(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】履歴情報管理システムおよび装置
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240918BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G05B23/02 301V
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2024064323
(22)【出願日】2024-04-12
【審査請求日】2024-04-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】池田 誠
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-554302(JP,A)
【文献】特開2019-220127(JP,A)
【文献】特開2009-295939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設備を有する製造システムにおける製造物
の製造に関する製造履歴情報を管理するための履歴情報管理システムにおいて、
前記製造物を製造に関する複数の関連機器と、
前記複数の関連機器と接続する履歴情報管理装置を有し、
前記履歴情報管理装置は、
前記複数の関連機器から、前記複数の設備における製造履歴を示す製造履歴情報を収集する履歴情報収集部と、
第1の設備における第1の製造履歴情報が収集された場合、当該第1の製造履歴情報が示す製造履歴による前記製造システムに対する影響範囲を特定する影響範囲特定部と、
前記第1の製造履歴情報に応じて、前記影響範囲に含まれる第2の設備における製造に対する製造管理処理を実行する製造管理部を有
し、
前記第1の設備は前記製造システムで共通して使用される共有資源を貯蔵する共有資源貯蔵庫であり、前記第1の製造履歴情報は前記共有資源に対する使用予定を示し、
前記製造管理部は、前記使用予定に基づき、前記共有資源の前記第2の設備で使用可能な数量として管理する履歴情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の履歴情報管理システムにおいて、
前記第1の設備は、前記第2の設備よりも上流の製造工程を実行し、
前記製造管理部は、前記第1の製造履歴情報に応じて、前記第2の設備に対する制御指令を作成する履歴情報管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の履歴情報管理システムにおいて、
前記複数の関連機器は、前記設備を制御する制御装置である履歴情報管理システム。
【請求項4】
請求項
3に記載の履歴情報管理システムにおいて、
前記製造履歴情報には、前記制御装置に接続する端末装置を介して入力される設定値が含まれる履歴情報管理システム。
【請求項5】
複数の設備を有する製造システムにおける製造物
の製造に関する製造履歴情報を管理するための履歴情報管理装置において、
前記製造物を製造に関する複数の関連機器と接続する入力部と、
前記入力部を介して、前記複数の関連機器から、前記複数の設備における製造履歴を示す製造履歴情報を収集する履歴情報収集部と、
第1の設備における第1の製造履歴情報が収集された場合、当該第1の製造履歴情報が示す製造履歴による前記製造システムに対する影響範囲を特定する影響範囲特定部と、
前記第1の製造履歴情報に応じて、前記影響範囲に含まれる第2の設備における製造に対する製造管理処理を実行する製造管理部を有
し、
前記第1の設備は前記製造システムで共通して使用される共有資源を貯蔵する共有資源貯蔵庫であり、前記第1の製造履歴情報は前記共有資源に対する使用予定を示し、
前記製造管理部は、前記使用予定に基づき、前記共有資源の前記第2の設備で使用可能な数量として管理する履歴情報管理装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の履歴情報管理装置において、
前記第1の設備は、前記第2の設備よりも上流の製造工程を実行し、
前記製造管理部は、前記第1の製造履歴情報に応じて、前記第2の設備に対する制御指令を作成する履歴情報管理装置。
【請求項7】
請求項
5に記載の履歴情報管理装置において、
前記複数の関連機器は、前記設備を制御する制御装置である履歴情報管理装置。
【請求項8】
請求項
7に記載の履歴情報管理装置において、
前記製造履歴情報には、前記制御装置に接続する端末装置を介して入力される設定値が含まれる履歴情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品等の製造物を製造するための機器、機械、設備(以下、単に設備)の稼働の管理に関する。その中でも特に、設備における監査証跡を含む製造履歴情報を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、IoT(Internet of Things)の普及に伴い、設備の稼働履歴や設定履歴といった製造履歴情報の収集等、その管理が行われている。例えば、データインテグリティの一環として、医薬や食品等の製造においては、制御やこのための設定の変更などのイベントが生じた際に、その内容を記録することが求められている。より具体的には、医薬品製造ではGMP(Good Manufacturing Practice)基準などで製造の記録保存が義務付けられ、監査証跡の管理を行うことが求められている。
【0003】
このような監査証跡の管理について、特許文献1が提案されている。特許文献1には、「医薬品、飲料又は食品を製造する処理装置と、前記処理装置を制御するPLC10と、設定画面を表示するとともに、利用者による操作を受け付けるタッチパネル20とを備え、タッチパネル20は、PLC10の設定値を変更するための設定画面を表示し、設定画面を介して入力した設定入力値を取得する設定値取得手段24と、設定値を変更する理由を選択的に入力するための理由入力画面を表示し、理由入力画面を介して入力された理由を取得する理由取得手段25と、設定入力値及び理由を記録する記録手段26と、を備える」監査証跡の管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、設備の稼働管理においては、単に設定値を記録するだけでは十分でなく、これを利用することが重要である。そこで、本発明では、収集された設定値や稼働状況を用いて、より適切に製造システムを管理することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明では、複数の設備により実行される製造における製造履歴情報の管理において、設備に対する設定を受け付け、設定に応じて、前記設備を制御し、設定履歴を含む製造における製造履歴情報を収集し、これを利用することを可能とする。
【0007】
この一態様として、本発明では、複数の設備のいずれかにおける製造状況による製造システムへの影響範囲を判定し、この結果に応じて製造に対する管制処理を実行する。この管制処理は、製造に関する処理であり、共有資源の引当、制御指令、故障等の原因分析、設備の保守、調整、修理の指示などが含まれる。
【0008】
より具体的には、複数の設備を有する製造システムにおける製造物の製造に関する製造履歴情報を管理するための履歴情報管理システムにおいて、前記製造物を製造に関する複数の関連機器と、前記複数の関連機器と接続する履歴情報管理装置を有し、前記履歴情報管理装置は、前記複数の関連機器から、前記複数の設備における製造履歴を示す製造履歴情報を収集する履歴情報収集部と、第1の設備における第1の製造履歴情報が収集された場合、当該第1の製造履歴情報が示す製造履歴による前記製造システムに対する影響範囲を特定する影響範囲特定部と、前記第1の製造履歴情報に応じて、前記影響範囲に含まれる第2の設備における製造に対する製造管理処理を実行する製造管理部を有し、前記第1の設備は前記製造システムで共通して使用される共有資源を貯蔵する共有資源貯蔵庫であり、前記第1の製造履歴情報は前記共有資源に対する使用予定を示し、前記製造管理部は、前記使用予定に基づき、前記共有資源の前記第2の設備で使用可能な数量として管理する履歴情報管理システムである。また、本発明には、履歴情報管理システムを構成する履歴情報管理装置も含まれる。
【0009】
さらに、本発明には、履歴情報管理装置や履歴情報管理システムが実行する履歴情報管理方法も含まれる。さらに、本発明には、履歴情報管理装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムやこれを格納した記憶媒体も含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の設備により実行される製造の製造履歴情報を効率的に管理でき、より適切な製造管理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態における考え方を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態における製造システムを示すシステム構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態で用いられる製造履歴情報151を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態で用いられる影響範囲特定ルール152を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態で用いられる設備情報153を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態で用いられる製造物情報154を示す図である。
【
図7】実施例1および2における製造システムを示すシステム構成図である。
【
図8】実施例1および2における端末装置2の機能ブロック図である。
【
図9】実施例1および2における制御装置3の機能ブロック図である。
【
図10】実施例1および2における履歴情報管理装置1の実装例を示す構成図である。
【
図11】実施例1および2で用いられる設定履歴情報1511を示す図である。
【
図12】実施例1および2で用いられる設定履歴情報341を示す図である。
【
図13】実施例1における処理フローを示すフローチャートである。
【
図14A】実施例1における設定値入力画面250-aを示す図である。
【
図14B】実施例1における設定値入力画面250-bを示す図である。
【
図15】実施例2における処理フローを示すフローチャートである。
【
図16】実施例3における製造システムを示すシステム構成図である。
【
図17】実施例3における履歴情報管理装置1の実装例を示す構成図である。
【
図18】実施例3における処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態では、複数の設備が連携して製造の管理を行う。まず。
図1は、本実施形態における考え方を示す図である。本実施形態では、「設定」-「制御」-「製造履歴情報収集」-「製造履歴情報利用」との流れで処理がされる。まず、オペレータからの入力などに応じて、製造についての各設備に対する設定が行われる。
【0013】
また、「設定」に応じて、製造物の製造のために、各設備に対する「制御」が実行される。この結果、各設備が連携して稼働して製造工程を実行することで製造物が製造される。また、「設定」、「制御」やこれに応じた稼働など製造の履歴を示す製造履歴情報の収集が実行される(「製造履歴情報収集」)。そして、収集された製造履歴情報を利用する(「製造履歴情報利用」)。この「製造履歴情報利用」には、設備への制御、共有資源の引当、不良品発生など不具合の分析が含まれる。また、本実施形態では、「製造履歴情報利用」を可能とできればよく、「製造履歴情報収集」までの処理としてもよい。
【0014】
次に、本実施形態の構成について説明する。
図2は、本実施形態における製造システムを示すシステム構成図である。製造システムは、履歴情報管理装置1、端末装置2-1~2-3、制御装置3-1~3-3、設備4-1~4-3および共有資源設備5および管理装置6で構成され、ネットワーク7を介して接続される。なお、端末装置2-1~2-3、制御装置3-1~3-3、設備4-1~4-3および共有資源設備5の数は例示であり、それぞれ3ないし1に限定されない。また、以下では、端末装置2-1~2-3、制御装置3-1~3-3、設備4-1~4-3については、それぞれまとめて端末装置2、制御装置3、設備4とも称する。
【0015】
製造システムでは、制御装置3が、端末装置2からの設定に従って、設備4を制御する。この結果、各設備4が制御に従って、稼働して製造工程が実行されることで、製造物が製造される。この際、設備4は、必要に応じて共有資源設備5の共有資源を使用する場合がある。例えば、製造システムでは、製造物として医薬品を製造する。この場合、設備4では、製造工程として、分量、溶融といった直接的な物の製造に関わる工程や洗浄、包装といった製造に関わる工程が実行される。
【0016】
そして、履歴情報管理装置1が、このような製造における製造履歴情報を管理する。この製造履歴情報は、端末装置2、制御装置3、設備4や共有資源設備5といった各種関連機器での製造に関する情報である。例えば、端末装置2に対するオペレータからの入力に応じた設定の内容、設定に従った制御装置3での制御の内容、設備4からの稼働状況などの製造履歴情報として用いる。また、設備4の稼働の内容や共有資源貯蔵庫のような共有資源設備5での共有資源の残量なども製造履歴として用いることができる。さらに、本実施形態では、履歴情報管理装置1、端末装置2、制御装置3および管理装置6により、履歴情報管理システムを構成することになる。また、履歴情報管理装置1は、制御装置3などの関連機器と接続し、履歴情報管理システムを構成し、これらのいずれから製造履歴情報を収集することになる。
【0017】
次に、
図2に示す製造システムを構成する各装置について説明する。まず、履歴情報管理装置1は、製造履歴情報を管理するための装置である。このために、履歴情報管理装置1は、入力部11、履歴情報収集部12、履歴情報利用部13、出力部14および記憶部15を有する。
【0018】
まず、入力部11は、端末装置2、制御装置3、設備4および共有資源設備5のうち少なくとも1つの関連機器から製造履歴情報を受け付ける。また、入力部11は、制御装置3を介して設備4や共有資源設備5の稼働状況を受け付けることが望ましい。稼働状況には、共有資源設備5の共有資源の残量も含まれる。
【0019】
また、履歴情報収集部12は、入力部11を介して、製造履歴情報や稼働状況収集する。このために、履歴情報収集部12は、周期ごとなど所定条件に従って、入力部11を介して関連機器に収集指示を出力してもよいし、関連機器から自発的に出力された製造履歴情報を収集してもよい。そして、履歴情報収集部12は、収集された製造履歴情報や稼働状況を、製造履歴情報151や設備情報153として記憶部15に記憶する。このように、履歴情報収集部12は、
図1の製造履歴収集を実行することになる。
【0020】
また、履歴情報利用部13は、収集された製造履歴情報151を利用し、製造物の製造にフィードバックする。例えば、共有資源の残量に応じて、任意の設備4への利用に必要な共有資源を引き当てたり、設備4-1の稼働状況に応じて、先読みして下流の設備4-3への制御を実現したりする。また、履歴情報利用部13は、収集された製造履歴情報151に対する検索を行ってもよい。さらに、履歴情報利用部13は、製造履歴情報151が示す製造履歴による影響範囲により、制御などの利用の内容を特定してもよい。例えば、履歴情報利用部13は、影響範囲が示す設備4に対する制御を実現する。
【0021】
また、出力部14は、履歴情報利用部13での処理結果を出力したり、履歴情報収集部12からの指示に応じて関連機器に対して製造履歴情報の収集指示を出力したりする。そして、記憶部15は、製造履歴情報151、影響範囲特定ルール152、設備情報153および製造物情報154を記憶する。以下、これらの情報について説明する。
【0022】
図3は、本実施形態で用いられる製造履歴情報151を示す図である。製造履歴情報151は、各種関連機器での製造物の製造に関し、製造履歴を示す情報である。このため、
図3に示すように、製造履歴情報151は、その分類ごとに、時期、関連機器および内容の各項目を有する。まず、分類は、製造履歴情報151の設定や稼働といった分類を示す。また、設定については、通常の設定に加え、より重要な設定であることを示す重要項目を設けてもよい。ここで、重要項目とは、製造物の品質、他の設備4の製造工程に影響を及ぼす項目を示す。製造工程に影響を及ぼすとは、製造工程の時間の変化、中間物や製造物の分量・歩留まりの変化の発生やその蓋然性が高いこと意味する。
【0023】
また、時期は、該当の製造履歴情報151の収集時期を示す。この収集時期には、収集された時期、稼働や設定がされた時期が含まれる。また、関連機器は、該当の製造履歴情報151に関連する関連機器を示し、端末装置2、制御装置3、設備4や共有資源設備5について個別識別する。
【0024】
例えば、分類として、設定が記録される場合、関連機器には、設定履歴についての入力を受け付けた端末装置2が記録される。また、他に、端末装置2への入力に応じた設定値を含む設定履歴を記録しこれに従った制御を行う制御装置3や制御装置3に従って稼働する設備4も記録されてもよい。さらに、共有資源に関する製造履歴情報151の場合(
図3の5レコード目)としては、関連機器としてその共有資源を使用する設備4-3や共有資源設備5が記録される。なお、制御装置3は、この設定値に従って、対応する設備4の稼働、つまり、製造工程を制御することになる。
【0025】
また、内容は、該当の製造履歴情報151の内容を示す。例えば、分類として、設定が記録される場合、その設定値を含む設定履歴が記録される。特に、重要項目の場合、意味を有する平文データで構成される設定履歴が記録されることが望ましい。この平文データとしては、「いつ」、「だれ」、「なに」、「どうした」、「理由」との意味についての項目ごとに設定履歴が記録されることが望ましい。このため、設定履歴は、監査証跡として扱うことができる。
【0026】
ここで、製造履歴情報151のような履歴情報については、通常、人手や改ざん可能なテキストデータ等を介して、利用可能な情報とすることが行われる。このため、人手やテキストデータ等の利用を省略可能である平文データを扱うことで、製造履歴情報151に対して外部などから容易なアクセスを防止ないし抑止できる。また、共有資源に関する製造履歴情報151の場合(
図3の5レコード目)、内容として共有資源の使用実績の他、その使用予定や使用予定の設備に対する引当が記録される。さらに、分類として、設定として稼働が記録される場合、内容に稼働状況を示す稼働履歴が記録される。なお、このような重要項目で構成される設定履歴を重要設定履歴と称する。
【0027】
次に、
図4は、本実施形態で用いられる影響範囲特定ルール152を示す図である。影響範囲特定ルール152は、製造における監視に関するルールである、影響範囲特定ルール152は、望ましくは、製造履歴に対応する影響範囲を特定したり、監視結果に応じた製造管理を行ったりするために用いられる。このため、影響範囲特定ルール152は、関連機器ごとに、分類、条件および影響範囲の各項目を有する。
【0028】
まず、分類は、影響範囲の条件となる製造履歴の分類を示す。これは、
図3に示す分類と同様の項目である。条件は、影響範囲を特定する際の製造履歴における条件である。さらに、影響範囲は、該当の条件を満たす場合における影響範囲を示す。この影響範囲は、製造物の品質、関連機器、製造工程が含まれる。この結果、履歴情報利用部13は、製造履歴情報151に、条件を満たすものを検出した場合、対応する影響範囲に対する制御等の利用を行う。例えば、製造履歴情報151は、設備4-1についての分量が±5%以上変化させる設定履歴が記録されると、品質に影響する可能性があることを示している。
【0029】
また、影響範囲特定ルール152では、設備4-1の製造工程での稼働が遅れて(+α分)に開始する場合、製造工程2(次の製造工程)に影響を与え、次の製造工程2をx分遅らせるよう制御することが必要であることも示している。
【0030】
次に、
図5は、本実施形態で用いられる設備情報153を示す図である。設備情報153は、製造システムの設備4や共有資源設備5(まとめて単に設備と称する)の稼働状況を示す。このために、設備情報153は、設備ごとに、機能および稼働状況の各項目を有する。機能は、該当の設備が有する機能を示す。
【0031】
そして、稼働状況は、稼働の設備の稼働の状況を示す。稼働状況には、製造工程を実行する稼働の内容の他、清掃など保守、共有資源の引当量、共有資源の残量などを用いることができる。なお、稼働状況は、製造履歴情報151の内容に稼働履歴として記録するため、省略してもよい。さらに、履歴情報利用部13は、設備情報153を用いて制御などの利用処理を実現できる。
【0032】
次に、
図6は、本実施形態で用いられる製造物情報154を示す図である。製造物情報154は、製造システムで製造される製造物の製造方法を示し、これに従って製造が行われる。このため、製造物情報154は、製造物ごとに、各製造工程の稼働主体、製造の内容を記録している。稼働主体は、設備4のいずれであるかを示す。
図6の例では、各製造工程で1つの設備4を示しているが、連携して製造工程を実行する複数の設備4を記録してもよいし、共有資源を使用する製造工程では共有資源設備5を記録してもよい。
【0033】
また、製造工程の内容として、項目および分量が含まれる。項目は、秤量など製造工程名を示す。また、分量は、該当の製造工程での各種数値を示す。例えば、原材料の分量、加工時間などが記録される。これらは、上述の設定履歴に該当し、端末装置2に対する入力に応じて記録される。
【0034】
以上で、本実施形態で用いられる情報の説明を終わり、
図2に戻り、端末装置2以降の構成を説明する。端末装置2は、オペレータにより操作される情報処理装置(コンピュータ)である。端末装置2は、オペレータから製造の設定履歴に関する入力を受け付けて制御装置3に通知したたり、該当の設備4での製造状況を制御装置3から取得し、表示したりする。ここで、端末装置2は、HMI(Human Machine Interface)で実現することが望ましいが、PC、タブレット端末、スマートフォンなどで実現できる。
【0035】
また、制御装置3は、該当の端末装置2および設備4と接続し、端末装置2からの入力に応じた設定履歴や予め定められた設定履歴に基づき、設備4の製造工程を制御する。このために、制御装置3は、上述の設定を記憶する。さらに、設備4の製造状況を取得する。この製造状況や設定は、履歴情報管理装置1により収集される。より好適には、制御装置3は、設定について、重要項目(重要設定履歴)を他と区別できるように記憶する。なお、制御装置3は、PLC(Programmable Logic Controller)で実現できる。
【0036】
また、設備4は、制御装置3からの制御指令に従って、製造工程を実行する。設備4は、ベルトコンベア、センサやロボットまたはこれらの組合せで実現できる。さらに、共有資源設備5は、滅菌水などの共有資源を管理する設備である。このため、共有資源を貯蔵する共有資源貯蔵庫などで実現できる。なお、共有資源設備5に対しても、端末装置2や制御装置3を設けてもよい。
【0037】
また、管理装置6は、製造システムを管理する管理者により操作される情報処理装置(コンピュータ)である。管理装置6は、制御装置3から取得した製造状況を表示したり、履歴情報管理装置1から必要とする情報を検索したりする。このため、管理装置6は、PC、タブレット端末、スマートフォンなどで実現できる。
【0038】
また、ネットワーク7は、上述の各装置を接続する。このネットワーク7は、工場内などローカルなネットワークであってもよいし、複数の工場にまたがるような広域ネットワークで実現してもよい。後者の場合、履歴情報管理装置1を、複数の製造システムの製造履歴情報151を管理するクラウドシステムで実現してもよい。以上で、本実施形態の説明を終わり、以下、本実施形態の具体例である実施例1~3について説明する。
【実施例1】
【0039】
実施例1では、製造履歴情報151の設定履歴のうち、重要設定履歴を制御装置3の所定の記憶領域(アドレス)に記憶して管理する。より望ましくは、重要設定履歴を、平文データ、つまり、監査証跡として処理する。以下、その詳細を説明する。
【0040】
まず、
図7は、実施例1における製造システムを示すシステム構成図である。以下、
図2との相違点を中心に説明する。実施例1の製造システムを構成する装置の基本機能は、
図2に示すものと同様である。特に、設備4や共有資源設備5は、
図2に示すものと同じである。
【0041】
以下、実施例1の製造システムを構成する各装置について、説明する。まず、履歴情報管理装置1は、入力部11、設定履歴収集部121、設定履歴検索部131、出力部14および記憶部15を有する。まず、入力部11は、関連機器の1つである制御装置3から製造履歴情報として設定履歴を受け付ける。本実施例では、重要項目に該当する設定履歴を受け付けることになる。
【0042】
また、設定履歴収集部121は、履歴情報収集部12の一例であり、入力部11を介して設定履歴、特に重要設定履歴を収集する。そして、設定履歴収集部121は、収集された設定履歴を、設定履歴情報1511として記憶する。この設定履歴情報1511は、製造履歴情報151の一例である。なお、設定履歴情報1511については、追って説明する。
【0043】
また、設定履歴検索部131は、履歴情報利用部13の一例であり、設定履歴情報1511に対する検索を実行する。ここで、設定履歴情報1511は、重要設定履歴を示すため、比較的必要性の高い情報を効率的に検索できる。また、実施例1のより好適な態様によれば、設定履歴を平文データ(監査証跡)としてり扱う。この平文データに対しては、上述のように、容易なアクセスが困難である。このため、この態様によれば、設定履歴の安全性を確保できる。
【0044】
出力部14は、設定履歴検索部131での検索結果を出力する。そして、記憶部15は、設定履歴情報1511、影響範囲特定ルール152、設備情報153および製造物情報154を記憶する。これらについては、追って説明する。
【0045】
次に、実施例1における端末装置2および制御装置3について説明する。まず、
図8は、実施例1における端末装置2の機能ブロック図である。端末装置2は、入力部21、認証部22、設定部23、通信部24および表示部25を有する。まず、入力部21は、オペレータから設定についての入力を受け付ける。この入力は、設定履歴における少なくとも意味についての項目として「なに」「どうした」「理由」を含む設定値を示す。また、「だれ」「いつ」も設定値に含めてもよい。
【0046】
また、認証部22は、端末装置2の利用者であるオペレータを認証する。この認証は、入力部21が受け付けるIDやパスワードの利用、ICカードの利用や生体認証で実現できる。また、設定部23は、受け付けられた設定値を、通信部24を介して、制御装置3に通知する。この際、設定部23は、設定値をその項目名を対応付けて通知することになる。
【0047】
また、通信部24は、少なくとも制御装置3と通信する。なお、通信部24は、履歴情報管理装置1や管理装置6と通信可能としてもよい。またさらに、端末装置2は、コンピュータで実現でき、認証部22や設定部23の機能はプログラムに従ったプロセッサで実行できる。また、表示部25は、端末装置2への入力内容や処理結果を表示する。なお、入力部21と表示部25は、タッチパネルなどで1つのデバイスで実現してもよい。
【0048】
次に、制御装置3について説明する。
図9は、実施例1における制御装置3の機能ブロック図である。制御装置3は、計時部31、通信部32、演算部33および記憶部34を有する。まず、計時部31は、時期を計測するタイマー機能を有する。
【0049】
また、通信部32は、履歴情報管理装置1、端末装置2および設備4と通信する。まず、履歴情報管理装置1には、通信部32から設定履歴が通知される。また、端末装置2から通信部32に、設定値や認証部22での認証結果が通知される。さらに、設備4には、通信部32から制御指令が通知される。
【0050】
また、演算部33は、制御装置3における各種演算を実行する。このために、演算部33は、制御部331および設定管理部332を有する。制御部331は、設備4の稼働を制御するための制御指令を作成する。この際、制御部331は、後述の設定履歴情報341を用いて、制御指令を作成することになる。
【0051】
また、設定管理部332は、通信部32が受け付けた設定値、認証結果や計時部31で計測された時期を、記憶部34に設定履歴情報341として記憶する。特に、設定管理部332は、重要設定履歴を、記憶部34のうち予め定められた記憶領域に記憶させる。このため、記憶部34は、複数の記憶領域を有する。なお、制御装置3をPLCで実現する場合、演算部33はプログラムに従ったプロセッサで実行できる。また、記憶部34は、設定履歴情報341および影響範囲特定ルール342を記憶する。この設定履歴情報341および影響範囲特定ルール342については、設定履歴情報1511の後に追って説明する。
【0052】
以上で、実施例1における各装置の機能ブロック図の説明を終わり、続いて、実施例1で主たる処理を実行する履歴情報管理装置1の一実装例について説明する。以下では、履歴情報管理装置1をプログラムに従って処理を実行するサーバで実現する例について説明する。
図10は、実施例1における履歴情報管理装置1の実装例を示す構成図である。なお、
図10においては、履歴情報管理装置1は、ネットワーク7を介して接続される管理装置6を記載したが、端末装置2、制御装置3、設備4および共有資源設備5の記載は省略している。
【0053】
図10において、履歴情報管理装置1は、処理装置101、通信装置102、主記憶装置103および副記憶装置104を有し、これらが互いに通信路を介して接続されている。
【0054】
ここで、処理装置101は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する履歴情報管理プログラム105に従って演算を実行する。通信装置102は、ネットワーク7と接続するインタフェース機能を有し、
図7の入力部11および出力部14に相当する。
【0055】
また、主記憶装置103は、いわゆるメモリで実現可能であり、処理装置101での演算のために、副記憶装置104などの記憶媒体に記憶される履歴情報管理プログラム105やこの履歴情報管理プログラム105での処理で用いられる情報が展開される。また、副記憶装置104は、ハードディスクドライブ等のストレージで実現でき、プログラムや各種情報(設定履歴情報1511等)を記憶する。このように、副記憶装置104は、
図7の記憶部15に相当する。
【0056】
また、副記憶装置104に記憶される履歴情報管理プログラム105は、設定履歴収集モジュール106および設定履歴検索モジュール107で構成される。そして、履歴情報管理プログラム105の各モジュールは、
図7の各部と以下の対応関係を有する。
設定履歴収集部121:設定履歴収集モジュール106
設定履歴検索部131:設定履歴検索モジュール107
つまり、処理装置101は、履歴情報管理プログラム105に従って、設定履歴収集部121および設定履歴検索部131の処理を実行する。
【0057】
また、履歴情報管理プログラム105は、ネットワーク7を介して配信されたり、記憶媒体に記憶されたりして、履歴情報管理装置1にインストールされる。また、各モジュールはそれぞれが独立したプログラムとして構成してもよい。なお、履歴情報管理装置1は、製造システムを管理する生産管理装置として、実現できる。この場合、履歴情報管理プログラム105は、生産管理プログラムの一機能として実現してもよい。
【0058】
また、副記憶装置104は、本実施例で用いられる情報として、設定履歴情報1511、影響範囲特定ルール152、設備情報153および製造物情報154を記憶する。なお、副記憶装置104は、履歴情報管理装置1とは別装置(例えば、データベースシステム)で実現してもよい。この場合、設定履歴情報1511、影響範囲特定ルール152、設備情報153および製造物情報154を、履歴情報管理装置1の副記憶装置104および別装置で分割してもしくは共有してもよい。以上で、実装例の説明を終わるが、履歴情報管理装置1は、入力装置や表示装置を有するPCやタブレットなどのコンピュータで実現してもよい。この場合、入力部11が入力装置に相当し、出力部14が表示装置にそれぞれ相当する。
【0059】
さらに、履歴情報管理装置1は、製造システムを運営する企業のコンピュータとして実現してもよいし、複数企業にサービスを提供する情報サービス企業のコンピュータで実現してもよい。
【0060】
次に、実施例1における情報について説明する。影響範囲特定ルール152、設備情報153および製造物情報154については、
図2と同じものである。但し、これらは省略できる。このため、まず、設定履歴情報1511について説明し、次に、制御装置3の設定履歴情報341について説明する。
【0061】
図11は、実施例1で用いられる設定履歴情報1511を示す図である。設定履歴情報1511は、設定履歴を示し、意味を有する平文データで構成される情報である。このため、設定履歴情報1511は、該当の関連機器、項目名および設定値の各項目を有する。該当の関連機器には、少なくとも設定情報についての入力がされた端末装置2が含まれ、他に、関連する制御装置3、設備4や共有資源設備5を含めてもよい。
【0062】
また、項目名は、設定履歴における重要項目の項目名、つまり、その意味を示す。実施例1では、項目名として、「いつ」、「だれ」、「なに」、「どうした」、「理由」が用いられる。ここで、「いつ」とは、入力された時期を示す。また、「だれ」とは、入力した主体、つまり、実施例1ではオペレータを示す。また、「なに」とは、設定履歴に応じた制御により稼働する設定対象の設備を示す。また、「どうした」とは、設定による対象の設備(なに)に対する制御や稼働の内容を示す。さらに、「理由」は、設定された理由を示す。そして、これら項目名ごとに、その内容を示す設定値が記録されている。
【0063】
次に、
図12は、実施例1で用いられる設定履歴情報341を示す図である。設定履歴情報341は、端末装置2および制御装置3で収集された設定履歴を示す情報である。そして、設定履歴情報341には、各アドレス(記憶領域)に、設定履歴の各設定値が記録される。
図12の例では、アドレス1に時期、アドレス2に入力したオペレータ、アドレス3に設定の対象の設備、アドレス4に設定による制御や稼働の内容、アドレス5に設定の理由、アドレス6に設定が入力された際の気温が記録されている。なお、詳細は後述するが、アドレス1~5には重要設定履歴が記録され、アドレス6以降にはそれ以外(通常設定履歴が記録される。
【0064】
なお、設定履歴情報1511は、設定履歴情報341から重要設定履歴を抽出して作成される。このため、設定履歴情報341には、上述のように通常設定履歴も記録されることになる。但し、設定履歴情報341を作成する段階で、重要設定履歴を選択してこれに限定した情報としてもよい。
【0065】
また、影響範囲特定ルール342は、影響範囲特定ルール152と同様の情報である。このため、その説明は省略する。但し、影響範囲特定ルール152と比較して、影響範囲特定ルール342を記憶する制御装置3に関連する関連機器についてのルールに限定することが望ましい。この
以上で、実施例1で用いられる情報の説明を終わり、続いて、実施例1における処理フローについて説明する。
図13は、実施例1における処理フローを示すフローチャートである。以下、
図13の各ステップについて説明するが、履歴情報管理装置1の処理主体は
図7の構成を主に用いる。
【0066】
まず、ステップS101において、端末装置2の入力部21が、オペレータからのログイン入力を受け付ける。この際、IDやパスワードなど認証用の入力を受け付けることになる。そして、ステップS102において、認証部22が、ステップS101のログイン入力に対する認証処理を行う。この結果、認証されない場合(NG)、ステップS103に遷移する。また、認証された場合(OK)、ステップS104に遷移する。
【0067】
また、ステップS103において、認証部22が、表示部25を介して認証されなかったことを表示する。この結果、オペレータはログイン入力をし直すことができる。また、ステップS104において、認証部22が、通信部24を介して制御装置3に、ログイン入力に基づき、オペレータを識別する識別情報(ID)を通知する。そして、ステップS105において、履歴情報管理装置1の入力部11が、通知されたIDを受け付ける。なお、ステップS104での通知においては、識別情報を暗号化して行ってもよい。また、以降の各実施例における装置間で通知される情報や記憶部15で記憶される情報も暗号化した情報であってもよい。
【0068】
また、ステップS106において、入力部11が、オペレータから表示部25に表示されたメニュー選択画面に対するメニュー選択を受け付ける。ここでは、設定入力メニューが選択されたとする。そして、ステップS107において、入力部11が、オペレータから、制御や稼働について更新(登録ないし変更)を希望する設定値の入力を受け付ける。このために、設定部23が、表示部25に設定値を入力するための設定値入力画面250を表示させる。そして、設定値としては、「なに」:設定の対象の設備、「どうした」:設定による制御や稼働の内容、「理由」:設定の理由とが入力される。これらの設定値は、重要項目を示す重要設定履歴を構成する。ここで、これら各項目は、表示部25の表示画面に設けられた、それぞれを入力するための入力領域に入力されることになる。
【0069】
ここで、
図14Aおよび
図14Bを用いて、実施例1における設定値入力画面250について説明する。実施例1では、設定値入力画面250を、
図14Aに示す設定値入力画面250-aと
図14Bに示す設定値入力画面250-bで構成する。そして、設定値入力画面250-aから設定値入力画面250-bに遷移する。
【0070】
まず、
図14Aにおいて、設定値入力画面250-aは、製造工程表示領域251および関連機器入力領域252で構成される。製造工程表示領域251には、対象としている製造工程が表示される。製造工程表示領域251は、入力部21に対するオペレータからの入力に応じて表示してもよい。
【0071】
また、関連機器入力領域252には、製造工程表示領域251で用いられる設備4や共有資源設備5と、その制御・稼働の内容が対応付けられ表示されている。すなわち、関連機器入力領域252には、「なに」と「どうした」が選択肢として表示される。
図14Aの例では、「設備4-1」に、その稼働内容として90度(で加熱)が示されている。そして、
図14Aでは、設定値の更新(入力)対象として設備4-1の90度が「なに」「どうした」が選択されていることを示している。このように、入力部21から関連機器と制御・稼働の内容の選択を受け付けると、設定部23は、設定値入力画面250-aから設定値入力画面250-bに表示を遷移させる。
【0072】
図14Bにおいて、設定値入力画面250-bは、製造工程表示領域253、関連機器表示領域254、制御・稼働内容入力領域255および理由入力領域256で構成される。まず、製造工程表示領域253は、製造工程表示領域251と同様に、対象としている製造工程が表示される。
【0073】
また、関連機器表示領域254には、設定値入力画面250-bで選択された関連機器(設備4-1)が表示される。また、制御・稼働内容入力領域255は、変更したい制御や稼働内容を入力するための領域であり、変更前と変更後の領域で構成されている。変更前には、関連機器入力領域252で選択された数値が示される。そして、制御・稼働内容入力領域255の変更後に、オペレータから入力された変更後の数値が表示される。
図14Bの例では、(90度から)100度に変更されている。
【0074】
さらに、理由入力領域256は、設定の理由、つまり、「理由」を入力するための領域である。そして、
図14Bでは、選択理由入力領域256-1および自由理由入力領域256-2で構成される。選択理由入力領域256-1は、「理由」として多く用いられる内容が選択肢として列挙される。また、選択理由入力領域256-1の選択肢に該当するものない場合に対応できるように、自由理由入力領域256-2を設けている。自由理由入力領域256-2においては、(その他)にその理由を示す文字を入力できる。なお、選択理由入力領域256-1および自由理由入力領域256-2においては、選択された項目については、チェックボックスの色が変化している。
図14Bでは、動作確認のため (変更時)が選択されている。
【0075】
以上で、設定値入力画面250-aおよび設定値入力画面250-bの説明を終わるが、設定値入力画面250はこれに限定されない。例えば、一画面で設定値入力画面250-aと設定値入力画面250-bに相当する表示を行ってもよい。また、設定値の入力は選択や文字入力(自由入力)のいずれかに統一するなど、上述の例の例に限定されない。また、選択での入力は、プルダウンメニューなどでの選択により入力されてもよい。さらに、設定値として、上記以外のもが入力されてもよい。またさらに、設定値入力画面250-bにおいて、各項目名を「いつ」、「だれ」、「なに」、「どうした」、「理由」を表示してもよい。このようにすることで、オペレータがより直感的に設定値を把握できる。
【0076】
また、ステップS108において、設定部23が、入力された設定値が予め定められた範囲内かを判定する。この予め定められた範囲とは、設備4での性能の範囲、製造物の仕様での範囲や法律などの規則上許容される範囲などで規定できる。この結果、範囲外の場合、ステップS109に遷移する。また、範囲内の場合、ステップS110に遷移する。
【0077】
また、ステップS109において、設定部23が、表示部25を介して入力された設定値が範囲外であることを表示する。この結果、オペレータは設定値を入力し直すことができる。また、ステップS110において、設定部23が、通信部24を介して、制御装置3に、入力された設定値を通知する。この際、設定部23は、入力された設定値それぞれに対して、その項目名を付与する。つまり、設定部23は、設定値に「なに」「どうした」「理由」を付与することが望ましい。このために、設定部23は、設定値が入力された入力領域によりその項目名を特定する。なお、項目名の特定はこの方法に限定されない。例えば、その設定値から設定部23が項目名を判定してもよい。
【0078】
また、ステップS111において、制御装置3の通信部32が、通知された設定値を受け付ける。これを受けて、ステップS112において、設定管理部332が、受け付けられた設定値が品質等に影響し、予め定められた重要項目であるかを判定する。このために、設定管理部332は、影響範囲特定ルール342を用いる。つまり、設定値が影響範囲特定ルール342の条件を満たすかを判定する。この結果、影響しないもしくは上述の重要項目でない場合(NO)、ステップS113に遷移する。また、影響し、重要項目である場合(YES)ステップS114に遷移する。
【0079】
また、ステップS113において、設定管理部332が、重要設定履歴が割当てられたアドレス1~5以外のアドレス6以降のいずれかに、受け付けられた設定値を書き込む。このことで、設定管理部332は、設定値を記憶部15に記憶させることになる。
【0080】
また、ステップS114において、設定管理部332が、受け付けられた設定値(重要項目)に対応するIDおよび時期を特定する。このために、設定管理部332は、計時部31を用いて、設定値が受け付けられた時期もしくはステップS105の受け付け時期を特定し、これを用いる。なお、時期については、端末装置2が受け付けた時間を設定値に付与して(例えば、タイムスタンプ)、これを用いてもよい。また、設定管理部332は、ステップS105で受け付けられたIDを、設定値に対応するIDとして特定する。
【0081】
そして、ステップS115において、設定管理部332が、特定された時期、IDおよび重要項目である設定値を平文データに変換し、重要設定履歴を作成する。つまり、「いつ」、「だれ」、「なに」、「どうした」、「理由」の各項目からなる重要設定履歴が作成される。この作成を受けて、ステップS116において、設定管理部332が、重要設定履歴の各項目を、記憶部34の該当のアドレスに書き込む。つまり、設定管理部332は、「いつ」をアドレス1に、「だれ」をアドレス2に、「なに」をアドレス3に、「どうした」をアドレス4に、「理由」をアドレス5に書き込む。このことで、設定管理部332は、重要設定履歴を記憶部15に記憶させることになる。さらに、重要設定履歴に該当しないものについては、アドレス6以降に書き込まれる。
【0082】
以上の処理により、平文データとして重要設定履歴が制御装置3に記憶されることになる。そして、ステップS117において、履歴情報管理装置1の設定履歴収集部121が、入力部11を介して、複数の制御装置3から重要設定履歴を収集する。また、ステップS18において、設定履歴収集部121が、収集した重要設定履歴を、記憶部15に設定履歴情報1511として記憶する。
【0083】
なお、ステップS117では、設定履歴収集部121は、通常設定履歴を含む設定履歴情報341も収集してもよい。この場合、ステップS118において、設定履歴収集部121は、収集した情報から、通常設定履歴を抽出する。そして、設定履歴収集部121は、重要設定履歴と通常設定履歴を区別して記憶部15に記憶する。
【0084】
以上で、実施例1の説明を終わるが、実施例1はこれに限定されない。例えば、ステップS112のうち、範囲内かの判定は省略してもよい。この場合、受け付けられた設定値が予め定められた重要項目であるかを判定することになる。
【0085】
また、ステップS112~ステップS115の処理のうち、少なくとも一部を端末装置2の設定部23が実行してもよい。
【0086】
実施例1によれば、より重要な設定履歴を選択的に記憶、管理できる。この結果、管理用の情報について、ノイズとなり得る無駄なもの振り分けないし削減でき、有用な情報に絞り込むことができる。この結果、製造物の品質管理や設備4の運転、警報、保守などの管理を効率的に行うことが可能なる。
【実施例2】
【0087】
実施例2では、実施例1で作成された設定履歴情報1511に対する検索を行う例を示す。つまり、実施例2は、収集された製造履歴情報151の一例である平文データ(監査証跡)である設定履歴情報1511の利用に関する例である。このため、実施例2における構成や用いられる情報は、実施例1と同様である(
図7~12参照)。したがって、これらの説明は省略し、以下では実施例2の処理フローについて説明する。
【0088】
図15は、実施例2における処理フローを示すフローチャートである。まず、ステップS201において、管理装置6の入力部が、オペレータからの検索要求を受け付ける。なお、ステップS201の前に、ステップS101~S103と同様の認証処理を実行してもよい。また、ステップS202において、管理装置6の検索部が、表示部に検索用画面を表示させる。この検索用画面には、重要設定履歴の項目ごとに、検索条件入力領域が表示される。この項目は、「いつ」、「だれ」、「なに」、「どうした」、「理由」を示すことになる。つまり、監査証跡となり得る項目が表示される。
【0089】
また、ステップS203において、検索部が、入力部21を介して検索用画面に対してキーワードの入力を受け付ける。この際、重要設定履歴の項目の少なくとも1つに対する入力を受け付ける。また、ステップS204において、検索部が、入力されたキーワードと対応する項目を組合せて検索条件を作成する。そして、ステップS205において、検索部が、管理装置6の通信部を介して履歴検索条件を通知する。
【0090】
また、ステップS206において、履歴情報管理装置1の入力部11が、通知された検索条件を受け付ける。また、ステップS207において、設定履歴検索部131が、検索条件を用いて、設定履歴情報1511を検索する。ステップS206では、設定履歴検索部131は、検索条件として、一部の項目についてのキーワードが設定されている場合、これらを満たす設定履歴情報1511を検索することになる。この場合、他の項目はどのような内容でも無視して検索される。なお、上述のように、設定履歴情報1511は、重要設定履歴情報に特化ないしこれを中心とした情報であるため、この検索はノイズが低減された形で実行される。このため、より効率的な検索が可能となる。
【0091】
また、実施例1や2では、複数の設備4についての設定履歴情報1511が収集される。このため、特定の設備4に限定されない複数の設備4に跨る検索を行うことができる。特に、検索条件のキーワードとして、製造物のロットIDや品種IDを用いることで複数の設備4に跨る検索を行うことができる。このように、実施例1や2では、現場データである設定履歴情報1511の共通化を行うことで情報管理の最適化を図ることができる。
【0092】
また、ステップS208において、設定履歴検索部131は、出力部14を介して管理装置6に、検索結果を通知する。この際、設定履歴検索部131は、検索された設定履歴情報1511それぞれについて検索スコアを算出し、この順でソートした検索結果を通知してもよい。
【0093】
また、ステップS209において、管理装置6の通信部が、通知された検索結果を受け付ける。そして、ステップS210において、管理装置6の検索部が、表示部にこの検索結果を表示する。この際、検索結果は検索スコア順にソートして表示できる。
【0094】
以上で実施例2の説明を終わる。本処理フローによれば、設備4や制御装置3といった関連機器によらず、複数の関連機器に関する設定履歴情報1511を検索できる。なお、実施例2はこの処理フローに限定されない。例えば、管理装置6の処理は、端末装置2で実行してもよい。また、検索については、キーワードでの検索でなく、管理装置6からの要求に応じて、設定履歴検索部131は出力部14を介して設定履歴情報1511の一覧を出力してもよい。これは、設定履歴情報1511は、重要設定履歴情報に特化ないしこれを中心とした情報であるためその数が限定されているため可能となる。この結果、監視証跡である設定履歴情報1511を目視で確認できる。
【実施例3】
【0095】
実施例1および2では、製造履歴情報151として設定履歴情報1511を用いた例である。これに対して、実施例3では、これに限定せず、製造履歴情報151を製造管理に反映する例である。また、この製造管理の反映では、さらに影響範囲特定ルール152を用いる。
【0096】
以下、この製造管理の代表的な例である、共有資源の引当管理や他の製造工程への制御などの反映について
図3を参照して、その概要を説明する。
【0097】
まず、共有資源の引当管理について説明する。
図3の関連機器が共有資源設備5を例とする。
図3に示すように、設備4-3の洗浄が00:00に開始するとする。この場合、洗浄前の残量がxxLであるのに対し、洗浄後の残量をxxLと洗浄に必要な量を差し引いたx1Lとして管理することになる。さらに、このように管理される残量と製造予定を突き合せ、予め設備4-Nで共有資源を必要とする〇〇Lを引き当てる。このように、実施例3の引当管理には、共有資源の残量管理および引当が含まれる。なお、引当自身は省略してもよい。
【0098】
次に、他の製造工程への反映について、
図3の関連機器の制御装置3-1、設備4-1のレコードを参照して説明する。
図3に示すように、設備4-1での稼働(加熱)が10分遅れて開始している。そこで、
図4の影響範囲特定ルール152の関連機器が設備4-1の稼働の条件を満たすため、次の製造工程2の余熱開始を遅延させることになる。以上のように、実施例3では、製造履歴情報151により示される製造履歴を、影響範囲特定ルール152を用いて、製造管理に反映する。このため、影響範囲特定ルール152は、製造管理ルールとも表現できる。以下、実施例3の詳細を説明する。
【0099】
まず、
図16は、実施例3における製造システムを示すシステム構成図である。以下、
図2および
図7との相違点を中心に説明する。実施例2の製造システムを構成する装置の基本機能は、
図2や
図7に示すものと同様である。特に、端末装置2、制御装置3、設備4や共有資源設備5は、
図2や
図7に示すものと同じである。
【0100】
そこで、以下では、実施例3の履歴情報管理装置1について説明する。履歴情報管理装置1は、入力部11、履歴情報収集部12、影響範囲特定部132、製造管理部133、出力部14および記憶部15を有する。まず、入力部11は、
図2と同様に、関連機器から製造履歴情報を受け付ける。また、履歴情報収集部12も
図2と同様に、入力部11を介して、製造履歴情報や稼働状況を収集する。
【0101】
また、影響範囲特定部132は、ある設備4についての製造履歴情報151が収集された場合、この製造履歴情報が示す製造状況による製造システムに対する影響範囲を特定する。この際、影響範囲特定部132は、影響範囲特定ルール152を用いて、影響範囲を特定する。上述の例では、共有資源を使用する設備や遅延される次の製造工程が影響範囲として特定される。
【0102】
また、製造管理部133は、収集された製造履歴情報151に応じて、特定された影響範囲に含まれる設備における製造に対する製造管理処理を実行する。この製造管理処理としては、共有資源の残量の管理、引当、影響範囲に含まれる設備4に対する制御(余熱時間の遅延)が例示される。なお、影響範囲特定部132および製造管理部133は、製造履歴情報151を利用する履歴情報利用部13の一態様である。
【0103】
また、出力部14は、履歴情報利用部13である製造管理部133での処理結果を出力したり、履歴情報収集部12からの指示に応じて関連機器に対して製造履歴情報の収集指示を出力したりする。製造管理部133での処理結果には、残量、引当の可否や制御指令が含まれる。なお、記憶部15は、製造履歴情報151、影響範囲特定ルール152、設備情報153および製造物情報154を記憶する。これらについては、実施形態ないし実施例1で説明済のため、その説明は省略する。
【0104】
以上で、実施例3における機能ブロック図の説明を終わり、続いて、実施例3で主たる処理を実行する履歴情報管理装置1の一実装例について説明する。以下では、実施例1と同様に、履歴情報管理装置1をプログラムに従って処理を実行するサーバで実現する例について説明する。そして、実施例1の実装例(
図10)との相違を中心に説明する。
【0105】
図17は、実施例3における履歴情報管理装置1の実装例を示す構成図である。なお、
図17においても、履歴情報管理装置1は、ネットワーク7を介して接続される管理装置6を記載したが、端末装置2、制御装置3、設備4および共有資源設備5の記載は省略している。さらに、履歴情報管理装置1が、処理装置101、通信装置102、主記憶装置103および副記憶装置104を有し、これらが互いに通信路を介して接続されていることも実施例1と同様である。
【0106】
そして、副記憶装置104が、履歴情報管理プログラム105を記憶することも実施例1と同様である。但し、履歴情報管理プログラム105は、履歴情報収集モジュール108、影響範囲特定モジュール109および製造管理モジュール110を有する。これらはそれぞれ、
図16の履歴情報収集部12、影響範囲特定部132および製造管理部133と対応関係を有する。つまり、処理装置101は、履歴情報管理プログラム105に従って、履歴情報収集部12、影響範囲特定部132および製造管理部133の処理を実行する。また、副記憶装置104は、製造履歴情報151、影響範囲特定ルール152、設備情報153および製造物情報154を記憶する。
【0107】
次に、実施例3における処理フローについて説明する。
図18は、実施例3における処理フローを示すフローチャートである。以下、
図18の各ステップについて説明するが、履歴情報管理装置1の処理主体は
図16の構成を主に用いる。
【0108】
まず、ステップS301において、履歴情報管理装置1の履歴情報収集部12が、入力部11を介して、製造履歴情報151を収集する。そして、ステップS302およびステップS303において、影響範囲が特定される。そして、ステップS304およびステップS305において、製造管理が行われる。以下、各ステップについて説明する。
【0109】
ステップS302において、影響範囲特定部132が、収集された製造履歴情報151を用いて、影響範囲特定ルール152を検索する。また、ステップS303において、影響範囲特定部132が、製造履歴情報151を条件とする製造工程や関連機器といった影響範囲を、影響範囲特定ルール152を用いて特定する。製造履歴情報151として、共有資源設備5の一例である共有資源貯蔵庫に貯蔵された滅菌水の使用が収集された場合、影響範囲特定部132は、影響範囲として保守工程(全設備)、製造工程3(設備4-3)および製造工程N(設備4-N)を特定する。
【0110】
また、ステップS304において、製造管理部133が、特定された製造工程や関連機器に対して実行する管理処理を特定する。例えば、設備4-1(製造工程1)の開始時間が+α遅れた場合、製造管理部133を用いて次の製造工程2(設備4-2)の余熱開示時間をx分遅らせる。また、製造管理部133は、共有資源である滅菌水が利用された場合、その残量から使用分を減少することや引当を特定する。引当とは、滅菌水が減少することで、早目に滅菌水の確保が必要になるため、事前にこれを確保すること意味する。
【0111】
そして、ステップS305において、製造管理部133が、特定された管理処理を実行する。例えば、製造管理部133は、該当の制御装置3に対する制御指令を作成し、これを通知する。この例には、製造管理部133は、特定された設備4に対する制御装置3に対し、稼働開始時間を遅延させる制御指令し、出力部14を介して制御装置3に通知することが含まれる。すなわち、設備4稼働状況に応じて、先読みして下流の他の設備4への制御を実現している。
【0112】
またさらに、製造管理部133は、設備情報153や製造物情報154に制御指令を記録してもよい。
【0113】
また、製造管理部133は、滅菌水の残量を算出し、これに応じて該当の設備4に対する引当を行ってもよい。この例には、製造管理部133は、収集された製造履歴情報151に使用予定時間が含まれ、これに応じた管理処理を実行することが含まれる。すなわち、製造管理部133は、滅菌水の残量を使用予定時間に応じて期間ごとに管理する。そして、製造管理部133は、上流の製造工程ほど優先的に滅菌水を使用できるように、その順位で滅菌水の引当を行う。もしくは、製造管理部133は、重要な製造物の製造工程に優先的に引当てもよい。なお、共有資源の引当として、製造管理部133は、
図3に示すように、製造履歴情報151にその引当の内容(使用予定)を記録してもよいし、設備情報153や製造物情報154に引当の内容を記録してもよい。
【0114】
この結果、実施例3の制御装置3は、製造システムの稼働状況や設定に応じて、より適切に設備4に対する制御が実現できる。すなわち、各設備4では、より適切な製造工程を実行でき、製造システムをより効率的に運用できる。以上で、各実施例の説明を終わるが、本発明はこれらに限定されない。例えば、各実施例の少なくとも一部を組み合わせて実行してもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…履歴情報管理装置、11…入力部、12…履歴情報収集部、121…設定履歴収集部、13…履歴情報利用部、131…設定履歴検索部、132…影響範囲特定部、133…製造管理部、14…出力部、15…記憶部、151…製造履歴情報、1511…設定履歴情報、152…影響範囲特定ルール、153…設備情報、154…製造物情報、2…端末装置、3…制御装置、4…設備、5…共有資源設備、6…管理装置、7…ネットワーク
【要約】
【課題】
収集された設定値や稼働状況を用いて、より適切に製造システムを管理する。
【解決手段】
複数の設備4を有する製造システムにおける製造物を製造に関する製造履歴情報を管理するための履歴情報管理システムにおいて、前記製造物を製造に関する複数の関連機器と、前記複数の関連機器と接続する履歴情報管理装置1を有し、履歴情報管理装置1は、前記複数の関連機器から、前記複数の設備における製造履歴を示す製造履歴情報を収集する履歴情報収集部12と、第1の設備における第1の製造履歴情報が収集された場合、当該第1の製造履歴情報が示す製造履歴による前記製造システムに対する影響範囲を特定する影響範囲特定部132と、前記第1の製造履歴情報に応じて、前記影響範囲に含まれる第2の設備における製造に対する製造管理処理を実行する製造管理部133を有する履歴情報管理システム。
【選択図】
図16