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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】熱処理装置
(51)【国際特許分類】
   F27D 1/18 20060101AFI20240918BHJP
   F27B 9/04 20060101ALI20240918BHJP
   F27B 9/30 20060101ALI20240918BHJP
   F27B 9/28 20060101ALI20240918BHJP
   F27D 7/06 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
F27D1/18 J
F27B9/04
F27D1/18 N
F27B9/30
F27B9/28
F27D7/06 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024002837
(22)【出願日】2024-01-11
【審査請求日】2024-02-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004293
【氏名又は名称】ノリタケ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】中村 英紀
(72)【発明者】
【氏名】大威 英晃
(72)【発明者】
【氏名】飯田 雅己
【審査官】杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-279261(JP,A)
【文献】中国実用新案第212158146(CN,U)
【文献】特開平06-347179(JP,A)
【文献】特開平11-281258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 1/18
F27B 9/04
F27B 9/30
F27B 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物が加熱処理される処理空間を内部に有し、かつ、開口が形成された炉体と、
前記炉体の前記開口を塞ぐ扉と、
冷媒が流れる配管と
を備え、
前記扉には、前記扉が閉じられた時に前記炉体の前記開口の周縁部に重なる領域にシール材が設けられており、
前記配管は、前記炉体において、前記シール材が押し当てられる領域の周囲に取り付けられており、
前記炉体と、前記扉とは、ヒンジを介して接続されており、
前記配管は、前記扉が閉じられた時に、前記炉体と、前記扉と、前記ヒンジとで囲まれた空間を通る、
熱処理装置。
【請求項2】
前記ヒンジは、前記炉体と接続される第1部材と、前記扉と接続される第2部材と、前記第1部材と前記第2部材を繋ぐ第3部材と、前記第1部材と前記第3部材を繋ぐ第1軸と、前記第2部材と前記第3部材を繋ぐ第2軸とを備える、請求項に記載された熱処理装置。
【請求項3】
被処理物が加熱処理される処理空間を内部に有し、かつ、開口が形成された側面部を有する炉体と、
前記炉体の前記開口を塞ぐ扉と、
冷媒が流れる配管と
を備え、
前記扉には、前記扉が閉じられた時に前記炉体の前記開口の周縁部に重なる領域にシール材が設けられており、
前記配管は、前記炉体の前記側面部の外側面において、前記シール材が押し当てられる領域の周囲に取り付けられている、
熱処理装置。
【請求項4】
被処理物が加熱処理される処理空間を内部に有し、かつ、開口が形成された炉体と、
前記炉体の前記開口を塞ぐ扉と、
冷媒が流れる配管と
を備え、
前記扉には、前記扉が閉じられた時に前記炉体の前記開口の周縁部に重なる領域にシール材が設けられており、
前記配管は、前記炉体において、前記シール材が押し当てられる領域の周囲に取り付けられており、
前記配管は、前記扉が閉じられた時に前記扉の周囲を囲うように前記炉体に取り付けられている、
熱処理装置。
【請求項5】
前記炉体と、前記扉とは、ヒンジを介して接続されており、
前記配管は、前記扉が閉じられた時に、前記炉体と、前記扉と、前記ヒンジとで囲まれた空間を通る、請求項3または4に記載された熱処理装置。
【請求項6】
前記ヒンジは、前記炉体と接続される第1部材と、前記扉と接続される第2部材と、前記第1部材と前記第2部材を繋ぐ第3部材と、前記第1部材と前記第3部材を繋ぐ第1軸と、前記第2部材と前記第3部材を繋ぐ第2軸とを備える、請求項に記載された熱処理装置。
【請求項7】
前記シール材は、前記開口を囲う位置において周方向に連続して設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【請求項8】
前記配管は、前記扉が閉じられた時に前記扉の周囲を囲うように前記炉体に取り付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【請求項9】
前記炉体には、前記処理空間を減圧する真空ポンプが接続される、請求項1~のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第7285360号公報には、巻出部と、加熱処理部と、冷却部と、巻取部とを備えた熱処理装置が開示されている。加熱処理部では、巻出部に設けられた巻出しロールから巻出された帯状の被処理物が搬送されつつ加熱処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7285360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、開閉可能に構成されている扉を備える熱処理装置において、気密性を維持したいと考えている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで開示される熱処理装置は、炉体と、扉と、配管とを備えている。炉体は、被処理物が加熱処理される処理空間を内部に有し、かつ、開口が形成されている。扉は、炉体の開口を塞ぐ。配管には、冷媒が流れる。扉には、扉が閉じられた時に炉体の開口の周縁部に重なる領域にシール材が設けられている。配管は、炉体において、シール材が押し当てられる領域の周囲に取り付けられている。かかる熱処理装置では、熱処理装置の気密性が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、熱処理装置10を示す模式図である。
図2図2は、扉46が開かれた状態の加熱処理部40の斜視図である。
図3図3は、扉46が閉じられた状態の加熱処理部40の平面図である。
図4図4は、ヒンジ48の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示における実施形態の1つについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。上、下、左、右、前、後の向きは、図中、U、D、L、R、F、Rrの矢印でそれぞれ表されている。ここで、上、下、左、右、前、後の向きは、説明の便宜上、定められているに過ぎず、特に言及されない限りにおいて本願発明を限定しない。
【0008】
〈熱処理装置10〉
図1は、熱処理装置10を示す模式図である。熱処理装置10は、帯状(シート状)の被処理物Aを加熱処理するための設備である。この実施形態では、熱処理装置10は、いわゆるロールtoロール方式で帯状の被処理物を搬送しつつ連続的に乾燥させるための装置である。被処理物Aは、例えば、シート基材の両面にそれぞれ電極材料が塗工された二次電池の電極シート、フレキシブル銅張積層板FCCL(Flexible Cupper Clad Laminate)、ポリイミドシートなど帯状のものであれば特に限定されない。熱処理装置10は、帯状(シート状)の種々の被処理物の処理に用いられうる。
【0009】
なお、ここで開示される熱処理装置は、帯状の被処理物Aを加熱処理するロールtoロール方式の装置に限られず、種々の熱処理装置に適用可能である。ここで開示される熱処理装置の構成は、例えば、搬送方向に沿って並べられた複数の搬送ローラによって被処理物を搬送する、いわゆるローラハースキルンにも適用可能である。ここで開示される熱処理装置の構成は、ロールtoロール方式の熱処理装置、ローラハースキルン等の連続式の加熱処理装置に限られない。ここで開示される熱処理装置の構成は、被処理物を炉内で静置した状態で加熱処理する、いわゆるバッチ式の熱処理装置にも適用可能である。
【0010】
図1に示されているように、熱処理装置10は、巻出部30と、加熱処理部40と、冷却部50と、巻取部60とを備えている。帯状の被処理物Aは、巻出部30、加熱処理部40、冷却部50、巻取部60の順で搬送されつつ処理される。被処理物Aは、巻出部30に設けられた巻出ロールA1から巻出され、加熱処理部40で加熱処理され、冷却部50で冷却された後、巻取部60に設けられた巻取ロールA2に巻取られる。
【0011】
〈搬送装置20,22〉
搬送装置20,22は、被処理物Aを搬送する装置である。被処理物Aは、予め定められた搬送経路に沿って搬送される。搬送装置20,22は、それぞれ巻出部30の巻出ロールA1が取り付けられている巻出軸32、および、巻取部60の巻取ロールA2が取り付けられている巻取軸62をそれぞれ回転駆動する装置である。搬送装置20,22は、被処理物Aの搬送を制御する装置から構成されうる。搬送装置20,22としては、例えば、モータとインバータが用いられていてもよく、サーボモータ等が用いられていてもよい。また、搬送装置20,22は、被処理物Aにかかる張力を制御する装置を含んでいてもよい。張力を制御する装置としては、例えば、パウダクラッチが用いられうる。搬送装置20,22は、搬送速度を制御する装置および張力を制御する装置が協働する一式の装置によって実現されていてもよい。
【0012】
巻出軸32は、搬送装置20に接続されている。搬送装置20によって巻出軸32が回転駆動され、巻出ロールA1から被処理物Aが巻出される。巻取軸62は、搬送装置22に接続されている。搬送装置22によって巻取軸62が回転駆動され、巻取ロールA2に被処理物Aが巻取られる。搬送装置20,22は、それぞれ外壁31,61に囲まれた空間内に設けられた大気ボックスに設置されていてもよい。搬送装置20,22は、それぞれ外壁31,61の外に設けられていてもよい。
【0013】
熱処理装置10は、被処理物Aの処理効率を向上させるために、被処理物Aを速い速度で搬送可能に構成されうる。特に限定されないが、被処理物Aの搬送速度は、1m/分~200m/分程度に設定されうる。この実施形態では、被処理物Aの搬送速度は、100m/分程度に設定されている。熱処理装置10では、被処理物Aの搬送速度は、図示しない制御装置によって制御されている。
【0014】
制御装置は、予め定められた搬送条件に応じて被処理物Aが搬送されるように、被処理物Aの搬送速度、被処理物Aにかかる張力等を制御する。制御装置は、被処理物Aを巻出す時の巻出し張力と、処理されている被処理物Aにかかる炉内張力と、処理された被処理物Aを巻取る時の巻取り張力とをそれぞれ制御する。制御装置は、搬送装置20,22に接続されている。また、制御装置は、張力検出ローラ35b、フィードローラ35c、ダンサーローラ35d、張力検出ローラ65c等と接続されていてもよい。制御装置は、張力検出ローラ35bが検出する巻出し張力を搬送装置20にフィードバックし、巻出軸32のトルクを制御する。これによって、巻出し張力が調整される。また、制御装置は、処理されている被処理物Aが掛けられた張力検出ローラ35bが検出する炉内張力をダンサーローラ35dにフィードバックする。検出された炉内張力に応じてダンサーローラ35dが移動する。これによって、炉内張力が調整される。なお、炉内張力が一定の状態でダンサーローラ35dの位置が基準の位置に戻るように、フィードローラ35cの回転速度が制御される。また、制御装置は、張力検出ローラ65cが検出する巻取り張力を搬送装置22にフィードバックし、巻取軸62のトルクを制御する。これによって、巻取り張力が調整される。
【0015】
〈巻出部30〉
巻出部30は、被処理物Aを巻出す設備である。巻出部30は、加熱処理前の被処理物Aが巻付けられた状態の巻出ロールA1を収容している。巻出部30は、内部の設備および巻出ロールA1を囲う外壁31を有している。巻出部30には、巻出軸32と、複数のローラ35とが内部に設けられている。巻出軸32は、加熱処理前の被処理物Aが巻かれた巻出ロールA1が取り付けられる軸である。この実施形態では、巻出軸32が回転駆動されることによって、巻出軸32に取り付けられた巻出ロールA1から被処理物Aが巻出される。
【0016】
巻出部30の外壁31で囲まれた空間内には、被処理物Aの搬送経路を設定する複数のローラ35が設けられている。巻出ロールA1から巻出された被処理物Aは、複数のローラ35に予め定められた順番で掛け廻され、加熱処理部40に向けて搬送される。複数のローラ35は、ガイドローラ35aと、張力検出ローラ35bと、フィードローラ35cと、ダンサーローラ35dとを含んでいる。張力検出ローラ35bは、被処理物Aにかかる張力を検出するためのローラである。張力検出ローラ35bには、図示しない張力検出器が取り付けられている。ダンサーローラ35dは、予め定められた範囲を移動可能に構成されている。ダンサーローラ35dが移動することによって、被処理物Aの張力が調整される。フィードローラ35cは、図示しない駆動装置によって回転駆動される。フィードローラ35cの回転が制御されることによって、ダンサーローラ35dの位置が調整される。
【0017】
〈加熱処理部40〉
加熱処理部40は、帯状の被処理物Aが搬送されつつ加熱処理される設備である。加熱処理部40は、連結部70を介して巻出部30と接続されている。連結部70には、巻出部30の出口と、加熱処理部40の入口とが設けられている。連結部70には、被処理物Aが通る通り道が形成されている。被処理物Aは、連結部70を通って巻出部30から加熱処理部40に搬送される。連結部70に形成された、被処理物Aの通り道は、被処理物Aの幅と厚みよりもわずかに大きい寸法に設定されている。これによって、加熱処理部40の雰囲気と巻出部30の雰囲気は、互いに干渉しにくくなっている。
【0018】
加熱処理部40は、外壁41(炉体41)と、ヒータ42と、ガイドローラ45(45a~45d)とを備えている。外壁41は、被処理物Aが搬送されつつ処理される処理空間40aを内部に有している。外壁41は、ヒータ42と、ガイドローラ45とが配置された処理空間40aを囲っている。
【0019】
〈ガイドローラ45〉
ガイドローラ45は、処理空間40a内に設けられている。ガイドローラ45は、被処理物Aを案内するローラである。被処理物Aが搬送される搬送経路は、ガイドローラ45によって設定される。ガイドローラ45は、被処理物Aの搬送に伴い、従動的に回転するように構成されている。この実施形態では、ガイドローラ45は、略円筒状のローラである。ガイドローラ45aは、加熱処理部40の入口(連結部70)付近に設けられている。複数のガイドローラ45bは、加熱処理部40の下方において入口から出口に向かって予め定められたピッチで並べられている。複数のガイドローラ45cは、加熱処理部40の上方において、複数のガイドローラ45bとは半ピッチずれて並べられている。ガイドローラ45dは、加熱処理部40の出口(連結部72)付近に設けられている。
【0020】
被処理物Aは、加熱処理部40の入口付近のガイドローラ45aに掛けられ下方に搬送される。その後、被処理物Aは、入口から出口に向かって、上下のガイドローラ45b,45cに順に交互に掛け廻される。これにより、加熱処理部40において被処理物Aは、入口から出口に向かって上下に行ったり来たりしつつ進む。
【0021】
〈ヒータ42〉
ヒータ42は、被処理物Aを加熱するための設備である。この実施形態では、ヒータ42は、上下に折り返されつつ、入口から出口に向かって進む被処理物Aの周りに設けられている。ヒータ42は、ガイドローラ45b,45cに掛けられて、上下に折り返される被処理物Aの間隙にも配置されている。ヒータ42は、被処理物Aに対向するように配置されている。ヒータ42は、例えば、ヒータホルダおよび支柱によって固定されてもよい。
【0022】
この実施形態では、ヒータ42として、遠赤外線加熱式の板状のプレートヒータが用いられている。ヒータ42としては、加熱温度や加熱雰囲気等に応じて種々のヒータが用いられうる。ヒータ42としては、例えば、板状のプレートヒータの他に、例えば、筒状のヒータが用いされてもよい。ヒータ42の材質は特に限定されず、金属シースヒータ、セラミックヒータ、ランプヒータ等が用いられてもよい。また、ヒータ42は、遠赤外線加熱式のヒータに限られない。雰囲気炉の場合は、ヒータ42としては、例えば、被処理物に熱風が吹き付けられる熱風加熱式のヒータや赤外線加熱式のランプヒータが用いられてもよい。加熱処理された被処理物Aは、出口付近に設けられたガイドローラ45dを通して、冷却部50に向けて搬出される。
【0023】
〈冷却部50〉
冷却部50は、加熱処理部40で加熱処理された被処理物Aが搬送されつつ冷却される設備である。冷却部50は、連結部72を介して加熱処理部40と接続されている。連結部72には、加熱処理部40の出口と、冷却部50の入口とが設けられている。
【0024】
詳細な図示は省略するが、冷却部50は、冷却ローラと、複数のガイドローラと、外壁51とを備えていてもよい。冷却部50には、複数の冷却ローラが設けられていてもよい。外壁51は、複数の冷却ローラと、複数のガイドローラとが配置された処理空間を囲っている。複数の冷却ローラと複数のガイドローラは、冷却部50において被処理物Aが搬送される搬送経路を設定している。
【0025】
冷却ローラは、内部に冷媒が流通するように構成されたローラである。被処理物Aは、冷却ローラの表面に接することによって冷却される。冷却ローラには、図示しない駆動装置が接続されていてもよい。冷却ローラは、搬送方向に沿って、設定された搬送速度に合わせて回転しうる。
【0026】
この実施形態では、被処理物Aは、冷却部50において、室温程度まで冷却される。冷却される被処理物Aの温度は、特に限定されない。なお、ガイドローラ、冷却ローラ等の冷却部50の構成は、特に限定されない。
【0027】
冷却された被処理物Aは、連結部74を通って巻取部60に搬送される。なお、冷却部50は、熱処理装置10において、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0028】
冷却部50は、連結部74を介して巻取部60と接続されている。連結部74は、冷却部50の出口と、巻取部60の入口とを備えている。冷却された被処理物Aは、連結部74を通って巻取部60に搬送される。
【0029】
〈巻取部60〉
巻取部60は、被処理物Aを巻き取る設備である。巻取部60は、冷却部50を通じて冷却された被処理物Aを巻取るための巻取ロールA2を収容している。巻取部60は、内部の設備および巻取ロールA2を囲う外壁61を有している。巻取部60には、巻取軸62と、複数のローラ65とが設けられている。巻取軸62には、加熱処理部40で加熱処理され、冷却部50で冷却された被処理物Aが巻き取られた巻取ロールA2が取り付けられている。巻取軸62が回転駆動されることによって、巻取ロールA2に被処理物Aが巻取られる。
【0030】
巻取部60の外壁61で囲まれた空間内には、被処理物Aの搬送経路を設定する複数のローラ65が設けられている。複数のローラ65は、巻取部60において被処理物Aが搬送される搬送経路を設定する。冷却部50から搬送された被処理物Aは、巻取部60の入口(連結部74)付近のローラ65に掛けられた後に、複数のローラ65に予め定められた順番に掛け廻され、巻取ロールA2に巻取られる。複数のローラ65は、ガイドローラ65aと、ダンサーローラ65bと、張力検出ローラ65cと、フィードローラ65dとを含んでいる。ダンサーローラ65bは、予め定められた範囲を移動可能に構成されている。ダンサーローラ65bは、例えば、巻取ロールA2が交換される際に、被処理物Aの必要な余長を確保するために移動されうる。張力検出ローラ65cには、図示しない張力検出器が取り付けられている。フィードローラ65dは、巻取ロールA2を交換するときに交換後の巻取ロールA2に被処理物Aを貼り付ける際、貼り付けに必要な余長を送り出す。
【0031】
〈真空ポンプ80〉
熱処理装置10は、真空ポンプ80を備えている。上述した巻出部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取部60の内部の空間は、それぞれ外壁31,41,51,61によって囲まれている。巻出部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取部60の各部は、外壁31,41,51,61によってそれぞれ外部空間と隔離された空間を有している。外壁31,41,51,61の内部の空間は、被処理物Aの処理時には、連通している。各部の外壁31,41,51,61にはそれぞれ真空ポンプ80が接続されている。真空ポンプ80は、巻出部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取部60の内部の空間(加熱処理部40においては処理空間40a)を減圧する。この実施形態では、被処理物Aは、大気圧よりも低い予め定められた真空雰囲気下で処理される。
【0032】
なお、真空ポンプ80の接続形態は、特に限定されない。真空ポンプ80が複数設けられており、複数の真空ポンプ80は、巻出部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取部60の各部にそれぞれ接続されていてもよい。ひとつの真空ポンプ80から配管が分岐しており、巻出部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取部60のうち複数の部の内部が減圧されてもよい。
【0033】
真空ポンプ80の配管には、各部の真空度を調整するための真空バルブ81~84が設けられている。真空バルブ81~84は、各部と真空ポンプ80の接続および各部と真空ポンプ80の切断を切り替え可能に構成されている。各部の真空度を調整しない場合には、真空バルブ81~84の替わりに開閉バルブが用いられていてもよい。
【0034】
加熱処理部40の入口(この実施形態では、連結部70)には、扉70aが設けられている。扉70aは、巻出ロールA1を取り替える時等に閉じられる。巻出ロールA1を取り替える時等に扉70aが閉じられることによって、加熱処理部40の雰囲気(この実施形態では、減圧状態)を保つことができる。扉70aは、巻出ロールA1を取り替える時等、被処理物Aが連結部70を通っている時に閉じられてもよい。巻出ロールA1に巻かれた被処理物Aの残りが少なくなってきたとき、巻出ロールA1は、新しいものに交換される。交換後の巻出ロールA1の被処理物Aの端部と、交換前の被処理物Aの端部とは、繋ぎ合わせられる。被処理物Aを処理空間40aに残した状態で、加熱処理部40の雰囲気を保ったまま巻出ロールA1を交換することができ、巻出ロールA1交換後の装置の復旧が早くなる。
【0035】
また、冷却部50の出口(この実施形態では、連結部74)には、扉74aが設けられている。扉74aは、扉70aと同様、巻取ロールA2を取り替える時等に扉74aが閉じられることによって、冷却部50の雰囲気(この実施形態では、減圧状態)を保つことができる。扉74aは、巻取ロールA2を取り替える時等、被処理物Aが連結部74を通っている時に閉じられてもよい。巻取ロールA2に巻かれた被処理物Aが多くなってきたとき、巻取ロールA2は、新しいものに交換される。交換後の巻取ロールA2の端部と、被処理物Aの端部とは、繋ぎ合わされる。被処理物Aを処理空間に残した状態で、冷却部50の雰囲気を保ったまま巻取ロールA2を交換することができ、巻取ロールA2交換後の装置の復旧が早くなる。
【0036】
ところで、熱処理装置には、帯状の被処理物を搬送経路に沿ってフィードしたり、炉体内をメンテナンスしたりする場合等のために、炉体に開口が形成されている場合がある。以下、ここで開示される熱処理装置について、加熱処理部40の構成を例にして説明する。
【0037】
図2は、扉46が開かれた状態の加熱処理部40の斜視図である。図2では、加熱処理部40の内部のヒータ42、ガイドローラ45等の図示は、省略されている。図3は、扉46が閉じられた状態の加熱処理部40の平面図である。図3では、左側に向かって見た加熱処理部40の平面が模式的に示されている。
【0038】
図2に示されているように、加熱処理部40は、炉体41と、扉46と、配管47とを備えている。炉体41は、略直方体状である。炉体41は、被処理物Aが加熱処理される処理空間40aを内部に有している。炉体41の内部の処理空間40aには、ヒータ42、ガイドローラ45等が設けられている(図1参照)。処理空間40aには、ヒータ42、ガイドローラ45等を支持する部材が設けられていてもよい。炉体41は、内部の雰囲気を遮断できる限りにおいて、特に限定されない。炉体41は、所要の厚みを有する金属板(ステンレス板等)から構成されていてもよい。炉体41は、断熱材を含んでいてもよい。炉体41は、内側面が断熱材によって構成され、外側面が金属板によって構成されていてもよい。炉体41の材質、厚み等の構成は、目的とする被処理物Aの処理温度、圧力等に応じて適宜設定される。また、炉体41は、炉体41を補強する補強材を含んでいてもよい。
【0039】
炉体41には、開口41a,41bが形成されている。この実施形態では、炉体41の右側の側面部41cには、2つの開口41a,41bが形成されている。開口41a,41bは、側面部41cの中央部41c1を挟んで略矩形に開口している。開口41aは、加熱処理部40の後方側に形成されており、開口41bは、加熱処理部40の前方側に形成されている。側面部41cは、中央部41c1、上部41c2、下部41c3、前部41c4、後部41c5を除いて大部分が開口している。開口41a,41bの開口面積は、特に限定されないが、側面部41cにおいて処理空間40aと対応する位置の外縁から内側の面積に対して80%以上であってもよく、90%以上であってもよい。
【0040】
加熱処理部40は、開口41a,41bとそれぞれ対応した、扉46a,46bを備えている。扉46a,46bは、炉体41の開口41a,41bを塞ぐ。被処理物Aの加熱処理中等、開口41a,41bは、扉46a,46bによって閉じられている。扉46aは、加熱処理部40の後方側に設けられており、扉46bは、加熱処理部40の前方側に設けられている。扉46a,46bは、被処理物Aを搬送経路に沿ってフィードしたり、炉体41内をメンテナンスしたりする際に開かれる。開口41a,41b面積が大きい程、フィード、メンテナンス等の作業性が良好である。扉46a,46bは、上下方向を軸として開閉される。
【0041】
〈扉46a,46b〉
扉46a,46bは、それぞれ開口41a,41bよりも一回り大きい略矩形の板状の部材である。扉46a,46bの厚みは、炉の内外を断熱できるよう、炉体41の厚みと略同程度である。扉46a,46bの内側面46a1,46b1には、シール材46cが設けられている。シール材46cとしては、例えば、炭素繊維系等のシートガスケット、シリコン系等のゴムシール材、フッ素ゴム・EPDM等のOリング等が用いられうる。シール材46cは、扉46a,46bの内側面46a1,46b1に設けられた窪み(例えば、断面がありみぞ形状の窪み)内に配置されていてもよい。シール材46cは、扉46a,46bの周縁部において連続して設けられている。熱処理装置10の開閉部(この実施形態では、扉46a,46b)の境界にシール材46cが設けられていることによって、処理空間40a内の雰囲気が維持されやすくなる。
【0042】
シール材46cは、略矩形状に連続している。シール材46cは、扉46a,46bが閉じられた時に炉体41の開口41a,41bの周縁部に重なる領域Rに設けられている。シール材46cは、開口41a,41bを囲う位置において周方向に連続して設けられている。シール材46cが周方向に連続していることによって、扉46a,46bが閉じられた時に、シール材46cが開口41a,41bの周囲において炉体41に押し付けられる。これによって、処理空間40aの気密性が保たれやすくなる。
【0043】
図3に示されているように、炉体41と、扉46a,46bとは、ヒンジ48を介して接続されている。特に限定されないが、ヒンジ48は、扉46a,46bそれぞれに対して上下に2つずつ設けられている。扉46a,46bがそれぞれ複数のヒンジ48に取り付けられていることによって、扉46a,46bの開閉が安定する。
【0044】
扉46a,46bには、取手46dが設けられている。取手46dは、扉46aの前方側(紙面右側)および扉46bの後方側(紙面左側)に設けられている。取手46dの上下には、ロック46eが設けられている。ロック46eを留めることによって、扉46a,46bのシール性が強化されうる。また、加熱処理部40が真空炉である場合には、復圧の際、処理空間40a内の復圧ガスの供給停止のタイムラグによって扉46a,46bが意図せず開くことが防止されうる。扉46a,46bの上部には、それぞれ電磁ロック46fが設けられている。電磁ロック46fは、炉内圧力、炉内温度、搬送停止等の条件がそろった時に解除される安全装置である。扉46a,46bの間には、操作ボックス46gが設けられている。操作ボックス46gは、電磁ロック46fをかけたり、上記条件がそろった後に電磁ロック46fを解除したりするためのセレクトスイッチ、非常停止ボタン等から構成されている。扉46a,46bの上端と、炉体41の上部41c2は、ドアクローザ46hを介して接続されていてもよい。扉46a,46bと、炉体41とがドアクローザ46hを介して接続されていることによって、扉46a,46bが閉じられる際の勢いが弱められる。これによって、シール材46cへのダメージが低減されうる。
【0045】
扉46a,46bが閉じられると、シール材46cは、側面部41cに形成された開口41a,41bの周囲に押し当てられる。炉体41において、シール材46cが押し当てられる領域Rの周囲には、配管47が取り付けられている、
【0046】
〈配管47〉
配管47は、冷媒が流れる配管である。配管47には、図示しない冷媒供給装置によって冷媒が供給される。特に限定されないが、冷媒としては、水等を用いることができる。配管47の内部に供給される冷媒の温度は、例えば、常温等、処理空間40aの雰囲気温度よりも低い温度である。冷媒の種類や温度は特に限定されず、処理空間40aの雰囲気温度等に応じて適宜設定されてもよい。配管47a,47bには、それぞれ冷媒供給装置が接続されていてもよい。配管47a,47bは、共通の冷媒供給装置に接続されていてもよい。
【0047】
この実施形態では、配管47は、扉46a,46bの周囲に取り付けられている。配管47は、扉46aの周囲に取り付けられた配管47aと、扉46bの周囲に取り付けられた配管47bとを備えている。配管47a,47bは、それぞれ扉46a,46bの周囲において、略矩形状に連続して配置されている。配管47aは、側面部41cの、下部41c3、中央部41c1、上部41c2および後部41c5に取り付けられている。配管47bは、側面部41cの、下部41c3、中央部41c1、上部41c2および前部41c4に取り付けられている。中央部41c1では、配管47a,47bは、束ねられている。中央部41c1では、配管47a,47bは、46eとは干渉しないように後方に向かって略弧状に曲げられている。配管47a,47bには、図3中の矢印で示されている方向に沿って冷媒が流れる。
【0048】
被処理物Aの加熱処理時には、扉46a,46bが閉じられた状態で、処理空間40aにおいて被処理物Aが加熱される。このとき、配管47a,47bには、冷媒が供給される。冷媒の供給は、例えば、ヒータ42(図1参照)が起動される前に開始される。
【0049】
上述した実施形態では、熱処理装置10は、炉体41と、扉46a,46bと、配管47とを備えている。炉体41は、被処理物Aが加熱処理される処理空間40aを内部に有し、かつ、開口41a,41bが形成されている。扉46a,46bは、炉体41の開口41a,41bを塞ぐ。配管47には、冷媒が流れる。扉46a,46bには、扉46a,46bが閉じられた時に炉体41の開口41a,41bの周縁部に重なる領域Rにシール材46cが設けられている。シール材46cは、近接する配管47を流れる冷媒によって間接的に冷やされる。これによって、処理空間40a内の温度が上昇しても、シール材46cが接する部分の炉体41の温度の上昇が低減される。その結果、シール材46cの劣化が低減され、熱処理装置10の処理空間40aにおける気密性が維持されやすくなる。また、熱処理装置10では、配管47は、炉体41において、シール材46cが押し当てられる領域Rの周囲に取り付けられている。冷媒が供給される配管47は、駆動される扉46a,46b側ではなく、炉体41側に設けられていることによって、配管47の取付構造が簡単になり、配管47の付け替え等の際のメンテナンス性が向上する。また、扉46a,46bの厚みによらず、冷媒が流れる配管47と、シール材46cとの距離を短くしやすい。
【0050】
上述した実施形態では、配管47は、扉46a,46bの周囲に取り付けられている。これによって、扉46a,46bが開閉されても配管47と扉46a,46bの干渉が防がれる。また、炉体41と配管47の取付構造が簡単になりうる。
【0051】
熱処理装置10では、炉体41には、処理空間40aを減圧する真空ポンプ80が接続されている。減圧状態では、シール材46cは、炉体41との密着性が向上する。その結果、シール材46cの冷却効率が向上しうる。
【0052】
なお、配管47の炉体41に対する取付構造は、特に限定されない。この実施形態では、配管47は、扉46a,46bの周囲において、扉46a,46bに近接して設けられている。熱処理装置10では、配管47は、扉46a,46bが閉じられた時に、炉体41と、扉46a,46bと、ヒンジ48とで囲まれた空間を通る位置に設けられている。
【0053】
〈ヒンジ48〉
図4は、ヒンジ48の模式図である。図4では、炉体41と、扉46bとが接続されている部分の上方から見た断面が示されている。炉体41と、扉46aとが接続されている部分の構造は、炉体41と、扉46bとが接続されている部分の構成と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。ヒンジ48は、第1部材48aと、第2部材48bと、第3部材48cと、第1軸48dと、第2軸48eとを備えている。図4に示されているように、ヒンジ48は、複数の軸部材を有する、いわゆる多軸ヒンジである。これによって、扉46bが開口41bの周囲に置いてバランスよく押さえつけられやすくなる。その結果、処理空間40a(図1参照)内の気密性が維持されやすい。なお、ヒンジ48は、多軸ヒンジに限られない。
【0054】
第1部材48aは、炉体41と接続される部材である。第1部材48aは、炉体41と接続される部位48a1と、第1軸48dと接続される部位48a2とを備えている。第1部材48aは、炉体41の側面部41cの前部41c4に対してボルト48a3によって接続されている。第1部材48aは、スペーサ49を介して炉体41と接続されている。第2部材48bは、扉46bと接続される部材である。扉46bの側面46b2には、第2部材48bが収められる窪み46b3が設けられている。窪み46b3では、略直方体状の空間が形成されている。第2部材48bは、窪み46b3のうち、炉体41側の内周面46b4に対してボルト46b5によって取り付けられている。
【0055】
第3部材48cは、第1部材48aと第2部材48bを繋ぐ部材である。第3部材48cは、第1軸48dおよび第2軸48eを介して第1部材48aおよび第2部材48bに接続されている。第1軸48dは、第1部材48aと第3部材48cを繋ぐ軸部材である。第2軸48eは、第2部材48bと第3部材48cを繋ぐ軸部材である。第1軸48dおよび第2軸48eは、略円柱状の軸部材である。第1軸48dは、第1部材48aの部位48a2の略中央部と、第3部材48cとに挿通されている。第2軸48eは、第2部材48bの略中央部と、第3部材48cとに挿通されている。
【0056】
上述した実施形態では、配管47は、扉46bが閉じられた時に、炉体41と、扉46bと、ヒンジ48とで囲まれた空間を通る位置に設けられている。かかる構成によって、配管47が扉46bに対してより近づけられうる。その結果、シール材46cを冷却する冷却効率が向上し、シール材46cが劣化しにくくなる。また、扉46bの開閉時に配管47と扉46bが干渉しない。
【0057】
上述した実施形態では、ヒンジ48と炉体41の間には、スペーサ49が設けられている。このように、ヒンジ48がスペーサ49を介して炉体41または扉46bに取り付けられることによって、配管47が通るスペースが設けられやすくなる。
【0058】
以上、具体的な実施形態を挙げて詳細な説明を行ったが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。このように、請求の範囲に記載の技術には、以上に記載した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0059】
なお、本明細書は以下の項1~6を含んでいる。以下の項1~6は、上記した実施形態には限定されない。
【0060】
項1:
被処理物が加熱処理される処理空間を内部に有し、かつ、開口が形成された炉体と、
前記炉体の前記開口を塞ぐ扉と、
冷媒が流れる配管と
を備え、
前記扉には、前記扉が閉じられた時に前記炉体の前記開口の周縁部に重なる領域にシール材が設けられており、
前記配管は、前記炉体において、前記シール材が押し当てられる領域の周囲に取り付けられている、
熱処理装置。
【0061】
項2:
前記炉体と、前記扉とは、ヒンジを介して接続されており、
前記配管は、前記扉が閉じられた時に、前記炉体と、前記扉と、前記ヒンジとで囲まれた空間を通る、項1に記載された熱処理装置。
【0062】
項3:
前記ヒンジは、前記炉体と接続される第1部材と、前記扉と接続される第2部材と、前記第1部材と前記第2部材を繋ぐ第3部材と、前記第1部材と前記第3部材を繋ぐ第1軸と、前記第2部材と前記第3部材を繋ぐ第2軸とを備える、項2に記載された熱処理装置。
【0063】
項4:
前記シール材は、前記開口を囲う位置において周方向に連続して設けられている、項1~3のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【0064】
項5:
前記配管は、前記扉の周囲に取り付けられている、項1~4のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【0065】
項6:
前記炉体には、前記処理空間を減圧する真空ポンプが接続される、項1~5のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【符号の説明】
【0066】
A 被処理物
A1 巻出ロール
A2 巻取ロール
R 領域
10 熱処理装置
20,22 搬送装置
30 巻出部
31,41,51,61 外壁
32 巻出軸
35 ローラ
40 加熱処理部
40a 処理空間
41 炉体
41a,41b 開口
41c 側面部
41c1 中央部
41c2 上部
41c3 下部
41c4 前部
41c5 後部
42 ヒータ
45 ガイドローラ
46,46a,46b 扉
46a1,46b1 内側面
46b2 側面
46b3 窪み
46b4 内周面
46b5 ボルト
46c シール材
46d 取手
46e ロック
46f 電磁ロック
46g 操作ボックス
46h ドアクローザ
47,47a,47b 配管
48 ヒンジ
48a 第1部材
48b 第2部材
48c 第3部材
48d 第1軸
48e 第2軸
49 スペーサ
50 冷却部
60 巻取部
62 巻取軸
65 ローラ
70,74 連結部
70a,74a 扉
72 連結部
80 真空ポンプ
81~84 真空バルブ
【要約】
【課題】熱処理装置の気密性の維持。
【解決手段】熱処理装置10は、炉体41と、扉46a,46bと、配管47とを備えている。炉体41は、被処理物Aが加熱処理される処理空間40aを内部に有し、かつ、開口41a,41bが形成されている。扉46a,46bは、炉体41の開口41a,41bを塞ぐ。配管47には、冷媒が流れる。扉46a,46bには、扉46a,46bが閉じられた時に炉体41の開口41a,41bの周縁部に重なる領域Rにシール材46cが設けられている。配管47は、炉体41において、シール材46cが押し当てられる領域Rの周囲に取り付けられている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4