(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】ダイエット用インソール
(51)【国際特許分類】
A43B 17/00 20060101AFI20240918BHJP
A43B 7/1425 20220101ALI20240918BHJP
A43B 7/143 20220101ALI20240918BHJP
A43B 7/144 20220101ALI20240918BHJP
【FI】
A43B17/00 E
A43B7/1425
A43B7/143
A43B7/144
(21)【出願番号】P 2024025769
(22)【出願日】2024-02-22
【審査請求日】2024-02-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512238656
【氏名又は名称】株式会社イッティ
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100073483
【氏名又は名称】八鍬 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100164286
【氏名又は名称】中里 卓夫
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 雅彦
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-027031(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0358239(KR,Y1)
【文献】登録実用新案第3074141(JP,U)
【文献】実開平03-072701(JP,U)
【文献】実開平02-040205(JP,U)
【文献】特開2002-282012(JP,A)
【文献】特表2015-533591(JP,A)
【文献】特開2018-40103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物内に収納され、利用者の足裏を覆う可撓性を有するインソール本体と、
前記足裏の母趾球、小趾球および踵を少なくとも支持
して、
土踏まずの周りを囲うように略コ字状となるように、前記インソール本体の前側から離間し、
踵側が幅方向内側に膨出して、前記インソール本体の上面から隆起した支持隆起部と、を備え、前記利用者の足の指先を可動することができるように、前記支持隆起部で前記足裏を、前記インソール本体から離れた状態で支持するダイエット用インソールであって、
前記ダイエット用インソールは、さらに、前記支持隆起部の上面における前記足裏の土踏まず外側部分の内側において、前記インソール本体の底面からの高さ位置が前記支持隆起部よりも高くなるように形成され、前記土踏まずを指圧して支持する土踏まず支持部と、を有し、
前記支持隆起部は、少なくとも、前
記土踏まず外側が高くなるように、前記小趾球から前記踵にかけて隆起しており、
前記利用者が、前記インソール本体を収納した前記履物を履いた際に、前記足の甲が前記履物の内側に当接することを特徴とするダイエット用インソール。
【請求項2】
前記支持隆起部は、つま先側が略ハート形状となるように前記足裏の中指又は人差し指に対応する位置に切欠き部が形成されており、前記足裏の種子骨および中足骨を支持した状態で、前記足裏の基節骨、中節骨および末節骨が前記支持隆起部よりも前方において可動となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイエット用インソール。
【請求項3】
前記土踏まず支持部は、前記土踏まずの全域を覆うように前記インソール本体から上方に突出
し、前記支持隆起部とほぼ同じ厚みを有する土台部と、前記土踏まずを支持するために前記土台部から上方に突出
し、前記土台部の厚みよりも厚く形成されている複数の指圧突起部と、を有し、
前記
複数の指圧突起部は、前記インソール本体の長手方向の踵側に向かうにつれてその
幅方向に並ぶ個数が少なくなるように突出して
おり、前記足裏の胃、太陽神経叢、膵臓および一二指腸に対応する足つぼを指圧可能に位置してい
ることを特徴とする請求項
1又は2に記載のダイエット用インソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴の内部に挿入して足を支持しつつ足指を可動とすることで運動性を高め、ダイエット効果を促進するダイエット用インソールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、身体の安定性、運動性を確保しながら、足の指を動かしやすくし、歩行時の運動性を高めるための靴用インソールが鋭意研究されている。
【0003】
このような靴用インソールとして例えば、特許文献1(従来例)では、
図32で示すように、インソール本体160を備え、インソール本体160の表面(上面)101Aに、凸状部102を構成する立方骨支持凸部180及び踵骨前部支持凸部190が形成されているインソール(靴用インソール)100が開示されている。インソール本体160の裏面(下面)101Bには、足の第1中足骨頭部(母趾球)と、第2~第5中足骨頭部(小趾球)と、を支持する趾球支持部101が形成されており、この趾球支持部101は、インソール本体160の裏面(下面)101Bから下方へ膨出している。また、インソール前部110は、趾球支持部101に比べて薄肉で軟らかく形成されている。
【0004】
踵骨前部支持凸部190が、踵骨結節を支持することで、踵骨を安定させることができる。立方骨支持凸部180が、立方骨を支持することで、立方骨を安定させることができる。インソール前部110は、趾球支持部101に比べて薄肉で軟らかいため、足の指を容易に動かすことができる。したがって、足の指で地面を掴むような歩行動作を容易に行うことができ、運動効果を高めることができる。足底のアーチの形状を維持して身体の安定性、運動性を確保しながら、運動効果を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来例のインソール100では、足の甲が靴の内部で固定されておらず、また、趾球部と踵部でしかインソール100で支持されていないため、インソール100に対して足の位置がズレやすく、歩行時にはインソール100の幅方向に重心が移動し、足裏のインソールに対する重心の位置に偏りが生じ、趾球支持部101と立方骨支持凸部180及び踵骨前部支持凸部190により身体を十分に支持することができない問題が生じるおそれがあった。
【0007】
このため、足裏がインソール100に対して位置ズレするリスクがあり、足指を十分に動かすことができず、運動性能が低下するおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、履物とインソールとにより足の甲が靴の内部で固定しかつ履物の内部で足指を可動とすることにより足指の運動性能を高めてダイエット効果を促進するダイエット用インソールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、履物内に収納され、利用者の足裏を覆う可撓性を有するインソール本体と、前記足裏の母趾球、小趾球および踵を少なくとも支持して、土踏まずの周りを囲うように略コ字状となるように、前記インソール本体の前側から離間し、踵側が幅方向内側に膨出して、前記インソール本体の上面から隆起した支持隆起部と、を備え、前記利用者の足の指先を可動することができるように、前記支持隆起部で前記足裏を、前記インソール本体から離れた状態で支持するダイエット用インソールであって、前記ダイエット用インソールは、さらに、前記支持隆起部の上面における前記足裏の土踏まず外側部分の内側において、前記インソール本体の底面からの高さ位置が前記支持隆起部よりも高くなるように形成され、前記土踏まずを指圧して支持する土踏まず支持部と、を有し、前記支持隆起部は、少なくとも、前記土踏まず外側が高くなるように、前記小趾球から前記踵にかけて隆起しており、前記利用者が、前記インソール本体を収納した前記履物を履いた際に、前記足の甲が前記履物の内側に当接することを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、支持隆起部が足裏の土踏まず外側が高くなるように、小趾球から踵にかけて隆起しているので、利用者の足裏の土踏まずの外側に下側から接触し、支持することができる。これにより、利用者の足裏における土踏まずの外側を下側から押し上げて接触することで重心移動を意識させ、重心位置の偏りを抑制し、母趾球、小趾球および踵に体重を分散させ、支持性能を向上させることができる。
【0011】
また、このように支持隆起部が隆起することで、履物の底面からの足の甲の位置が高くなり、足の甲が履物の内側に当接する。これにより、足が履物の内部でインソールに対して位置ズレすることを抑制することができる。
【0012】
さらに、利用者の足の指先を可動することができるように、支持隆起部で足裏を、インソール本体から離れた状態で支持するので、足裏を支持、固定した状態で足指を動かすことができ、足裏のバランス性能を高めた状態で、足指の運動性能を高め、ダイエット効果を促進することができる。
また、支持隆起部が幅方向内側に膨出していることにより、利用者の踵が大きい場合であっても、支持隆起部により踵を支持することができる。
足裏の土踏まずの外側を支持隆起部により支持した状態でさらに土踏まずを土踏まず支持部により支持することで、足裏の母趾球、小趾球、土踏まずの外側、土踏まず、および踵の全てを下方から支持し、母趾球、小趾球、土踏まずの外側、土踏まずおよび踵への体重の分散をサポートすることができ、重心の位置を矯正することができ、足裏のインソールに対する位置ズレをより一層抑制することができる。
また、土踏まずは通常は外側縦アーチに比べて浮いている状態となっているが、スポーツ時にはこれにより足の疲労がたまりやすくなる。土踏まずを支持する土踏まず支持部を設け、そのインソール本体からの隆起高さを支持隆起部よりも高くすることで、土踏まずを指圧して支持し、足の疲労を低減することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されたダイエット用インソールであって、前記支持隆起部は、つま先側が略ハート形状となるように前記足裏の中指又は人差し指に対応する位置に切欠き部が形成されており、前記足裏の種子骨および中足骨を支持した状態で、前記足裏の基節骨、中節骨および末節骨が前記支持隆起部よりも前方において可動となるように形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、支持隆起部20のつま先側を略ハート形状に形成することにより母趾球と小趾球を支持隆起部20により支持しつつ間の切欠き部22では中指や人差し指を他の指に比べて比較的自由に動かすことができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載されたダイエット用インソールであって、前記土踏まず支持部は、前記土踏まずの全域を覆うように前記インソール本体から上方に突出し、前記支持隆起部とほぼ同じ厚みを有する土台部と、前記土踏まずを支持するために前記土台部から上方に突出し、前記土台部の厚みよりも厚く形成されている複数の指圧突起部と、を有し、前記複数の指圧突起部は、前記インソール本体の長手方向の踵側に向かうにつれてその幅方向に並ぶ個数が少なくなるように突出しており、前記足裏の胃、太陽神経叢、膵臓および一二指腸に対応する足つぼを指圧可能に位置していることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、土踏まず支持部の指圧突起部の個数が踵側に向かうにつれて少なくなるので、土踏まずから踵に向かうにつれて足裏と指圧突起部との接地面積が小さくなる。これにより、土踏まずから踵に向かうにつれて指圧突起部から足裏への圧力が大きくなり、圧力勾配を設けることができ、刺激に対して敏感な土踏まずへの圧力を小さくし、踵に近づくにつれて足裏への圧力を大きくすることができ、足の血行を快適にほぐすことができる。
【0018】
さらに、指圧突起部が多いと足裏が痛くなることが想定されるところ、このように指圧突起部の個数を足の重心の位置に近い踵側へ向かうにつれて少なくすることで、使用時における足裏への刺激を少なくし、足裏が痛くなるリスクを抑制することができる。
土踏まずの位置には、胃、太陽神経叢、膵臓および十二指腸に対応する足つぼがあるところ、土踏まず支持部の指圧突起部によりこれら胃、太陽神経叢、膵臓および十二指腸に対応する足つぼが指圧され、足裏をマッサージすることができ、これにより、血行が促進され、体調を改善することができる。
指圧突起部のダイエット用インソールの底面からの高さを高くすることで、土踏まずに接触させやすくし、土踏まずの指圧を効果的に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明のダイエット用インソールによれば、利用者の足の指先を可動することができるように、支持隆起部で足裏を、インソール本体から離れた状態で支持するので、足裏を支持、固定した状態で足指を動かすことができ、足指の運動性能を高め、ダイエット効果を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係るダイエット用インソールの斜視図である。
【
図2】
図1のダイエット用インソールの平面図である。
【
図3】
図1のダイエット用インソールの左側面図である。
【
図4】
図1のダイエット用インソールの右側面図である。
【
図5】
図1のダイエット用インソールの背面図である。
【
図6】
図1のダイエット用インソールの正面図である。
【
図7】
図1のダイエット用インソールの底面図である。
【
図12】
図1のダイエット用インソールと足の骨の位置関係を示す概略図である。
【
図14】比較実験で使用した比較用インソールの平面図である。
【
図15】比較実験で使用した比較用インソールの側面図である。
【
図16】利用者が
図1のダイエット用インソールを履物に挿入した状態を示す立位前面図である。
【
図18】(a)は足圧比較実験における被験者Aの本発明に係るダイエット用インソールを着用した際の足圧分布図であり、(b)は足圧比較実験における被験者Aの比較用インソールを着用した際の足圧分布図である。
【
図19】(a)は足圧比較実験における被験者Bの本発明に係るダイエット用インソールを着用した際の足圧分布図であり、(b)は足圧比較実験における被験者Bの比較用インソールを着用した際の足圧分布図である。
【
図20】(a)は足圧比較実験における被験者Cの本発明に係るダイエット用インソールを着用した際の足圧分布図であり、(b)は足圧比較実験における被験者Cの比較用インソールを着用した際の足圧分布図である。
【
図21】足圧比較実験における静的足圧分布測定結果を表す図である。
【
図22】歩行比較実験における垂直方向の床反力および重心移動距離の測定結果を表す図である。
【
図23】歩行比較実験における蹴り出し時の力および蹴り出し角度の測定結果を表す図である。
【
図24】歩行比較実験における蹴り出し方向角度の測定結果を表す図である。
【
図25】筋活動量比較実験における筋電位測定による筋活動量の測定結果を表す図である。
【
図26】姿勢比較実験における歩行時の動作解析結果を表す図である。
【
図27】姿勢比較実験における自然な姿勢による姿勢解析結果を表す図である。
【
図28】姿勢比較実験における視線を固定した状態による姿勢解析結果を表す図である。
【
図29】感応試験で使用した評価シートを表す概略図である。
【
図30】(a)は
図1のダイエット用インソールの使用感を評価した結果を表す図であり、(b)はダイエット用インソールの支持隆起部における土踏まずの外側部分を切り取ったインソールの使用感を評価した結果を表す図である。
【
図31】足の各部位とつぼとの対応関係を表す概略図である。
【
図32】従来例に係るインソールを表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るダイエット用インソール1について説明する。
【0022】
図1は本発明の実施形態に係るダイエット用インソール1の斜視図であり、
図2は
図1のダイエット用インソール1の平面図であり、
図3は
図1のダイエット用インソール1の左側面図であり、
図4は
図1のダイエット用インソール1の右側面図であり、
図5は
図1のダイエット用インソール1の背面図であり、
図6は
図1のダイエット用インソール1の正面図であり、
図7は
図1のダイエット用インソール1の底面図である。
図16は、ダイエット用インソール1の利用者2がダイエット用インソール1を履物3に挿入した状態の立位前面図である。
【0023】
なお、以下では説明のために、ダイエット用インソール1の長手方向をY軸(
図2の紙面上下方向)、ダイエット用インソール1の幅方向をX軸(
図2の紙面左右方向)、ダイエット用インソール1の厚み方向をZ軸(
図2の紙面前後方向)とする。
【0024】
また、通常は利用者2一人につき左右一対のダイエット用インソール1を使用するが、これら左右一対のダイエット用インソール1の基本的構成は同じであり、左足用のダイエット用インソール1は右足用のダイエット用インソール1と対称な形状であるので、主として右足用のダイエット用インソール1について説明する。
【0025】
図1で示すように、ダイエット用インソール1は、履物3内に収納され、利用者2の足裏を覆う可撓性を有するインソール本体10と、足裏の母趾球、小趾球および踵を少なくとも支持するように、インソール本体10のY軸方向の前側から離間し、インソール本体10の上面からZ軸方向上方に隆起した支持隆起部20と、インソール本体10の上面における土踏まず外側部分26(土踏まず外側)の内側に形成され、利用者2の土踏まずを支持する土踏まず支持部30と、を備える。
【0026】
このダイエット用インソール1は、利用者2の足の指先が可動となるように、支持隆起部20で足裏を、インソール本体10からZ軸方向上方に離れた状態で支持する。本実施形態では、インソール本体10の厚みは、例えば約2.5mm~約6.0mmの間で変化するように形成されており、支持隆起部20の厚みは例えば約2.0mm以上となるように形成されている。この支持隆起部20の厚みは部位に応じて僅かに変化するように形成されている。すなわち、ダイエット用インソール1は、支持隆起部20で足裏がインソール本体10からZ軸方向上方に約2.0mm離れた状態となるように利用者2の足裏を支持する。
【0027】
インソール本体10は、可撓性を有する素材、例えば履物3内部に収納することが可能となるように、利用者2の足裏を覆うことが可能な形状を有する。
【0028】
このインソール本体10は、例えば、EVA(エチレン酢酸ビニル)やPU(ポリウレタン)等の熱可塑性樹脂により構成されたベース材の表面に、このベース材よりも厚みが薄い、例えばポリエチレン、綿やポリエステル、ナイロン等の合成繊維により形成されたライニング材(トップカバー)を張り付けることなどにより構成されている。
【0029】
インソール本体10をこのようにベース材とライニング材とにより構成することで、ベース材のクッション性能および断熱性を維持しつつ、ライニング材の保温性能を獲得し、履物3の内部を保温、保湿することができる。これにより、足裏の発汗を促し、運動性能を高め、ダイエット効果を促進することができる。
【0030】
インソール本体10の長手方向(Y軸方向)における利用者2の土踏まずから踵にかけての周縁部には、上方(Z軸方向)に向かって開くように反り上がる反り上がり部11が形成されている。このように反り上がり部11を形成することにより、ダイエット用インソール1の反り上がり部11の内周面のカーブで利用者2の踵とをより一層密着させることができ、ダイエット用インソール1の踵に対するフィット感を向上させ、歩行時に履物3内部で足がダイエット用インソール1に対して位置ズレすることを抑制することができる。これにより、支持隆起部20および土踏まず30による位置ズレ抑制効果と相俟って、足がダイエット用インソール1に対して位置ズレすることを効果的に抑制することができ、足裏の母趾球、小趾球および踵の支持をより一層強固なものにすることができる。
【0031】
また、
図3乃至
図6で示すように、反り上がり部11は、土踏まずから踵にかけて形成されており、土踏まずに隣接する側(内側反り上がり部114)のインソール本体10の底面からの高さが他方(外側反り上がり部112)の高さよりも高く形成されている。
【0032】
具体的に、反り上がり部11は、足裏をX軸方向の外側から覆う外側反り上がり部112と、外側反り上がり部112と向かい合うように足裏をX軸方向の内側から覆う内側反り上がり部114と、を有する。
【0033】
図4で示すように、内側反り上がり部114のインソール本体10の底面からの高さh2は、外側反り上がり部112のインソール本体10の底面からの高さh1よりも高く形成されている。
【0034】
内側反り上がり部114の高さh2が外側反り上がり部112の高さh1よりも高く形成されていることにより、足裏の他の領域と比較して地面から離れている土踏まず全域を内側反り上がり部114により側面から覆うことができる。
【0035】
これによりダイエット用インソール1と土踏まずとをより一層密着させることができ、履物3内部で足がダイエット用インソール1に対して位置ズレすることを抑制することができる。
【0036】
インソール本体10のつま先側の端部10aから支持隆起部20の間の位置には、
図1および2で示すように、底面から裏面にかけてを貫通する複数の小孔12が複数形成されている。このように複数の小孔12を形成することにより、運動量の多い足の指先から発する汗を透過させることができ、履物3内の湿度を低下させ、足指の汗蒸れを抑制することができる。
【0037】
インソール本体10の底面には、
図7で示すように、つま先側の端部10aにおいて、インソール本体10のサイズを調整するための複数のサイズ調整線13が形成されている。このサイズ調整線13は、インソール本体10のつま先側の端部10aの周縁部に沿って内側に形成された放物線を描くように形成されている。
【0038】
本実施形態ではサイズ調整線13は、インソール本体10の底面に彫られることにより形成されているが、サイズ調整線13は、インソール本体10に直接彫らなくても良く、例えばインソール本体10の底面に印刷すること等により形成しても良い。
【0039】
このサイズ調整線13は、例えばインソール本体10のつま先側の端部10aの周縁部から例えば0.5cm刻みで形成されており、それぞれの線上には靴のサイズ(cm)を表す数字(本実施形態では25.0、25.5、26.0)が記載されている。なお、本実施形態のインソール本体10の外側の輪郭は、例えば26.5cmに対応するサイズに形成されている。
【0040】
支持隆起部20は、
図1、2および
図6で示すように、少なくとも、足裏の土踏まず外側部分26が高くなるように、小趾球から踵にかけて隆起している。この支持隆起部20は、土踏まずの周りを囲うように略コ字状に隆起しており、この支持隆起部20のつま先側は、略ハート形状となるように中指や人差し指に対応する位置に切欠き部22が形成されている。
【0041】
このように支持隆起部20のつま先側を略ハート形状に形成することにより母趾球と小趾球を支持隆起部20により支持しつつ間の切欠き部22では中指や人差し指を他の指に比べて比較的自由に動かすことができる。
【0042】
また、支持隆起部20におけるかかと部分へ向かう傾斜部分24(曲線部分)には、Y軸方向およびX軸方向に凸となるように膨出している。具体的には、支持隆起部20の当該傾斜部分が略角部となるように、すなわち、当該傾斜部分の接線の傾きの変化が大きくなるように膨出している。
【0043】
このように支持隆起部20が膨出していることにより、利用者2の踵が大きい場合であっても、支持隆起部20により踵を支持することができる。
【0044】
利用者2がインソール本体10を収納した履物3を履いた際に、足裏の履物3底面からの高さ位置が高くなり、足の甲が履物3の内側に当接する。これにより、支持隆起部20により足裏が支持され、足の甲が履物3内部に当接することにより、足が履物3内部で保持され、足裏がインソール本体10に対して位置ズレすることを抑制することができる。
【0045】
図8は、
図2のダイエット用インソール1のA-A断面図であり、
図9は
図2のダイエット用インソール1のB―B断面図であり、
図10は
図2のダイエット用インソール1のC―C断面図であり、
図11は
図2のダイエット用インソール1のD-D断面図である。
【0046】
図8乃至
図11で示すように、支持隆起部20のインソール本体10の表面からのZ軸方向の隆起高さ(支持隆起部20の厚み)は、土踏まず外側部分26が厚くなるように変化している。本実施形態では支持隆起部20の厚みは、少なくとも例えば2.0mm以上となるように形成されている。
【0047】
ここで、
図8および
図9で示すように、インソール本体10のY軸方向のつま先側(趾球部分からつま先側)におけるインソール本体10の厚みは支持隆起部20の厚みよりも厚く、例えば2.5mmで形成されている。
【0048】
また、
図8および
図10で示すように、土踏まずの外側部分26の位置におけるインソール本体10の厚みは、支持隆起部20の厚みよりも厚くされている。本実施形態では土踏まずの位置におけるインソール本体10の厚みは、例えば5.8mmで形成されている。
【0049】
さらに、
図8および
図11で示すように、踵の位置におけるインソール本体10の厚みは、支持隆起部20の厚みよりもさらに厚く形成されている。本実施形態では踵の位置におけるインソール本体10の厚みは、例えば6.0mmで形成されている。
【0050】
すなわち、本実施形態ではインソール本体10の厚みがY軸方向のつま先側の端部10aから踵にかけて厚くなるように変化している。具体的には、趾球部分におけるダイエット用インソール1の底面から支持隆起部20の表面までのZ軸方向の高さは約4.5mm(2.0mm+2.5mm)、土踏まずの位置におけるダイエット用インソール1の底面から支持隆起部20の表面までのZ軸方向の高さは約7.8mm(2.0mm+5.8mm)、土踏まずの位置におけるダイエット用インソール1の底面から支持隆起部20の表面までのZ軸方向の高さは約8.0mm(2.0mm+6.0mm)となるように変化している。
【0051】
このようにつま先から踵にかけて厚くなるように、ダイエット用インソール1の底面から支持隆起部20の表面までの厚みを変化させることにより、利用者2の重心の位置をつま先側に補正し、姿勢を矯正して運動量を増大させ、ダイエット効果を高めることができる。
【0052】
また、支持隆起部20が足裏の土踏まず外側部分26が高くなるように、小趾球から踵にかけて隆起していることにより、支持隆起部20が利用者2の足裏と密着し、履物3の中でダイエット用インソール1が足に対して位置ズレすることを抑制することができるとともに、支持隆起部20の隆起高さ(厚み)の分だけ厚く形成されていることにより土踏まず外側部分26におけるダイエット用インソール1の剛性が向上し、ダイエット用インソール1を履物3内部に挿入する際にダイエット用インソール1が折れ曲がって挿入の妨げになるリスクを低減することができる。
【0053】
図1および
図2で示すように、土踏まず支持部30は、土踏まずの全域(土踏まず外側部分26に隣接する領域)を覆うようにインソール本体10から上方に突出する土台部32と、土踏まずを支持し、土台部32から上方に突出する複数の指圧突起部34と、を有する。
【0054】
図8および
図10で示すように、土台部32の突出高さ(土台部32の厚み)は、支持隆起部20のインソール本体10からの隆起高さ(支持隆起部20の厚み)と例えばほぼ同じの約2.0mmに形成されている。
【0055】
図2で示すように、指圧突起部34は、インソール本体10の長手方向(Y軸方向)の踵側に向かうにつれてその個数が少なくなるように突出している。
【0056】
複数の指圧突起部34は、支持隆起部20で足裏の母趾球、小趾球、踵および土踏まずの外側を支持した状態で、土踏まずも支持するように、支持隆起部20における足裏の母趾球、小趾球、踵および土踏まずの外側部分26よりもインソール本体10からの隆起高さが高くなるように隆起している。
【0057】
複数の指圧突起部34は、
図1および
図2で示すように、本実施形態では例えば5つ設けられている。これら5つの指圧突起部34は、踵側に向かうにつれて個数が少なくなるように、踵側に向かうにつれて順番に例えば2つ、2つ、1つ形成されている。
【0058】
この指圧突起部34は例えば円盤状に形成されている。この指圧突起部34は、土踏まずを指圧できる形状であれば必ずしも円盤状に形成されている必要はなく、四角柱形状、三角柱形状、星形状等、その他の形状としても良い。
【0059】
図10で示すように、この複数の指圧突起部34の台部32からの突出高さ(指圧突起部34の厚み)は、土台部32の厚みよりも厚く形成されているのが好ましい。本実施形態では、指圧突起部34の厚みは、例えば約3.0mmで形成されている。すなわち、この位置でのインソール本体10の厚みは約5.8mm、土台部32の厚みは約2.0mmであることから、突起部34のダイエット用インソール1の底面からの高さは例えば約10.8mm(5.8mm+2.0mm+3.0mm)で形成されている。
【0060】
このように指圧突起部34のダイエット用インソール1の底面からの高さを高くすることで、土踏まずに接触させやすくし、土踏まずの指圧を効果的に行うことができる。
【0061】
本実施形態に係るダイエット用インソール1によれば、支持隆起部20が足裏の土踏まず外側が高くなるように、小趾球から踵にかけて隆起しているので、利用者2の足裏の土踏まずの外側に下側から接触し、支持することができる。これにより、利用者2の足裏における土踏まずの外側を下側から押し上げて接触することで重心移動を意識させ、重心位置の偏りを抑制し、母趾球、小趾球および踵に重心を移動させ、支持性能を向上させることができる。
【0062】
また、このように支持隆起部20が隆起することで、履物3の底面からの足の甲の位置が高くなり、足の甲が履物3の内側に当接する。これにより、足が履物3の内部でインソール本体10に対して位置ズレすることを抑制することができる。
【0063】
さらに、利用者2の足の指先を可動することができるように、支持隆起部20で足裏を、インソール本体10から離れた状態で支持するので、足裏を支持、固定した状態で足指を動かすことができ、足裏のバランス性能を向上させた状態で足指の運動性能を高め、利用者2のダイエット効果を促進することができる。
【0064】
また、ダイエット用インソール1は、足裏の土踏まずの外側を支持隆起部20により支持した状態でさらに土踏まずを土踏まず支持部30により支持することで、足裏の母趾球、小趾球、土踏まずの外側、土踏まず、および踵などの足裏の全てを下方から支持し、母趾球、小趾球、土踏まずの外側、土踏まずおよび踵などの足裏全体への体重を分散させることができる。このように利用者2の体重を足裏全体に分散させることで、土踏まずを含む足裏全体がダイエット用インソール1に接することで足裏に対するダイエット用インソール1の摩擦力を増大させ、足裏のインソールに対する位置ズレをより一層抑制することができる。
【0065】
さらに、土踏まずは通常は外側縦アーチに比べて浮いている状態となっているが、スポーツ時にはこれにより足の疲労がたまりやすくなる。土踏まずを支持する土踏まず支持部30を設け、そのインソール本体からの隆起高さを支持隆起部20よりも高くすることで、土踏まずを支持し、足の疲労を低減することができる。
【0066】
またさらにダイエット用インソール1は、土踏まず支持部30の指圧突起部34の個数が踵側に向かうにつれて少なくなるので、土踏まずから踵に向かうにつれて足裏と指圧突起部34との接地面積が小さくなる。これにより、土踏まずから踵に向かうにつれて指圧突起部34から足裏への圧力が大きくなり、圧力勾配を設けることができ、刺激に対して敏感な土踏まずへの圧力を小さくし、踵に近づくにつれて足裏への圧力を大きくすることができ、足の血行を快適にほぐすことができる。
【0067】
さらに、指圧突起部34が多いと足裏が痛くなることが想定されるところ、このように指圧突起部34の個数を足の重心に近い踵側へ向かうにつれて少なくすることで、使用時における足裏への刺激を少なくし、足裏が痛くなるリスクを抑制することができる。
【0068】
次に、ダイエット用インソール1の使用方法について説明する。
【0069】
利用者2は、履物3内に収納されたインソールを取り出し、取り出したインソールとダイエット用インソール1とを重ね合わせて、取り出したインソールの縁部に沿ってダイエット用インソール1をハサミ等で切る。
【0070】
図7で示すように、ダイエット用インソール1の底面には、サイズ調整線13が描かれている。利用者2は、サイズ調整線13を目安にダイエット用インソール1のサイズを調整することもできる。
【0071】
そして、サイズ調整を行ったダイエット用インソール1を履物3の内部に装入する。
【0072】
この状態で利用者2は、履物3を履き、靴紐等がある場合は、靴紐を締める等して足の甲と靴の内部を当接させる。
【0073】
このようにして、利用者2はダイエット用インソール1を使用することができる。
【0074】
本実施形態のダイエット用インソール1は、利用者2がハサミなどでインソール本体10をサイズ調整線13を目安に沿って切り取ることにより、インソール本体10のサイズを、自身の靴のサイズに合わせて調整することができる。すなわち、本実施形態のダイエット用インソール1は、1つのインソール本体10で、サイズ調整線13等を目安に切り取りまたはそのまま使用することで、25.0cm、25.5cm、26.0cmおよび26.5cmの複数のサイズに対応することができる。
【0075】
このように、インソール本体10を切り取り等行うことで、複数のサイズに自身で調整することができるため、好みのサイズに合わせて加工し履物3内に収納することができる。
【0076】
次に、ダイエット用インソール1と足の骨との位置関係について説明する。
【0077】
図12はダイエット用インソール1と足の骨の位置関係を示す正面図であり、
図13はダイエット用インソール1と足の骨の位置関係を示す底面図であり、
図31は、足の各部位とつぼとの対応関係を表す概略図である。
【0078】
なお、
図12および
図13中では、利用者2の足の骨を仮想線(2点鎖線)として描いた。
【0079】
図12および
図13で示すように、支持隆起部20により、中足骨41、種子骨42、立方骨43および踵骨44が下から支持される。
【0080】
支持隆起部20がインソール本体10のつま先側の端部10aから離間してインソール本体10の上面から隆起し、支持隆起部20の厚みが少なくとも約2.0mm以上となるように形成されているため、支持隆起部20が足裏の種子骨42および中足骨41を支持した状態で、基節骨45、中節骨46および末節骨47が支持隆起部20よりも前方において可動となる。
【0081】
また、
図13で示すように足の楔状骨48は通常は地面から離れているが、土踏まず支持部30が支持隆起部20よりも高く隆起していることにより、この楔状骨48および舟状骨49を土踏まず支持部30により支持することができる。
【0082】
図31で示すように、土踏まずの位置には、胃、太陽神経叢、膵臓および十二指腸に対応する足つぼがある。土踏まず支持部30の指圧突起部34によりこれら胃、太陽神経叢、膵臓および十二指腸に対応する足つぼが指圧され、足裏をマッサージすることができる。これにより、血行が促進され、体調を改善することができる。
【0083】
本実施形態のダイエット用インソール1は、支持隆起部20が足裏の種子骨42および中足骨41を支持することにより履物3で足を固定し、基節骨45、中節骨46および末節骨47を支持隆起部20よりも前方において可動とすることにより足指の運動性能を向上させ、バランス性の向上およびダイエットを促進することができるとともに、指圧突起部34により土踏まずを指圧することで足つぼを刺激し、血行が促進され体調を改善することができる。
【0084】
次に、ダイエット用インソール1を着用することによる足裏がダイエット用インソール1に与える足圧の分布である足圧分布、蹴り出し時の角度・力、筋電位測定、および姿勢の傾きについて、比較用インソール200を用いた場合と比較することにより実験した。
【0085】
図14は比較実験で使用した比較用インソール200の平面図であり、
図15は比較実験で使用した比較用インソール200の側面図であり、
図16は利用者2が
図1のダイエット用インソールを履物3に挿入した状態を示す立位前面図であり、
図17は
図16の利用者2の骨格を表した概略図である。
【0086】
<初期条件>
ダイエット用インソール1と、比較用インソール200と、履物3の内部に挿入可能なインソール型圧力分布測定器(不図示)と、被験者の身体に装着可能な筋電位計測装置(不図示)を使用した。
【0087】
インソール型圧力分布測定器は、内部に全面に亘って圧力が計測可能な圧力センサーが内蔵されており、測定した圧力等のデータを無線通信等の手法により端末に送信可能に構成されている。
【0088】
筋電位計測装置は被験者の身体に装着することにより、筋肉の活動量を計測するものであり、計測データを端末に送信可能に構成されている。
【0089】
インソール型圧力分布測定器および筋電位計測装置からデータを受信した端末によりデータの解析を行った。
【0090】
図14および
図15で示すように、底面および表面が平面に形成されている比較用インソール200を比較用実験で使用した。比較用インソール200は樹脂製のスポンジ等により形成されている。
【0091】
実験は、履物3の内部にインソール型圧力分布測定器を挿入した状態でダイエット用インソール1または比較用インソール200を挿入し、3人の被験者A、B、Cがこの履物3を履いた状態における立った状態、および歩いた状態の圧力データを測定することにより行った。
【0092】
次に、足圧分布、蹴り出し時の角度・力、および姿勢の傾きのそれぞれについての実験結果について説明する。
【0093】
<足圧分布(足圧比較実験)>
図18の(a)は足圧比較実験における被験者Aの本発明に係るダイエット用インソールを着用した際の足圧分布図であり、(b)は足圧比較実験における被験者Aの比較用インソール200を着用した際の足圧分布図であり、
図19の(a)は足圧比較実験における被験者Bの本発明に係るダイエット用インソールを着用した際の足圧分布図であり、(b)は足圧比較実験における被験者Bの比較用インソール200を着用した際の足圧分布図であり、
図20の(a)は足圧比較実験における被験者Cの本発明に係るダイエット用インソールを着用した際の足圧分布図であり、(b)は足圧比較実験における被験者Cの比較用インソール200を着用した際の足圧分布図である。また、
図21は足圧比較実験における静的足圧分布測定結果を表す図である。
【0094】
本実験においては、3人の被験者A,B,Cがダイエット用インソール1を着用した場合と、比較用インソール200を着用した場合とで、左右両足の静的足圧分布測定を行った。
【0095】
図18乃至
図20において、足裏に記載された数字は各被験者の立位状態において足裏の各部位からインソールにかかった圧力(kPa)である。
【0096】
図18(a)および(b)で示すように、被験者Aは、比較用インソール200を履いた時の足裏から比較用インソール200にかかる圧力は、踵へかかる圧力が他の領域にかかる圧力よりも大きいが、ダイエット用インソール1を履いた時の足裏からダイエット用インソール1にかかる圧力は、踵において低下し、母趾球、小趾球、小趾球から踵にかかる部分、および土踏まず支持部30において増加した。
【0097】
すなわち、ダイエット用インソール1を着用することにより、比較用インソール200の着用時には踵にかかっていた圧力が、母趾球、小趾球、小趾球から踵にかかる部分、および土踏まず支持部30に分散されたことを意味する。
【0098】
図19(a)および(b)で示すように、被験者Bも、比較用インソール200を履いた時の足裏から比較用インソール200にかかる圧力は、踵へかかる圧力が他の領域にかかる圧力よりも大きいが、ダイエット用インソール1を履いた時の足裏からダイエット用インソール1にかかる圧力は、踵において低下し、母趾球、小趾球、小趾球から踵にかかる部分、および土踏まず支持部30において増加した。
【0099】
すなわち、被験者Bにおいても被験者Aと同様にダイエット用インソール1を着用することにより、比較用インソール200の着用時には踵にかかっていた圧力が、母趾球、小趾球、小趾球から踵にかかる部分、および土踏まず支持部30に分散された。
【0100】
図20(a)および(b)で示すように、被験者Cは、比較用インソール200を履いた時の足裏から比較用インソール200にかかる圧力は、踵へかかる圧力が他の領域にかかる圧力よりも大きいが、ダイエット用インソール1を履いた時の足裏からダイエット用インソール1にかかる圧力は、踵および小趾球においてほぼ変わらなかったが、母趾球、小趾球から踵にかかる部分、および土踏まず支持部30において増加した。
【0101】
すなわち、被験者Cにおいても、比較用インソール200の着用時には踵を中心に圧力がかかっていたが、ダイエット用インソール1を着用することにより踵だけでなく母趾球、小趾球から踵にかかる部分、および土踏まず支持部30にも圧力がかかるようになった。
【0102】
図21では、最大圧力部と接触面積の数値を算出した。最大圧力部とは、足裏のインソールに対する各部位ごとの圧力で最も値の大きい部位である。また、比較用インソール200に対するダイエット用インソール1の最大圧力および接触面積の増加率(%)を、[{(ダイエット用インソール1の値)-(比較用インソール200の値)}/(比較用インソール200の値)]×100(%)により算出した。
【0103】
図21で示すように、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、被験者A,B,Cの3名の最大圧力部の圧力は平均で28.2%増加した。また、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、被験者A,B,Cの3名の足裏とインソールとの接触面積は平均で10.2%減少した。
【0104】
すなわち、本実施形態のダイエット用インソール1によれば、これら隆起支持部20、土踏まず支持部30、反り上がり部11により、踵を中心にかかっていた足裏からインソールに対する圧力を、母趾球、小趾球、小趾球から踵にかかる部分および土踏まずに分散させることができる。
【0105】
また、
図18(a)、
図19(a)および
図20(a)で示すように、被験者Aの左足および被験者B,Cの両足において、土踏まずの部分で圧力が最大となっていることから、土踏まず支持部30により被験者A,B,Cの土踏まずが最も刺激されている。
【0106】
すなわち、本実施形態のダイエット用インソール1によれば、土踏まず支持部30から複数の指圧突起部34が突出していることにより、土踏まずとインソールとの接触面積が小さくなり、指圧突起部34が土踏まずを指圧する際の圧力を大きくし、指圧効果を十分に得ることができる。
【0107】
<歩行時の重心移動、蹴り出し角度・力(歩行比較実験)>
本実験においては、3人の被験者A,B,Cがダイエット用インソール1を着用した場合と、比較用インソール200を着用した場合とで、左右両足の垂直方向の床反力および重心移動距離の測定、蹴り出し時の力および蹴り出し角度の測定、蹴り出し方向角度の測定、筋電位測定による筋活動量の測定を行った。
【0108】
図22は歩行比較実験における垂直方向の床反力および重心移動距離の測定結果を表す図、
図23は歩行比較実験における蹴り出し時の力および蹴り出し角度の測定結果を表す図、
図24は歩行比較実験における蹴り出し方向角度の測定結果を表す図である。
【0109】
図22および
図23で示すように、垂直方向の床反力、重心移動距離、蹴り出し時の力、蹴り出し角度についても、比較用インソール200の値に対するダイエット用インソール1の値の増加率(%)を、[{(ダイエット用インソール1の値)-(比較用インソール200の値)}/(比較用インソール200の値)]×100(%)により算出した。また、
図24で示すように、蹴り出し方向角度の、比較用インソール200の値に対するダイエット用インソール1の値の差分を、(ダイエット用インソール1の値)-(比較用インソール200の値)により算出した。
【0110】
図22で示すように、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、被験者A,B,Cの3名の垂直方向の床反力は平均で2.4%減少した。また、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、被験者A,B,Cの3名の重心移動距離は平均で7.4%抑えられた。
【0111】
図23で示すように、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、被験者A,B,Cの3名の蹴り出し時の力は平均で3.3%低下した。また、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、被験者A,B,Cの3名の蹴り出し角度は平均で1.7%増加した。
【0112】
図24では、蹴り出し方向角度(°)を、左方向ではプラス(+)、右方向ではマイナス(-)として記載している。
図24で示すように、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、被験者A,B,Cの3名の蹴り出し方向角度の差分平均は、右足では左方向に2.1°、左足では右方向に0.1°それぞれ増大した。これは、ダイエット用インソール1を着用することにより母趾球、小趾球および踵側に身体の重心が移動したことを意味するものと考えられる。
【0113】
このように、本実施形態のダイエット用インソール1を着用することにより、右足では左方向の角度が増大し、左足では右方向の角度が増大したことで、右足の左方向の力成分と左足の右方向の力成分がともに増大し、内側の土踏まずをより一層刺激することができる。
【0114】
<筋電位測定>
本実験においては、3人の被験者A,B,Cがダイエット用インソール1を着用した場合と、比較用インソール200を着用した場合とで、筋電位測定による筋活動量の測定を行った。
【0115】
この実験では、3人の被験者A,B,Cの腹直筋、脊柱起立筋および腓腹筋の筋活動量を測定するため、腹部、背中およびふくらはぎに筋電位計測器を装着して、それぞれの位置における筋電位を測定した。
【0116】
図25は筋活動量比較実験における筋電位測定による筋活動量の測定結果を表す図である。
【0117】
図25で示すように、筋活動量についても、比較用インソール200の値に対するダイエット用インソール1の値の増加率(%)を、[{(ダイエット用インソール1の値)-(比較用インソール200の値)}/(比較用インソール200の値)]×100(%)により算出した。
【0118】
図25で示すように、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、被験者Aの腓腹筋の筋活動量が6.0%増加し、被験者Bの腹直筋の筋活動量が3.5%増加、脊柱起立筋の筋活動量が1.7%増加、被験者Cの脊柱起立筋の筋活動量が5.5%増加、腓腹筋の筋活動量が6.7%増加した。
【0119】
すなわち、本実施形態のダイエット用インソール1を着用することにより、被験者A,B,Cにより個人差が出たが、腹直筋、腓腹筋、脊柱起立筋の少なくとも一種または二種の筋肉による姿勢矯正の効果を高める効果を得ることができる。
【0120】
<姿勢の角度>
本実験においては、3人の被験者A,B,Cがダイエット用インソール1を着用した場合と、比較用インソール200を着用した場合とで、左右両足の歩行時の動作解析、自然な姿勢による姿勢解析、および視線を固定した状態による姿勢解析を行った。
【0121】
図26は姿勢比較実験における歩行時の動作解析結果を表す図、
図27は姿勢比較実験における自然な姿勢による姿勢解析結果を表す図、
図28は姿勢比較実験における視線を固定した状態による姿勢解析結果を表す図である。
【0122】
膝の「ブレ」については、
図16および
図17で示すように、立位時の腰を基準とした左右の膝の高さの差H1(cm)により評価した。また、骨盤のブレについても、膝のブレと同様に、立位時の腰を基準とした左右の骨盤の高さの差H2(cm)により算出し、肩峰のブレについても、立位時の腰を基準とした左右の肩峰の高さの差H3(cm)により算出し、足部(踵部)のブレについても、立位時の腰を基準とした左右の足部(踵部)の高さの差H4(cm)により算出した。
【0123】
図26および
図28で示すように、肩峰のブレH3、骨盤のブレH2、膝のブレH1、足部(踵部)のブレH4、視線固定時における立位時の腰に対する傾き(前傾度合い)、肩線の傾き、骨盤の傾きについても、比較用インソール200の値に対するダイエット用インソール1の値の増加率(%)を、[{(ダイエット用インソール1の値)-(比較用インソール200の値)}/(比較用インソール200の値)]×100(%)により算出した。また、
図27で示すように、自然な姿勢における立位時の腰に対する身体の傾き(前傾度合い)、肩線の傾き、骨盤の傾きの、比較用インソール200の値に対するダイエット用インソール1の値の差分を、(ダイエット用インソール1の値)-(比較用インソール200の値)により算出した。
【0124】
図26で示すように、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、被験者A,B,Cの3名の肩峰のブレH3、骨盤のブレH2、膝のブレH1、足部(踵部)のブレH1は3人平均で、肩峰のブレH3で4.7%減少し、骨盤のブレH2で20.2%減少し、膝のブレH1で38.3%減少し、足部(踵部)のブレH4で12.5%減少した。
【0125】
図27で示すように、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、自然な姿勢における被験者A,B,Cの3名の立位時の傾き(前傾度合い)、肩線の傾き、骨盤の傾きは3人平均で、立位時の傾き(前傾度合い)は0.1°減少し、肩線の傾きは1.0°減少し、骨盤の傾きは1.2°減少した。
【0126】
図28で示すように、比較用インソール200を着用した場合に比べて、ダイエット用インソール1を着用した場合には、視線固定時における被験者A,B,Cの3名の立位時の傾き(前傾度合い)、肩線の傾き、骨盤の傾きは3人平均で、立位時の傾き(前傾度合い)は変わらず、肩線の傾きは0.1%上昇し、骨盤の傾きは0.1%減少した。
【0127】
すなわち、ダイエット用インソール1を着用することにより、自然な姿勢における被験者A,B,Cの立位時の傾き(前傾度合い)、肩線の傾き、骨盤の傾きがいずれも減少したという点においても姿勢改善効果が得られた。
【0128】
また、ダイエット用インソール1を着用することにより、視線固定時における被験者A,B,Cの立位時の傾き(前傾度合い)、肩線の傾き、骨盤の傾きは、大きな変化はなかったが、骨盤の傾きについてはやや減少した。
【0129】
本実施形態のダイエット用インソール1を着用することにより、肩峰のブレH3、骨盤のブレH2、膝のブレH1、足部(踵部)のブレH4がいずれも優位に減少したことから、姿勢改善効果が得られた。また、視線固定時における被験者A,B,Cの3名の立位時の傾き(前傾度合い)、肩線の傾き、骨盤の傾きは3人平均で、大きな変化は見られなかったが、自然な姿勢における被験者A,B,Cの3名の肩線の傾きおよび骨盤の傾きは、優位に改善し、姿勢矯正についての改善効果が得られることが分かった。
【0130】
次に、ダイエット用インソール1の土踏まずの外側部分26の効果を調べるために、ダイエット用インソール1と、このダイエット用インソール1の支持隆起部20における土踏まずの外側部分26を切り取ったインソール(すなわち、ダイエット用インソール1において、支持隆起部20の代わりに、利用者2の趾球を支持するようにインソール本体10から上方に隆起する趾球隆起部と、趾球隆起部からY軸方向の踵側に離れた位置で利用者2の踵を支持するようにインソール本体10から上方に隆起する踵隆起部と、を有するインソール)と、を履き比べることによる使用感の感応試験を行った。
【0131】
図29は、感応試験で使用した評価シート300を表す概略図であり、
図30の(a)は、ダイエット用インソール1の使用感を評価した結果を表す図であり、(b)はダイエット用インソール1の支持隆起部20における土踏まずの外側部分26を切り取ったインソール(不図示)の使用感を評価した結果を表す図である。
【0132】
なお、支持隆起部20における土踏まず外側部分26を切り取ったインソールとしては、土踏まず外側部分26を幅方向(
図2中X軸方向)に延ばした領域全体を削除し、つま先側と踵側で支持隆起部20を完全に分離する態様とした。
【0133】
感応試験では、
図29で示す評価シート300を用いて、10名の被験者にダイエット用インソール1を履物3に挿入した状態と、ダイエット用インソール1の支持隆起部20における土踏まずの外側部分26を切り取ったインソールを履物3に挿入した状態と、で履物3を履いて室内で歩行した際の、履物3内部でのインソールに対する足のずれにくさ(フィット感)、履物3内部での足指のインソールに対する横ずれのしにくさ、歩きやすさ、足指の動かしやすさ、土踏まずのつぼの刺激、のそれぞれの項目を、-3(非常に悪い)、-2(かなり悪い)、-1(やや悪い)、0(ふつう)、1(やや良い)、2(かなり良い)、3(非常に良い)の7段階で評価を記入してもらい、各項目の評価を行った。また、
図30で示すように各項目について、10名の被験者による評価の平均値も算出した。
【0134】
図30(a)で示すように、履物3内部にダイエット用インソール1を挿入した状態における各項目の平均は、履物3内部でのインソールに対する足のずれにくさ(フィット感)が2.2、履物3内部での足指のインソールに対する横ずれのしにくさが1.9、歩きやすさが1.6、足指の動かしやすさが1.8、土踏まずのつぼの刺激が2.0となった。
【0135】
また、
図30(b)で示すように、履物3内部にダイエット用インソール1の支持隆起部20における土踏まずの外側部分26を切り取ったインソールを挿入した状態における各項目の平均は、履物3内部でのインソールに対する足のずれにくさ(フィット感)が-0.4、履物3内部での足指のインソールに対する横ずれのしにくさが-0.9、歩きやすさが-0.3、足指の動かしやすさが0.3、土踏まずのつぼの刺激が0.0となった。
【0136】
すなわち、履物3内部にダイエット用インソール1を挿入することにより、履物3内部でのインソールに対する足のずれにくさ(フィット感)、履物3内部での足指のインソールに対する横ずれのしにくさ、歩きやすさ、足指の動かしやすさ、土踏まずのつぼの刺激の全ての項目で平均評価は、ダイエット用インソール1の支持隆起部20における土踏まずの外側部分26を切り取ったインソールを使用した場合の平均評価を上回った。
【0137】
本実施形態のダイエット用インソール1は、支持隆起部20における足裏の土踏まず外側部分26が高くなるように、小趾球から踵にかけて隆起していることにより、履物3内部でのダイエット用インソール1に対する足のずれにくさ(フィット感)、履物3内部での足指のダイエット用インソール1に対する横ずれのしにくさ、歩きやすさ、足指の動かしやすさ、土踏まずのつぼの刺激のいずれの指標においても改善できることが確認することができた。
【0138】
(他の実施形態)
上記実施形態では、本実施形態ではインソール本体10の厚みがY軸方向のつま先側の端部10aから踵にかけて厚くなるように変化させることで、ダイエット用インソール1の厚みを変化させていたが、ダイエット用インソール1の厚みを変化させる構成はこれに限られず、例えば、支持隆起部20の厚みを変化させることによりダイエット用インソール1の厚みを変化させても良いし、インソール本体10の厚みおよび支持隆起部20の厚みを変化させることによりダイエット用インソール1の厚みを変化させても良い。
【0139】
上記実施形態では、土踏まず支持部30の複数の指圧突起部34を5つ形成したが、この指圧突出部34の個数は5つである必要はなく、その個数は適宜増減できる。
【0140】
上記実施形態では、Mサイズの寸法として、支持隆起部20の厚みを例えば約2.0mmで形成し、つま先部分におけるインソール本体10の厚みを例えば約2.5mmで形成し、土踏まずの外側部分26の位置におけるインソール本体10の厚みを例えば約5.8mmで形成し、踵の位置におけるインソール本体10の厚みを例えば約6.0mmで形成し、土台部32の高さを例えば約2.0mm、指圧突起部34の高さを例えば約3.0mmで形成したが、支持隆起部20、インソール本体10、土台部32および指圧突起部34の寸法はこれらに限られるものではない。
【0141】
例えば、指圧突起部34による指圧の力の大きさを低減するために、指圧突起部34の高さを上記実施形態で説明した約3.0mmよりも小さく、例えば約2.0mmとしてもよい。また、支持隆起部20の厚みを例えば2.5mm、つま先部分におけるインソール本体10の厚みを例えば2.5mm、土踏まずの外側部分26の位置におけるインソール本体10の厚みを例えば5.2mm、踵の位置におけるインソール本体10の厚みを例えば5.5mm、土台部32の高さを例えば2.5mm、指圧突起部34の高さを例えば2.0mmで形成しても良いし、これらの寸法は個人の足のサイズに応じて適宜調整することができる。
【0142】
上記実施形態では、インソール本体10を25.0cm、25.5cm、26.0cm、26.5cm対応(例えばMサイズ)のインソールとして説明したが、特にこれに限られるものではなく、インソール本体10として、23.0cm、23.5cm、24.0cm、24.5cmに対応(例えばSサイズ)のインソール、その他のサイズ対応のインソールとしても良い。
【0143】
上記実施形態では、土踏まず支持部30は、土台部32と、複数の指圧突出部34と、を有するものとして構成したが、土踏まず支持部30の構成はこれに限られず、例えば、土踏まず支持部30が、インソール本体10の上面における土踏まず外側部分26の内側に形成され、インソール本体10の底面からの高さ位置が支持隆起部20よりも高くなるように形成され、土踏まずを支持する構成であればよい。
【0144】
上記実施形態では、ダイエット用インソール1は土踏まず支持部30を有しているものとして構成したが、土踏まず支持部30を有さない構成としてもよい。すなわち、ダイエット用インソール1は、土踏まず支持部30を有さずに、インソール本体10と、支持隆起部20と、を備える構成としてもよい。
【0145】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書の記載には、何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0146】
1:ダイエット用インソール
2:利用者
3:履物
10:インソール本体 10a:切欠き部
11:反り上がり部 112:外側反り上がり部 114:内側反り上がり部
12:小孔
13:サイズ調整線
20:支持隆起部 22:切欠き部 24:傾斜部分
26:土踏まず外側部分(土踏まず外側)
30:土踏まず支持部 32:土台部 34:指圧突起部
41:中足骨 42:種子骨 43:立方骨 44:踵骨 45:基節骨
46:中節骨 47:末節骨 48:楔状骨 49:舟状骨
200:比較用インソール
300:評価シート
H1:膝のブレ H2:骨盤のブレ H3:肩峰のブレ H4:足部(踵部)のブレ
【要約】 (修正有)
【課題】履物とインソールとにより足の甲が靴の内部で固定しかつ履物の内部で足指を可動とすることにより足指の運動性能を高めてダイエット効果を促進するダイエット用インソールを提供する。
【解決手段】ダイエット用インソール1は、履物内に収納され、利用者の足裏を覆う可撓性を有するインソール本体10と、足裏の母趾球、小趾球および踵を少なくとも支持するように、インソール本体10の前側から離間し、インソール本体10の上面から隆起した支持隆起部20と、を備え、利用者の足の指先を可動することができるように、支持隆起部20で足裏を、インソール本体10から離れた状態で支持するダイエット用インソール1であって、支持隆起部20は、少なくとも、足裏の土踏まず外側が高くなるように、小趾球から踵にかけて隆起しており、利用者が、インソール本体10を収納した履物を履いた際に、足の甲が履物の内側に当接することを特徴とする。
【選択図】
図1