特許 7557088 アナログセンサの動的サンプリング方法および装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-09-17

(45)【発行日】2024-09-26

(54)【発明の名称】アナログセンサの動的サンプリング方法および装置

(51)【国際特許分類】

   G01D 3/024 20060101AFI20240918BHJP

   G01D 3/02 20060101ALI20240918BHJP

【ＦＩ】

G01D3/024

G01D3/02 N

【請求項の数】 9

(21)【出願番号】P 2023563100

(86)(22)【出願日】2021-05-10

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2024-04-16

(86)【国際出願番号】 CN2021092750

(87)【国際公開番号】W WO2022227113

(87)【国際公開日】2022-11-03

【審査請求日】2023-10-13

(31)【優先権主張番号】202110485458.0

(32)【優先日】2021-04-30

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】519344408

【氏名又は名称】深▲せん▼市谷粒科技有限公司

(74)【代理人】

【識別番号】110002262

【氏名又は名称】ＴＲＹ国際弁理士法人

(72)【発明者】

【氏名】于 紅勇

【審査官】吉田 久

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１４－２５９５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１４－１２６４７６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１２－１２３６２４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１０－２７１１７３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１３－８３６０（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０１Ｄ ３／０２－３／０２４

Ｇ０６Ｆ ３／０２－３／０３９

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

Ｓ１：予め設定されたサンプリング範囲を読み取り、前記予め設定されたサンプリング範囲の最小値を実際サンプリング範囲の最小値とし、前記予め設定されたサンプリング範囲の最大値を実際サンプリング範囲の最大値とするステップと、
Ｓ２：ジョイスティックロッカー状態信号を収集するアナログセンサの出力をサンプリングして、アナログサンプリング値を取得するステップと、
Ｓ３：前記アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて、実際サンプリング値を出力するステップと、
Ｓ４：前記アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて、実際サンプリング範囲を調整するステップと、
Ｓ５：ジョイスティックを交換する際にステップＳ２に戻って実行するステップと、を含む、ことを特徴とするアナログセンサの動的サンプリング方法。

【請求項2】

ステップＳ３は、具体的に、
前記アナログサンプリング値を、実際サンプリング範囲の最大値および最小値とそれぞれ比較し、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲内にある場合、前記アナログサンプリング値をサンプリング出力値とすること、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合、実際サンプリング範囲の最小値をサンプリング出力値とすること、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合、実際サンプリング範囲の最大値をサンプリング出力値とすること、を含む、ことを特徴とする請求項１に記載のアナログセンサの動的サンプリング方法。

【請求項3】

ステップＳ４は、具体的に、
前記アナログサンプリング値を実際サンプリング範囲の最大値および最小値とそれぞれ比較し、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲内にある場合、実際サンプリング範囲を調整しないこと、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合、前記実際サンプリング範囲の最小値を前記アナログサンプリング値で更新すること、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合、前記実際サンプリング範囲の最大値を前記アナログサンプリング値で更新すること、を含む、ことを特徴とする請求項２に記載のアナログセンサの動的サンプリング方法。

【請求項4】

ステップＳ３は、前記サンプリング出力値、実際サンプリング範囲および実際出力範囲によって実際出力値を決定することをさらに含む、ことを特徴とする請求項２または３に記載のアナログセンサの動的サンプリング方法。

【請求項5】

前記実際サンプリング範囲の最大値から前記実際サンプリング範囲の最小値を引いた差を実際サンプリング範囲振幅とし、前記実際出力範囲の最大値から前記実際出力範囲の最小値を引いた差を実際出力範囲振幅とし、前記サンプリング出力値と前記実際サンプリング範囲振幅の比が前記実際出力値と前記実際出力範囲振幅の比に等しい、ことを特徴とする請求項４に記載のアナログセンサの動的サンプリング方法。

【請求項6】

前記アナログセンサは、ホールセンサ、スライドバリスタ、圧力センサまたは静電容量式位置センサである、ことを特徴とする請求項１に記載のアナログセンサの動的サンプリング方法。

【請求項7】

前記アナログサンプリング値は、電圧値または電流値である、ことを特徴とする請求項１に記載のアナログセンサの動的サンプリング方法。

【請求項8】

プロセッサ、メモリおよびアナログセンサのサンプリング装置を備え、前記プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行して請求項１～７のいずれか１項に記載のアナログセンサの動的サンプリング方法を実施するために使用される、ことを特徴とするコンピュータ装置。

【請求項9】

コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることにより、請求項１～７のいずれか１項に記載のアナログセンサの動的サンプリング方法が実施される、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、センシング技術の分野に関し、特に、アナログセンサの動的サンプリング方法および装置に関する。

【背景技術】

【0002】

現在、ホールセンサ、スライドバリスタ、圧力センサ、静電容量式位置センサなどのアナログ式センサには、一般に出力値に誤差が生じるという問題がある。この問題の原因は、センサ自体の個体差の存在と、センサの設置位置における筐体やマグネットの外形構造の違いによる出力値の誤差にある。

【0003】

この問題を解決するために、センサの出力値を検出する範囲を比較的小さく安全な固定値に設定するのが一般的である。ゲームパッドジョイスティックのスライディングバリスタを例にとると、スライドバリスタは製品の筐体に設置されており、実際の出力範囲は通常０．５Ｖ～２．７Ｖ電圧の範囲であるが、センサの個体差や筐体などによる誤差を考慮し、ジョイスティックロッカーが最大ストロークまでダイアルして実際の出力値を最大にできないことを避けるために、スライドバリスタのサンプリング値の範囲は０．７Ｖ～２．５Ｖに制限される。しかしながら、このような範囲制限は、ユーザの制御精度に影響を与え、ユーザがジョイスティックを最大側に振る前に、実際出力はすでに最大に達しており、ユーザに悪い使用体験をもたらす。

【0004】

したがって、アナログセンサデータを収集する際に、センサの個体差や設置位置の違いによって生じる出力値誤差を、アナログセンサの実際出力範囲に影響を与えることなく克服する方法は、早急に解決すべき技術的問題となっている。

【発明の概要】

【0005】

上記問題を解決するために、本発明は、上記問題を解決するためのアナログセンサの動的サンプリング方法および装置を提供する。

【0006】

このため、第１態様によれば、本発明の実施例は、アナログセンサの動的サンプリング方法を開示し、この方法は、
Ｓ１：予め設定されたサンプリング範囲を読み取り、前記予め設定されたサンプリング範囲の最小値を実際サンプリング範囲の最小値とし、前記予め設定されたサンプリング範囲の最大値を実際サンプリング範囲の最大値とするステップと、
Ｓ２：アナログセンサの出力をサンプリングして、アナログサンプリング値を取得するステップと、
Ｓ３：前記アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて、実際サンプリング値を出力するステップと、
Ｓ４：前記アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて、実際サンプリング範囲を調整するステップと、
Ｓ５：ステップＳ２に戻って実行するステップと、を含む。

【0007】

選択可能に、ステップＳ３は、具体的に、
前記アナログサンプリング値を、実際サンプリング範囲の最大値および最小値とそれぞれ比較し、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲内にある場合、前記アナログサンプリング値をサンプリング出力値とすること、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合、実際サンプリング範囲の最小値をサンプリング出力値とすること、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合、実際サンプリング範囲の最大値をサンプリング出力値とすること、を含む。

【0008】

選択可能に、ステップＳ４は、具体的に、
前記アナログサンプリング値を実際サンプリング範囲の最大値および最小値とそれぞれ比較し、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲内にある場合、実際サンプリング範囲を調整しないこと、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合、前記実際サンプリング範囲の最小値を前記アナログサンプリング値で更新すること、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合、前記実際サンプリング範囲の最大値を前記アナログサンプリング値で更新すること、を含む。

【0009】

選択可能に、ステップＳ３は、前記サンプリング出力値、実際サンプリング範囲および実際出力範囲によって実際出力値を決定することをさらに含む。

【0010】

選択可能に、前記実際サンプリング範囲の最大値から前記実際サンプリング範囲の最小値を引いた差を実際サンプリング範囲振幅とし、前記実際出力範囲の最大値から前記実際出力範囲の最小値を引いた差を実際出力範囲振幅とし、前記サンプリング出力値と前記実際サンプリング範囲振幅の比が前記実際出力値と前記実際出力範囲振幅の比に等しい。

【0011】

選択可能に、前記アナログセンサはジョイスティックロッカー状態信号を収集するために使用される。

【0012】

選択可能に、前記アナログセンサは、ホールセンサ、スライドバリスタ、圧力センサまたは静電容量式位置センサである。

【0013】

選択可能に、前記アナログサンプリング値は、電圧値または電流値である。

【0014】

第２態様によれば、本発明の実施例は、コンピュータ装置を提供し、プロセッサ、メモリおよびアナログセンサのサンプリング装置を備え、前記プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行して上記いずれか１つのアナログセンサの動的サンプリング方法を実施するために使用される。

【0015】

コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることにより、請求項１～８のいずれか１項に記載のアナログセンサの動的サンプリング方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。

【発明の効果】

【0016】

本発明は以下の有益な効果を有する。
本発明は、アナログセンサの動的サンプリング方法を提供し、予め設定されたサンプリング範囲を設定し、アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて実際サンプリング値を出力し、実際サンプリング値を出力した後、アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて実際サンプリング範囲を調整することにより、アナログセンサのサンプリング範囲を動的に調整することができ、アナログサンプリング値が予め設定された範囲値を超えた場合、サンプリング範囲を即時かつ動的に調整することができ、アナログセンサ出力範囲内の値をすべて捕捉して異なる場面の応用に適応できることを確保することができる。特に、ジョイスティックロッカー状態を収集する応用において、予め設定された範囲、パラメータ比較、動的調整および現在値を使用するステップを通じて、サンプリング範囲値が予め設定された範囲値を超えた場合でも、最新の範囲値をリアルタイムで更新することができ、すなわち、リモコン部品の大量生産による個々の部品の違いによってもたらされる電圧出力誤差を回避するように、ユーザがリモコン部品を制御する範囲を知覚することなく補正することができ、リモコン部品の正常な動作が保証され、各リモコン部品を高精度かつフルレンジでフルスケール動作させることができ、リモコン部品を交換する際、ユーザに比較的安全な固定予め設定された範囲値を提供し、ユーザによる異なるリモコン部品の多面的な選択に資する。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】本発明が提案するアナログセンサの動的サンプリング方法の実施例１のフローチャートである。

【図2】本発明が提案するアナログセンサの動的サンプリング方法の実施例２のフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0018】

本発明の技術的解決策をより明確かつ完全に説明するために、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。

【0019】

＜実施例１＞
図１を参照すると、本発明はアナログセンサの動的サンプリング方法の実施例を提供し、この方法は、
Ｓ１：予め設定されたサンプリング範囲を読み取り、前記予め設定されたサンプリング範囲の最小値を実際サンプリング範囲の最小値とし、前記予め設定されたサンプリング範囲の最大値を実際サンプリング範囲の最大値とするステップと、
Ｓ２：アナログセンサの出力をサンプリングして、アナログサンプリング値を取得するステップと、
Ｓ３：前記アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて、実際サンプリング値を出力するステップと、
Ｓ４：前記アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて、実際サンプリング範囲を調整するステップと、
Ｓ５：ステップＳ２に戻って実行するステップと、を含む。

【0020】

なお、本実施例では、予め設定されたサンプリング範囲は不揮発性記憶装置に記憶され得、すなわち、電源喪失の際にもデータが保持され得ることに留意されたい。予め設定されたサンプリング範囲は、個体差や設置場所の筐体構造の違いによるアナログセンサの出力範囲の違いに対応できる比較的安全なパラメータ範囲である。一例として、予め設定されたサンプリング範囲の境界は、複数のアナログセンサの出力値の境界内に設定してもよい。

【0021】

本発明の実施例では、予め設定されたサンプリング範囲を設定し、アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて実際サンプリング値を出力し、実際サンプリング値を出力する後アナログサンプリング値と実際サンプリング範囲の比較結果に応じて実際サンプリング範囲を調整することにより、アナログセンサのサンプリング範囲を動的に調整することができ、アナログサンプリング値が予め設定された範囲値を超えた場合、サンプリング範囲を即時かつ動的に調整することができ、アナログセンサ出力範囲内の値をすべて捕捉して異なる場面の応用に適応できることを確保することができる。

【0022】

選択可能な実施例では、ステップＳ３は、具体的に、
前記アナログサンプリング値を、実際サンプリング範囲の最大値および最小値とそれぞれ比較し、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲内にある場合、前記アナログサンプリング値をサンプリング出力値とすること、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合、実際サンプリング範囲の最小値をサンプリング出力値とすること、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合、実際サンプリング範囲の最大値をサンプリング出力値とすること、を含む。

【0023】

選択可能な実施例では、ステップＳ４は、具体的に、
前記アナログサンプリング値を実際サンプリング範囲の最大値および最小値とそれぞれ比較し、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲内にある場合、実際サンプリング範囲を調整しないこと、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合、前記実際サンプリング範囲の最小値を前記アナログサンプリング値で更新すること、前記アナログサンプリング値が前記実際サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合、前記実際サンプリング範囲の最大値を前記アナログサンプリング値で更新すること、を含む。

【0024】

選択可能な実施例では、ステップＳ３は、サンプリング出力値、実際サンプリング範囲および実際出力範囲によって実際出力値を決定することをさらに含む。

【0025】

選択可能な実施例では、実際サンプリング範囲の最大値から実際サンプリング範囲の最小値を引いた差を実際サンプリング範囲振幅とし、実際出力範囲の最大値から実際出力範囲の最小値を引いた差を実際出力範囲振幅とし、サンプリング出力値と実際サンプリング範囲振幅の比が実際出力値と実際出力範囲振幅の比に等しい。

【0026】

なお、本発明の実施例では、実際出力値は、アナログセンサから収集され、調整された後、後続の装置またはプログラムに送信して使用するデータであることに留意されたい。本実施例の調整方法により、アナログセンサ出力値範囲内の任意の値を実際出力範囲内にマッピングできることを保証することができる。

【0027】

選択可能な実施例では、アナログセンサはジョイスティックロッカー状態信号を収集するために使用される。いくつかの実施例では、ジョイスティックは、ゲームジョイスティック、航空機ジョイスティックまたは制御操作に関与する他のジョイスティックであってもよい。

【0028】

選択可能な実施例では、アナログセンサは、ホールセンサ、スライドバリスタ、圧力センサまたは静電容量式位置センサである。

【0029】

選択可能な実施例では、アナログサンプリング値は電圧値または電流値である。

【0030】

＜実施例２＞
図２を参照すると、本発明は、アナログセンサの動的サンプリング方法をジョイスティックロッカー状態収集に適用した実施例を提供し、具体的な動作流れは以下のとおりである。

【0031】

データ収集システムまたは装置の電源が投入され、初期化されると、記憶モジュール（例えばＦＬＡＳＨ）に格納されたジョイスティックのサンプリング初期値範囲パラメータの終了値（Ａ、Ｂ）が読みだされ、終了値は使用のためにキャッシュに格納され、このとき、キャッシュ内のキー値Ｃ位置に終了値Ａが格納され、キャッシュ内のキー値Ｄ位置に終了値Ｂが格納される。その後、ジョイスティックを走査し、ジョイスティックのキー値Ｅを読み出し、本実施例では、ジョイスティックキー値Ｅは、アナログセンサがジョイスティックロッカー状態信号を収集することにより得られる。その後、ジョイスティックのキー値Ｅがキャッシュ内のキー値Ｃ位置の値よりも小さいかどうかを判定し、ジョイスティックのキー値Ｅがキャッシュ内のキー値Ｃ位置の値よりも小さい場合、現在ジョイスティック値Ｃを関連装置に送信して使用し、キー値Ｅをキャッシュ内のキー値Ｃ位置に格納し、キャッシュ内のＣキー値位置の値を上書きして更新し、ジョイスティック状態の走査に戻し、ジョイスティックキー値Ｅがキャッシュ内のキー値Ｃ位置の値以上である場合、ジョイスティックのキー値Ｅがキャッシュ内のキー値Ｄ位置の値よりも大きいかどうかをさらに判定し、ジョイスティックのキー値Ｅがキャッシュ内のキー値Ｄ位置の値よりも大きい場合、現在ジョイスティック値Ｄを関連装置に送信して使用し、キー値Ｅをキャッシュ内のキー値Ｄ位置に格納し、キャッシュ内のＤキー値位置の値を上書きして更新し、ジョイスティック状態の走査に戻し、ジョイスティックのキー値Ｅがキャッシュ内のキー値Ｄ位置の値以下である場合、現在ジョイスティック値Ｅを関連装置に送信して使用し、ジョイスティック状態の走査に戻す。電源を切って入れ直すと、初期状態に戻る。

【0032】

スライドバリスタを使用するゲームジョイスティックロッカーを例にすると、デフォルトサンプリング初期値範囲は０．７Ｖ～２．５Ｖであるが、０．５Ｖ～３Ｖのサンプリング電圧範囲を使用する場合、サンプリング範囲は、電源が切るまで０．５Ｖ～３Ｖに動的に調整され、電源再投入後、０．７Ｖ～２．５Ｖのデフォルト範囲に戻り、０．８Ｖ～２．４Ｖのサンプリング電圧範囲を使用する場合、依然として０．７Ｖ～２．５Ｖのデフォルト範囲値を使用し、０．８Ｖ～２．８Ｖのサンプリング電圧範囲を使用する場合、サンプリング範囲は０．７～２．８Ｖに動的に調整され、０．５Ｖ～２．４Ｖのサンプリング電圧範囲を使用する場合、サンプリング範囲は０．５Ｖ～２．５Ｖに動的に調整される。

【0033】

予め設定された範囲の設定、パラメータ比較、動的調整および現在値を使用するステップにより、サンプリング範囲値が予め設定された範囲値を超えた場合、依然として最新の範囲値をリアルタイムで更新することができ、すなわち、リモコン部品の大量生産による個々の部品の違いによってもたらされる電圧出力誤差を回避するように、ユーザがリモコン部品を制御する範囲を知覚することなく補正することができ、リモコン部品の正常な動作が保証され、各リモコン部品を高精度かつフルレンジでフルスケール動作させることができ、リモコン部品を交換する際、ユーザに比較的安全な固定予め設定された範囲値を提供し、ユーザによる異なるリモコン部品の多面的な選択に資する。

【0034】

さらに、本発明の実施例は、プロセッサ、メモリおよびアナログセンサのサンプリング装置を備えるコンピュータ装置をさらに提供し、プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行して上記実施例のアナログセンサの動的サンプリング方法を実施するために使用される。コンピュータ装置は、ＰＣ、産業用コンピュータ、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどであってもよい。アナログセンサのサンプリング装置は、Ａ／Ｄ変換器、モジュール式アナログ収集ユニットまたはデータ収集カードなどであってもよい。

【0035】

当業者には理解できるように、上記実施例の方法における工程の全部または一部の実現は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムにより関連ハードウェアに指示することによって達成可能であり、このプログラムが実行されたとき上記各方法の実施例の流れを構成し得る。ここで、記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ（ＲＯＭ）、ランダムアクセルメモリ（ＲＡＭ）、ハードディスク、ＵＳＢディスクまたはＦＬＡＳＨなどであってもよい。

【0036】

もちろん、本発明は、他の様々な実施形態を有してもよく、本実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働をすることなく得られた他の実施形態は、すべて本発明の保護範囲に含まれるものとする。

【図1】

【図2】