け脚または杭受け脚がピボット動作して、腹起しの傾きに適宜対応して最適のアンカー力が発揮でき、山留め壁の解体の際に撤去されて再利用が可能であり、逆腹起しホルダーによる腹起しの設置安定性を高めるようにした無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
山留め壁は、土木建築現場で根切り工事時に土砂などが崩れることを防止するために施工される。このとき、山留め壁が崩れることを防止するためには、通常、切梁工法またはアースアンカー工法が選択的に用いられる。ここでアースアンカー工法は、山留め壁の背面にアンカー体を形成して引張力によって土圧を支持する工法であって、アンカーは、引張材を用いて、力を土または岩盤の中に伝達させる。この時、アースアンカーの頭部を定着させるために、山留め壁側の親杭に腹起しが架設される。ところが、親杭は、施工後に不規則な配列をなすと、親杭と腹起しとの間で不規則な隙間(溝)が発生し、該溝を埋め込むために裏込め鋼材(アングル、鋼板、H型鋼材など)が設置される。この際、裏込め鋼材は、当該箇所の親杭と腹起しとの間の溝の間隔が異なるので、規格化されにくく、アースアンカーの取付方向に応じた腹起しの傾き角度に能動的な対応ができなく、溶接設置作業が困難であるという問題がある。
【0003】
なお、腹起しは、山留め壁の親杭に設置された腹起し受けブラケットに支持される。したがって、腹起しは、山留め壁に作用する土圧による曲げモーメントと剪断力に抵抗する。この腹起しに、アースアンカーが設置される場合、傾き角度を持って設置され、このためには、腹起し受けブラケットの傾き調節が必要である場合がある。一般に、腹起し受けブラケットは、現場で山留め壁の親杭に溶接によって取り付けられた後、腹起しの撤去時解体されて廃棄される。このように、腹起し受けブラケットは再利用が行われていない実情であるから、資材の浪費となるだけでなく、工事費用の削減に役立たないという問題がある。したがって、腹起し受けブラケットの再利用のための技術的方案が求められている。
【0004】
本発明の背景になる腹起しに係わる技術としては、韓国登録特許第10-1677811号、第10-1364227号が提案されている。しかし、これらの前記背景技術においては、2つの腹起しが背面を対向させて設置されなければならなく、裏込め兼用据え付け台に溝の間隔に応じたスペーサを追加的に別途設置しなければならなく、軸ボルト及び固定装置によって裏込め兼用据え付け台を腹起しに結合させる更なる設置作業などで、裏込め作業が複雑になり、かつ締結部品数が多くなるという問題と、蛇腹ジャックの設置による別途のコンクリート充填及び養生の時間を要するという問題がある。
【0005】
本発明の背景になる腹起しブラケットに係わる技術としては、韓国登録特許第10-1420374号及び第10-1683968号が提案されている。しかし、これらの前記背景技術は、堅固な構造を持つことに対し、Hビームの腹起し支持用ブラケットの設置費用を低減するための再利用に対する技術的代案がなく、根切りの掘削深さによって複数個所に設置できないという問題がある。すなわち、腹起しブラケットを、杭の深さに応じて、腹起しの中間地点ごとに設置することができないという短所がある。更に、腹起しブラケットの角度調節が不可であることから、アースアンカーの施工のために腹起しを斜めに設置することができないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、親杭と腹起しとの間に生じた隙間を裏込めブロックによって容易に埋め込めるようにし、アースアンカーの取付角度に応じて裏込めブロック側の腹起し受け脚または杭受け脚がピボット動作して、腹起しの傾きに適宜対応して最適のアンカー力が発揮でき、山留め壁の解体の際に撤去されて再利用が可能であり、逆腹起しホルダーによる腹起しの設置安定性を高めるようにした無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好適な実施形態による無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュールは、山留め壁の親杭への腹起しの据え付けに用いられる腹起し受けモジュールであって、前記腹起しが配設される位置となる親杭に着脱自在に設置され、腹起しを支持する腹起し受けブラケットと、前記腹起し受けブラケットに支持され、腹起しと親杭との間に形成される隙間を埋め込む裏込めブロックと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、前記裏込めブロックの上部に配置されるとともに、前記親杭に着脱自在に設置され、腹起しの据え付け姿勢を維持させる逆腹起しボルダーを更に含むことを特徴とする。
【0009】
また、前記腹起し受けブラケットは、裏込めブロックの下部に配設され、親杭に接するように位置する腹起し受け下方垂直台と、一端が腹起し受け下方垂直台の上端に固定され、腹起しの下端を支持する腹起し受け下方支持台と、一端が腹起し受け下方垂直台の下端に固定され、他端が腹起し受け下方支持台に固定された腹起し受け下部補強台と、腹起し受け下方垂直台の上端及び下端に分離可能なヒンジボルトによって繋がれて親杭にそれぞれ溶接で接合される腹起し受け上下部ヒンジジョイントと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、裏込めブロックは、腹起し受けブラケットの支持面に面接するブロック底面、ブロック底面に垂直して腹起しと対向しているブロック垂直面、ブロック底面に対して所定の鋭角を持って親杭に面接するブロック傾斜面を有するブロック胴体と、前記ブロック垂直面側に設置された複数の裏込め間隔調整用ナットと、一端に前記裏込め間隔調整用ナットにねじ結合されるねじ軸を有し、他端に球面溝と円形状に並んだ回転操作用溝を有する円筒状ピボットが具備された裏込めボルトと、前記円筒状ピボットの球面溝に球面結合されて前記腹起しに面接する腹起し受け脚と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、裏込めブロックは、腹起し受けブラケットの支持面に面接するブロック底面、ブロック底面に垂直して腹起しと対向しているブロック垂直面、ブロック垂直面側にねじ加工された裏込め間隔調整用ねじ溝を有するブロック胴体と、一端に前記裏込め間隔調整用ねじ溝にねじ結合されるねじ軸を有し、他端に回転操作用溝を有して腹起しに面接する裏込めボルトと、前記ブロック胴体に突出移動可能にねじ結合されている下部ピボットボルトと、下部ピボットボルトに球面結合され、前記親杭に面接する杭受け脚と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、逆腹起しボルダーは、裏込めブロックの上部に配設され、親杭に接するように位置するホルダー垂直台、一端がホルダー垂直台の下端に固定されて腹起しの上端と接するホルダー受け台、一端がホルダー垂直台の上端に固定され、他端がホルダー受け台に固定されたホルダー補強台、およびホルダー垂直台の上端及び下端に分離可能なヒンジボルトによって繋がれて親杭にそれぞれ溶接で接合されるホルダー上下部ヒンジジョイント、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記腹起し受けブラケットの腹起し受け下方支持台には、裏込めブロックの設置案内及び設置位置の離脱防止のために、互いに対向するように設置された一対の裏込めブロックガイドが更に設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュールによれば、親杭と腹起しとの間の溝の間隔が異なっても、裏込めブロックの裏込めボルトによって裏込めの調整が容易に行われるというメリットを持つ。また、アースアンカーの取付方向に応じた腹起しの傾き角度によって、腹起し受け脚または杭受け脚が能動的なピボット動作をして腹起しを安定して支持し得る。
【0015】
また、腹起しの撤去時、腹起し受けブラケットは、腹起し受け上下部ヒンジジョイントのみを親杭に残したまま分離して再利用し得るようになることで、資材の浪費要素が減少して工事費用を軽減させることができる。
【0016】
また、逆腹起しボルダーが追加的に設置される場合、腹起しが一層安定して 設置されてアースアンカーが最適のアンカー力を発揮することができる。さらに、逆腹起しボルダーもヒンジジョイント部分のみを残しておき、分離解体が可能であるから、再利用ができるという長所を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に添付される図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想の理解を一層深める役割をするものであるから、本発明は添付した図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されてはならない。
【0018】
図1a】本発明による腹起し受けモジュールの設置状態図である。
図1b】本発明に適用される逆腹起しボルダーが追加的に設置された状態図である。
図2図1aに示された腹起し受けモジュールの斜視図である。
図3a図1aに示された裏込めブロックの組み立て断面図である。
図3b図3aに示された裏込めブロックの裏込めボルトにロックナットが追加的に設置された組み立て状態図である。
図4】本発明に適用される裏込めブロックの他の形態を示した組み立て断面図である。
図5】本発明に適用される逆腹起しボルダーの正面図である。
図6】本発明に適用される腹起し受けモジュールの腹起し受けブラケットと逆腹起しボルダーとが親杭から分離された状態図である。
図7図4に示された裏込めブロックの使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明は添付された図面に提示された実施形態を参照して詳細に説明する。しかし、提示された実施例は、本発明の明確な理解のための例示的なものであって本発明はこれらに限定されない。
【0020】
本発明による腹起し受けモジュール100は、図1a及び図1bに示すように、山留め壁の親杭12に設置され、腹起し20を支持するのに用いられる。特に、腹起し受けモジュール100は、裏込めブロック120によって裏込めの間隔調整が可能であり、腹起し20の設置角度を収容して設置安定性が向上し、アースアンカー5が最適のアンカー力を発揮することができる。また、腹起し受けモジュール100は、腹起し20の撤去時に解体されて再利用が可能なので、資材の浪費を減らすことができ、工事費用を節減することができる。
【0021】
図1a~図3及び図7に示すように、腹起し受けモジュール100は、腹起し20が配設される位置になる親杭12に着脱自在に設置され、腹起し20を支持する腹起し受けブラケット110と、腹起し受けブラケット110に支持され、腹起し20と親杭12との間に形成される隙間を埋め込む裏込めブロック120、120’を含む。
【0022】
腹起し受けモジュール100は、図1bに示すように、裏込めブロック120の上部に配置されるととともに、親杭12に着脱自在に設置されて腹起し20の据え付け姿勢を維持させる逆腹起しホルダー130を更に含んでもよい。
【0023】
腹起し受けブラケット110は、裏込めブロック120の下部に配置されて親杭12に接するように位置する腹起し受け下方垂直台112、一端が腹起し受け下方垂直台112の上端に固定されて腹起し20の下端を支持する腹起し受け下方支持台114、一端が腹起し受け下方垂直台112の下端に固定されて他端が腹起し受け下方支持台114に固定された腹起し受け下部補強台116、および腹起し受け下方垂直台112の上端及び下端に分離可能なヒンジボルト117によって繋がれて親杭12にそれぞれ溶接で接合される腹起し受け上下部ヒンジジョイント118a、118bを含む。腹起し受け下方垂直台112、腹起し受け下方支持台114、及び腹起し受け下部補強台116は、L型鋼材に作製されているが、このような形態の鋼材に限定されるものではない。
【0024】
このように腹起し受けブラケット110は、腹起し受け上下部ヒンジジョイント118a、118bを具備しており、腹起し受け上下部ヒンジジョイント118a、118bを親杭12に溶接して、腹起し受けブラケット110が腹起し20を支持できるように設けられる。その後、アースアンカーの除去時にヒンジボルト117の分離によって、図6のように腹起し受け下方垂直台112、腹起し受け下方支持台114、及び腹起し受け下部補強台116の回収が行われ、腹起し受けブラケット110として再利用が可能になるというメリットを持つようになる。
【0025】
ここで、図1a及び図2に示すように、腹起し受けブラケット110の腹起し受け下方支持台114には、裏込めブロック120の設置案内及び設置位置の離脱防止のために、互いに互いに対向するように設置された一対の裏込めブロックガイド115が更に設けられていてもよい。
【0026】
また、腹起し受け下部ヒンジジョイント118bに設置されるヒンジボルト117は、腹起し受け下部ヒンジジョイント118bに長孔1181を介して挿入され、腹起し受け下方支持台114の設置角度を調整可能にすることが望ましい。
【0027】
第1形態の裏込めブロック120は、図1a、図1b及び図3aに示すように、腹起し受けブラケット110の支持面に面接するブロック底面1210a、ブロック底面1210aに垂直して腹起し20と対向しているブロック垂直面1210b、ブロック底面1210aに対して、所定の鋭角を有して親杭12に面接するブロック傾斜面1210cを有するブロック胴体1210と、ブロック垂直面1210b側に設置された複数の裏込め間隔調整用ナット1220と、一端には裏込め間隔調整用ナット1220にねじ結合されるねじ軸1231を有し、他端には球面溝1232aと円形状に並んだ回転操作用溝1232bを有する円筒状ピボット1232が具備された裏込めボルト1230と、円筒状ピボット1232の球面溝1232aに球面結合されて腹起し20に面接する腹起し受け脚1240と、を含む。
【0028】
このように第1形態の裏込めブロック120は、裏込めボルト1230の回転方向に応じて、円筒状ピボット1232から突出する高さが調整されて、裏込めの間隔の変化に容易に対応することができる。また、腹起し20の設置角度に変化が生じる場合、腹起し受け脚1240が裏込めボルト1230の球面溝1232aでピボット回転して腹起し20の底面に密着することで裏込めを安定して実現するようになる。
【0029】
他の第2形態の裏込めブロック120’は、図4及び図7に示すように、腹起し受けブラケット110の支持面に面接するブロック底面1210a’、ブロック底面1210a’に垂直して腹起し20と対向しているブロック垂直面1210b’、ブロック垂直面1210b’側にねじ加工された裏込め間隔調整用ねじ溝1210d’を持つブロック胴体1210’と、一端に前記裏込め間隔調整用ねじ溝1210d’にねじ結合されるねじ軸1231’を備え、他端に回転操作用溝1232b’を有して腹起し20に面接する裏込めボルト1230’と、ブロック胴体1210’に突出移動可能にねじ結合されている下部ピボットボルト1250’と、下部ピボットボルト1250’に球面結合されられて親杭12に面接する杭受け脚1260’と、を含む。
【0030】
したがって、第2形態の裏込めブロック120’は、裏込めボルト1230’の回転操作によって突出量が調整されることで、裏込めの間隔の変化に対応することができる。また、腹起し20の設置角度に変化が生じる場合、杭受け脚1260’が下部ピボットボルト1250’でピボット回転して親杭12に密着することで裏込めを安定して実現することができる。
【0031】
ここで、図3bに示すように、裏込めボルト1230、1230’には調整された長さの固定のために、ロックナット1233がさらに設置されてもよい。
【0032】
一方、逆腹起しホルダー130は、図5に示すように、裏込めブロック120の上部に配置され、親杭12に接するように位置するホルダー垂直台132、一端がホルダー垂直台132の下端に固定されて腹起し20の上端と接するホルダー受け台134、一端がホルダー垂直台132の上端に固定されて他端がホルダー受け台134に固定されたホルダー補強台136、およびホルダー垂直台132の上端及び下端に分離可能なヒンジボルト137によって繋がれて親杭12にそれぞれ溶接で接合されるホルダー上下部ヒンジジョイント138a、138bを含む。ホルダー垂直台132、ホルダー受け台134、及びホルダー補強台136は、L型鋼材に作製されているが、このような形態の鋼材に限定されるものではない。
【0033】
このように逆腹起しゴルが130は、腹起し受けブラケット110に支持されて腹起し20を、ホルダー受け台134を用いてその上方から押圧する役割をするので、腹起し20の上向きへの浮き上がりを抑え、これにより、腹起し20の設置安定性が確保されることができる。尚、図6に示すように、逆腹起しホルダー130は、ヒンジボルト137を分離させて腹起し上下部ヒンジジョイント138a、138bから腹起し上部垂直台132を解体することで、再利用が可能になるというメリットを持つようになる。
【0034】
一方、ボルダー上部ヒンジジョイント138aに設置されるヒンジボルト137は、ホルダー上部ヒンジジョイント138aに長孔1381を介して挿入され、腹起し20によるホルダー受け台134の設置角度を調整可能にすることが望ましい。
【0035】
このように本発明による腹起し受けモジュール100は、親杭12と腹起し20との間の溝の間隔が異なっていても、裏込めブロック120、120’の裏込めボルト1230、1230’で裏込めの調整が可能であるというメリットを持つ。また、アースアンカー5の取付方向に応じた腹起し20の傾き角度によって、腹起し受け脚1240または杭受け脚1260’が能動的にピボット動作して腹起し20を安定して支持することができる。
【0036】
また、腹起し20の撤去時、腹起し受けブラケット110は、腹起し受け上下部ヒンジジョイント118a、118bのみを親杭12に残したまま分離し、再利用が可能になることで、資材の浪費要素が減少して工事費用を軽減させることができる。
【0037】
なお、逆腹起しホルダー130がさらに設置される場合、腹起し20が一層安定して設置され、アースアンカー5は最適のアンカー力を発揮することができ、逆腹起しホルダー130も、上下部ヒンジジョイント138a、138bを残して再利用されて工事費用を軽減させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の無溶接裏込め及び再利用のための腹起し受けモジュールは、親杭と腹起しとの間の溝の間隔が異なっても、裏込めブロックの裏込めボルトで裏込めの調整が容易に行われ、アースアンカーの取付方向に応じた腹起しの傾き角度によって、腹起し受け脚または杭受け脚が能動的なピボット動作をして腹起しを安定して支持することができ、腹起しの撤去時、腹起し受けブラケットは、腹起し受け上下部ヒンジジョイントのみを親杭に残したまま分離して再利用が可能になることで、資材の浪費要素が減少して工事費用を軽減させることができる。さらに、逆腹起しボルダーが追加的に設置される場合、腹起しが一層安定して設置され、アースアンカーは最適のアンカー力を発揮することができ、逆腹起しボルダーも、ヒンジジョイント部分のみを残しておき、分離解体が可能であるため、再利用をすることができる発明である。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7